JP2000328040A - 低粘度かつ耐熱性の良好なシーリング材用ポリオール組成物 - Google Patents

低粘度かつ耐熱性の良好なシーリング材用ポリオール組成物

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JP2000328040A
JP2000328040A JP2000074540A JP2000074540A JP2000328040A JP 2000328040 A JP2000328040 A JP 2000328040A JP 2000074540 A JP2000074540 A JP 2000074540A JP 2000074540 A JP2000074540 A JP 2000074540A JP 2000328040 A JP2000328040 A JP 2000328040A
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polyol
sealing material
viscosity
acrylic
heat resistance
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Toshiaki Matsunaga
俊明 松永
Tomomasa Kaneko
知正 金子
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、アクリルポリオールが有する良
好な耐熱性、耐候性とポリオキシアルキレンポリオール
が有する良好な作業性(特に低温(5℃)で低粘度、低
感温性)を併せ持ち、さらに臭気の問題がないシーリン
グ材用ポリオール組成物を提供することを目的とする。 【解決手段】 アクリルポリオール(a)およびポリ
オキシアルキレンポリオール(b)を必須成分とし、ア
クリルポリオール(a)は、メルカプタン系連鎖移動剤
を使用せずに作られたもので、アクリルポリオール
(a)1分子あたりの平均水酸基数が2.5以上、5.
0以下および数平均分子量(Mn)が3000以上、6
000未満であり、アクリルポリオール(a)とポリオ
キシアルキレンポリオール(b)の重量比((a)/
(b))が1/2以上、2/1以下であることを特徴と
する低粘度かつ耐熱性の良好なシーリング材用ポリオー
ル組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建材用弾性シーリ
ング材に使用されるシーリング材用ポリオール組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来のシーリング材用ポリオールとして
は、主としてポリプロピレングリコールおよびアクリル
ポリオールが使用されている。
【0003】ポリプロピレングリコールは粘度が低く、
感温性(粘度の温度変化)も低いため、シーリング材に
用いた場合、そのシーリング材の作業性は非常に良好で
あるが、耐熱性、耐候性および密着性が悪いという欠点
があった。特に耐熱性が悪く、シーリング材の耐久性分
類(JIS A5758の耐久性分類)では8020で
示される様に、耐熱性が低いものである。
【0004】一方、アクリルポリオールを用いたシーリ
ング材組成物は耐熱性、耐候性、密着性が良好であり、
シーリング材の耐久性分類(JIS A5758の耐久
性分類)では9030で示す事ができる高い物性であ
る。しかし、粘度が高く、感温性も大きいため、シーリ
ング材にした場合のシーリング材の作業性が悪いという
欠点があった。
【0005】そこでこれまでに、上記課題を解決するた
めに、以下の技術が提案されている。特開昭59−17
6378号公報は、「平均分子量1000以上のポリオ
キシアルキレンポリオールとイソシアネート基と反応し
うる官能基を分子末端に平均1個および分子内の任意の
位置に平均1個有する平均分子量2000以上のアクリ
ル系低分子量共重合体との混合物を硬化剤(ポリオール
成分)とする弾性シーラント」というものであるが、ア
クリル系低分子共重合体の官能基数が低いため、硬化性
が低くまた硬化後の表面タックも大きい、分子末端に平
均1個のイソシアネートと反応しうる官能基を導入する
ために、メルカプタン系連鎖移動剤(イソシアネートと
反応しうる官能基およびメルカプト基を併せ持つ化合
物)の使用が必須となり、そのため製品にメルカプタン
系連鎖移動剤の臭気が残る事、重合が遅くまた未反応の
単量体成分が残りやすく、また、ポリマー末端に導入さ
れるC−S結合のため、ポリマーの熱安定性が悪く、シ
ーリング材用アクリル系共重合体の製法としては、好ま
しくないという問題があった。さらにアクリルポリオー
ルとポリオキシアルキレンポリオールを併用した際に、
その併用効果、および併用効果が発揮される混合比範囲
について十分示されていないというの問題があった。
【0006】また、特開昭61−83277号公報は
「数平均分子量1000以上のポリオキシアルキレンポ
リオールとイソシアネート基と反応しうる官能基を文し
末端に平均1個および分子内の任意の位置に平均1.5
−4.0個有する数平均分子量6000以上の(メタ)
アクリル酸アルキルエステル系低分子共重合体の混合物
を硬化剤(ポリオール成分)とする弾性シーラント」と
いうものであるが、分子末端に平均1個のイソシアネー
トと反応しうる官能基を導入するために、メルカプタン
系連鎖移動剤(イソシアネートと反応しうる官能基およ
びメルカプト基を併せ持つ化合物)の使用が必須とな
り、そのため製品にメルカプタン系連鎖移動剤の臭気が
残るおよび重合が遅く、また未反応の単量体成分が残り
易く、また、ポリマー末端に導入されるC−S結合のた
め、ポリマーの熱安定性が悪いという問題があった。ま
た、(メタ)アクリル酸エステル系低分子共重合体の分
子量が6000以上と大きいため、低温(5℃)などで
の粘度が高い、アクリルポリオールとポリオキシアルキ
レンポリオールを併用した際に、その併用効果、および
併用効果が発揮される混合比範囲について十分示されて
いないなどの問題があり、いずれも従来のシーリング材
が抱えるシーリング材の作業性と物性(耐熱性、耐候
性)の両立を十分に達成したものではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アクリルポ
リオールが有する良好な耐熱性、耐候性とポリオキシア
ルキレンポリオールが有する良好な作業性(特に低温
(5℃)で低粘度、低感温性)を併せ持ち、さらに臭気
の問題がないシーリング材用ポリオール組成物を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
する方法として、アクリルポリオール(a)およびポリ
オキシアルキレンポリオール(b)を必須成分とし、ア
クリルポリオール(a)は、メルカプタン系連鎖移動剤
を使用せずに作られたもので、アクリルポリオール
(a)1分子あたりの平均水酸基数が2.5以上、5.
0以下および数平均分子量(Mn)が3000以上、6
000未満であり、アクリルポリオール(a)とオキシ
アルキレンポリオール(b)の重量比((a)/
(b))が1/2以上、2/1以下であることを特徴と
するシーリング材用ポリオール組成物を提供するもので
ある。
【0009】〔アクリルポリオール(a)に関する説
明〕本発明に用いられるアクリルポリオール(a)と
は、一般的に、(メタ)アクリル酸エステルを主成分と
する水酸基を有するポリマーを示す。具体的には、本発
明に用いられるアクリルポリオール(a)に関する説明
を下記に示す。
【0010】本発明に用いられるアクリルポリオール
(a)の製法は、メルカプタン系連鎖移動剤を使用しな
ければ、公知の製造方法であれば、特に限定されない
が、下記にその例を説明する。メルカプタン系連鎖移動
剤(イソシアネートと反応しうる官能基およびメルカプ
ト基を併せ持つ化合物)を使用すると製品にメルカプタ
ン系連鎖移動剤の臭気が残る事や、重合が遅くまた未反
応の単量体成分が残り易くなり、本発明のシーリング材
用アクリル系共重合体の製法としては好ましくない。
【0011】アクリルポリオール(a)を製造するため
に用いられるモノマーは特に限定されないが、アクリル
ポリオールの特徴である良好な耐候性、耐熱性を遺憾な
く発揮するためには、(メタ)アクリル酸エステル
(c)を50−99重量%、水酸基含有モノマー(d)
を1−20重量%、その他の共重合可能モノマー(e)
を0−49重量%を重合することにより製造することが
好ましい。
【0012】各モノマーは特に限定されないが、(メ
タ)アクリル酸エステル(c)としては、例えば、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチ
ル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)
アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、
(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル
酸パーフルオロエチルなどが挙げられ、アクリルポリオ
ール(a)の粘度を低くするためには、アクリル酸エス
テルを主に用いることが好ましく、この中でもアクリル
酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルを主に用いる
ことがより好ましい。
【0013】水酸基含有モノマー(d)としては、例え
ば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メ
タ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、α−ヒドロキ
シメチルアクリル酸メチル、α−ヒドロキシメチルアク
リル酸エチル、(メタ)アリルアルコール、および(メ
タ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、イタ
コン酸などへのエチレンオキサイド、またはプロピレン
オキサイドの付加物(付加数は1−20程度)などが挙
げられる。
【0014】また、必要に応じて使用されるその他の共
重合可能モノマー(e)としては、スチレン、パーフル
オロエチレン、フッ化ビニリデン、フェニルマレイミ
ド、酢酸ビニル、ブタジエン、塩化ビニル、アリルクロ
ライドおよびOH基以外の官能基含有モノマーとして
(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、
イタコン酸、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、ビ
ニルトリメトキシシラン、γ−(メタクロイルオキシプ
ロピル)トリメトキシシランなどが挙げられる。
【0015】アクリルポリオール(a)の重合方法とし
ては、アクリルポリオール(a)に問題となる臭気が残
らないように、メルカプタン系の連鎖移動剤を使用しな
いこと以外には、特に限定はなく、公知の、溶液重合、
塊状重合、懸濁重合、乳化重合などにより重合を行なう
ことができる。
【0016】上記重合の際に使用される開始剤にも特に
限定はなく、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、メチ
ルエチルケトンパーオキサイド、ターシャリーヘキシル
パーオキシイソプロピルモノカーボネートなどの過酸化
物系開始剤、2,2‘−アゾビイスイソブチロニトリ
ル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニト
リル)などのアゾ系開始剤および過酸化水素−Fe(I
I)系、過酸化ベンゾイル−ジメチルアニリン系、過硫
酸酸塩−亜硫酸水素ナトリウム系などのレドックス開始
剤系などが挙げられる。
【0017】この重合においては、必要に応じて公知の
溶剤類を使用することができる。溶剤の種類は、特に限
定されず、重合温度などの条件に合わせて自由に選択で
きるが、例えば、トルエン、キシレン、ブタノール、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエー
テル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ートなどが挙げられる。また、溶媒としてポリオキシア
ルキレンポリオール(b)を用いることも可能である。
この場合は、脱揮工程を省略でき、アクリルポリオール
(a)の重合が終了した段階ですぐシーリング材用ポリ
オール組成物を得ることができるので、工程を簡略化で
き好ましい。もちろん、溶媒としてポリオキシアルキレ
ンポリオール(b)と上記公知の溶媒を併用することも
可能である。
【0018】また、この重合においては、アクリルポリ
オール(a)分子量を調整するため、メルカプタン系連
鎖移動剤および官能基を有する連鎖移動剤以外の公知の
連鎖移動剤を使用することができる。本発明で使用でき
る連鎖移動剤は、例えば、四塩化炭素、クロロホルム、
四臭化炭素、ブロモホルムなどが挙げられる。もちろん
分子量の調節は重合温度および開始剤濃度などの調節だ
けでも十分可能である。
【0019】本発明のアクリルポリオール(a)は、使
用上の都合より、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などで
重合した場合には、重合後にアクリルポリオール(a)
以外の揮発分を除去する必要がある。この場合の脱揮方
法としては、釜脱揮、薄膜蒸留機、2軸押出機など公知
の手法のいずれも用いることができ、特に限定されな
い。
【0020】また、脱揮操作は、アクリルポリオール
(a)の重合後にそのまま実施しても良いし、アクリル
ポリオール(a)の重合後の溶液に予めポリオキシアル
キレンポリオール(b)を添加した後に実施してもかま
わない。脱揮後のアクリルポリオール(a)はシーリン
グ材に使用するので、残存揮発成分は少ない方が好まし
い。特に限定はされないが、残存揮発性分が重量5%
(対アクリルポリオール(a))以下であることが好ま
しい。
【0021】また、本発明に使用されるアクリルポリオ
ール(a)は以下の2つ(、)の物性を満たすもの
でなければならない。
【0022】アクリルポリオール(a)1分子あたり
の平均水酸基数 本発明に使用されるアクリルポリオール(a)1分子あ
たりの平均水酸基数は2.5以上、5.0以下でなけれ
ばならず、3.0以上、4.0以下であることが好まし
い。アクリルポリオール(a)1分子あたりの水酸基数
が2.5未満の場合は、シーリング材にした際の架橋密
度が低すぎて、十分な硬化特性、強度などが得られず、
また、このようなアクリルポリオールを用いてシーリン
グ材を製造した場合、硬化後に未硬化のアクリルポリオ
ールが表面付近にブリードし、表面タックを悪化させて
しまう。また、アクリルポリオール(a)の1分子当た
りの平均水酸基数が、5.0を越えた場合には、アクリ
ルポリオール(a)1分子当たりの平均水酸基数が高す
ぎて、シーリング材にした際の物性が硬くなりすぎるだ
けでなく、シーリング材用ポリオール組成物およびアク
リルポリオール(a)の添加量の自由度が低く、シーリ
ング材配合が限定され、各種シーリング材物性のバラン
スが取りにくくなってしまう。
【0023】また、アクリルポリオール(a)1分子あ
たりの水酸基数は、JIS K0070中和滴定法に準
拠して測定した。具体的には、アクリルポリオール
(a)の水酸基価(mgKOH/g)およびゲルパーミ
エーションクロマトグラム(HLC−8020GPC
(東ソー(株)製)を用いて測定したアクリルポリオー
ル(a)の数平均分子量(標準ポリスチレン換算値)よ
り、下記の式を用いて算出した。 アクリルポリオール(a)1分子あたりの水酸基数=ア
クリルポリオール(a)の水酸基価(mgKOH/g)/(5
6.1×1000)×アクリルポリオール(a)の数平
均分子量(Mn)分子量(Mn)範囲 本発明に使用されるアクリルポリオールの数平均分子量
(Mn)は3000以上、6000未満でなければなら
ず、3000以上、5000以下であることが好まし
い。アクリルポリオールの数平均分子量(Mn)が30
00未満の場合には、反応後の強度を十分保つため、ポ
リマー1分子あたりの平均水酸基数を2.5以上とする
と水酸基価が高くなりすぎ、シーリング材にした際の物
性が硬くなりすぎるだけでなく、シーリング材用ポリオ
ール組成物およびアクリルポリオール(a)の添加量の
自由度が低く、シーリング材配合が限定され、各種シー
リング材物性のバランスが取りにくくなってしまう。一
方、アクリルポリオール(a)の数平均分子量(Mn)
が6000を越えた場合には、アクリルポリオール
(a)およびシーリング材用ポリオール組成物の低温
(5℃)での粘度が高く、シーリング材にした場合の低
温(5℃)での優れた作業性が確保できなくなる。
【0024】〔ポリオキシアルキレンポリオール(b)
の説明〕本発明に使用されるポリオキシアルキレンポリ
オール(b)は公知のポリオキシアルキレンポリオール
であれば特に限定されないが、例えばポリプロピレング
リコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリ
コール−ポリプロピレングリコール−ポリエチレングリ
コールブロックポリマー、ポリテトラエチレングリコー
ル、またスチレンオキサイド、アリルグリシジルエーテ
ル、エピクロロヒドリンなどの重合体およびこれらの共
重合体などが挙げられ、これらの1種または2種以上の
混合物で使用することができる。
【0025】上記の中でも、耐水性、価格などよりポリ
プロピレングリコールまたはポリエチレングリコール−
ポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコールブ
ロックポリマーが好ましい。
【0026】本発明に使用されるポリオキシアルキレン
ポリオール(b)の1分子あたりのOH基数は特に限定
されないが、十分な硬化性を有し、架橋密度が高すぎな
い点などより2または3が好ましい。もちろんこれらの
混合物も好ましい。また、ポリオキシアルキレンポリオ
ール(b)の水酸基価は特に限定されないが、10mg
KOH/g以上、60mgKOH/g以下が好ましく、
15mgKOH以上、40mgKOH/g以下がより好
ましい。10mgKOH/g未満であると、シーリング
材にした際の架橋密度が低すぎて、十分な硬化特性、強
度などが得られない、また、表面タックが強いなどの問
題が生じ易く、60mgKOH/gを越える場合には、
シーリング材用ポリオール組成物の水酸基価が高くなり
すぎ、シーリング材にした際の物性が硬くなりすぎるだ
けでなく、シーリング材用ポリオール組成物の添加量の
自由度が低く、シーリング材配合が限定され、各種シー
リング材物性のバランスが取りにくくなり易い。
【0027】本発明に使用されるポリオキシアルキレン
ポリオールの数平均分子量(Mn)は特に限定されない
が、シーリング材にした際の柔軟性の付与および粘度の
点から、1000−5000が好ましく、2000−5
000がより好ましい。
【0028】〔アクリルポリオール(a)/ポリオキシ
アルキレンポリオール(b)の配合比の説明〕本発明の
シーリング材用ポリオール組成物でのアクリルポリオー
ル(a)とポリオキシアルキレンポリオール(b)の配
合比((a)/(b)(重量比))は、1/2以上、2
/1以下である必要があり、低温(5℃)での粘度およ
びシーリング材にした場合の低温(5℃)での作業性を
重視する場合には、(a)/(b)は1/2以上、1/
1以下であることがより好ましい。
【0029】上記配合比(a)/(b)が1/2未満の
場合には、アクリルポリオール(a)が不足するため、
ポリオール組成物の耐熱性が悪化し、シーリング材にし
た際に、ポリウレタン系と同じ程度の耐熱性(JIS
A5758の耐久性分類で8020並み)しか示さなく
なり、アクリルポリオールの添加効果がほとんどなくな
ってしまう。
【0030】一方、上記配合比(a)/(b)が2/1
を越える場合には、ポリオキシアルキレンポリオール
(b)が不足するため、ポリオール組成物の粘度、感温
性が大きくなりすぎ、シーリング材にした際に、アクリ
ルウレタン系なみの悪い作業性しか得られない。つまり
ポリオキシアルキレンポリオールの添加効果がほとんど
なくなってしまう。
【0031】本発明のシーリング材用ポリオール組成物
の物性は、前記条件を満たしていれば、その他には特に
限定されないが、水酸基価は15mgKOH/g以上、
60mgKOH/g以下であることが好ましく、15m
gKOH/g以上、40mgKOH/g以下であること
がより好ましい。
【0032】さらに、本発明のシーリング材用ポリオー
ル組成物に、本発明の特徴を阻害しない範囲であれば、
アクリルポリオール(a)およびポリオキシアルキレン
ポリオール(b)以外の成分として、他のポリオール
(c)、例えばポリエステルポリオール、ポリブタジエ
ンポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリカーボ
ネートポリオールなどの公知のポリオールを添加するこ
とは自由である。
【0033】本発明のシーリング材用ポリオール組成物
における、アクリルポリオール(a)、ポリオキシアル
キレンポリオール(b)および他のポリオール(c)の
含有量(重量%)は、(a)/(b)の重量比が1/2
以上、2/1以下であれば特に限定されないが、好まし
くはアクリルポリオール(a)およびポリオキシアルキ
レンポリオール(b)の合計が本発明のシーリング材用
ポリオール組成物中の60重量%以上、より好ましくは
80%重量以上、最も好ましくは100重量%である。
また、その他のポリオール(c)の含有量は、好ましく
は40重量%以下、より好ましくは20重量%以下であ
る。このようにする事によって、アクリルポリオール
(a)由来の良好な耐熱性が確保できる。
【0034】〔各種パラメータの説明〕以下に、本発明
で、シーリング材用ポリオール組成物として良好な物性
を発揮するための指標に用いられる各種パラメーターを
説明する。
【0035】5℃での粘度 5℃でのシーリング材用ポリオール組成物の粘度は、シ
ーリング材にした際の冬期の作業性を決定する非常に重
要な物性である。本発明のシーリング材用ポリオール組
成物の5℃での粘度は、特に限定はされないが、シーリ
ング材にした際の冬期の作業性を良好に保持するために
は、シーリング材用ポリオール組成物の5℃での粘度は
30Pa・s以下であることが好ましく、20Pa・s
以下であることがさらに好ましい。
【0036】シーリング材用ポリオール組成物の5℃で
の粘度が30Pa・sを越えた場合、シーリング材用ポ
リオール組成物の低温(5℃以下)での粘度が高すぎ
て、シーリング材にした際の冬期(低温)での良好な作
業性の確保が困難になる。また、シーリング材用ポリオ
ール組成物の5℃での粘度が、30Pa・s以下であれ
ば冬期(低温)での良好な作業性はほぼ確保でき、20
Pa・s以下であれば冬期でも、非常に優れた(ポリウ
レタン系シーリング材なみの)作業性を達成できる。
【0037】感温性 本発明における感温性とは、シーリング材用ポリオール
組成物の5℃での粘度と25℃での粘度の比(5℃での
粘度/25℃での粘度)のことを示し、シーリング材用
ポリオール組成物の温度変化に対する粘度変化の指標で
ある。この数値が大きいと、作業性を確保するため、使
用温度変化(季節変化)に対してシーリング材配合を大
きく変化させる必要が生じ、四季を通じて、一定の物性
を保持したまま、作業性を確保することが困難になる。
場合によっては、冬場の作業性を確保するために、可塑
剤量を増量する必要が生じ、塗料汚染性が悪化するなど
の問題も生じる。
【0038】本発明のシーリング材用ポリオール組成物
の感温性は特に限定されないが、6.0以下であること
が好ましく、5.0以下であることがさらに好ましい。
【0039】シーリング材組成物の感温性が6.0を越
えると、前述した通り、シーリング材にした際に、良好
なシーリング材物性を保持したまま、四季を通じた作業
性を確保することが困難になる。
【0040】耐熱性 本発明における耐熱性とは、シーリング材用ポリオール
組成物を3官能イソシアネート化合物(例えば、スミジ
ュールN3500(住友バイエルウレタン(株)製))
と当量付近(NCO/OH(モル比=1.05±0.
1)で80゜Cで8時間から16時間反応させたウレタ
ン化ポリマー(架橋体)について、a)25℃×4日保
存品、b)90℃×4日加熱品をそれぞれ、テトラヒド
ロフランを溶媒としたソックスレー抽出(約8時間程
度)にかけた不溶分重量分率(%)を比較したもの、具
体的には、〔b)の不溶分重量分率〕/〔a)の不溶分
重量分率〕×100(%)を示し、シーリング材にした
際の耐熱性の指標を示すものである。上記のウレタン化
ポリマーを(X)という場合がある。
【0041】例えば、アクリルポリオール100重量%
からなるシーリング材用ポリオール組成物の、上記耐熱
性はほぼ100%であり、ポリプロピレングリコール1
00重量%からなるシーリング材用ポリオール組成物の
耐熱性はほぼ0−15%である。
【0042】本発明のシーリング材用ポリオール組成物
の耐熱性は特に限定されないが、30%以上であること
が好ましく、50%以上であることがより好ましく、7
5%以上であれば、かなりアクリルポリオールのみの耐
熱性に近い物性が達成できるので好ましい。80%以上
が最も好ましい。シーリング材用ポリオール組成物の耐
熱性が30%未満になると、シーリング材にした際に、
90℃での耐熱性の指標であるJIS A5758の耐
久性試験区分9030に合格することが困難になる。ま
た、本発明におけるシーリング材の評価としては、上記
耐熱性が0−15%であると、 JIS A5758の
耐久性試験区分では8020程度である。
【0043】本発明のシーリング材用ポリオール組成物
においては、特定のアクリルポリオール(a)とポリオ
キシアルキレンポリオール(b)を、好ましくは、特定
の重量比で配合しているので、上記の物性の少なくとも
1つの物性を発揮することができる。本発明のシーリン
グ材用ポリオール組成物における好ましい形態として
は、この3つの物性である、5℃での粘度、感温
性、耐熱性を合わせ持つ事である。
【0044】すなわち、本発明のシーリング材用ポリオ
ール組成物においては、アクリルポリオール(a)とポ
リオキシアルキレンポリオール(b)を含み、そのシー
リング材用ポリオール組成物の5℃での粘度が30Pa
・s以下、かつ、そのシーリング材用ポリオール組成物
の5℃での粘度/25℃での粘度の比で表される感温性
が6以下であり、かつ、そのシーリング材用ポリオール
組成物を3官能イソシアネートで架橋させたウレタン化
ポリマー(X)の耐熱性が、30%以上であることが好ま
しい形態の1つである。具体的には、特定のアクリルポ
リオール(a)とポリオキシアルキレンポリオール
(b)を特定の重量比で混合することによって得ること
ができる。
【0045】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるも
のではない。また、下記実施例および比較例中の「部」
および「%」は、それぞれ、「重量部」および「重量
%」を表す。
【0046】[製造例1]滴下ロート、撹拌機、窒素導入
管、温度計、還流冷却器を備えたフラスコに、キシレン
800部を仕込み、ゆるやかに窒素ガスを吹き込み、撹
拌しながら130℃に加熱した。そこへ、アクリル酸ブ
チル700部、アクリル酸2−エチルヘキシル38部、
アクリル酸2−ヒドロキシエチル62部、パーヘキシル
I(日本油脂株式会社製)12.0部からなる混合物を
2時間かけて滴下した。滴下中は系内の温度を130±
2℃に保持した。そして、滴下終了後、同温度で30分
撹拌を継続し重合を終了し、アクリルポリオール〔1〕
キシレン溶液を得た。続いて、撹拌機、温度計および上
方に温度計、側方に減圧ラインおよび受器を付けた冷却
管を接続したト字管を備えたフラスコ(上部を保温材で
保温)に、上記アクリルポリオール〔1〕キシレン溶液
を仕込み、フラスコ内を981Paまで減圧してから、
110℃のオイルバスに漬けた。その後、留出の様子を
見ながら、フラスコ内の圧力を49Paまで徐々に減圧
し、70分脱揮を行い、アクリルポリオール〔1〕を得
た。脱揮終了時の内温は103℃、ト字管の温度系での
蒸気温度は46℃、留出はほとんどなかった。脱揮後の
アクリルポリオール〔1〕の物性は、表1に記載、収率
は98%(対仕込みモノマー)であった。
【0047】[製造例2]滴下ロート、撹拌機、窒素導入
管、温度計、還流冷却器を備えたフラスコに、キシレン
800部を仕込み、ゆるやかに窒素ガスを吹き込み、撹
拌しながら115℃に加熱した。そこへ、アクリル酸ブ
チル747部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル53
部、パーヘキシルI(日本油脂株式会社製)16.0部
からなる混合物を2時間かけて滴下した。滴下中は系内
の温度を115±2℃に保持した。そして、滴下終了
後、同温度で30分撹拌を継続し重合を終了し、アクリ
ルポリオール〔2〕キシレン溶液を得た。続いて、撹拌
機、温度計および上方に温度計、側方に減圧ラインおよ
び受器を付けた冷却管を接続したト字管を備えたフラス
コ(上部を保温材で保温)に、上記アクリルポリオール
〔2〕キシレン溶液を仕込み、フラスコ内を981Pa
まで減圧してから、110℃のオイルバスに漬けた。そ
の後、留出の様子を見ながら、フラスコ内の圧力を49
Paまで徐々に減圧し、75分脱揮を行い、アクリルポ
リオール〔2〕を得た。脱揮終了時の内温は101℃、
ト字管の温度系での蒸気温度は44℃、留出はほとんど
なかった。脱揮後のアクリルポリオール〔2〕の物性
は、表1に記載、収率は98%(対仕込みモノマー)で
あった。
【0048】[比較製造例1]滴下ロート、撹拌機、窒素
導入管、温度計、還流冷却器を備えたフラスコに、アク
リル酸ブチル90部、アクリル酸2−エチルヘキシル5
部、スチレン5部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル3
部、2−メルカプトエタノール2部からなる混合物のう
ちの30%を仕込み、ゆるやかに窒素ガスを吹き込み、
撹拌しながら70℃に加熱した。そこへ、2,2‘−ア
ゾイソブチロニトリル0.1部を加えると速やかに発熱
が始まった。この発熱がやや穏やかになってから上記混
合物の残り(70%)に2,2‘−アゾイソブチロニト
リル0.2部を加えたものを、3時間かけて滴下した。
その後、発熱が認められなくなった時点で重合を終了し
た。さらに、重合後、減圧下で残存モノマーを留去し、
比較用アクリルポリオール〔1〕を得た。上記のように
して得られた比較用アクリルポリオール〔1〕の物性を
表1に記載した。収率は91%(対仕込みモノマー)
と、残存モノマーが多かった。
【0049】[比較製造例2]滴下ロート、撹拌機、窒素
導入管、温度計、還流冷却器を備えたフラスコに、キシ
レン800部を仕込み、ゆるやかに窒素ガスを吹き込
み、撹拌しながら125℃に加熱した。そこへ、アクリ
ル酸ブチル600部、アクリル酸2−エチルヘキシル4
9部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル151部、パ
ーヘキシルI(日本油脂株式会社製)64.0部からな
る混合物を2時間かけて滴下した。滴下中は系内の温度
を125±2℃に保持した。そして、滴下終了後、同温
度で30分撹拌を継続し重合を終了し、比較用アクリル
ポリオール〔2〕キシレン溶液を得た。
【0050】続いて、撹拌機、温度計および上方に温度
計、側方に減圧ラインおよび受器を付けた冷却管を接続
したト字管を備えたフラスコ(上部を保温材で保温)
に、上記比較用アクリルポリオール〔2〕キシレン溶液
を仕込み、フラスコ内を981Paまで減圧してから、
110℃のオイルバスに漬けた。その後、留出の様子を
見ながら、フラスコ内の圧力を49Paまで徐々に減圧
し、90分脱揮を行い、比較用アクリルポリオール
〔2〕を得た。脱揮終了時の内温は102℃、ト字管の
温度系での蒸気温度は44℃、留出はほとんどなかっ
た。脱揮後の比較用アクリルポリオール〔2〕の物性
は、表1に記載、収率は96%(対仕込みモノマー)で
あった。
【0051】[実施例1]製造例1で製造したアクリルポ
リオール〔1〕(平均水酸基数2.7、数平均分子量3
900)500部とサンニックスPP−3000(三洋
化成株式会社製、Mn=3000、2官能ポリプロピレ
ングリコール、水酸基価=37mgKOH/g)500
部を均一に混合し、シーリング材用ポリオール組成物
〔1〕を得た。このシーリング材用ポリオール組成物
〔1〕の粘度、感温性、耐熱性、臭気、ウレタン化フィ
ルムの感触を表2に示した。シーリング材用ポリオール
組成物〔1〕は、5℃での粘度は非常に低く、感温性も
低く、耐熱性は良好であり、臭気もほとんどなく、ウレ
タン化フィルムの感触も柔軟かつしっかり硬化してお
り、非常に良好なものであった。
【0052】シーリング材用ポリオール組成物〔1〕の
5℃での粘度より、シーリング材用ポリオール組成物
〔1〕をシーリング材にした場合の低温(5℃)でのシ
ーリング材の粘度および作業性は非常に良好であること
は、当業者であれば容易に想像できる。
【0053】[実施例2]製造例2で製造したアクリルポ
リオール〔2〕(平均水酸基数2.9、数平均分子量5
200)600部とサンニックスPP−3000(三洋
化成株式会社製、Mn=3000、2官能ポリプロピレ
ングリコール、水酸基価=37mgKOH/g)400
部を均一に混合し、シーリング材用ポリオール組成物
〔2〕を得た。このシーリング材用ポリオール組成物
〔2〕の粘度、感温性、耐熱性、臭気、ウレタン化フィ
ルムの感触を表2に示した。シーリング材用ポリオール
組成物〔2〕は、5℃での粘度、感温性が低く、耐熱性
は良好であり、臭気もほとんどなく、ウレタン化フィル
ムの感触も柔軟かつしっかり硬化しており、非常に良好
なものであった。シーリング材用ポリオール組成物
〔2〕の5℃での粘度より、シーリング材用ポリオール
組成物〔2〕をシーリング材にした場合の低温(5℃)
でのシーリング材の粘度および作業性は良好であること
は、当業者であれば容易に想像できる。
【0054】[実施例3]製造例2で製造したアクリルポ
リオール〔2〕450部とサンニックスPP−3000
(三洋化成株式会社製、Mn=3000、2官能ポリプ
ロピレングリコール、水酸基価=37mgKOH/g)
550部を均一に混合し、シーリング材用ポリオール組
成物〔3〕を得た。このシーリング材用ポリオール組成
物〔3〕の粘度、感温性、耐熱性、臭気、ウレタン化フ
ィルムの感触を表2に示した。
【0055】シーリング材用ポリオール組成物〔3〕
は、5℃での粘度は非常に低く、感温性が低く、耐熱性
は良好であり、臭気もほとんどなく、ウレタン化フィル
ムの感触も柔軟かつしっかり硬化しており、非常に良好
なものであった。シーリング材用ポリオール組成物
〔3〕の5℃での粘度より、シーリング材用ポリオール
組成物〔3〕をシーリング材にした場合の低温(5℃)
でのシーリング材の粘度および作業性は非常に良好であ
ることは、当業者であれば容易に想像できる。
【0056】[比較例1]比較製造例1で製造した比較用
アクリルポリオール〔1〕670部とサンニックスPP
−3000(三洋化成株式会社製、Mn=3000、2
官能ポリプロピレングリコール、水酸基価=37mgK
OH/g)330部を均一に混合し、比較用シーリング
材用ポリオール組成物〔1〕を得た。この比較用シーリ
ング材用ポリオール組成物〔1〕の粘度、感温性、耐熱
性、臭気、ウレタン化フィルムの感触を表2に示した。
比較用シーリング材用ポリオール組成物〔1〕は、粘
度、感温性がまずまずで、耐熱性は良好であったが、イ
オウ臭がひどかった。また、比較用アクリルポリオール
〔1〕の1分子当たりの平均水酸基数が2.1と低いの
で、硬化塗膜にした場合、十分に架橋密度を得ることが
できす、塗膜としてのウレタン化フィルムの感触もタッ
クが多いものであった。
【0057】[比較例2]比較製造例2で製造した比較用
アクリルポリオール〔2〕600部とサンニックスPP
−3000(三洋化成株式会社製、Mn=3000、2
官能ポリプロピレングリコール、水酸基価=37mgK
OH/g)400部を均一に混合し、比較用シーリング
材用ポリオール組成物〔2〕を得た。この比較用シーリ
ング材用ポリオール組成物〔2〕の粘度、感温性、耐熱
性、臭気、ウレタン化フィルムの感触を表2に示した。
【0058】比較用シーリング材用ポリオール組成物
〔2〕は、5℃での粘度、感温性は低く、耐熱性は良好
で、臭気はなかったが、使用した比較用アクリルポリオ
ール〔2〕の1分子当たりの平均水酸基数も84と大き
な値であり、数平均分子量も2000と低い値であるの
で、硬化塗膜としてのウレタン化フィルムの感触が著し
くかたもろいものであった。また、この比較用シーリン
グ材用ポリオール組成物〔2〕は、水酸基価が84と著
しく大きい事を考慮すると、シーリング材にした場合、
シーリング材中のアクリルポリオール量が著しく低下
し、耐候性、密着性などに悪影響が出ることが容易に予
想される。
【0059】[比較例3]製造例1で製造したアクリルポ
リオール〔1〕250部とサンニックスPP−3000
(三洋化成株式会社製、Mn=3000、2官能ポリプ
ロピレングリコール、水酸基価=37mgKOH/g)
750部を均一に混合し、シーリング材用ポリオール組
成物〔1〕を得た。この比較用シーリング材用ポリオー
ル組成物〔3〕の粘度、感温性、耐熱性、臭気、ウレタ
ン化フィルムの感触を表2に示した。比較用シーリング
材用ポリオール組成物〔3〕は、5℃での粘度は非常に
低く、感温性が低く、臭気もほとんどなく、ウレタン化
フィルムの感触も柔軟かつしっかり硬化していたが、耐
熱性が非常に悪いものであった。
【0060】[比較例4]製造例2で製造したアクリルポ
リオール〔2〕750部とサンニックスPP−3000
(三洋化成株式会社製、Mn=3000、2官能ポリプ
ロピレングリコール、水酸基価=37mgKOH/g)
250部を均一に混合し、比較用シーリング材用ポリオ
ール組成物〔4〕を得た。この比較用シーリング材用ポ
リオール組成物〔4〕の粘度、感温性、耐熱性、臭気、
ウレタン化フィルムの感触を表2に示した。比較用シー
リング材用ポリオール組成物〔4〕は、、耐熱性は良好
であり、臭気もほとんどなく、ウレタン化フィルムの感
触も柔軟かつしっかり硬化していたが、5℃での粘度、
感温性が非常に高いものであった。
【0061】[比較例5]製造例1で得られたのアクリル
ポリオール〔1〕の粘度、感温性、耐熱性、臭気、ウレ
タン化フィルムの感触を表2に示した。アクリルポリオ
ール〔1〕は、耐熱性は良好であり、臭気もほとんどな
く、ウレタン化フィルムの感触も柔軟かつしっかり硬化
していたが、5℃での粘度、感温性が著しく高いもので
あった。
【0062】[比較例6]サンニックスPP−3000
(三洋化成株式会社製、Mn=3000、2官能ポリプ
ロピレングリコール、水酸基価=37mgKOH/g)
の粘度、感温性、耐熱性、臭気、ウレタン化フィルムの
感触を表2に示した。サンニックスPP−3000は、
粘度、感温性が著しく低く、臭気もほとんどなく、ウレ
タン化フィルムの感触も柔軟かつしっかり硬化していた
が、耐熱性が著しく低いものであった。
【0063】実施例における、重合体の数平均分子量と
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラ
ム(HLC-8020 GPC :東ソー株式会社製)により、標準
ポリスチレンに換算して求めた。
【0064】表1には、本発明の実施例で用いた実施例
のアクリルポリオールと比較例のアクリルポリオールの
基本的な物性を、本発明のパラメータで評価した結果を
示した。
【0065】表2で示した様に、シーリング材とした時
の作業性の目安となる、シーリング材用組成物の5℃の
粘度や、その粘度の感温性や、本発明のポリオール組成
物を用いたシーリング材の耐熱性の目安となるウレタン
化ポリマー(X)の耐熱性や、硬化塗膜評価としての、
フィルムの状態等の物性すべてがバランス良く良好な組
成物は、本発明の構成の実施例である実施例1と実施例
2である事が判る。また、比較例で示したポリオール組
成物はいずれも欠点があり、満足なシーリング材用ポリ
オール組成物は得られていない。比較例1では、臭気も
強く、実際にシーリング材用組成物にした時問題であ
り、その硬化塗膜物性としてのウレタン化フィルムの感
触もやや悪いものであった。
【0066】表1を以下に示す。
【0067】表2を以下に示す。 なお表2の説明は以下である。 水酸基価 :アクリルポリオール(a)の水酸基価、重
量分率およびポリオキシアルキレンポリオール(b)の
水酸基価、重量分率より算出。 粘度 :恒温槽中(誤差±0.1゜C)中、BM型
粘度系にて測定。
【0068】測定法はJIS K7117に準拠。 感温性 :5゜Cでの粘度/25゜Cでの粘度。 耐熱性 :測定方法は明細書中に記載。 臭気 :シーリング材用ポリオール組成物の臭気
を、臭覚で確認したものである。 ウレタン化フィルムの状態:シーリング材用ポリオール
組成物を3官能イソシアネート化合物(スミジュールN
3500(住友バイエルウレタン(株)製))とNCO
/OH(モル比)=1.1で反応させて(ジブチルチン
ジラウレートを0.1wt%添加、80℃*12hr)
得られた、ウレタン化フィルムを実際に手で触ったさい
の感触を示したものである。また、表中に評価として、
作業性と耐熱性と硬化塗膜性を○×等で示した。
【0069】なお、上記実施例で測定した、耐熱性とウ
レタン化フィルムの状態の項目であるが、テストピース
としては、厚さ1.5mmのフィルムを成形してそれぞ
れのテスト方法において評価した。
【0070】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明のシ
ーリング材用ポリオール組成物では、従来のシーリング
材用ポリオール組成物ではできなかった、良好な耐熱性
と特に低温(5℃)での低粘度および低感温性の両立が
可能であり、さらに臭気の問題がない。その結果、本発
明のシーリング材用ポリオール組成物を用いたシーリン
グ材シーリング材組成物では、従来のアクリルウレタン
系シーリング材が有していた良好な耐熱性(JIS A
5758 耐久性9030合格レベル)、耐候性を維持
したまま、従来のポリウレタン系シーリング材が有して
いた、四季を通じた良好な作業性(特に冬場、低温(5
℃)でも良好な作業性を維持できる)を得ることが可能
であり、臭気の問題もない。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 33/06 C08L 33/06 71/02 71/02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクリルポリオール(a)およびポリオキ
    シアルキレンポリオール(b)を必須成分とし、アクリ
    ルポリオール(a)は、メルカプタン系連鎖移動剤を使
    用せずに作られたもので、アクリルポリオール(a)1
    分子あたりの平均水酸基数が2.5以上、5.0以下お
    よび数平均分子量(Mn)が3000以上、6000未
    満であり、アクリルポリオール(a)とポリオキシアル
    キレンポリオール(b)の重量比((a)/(b))が
    1/2以上、2/1以下であることを特徴とする低粘度
    かつ耐熱性の良好なシーリング材用ポリオール組成物。
  2. 【請求項2】上記、シーリング材用ポリオール組成物
    で、さらに、そのシーリング材用ポリオール組成物の5
    ℃での粘度が30Pa・s以下、かつ、そのシーリング
    材用ポリオール組成物の5℃での粘度/25℃での粘度
    の比で表される感温性が6以下であり、かつ、そのシー
    リング材用ポリオール組成物を3官能イソシアネートで
    架橋させたウレタン化ポリマー(X)の耐熱性が、30%
    以上であることを特徴とする、請求項1記載のシーリン
    グ材用ポリオール組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US11567239B2 (en) 2015-07-07 2023-01-31 3M Innovative Properties Company Polyurethane layer for a light directing article

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