JP2019002689A - 物標検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】検出されていた物標の種類に応じて、適切な最大外挿継続時間を設定することができ、正確又は適切な物標の存在判定を行うことのできる物標検出装置を提供する。【解決手段】運転支援ECU(10)は、センサ物標が検出されている場合に当該センサ物標の縦相対速度の大きさが大きくなるほど上昇率が大きくなるように上昇率を求めるとともに、センサ物標が継続して検出されている時間に対応する値と上昇率とに基づいて決定される増大量を積算することによって存在確率を算出する。運転支援ECU(10)は、存在確率が大きくなるほど最大外挿継続時間が長くなり、且つ、縦相対速度の大きさが小さくなるほど最大外挿継続時間が長くなるように、最大外挿継続時間を演算する。【選択図】図1

Description

本発明は、車両(自車両)の周辺に存在する立体物(例えば、他の車両)の幅及び長さ等の物標情報を取得する物標検出装置に関する。
従来から、車線変更を行うための操舵操作(ハンドル操作)を支援する車線変更支援装置が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。車線変更支援装置は、車両に備えられた複数のレーダセンサ(例えば、ミリ波レーダやレーザレーダなど)によって、車両の周囲に存在する立体物(例えば、他車両)を検出し、その立体物の自車両に対する「縦位置、横位置及び相対車速」、並びに、その立体物の「幅及び長さ」等の情報(以下、「物標情報」とも称呼する。)を取得する。そして、車線変更支援装置は、取得した物標情報に基づいて、自車両が車線変更を行っても安全であるかどうかを監視し、安全であると判定した場合に車線変更支援を実行する。このような、「自車両の周辺に存在する立体物の物標情報を取得する物標検出装置」は、車線変更支援装置に限らず、他の運転支援装置にも採用される。
特開2009−274594号公報
ところで、レーダセンサは、周知であるように、自身の周囲にレーダ波を送信し且つそのレーダ波が立体物によって反射されることにより生成される反射波を受信し、その受信した反射波に基づいて物標を認識し且つ物標情報を取得する。このため、自車両に搭載されているレーダセンサの検知範囲、性能及び周辺環境の少なくとも一つによって、自車両の周囲に存在する物標が一時的に検知されないことが生じ得るため、自車両の周囲の物標の存在を正確に判断できない可能性がある。
そのため、従来の物標検出装置において、レーダセンサによって、物標が検知されなくなった後、物標が再検知されない限り、外挿処理を行うことにより途切れない物体検知を実行することが行われている。更に、従来の物標検出装置において、外挿処理を一定の最大外挿継続時間以上行ったときに、外挿処理を行ったセンサ物標が存在しないと判定することが行われている。
尚、外挿処理(単に「外挿」と称呼される場合がある。)とは、検知されていた物標の検知されていたときの物標情報又は当該物標情報に基づいて推定した物標情報に基づいて、検知されなくなった物標の物標情報を推定し、検知されなくなった物標の物標情報を推定した物標情報によって置換することによって物標を外挿する処理のことをいう。
ところが、物標の外挿処理を行う最大外挿継続時間を一定にすることによって、次のような問題が生じてしまうことがあり得る。
・ノイズ及びゴースト等の一時的に誤検知した物標も、検知されなくなった後、一定時間外挿してしまう。これによって、実際には、物標が自車両周囲に存在しない可能性が高いのに、物標が存在するとの判定が必要以上に長い間継続してしまう。
・物標の自車両に対する相対速度が小さい場合、自車両の近傍のレーダセンサの死角に侵入してから脱出するまでの間の時間と比べて最大外挿継続時間が短くなってしまうことがあり得る。この場合、物標がレーダセンサの死角にとどまっている間に外挿が終了してしまい、物標が自車両の近傍に存在しているのに存在していないと誤判定されることがあり得る。
更に、従来装置において、物標が継続して検知される継続演算回数に比例して、一定の上昇率にて増加するパラメータ(以下、「存在確率」とも称呼される。)の大きさが大きくなるほど、最大外挿継続時間が、長くなるように設定されることが行われている。
ところが、一箇所に長時間滞留するような特性を有する誤検知された物標(例えば、壁、路面及び路側物等のそれぞれが移動物であると誤検知された物標)は、自車両に対する相対位置が同じ位置に長い間検知され続ける傾向がある。このため、そのような誤検知された物標の存在確率が高くなってしまうことに伴い最大外挿継続時間も長く設定され、誤検知物標が検知されなくなった後、必要以上に長時間外挿されることにより、長時間誤検知物標が存在すると判定されてしまうことがあり得る。そして、その誤検知物標の検知位置が誤検知され、例えば、誤検知された位置が車線上にある場合、長い間その車線上に誤検知物標が存在すると判定されてしまうことがあり得る。
本発明は上述した課題に対処するためになされた。即ち、本発明の目的の一つは、検出されていた物標の種類に応じて適切な最大外挿継続時間を設定することができ、正確又は適切な物標の存在判定を行うことができる物標検出装置(以下、「本発明装置」とも称呼する。)を提供することにある。
本発明装置は、それぞれが、自車両の周囲に送信するレーダ波の立体物による反射点をセンサ物標として検出し、前記検出したセンサ物標の前記自車両に対する縦距離、横位置及び相対速度を含むセンサ物標情報を取得するための位置速度情報と、を検出する複数のレーダセンサ(16FC、16FL、16FR、16RL及び16RR)と、
前記検出されたセンサ物標の存在確率を演算する(ステップ1015)存在確率演算手段(10)と、
検出されていた前記センサ物標が検出されなくなった場合、当該検出されていた前記センサ物標が再検出されない限り、前記検出されていたセンサ物標が検出されていたときの前記位置速度情報に基づくセンサ物標情報に基づいて前記検出されていたセンサ物標の前記センサ物標情報を推定することによって外挿されたセンサ物標を生成する外挿処理(ステップ1030)を行う外挿処理手段(10)と、
前記存在確率及び前記検出されていたセンサ物標の縦相対速度(Vxobj)に基づいて前記外挿処理を行う時間の最大値である最大外挿継続時間を演算する(ステップ1025)最大外挿継続時間演算手段と、
前記外挿処理を最大外挿継続時間以上行ったとき(ステップ1040にて「Yes」との判定)に当該外挿処理を行った前記センサ物標が存在しないと判定する(ステップ1045)センサ物標存在判定手段(10)と、
を備え、
前記存在確率演算手段は、
前記センサ物標が検出されている場合に当該センサ物標の縦相対速度の大きさ(|Vxobj|)が大きくなるほど上昇率が大きくなるように当該センサ物標の縦相対速度に基づいて当該上昇率を求める(BK1)とともに、前記センサ物標が継続して検出されている時間に対応する値と前記上昇率とに基づいて決定される増大量を積算することによって前記存在確率を算出する(ステップ1015)ように構成され、
前記最大外挿継続時間演算手段は、
前記存在確率が大きくなるほど前記最大外挿継続時間が長くなり、且つ、前記縦相対速度の大きさが小さくなるほど前記最大外挿継続時間が長くなるよう(BK2)に、前記最大外挿継続時間を演算する(ステップ1025)ように構成されている。
これによれば、センサ物標の種類に応じた適切な最大外挿継続時間を設定することができ、以て、正確又は適切なセンサ物標の存在判定を行うことができる。
上記説明においては、本発明の理解を助けるために、後述する実施形態に対応する発明の構成に対し、その実施形態で用いた名称及び/又は符号を括弧書きで添えている。しかしながら、本発明の各構成要素は、上記名称及び/又は符号によって規定される実施形態に限定されるものではない。本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、以下の図面を参照しつつ記述される本発明の実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
図1は、本発明の実施形態に係る運転支援装置の概略構成図である。 図2は、図1に示した周辺レーダセンサの配設位置を示した自車両の平面図である。 図3は、車線維持制御を説明するための自車両及び道路の平面図である。 図4は、縦相対速度と上昇率との関係を示したグラフである。 図5は、周辺レーダセンサの死角領域を示した自車両、立体物及び道路の平面図である。 図6は、縦相対速度の絶対値と最大外挿時間と存在確率との関係を示したグラフである。 図7(A)、(B)及び(C)は、センサ物標を統合するグルーピング処理を説明するための図である。 図8(A)及び(B)は、センサ物標を統合するグルーピング処理を説明するための図である。 図9は、センサ物標を統合するグルーピング処理を説明するための図である。 図10は、図1に示した運転支援ECUのCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。
以下、本発明の実施形態に係る物標検出装置について図面を参照しながら説明する。この物標検出装置は、運転支援制御装置(車両走行制御装置)の一部である車線変更支援装置(以下、「本実施装置」とも称呼される。)に組み込まれている。
(構成)
本実施装置は、図1に示したように、車両(以下において、他の車両と区別するために、「自車両」と称呼される。)に適用され、運転支援ECU10、エンジンECU30、ブレーキECU40、ステアリングECU50、メータECU60及び表示ECU70を備えている。尚、以下において、運転支援ECU10は、単に、「DSECU」とも称呼される。
これらのECUは、マイクロコンピュータを主要部として備える電気制御装置(Electric Control Unit)であり、図示しないCAN(Controller Area Network)を介して相互に情報を送信可能及び受信可能に接続されている。本明細書において、マイクロコンピュータは、CPU、ROM、RAM、不揮発性メモリ及びインターフェースI/F等を含む。CPUはROMに格納されたインストラクション(プログラム、ルーチン)を実行することにより各種機能を実現するようになっている。これらのECUは、幾つか又は全部が一つのECUに統合されてもよい。
DSECUは、以下に列挙するセンサ(スイッチを含む。)と接続されていて、それらのセンサの検出信号又は出力信号を受信するようになっている。尚、各センサは、DSECU以外のECUに接続されていてもよい。その場合、DSECUは、センサが接続されたECUからCANを介してそのセンサの検出信号又は出力信号を受信する。
アクセルペダル11aの操作量APを検出するアクセルペダル操作量センサ11。
ブレーキペダル12aの操作量BPを検出するブレーキペダル操作量センサ12。
操舵ハンドルSWの操舵角θを検出する操舵角センサ13。
操舵ハンドルSWの操作により自車両のステアリングシャフトUSに加わる操舵トルクTraを検出する操舵トルクセンサ14。
自車両の走行速度(車速)を検出し、自車両の前後方向の速度(即ち、縦速度)である車速Vsxを検出する車速センサ15。
周辺レーダセンサ16a及びカメラセンサ16bを含む周辺センサ16。
操作スイッチ17。
自車両SVのヨーレートYRtを検出するヨーレートセンサ18。
自車両SVの前後方向の加速度Gxを検出する前後加速度センサ19。
自車両SVの横(車幅)方向(自車両SVの中心軸線に直交する方向)の加速度Gyを検出する横加速度センサ20。
周辺レーダセンサ16aは、図2に示したように、中央前方周辺センサ16FC、右前方周辺センサ16FR、左前方周辺センサ16FL、右後方周辺センサ16RR、及び、左後方周辺センサ16RLを備えている。周辺レーダセンサ16aは、単に、「レーダセンサ」と称呼される場合がある。
周辺センサ16FC,16FR,16FL,16RR及び16RLを個々に区別する必要が無い場合には、それらは周辺レーダセンサ16aと称呼される。周辺センサ16FC,16FR,16FL,16RR及び16RLは、実質的に互いに同一の構成を有する。
周辺レーダセンサ16aは、レーダ送受信部と信号処理部(図示略)とを備えている。レーダ送受信部は、ミリ波帯の電波であるレーダ波(以下、「ミリ波」と称呼する。)を放射し、更に、放射範囲内に存在する立体物(例えば、他車両、歩行者、自転車及び建造物等)によって反射されたミリ波(即ち、反射波)を受信する。レーダ波を反射する立体物の点は「反射点」とも称呼される。
信号処理部は、送信したミリ波と受信した反射波との位相差、それらの周波数差、及び、反射波の減衰レベル及びミリ波を送信してから反射波を受信するまでの時間等に基づいて、自車両SVと立体物の反射点との距離、自車両SVと立体物の反射点との相対速度、及び、自車両SVに対する立体物の反射点の方位、を表す反射点情報を所定時間が経過する毎に取得(検出)する。この立体物の反射点は物標と見做され、且つ、「センサ物標」と称呼される。
中央前方周辺センサ16FCは、車体のフロント中央部に設けられ、自車両SVの前方領域に存在するセンサ物標を検出する。右前方周辺センサ16FRは、車体の右前コーナー部に設けられ、主に自車両SVの右前方領域に存在するセンサ物標を検出する。左前方周辺センサ16FLは、車体の左前コーナー部に設けられ、主に自車両SVの左前方領域に存在するセンサ物標を検出する。右後方周辺センサ16RRは、車体の右後コーナー部に設けられ、主に自車両SVの右後方領域に存在するセンサ物標を検出する。左後方周辺センサ16RLは、車体の左後コーナー部に設けられ、主に自車両SVの左後方領域に存在するセンサ物標を検出する。例えば、周辺レーダセンサ16aは、自車両SVからの距離が100メートル程度の範囲に入るセンサ物標を検出する。尚、周辺レーダセンサ16aはミリ波帯以外の周波数帯の電波(レーダ波)を用いるレーダセンサであってもよい。
DSECUは、図2に示したように、X−Y座標を規定している。X軸は、自車両SVの前後方向に沿って自車両SVの前端部の幅方向中心位置を通るように伸び、前方を正の値として有する座標軸である。Y軸は、X軸と直交し、自車両SVの左方向を正の値として有する座標軸である。X軸の原点及びY軸の原点は、自車両SVの前端部の幅方向中心位置である。
周辺レーダセンサ16aは、上述した反射点情報に基づいて、以下に述べる「センサ物標についての情報」をDSECUに所定時間(演算周期)が経過する毎に送信する。センサ物標についての情報は、以下、「センサ物標情報」と称呼される。なお、DSECUは、演算周期が経過する毎に、上述した反射点情報を周辺レーダセンサ16aから直接取得して、反射点情報に基づいて「センサ物標情報」を演算して求めるようにして、センサ物標情報を取得してもよい。
・センサ物標のX座標位置(Xobj)。即ち、自車両SVとセンサ物標とのX軸方向の符号付き距離。X座標位置Xobjは、縦距離Xobj又は縦位置Xobjとも称呼される。
・センサ物標のY座標位置(Yobj)。即ち、自車両SVとセンサ物標とのY軸方向の符号付き距離。Y座標位置Yobjは、横位置Yobjとも称呼される。
・センサ物標の自車両SVに対するX軸方向の速度(即ち、縦相対速度)Vxobj。尚、縦絶対速度Vaxobjは、縦相対速度Vxobjに自車両SVの車速Vが加えられた値である。
・センサ物標の自車両SVに対するY軸方向の速度(即ち、横相対速度)Vyobj。尚、横絶対速度Vayobjは、横相対速度Vyobjと等しい値に設定される。
・センサ物標を識別(特定)するためのセンサ物標識別情報(センサ物標ID)
ところで、一つの立体物が二以上の反射点を有する場合がある。従って、周辺レーダセンサ16aのそれぞれは、一つの立体物に対して、複数のセンサ物標を検出する場合がある。即ち、周辺レーダセンサ16aのそれぞれは、複数組のセンサ物標情報を取得する場合がある。更に、二以上の周辺レーダセンサ16aが、一つの立体物に対して複数組のセンサ物標情報を取得する場合がある。
そこで、DSECUは、一つの立体物を検出している可能性が高い複数のセンサ物標をグルーピング(統合、フュージョン)することにより、複数のセンサ物標が示す一つの物標(以下、「フュージョン物標」と称呼される。)を認識する。
更に、DSECUは、その「フュージョン物標の属性値(属性値についての情報)」を後述するように取得する。フュージョン物標の属性値についての情報は「フュージョン物標情報又はフュージョン物標属性値」と称呼され、以下に述べる情報を含む。
・フュージョン物標のX座標位置(Xf)。即ち、自車両SVとフュージョン物標とのX軸方向の符号付き距離。本例において、X座標位置Xfは、フュージョン物標の中心点のX座標位置である。
・フュージョン物標のY座標位置(Yf)。即ち、自車両SVとフュージョン物標とのY軸方向の符号付き距離。本例において、Y座標位置Yfは、フュージョン物標の中心点のY座標位置である。
・フュージョン物標の自車両SVに対するX軸方向の速度(即ち、縦相対速度)Vxf。
・フュージョン物標の自車両SVに対するY軸方向の速度(即ち、横相対速度)Vyf。
・フュージョン物標の長さLf(フュージョン物標のX軸方向の長さ)。
・フュージョン物標の幅Wf(フュージョン物標のY軸方向の長さ)。
・フュージョン物標を識別(特定)するためのフュージョン物標識別情報(フュージョン物標ID)
カメラセンサ16bは、ステレオカメラであるカメラ部、及び、カメラ部によって撮影して得られた画像データを解析して道路の白線を認識するレーン認識部を備えている。カメラセンサ16b(カメラ部)は、自車両SVの前方の風景を撮影する。カメラセンサ16b(レーン認識部)は、所定の角度範囲(自車両SV前方に広がる範囲)を有する画像処理領域の画像データを解析して、自車両SVの前方の道路に形成された白線(区画線)を認識(検出)する。カメラセンサ16bは、認識した白線に関する情報をDSECUに送信する。
DSECUは、カメラセンサ16bから供給された情報に基づいて、図3に示したように、自車両SVの走行している車線(以下、「自車線」とも称呼する。)における左右の白線WLの幅方向の中心位置となる車線中心ラインCLを特定する。この車線中心ラインCLは、後述する車線維持支援制御における目標走行ラインとして利用される。更に、DSECUは、車線中心ラインCLのカーブの曲率Cuを演算する。尚、曲率Cuは、車線中心ラインCLが右にカーブしているとき正の値となり、車線中心ラインCLが左にカーブしているとき負の値となるように定義されている。
加えて、DSECUは、左白線及び右白線で区画される車線における自車両SVの位置及び向きを演算する。例えば、DSECUは、図3に示したように、自車両SVの基準点P(例えば、重心位置)と車線中心ラインCLとの道路幅方向の符号付き距離Dyを演算する。符号付き距離Dyの大きさは、自車両SVが車線中心ラインCLに対して道路幅方向に偏移している距離を示す。符号付き距離Dyは、自車両SVの基準点Pが車線中心ラインCLに対して道路幅方向の右側に偏移しているとき正の値となり、自車両SVの基準点Pが車線中心ラインCLに対して道路幅方向の左側に偏移しているとき負の値となるように定義されている。この符号付き距離Dyは以下において「横偏差Dy」とも称呼される。
DSECUは、車線中心ラインCLの方向と自車両SVの向いている方向(自車両SVの前後軸の方向)とのなす角度θyを演算する。この角度θyは以下において「ヨー角θy」とも称呼される。ヨー角θyは、自車両SVの向いている方向が車線中心ラインCLの方向に対して右回り側であるとき正の値となり、自車両SVの向いている方向が車線中心ラインCLの方向に対して左回り側であるとき負の値となるように定義されている。以下、曲率Cu、横偏差Dy、及び、ヨー角θyを表す情報(Cu、Dy、θy)は「車線関連車両情報」と称呼される場合がある。
カメラセンサ16bは、自車線の左白線及び右白線の種類(例えば、実線であるか破線であるか等)及び白線の形状等についての情報をDSECUに供給する。更に、カメラセンサ16bは、自車線に隣接する車線の左白線及び右白線の種類及び白線の形状等についてもDSECUに供給する。即ち、カメラセンサ16bは、「白線に関する情報」についてもDSECUに供給する。白線が実線である場合、車両がその白線を跨いで車線変更することは禁止されている。一方、白線が破線(一定の間隔で断続的に形成されている白線)の場合、車両がその白線を跨いで車線変更することは許可されている。車線関連車両情報(Cu、Dy、θy)、及び、白線に関する情報は、「車線情報」と称呼される場合がある。
操作スイッチ17は、何れも後述する「車線変更支援制御、車線維持制御、及び、追従車間距離制御」のそれぞれを実行するか否かについての選択を行うために運転者により操作される操作器である。従って、操作スイッチ17は、運転者の操作に応じて、上記の各制御の実行が選択されたか否かを示す信号を出力する。加えて、操作スイッチ17は、上記の各制御を実行する際の運転者の好みを反映するためのパラメータを運転者に入力又は選択させる機能も備えている。
エンジンECU30は、エンジンアクチュエータ31と接続されている。エンジンアクチュエータ31は、内燃機関の吸入空気量を調整するためのスロットル弁の開度を変更するスロットル弁アクチュエータを含む。エンジンECU30は、エンジンアクチュエータ31を駆動することによって、内燃機関32が発生するトルクを変更することにより、自車両SVの駆動力を制御し加速状態(加速度)を変更することができる。
ブレーキECU40は、ブレーキアクチュエータ41に接続されている。ブレーキアクチュエータ41は、ブレーキECU40からの指示に応じて摩擦ブレーキ機構42のブレーキキャリパ42bに内蔵されたホイールシリンダに供給する油圧を調整し、その油圧によりブレーキパッドをブレーキディスク42aに押し付けて摩擦制動力を発生させる。従って、ブレーキECU40は、ブレーキアクチュエータ41を制御することによって、自車両SVの制動力を制御し加速状態(減速度)を変更することができる。
ステアリングECU50は、周知の電動パワーステアリングシステムの制御装置であって、モータドライバ51に接続されている。モータドライバ51は、転舵用モータ52に接続されている。転舵用モータ52は、車両の「操舵ハンドル、操舵ハンドルに連結されたステアリングシャフト及び操舵用ギア機構等を含むステアリング機構」に組み込まれている。転舵用モータ52は、モータドライバ51から供給される電力によってトルクを発生し、このトルクによって操舵アシストトルクを加えたり、左右の操舵輪を転舵したりすることができる。即ち、転舵用モータ52は、自車両SVの舵角(転舵輪の転舵角度)を変更することができる。
ステアリングECU50は、ウインカーレバースイッチ53と接続されている。ウインカーレバースイッチ53は、後述するターンシグナルランプ61を作動(点滅)させるために運転者によって操作されるウインカーレバーの操作位置を検出する検出スイッチである。
ウインカーレバーはステアリングコラムに設けられている。ウインカーレバーは、初期位置から右回り操作方向に所定角度回転された第1段階位置と、第1段階位置よりも更に所定回転角度だけ右回り操作方向に回転された第2段階位置と、の2つの位置に操作できるようになっている。ウインカーレバーは、右回り操作方向の第1段階位置に運転者によって維持されている限りその位置を維持するが、運転者がウインカーレバーから手を離すと初期位置に自動的に戻るようになっている。ウインカーレバースイッチ53は、ウインカーレバーが右回り操作方向の第1段階位置にあるとき、ウインカーレバーが右回り操作方向の第1段階位置に維持されていることを示す信号をステアリングECU50に出力する。
同様に、ウインカーレバーは、初期位置から左回り操作方向に所定角度回転された第1段階位置と、第1段階位置よりも更に所定回転角度だけ左回り操作方向に回転された第2段階位置と、の2つの位置に操作できるようになっている。ウインカーレバーは、左回り操作方向の第1段階位置に運転者によって維持されている限りその位置を維持するが、運転者がウインカーレバーから手を離すと初期位置に自動的に戻るようになっている。ウインカーレバースイッチ53は、ウインカーレバーが左回り操作方向の第1段階位置にあるとき、ウインカーレバーが左回り操作方向の第1段階位置に維持されていることを示す信号をステアリングECU50に出力する。尚、このようなウインカーレバーについては、例えば、特開2005−138647号公報に開示されている。
DSECUは、ウインカーレバースイッチ53からの信号に基づいて、ウインカーレバーが右回り操作方向の第1段階位置に保持されている継続時間を計測するようになっている。更に、DSECUは、その計測した継続時間が予め設定した支援要求確定時間(例えば、0.8秒)以上であると判定したとき、運転者が右側車線への車線変更を行うために車線変更支援を受けたいという要求(以下、「車線変更支援要求」とも称呼される。)を発していると判定するようになっている。
更に、DSECUは、ウインカーレバースイッチ53からの信号に基づいて、ウインカーレバーが左回り操作方向の第1段階位置に保持されている継続時間を計測するようになっている。更に、DSECUは、その計測した継続時間が予め設定した支援要求確定時間以上であると判定したとき、運転者が左側車線への車線変更を行うために車線変更支援要求を発していると判定するようになっている。
メータECU60は、左右のターンシグナルランプ61(ウインカーランプ)及び情報ディスプレイ62と接続されている。
メータECU60は、図示しないウインカー駆動回路を介して、ウインカーレバースイッチ53からの信号及びDSECUからの指示等に応じて左又は右のターンシグナルランプ61を点滅させるようになっている。例えば、メータECU60は、ウインカーレバーが左回り操作方向の第1段階位置に維持されていることを示す信号をウインカーレバースイッチ53が出力しているとき、左のターンシグナルランプ61を点滅させる。更に、メータECU60は、ウインカーレバーが右回り操作方向の第1段階位置に維持されていることを示す信号をウインカーレバースイッチ53が出力しているとき、右のターンシグナルランプ61を点滅させる。
情報ディスプレイ62は、運転席の正面に設けられたマルチインフォメーションディスプレイである。情報ディスプレイ62は、車速及びエンジン回転速度等の計測値に加えて、各種の情報を表示する。例えば、メータECU60は、DSECUからの運転支援状態に応じた表示指令を受信すると、その表示指令により指定された画面を情報ディスプレイ62に表示させる。
表示ECU70は、ブザー71及び表示器72に接続されている。表示ECU70は、DSECUからの指示に応じ、ブザー71を鳴動させて運転者への注意喚起を行うことができる。更に、表示ECU70は、DSECUからの指示に応じ、表示器72に注意喚起用のマーク(例えば、ウォーニングランプ)を点灯させたり、警報画像を表示したり、警告メッセージを表示したり、運転支援制御の作動状況を表示したりすることができる。尚、表示器72はヘッドアップディスプレイであるが、他のタイプのディプレイであってもよい。
(基本的な運転支援制御の概要)
前述したように、DSECUは、追従車間距離制御、車線維持制御及び車線変更支援制御を実行するようになっている。車線維持制御は、追従車間距離制御が実行されている場合に限り実行される。車線変更支援制御は、車線維持制御が実行されている場合に限り実行される。以下、これらの制御について簡単に説明する。
追従車間距離制御は、自車両SVの直前を走行している先行車(即ち、追従対象車両)と自車両SVとの車間距離を所定の距離に維持しながら、自車両SVを先行車に追従させる制御である(例えば、特開2014−148293号公報、特開2006−315491号公報、特許第4172434号明細書、及び、特許第4929777号明細書等を参照。)。
車線維持制御は、自車両SVの位置が「自車両SVが走行しているレーン(自車線)」内の目標走行ライン(例えば、自車線の中央ライン)付近に維持されるように、操舵トルクをステアリング機構に付与して自車両SVの舵角を変更し、以て、運転者の操舵操作を支援する制御である(例えば、特開2008−195402号公報、特開2009−190464号公報、特開2010−6279号公報、及び、特許第4349210号明細書、等を参照。)。
車線変更支援制御は、自車両SVが、自車線(元車線)から「運転者が希望する、元車線に隣接する車線(目標隣接車線)」に移動するように、操舵トルクをステアリング機構に付与することにより自車両SVの舵角を変更し、以て、運転者の操舵操作(車線変更のためのハンドル操作)を支援する制御である(例えば、特開2016−207060号公報、及び、特開2017−74823号公報、等を参照。)。
<作動の概要>
DSECUは、少なくとも車線変更支援制御を実行する際、自車両SVが車線変更支援制御によって車線変更を行っても自車両SVと必要以上に接近する立体物(他車両)が存在しないことを確認する。そのために、DSECUは、前述したように、センサ物標情報に基づいて複数のセンサ物標をグルーピングすることにより、フュージョン物標を生成する。DSECUは、車線変更支援制御の車線変更支援要求が発生したと判定したとき、フュージョン物標の物標情報に基づいて、自車両SVの目標隣接車線に存在するフュージョン物標に自車両SVが衝突するまでの時間(衝突余裕時間TTC)を計算し、その衝突余裕時間TTCが閾値以上であるとき、車線変更支援制御を開始する。
先ず、フュージョン物標を生成する元となるセンサ物標の取得方法について説明する。このセンサ物標には、実際に検出されているセンサ物標のみならず、後述する「外挿されたセンサ物標」も含まれる。
DSECUは、今回の演算にて、一演算周期(Δt)前のセンサ物標(以下、「前回センサ物標」と称呼する。)が検出されているか否かをセンサ物標IDに基づき判定する。今回の演算にて前回センサ物標が検出されている場合、DSECUはセンサ物標の存在確率を更新する。尚、存在確率の演算方法については、後述する。
これに対して、今回の演算にて、前回センサ物標が検出されていない場合、DSECUは、外挿処理を行う。即ち、DSECUは、前回センサ物標のセンサ物標情報に基づいて、今回の演算における「前回センサ物標に対応するセンサ物標のセンサ物標情報(例えば、位置及び相対速度)」を推定する。以下、「今回の演算における、前回センサ物標に対応するセンサ物標」を「今回推定センサ物標」と称呼する。
より具体的に述べると、前回の演算時におけるX−Y座標(以下、「前回X−Y座標」と称呼する。)において、前回センサ物標BnのX−Y座標位置を(Xobj、Yobj)、前回センサ物標Bnの縦相対速度をVxobj、前回センサ物標Bnの横相対速度をVyobjとする。このとき、DSECUは、前回X−Y座標における今回推定センサ物標Bn’のX−Y座標位置(Xobj’、Yobj’)を、以下の式に従って算出する。

Xobj’=Xobj+Δt・Vxobj
Yobj’=Yobj+Δt・Vyobj
その後、DSECUは、その求めた「前回X−Y座標における今回推定センサ物標Bn’のX−Y座標位置(Xobj’、Yobj’)」を、今回の演算時におけるX−Y座標(以下、「今回X−Y座標」と称呼する。)におけるX−Y座標位置へと変換(座標変換)する。これにより、今回推定センサ物標の位置(今回X−Y座標)が得られる。
更に、DSECUは、前回X−Y座標における「前回センサ物標Bnの相対速度(Vxobj,Vyobj)」を今回X−Y座標における相対速度へと変換(座標変換)する。これを今回X−Y座標における今回推定センサ物標Bn’の相対速度として設定する。尚、DSECUは、前回X−Y座標と今回X−Y座標との関係を、「自車両SVの車速V、横偏差Dy、及び、ヨー角θy」と、時間Δtと、から認識し、この関係からX−Y座標位置及び相対速度等の上記座標変換を行う。このようにして、DSECUはセンサ物標の外挿を行う。
一方、DSECUは、センサ物標の外挿を開始するときに、外挿を継続する最大外挿継続時間を演算する。尚、最大外挿継続時間の演算方法については、後述する。
そして、DSECUは、演算周期(Δt)が経過する毎に、検出されなくなった前回センサ物標が再検出されたか否かを判定する。即ち、DSECUは、検出されなくなった前回センサ物標と同じ物標IDを有するセンサ物標が検出されたか否か判定する。DSECUは、検出されなくなった前回センサ物標が再検出されない限りセンサ物標の外挿を繰り返し行う。尚、2回目以降のセンサ物標の外挿は、前回演算時に外挿されたセンサ物標情報に基づいて実行される。更に、DSECUは、外挿を繰り返すことにより、外挿継続時間が最大外挿継続時間以上になったとき、そのセンサ物標が存在しなくなった(ロストした)と判定する。
(存在確率の演算)
周辺レーダセンサ16aによって一演算周期(Δt)前に検出された前回センサ物標が今回の演算(演算時点)にて検出されている場合、DSECUは、下記(A)式にて、前回センサ物標の存在確率に、所定の存在確率を加算して、今回の演算におけるセンサ物標の存在確率を算出する。

Trst=Trstpre+rup×Cy・・・(A)
(Trst:今回の演算におけるセンサ物標の存在確率、Trstpre:前回センサ物標の存在確率、rup:存在確率の上昇率、Cy:演算サイクル数)
従って、周辺レーダセンサ16aによってセンサ物標が継続して検出され続けている演算サイクル数が多くなるほど(検出され続けている期間が長くなるほど)、存在確率は大きくなるように演算される。このとき、DSECUは、図4に示されたように、存在確率の上昇率rupをセンサ物標の縦相対速度Vxobjの大きさ(絶対値)が大きくなるほど、大きくなるように設定する。
これにより、下記のような縦相対速度Vxobjの大きさが低いセンサ物標の存在確率は、大きくなりにくくなる。
・路面、壁及び路側物等を誤検知(誤検出)したときに生じる縦相対速度Vxobjの大きさが低いセンサ物標及びセンサゴーストを検知(検出)したときに生じる縦相対速度Vxobjの大きさが低いセンサ物標
・自車両と略等速の他車両を検知したときに生じる縦相対速度Vxobjの大きさが低いセンサ物標
一方で、大きな大きさの縦相対速度Vxobjを有し、且つ、遠方から接近してくるようなセンサ物標の存在確率は、大きくなりやすい。
(最大外挿継続時間の演算)
ところで、図5に示されるように、センサ物標として認識していた縦相対速度Vxobjの大きさが小さい立体物150が、周辺レーダセンサ16aの死角領域Rdl又はRdrに進入して留まることがあり得る。この場合、立体物150が死角領域Rdl又はRdrに入ることにより立体物150からのセンサ物標が検出されなくなるので、DSECUは、センサ物標の外挿を開始する。その後も、立体物150が死角領域Rdl又はRdrに留まり続けて、立体物150からセンサ物標が検出されないとDSECUは外挿を継続する。このとき、最大外挿継続時間が短いと、立体物150が死角領域に留まっている間にセンサ物標の外挿が終了して、立体物150に対応するセンサ物標がロストと判定されてしまうことがあり得る。この場合、立体物150が自車両の近傍に存在しているにも関わらず、立体物150に対応するセンサ物標が自車両の近傍に存在していないと誤判定されてしまう。従って、周辺レーダセンサ16aの死角領域Rdl又はRdrであって、且つ、車線変更支援の障害になる領域に他車両(立体物150)が存在していても、車線変更支援制御の実行を誤って許可してしまうことがあり得る。
これに対して、センサ物標の縦相対速度Vxobjの大きさが小さくなるほど、最大外挿継続時間を長く設定すれば、そのような問題は回避することができる。
しかしながら、この場合、路面、壁及び路側物等を誤検知したときに生じる縦相対速度Vxobjの大きさが小さいセンサ物標及びセンサゴーストを検知したときに生じる縦相対速度Vxobjの大きさが小さいセンサ物標の最大外挿継続時間も長くなってしまうことがあり得る。この場合、実際には、センサ物標が自車両の周囲に存在しないのに、センサ物標が自車両の周囲に存在するとの判定が必要以上に長い間継続してしまう。その結果、必要以上に長い間、車線変更支援制御の実行が禁止されてしまい、車線変更支援制御を実行可能な状態に戻るのが遅れてしまう。
そこで、本実施装置のDSECUは、図6に示されたように、存在確率が大きくなるほど最大外挿継続時間が長くなり、且つ、縦相対速度Vxobjの大きさが小さくなるほど最大外挿継続時間が長くなるように、最大外挿継続時間を演算する。
これにより、大きな大きさの縦相対速度Vxobjを有しながら遠方から自車両に接近した後、自車両の近傍の死角領域にとどまるような挙動を有する「存在確率が高く且つ縦相対速度Vxobjの大きさが小さいセンサ物標」の最大外挿継続時間をより長くできる。一方で、「存在確率が低く且つ縦相対速度Vxobjの大きさが小さいセンサ物標(例えば、路面、壁及び路側物等を誤検知したときに生じるセンサ物標及びセンサゴーストを検知したときに生じるセンサ物標)」の最大外挿継続時間をより短くすることができる。従って、本実施装置は、センサ物標の存在判定を精度良く行うことができる。その結果、本実施装置は、車線変更支援制御を行ってよいか否かの判定を精度良く行うことができる。
(フュージョン物標の生成・更新及びロスト判定)
次に、DSECUが実行するフュージョン物標の生成・更新及びロスト判定の方法について説明する。
DSECUは、所定時間(演算周期)Δtが経過する毎に、周辺レーダセンサ16aからセンサ物標情報を取得する。前述したように、一つの立体物から複数のセンサ物標が取得される場合が発生する。
そこで、DSECUは、後述するグルーピング処理を行なって「一つの立体物nから得られている可能性が高い複数のセンサ物標(外挿されたセンサ物標を含む。)」をグルーピング(統合、フュージョン)することにより、その一つの立体物nに対応するフュージョン物標FBnを生成する。換言すると、DSECUは、複数のセンサ物標のそれぞれのセンサ物標情報に基づいて、当該複数のセンサ物標を統合してフュージョン物標FBnを生成する。そして、DSECUは、そのフュージョン物標FBnのフュージョン物標情報を、当該フュージョン物標FBnに統合された(即ち、当該フュージョン物標FBnに属する)センサ物標(外挿されたセンサ物標を含む。)のセンサ物標情報に基づいて生成する。以下、図7の(A)及び(B)に示した例を用いて、「グルーピング処理」について詳述する。
いま、図7(A)に示したように、センサ物標B0,B1及びB2が検出されたと仮定する。この例において、センサ物標B0は右前方周辺センサ16FRによって検出されたセンサ物標であり、センサ物標B1及びセンサ物標B2は、中央前方周辺センサ16FCによって検出されたセンサ物標である。更に、この例では、現時点までに(換言すると、前回の演算時において)フュージョン物標が生成されていない。
このように、今回の演算の開始時点においてフュージョン物標FBnが生成されていない場合、DSECUは、新規のフュージョン物標FBnを生成するためのグルーピング処理を次に述べるように行う。尚、このグルーピング処理は、「新規物標生成グルーピング処理」と称呼される。
まず、DSECUは、複数のセンサ物標(例えば、センサ物標B0乃至B2)の中から、任意の一つのセンサ物標(例えば、センサ物標B0)をグルーピング基準物標Bsとして選択する。次に、DSECUは、グルーピング基準物標Bs(例えば、センサ物標B0)に対して、「グルーピング候補となる他のセンサ物標Bn(例えば、センサ物標Bn、n=1、2)」が、下記(条件G1)及び(条件G2)の両条件を満たしているか否かを判定する。グルーピング候補のセンサ物標Bnが下記(条件G1)及び(条件G2)の両条件を満たしている場合、センサ物標Bnはグルーピング条件を満たしていると判定される。
(条件G1)位置を判定の基準とした条件
図7(B)の左側の図に示されるように、
「グルーピング候補のセンサ物標BnのX座標位置Xobj(=XBn)」と「グルーピング基準物標BsのX座標位置Xobj(=XBs)」との差分の絶対値(=|XBn−XBs|)が所定の閾値縦距離Xth以下であり、且つ
「グルーピング候補のセンサ物標BnのY座標位置Yobj(=YBn)」と「グルーピング基準物標BsのY座標位置Yobj(=YBs)」との差分の絶対値(=|YBn−YBs|)が所定の閾値横距離Yth以下であること。
尚、ここで、閾値縦距離Xthは、「物標長さL0×0.5+所定値α」である。閾値横距離Ythは、「物標幅W0×0.5+所定値β」である。物標長さL0及び物標幅W0には、判定に適した任意の固定値が使用される。例えば、物標長さL0には自動二輪車両の標準的長さが設定され、物標幅W0には自動二輪車両の標準的車幅が設定される。
(条件G2)速度を判定の基準とした条件
図7(B)の右側の図に示されるように、
「グルーピング候補のセンサ物標Bnの縦相対速度Vxobj(=VxBn)」と「グルーピング基準物標Bsの縦相対速度Vxobj(=VxBs)」との差分の絶対値(=|VxBn−VxBs|)が、所定の閾値縦速度差Vxth以下であり、且つ
「グルーピング候補のセンサ物標Bnの横相対速度Vyobj(=VyBn)」と「グルーピング基準物標Bsの横相対速度Vyobj(=VyBs)」との差分の絶対値(=|VyBn−VyBs|)が、所定の閾値横速度差Vyth以下であること。
なお、条件G2が成立しているか否かは、絶対速度を用いて判定されてもよい。即ち、条件G2は以下のとおりであってもよい。
「グルーピング候補のセンサ物標Bnの縦絶対速度」と「グルーピング基準物標Bsの縦絶対速度」との差分の絶対値が、閾値縦速度差Vxth以下であり、且つ
「グルーピング候補のセンサ物標Bnの横絶対速度」と「グルーピング基準物標Bsの横絶対速度」との差分の絶対値が、閾値横速度差Vyth以下であること。
グルーピング候補のセンサ物標Bnがグルーピング基準物標Bsに対して、(条件G1)及び(条件G2)の両条件からなるグルーピング条件を満たしている場合、DSECUは、センサ物標Bnとグルーピング基準物標Bsとを統合して、新規のフュージョン物標FBnを生成する。更に、DSECUは、新規のフュージョン物標FBnに対して、フュージョン物標FBnを他のフュージョン物標と区別(識別)するための識別情報(ID)を設定する。
例えば、図7(A)において、グルーピング候補のセンサ物標B1がグルーピング基準物標B0に対して、(条件G1)及び(条件G2)の両条件を満たしていると仮定する。この場合、DSECUは、センサ物標B1とセンサ物標B0とを統合してフュージョン物標FB1を新たに生成する。この場合、フュージョン物標FB1の識別情報は、例えば「ID1」である。
更に、図7(A)において、グルーピング候補のセンサ物標B2もグルーピング基準物標B0に対して、(条件G1)及び(条件G2)の両条件を満たしている場合、DSECUは、センサ物標B2もセンサ物標B0と統合する。即ち、センサ物標B2は、フュージョン物標FB1に統合される。
これに対し、グルーピング候補のセンサ物標Bnがグルーピング基準物標Bsに対して、(条件G1)及び(条件G2)の少なくとも一方を満たしていない場合、DSECUは、そのセンサ物標Bnを別のグルーピング基準物標Bsとして選択する。そして、DSECUは、そのグルーピング基準物標Bsに対して、グルーピング候補となるセンサ物標(即ち、それまでにフュージョン物標として統合されていないセンサ物標)が(条件G1)及び(条件G2)のグルーピング条件の両方を満たしているか否かを判定する。以上の処理が、新規物標生成グルーピング処理である。
一方、前回の演算(演算周期Δt前の演算)においてフュージョン物標FBnが生成されていた場合(即ち、今回の演算の開始時点において既にフュージョン物標FBnが生成されている場合)、DSECUは、そのフュージョン物標FBnを次のように更新する。以下では、図8(A)に示されるように、今回の演算を開始するときに既に2つのフュージョン物標FB1及びFB2(即ち、FBn,n=1,2)が生成されている例を用いて、フュージョン物標の更新(生成)方法について説明する。以下、前回の演算において生成又は更新されたフュージョン物標を「前回フュージョン物標」と称呼し、前回フュージョン物標の物標情報を「前回フュージョン物標情報」と称呼する。
DSECUは、前回フュージョン物標FBnの前回フュージョン物標情報に基づいて、今回の演算におけるフュージョン物標FBnの位置及び相対速度を推定する。この推定されたフュージョン物標は「推定物標FBn’」と称呼される。例えば、図8(A)に示された例においては、前回フュージョン物標FB1及びFB2に基づいて推定物標FB1’及びFB2’がそれぞれ生成されている。
より具体的に述べると、前回の演算時におけるX−Y座標(以下、「前回X−Y座標」と称呼する。)において、前回フュージョン物標FBnのX−Y座標位置を(Xfn、Yfn)、前回フュージョン物標FBnの縦相対速度をVxfn、前回フュージョン物標FBnの横相対速度をVyfnとする。このとき、DSECUは、前回X−Y座標における推定物標FBn’のX−Y座標位置(Xfn’、Yfn’)を、以下の式に従って算出する。

Xfn’=Xfn+Δt・Vxfn
Yfn’=Yfn+Δt・Vyfn
その後、DSECUは、その求めた「前回X−Y座標における推定物標FBn’のX−Y座標位置(Xfn’、Yfn’)」を、今回の演算時におけるX−Y座標(以下、「今回X−Y座標」と称呼する。)におけるX−Y座標位置へと変換(座標変換)する。更に、DSECUは、前回X−Y座標における「前回フュージョン物標FBnの相対速度(Vxfn,Vyfn)」を今回X−Y座標における相対速度へと変換(座標変換)し、これを今回X−Y座標における推定物標FBn’の相対速度として設定する。
更に、DSECUは、推定物標FBn’の「物標幅及び物標長さ」を、前回フュージョン物標FBnの「物標幅Wf及び物標長さLf」とそれぞれ同じ値に設定する。これにより、DSECUは、推定物標FBn’(即ち、FB1’及びFB2’)を生成する。
推定物標FBn’は、今回の演算時において「新たに検出されたセンサ物標、及び、外挿されたセンサ物標(以下、「今回検知センサ物標」とも称呼する。)」をグルーピング(統合)するための判定基準となる物標である。従って、推定物標FBn’の識別情報は、前回フュージョン物標FBnの識別情報と同一の情報に設定される。即ち、例えば、推定物標FB1’の識別情報は、前回フュージョン物標FB1の識別情報である「ID1」に維持され、推定物標FB2’の識別情報は、前回フュージョン物標FB2の識別情報である「ID2」に維持される。
次に、DSECUは、推定物標FBn’に対してグルーピング候補となる今回センサ物標を抽出する。この抽出は、推定物標FBn’の位置に基づいて行われる。より具体的に述べると、DSECUは、推定物標FBn’の位置に基づいて定められるグルーピング対象領域にある「今回検知センサ物標」をその推定物標FBn’のグルーピング対象として抽出する。
図8(A)に示した例において、センサ物標BFC1は、中央前方周辺センサ16FCが今回検知した今回検知センサ物標である。センサ物標BFL1、BFL2及びBFL3は、左前方周辺センサ16FLが今回検知した今回検知センサ物標である。センサ物標BRL1は、左後方周辺センサ16RLが今回検知した今回検知センサ物標である。右前方周辺センサ16FL及び右後方周辺センサ16RRは、いずれも今回検知センサ物標を検知していない。推定物標FB1’に対するグルーピング候補は、点線R1で囲まれたグルーピング対象領域に存在する「センサ物標BFC1、センサ物標BFL1、BFL2及びBFL3、並びに、センサ物標BRL1」である。推定物標FB2’に対するグルーピング候補は、点線R2で囲まれたグルーピング対象領域に存在する「センサ物標BRL1」である。
DSECUは、推定物標FBn’に基づいて、今回検知センサ物標を前回フュージョン物標FBnに関連付けるためのグルーピング処理(以下、「第1グルーピング処理」と称呼される。)を実行する。
即ち、DSECUは、先ず、推定物標FBn’をグルーピング基準物標として選択する。次いで、DSECUは、そのグルーピング基準物標(即ち、推定物標FBn’)に対して、グルーピング候補である今回検知センサ物標が、上述の(条件G1)及び(条件G2)からなるグルーピング条件を満たしているか否かを判定する。このように、グルーピング基準物標が推定物標FBn’である場合、グルーピング基準物標の物標情報としては推定物標FBn’の物標情報(X−Y座標位置、縦相対速度及び横相対速度)が使用される。尚、第1グルーピング処理において、条件G1にて使用される閾値縦距離Xthは「物標長さL1×0.5+所定値α」であり、条件G2にて使用される閾値横距離Ythは「物標幅W1×0.5+所定値β」である。物標長さL1及び物標幅W1には、推定物標FBn’の「物標長さ及び物標幅」がそれぞれ使用される。
グルーピング候補の今回検知センサ物標がグルーピング基準物標として選択された推定物標FBn’に対して、(条件G1)及び(条件G2)の両条件を満たしている場合、DSECUは、推定物標FBn’とその今回検知センサ物標とを統合して、フュージョン物標FBnを更新(生成)する。DSECUは、この処理を、グルーピング候補の今回検知センサ物標の総てに対して行ってフュージョン物標FBnを更新する。このフュージョン物標FBnの識別情報は、推定物標FBn’の識別情報と同じ情報に維持される。尚、当然ではあるが、グルーピング候補の今回検知センサ物標がグルーピング基準物標として選択された推定物標FBn’に対して、(条件G1)及び(条件G2)の少なくとも一方の条件を満たしていない場合、DSECUは、推定物標FBn’とその今回検知センサ物標とを統合しない。
図8(B)に示される例において、推定物標FB1’に対し、点線R1により囲まれたグルーピング候補の今回検知センサ物標のうち、センサ物標BFC1及びセンサ物標BFL1が(条件G1)及び(条件G2)の両条件(即ち、グルーピング条件)を満たしていると仮定する。この場合、図9に示されるように、DSECUは、推定物標FB1’と「センサ物標BFC1及びセンサ物標BFL1」とを統合することによりフュージョン物標FB1を更新(生成)する。従って、推定物標FB1’に統合できると判定されたセンサ物標の数(グルーピング物標数)は「2」である。
更に、図8(B)に示される例において、推定物標FB2’に対し、グルーピング候補であるセンサ物標BRL1はグルーピング条件を満たしていないと仮定する。即ち、推定物標FB2’に対し、点線R2により囲まれたグルーピング候補の今回検知センサ物標のうちグルーピング条件を満たしているセンサ物標は存在しない。換言すると、推定物標FB2’に対して統合できると判定されたセンサ物標の数(グルーピング物標数)は「0」である。この場合、図9に示されるように、DSECUは、フュージョン物標がロストした(存在しなくなった)と判定する。
更に、第1グルーピング処理により何れの推定物標とも統合されなかった今回検知センサ物標(以下、「残余センサ物標」とも称呼する。)が存在する場合、DSECUは、残余センサ物標同士のグルーピングを試みる。この処理は、第2グルーピング処理と称呼される。
例えば、図9に示された例においては、点線R3により囲まれた「センサ物標BFL2及びBFL3、並びに、センサ物標BRL1」は、残余センサ物標である。DSECUは、これらの残余センサ物標に対し、前述した「新規物標生成グルーピング処理」と同様の処理を第2グルーピング処理として実行する。
即ち、DSECUは、残余センサ物標の一つをグルーピング基準物標として選択し、選択したグルーピング基準物標に対してグルーピング候補となる残余センサ物標を抽出する。次いで、DSECUは、抽出したグルーピング候補となる残余センサ物標が、グルーピング基準物標に対して、上述のグルーピング条件を満たしているか否かを判定する。そして、DSECUは、グルーピング基準物標とグルーピング条件を満たす残余センサ物標とを統合することにより、新規のフュージョン物標FBnを生成する。DSECUは、この新規のフュージョン物標FBnに対して、そのフュージョン物標FBnを他のフュージョン物標と区別(識別)するための識別情報(ID)を設定する。DSECUは、このような処理を、残余センサ物標の総てに対して行う。
(具体的作動)
次に、本実施装置の具体的な作動について説明する。DSECUのCPU(以下、単に「CPU」と称呼される。)は、所定のタイミングになると、所定時間(演算周期)Δtが経過する毎に図10に示したセンサ物標トラッキングルーチンを、センサ物標Bn(即ち、周辺レーダセンサ16aから送信されてくるセンサ物標ID)のそれぞれに対して実行する。
従って、CPUは所定のタイミングになるとセンサ物標トラッキングルーチンのステップ1000から処理を開始してステップ1005に進み、一演算周期前に周辺レーダセンサ16aによって検出されている前回センサ物標が今回も検出できているか否かを、前述したセンサ物標IDに基づいて判定する。
前回センサ物標が今回も検出できている場合、CPUはステップ1005にて「Yes」と判定して、以下に述べるとステップ1010及びステップ1015の処理を順に行った後、ステップ1095に進み、本ルーチンを一旦終了する。
ステップ1010:センサ物標の物標情報を今回検出できたセンサ物標の物標情報に更新する。
ステップ1015:CPUは、ステップ1010にて更新したセンサ物標Bnの物標情報に含まれる縦相対速度Vxobjの大きさをブロックBK1に示したルックアップテーブルMap1(以下、「マップ」とも称呼される。)に適用することにより、センサ物標Bnの存在確率の上昇率rupを演算する。更に、CPUは、センサ物標Bnの「前回の存在確率Trstpre、存在確率の上昇率rup及び演算サイクル数Cy」を(A)式に適用することにより、センサ物標Bnの今回の存在確率Trstを演算する。

Trst=Trstpre+rup×Cy・・・(A)
これに対して、前回センサ物標が今回検出できていない場合、CPUはステップ1005にて「No」と判定してステップ1020に進み、センサ物標は既に外挿中ではないか否かを判定する。
ステップ1020の処理の時点でセンサ物標Bnが既に外挿されているセンサ物標ではない場合(即ち、前回の演算時点にて検出されていたセンサ物標が、今回の演算時点にて検出されなかった場合)、CPUはステップ1020にて「Yes」と判定してステップ1025に進む。
CPUはステップ1025にて、センサ物標Bnの「前回の存在確率Trstpre及び前回のセンサ物標の縦相対速度Vxobj」の大きさをブロックBK2に示したマップMap2に適用することにより、最大外挿継続時間Tgを演算する。
その後、CPUはステップ1030に進み、前回のセンサ物標の物標情報に基づいて、今回のセンサ物標の物標情報を推定して、今回のセンサ物標の物標情報を推定した物標情報によって置換することによって更新する。即ち、CPUは、上述したセンサ物標の外挿を行う。その後、CPUはステップ1095に進み、本ルーチンを一旦終了する。
ステップ1020の処理の時点でセンサ物標Bnが既に外挿中である場合、CPUはステップ1020にて「No」と判定してステップ1025に進み、外挿継続回数tを「+1」だけインクリメントする。
その後、CPUはステップ1035に進み、最大外挿継続時間Tgから外挿継続時間(t×Δt(一演算周期)秒)を減算することにより、残余外挿時間Tg’を算出した後ステップ1040に進み、残余外挿時間Tg’が0以下になったか否かを判定する。
残余外挿時間Tg’が0以下になっていない場合、CPUはステップ1045にて「No」と判定してステップ1030に進み、前回センサ物標の物標情報に基づいて、センサ物標の物標情報を推定して、センサ物標の物標情報を推定した物標情報に更新する。即ち、CPUは、センサ物標の外挿を行う。
残余外挿時間Tg’が0以下になった場合、CPUはステップ1040にて「Yes」と判定してステップ1045に進み、センサ物標をロストと判定した後、ステップ1095に進んで本ルーチンを一旦終了する。
以上説明した本実施装置は、センサ物標の自車両に対する縦相対速度Vxobjの大きさが小さくなるほど、センサ物標の存在確率の一演算周期毎の上昇率が小さくなるように、その上昇率を求めている。更に、本実施装置は、周辺センサによって一演算周期前に検出されていた前回のセンサ物標が今回の演算周期にて検出されない場合に行う外挿処理(センサ物標の外挿)の最大外挿継続時間を、そのセンサ物標の存在確率が大きくなるほど長くなり、且つ、縦相対速度Vxobjの大きさが小さくなるほど長くなる、ように設定している。これにより、センサ物標の種類に応じた適切な最大外挿継続時間を設定することができ、以て、センサ物標の存在判定を精度良く行うことができる。その結果、車線変更支援制御を行ってよいか否かの判定を精度良く行うことができる。
<変形例>
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態においては、追従車間距離制御及び車線維持制御の実行中であることが、車線変更支援制御を実行するための前提となっているが、必ずしも、そのような前提は必要としない。
10…運転支援ECU、15…車速センサ、16a…周辺レーダセンサ、16FC…中央前方周辺センサ、16FR…右前方周辺センサ、16FL…左前方周辺センサ、16RR…右後方周辺センサ、16RL…左後方周辺センサ、16b…カメラセンサ、17…操作スイッチ、52…転舵用モータ、53…ウインカーレバースイッチ

Claims (1)

  1. それぞれが、自車両の周囲に送信するレーダ波の立体物による反射点をセンサ物標として検出し、前記検出したセンサ物標の前記自車両に対する縦距離、横位置及び相対速度を含むセンサ物標情報を取得するための位置速度情報を検出する複数のレーダセンサと、
    前記検出されたセンサ物標の存在確率を演算する存在確率演算手段と、
    検出されていた前記センサ物標が検出されなくなった場合、当該検出されていた前記センサ物標が再検出されない限り、前記検出されていたセンサ物標が検出されていたときの前記位置速度情報に基づくセンサ物標情報に基づいて前記検出されていたセンサ物標の前記センサ物標情報を推定することによって外挿されたセンサ物標を生成する外挿処理を行う外挿処理手段と、
    前記存在確率及び前記検出されていたセンサ物標の縦相対速度に基づいて前記外挿処理を行う時間の最大値である最大外挿継続時間を演算する最大外挿継続時間演算手段と、
    前記外挿処理を最大外挿継続時間以上行ったときに当該外挿処理を行った前記センサ物標が存在しないと判定するセンサ物標存在判定手段と、
    を備え、
    前記存在確率演算手段は、
    前記センサ物標が検出されている場合に当該センサ物標の縦相対速度の大きさが大きくなるほど上昇率が大きくなるように当該センサ物標の縦相対速度に基づいて当該上昇率を求めるとともに、前記センサ物標が継続して検出されている時間に対応する値と前記上昇率とに基づいて決定される増大量を積算することによって前記存在確率を算出するように構成され、
    前記最大外挿継続時間演算手段は、
    前記存在確率が大きくなるほど前記最大外挿継続時間が長くなり、且つ、前記縦相対速度の大きさが小さくなるほど前記最大外挿継続時間が長くなるように、前記最大外挿継続時間を演算するように構成された、
    物標検出装置。
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