JP2019003131A - 画像形成装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた定着性を有し、高温高湿環境下で長期間使用した場合であっても安定した電気特性を得ることができ、残像や地汚れ、トナーフィルミングを抑制して良好な画像品質で画像形成することができる画像形成装置を提供する。【解決手段】電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段、及び転写手段を有する画像形成装置であって、前記電子写真感光体は、導電性支持体と、該導電性支持体上に下引き層と感光層とをこの順に有し、前記下引き層が、サリチル酸誘導体、ナフトエ酸誘導体、アゾ化合物、及びフラボノイド誘導体から選択される少なくとも1種と、金属酸化物微粒子とを含有し、前記トナーは、結晶性ポリエステル樹脂Cを含有し、かつ、示差走査熱量測定(DSC)の昇温1回目におけるガラス転移温度(Tg1st)が20℃以上65℃以下であることを特徴とする。【選択図】図5

Description

本発明は、画像形成装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法に関する。
電子写真方式を用いた画像形成方法において、画像は、感光体(電子写真感光体、静電潜像担持体、像担持体とも称する)に帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程などの工程を施すことにより形成される。近年では、可とう性、熱安定性、成膜性などにおける利点から、電子写真感光体として有機材料を用いた有機感光体が広く使用されている。
近年、電子写真方式を用いた画像形成装置においてはフルカラー化や高速化、繰り返し使用時における高品質な画像の安定した出力の要求だけでなく消費電力の低減化などが求められている。消費電力の観点では、画像形成工程においては特に定着の工程で消費電力の多くを占めるため、低温定着性の向上は非常に重要となっており、繰り返し使用時における安定した高品質画像の出力の観点では異常画像の発生のない耐久性の高い電子写真感光体が必要となっている。
低温定着性を向上させる手段としてはフィルミングの発生がなく、優れた低温定着性、耐高温オフセット性、及び耐熱保存性を有するトナーが提案されている。(特許文献1)
しかしながら、高温高湿環境下において長期にわたって画像形成を行った場合、トナーの帯電性が低下してくるため帯電手段において印加する電圧を高くする必要が生じていた。
このように帯電電位が高い状態で繰り返し使用を行うと、潜像形成時に感光体にかかる電界強度が高くなり、次第に局所的な電荷リークが発生してくるようになる。このような電荷リークが生じると電子写真方式で大部分を占める反転現像方式の場合、本来はトナーがのらず白画像になる部分においてトナーがのってしまい、画像上では黒点が発生してしまう(地汚れなどとも称される)。このため、高画質化の要求を十分に満たせず改善の必要性が求められていた。
前述のような高い電界強度において繰り返し使用された場合に電荷リークが発生して黒点が発生してしまう要因としては下引き層の電荷ブロッキング性が十分でない場合が考えられる。一般的に下引き層は、導電性支持体から感光層への「電荷注入阻止機能」と、感光層で発生した電荷の導電性支持体への「電荷輸送機能」との2つの機能の両立及び維持が求められる。
しかしながら、これら2つの機能は相反則の関係を取りやすく、繰り返しの静電負荷によって下引き層を構成する有機材料が劣化するため、長期にわたって前述した2つの機能を両立、維持することは非常に難しい。
下引き層に前述の機能を持たせる方法として、アミノ基を含有するシランカップリング剤を用いて電荷注入阻止機能を向上させる手段(例えば、特許文献2参照)や、下引き層に電子輸送性物質やアクセプター性化合物等の添加剤を含有させる手法(例えば、特許文献3、4)などが提案されている。
特に特許文献4では、導電性支持体上にアクセプター性化合物(ヒドロキシアントラキノン系化合物やアミノヒドロキシアントラキノン系化合物)が付着した金属酸化物微粒子を含有する下引き層を設けたものを用いることを提案している。これにより、長期使用時にも安定した電気特性を得ることができ、また電子写真感光体周りの部材から発生した異物や電子写真装置外部から進入したゴミなどが突き刺さっても、リークの発生を十分に防ぐことができる。
しかし、ヒドロキシアントラキノン系化合物やアミノヒドロキシアントラキノン系化合物は結晶性が高いため、これらを金属酸化物微粒子に付着させた場合、金属酸化物微粒子同士が凝集しやすい。そのため、下引き層中での分散状態が不均一なため、長期的な使用における電気特性の安定性は十分とはいえない。
また、特許文献5では、所定の非晶質ポリエステル樹脂A、Bと、結晶性ポリエステル樹脂Cとを含有し、示差走査熱量測定(DSC)の昇温1回目におけるガラス転移温度(Tg1st)が20℃以上50℃以下であるトナーが開示されている。これにより、フィルミングがなく、優れた低温定着性、耐高温オフセット性、及び耐熱保存性を得ることができるとしている。
また、特許文献6では、サリチル酸誘導体、ナフトエ酸誘導体、アゾ化合物、及びフラボノイド誘導体から選択される少なくとも1種と、金属酸化物微粒子とを含有する下引き層を有する電子写真感光体が開示されている。これにより、長期間使用した場合であっても安定した電気特性を得ることができ、画像形成時の残像や地汚れを抑制することができるとしている。
しかし、特許文献5、6では、特に高温高湿環境下において長期にわたって画像形成を行った場合、電気特性の安定性は十分とはいえず、これに起因して残像や地汚れ、トナーフィルミングなどが生じてしまう。このため、更なる改善が求められている。
従って、優れた定着性を有し、特に高温高湿環境下で長期間使用した場合であっても安定した電気特性を得ることができ、残像や地汚れ、トナーフィルミングを抑制して良好な画像品質で画像形成することができる技術が強く求められている。
本発明は、優れた定着性を有し、高温高湿環境下で長期間使用した場合であっても安定した電気特性を得ることができ、残像や地汚れ、トナーフィルミングを抑制して良好な画像品質で画像形成することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、電子写真感光体、該電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段、及び該可視像を記録媒体に転写する転写手段を有する画像形成装置であって、
前記電子写真感光体は、導電性支持体と、該導電性支持体上に下引き層と感光層とをこの順に有し、
前記下引き層が、サリチル酸誘導体、ナフトエ酸誘導体、アゾ化合物、及びフラボノイド誘導体から選択される少なくとも1種と、金属酸化物微粒子とを含有し、
前記トナーは、結晶性ポリエステル樹脂Cを含有し、かつ、示差走査熱量測定(DSC)の昇温1回目におけるガラス転移温度(Tg1st)が20℃以上65℃以下であることを特徴とする。
本発明によれば、優れた定着性を有し、高温高湿環境下で長期間使用した場合であっても安定した電気特性を得ることができ、残像や地汚れ、トナーフィルミングを抑制して良好な画像品質で画像形成することができる画像形成装置を提供することができる。
本発明の画像形成装置で用いられる電子写真感光体の層構成の一例を示す概略図である。 本発明の画像形成装置で用いられる電子写真感光体の層構成の他の例を示す概略図である。 本発明の画像形成装置で用いられる電子写真感光体の層構成の他の例を示す概略図である。 本発明の画像形成装置で用いられる電子写真感光体の層構成の他の例を示す概略図である。 本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。 本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略図である。 実施例で電荷発生物質として用いたチタニルフタロシアニンのX線回折スペクトル図であり、縦軸は一秒当りのカウント数(cps:counts per second)を表し、横軸は角度(2θ)を表す。
以下、本発明に係る画像形成装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
本発明は、電子写真感光体(単に感光体と表記することがある)、該電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段、及び該可視像を記録媒体に転写する転写手段を有する画像形成装置であって、前記電子写真感光体は、導電性支持体と、該導電性支持体上に下引き層と感光層とをこの順に有し、前記下引き層が、サリチル酸誘導体、ナフトエ酸誘導体、アゾ化合物、及びフラボノイド誘導体から選択される少なくとも1種と、金属酸化物微粒子とを含有し、前記トナーは、結晶性ポリエステル樹脂Cを含有し、かつ、示差走査熱量測定(DSC)の昇温1回目におけるガラス転移温度(Tg1st)が20℃以上65℃以下であることを特徴とする。
本発明では、下引き層が、サリチル酸誘導体、ナフトエ酸誘導体、アゾ化合物、及びフラボノイド誘導体から選択される少なくとも1種と、金属酸化物微粒子とを含有する電子写真感光体と、結晶性ポリエステル樹脂Cを含有し、示差走査熱量測定(DSC)の昇温1回目におけるガラス転移温度(Tg1st)が20℃以上65℃以下であるトナーとを用いる。詳細は明らかではないが、このような所定の電子写真感光体と所定のトナーとをあわせて用いることにより、金属酸化物微粒子のキレート錯体を下引き層に設けることで電子輸送性が安定し、それにより繰り返し安定した静電潜像の現像が可能となるため、特に高温高湿環境下での帯電電位変動(ΔVD)、露光後電位変動(ΔVL)を少なくすることができ、かつ感光体表面の耐トナーフィルミング性を更に向上させることができる。
このため本発明によれば、優れた定着性を有し、高温高湿環境下で長期間使用した場合であっても安定した電気特性を得ることができ、残像や地汚れ、トナーフィルミングを抑制して良好な画像品質で画像形成することができる。また、低温定着性が良好であることから、消費電極を低減させることができ、消費電力の低減と、長期間にわたり異常画像のない安定した画像品質とを両立できる。
(電子写真感光体)
本発明の画像形成装置で用いられる電子写真感光体は、導電性支持体と、前記導電性支持体上に下引き層と感光層とをこの順に有し、前記下引き層が、サリチル酸誘導体、ナフトエ酸誘導体、アゾ化合物、及びフラボノイド誘導体から選択される少なくとも1種と、金属酸化物微粒子とを含有するものであり、前記導電性支持体、前記感光層、及び前記その他の層については、従来と同様のものを適用することができる。
本発明の画像形成装置で用いられる電子写真感光体の実施形態について説明する。
<第1の実施形態>
第1の実施形態に係る電子写真感光体の層構成について、図1を用いて説明する。
図1は、単層型感光層を有する構成であり、導電性支持体31上に、下引き層32及び単層型感光層33を順次積層した電子写真感光体の層構成を示した図である。
<第2の実施形態>
第2の実施形態に係る電子写真感光体の層構成について、図2を用いて説明する。
図2は、積層型感光層を有する構成であり、導電性支持体31上に、下引き層32、電荷発生層35、及び電荷輸送層37を順次積層した電子写真感光体の層構成を示した図である。なお、電荷発生層35及び電荷輸送層37が感光層に該当する。
<第3の実施形態>
第3の実施形態に係る電子写真感光体の層構成について、図3を用いて説明する。
図3は、単層型感光層を有する構成であり、導電性支持体31上に、下引き層32、感光層33、及び保護層39を順次積層した電子写真感光体の層構成を示した図である。
<第4の実施形態>
第4の実施形態に係る電子写真感光体の層構成について、図4を用いて説明する。
図4は、積層型感光層を有する構成であり、導電性支持体31上に、下引き層32、電荷発生層35、電荷輸送層37、及び保護層39を順次積層した電子写真感光体の層構成を示した図である。なお、電荷発生層35及び電荷輸送層37が感光層に該当する。
以下、本発明の画像形成装置に用いられる電子写真感光体の各層について説明する。
<導電性支持体>
本発明に用いられる導電性支持体は、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着又はスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板及びそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。また、エンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体31として用いることができる。
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、本発明の導電性支持体31として用いることができる。この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。
また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体31として良好に用いることができる。
中でも特に厚さ1.5mm以上の円筒状の金属アルミニウム、もしくはアルミニウム合金が好ましく用いられる。厚さが1.5mm未満であると長期間の繰り返し使用時において支持体の歪みが生じにくく、歪みに起因する感光体周期での微妙な画像濃度ムラなどが発生しにくくなる。
また厚さが1.5mm未満であるとブレード方式のクリーニングユニットを組み合わせた場合においてブレードとの摩擦により発生する振動が感光体と共振を起こすことにより不快な騒音を発生する場合がある。これは画像形成の際の感光体の回転速度にもよるが、厚さ1.5mm以上の金属アルミニウム、もしくはアルミニウム合金を用いることでいずれの回転速度においてもこの共振にも起因する騒音の発生を効果的に抑制することが可能となる。
<下引き層>
前記下引き層は、サリチル酸誘導体、ナフトエ酸誘導体、アゾ化合物、及びフラボノイド誘導体からから選択される少なくとも1種と、金属酸化物微粒子とを含有してなり、バインダー樹脂を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記電子写真感光体の下引き層としては、導電性支持体から感光層への不要な電荷(感光体の帯電極性と逆極性の電荷)の注入を抑制する機能と、感光層で形成された電荷のうち、感光体の帯電極性と同極性の電荷を輸送する機能とを兼ね備えていることが好ましい。例えば、画像形成プロセスとして感光体を負帯電させる必要がある場合には、下引き層としては導電性支持体から感光層への正孔注入阻止機能(ホールブロッキング性)と、感光層から導電性支持体への電子輸送機能(エレクトロン輸送性)とを兼ね備える必要がある。また、長期にわたって安定な感光体を得るためにはこれらの特性が繰り返しの静電負荷によっても変化しないことが重要となる。
これに対し、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、原因は明らかではないが、これらの特性は、下引き層に、サリチル酸誘導体、ナフトエ酸誘導体、アゾ化合物、及びフラボノイド誘導体からから選択される少なくとも1種と、金属酸化物微粒子とを含有することによって満足できることを知見した。更に、サリチル酸誘導体、ナフトエ酸誘導体、アゾ化合物、及びフラボノイド誘導体からから選択される少なくとも1種が金属酸化物微粒子に配位することで形成されたキレート錯体を用いることが好ましく、この場合、より優れた効果が得られる。
<<サリチル酸誘導体>>
前記サリチル酸誘導体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、アセチルサリチル酸、5−アセチルサリチル酸、3−アミノサリチル酸、5−アセチルサリチルアミド、5−アミノサリチル酸、4−アジドサリチル酸、サリチル酸ベンジル、サリチル酸4−tert−ブチルフェニル、3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸、サリチル酸ブチル、サリチル酸2−カルボキシフェニル、3,5−ジニトロサリチル酸、ジチオサリチル酸、アセチルサリチル酸エチル、サリチル酸2−エチルヘキシル、6−メチルサリチル酸エチル、サリチル酸エチル、5−ホルミルサリチル酸、4−(2−ヒドロキシエトキシ)サリチル酸、サリチル酸2−ヒドロキシエチル、サリチル酸イソアミル、サリチル酸イソブチル、サリチル酸イソプロピル、3−メトキシサリチル酸、4−メトキシサリチル酸、6−メトキシサリチル酸、アセチルサリチル酸メチル、5−アセチルサリチル酸メチル、5−アリル−3−メトキシサリチル酸メチル、5−ホルミルサリチル酸メチル、4−(2−ヒドロキシエトキシ)サリチル酸メチル、3−メトキシサリチル酸メチル、4−メトキシサリチル酸メチル、5−メトキシサリチル酸メチル、4−メチルサリチル酸メチル、5−メチルサリチル酸メチル、サリチル酸メチル、3−メチルサリチル酸、4−メチルサリチル酸、5−メチルサリチル酸、チオサリチル酸メチル、サリチル酸4−ニトロフェニル、5−ニトロサリチル酸、4−ニトロサリチル酸、3−ニトロサリチル酸、サリチル酸4−オクチルフェニル、サリチル酸フェニルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<<ナフトエ酸誘導体>>
前記ナフトエ酸誘導体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、3−アセトキシ−2−ナフトアニリド、6−アセトキシ−2−ナフトエ酸、3−アミノ−2−ナフトエ酸、6−アミノ−2−ナフトエ酸、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,5−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,7−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−エトキシ−1−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシ−4−スルホ−1−ナフチルアゾ)−3−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−ナフトエ酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸ヒドラジド、2−メトキシ−1−ナフトエ酸、3−メトキシ−2−ナフトエ酸、6−メトキシ−2−ナフトエ酸、6−アミノ−2−ナフトエ酸メチル、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチル、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチル、3−メトキシ−2−ナフトエ酸メチル、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<<アゾ化合物>>
前記アゾ化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2,2’−ジヒドロキシアゾベンゼン、ルモガリオン、マグネソン、スチルバゾ、4−(2−チアゾリルアゾ)レソルシノール、アルセナゾI水和物、アルセナゾIII、カルマガイト、2−ヒドロキシ−1−1−(2−ヒドロキシ−4−スルホ−1−ナフチルアゾ)−3−ナフトエ酸、ジメチルスルホナゾIII、エリオクロムブラックT、エリオクロムブラックT、H−レソルシノール、モーダントブラック17、1−(2−ピリジルアゾ)−2−ナフトール、スルホナゾIII、トリン水和物、2−(4−スルホフェニルアゾ)−1,8−ジヒドロキシナフタレン−3,6−ジスルホン酸三ナトリウム水和物、キシリルアゾバイオレットI、キシリルアゾバイオレットII、4−(2−ピリジルアゾ)レソルシノール、エリオクロムブラックA、4−(3,5−ジブロモ−2−ピリジルアゾ)−1,3−フェニレンジアミンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<<フラボノイド誘導体>>
前記フラボノイド誘導体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フラバン誘導体、イソフラバン誘導体、フラバノン誘導体、フラボン誘導体、イソフラボン誘導体が含まれる。
前記フラボノイド誘導体としては、金属酸化物微粒子とのキレート錯体形成や分散性の観点から1つ以上4つ以下のヒドロキシル基を有するフラボノイド誘導体が好ましい。
前記1つ以上4つ以下のヒドロキシル基を有するフラボノイド誘導体としては、例えば、2’−ヒドロキシフラバノン、3,3’,4’,5,5’,7−ヘキサヒドロキシフラボン、3’,4’,5,7−テトラヒドロキシフラボン、3,7,3’,4’−テトラヒドロキシフラボン、3’−ヒドロキシフラバノン、3−ヒドロキシフラボン、4’,5,7−トリヒドロキシフラバノン、4’,5,7−トリヒドロキシフラボン、4’,7−イソフラバンジオール、4’,7−ジヒドロキシイソフラボン、4’,7−ジヒドロキシイソフラボン、4’−ヒドロキシフラバノン、5,6,7−トリヒドロキシフラボン、5,7−ジヒドロキシフラボン、5−ヒドロキシフラボン、6−ヒドロキシフラバノン、6−ヒドロキシフラボン、7,8−ジヒドロキシフラボン、7−ヒドロキシ−4’−メトキシイソフラボン、7−ヒドロキシ−4’−メトキシイソフラボン、7−ヒドロキシフラバノン、7−ヒドロキシフラボン、ヘスペレチン(フラバノン誘導体、ヒドロキシル基を3つ有する)、クリシン(フラボン誘導体、TCI−C1652、東京化成社製、ヒドロキシル基を2つ有する)、ナリンゲニン(フラバノン誘導体、TCI−N0072、東京化成社製、ヒドロキシル基を3つ有する)、カテキン、クリセチン(ケルセチン)などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
サリチル酸誘導体、ナフトエ酸誘導体、アゾ化合物、及びフラボノイド誘導体からから選択される少なくとも1種の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、金属酸化物微粒子100質量部に対して、0.01質量部〜10質量部が好ましく、0.1質量部〜5質量部がより好ましい。
前記含有量が、0.01質量部未満であると、十分な電荷注入抑制機能と電荷輸送機能を発現することができないことがあり、10質量部を超えると、次に積層する感光層など上層へのマイグレートや塗工液への溶出といった悪影響を生じてしまうことがある。
<<金属酸化物微粒子>>
前記金属酸化物微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化アンチモン、ITOなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、粉体抵抗率(体積抵抗率)及び分散性の点から、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズが好ましく、酸化亜鉛がより好ましい。
前記金属酸化物微粒子は、前記サリチル酸誘導体、前記ナフトエ酸誘導体、前記アゾ化合物、及び前記フラボノイド誘導体から選択される少なくとも1種とキレート錯体を形成する前に表面処理剤で表面処理を施すことが好ましい。
−表面処理剤−
前記表面処理剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、界面活性剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、良好な電子写真特性を与える点から、シランカップリング剤が好ましく、前記下引き層に良好なブロッキング性を与える点で、アミノ基を有するシランカップリング剤がより好ましい。
前記アミノ基を有するシランカップリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
その他のシランカップリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、前記その他のシランカップリング剤は、前記アミノ基を有するシランカップリング剤と併用してもよい。
前記金属酸化物微粒子を前記表面処理剤で処理する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、乾式法、湿式法などが挙げられる。
−乾式法−
前記乾式法としては、例えば、前記金属酸化物微粒子をせん断力の大きなミキサー等で攪拌しながら、前記表面処理剤を直接的に滴下、又は有機溶媒に溶解させた前記表面処理剤を滴下し、乾燥空気や窒素ガスとともに噴霧させることによって均一に処理する方法が挙げられる。前記表面処理剤を滴下、噴霧する際には前記有機溶剤の沸点以下の温度で行われることが好ましい。
前記有機溶剤の沸点より高い温度で噴霧すると、均一に攪拌される前に前記有機溶剤が蒸発し、前記表面処理剤が局所的に固まってしまい、均一な処理ができにくいことがある。
前記表面処理剤を滴下、噴霧した後、更に100℃以上で焼き付けを行うことができる。前記焼き付けは所望の電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−湿式法−
前記湿式法としては、例えば、前記金属酸化物微粒子を、攪拌、超音波、サンドミルやアトライター、ボールミル等を用いて溶剤中に分散し、前記表面処理剤を添加し、攪拌あるいは分散したのち、溶剤除去することで均一に処理される。前記溶剤除去の方法としては、例えば、ろ過あるいは蒸留が挙げられる。溶剤除去後、更に100℃以上で焼き付けを行うことができる。前記焼き付けは、所望の電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記湿式法においては、前記表面処理剤を添加する前に前記金属酸化物微粒子の含有水分を除去することもできる。前記含有水分を除去する方法としては、例えば、表面処理に用いる溶剤中で攪拌加熱しながら除去する方法、溶剤と共沸させて除去する方法などが挙げられる。
前記金属酸化物微粒子の粒子径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、平均一次粒子径が500nm以下であることが好ましい。
前記金属酸化物微粒子の平均一次粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用い50,000倍以上で観察した金属酸化物粒子の長軸と短軸の平均値を算出し、前記平均値の粒子10個の平均値を導出することで求めることができる。
前記金属酸化物微粒子の体積抵抗率(粉体抵抗率)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10Ω・cm〜1011Ω・cmが好ましい。前記体積抵抗率が、10Ω・cm未満であると、前記下引き層の十分な耐リーク性が得られず、地汚れなどの異常画像を引き起こしてしまうことがある。一方、前記体積抵抗率が1011Ω・cmを超えると、前記感光層から前記導電性支持体への電荷輸送が十分に行われず、残留電位上昇を引き起こしてしまうことがある。
前記下引き層において、前記サリチル酸誘導体、ナフトエ酸誘導体、アゾ化合物、及びフラボノイド誘導体からから選択される少なくとも1種は、前記金属酸化物微粒子表面に配位し、キレート錯体を形成することが好ましい。
−サリチル酸誘導体、ナフトエ酸誘導体、アゾ化合物、及びフラボノイド誘導体から選択される少なくとも1種を金属酸化物微粒子表面に配位し、キレート錯体を形成する方法−
前記サリチル酸誘導体、ナフトエ酸誘導体、アゾ化合物、及びフラボノイド誘導体から選択される少なくとも1種を前記金属酸化物微粒子表面に配位し、キレート錯体を形成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、前記金属酸化物微粒子と、前記サリチル酸誘導体、ナフトエ酸誘導体、アゾ化合物、及びフラボノイド誘導体から選択される少なくとも1種を混合し、溶剤を加えて攪拌する方法、前記金属酸化物微粒子の分散液に前記サリチル酸誘導体、ナフトエ酸誘導体、アゾ化合物、及びフラボノイド誘導体から選択される少なくとも1種(又はその溶液)を添加し攪拌する方法、前記サリチル酸誘導体、ナフトエ酸誘導体、アゾ化合物、及びフラボノイド誘導体から選択される少なくとも1種の溶液に前記金属酸化物微粒子(又はその分散液)を添加し攪拌する方法などが挙げられる。
前記サリチル酸誘導体、ナフトエ酸誘導体、アゾ化合物、及びフラボノイド誘導体から選択される少なくとも1種が前記金属酸化物微粒子表面に配位し、キレート錯体を形成したことは、例えば、分光光度計(例えば、UV−3600、島津製作所製)を用いて、以下の方法などによって確認することができる。
前記サリチル酸誘導体、ナフトエ酸誘導体、アゾ化合物、及びフラボノイド誘導体からから選択される少なくとも1種の透過率スペクトルを測定する。
金属酸化物微粒子及びバインダー樹脂の分散液を調製し、前記分散液をガラス基板上にブレード塗工法によって塗布した後、130℃以上で30分間の乾燥を行う。前記ガラス基板上に生じた膜の反射率スペクトルを測定する。
金属酸化物微粒子の分散液に、前記サリチル酸誘導体、ナフトエ酸誘導体、アゾ化合物、及びフラボノイド誘導体から選択される少なくとも1種の溶液を添加し、2時間攪拌した後、ろ過することで金属酸化物微粒子を得る。得られた金属酸化物微粒子を有機溶媒に分散させ、攪拌とろ過をする工程を数回繰り返し、金属酸化物微粒子の洗浄を行う。洗浄後の金属酸化物微粒子、及びバインダー樹脂の分散液を調製し、前記分散液をガラス基板上にブレード塗工法によって塗布した後、130℃以上で30分間の乾燥を行う。前記ガラス基板上に生じた膜の反射率スペクトルを測定する。
得られた3つの反射率スペクトルを比較することで、前記サリチル酸誘導体、ナフトエ酸誘導体、アゾ化合物、及びフラボノイド誘導体から選択される少なくとも1種が金属酸化物微粒子に配位し、キレート錯体を形成していることを確認することができる。
<<バインダー樹脂>>
前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記バインダー樹脂としては、後述する感光層を下引き層上に塗布することを考慮して、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高いバインダー樹脂が好ましい。前記耐溶剤性の高いバインダー樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂;共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂;ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。
前記バインダー樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、金属酸化物微粒子100質量部に対して、10質量部〜200質量部が好ましく、20質量部〜100質量部がより好ましい。
<<その他の成分>>
前記下引き層には、電気特性向上、環境安定性向上、画質向上のために前記その他の成分を含有させてもよい。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電子輸送性物質;多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料;シランカップリング剤;ジルコニウムキレート化合物;チタニウムキレート化合物;アルミニウムキレート化合物;フルオレノン化合物;チタニウムアルコキシド化合物;有機チタニウム化合物、並びに後述の酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、及びレベリング剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
−電子輸送性物質−
前記電子輸送性物質としては、例えば、クロラニル、ブロモアニル等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物;2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物;キサントン系化合物;チオフェン化合物;3,3’,5,5’テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
−シランカップリング剤−
前記シランカップリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記シランカップリング剤は、金属酸化物微粒子の表面処理に用いられるものとは別に、下引き層用の塗布液に添加して用いることができる。
−ジルコニウムキレート化合物−
前記ジルコニウムキレート化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシドなどが挙げられる。 これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
−チタニウムキレート化合物−
前記チタニウムキレート化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレートなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
−アルミニウムキレート化合物−
前記アルミニウムキレート化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<<下引き層の形成方法>>
前記下引き層の形成方法としては、特に制限はなく、適当な溶剤及び塗工法を用いて形成することができる。前記塗工法に用いる下引き層用塗工液(塗布液)に前記バインダー樹脂を添加する時期としては、前記金属酸化物微粒子の分散前後のどちらでも構わない。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン、プロピルエーテル等のエーテル系溶剤;ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ系溶剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記金属酸化物微粒子の下引き層塗工液中における分散方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ボールミル、サンドミル、振動ミル、KDミル、3本ロールミル、アトライター、圧力式ホモジナイザー、超音波分散等を用いる分散方法などが挙げられる。
前記塗工法としては、特に制限はなく、塗工液の粘性、所望とする下引き層の膜厚などによって適宜選択することができ、例えば、浸漬塗工法、スプレーコート法、ビードコート法、リングコート法などが挙げられる。
前記下引き層用塗工液を用いて塗工した後に、必要に応じてオーブン等で加熱乾燥させてもよい。下引き層の乾燥温度としては、特に制限はなく、下引き層用塗工液に含有される溶剤の種類等に応じて適宜選択することができるが、80℃〜200℃が好ましく、100℃〜150℃がより好ましい。
<<下引き層の厚み>>
前記下引き層の厚みとしては、特に制限はなく、製造したい電子写真感光体の電気特性や寿命によって適宜選択することができるが、0.5μm〜25μmが好ましく、1μm〜20μmがより好ましい。
前記厚みが、0.5μm未満であると、電子写真感光体表面の帯電極性と逆極性の電荷が導電性支持体から感光層中に流れ込むことによって、帯電性不良に起因する地汚れ状の画像欠陥が生じることがある。一方、前記厚みが、25μmを超えると、残留電位の上昇などの光減衰機能が低下したり、繰り返し安定性が低下したりするなどの欠陥が生じ易くなることがある。
<感光層>
前記感光層としては、積層型感光層であってもよく、単層型感光層であってもよい。
<<単層型感光層>>
前記単層型感光層は、電荷発生機能と電荷輸送機能とを同時に有する層である。
前記単層型感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質、及び結着樹脂を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
−電荷発生物質−
前記電荷発生物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する積層型感光層で用いられるものと同様の物質などが挙げられる。前記電荷発生物質の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記結着樹脂100質量部に対して、5質量部〜40質量部が好ましい。
−電荷輸送物質−
前記電荷輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する積層型感光層で用いられるものと同様の物質などが挙げられる。前記電荷輸送物質の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記結着樹脂100質量部に対して、190質量部以下が好ましく、50質量部〜150質量部がより好ましい。
−結着樹脂−
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する積層型感光層で用いられるものと同様の結着樹脂などが挙げられる。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する積層型感光層で用いられるものと同様の低分子電荷輸送物質、同様の溶媒、並びに後述の酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、及びレベリング剤などが挙げられる。
−単層型感光層の形成方法−
前記単層型感光層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電荷発生物質、電荷輸送物質、結着樹脂、その他の成分等を分散機を用いて適当な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等)に溶解乃至分散して得られた塗工液を、塗布乃至乾燥することにより形成する方法などが挙げられる。
前記塗工液を塗工する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、浸漬塗工法、スプレーコート、ビードコート、リングコートなどが挙げられる。また、必要に応じて、可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加してもよい。
前記単層型感光層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5μm〜25μmが好ましい。
<<積層型感光層>>
前記積層型感光層は、電荷発生機能及び電荷輸送機能をそれぞれ独立した層が担うため、少なくとも電荷発生層と、電荷輸送層とをこの順に有する。なお、前記電荷発生層、及び前記電荷輸送層は、従来公知のものを使用することができる。
前記積層型感光層において、前記電荷発生層と前記電荷輸送層との積層順としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、多くの電荷発生材料は化学的安定性に乏しく、電子写真作像プロセスにおける帯電器周辺での放電生成物のような酸性ガスにさらされると電荷発生効率の低下などを引き起こす。このため、前記電荷発生層の上に前記電荷輸送層を積層することが好ましい。
−電荷発生層−
前記電荷発生層は、電荷発生物質を含み、結着樹脂を含むことが好ましく、更に必要に応じて後述の酸化防止剤等のその他の成分を含む。
−−電荷発生物質−−
前記電荷発生物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機系材料、有機系材料などが挙げられる。
−−−無機系材料−−−
前記無機系材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、結晶セレン、アモルファス−セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物、アモルファス−シリコン(例えば、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子等でターミネートしたもの;ホウ素原子、リン原子等をドープしたものなどが好適)などが挙げられる。
−−−有機系材料−−−
前記有機系材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料;アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系又は多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−結着樹脂−−
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂、ポリアクリルアミド樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記結着樹脂としては、上述の結着樹脂の他に、電荷輸送機能を有する電荷輸送性高分子材料を含んでもよく、例えば、アリールアミン骨格、ベンジジン骨格、ヒドラゾン骨格、カルバゾール骨格、スチルベン骨格、ピラゾリン骨格等を有する、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリシロキサン、アクリル樹脂等の高分子材料、ポリシラン骨格を有する高分子材料などを用いることができる。
−−その他の成分−−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、低分子電荷輸送物質、溶媒、並びに後述の酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、及びレベリング剤などが挙げられる。
前記その他の成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、添加する層の総質量に対して、0.01質量%〜10質量%が好ましい。
−−−低分子電荷輸送物質−−−
前記低分子電荷輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電子輸送物質、正孔輸送物質などが挙げられる。
前記電子輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ジフェノキノン誘導体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記正孔輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−−溶媒−−−
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アニソール、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−電荷発生層の形成方法−−
前記電荷発生層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記電荷発生物質及び前記結着樹脂を前記溶媒等の前記その他の成分に溶解乃至分散して得られた塗工液を、前記導電性支持体上に塗布して乾燥することにより形成する方法などが挙げられる。なお、前記塗工液は、キャスティング法などにより塗布することができる。
前記電荷発生層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01μm〜5μmが好ましく、0.05μm〜2μmがより好ましい。
−電荷輸送層−
前記電荷輸送層は、帯電電荷を保持させ、かつ、露光により電荷発生層で発生分離した電荷を移動させて保持していた帯電電荷と結合させることを目的とする層である。帯電電荷を保持させる目的を達成するためには、電気抵抗が高いことが要求される。また、保持していた帯電電荷で高い表面電位を得る目的を達成するためには、誘電率が小さく、かつ、電荷移動性がよいことが要求される。
前記電荷輸送層は、電荷輸送物質を含み、結着樹脂を含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含む。
−−電荷輸送物質−−
前記電荷輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電子輸送物質、正孔輸送物質、高分子電荷輸送物質などが挙げられる。
前記電荷輸送物質の電荷輸送層全量における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20質量%〜80質量%が好ましく、30質量%〜70質量%がより好ましい。前記含有量が、20質量%未満であると、電荷輸送層の電荷輸送性が小さくなることにより所望の光減衰特性が得られないことがあり、80質量%を超えると、画像形成工程から感光体が受ける各種ハザードによって必要以上に摩耗することがある。一方、前記電荷輸送物質の電荷輸送層における含有量が、前記より好ましい範囲内であると、所望の光減衰性が得られるとともに、使用によっても摩耗量が少ない電子写真感光体を得ることができる点で有利である。
−−−電子輸送物質−−−
前記電子輸送物質(電子受容性物質)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
−−−正孔輸送物質−−−
前記正孔輸送物質(電子供与性物質)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
−−−高分子電荷輸送物質−−−
前記高分子電荷輸送物質は、後述する結着樹脂の機能と電荷輸送物質の機能を併せ持つ材料である。
前記高分子電荷輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルバゾール環を有する重合体、ヒドラゾン構造を有する重合体、ポリシリレン重合体、トリアリールアミン構造を有する重合体、電子供与性基を有する重合体、その他の重合体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよく、摩耗耐久性や製膜性の点で、後述する結着樹脂と併用してもよい。
前記高分子電荷輸送物質の電荷輸送層全質量における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記高分子電荷輸送物質と前記結着樹脂とを併用する場合、40質量%〜90質量%が好ましく、50質量%〜80質量%がより好ましい。
−−結着樹脂−−
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、フェノキシ樹脂などが用いられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、前記電荷輸送層は、架橋性のバインダー樹脂と架橋性の電荷輸送物質との共重合体を含むこともできる。
−−その他の成分−−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、溶媒、並びに後述の酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、及びレベリング剤などが挙げられる。
前記その他の成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、添加する層の総質量に対して、0.01質量%〜10質量%が好ましい。
−−−溶媒−−−
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記電荷発生層と同様なものが使用できるが、前記電荷輸送物質及び前記結着樹脂を良好に溶解する溶媒が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
−−−可塑剤−−−
前記可塑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般樹脂の可塑剤などが挙げられる。
−−電荷輸送層の形成方法−−
前記電荷輸送層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記電荷輸送物質及び前記結着樹脂を前記溶媒等の前記その他の成分に溶解乃至分散して得られた塗工液を、前記電荷発生層上に塗布して加熱乃至乾燥することにより形成する方法などが挙げられる。
前記電荷輸送層形成の際に用いる前記塗工液の塗工方法としては、特に制限はなく、塗工液の粘性、所望とする電荷輸送層の厚み等の目的に応じて適宜選択することができ、例えば、浸漬塗工法、スプレーコート法、ビードコート法、リングコート法などが挙げられる。
前記電荷輸送層は、電子写真特性や膜粘性の観点から、何らかの手段を用いて加熱を行い、前記溶媒を前記電荷輸送層中から取り除く必要がある。
前記加熱する方法としては、例えば、空気、窒素等の気体、蒸気、各種熱媒体、赤外線、電磁波等の熱エネルギーを塗工面側又は支持体側から加熱する方法などが挙げられる。
前記加熱する際の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100℃〜170℃が好ましい。前記温度が100℃未満であると、膜中の有機溶媒を十分取り除くことができず、電子写真特性の低下や摩耗耐久性低下が生じることがある。一方、前記温度が170℃を超えると、表面にゆず肌状の欠陥や亀裂の発生、隣接層との界面で剥離の発生などが生じるだけでなく、感光層中の揮発性成分が外部に霧散した場合、所望の電気特性が得られなくなることがある。
前記電荷輸送層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、解像度乃至応答性の点から、50μm以下が好ましく、45μm以下がより好ましい。下限値に関しては、使用するシステム(特に帯電電位等)により異なるが、5μm以上が好ましい。
<その他の層>
前記その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、保護層、中間層、第2の下引き層などが挙げられる。
<<保護層>>
前記保護層(以下、表面層と称することもある)は、前記電子写真感光体の耐久性向上や他の機能の向上を目的として、前記感光層の上に設けることができる。前記保護層は、少なくとも結着樹脂、及びフィラーを含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
−結着樹脂−
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、AS樹脂、ABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル樹脂、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアリルスルホン樹脂、ポリブチレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。 これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。 これらの中でも、前記フィラーの分散性、残留電位、塗膜欠陥の点から、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリレート樹脂が好ましい。
−フィラー−
前記フィラーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属酸化物微粒子などが挙げられる。
前記金属酸化物微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズ及びアンチモンをドープした酸化ジルコニウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
前記保護層の形成方法としては、特に制限はなく、前述の感光層の如く適当な溶剤及び塗工法を用いて形成することができ、例えば、浸漬塗工法、スプレーコート法、ビートコート法、ノズルコート法、スピナーコート法、リングコート法などが挙げられる。
前記保護層の形成方法に用いる溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが挙げられる。
前記溶剤としては、結着樹脂やフィラーの分散時には粘度が高く、塗工時には揮発性が高い溶剤が好ましい。これらの条件を満たす溶剤がない場合には、各々の物性を有する溶剤を2種以上混合させて使用することが可能であり、前記フィラーの分散性や残留電位に対して大きな効果を有する場合がある。
前記保護層に前記電荷輸送層について挙げた電荷輸送物質を添加することは、残留電位の低減及び画質向上に対して有効かつ有用である。
前記保護層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、耐摩耗性の点で、1μm〜5μmが好ましい。
−中間層−
前記中間層は、前記電荷輸送層と前記表面層との間に、前記表面層への電荷輸送層成分の混入を抑える又は両層間の接着性を改善することを目的として設けることができる。
前記中間層は、結着樹脂を含み、更に必要に応じて後述の酸化防止剤等のその他の成分を含む。前記中間層としては、表面層用塗工液に対し不溶性又は難溶性であるものが好ましい。
前記中間層に含まれる結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
前記中間層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記感光層と同様の適当な溶媒及び塗工法を用いて形成する方法などが挙げられる。
前記中間層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.05μm〜2μmが好ましい。
<<第2の下引き層>>
前記電子写真感光体においては、前記感光層と前記保護層との間に前記第2の下引き層を設けることも可能である。 前記第2の下引き層はバインダー樹脂を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
前記第2の下引き層の形成法としては、特に制限はなく、適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。
前記第2の下引き層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.05μm〜2μmが好ましい。
本発明における電子写真感光体では、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、前記電荷発生層、前記電荷輸送層、前記下引き層、前記保護層、前記第2の下引き層等の各層にその他の成分として、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤及びレベリング剤を添加することができる。
前記酸化防止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェノール系化合物、パラフェニレンジアミン類、ハイドロキノン類、有機硫黄化合物、有機燐化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
前記可塑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、芳香族カルボン酸エステル系可塑剤、脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤、脂肪酸エステル系可塑剤、オキシ酸エステル系可塑剤、エポキシ可塑剤、二価アルコールエステル系可塑剤、含塩素可塑剤、ポリエステル系可塑剤、スルホン酸誘導体、クエン酸誘導体、その他の可塑剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
前記滑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭化水素系化合物、脂肪酸系化合物、脂肪酸アミド系化合物、エステル系化合物、アルコール系化合物、金属石けん、天然ワックス、その他の滑剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
前記紫外線吸収剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サルシレート系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、クエンチャー(金属錯塩系紫外線吸収剤)、HALS(ヒンダードアミン系光安定剤)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
前記レベリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類;側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマー乃至オリゴマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(トナー)
本発明で用いられるトナーは、結晶性ポリエステル樹脂Cを少なくとも含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
また、前記トナーは、示差走査熱量測定(DSC)の昇温1回目におけるガラス転移温度(Tg1st)が20℃以上65℃以下である。
本発明では、下引き層が、サリチル酸誘導体、ナフトエ酸誘導体、アゾ化合物、及びフラボノイド誘導体から選択される少なくとも1種と、金属酸化物微粒子とを含有する電子写真感光体と、結晶性ポリエステル樹脂Cを含有し、示差走査熱量測定(DSC)の昇温1回目におけるガラス転移温度(Tg1st)が20℃以上65℃以下であるトナーとを用いる。これにより、特に高温高湿環境下での帯電電位変動(ΔVD)、露光後電位変動(ΔVL)を少なくすることができ、かつ感光体表面の耐トナーフィルミング性を更に向上させることができる。
<結晶性ポリエステル樹脂C>
前記結晶性ポリエステル樹脂Cは、高い結晶性を有するため、定着開始温度付近において急激な粘度低下を示す熱溶融特性を示す。
前記結晶性ポリエステル樹脂Cは、多価アルコールと、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸エステルなどの多価カルボン酸又はその誘導体とを用いて得られる。
−多価アルコール−
前記多価アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオール、3価以上のアルコールが挙げられる。
前記ジオールとしては、例えば、飽和脂肪族ジオールなどが挙げられる。前記飽和脂肪族ジオールとしては、直鎖飽和脂肪族ジオール、分岐飽和脂肪族ジオールが挙げられるが、これらの中でも、直鎖飽和脂肪族ジオールが好ましく、炭素数が2以上12以下の直鎖飽和脂肪族ジオールがより好ましい。前記飽和脂肪族ジオールが分岐型であると、結晶性ポリエステル樹脂Cの結晶性が低下し、融点が低下してしまうことがある。また、前記飽和脂肪族ジオールの炭素数が12を超えると、実用上の材料の入手が困難となる。炭素数としては12以下であることがより好ましい。
前記飽和脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,14−エイコサンデカンジオールなどが挙げられる。
これらの中でも、前記結晶性ポリエステル樹脂Cの結晶性が高く、シャープメルト性に優れる点で、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオールが好ましい。
前記3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。
これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−多価カルボン酸−
前記多価カルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2価のカルボン酸、3価以上のカルボン酸が挙げられる。
前記2価のカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸等の二塩基酸等の芳香族ジカルボン酸;などが挙げられ、更に、これらの無水物やこれらの低級(炭素数1〜3)アルキルエステルも挙げられる。
前記3価以上のカルボン酸としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等、及びこれらの無水物やこれらの低級(炭素数1〜3)アルキルエステルなどが挙げられる。
また、前記多価カルボン酸としては、前記飽和脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の他に、スルホン酸基を持つジカルボン酸が含まれていてもよい。更に、前記飽和脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の他に、2重結合を持つジカルボン酸を含有してもよい。
これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記結晶性ポリエステル樹脂Cは、炭素数4以上12以下の直鎖飽和脂肪族ジカルボン酸と、炭素数2以上12以下の直鎖飽和脂肪族ジオールとから構成されることが好ましい。即ち、前記結晶性ポリエステル樹脂Cは、炭素数4以上12以下の飽和脂肪族ジカルボン酸に由来する構成単位と、炭素数2以上12以下の飽和脂肪族ジオールに由来する構成単位とを有することが好ましい。そうすることにより、結晶性が高く、シャープメルト性に優れることから、優れた低温定着性を発揮できる点で好ましい。
前記結晶性ポリエステル樹脂Cの融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、60℃以上80℃以下であることが好ましい。前記融点が、60℃未満であると、結晶性ポリエステル樹脂Cが低温で溶融しやすく、トナーの耐熱保存性が低下することがあり、80℃を超えると、定着時の加熱による結晶性ポリエステル樹脂Cの溶融が不十分で、低温定着性が低下することがある。
なお、ここでの融点は示差走査熱量測定(DSC)の昇温1回目における吸熱ピークトップ温度を融点として求めたものである。
前記結晶性ポリエステル樹脂Cの分子構造は、溶液又は固体によるNMR測定の他、X線回折、GC/MS、LC/MS、IR測定などにより確認することができる。簡便には赤外線吸収スペクトルにおいて、965±10cm−1又は990±10cm−1にオレフィンのδCH(面外変角振動)に基づく吸収を有するものを結晶性ポリエステル樹脂Cとして検出する方法が挙げられる。
前記結晶性ポリエステル樹脂Cの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、3質量部〜20質量部が好ましく、5質量部〜15質量部がより好ましい。前記含有量が、3質量部未満であると、結晶性ポリエステル樹脂Cによるシャープメルト化が不十分なため低温定着性に劣ることがあり、20質量部を超えると、耐熱保存性が低下すること、及び画像のかぶりが生じやすくなることがある。前記含有量が、前記より好ましい範囲内であると、高画質、及び低温定着性の全てに優れる点で有利である。
<非晶質ポリエステル樹脂A>
本発明におけるトナーはガラス転移温度が−60℃以上0℃以下である非晶質ポリエステル樹脂Aを含有するのが好ましい。前記非晶質ポリエステル樹脂Aは、非線状の反応性前駆体と硬化剤との反応により得られる。
−非線状の反応性前駆体−
前記非線状の反応性前駆体としては、前記硬化剤と反応可能な基を有するポリエステル樹脂(以下、「プレポリマー」と称することがある。)であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記プレポリマーにおける前記硬化剤と反応可能な基としては、例えば、活性水素基と反応可能な基などが挙げられる。前記活性水素基と反応可能な基としては、例えば、イソシアネート基、エポキシ基、カルボン酸、酸クロリド基などが挙げられる。これらの中でも、前記非晶質ポリエステル樹脂にウレタン結合又はウレア結合を導入可能な点で、イソシアネート基が好ましい。
前記プレポリマーは、非線状である。前記非線状とは、3価以上のアルコール及び3価以上のカルボン酸の少なくともいずれかによって付与される分岐構造を有することを意味する。前記プレポリマーとしては、イソシアネート基を含有するポリエステル樹脂が好ましい。
−−イソシアネート基を含有するポリエステル樹脂−−
前記イソシアネート基を含有するポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、活性水素基を有するポリエステル樹脂とポリイソシアネートとの反応生成物などが挙げられる。前記活性水素基を有するポリエステル樹脂は、例えば、ジオールと、ジカルボン酸と、3価以上のアルコール及び3価以上のカルボン酸の少なくともいずれかとを重縮合することにより得られる。前記3価以上のアルコール及び前記3価以上のカルボン酸は、前記イソシアネート基を含有するポリエステル樹脂に分岐構造を付与する。
−−−ジオール−−−
前記ジオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール等の脂肪族ジオール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のオキシアルキレン基を有するジオール;1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等の脂環式ジオール;脂環式ジオールに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加したもの;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール類;ビスフェノール類に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加したもの等のビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物などが挙げられる。これらの中でも、炭素数4以上12以下の脂肪族ジオールが好ましい。これらのジオールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−−ジカルボン酸−−−
前記ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。また、これらの無水物を用いてもよいし、低級(炭素数1〜3)アルキルエステル化物を用いてもよいし、ハロゲン化物を用いてもよい。
前記脂肪族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、マレイン酸、フマル酸などが挙げられる。
前記芳香族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸が好ましい。
前記炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。
これらの中でも、炭素数4以上12以下の脂肪族ジカルボン酸が好ましい。
これらのジカルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−−3価以上のアルコール−−−
前記3価以上のアルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、3価以上の脂肪族アルコール、3価以上のポリフェノール類、3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキシド付加物などが挙げられる。
前記3価以上の脂肪族アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどが挙げられる。
前記3価以上のポリフェノール類としては、例えば、トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなどが挙げられる。
前記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキシド付加物としては、例えば、3価以上のポリフェノール類に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加したものなどが挙げられる。
−−−3価以上のカルボン酸−−−
前記3価以上のカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、3価以上の芳香族カルボン酸などが挙げられる。また、これらの無水物を用いてもよいし、低級(炭素数1〜3)アルキルエステル化物を用いてもよいし、ハロゲン化物を用いてもよい。
前記3価以上の芳香族カルボン酸としては、炭素数9〜20の3価以上の芳香族カルボン酸が好ましい。前記炭素数9〜20の3価以上の芳香族カルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸などが挙げられる。
−−−ポリイソシアネート−−−
前記ポリイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジイソシアネート、3価以上のイソシアネートなどが挙げられる。
前記ジイソシアネートとしては、例えば、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、イソシアヌレート類、これらをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタム等でブロックしたものなどが挙げられる。
前記脂肪族ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトカプロン酸メチル、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、テトラデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート、テトラメチルヘキサンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記脂環式ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記芳香族ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリレンジイソシアネート、ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトジフェニル、4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメチルジフェニル、4,4’−ジイソシアナト−3−メチルジフェニルメタン、4,4’−ジイソシアナト−ジフェニルエーテルなどが挙げられる。
前記芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記イソシアヌレート類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリス(イソシアナトアルキル)イソシアヌレート、トリス(イソシアナトシクロアルキル)イソシアヌレートなどが挙げられる。
これらのポリイソシアネートは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−硬化剤−
前記硬化剤としては、前記非線状の反応性前駆体と反応し、前記非晶質ポリエステル樹脂Aを生成できる硬化剤であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、活性水素基含有化合物などが挙げられる。
−−活性水素基含有化合物−−
前記活性水素基含有化合物における活性水素基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記活性水素基含有化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ウレア結合を形成可能な点で、アミン類が好ましい。
前記アミン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジアミン、3価以上のアミン、アミノアルコール、アミノメルカプタン、アミノ酸、これらのアミノ基をブロックしたものなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ジアミン、ジアミンと少量の3価以上のアミンとの混合物が好ましい。
前記ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、芳香族ジアミン、脂環式ジアミン、脂肪族ジアミンなどが挙げられる。前記芳香族ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなどが挙げられる。
前記脂環式ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミンなどが挙げられる。
前記脂肪族ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどが挙げられる。
前記3価以上のアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
前記アミノアルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
前記アミノメルカプタンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
前記アミノ酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
前記アミノ基をブロックしたものとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノ基を、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類でブロックすることにより得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。
前記非晶質ポリエステル樹脂AのTgを低くし、低温で変形する性質を付与しやすくするために、前記非晶質ポリエステル樹脂Aは、構成成分にジオール成分を含み、前記ジオール成分が、炭素数4以上12以下の脂肪族ジオールを50質量%以上含有することが好ましい。
また、前記非晶質ポリエステル樹脂AのTgを低くし、低温で変形する性質を付与しやすくするために、前記非晶質ポリエステル樹脂Aは、全アルコール成分中に炭素数4以上12以下の脂肪族ジオールを50質量%以上含有することが好ましい。
前記非晶質ポリエステル樹脂AのTgを低くし、低温で変形する性質を付与しやすくするために、前記非晶質ポリエステル樹脂Aは、構成成分にジカルボン酸成分を含み、前記ジカルボン酸成分が、炭素数4以上12以下の脂肪族ジカルボン酸を50質量%以上含有することが好ましい。
前記非晶質ポリエステル樹脂Aのガラス転移温度は、−60℃以上0℃以下が好ましく、−40℃〜−20℃がより好ましい。前記ガラス転移温度が、−60℃未満であると、低温でのトナーの流動が抑制できずに、耐熱保存性が悪化し、また、耐フィルミング性が悪化する。前記ガラス転移温度が、0℃を超えると、定着時の加熱及び加圧によるトナーが十分に変形できず、低温定着性が不十分である。
なお、ここでのガラス転移温度は示差走査熱量測定(DSC)の昇温1回目におけるガラス転移温度を指す。
前記非晶質ポリエステル樹脂Aの分子構造は、溶液又は固体によるNMR測定の他、X線回折、GC/MS、LC/MS、IR測定などにより確認することができる。簡便には赤外線吸収スペクトルにおいて、965±10cm−1及び990±10cm−1にオレフィンのδCH(面外変角振動)に基づく吸収を有しないものを非晶質ポリエステル樹脂として検出する方法が挙げられる。
前記非晶質ポリエステル樹脂Aの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、5質量部〜25質量部が好ましく、10質量部〜20質量部がより好ましい。前記含有量が、5質量部未満であると、低温定着性、及び耐高温オフセット性が悪化することがあり、25質量部を超えると、耐熱保存性の悪化、及び定着後に得られる画像の光沢度が低下することがある。前記含有量が、前記より好ましい範囲内であると、低温定着性、耐高温オフセット性、及び耐熱保存性の全てに優れる点で有利である。
<非晶質ポリエステル樹脂B>
本発明におけるトナーは、ガラス転移温度が40℃以上70℃以下の非晶質ポリエステル樹脂Bを含有するのが好ましい。
前記非晶質ポリエステル樹脂Bとしては、線状のポリエステル樹脂が好ましい。
前記非晶質ポリエステル樹脂Bとしては、未変性ポリエステル樹脂が好ましい。前記未変性ポリエステル樹脂とは、多価アルコールと、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸エステルなどの多価カルボン酸又はその誘導体とを用いて得られるポリエステル樹脂である。
前記多価アルコールとしては、例えば、ジオールなどが挙げられる。
前記ジオールとしては、例えば、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜10)付加物;エチレングリコール、プロピレングリコール;水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜10)付加物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多価カルボン酸としては、例えば、ジカルボン酸などが挙げられる。
前記ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸、マレイン酸;ドデセニルコハク酸、オクチルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、酸価、水酸基価を調整する目的で、前記非晶質ポリエステル樹脂Bは、その樹脂鎖の末端に3価以上のカルボン酸及び3価以上のアルコールの少なくともいずれかを含んでいてもよい。
前記3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、又はそれらの酸無水物などが挙げられる。
前記3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパンなどが挙げられる。
前記非晶質ポリエステル樹脂Bのガラス転移温度(Tg)は、40℃以上70℃以下が好ましく、45℃以上60℃以下がより好ましい。前記ガラス転移温度が、40℃未満であると、トナーの耐熱保存性、及び現像機内での攪拌等のストレスに対する耐久性が劣り、また、耐フィルミング性が悪化する。前記ガラス転移温度が、70℃を超えると、トナーの定着時における加熱及び加圧による変形が十分ではなく、低温定着性が不十分となる。
なお、ここでのガラス転移温度は示差走査熱量測定(DSC)の昇温1回目におけるガラス転移温度を指す。
前記非晶質ポリエステル樹脂Bの分子構造は、溶液又は固体によるNMR測定の他、X線回折、GC/MS、LC/MS、IR測定などにより確認することができる。簡便には赤外線吸収スペクトルにおいて、965±10cm−1及び990±10cm−1にオレフィンのδCH(面外変角振動)に基づく吸収を有しないものを非晶質ポリエステル樹脂として検出する方法が挙げられる。
前記非晶質ポリエステル樹脂Bの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、50質量部〜90質量部が好ましく、60質量部〜80質量部がより好ましい。前記含有量が、50質量部未満であると、トナー中の顔料、離型剤の分散性が悪化し、画像のかぶり、乱れを生じやすくなることがあり、90質量部を超えると、低温定着性に劣ることがある。前記含有量が、前記より好ましい範囲であると、高画質、及び低温定着性の全てに優れる点で有利である。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、例えば、離型剤、着色剤、帯電制御剤、外添剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料などが挙げられる。
−離型剤−
前記離型剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができる。
ロウ類及びワックス類の離型剤としては、例えば、カルナウバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス;オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス;などの天然ワックスが挙げられる。
また、これら天然ワックスのほか、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成炭化水素ワックス;エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス;などが挙げられる。
更に、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド系化合物;低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等);側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子、などを用いてもよい。
これらの中でも、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどの炭化水素系ワックスが好ましい。
前記離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、60℃以上80℃以下が好ましい。前記融点が、60℃未満であると、低温で離型剤が溶融しやすくなり、耐熱保存性が劣る場合がある。前記融点が、80℃を超えると、樹脂が溶融して定着温度領域にある場合でも、離型剤が充分溶融せずに定着オフセットを生じ、画像の欠損を生じる場合がある。
前記離型剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、2質量部〜10質量部が好ましく、3質量部〜8質量部がより好ましい。前記含有量が、2質量部未満であると、定着時の耐高温オフセット性、及び低温定着性に劣ることがあり、10質量部を超えると、耐熱保存性が低下すること、及び画像のかぶりなどが生じやすくなることがある。前記含有量が、前記より好ましい範囲内であると、高画質化、及び定着安定性を向上させる点で有利である。
−着色剤−
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボンなどが挙げられる。
前記着色剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、1質量部〜15質量部が好ましく、3質量部〜10質量部がより好ましい。
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。
前記マスターバッチはマスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合し、混練してマスターバッチを得ることができる。この際着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いることができる。また、いわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練を行い、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
−帯電制御剤−
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等が挙げられる。
前記帯電制御剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、0.1質量部〜10質量部が好ましく、0.2質量部〜5質量部がより好ましい。前記含有量が、10質量部を超えると、トナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招くことがある。これらの帯電制御剤はマスターバッチ、樹脂とともに溶融混練した後溶解分散させることもできるし、もちろん有機溶剤に直接溶解、分散する際に加えてもよいし、トナー表面にトナー粒子作製後固定化させてもよい。
−外添剤−
前記外添剤としては酸化物微粒子の他に、無機微粒子や疎水化処理無機微粒子を併用することができるが、疎水化処理された一次粒子の平均粒径は1nm〜100nmが好ましく、5nm〜70nmの無機微粒子がより好ましい。
また、疎水化処理された一次粒子の平均粒径が20nm以下の無機微粒子を少なくとも1種類以上含み、かつ30nm以上の無機微粒子を少なくとも1種類含むことが好ましい。また、BET法による比表面積は、20m/g〜500m/gであることが好ましい。
前記外添剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリカ微粒子、疎水性シリカ、脂肪酸金属塩(例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなど)、金属酸化物(例えばチタニア、アルミナ、酸化錫、酸化アンチモンなど)、フルオロポリマーなどが挙げられる。
好適な添加剤としては、疎水化されたシリカ、チタニア、酸化チタン、アルミナ微粒子が挙げられる。
疎水化処理された酸化物微粒子、疎水化処理されたシリカ微粒子、疎水化処理されたチタニア微粒子、疎水化処理されたアルミナ微粒子は、例えば、親水性の微粒子をメチルトリメトキシシランやメチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤で処理して得ることができる。またシリコーンオイルを必要ならば熱を加えて無機微粒子に処理した、シリコーンオイル処理酸化物微粒子、無機微粒子も好適である。
前記外添剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、0.1質量部〜5質量部が好ましく、0.3質量部〜3質量部がより好ましい。
前記無機微粒子の一次粒子の平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100nm以下が好ましく、3nm以上70nm以下がより好ましい。この範囲より小さいと、無機微粒子がトナー中に埋没し、その機能が有効に発揮されにくい。またこの範囲より大きいと、感光体表面を不均一に傷つけることがあり好ましくない。
−流動性向上剤−
前記流動性向上剤は、表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止可能なものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが挙げられる。前記シリカ、前記酸化チタンは、このような流動性向上剤により表面処理行い、疎水性シリカ、疎水性酸化チタンとして使用するのが特に好ましい。
−クリーニング性向上剤−
前記クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するために前記トナーに添加されるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子などが挙げられる。該ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01μm〜1μmのものが好適である。
−磁性材料−
前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライトなどが挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
<<融点、及びガラス転移温度(Tg)の測定方法>>
本発明における融点、ガラス転移温度(Tg)は、例えば、DSCシステム(示差走査熱量計)(「Q−200」、TAインスツルメント社製)を用いて測定することができる。具体的には、対象試料の融点、ガラス転移温度は、下記手順により測定できる。まず、対象試料約5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットする。次いで、窒素雰囲気下、−80℃から昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱する(昇温1回目)。その後、150℃から降温速度10℃/minにて−80℃まで冷却させ、更に昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱(昇温2回目)する。この昇温1回目、及び昇温2回目のそれぞれにおいて、示差走査熱量計(「Q−200」、TAインスツルメント社製)を用いてDSC曲線を計測する。
得られるDSC曲線から、Q−200システム中の解析プログラムを用いて、1回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温1回目におけるガラス転移温度を求めることができる。また同様に、2回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温2回目におけるガラス転移温度を求めることができる。
また、得られるDSC曲線から、Q−200システム中の解析プログラムを用いて、1回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温1回目における吸熱ピークトップ温度を融点として求めることができる。また同様に、2回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温2回目における吸熱ピークトップ温度を融点として求めることができる。
<トナーの製造方法>
前記トナーの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナーは、前記結晶性ポリエステル樹脂Cを含み、更に必要に応じて、前記非晶質ポリエステル樹脂A、前記非晶質ポリエステル樹脂B、前記離型剤、前記着色剤などを含む油相を水系媒体中で分散させることにより造粒されることが好ましい。
また、前記トナーは、前記結晶性ポリエステル樹脂Cを含み、更に必要に応じて、前記非線状の反応性前駆体、前記非晶質ポリエステル樹脂B、前記硬化剤、前記離型剤、前記着色剤などを含む油相を水系媒体中で分散させることにより造粒されることが好ましい。このような前記トナーの製造方法の一例としては、公知の溶解懸濁法が挙げられる。
前記トナーの製造方法の一例として、前記非線状の反応性前駆体と前記硬化剤との伸長反応及び/又は架橋反応により非晶質ポリエステル樹脂Aを生成しながら、トナー母体粒子を形成する方法が挙げられる。このような方法においては、水系媒体の調製、トナー材料を含有する油相の調製、トナー材料の乳化乃至分散、有機溶媒の除去を行う。
(現像剤)
本発明に用いられる現像剤は、少なくとも前記トナーを含み、必要に応じてキャリア等の適宜選択されるその他の成分を含む。
このため、転写性、帯電性等に優れ、高画質な画像を安定に形成することができる。なお、現像剤は、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等に使用する場合には、寿命が向上することから、二成分現像剤が好ましい。
前記現像剤を一成分現像剤として用いる場合、トナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するブレード等の部材へのトナーの融着が少なく、現像装置における長期の攪拌においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。
前記現像剤を二成分現像剤として用いる場合、長期にわたるトナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像装置における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。
<キャリア>
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、芯材を被覆する樹脂層を有するものが好ましい。
前記トナーを二成分系現像剤に用いる場合には、前記キャリアと混合して用いればよい。前記二成分現像剤中の前記キャリアの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記二成分現像剤100質量部に対して、90質量部〜98質量部が好ましく、93質量部〜97質量部がより好ましい。
(画像形成装置及び画像形成方法)
本発明の画像形成装置は、電子写真感光体、前記電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段、及び前記可視像を記録媒体に転写する転写手段を少なくとも有してなり、更に必要に応じて、その他の手段を有してなる。前記画像形成装置において使用する電子写真感光体が、前述の電子写真感光体であり、使用するトナーが前述のトナーである。
なお、前記帯電手段と、前記露光手段とを合わせて静電潜像形成手段と称することもある。
本発明における画像形成方法は、電子写真感光体の表面を帯電手段で帯電する帯電工程、帯電された前記電子写真感光体を画像露光手段で露光して電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する露光工程、前記静電潜像が形成された前記電子写真感光体の表面に現像手段でトナー像を形成する現像工程、及び形成された前記トナー像を転写手段で記録媒体へ転写する転写工程を少なくとも含んでなり、更に必要に応じて、その他の工程を含んでなる。
なお、前記帯電工程と、前記露光工程とを合わせて静電潜像形成工程と称することもある。
前記画像形成方法は、前記画像形成装置の各手段により実施される方法である。
<帯電手段及び帯電工程>
前記帯電手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器(電子写真感光体表面と帯電器との間に100μm以下の空隙を有する近接方式の非接触帯電器を含む)などが挙げられる。
前記帯電手段は、電子写真感光体表面と接触又は近接して設けられた帯電部材を有し、直流成分に交流成分を重畳した電圧を前記帯電部材へ印加して、前記帯電部材と前記電子写真感光体表面にコロナ放電を形成し、前記電子写真感光体表面を帯電する帯電手段であることが好ましい。
前記帯電工程は、前記帯電手段により実施することができ、前記電子写真感光体表面を帯電させる工程である。
<露光手段及び露光工程>
前記露光手段としては、前記帯電手段により帯電された前記電子写真感光体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、LED光学系などの各種露光器が挙げられ、前記露光器における光源としては、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの高輝度が確保できる光源などが挙げられる。なお、本発明においては、前記電子写真感光体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記露光工程は、前記露光手段により実施することができ、前記帯電された電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する工程である。
<現像手段及び現像工程>
前記現像手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記トナー乃至現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、前記現像剤を収容し、前記静電潜像に該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好ましい。
前記現像器としては、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有するものなどが好適に挙げられる。前記現像器内では、例えば、前記トナーとキャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記電子写真感光体近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該電子写真感光体の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該電子写真感光体の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記現像工程は、前記現像手段により実施することができ、前記静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像を形成する工程である。
<転写手段及び転写工程>
前記転写手段は、前記可視像を記録媒体に転写する手段であるが、前記電子写真感光体表面から記録媒体に可視像を直接転写する方法と、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する方法がある。いずれの態様も良好に使用することができるが、高画質化に際して転写による悪影響が大きいような場合には、転写回数が少ない前者(直接転写)の方法が好ましい。前記転写は、例えば、前記可視像を、転写帯電器を用いて前記電子写真感光体を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。
前記転写工程は、前記転写手段により実施することができ、前記可視像を記録媒体に転写する工程である。
<その他の手段及びその他の工程>
前記その他の工程及びその他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、定着工程及び定着手段、除電工程及び除電手段、クリーニング工程及びクリーニング手段、リサイクル工程及びリサイクル手段、制御工程及び制御手段などが挙げられる。
−定着手段及び定着工程−
前記定着手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好ましく、前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組み合わせなどが挙げられ、前記加熱加圧手段における加熱としては、通常80℃〜200℃が好ましい。前記定着としては、例えば、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着工程は、前記定着手段により実施することができ、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる工程である。
−除電手段及び除電工程−
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記除電工程は、前記除電手段により実施することができ、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程である。
−クリーニング手段及びクリーニング工程−
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記電子写真感光体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング工程は、前記クリーニング手段により実施することができ、前記電子写真感光体上に残留する前記トナーを除去する工程である。
−リサイクル手段及びリサイクル工程−
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記リサイクル工程は、前記リサイクル手段により実施することができ、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程である。
−制御手段及び制御工程−
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御できれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
前記制御工程は、前記制御手段により実施することができ、前記各工程を制御する工程である。
<画像形成装置の実施形態の例>
以下では、本発明の画像形成装置の実施形態の例について説明する。
図5は、本発明の画像形成装置を説明するための概略図であり、電子写真感光体1の周りに、帯電手段3、露光手段5、現像手段6、転写手段10などが配置される。
まず、図5に示す帯電手段3により、電子写真感光体1が平均的に帯電される。帯電手段3としては、コロトロンデバイス、スコロトロンデバイス、固体放電素子、針電極デバイス、ローラ帯電デバイス、導電性ブラシデバイス等が用いられ、公知の方式が使用可能である。
次に、図5に示す露光手段5により、均一に帯電された電子写真感光体1上に静電潜像が形成される。この光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
次に、図5に示す現像手段6により、電子写真感光体1上に形成された静電潜像が可視化される。この現像方式としては、乾式トナーを用いた一成分現像法、二成分現像法、湿式トナーを用いた湿式現像法などが挙げられる。電子写真感光体1に正(負)帯電を施し、画像露光を行うと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
次に、図5に示す転写手段10により、電子写真感光体1上で可視化されたトナー像が記録媒体9上に転写される。また、転写をより良好に行うために転写前チャージャ7を用いてもよい。転写手段10としては、転写チャージャ、バイアスローラー等を用いる静電転写方式;粘着転写法、圧力転写法等の機械転写方式;磁気転写方式などが利用可能である。
更に必要に応じて、図5に示す記録媒体9を電子写真感光体1より分離する手段として分離チャージャ11、分離爪12を用いてもよい。その他分離手段としては、静電吸着誘導分離、側端ベルト分離、先端グリップ搬送、曲率分離等が用いられる。分離チャージャ11としては、前記帯電手段が利用可能である。また、転写後感光体上に残されたトナーをクリーニングするために、ファーブラシ14、クリーニングブレード15等のクリーニング手段が用いられ、クリーニングをより効率的に行うためにクリーニング前チャージャ13を用いてもよい。その他のクリーニング手段としては、ウェブ方式、マグネットブラシ方式等があるが、それぞれ単独又は複数の方式を一緒に用いてもよい。また、電子写真感光体1上の潜像が取り除くために除電手段2を用いてもよい。除電手段2としては、除電ランプ、除電チャージャなどが用いられ、それぞれ前記露光光源、帯電手段が利用できる。その他、感光体に近接していない原稿読み取り、給紙、定着、排紙等のプロセスは公知のものが使用できる。
(プロセスカートリッジ)
本発明のプロセスカートリッジは電子写真感光体とトナーを有する。本発明のプロセスカートリッジの一実施形態としては、前記電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段、及び前記可視像を記録媒体に転写する転写手段の少なくともいずれかの手段を有してなり、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
本発明のプロセスカートリッジにおいて使用する電子写真感光体は、上述した本発明の電子写真感光体で、使用するトナーは上述のトナーである。
前記プロセスカートリッジは、例えば、図6に示すように、電子写真感光体101を内蔵し、他に帯電手段102、現像手段104、転写手段108、クリーニング手段107、除電手段の少なくとも一つを具備し、画像形成装置本体に着脱可能とした装置(部品)である。図6のプロセスカートリッジによる画像形成工程について示すと、感光体101は、矢印方向に回転しながら、帯電手段102による帯電、露光手段103による露光により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成され、この静電潜像は、現像手段104でトナー現像され、該トナー現像は転写手段108により、記録媒体105に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の感光体表面は、クリーニング手段107によりクリーニングされ、更に除電手段により除電されて、再び以上の操作を繰り返すものである。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、特に明記しない限り、「部」は「質量部」を指し、「%」は「質量%」を指す。
(製造例1)
<ケチミンの合成>
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部、及びメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行い、[ケチミン化合物1]を得た。[ケチミン化合物1]のアミン価は418であった。
(製造例A−1)
<非晶質ポリエステル樹脂A−1の合成>
−プレポリマーA−1の合成−
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた反応容器中に、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、イソフタル酸、アジピン酸、及び無水トリメリット酸を、水酸基とカルボキシル基のモル比であるOH/COOHが1.5であり、ジオール成分の構成が3−メチル−1,5−ペンタンジオール100mol%であり、ジカルボン酸成分の構成がイソフタル酸40mol%及びアジピン酸60mol%であり、全モノマー中における無水トリメリット酸の量が1mol%となるように、チタンテトライソプロポキシド(樹脂成分に対して1,000ppm)とともに投入した。その後、4時間程度で200℃まで昇温し、次いで、2時間かけて230℃に昇温し、流出水がなくなるまで反応を行った。その後更に、10mmHg〜15mmHgの減圧下で5時間反応させ、[中間体ポリエステルA−1]を得た。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステルA−1]とイソホロンジイソシアネート(IPDI)とをモル比(IPDIのイソシアネート基/中間体ポリエステルの水酸基)2.0で投入し、酢酸エチルで50%酢酸エチル溶液となるように希釈後、100℃で5時間反応させ、[プレポリマーA−1]を得た。
−非晶質ポリエステル樹脂A−1の合成−
得られた[プレポリマーA−1]を加熱装置、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中で撹拌し、更に[プレポリマーA−1]中のイソシアネート量に対して[ケチミン化合物1]のアミン量が等モルになる量の[ケチミン化合物1]を反応容器に滴下していき、45℃で10時間撹拌後にプレポリマー伸長物を取り出した。得られたプレポリマー伸長物を残酢酸エチル量が100ppm以下になるまで50℃で減圧乾燥させ、[非晶質ポリエステル樹脂A−1]を得た。得られた[非晶質ポリエステル樹脂A−1]の物性値を表1に示す。
(製造例A−2)
<非晶質ポリエステル樹脂A−2の合成>
−プレポリマーA−2の合成−
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた反応容器中に、1,6−ヘキサンジオール、イソフタル酸、アジピン酸、及び無水トリメリット酸を、水酸基とカルボキシル基のモル比であるOH/COOHが1.5であり、ジオール成分の構成が1,6−ヘキサンジオール100mol%であり、ジカルボン酸成分の構成がイソフタル酸80mol%及びアジピン酸20mol%であり、全モノマー中における無水トリメリット酸の量が1mol%となるように、チタンテトライソプロポキシド(樹脂成分に対して1,000ppm)とともに投入した。その後、4時間程度で200℃まで昇温し、次いで、2時間かけて230℃に昇温し、流出水がなくなるまで反応を行った。その後更に、10mmHg〜15mmHgの減圧下で5時間反応させ[中間体ポリエステルA−2]を得た。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステルA−2]とイソホロンジイソシアネートとをモル比(IPDIのイソシアネート基/中間体ポリエステルの水酸基)2.0で投入し、酢酸エチルで50%酢酸エチル溶液となるように希釈後、100℃で5時間反応させ、[プレポリマーA−2]を得た。
−非晶質ポリエステル樹脂A−2の合成−
得られた[プレポリマーA−2]を加熱装置、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中で撹拌し、更に[プレポリマーA−2]中のイソシアネート量に対して[ケチミン化合物1]のアミン量が等モルになる量の[ケチミン化合物1]を反応容器に滴下していき、45℃で10時間撹拌後にプレポリマー伸長物を取り出した。得られたプレポリマー伸長物を残酢酸エチル量が100ppm以下になるまで50℃で減圧乾燥させ、[非晶質ポリエステル樹脂A−2]を得た。得られた[非晶質ポリエステル樹脂A−2]の物性値を表1に示す。
(製造例A−3)
<非晶質ポリエステル樹脂A−3の合成>
−プレポリマーA−3の合成−
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた反応容器中に、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、アジピン酸、及び無水トリメリット酸を、水酸基とカルボキシル基のモル比であるOH/COOHが1.5であり、ジオール成分の構成が3−メチル−1,5−ペンタンジオール100mol%であり、ジカルボン酸成分の構成がアジピン酸100mol%であり、全モノマー中における無水トリメリット酸の量が1mol%となるように、チタンテトライソプロポキシド(樹脂成分に対して1,000ppm)とともに投入した。その後、4時間程度で200℃まで昇温し、次いで、2時間かけて230℃に昇温し、流出水がなくなるまで反応を行った。その後更に、10mmHg〜15mmHgの減圧下で5時間反応させ[中間体ポリエステルA−3]を得た。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステルA−3]とイソホロンジイソシアネートとをモル比(IPDIのイソシアネート基/中間体ポリエステルの水酸基)2.0で投入し、酢酸エチルで50%酢酸エチル溶液となるように希釈後、100℃で5時間反応させ、[プレポリマーA−3]を得た。
−非晶質ポリエステル樹脂A−3の合成−
得られた[プレポリマーA−3]を加熱装置、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中で撹拌し、更に[プレポリマーA−3]中のイソシアネート量に対して[ケチミン化合物1]のアミン量が等モルになる量の[ケチミン化合物1]を反応容器に滴下していき、45℃で10時間撹拌後にプレポリマー伸長物を取り出した。得られたプレポリマー伸長物を残酢酸エチル量が100ppm以下になるまで50℃で減圧乾燥させ、[非晶質ポリエステル樹脂A−3]を得た。得られた[非晶質ポリエステル樹脂A−3]の物性値を表1に示す。
(製造例A−4)
<非晶質ポリエステル樹脂A−4の合成>
−プレポリマーA−4の合成−
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物、イソフタル酸、及びアジピン酸を、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物とビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物とがモル比(ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物)で80/20であり、イソフタル酸とアジピン酸とがモル比(イソフタル酸/アジピン酸)で85/15であり、水酸基とカルボキシル基のモル比であるOH/COOHが1.5であり、全モノマー中における無水トリメリット酸の量が1mol%となるように、チタンテトライソプロポキシド(樹脂成分に対して1,000ppm)とともに投入した。 その後、4時間程度で200℃まで昇温し、次いで、2時間かけて230℃に昇温し、流出水がなくなるまで反応を行った。その後更に、10mmHg〜15mmHgの減圧下で5時間反応させ[中間体ポリエステルA−4]を得た。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステルA−4]とイソホロンジイソシアネートとをモル比(IPDIのイソシアネート基/中間体ポリエステルの水酸基)2.0で投入し、酢酸エチルで50%酢酸エチル溶液となるように希釈後、100℃で5時間反応させ、[プレポリマーA−4]を得た。
−非晶質ポリエステル樹脂A−4の合成−
得られた[プレポリマーA−4]を加熱装置、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中で撹拌下に、[プレポリマーA−4]中のイソシアネート量に対して[ケチミン化合物1]のアミン量が等モルになる量の[ケチミン化合物1]を反応容器に滴下していき、45℃で10時間撹拌後にプレポリマー伸長物を取り出した。得られたプレポリマー伸長物を残酢酸エチル量が100ppm以下になるまで50℃で減圧乾燥させ、[非晶質ポリエステル樹脂A−4]を得た。得られた[非晶質ポリエステル樹脂A−4]の物性値を表2に示す。
(製造例A−5)
<非晶質ポリエステル樹脂A−5の合成>
−プレポリマーA−5の合成−
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた反応容器中に、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、デカン二酸、及び無水トリメリット酸を、水酸基とカルボキシル基のモル比であるOH/COOHが1.5であり、ジオール成分の構成が3−メチル−1,5−ペンタンジオール100mol%であり、ジカルボン酸成分の構成がデカン二酸100mol%であり、全モノマー中における無水トリメリット酸の量が1mol%となるように、チタンテトライソプロポキシド(樹脂成分に対して1,000ppm)とともに投入した。その後、4時間程度で200℃まで昇温し、次いで、2時間かけて230℃に昇温し、流出水がなくなるまで反応を行った。その後更に、10mmHg〜15mmHgの減圧下で5時間反応させ[中間体ポリエステルA−5]を得た。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステルA−5]とイソホロンジイソシアネートとをモル比(IPDIのイソシアネート基/中間体ポリエステルの水酸基)2.0で投入し、酢酸エチルで50%酢酸エチル溶液となるように希釈後、100℃で5時間反応させ、[プレポリマーA−5]を得た。
−非晶質ポリエステル樹脂A−5の合成−
得られた[プレポリマーA−5]を加熱装置、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中で撹拌し、更に[プレポリマーA−5]中のイソシアネート量に対して[ケチミン化合物1]のアミン量が等モルになる量の[ケチミン化合物1]を反応容器に滴下していき、45℃で10時間撹拌後にプレポリマー伸長物を取り出した。得られたプレポリマー伸長物を残酢酸エチル量が100ppm以下になるまで50℃で減圧乾燥させ、[非晶質ポリエステル樹脂A−5]を得た。得られた[非晶質ポリエステル樹脂A−5]の物性値を表3に示す。
(製造例B−1)
<非晶質ポリエステル樹脂B−1の合成>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した四つ口フラスコに、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物、イソフタル酸、及びアジピン酸を、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物とビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物とがモル比(ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物)で85/15であり、イソフタル酸とアジピン酸とがモル比(イソフタル酸/アジピン酸)で80/20であり、水酸基とカルボキシル基とのモル比であるOH/COOHが1.3となるように仕込み、チタンテトライソプロポキシド(樹脂成分に対して500ppm)と共に常圧で230℃で8時間反応させ、更に10mmHg〜15mmHgの減圧で4時間反応後、反応容器に無水トリメリット酸を全樹脂成分に対して1mol%になるよう入れ、180℃、常圧で3時間反応させ、[非晶質ポリエステル樹脂B−1]を得た。物性値を表1に示す。
(製造例B−2)
<非晶質ポリエステル樹脂B−2の合成>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した四つ口フラスコに、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物、イソフタル酸、及びアジピン酸を、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物とビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物とがモル比(ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物)で75/25であり、イソフタル酸とアジピン酸とがモル比(イソフタル酸/アジピン酸)で70/30であり、水酸基とカルボキシル基とのモル比であるOH/COOHが1.4となるように仕込み、チタンテトライソプロポキシド(樹脂成分に対して500ppm)と共に常圧で230℃で8時間反応させ、更に10mmHg〜15mmHgの減圧で4時間反応後、反応容器に無水トリメリット酸を全樹脂成分に対して1mol%になるよう入れ、180℃、常圧で3時間反応させ、[非晶質ポリエステル樹脂B−2]を得た。物性値を表2に示す。
(製造例B−3)
<非晶質ポリエステル樹脂B−3の合成>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した四つ口フラスコに、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物、イソフタル酸、及びアジピン酸を、イソフタル酸とアジピン酸とがモル比(イソフタル酸/アジピン酸)で90/10であり、水酸基とカルボキシル基とのモル比であるOH/COOHが1.2となるように仕込み、チタンテトライソプロポキシド(樹脂成分に対して1,000ppm)と共に常圧で230℃で10時間反応させ、更に10mmHg〜15mmHgの減圧で5時間反応後、反応容器に無水トリメリット酸を全樹脂成分に対して1mol%になるよう入れ、180℃、常圧で3時間反応させ、[非晶質ポリエステル樹脂B−3]を得た。物性値を表3に示す。
(製造例B−4)
<非晶質ポリエステル樹脂B−4の合成>
前述の製造例B−3からアジピン酸を除いた以外は製造例B−3と同様に製造して[非晶質ポリエステル樹脂B−4]を得た。物性値を表2に示す。
(製造例C−1)
<結晶性ポリエステル樹脂C−1の合成>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5Lの四つ口フラスコに、ドデカン二酸、及び1,6−ヘキサンジオールを、水酸基とカルボキシル基とのモル比であるOH/COOHが0.9となるように仕込み、チタンテトライソプロポキシド(樹脂成分に対して500ppm)と共に、180℃で10時間反応させた後、200℃に昇温して3時間反応させ、更に8.3kPaの圧力にて2時間反応させて[結晶性ポリエステル樹脂C−1]を得た。物性値を表1に示す。
(製造例C−2)
<結晶性ポリエステル樹脂C−2の合成>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5Lの四つ口フラスコに、アジピン酸、1,6−ヘキサンジオール、及び1,4−ブタンジオールを、水酸基とカルボキシル基とのモル比であるOH/COOHが0.9であり、酸成分の構成がアジピン酸100mol%であり、アルコール成分の構成が1,6−ヘキサンジオール50mol%及び1,4−ブタンジオール50mol%となるように仕込み、チタンテトライソプロポキシド(樹脂成分に対して500ppm)と共に、180℃で10時間反応させた後、200℃に昇温して3時間反応させ、更に8.3kPaの圧力にて2時間反応させて[結晶性ポリエステル樹脂C−2]を得た。物性値を表2に示す。
(製造例C−3)
<結晶性ポリエステル樹脂C−3の合成>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5Lの四つ口フラスコに、テレフタル酸、1,6−ヘキサンジオール、及び1,4−ブタンジオールを、水酸基とカルボキシル基のモル比であるOH/COOHが0.9であり、酸成分の構成がテレフタル酸100mol%であり、アルコール成分の構成が1,6−ヘキサンジオール50mol%及び1,4−ブタンジオール50mol%となるように仕込み、チタンテトライソプロポキシド(樹脂成分に対して500ppm)と共に、180℃で10時間反応させた後、200℃に昇温して3時間反応させ、更に8.3kPaの圧力にて2時間反応させて[結晶性ポリエステル樹脂C−3]を得た。物性値を表3に示す。
(トナー1の作製)
<マスターバッチ(MB)の合成>
水1,200部、カーボンブラック(Printex35デクサ製)〔DBP吸油量=42mL/100mg、pH=9.5〕500部、及び非晶質ポリエステル樹脂B−1 500部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分間混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕し、[マスターバッチ1]を得た。
<WAX分散液の作製>
撹拌棒及び温度計をセットした容器に離型剤1としてパラフィンワックス50部(日本精鑞社製、HNP−9、炭化水素系ワックス、融点75℃、SP値8.8)、及び酢酸エチル450部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒間、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、分散を行い[WAX分散液1]を得た。
<結晶性ポリエステル樹脂分散液の作製>
撹拌棒及び温度計をセットした容器に[結晶性ポリエステル樹脂C−1]50部、及び酢酸エチル450部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒間、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、分散を行い[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]を得た。
<油相の調製>
[WAX分散液1]500部、[プレポリマーA−1]300部、[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]500部、[非晶質ポリエステル樹脂B−1]700部、[マスターバッチ1]100部及び[ケチミン化合物1]2部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで60分間混合し、[油相1]を得た。
<有機微粒子エマルション(微粒子分散液)の合成>
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30:三洋化成工業社製)11部、スチレン138部、メタクリル酸138部、及び過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分間で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し、5時間反応させた。更に、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液1]を得た。[微粒子分散液1]をLA−920(HORIBA社製)で測定した体積平均粒径は、0.14μmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。
<水相の調製>
水990部、[微粒子分散液1]83部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7:三洋化成工業社製)37部、及び酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とした。
<乳化・脱溶剤>
[油相1]が入った容器に、[水相1]1,200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー1]を得た。撹拌機及び温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で4時間熟成を行い、[分散スラリー1]を得た。
<洗浄・乾燥>
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
(3):(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する、という前記(1)〜(4)の操作を2回行い[濾過ケーキ1]を得た。[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い[トナー1]を得た。
得られたトナーの構成、Tg1stを表1に示す。
(トナー2の作製)
[トナー1]の作製において、[プレポリマーA−1]を[プレポリマーA−2]に変えた以外は、[トナー1]と同様にして、[トナー2]を得た。
(トナー3の作製)
[トナー1]の作製において、[プレポリマーA−1]を[プレポリマーA−3]に変えた以外は、[トナー1]と同様にして、[トナー3]を得た。
(トナー4の作製)
[トナー1]の作製において、[非晶質ポリエステル樹脂B−1]を[非晶質ポリエステル樹脂B−2]に変えた以外は、[トナー1]と同様にして、[トナー4]を得た。
(トナー5の作製)
[トナー1]の作製において、[非晶質ポリエステル樹脂B−1]を[非晶質ポリエステル樹脂B−3]に変え、更に[トナー1]の<油相の調製>において、[非晶質ポリエステル樹脂B−1]700部を[非晶質ポリエステル樹脂B−3]600部に変え、[プレポリマーA−1]を250部とした以外は、[トナー1]と同様にして、[トナー5]を得た。
(トナー6の作製)
[トナー1]の作製において、[結晶性ポリエステル樹脂C−1]を[結晶性ポリエステル樹脂C−2]に変えた以外は、[トナー1]と同様にして、[トナー6]を得た。
(トナー7の作製)
[トナー1]の作製において、[結晶性ポリエステル樹脂C−1]を[結晶性ポリエステル樹脂C−3]に変えた以外は、[トナー1]と同様にして、[トナー7]を得た。
(トナー8の作製)
[トナー5]の作製において、<油相の調製>における[非晶質ポリエステル樹脂B−3]600部を800部に変え、[プレポリマーA−1]を100部とした以外は、[トナー5]と同様にして、[トナー8]を得た。
(トナー9の作製)
[トナー5]の作製において、[非晶質ポリエステル樹脂B−3]を[非晶質ポリエステル樹脂B−4]に変え、更に[トナー5]の<油相の調製>において、[非晶質ポリエステル樹脂B−3]600部を[非晶質ポリエステル樹脂B−4]770部に変え、[プレポリマーA−1]を160部とした以外は、[トナー5]と同様にして、[トナー9]を得た。
(トナー10の作製)
[トナー5]の作製において、<油相の調製>における[プレポリマーA−1]250部を[プレポリマーA−1]100部及び[プレポリマーA−4]300部に変えた以外は、[トナー5]と同様にして、[トナー10]を得た。
なお、表2、表8、表14中、「樹脂A’」とあるのは「非晶質ポリエステル樹脂A−4」を表し、非晶質ポリエステル樹脂Aの構成比(質量%)が、非晶質ポリエステル樹脂A−1:非晶質ポリエステル樹脂A−4=5:15であることを表す。
(トナー11の作製)
[トナー1]の作製において、<油相の調製>における[プレポリマーA−1]300部を[プレポリマーA−5]400部に変え、かつ[非晶質ポリエステル樹脂B−1]700部を650部に変えた以外は、[トナー1]と同様にして、[トナー11]を得た。
(トナー12の作製)
[トナー1]の作製において、<油相の調製>における[結晶性ポリエステル分散液1]500部を0部に変え、かつ[非晶質ポリエステル樹脂B−1]700部を750部に変えた以外は、[トナー1]と同様にして、[トナー12]を得た。
(トナー13の作製)
[トナー8]の作製において、[非晶質ポリエステル樹脂B−3]を[非晶質ポリエステル樹脂B−4]に変えた以外は、[トナー8]と同様にして、[トナー13]を得た。
(電子写真感光体1Aの作製)
<表面処理金属酸化物微粒子の作製>
下記材料を混合して2時間攪拌し、その後、テトラヒドロフランを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、[表面処理金属酸化物微粒子1]を得た。
・金属酸化物微粒子:酸化亜鉛微粒子(FINEX−30、堺化学工業社製)・・・100部
・シランカップリング剤:N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメトキシシラン(KBM−603、信越化学工業社製)・・・2部
・溶媒:テトラヒドロフラン・・・500部
<下引き層用塗布液Aの調製>
下記材料を混合し、直径0.5mmのジルコニアビーズと振動ミルを用いて2時間攪拌し、[下引き層用塗布液A]を調製した。
・前記[表面処理金属酸化物微粒子1]・・・300部
・サリチル酸誘導体:3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸(TCI−D1947、東京化成工業社製)・・・1.5部
・バインダー樹脂:アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50、DIC社製)・・・60部
・バインダー樹脂:メラミン樹脂(スーパーベッカミンG821−60、DIC社製)・・・40部
・バインダー樹脂:シリコーン樹脂(トスパール130、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)・・・10部
・溶媒:2−ブタノン・・・400部
調製した[下引き層用塗布液A]において、3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸が金属酸化物微粒子表面に配位し、キレート錯体を形成していることは、分光光度計(UV−3600、島津製作所製)を用いて、下記の方法によって確認した。
3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸の希釈液(溶媒はテトラヒドロフラン)の透過率スペクトルを測定した。[下引き層用塗布液A]をガラス基板上にブレード塗工法によって塗布した後、170℃で30分間の乾燥を行った。その後、前記ガラス基板上に生じた膜の反射率スペクトルを測定した。3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸を添加しなかった以外は、[下引き層用塗布液A]と同様にして調製した[下引き層用塗布液A’]をガラス基板上にブレード塗工法によって塗布した後、170℃で30分間の乾燥を行った。その後、前記ガラス基板上に生じた膜の反射率スペクトルを測定した。
得られた3つのスペクトルを比較することで、サリチル酸誘導体が金属酸化物微粒子に配位し、キレート錯体を形成していることを確認することができた。
<電荷発生層用塗布液Bの調製>
下記材料を混合し、直径1mmのガラスビーズとビーズミルを用いて8時間攪拌し、[電荷発生層用塗布液B]を調製した。
・電荷発生物質:チタニルフタロシアニン・・・8部
・バインダー樹脂:ポリビニルブチラール(エスレックBX−1、積水化学工業社製)・・・5部
・溶媒:2−ブタノン・・・400部
図7に、用いたチタニルフタロシアニンの粉末X線回折スペクトルを示す。測定にはリガク社製のX線回折装置(RINT1100)を用いた。X線回折スペクトルの測定条件は以下の通りである。
−X線回折スペクトル測定条件−
・X線管球:Cu
・電圧:50kV
・電流:30mA
・走査速度:2°/分
・走査範囲:3°〜40°
・時定数:2秒
<電荷輸送層用塗布液Cの調製>
下記材料を混合し、材料が全て溶解するまでスターラーを用いて3時間攪拌することで[電荷輸送層用塗布液C]を調製した。
・電荷輸送物質:下記構造式(1)の電荷輸送物質・・・9部
・バインダー樹脂:ポリカーボネート(TS−2050、帝人化成社製)・・・10部
・レベリング剤:シリコーンオイル(KF−50、信越化学工業社製)・・・0.0005部
・溶媒:テトラヒドロフラン・・・100部
<電子写真感光体1Aの作製>
上述の材料を用いて直径100mm、厚さ1.5mmのアルミニウムシリンダー上に、前記[下引き層用塗布液A]を浸漬塗工法により塗布した後、170℃で30分間の乾燥を行い、厚みが15μmの下引き層を積層した。次に、[電荷発生層用塗布液B]を浸漬塗工法により塗布した後、90℃で30分間の乾燥を行い、厚みが0.2μmの電荷発生層を積層した。更に、[電荷輸送層用塗布液C]を浸漬塗工法により塗布した後、150℃で30分間の乾燥を行い、厚みが35μmの電荷輸送層を積層した。以上により、[電子写真感光体1A]を得た。
(電子写真感光体2A〜14Aの作製)
<電子写真感光体2Aの作製>
[電子写真感光体1A]の作製において、電荷輸送層の厚みを25μmとした以外は、[電子写真感光体1A]と同様にして、下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層を積層した。次に、前記電荷輸送層上に、下記組成の[表面層用塗布液D]をスプレー塗工し、150℃で20分間乾燥を加え、厚み5μmの表面層を設け、[電子写真感光体2A]を得た。
[表面層用塗布液D]は、以下の材料を混合分散させ、調製した。
・電荷輸送物質:上記構造式(1)の電荷輸送物質・・・3部
・バインダー樹脂:ポリカーボネート(TS−2050、帝人化成社製)・・・4部
・フィラー:アルミナ微粒子(AA03、住友化学社製)・・・3部
・溶媒:テトラヒドロフラン・・・170部
・溶媒:シクロヘキサノン・・・50部
<電子写真感光体3Aの作製>
[電子写真感光体1A]の作製において、[電荷輸送層塗布液C]に用いる電荷輸送物質として、前記構造式(1)の電荷輸送物質の代わりに、下記構造式(2)に示す電荷輸送物質を用い、電荷輸送層の厚みを25μmとした以外は、[電子写真感光体1A]と同様にして、下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層を積層した。
次に、前記電荷輸送層の上に、下記組成の[架橋表面層用塗布液E]をスプレー塗工し、20分間自然乾燥した後、メタルハライドランプ:160W/cmを用い、照射距離:120mm、照射強度:500mW/cm、照射時間:60秒間の条件で光照射を行い、塗布膜を硬化させた。更に、130℃で20分間乾燥を加えることで、厚み5μmの架橋表面層を設け、[電子写真感光体3A]を得た。
[架橋表面層用塗布液E]は、以下の材料を混合分散させ、調製した。
・ラジカル重合性モノマー:トリメチロールプロパントリアクリレート(KAYARAD TMPTA、日本化薬社製、分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99)・・・10部
・ラジカル重合性化合物:下記構造式(3)の電荷輸送物質・・・10部
・フィラー:アルミナ微粒子(AA03、住友化学社製)・・・2部
・光重合開始剤:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア(登録商標)184、BASFジャパン社製)・・・1部
・溶媒:テトラヒドロフラン・・・100部
<電子写真感光体4Aの作製>
[電子写真感光体1A]の作製において、[下引き層用塗布液A]に用いる表面処理金属酸化物微粒子の代わりに、下記の金属酸化物微粒子を用いた以外は、[電子写真感光体1A]と同様にして、[電子写真感光体4A]を得た。
・金属酸化物微粒子:酸化チタン微粒子(PT−401M、石原産業社製)
<電子写真感光体5Aの作製>
[電子写真感光体1A]の作製において、[下引き層用塗布液A]に用いる表面処理金属酸化物微粒子の代わりに、下記の金属酸化物微粒子を用いた以外は、[電子写真感光体1A]と同様にして、[電子写真感光体5A]を得た。
・金属酸化物微粒子:酸化スズ微粒子(NanoTek(登録商標)SnO、シーアイ化成社製)
<電子写真感光体6Aの作製>
[電子写真感光体1A]の作製において、[下引き層用塗布液A]に用いるシランカップリング剤(表面処理剤)を、下記のシランカップリング剤に変更した以外は、[電子写真感光体1A]と同様にして、[電子写真感光体6A]を得た。
・シランカップリング剤:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−503、信越化学工業社製)
<電子写真感光体7Aの作製>
[電子写真感光体6A]の作製において、[下引き層用塗布液A]に用いるサリチル酸誘導体を、下記のサリチル酸誘導体に変更した以外は、[電子写真感光体6A]と同様にして、[電子写真感光体7A]を得た。
・サリチル酸誘導体:3−アミノサリチル酸(TCI−A0421、東京化成工業社製)
<電子写真感光体8Aの作製>
[電子写真感光体6A]の作製において、[下引き層用塗布液A]に用いるサリチル酸誘導体を、下記のサリチル酸誘導体に変更した以外は、[電子写真感光体6A]と同様にして、[電子写真感光体8A]を得た。
・サリチル酸誘導体:3,5−ジニトロサリチル酸(TCI−D0850、東京化成工業社製)
<電子写真感光体9Aの作製>
[電子写真感光体6A]の作製において、[下引き層用塗布液A]に用いるサリチル酸誘導体を、下記のナフトエ酸誘導体に変更した以外は、[電子写真感光体6A]と同様にして、[電子写真感光体9A]を得た。
・ナフトエ酸誘導体:3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸(TCI−B3229、東京化成工業社製)
<電子写真感光体10Aの作製>
[電子写真感光体1A]の作製において、[下引き層用塗布液A]に用いる金属酸化物微粒子のシランカップリング剤による表面処理を行わなかった以外は、[電子写真感光体1A]と同様にして、[電子写真感光体10A]を得た。
<電子写真感光体11Aの作製>
[電子写真感光体10A]の作製において、[下引き層用塗布液A]に用いる金属酸化物微粒子を、下記の金属酸化物微粒子に変更した以外は、[電子写真感光体10A]と同様にして、[電子写真感光体11A]を得た。
・金属酸化物微粒子:酸化ジルコニウム微粒子(UEP、第一希元素化学工業社製)
<電子写真感光体12Aの作製>
[電子写真感光体1A]の作製において、[下引き層用塗布液A]に用いるサリチル酸誘導体を、下記構造式(4)の化合物(アリザリン)に変更した以外は、[電子写真感光体1A]と同様にして、[電子写真感光体12A]を得た。
<電子写真感光体13Aの作製>
[電子写真感光体1A]の作製において、[下引き層用塗布液A]にサリチル酸誘導体を用いなかった以外は、[電子写真感光体1A]と同様にして、[電子写真感光体13A]を得た。
<電子写真感光体14Aの作製>
[電子写真感光体1A]の作製において、[下引き層用塗布液A]に用いる金属酸化物を酸化亜鉛に変えて酸化チタン(製品名:CR−EL、石原産業社製)に変更してサリチル酸誘導体を用いなかった以外は、[電子写真感光体1A]と同様にして、[電子写真感光体14A]を得た。
(実施例1A)
前述のようにして作製した[電子写真感光体1A]と[トナー1]を用いて下記の各種評価を行った。
(実施例2A〜10A)
実施例1Aにおいて、表1、表2に従い、[トナー1]を[トナー2〜10]に変えて実施例1Aと同様の評価を行った。
(比較例1A〜3A)
実施例1Aにおいて、表3に従い、[トナー1]を[トナー11〜13]に変えて実施例1Aと同様の評価を行った。
(実施例11A〜20A)
実施例1Aにおいて、表4、表5に従い、[電子写真感光体1A]を[電子写真感光体2A〜11A]に変えて実施例1Aと同様の評価を行った。
(比較例4A〜6A)
実施例1Aにおいて、表6に従い、[電子写真感光体1A]を[電子写真感光体12A〜14A]に変えて実施例1Aと同様の評価を行った。
(電子写真感光体1Bの作製)
<下引き層用塗布液Fの調製>
下記材料を混合し、直径0.5mmのジルコニアビーズと振動ミルを用いて2時間攪拌し、[下引き層用塗布液F]を調製した。
・前記[表面処理金属酸化物微粒子1]・・・300部
・アゾ化合物:モーダントブラック17(製品コードA0581、東京化成工業社製)・・・1.5部
・バインダー樹脂:アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50、DIC社製)・・・60部
・バインダー樹脂:メラミン樹脂(スーパーベッカミンG821−60、DIC社製)・・・40部
・バインダー樹脂:シリコーン樹脂(トスパール130、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)・・・10部
・溶媒:2−ブタノン・・・400部
調製した[下引き層用塗布液F]において、アゾ化合物(モーダントブラック17)が金属酸化物微粒子表面に配位し、キレート錯体を形成していることは、分光光度計(UV−3600、島津製作所製)を用いて、下記の方法によって確認した。
アゾ化合物(モーダントブラック17)の希釈液(溶媒はテトラヒドロフラン)の透過率スペクトルを測定した。[下引き層用塗布液F]をガラス基板上にブレード塗工法によって塗布した後、170℃で30分間の乾燥を行った。その後、前記ガラス基板上に生じた膜の反射率スペクトルを測定した。アゾ化合物(モーダントブラック17)を添加しなかった以外は、[下引き層用塗布液F]と同様にして調製した[下引き層用塗布液F’]をガラス基板上にブレード塗工法によって塗布した後、170℃で30分間の乾燥を行った。その後、前記ガラス基板上に生じた膜の反射率スペクトルを測定した。
得られた3つのスペクトルを比較することで、アゾ化合物(モーダントブラック17)が金属酸化物微粒子に配位し、キレート錯体を形成していることを確認することができた。
<電子写真感光体1Bの作製>
[電子写真感光体1A]の作製において、[下引き層用塗布液A]を[下引き層用塗布液F]に変えた以外は、[電子写真感光体1A]と同様にして、[電子写真感光体1B]を得た。
(電子写真感光体2B〜14Bの作製)
<電子写真感光体2Bの作製>
[電子写真感光体1B]の作製において、電荷輸送層の厚みを25μmとした以外は、[電子写真感光体1B]と同様にして、下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層を積層した。次に、前記電荷輸送層上に、前記[表面層用塗布液D]をスプレー塗工し、150℃で20分間乾燥を加え、厚み5μmの表面層を設け、[電子写真感光体2B]を得た。
<電子写真感光体3Bの作製>
[電子写真感光体1B]の作製において、[電荷輸送層塗布液C]に用いる電荷輸送物質として、前記構造式(1)の電荷輸送物質の代わりに、前記構造式(2)に示す電荷輸送物質を用い、電荷輸送層の厚みを25μmとした以外は、[電子写真感光体1B]と同様にして、下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層を積層した。
次に、前記電荷輸送層の上に、前記[架橋表面層用塗布液E]をスプレー塗工し、20分間自然乾燥した後、メタルハライドランプ:160W/cmを用い、照射距離:120mm、照射強度:500mW/cm、照射時間:60秒間の条件で光照射を行い、塗布膜を硬化させた。更に、130℃で20分間乾燥を加えることで、厚み5μmの架橋表面層を設け、[電子写真感光体3B]を得た。
<電子写真感光体4Bの作製>
[電子写真感光体1B]の作製において、[下引き層用塗布液F]に用いる表面処理金属酸化物微粒子の代わりに、下記の金属酸化物微粒子を用いた以外は、[電子写真感光体1B]と同様にして、[電子写真感光体4B]を得た。
・金属酸化物微粒子:酸化チタン微粒子(PT−401M、石原産業社製)
<電子写真感光体5Bの作製>
[電子写真感光体1B]の作製において、[下引き層用塗布液F]に用いる表面処理金属酸化物微粒子の代わりに、下記の金属酸化物微粒子を用いた以外は、[電子写真感光体1B]と同様にして、[電子写真感光体5B]を得た。
・金属酸化物微粒子:酸化スズ微粒子(NanoTek(登録商標)SnO、シーアイ化成社製)
<電子写真感光体6Bの作製>
[電子写真感光体1B]の作製において、[下引き層用塗布液F]に用いるシランカップリング剤(表面処理剤)を、下記のシランカップリング剤に変更した以外は、[電子写真感光体1B]と同様にして、[電子写真感光体6B]を得た。
・シランカップリング剤:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−503、信越化学工業社製)
<電子写真感光体7Bの作製>
[電子写真感光体6B]の作製において、[下引き層用塗布液F]に用いるアゾ化合物を、下記のアゾ化合物に変更した以外は、[電子写真感光体6B]と同様にして、[電子写真感光体7B]を得た。
・アゾ化合物:エリオクロムブラックA(製品コードE0226、東京化成工業社製)
<電子写真感光体8Bの作製>
[電子写真感光体6B]の作製において、[下引き層用塗布液F]に用いるアゾ化合物を、下記のアゾ化合物に変更した以外は、[電子写真感光体6B]と同様にして、[電子写真感光体8B]を得た。
・アゾ化合物:キシリルアゾバイオレットI(製品コードA5007、東京化成工業社製)
<電子写真感光体9Bの作製>
[電子写真感光体6B]の作製において、[下引き層用塗布液F]に用いるアゾ化合物を、下記のアゾ化合物に変更した以外は、[電子写真感光体6B]と同様にして、[電子写真感光体9B]を得た。
・アゾ化合物:4−(3,5−ジブロモ−2−ピリジルアゾ)−1,3−フェニレンジアミン(製品コードD1552、東京化成工業社製)
<電子写真感光体10Bの作製>
[電子写真感光体1B]の作製において、[下引き層用塗布液F]に用いる金属酸化物微粒子のシランカップリング剤による表面処理を行わなかった以外は、[電子写真感光体1B]と同様にして、[電子写真感光体10B]を得た。
<電子写真感光体11Bの作製>
[電子写真感光体10B]の作製において、[下引き層用塗布液F]に用いる金属酸化物微粒子を、下記の金属酸化物微粒子に変更した以外は、[電子写真感光体10B]と同様にして、[電子写真感光体11B]を得た。
・金属酸化物微粒子:酸化ジルコニウム微粒子(UEP、第一希元素化学工業社製)
<電子写真感光体12Bの作製>
[電子写真感光体1B]の作製において、[下引き層用塗布液F]に用いるアゾ化合物を、前記構造式(4)の化合物(アリザリン)に変更した以外は、[電子写真感光体1B]と同様にして、[電子写真感光体12B]を得た。
<電子写真感光体13Bの作製>
[電子写真感光体1B]の作製において、[下引き層用塗布液F]にアゾ化合物を用いなかった以外は、[電子写真感光体1B]と同様にして、[電子写真感光体13B]を得た。
<電子写真感光体14Bの作製>
[電子写真感光体1B]の作製において、[下引き層用塗布液F]に用いる金属酸化物を酸化亜鉛に変えて酸化チタン(製品名:CR−EL、石原産業社製)に変更してアゾ化合物を用いなかった以外は、[電子写真感光体1B]と同様にして、[電子写真感光体14B]を得た。
(実施例1B)
前述のようにして作製した[電子写真感光体1B]と[トナー1]を用いて実施例1Aと同様の評価を行った。
(実施例2B〜10B)
実施例1Bにおいて、表7、表8に従い、[トナー1]を[トナー2〜10]に変えて実施例1Bと同様の評価を行った。
(比較例1B〜3B)
実施例1Bにおいて、表9に従い、[トナー1]を[トナー11〜13]に変えて実施例1Bと同様の評価を行った。
(実施例11B〜20B)
実施例1Bにおいて、表10、表11に従い、[電子写真感光体1B]を[電子写真感光体2B〜11B]に変えて実施例1Bと同様の評価を行った。
(比較例4B〜6B)
実施例1Bにおいて、表12に従い、[電子写真感光体1B]を[電子写真感光体12B〜14B]に変えて実施例1Bと同様の評価を行った。
(電子写真感光体1Cの作製)
<表面処理金属酸化物微粒子の作製>
下記材料を混合して2時間攪拌した。その後、テトラヒドロフランを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、表面処理金属酸化物微粒子を得た。
・金属酸化物微粒子:酸化亜鉛微粒子(FINEX−30、堺化学工業社製)・・・100部
・シランカップリング剤:N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメトキシシラン(KBM−603、信越化学工業社製)・・・2部
・溶媒:テトラヒドロフラン・・・500部
<下引き層用塗布液Gの調製>
下記材料を混合し、直径0.5mmのジルコニアビーズと振動ミルを用いて2時間攪拌し、[下引き層用塗布液G]を調製した。
・前記[表面処理金属酸化物微粒子1]・・・300部
・フラボノイド誘導体:ルチン (TCI−R0035 東京化成社製)・・・1.5部
・バインダー樹脂:アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50、DIC社製)・・・60部
・バインダー樹脂:メラミン樹脂(スーパーベッカミンG821−60、DIC社製)・・・40部
・バインダー樹脂:シリコーン樹脂(トスパール130、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)・・・10部
・溶媒:2−ブタノン・・・400部
調製した[下引き層用塗布液G]において、フラボノイド誘導体が金属酸化物微粒子表面に配位し、キレート錯体を形成していることは、分光光度計(UV−3600、島津製作所製)を用いて、下記の方法によって確認した。
フラボノイド誘導体の希釈液(溶媒はテトラヒドロフラン)の透過率スペクトルを測定した。[下引き層用塗布液G]をガラス基板上にブレード塗工法によって塗布した後、170℃で30分間の乾燥を行った。その後、前記ガラス基板上に生じた膜の反射率スペクトルを測定した。フラボノイド誘導体を添加しなかった以外は、[下引き層用塗布液G]と同様にして調製した[下引き層用塗布液G’]をガラス基板上にブレード塗工法によって塗布した後、170℃で30分間の乾燥を行った。その後、前記ガラス基板上に生じた膜の反射率スペクトルを測定した。
得られた3つのスペクトルを比較することで、フラボノイド誘導体が金属酸化物微粒子に配位し、キレート錯体を形成していることを確認することができた。
<電子写真感光体1Cの作製>
[電子写真感光体1A]の作製において、[下引き層用塗布液A]を[下引き層用塗布液G]に変えた以外は、[電子写真感光体1A]と同様にして、[電子写真感光体1C]を得た。
(電子写真感光体2C〜14Cの作製)
<電子写真感光体2Cの作製>
[電子写真感光体1C]の作製において、電荷輸送層の厚みを25μmとした以外は、[電子写真感光体1C]と同様にして、下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層を積層した。次に、前記電荷輸送層上に、前記組成の[表面層用塗布液D]をスプレー塗工し、150℃で20分間乾燥を加え、厚み5μmの表面層を設け、[電子写真感光体2C]を得た。
<電子写真感光体3Cの作製>
[電子写真感光体1C]の作製において、[電荷輸送層塗布液C]に用いる電荷輸送物質として、前記構造式(1)の電荷輸送物質の代わりに、前記構造式(2)に示す電荷輸送物質を用い、電荷輸送層の厚みを25μmとした以外は、[電子写真感光体1C]と同様にして、下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層を積層した。次に、前記電荷輸送層の上に、前記組成の[架橋表面層用塗布液E]をスプレー塗工し、20分間自然乾燥した後、メタルハライドランプ:160W/cmを用い、照射距離:120mm、照射強度:500mW/cm、照射時間:60秒間の条件で光照射を行い、塗布膜を硬化させた。更に、130℃で20分間乾燥を加えることで、厚み5μmの架橋表面層を設け、[電子写真感光体3C]を得た。
<電子写真感光体4Cの作製>
[電子写真感光体1C]の作製において、[下引き層用塗布液G]に用いる表面処理金属酸化物微粒子の代わりに、下記の金属酸化物微粒子を用いた以外は、[電子写真感光体1C]と同様にして、[電子写真感光体4C]を得た。
・金属酸化物微粒子:酸化チタン微粒子(PT−401M、石原産業社製)
<電子写真感光体5Cの作製>
[電子写真感光体1C]の作製において、[下引き層用塗布液G]に用いる表面処理金属酸化物微粒子の代わりに、下記の金属酸化物微粒子を用いた以外は、[電子写真感光体1C]と同様にして、[電子写真感光体5C]を得た。
・金属酸化物微粒子:酸化スズ微粒子(NanoTek(登録商標)SnO、シーアイ化成社製)
<電子写真感光体6Cの作製>
[電子写真感光体1C]の作製において、[下引き層用塗布液G]に用いるシランカップリング剤(表面処理剤)を、下記のシランカップリング剤に変更した以外は、[電子写真感光体1C]と同様にして、[電子写真感光体6C]を得た。
・シランカップリング剤:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−503、信越化学工業社製)
<電子写真感光体7Cの作製>
[電子写真感光体6C]の作製において、[下引き層用塗布液G]に用いるフラボノイド誘導体を、下記のフラボノイド誘導体に変更した以外は、[電子写真感光体6C]と同様にして、[電子写真感光体7C]を得た。
・フラボノイド誘導体(ナリンゲニン(TCI−N0072、東京化成社製))
<電子写真感光体8Cの作製>
[電子写真感光体6C]の作製において、[下引き層用塗布液G]に用いるフラボノイド誘導体を、下記のフラボノイド誘導体に変更した以外は、[電子写真感光体6C]と同様にして、[電子写真感光体8C]を得た。
・フラボノイド誘導体(カテキン水和物(TCI−C0958、東京化成社製))
<電子写真感光体9Cの作製>
[電子写真感光体6C]の作製において、[下引き層用塗布液G]に用いるフラボノイド誘導体を、下記のフラボノイド誘導体に変更した以外は、[電子写真感光体6C]と同様にして、[電子写真感光体9C]を得た。
・フラボノイド誘導体(クリセチン(TCI−P0042、東京化成社製))
<電子写真感光体10Cの作製>
[電子写真感光体1C]の作製において、[下引き層用塗布液G]に用いる金属酸化物微粒子のシランカップリング剤による表面処理を行わなかった以外は、[電子写真感光体1C]と同様にして、[電子写真感光体10C]を得た。
<電子写真感光体11Cの作製>
[電子写真感光体10C]の作製において、[下引き層用塗布液G]に用いる金属酸化物微粒子を、下記の金属酸化物微粒子に変更した以外は、[電子写真感光体10C]と同様にして、[電子写真感光体11C]を得た。
・金属酸化物微粒子:酸化ジルコニウム微粒子(UEP、第一希元素化学工業社製)
<電子写真感光体12Cの作製>
[電子写真感光体1C]の作製において、[下引き層用塗布液G]に用いるフラボノイド誘導体を、前記構造式(4)の化合物(アリザリン)に変更した以外は、[電子写真感光体1C]と同様にして、[電子写真感光体12C]を得た。
<電子写真感光体13Cの作製>
[電子写真感光体1C]の作製において、[下引き層用塗布液G]にフラボノイド誘導体を用いなかった以外は、[電子写真感光体1C]と同様にして、[電子写真感光体13C]を得た。
<電子写真感光体14Cの作製>
[電子写真感光体1C]の作製において、[下引き層用塗布液G]に用いる金属酸化物を酸化亜鉛に変えて酸化チタン(製品名:CR−EL、石原産業社製)に変更してフラボノイド誘導体を用いなかった以外は、[電子写真感光体1C]と同様にして、[電子写真感光体14C]を得た。
(実施例1C)
前述のようにして作製した[電子写真感光体1C]と[トナー1]を用いて実施例1Aと同様の評価を行った。
(実施例2C〜10C)
実施例1Cにおいて、表13、表14に従い、[トナー1]を[トナー2〜10]に変えて実施例1Cと同様の評価を行った。
(比較例1C〜3C)
実施例1Cにおいて、表15に従い、[トナー1]を[トナー11〜13]に変えて実施例1Cと同様の評価を行った。
(実施例11C〜20C)
実施例1Cにおいて、表16、表17に従い、[電子写真感光体1C]を[電子写真感光体2C〜11C]に変えて実施例1Cと同様の評価を行った。
(比較例4C〜6C)
実施例1Cにおいて、表18に従い、[電子写真感光体1C]を[電子写真感光体12C〜14C]に変えて実施例1Cと同様の評価を行った。
(トナーの評価)
得られた各トナーについて以下の方法により現像剤を作製し、以下の評価を行った。結果を表1〜表18に示す。
<Tg1st>
トナーの示差走査熱量測定(DSC)の昇温1回目におけるガラス転移温度(Tg1st)はDSCシステム(示差走査熱量計)(「Q−200」、TAインスツルメント社製)を用いて以下のようにして測定した。まず、トナー約5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットした。次いで、窒素雰囲気下、−80℃から昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱した(昇温1回目)。その後、150℃から降温速度10℃/minにて−80℃まで冷却させ、更に昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱(昇温2回目)した。この昇温1回目、及び昇温2回目のそれぞれにおいて、示差走査熱量計(「Q−200」、TAインスツルメント社製)を用いてDSC曲線を計測した。得られたDSC曲線から、Q−200システム中の解析プログラムを用いて、1回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、トナーの昇温1回目におけるガラス転移温度を求めた。
<現像液の作製>
−キャリアの作製−
トルエン100部に、シリコーン樹脂オルガノストレートシリコーン100部、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン5部、及びカーボンブラック10部を添加し、ホモミキサーで20分間分散させて、樹脂層塗布液を調製した。流動床型コーティング装置を用いて、平均粒径50μmの球状マグネタイト1,000部の表面に前記樹脂層塗布液を塗布して、キャリアを作製した。
−現像剤の作製−
ボールミルを用いて、トナー5部と前記キャリア95部とを混合し、現像剤を作製した。
<低温定着性、及び耐高温オフセット性>
定着ローラとして、テフロン(登録商標)ローラを使用した複写機MF2200(リコー社製)の定着部を改造した装置を用いて、タイプ6200紙(リコー社製)に複写テストを行った。具体的には、定着温度を変化させてコールドオフセット温度(定着下限温度)及び高温オフセット温度(定着上限温度)を求めた。
定着下限温度の評価条件は、紙送りの線速度を120mm/秒間〜150mm/秒間、面圧を1.2kgf/cm、ニップ幅を3mmとした。
また、定着上限温度の評価条件は、紙送りの線速度を50mm/秒間、面圧を2.0kgf/cm、ニップ幅を4.5mmとした。
定着下限温度としては、80〜120℃であることが好ましく、90〜115℃であることがより好ましい。
定着上限温度としては、175〜230℃であることが好ましく、180〜220℃であることがより好ましい。
<耐熱保存性>
トナーを50℃で8時間保管した後、42メッシュの篩で2分間篩い、金網上の残存率を測定した。このとき、耐熱保存性が良好なトナー程、残存率は小さい。なお、耐熱保存性の評価基準は以下の通りとした。
〔評価基準〕
◎:残存率が10%未満
○:残存率が10%以上20%未満
△:残存率が20%以上30%未満
×:残存率が30%以上
(実施例の評価)
<実機通紙試験>
デジタル複写機RICOH PRO C900(リコー社製)の改造機を評価に使用した。前記改造機の帯電部材としてスコロトロン方式の帯電部材を、画像露光光源として780nmのLD光(ポリゴンミラーによる画像書き込み、解像度1,200dpi)を、転写部材として転写ベルトを、除電部材として除電ランプを用いた。
<帯電電位変動(ΔVD)、露光後電位変動(ΔVL)の評価>
長期間の繰り返し使用時における電気特性の変化を評価するために、上記改造機において感光体の表面電位が測定可能となるように、現像ユニットを改造して、電位センサー(MODEL 6000B−8、トレック・ジャパン社製)を取り付けた。
その後、常温常湿環境である23℃、55%RHの環境下で、ブラック単色のA4サイズのテストチャート(画像面積率5%)を10万枚連続出力した。
その後、さらに高温高湿環境である28℃、85%RHの環境下で、ブラック単色のA4サイズのテストチャート(画像面積率5%)を10万枚連続出力した。
上記23℃、55%RHの環境下での実機通紙試験の前後、及び28℃、85%RHの環境下での実機通紙試験の前後、感光体の表面電位測定を行った。
ワイヤーへの印加電圧を−1,800μA、グリッド電圧を−800Vとし、A3サイズの紙を縦方向で全ベタ画像を10枚印刷した時の10枚目の帯電電位(VD)及び露光後電位(VL)を測定した。測定には市販の表面電位計(MODEL 344、トレック・ジャパン社製)を用い、表面電位計の数値はオシロスコープ(ハンディ・オシログラフィックレコーダーOR122−1、横河電機社製)で毎秒100シグナル以上の条件で記録した。
〔帯電電位変動(ΔVD)の評価基準〕
◎:実機通紙試験前後の帯電電位差(ΔVD)が10V未満
○:実機通紙試験前後の帯電電位差(ΔVD)が10V以上、30V未満
×:実機通紙試験前後の帯電電位差(ΔVD)が30V以上
〔露光後電位変動(ΔVL)の評価基準〕
◎:実機通紙試験前後の露光後電位差(ΔVL)が10V未満
○:実機通紙試験前後の露光後電位差(ΔVL)が10V以上、30V未満
×:実機通紙試験前後の露光後電位差(ΔVL)が30V以上
<画像品質(残像、地汚れ)の評価>
前記電気特性(帯電性及び残留電位)の評価における実機通紙試験の前後で、画像を出力し、残像評価及び地汚れ評価を行った。
残像評価に関しては、3cm×3cmの×印形状パターンを有する画像を3枚連続で出力した後に、ハーフトーン出力を3枚連続で行い、残像発生有無を目視で確認した。
地汚れ評価に関しては、グロスコート紙を用いてA3サイズの全面白地画像を5枚連続出力し、評価を行った。
〔評価基準〕
◎:残像、地汚れともに未発生
○:わずかに残像又は地汚れが発生したが使用上は問題のない画像
×:残像又は地汚れが明らかに発生し問題になる画像
<画像品質(トナーフィルミング)の評価>
以下のようにしてトナーフィルミングについて評価した。上記23℃、55%RHの環境下での10万枚の実機通紙試験後、及び28℃、85%RHの環境下での10万枚の実機通紙試験後に感光体を取り外し感光体表面のトナーフィルミングの有無について目視評価した。
〔評価基準〕
◎:感光体表面へのトナー成分の固着が認められない
○:感光体表面へのトナー成分の固着がわずかに認められるが、使用上問題にならない。
△:感光体表面へのトナー成分の固着が確認され、使用条件によっては問題になる。
×:感光体表面へのトナー成分の固着が確認され、使用上明らかに問題になる。
上記得られた電子写真感光体及びトナーの組成並びに各評価結果を表1〜表18に示す。
1 電子写真感光体
3 帯電手段
5 露光手段
6 現像手段
10 転写手段
31 導電性支持体
32 下引き層
33 単層型感光層
35 電荷発生層
37 電荷輸送層
39 保護層
101 電子写真感光体
102 帯電手段
104 現像手段
105 記録媒体
107 クリーニング手段
108 転写手段
特許第5408210号公報 特開平11−133649号公報 特開2012−58597号公報 特開2006−30700号公報 特開2014−199400号公報 特許第5408210号公報

Claims (9)

  1. 電子写真感光体、該電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段、及び該可視像を記録媒体に転写する転写手段を有する画像形成装置であって、
    前記電子写真感光体は、導電性支持体と、該導電性支持体上に下引き層と感光層とをこの順に有し、
    前記下引き層が、サリチル酸誘導体、ナフトエ酸誘導体、アゾ化合物、及びフラボノイド誘導体から選択される少なくとも1種と、金属酸化物微粒子とを含有し、
    前記トナーは、結晶性ポリエステル樹脂Cを含有し、かつ、示差走査熱量測定(DSC)の昇温1回目におけるガラス転移温度(Tg1st)が20℃以上65℃以下であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記トナーは、ガラス転移温度が−60℃以上0℃以下である非晶質ポリエステル樹脂Aと、ガラス転移温度が40℃以上70℃以下である非晶質ポリエステル樹脂Bとを含有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記導電性支持体は、円筒状のアルミニウム又はアルミニウム合金からなり、厚みが1.5mm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記サリチル酸誘導体、ナフトエ酸誘導体、アゾ化合物、及びフラボノイド誘導体から選択される少なくとも1種が、前記金属酸化物微粒子の表面に配位し、キレート錯体を形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記金属酸化物微粒子が、シランカップリング剤で表面処理されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記シランカップリング剤が、アミノ基を有することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記金属酸化物微粒子が、酸化亜鉛、酸化チタン、及び酸化スズから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 電子写真感光体とトナーを有するプロセスカートリッジであって、
    前記電子写真感光体が、導電性支持体と、前記導電性支持体上に下引き層と感光層とをこの順に有し、
    前記下引き層が、サリチル酸誘導体、ナフトエ酸誘導体、アゾ化合物、及びフラボノイド誘導体から選択される少なくとも1種と、金属酸化物微粒子とを含有し、
    前記トナーは、結晶性ポリエステル樹脂Cを含有し、かつ、示差走査熱量測定(DSC)の昇温1回目におけるガラス転移温度(Tg1st)が20℃以上65℃以下であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  9. 電子写真感光体の表面を帯電させる帯電工程、帯電された前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光工程、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程、及び該可視像を記録媒体に転写する転写工程を有する画像形成方法であって、
    前記電子写真感光体は、導電性支持体と、該導電性支持体上に下引き層と感光層とをこの順に有し、
    前記下引き層が、サリチル酸誘導体、ナフトエ酸誘導体、アゾ化合物、及びフラボノイド誘導体から選択される少なくとも1種と、金属酸化物微粒子とを含有し、
    前記現像工程は、結晶性ポリエステル樹脂Cを含有し、かつ、示差走査熱量測定(DSC)の昇温1回目におけるガラス転移温度(Tg1st)が20℃以上65℃以下であるトナーにより現像することを特徴とする画像形成方法。
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