JP2018529029A - 誘導気化器、気化器システムおよび帯状の基板をコーティングするための気化方法 - Google Patents

誘導気化器、気化器システムおよび帯状の基板をコーティングするための気化方法 Download PDF

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Abstract

コーティング平面内を移動する帯状の基板をコーティングするための知られている気化器システムでは、多数の誘導気化器により形成される気化器バンクが提供され、上記誘導気化器は、気化させようとするコーティング材料を保持するための容器および容器を取り囲んでいる誘導加熱コイルを各々含む。高周波発生器は、誘導加熱コイルへと加熱用交流電流を供給するように働き、その結果として1次電磁場が発生され、上記電磁場が誘導結合を通して容器を加熱する。作動デバイスは、個別に加熱コイルの各々に対して加熱用交流電流を設定することを可能にするように働く。気相堆積層の高い均一性の再現性および欠陥がないことを確実にするために、誘導カウンタ巻線が、加熱コイルの上側端部および/または下側端部に割り当てられ、上記カウンタ巻線へと反対の交流電流を供給することができ、これにより部分的に1次電磁場を中和する2次電磁場を発生させることを可能にするような方法で、知られている気化器システムを修正することを提案している。【選択図】図6

Description

本発明は、コーティング材料を用いてコーティング平面内を移動する帯状の基板をコーティングするための気化器システムであって、
・コーティング平面の下方に配置され、かつ気化させようとするコーティング材料を受けるためのるつぼおよびるつぼを取り囲んでいる誘導加熱コイルを各々含む複数の誘導気化器を含む、気化器バンクと、
・誘導加熱コイルへと加熱用交流電流を供給し、誘導結合を通してるつぼを加熱する1次電磁場を発生させるように働く高周波発生器と、
・個別に加熱コイルの各々に対して加熱用交流電流を設定することを可能にする設定デバイスと
を備える、気化器システムに言及する。
加えて、本発明は、気化させようとするコーティング材料を受けるためのるつぼおよびるつぼを取り囲んでいる誘導加熱コイルを用いる、このような気化器システムにおいて使用するための誘導気化器に言及する。
さらに、本発明は、気化によりコーティング材料を用いて帯状の基板をコーティングするための方法に関係する。
酸素、水蒸気、および着香に対する優れたバリア効果を有する包装材料が、食料品を包装するために必要である。包装材料は、多くの場合、箔状のまたは帯状の半完成品(基板)上に、例えばアルミニウム製の薄いバリア層の気相堆積により製造される。典型的には、ポリマ材料の保護層が、金属バリア層に適用される。透明性および小さなマイクロ波吸収が望まれる用途に対しては、金属酸化物、特にSiO、AlおよびMgOベースのバリア層が製造される。
熱蒸発プロセス(物理気相堆積、略称:PVD)を、このようなコーティング物を製造するために使用する。上記のプロセスでは、気化させようとする材料を、気化器の中で加熱し、その結果、材料がガス状態へと変化し、気化した材料粒子が気化器の上方に置かれた基板上に層として凝集する。
基本要件は、基板上の層厚さが可能な限り均一でなければならないということである。気化ギャップ−いわゆるピンホール−は、食品産業での、例えば、カートン容器のバリア層の製造での使用に対しては許容されない。キャパシタ箔では、不均一なコーティング厚さは、名目上同一のキャパシタの場合には電気的に異なる性能データという結果をもたらす。
大きな幅の帯および箔の連続気化に関して、EP0474964B1は、同じタイプの多数の気化器を組み合わせて、いわゆる気化器バンクを形成する気化器システムを提案している。気化器は、「気化器ボート」と呼ばれる細長い形状を有するるつぼとして設計される。気化器は、導電性材料から作られ、それゆえ直接電流を流すことにより加熱することができる。気化器ボートを、少なくとも2つの平行な列に等距離に配置し、この平行な列は、帯状の基板の帯走行方向に対して垂直に延在し、狭いコーティングゾーンを一緒に形成する。隣接する列の気化器ボートを、「ギャップ」に設置する。気化器ボートが傾いているより複雑な配置が、例えばWO2008064894A2に記載されている。
気化器バンク内の気化器の空間配置は、気化器ローブを重ね合わせるやり方を決定する。狙いは、基板の幅全体にわたり可能な限り均一な層厚さ分布を実現することである。理想的には、これにより、最大層厚さと最小層厚さとの間の最小可能な差違を有する波打ったコーティングプロファイルという結果をもたらす。上に述べた「ギャップへの」オフセットは、互いに蒸気原子が衝突する数(蒸気原子の自由行程長はほぼ3mmである)したがって気化器ローブの相互作用を減少させる。これが結果として次に、気相堆積しようとする層のより高い均一性という結果をもたらす。
気化器の空間配置とは別に、しかしながら、コーティングプロファイルは、エッジ効果、温度分布、および個々の気化器の個々の放出特性などの外からの影響によって影響される。さらなる複雑な要因は、帯状の基板が気化器バンクの上方を高速で移動することである。これが、気化器バンクの個々の気化器ボートの気化速度の調節に対する高い要求という結果をもたらす。
アルミニウムを気化させるための気化器ボートの気化速度のこのような個別の制御は、DE4404550C2から知られる。制御の設定点は、気化器ボートおよびその中に含有される金属材料の電気抵抗の総和からもたらされる全電気抵抗である。加えて、コーティング物の層厚さが連続的に決定される。コントローラの制御値は、気化器ボートに印加する電力、またはより正確には動作電圧である。動作電圧は、例えば高過ぎる充填レベルまたはより速い帯進行速度に起因して全体の抵抗が減少する場合に高くなり、そのことが、層の厚さ、したがって間接的に充填レベルに影響を及ぼす。
抵抗加熱型気化器ボートの代わりに、いわゆる「誘導気化器」を現代の気化施設では使用し、上記気化施設では、(中間周波数または高周波数範囲の)高周波電圧を、高周波発生器により発生させ、加熱コイルへと供給し、この加熱コイルを介して、加熱用の熱を、直接るつぼへの、またはるつぼを取り囲んでいるサセプタへの高周波交流場の電磁誘導によって、結合させる。誘導気化器によって、例えば特開昭第60−152670号に記載されているように、抵抗加熱と比較してより高い溶融温度を実現することができ、その結果、上に述べた酸化物材料などの高融点コーティング材料でさえ気化させることができる。
米国特許出願第2013/186339A1号は、コーティング材料を用いて、コーティング平面内を移動する帯状の基板をコーティングするための気化器システムを明らかにしており、この気化器システムは、上側コイルおよび下側コイルからなる2部分誘導コイルを含む、気化させようとする材料を受けるためのるつぼを有する誘導気化器を含み、上側コイルおよび下側コイルが逆方向に巻かれる。
特開第2007−270297号は、輸送方向に垂直に配置された気化源の1つまたは複数の列に沿ってコーティング平面内で基板の輸送を反転させるための搬送装置を有する真空気化器システムを記載している。
複数の誘導気化器を装備した気化器バンクを用いてさえ、コーティングしようとする基板の幅全体にわたって個別に気化速度およびコーティング速度を調節することを可能にするためには、気化器の加熱速度および具体的な気化速度を個別にかつ互いに独立して調整するまたは制御することができることが重要である。しかしながら、通常の制御手段は、再現可能な方式で気相堆積した層の均一性および無欠陥性を確実にするためには十分でないことが分かっている。
これゆえ、複数の誘導気化器を装備した気化器システムであって、これにより気相堆積した層の品質の高さを再現性よく実現することができる、気化器システムを提供すること、および気化器システムに特に適応した誘導気化器を示すことが本発明の目的である。
均一性および無欠陥性により特徴付けられる気相堆積したコーティング物の再現性のよい製造を可能にするようなやり方で、知られている気化方法を修正することもまた本発明の目的である。
気化器システムに関して、上に述べたタイプのシステムから始まる上記の目的は、本発明にしたがって達成され、上記発明では、誘導カウンタ巻線が、加熱コイルの上側端部および/または下側端部に割り当てられ、上記カウンタ巻線へと反対の交流電流を供給することができ、これにより部分的に1次電磁場を中和する2次電磁場を発生させることを可能にする。
気化器バンクでは、誘導気化器が、均一なコーティングを実現するために可能な限り互いに近くに位置し、典型的には1列にまたは2列の平行な列に配置される。知られている気化器システム内の誘導気化器の個別の調整または制御における上に述べた困難さは、気化器の電磁場が互いに影響するという事実に起因することが見出されている。本発明の基本的な発見は、誘導気化器内のコイル電流の電流、電圧または周波数の変化がその電磁場を変えるが、同時に隣接する誘導気化器の電磁場にもやはり影響を与えることである。理由は、誘導気化器の電磁場がその気化器ローブ、すなわちそれぞれの気化器からのコーティング材料蒸気の局所分布のサイズおよび形状にとってやはり決定的であることである。これは、しかしながら、1つの誘導気化器の気化器ローブの故意の修正が隣接する気化器ローブの望まれない、そして概して管理できない修正という結果を同時にもたらし、その修正が(故意に修正した気化器ローブを含め)近隣の気化器ローブに順に影響することを意味する。上記の結合は、1つの誘導気化器における小さな訂正のために全体の気化器バンクの磁場特性が予測不可能であり再現不可能な方式で変化するという状況に最終的には導くことがある。
個々の誘導気化器の説明した磁気的および電気的結合による気化器ローブの相互効果は、制御性を阻害し、不均一な層厚さ分布に容易に導く。上記の問題は、可能な限り均質なコーティング物となるように誘導気化器を互いに近くに設置するという事実により悪化する。誘導コイル間の距離は、典型的には30から40mmである。
問題を軽減するために、気化器バンクのいくつかのそして好ましくはすべての誘導気化器は、本発明による気化器システム内のエネルギー供給機器に関して下記の特徴を有する。
(1)加熱コイルへ供給すべき電力は、個別に制御可能であるまたは調節可能である。
(2)コーティング平面を向いている加熱コイルの上側前端部またはコーティング平面と反対の方を向いている加熱コイルの下側前端部または加熱コイルの両方の端部は、電磁場を発生させるために適している素子に直接または(中間素子を介して)間接的に隣接する。他の素子を、好ましくはコイル、渦巻きまたは単純な巻線として設計し、ここでは「カウンタ巻線」と呼ぶ。
加熱コイルの1次電磁場が、るつぼまたはるつぼを取り囲んでいるサセプタを加熱するために主として使用される一方で、誘導カウンタ巻線の2次電磁場は、加熱コイルの電磁場を制限する目的をかなえる。上記の効果を、以降やはり「狭小化(narrowing)」とも呼ぶ。
理想的なケースでは、狭小化は、加熱のために必要な電磁場の部分には影響を与えず、上記の目的のためには必要でない部分および近隣のコイルの電磁場の方向の点(以降、やはり「寄生部分」ともいう)が、完全に除去される。実システムでは、加熱コイルの電磁場の寄生部分を削減し、そして加熱コイルの電磁場を外側で部分的に中和する。1次電磁場は、2次電磁場の強度に応じて多かれ少なかれ押し戻される。
2次電磁場を発生させるために、反対の交流電流を誘導カウンタ巻線へと供給し、上記電流は、好ましくは強度、周波数または位相に関して、特に空間内の方向に関して加熱コイルの交流電流とは異なる。加熱コイル内のおよびカウンタ巻線内の交流電流の空間方向が反対方向に延びる場合には、電磁場は、反対方向に延びている力線を形成し、これが互いに部分的中和する。加熱コイルの巻線およびカウンタ巻線の反対の配置により、または−同じ回転方向を有する加熱コイルおよびカウンタコイルのケースでは−それぞれ他方の端部のところに、すなわち加熱コイルの巻線およびカウンタ巻線の上側端部もしくは下側端部のところに交流電流を供給することにより、反対の交流電流を生じさせる。
1次電磁場の説明した狭小化は、個々の誘導気化器の相互作用および結合を低減することを可能にする。結果として、気化器バンクの個々の気化器の個別の電力調節を、他の気化器へ何らかの重大なフィードバックなしに行うことができ、これが、これまで大きな追加コストなしに実現可能であったコーティング品質を著しく向上させる。
カウンタ巻線に供給する電力を、加熱コイルに供給する電力とは独立に調節することができる。しかしながら、2つの電力の間に所定の結合がある場合には、有利であることがやはり証明されている。加熱コイルの電磁場の狭小化は、加熱用交流電流および反対の交流電流が同じ周波数を有する場合には、部分的な効果打ち消しに起因して特に良好である。これは、加熱コイルおよびカウンタ巻線を同じ高周波発生器に接続可能であり、互いに電気的に接続するということ、または反対の交流電流を加熱コイルとカウンタ巻線との間に電磁誘導で発生させることできるということから、容易に達成することができる。上述の2つのケースにおいて、カウンタ巻線は、独自の電源を持たない。
加熱コイルの電磁場を狭小化することにより、好ましくはるつぼを加熱するために必要な内側場ではなく、外側場だけ中和すべきである。中和の程度および度合いは、加熱コイルの前端部からのカウンタ巻線の距離により、ならびにカウンタ巻線の電力により影響されることがある。最も単純なケースでは、カウンタ巻線は1回巻きまたは2回巻きであり、加熱コイルは多数回巻きである。カウンタ巻線と加熱コイルとの間の距離は、好ましくは可変である。例えば一続きの構成部品を形成することにより、加熱コイルおよびカウンタ巻線が共通電源を有する場合には、両側の巻線の数の比率が、効果打ち消しの程度および度合いを本質的に決定する。
特に有効な、両側の1次電磁場の狭小化について、上側誘導カウンタ巻線が加熱コイルの上側端部に割り当てられ、下側誘導カウンタ巻線が加熱コイルの下側端部に割り当てられる場合には、有利であることが示されてきている。
特に単純な設計を用いると、加熱コイル、上側および下側カウンタ巻線を直列に接続する。
加熱コイルおよび両側のカウンタ巻線を、共通電源を用いる一体型コイル構成部品として好ましくは設計する。コイル構成部品へと供給される電気交流電流は、コイルの中心軸の方向に見て、加熱コイル内(例えば、反時計回り)とは反対方向(例えば、時計回り)にカウンタ巻線内を流れる。
代わりの設計のケースでは、加熱コイル、上側および下側カウンタ巻線を直列に接続し、そして上側および下側カウンタ巻線を、ここでは互いに並列に接続する。ここでは、加熱コイルおよびカウンタ巻線は、別々のコイル構成部品を形成する。同じ設計が使用されることが与えられると、並列接続は、同じ電流強度、したがって1次電磁場の両側にやはりほぼ等しい有効2次電磁場をカウンタ巻線内にもたらす。上記の回路配置は、鏡面がコーティング平面に平行であることをともなう鏡面対称の電磁場の調節を容易にする。
誘導気化器に関する限り、上に述べたタイプの特徴を有する誘導気化器から始まる上に述べた技術的目的は、誘導カウンタ巻線が加熱コイルの上側端部および/または下側端部に割り当てられる本発明にしたがって達成される。
本発明による誘導気化器では、素子を、加熱コイルの上側前端部のところにまたは加熱コイルの下側前端部のところにまたは加熱コイルの両端部のところに設け、上記素子は、電磁場を発生させるために適しており、ここでは「カウンタ巻線」という。カウンタ巻線を、好ましくはコイル、渦巻きまたは単純なコイル巻線として設計する。カウンタ巻線は、加熱コイルと直接電気的かつ機械的に接触する、または別々の構成部品を形成する。
加熱コイルが、主としてるつぼまたはるつぼを取り囲んでいるサセプタを加熱するための1次電磁場を発生するように働く一方で、誘導カウンタ巻線は、1次電磁場を制限することができる2次電磁場を発生させる目的で働く。誘導気化器の電磁場の形成への上記の「狭小化」の効果に関して、本発明による気化器システムについての上の説明を参照する。本発明による誘導気化器は、上記の気化器システムでの使用のために設計されており、特に適している。
2次電磁場を発生させるために、反対の交流電流をカウンタ巻線に供給し、上記電流は、加熱コイルの交流電流とは、好ましくは電流の強度、周波数または位相に関して、特に電流の空間方向に関して異なる。加熱コイル内およびカウンタ巻線内の交流電流の方向が空間内で反対である、すなわち異なる回転の方向を有する場合には、反対の力線を有する電磁場が形成され、互いに部分的に中和する。反対の交流電流を、加熱コイルおよびカウンタ巻線の反対の巻線により、または−回転の同じ向きを有する加熱コイルおよびカウンタコイルの巻線のケースでは−それぞれの巻線のもう一方の端部(上側端部または下側端部)のところにそれぞれの交流電流を供給することにより生じさせる。
カウンタ巻線に供給する電力を、加熱コイルに供給する電力とは独立に調節することができる。しかしながら、2つの電力の間にある種の結合がある場合には、有利であることがやはり証明されている。このようにして、加熱コイルの電磁場の狭小化は、加熱用交流電流および反対の交流電流が同じ周波数を有する場合には、部分的な効果打ち消しのために特に良好である。これは、加熱コイルおよびカウンタ巻線を、同じ高周波発生器に接続可能であり、互いに電気的に接続するということ、または反対の交流電流を加熱コイルとカウンタ巻線との間に電磁誘導で発生させることができるということから、容易に達成することができる。上述の2つのケースにおいて、カウンタ巻線は、独自の電源を持たない。
最も単純なケースでは、カウンタ巻線は1回巻きまたは2回巻きであり、加熱コイルは多数回巻きである。
特に有効な1次電磁場の2つの側の狭小化について、上側誘導カウンタ巻線が加熱コイルの上側端部に割り当てられ、かつ下側誘導カウンタ巻線が加熱コイルの下側端部に割り当てられる場合には、有利であることが示されてきている。
気化器の上記の実施形態では、加熱コイル、上側カウンタ巻線、および下側カウンタ巻線を、好ましくは直列に接続する。
加熱コイルおよび両側のカウンタ巻線を、共通電源を用いる一体型コイル構成部品として好ましくは設計する。コイル構成部品へと供給される電気交流電流は、カウンタ巻線内を、コイルの中心軸の方向に見て、加熱コイル内(例えば、反時計回り)とは反対方向(例えば、時計回り)に流れる。
カウンタ巻線と加熱コイルとの間の距離は、好ましくは可変である。
気化によりコーティング材料を用いて帯状の基板をコーティングするための方法に関して、上に記述した技術的な目的を、本発明にしたがった下記の方法工程を含む方法により達成する。
(a)コーティング平面内で上記基板を輸送する工程と、
(b)上記コーティング平面の下方に配置され、かつ気化させようとする上記コーティング材料を受けるためのるつぼおよび上記るつぼを取り囲んでいる誘導加熱コイルを各々が備える複数の誘導気化器を備えている気化器バンクを用意する工程と、
(c)上記誘導加熱コイルへと加熱用交流電流を供給し、かつ誘導結合により上記るつぼを加熱する1次電磁場を発生させるように働く高周波発生器を使用して上記コーティング材料を加熱しかつ気化させる工程と、
(d)上記加熱コイルの各々に対して上記加熱用交流電流を個別に調節する工程と
を含み、
誘導気化器が使用され、上記誘導気化器では、誘導カウンタ巻線が、上記加熱コイルの上側端部および/または下側端部にそれぞれ割り当てられ、上記カウンタ巻線へと反対の交流電流が供給され、これにより部分的に上記1次電磁場を中和する2次電磁場が発生する。
本発明によるコーティング方法では、コーティングしようとする帯状の基板を、気化器バンクの上方に延びる水平なコーティング平面内で連続的に移動させる。上記バンクは、複数の誘導気化器を装備し、上記誘導気化器は、気化器ボートについての先行技術から知られるように、典型的には一列または数列に配置される。特に、隣接する列の誘導気化器を、互いに対して中心にオフセットして配置することができる。誘導気化器の気化速度を、加熱用交流電流を調整することまたは制御することにより気化プロセス中に個別にかつ独立に調節する。誘導気化器の電磁場は、互いに影響することがある。例えば、誘導気化器のうちの1つの加熱用交流電流の電流、電圧、周波数または位相の変化は、その電磁場を変えることがあり、上記の電磁場は、隣接する誘導気化器の電磁場にやはり影響を及ぼす。しかしながら、誘導気化器の電磁場は、その気化器ローブのサイズおよび形状、すなわちそれぞれの気化器からのコーティング材料蒸気の局所分布にとってやはり決定的である。これは、しかしながら、1つの誘導気化器の気化器ローブの故意の修正は、隣接する気化器ローブの望まれないそして概して管理できない修正を同時に必然的にともない、これにより、上記の修正は、(故意に修正した気化器ローブを含め)近隣の気化器ローブに順に影響することを意味する。上記の結合は、1つの誘導気化器における小さな訂正のために予測不可能であり再現不可能な方式で気化器バンク全体の磁場特性が変化するという結果に最終的になることがある。
個々の誘導気化器の説明した磁気的および電気的結合による互いの気化器ローブの相互効果は、加熱用交流電流の制御性を阻害し、不均一な層厚さ分布に容易に導く。問題を軽減させるために、本発明にしたがった方法では、いくつかのそして好ましくはすべての誘導気化器が個別の制御性に加えて下記の特別な特徴を有する気化器バンクを使用する。
コーティング平面を向いている加熱コイルの上側前端部またはコーティング平面から遠くを向いている加熱コイルの下側前端部または加熱コイルの両方の端部は、電磁場を発生させるために適しているカウンタ巻線に直接または(中間素子を介して)間接的に隣接する。カウンタ巻線を、好ましくはコイル、渦巻きまたは単純な巻線として設計する。
加熱コイルの1次電磁場が、るつぼまたはるつぼを取り囲んでいるサセプタを加熱するために主に働く一方で、誘導カウンタ巻線の2次電磁場は、加熱コイルの電磁場を制限する目的で働く。上記の効果を、ここではやはり「狭小化」とも呼ぶ。
理想的なケースでは、狭小化は、加熱するために必要な電磁場の部分には影響を与えず、上記の目的のためには必要でない部分および近隣のコイルの電磁場の方向の点(ここではやはり「寄生部分」ともいう)が、完全に除去される。実システムでは、外側場の1次電磁場の寄生部分は、部分的に効果を打ち消される。1次電磁場は、2次電磁場の強度に応じて多かれ少なかれ押し戻される。
2次電磁場を発生させるために、反対の交流電流を誘導カウンタ巻線へと供給し、上記の電流は、好ましくは強度、周波数または位相の点で、特にカウンタ巻線内の空間進行方向に関して加熱用交流電流とは異なる。加熱コイル内のおよびカウンタ巻線内の交流電流の方向が、空間内で反対である、すなわち異なる回転方向を有する場合には、電磁場は、反対の力線で形成され、これが互いに部分的に中和する。空間的に反対の交流電流を、加熱コイルの巻線およびカウンタ巻線の反対の配置により、すなわち−電流入口点から見て−一回時計回りそして一回反時計回りに延びるコイル巻線により、または−加熱コイルおよび加熱コイルから分離されたカウンタコイルの平行コイル巻線のケースでは−それぞれの巻線のもう一方の端部のところに(上側端部のところにもしくは下側端部のところに)それぞれの交流電流を供給することにより生じさせる。
1次電磁場の説明した狭小化は、個々の誘導気化器の相互作用および結合を低減することを可能にする。結果として、気化器バンクの個々の気化器の個別の電力調節を、他の気化器への何らかの重大なフィードバックなしに行うことができ、これが、これまで大きな追加コストなしに実現可能であったコーティング品質を著しく向上させる。
理想的には、本発明にしたがった方法を、本発明による気化器システムおよび誘導気化器を使用して行う。
カウンタ巻線に供給する電力を、加熱コイルに供給する電力とは独立に調節することができる。しかしながら、2つの電力の間にある種の結合リンクがある場合には、有利であることがやはり証明されている。このようにして、加熱コイルの電磁場の狭小化は、加熱用交流電流および反対の交流電流が同じ周波数を有する場合には、部分的な効果打ち消しのために特に良好である。これは、加熱コイルおよびカウンタ巻線が同じ高周波発生器に接続可能であり、互いに電気的に接続されるということ、または反対の交流電流を加熱コイルとカウンタ巻線との間に電磁誘導で発生させることができるということから、容易に達成することができる。上述の2つのケースにおいて、カウンタ巻線は、独自の電源を持たない。
加熱コイルの電磁場を狭小化することにより、好ましくはるつぼを加熱するために必要な内側場ではなく、外側場だけが、効果を打ち消されるはずである。これゆえ、反対の交流電流により発生される電磁場は、加熱用交流電流により発生される電磁場よりも好ましくはるかに弱い。効果打ち消しの程度および度合いは、加熱コイルの前端部からのカウンタ巻線の距離により、ならびにカウンタ巻線の電力により影響されることがある。これゆえ、カウンタ巻線と加熱コイルとの間の距離は、好ましくは可変である。
反対の交流電流の電流強度が加熱用交流電流の電流強度の最大の2/3に対応するときにその価値を証明している。これが、1次電磁場の強度よりも2次電磁場の低い強度という結果になる。強度は、それぞれの加熱コイル/カウンタ巻線において高周波電流により発生する場の強度であると理解される。
特に有効な1次電磁場の両側での狭小化について、上側誘導カウンタ巻線が加熱コイルの上側端部に割り当てられ、かつ下側誘導カウンタ巻線が加熱コイルの下側端部に割り当てられる場合には、有利であることが示されてきている。
好ましくは、加熱コイル、上側カウンタ巻線、および下側カウンタ巻線を、直列に接続する。加熱コイルおよび両側のカウンタ巻線を、共通電源を用いる一体型コイル構成部品として好ましくは設計する。コイル構成部品へと供給される電気交流電流は、カウンタ巻線内を−コイルの中心軸の方向に見て−加熱コイル内(例えば、反時計回り−電流入口点から見て)とは反対方向(例えば、時計回り−電流入口点から見て)に流れる。
本発明を、実施形態および特許図面に基づいて下記により詳細に説明する。図面は、詳細な模式的な表示である。
帯状の基板をコーティングするための本発明による気化器システムの実施形態を示す斜視図である。 気化器システムの断面を示す側面図である。 先行技術による誘導気化器の配置をそれぞれの電磁場とともに示す斜視図である。 本発明による誘導気化器の配置をそれぞれの電磁場とともに示す斜視図である。 反対の誘導コイル領域の重ね合わせで電磁場の場分布の変化を説明する略図である。 本発明にしたがった方法での層厚さ制御を説明するブロック図である。
図1は、帯状の基板9(気化器システムのより良い認識性のために図1では省略、図2参照)をコーティングするための誘導型気化器システム1を模式的に示している。気化器システム1は、合計で17個の同一の誘導気化器10を有する気化器バンクを装備しており、誘導気化器10は真空チャンバ内に配置されている。
図2は、誘導気化器10の詳細を示している。誘導気化器10の各々は、気化させようとする物質17を受けるためのグラファイトるつぼ2および誘導加熱のための誘導コイル4を備える。グラファイトるつぼ2は、酸化アルミニウム(7)およびグラファイトフェルト(8)の断熱層により取り囲まれている。水冷型誘導コイル4を、グラファイトるつぼ2と最外断熱層8との間に設置する。図1の斜視説明図は、銅管から作られた誘導コイル4用の電気フィーダ5を示している。
電気フィーダ5の各々は、高周波発生器62(図6参照)を動かし、高周波発生器は、図1では、ジャンクションボックス6により模式的に表現される。各誘導気化器10を、それ自体の高周波発生器62および制御ユニット63(図6参照)を介して個別に制御することができる。それぞれの誘導コイル4へとフィーダ5を介して10kHz付近の周波数で10から20kWの電力範囲内の高周波交流電流を供給することにより、グラファイトるつぼ2を、高周波発生器62によって電磁誘導で加熱する。インダクタ電流は、約330Aである。電流源(電流および電圧)は、制御ユニット63によって各誘導気化器10に対して個別に調節可能である。周波数は、個々の誘導気化器に対して同じであっても異なってもよい。
誘導気化器10を、2つの平行な列に配置し、一方の列の誘導気化器10を、他方の列の誘導気化器10に対して中心にオフセットして配置する。誘導コイル4間の最小距離は、約35mmである。グラファイトるつぼ2の中心距離−コーティング平面12(参照番号12で示されている;やはり図2を参照)上の投影で距離「x」として測定される−は、160mmである。
図2の説明図は、水冷型コーティングローラ11による、コーティングされる基板9の誘導を示している。気化器ユニット1の気化器列は、互いに対してオフセットして配置した一対の誘導気化器10により表現される。基板9は、食品包装用の箔または厚紙である。帯状の基板9は、方向矢印13により指示されたように誘導気化器10の上方のコーティング平面12を連続的に通過する。気化器ユニット1を、一方の側に、例えばアルミニウム製の膜を気相堆積させるために使用する。
気相堆積した膜の厚さを、光学的または電気的に連続的に測定する。膜でコーティングした基板9は、輸送方向13に気化器システム1の下流に配置されている光学的または電気的測定デバイスを通過する。測定デバイスは、多数の(これは誘導気化器10の数に対応する)層厚センサ14を備え、多数の層厚センサを、基板ウェブの幅全体にわたって一様に分散させ、制御ユニット63(図6参照)に各々接続する。各層厚センサ14は、基板9の一方の側の送信部15および基板の反対側の検出部16から構成される。各層厚センサ14を、正確に1つの誘導気化器10に割り当てる。基板の幅にわたって見られる局所的な位置は、層厚センサ14に割り当てられた誘導気化器10により発生される気化ローブの中心に整列し、層厚センサ14の中心距離は、誘導気化器10の中心距離「x」にやはり対応する。
図3は、誘導気化器において以前に使用されていたような(グラファイトるつぼおよび断熱材を除く)一群の誘導コイル20を示している。これらの誘導コイル20は、電力接続部5をともなう銅管の多数回巻きの単純なコイルから構成される。誘導コイル20により発生される電磁場21は、互いに強く影響し;これを大きな重なり領域22により示している。
比較すると、図4は、(やはりグラファイトるつぼおよび断熱材のない)本発明による誘導気化器10において使用するための誘導コイル4の代表的な一群を示している。これらの誘導コイル4は、銅管製の3つに分かれたコイルからなり、下から上へ見ると、互いにその回転の向きが異なる次のコイル領域、第1の回転の向きを有する下側カウンタ巻線31、第1の回転の向きとは異なる第2の回転の向きを有する実際の加熱コイル32、および今度は第1の回転の向きに巻かれている上側カウンタ巻線33が巻かれている。下側カウンタ巻線31を、実際の加熱コイル32の下側の前側のところに設ける。下側カウンタ巻線31は、単に1回の完全な巻線を示し、加熱コイル32に対して反対方向に延び、U字形の円弧に上記巻線内で終結する。加熱コイル32は、複数の巻線(実施形態では、9回の完全な巻線がある)から作られ、今度は、反対でありかつ1回巻き上側カウンタ巻線33にさらなるU字形の円弧を介して上側前端部のところで終結する。上側および下側カウンタ巻線31、33は、加熱コイル32の場37に対して反対方向である比較的弱い電磁場36を各々発生させる。上記の立体配座は、加熱コイル32の電磁場の狭小化という結果に導き、その結果、隣接する誘導コイル4の場の相互効果をなくすまたはより少なくし、これが図4では重なっている領域38がないことにより示されている。
重なっている領域の違いを、やはり図5の略図に模式的に示している。2つのそれぞれ隣接する誘導コイルについて、個々のコイル領域(31、32、33)の磁場強度をx軸にプロットし、実際の加熱コイル(32)の中心からの距離をy軸にプロットしている。下側カウンタ巻線31、実際の加熱コイル32および上側カウンタ巻線33の位置にマークを付けている。点線の曲線40は、図2に示したような(すなわち、上側および下側カウンタ巻線のない)加熱コイルの磁場強度の経路を模式的に表している。これが、磁場線の広い分布および隣接する誘導コイルの電磁場(40)の大きな重なっているゾーン22という結果をもたらす。
実線41は、(曲線40により示したような)加熱コイルの磁場が、カウンタ巻線31および33により生じる反対の磁場42、43と重ね合わせられるときに得られるような磁場強度発達を表している。これが、元々の電磁場(曲線40)の狭小化および隣接する電磁場の著しく小さな重ね合わせゾーン38という結果に導く。重なっているゾーン22および38の領域サイズを、両側の電磁場の相互作用の度合いの尺度として各ケースにおいて考えることができる。この相互作用は、両側を狭小化した電磁場では狭小化されていない場より極めて目立たない。
このように、上記の狭小化は、個々の誘導気化器10の相互作用および結合を減少させる。これにより、他の気化器への何らかの重大なフィードバックなしに気化器バンクの個々の気化器10の個別の電力調節が可能になり、これが、これまで大きな追加のコストなしに実現可能であったコーティング品質を著しく向上させる。
図6のブロック図は、例として3つの同一のユニットを使用している気化器ユニット1の誘導コイル4の構造および電力出力の制御を模式的に示している。誘導気化器10の各々には、水冷型、3部分誘導コイル4がある。上記のコイルは、銅管で巻かれ、下記のコイル領域:(電流入口点から見て)反時計回りの巻線方向を有する下側カウンタ巻線31、時計回りの巻線方向を有する実際の加熱コイル32および反時計回りの巻線方向を有する上側カウンタ巻線33を有する。電気フィーダを、キャパシタ61を介して交流発電機62に各々接続する。気化器ユニットのすべての交流発電機62を、中央制御ユニット63に接続する。個々の層厚センサ14による層厚さ測定の測定データを、データ線64を介して制御ユニット63へと供給する。データに基づいて、個々の交流発電機62を、制御線65を介して個別に制御する。
個々の誘導コイル4の電磁場は、電力制御の外乱変数を表し、図6では双方向矢印66により模式的に表現され、実システムでは、しかしながら、すべての隣接する電磁場に対してより大きなまたはより小さな効果がある。交流発電機の数をまた、誘導気化器の数よりも少なくすることもできる。代わりの好ましい実施形態では、誘導気化器10の各々に対して個別の電源(62)の代わりに、共通交流発電機を、これゆえいくつかのまたはすべての誘導気化器の電源用に設ける。最も単純なケースでは、1つの交流発電機が十分である。それにも関わらず、すべての誘導気化器の加熱能力の個別の制御を保証することを可能にするために、これらのケースでは、交流発電機または交流発電機の各々を、誘導気化器の数に対応する数のいわゆるトランスダクタの形態の電気分岐部を装備する。
本発明にしたがった方法の例を、図を参照して以降により詳細に説明する。
気化器ユニット1を、包装用箔9にアルミニウム層を付けるために使用する。複数のグラファイトるつぼ2を、アルミニウムで満たし、個別の高周波発生器62および誘導コイル4を使用して1400℃付近の温度まで加熱する。インダクタ電流は、各回でほぼ330Aであり、周波数は10kHzである。気化器バンクの個々の誘導気化器10の電力は、個別に調節可能である。この電力は、10から20kWの範囲内で制御ユニット63を介して電力を調整することにより制御される。
コーティングしようとする包装用箔の気化器ユニット1への送り速度は、10m/sである。アルミニウム層の与えられた目標層厚さは、10である。誘導気化器10の個別の電力制御は、層厚さ測定に基づいている。測定ユニット14が目標層厚さを下回る低下を検出すると直ぐに、それぞれの誘導気化器10へ供給する電力を、個別に増加させる。逆に、目標層厚さを超える場合には、それぞれの誘導気化器10の電力を個別に減少させる。
これらの個別の電力変更は、それぞれの誘導気化器10の電磁場に変化を、したがって蒸発速度に変化を生じさせる。(図4から図6に基づいて上に説明したように)カウンタ巻線31、33を用いる誘導コイル4の使用のために、電磁場の変化は、誘導気化器がカウンタ巻線を使用しなかった場合のケースであるはずの影響よりも、隣接する電磁場への著しく小さな影響を与える。上記は、他の誘導気化器の気化速度に望まないフィードバックを引き起こさずに、各誘導気化器の気化速度を個別に最適化できることを意味している。

Claims (15)

  1. コーティング材料を用いて、コーティング平面(12)内を移動する帯状の基板をコーティングするための気化器システムであって、
    ・コーティング平面(12)の下方に配置されている複数の誘導気化器(10)であって、各々が、気化させようとするコーティング材料(17)を受けるためのるつぼ(2)およびるつぼ(2)を取り囲んでいる誘導加熱コイル(4、32)を含む複数の誘導気化器(10)を含む、気化器バンクと、
    ・加熱コイル(4、32)へと加熱用交流電流を供給し、かつ誘導結合を通してるつぼ(2)を加熱する1次電磁場(37)を発生させるように働く、高周波発生器(62)と、
    ・個別に加熱コイル(4、32)の各々に対して加熱用交流電流を設定するように働く、設定デバイス(63)と
    を含む、気化器システムにおいて、
    誘導カウンタ巻線(31、33)が、誘導加熱コイル(4、32)の上側端部および/または下側端部に割り当てられ、カウンタ巻線へと反対の交流電流を供給することができ、これにより、部分的に1次電磁場を中和する2次電磁場(36)を発生させることを可能にすることを特徴とする、
    気化器システム。
  2. 2次電磁場(36)による部分的な中和が、反対の交流電流の方向、強度または周波数によって調節可能であることを特徴とする、請求項1に記載の気化器システム。
  3. 反対の交流電流が、加熱用交流電流の空間方向と反対である空間内の方向を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の気化器システム。
  4. 誘導加熱コイル(4、32)およびカウンタ巻線(31、33)が高周波発生器(6)に接続された一体型構成部品(4)を形成することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の気化器システム。
  5. カウンタ巻線(31、33)が、1回巻きまたは2回巻きであり、加熱コイル(32)が、多数回巻きであることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の気化器システム。
  6. 上側誘導カウンタ巻線(33)が、加熱コイル(32)の上側端部に割り当てられ、下側誘導カウンタ巻線(31)が、加熱コイル(32)の下側端部に割り当てられることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の気化器システム。
  7. 気化させようとするコーティング材料(17)を受けるためのるつぼ(2)およびるつぼ(2)を取り囲んでいる誘導加熱コイル(4、32)を含む、請求項1からの6いずれか一項に記載の気化器システムにおける使用のための誘導気化器であって、誘導カウンタ巻線(31、33)が加熱コイル(32)の上側端部および/または下側端部に割り当てられることを特徴とする、誘導気化器。
  8. カウンタ巻線(31、33)が、1回巻きまたは2回巻きであり、加熱コイル(32)が、多数回巻きであることを特徴とする、請求項7に記載の誘導気化器。
  9. 上側誘導カウンタ巻線(33)が、加熱コイル(32)の上側端部に割り当てられ、下側誘導カウンタ巻線(31)が、加熱コイル(32)の下側端部に割り当てられることを特徴とする、請求項7または8に記載の誘導気化器。
  10. 加熱コイル(32)、上側カウンタ巻線(33)、および下側カウンタ巻線(31)が、直列に接続されることを特徴とする、請求項9に記載の誘導気化器。
  11. コーティング材料(17)を用いて帯状の基板(9)をコーティングするための方法であって、
    (a)コーティング平面(12)内で基板(9)を運ぶ工程と、
    (b)コーティング平面(12)の下方に配置されている複数の誘導気化器(10)であって、各々が、気化させようとするコーティング材料(17)を受けるためのるつぼ(2)およびるつぼ(2)を取り囲んでいる誘導加熱コイル(4)を含む複数の誘導気化器(10)を含む、気化器バンクを提供する工程と、
    (c)誘導加熱コイル(4)へと加熱用交流電流を供給し、かつ誘導結合によりるつぼ(2)を加熱する1次電磁場(37)を発生させるように働く高周波発生器(62)を使用して、コーティング材料(17)を加熱しかつ気化させる工程と、
    (d)加熱コイル(4)の各々に対して加熱用交流電流を個別に調節する工程と
    を含み、
    誘導気化器(10)が使用され、誘導気化器(10)では、誘導カウンタ巻線(31、33)が、加熱コイル(32)の上側端部および/または下側端部にそれぞれ割り当てられ、カウンタ巻線へと反対の交流電流が供給され、これにより、部分的に1次電磁場を中和する2次電磁場(36)が発生する、
    方法。
  12. 2次電磁場(36)による部分的な中和が、反対の交流電流の方向、強度または周波数によって調節されることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
  13. 反対の交流電流が、加熱用交流電流の空間方向と反対である空間内の方向を有することを特徴とする、請求項11または12に記載の方法。
  14. 加熱用交流電流および反対の交流電流が、同じ周波数を有することを特徴とする、請求項11から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 加熱コイル(32)の上側端部が、上側誘導カウンタ巻線(33)と関連することと、加熱コイル(32)の下側端部が、下側誘導カウンタ巻線(31)と関連することの両方を特徴とする、請求項11から14のいずれか一項に記載の方法。
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