JP2019002631A - 暖房システム - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成で、暖房機から回収可能な熱量の大半を、床下空間に供給可能であり、住宅の居室を含む同階の部屋全体を、暖房可能な暖房システムを提供する。【解決手段】本発明の暖房システムは、居室に配置される開閉可能な仕切り材と、居室の外壁と仕切り材とで囲まれた仕切り空間に配置された暖房機と、仕切り空間の床に開閉可能に設けられ、開状態の際、仕切り空間の暖気を床下空間に送り出すための開閉部材と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、暖房システムに関し、特に、暖房機の熱を利用して、同階の室内全体を暖房する暖房システムに関する。
従来より、室内の暖房装置として、暖房機の排熱を利用して、床下を暖房するものが提案されている。そのような床下暖房装置として、例えば、特開2009‐250544号公報(特許文献1)が挙げられる。
特許文献1に記載の床下暖房システムは、暖房機として室内に設置するペレットストーブと、該ペレットストーブの排熱を床下に導入してから室外に排出する排気管と、該排気管の途中に設けられて排熱を床下に放熱する放熱ボックスと、該放熱ボックスから放熱される熱エネルギーを蓄熱するコンクリートベタ基礎と、を備える。
ところで、ペレットストーブは、かんな屑など製材副産物を圧縮成型した木質ペレットを燃料とするストーブのことであり、例えば、寒冷地や別荘等で採用されることが多い。また、ペレットストーブは、間伐材や非化石燃料を用いるため、かつ煙や一酸化炭素が出にくいため、環境負荷が小さく、環境問題の点から、一般の住宅にも注目されている。
係る床下暖房システムでは、ペレットストーブは、間仕切壁の近傍に設置され、排気管は、間仕切壁を貫通してから、床下に導入されるようになっている。床下暖房システムは、放熱ボックスの床下への放熱と、コンクリートベタ基礎の蓄熱とを同時に行うように構成されている。
また、薪ストーブと床下の蓄熱性基礎構造体とを用いた床暖房装置として、例えば、特開2010‐197041号公報(特許文献2)が挙げられる。
特許文献2に記載の床暖房装置は、1台の薪ストーブを戸建て住宅などに配設し、該薪ストーブで温風を生成し、床下の蓄熱性構造体に蓄熱させる低温の輻射放熱暖房と、薪ストーブ本体や煙突からの熱放射とを組み合せて利用する複合暖房システムである。
係る床暖房装置は、居室内に設置された薪ストーブと、室内の床面に面した基礎コンクリートと、基礎コンクリート内に埋設された空気ダクトと、を備える。基礎コンクリートの外周面の立上り部分の内側に、断熱材が配設され、基礎コンクリートの外周面の立ち上げ部の底面の面にも、断熱材が埋設されている。
薪ストーブとは、木を燃料とする輻射放熱暖房器具であり、天然の木以外に木質ペレットなどの加工木質燃料を燃料とする輻射放熱暖房器具も含まれる。
この種の床暖房装置では、薪ストーブに、薪ストーブ温風生成ユニットが取り付けられて、温風が生成される。基礎コンクリート内に埋設した空気ダクトと、薪ストーブに配設した薪ストーブ温風生成ユニットとが、接続される。基礎コンクリート内の空気ダクトには、送風機が接続され、薪ストーブ温風生成ユニット内の空気を床下内に循環させる。居室は、薪ストーブと基礎コンクリートより放熱される熱とにより、暖められる。
特開2009‐250544号公報 特開2010‐197041号公報
特許文献1に記載の床下暖房システムでは、上述のように、ペレットストーブの燃焼時の排気管からの排熱の一部を、床下のコンクリートスラブに蓄積し、排熱の残りの部分を排出管から室外に排出するようになっている。
また、特許文献2に記載の床暖房装置では、上述のように、基礎コンクリート内の空気ダクトに送風機を接続し、薪ストーブ温風生成ユニット内の空気を床下内に循環させる。居室は、薪ストーブと基礎コンクリートより放熱される熱とにより、暖められるようになっている。
しかしながら、特許文献1に記載の床下暖房システム及び特許文献2に記載の床暖房装置では、ペレットストーブの排気管からの排熱の一部が、床下の暖房に利用されているだけであり、排熱の残りの部分は使用されずに、屋外に排出されている。
そのため、ペレットストーブの排熱利用において、ペレットストーブの排気管からの排熱の残りの部分を床下の暖房に利用することが考えられるが、例えば、住宅のLDKのような居室を対象とした主暖房としては、排気管からの排熱だけでは、熱量が不足する、という問題があった。
また、既存の排気管から熱を回収するためには、排気管を床下に施工する必要があり、構造が複雑である。また、排気管の清掃等、通常のペレットストーブの構成よりメンテナンスに手間がかかる、といった問題がある。
そこで、発明者等は、ペレットストーブ等の暖房機の構成を変えることなく、暖房機からの排熱ではなく、暖房機から回収可能な熱量の大半を、床下空間に供給可能なシステムとすることで、例えば、住宅の居室を含む同階の部屋全体を、暖房可能な暖房システムを構築することを検討した。
本発明は、斯かる実情に鑑み、簡単な構成で、暖房機から回収可能な熱量の大半を、床下空間に供給可能であり、住宅の居室を含む同階の部屋全体を、暖房可能な暖房システムを提供することを目的とする。
本発明に係る暖房システムは、居室に配置される開閉可能な仕切り材と、前記居室の外壁と前記仕切り材とで囲まれた仕切り空間に配置された暖房機と、前記仕切り空間の床に開閉可能に設けられ、開状態の際、前記仕切り空間の暖気を床下空間に送り出すための開閉部材と、を備える、ことを特徴とする。
上記構成の暖房システムによれば、居室に配置される開閉可能な仕切り材と、居室の外壁と仕切り材とで囲まれた仕切り空間に配置された暖房機と、仕切り空間の床に開閉可能に設けられ、開状態の際、仕切り空間の暖気を床下空間に送り出すための開閉部材と、を備えるため、仕切り材が開状態の場合、居室が暖房機の暖気によって暖められる。また、仕切り材が閉状態の場合、暖気が仕切り空間に留まるため、仕切り空間が暖気によって優先的に暖められる。そして、仕切り材が閉状態であり、開閉部材が開状態の場合、仕切り空間内の暖気は、開閉部材を介して、床下空間に送られる。その結果、床下空間が暖気によって暖められる。
その結果、暖房機からの暖気で居室を暖房することができるとともに、暖房機からの暖気を、仕切り空間内に一旦蓄熱させることができ、さらに、暖房機からの暖気を、床下空間に供給することができる。これにより、簡単な構成で、暖房機から回収可能な熱量の大半を、床下空間に供給可能であり、例えば、居室に隣接して、洗面室や廊下等が配置されている場合、床下空間内に送られた暖気によって、居室を含む同階の部屋全体を、暖房することができる。
本発明の一態様として、前記仕切り材は、前記居室の室温が第一の温度以下の場合、開状態になるように構成され、前記居室の前記室温が、前記第一の温度より高い第二の温度以上の場合、閉状態になるように構成され、前記開閉部材は、前記仕切り空間の温度が、前記第二の温度より高い第三の温度になった場合、開状態になるように構成されている、のが好ましい。
上記構成の暖房システムによれば、仕切り材は、居室の室温が第一の温度以下の場合、開状態になるように構成され、居室の室温が、第一の温度より高い第二の温度以上の場合、閉状態になるように構成され、開閉部材は、仕切り空間の温度が、第二の温度より高い第三の温度になった場合、開状態になるように構成されているため、居室の室温が第一の温度以下の場合、仕切り材は、開状態になり、居室が暖房機の暖気によって暖められる。
また、居室の室温が、第二の温度以上の場合、仕切り材は、閉状態になり、暖気が仕切り空間に留まるため、仕切り空間が暖気によって優先的に暖められる。そして、仕切り材が閉状態であり、仕切り空間の温度が、第三の温度になった場合、開閉部材は、開状態になり、仕切り空間内の暖気は、開閉部材を介して、床下空間に送られる。その結果、床下空間が暖気によって暖められる。
その結果、暖房機からの暖気で居室を暖房することができるとともに、暖房機からの暖気を、仕切り空間内に一旦蓄熱させることができ、さらに、暖房機からの暖気を、床下空間に供給することができる。これにより、簡単な構成で、暖房機から回収可能な熱量の大半を、床下空間に供給可能であり、例えば、居室に隣接して、洗面室や廊下等が配置されている場合、床下空間内に送られた暖気によって、居室を含む同階の部屋全体を、暖房することができる。
本発明の他態様として、前記仕切り空間は、前記居室の角部に配置されている、のが好ましい。
上記構成の暖房システムによれば、仕切り空間は、居室の角部に配置されているため、居室の角部の外壁に交差するように仕切り材を配置することによって、仕切り材を用いて居室を一辺のみで(直線的に)仕切ることができ、また、角部のデッドスペースを有効に利用することができ、居室の居住空間を狭めることがない。
本発明の他態様として、前記暖房機は、ペレットストーブを含む、のが好ましい。
上記構成の暖房システムによれば、暖房機は、ペレットストーブを含むため、ペレットストーブは、煙や一酸化炭素を発生しにくく、衛生的で、環境負荷を小さくすることができる。
本発明のさらに他の態様として、床下空間には、前記仕切り空間内の前記暖気を前記床下空間に吸い込むファンが設けられている、のが好ましい。
上記構成の暖房システムによれば、床下空間には、仕切り空間内の暖気を床下空間に吸い込むファンが設けられているため、仕切り空間内の暖気は、ファンによって、床下空間内に効率的に吸い込まれることができ、床下空間内をより効率的に暖めることができる。
本発明のさらに別の態様として、前記仕切り空間と、前記床下空間と、前記居室に隣接する非居室空間と、天井空間とを循環する、前記暖気の循環路が形成されている、のが好ましい。
上記構成の暖房システムによれば、仕切り空間と、床下空間と、居室に隣接する非居室空間と、天井空間とを循環する、前記暖気の循環路が形成されているため、暖房機からの暖気を、居室から仕切り空間、床下空間、居室に隣接する非居室空間、及び天井空間に、順に循環させることができ、居室を含む同階の部屋全体を、より効率的に暖房することができる。
以上のように、本発明の暖房システムによれば、簡単な構成で、暖房機から回収可能な熱量の大半を、床下空間に供給可能であり、住宅の居室を含む同階の部屋全体を、暖房することができる、といった優れた効果を奏し得る。
本発明の一実施形態に係る暖房システムを、一般的な住宅に用いた状態を示す平面図である。 図1の住宅のリビングにおいて、リビングの角部に配置された暖房システムの構成を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る暖房システムの仕切り材が開閉している状態を示す図であって、(a)は、仕切り材が開いている状態を示す図、(b)は、仕切り材が閉じている状態を示す図である。 本発明の一実施形態に係る暖房システムを用いて、住宅の同階の室内全体を暖房する際のフローチャートを示す図である。 本発明の一実施形態に係る仕切り材が開状態で、暖気が居室に流れる状態を示す図である。 本発明の一実施形態に係る仕切り材が閉状態で、暖気が、居室から床下空間、居室に隣接する非居室、天井空間に流れる状態を示す図である。
以下、本発明の一実施形態に係る暖房システムの概略について、添付図面を参照して説明する。
本実施形態に係る暖房システムは、例えば、図1に示すような一般的な住宅に設置されるためのものである。なお、図1においては、説明の便宜上、住宅100の1階部分のみを示すが、住宅100は、2階以上を有することができる。
図1に示すように、住宅100は、例えば、玄関10と、玄関10に通じるホール11と、ホール11に隣接された和室12と、和室12に対向して設けられた台所13と、玄関10から台所13に至る経路の途中に順に設けられた洗面室14、浴室15、トイレ16、階段17及び階段下収納18と、台所13に隣接されて設けられた居室兼食事室としてのリビング19と、を備える。なお、住宅100において、玄関10や、ホール11、和室12、台所13等の配置は、これに限定されるものではなく、適宜変更可能である。
玄関10は、例えば、玄関スペース10aと、扉10bと、を備える。玄関10の配置及び構成は、適宜変更可能であり、例えば、収納部をさらに設けてもよい。
和室12には、畳スペース12aと、床の間12bと、押入れ12cと、が設けられている。なお、和室12の配置及び構成は、適宜変更可能である。
台所13は、例えば、流し台13a(シンク、給水設備、排水設備等)と、作業台13bと、加熱調理器13cと、冷蔵庫13dと、換気設備(図示せず)と、を備える。
洗面室14には、例えば、扉14aと、物入れ14bと、洗面台14cと、鏡(図示せず)と、洗濯機14d等が設けられている。
浴室15には、一般的な浴室と同様に、例えば、浴槽15a、洗面台15b、洗い場15c、鏡(図示せず)、シャワー(図示せず)、及び洗髪料や洗顔料、石鹸等を置くための台座(図示せず)等が設けられている。
本実施形態では、浴室15と共通の壁15bを介して、扉16aを有するトイレ16が設けられている。また、トイレ16と共通の壁16bを介して、階段17及び階段下収納18が設けられている。
本実施形態において、リビング19は、リビングスペース19aとダイニングスペース19bと、を備える。リビングスペース19aは、例えば、テーブル20と、ソファー21と、を備える。ダイニングスペース19bは、例えば、テーブル22と、椅子23,23・・・と、を備える。
また、本実施形態において、リビング19には、暖房システム30が設けられている。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る暖房システム30は、居室としてのリビング19に配置される開閉可能な仕切り材31と、居室の外壁W,Wと仕切り材31とで囲まれた仕切り空間32に配置された暖房機33と、仕切り空間32の床34に開閉可能に設けられ、開状態の際、仕切り空間32の暖気Aを床下空間35(図5及び図6を参照のこと)に送り出すための開閉部材36と、を備える。
すなわち、本実施形態において、暖房システム30は、リビング19の互いに交差する二つの外壁W,Wと、仕切り材31と、二つの外壁W,W及び仕切り材31によって囲まれた仕切り空間32に配置された暖房機33と、仕切り空間32の暖気Aを床下空間35(図5及び図6を参照のこと)に送り出す開閉部材36と、によって構成されている。
本実施形態において、仕切り空間32は、居室(リビング)19の角部に配置されている。
本実施形態において、仕切り材31は、二つの外壁W,Wと交差する方向に所定の間隔を開けて配置された第一の部材31aと、第一の部材31aの前面Sをスライド可能に設けられた、第二の部材31bと、を備える。
第一の部材31aは、不透明な不燃材料、例えば、レンガ等で形成されている。第二の部材31bは、透明な不燃材料、例えば、耐熱ガラス等で形成されている。このような構成によって、仕切り材31は、遮熱性と視認性とを兼ねたものとなっている。
仕切り材31は、第二の部材31bの外壁W側に、温度感知型の開閉機構31cを有する。本実施形態において、温度感知型の開閉機構31cは、温度センサーを含む。なお、温度感知型の開閉機構31cの制御は、例えば、温度感知型の開閉機構31cに接続された制御部(図示せず)が行っている。
仕切り材31は、第一の部材31aと、第一の部材31aとの間に、第二の部材31bが、第一の部材31aの前面Sをスライド可能に設けられ、温度感知型の開閉機構31cが仕切り空間32内の温度を感知することによって、第二の部材31bが、第一の部材31aに対して、略水平方向に(二つの外壁W,Wに接離するように)開閉可能である。
本実施形態において、暖房機33は、ペレットストーブを含む。
本実施形態において、仕切り材31(第二の部材31b)は、居室(リビング)19の室温が第一の温度以下の場合、開状態になるように構成され、居室の室温が、第一の温度より高い第二の温度以上の場合、閉状態になるように構成されている。
本実施形態において、仕切り材31(第二の部材31b)が開状態になる第一の温度と、仕切り材31(第二の部材31b)が閉状態になる第二の温度とは、一定の温度差を有する。
より具体的には、仕切り材31(第二の部材31b)は、温度感知型の開閉機構31cが居室(リビング)19の室温を感知し、居室(リビング)19の室温が16℃以下の場合、開状態になるように構成され、居室(リビング)19の室温が22℃以上の場合、閉状態になるように構成されている。
図3は、暖房システム30の仕切り材31(第二の部材31b)が開閉している状態を示す図であって、(a)は、仕切り材31(第二の部材31b)が開いている状態を示す図、(b)は、仕切り材31(第二の部材31b)が閉じている状態を示す図である。
仕切り材31(第二の部材31b)が開いている状態では、第一の部材31aがリビング19から見えるようになる。仕切り材31(第二の部材31b)が閉じている状態では、第一の部材31aがリビング19から見えにくくなっている。
図5及び図6に示すように、本実施形態において、床下空間35には、仕切り空間32内の暖気を床下空間35に吸い込むファン37が設けられている。ファン37は、一般的な送風用のファンが使用可能である。なお、ファン37の制御は、例えば、ファン37に接続された制御部(図示せず)が行っている。
本実施形態において、開閉部材36は、例えば、ガラリやルーバー、スリット形状を有する部材、上下に開閉可能な部材、スライド可能に開閉する部材等、適宜選択可能である。
本実施形態において、開閉部材36は、温度感知型の開閉機構36aを有する。本実施形態において、温度感知型の開閉機構36aは、温度センサーを含む。なお、温度感知型の開閉機構36aの制御は、例えば、温度感知型の開閉機構36aに接続された制御部(図示せず)が行っている。
開閉部材36は、仕切り空間32の温度が、第二の温度より高い第三の温度になった場合、開状態になるように構成されている。
より具体的には、本実施形態において、開閉部材36は、温度感知型の開閉機構36aが仕切り空間32内の温度を感知し、仕切り材31(第二の部材31b)が閉状態であり、仕切り空間32の温度が、45℃以上になった場合、開状態になるように構成されている。
本実施形態において、開閉部材36は、温度感知型の開閉機構36aが仕切り空間32内の温度を感知し、仕切り空間32の温度が、40℃以下になった場合、閉状態になるように構成されている。すなわち、開閉部材36は、仕切り空間32の温度が45℃程度になった場合、開状態になるが、仕切り空間32の温度が45℃から下がるにつれて、開閉部材36は徐々に閉じていき、仕切り空間32の温度が40℃以下まで低下した場合に、開閉部材36は、閉状態になる。
仕切り材31(第二の部材31b)が閉状態であり、仕切り空間32が45℃以上の場合、開閉部材36を介して、仕切り空間32内の暖気が、居室(リビング)19に隣接した非居室空間38に供給される。
本実施形態において、仕切り空間32と、床下空間35と、居室に隣接する非居室空間38と、天井空間39とを循環する、暖気の循環路(図5に示す矢印)が形成されている。
本実施形態に係る暖房システム30の構成についての説明は以上の通りであり、次に、本実施形態に係る暖房システム30を用いて、住宅の居室を暖房する作業について、図4を参照して説明する。なお、説明の便宜上、例えば、図5及び図6に示すような、住宅の居室(リビング)19及び居室に隣接された非居室空間38に、暖房機33の熱を循環させることで、居室(リビング)19及び非居室空間38を暖房するようにする。
本実施形態においては、ペレットストーブ33の前面33a側(リビング19側)に、温度感知型の開閉機構31cを備えた仕切り材31を設置し、仕切り材31を開閉させることで、居室(リビング)19及び居室に隣接された、例えば、洗面室や廊下等の非居室空間38への暖気の供給を調節する場合について、説明する。
本実施形態においては、暖房機33として、例えば、ペレットストーブ33を使用している。また、なお、図5及び図6に示す二点鎖線の領域は、暖気で暖房されている領域を表している。また、図5及び図6において、説明の便宜上、第一の部材31aを省略している。
図4及び図5を参照して、まず、ペレットストーブ33の居室(リビング)19内外への給排気を行えるように、居室(リビング)19の角部等の外壁W,W側に、ペレットストーブを設置する。ペレットストーブ33の前面33a側(リビング19側)に、温度感知型の開閉機構31cを備えた仕切り材31を設置する。こうすることで、二つの外壁W,W及び仕切り材31によって囲まれた仕切り空間32に、ペレットストーブ33が配置されるようになる(図2を参照のこと)。
居室を暖房する場合、居室の室温が16℃以下になると、温度感知型の開閉機構31cが居室(リビング)19の室温を感知して、通常の使用方法と同様に、仕切り材31(第二の部材31b)を開状態にし、ペレットストーブ33が設置された居室(リビング)19を、ペレットストーブ33によって重点的に暖房する。
次に、図4及び図6を参照して、居室(リビング)19の室温が22℃以上になると、温度感知型の開閉機構31cが居室(リビング)19の室温を感知して、仕切り材31(第二の部材31b)を閉状態にし、二つの外壁W,W及び仕切り材31(第二の部材31b)によって囲まれた仕切り空間32内が暖められる。
そして、仕切り空間32の室温が45℃程度まで上昇すると、開閉部材36が開き、ファン37が運転を開始する。そうすると、仕切り空間32の暖気が、ファン37によって床下空間35を通って非居室空間38まで供給される。
さらに、非居室空間38に供給された暖気は、天井40に設けられた開閉部材36を通って、天井空間39に送られる。そして、暖かい空気は、天井空間39に設けられた開閉部材36を通って、仕切り空間32の上部に戻り、循環するようになる。このようにして、仕切り空間32と、床下空間35と、居室に隣接する非居室空間38と、天井空間39とを循環する、暖気の循環路(図5に示す矢印)が形成され、住宅100の居室(リビング)19を含む同階の部屋全体を、暖房することができる。
以上のように、本実施形態に係る暖房システム30によれば、仕切り材31(第二の部材31b)が開状態の場合、居室(リビング)19が暖房機33の暖気によって暖められる。また、仕切り材が仕切り材31(第二の部材31b)閉状態の場合、暖気が仕切り空間32に留まるため、仕切り空間32が暖気によって優先的に暖められる。そして、仕切り材31(第二の部材31b)が閉状態であり、開閉部材36が開状態の場合、仕切り空間32内の暖気は、開閉部材36を介して、床下空間35に送られる。その結果、床下空間35が暖気によって暖められる。
その結果、暖房機33からの暖気で居室(リビング)19を暖房することができるとともに、暖房機33からの暖気を、仕切り空間32内に一旦蓄熱させることができ、さらに、暖房機か33らの暖気を、床下空間35」に供給することができる。これにより、簡単な構成で、暖房機33から回収可能な熱量の大半を、床下空間35に供給可能であり、例えば、居室(リビング)19に隣接して、洗面室や廊下等の非居室が配置されている場合、床下空間32内に送られた暖気によって、居室(リビング)19を含む同階の部屋全体を、暖房することができる。
また、居室(リビング)19の室温が16℃以下の場合、仕切り材31は、開状態になり、居室(リビング)19が暖房機33の暖気によって暖められる。また、居室(リビング)19の室温が、22℃以上の場合、仕切り材31は、閉状態になり、暖気が仕切り空間32に留まるため、仕切り空間32が暖気によって優先的に暖められる。そして、仕切り材31が閉状態であり、仕切り空間32の温度が、45℃程度になった場合、開閉部材36は、開状態になり、仕切り空間32内の暖気は、開閉部材36を介して、床下空間35に送られる。その結果、床下空間35が暖気によって暖められる。
その結果、暖房機33からの暖気で居室(リビング)19を暖房することができるとともに、暖房機33からの暖気を、仕切り空間32内に一旦蓄熱させることができ、さらに、暖房機33からの暖気を、床下空間32に供給することができる。これにより、簡単な構成で、暖房機33から回収可能な熱量の大半を、床下空間32に供給可能であり、例えば、居室(リビング)19に隣接して、洗面室や廊下等の非居室が配置されている場合、床下空間32内に送られた暖気によって、居室(リビング)19を含む同階の部屋全体を、暖房することができる。
また、居室(リビング)19の角部の外壁W,Wに交差するように仕切り材31を配置することによって、仕切り材31を用いて居室(リビング)19を一辺のみで(直線的に)仕切ることができ、また、角部のデッドスペースを有効に利用することができ、居室(リビング)19の居住空間を狭めることがない。
また、ペレットストーブ33は、煙や一酸化炭素を発生しにくく、衛生的で、環境負荷を小さくすることができる。
また、仕切り空間32内の暖気は、ファン37によって、床下空間32内に効率的に吸い込まれることができ、床下空間35内をより効率的に暖めることができる。
また、暖房機33からの暖気を、居室(リビング)19から仕切り空間32、床下空間35、居室(リビング)19に隣接する非居室空間38、及び天井空間39に、順に循環させることができ、居室(リビング)19を含む同階の部屋全体を、より効率的に暖房することができる。
尚、本発明の暖房システムは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更し得ることは勿論のことである。
上記実施形態において、暖房機33は、ペレットストーブを含むが、これに限定されるものではない。暖房機33は、環境負荷に配慮しつつ、任意の暖房機を使用可能である。
上記実施形態において、仕切り材31は、第二の部材31bの外壁W側に、温度感知型の開閉機構31cを有するが、これに限定されるものではない。仕切り材31を、手動で開閉を行うようにしてもよい。
上記実施形態において、温度感知型の開閉機構31cは、温度センサーを含むが、これに限定されるものではない。要は、室内の温度を感知して、仕切り材31を開閉可能にするものであればよい。
上記実施形態において、開閉部材36は、温度感知型の開閉機構36aを有するが、これに限定されるものではない。開閉部材36を、手動で開閉を行うようにしてもよい。
上記実施形態において、温度感知型の開閉機構36aは、温度センサーを含むが、これに限定されるものではない。要は、室内の温度を感知して、開閉部材36を開閉可能にするものであればよい。
上記実施形態において、居室(リビング)19の室温が16℃以下の場合、開状態になるように構成され、居室(リビング)19の室温が22℃以上の場合、閉状態になるように構成されているが、これに限定されるものではない。居室(リビング)19の開状態及び閉状態の室温は、任意の温度に設定可能である。
上記実施形態において、開閉部材36は、仕切り材31(第二の部材31b)が閉状態であり、仕切り空間32の温度が、45℃以上になった場合、開状態になるように構成されているが、これに限定されるものではない。仕切り空間32の開状態の温度は、任意の温度に設定可能である。
上記実施形態において、開閉部材36は、仕切り空間32の温度が、40℃以下になった場合、閉状態になるように構成されているが、これに限定されるものではない。仕切り空間32の閉状態の温度は、任意の温度に設定可能である。
本発明の暖房システムは、一般的な住宅の居室を含む同階の部屋全体を暖房する際に、有効に適用される。
10 玄関、10a 玄関スペース、10b 扉、11 ホール、12 和室、12a 畳スペース、12b 床の間、12c 押入れ、13 台所、13a 流し台、13b 作業台、13c 加熱調理器、13d 冷蔵庫、14 洗面室、14a 扉,14b 物入れ、14c 洗面台、14d 洗濯機、15 浴室、15a 浴槽、15b 共通の壁、16 トイレ、16a 扉、16b 共通の壁、17 階段、18 階段下収納、19 居室(リビング)、19a リビングスペース、19b ダイニングスペース、20 テーブル、21 ソファー、22 テーブル、23 椅子、30 暖房システム、31 仕切り材、31a 第一の部材、31b 第二の部材、31c 温度感知型の開閉機構、32 仕切り空間、33 暖房機、床 34、35 床下空間、36 開閉部材、36a 温度感知型の開閉機構、37 ファン、38 非居室空間、39 天井空間、40 天井、A 暖気、前面S、外壁W,W、100 住宅。

Claims (6)

  1. 居室に配置される開閉可能な仕切り材と、
    前記居室の外壁と前記仕切り材とで囲まれた仕切り空間に配置された暖房機と、
    前記仕切り空間の床に開閉可能に設けられ、開状態の際、前記仕切り空間の暖気を床下空間に送り出すための開閉部材と、を備える、暖房システム。
  2. 前記仕切り材は、前記居室の室温が第一の温度以下の場合、開状態になるように構成され、前記居室の前記室温が、前記第一の温度より高い第二の温度以上の場合、閉状態になるように構成され、
    前記開閉部材は、前記仕切り空間の温度が、前記第二の温度より高い第三の温度になった場合、開状態になるように構成されている、請求項1に記載の暖房システム。
    ステム。
  3. 前記仕切り空間は、前記居室の角部に配置されている、請求項1又は2に記載の暖房システム。
  4. 前記暖房機は、ペレットストーブを含む、請求項1〜3の何れかに記載の暖房システム。
  5. 前記床下空間には、前記仕切り空間内の前記暖気を前記床下空間に吸い込むファンが設けられている、請求項1〜4の何れかに記載の暖房システム。
  6. 前記仕切り空間と、前記床下空間と、前記居室に隣接する非居室空間と、天井空間とを循環する、前記暖気の循環路が形成されている、請求項1〜5の何れかに記載の暖房システム。
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