JP2019004013A - コイル基板、および、コイル基板とベース基板との接合構造 - Google Patents

コイル基板、および、コイル基板とベース基板との接合構造 Download PDF

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Abstract

【課題】マザー基板から分離できる取り個数が多く、且つ、ベース基板等への実装後の変形を抑制することで、特性の変化を抑制したコイル基板を実現する。【解決手段】コイル基板101は、基材10、複数のコイルL1,L2,L3,L4、複数の実装電極P1,P2,P3,P4を備える。基材10は、コイルL1,L2,L3,L4のコイル軸AX1,AX2,AX3,AX4の方向(Z軸方向)から視て、外縁から内側に向かって切り欠かれた形状の切り欠き部CH1、第1端部CN1および第2端部CN2を有するU字形である。基板10は、Z軸方向から視て、切り欠き部CH1の重心GPを通り直交する2つの分割線DL1,DL2で4つの領域に分割したときに、2つの領域は、第1端部CN1を有する第1領域E1、および第2端部CN2を有する第2領域E2である。実装電極P1,P2,P3,P4は、少なくとも第1領域E1および第2領域E2に配置される。【選択図】図2

Description

本発明は、コイル基板に関し、特に複数のコイルを備える構造のコイル基板、およびそのコイル基板とベース基板との接合構造に関する。
従来、複数のコイルを備え、電磁力によって駆動する各種アクチュエータが知られている。例えば、特許文献1には、基材と、対になる2組のコイルと、を備えるコイル基板が開示されている。また、特許文献1には、上記コイル基板を、回路が形成されたベース基板に接合する構造が開示されている。上記コイル基板では、対になるコイル同士が同一平面上で向かいあうように配置されているため、対になる2組のコイルから生じる磁界によって、磁石が設けられた可動体の位置は平面方向に移動する。
特開2016−191849号公報
このようなコイル基板は、軽量化等の理由から基材の不要な部分が刳り抜かれることが多い。そのため、特許文献1のように、基材の中心部分が刳り抜かれた形状、すなわちコイル基板の平面形状が環状である場合も多い。また、このようなコイル基板は、マザー基板状態で製造した後に複数の個片に分離する工法が一般的である。
図11は、マザー基板10Mから分離される複数のコイル基板100Aを示した平面図の一例である。図11に示すように、コイル基板の平面形状が環状である場合には、マザー基板10Mを分離して得られるコイル基板の個数は少ない。
これに対して、基材の外縁から内部に向かって切り欠きが形成された形状、すなわちコイル基板の平面形状をU字形(またはC字形)にすることで、マザー基板から分離されるコイル基板の個数(取り個数)を多くすることが考えられる。
図12は、マザー基板10Mから分離される複数のコイル基板100Bを示した平面図の一例である。図12に示すように、上記切り欠きに、U字形(またはC字形)である他のコイル基板100Bの端部が重なるように形成することで、マザー基板10Mから分離して得られるコイル基板の取り個数を多くすることができる。
しかし、上述したような平面形状のコイル基板の場合には、特に基材の端部付近が外力等によって変形しやすくなる。そのため、コイル基板をベース基板等に実装した後、コイル基板が変形することによりコイルの位置が変動して、アクチュエータの動作特性等が変化してしまう虞がある。
本発明の目的は、マザー基板から分離できる取り個数が多く、且つ、ベース基板等への実装後の変形を抑制することで、アクチュエータの動作特性等の変化を抑制したコイル基板を提供することにある。
(1)本発明のコイル基板は、
基材と、
前記基材に形成され、コイル軸を有する複数のコイルと、
前記基材に形成される複数の実装電極と、
を備え、
前記基材は、前記コイル軸方向から視て、外縁から内側に向かって切り欠かれた形状の切り欠き部、第1端部および第2端部を有するU字形であり、
前記コイル軸方向から視て、前記切り欠き部の重心を通り直交する2つの分割線で前記基材を4つの領域に分割したときに、前記4つの領域うちの2つの領域は、前記第1端部を有する第1領域、および前記第2端部を有する第2領域であり、
前記複数の実装電極は、少なくとも前記第1領域および前記第2領域に配置されることを特徴とする。
また、この構成によれば、マザー基板から個片に分離してコイル基板を得るときに、一方のコイル基板の切り欠き部に、U字形である他のコイル基板の第1端部(または、第2端部)が重なるように分離できる。そのため、コイル基板の平面形状が環状である場合に比べて、マザー基板から分離して得られるコイル基板の取り個数を多くできる。
(2)上記(1)において、前記複数の実装電極のうち、前記第1領域および前記第2領域に配置される実装電極の合計面積は、前記4つの領域のうち、前記第1領域および前記第2領域以外の2つの領域に配置される実装電極の合計面積よりも大きいことが好ましい。この構成によれば、特に変形しやすい第1領域および第2領域をベース基板に剛性の高いはんだで接合する面積が、それ以外の領域をベース基板にはんだで接合する面積よりも大きい。そのため、特に変形しやすい第1領域および第2領域の接合後の変形が効果的に抑制され、結果的に複数のコイルの位置ずれに起因した特性変化を効果的に抑制できる。
(3)本発明の、コイル基板とベース基板との接合構造は、
コイル基板と、
複数の電極パッドが形成されるベース基板と、
を備える構造であって、
前記コイル基板は、
基材と、
前記基材に形成され、コイル軸を有する複数のコイルと、
前記基材に形成される複数の実装電極と、
を備え、
前記基材は、前記コイル軸方向から視て、外縁から内側に向かって切り欠かれた形状の切り欠き部、第1端部および第2端部を有するU字形であり、
前記コイル軸方向から視て、前記切り欠き部の重心を通り直交する2つの分割線で前記基材を4つの領域に分割したときに、前記4つの領域うちの2つの領域は、前記第1端部を有する第1領域、および前記第2端部を有する第2領域であり、
前記複数の実装電極は、少なくとも前記第1領域および前記第2領域に配置され、
複数の実装電極と前記複数の電極パッドとは、はんだ接合されていることを特徴とする。
この構成では、コイル基板のうち、特に変形しやすい第1領域および第2領域が、樹脂の接着剤等である絶縁性接合材よりも剛性の高いはんだを介してベース基板に接合されている。そのため、コイル基板の第1領域および第2領域が、絶縁性接合材を介してベース基板に接合される場合に比べて、接合後のコイル基板の変形が抑制される。したがって、この構成により、接合後のコイル基板の変形による複数のコイルの位置ずれが抑制され、上記位置ずれに起因した特性変化を抑制できる。
(4)上記(3)において、前記基材および前記ベース基板は、可撓性を有し、実質的に同一主成分の材料からなることが好ましい。この構成により、コイル基板の基材とベース基板との線膨張係数が略一致する。そのため、コイル基板をベース基板に接合するとき(または接合後)の温度変化による、基材とベース基板との線膨張係数差に起因した反りの発生は抑制される。したがって、この構成により、接合後のコイル基板の変形は抑制され、実装電極と電極パッドとの間の接合不良が抑制される。
(5)上記(3)または(4)において、前記コイル基板と前記ベース基板とが、絶縁性接合材を介して接合されている部分を有することが好ましい。はんだ接合していない部分を、絶縁性接合材を介して接合することにより、接合後のコイル基板の変形をさらに抑制できる。
(6)上記(3)から(5)のいずれかにおいて、前記コイル基板または前記ベース基板は、前記第1領域および前記第2領域の位置を固定する変形防止機構を備えることが好ましい。この構成により、特に変形しやすい第1領域および第2領域の位置が変形防止機構により固定されるため、変形防止機構を備えていない場合に比べて、接合後のコイル基板101の変形は抑制される。
(7)上記(6)において、前記変形防止機構は、前記ベース基板に設けられ、前記コイル基板の前記第1領域および前記第2領域が係合する複数の突起部により構成されていてもよい。
(8)上記(6)または(7)において、前記変形防止機構は、前記コイル基板に設けられた突起部と、前記ベース基板に設けられ、前記突起部が係合する凹部と、で構成されていてもよい。
(9)上記(6)または(7)において、前記変形防止機構は、前記ベース基板に設けられた突起部と、前記コイル基板に設けられ、前記突起部が係合する凹部と、で構成されていてもよい。
(10)上記(3)から(9)のいずれかにおいて、前記複数のコイルに接続されるドライバーICを備え、前記ドライバーICは、少なくとも一部が前記切り欠き部に重なるように配置されていることが好ましい。この構成により、ドライバーICを切り欠き部の外側に配置した場合に比べて、コイル基板およびドライバーICをベース基板に接合するための専有面積を小さくできる(省スペース化できる)。また、この構成により、ドライバーICをコイル基板(基材)の第2主面に実装した場合に比べて、コイル基板とベース基板を接合した部分を小型化(低背化)できる。
本発明によれば、マザー基板から分離できる取り個数が多く、且つ、ベース基板等への実装後の変形を抑制することで、アクチュエータの動作特性等の変化を抑制したコイル基板を実現できる。
図1は第1の実施形態に係るコイル基板101の外観斜視図である。 図2(A)はコイル基板101の平面図であり、図2(B)はコイル基板101の底面図である。 図3はコイル基板101の分解平面図である。 図4(A)は第1の実施形態に係る電子機器301のうち、コイル基板101とベース基板201とが接合した部分を示す外観斜視図であり、図4(B)は電子機器301のうち、コイル基板101とベース基板201とが接合した部分を示す分解斜視図である。 図5は第2の実施形態に係るコイル基板102の外観斜視図である。 図6(A)はコイル基板102の平面図であり、図6(B)はコイル基板102の底面図である。 図7はコイル基板102の分解平面図である。 図8(A)は、第3の実施形態に係る電子機器303のうち、コイル基板103とベース基板202とが接合した部分を示す外観斜視図であり、図8(B)は電子機器303のうち、コイル基板103とベース基板202とが接合した部分を示す分解斜視図である。 図9(A)は、第4の実施形態に係る電子機器304のうち、コイル基板103とベース基板203とが接合した部分を示す外観斜視図であり、図9(B)は電子機器304のうち、コイル基板103とベース基板203とが接合した部分を示す分解斜視図である。 図10は、電子機器304のうち、コイル基板103とベース基板203とが接合した部分を示す平面図である。 図11は、マザー基板10Mから分離される複数のコイル基板100Aを示した平面図の一例である。 図12は、マザー基板10Mから分離される複数のコイル基板100Bを示した平面図の一例である。
以降、図を参照して幾つかの具体的な例を挙げて、本発明を実施するための複数の形態を示す。各図中には同一箇所に同一符号を付している。要点の説明または理解の容易性を考慮して、便宜上実施形態を分けて示すが、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能である。第2の実施形態以降では第1の実施形態と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については実施形態毎には逐次言及しない。
《第1の実施形態》
図1は第1の実施形態に係るコイル基板101の外観斜視図である。図2(A)はコイル基板101の平面図であり、図2(B)はコイル基板101の底面図である。図3はコイル基板101の分解平面図である。図1、図2(A)および図2(B)では、コイルL1,L2,L3,L4の位置を破線で示している。また、図3では、構造を分かりやすくするため、コイル導体をドットパターンで示している。
コイル基板101は、基材10、複数のコイルL1,L2,L3,L4、複数の実装電極P1,P2,P3,P4を備える。
基材10は、平面形状がU字形(またはC字形)の絶縁性平板である。図2(A)等に示すように、基材10は、Z軸方向から視て、外縁から内側に向かって切り欠かれた矩形状の切り欠き部CH1、第1端部CN1および第2端部CN2を有する。また、基材10は、互いに対向する第1主面VS1および第2主面VS2を有する。コイル基板101では、この第1主面VS1が実装面である。
複数の実装電極P1,P2,P3,P4は、実装面である第1主面VS1に形成された矩形の導体である。後に詳述するように、実装電極P1,P3は、互いに接続されて対となった複数のコイルL1,L3に接続される。また、実装電極P2,P4は、互いに接続されて対となった複数のコイルL3,L4に接続される。
図3に示すように、基材10は、保護層1、樹脂材料(熱可塑性樹脂)からなる複数の絶縁基材層11,12,13,14,15が順に積層されて形成される。複数の絶縁基材層11,12,13,14,15は、平面形状がU字形(または、C字形)のシートであり、例えば液晶ポリマーを主成分とするシートである。保護層1は例えばカバーレイフィルム、またはソルダーレジスト膜である。
絶縁基材層11の裏面には、実装電極P1,P2,P3,P4および導体32,41が形成されている。実装電極P1,P2は、絶縁基材層11の第1端(図3における絶縁基材層11の左下端部)に配置された矩形の導体である。実装電極P3,P4は、絶縁基材層11の第2端(図3における絶縁基材層11の右下端部)に配置された矩形の導体である。導体41は、概略的にY軸方向に延伸する線状導体である。導体32は、概略的にY軸方向に延伸する線状導体である。実装電極P1,P2,P3,P4および導体32,41は、例えばCu箔等による導体パターンである。
また、絶縁基材層11には、層間接続導体V11,V21,V35,V45が形成されている。
絶縁基材層12の表面には、コイル導体CP11,CP21,CP34,CP44が形成されている。コイル導体CP11は、絶縁基材層12の第1端(図3における絶縁基材層12の左下端部)に配置された約1ターンのループ状導体である。コイル導体CP21は、絶縁基材層12の第1角(図3における絶縁基材層12の左上角部)に配置された約1ターンのループ状導体である。コイル導体CP34は、絶縁基材層12の第2角(図3における絶縁基材層12の右上角部)に配置された約1ターンのループ状導体である。コイル導体CP44は、絶縁基材層12の第2端(図3における絶縁基材層12の右下端部)に配置された約1ターンのループ状導体である。コイル導体CP11,CP21,CP34,CP44は、例えばCu箔等による導体パターンである。
また、絶縁基材層12には、層間接続導体V12,V22,V34,V44が形成されている。
絶縁基材層13の表面には、コイル導体CP12,CP22,CP33,CP43が形成されている。コイル導体CP12は、絶縁基材層13の第1端(図3における絶縁基材層13の左下端部)に配置された約1ターンのループ状導体である。コイル導体CP22は、絶縁基材層13の第1角(図3における絶縁基材層13の左上角部)に配置された約1ターンのループ状導体である。コイル導体CP33は、絶縁基材層13の第2角(図3における絶縁基材層13の右上角部)に配置された約1ターンのループ状導体である。コイル導体CP43は、絶縁基材層13の第2端(図3における絶縁基材層13の右下端部)に配置された約1ターンのループ状導体である。コイル導体CP12,CP22,CP33,CP43は、例えばCu箔等による導体パターンである。
また、絶縁基材層13には、層間接続導体V13,V23,V33,V43が形成されている。
絶縁基材層14の表面には、コイル導体CP13,CP23,CP32,CP42が形成されている。コイル導体CP13は、絶縁基材層14の第1端(図3における絶縁基材層14の左下端部)に配置された約1ターンのループ状導体である。コイル導体CP23は、絶縁基材層14の第1角(図3における絶縁基材層14の左上角部)に配置された約1ターンのループ状導体である。コイル導体CP32は、絶縁基材層14の第2角(図3における絶縁基材層14の右上角部)に配置された約1ターンのループ状導体である。コイル導体CP42は、絶縁基材層14の第2端(図3における絶縁基材層14の右下端部)に配置された約1ターンのループ状導体である。コイル導体CP13,CP23,CP32,CP42は、例えばCu箔等による導体パターンである。
また、絶縁基材層14には、層間接続導体V14,V24,V32,V42が形成されている。
絶縁基材層15の表面には、コイル導体CP14,CP24,CP31,CP41および導体31,42が形成されている。コイル導体CP14は、絶縁基材層15の第1端(図3における絶縁基材層15の左下端部)に配置された約1ターンのループ状導体である。コイル導体CP24は、絶縁基材層15の第1角(図3における絶縁基材層15の左上角部)に配置された約1ターンのループ状導体である。コイル導体CP31は、絶縁基材層15の第2角(図3における絶縁基材層15の右上角部)に配置された約1ターンのループ状導体である。コイル導体CP41は、絶縁基材層15の第2端(図3における絶縁基材層15の右下端部)に配置された約1ターンのループ状導体である。導体31は、コイル導体CP14とコイル導体CP31とを接続する線状導体である。導体42はコイル導体CP24とコイル導体CP41とを接続する線状導体である。コイル導体CP14,CP24,CP31,CP41、導体31,42は、例えばCu箔等による導体パターンである。
また、絶縁基材層15には、層間接続導体V15,V25,V31,V41が形成されている。
保護層1は、平面形状が絶縁基材層11と略同じであり、絶縁基材層11の裏面に積層される。保護層1は、実装電極P1,P2,P3,P4の位置に応じた位置に、それぞれ開口部AP1,AP2,AP3,P4を有する。そのため、絶縁基材層11の裏面に保護層1が形成(積層)されることにより、実装電極P1,P2,P3,P4が基材10の第1主面VS1に露出する。
コイル導体CP11の第2端は、層間接続導体V13を介してコイル導体CP12の第1端に接続される。コイル導体CP12の第2端は、層間接続導体V14を介してコイル導体CP13の第1端に接続される。コイル導体CP13の第2端は、層間接続導体V15を介してコイル導体CP14の第1端に接続される。このように、コイル導体CP11,CP12,CP13,CP14および層間接続導体V13,V14,V15によって、ヘリカル状のコイルL1が構成される。コイルL1は、Z軸方向に沿ったコイル軸AX1を有する。
コイル導体CP21の第2端は、層間接続導体V23を介してコイル導体CP22の第1端に接続される。コイル導体CP22の第2端は、層間接続導体V24を介してコイル導体CP23の第1端に接続される。コイル導体CP23の第2端は、層間接続導体V25を介してコイル導体CP24の第1端に接続される。このように、コイル導体CP21,CP22,CP23,CP24および層間接続導体V23,V24,V25によって、ヘリカル状のコイルL2が構成される。コイルL2は、Z軸方向に沿ったコイル軸AX2を有する。
コイル導体CP31の第2端は、層間接続導体V31を介してコイル導体CP32の第1端に接続される。コイル導体CP32の第2端は、層間接続導体V32を介してコイル導体CP33の第1端に接続される。コイル導体CP33の第2端は、層間接続導体V33を介してコイル導体CP34の第1端に接続される。このように、コイル導体CP31,CP32,CP33,CP34および層間接続導体V31,V32,V33によって、ヘリカル状のコイルL3が構成される。コイルL3は、Z軸方向に沿ったコイル軸AX3を有する。
コイル導体CP41の第2端は、層間接続導体V41を介してコイル導体CP42の第1端に接続される。コイル導体CP42の第2端は、層間接続導体V42を介してコイル導体CP43の第1端に接続される。コイル導体CP43の第2端は、層間接続導体V43を介してコイル導体CP44の第1端に接続される。このように、コイル導体CP41,CP42,CP43,CP44および層間接続導体V41,V42,V43によって、ヘリカル状のコイルL4が構成される。コイルL4は、Z軸方向に沿ったコイル軸AX4を有する。
実装電極P1,P3は、互いに接続されて対となるコイルL1,L3にそれぞれ接続されている。具体的には、実装電極P1が、層間接続導体V11,V12を介してコイルL1の第1端(コイル導体CP11の第1端)に接続される。コイルL1の第2端(コイル導体CP14の第2端)が、導体31を介して、コイルL3の第1端(コイル導体CP31の第1端)に接続される。コイルL3の第2端(コイル導体CP34の第2端)は、層間接続導体V34,V35および導体32を介して、実装電極P3に接続される。
また、実装電極P2,P4は、互いに接続されて対となるコイルL2,L4にそれぞれ接続されている。具体的には、実装電極P2が、導体41および層間接続導体V21,V22を介して、コイルL2の第1端(コイル導体CP21の第1端)に接続される。コイルL2の第2端(コイル導体CP24の第2端)は導体42を介して、コイルL4の第1端(コイル導体CP41の第1端)に接続される。コイルL4の第2端(コイル導体CP44の第2端)は、層間接続導体V44,V45を介して、実装電極P4に接続される。
また、コイル基板101は、図2(B)に示すように、4つの領域に分割される。具体的には、基材10は、コイル軸AX1,AX2,AX3,AX4の方向(Z軸方向)から視て、切り欠き部CH1の重心GPを通り直交する2つの分割線DL1,DL2で、第1領域E1、第2領域E2、第3領域E3および第4領域E4に分割される。第1領域E1は第1端部CN1を有した領域であり、第2領域E2は第2端部CN2を有する領域である。
本実施形態では、図2(B)に示すように、実装電極P1,P2が第1領域E1(第1端部CN1)に配置されており、実装電極P3,P4が第2領域E2(第2端部CN2)に配置されている。そのため、第1領域E1および第2領域E2に配置される実装電極P1,P2,P3,P4の合計面積は、第1領域E1および第2領域E2以外の2つの領域(第3領域E3および第4領域E4)に配置される実装電極の合計面積よりも大きい。
コイル基板101は、例えば次のように用いられる。図4(A)は第1の実施形態に係る電子機器301のうち、コイル基板101とベース基板201とが接合した部分を示す外観斜視図であり、図4(B)は電子機器301のうち、コイル基板101とベース基板201とが接合した部分を示す分解斜視図である。
電子機器301は、コイル基板101およびベース基板201等を備える。ベース基板201は、給電回路が形成された基板、または給電回路等に接続された基板である。
ベース基板201は、樹脂材料(熱可塑性樹脂)からなる平面形状が矩形の絶縁性平板であり、第1面PS1を有する。ベース基板201の第1面PS1には、複数の電極パッドEP1,EP2,EP3,EP4が形成されている。ベース基板201は、例えば液晶ポリマーを主成分とする平板である。複数の電極パッドEP1,EP2,EP3,EP4は、例えばCu箔等の導体パターンである。
図2(A)および図2(B)に示すように、コイル基板101の実装面(基材10の第1主面VS1)は、ベース基板201の第1面PS1は接合されている。コイル基板101の複数の実装電極P1,P2,P3,P4と、複数の電極パッドEP1,EP2,EP3,EP4とは、はんだ接合されている。このようにして、コイル基板101は、ベース基板201に形成される回路(例えば給電回路)に接続される。
また、図示を省略するが、電子機器301は、コイル基板101とベース基板201とが絶縁性接合材を介して接合している部分(例えば、ベース基板201の第1面PS1と、基材10の第1主面VS1とが対向する部分)を有する。この絶縁性接合材は、例えばエポキシ系熱硬化性樹脂の接着剤、またはアンダーフィル等である。
電子機器301は、例えば次のように用いられる。実装電極P1と実装電極P2との間に所定の電流を流すと(互いに接続されて対になったコイルL1,L3に所定の電流を流すと)、コイルL1,L3から磁界が放射される。また、実装電極P2と実装電極P4との間に所定の電流を流すと(互いに接続されて対になったコイルL2,L4に所定の電流を流すと)、コイルL2,L4から磁界が放射される。電子機器301では、これらコイルL1,L3から放射される磁界、およびコイルL2,L4から放射される磁界によって、磁石が設けられた可動体の位置を平面方向に移動させることができる。
本実施形態に係るコイル基板101および電子機器301によれば、次のような効果を奏する。
(a)本発明のコイル基板は、外縁から内側に向かって切り欠かれた形状の切り欠き部CH1を有するU字形であるため、第1端部CN1近傍(第1領域E1)および第2端部CN2近傍(第2領域E2)が特に変形しやすい(図2(A)における白抜き矢印を参照)。但し、本実施形態に係るコイル基板101では、複数の実装電極P1,P2,P3,P4が、第1端部CN1を有する第1領域E1と、第2端部CN2を有する第2領域E2とに配置されている。そして、第1領域E1および第2領域E2に配置された複数の実装電極P1,P2,P3,P4を、ベース基板201に形成された複数の電極パッドEP1,EP2,EP3,EP4にはんだ接合することにより、コイル基板101がベース基板201に接合される。つまり、コイル基板101のうち、特に変形しやすい第1領域E1および第2領域E2が、樹脂の接着剤等である絶縁性接合材よりも剛性の高いはんだを介してベース基板201に接合されている。そのため、コイル基板101の第1領域E1および第2領域E2が、絶縁性接合材を介してベース基板201に接合される場合に比べて、接合後のコイル基板101の変形は抑制される。したがって、この構成により、接合後のコイル基板101の変形による複数のコイルL1,L2,L3,L4の位置ずれが抑制され、上記位置ずれに起因した特性変化を抑制できる。
(b)また、本実施形態では、第1領域E1および第2領域E2に配置される実装電極の合計面積が、第3領域E3および第4領域E4に配置される実装電極の合計面積よりも大きい。この構成によれば、特に変形しやすい第1領域E1および第2領域E2をベース基板201に剛性の高いはんだで接合する面積が、それ以外の領域(第3領域E3および第4領域E4)をベース基板201にはんだで接合する面積よりも大きい。そのため、特に変形しやすい第1領域E1および第2領域E2の接合後の変形が効果的に抑制され、結果的に複数のコイルの位置ずれに起因した特性変化を効果的に抑制できる。
なお、本実施形態に係るコイル基板101では、複数の実装電極P1,P2,P3,P4が第1領域E1および第2領域E2のみに配置された例を示したが、この構成に限定されるものではない。複数の実装電極は、第1領域E1および第2領域E2以外の2つの領域(第3領域E3および第4領域E4)に配置されていてもよい。その場合でも、第1領域E1および第2領域E2に配置される実装電極の合計面積を、第3領域E3および第4領域E4に配置される実装電極の合計面積よりも大きいことが好ましい。
(c)また、本実施形態では、上述したように、コイル基板101とベース基板201とが絶縁性接合材を介して接合している部分を有する。はんだ接合していない部分を、絶縁性接合材を介して接合することにより、接合後のコイル基板101の変形をさらに抑制できる。なお、接合後のコイル基板101の変形を抑制するため、コイル基板101は、第1主面VS1のうち複数の実装電極P1,P2,P3,P4以外の部分全体が、絶縁性接合材を介してベース基板201に接合されることが好ましい。
(d)また、本実施形態では、コイル基板101(基材10)が、Z軸方向から視て、外縁から内側に向かって切り欠かれた形状の切り欠き部CH1を有するU字形である。この構成によれば、マザー基板から個片に分離してコイル基板を得るときに、一方のコイル基板の切り欠き部CH1に、U字形である他のコイル基板の第1端部CN1(または、第2端部CN2)が重なるように分離できる(図11および図12を参照)。そのため、コイル基板の平面形状が環状である場合に比べて、マザー基板から分離して得られるコイル基板の取り個数を多くできる。
(e)本実施形態では、基材10およびベース基板201が、可撓性を有する同一主成分の材料(例えば、液晶ポリマー)からなる。この構成により、コイル基板101の基材10とベース基板201との線膨張係数が略一致する。そのため、コイル基板101をベース基板201に接合するとき(または接合後)の温度変化による、基材10とベース基板201との線膨張係数差に起因した反りの発生は抑制される。したがって、この構成により、接合後のコイル基板101の変形は抑制され、実装電極P1,P2,P3,P4と電極パッドEP1,EP2,EP3,EP4との間の接合不良が抑制される。
《第2の実施形態》
第2の実施形態では、コイルの数が第1の実施形態とは異なる例を示す。
図5は第2の実施形態に係るコイル基板102の外観斜視図である。図6(A)はコイル基板102の平面図であり、図6(B)はコイル基板102の底面図である。図7はコイル基板102の分解平面図である。図5、図6(A)および図6(B)では、コイルL1,L2,L3の位置を破線で示している。また、図7では、構造を分かりやすくするため、コイル導体をドットパターンで示している。
コイル基板102は、基材10、複数のコイルL1,L2,L3、複数の実装電極P1,P2,P3,P4を備える。
コイル基板102は、3つのコイルを備える点で、第1の実施形態に係るコイル基板101と異なる。その他の構成については、コイル基板101と実質的に同じである。
以下、第1の実施形態に係るコイル基板101と異なる部分について説明する。
図7に示すように、基材10は、保護層1、樹脂材料(熱可塑性樹脂)からなる複数の絶縁基材層11,12,13,14,15が順に積層されて形成される。複数の絶縁基材層11,12,13,14,15は、第1の実施形態で説明したものと同じである。
絶縁基材層11の裏面には、実装電極P1,P2,P3,P4、導体31,33,41,45が形成されている。実装電極P1,P2,P3,P4は、第1の実施形態で説明したものと実質的に同じである。導体31,33,41,45は、Y軸方向に延伸する線状導体である。導体31,33,41,45は、例えばCu箔等による導体パターンである。
また、絶縁基材層11には、層間接続導体V11,V21,V30,V35が形成されている。
絶縁基材層12の表面には、コイル導体CP11,CP21,CP34および導体44が形成されている。コイル導体CP11は、絶縁基材層12の第1辺(図7における絶縁基材層12の左辺)中央付近に配置された約1ターンのループ状導体である。コイル導体CP21は、絶縁基材層12の第2辺(図7における絶縁基材層12の上辺)中央付近に配置された約1ターンのループ状導体である。コイル導体CP34は、絶縁基材層12の第3辺(図7における絶縁基材層12の右辺)中央付近に配置された約1ターンのループ状導体である。導体44は、コイル導体CP21近傍に配置される矩形の導体である。導体44は、例えばCu箔等による導体パターンである。
また、絶縁基材層12には、層間接続導体V12,V22,V29,V34が形成されている。
絶縁基材層13の表面には、コイル導体CP12,CP22,CP33および導体43が形成されている。コイル導体CP12は、絶縁基材層13の第1辺(図7における絶縁基材層13の左辺)中央付近に配置された約1ターンのループ状導体である。コイル導体CP22は、絶縁基材層13の第2辺(図7における絶縁基材層13の上辺)中央付近に配置された約1ターンのループ状導体である。コイル導体CP33は、絶縁基材層13の第3辺(図7における絶縁基材層13の右辺)中央付近に配置された約1ターンのループ状導体である。導体43は、コイル導体CP22近傍に配置される矩形の導体である。導体43は、例えばCu箔等の導体パターンである。
また、絶縁基材層13には、層間接続導体V13,V23,V28,V33が形成されている。
絶縁基材層14の表面には、コイル導体CP13,CP23,CP32および導体42が形成されている。コイル導体CP13は、絶縁基材層14の第1辺(図7における絶縁基材層14の左辺)中央付近に配置された約1ターンのループ状導体である。コイル導体CP23は、絶縁基材層14の第2辺(図7における絶縁基材層14の上辺)中央付近に配置された約1ターンのループ状導体である。コイル導体CP32は、絶縁基材層14の第3辺(図7における絶縁基材層14の右辺)中央付近に配置された約1ターンのループ状導体である。導体42は、コイル導体CP23近傍に配置される矩形の導体である。導体44は、例えばCu箔等の導体パターンである。
また、絶縁基材層14には、層間接続導体V14,V24,V27,V32が形成されている。
絶縁基材層15の表面には、コイル導体CP14,CP24,CP31および導体32が形成されている。コイル導体CP14は、絶縁基材層15の第1辺(図7における絶縁基材層15の左辺)中央付近に配置された約1ターンのループ状導体である。コイル導体CP24は、絶縁基材層15の第2辺(図7における絶縁基材層15の上辺)中央付近に配置された約1ターンのループ状導体である。コイル導体CP31は、絶縁基材層15の第3辺(図7における絶縁基材層15の右辺)中央付近に配置された約1ターンのループ状導体である。導体32は、コイル導体CP14とコイル導体CP31とを接続する線上導体である。導体32は、例えばCu箔等による導体パターンである。
また、絶縁基材層15には、層間接続導体V15,V25,V26,V31が形成されている。
保護層1は、第1の実施形態で説明したものと同じである。
コイル導体CP11の第2端は、層間接続導体V13を介してコイル導体CP12の第1端に接続される。コイル導体CP12の第2端は、層間接続導体V14を介してコイル導体CP13の第1端に接続される。コイル導体CP13の第2端は、層間接続導体V15を介してコイル導体CP14の第1端に接続される。このように、コイル導体CP11,CP12,CP13,CP14および層間接続導体V13,V14,V15によって、ヘリカル状のコイルL1が構成される。コイルL1は、Z軸方向に沿ったコイル軸AX1を有する。
コイル導体CP21の第2端は、層間接続導体V23を介してコイル導体CP22の第1端に接続される。コイル導体CP22の第2端は、層間接続導体V24を介してコイル導体CP23の第1端に接続される。コイル導体CP23の第2端は、層間接続導体V25を介してコイル導体CP24の第1端に接続される。このように、コイル導体CP21,CP22,CP23,CP24および層間接続導体V23,V24,V25によって、ヘリカル状のコイルL2が構成される。コイルL2は、Z軸方向に沿ったコイル軸AX2を有する。
コイル導体CP31の第2端は、層間接続導体V31を介してコイル導体CP32の第1端に接続される。コイル導体CP32の第2端は、層間接続導体V32を介してコイル導体CP33の第1端に接続される。コイル導体CP33の第2端は、層間接続導体V33を介してコイル導体CP34の第1端に接続される。このように、コイル導体CP31,CP32,CP33,CP34および層間接続導体V31,V32,V33によって、ヘリカル状のコイルL3が構成される。コイルL3は、Z軸方向に沿ったコイル軸AX3を有する。
実装電極P1,P4は、互いに接続されて対となるコイルL1,L3にそれぞれ接続されている。具体的には、実装電極P1が、導体31および層間接続導体V11,V12を介して、コイルL1の第1端(コイル導体CP11の第1端)に接続される。コイルL1の第2端(コイル導体CP14の第2端)が、導体32を介してコイルL3の第1端(コイル導体CP31の第1端)に接続される。コイルL3の第2端(コイル導体CP34の第2端)は、層間接続導体V34,V35および導体33を介して、実装電極P4に接続される。
また、実装電極P2,P3は、コイルL2に接続されている。具体的には、実装電極P2が、導体41および層間接続導体V21,V22を介して、コイルL2の第1端(コイル導体CP21の第1端)に接続される。コイルL2の第2端(コイル導体CP24の第2端)は、導体42,43,44,45および層間接続導体V26,V27,V28,V29,V30を介して、実装電極P3に接続される。
また、コイル基板102は、図6(B)に示すように、4つの領域に分割される。具体的には、基材10は、コイル軸AX1,AX2,AX3の方向(Z軸方向)から視て、切り欠き部CH1の重心GPを通り直交する2つの分割線DL1,DL2で、第1領域E1、第2領域E2、第3領域E3および第4領域E4に分割される。第1領域E1は第1端部CN1を有した領域であり、第2領域E2は第2端部CN2を有する領域である。
本実施形態では、図6(B)に示すように、実装電極P1,P2が第1領域E1(第1端部CN1)に配置されており、実装電極P3,P4が第2領域E2(第2端部CN2)に配置されている。
このような構成でも、コイル基板102の基本的な構成は、第1の実施形態に係るコイル基板101と同じであり、コイル基板101と同様の作用・効果を奏する。
《第3の実施形態》
第3の実施形態では、ベース基板が変形防止機構を備える例を示す。
図8(A)は、第3の実施形態に係る電子機器303のうち、コイル基板103とベース基板202とが接合した部分を示す外観斜視図であり、図8(B)は電子機器303のうち、コイル基板103とベース基板202とが接合した部分を示す分解斜視図である。
電子機器303は、コイル基板103およびベース基板202等を備える。
コイル基板103は、基材が有する切り欠き部の形状が、第1の実施形態に係るコイル基板101と異なる。また、コイル基板103は、実装電極の構成がコイル基板101と異なる。その他の構成については、コイル基板101と実質的に同じである。以下、第1の実施形態に係るコイル基板101と異なる部分について説明する。
コイル基板103は、基材10A、複数のコイルL1,L2,L3,L4、複数の実装電極P1,P2,P3,P4を備える。
基材10Aは、図8(A)および図8(B)に示すように、Z軸方向から視て、外縁から内側に向かって切り欠かれた十字形の切り欠き部CH2、第1端部CN1および第2端部CN2を有する。複数の実装電極P1,P2,P3,P4は、第1主面VS1と基材10Aの端面とに形成された矩形の導体である。実装電極P1,P3は、互いに接続されて対となった複数のコイルL1,L3に接続されている。実装電極P2,P4は、互いに接続されて対となった複数のコイルL3,L4に接続されている。
ベース基板202は、複数の突起部B1,B2,B3,B4が第1面PS1に形成されている点で、第1の実施形態に係るベース基板201と異なる。また、ベース基板202は、複数の電極パッドの構成がベース基板201と異なる。その他の構成については、ベース基板201と実質的に同じである。
本実施形態に係る突起部B1,B2,B3,B4は、ベース基板202と同一主成分の材料からなる直方体状の凸部である。複数の突起部B1,B2,B3,B4は、X軸方向に配列されている。
これら突起部B1,B2,B3,B4は、本発明における「変形防止機構」の一例である。「変形防止機構」は、第1領域の位置および第2領域の位置を固定するための機構である。
ベース基板201の第1面PS1および突起部B1,B2,B3,B4の端面には、複数の電極パッドEP1,EP2,EP3,EP4が形成されている。具体的には、電極パッドEP1が、第1面PS1と突起部B1の端面とに形成されている。電極パッドEP2は、第1面PS1と突起部B2の端面とに形成されている。電極パッドEP3は、第1面PS1と突起部B3の端面とに形成されている。電極パッドEP4は、第1面PS1と突起部B4の端面とに形成されている。
図8(A)および図8(B)に示すように、コイル基板103の実装面(基材10Aの第1主面VS1)が、ベース基板202の第1面PS1に接合されたとき、基材10Aの第1領域(第1端部CN1)のX軸方向の端面が、突起部B1,B2に挟まれて係合する。そのため、第1領域の位置は、突起部B1,B2により固定される。
また、コイル基板103の実装面がベース基板202の第1面PS1に接合されたとき、基材10Aの第2領域(第2端部CN2)のX軸方向の端面が、突起部B3,B4に挟まれて係合する。そのため、第2領域の位置は、突起部B3,B4により固定される。
本実施形態に係る電子機器303によれば、第1の実施形態で述べた効果以外に、次のような効果を奏する。
(f)本実施形態では、ベース基板202が変形防止機構を備える。具体的には、コイル基板103の第1領域および第2領域が係合する複数の突起部B1,B2,B3,B4が、ベース基板202に設けられている。この構成により、特に変形しやすい第1領域および第2領域の位置が変形防止機構により固定されるため、変形防止機構を備えていない場合に比べて、接合後のコイル基板101の変形(特にXY平面方向の変形)は抑制される。
(g)また、本実施形態では、突起部B1,B2,B3,B4がベース基板202の一部で形成されている。そのため、別部材を取り付けて変形防止機構を設ける必要がなく、製造が容易で低コスト化が図れる。
(h)また、本実施形態では、実装電極P1,P2,P3,P4が、第1主面VS1および基材10Aの端面にて、ベース基板202の電極パッドEP1,EP2,EP3,EP4にはんだ接合されている。この構成により、実装電極P1,P2,P3,P4が、第1主面VS1のみで電極パッドEP1,EP2,EP3,EP4にはんだ接合される場合に比べて、接合強度が高まり、接合後のコイル基板101の変形がさらに抑制される。
なお、本実施形態では、X軸方向に配列された直方体状の4つの突起部B1,B2,B3,B4によって、第1領域および第2領域の位置を固定する例を示したが、この構成に限定されるものではない。変形防止機構を構成する突起部の形状、配置、個数等は、本発明の作用効果を奏する範囲において適宜変更可能である。
また、本実施形態では、ベース基板202に設けられた、コイル基板103の第1領域および第2領域が係合する複数の突起部B1,B2,B3,B4で変形防止機構が構成される例を示したが、変形防止機構の構成はこれに限定されるものではない。例えば、コイル基板に設けられた突起部と、ベース基板に設けられ、上記突起部に係合する凹部と、で変形防止機構が構成されていてもよい。すなわち、コイル基板の突起部と、ベース基板の凹部とを嵌合させることにより、第1領域の位置および第2領域の位置を固定してもよい。また、例えば、ベース基板に設けられた突起部と、コイル基板に設けられ、上記突起部が係合する凹部と、で変形防止機構が構成されていてもよい。このように、コイル基板およびベース基板が変形防止機構を備える構成でもよい。
《第4の実施形態》
第4の実施形態では、ベース基板の第1面にドライバーICが実装される例を示す。
図9(A)は、第4の実施形態に係る電子機器304のうち、コイル基板103とベース基板203とが接合した部分を示す外観斜視図であり、図9(B)は電子機器304のうち、コイル基板103とベース基板203とが接合した部分を示す分解斜視図である。図10は、電子機器304のうち、コイル基板103とベース基板203とが接合した部分を示す平面図である。なお、図10では、構造を分かりやすくするため、コイル基板103を透明で示している。
電子機器304は、コイル基板103、ベース基板203およびドライバーIC51等を備える。コイル基板103は、第3の実施形態で説明したものと同じである。ドライバーIC51は、複数のコイルL1,L2,L3,L4への給電を制御することにより、磁石が取り付けられた可動体の可動を行うものである。
電子機器304は、ベース基板203の第1面PS1にドライバーICが実装されている点で、第3の実施形態に係る電子機器303と異なる。その他の構成については、電子機器303と実質的に同じである。以下、第3の実施形態に係る電子機器303と異なる部分について説明する。
ドライバーIC51は、ベース基板203の第1面PS1に実装される。ベース基板203の第1面PS1には、実装電極P1,P2,P3,P4にそれぞれ接続された複数の接続電極(図示省略)が形成されている。上記複数の接続電極は、ドライバーIC51の裏面に形成された接続端子にはんだ接合される。これにより、ドライバーIC51は、複数のコイルL1,L2,L3,L4に接続される。
図10に示すように、ドライバーIC51は、全体が切り欠き部CH2に重なるように配置されている。
本実施形態に係る電子機器304によれば、第3の実施形態で述べた効果以外に、次のような効果を奏する。
(i)本実施形態では、ドライバーIC51が、切り欠き部CH2に重なるように配置されている。この構成により、ドライバーIC51を切り欠き部CH2の外側に配置した場合に比べて、コイル基板103およびドライバーIC51をベース基板203に接合するための専有面積を小さくできる(省スペース化できる)。また、この構成により、ドライバーIC51をコイル基板103(基材10A)の第2主面VS2に実装した場合に比べて、コイル基板103とベース基板203を接合した部分を小型化(特に、Z軸方向での厚みを低背化)できる。
なお、本実施形態では、ドライバーIC51全体が、切り欠き部CH2に重なるように配置されている例を示したが、この構成に限定されるものではない。ドライバーIC51の少なくとも一部が切り欠き部CH2に重なるように配置されていれば、上記作用効果を奏する。但し、上記(a)の作用効果の点で、ドライバーIC51全体が切り欠き部CH2に重なるように配置されている構成が好ましい。
《その他の実施形態》
以上に示した各実施形態では、コイル基板の平面形状(切り欠き部を含めた基材の外形)が矩形である例を示したが、この構成に限定されるものではない。コイル基板の平面形状は、本発明の作用効果を奏する範囲において適宜変更可能であり、例えば円形、楕円形、多角形などでもよい。
以上に示した各実施形態では、矩形状または十字形の切り欠き部を有する例を示したが、切り欠き部の形状はこれらに限定されるものではない。切り欠き部の形状は、本発明の作用効果を奏する範囲において適宜変更可能であり、例えば、円形、楕円形、多角形、蒲鉾形等であってもよい。
さらに、以上に示した各実施形態では、基材が、熱可塑性樹脂からなる5つの絶縁基材層を積層して形成される例を示したが、この構成に限定されるものではない。基材の積層数は、本発明の作用効果を奏する範囲において適宜変更可能であり、例えば単一層であってもよい。また、基材は例えば熱硬化性樹脂からなる複数の絶縁基材層を積層して形成される構成であってもよい。さらに、本実施形態では、基材の第1主面VS1側に保護層1が形成された基材の例を示したが、この構成に限定されるものではない。保護層1は、基材の形成に必須の構成ではない。また、保護層が、基材の第1主面VS1および第2主面VS2の両側に形成されていてもよい。
また、以上に示した各実施形態では、ベース基板の平面形状が矩形である例を示したが、この構成に限定されるものではない。ベース基板の形状・大きさは、コイル基板が接合できるのであれば、適宜変更可能である。ベース基板の平面形状は、例えば円形、楕円形、多角形、T字形、Y字形、L字形等であってもよい。
以上に示した各実施形態では、コイル基板およびドライバーICがベース基板に接合される例を示したが、ベース基板に接合される素子はこれらに限定されるものではない。ベース基板には、コイル基板およびドライバーIC以外の素子(表面実装部品等)が接合されていてもよい。
また、以上に示した各実施形態では、コイル基板の基材とベース基板とが、可撓性を有する同一主成分の材料からなる例を示したが、この構成に限定されるものではない。基材とベース基板とが異なる主成分の材料からなる構成でもよい。また、基材およびベース基板は、可撓性を有していなくてもよい。但し、上記(e)に示す作用効果の点で、基材とベース基板とは、同一主成分の材料からなることが好ましい。
以上に示した各実施形態では、ヘリカル状の3つまたは4つのコイルを備えるコイル基板の例を示したが、これらの構成に限定されるものではない。コイル基板が備えるコイルの形状・個数・巻回数・配置等は、本発明の作用効果を奏する範囲において適宜変更可能である。コイルは例えばスパイラル状であってもよく、ループ状であってもよい。
また、以上に示した各実施形態では、平面形状が矩形の4つの実装電極を備えるコイル基板の例を示したが、これに限定されるものではない。実装電極の個数、形状、大きさ、配置等は、本発明の作用効果を奏する範囲において適宜変更可能である。但し、上記(b)に示した作用効果から、第1領域E1および第2領域E2に配置される実装電極の合計面積は、第3領域E3および第4領域E4に配置される実装電極の合計面積よりも大きいことが好ましい。
また、本発明におけるコイルの形状・個数・巻回数については、以上に示した各実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の作用・効果を奏する範囲において適宜変更可能である。コイルは、例えば平面ループ状、平面スパイラル状、およびヘリカル状であってもよい。また、コイルの個数も1つまたは2つに限定されず、3つ以上であってもよい。コイルは、1つの絶縁基材層に形成されるコイル導体を含んで構成されていてもよく、3つ以上の絶縁基材層に形成される複数のコイル導体を含んで構成されていてもよい。
以上に示した各実施形態では、平面形状が矩形である4つの実装電極P1,P2,P3,P4,が、積層体の第1主面VS1に形成された例を示したが、この構成に限定されるものではない。実装電極の形状・個数・位置は、本発明の作用・効果を奏する範囲において適宜変更可能である。実装電極の個数は、多層基板が有する回路構成によって適宜変更可能である。なお、以上に示した各実施形態では、ドライバーIC51、コイル、磁気センサを備える多層基板について示したが、これ以外の電子部品(例えば、チップインダクタやチップキャパシタ)等が多層基板に実装されていてもよい。
さらに、以上に示した各実施形態では、複数の実装電極P1,P2,P3,P4が複数のコイルに接続される例を示したが、複数の実装電極P1,P2,P3,P4は複数のコイルに接続されていなくてもよい。
最後に、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではない。当業者にとって変形および変更が適宜可能である。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲内と均等の範囲内での実施形態からの変更が含まれる。
AP1,AP2,AP3,P4…開口部
AX1,AX2,AX3,AX4…コイル軸
B1,B2,B3,B4…突起部
CH1,CH2…切り欠き部
CN1…基材の第1端部
CN2…基材の第2端部
CP11,CP12,CP13,CP14,CP21,CP22,CP23,CP24,CP31,CP32,CP33,CP34,CP41,CP42,CP43,CP44…コイル導体
DL1,DL2…分割線
E1…基材の第1領域
E2…基材の第2領域
E3…基材の第3領域
E4…基材の第4領域
EP1,EP2,EP3,EP4…電極パッド
GP…重心
IC51…ドライバー
L1,L2,L3,L4…コイル
P1,P2,P3,P4…実装電極
PS1…ベース基板の第1面
V11,V12,V13,V14,V15,V21,V22,V23,V24,V25,V26,V27,V28,V29,V30,V31,V32,V33,V34,V35,V41,V42,V43,V44,V45…層間接続導体
VS1…基材の第1主面
VS2…基材の第2主面
1…保護層
10,10A…基材
10M…マザー基板
11,12,13,14,15…絶縁基材層
31,32,33,41,42,43,44,45…導体
100A,100B,101,102,103…コイル基板
201,202,203…ベース基板
301,303,304…電子機器

Claims (10)

  1. 基材と、
    前記基材に形成され、コイル軸を有する複数のコイルと、
    前記基材に形成される複数の実装電極と、
    を備え、
    前記基材は、前記コイル軸方向から視て、外縁から内側に向かって切り欠かれた形状の切り欠き部、第1端部および第2端部を有するU字形であり、
    前記コイル軸方向から視て、前記切り欠き部の重心を通り直交する2つの分割線で前記基材を4つの領域に分割したときに、前記4つの領域うちの2つの領域は、前記第1端部を有する第1領域、および前記第2端部を有する第2領域であり、
    前記複数の実装電極は、少なくとも前記第1領域および前記第2領域に配置される、コイル基板。
  2. 前記複数の実装電極のうち、前記第1領域および前記第2領域に配置される実装電極の合計面積は、前記4つの領域のうち、前記第1領域および前記第2領域以外の2つの領域に配置される実装電極の合計面積よりも大きい、請求項1に記載のコイル基板。
  3. コイル基板と、
    複数の電極パッドが形成されるベース基板と、
    を備える、コイル基板とベース基板との接合構造であって、
    前記コイル基板は、
    基材と、
    前記基材に形成され、コイル軸を有する複数のコイルと、
    前記基材に形成される複数の実装電極と、
    を備え、
    前記基材は、前記コイル軸方向から視て、外縁から内側に向かって切り欠かれた形状の切り欠き部、第1端部および第2端部を有するU字形であり、
    前記コイル軸方向から視て、前記切り欠き部の重心を通り直交する2つの分割線で前記基材を有する4つの領域に分割したときに、前記4つの領域うちの2つの領域は、前記第1端部を有する第1領域、および前記第2端部を有する第2領域であり、
    前記複数の実装電極は、少なくとも前記第1領域および前記第2領域に配置され、
    複数の実装電極と前記複数の電極パッドとは、はんだ接合されている、コイル基板とベース基板との接合構造。
  4. 前記基材および前記ベース基板は、可撓性を有し、実質的に同一主成分の材料からなる、請求項3に記載のコイル基板とベース基板との接合構造。
  5. 前記コイル基板と前記ベース基板とが、絶縁性接合材を介して接合されている部分を有する、請求項3または4に記載のコイル基板とベース基板との接合構造。
  6. 前記コイル基板または前記ベース基板は、前記第1領域および前記第2領域の位置を固定する変形防止機構を備える、請求項3から5のいずれかに記載のコイル基板とベース基板との接合構造。
  7. 前記変形防止機構は、
    前記ベース基板に設けられ、前記コイル基板の前記第1領域および前記第2領域が係合する複数の突起部により構成される、請求項6に記載のコイル基板とベース基板との接合構造。
  8. 前記変形防止機構は、
    前記コイル基板に設けられた突起部と、前記ベース基板に設けられ、前記突起部が係合する凹部と、で構成さ
    れる、請求項6または7に記載のコイル基板とベース基板との接合構造。
  9. 前記変形防止機構は、
    前記ベース基板に設けられた突起部と、前記コイル基板に設けられ、前記突起部が係合する凹部と、で構成される、請求項6または7に記載のコイル基板とベース基板との接合構造。
  10. 前記複数のコイルに接続されるドライバーICを備え、
    前記ドライバーICは、少なくとも一部が前記切り欠き部に重なるように配置されている、請求項3から9のいずれかに記載のコイル基板とベース基板との接合構造。
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