JP2018527604A - 導光物品用のポリウレタン層 - Google Patents

導光物品用のポリウレタン層 Download PDF

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Abstract

開示される熱可塑性脂肪族ポリウレタン組成物は、光学活性要素を含む導光物品に可撓性、靱性、又は保護を付与するための薄型可撓性導光物品における使用によく適している。開示される熱可塑性脂肪族ポリウレタンは、高温で改善された耐熱性を有する。特に、開示される熱可塑性脂肪族ポリウレタンは、110℃超のクロスオーバー温度を有する。一実施形態において、クロスオーバー温度は130℃超である。一実施形態において、クロスオーバー温度は170℃未満であり、Tgは35℃超70℃未満である。

Description

本開示は、導光物品用の脂肪族ポリウレタン層に関する。
導光物品は、入射光を操作する能力を有する。導光フィルム及びシート材は、典型的には、微細構造化プリズム又はビーズであり得る光学活性部を含む。
導光窓用フィルム又は多層光学フィルムなどの導光物品は、一部の光が制御された形で基質を通過することを可能にし得る。これらのタイプの導光物品では、光学活性部は、典型的には、微細構造化プリズムである。
導光物品は、入射光をその光源に向け直すことができ、再帰反射物品と呼ばれる。光を再帰反射する能力は、さまざまな物品上での再帰反射シート材の幅広い使用を生み出した。再帰反射物品では、光学活性部は、典型的には、ビーズ又はコーナーキューブである微細構造化プリズムのいずれかである。ビーズ型シート材は、多数のガラス又はセラミック製マイクロスフェアを使用して入射光を再帰反射するものである。一方、コーナーキューブ型シート材は、典型的には、多数の剛性の相互連結されたコーナーキューブ要素を使用して入射光を再帰反射するものである。米国特許第2,407,680号は、ビーズ型再帰反射シート材の例を示し、米国特許第5,450,235号は、コーナーキューブ型再帰反射シート材の例を示す。
金属コーティングなどの正反射性コーティングをコーナーキューブ要素の裏面に配することで、再帰反射を促すことができる。金属コーティングに加えて又はその代わりに、コーナーキューブ要素の裏面にシールフィルムを適用することができる。シールフィルムは、キューブの裏面に空気界面を維持することによって再帰反射性を高めるものである。可撓性再帰反射シート材での使用に適したさまざまなシールフィルムが記載されてきた。例えば、米国特許第5,784,197号、同第5,691,846号、及び同第6,318,867号を参照されたい。
再帰反射シート材などの可撓性導光物品は、特に不規則面への使用又はトラフィックコーン及びバレルなどの可撓性基材への接着によく適している。更に、導光物品は、屋外用途などの粗野な条件下で使用される。下部の光学活性領域への損傷は、光学機能を低減又は消滅し得るため、導光物品の外側の露出面を保護することが重要である。
ポリウレタンフィルムは、その摩耗耐性、靱性、可撓性、耐衝撃性、引裂強度、及び耐化学薬品性によってシート材を保護するために使用されてきた。化学的に、ポリウレタンは、その特有のカルバメート(−NH−CO−O−)結合で区別され、一般的に、ポリイソシアネートとポリオールとを、触媒の存在下で反応させることによって調製される。ポリウレタンには、熱硬化性及び熱可塑性の2つの一般的なタイプがある。熱硬化性ポリウレタンは、共有結合によって高度に架橋される。熱可塑性ポリウレタンは、一般的に架橋されていない自己配列ブロック構造を有する直鎖状ポリマー鎖によって特徴付けられる。熱可塑性ポリウレタンのブロック構造は、一般的に、末端間で互いに共有結合された、交互の「ハード」及び「ソフト」セグメントを含む。ハードセグメントは、集合して結晶又は擬結晶領域を形成し、この領域は、室温では物理的に架橋するように作用するが、加熱すると融解状態に変換する。結果として、熱可塑性ポリウレタンは、三次元物品への熱成形によく適しており、容易に再加工することができる。しかし、一部の用途では、結果としてもたらされる熱可塑性ポリウレタンの溶融は望ましくない。
開示される熱可塑性脂肪族ポリウレタン組成物は、光学活性要素を含む導光物品に可撓性、靱性、又は保護を付与するための薄型可撓性導光物品における使用によく適している。開示される熱可塑性脂肪族ポリウレタンは、高温で改善された耐熱性を有する。特に、開示される熱可塑性脂肪族ポリウレタンは、110℃超のクロスオーバー温度を有する。一実施形態において、クロスオーバー温度は130℃超である。一実施形態において、クロスオーバー温度は170℃未満である。クロスオーバー温度は、(1)ゴム領域から流動領域への材料転移の温度、(2)G’(貯蔵弾性率)=G”(損失弾性率)のとき、又は(3)タンデルタ=G”/G’=1のときの温度であってもよい。
一部の導光物品は、高温、高圧、又は両方の条件を利用して製造される。更に、極端な天候の条件下において、導光物品は、長期間にわたって非常に高温に晒されてもよい。したがって、直鎖状、非分枝の熱可塑性ポリウレタンフィルムは、過度に低いクロスオーバー温度を有する傾向があり、したがって製造中又は使用中に軟化、更には流動するようになる。しかし、高度に架橋された熱硬化性ポリウレタンフィルムの使用は、過度に堅く剛性すぎるため望ましくない。
開示される、導光物品の本体層用の熱可塑性脂肪族ポリウレタンフィルムは、加工中に、より高温に耐え、直鎖状の非分枝熱可塑性ポリウレタンと比べて軟化及び流動することなく使用できるほど十分に高いクロスオーバー温度を有する。また、開示される熱可塑性脂肪族ポリウレタンフィルムは、熱硬化性材料と見なされるほど高度には架橋されず、したがって可撓性を維持したままである。
一実施形態において、導光物品は、複数の光学活性要素と、複数の光学活性要素に隣接した本体層とを含む。本体層は、110℃超170℃未満のクロスオーバー温度及び35℃超70℃未満のTgを有する熱可塑性脂肪族ポリウレタンを含む。一実施形態において、クロスオーバー温度は、130℃超である。一実施形態において、クロスオーバー温度は、140℃超である。
コーナーキューブ型シート材の一実施形態の側断面図である。 コーナーキューブ型シート材の別の実施形態の側断面図である。 コーナーキューブ型シート材の別の実施形態の側断面図である。 ビーズ型シート材の一実施形態の側断面図である。 コーナーキューブ型シート材の別の実施形態の側断面図である。 コーナーキューブ型シート材の別の実施形態の側断面図である。
定義
本明細書で使用される場合、
「周囲条件」は、摂氏25度の温度及び1気圧(約100キロパスカル)の圧力を意味し、
「触媒」は、化学反応の速度を増すことができる物質を意味し、
「ジオール」は、厳密に2個のヒドロキシル官能基を有する化合物を意味し、
「ジイソシアネート」は、厳密に2個のイソシアネート官能基を有する化合物を意味し、
「弾性率」は、ASTM D882−75bに従って、初期のグリップ間隔を12.5cm(5インチ)、試料幅を2.5cm(1インチ)、及びグリップの離間速度を2.5cm/分(1インチ/分)として、静的重量測定法Aを用いて決定される弾性率を意味する。
「硬化」は、流体から流動性がより少ない状態へ、粘性から非粘性の状態へ、可溶性から不溶性の状態へ変化させるように、化学反応中の重合性材料の消費によりその量を低減するように、又は特定の分子量の材料からより高分子量にするように、組成物の物理的状態及び/又は化学的状態を変化させることを意味し、
「硬化性」は、硬化することができることを意味し、
「長鎖ポリオール」は、分子量が185g/mol超のポリオールを意味する。
本明細書で使用される場合の「微細構造」は、参照によりその開示内容が本明細書に組み込まれる米国特許第4,576,850号に定義され説明されている。微細構造は、例えば中心線の上の表面輪郭により包囲された面積の合計が線の下の面積の合計と等しくなるように、微細構造を通って引かれた平均中心線から輪郭がずれている物品表面内の突起及びくぼみのように、一般に不連続であり、線は物品の名目表面(微細構造を有する)に本質的に平行である。例えば、1〜30cmの表面の代表的な特性長を通って、光学又は電子顕微鏡により測定したとき、そのずれの高さは典型的には、約±0.005〜±750マイクロメートルである。その平均中心線は、平面、凹面、凸面、非球面又はこれらの組み合わせであってもよい。ずれが低位、例えば、±0.005〜±0.1又は好ましくは±0.05マイクロメートルであり、かつ、ずれがめったに起こらないか又は最小限に抑えられている、即ち、表面が任意の著しい不連続を含まない物品は、本質的に「平坦な」又は「滑らかな」表面を有すると見なすことができる。他の物品は、ずれが高位、例えば、±0.1〜±750マイクロメートルであり、このずれは、同じであり又は異なる、ランダム若しくは規則正しい方式により相隔たる又は連続する複数個の実利的不連続を含む微細構造に起因する。
「多官能性イソシアネート」は、2つを超えるイソシアネート官能基を有する化合物を意味し、
「多官能性ポリオール」は、2つを超えるヒドロキシル官能基を有する化合物を意味する。
「ポリイソシアネート」は、2つ以上のイソシアネート官能基を有する化合物を意味し、多官能性イソシアネート及ぶジイソシアネートを含み、
「ポリオール」は、2つ以上のヒドロキシル基を有する化合物を意味し、多官能性ポリオール及ぶジオールを含み、
「シート材」は、薄い材料片を意味し、
「短鎖ポリオール」は、分子量が最大で185g/molのポリオールを意味する。
開示される導光物品10は、光学活性要素12と、光学活性要素12に隣接した本体層18とを備える。いくつかの実施形態において、光学活性要素12は、複数のビーズである。いくつかの実施形態において、光学活性要素12は、複数の微細構造体である。微細構造体は、プリズムを含むことができる。一実施形態では、微細構造体は、コーナーキューブを含むことができる。いくつかの実施形態において、導光物品は、光学活性要素12若しくは本体層18に隣接した又は光学活性要素12と本体層18との間に、印刷、保護、プライマー又は接着層などの追加の層を含む。
本体層18は、以下に詳述する熱可塑性脂肪族ポリウレタンを含む。いくつかの実施形態において、導光物品10に含まれる1つ以上の追加の層は、開示される熱可塑性脂肪族ポリウレタンを含む。
開示される熱可塑性脂肪族ポリウレタン層を含む導光物品の構造体の例を、以下に記載する。本記述は、再帰反射シート材を基準にしたものであり得るが、他の導光物品に適用されることを理解されたい。
図1は、多数のプリズム要素12及び本体層18を含む微細構造化導光シート材10の一実施形態を示す。本体層18は、重層フィルム、保護層、及びベース基材とも呼ばれる場合がある。本体層18は、典型的には、少なくとも20マイクロメートル、より典型的には少なくとも50マイクロメートルの厚さを有する。本体層18は、通常、1000マイクロメートル未満、典型的には250マイクロメートル以下の厚さを有する。プリズム要素12は、本体層18の第1の面、典型的には裏面20から突出する。
プリズム要素12及び本体層18は、典型的には、光透過性ポリマー材料から形成される。これは、ポリマーが、それに入射する光の強度の少なくとも70パーセントを所定の波長で透過できることを意味する。より好ましくは、再帰反射シート材に使用されるポリマーは、80パーセント超、より好ましくは90パーセント超の光透過率を有する。一実施形態において、本体層18は透明である。導光シート材10が、看板などの交通安全以外の用途に用いられるとき、光透過率は、5〜10パーセントと同等に低い場合がある。
一実施形態において、本体層18は、シート材10の前面の最外層である。図1に示す通り、再帰反射シート材では、プリズム要素12はコーナーキューブであり、光が前面21を通って導光シート材10に入る。次いで、光は、本体部分18を通り抜け、コーナーキューブ要素12の平面にぶつかり、矢印23で示すように、来た方向に戻る。本体層18は、屋外の環境要素からシート材を保護する機能を有し、かつ/又はシート材に機械的な一体性を与える。
微細構造化導光シート材は、米国特許第5,450,235号及び図5に示すようなランド層16を任意に含む。いくつかの実施形態では、ランド層は、微細構造化要素と一体であり、ランド及びキューブは、後に一体になる2つの異なるポリマー層ではなく、単一のポリマー材料から形成される。特に、シート材が可撓性である実施形態では、ランド層16は、典型的には、約0〜150マイクロメートルの範囲内、好ましくはおおよそ約1〜100マイクロメートルの範囲内の厚さを有する。ランドの厚さは、好ましくはプリズム要素の高さの10%以下であり、より好ましくはその約1〜5%である。より厚いランド部を有するシート材では、個々のプリズム要素の分離を実現することは、典型的には、より困難である。
プリズム要素12は、典型的には約20〜500マイクロメートルの範囲内、より典型的には約35〜100マイクロメートルの範囲内の高さを有する。図1に示す本発明の実施形態は、単一の本体層18を有するが、2つ以上の本体層18があってもよい。
図2は、典型的には再帰反射物品の裏面であるコーナーキューブ要素面の一実施形態の斜視図を例示する。図示されるように、コーナーキューブ要素12は、シート材の片面上の配列中に、対応した対として配置されている。それぞれのコーナーキューブ要素12は、3つの露出した平坦面22を有する3面体プリズムの形状を有している。平坦面22は、互いにほぼ垂直であってよく(部屋のコーナーのように)、プリズムの頂点24が底面の中心と垂直方向に整列されている。面22同士の間の角度は通常、その配列内の各コーナーキューブ要素について同じであり、約90度になる。しかし、角度は、周知の通り、90度から外れ得る。例えば、参照により本明細書にその開示内容を援用する、米国特許第4,775,219号(Appledornら)を参照されたい。各コーナーキューブ要素12の頂点24は、コーナーキューブ要素の底面の中心と垂直方向に整列されていてもよく、例えば、米国特許第3,684,348号を参照されたい。頂点は、米国特許第4,588,258号に開示されるように底面の中心に対して斜めに位置してもよい。本発明の導光物品は、いずれかの特定のコーナーキューブの幾何形状に限定されるものではない。さまざまなコーナーキューブ配置が知られており、例えば、参照により本明細書にその開示内容を援用する、米国特許第7,188,960号、同第4,938,563号、同第4,775,219号、同第4,588,258号、同第4,243,618号、同第4,202,600号、及び同第3,712,706号に記載のものがある。
図3及び4は、光学要素12及び鏡面反射層14を有する微細構造化物品10の実施形態を示す。図3において、光学要素12は、微細構造化コーナーキューブ要素である。図4において、光学要素12はビーズである。金属コーティングなどの鏡面反射コーティング14を光学要素12の裏面に配することで、再帰反射を促すことができる。金属コーティングは、アルミニウム、銀、又はニッケルなどの金属を蒸着する又は化学的に析出させるなどの公知の方法によって、適用することが可能である。プライマー層が、金属コーティングの接着性を促進するために、コーナーキューブ要素の裏面に適用されてもよい。
図5は、シールフィルム19を有する微細構造化物品10の実施形態を示す。鏡面反射層に加えて又はその代わりに、シールフィルム19を、コーナーキューブ要素12の裏面に適用してもよく、例えば、参照により本明細書にその開示内容を援用する、米国特許第5,691,846号、同第5,784,197号、及び同第6,318,867号を参照されたい。シールフィルム19は、キューブの裏面に空気界面を維持することによって再帰反射性を高めるものである。
図1〜5に示す実施形態では、場合により取り外し可能な剥離ライナーで被覆された接着層20(図6参照)を含めることで、標識、ナンバープレート、窓、又はその他のディスプレイなどの微細構造化物品10を基材に固定することができる。
図6は、感圧接着剤20上に障壁層17を有する微細構造化物品10の実施形態を示す。感圧接着剤20は、障壁層17を囲む領域内のプリズム要素12に組み込み、障壁層17は下部の接着剤のプリズム要素12との接触を防止し、隣接するプリズム要素12の裏面の空気界面を維持して屈折率差を作る。感圧接着剤20は、標識、ナンバープレート、窓、又はその他のディスプレイなどの物品10を基材に固定することができる。障壁層構造体の更なる開示が、参照により本明細書に援用する、米国特許出願公開第2013/0034682号及び同第2013/0135731号で参照することができる。
微細構造化要素は、硬質かつ剛性である傾向を有する。微細構造化要素を作製するために使用されるポリマー組成物は、熱可塑性であってよく、更に好ましくは架橋につながる多官能性の重合性樹脂の反応生成物である。一実施形態における微細構造化要素の組成物の弾性率は、16×10パスカル超であり、一実施形態では、18×10パスカル超であり、一実施形態では、25×10パスカル超である。
微細構造化物品が可撓性を有するような実施形態では、本体層は、折り曲げたり、巻いたり、撓ませたり、形状を適合させたり、又は引き伸ばしたりすることを容易にするために、低弾性率のポリマーを含む。開示される熱可塑性脂肪族ポリウレタンは、室温に近いTgを有し、そのため弾性率は温度によって大きく変わる。ウレタンは通常、その靱性のために、可撓性でありながら高弾性率を有すると見なすことができる。一実施形態において、本体層は、典型的には、25℃で18×10パスカル未満の弾性率を有する。一実施形態において、25℃での弾性率は、13×10パスカル未満、5×10パスカル未満、又は3×10パスカル未満でよい。一実施形態において、本体層は、75℃未満のガラス転移温度を有する。本体層中で使用された好ましいポリマー材料は、紫外線放射による分解に耐性であり、そのため再帰反射シート材を長期の屋外用途に使用することができる。
微細構造化要素の樹脂組成物(及び処理条件)は、好ましくは、樹脂が重層フィルム又は本体層を貫通し、次いでインサイチュで硬化するか、又はそうでなければ固化できるように選択され、したがって、参照により本明細書に援用される米国特許第5,691,856号に記載されるように、微細構造化要素の材料と重層フィルムの材料との間に相互貫入ネットワークが形成される。
微細構造化要素組成物が硬化又は固化する間、コーナーキューブ材料の組成に応じて、個々の微細構造化要素は一定の大きさの収縮を起こし得る。重層フィルムの弾性率が高すぎる場合、硬化時に微細構造化要素が収縮すると微細構造化要素にねじり応力が作用し得る。この応力が充分に高い場合、微細構造化要素が歪み、光学性能の低下につながり得る。重層フィルムの弾性率が微細構造化要素の材料の弾性率よりも充分に低い場合には、重層フィルムは、光学特性の望ましくない低下につながるこのような変形応力をコーナーキューブ要素に作用させることなく、微細構造化要素の収縮に伴って変形することができる。
微細構造化要素を形成するために使用される熱可塑性組成物は、典型的には、低い線形成形収縮率(すなわち1%未満)を有する。米国特許第5,691,845号に記載の通り、コーナーキューブ重合性樹脂組成物は、典型的には、硬化すると収縮する。典型的には、樹脂は、硬化時に少なくとも5容量%、より好ましくは硬化時に5〜20容量%収縮する。収縮する樹脂組成物の使用により、最小厚さのランド16を得やすくなる。
一般的に、本体層と微細構造化要素との間の弾性率の差は、典型的には、1.0〜1.5×10パスカル程度以上である。微細構造化要素の高さが小さくなるほど、恐らく、より小さい微細構造化要素は硬化時にそれほど大きく収縮しないことから、この弾性率の差はこの範囲の下限に近づくことが可能である。
いくつかの実施形態では、微細構造化要素(例えば、コーナーキューブ)は、好ましくは、化学線、例えば電子ビーム、紫外線、又は可視光に曝露することによるフリーラジカル重合機構によって架橋することができる重合性樹脂から形成される。あるいは又はフリーラジカル重合に加えて、重合性樹脂は、過酸化ベンゾイルなどの熱反応開始剤の追加を伴う熱的手段によって重合され得る。放射線開始のカチオン重合性樹脂を使用してもよい。
重合性樹脂組成物は、重合性エチレン性不飽和モノマー、オリゴマー、プレポリマー、又はこれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む。硬化後、エチレン性不飽和成分は反応してポリマーになる。好ましい重合性組成物は、100%固体であり、実質的に溶媒を含まない。
微細構造化要素組成物は、1種以上の反応性(例えば、エチレン性不飽和)成分及び/又は1種以上の非反応性成分を任意に含んでもよい。参照により本明細書に援用される米国特許第5,450,235号に記載されるような、溶剤、連鎖移動剤、着色剤(例えば、染料)、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、ブロッキング防止剤などの加工助剤、離型剤、潤滑剤、及び他の添加剤などのさまざまな添加剤を、本体部分又は微細構造化要素に添加することができる。
熱可塑性ポリマーを微細構造(例えば、キューブ)中で使用するとき、ガラス転移温度は一般的に80℃超であり、軟化温度は典型的に150℃超である。一般的に、微細構造化層中で使用される熱可塑性ポリマーは、非晶質又は半晶質である。
微細構造化要素中で使用され得る熱可塑性ポリマーの例には、ポリ(メタクリル酸メチル)などのアクリルポリマー;ポリカーボネート;酢酸セルロース、セルロース(アセテート−co−ブチレート)、硝酸セルロースなどのセルロース系;エポキシ;ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンテレフタレート)などのポリエステル;ポリ(クロロフルオロエチレン)、ポリ(フッ化ビニリデン)などのフルオロポリマー;ポリ(カプロラクタム)、ポリ(アミノカプロン酸)、ポリ(ヘキサメチレンジアミン−co−アジピン酸)、ポリ(アミド−co−イミド)及びポリ(エステル−co−イミド)などのポリアミド;ポリエーテルケトン;ポリ(エーテルイミド);ポリ(メチルペンテン)などのポリオレフィン;ポリ(フェニレンエーテル);ポリ(フェニレンスルフィド);ポリ(スチレン−co−アクリロニトリル)、ポリ(スチレン−co−アクリロニトリル−co−ブタジエン)などのポリ(スチレン)及びポリ(スチレン)コポリマー;ポリスルホン;例えば、シリコーンポリアミド及びシリコーンポリカーボネートなどの、シリコーン変性ポリマー(すなわち、僅かな重量%(10重量%未満)のシリコーンを含むポリマー);ペルフルオロポリ(エチレンテレフタレート)などのフッ素変性ポリマー;並びに上記ポリマーの混合物、例えば、ポリ(エステル)及びポリ(カーボネート)ブレンド、並びにフルオロポリマー及びアクリル系ポリマーブレンドが挙げられる。
微細構造化シート材は、参照により本明細書に援用される、米国特許第3,689,346号、同第3,811,983号、同第4,332,847号、同第4,601,861号、同第5,491,586号、同第5,642,222号、及び同第5,691,846号に記載されるような、コーナーキューブ型シート材を作製するさまざまな公知の方法に従って作製することができる。
微細構造化物品、特にコーナーキューブ型再帰反射性シート材は、一般的に、先ず、構造化された表面を有するマスター型を製造することによって生成されるが、この構造化された表面は、完成したシート材がコーナーキューブ型ピラミッドを有するか又はコーナーキューブ型キャビティを有するか(又は両方)に応じて、完成したシート材中の所望のコーナーキューブ要素の形状、又はそのマイナス(逆)コピーのいずれかに対応する。次いで、従来のニッケル電鋳法などの任意の好適な技法を用いて型を複製し、エンボス加工、押出加工、又はキャスト及び硬化などの方法によってコーナーキューブ型再帰反射性シート材を形成するためのツーリングを作製する。米国特許第5,156,863号(Priconeら)は、コーナーキューブ再帰反射シート材の製造において使用されるツーリングの形成方法の図解による概説を提供する。マスター型を製造する公知の方法は、ピンバンドリング(pin-bundling)技術、直接機械加工技術、及び米国特許第7,188,960号に記載されるような薄板を用いる技術を含む。いくつかの実施形態では、要素は、台形、長方形、平行四辺形、五角形、及び六角形から選択される平面図中の形状を有する。
米国特許第3,684,348号及び同第3,811,983号は、再帰反射材料と、コーナーキューブ型くぼみを有する成形面上に流体成形材料を堆積し、予め形成しておいた本体部材をそこに付ける、複合材料の製造方法とを記載している。次いで、成形材料を硬化し、本体部材に接合させる。成形材料は、溶融樹脂であってよく、その固化は冷却によって少なくとも部分的に実現され、溶融樹脂の固有の性質が、その本体部材への接合をもたらす。あるいは、成形材料は、架橋基を有する液体樹脂であってもよく、その固化は、樹脂の架橋によって少なくとも部分的に実現され得る。成形材料はまた、部分的に重合した樹脂配合物であってもよく、その固化は、樹脂配合物の重合によって少なくとも部分的に実現される。
重合性樹脂は、スロットダイ装置に供給するディスペンサーに直接注入してもよく、又はポンプで入れてもよい。ポリマー樹脂が反応性樹脂である実施形態では、シート材の製造方法は、1つ以上の工程で樹脂を硬化することを更に含む。例えば、樹脂は、ツールから取り出す前に、樹脂を充分固化するように重合性樹脂の性質に応じて、化学線、紫外線、可視光などの好適な放射エネルギー源に曝露して硬化することができる。冷却及び硬化の組み合わせを利用してもよい。
微細複製(例えば、コーナーキューブ要素)を形成するためにどの方法を用いるかにかかわりなく、より高い型押し力(die force)及び/又は温度が、先にツールキャビティの中にあったガスが樹脂が固化する前に熱可塑性又は重合性樹脂の中に拡散及び溶解するのを助けることが推定される。炭素含有ガス及びOより少ない原子量を有するガスは、製造中、先にツールキャビティの中にあったガスの拡散及び溶解を助けることができる。
本発明の可撓性コーナーキューブ型再帰反射性シート材は、(a)光透過性材料から複数のコーナーキューブ要素を形成することと、(b)本体層を複数のコーナーキューブ要素に固定することによって作製することができる。一実施形態において、方法は、一般的に、所望の微細構造要素を形成するのに適した複数のキャビティを有する成形面を有する(例えば、加熱した)電着ニッケルツール(例えば、再帰反射性物品のコーナーキューブ要素)を準備することと、少なくともキャビティを充填するのに充分な量の流動性(例えば、硬化性)樹脂組成物を成形面に適用することとを含む。次いで、(露出した実質的に平坦な)樹脂組成物の面を本体層フィルムと接触させた後、樹脂を硬化して、重層フィルムに結合した微細構造要素(例えば、コーナーキューブ要素)の配列を含む複合シート材を形成する。複合シート材をツールから取り外した後、それらがランドにより連結されていた場合、シート材に機械的応力を加えて、周囲の微細構造要素から実質的に各個別の微細構造要素を引き剥がし分離させる。あるいは、複数のコーナーキューブセグメントが形成され、各セグメントが2つ以上のコーナーキューブ要素を含むように、シート材を引き剥がしてもよい。(例えば、米国特許第6,318,867号を参照のこと。)
製造中に微細構造が形成される温度から、本体層としての直鎖状短鎖長のポリウレタンフィルムのクロスオーバー温度は低くなりすぎる傾向があり、したがって軟化し、光学活性要素層への適用中に流動さえする。しかし、高度に架橋された熱硬化性ポリウレタンフィルムの使用は、過度に堅く剛性が高すぎるため望ましくない。開示される、本体層用の分岐状の熱可塑性脂肪族ポリウレタンフィルムは、直鎖状の短鎖長の熱可塑性ポリウレタンと比べて、より高いクロスオーバー温度を有し、軟化及び流動することなく加工中のより高温に耐えることができる。また、開示される熱可塑性脂肪族ポリウレタンフィルムは、熱硬化性材料と見なされるほど高度には架橋されず、したがって可撓性のままである。
図5に示すようなシールフィルムを有する実施形態では、シールフィルムは、熱可塑性材料を含む。このような材料は、比較的容易かつ一般的に利用可能な熱的手法による溶融によく適する。一実施形態において、密封層は、下記の熱可塑性脂肪族ポリウレタンを含む。他の例では、好適な熱可塑性材料には、アイオノマーエチレンコポリマー、可塑化ハロゲン化ビニルポリマー、酸性官能性ポリエチレンコポリマー、脂肪族ポリウレタン、芳香族ポリウレタン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、参照により本明細書に援用される米国特許第7,611,251号に記載されるように、密封層は、エチレンのコポリマー又はターポリマー並びに酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸アルキル、及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つのコモノマーを含む。特定の用途では、この任意の密封層は、微細構造化要素の環境影響からの有効な保護をもたらすことができ、かつ微細構造化要素周囲の密封空気層を維持することができ、これは、全反射に必要な屈折率差を作るうえで必須である。
導光物品10は、長手方向の両端部によって制限された幅を有する薄膜シート材でもよい。一実施形態において、シート材は、ロールで提供されてもよい。
再帰反射性シート材である導光物品では、再帰反射性シート材は、その可撓性と再帰反射される明るさとの組み合わせを考慮すると、交通標識、路面の標示、車両の標示、及び個人用安全物品などのさまざまな用途において有用である。再帰反射係数Rを、米連邦試験方法標準規格370に従って、入射角−4°、方位角0°で異なる観測角にて測定することができる。再帰反射性シート材は、典型的には、入射角−4°、方位角0°、及び少なくとも50、100、150、200又は250カンデラ/ルクス/mの観測角0.2°の再帰反射係数Rを有する。
再帰反射性でないが導光性であり、したがってシート材を通過する光の誘導を制御する導光物品では、シート材は、例えば窓又は電子ディスプレイを覆ううえで有用である。
シート材の可撓性のため、シート材は、カンバス及び他の織物などの可撓性基材、波状又はリベット打ちされた表面、並びに単純又は複合的な湾曲を有する湾曲表面に対する貼着が可能である。可撓性の再帰反射性シート材はまた、熱膨張及び熱収縮を起こしやすい装置(例えば、バレル、コーンなどの交通装置)に貼着するうえでも適している。
典型的には、露出された導光物品の外面は、保護層を含有する。光学活性要素が衝撃、摩耗又は風化によって損傷した場合、導光物品の機能は低下するか、又は消滅する。開示される本体層(すなわち、保護層)は、クロスオーバー温度が110℃超の熱可塑性脂肪族ポリウレタンを含む。一実施形態において、クロスオーバー温度は130℃超である。一実施形態において、クロスオーバー温度は170℃未満である。特定のポリオール及びポリイソシアネートは反応して、定義されたクロスオーバー温度を有する熱可塑性脂肪族ポリウレタンを生成し、良好な高温特性を有する耐性かつ可撓性のフィルムが提供される。
熱可塑性脂肪族ポリウレタン層は、ポリオール及びポリイソシアネートを重合することによって合成される。典型的には、熱可塑性脂肪族ポリウレタン層は「分枝」しており、ポリウレタンは、熱硬化性ポリウレタンほど高度には架橋されていない。
イソシアネート基のモル量は、概してポリオール由来のヒドロキシル基のモル量と一致するように選択される。イソシアネート基とヒドロキシル基とのモル比は、イソシアネート指数として定義される。いくつかの実施形態では、イソシアネート指数は、0.90〜1.10であり、いくつかの実施形態では、イソシアネート指数は、0.95〜1.05であり、いくつかの実施形態では、イソシアネート指数は、1.00〜1.05であり、いくつかの実施形態では、イソシアネート指数は、1.00〜1.03である。イソシアネート指数は、1.00を超えることがあり、ウレタン重合に悪影響を与え得る不純物の原因となる。
反応及び分枝を促進するために、重合反応は、多官能性ポリオールを更に含む、又はこのポリイソシアネートは多官能性イソシアネートである。一実施形態において、ポリオールはジオールであり、ポリイソシアネートは多官能性イソシアネートである。一実施形態において、ポリオールはジオール及び多官能性ポリオールの両方を含み、ポリイソシアネートはジイソシアネートである。一実施形態において、反応は、多官能性ポリオール及び多官能性イソシアネートの両方を更に含む。一実施形態において、ポリオールは、長鎖ポリオール及び短鎖ポリオールを含む。
ポリウレタン合成において使用される長鎖ポリオールとしては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、及びこれらの組み合わせが挙げられる。好適なポリオールの例としては、DESMOPHENの商標名で、Bayer Corporation(PA州ピッツバーグ)から市販されている材料が挙げられる。ポリオールは、ポリエステルポリオール(例えば、DESMOPHEN 63IA、650A、65IA、670A、680、110、及び1150);ポリエーテルポリオール(例えば、DESMOPHEN 550U、1600U、1900U、及び1950U);又はアクリル系ポリオール(例えば、DEMOPHEN A160SN、A575、及びA450BA/A);例えば、CAPAの商標名で、Solvay(英国チェシャー州ウォリントン)から入手可能なカプロラクトンポリオール(例えば、CAPA 2043、2054、2100、2121、2200、2201、2200A、2200D、2100A)などのポリカプロラクトンポリオール;ポリカーボネートポリオール(例えば、PC−1122、PC−1167、及びPC−1733の商標名で、Picassian Polymers(MA州ボストン)から入手可能なポリカーボネートポリオール、又はDESMOPHEN 2020Eの商標名で、Bayer Corp.から入手可能なポリカーボネートポリオール);並びにこれらの組み合わせであってよい。
上記の中でも、特定の脂肪族ポリオール種は、長時間にわたって紫外線及び可視光に曝露されたときに、耐溶媒性、汚染抵抗、自己回復、及び黄変に対する耐性を含めた特定の有利な特性をもたらすことが観察された。これらの種には、脂肪族ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオール、並びにこれらのコポリマー及び混合物が挙げられる。
短鎖ポリオールの例として、さまざまな脂肪族ジオール、ポリエーテルジオール及びアルコール官能性アミンが挙げられる。短鎖脂肪族ジオールの例として、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、及びデカンジオールが挙げられる。短鎖ジオールにはまた、分枝脂肪族ジオール、例えばトリメチルヘキサンジオール、ヘキシレングリコール、ネオペンチルグリコール、メチルプロパンジオールなども挙げることができる。脂肪族ジオールはまた、1,4−シクロヘキサンジメタノールのように、本質的に環状であってもよい。短鎖ポリエーテルジオールの例として、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、又はジブチレングリコールが挙げられる。アルコール官能性アミンの例として、メチルジエタノールアミンが挙げられる。
多官能性ポリオールは、本質的に短鎖であっても長鎖であってもよい。短鎖多官能性ポリオールの例として、グリセロール、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、及びトリエタノールアミンが挙げられる。長鎖多官能性ポリオールの例として、Solvay Corporationから、CAPA 3031、3051、及び3091を含めたCAPAの商標名で入手可能な三官能性ポリカプロラクトン;Carpenter Corporationから、とりわけCarpol GP−240、GP−700、及びGP−5000を含めたCarpolの商標名で入手可能な三官能性ポリエーテルポリオール;又はBayer Corp.からDesmophenの商標名で入手可能な、2つを超える官能基を有する分枝ポリエステルポリオールが挙げられる。
脂肪族ジイソシアネートには、例えば、1,4−ジイソシアネートブタン;1,6−ジイソシアネートヘキサン;1,12−ジイソシアネートドデカン;及び2−メチル−1,5−ジイソシアネートペンタンが挙げられる。脂肪族ジイソシアネートはまた、本質的に環状であってもよく、例えばメチレンジシクロヘキシレン−4,4’−ジイソシアネート;3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート);2,2,4−トリメチルヘキシルジイソシアネート;及びシクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネートであってもよい。これらは、更には、2つのイソシアネート官能基を末端に持つポリマー又はオリゴマー化合物(例えば、ポリオキシアルキレン、ポリエステル、ポリブタジエニルなど)であってもよい。脂肪族ジイソシアネートは、概して、その芳香族同等物に比べて、より優れた耐候性をもたらすことが観察された。特に好ましい種として、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、並びにこれらのコポリマー及び混合物が挙げられる。
多官能性イソシアネートには、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンジシクロヘキシレン−4,4’−ジイソシアネート、及び3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネートのオリゴマーを含めた、ジイソシアネートのオリゴマーを挙げることができる。いくつかの実施形態では、オリゴマーは、イソシアヌレート基、アロファネート基、ウレトンイミン(uretonimine)基、及びウレトジオン(uretdione)基を含むことができる。多官能性イソシアネートは、Bayer Corporation(PA州ピッツバーグ)からMONDUR又はDESMODUR(例えば、DESMODUR XP7100及びDESMODUR N3300)の商標名で市販されている。
熱可塑性脂肪族ポリウレタンは分枝である。ポリオール及びポリイソシアネートの分枝を促進するために、反応は、多官能性ポリオールを更に含む、又はこのポリイソシアネートは多官能性イソシアネートである。2つを超える官能基は、ポリマー鎖の中に分枝を作り、単に二官能系で実現できるものよりも高分子量をもたらすことができる。しかし、高レベルの多官能性ポリオール又は多官能性イソシアネートでは、ほとんどの得られるポリマーはゲルを形成する。ゲルは、ほぼ無限の分子量の単一分子を形成する鎖のネットワークである。好ましくは、得られるポリマーの大部分がゲルを形成しないように、より低レベルの多官能性ポリオール又は多官能性イソシアネートを使用する。このゲル形成がなければ、ポリウレタン材料を、高温、例えば200℃未満又は190℃未満又は180℃未満又は170℃未満の温度で再加工することが可能になる。そして、分枝した熱可塑性脂肪族ポリウレタンは、好ましくは熱硬化性材料ではない。熱可塑性脂肪族物質の分枝は、好ましくは、分子量が、単なる二官能系のものより大きくなるが、依然としてゲル形成が少量にとどまるか形成されないほど十分に低い範囲内である。多官能性モノマーを有する系において、理論的分子量は、Macromolecules(9)、1976、p 199〜206に記載の一組の式を用いて決定することができる。その参考文献中の式39は、本明細書における分枝した熱可塑性ポリウレタンなどの重合系に関する予想される重量平均分子量(M)を計算する。いくつかの実施形態において、ポリウレタンの予想される重量平均Mは、30,000g/モル超、又は40,000g/モル超、又は70,000g/モル超、又は100,000g/モル超、又は200,000g/モル超、又は300,000g/モル超である。実際には、実測の実験分子量は、不純物又は副反応が一部の原因となって、予測される分子量とは異なり得る。実測の分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって決定することができる。
分枝脂肪族ポリウレタンのゲル含有量は少量又は皆無であり、高温での加工を可能にする。Macromolecules(9)、1976、p.206〜211における式39を用いて、多官能性かつ化学量論的不均衡の反応性基を含有する重合系の理論的な非ゲル及びゲル含有量を計算することができる。いくつかの実施形態では、理論的なゲル含有量は、95%未満、又は90%未満、又は75%未満、又は50%未満である。実際には、実測のゲル含有量は、不純物又は副反応のため、理論的なゲル含有率とは異なり得る。いくつかの実施形態では、実験的に測定したゲル含有量は、90%未満、又は75%未満、又は50%未満、又は25%未満である。
一実施形態において、多官能性基のパーセント、又は多官能性モノマー由来のウレタン基のモル分率は、0.25%〜5%、又は0.5%〜3%である。場合によっては、適当なレベルの多官能性モノマーは、イソシアネート指数に関連する化学量論的不均衡に依存し得る。化学量論的不均衡が大きいほど、高分子量とするためにより多くの多官能性モノマーが必要である。逆に、化学量論的不均衡が小さければ、ポリウレタンを完全に架橋して熱硬化性物質を形成することを回避するためにより低レベルの多官能性モノマーが必要となる。化学量論的不均衡は、イソシアネート指数が1を超える場合、イソシアネート指数から100パーセントを引いたものとして定義することができる。イソシアネート指数が1未満の場合、化学量論的不均衡は、イソシアネート指数の逆数から1を引いたものとして定義することができる。一実施形態において、多官能性モノマーのパーセントは、少なくとも化学量論的不均衡の値と同じ大きさであるが、化学量論的不均衡と5%の合計より小さい。
熱可塑性脂肪族ポリウレタンの直鎖状ポリマー鎖は、一般的に、長い低極性の「ソフトセグメント」及びより短い高極性の「ハードセグメント」を含有する。いくつかの実施形態では、ソフト及びハードセグメントは、一段階反応で合成され、ポリイソシアネート、短鎖ポリオール、及び長鎖ポリオールを含む。変換の際、ポリイソシアネート及び短鎖ポリオールは、共同でハードセグメントを形成するが、長鎖ポリオール単体は、ソフトセグメントを形成する。周囲条件で、ハードセグメントは、その弾性に起因して、ポリウレタンの微細構造中に結晶又は擬結晶を形成する。ソフトセグメントは、ポリウレタン材料の簡易伸長を可能にする連続的マトリクスを生成する。ソフトセグメント部分は、ポリウレタン組成物の多数相であってもそうでなくてもよい。
長鎖ポリオールは、短鎖ポリオールのそれよりかなり大きな数平均分子量を有する。いくつかの実施形態では、例えば、長鎖ジオールは、少なくとも185g/モル、少なくとも200g/モル、少なくとも300g/モル、少なくとも400g/モル、500g/モル、少なくとも600g/モル、少なくとも700g/モル、少なくとも800g/モル、少なくとも900g/モル、又は少なくとも950g/モルの数平均分子量を有する。
いくつかの実施形態では、熱可塑性ポリウレタンは、熱可塑性ポリウレタンの全重量に対して、少なくとも50%、少なくとも51%、少なくとも52%、少なくとも53%、少なくとも54%、少なくとも55%、少なくとも56%、少なくとも57%、少なくとも58%、少なくとも59%、少なくとも60%、少なくとも61%、少なくとも62%、少なくとも63%、少なくとも64%、少なくとも65%、少なくとも66%、少なくとも67%、少なくとも68%、少なくとも69%、少なくとも70%の含有量のハードセグメントを有する。いくつかの実施形態では、熱可塑性ポリウレタンは、熱可塑性ポリウレタンの全重量に対して、最大で80重量%、最大で75重量%、最大で74重量%、最大で73重量%、最大で72重量%、最大で71重量%、又は最大で70重量%の含有量のハードセグメントを有する。
ハードセグメントの含有量は、熱可塑性ポリウレタンの調製において使用される出発材料の相対的重量から計算することができる。本明細書に記載の実施形態では、ハードセグメントの含有量は、以下の式を用いて決定される:
長鎖及び短鎖ポリオールの相対量は、所望の硬度によって広範に変動し得るが、ポリイソシアネートからポリオールの全体の相対量は、一般的に、ほぼ化学量論的に同等の量になるように選択される。場合によっては、未反応で残っている他の成分を最小限にするために、ポリオールなどの一成分を過度に使用することが望ましいことがある。
ポリイソシアネートとポリオール種との間の重合速度論は、典型的には、ジラウリン酸ジブチルスズ、二酢酸ジブチルスズ、オクタン酸第一スズ、トリエチレンジアミン、ジルコニウム触媒、亜鉛触媒及びビスマス触媒を含めた、好適な触媒を活用して加速される。
重合後の熱可塑性脂肪族ポリウレタンの全分子量は、熱成形のために高い強度及び伸長特性をもたらすのに充分高くなければならないが、ポリマーの溶融加工が必要以上に複雑になる程高くならないようにすべきである。例示的な実施形態では、熱可塑性脂肪族ポリウレタンは、少なくとも30,000g/モル、少なくとも100,000g/モル、少なくとも150,000g/モル、少なくとも200,000g/モル、250,000g/モル、少なくとも300,000g/モル、少なくとも350,000g/モル、又は少なくとも400,000g/モルの数平均分子量を有することができる。例示的な実施形態では、熱可塑性脂肪族ポリウレタンは、最大で800,000g/モル、最大で750,000g/モル、最大で700,000g/モル、最大で650,000g/モル、又は最大で600,000g/モルの数平均分子量を有することができる。
いくつかの実施形態では、熱可塑性脂肪族ポリウレタンは、実質的に単峰性の分子量分布を有する。このような分布は、例えば、米国特許第8,128,779号(Hoら)で開示される方法を利用して実現することができる。重量平均分子量と数平均分子量との間の比として定義される、ポリウレタンの多分散性指数は、少なくとも1.1、少なくとも1.5、少なくとも2.0、少なくとも2.5、又は少なくとも3.0であってもよい。同じ又は代替の実施形態に従って、ポリウレタンの多分散性指数は、最大で6.0、最大で5.7、最大で5.5、最大で5.2、又は最大で5.0であってよい。
ポリウレタン組成物の例示的実施形態は、より高温で熱安定性を有する。例えば、開示される熱可塑性脂肪族ポリウレタン組成物は、110℃を超えるクロスオーバー温度を有する。一実施形態において、熱可塑性脂肪族ポリウレタン組成物は、130℃を超えるクロスオーバー温度を有する。一実施形態において、熱可塑性脂肪族ポリウレタン組成物は、140℃を超えるクロスオーバー温度を有する。一実施形態において、熱可塑性脂肪族ポリウレタン組成物は、170℃未満のクロスオーバー温度を有する。
開示の熱可塑性脂肪族ポリウレタン組成物が、長期間にわたって苛酷な環境に置かれたとき、その表面仕上げの劣化又は光学活性要素を含む下部への損傷を回避又は実質的に低減するのに充分な硬度を示すことが望ましい。例えば、再帰反射性標識材料では、ポリウレタン組成物は、屋外条件への曝露からの損傷に耐えるのに充分な硬さであるべきである。例示的な実施形態では、ポリウレタンフィルムは、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも85のショアD硬度を有する。例示的な実施形態では、ポリウレタンフィルムは、最大で85、最大で80、最大で70、最大で65、最大で60、最大で55、最大で50のショアD硬度を有する。
開示される熱可塑性脂肪族ポリウレタンが所望の硬度を有するためには、ポリウレタンは、周囲温度を超えるガラス転移温度を有することが望ましいことがある。開示される熱可塑性脂肪族ポリウレタンが所望の可撓性及び靱性を有するためには、ポリウレタンは、周囲温度に近いガラス転移温度を有することが望ましいことがある。いくつかの実施形態において、硬度及び靱性のバランスを実現するために、ガラス転移温度は、35℃〜70℃、又は40℃〜65℃である。ガラス転移温度は、動的機械分析試験におけるタンデルタ信号のピークに対応する温度として測定することができる。
熱可塑性脂肪族ポリウレタン組成物の例示的な実施形態は、三次元の複合湾曲を有する基材全体にポリウレタン保護層を延伸できるようにする機械的特性を有する。生じ得る基材が多種多様であるため、ポリウレタン組成物は、破壊されずに実質的な距離にわたって均一に延伸できることが望ましい。摂氏25度で、熱可塑性脂肪族ポリウレタン組成物は、任意に、少なくとも140%、少なくとも145%、少なくとも150%、少なくとも155%、少なくとも160%、少なくとも165%、少なくとも170%、少なくとも175%、少なくとも180%、少なくとも185%、少なくとも190%、少なくとも200%、少なくとも205%、少なくとも210%、少なくとも215%、少なくとも220%、少なくとも225%、少なくとも230%、少なくとも235%、少なくとも240%、少なくとも245%、又は少なくとも250%の破断伸び試験結果(具体的には先の実施例で定義されるものとする)を有する。
熱可塑性脂肪族ポリウレタン層は、当業者に公知の従来技術を利用して形成することができる。このような技術には、例えば、基材上へのコーティング又は押出加工が挙げられる。当業者は、バッチ法又は持続的手法のいずれかを利用して、導光物品の光学要素層などの基材上に開示のポリウレタン組成物をコーティング又は押出加工することができる。
好ましい方法において、熱可塑性脂肪族ポリウレタンは、これを高温で押出金型に通して押出加工することによって形成される。熱可塑性ポリウレタン層はまた、熱可塑性ポリウレタンを所望の形状にキャスティング又はそうでなければ成形(例えば、射出成形)することによって形成してもよい。
いくつかの実施形態では、主面を接着層に又は光学要素を含む層に接合する前に、押出加工した熱可塑性脂肪族ポリウレタンの主面をコロナ処理(例えば、空気又は窒素を使用)することが望ましい場合がある。このような処理は、ポリウレタン層と隣接層との間の接着を改善することができる。
本明細書において具体的な実施形態を示し、記載してきたが、これらの実施形態は、多数の構成が可能な単なる例示であることを理解されたい。多数のさまざまな他の構成は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、当業者が考案することができる。したがって本発明の範囲は、本願に記載の構造に限定されるべきものではなく、特許請求の範囲の文言により述べられる構造及びそうした構造の均等物によってのみ限定されるものである。図面は、縮尺どおりに描かれていない場合がある。
本発明の特徴及び利点を以下の実施例で更に例示する。実施例はこの目的に役立つものの、使用される特定の成分及び量、並びに他の条件及び詳細は、それらが本発明の範囲を必要以上に限定するような形で解釈されるべきではない。
試験方法
ハードセグメントwt%:ハードセグメント重量パーセント(wt%)は、以下の式(1)を用いて計算した(wtは重量を意味する):
多官能性パーセント(%):架橋又は分枝につながるモノマー由来のウレタン基のモルパーセントは、以下の式(2)を使用して計算した(式中、EWmp、EWmi、EWsd及びEWldは、それぞれ、多官能性ポリオール、多官能性イソシアネート、短鎖ジオール及び長鎖ジオールの当量を意味する。Wmp、Wmi、Wsd及びWldは、それぞれ、多官能性ポリオール、多官能性イソシアネート、短鎖ジオール及び長鎖ジオールの重量分率を意味する):
多官能性%=(Wmp/EWmp+Wmi/EWmi)/(Wmp/EWmp+Wsd/EWsd+Wld/EWld) (2)
理論的に予想されるゲル分率:ポリマーの理論的なゲル分率は、次式によって計算することができる:
ゲル分率=1−可溶性ポリマーの重量分率
予測される可溶性ポリマーの重量分率は、Macromolecules、Vol.9、No.2、206〜211ページ(1976)に記載の方法を利用して計算することができる。この場合、可溶性分率は、参考文献であるMacromoleculesの208ページの式39によって計算することができる。この式の解は、参考文献である同じMacromoleculesの式21を数値的に求めることを必要とする。
ショアD硬度:ショアD硬度は、概ねASTM D2240−05、「Standard Test Method for Rubber Property − Durometer Hardness」に記載される手順を利用して測定した。
クロスオーバー温度:クロスオーバー温度は、DE州ニューキャッスルのTA Instrumentsから入手したレオメーターモデル「ARES」を使用して動的機械分析試験を実施することによって計算した。各試料の厚さは、0.5〜3mmの範囲であり、これらの試料を直径8mmの平行板間に置いた。温度増加試験において1rad/secの振動数で剪断振動歪みが加えられ、測定される温度は1℃刻みで増加した。トルク及び位相遅れを測定し、それらの測定値から貯蔵率(G’)及び損失剪断緩和係数(G”)を計算した。試験の初期温度は、室温よりはるかに高く、材料がゴム(G’>G”)から流動(G’<G”)領域に移行する点より約10〜30℃低かった。G’=G”のクロスオーバー点を確認し、クロスオーバー温度として報告する。この温度は、フィルムの重量平均分子量に直接関係する。所望のより高いクロスオーバー温度は、より高分子量、すなわちより良好な高温特性に対応した。
ガラス転移温度:ガラス転移温度は、張力モードで動的機械分析(DMA)試験を利用して、タンデルタ最大値に対応する温度として測定した。フィルム試料を、幅6.2mmのストリップに切断した。ストリップを、試長16mm〜20mmのQ800動的機械分析装置(TA Instruments(DE州ニューキャッスル)製)の引張グリップにマウントした。歪み0.2%の振幅及び1Hzの振動数で試料を試験した。温度は約2℃/分の速度で−20℃から少なくとも80℃まで上昇させた。典型的には「タンデルタ」と記載される、単位のないパラメーターである(E”/E’)比は、温度に対してプロットした。ガラス領域とゴムとの間の転移領域中でタンデルタ信号が最大点(勾配がゼロだった点)に達する温度は、Tg(ガラス転移温度)として定義され、ウレタンフィルムのショアD硬度と相関する。
引張及び伸長測定:引張及び伸長測定は、概ねASTM D882−12「Standard Test Method for Tensile Properties of Thin Plastic Sheeting」に記載される手順に従って実施した。弾性率(psiで測定)及びピークでの歪み率(%)を報告する。
衝撃試験:衝撃試験は、概ねASTM D2794−93「Standard Test Method for Resistance of Organic Coatings to the Effects of Rapid Deformation (Impact)」に記載される手順に従って実施した。試験前に、導光物品の試料をアルミニウム基材に接着させた。プローブの直径は、0.625インチ(1.58cm)であり、より高い衝撃が記録された。
テーバー摩耗:テーバー摩耗は、ASTM D4060−10「Standard Test Method for Abrasion Resistance of Organic Coatings by the Taber Abraser」に記載される手順に従って実施し、輝度(再帰反射係数R)の測定は、ASTM E810−03「Standard Test Method for Coefficient of Retroreflection of Retroreflective Sheeting Utilizing the Coplanar Geometry」に記載される手順に従って実施した。初期の0.2/4(観測角/導入角)平均輝度値(初期R)は、RM−2レトロルミノメーター(retroluminometer)を使用して測定した。CS−10ホイールを10サイクル使用して試料を摩耗させた。ホイール当たりの負荷は、合計500gだった(250gの器具で、重量は250グラムだった)。0.2/4輝度はまた、摩耗後も測定した(最終R)。
熱安定性:輝度の測定を、ASTM E810−03に従って実施した。初期0.2/4(観測角/導入角)平均値は、RM−2レトロルミノメーターを使用して測定した。試料を15分間250°Fまで加熱し、別の試料セットを15分間300°Fまで加熱した。熱処理後、0.2/4輝度を測定した。
ゲル分率:ゲル分率の測定は、ASTM D2795−11に記載の試験方法の改変に基づいて実施した。316切れのステンレス鋼の金網(120×120メッシュ、38mm×76mm)を、各辺が約25mmのパウチに折り畳み、このパウチを秤量した。ポリウレタンフィルムの試料(0.15g〜0.25g)をパウチ中に入れて秤量し、このパウチを還流テトラヒドロフラン(THF)中に20時間浮遊させた。パウチ及び任意の残留含有物をTHFから取り出し、一定の重量まで乾燥した。ポリウレタンのゲル含有量は、パウチ中に残留した材料の重量に基づいて計算した。
材料
実施例1〜9及び比較例A〜Cの調製に使用された材料を以下に示すが、ここでMは分子量を指し、Eqは当量を指し、OH#はヒドロキシル価を指す。
本体層1〜9及び比較例の本体層A
熱可塑性ウレタンを含む本体層は、参照によりその全体の開示内容が本明細書に援用される、米国特許第8,128,779号の実施例1に概ね記載されているように、共回転二軸押出機でA部(ポリオール)とB部(イソシアネート)を反応的に押し出すことによって調製した。
A部は、典型的には、ポリオール、並びに他の添加剤、例えば、触媒、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)、及びUV吸収剤などで構成される。ポリウレタンに分枝度を付与したグリセロール及びグリセロールを含む本体層も、「分枝した熱可塑性ポリウレタン」と称する。
以下の表1に、全組成物に基づく重量パーセントとしての構成成分を示す。重合反応が完了した後、フィルムを厚さ2.5ミル(60マイクロメートル)のダイから押出加工して、PET(ポリエチレンテレフタレート)キャリアフィルムにした。
本体層1〜9及び比較例の本体層Aの特性を、上記の試験方法に記載の通りに計算又は測定し、以下の表2及び3に示す。
実施例1〜9及び比較例A
実施例1〜9及び比較例Aの導光物品は、それぞれ、本体層1〜9及び比較例の本体層Aを使用して調製した。参照によりその全体の開示内容が本明細書に援用される、米国特許第5,691,846号に概ね記載される通りに、複数の光学活性要素、具体的には微細複製コーナーキューブ構造を本体層上に設置した。(構造体を個々のキューブに分離する前の)コーナーキューブ構造体は、ピッチ(すなわち、主な溝間隔)が0.004”で、コーナーキューブ要素の高さが50.0マイクロメートル(2ミル)になる58/58/64度のベース三角形開口の交差溝を3セット有していた。
商標名「Ebecryl 3720」で市販されている25重量%のビスフェノールAエポキシジアクリレート、50重量%のTMPTA(トリメチロールプロパントリアクリレート)、及び25重量%の1,6−HDDA(ヘキサンジオールジアクリレート)を組み合わせることによって調製した樹脂を用いてコーナーキューブ構造体を形成した。配合物は、0.5pphのTPO(2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド)光開始剤及び0.5pphのDarocure 1173(2−ヒドロキシ−2,2,−ジメチルフェニルプロパン−1−オン)を有していた。
次いでウレタン本体層及びPETキャリアフィルムは、金属ツール上のコーナーキューブ構造に接触し、これはギャップを有するゴムニップローラーによって170°Fに加熱されて、ツールのキャビティに適用された樹脂組成物の量を最小限にした。コーナーキューブ構造の樹脂を、2つのフュージョンD UVランプ(Fusion Systems(MD州ロックビル)製)を用いて、それぞれ360及び600W/inに設定して、本体層及びキャリアフィルムを通して硬化した。UVランプの前方にダイクロイックフィルターを使用して、赤外線による構造体の加熱を最小に抑えた。微細複製及びツールからの剥離の完了後、75%で動作するFusionD UVランプでコーナーキューブ要素を有する複合材の重合性樹脂面を照射して紫外線照射後硬化を行った。構造体を170°Fに設定したオーブンに通過させ、フィルム内の応力を緩和させた。
次いで、参照によりその全体の開示内容が本明細書に援用される、米国特許公開第2013/0034682号に記載される通りに調製したシールフィルムを使用して導光物品を密封したが、例外として、(1)フレキソ印刷機を使用して接着層上にUVA硬化性インクを印刷し、(2)印刷したパターンは、420平方マイクロメートルで構成され、ギャップは180マイクロであり、全被覆率49%だった。
比較例B
導光物品は、MN州セントポールの3M社から「High Definition License Plate」再帰反射性シート材の商標名で得られ、以下、比較例Bと称する。この導光物品は、ショア硬度が45Dのビニル系本体層で構成されていた。
比較例C
導光物品は、実施例1〜9及び比較例Aに概ね記載される通りに調製したが、例外として、本体層は、ショアA硬度が87の熱可塑性脂肪族ポリエステル系ポリウレタンフィルムであり、Lubrizolから市販されているTECOFLEX TPU EG−93Aから調製した。
実施例1〜9及び比較例A〜Cの導光物品を、上記の手順を用いて試験した。結果を以下の表3〜5に報告するが、ここでN/Mは、特性が測定されなかったことを意味する。
テーバー摩耗は、上記の通りに実施した。初期輝度(初期R)及び摩耗試験後の輝度(最終R)を測定した。輝度保持率(%)を計算し、これも報告した。結果を以下の表4に示す。
約250°F(121℃)及び約300°F(149℃)の温度下に置かれた後、導光物品の熱安定性を測定した。初期輝度(初期R)を測定し、かつ試料を加熱した後の輝度(最終R)を測定した。輝度保持率(%)を計算し、これも報告した。結果を以下の表5に示す。

Claims (42)

  1. 複数の光学活性要素と、
    前記複数の光学活性要素に隣接する本体層と
    を含む導光物品であって、前記本体層が、110℃超170℃未満のクロスオーバー温度及び35℃超70℃未満のTgを有する熱可塑性脂肪族ポリウレタンを含む、導光物品。
  2. 前記光学活性要素が、ビーズ又は微細構造化要素を含む、請求項1に記載の導光物品。
  3. 前記微細構造化要素が、縦方向に延びるプリズム又はコーナーキューブ要素である、請求項1又は2に記載の導光物品。
  4. 前記コーナーキューブ要素が、切頂型キューブ又はフルキューブを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の導光物品。
  5. 前記微細構造化要素が、重合性樹脂の反応生成物を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の導光物品。
  6. 前記微細構造化要素が、固化した熱可塑性樹脂を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の導光物品。
  7. 主面と前記本体層との間に接着促進表面処理を含み、接着促進表面処理が、プライマー層、コロナ処理、又はこれらの組み合わせから選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の導光物品。
  8. ロールの両端部によって制限された幅を有するシート材のロールである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の導光物品。
  9. 前記微細構造化要素に隣接する又はその上の鏡面反射コーティングを更に含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の導光物品。
  10. 前記微細構造化要素の一部に結合されたシールフィルムを更に含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の導光物品。
  11. 第1の領域及び第2の領域を含む接着層を更に含み、前記第2の領域が、前記第1の領域を囲み、かつ前記微細構造化要素に接触しており、前記第1の領域及び前記第2の領域が、前記接着層と前記微細構造化要素の間に低屈折率層を形成するのに十分異なる特性を有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の導光物品。
  12. 前記主面の反対側に、剥離ライナーで任意に被覆された感圧性接着剤を含む第2主面を更に含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の導光物品。
  13. 前記熱可塑性脂肪族ポリウレタンが、入射光の強度の少なくとも70%の光透過率を有する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の導光物品。
  14. 前記熱可塑性脂肪族ポリウレタンが、ポリオール、ポリイソシアネート、及び多官能性ポリオールの反応生成物、又はポリオールと多官能性イソシアネートである前記ポリイソシアネートとの反応生成物を含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の導光物品。
  15. 前記熱可塑性脂肪族ポリウレタンが分枝状である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の導光物品。
  16. 前記分枝状の熱可塑性脂肪族ポリウレタンが、ソフトセグメントに共有結合されたハードセグメントを含むブロック構造を含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の導光物品。
  17. 前記分枝状の熱可塑性脂肪族ポリウレタンが、50重量%〜75重量%の範囲のハードセグメント含有量を有する、請求項1〜16のいずれか一項に記載の導光物品。
  18. 前記分枝状の熱可塑性脂肪族ポリウレタンが、55重量%〜68重量%の範囲のハードセグメント含有量を有する、請求項1〜17のいずれか一項に記載の導光物品。
  19. 前記ポリオールがジオールを含む、請求項1〜18のいずれか一項に記載の導光物品。
  20. 前記ポリオールが、短鎖ポリオール及び長鎖ポリオールを含む、請求項1〜19のいずれか一項に記載の導光物品。
  21. 前記ポリイソシアネートが、ジイソシアネートを含む、請求項1〜20のいずれか一項に記載の導光物品。
  22. 前記熱可塑性脂肪族ポリウレタンが、短鎖ポリオール、長鎖ポリオール、及び多官能性イソシアネートの反応生成物である、請求項1〜21のいずれか一項に記載の導光物品。
  23. 前記熱可塑性脂肪族ポリウレタンが、短鎖ポリオール、長鎖ポリオール、多官能性ポリオール及びポリイソシアネートの反応生成物である、請求項1〜22のいずれか一項に記載の導光物品。
  24. 前記熱可塑性脂肪族ポリウレタンが、短鎖ポリオール、長鎖ポリオール、多官能性ポリオール及びジイソシアネートの反応生成物である、請求項1〜23のいずれか一項に記載の導光物品。
  25. 前記熱可塑性脂肪族ポリウレタンが、短鎖ポリオール、長鎖ポリオール、ジオール、多官能性ポリオール及びポリイソシアネートの反応生成物である、請求項1〜24のいずれか一項に記載の導光物品。
  26. 短鎖ポリオール及び前記ポリイソシアネートの反応生成物が、前記熱可塑性ポリウレタンの前記ハードセグメントを形成し、長鎖ポリオール及び前記ポリイソシアネートの反応生成物が、前記熱可塑性脂肪族ポリウレタンの前記ソフトセグメントを形成する、請求項1〜25のいずれか一項に記載の導光物品。
  27. 前記長鎖ポリオールが、185g/mol超の分子量を有する、請求項1〜26のいずれか一項に記載の導光物品。
  28. 前記長鎖ポリオールが、脂肪族ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオール、並びにこれらのコポリマー及び混合物からなる群から選択される、請求項1〜27のいずれか一項に記載の導光物品。
  29. 前記短鎖ポリオールが、185g/mol未満の分子量を有する、請求項1〜28のいずれか一項に記載の導光物品。
  30. 前記短鎖ポリオールが、ブタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、並びにこれらのコポリマー及び混合物からなる群から選択される、請求項1〜29のいずれか一項に記載の導光物品。
  31. 前記多官能性ポリオールが、三官能性グリセロール、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、及びトリエタノールアミン、並びにこれらのコポリマー及び混合物からなる群から選択される、請求項1〜30のいずれか一項に記載の導光物品。
  32. 前記ポリイソシアネートが、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、並びにこれらのコポリマー及び混合物からなる群から選択される、請求項1〜31のいずれか一項に記載の導光物品。
  33. 前記多官能性イソシアネートが、イソシアヌレート基、アロファネート基、ウレトンイミン基、及びウレトジオン基を有するオリゴマーを含有する、請求項1〜32のいずれか一項に記載の導光物品。
  34. 前記熱可塑性脂肪族ポリウレタンが、少なくとも50のショアD硬度を有する、請求項1〜33のいずれか一項に記載の導光物品。
  35. 前記熱可塑性脂肪族ポリウレタンが、85未満のショアD硬度を有する、請求項1〜34のいずれか一項に記載の導光物品。
  36. 前記熱可塑性脂肪族ポリウレタンが、30,000g/mol〜800,000g/molの範囲の重量平均分子量を有する、請求項1〜35のいずれか一項に記載の導光物品。
  37. 前記熱可塑性脂肪族ポリウレタンが、2.0〜6.0の範囲の多分散度を有する、実質的に単峰性の分子量分布を有する、請求項1〜36のいずれか一項に記載の導光物品。
  38. 前記熱可塑性脂肪族ポリウレタンが、65℃未満のガラス転移温度を有する、請求項1〜37のいずれか一項に記載の導光物品。
  39. 前記熱可塑性脂肪族ポリウレタンが、40℃超のガラス転移温度を有する、請求項1〜38のいずれか一項に記載の導光物品。
  40. 前記熱可塑性脂肪族ポリウレタンが、少なくとも130℃のクロスオーバー温度を有する、請求項1〜39のいずれか一項に記載の導光物品。
  41. 前記熱可塑性ポリウレタンが、少なくとも140℃のクロスオーバー温度を有する、請求項1〜40のいずれか一項に記載の導光物品。
  42. 複数の光学活性要素と、
    前記複数の光学活性要素に隣接する本体層と
    を含む導光物品であって、前記本体層が、ポリオール、ポリイソシアネート、及び多官能性ポリオールの反応生成物、又はポリオールと多官能性イソシアネートである前記ポリイソシアネートとの反応生成物を含む、熱可塑性脂肪族ポリウレタンを含み、
    前記熱可塑性ポリウレタンが、110℃超のクロスオーバー温度を有する、導光物品。
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