詳細な説明
本明細書で使用される場合、空間または方向に関する用語、例えば、「内側」、「左」、「右」、「上」、「下」、「水平方向」、「垂直方向」などは、本明細書に記載されているような発明に関する。しかし、本発明は、種々の代替的な配置を予想することができ、したがって、このような用語は、限定していると考えられるべきではないことが理解されるべきである。本明細書の目的で、他の意味であると示されていない限り、本明細書および特許請求の範囲で用いられる成分、反応条件、寸法、物理特性などの量をあらわす全ての数字は、あらゆる場合に、用語「約」で修飾されていると理解されるべきである。したがって、矛盾することが示されていない限り、以下の明細書および添付の特許請求の範囲に記載されている数値パラメータは概算値であり、本発明によって得られることが求められている望ましい性質によって、変わってもよい。少なくとも、特許請求の範囲に、等価物の原理を適用することを制限するつもりはなく、それぞれの数値パラメータは、少なくとも、報告されている有効桁数の観点で、通常の丸め技術を適用することによって解釈されるべきである。
本発明の広い範囲を記載する数値範囲およびパラメータは、概算値であるが、特定の実施例に記載されている数値は、可能な限り正確になるように報告されている。しかし、いかなる数値も、それぞれの試験測定値でみられる標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を固有に含んでいる。
さらに、本明細書に引用されているいかなる数値範囲も、その範囲に含まれる全ての副次的な範囲を含むことを意図していることが理解されるべきである。例えば、「1〜10」の範囲は、引用されている最小値である1と、引用されている最大値である10との間の任意の副次的な範囲および全ての副次的な範囲、つまり、1に等しいか、または1よりも大きい最小値から始まり、10に等しいか、または10よりも小さい最大値で終わる全ての副次的な範囲、例えば、1〜6.3、または5.5〜10、または2.7〜6.1の全ての副次的な範囲を含み、これらの引用されている値を含むことが意図されている。
「アルキル」は、直鎖であっても分枝鎖であってもよく、鎖に約1〜約20個の炭素原子を含む脂肪族炭化水素基を意味する。適切なアルキル基の非限定的な例は、鎖に約1〜約18個の炭素原子を含み、または鎖に約1〜約6個の炭素原子を含む。枝分かれしているとは、1個以上の低級アルキル基(例えば、メチル、エチルまたはプロピル)が、直鎖アルキル鎖に接続していることを意味する。「低級アルキル」または「短鎖アルキル」は、鎖に約1〜約6個の炭素原子を含み、直鎖であってもよく、分枝鎖であってもよい基を意味する。「アルキル」は、置換されていなくてもよく、または、1個以上の置換基で場合により置換されていてもよく、この置換基は、同じであってもよく、異なっていてもよく、それぞれの置換基は、独立して、ハロ、アルキル、アリール、シクロアルキル、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルチオ、アミノ、−NH(アルキル)、−NH(シクロアルキル)、−N(アルキル)2、カルボキシ、−C(O)O−アルキルからなる群から選択される。適切なアルキル基の非限定的な例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチルが挙げられる。
「アルキレン」は、上に定義されているアルキル基から水素原子を取り除くことによって得られる二官能基を意味する。アルキレンの非限定的な例としては、メチレン、エチレン、プロピレンが挙げられる。
「アリール」は、約6〜約14個の炭素原子、または約6〜約10個の炭素原子を含む、芳香族の単環または多環の環系を意味する。アリール基は、1個以上の「環系置換基」で場合により置換されていてもよく、この置換基は、同じであってもよく、異なっていてもよく、本明細書に定義されるとおりである。適切なアリール基の非限定的な例としては、フェニルおよびナフチルが挙げられる。
「ヘテロアリール」は、約5〜約14個の環原子、または約5〜約10個の環原子を有し、1個以上の環原子が、炭素以外の元素、例えば、窒素、酸素または硫黄単独、またはこれらを組み合わせたものである、芳香族の単環または多環の環系を意味する。いくつかの非限定的な実施形態では、ヘテロアリールは、約5〜約6個の環原子を含む。「ヘテロアリール」は、1個以上の「環系置換基」で場合により置換されていてもよく、この置換基は、同じであってもよく、異なっていてもよく、本明細書に定義されるとおりである。ヘテロアリールという語幹の前につく接頭語であるアザ、オキサ、またはチアは、それぞれ、窒素原子、酸素原子または硫黄原子の少なくとも1つが、環原子として存在していることを意味する。ヘテロアリールの窒素原子は、場合により、対応するN−オキシドへと酸化されていてもよい。適切なヘテロアリールの非限定的な例としては、ピリジル、ピラジニル、フラニル、チエニル、ピリミジニル、ピリドン(N−置換されたピリドンを含む)、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、フラザニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、キノキサリニル、フタラジニル、オキシインドリル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、イミダゾ[2,1−b]チアゾリル、ベンゾフラザニル、インドリル、アザインドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル、イミダゾリル、チエノピリジル、キナゾリニル、チエノピリミジル、ピロロピリジル、イミダゾピリジル、イソキノリニル、ベンゾアザインドリル、1,2,4−トリアジニル、ベンゾチアゾリルなどが挙げられる。用語「ヘテロアリール」は、部分的に飽和のヘテロアリール部分も指し、例えば、テトラヒドロイソキノリル、テトラヒドロキノリルなども指す。
「アラルキル」または「アリールアルキル」は、アリール−アルキル−基を意味し、ここで、アリールおよびアルキルは、すでに記載されたとおりである。いくつかの非限定的な実施形態では、アラルキルは、低級アルキル基を含む。適切なアラルキル基の非限定的な例としては、ベンジル、2−フェネチル、ナフタレニルメチルが挙げられる。親部分に対する結合は、アルキルを介している。
「アルキルアリール」は、アルキル−アリール−基を意味し、ここで、アルキルおよびアリールは、すでに記載されたとおりである。いくつかの非限定的な実施形態では、アルキルアリールは、低級アルキル基を含む。適切なアルキルアリール基の非限定的な例は、トリルである。親部分に対する結合は、アリールを介している。
「シクロアルキル」は、約3〜約10個の炭素原子、または約5〜約10個の炭素原子を含む、非芳香族の単環または多環の環系を意味する。いくつかの非限定的な実施形態では、シクロアルキル環は、約5〜約7個の環原子を含む。シクロアルキルは、1個以上の「環系置換基」で場合により置換されていてもよく、この置換基は、同じであってもよく、異なっていてもよく、上に定義されるとおりである。適切な単環シクロアルキルの非限定的な例としては、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが挙げられる。適切な多環シクロアルキルの非限定的な例としては、1−デカリニル、ノルボルニル、アダマンチルなどが挙げられる。
「ハロゲン」または「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を意味する。いくつかの非限定的な実施形態では、ハロゲン基は、フッ素、塩素または臭素である。
「環系置換基」は、芳香族環系または非芳香族環系に接続している置換基を意味し、例えば、環系の利用可能な水素と置き換わる。環系置換基は、同じであってもよく、異なっていてもよく、それぞれ、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アルキルアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、アルキルヘテロアリール、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、アシル、アロイル、ハロ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アラルキルチオ、ヘテロアラルキルチオ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、−C(=N−CN)−NH2、−C(=NH)−NH2、−C(=NH)−NH(アルキル)、Y1Y2N−、Y1Y2N−アルキル−、Y1Y2NC(O)−、Y1Y2NSO2−、−SO2NY1Y2からなる群から選択され、ここで、Y1およびY2は、同じであってもよく、異なっていてもよく、独立して、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、アラルキルからなる群から選択される。また、「環系置換基」は、環系上の2個の隣接する炭素原子の上にある2個の利用可能な水素(それぞれの炭素の上に1個のH)を同時に置き換える1個の部分を意味していてもよい。このような部分の例は、例えば、
のような部分を形成するメチレンジオキシ、エチレンジオキシ、−C(CH
3)
2−などである。
「ヘテロシクリル」は、約3〜約10個の環原子、または約5〜約10個の環原子を含み、環系の1個以上の環原子が、炭素以外の元素、例えば、窒素、酸素または硫黄単独、またはこれらを組み合わせたものである、非芳香族の単環または多環の飽和環系を意味する。環系には、隣接する酸素原子および/または硫黄原子は存在しない。いくつかの非限定的な実施形態では、ヘテロシクリルは、約5〜約6個の環原子を含む。ヘテロシクリルという語幹の前につく接頭語であるアザ、オキサ、またはチアは、それぞれ、窒素原子、酸素原子または硫黄原子の少なくとも1つが、環原子として存在していることを意味する。ヘテロシクリル環の任意の−NHは、例えば、−N(Boc)基、−N(CBz)基、−N(Tos)基などのように保護された状態で存在していてもよく;このような保護もまた、本発明の一部と考える。ヘテロシクリルは、1個以上の「環系置換基」で場合により置換されていてもよく、この置換基は、同じであってもよく、異なっていてもよく、本明細書に定義されるとおりである。ヘテロシクリルの窒素原子または硫黄原子は、場合により、対応するN−オキシド、S−オキシドまたはS,S−ジオキシドへと酸化されていてもよい。適切な単環ヘテロシクリル環の非限定的な例としては、ピペリジル、ピロリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チオゾリジニル、1,4−ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ラクタム、ラクトンなどが挙げられる。
本発明のヘテロ原子を含有する環系において、N、OまたはSに隣接する炭素原子上にヒドロキシル基は存在せず、同様に、別のヘテロ原子に隣接する炭素上にN基もS基も存在しないことを注記しておくべきである。したがって、例えば、環において、
2および5という記号が付された炭素に直接結合している−OHは存在しない。
互変異性体形態、例えば、以下の部分
は、本発明の特定の実施形態では等価物であると考えられることも注記しておくべきである。
「ヘテロアラルキル」は、ヘテロアリール−アルキル−基を意味し、ここで、ヘテロアリールおよびアルキルは、すでに記載されたとおりである。いくつかの非限定的な実施形態では、ヘテロアラルキルは、低級アルキル基を含む。適切なヘテロアラルキル基の非限定的な例としては、ピリジルメチル、キノリン−3−イルメチルが挙げられる。親部分に対する結合は、アルキルを介している。
「ヒドロキシアルキル」は、HO−アルキル−基を意味し、ここで、アルキルは、すでに定義されたとおりである。いくつかの非限定的な実施形態では、ヒドロキシアルキルは、低級アルキル基を含む。適切なヒドロキシアルキル基の非限定的な例としては、ヒドロキシメチルおよび2−ヒドロキシエチルが挙げられる。
「アルコキシ」は、アルキル−O−基を意味し、ここで、アルキル基は、すでに記載されたとおりである。適切なアルコキシ基の非限定的な例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシが挙げられる。親部分に対する結合は、エーテル酸素を介している。
「アリールオキシ」は、アリール−O−基を意味し、ここで、アリール基は、すでに記載されたとおりである。適切なアリールオキシ基の非限定的な例としては、フェノキシおよびナフトキシが挙げられる。親部分に対する結合は、エーテル酸素を介している。
「アルキルチオ」は、アルキル−S−基を意味し、ここで、アルキル基は、すでに記載されたとおりである。適切なアルキルチオ基の非限定的な例としては、メチルチオおよびエチルチオが挙げられる。親部分に対する結合は、硫黄を介している。
「アリールチオ」は、アリール−S−基を意味し、ここで、アリール基は、すでに記載されたとおりである。適切なアリールチオ基の非限定的な例としては、フェニルチオおよびナフチルチオが挙げられる。親部分に対する結合は、硫黄を介している。
「アラルキルチオ」は、アラルキル−S−基を意味し、ここで、アラルキル基は、すでに記載されたとおりである。適切なアラルキルチオ基の非限定的な例は、ベンジルチオである。親部分に対する結合は、硫黄を介している。
「アルコキシカルボニル」は、アルキル−O−CO−基を意味する。適切なアルコキシカルボニル基の非限定的な例としては、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニルが挙げられる。親部分に対する結合は、カルボニルを介している。
「アリールオキシカルボニル」は、アリール−O−C(O)−基を意味する。適切なアリールオキシカルボニル基の非限定的な例としては、フェノキシカルボニルおよびナフトキシカルボニルが挙げられる。親部分に対する結合は、カルボニルを介している。
「アラルコキシカルボニル」は、アラルキル−O−C(O)−基を意味する。適切なアラルコキシカルボニル基の非限定的な例は、ベンジルオキシカルボニルである。親部分に対する結合は、カルボニルを介している。
「アルキルスルホニル」は、アルキル−S(O2)−基を意味する。いくつかの非限定的な実施形態では、アルキルスルホニル基は、低級アルキル基を含む。親部分に対する結合は、スルホニルを介している。
「アリールスルホニル」は、アリール−S(O2)−基を意味する。親部分に対する結合は、スルホニルを介している。
用語「置換された」は、指定された原子の上にある1個以上の水素が、示されている基からの選択肢と置き換わっていることを意味し、但し、この指定された原子の、存在する環境下での通常の価数を超えず、置換によって安定な化合物が得られる場合に限る。置換基および/または変数の組み合わせは、このような組み合わせによって安定な化合物が得られる場合にのみ許容される。
用語「場合により置換された」は、特定の基、ラジカルまたは部分との置換が任意であることを意味する。
また、本明細書の本文、スキーム、実施例および表中の価数を満足していない任意の炭素およびヘテロ原子は、その価数を満足するのに十分な数の水素原子を有していると推定されることを注記すべきである。
化合物中の官能基が、「保護された」と称される場合、このことは、その化合物が反応に付されたときに、その基が保護された部位で望ましくない副反応を起こさないように改変された形態であることを意味する。適切な保護基は、当業者によって認識されており、さらに、標準的な教科書、例えば、T.W.Greeneら、Protective Groups in Organic Synthesis(1991)、Wiley、New Yorkを参照することによって認識されるであろう。
任意の変数(例えば、アリール、ヘテロ環、R2など)が、任意の構成で2つ以上存在する場合、それぞれの場合の定義は、それぞれの他の場合の定義とは独立している。
本明細書で使用される場合、用語「組成物」は、特定の成分を特定の量で含む生成物、さらに、特定の成分の特定の量での組み合わせから直接的または間接的に生じる任意の生成物を包含することを意図している。
本明細書で使用される場合、「から形成される」または「から調製される」は、非限定的であり、例えば、「〜を含む」という特許請求の範囲の用語を示している。このように、引用されている成分のリスト「から形成される」か、またはこのリスト「から調製される」組成物は、これらの引用されている成分を少なくとも含む組成物であるか、または少なくともこれらの引用されている成分の反応生成物を含む組成物であり、さらに、組成物生成中または調製中に、他の引用されていない成分を含んでいてもよいことを意図している。本明細書で使用される場合、句「〜の反応生成物」は、引用されている成分の化学反応生成物を意味し、部分的に反応した生成物も、完全に反応した生成物も含んでいてもよい。
本明細書で使用される場合、用語「ポリマー」は、オリゴマーを包含することを意味し、限定されないが、ホモポリマーおよびコポリマーの両方を含む。用語「プレポリマー」は、ポリマーを調製するために用いられる化合物、モノマーまたはオリゴマーを意味し、限定されないが、ホモポリマーおよびコポリマーのオリゴマーを両方とも含む。
句「熱可塑性ポリマー」は、加熱すると液体流になり、溶媒に可溶性になり得るポリマーを意味する。
句「熱硬化性ポリマー」は、硬化または架橋させると、不可逆的に固化するか、または「固まる」ポリマーを意味する。一旦硬化すると、架橋した熱硬化性ポリマーは、熱を加えても溶融せず、一般的に溶媒には不溶性であろう。
本明細書で使用される場合、用語「硬化する」または「硬化した」は、組成物と組み合わせて用いられる場合(例えば、「組成物は、硬化した場合」または「硬化した組成物」は、組成物の任意の硬化性成分または架橋性成分が、少なくとも部分的に硬化しているか、または架橋していることを意味するだろう。本発明のいくつかの非限定的な実施形態では、架橋性成分の架橋密度(すなわち、架橋の程度)は、完全な架橋の約5%〜約100%の範囲である。他の非限定的な実施形態では、架橋密度は、完全な架橋の約35%〜約85%の範囲である。他の非限定的な実施形態では、架橋密度は、完全な架橋の約50%〜約85%の範囲である。当業者は、架橋の存在および架橋度(すなわち、架橋密度)は、種々の方法、例えば、TA Instruments DMA 2980 DMA分析機を用い、−65°F(−18℃)〜350°F(177℃)の温度範囲で、窒素下、ASTM D 4065−01に従って行った動的熱機械分析(DMA)で決定することができることを理解するだろう。この方法は、コーティングまたはポリマーの自由膜のガラス転移温度および架橋密度を決定する。これらの硬化した材料の物理特性は、架橋した網目の構造に関連する。本発明の一実施形態では、硬化が十分であることは、ポリマーの硬化膜の耐溶媒性と関連して評価される。例えば、耐溶媒性は、二重アセトン摩擦法の数を決定することによって測定することができる。本発明の目的のために、膜が実質的に軟化したり、膜が取れたりすることなく、膜が最低でも100回の二重アセトン摩擦に耐え得る場合に、コーティングは「硬化した」とみなされる。
重合性組成物の硬化は、この組成物を硬化条件(例えば、限定されないが、熱硬化、照射など)におき、組成物の反応性基を反応させ、重合させ、固体の重合物を生成させることによって得ることができる。重合性組成物を硬化条件におくと、その後に、重合し、反応性基のほとんどが反応した後に、残った未反応の反応性基の反応速度は、徐々に遅くなっていく。いくつかの非限定的な実施形態では、重合性組成物を、少なくとも部分的に硬化するまで硬化条件においてもよい。用語「少なくとも部分的に硬化した」は、重合性組成物を硬化条件におき、組成物の反応性基のうち、少なくとも一部分の反応が起こり、固体の重合物を生成することを意味する。少なくとも部分的に硬化した重合物を離型し、例えば、窓のような物品を調製するため、試験片に切断するか、または機械操作を行う(例えば、光学レンズの処理)ために用いてもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、重合性組成物を、実質的に完全な硬化が得られるような硬化条件においてもよく、この場合、さらなる硬化条件にさらしても、ポリマーの特性(例えば、強度または硬度)がさらに顕著に向上することはない。
用語「ポリウレタン」は、ポリイソシアネートおよびポリオールの反応から作られるポリウレタンだけではなく、ポリイソシアネートと、ポリオールおよび水および/またはポリアミンとの反応から調製されるポリ(尿素ウレタン)を含むことを意図している。
本発明のポリウレタンおよびポリ(尿素ウレタン)は、1つ以上の以下の特性が望ましいような用途で有用であろう:透明度、高い光学品質、高いアッベ数、着色が低い、エネルギー吸収、剛性、水分安定性、紫外線安定性、耐候性、低い水吸収、加水分解安定性、防弾性、または耐爆発性。
ある実施形態では、本発明のポリウレタンおよびポリ(尿素ウレタン)から調製される、硬化した物品は、一般的に透明であり、少なくとも約80%未満の視感透過率を有していてもよく、ヘイズが約2%未満であり、ASTM D−1499−64にしたがって光および水に1,000時間さらした後に視覚的になんら変化を示さない。
本発明のポリウレタンおよびポリ(尿素ウレタン)は、種々の形状および寸法を有する物品(例えば、平坦なシートまたは湾曲した形状)になるように作られてもよい。物品を形成するのに有用な方法の非限定的な例としては、熱処理、圧力鋳造、または液体のポリウレタンまたはポリ(尿素ウレタン)を型に注ぎ、生成物を硬化させて成形物品を形成することが挙げられる。
一般的に、本発明のポリウレタンおよびポリ(尿素ウレタン)は、少なくとも1つのポリイソシアネートと、4〜18個の炭素原子と、少なくとも2個または3個のヒドロキシル基とを有する、少なくとも1つの脂肪族ポリオールとを含む成分の反応生成物を含み、ポリイソシアネートおよび/または脂肪族ポリオールのうち、少なくとも1つは枝分かれしている。
本発明において、少なくとも1つのイソシアネートおよび/または少なくとも1つのポリオールは、枝分かれしている。本明細書で使用される場合、「分枝(枝分かれした)」は、1つ以上の側鎖が、鎖に接続している原子鎖を意味する。枝分かれは、置換基(例えば、水素原子)を、共有結合した置換基または部分(例えば、アルキル基)で置き換えることによって生じる。任意の理論によって束縛されることを意図しないが、ポリイソシアネートおよび/またはポリオールの枝分かれによって、ポリマーマトリックス内の自由体積を増やすことができ、それによって、分子が移動することができる空間ができると考えられる。分子は、好ましいエネルギー状態を有する構造および配置になるように配向または回転してもよく、これにより、硬化したポリマーマトリックスに、良好な衝撃特性および/または高い弾性率を与えることができる。図1、2、3に示されているように、それぞれ実施例1、2、40にしたがって調製されたポリウレタン鋳造物の動的機械分析(DMA)は、温度の関数としての損失弾性率では、約−70℃の低温での転移を示す。DMA分析は、窒素下、ASTM D 4065−01にしたがって、−65°F(−18℃)〜350°F(177℃)の温度範囲で行った。任意の理論に束縛されることを意図しないが、この低温での転移は、この温度で分子のねじれが動くことによるものであると考えられ、これらのポリマーの高い衝撃強度に寄与していると考えられる。
粘弾性材料が発振機による振動を受けると、ある程度のエネルギーがポリマーに蓄えられ(このエネルギーは、弾性率の弾性要素G’、つまり貯蔵弾性率に比例する)、ある程度のエネルギーは、内部摩擦によって熱に変換されるか、またはエネルギーが粘性消散する(損失弾性率G”と呼ばれる)。損失弾性率の最大値がタンデルタと呼ばれ、内部摩擦、減衰または粘性エネルギー消散の最大値である。
高い光透過率を有し、ガラス状のポリマーは、高い衝撃強度を示すことはまれである。ポリカーボネートプラスチック(例えば、LEXAN)は、同様の低温での転移を示すことが可能であるが、衝撃強度が低かったり、ヤング率が低かったりすることがある。
本発明のポリウレタンおよびポリ(尿素ウレタン)の物理特性は、これらの分子構造に由来し、ビルディングブロックの選択(例えば、反応剤、硬質結晶性セグメントおよび軟質アモルファスセグメントの比率、鎖間の原子間相互作用によって生じる超分子構造の選択)によって決定することができる。
硬質セグメント(すなわち、ウレタンポリマーの結晶性領域または半結晶性領域)は、イソシアネートおよび鎖伸長剤(例えば、4〜18個の炭素原子を有する脂肪族ポリオール、または本明細書に記載の分子量が約200未満の低分子量ポリオール)の反応から生じる。一般的に、軟質セグメント(すなわち、ウレタンポリマーのアモルファス、ゴム状領域)は、イソシアネートおよびポリマー骨格の成分、例えば、ポリエステルポリオール(例えば、ポリカーボネートポリオール)またはポリエーテルポリオール、または結晶性領域を形成しない短鎖ジオールの反応から生じる。
特定の有機ポリオールが、他のポリウレタンを形成する成分と混合し、反応した場合に、硬質セグメントまたは軟質セグメントに及ぼす品質的な寄与は、ISO 14577−1:2002にしたがって、得られた硬化したポリウレタンのFischer微小硬さを測定することによって簡単に決定することができる。
いくつかの非限定的な実施形態では、ポリウレタンの硬質セグメントの含有量は、約10〜約100重量%、または約50〜約100重量%、または約70〜約100重量%の範囲である。硬質セグメントの含有量は、ポリマーに存在する硬質セグメントの結合の重量%であり、この全ての反応剤の合計重量から合計当量数を決定し、これらの反応剤から得ることが可能な硬質セグメントの結合の合計重量を、反応剤自体の合計重量で割ることによって算出することができる。以下の実施例は、この計算をさらに説明するであろう。実施例Iにおいて、これによって生じる配合物1において、本発明のポリウレタン物品は、0.7当量の1,4−ブタンジオール、0.3当量のトリメチロールプロパン、1当量の4,4’−メチレン−ビス−(シクロヘキシルイソシアネート)(DESMODUR W)を反応させることによって調製された。1,4−ブタンジオールのグラム当量は、45g/当量であり、トリメチロールプロパンのグラム当量は44.7g/当量であり(不純物について較正した)、DESMODUR Wのグラム当量は131.2g/eqである。したがって、使用する成分の実際の重量は、31.54重量部の1,4−ブタンジオール、13.2重量部のトリメチロールプロパン、131.2重量部のDESMODUR Wであるか、または反応剤の合計重量が175重量部である。1当量の1,4−ブタンジオールは、1当量の硬質セグメントの結合を与えると思われ、硬質セグメントの結合は、1,4−ブタンジオール/DESMODUR Wダイマーである。1,4−ブタンジオール/DESMODUR Wダイマーの結合のグラム当量は、176g/当量であり、その結果、硬質セグメントの結合の合計重量は、硬質セグメントダイマーのグラム当量を、1,4−ブタンジオールの当量と掛け算することによって決定され、123.2g/eqであった。したがって、1,4−ブタンジオール/DESMODUR Wダイマーの結合の合計重量123.2を、反応剤の合計重量175.7で割って、100を掛けて百分率に変換すると、硬質セグメントの結合の重量%が70重量%であることを得た。
プレキシガラスおよび伸長したアクリルは、大気からかなりの量の水を吸収する。QUV−Bまたは室温で水に浸漬するといった促進試験では、驚くべきことに、短鎖ジオール(例えば、ブタンジオールおよびペンタンジオール)を含む本発明のポリウレタンは、水蒸気透過速度試験において、および水に約24時間浸漬した後に、水を本質的に吸収しなかった。任意の理論に束縛されることを意図しないが、これらのプラスチックが非常に極性であったとしても、硬質セグメント領域の水素結合は、水蒸気の透過や、水の取り込みを遮断するのに十分なほど強いと考えられる。対照的に、伸長したアクリル樹脂は、プラスチックを面内で割れ目が生じ、玉ねぎの表面のような層がはがれてしまうまで分離するほどに、ひどく膨潤させるのに十分な水を吸収するだろう。さらに、水の吸収が少ないと、ポリマー中のウレタン基が、任意の加水分解によって分解することを軽減する場合がある。
本発明のポリウレタンおよびポリ(尿素ウレタン)の種々の態様および実施形態の議論は、一般的に、以下のグループA〜Qにグループ分けされる。上述のように、このグループ分けは、本発明の範囲を限定することを意図したものではなく、あるグループの態様が、他のグループの主題に関連していてもよい。さらに、あるグループ分けにおける反応剤の量のような限定事項は、必ずしも他のグループ分けにおける同じ成分の量を限定する意図はないが、他の意味であると示されていない限り、異なるグループ分けについて、適切な量は同じであってもよい。
(グループA)
いくつかの非限定的な実施形態では、本発明は、
(a)約1当量の少なくとも1つのポリイソシアネートと;
(b)4〜18個の炭素原子と、少なくとも3個のヒドロキシル基とを有する、約0.05〜約0.9当量の少なくとも1つの分枝ポリオールと;
(c)2〜18個の炭素原子を有する、約0.1〜約0.95当量の少なくとも1つのジオールとを含む成分の反応生成物を含むポリウレタンを提供し、
ここで、この反応生成物の成分は、本質的にポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールを含まず、反応成分は、少なくとも約100℃の温度に少なくとも約10分間維持される。
本明細書で使用される場合、用語「グラム当量」は、別の基質の1モル(6.022×1023個の電子)と反応するであろう基質のグラム数を意味する。本明細書で使用される場合、「当量」は、事実上、基質のモル量を基質の反応性官能基の価数または数で割ったものに等しい。
本明細書で使用される場合、用語「イソシアネート」は、少なくとも1個または少なくとも2個の−N=C=O官能基および/あるいは少なくとも1個または少なくとも2個の−N=C=S(イソチオシアネート)基を含む化合物、モノマー、オリゴマー、ポリマーを含む。一官能イソシアネートを連鎖停止剤として用いてもよく、または、重合中に末端基を与えるために用いてもよい。本明細書で使用される場合、「ポリイソシアネート」は、少なくとも2個の−N=C=O官能基および/あるいは少なくとも2個の−N=C=S(イソチオシアネート)基を含むイソシアネート、例えば、ジイソシアネートまたはトリイソシアネート、ならびに本明細書に記載のイソシアネートのダイマーおよびトリマー、またはビウレットを意味する。適切なイソシアネートは、反応性基(例えば、ヒドロキシル官能基、チオール官能基またはアミン官能基)と共有結合を形成することができる。本発明で有用なイソシアネートは、枝分かれしていてもよく、枝分かれしていなくてもよい。上述のように、ポリマーマトリックス内の自由体積を増やし、分子が移動することができる空間を与えるために、分枝イソシアネートを使用することが望ましい場合がある。
本発明で有用なイソシアネートは、「修飾された」イソシアネート、「修飾されていない」イソシアネート、「修飾された」イソシアネートと「修飾されていない」イソシアネートとの混合物を含む。イソシアネートは、「遊離」のイソシアネート基、「ブロックされた」イソシアネート基、または部分的にブロックされたイソシアネート基を有していてもよい。用語「修飾された」は、上述のイソシアネートを、既知の様式で変化させ、ビウレット基、尿素基、カルボジイミド基、ウレタン基、またはイソシアヌレート基またはブロック基を導入することを意味する。いくつかの非限定的な実施形態では、「修飾された」イソシアネートは、付加環化プロセスによって得られ、イソシアネートのダイマーおよびトリマー(すなわち、ポリイソシアネート)が得られる。遊離イソシアネート基は、特に反応性である。イソシアネート基を含有する成分の反応性を制御するために、NCO基を特定の選択された、室温で、反応性水素化合物に対してイソシアネート基を不活性にする有機化合物でブロックする。高温(例えば、約90℃〜約200℃の範囲)まで加熱すると、ブロックされたイソシアネートが、ブロック剤を放出し、元々のブロックされていないイソシアネートまたは遊離イソシアネートと同じ様式で反応する。
一般的に、イソシアネートをブロックするために用いられる化合物は、活性水素原子を有する有機化合物であり、例えば、揮発性アルコール、ε−カプロラクタムまたはケトオキシム化合物である。適切なブロック化合物の非限定的な例としては、フェノール、クレゾール、ノニルフェノール、ε−カプロラクタム、メチルエチルケトオキシムが挙げられる。
本明細書で使用される場合、NCO:OH比のNCOは、遊離イソシアネートを含有する物質の遊離イソシアネート、ブロックされたイソシアネートまたは部分的にブロックされたイソシアネートを含有する物質が、ブロック剤を放出した後の遊離イソシアネートをあらわす。ある場合には、全てのブロック剤を除去することは可能ではない。この状況では、ブロックされたイソシアネートを含有する材料の多くが、望ましいレベルの遊離NCOを得るために用いられるだろう。
イソシアネートおよびイソチオシアネートの分子量は、広範囲にわたってさまざまであってもよい。代替的で非限定的な実施形態では、それぞれの数平均分子量(Mn)は、少なくとも約100グラム/モル、または少なくとも約150グラム/モル、または約15,000グラム/モル未満、または約5,000グラム/モル未満であってもよい。数平均分子量は、既知の方法を用いて、例えば、ポリスチレン標準を用いたゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって決定することができる。
適切なイソシアネートの非限定的な例としては、脂肪族、脂環式、芳香族およびヘテロ環のイソシアネート、これらのダイマーおよびトリマー、ならびにこれらの混合物が挙げられる。有用な脂環式イソシアネートは、1個以上のイソシアナト基が、脂環式環に直接接続しているもの、1個以上のイソシアナト基が、脂環式環に直接接続していない脂環式イソシアネートを含む。有用な芳香族イソシアネートは、1個以上のイソシアナト基が、芳香族環に直接接続しているもの、1個以上のイソシアナト基が、芳香族環に直接接続していない芳香族イソシアネートを含む。有用なヘテロ環イソシアネートは、1個以上のイソシアナト基が、ヘテロ環に直接接続しているもの、1個以上のイソシアナト基が、ヘテロ環に直接接続していないヘテロ環イソシアネートを含む。
脂環式ジイソシアネートは、紫外線で悪影響を受けず、衝撃エネルギー吸収度が高いポリウレタンを得ることができ、ガラス代用品および二層安全ガラス用途で望ましいため、本発明で用いるのに望ましい。さらに、脂環式ジイソシアネートを用いて調製されたポリウレタンは、従来の処理温度では悪影響を受けない。芳香族ポリイソシアネートが用いられる場合、一般的に、ポリウレタンを着色(例えば、黄色)させない材料を選択することに注意を払うべきである。
いくつかの非限定的な実施形態では、脂肪族ジイソシアネートおよび脂環式ジイソシアネートは、直鎖または環状に接続した約6〜約100個の炭素原子を含み、2個のイソシアネート反応性末端基を有してもよい。
適切な脂肪族イソシアネートの非限定的な例としては、直鎖イソシアネート、例えば、エチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビス(イソシアナトエチル)−カーボネート、ビス(イソシアナトエチル)エーテルが挙げられる。
適切な脂肪族イソシアネートの他の非限定的な例としては、分枝イソシアネート、例えば、トリメチルヘキサンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、2,2’−ジメチルペンタンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート、2,4,4,−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,8−ジイソシアナト−4−(イソシアナトメチル)オクタン、2,5,7−トリメチル−1,8−ジイソシアナト−5−(イソシアナトメチル)オクタン、2−イソシアナトプロピル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート、リジンジイソシアネートメチルエステル、リジントリイソシアネートメチルエステルが挙げられる。
適切な脂環式イソシアネートの非限定的な例としては、イソプロピリデン基または1〜3個の炭素原子を有するアルキレン基で架橋した複核化合物が挙げられる。適切な脂環式イソシアネートの非限定的な例としては、1,1’−メチレン−ビス−(4−イソシアナトシクロヘキサン)または4,4’−メチレン−ビス−(シクロヘキシルイソシアネート)(例えば、ピッツバーグ、ペンシルバニアのBayer Corp.から市販されているDESMODUR W)、4,4’−イソプロピリデン−ビス−(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4−シクロヘキシルジイソシアネート(CHDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ニュータウンスクエア、ペンシルバニアのArco Chemical Co.から市販されている3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(分枝イソシアネート、イソホロンジイソシアネートまたはIPDIとしても知られる)、メタ−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(分枝イソシアネート、1,3−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)−ベンゼンとしても知られ、ウエストパターソン、ニュージャージのCytec Industries Inc.から商品名TMXDI(登録商標)(Meta)脂肪族イソシアネートで市販されている)、およびこれらの混合物が挙げられる。
他の有用な複核脂環式ジイソシアネートは、1〜3個の炭素原子を有するアルキレン基を経て形成されるものを含み、イソシアネート基の反応性をなくしてしまうような位置でなければ、ヒドロキシル基(または活性水素)と反応性ではないニトロ基、塩素基、アルキル基、アルコキシ基および他の基で置換されていてもよい。さらに、水素化芳香族ジイソシアネート(例えば、水素化トルエンジイソシアネート)を用いてもよい。環の1つが飽和であり、他方が不飽和であり、芳香族ジイソシアネートを部分的に水素化することによって調製される複核ジイソシアネート、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルイソプロピリデンジイソシアネート、ジフェニレンジイソシアネートを用いてもよい。
脂環式ジイソシアネートと、脂肪族ジイソシアネートおよび/または芳香族ジイソシアネートとの混合物を用いてもよい。一例は、4,4’−メチレン−ビス−(シクロヘキシルイソシアネート)と、トルエンジイソシアネートまたはメタ−フェニレンジイソシアネートの商業的な異性体混合物との混合物である。
上述のジイソシアネートに対応するチオイソシアネートを用いてもよく、同様に、イソシアネート基とチオイソシアネート基とを両方とも含む混合化合物を用いてもよい。
適切なイソシアネートの非限定的な例としては、限定されないが、DESMODUR W、DESMODUR N 3300(ヘキサメチレンジイソシアネートトリマー)、DESMODUR N 3400(60%ヘキサメチレンジイソシアネートダイマーおよび40%ヘキサメチレンジイソシアネートトリマー)を挙げることができ、これらは、Bayer Corp.から市販されている。
いくつかの非限定的な実施形態では、イソシアネートとしては、1,1’−メチレン−ビス−(4−イソシアナトシクロヘキサン)(4,4’−メチレン−ビス−(シクロヘキシルイソシアネート)としても知られる)およびこれらの異性体混合物を挙げることができる。本明細書で使用される場合、用語「異性体混合物」は、イソシアネートのcis−cis異性体、trans−trans異性体、cis−trans異性体の混合物を指す。本発明で用いるのに適した異性体混合物の非限定的な例としては、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)のtrans−trans異性体(以下、「PICM」(パライソシアナトシクロヘキシルメタン)と称する)、PICMのcis−trans異性体、PICMのcis−cis異性体、およびこれらの混合物が挙げられる。本発明で使用するのに適した4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(1,1’−メチレンビス(4−イソシアナトシクロヘキサンとしても知られる)の3種類の異性体を以下に示す。
いくつかの非限定的な実施形態では、本発明で使用されるPICMは、米国特許第2,644,007号および第2,680,127号(本明細書で参考として組み込まれる)で開示されている手順のような、当該技術分野でよく知られた手順によって、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)(PACM)をホスゲン化することによって調製することができる。PACM異性体混合物は、ホスゲン化すると、室温で液体相、部分的に液体の相、または固体相のPICMを製造することができる。PACM異性体混合物は、メチレンジアニリンを水素化することによって、ならびに/または水およびアルコール(例えば、メタノールおよびエタノール)存在下、PACM異性体混合物を分別晶出することによって得ることができる。
いくつかの非限定的な実施形態では、異性体混合物は、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(PICM)のtrans,trans異性体を約10〜約100重量%、または約30〜約100重量%、または約50〜約100重量%、または約75〜約100重量%を含んでいてもよい。他の非限定的な実施形態では、脂環式イソシアネートは、1,1’−メチレン−ビス−(4−イソシアナトシクロヘキサン)(4,4’−メチレン−ビス−(シクロヘキシルイソシアネート)として知られる)のtrans,trans異性体から本質的になっていてもよく、例えば、少なくとも約80重量%の1,1’−メチレン−ビス−(4−イソシアナトシクロヘキサン)のtrans,trans異性体、または少なくとも約90重量%の1,1’−メチレン−ビス−(4−イソシアナトシクロヘキサン)のtrans,trans異性体、少なくとも約95重量%の1,1’−メチレン−ビス−(4−イソシアナトシクロヘキサン)のtrans,trans異性体から本質的になっていてもよく、他の非限定的な実施形態では、約100重量%の1,1’−メチレン−ビス−(4−イソシアナトシクロヘキサン)のtrans,trans異性体からなる。
本発明で使用するのに適したポリイソシアネートの非限定的な例としては、ウレタン結合(−NH−C(O)−O−)、チオウレタン結合(−NH−C(O)−S−)、チオカルバメート結合(−NH−C(S)−O−)、ジチオウレタン結合(−NH−C(S)−S−)、ポリアミド結合、およびそれらの組み合わせのような骨格結合を有するポリイソシアネートおよびポリイソチオシアネートが挙げられる。
適切なポリイソシアネートの他の非限定的な例としては、エチレン系不飽和ポリイソシアネートおよびポリイソチオシアネート;脂環式ポリイソシアネートおよびポリイソチオシアネート;イソシアネート基が、芳香族環に直接結合していない芳香族ポリイソシアネートおよびポリイソチオシアネート、例えば、α,α’−キシリレンジイソシアネート;イソシアネート基が、芳香族環に直接結合している芳香族ポリイソシアネートおよびポリイソチオシアネート、例えば、ベンゼンジイソシアネート;スルフィド結合を含む脂肪族ポリイソシアネートおよびポリイソチオシアネート;スルフィド結合またはジスルフィド結合を含む芳香族ポリイソシアネートおよびポリイソチオシアネート;スルホン結合を含む芳香族ポリイソシアネートおよびポリイソチオシアネート;スルホン酸エステル型ポリイソシアネートおよびポリイソチオシアネート、例えば、4−メチル−3−イソシアナトベンゼンスルホニル−4’−イソシアナト−フェノールエステル;芳香族スルホン酸アミド型ポリイソシアネートおよびポリイソチオシアネート;硫黄を含有するヘテロ環ポリイソシアネートおよびポリイソチオシアネート、例えば、チオフェン−2,5−ジイソシアネート;ハロゲン化された、アルキル化された、アルコキシル化された、硝酸化された、カルボジイミド修飾された、尿素修飾された、ビウレット修飾されたイソシアネート誘導体;イソシアネートの二量化生成物および三量化生成物が挙げられる。
適切なエチレン系不飽和ポリイソシアネートの非限定的な例としては、ブテンジイソシアネートおよび1,3−ブタジエン−1,4−ジイソシアネートが挙げられる。適切な脂環式ポリイソシアネートの非限定的な例としては、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート,メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ビス(イソシアナトシクロヘキシル)メタン、ビス(イソシアナトシクロヘキシル)−2,2−プロパン、ビス(イソシアナトシクロヘキシル)−1,2−エタン、2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−5−イソシアナトメチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−6−イソシアナトメチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−5−イソシアナトメチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−6−イソシアナトメチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−6−(2−イソシアナトエチル)−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−5−(2−イソシアナトエチル)−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−6−(2−イソシアナトエチル)−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタンが挙げられる。
イソシアネート基が芳香族環に直接結合していない、適切な芳香族ポリイソシアネートの非限定的な例としては、α,α’−キシレンジイソシアネート、ビス(イソシアナトエチル)ベンゼン、α,α,α’,α’−テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,3−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトブチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトメチル)ナフタレン、ビス(イソシアナトメチル)ジフェニルエーテル、ビス(イソシアナトエチル)フタレート、メシチレントリイソシアネート、2,5−ジ(イソシアナトメチル)フランが挙げられる。
芳香族環に直接結合したイソシアネート基を有する、適切な芳香族ポリイソシアネートの非限定的な例としては、フェニレンジイソシアネート、エチルフェニレンジイソシアネート、イソプロピルフェニレンジイソシアネート、ジメチルフェニレンジイソシアネート、ジエチルフェニレンジイソシアネート、ジイソプロピルフェニレンジイソシアネート、トリメチルベンゼントリイソシアネート、ベンゼンジイソシアネート、ベンゼントリイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート,メチルナフタレンジイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート、オルト−トルイジンジイソシアネート、オルト−トリリジンジイソシアネート、オルト−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ビス(3−メチル−4−イソシアナトフェニル)メタン、ビス(イソシアナトフェニル)エチレン、3,3’−ジメトキシ−ビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリマー4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレントリイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4,4’−トリイソシアネート、4−メチルジフェニルメタン−3,5,2’,4’,6’−ペンタイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、ビス(イソシアナトフェニルエーテル)エチレングリコール、ビス(イソシアナトフェニルエーテル)−1,3−プロピレングリコール、ベンゾフェノンジイソシアネート、カルバゾールジイソシアネート、エチルカルバゾールジイソシアネート、ジクロロカルバゾールジイソシアネートが挙げられる。
いくつかの非限定的な実施形態では、以下の一般式(I)の硫黄を含有するイソシアネートを用いてもよく、
式中、R
10およびR
11は、それぞれ独立して、C
1〜C
3アルキルである。
スルフィド結合を含有する適切な脂肪族ポリイソシアネートの非限定的な例としては、チオジエチルジイソシアネート、チオジプロピルジイソシアネート、ジチオジヘキシルジイソシアネート、ジメチルスルホンジイソシアネート、ジチオジメチルジイソシアネート、ジチオジエチルジイソシアネート、ジチオジプロピルジイソシアネート、ジシクロヘキシルスルフィド−4,4’−ジイソシアネートが挙げられる。スルフィド結合またはジスルフィド結合を含有する芳香族ポリイソシアネートの非限定的な例としては、限定されないが、ジフェニルスルフィド−2,4’−ジイソシアネート、ジフェニルスルフィド−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジイソシアナトジベンジルチオエーテル、ビス(4−イソシアナトメチルベンゼン)−スルフィド、ジフェニルジスルフィド−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジメチルジフェニルジスルフィド−5,5’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルジスルフィド−5,5’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルジスルフィド−6,6’−ジイソシアネート、4,4’−ジメチルジフェニルジスルフィド−5,5’−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシジフェニルジスルフィド−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジメトキシジフェニルジスルフィド−3,3’−ジイソシアネートが挙げられる。
スルホン結合を含む適切な芳香族ポリイソシアネートの非限定的な例としては、ジフェニルスルホン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルスルホン−3,3’−ジイソシアネート、ベンジジンスルホン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタンスルホン−4,4’−ジイソシアネート、4−メチルジフェニルメタンスルホン−2,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジメトキシジフェニルスルホン−3,3’−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジイソシアナトジベンジルスルホン、4,4’−ジメチルジフェニルスルホン−3,3’−ジイソシアネート、4,4’−ジ−tert−ブチル−ジフェニルスルホン−3,3’−ジイソシアネート、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン−3,3’−ジイソシアネートが挙げられる。
芳香族スルホン酸アミド型ポリイソシアネートの非限定的な例としては、4−メチル−3−イソシアナト−ベンゼン−スルホニルアニリド−3’−メチル−4’−イソシアネート、ジベンゼンスルホニル−エチレンジアミン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−メトキシベンゼンスルホニル−エチレンジアミン−3,3’−ジイソシアネート、4−メチル−3−イソシアナト−ベンゼン−スルホニルアニリド−4−エチル−3’−イソシアネートが挙げられる。
適切なイソチオシアネートの非限定的な例としては、シクロヘキサンジイソチオシアネート;イソチオシアネート基が芳香族環に直接結合していない芳香族イソチオシアネート;イソチオシアネート基が芳香族環に直接結合している芳香族イソチオシアネート;ヘテロ環イソチオシアネート;カルボニルポリイソチオシアネート;スルフィド結合を含む脂肪族ポリイソチオシアネート;およびこれらの混合物が挙げられる。
適切なイソチオシアネートの他の非限定的な例としては、イソチオシアネート基が芳香族環に直接結合している芳香族ポリイソチオシアネート、例えば、フェニレンジイソチオシアネート;ヘテロ環ポリイソチオシアネート、例えば、2,4,6−トリイソチオシアナト−1,3,5−トリアジン、チオフェン−2,5−ジイソチオシアネート;カルボニルポリイソチオシアネート;スルフィド結合を含む脂肪族ポリイソチオシアネート、例えば、チオビス(3−イソチオシアネートプロパン);イソチオシアネート基の硫黄原子に加え、硫黄原子を含む芳香族ポリイソチオシアネート;これらのポリイソチオシアネートのハロゲン化された、アルキル化された、アルコキシル化された、硝酸化された、カルボジイミド修飾された、尿素修飾された、ビウレット修飾された誘導体;これらのイソシアネートの二量化生成物および三量化生成物が挙げられる。
適切な脂肪族ポリイソチオシアネートの非限定的な例としては、1,2−ジイソチオシアネートエタン、1,3−ジイソチオシアネートプロパン、1,4−ジイソチオシアネートブタン、1,6−ジイソチオシアナトヘキサンが挙げられる。芳香族環に直接結合したイソチオシアネート基を有する芳香族ポリイソチオシアネートの非限定的な例としては、1,2−ジイソチオシアネートベンゼン、1,3−ジイソチオシアナトベンゼン、1,4−ジイソチオシアナトベンゼン、2,4−ジイソチオシアナトトルエン、2,5−ジイソチオシアナト−m−キシレン、4,4’−ジイソチオシアナト−1,1’−ビフェニル、1,1’−メチレンビス(4−イソチオシアナトベンゼン)、1,1’−メチレンビス(4−イソチオシアナト−2−メチルベンゼン)、1,1’−メチレンビス(4−イソチオシアネート−3−メチルベンゼン)、1,1’−(1,2−エタン−ジイル)ビス(4−イソチオシアナトベンゼン)、4,4’−ジイソチオシアナトベンゾフェネノン、4,4’−ジイソチオシアナト−3,3’−ジメチルベンゾフェノン、ベンズアニリド−3,4’−ジイソチオシアネート、ジフェニルエーテル−4,4’−ジイソチオシアネート、ジフェニルアミン−4,4’−ジイソチオシアネートが挙げられる。
適切なカルボニルイソチオシアネートの非限定的な例としては、ヘキサン−ジオイルジイソチオシアネート、ノナンジオイルジイソチオシアネート、炭酸ジイソチオシアネート、1,3−ベンゼンジカルボニルジイソチオシアネート、1,4−ベンゼンジカルボニルジイソチオシアネート、(2,2’−ビピリジン)−4,4’−ジカルボニルジイソチオシアネートが挙げられる。イソチオシアネート基の硫黄原子に加え、硫黄原子を含む適切な芳香族ポリイソチオシアネートの非限定的な例としては、1−イソチオシアナト−4−[(2−イソチオシアナト)スルホニル]ベンゼン、チオビス(4−イソチオシアナトベンゼン)、スルホニルビス(4−イソチオシアナトベンゼン)、スルフィニルビス(4−イソチオシアナトベンゼン)、ジチオビス(4−イソチオシアナトベンゼン)、4−イソチオシアナト−1−[(4−イソチオシアナトフェニル)−スルホニル]−2−メトキシベンゼン、4−メチル−3−イソチオシアナトベンゼン−スルホニル−4’−イソチオシアネートフェニルエステル、4−メチル−3−イソチオシアナトベンゼン−スルホニルアニリド−3’−メチル−4’−イソチオシアネートが挙げられる。
イソシアネート基およびイソチオシアネート基を有するイソシアネートの他の非限定的な例としては、脂肪族基、脂環式基、芳香族基またはヘテロ環基を有し、場合により、イソチオシアネート基の硫黄原子に加え、硫黄原子を含む物質が挙げられる。このような物質の非限定的な例としては、1−イソシアナト−3−イソチオシアナトプロパン、1−イソシアナト−5−イソチオシアナトペンタン、1−イソシアナト−6−イソチオシアナトヘキサン、イソシアナトカルボニルイソチオシアネート、1−イソシアナト−4−イソチオシアナトシクロヘキサン、1−イソシアナト−4−イソチオシアナトベンゼン、4−メチル−3−イソシアナト−1−イソチオシアナトベンゼン、2−イソシアナト−4,6−ジイソチオシアナト−1,3,5−トリアジン、4−イソシアナト−4’−イソチオシアナト−ジフェニルスルフィド、2−イソシアナト−2’−イソチオシアナトジエチルジスルフィドが挙げられる。
いくつかの非限定的な実施形態では、イソシアネートは、少なくとも1つのトリイソシアネートまたは少なくとも1つのポリイソシアネートトリマーを含む。このようなイソシアネートの非限定的な例としては、芳香族トリイソシアネート、例えば、トリス(4−iso−シアナトフェニル)メタン(DESMODUR R)、1,3,5−トリス(3−イソシアナト−4−メチルフェニル)−2,3,6−トリオキソヘキサヒドロ−1,3,5トリアジン(DESMODUR IL);芳香族ジイソシアネートの付加物、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI、2,4−ジイソシアナトトルエン)およびトリメチロールプロパンの付加物(DESMODUR L);脂肪族トリイソシアネートから、例えば、N−イソシアナトヘキシルアミノカルボニル−N,N’−ビス(イソシアナトヘキシル)尿素(DESMODUR N)、2,4,6−トリオキソ−1,3,5−トリス(6−イソシアナトヘキシル)ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン(DESMODUR N3390)、2,4,6−トリオキソ−1,3,5−トリス(5−イソシアナト−1,3,3−トリメチルシクロ−ヘキシルメチル)ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン(DESMODUR Z4370)、4−(イソシアナトメチル)−1,8−オクタンジイソシアネートが挙げられる。上述のDESMODUR生成物は、Bayer Corpから市販されている。さらに、有用なのは、ヘキサンジイソシアネートのビウレット、ポリマーメタンジイソシアネート、ポリマーイソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートおよびテトラメチルキシリレンジイソシアネートのトリマーである。
いくつかの非限定的な実施形態では、ポリウレタンポリオールプレポリマーを前駆体として製造するために用いられるポリイソシアネートは、脂環式化合物であり、例えば、イソプロピリデン基または1〜3個の炭素原子を有するアルキレン基で架橋した複核化合物である。
また、グループAのポリウレタンを調製するための反応成分は、4〜18個の炭素原子と、少なくとも3個のヒドロキシル基とを有する、約0.1〜約0.9当量の少なくとも1つの分枝ポリオール含む。上述のように、分枝ポリオールは、衝撃を受けたときに、分子が移動または回転する空間を与えるように、ポリマーマトリックス内の自由体積を増やす場合がある。
本明細書で使用される場合、用語「ポリオール」は、少なくとも2個のヒドロキシル基を含む化合物、モノマー、オリゴマー、ポリマー(例えば、ジオール)、または少なくとも3個のヒドロキシル基を含む化合物、モノマー、オリゴマー、ポリマー(例えば、トリオール)、これよりもっと多価の官能化ポリオールおよびこれらの混合物を含む。適切なポリオールは、反応性基(例えば、イソシアネート官能基)と共有結合を形成することができる。
適切なポリオールの非限定的な例としては、脂肪族、脂環式、芳香族、ヘテロ環、オリゴマー、ポリマーポリオール、およびこれらの混合物が挙げられる。ある実施形態では、例えば、日光にさらされる透明物または窓の場合、脂肪族または脂環式のポリオールを用いてもよい。
グループAについて上に記載したポリオール中の炭素原子の数は、4〜18、または4〜12、または4〜10、または4〜8、または4〜6個の炭素原子の範囲であってもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、ポリオール中の1個以上の炭素原子が、1個以上のヘテロ原子(例えば、N、S、またはO)と置き換わっていてもよい。
上述のように、グループAのポリウレタンを調製するための反応生成物として有用な分枝ポリオールは、4〜18個の炭素原子と、少なくとも3個のヒドロキシル基とを有する。分枝ポリオールとして用いるのに適した三官能性、四官能性、またはもっと多官能性のポリオールの非限定的な例としては、分枝鎖アルカンポリオール、例えば、グリセロールまたはグリセリン、テトラメチロールメタン、トリメチロールエタン(例えば、1,1,1−トリメチロールエタン)、トリメチロールプロパン(TMP)(例えば、1,1,1−トリメチロールプロパン)、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ソルビタン、これらのアルコキシル化誘導体(以下に記載)、およびこれらの混合物が挙げられる。
いくつかの非限定的な実施形態では、ポリオールは、シクロアルカンポリオール、例えば、トリメチレンビス(1,3,5−シクロヘキサントリオール)であってもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、ポリオールは、芳香族ポリオール、例えば、トリメチレンビス(1,3,5−ベンゼントリオール)であってもよい。
適切なポリオールのさらなる非限定的な例としては、アルコキシル化され得る、例えば、エトキシ化、プロポキシル化、ブトキシル化され得る前述のポリオールが挙げられる。代替的で非限定的な実施形態では、以下のポリオールが、1〜10個のアルコキシ基でアルコキシル化されていてもよい:グリセロール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ベンゼントリオール、シクロヘキサントリオール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール。代替的で非限定的な実施形態では、アルコキシル化、エトキシ化、プロポキシル化されたポリオール、およびこれらの混合物を、単独で用いてもよく、少なくとも3個のヒドロキシル基を有するアルコキシル化、エトキシ化、プロポキシル化されていないポリオール、およびこれらの混合物と組み合わせて用いてもよい。アルコキシ基の数は、1〜10、または2〜8、または1〜10の任意の有理数であってもよい。非限定的な実施形態では、アルコキシ基は、エトキシであってもよく、エトキシ基の数は、1〜5単位であってもよい。別の非限定的な実施形態では、ポリオールは、2個までのエトキシ基を有するトリメチロールプロパンであってもよい。適切なアルコキシル化ポリオールの非限定的な例としては、エトキシ化トリメチロールプロパン、プロポキシル化トリメチロールプロパン、エトキシ化トリメチロールエタン、およびこれらの混合物が挙げられる。
上述の任意のポリオールの混合物を用いてもよい。
ある実施形態では、本発明のポリウレタンは、熱可塑性物質であってもよく、例えば、架橋あたりの分子量が少なくとも約6000g/モルであるポリウレタンが挙げられる。
いくつかの非限定的な実施形態では、4〜18個の炭素原子を有する分枝ポリオールは、数平均分子量が約100〜約500グラム/モルであってもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、ポリオールは、数平均分子量が約450グラム/モル未満であってもよい。他の非限定的な実施形態では、ポリオールは、数平均分子量が約200グラム/モル未満であってもよい。
また、グループAのポリウレタンを調製するための反応成分は、2〜18個の炭素原子、または約2〜約14個の炭素原子、または2〜10個の炭素原子、または2〜6個の炭素原子を有する約0.1〜約0.9当量の少なくとも1つのジオールを含む。いくつかの非限定的な実施形態では、ジオール中の1個以上の炭素原子が、1個以上のヘテロ原子(例えば、N、S、またはO)と置き換わっていてもよい。
適切なジオールの非限定的な例としては、直鎖アルカンジオール、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−エタンジオール、プロパンジオール、例えば、1,2−プロパンジオールおよび1,3−プロパンジオール、ブタンジオール、例えば、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオールおよび1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、例えば、1,5−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオールおよび2,4−ペンタンジオール、ヘキサンジオール、例えば、1,6−ヘキサンジオールおよび2,5−ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、例えば、2,4−ヘプタンジオール、オクタンジオール、例えば、1,8−オクタンジオール、ノナンジオール、例えば、1,9−ノナンジオール、デカンジオール、例えば、1,10−デカンジオール、ドデカンジオール、例えば、1,12−ドデカンジオール、オクタデカンジオール、例えば、1,18−オクタデカンジオール、ソルビトール、マンニトール、およびこれらの混合物が挙げられる。いくつかの非限定的な実施形態では、ジオールは、プロパンジオール、例えば、1,2−プロパンジオールおよび1,3−プロパンジオール、またはブタンジオール、例えば、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオールである。いくつかの非限定的な実施形態では、ポリオール中の1個以上の炭素原子が、1個以上のヘテロ原子(例えば、N、S、またはO)と置き換わっていてもよく、例えば、スルホン酸化ポリオール、例えば、ジチオ−オクタンビスジオール、チオジエタノール、例えば、2,2−チオジエタノール、または3,6−ジチア−1,2−オクタンジオールであってもよい。
適切なジオールの他の非限定的な例としては、以下の式によってあらわされるものが挙げられ、
式中、Rは、C
0〜C
18の二価の直鎖または分枝脂肪族、脂環式、芳香族、ヘテロ環、またはオリゴマー飽和アルキレン基またはこれらの混合物;炭素原子および水素原子に加え、硫黄、酸素、ケイ素からなる群から選択される少なくとも1つの元素を含むC
2〜C
18の二価の有機基;C
5〜C
18の二価の飽和シクロアルキレン基;またはC
5〜C
18の二価の飽和ヘテロシクロアルキレン基をあらわし;R’およびR”は、存在してもよく、存在していなくてもよく、存在する場合、それぞれ独立して、C
1〜C
18の二価の直鎖または分枝脂肪族、脂環式、芳香族、ヘテロ環、ポリマー、またはオリゴマーの飽和アルキレン基またはこれらの混合物をあらわしてもよい。
適切なジオールの他の非限定的な例としては、分枝鎖アルカンジオール、例えば、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−ブタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、ジブチル1,3−プロパンジオール、ポリアルキレングリコール、例えば、ポリエチレングリコール、およびこれらの混合物が挙げられる。
いくつかの非限定的な実施形態では、ジオールは、シクロアルカンジオール、例えば、シクロペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、シクロドデカンジオール、4,4’−イソプロピリデン−ビスシクロヘキサノール、ヒドロキシプロピルシクロヘキサノール、シクロヘキサンジエタノール、1,2−ビス(ヒドロキシメチル)−シクロヘキサン、1,2−ビス(ヒドロキシエチル)−シクロヘキサン、4,4’−イソプロピリデン−ビスシクロヘキサノール、ビス(4−ヒドロキシシクロヘキサノール)メタン、およびこれらの混合物であってもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、ジオールは、芳香族ジオール、例えば、ジヒドロキシベンゼン、1,4−ベンゼンジメタノール、キシレングリコール、ヒドロキシベンジルアルコールおよびジヒドロキシトルエン;ビスフェノール、例えば、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、4,4’−オキシビスフェノール、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−チオビスフェノール、フェノールフタレイン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、4,4’−(1,2−エテンジイル)ビスフェノールおよび4,4’−スルホニルビスフェノール;ハロゲン化ビスフェノール、例えば、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジブロモフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジクロロフェノール)および4,4’−イソプロピリデンビス(2,3,5,6−テトラクロロフェノール);アルコキシル化ビスフェノール、例えば、エトキシ、プロポキシ、α−ブトキシおよびβ−ブトキシ基を有していてもよい;ビスシクロヘキサノール(対応するビスフェノール、例えば、4,4’−イソプロピリデン−ビスシクロヘキサノール、4,4’−オキシビスシクロヘキサノール、4,4’−チオビスシクロヘキサノールおよびビス(4−ヒドロキシシクロヘキサノール)メタンを水素化することによって調製してもよい)、1モルの2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(すなわち、ビスフェノール−A)と、2モルのプロピレンオキシド、ヒドロキシアルキルテレフタレート(例えば、メタまたはパラのビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート)、ビス(ヒドロキシエチル)ヒドロキノンとのアルコキシル化生成物、およびこれらの混合物であってもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、ジオールは、ヘテロ環ジオール、例えば、ジヒドロキシピペリジン、例えば、1,4−ビス(ヒドロキシエチル)ピペラジンであってもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、ジオールは、アミドまたはアルカンアミド(例えば、エタンジアミド(オキサミド))のジオール、例えば、N,N’,ビス(2−ヒドロキシエチル)オキサミドであってもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、ジオールは、プロピオネートのジオール、例えば、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネートであってもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、ジオールは、ヒダントインのジオール、例えば、ビスヒドロキシプロピルヒダントインであってもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、ジオールは、フタレートのジオール、例えば、メタまたはパラのビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートであってもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、ジオールは、ヒドロキノンのジオール、例えば、ジヒドロキシエチルヒドロキノンであってもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、ジオールは、イソシアヌレートにジオール、例えば、ジヒドロキシエチルイソシアヌレートであってもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、本発明で使用するジオールは、SHを含有する物質、例えば、少なくとも3個のチオール基と、4〜18個の炭素原子とを有するポリチオールであってもよい。適切なポリチオールの非限定的な例としては、限定されないが、脂肪族ポリチオール、脂環式ポリチオール、芳香族ポリチオール、ヘテロ環ポリチオール、ポリマーポリチオール、オリゴマーポリチオール、およびこれらの混合物が挙げられる。硫黄を含有し、活性水素を含有する物質は、限定されないが、エーテル結合(−O−)、スルフィド結合(−S−)、ポリスルフィド結合(−Sx−、xは、少なくとも2、または2〜4である)、およびこれらの結合の組み合わせを含む結合を有していてもよい。本明細書で使用される場合、用語「チオール」、「チオール基」、「メルカプト」または「メルカプト基」は、イソシアネート基とチオウレタン結合(すなわち、−NH−C(O)−S−)を形成することができるか、またはイソチオシアネート基とジチオウレタン結合(すなわち、−NH−C(S)−S−)を形成することができる−SH基を指す。
いくつかの非限定的な実施形態では、ポリウレタンの成分は、本質的に、SHを含有する物質を含まず、すなわち、約5重量%未満のSHを含有する物質を含み、他の非限定的な実施形態では、この成分は、約2重量%未満のSHを含有する物質を含み、他の非限定的な実施形態では、SHを含有する物質を含まない。
いくつかの非限定的な実施形態では、4〜18個の炭素原子を有するジオールは、数平均分子量が約200〜約10,000グラム/モル、または約500グラム/モル未満、または約200グラム/モル未満であってもよい。
上述のいずれかのジオールの混合物を用いてもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、グループAのポリウレタンを調製するための反応成分は、1個以上の非分枝トリオールおよび/または1個以上の非分枝でさらに多官能性のポリオールをさらに含んでいてもよい。
適切な非分枝トリオールおよび非分枝でさらに多官能性のポリオールの非限定的な例としては、脂肪族、脂環式、芳香族、ヘテロ環、オリゴマー、ポリマーのポリオール、およびこれらの混合物が挙げられる。
いくつかの非限定的な実施形態では、ポリオールは、シクロアルカンポリオール、例えば、シクロヘキサントリオール(例えば、1,3,5−シクロヘキサントリオール)であってもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、ポリオールは、芳香族ポリオール、例えば、ベンゼントリオール(例えば、1,2,3−ベンゼントリオール、1,2,4−ベンゼントリオール、1,3,5−ベンゼントリオール)、フェノールフタレインであってもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、ポリオールは、イソシアヌレートのポリオール、例えば、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレートであってもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、グループAのポリウレタンを調製するための反応成分は、18個より多い炭素原子を有する、1個以上の分枝ポリオールまたは非分枝ポリオール(ジオール、トリオール、および/またはより多官能化したポリオール)をさらに含んでいてもよい。
18個より多い炭素原子を有する適切なポリオールの非限定的な例としては、直鎖または分枝鎖の脂肪族ポリオール、脂環式ポリオール、脂環式ポリオール、芳香族ポリオール、ヘテロ環ポリオール、オリゴマーポリオール、ポリマーポリオール、およびこれらの混合物が挙げられる。
18個より多い炭素原子を有する、適切な直鎖または分枝鎖の脂肪族ポリオールの非限定的な例としては、1,18−イコサンジオール、1,24−テトラコサンジオールが挙げられる。
18個より多い炭素原子を有する適切なポリオールの他の非限定的な例としては、以下の式によってあらわされるものが挙げられ、
式中、Rは、C
0〜C
30の二価の直鎖または分枝脂肪族、脂環式、芳香族、ヘテロ環、またはオリゴマーの飽和アルキレン基、またはこれらの混合物;炭素原子および水素原子に加え、硫黄、酸素、ケイ素からなる群から選択される少なくとも1つの元素を含むC
2〜C
30の二価の有機基;C
5〜C
30の二価の飽和シクロアルキレン基;あるいはC
5〜C
30の二価の飽和ヘテロシクロアルキレン基をあらわし;R’およびR”は、存在してもよく、存在していなくてもよく、存在する場合、それぞれ独立して、C
1〜C
30の二価の直鎖または分枝脂肪族、脂環式、芳香族、ヘテロ環、ポリマー、またはオリゴマーの飽和アルキレン基またはこれらの混合物をあらわしてもよい。
18個より多い炭素原子を有する適切な脂環式ポリオールの非限定的な例としては、18個より多い炭素原子を有するビスシクロヘキサノールが挙げられ、これは、対応するビスフェノールを水素化することによって調製することができる。
18個より多い炭素原子を有する適切な芳香族ポリオールの非限定的な例としては、ビスフェノール、アルコキシル化ビスフェノール、例えば、3〜70個のアルコキシ基を有していてもよいアルコキシル化4,4’−イソプロピリデンジフェノールが挙げられる。
18個より多い炭素原子を有する適切なオリゴマーまたはポリマーのポリオールの他の非限定的な例としては、より高級なポリアルキレングリコール、例えば、数平均分子量が約200グラム/モル〜約2,000グラム/モルの範囲のポリエチレングリコール、およびこれらの混合物が挙げられる。
いくつかの非限定的な実施形態では、本発明で使用するポリオールは、SHを含有する物質、例えば、少なくとも2個のチオール基、または少なくとも3個のチオール基と、少なくとも18個の炭素原子とを有するポリチオールであってもよい。適切なポリチオールの非限定的な例としては、限定されないが、脂肪族ポリチオール、脂環式ポリチオール、芳香族ポリチオール、ヘテロ環ポリチオール、ポリマーポリチオール、オリゴマーポリチオール、およびこれらの混合物が挙げられる。硫黄を含有し、活性水素を含有する物質は、限定されないが、エーテル結合(−O−)、スルフィド結合(−S−)、ポリスルフィド結合(−Sx−、xは、少なくとも2、または2〜4)、およびこれらの結合の組み合わせを含む結合を有していてもよい。本明細書で使用される場合、用語「チオール」、「チオール基」、「メルカプト」または「メルカプト基」は、イソシアネート基とチオウレタン結合(すなわち、−NH−C(O)−S−)を形成することができるか、またはイソチオシアネート基とジチオウレタン結合(すなわち、−NH−C(S)−S−)を形成することができる−SH基を指す。
いくつかの非限定的な実施形態では、ポリウレタンの成分は、本質的にSHを含有する物質を含まず、例えば、約5重量%未満のSHを含有する物質を含み、他の非限定的な実施形態では、この成分は、約2重量%未満のSHを含有する物質を含み、他の非限定的な実施形態では、SHを含有する物質を含まない。
いくつかの非限定的な実施形態では、少なくとも18個の炭素原子を有するポリオールは、数平均分子量が、約200〜約5,000グラム/モル、または約200〜約4,000グラム/モル、または少なくとも約200グラム/モル、または少なくとも約400グラム/モル、または少なくとも約1000グラム/モル、または少なくとも約2000グラム/モルであってもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、ポリオールは、数平均分子量が、約5,000グラム/モル未満、または約4,000グラム/モル未満、または約3,000グラム/モル未満、または約2,000グラム/モル未満、または約1,000グラム/モル未満、または約500グラム/モル未満であってもよい。
上述の任意のポリオールの混合物を用いてもよい。例えば、ポリオールは、トリメチロールプロパンを含んでいてもよく、ジオールは、ブタンジオールおよび/またはペンタンジオールを含んでいてもよい。
上述のように、グループAのポリウレタンを形成するために用いられる分枝ポリオールの量は、約0.1〜約0.9当量である。いくつかの非限定的な実施形態では、ポリウレタンを形成するために用いられる分枝ポリオールの量は、約0.3〜約0.9当量である。他の非限定的な実施形態では、ポリウレタンを形成するために用いられる分枝ポリオールの量は、約0.3当量である。
上述のように、グループAのポリウレタンを形成するために用いられるジオールの量は、約0.1〜約0.9当量である。いくつかの非限定的な実施形態では、ポリウレタンを形成するために用いられるジオールの量は、約0.3〜約0.9当量である。他の非限定的な実施形態では、ポリウレタンを形成するために用いられるジオールの量は、約0.3当量である。
グループAのポリウレタンのいくつかの非限定的な実施形態では、反応成分は、4〜18個の炭素原子と、少なくとも3個のヒドロキシル基とを有する、約0.1〜約0.9当量の少なくとも1つの分枝ポリオールと、少なくともポリイソシアネート1当量あたり、2〜18個の炭素原子を有する約0.1〜約0.9当量の少なくとも1つのジオールとを含み、ここで、反応生成物の成分は、本質的に、ポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールを含まず、反応成分は、少なくとも約100℃の温度に少なくとも約10分間維持される。
いくつかの非限定的な実施形態では、ポリウレタンは、以下からなる成分の反応生成物を含む:約1当量の4,4’−メチレン−ビス−(シクロヘキシルイソシアネート);約0.3〜約0.5当量のトリメチロールプロパン;約0.3〜約0.7当量のブタンジオールまたはペンタンジオール、または約0.7当量のブタンジオールまたはペンタンジオール、ここで、反応成分は、少なくとも約100℃の温度に少なくとも約10分間維持される。
別の実施形態では、本発明は、約1当量の4,4’−メチレン−ビス−(シクロヘキシルイソシアネート);約0.3当量のトリメチロールプロパン;約0.7当量の1,10−ドデカンジオールからなる成分の反応生成物を含む、グループAのポリウレタンを提供し、ここで、反応成分は、少なくとも約100℃の温度に少なくとも約10分間維持される。
別の実施形態では、本発明は、約1当量の4,4’−メチレン−ビス−(シクロヘキシルイソシアネート);約0.3当量のトリメチロールプロパン;約0.7当量の1,5−ペンタンジオールからなる成分の反応生成物を含む、グループAのポリウレタンを提供し、ここで、反応成分は、少なくとも約100℃の温度に少なくとも約10分間維持される。
別の実施形態では、本発明は、約1当量の4,4’−メチレン−ビス−(シクロヘキシルイソシアネート);約0.3当量のトリメチロールプロパン;約0.7当量の1,4−ブタンジオールからなる成分の反応生成物を含む、グループAのポリウレタンを提供し、ここで、反応成分は、少なくとも約100℃の温度に少なくとも約10分間維持される。
別の実施形態では、本発明は、約1当量の4,4’−メチレン−ビス−(シクロヘキシルイソシアネート);約0.4当量のトリメチロールプロパン;約0.6当量の1,18−オクタデカンジオールからなる成分の反応生成物を含む、グループAのポリウレタンを提供し、ここで、反応成分は、少なくとも約100℃の温度に少なくとも約10分間維持される。
グループAのポリウレタンは、良好な防弾性(例えば、ハンドガン、ショットガン、ライフル、AK−47、または他の射撃デバイスまたは爆発物から撃たれた弾丸または弾丸のような発射物からの衝撃に起因する穿孔、貫通または亀裂に対する耐性)を示す場合がある。ある実施形態では、0.75インチ(1.9cm)以上の厚みを有するグループAのポリウレタンは、初期速度が1350フィート/秒(411.5m/秒)で20フィートからの9mm、125グレイン銃の弾丸;初期速度が987フィート/秒(300.8m/秒)で20フィート(6.1m)離れた所からの0.40口径の弾丸;および/または、初期速度が1290フィート/秒(393.2m/秒)で20フィート(6.1m)離れた所からの12ゲージショットガンの弾丸を止めるか、またはそらすだろう。
(グループB)
いくつかの非限定的な実施形態では、本発明は、(a)(i)約1当量の少なくとも1つのポリイソシアネートと;(ii)2〜18個の炭素原子を有する、約0.1〜約0.5当量の少なくとも1つのジオールとを含む成分の反応生成物を含むイソシアネート官能性ウレタンプレポリマーと;(b)4〜18個の炭素原子と、少なくとも3個のヒドロキシル基とを有する、約0.05〜約1.0当量の少なくとも1つのポリオールと;(c)2〜18個の炭素原子を有する、約0.45当量までの少なくとも1つのジオールとを含む成分の反応生成物を含むグループBのポリウレタンを提供し、ここで、この反応生成物の成分は、本質的にポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールを含まない。
いくつかの非限定的な実施形態では、本発明は、(a)(i)約1当量の少なくとも1つのポリイソシアネートと;(ii)2〜18個の炭素原子を有する、約0.1〜約0.5当量の少なくとも1つのポリオールとを含む成分の反応生成物を含むイソシアネート官能性ウレタンプレポリマーと;(b)4〜18個の炭素原子と、少なくとも3個のヒドロキシル基とを有する、約0.05〜約1.0当量の少なくとも1つの分枝ポリオールと;(c)分枝ポリオール(b)とは異なり、2〜18個の炭素原子を有する、約0.9当量までの少なくとも1つのポリオールとを含む成分の反応生成物を含むポリウレタンを提供し、ここで、この反応生成物の成分は、本質的にポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールを含まない。
いくつかの非限定的な実施形態では、イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーを形成するための反応生成物は、2〜18個の炭素原子を有する少なくとも1つのポリオールを約0.2〜約0.3当量、または約0.21当量、約0.3当量、約0.35当量、または約0.4当量含んでいてもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーを調製するためのポリイソシアネートと、2〜18個の炭素原子を有するポリオールとの当量比率は、約1:0.3〜約1:0.4、または約1:0.35である。
イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーを調製するために、さらなる成分を用いてもよく、例えば、4〜18個の炭素原子と、少なくとも3個のヒドロキシル基とを有する、少量の少なくとも1つの分枝ポリオール、例えば、約0.05〜約0.3当量の分枝ポリオール、例えば、トリメチロールプロパンを用いてもよい。
上に述べられている「分枝ポリオール(b)とは異なり、2〜18個の炭素原子を有する、少なくとも1つのポリオール」は、これより上または下で記載する2〜18個の炭素原子を有し、4〜18個の炭素原子と、少なくとも3個のヒドロキシル基とを有する分枝ポリオールではない任意のポリオールであってもよい。例えば、分枝ポリオール(b)とは異なるポリオールは、2〜18個の炭素原子を有するポリオール(ii)と同じであってもよく、例えば、ブタンジオールまたはペンタンジオールであってもよい。存在する場合、分枝ポリオール(b)とは異なるポリオールの量は、約0.01〜約0.9当量、または約0.1〜約0.5当量、または約0.1〜約0.3当量、または約0.15当量、または約0.2当量の範囲であってもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、本発明は、(a)(i)約1当量の少なくとも1つのポリイソシアネートと;(ii)約0.3〜約0.4当量のブタンジオールまたはペンタンジオールとを含む成分の反応生成物を含むイソシアネート官能性ウレタンプレポリマーと;(b)約0.3〜約0.6当量のトリメチロールプロパンと;(c)約0.1〜約0.4当量のブタンジオールまたはペンタンジオールを含む成分の反応生成物を含むポリウレタンを提供し、ここで、反応生成物の成分が、ポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールを本質的に含まない。
いくつかの非限定的な実施形態では、本発明は、(a)(i)約1当量の少なくとも1つのポリイソシアネートと;(ii)約0.3〜約0.4当量のブタンジオールまたはペンタンジオールとを含む成分の反応生成物を含むイソシアネート官能性ウレタンプレポリマーと;(b)約0.3〜約0.7当量のトリメチロールプロパンと;(c)約0.4当量までのブタンジオールまたはペンタンジオールを含む成分の反応生成物を含むポリウレタンを提供し、ここで、反応生成物の成分が、ポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールを本質的に含まない。
いくつかの非限定的な実施形態では、ポリウレタンは、以下に詳細に記載するように、ポリエステルポリオールおよび/またはポリエーテルポリオールを本質的に含まなくてもよく、例えば、約0.1当量のポリエステルポリオールまたはポリエーテルポリオールを含んでいてもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、ポリウレタンは、以下に詳細に記載するように、アミン硬化剤を本質的に含まなくてもよい。本明細書で使用される場合、「アミン硬化剤を本質的に含まない」は、この反応生成物の成分が、約10重量%未満のアミン硬化剤、または約5重量%未満のアミン硬化剤、または約2重量%未満のアミン硬化剤を含むか、または他の非限定的な実施形態では、アミン硬化剤を含まないことを意味する。
いくつかの非限定的な実施形態では、ポリウレタンの硬質セグメントの含有量が約10〜約100重量%、または約30〜約70重量%である。いくつかの非限定的な実施形態では、ポリウレタンのウレタンの含有量が約20〜約40重量%、または約30〜約43重量%である。いくつかの非限定的な実施形態では、ポリウレタンの環の含有量が約10〜約80重量%、または約30〜約46重量%である。いくつかの非限定的な実施形態では、ポリウレタンの架橋あたりの分子量が、少なくとも約500グラム/モル、または約1700グラム/モルである。
グループBのポリウレタンを調製するための反応生成物として用いるのに適したポリイソシアネート、ジオール、ポリオールの量および非限定的な例は、グループAに関して上に詳細に記載している。グループBのポリウレタンを調製する方法は、以下に詳細に記載する。いくつかの非限定的な実施形態では、この成分は、少なくとも約100℃、または少なくとも約105℃、または少なくとも約110℃の温度で、少なくとも約10分間、または少なくとも約20分間維持される。
グループBのポリウレタンは、本明細書に記載のいずれかの応用または用途に有用な場合がある。いくつかの非限定的な実施形態では、本発明は、透明物または窓として使用するのに適したポリウレタンを提供する。クリープ抵抗が良好で(またはたわみが低く)、破壊靱性(Kファクター)が大きいグループBのポリウレタンは、飛行機用の窓に有用な場合がある。飛行機用の窓は、典型的には、温度および圧力が極端なために、時間経過に伴ってゆがみまたは変形が起こることがあり、抗力が増すことによってキャビン内の騒音が増し、燃費効率が下がることがある。したがって、クリープ抵抗またはたわみが低いことは、望ましい特性である。いくつかの非限定的な実施形態では、透明物または窓の最大平均たわみは、約0.5インチ(約1.3mm)である。曲げ試験(以下の実施例に記載)は、3,294psig(高度3,500フィートでの業務時の圧力の300倍)で3時間という状態でクリープ現象をシミュレーションするために開発された。飛行機の窓用途のいくつかの非限定的な実施形態では、ヤング率の値は、少なくとも約350,000(約2413MPa)であってもよい。したがって、いくつかの非限定的な実施形態では、本発明は、透明物(例えば、飛行機の窓)として用いるのに適したポリウレタンを提供し、このポリウレタンは、以下の望ましい1つ以上の特性を有していてもよい:良好な耐たわみ性、高い破壊靱性(Kファクター)、従来の飛行機用透明物よりも軽量、良好な耐摩耗性。
良好な光学特性を有する(例えば、筋が少ないか、または目に見える筋がない)物品が望ましいようないくつかの非限定的な実施形態では、イソシアネート官能性材料のプレポリマー成分(例えば、4,4’−メチレン−ビス−(シクロヘキシルイソシアネート)と、2〜18個の炭素原子を有するポリオール(例えば、1,5−ペンタンジオール)との当量比は、約1.0:0.3〜約1.0:0.4、または約1.0:0.35の範囲であってもよい。任意の理論に束縛されることを意図しないが、成形物品に筋が生成することは、プレポリマーの粘度と関連があるだろうと考えられている。プレポリマーの粘度が高いと、剥離剤でコーティングされたガラス型を良好に濡らすことができ、その結果、鋳造用のセルへの流れが、もっと均一に、平滑になり、ウレタンの含有量が高くなり、成分の相溶化が速くなる。物品の筋は、例えば、厚みが約1インチ(2.54cm)の成形物品を形成し、白色コーティングされた板または基材の前に成形物品を保持し、成形物品を光源で照らして筋の存在を目視することによって決定することができる。
(グループC)
いくつかの非限定的な実施形態では、本発明は、ポリイソシアネートトリマーおよび分枝ポリイソシアネートからなる群から選択され、ポリイソシアネートが、少なくとも3個のイソシアネート官能基を有する、少なくとも1つのポリイソシアネートと;4〜18個の炭素原子と、少なくとも2個のヒドロキシル基とを有する、少なくとも1つの脂肪族ポリオールとを含む成分の反応生成物を含むグループCのポリウレタンを提供し、ここで、反応生成物の成分が、ポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールを本質的に含まない。
他の非限定的な実施形態では、本発明は、約1当量の4,4’−メチレン−ビス−(シクロヘキシルイソシアネート)と;約1.1当量のブタンジオールと;約0.1当量のイソホロンジイソシアネートトリマーからなる成分の反応生成物を含むグループCのポリウレタンを提供する。
グループCのポリウレタンを調製するための反応生成物として使用するのに適したポリイソシアネートトリマー、分枝ポリイソシアネートおよび脂肪族ポリオール(限定されないが、直鎖、分枝鎖または脂環式のポリオールを含む)の非限定的な例は、グループAに関して上に詳細に記載している。同様の量のポリイソシアネートトリマーおよび/または分枝ポリイソシアネートを、上のグループAのポリイソシアネートについて記載したように用いてもよい。さらに、ポリイソシアネートトリマーおよび/または分枝ポリイソシアネートと、他の枝分かれしておらず、トリマーでもない上述のポリイソシアネートとの混合物を用い、グループCのポリウレタンを形成してもよい。
グループCのポリウレタンのいくつかの非限定的な実施形態では、反応成分は、少なくとも1つのポリイソシアネート1当量あたり、4〜18個の炭素原子と、少なくとも2個のヒドロキシル基とを有する、約0.1〜約0.9当量の少なくとも1つの分枝ポリオールを含み、他の非限定的な実施形態では、2〜18個の炭素原子を有する、約0.3〜約0.9当量の少なくとも1つの脂肪族ポリオールを含み、ここで、反応生成物の成分が、ポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールを本質的に含まない。
上述のように、グループA、グループB、グループCのいくつかの非限定的な実施形態では、反応生成物成分は、ポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールを本質的に含まない。本明細書で使用される場合、ポリエステルポリオールおよび/またはポリエーテルポリオール「を本質的に含まない」は、この反応生成物の成分が、約10重量%未満のポリエステルポリオールおよび/またはポリエーテルポリオール、または約5重量%未満のポリエステルポリオールおよび/またはポリエーテルポリオール、または約2重量%未満のポリエステルポリオールおよび/またはポリエーテルポリオールを含むか、または、ポリエステルポリオールおよび/またはポリエーテルポリオールを含まないか、または約0.1当量未満のポリエステルポリオールまたはポリエーテルポリオールを含むことを意味する。
これらのポリエステルポリオールの非限定的な例としては、ポリエステルグリコール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、およびこれらの混合物が挙げられる。ポリエステルグリコールとしては、4〜10個の炭素原子を有する1つ以上のジカルボン酸(例えば、限定されないが、アジピン酸、コハク酸またはセバシン酸)と、2〜10個の炭素原子を有する1つ以上の低分子量グリコール(例えば、限定されないが、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール)とのエステル化生成物が挙げられる。ポリエステルポリオールを製造するエステル化手順は、例えば、D.M.Young、F.Hostettlerら、「Polyesters from Lactone」、Union Carbide F−40、p.147に記載されている。
ポリカプロラクトンポリオールの非限定的な例としては、二官能活性水素材料(例えば、水または低分子量グリコール、例えば、エチレングリコールおよびプロピレングリコール)存在下、カプロラクトンを縮合させることによって調製されるものが挙げられる。適切なポリカプロラクトンポリオールの非限定的な例としては、ヒューストン、テキサスのSolvay Chemical製のCAPAシリーズ、例えば、CAPA 2047AおよびCAPA 2077A、ミッドランド、ミシガンのDow Chemical製のTONEシリーズ、例えば、TONE 0201、0210、0230および0241として指定される市販されている材料が挙げられる。いくつかの非限定的な実施形態では、ポリカプロラクトンポリオールは、分子量範囲が約500〜約2000グラム/モル、または約500〜約1000グラム/モルである。
ポリカーボネートポリオールの非限定的な例としては、脂肪族ポリカーボネートジオール、例えば、アルキレングリコール、エーテルグリコール、脂環式グリコールまたはこれらの混合物に基づくものが挙げられる。ある実施形態では、ポリカーボネートポリオールを調製するためのアルキレン基は、5〜10個の炭素原子を含んでいてもよく、直鎖、シクロアルキレンまたはこれらの組み合わせであってもよい。このようなアルキレン基の非限定的な例としては、ヘキシレン、オクチレン、デシレン、シクロヘキシレン、シクロヘキシルジメチレンが挙げられる。適切なポリカーボネートポリオールは、非限定的な例では、末端がヒドロキシのアルキレングリコールと、ジアルキルカーボネート(例えば、メチル、エチル、n−プロピルまたはn−ブチルカーボネート)、またはジアリールカーボネート(例えば、ジフェニルまたはジナフチルカーボネート)とを反応させることによって、または、末端がヒドロキシのアルキレンジオールと、ホスゲンまたはビスクロロホルメートとを当業者には十分に知られている様式によって反応させることによって調製することができる。このようなポリカーボネートポリオールの非限定的な例としては、イタリアのEnichem S.p.A.(Polimeri Europa)からRavecarbTM 107として市販されているもの、ポリヘキシレンカーボネートジオール、数平均分子量約1000、例えば、Stahl製のヘキサンジオールから調製されるKM10−1733ポリカーボネートジオールが挙げられる。他の適切なポリカーボネートポリオールの市販例としては、KM10−1122、KM10−1667(シクロヘキサンジメタノールおよびヘキサンジオールの50/50重量%混合物から調製)(ピーボディ、マサチューセッツのStahl U.S.A.Inc.から市販されている)、DESMOPHEN 2020E(Bayer Corpから市販)が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールは、ジオール(例えば、本明細書に記載されるもの)とジアルキルカーボネート(例えば、米国特許第4,160,853号に記載されるもの)とを反応させることによって製造することができる。ポリカーボネートポリオールとしては、ポリヘキサメチレンカーボネート、例えば、HO−(CH2)6−[O−C(O)−O−(CH2)6]n−OH(nは、4〜24、または4〜10、または5〜7の整数である)を挙げることができる。
ポリエーテルポリオールの非限定的な例としては、ポリ(オキシアルキレン)ポリオールまたはポリアルコキシル化ポリオールが挙げられる。ポリ(オキシアルキレン)ポリオールは、既知の方法にしたがって調製することができる。非限定的な実施形態では、ポリ(オキシアルキレン)ポリオールは、アルキレンオキシド、またはアルキレンオキシドの混合物を、酸触媒または塩基触媒による多価開始剤または多価開始剤の混合物(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、ソルビトール)との付加反応を用いて縮合することによって調製することができる。また、ポリエーテルポリオールに相溶性の混合物を用いてもよい。本明細書で使用される場合、「相溶性」は、2つ以上の物質が、お互いに、本質的に単一な相を形成するほど相互に可溶性であることを意味する。アルキレンオキシドの非限定的な例としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、アミレンオキシド、アラルキレンオキシド、例えば、スチレンオキシド、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの混合物を挙げることができる。いくつかの非限定的な実施形態では、ポリオキシアルキレンポリオールは、アルキレンオキシドの混合物を用いて、ランダムオキシアルキル化または段階を経たオキシアルキル化を用いて調製することができる。このようなポリ(オキシアルキレン)ポリオールの非限定的な例としては、ポリオキシエチレンポリオール(例えば、ポリエチレングリコール)、ポリオキシプロピレンポリオール(例えば、ポリプロピレングリコール)が挙げられる。
他のポリエーテルポリオールとしては、ブロックポリマー、例えば、エチレンオキシド−プロピレンオキシドおよび/またはエチレンオキシド−ブチレンオキシドのブロックを有するものが挙げられる。いくつかの非限定的な実施形態では、ポリエーテルポリオールは、以下の式を有するブロックコポリマーを含み、
HO−(CHR1CHR2−O)a−(CHR3CHR4−O)b−(CHR5CHR6−O)c−H
式中、R1〜R6は、それぞれ独立して、水素またはメチルをあらわしていてもよく;a、b、cは、それぞれ独立して、0〜300の整数から選択されてもよく、ここで、a、b、cは、ポリオールの数平均分子量が、GPCによって決定される場合、約32,000グラム/モル未満、または約10,000グラム/モル未満になるように選択される。他の非限定的な実施形態では、a、b、cは、それぞれ独立して、1〜300の整数であってもよい。他の非限定的な実施形態では、R1、R2、R5、R6は、水素であってもよく、R3およびR4は、それぞれ独立して、水素およびメチルから選択されてもよく、但し、R3およびR4は、互いに異なっている。他の非限定的な実施形態では、R3およびR4は、水素であってもよく、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素およびメチルから選択され、但し、R1およびR2は、互いに異なっており、R5およびR6は、それぞれ独立して、水素およびメチルから選択され、但し、R5およびR6は、互いに異なっている。
いくつかの非限定的な実施形態では、ポリアルコキシル化ポリオールは、以下の一般式によってあらわされてもよく、
式中、mおよびnは、それぞれ、正の整数であってもよく、mとnの合計は、5〜70であり;R
1およびR
2は、それぞれ、水素、メチルまたはエチルであり;Aは、二価の接続基、例えば、1〜8個の炭素原子を含んでいてもよい直鎖または分枝鎖のアルキレン、フェニレン、C
1〜C
9アルキルで置換されたフェニレンである。mおよびnの値は、選択した二価の接続基とあわせて、ポリオールの分子量を決定づけることができる。ポリアルコキシル化ポリオールは、当該技術分野で既知の方法によって調製することができる。非限定的な実施形態では、ポリオール、例えば、4,4’−イソプロピリデンジフェノールは、オキシランを含有する物質(例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシドまたはブチレンオキシド)と反応し、ヒドロキシル官能基を有し、エトキシ化、プロポキシル化、またはブトキシル化されたポリオールと一般的に呼ばれるものを形成してもよい。ポリアルコキシル化ポリオールを調製する際に使用するのに適したポリオールの非限定的な例としては、米国特許第6,187,444 B1号の第10欄第1〜20行(本明細書に参考として組み込まれる)に記載されているポリオールが挙げられる。
いくつかの非限定的な実施形態では、ポリエーテルポリオールは、PLURONICエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー、例えば、PLURONIC RおよびPLURONIC L62D、および/またはエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドベースのTETRONIC四官能ブロックコポリマー、例えば、パーシッパニー、ニュージャージーのTETRONIC R(BASF Corpから市販される)であってもよい。
本明細書で使用される場合、句「ポリエーテルポリオール」は、Lewis酸触媒(例えば、限定されないが、三フッ化ホウ素、塩化スズ(IV)、塩化スルホニル)存在下、テトラヒドロフランの重合によって調製されるポリ(オキシテトラメチレン)ジオールも含んでいてもよい。
(グループD)
いくつかの非限定的な実施形態では、本発明は、少なくとも1つのポリイソシアネートと;4〜18個の炭素原子と、少なくとも3個のヒドロキシル基とを有する、少なくとも1つの分枝ポリオールと;1個以上の臭素原子、1個以上のリン原子、またはこれらの組み合わせを有する、少なくとも1つのポリオールとを含む成分の反応生成物を含む、グループDのポリウレタンを提供する。臭素化されたポリオールまたはホスホン酸化されたポリオールは、難燃性が優れたポリウレタンを与えることができる。本発明のポリウレタンの難燃性は、単純に火にあてて、ポリマー自体で火が消えるか、または臭素化されたポリオールまたはホスホン酸化されたポリオールを含まないポリマーよりもゆっくりと燃えるかどうかを決定することによって、または、Underwriter’s Laboratory Test UL−94(本明細書に参考として組み込まれる)によって決定することができる。または、水平方向および垂直方向の燃焼速度は、EC Directive 95/28/ECのそれぞれAnnexes IVおよびVI(本明細書に参考として組み込まれる)にしたがって決定することができる。Federal Aviation Regulation(FAR)25.853(a)(1)(ii)は、燃焼長さが8インチ、燃焼時間が15秒を許容している。
他の非限定的な実施形態では、本発明は、約1当量の4,4’−メチレン−ビス−(シクロヘキシルイソシアネート);約0.3〜約0.5当量のトリメチロールプロパン;約0.2〜約0.5当量のビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジブロモフェニル)スルホン;約0.2〜約0.5当量の1,4−シクロヘキサンジメタノール;約0.2〜約0.5当量の3,6−ジチア−1,2−オクタンジオールからなる成分の反応生成物を含むグループDのポリウレタンを提供する。
グループDのポリウレタンを調製するための反応生成物として使用するための、4〜18個の炭素原子と、少なくとも3個のヒドロキシル基とを有する、適切なポリイソシアネートおよび分枝ポリオールの非限定的な例としては、は、グループAに関して上に詳細に記載している。
1個以上の臭素原子、1個以上のリン原子、またはこれらの組み合わせを有する、適切なポリオールの非限定的な例としては、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジブロモフェノール)、イソプロピリデンビス[2−(2,6−ジブロモ−フェノキシ)エタノール]、ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジブロモフェニル)スルホンヘプタキス(ジプロピレングリコール)トリホスファイト、トリス(ジプロピレングリコール)ホスフェート、ジエチル−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノエタノールホスホネート、およびこれらの混合物が挙げられる。適切なホスホン酸化されたポリオールの非限定的な例としては、式HO−Y−O[POOR−O−Y−O][POOR−O−Y−OHを有するものが挙げられ、式中、各Rは、独立して、1〜10個の繰り返し単位(例えば、CH2〜(CH2)10)を有するアルキレン基から選択され、各Yは、独立して、独立して、1〜6個の繰り返し単位(例えば、CH2〜(CH2)6)を有するアルキレン基から選択される。
グループDのポリウレタンを形成するために用いられる、臭素化されたポリオールおよび/またはホスホン酸化されたポリオールの量は、約0.1〜約0.9当量、または約0.3〜約0.9当量、または約0.3当量であってもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、反応成分は、上述の1つ以上のポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオールをさらに含んでいてもよい。存在する場合、グループDのポリウレタンを形成するために使用されるポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオールの量は、約0.1〜約0.9当量、または約0.3〜約0.9当量、または約0.3当量であってもよい。
(グループA〜D)
グループA〜Dのポリウレタンのいくつかの非限定的な実施形態では、反応生成物は、以下の1つ以上のものをさらに含んでいてもよい:ポリウレタンポリオール、(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド、ポリビニルアルコール、ヒドロキシ官能性(メタ)アクリレートを含有するポリマー、アリルアルコールを含有するポリマー、ジヒドロキシオキサミド、ジヒドロキシアミド、ジヒドロキシピペリジン、ジヒドロキシフタレート、ジヒドロキシエチルヒドロキノン、ポリエステルアミド、およびこれらの混合物。ある実施形態では、アクリルアミドを用いた重合によって、高い透明度、良好な衝撃強度、高いヤング率を有する、相互に貫通し合う網目を形成することができる。
適切なポリウレタンポリオールの非限定的な例としては、過剰量のポリイソシアネートと、分枝ポリオールまたは直鎖ポリオールとの反応生成物が挙げられる。ポリイソシアネートとポリオールとの当量比は、約1.0:0.05〜約1.0:3の範囲、または約1.0:0.7であってもよい。使用されるポリウレタンポリオールの量は、成分の合計重量を基準として、約1〜約90重量%、約5〜約70重量%、または約20〜約50重量%の範囲であってもよい。
適切なアクリルアミドの非限定的な例としては、アクリルアミド、メタアクリルアミド、ジメチルアクリルアミドが挙げられる。アクリルアミドは、全ての他の反応成分とともに加えられてもよく、または、ジオールに溶解させ、次いで、他の反応成分と混合させてもよい。使用されるアクリルアミドの量は、成分の合計重量を基準として、約5〜約70重量%、約10〜約50重量%、または約10〜約30重量%であってもよい。
適切なポリビニルアルコールの非限定的な例としては、ポリビニルアルコールが挙げられる。使用されるポリビニルアルコールの量は、成分の合計重量を基準として、約5〜約90重量%、約10〜約70重量%、または約10〜約40重量%であってもよい。
ヒドロキシ官能性(メタ)アクリレートを含有する適切なポリマーの非限定的な例としては、ヒドロキシプロピルアクリレート;ヒドロキシエチルアクリレート;ヒドロキシプロピルメタクリレート;ヒドロキシエチルメタクリレート;ヒドロキシ官能性(メタ)アクリレートとアクリルアミドとのコポリマー、シアノエチル(メタ)アクリレート、メチルメタクリレート、メタクリレート、エタアクリレート、プロピルアクリレート、ビニルピロリジノンが挙げられる。使用されるヒドロキシ官能性(メタ)アクリレートの量は、成分の合計重量を基準として、約10〜約90重量%、約10〜約70重量%、または約10〜約30重量%であってもよい。
アリルアルコールを含む適切なポリマーの非限定的な例としては、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)、アリルオキシトリメチルシラン、ジアリルカーボネートが挙げられる。使用されるアリルアルコールの量は、約5〜約70重量%、約10〜約50重量%、または約10〜約30重量%であってもよい。
適切なポリエステルアミドの非限定的な例としては、ビス−オキサミドジオール(例えば、N,N’−ビス(ω−ヒドロキシアルキレン)オキサミド)と、ジカルボン酸またはジエステル(例えば、シュウ酸ジエチル、コハク酸ジエチル、スベリン酸ジエチル、またはテレフタル酸ジメチル)との反応によって得られるエステルアミドポリマーが挙げられる。使用されるポリエステルアミドの量は、成分の合計重量を基準として、約10〜約80重量%、約20〜約60重量%、または約30〜約50重量%であってもよい。
グループA〜Cのポリウレタンのいくつかの非限定的な実施形態では、反応生成物は、1つ以上のアミン硬化剤をさらに含んでいてもよい。アミン硬化剤が存在する場合、重合反応の触媒として作用してもよく、得られる重合物に組み込まれ、ポリ(尿素ウレタン)を形成してもよい。使用されるアミン硬化剤の量は、成分の合計重量を基準として、約0.05〜約0.9当量、約0.1〜約0.7当量、または約0.3〜約0.5当量であってもよい。
このようなアミン硬化剤の非限定的な例としては、脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミン、芳香族ポリアミン、およびこれらの混合物が挙げられる。いくつかの非限定的な実施形態では、アミン硬化剤は、一級アミン(−NH2)、二級アミン(−NH−)、およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも2個の官能基を有していてもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、アミン硬化剤は、少なくとも2個の一級アミン基を有していてもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、アミノ基は、全てが一級の基である。
このようなアミン硬化剤の例としては、以下の式を有する化合物が挙げられ、
式中、R
1およびR
2は、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基から選択され、R
3は、水素および塩素から選択され、例えば、Lonza Ltd.(バーゼル、スイス)で製造される以下の化合物:LONZACURE(登録商標)M−DIPA、ここで、R
1=C
3H
7;R
2=C
3H
7;R
3=H;LONZACURE(登録商標)M−DMA、ここで、R
1=CH
3;R
2=CH
3;R
3=H;LONZACURE(登録商標)M−MEA、ここで、R
1=CH
3;R
2=C
2H
5;R
3=H;LONZACURE(登録商標)M−DEA、ここで、R
1=C
2H
5;R
2=C
2H
5;R
3=H;LONZACURE(登録商標)M−MIPA:ここで、R
1=CH
3;R
2=C
3H
7;R
3=H;LONZACURE(登録商標)M−CDEA、ここで、R
1=C
2H
5;R
2=C
2H
5;R
3=Cl、それぞれ、アレンタウン、PAのAir Products and Chemicals、Inc.から市販されている。
このようなアミン硬化剤としては、ジアミン硬化剤、例えば、4,4’−メチレンビス(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)、(LONZACURE(登録商標) M−CDEA);2,4−ジアミノ−3,5−ジエチル−トルエン、2,6−ジアミノ−3,5−ジエチル−トルエンおよびこれらの混合物(まとめて、「ジエチルトルエンジアミン」または「DETDA」)、Albemarle Corporationから商品名ETHACURE 100で市販されている;ジメチルチオトルエンジアミン(DMTDA)(ETHACURE 300として市販されている);ETHACURE 100の色を安定化したバージョン(すなわち、黄色を減らすための添加剤を含有する配合物)、ETHACURE 100Sの名称で市販されている;4,4’−メチレン−ビス−(2−クロロアニリン)(Kingyorker Chemicalsから商品名MOCAで市販されている)が挙げられる。DETDAは、室温では液体であり、25℃での粘度は156センチポイズ(cp)であってもよい。DETDAは、異性体であってもよく、2,4−異性体の量は、75〜81%であり、一方、2,6−異性体の量は、18〜24%であってもよい。
アミン硬化剤の他の非限定的な例としては、エチレンアミン、例えば、エチレンジアミン(EDA)、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、テトラエチレンペンタミン(TEPA)、ペンタエチレンヘキサミン(PEHA)、ピペラジン、モルホリン、置換されたモルホリン、ピペリジン、置換されたピペリジン、ジエチレンジアミン(DEDA)、2−アミノ−1−エチルピペラジンが挙げられる。いくつかの非限定的な実施形態では、アミン硬化剤は、C1〜C3ジアルキルトルエンジアミン、例えば、3,5−ジメチル−2,4−トルエンジアミン、3,5−ジメチル−2,6−トルエンジアミン、3,5−ジエチル−2,4−トルエンジアミン、3,5−ジエチル−2,6−トルエンジアミン、3,5−ジイソプロピル−2,4−トルエンジアミン、3,5−ジイソプロピル−2,6−トルエンジアミン、およびこれらの混合物の1つ以上の異性体から選択されてもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、アミン硬化剤は、メチレンジアニリンまたはトリメチレングリコールジ(パラ−アミノベンゾエート)であってもよい。
アミン硬化剤の他の非限定的な例としては、以下の一般構造(XIII〜XV)の化合物が挙げられる。
アミン硬化剤の他の非限定的な例としては、一般式XVI〜XXによってあらわされる1つ以上のメチレンビスアニリン、一般式XXI〜XXVによってあらわされる1つ以上のアニリンスルフィド、および/または、一般式XXVI〜XXVIXによってあらわされる1つ以上のビアニリンが挙げられ、
式中、R
3およびR
4は、それぞれ独立して、C
1〜C
3アルキルであり、R
5は、水素およびハロゲン(例えば、塩素または臭素)から選択される。一般式XVであらわされるジアミンは、一般的に、4,4’−メチレン−ビス(ジアルキルアニリン)として記述することができる。一般式XVであらわすことができるジアミンの適切な非限定的な例としては、限定されないが、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジメチルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジエチルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス(2−エチル−6−メチルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジイソプロピルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス(2−イソプロピル−6−メチルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジエチル−3−クロロアニリン)が挙げられる。
アミン硬化剤としては、以下の一般構造(XXX)であらわされる化合物が挙げられ、
式中、R
20、R
21、R
22、R
23は、それぞれ独立して、H、C
1〜C
3アルキル、CH
3−S−およびハロゲン(例えば、塩素または臭素)から選択される。一般式XXXによってあらわされるアミン硬化剤としては、ジエチルトルエンジアミン(DETDA)が挙げられ、ここで、R
23はメチルであり、R
20およびR
21は、それぞれエチルであり、R
22は水素である。さらに、アミン硬化剤としては、4,4’−メチレンジアニリンを挙げることができる。
着色の少ないポリ(尿素ウレタン)を製造することが望ましい実施形態では、アミン硬化剤は、着色が比較的少ないように、および/または、アミンに色がつく(例えば、黄色)のを防ぐ様式で製造および/または貯蔵することができるように選択されてもよい。
グループA〜Dのポリウレタンのいくつかの非限定的な実施形態では、反応生成物は、本質的にアミン硬化剤を含まなくてもよい。本明細書で使用される場合、「アミン硬化剤を本質的に含まない」は、この反応生成物の成分が、約10重量%未満のアミン硬化剤、または約5重量%未満のアミン硬化剤、または約2重量%未満のアミン硬化剤を含むか、または他の非限定的な実施形態では、アミン硬化剤を含まないことを意味する。
(グループE)
いくつかの非限定的な実施形態では、本発明は、約1当量の少なくとも1つのポリイソシアネートと;4〜18個の炭素原子と、少なくとも3個のヒドロキシル基とを有する、約0.3〜約1当量の少なくとも1つの分枝ポリオールと;約0.01〜約0.3当量の少なくとも1つのポリカーボネートジオールとを含む成分の反応生成物を含むグループEのポリウレタンを提供し、ここで、反応生成物の成分は、本質的にポリエーテルポリオールおよびアミン硬化剤を含まず、反応成分は、少なくとも約100℃の温度に少なくとも約10分間維持される。
グループEのポリウレタンを調製するための反応生成物として使用するための、適切なポリイソシアネート、4〜18個の炭素原子と、少なくとも3個のヒドロキシル基とを有する、分枝ポリオール、2〜18個の炭素原子を有するポリカーボネートジオール、2〜18個の炭素原子を有するジオールの非限定的な例は、グループAに関して上に詳細に記載している。
いくつかの非限定的な実施形態では、グループEのポリウレタンを形成するために用いられる分枝ポリオールの量は、約0.3〜約0.98当量、または約0.5〜約0.98当量、または約0.3当量、または約0.9〜約0.98当量であってもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、グループEのポリウレタンを形成するために用いられるポリカーボネートジオールの量は、約0.01〜約0.1当量、または約0.05〜約0.1当量、または約0.1当量であってもよい。
別の実施形態では、本発明は、約1当量の4,4’−メチレン−ビス−(シクロヘキシルイソシアネート)と;約0.3当量のトリメチロールプロパンと;約0.55当量の1,5−ペンタンジオールおよびStahlから入手可能な、ヘキサンジオールから調製された約0.15当量のKM10−1733ポリカーボネートジオールとからなる成分の反応生成物を含むグループEのポリウレタンを提供し、ここで、反応成分は、少なくとも約100℃の温度に少なくとも約10分間維持される。
別の実施形態では、本発明は、約1当量の4,4’−メチレン−ビス−(シクロヘキシルイソシアネート)と;約0.3当量のトリメチロールプロパンと;約0.5当量の1,5−ペンタンジオールおよびStahlから入手可能な、ヘキサンジオールから調製された約0.2当量のKM10−1733ポリカーボネートジオールとからなる成分の反応生成物を含むグループEのポリウレタンを提供し、ここで、反応成分は、少なくとも約100℃の温度に少なくとも約10分間維持される。
グループEのポリウレタンは、良好な防弾性を示す場合がある。
グループEのポリウレタンは、ポリエーテルポリオールおよびアミン硬化剤を本質的に含まず、ポリエーテルポリオールおよびアミン硬化剤の種類および量は、グループA〜Dに関し、上に記載されている。
グループEのポリウレタンのいくつかの非限定的な実施形態では、反応生成物は、以下の1つ以上のものを、グループA〜Dに関し、記載されるように、上のような量でさらに含んでいてもよい:ポリウレタンポリオール、アクリルアミド、ポリビニルアルコール、ヒドロキシ官能性(メタ)アクリレートを含有するポリマー、アリルアルコールを含有するポリマー、ポリエステルアミド、およびこれらの混合物。
(グループF)
いくつかの非限定的な実施形態では、本発明は、(a)約1当量の少なくとも1つのポリイソシアネートと;(b)4〜18個の炭素原子と、少なくとも3個のヒドロキシル基とを有する、約0.05〜約1当量の少なくとも1つの分枝ポリオールと;(c)約0.01〜約0.3当量の少なくとも1つのポリカーボネートジオールと;(d)分枝ポリオール(b)とは異なる、2〜18個の炭素原子を有する、約0.1〜約0.9当量の少なくとも1つのポリオールとを含む成分の反応生成物を含む、ポリウレタンを提供し、ここで、この反応生成物の成分は、本質的にポリエーテルポリオールを含まず、反応成分は、少なくとも約100℃の温度に少なくとも約10分間維持される。
いくつかの非限定的な実施形態では、イソシアネート官能性プレポリマーは、分枝ポリオールおよびポリカーボネートジオールとの反応の前に、少なくとも1つのポリイソシアネートおよびポリオール(d)の一部とから調製することができる。ポリイソシアネートおよびポリオールからのイソシアネート官能性プレポリマーの調製は、本明細書に記載されている。
いくつかの非限定的な実施形態では、分枝ポリオールの当量は、約0.1〜約0.9当量、または約0.1〜約0.5当量、または約0.1〜約0.3当量、または約0.1当量、または約0.15当量、または約0.2当量、または約0.3当量であってもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、ポリカーボネートジオールの当量は、約0.5〜約0.15当量、または約0.07〜約0.15当量、または約0.07当量、または約0.1当量、または約0.15当量であってもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、分枝ポリオール(b)とは異なる、2〜18個の炭素原子を有するポリオールの当量は、約0.5〜約0.9当量、または約0.6〜約0.8当量、または約0.63当量、または約0.7当量、または約0.8当量であってもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、分枝ポリオール(b)とは異なる、2〜18個の炭素原子を有するポリオールは、ブタンジオール、ペンタンジオール、またはシクロヘキサンジメタノールであってもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、本発明は、(a)(i)約1当量の少なくとも1つのポリイソシアネートと;(ii)約0.3〜約0.4(または約0.35)当量のブタンジオールまたはシクロヘキサンジメタノールとを含む成分の反応生成物を含むイソシアネート官能性ウレタンプレポリマーと;(b)約0.1〜約0.3当量のトリメチロールプロパンと;(c)約0.4〜約0.5当量のブタンジオールまたはシクロヘキサンジメタノールと;(d)約0.01〜約0.3当量の少なくとも1つのポリカーボネートジオールとを含む成分の反応生成物を含むポリウレタンを提供し、ここで、この反応生成物の成分は、本質的にポリエーテルポリオールを含まない。
いくつかの非限定的な実施形態では、本発明は、(a)約1当量の少なくとも1つのポリイソシアネートと;(b)4〜18個の炭素原子と、少なくとも3個のヒドロキシル基とを有する、約0.3〜約1当量の少なくとも1つの分枝ポリオールと;(c)約0.01〜約0.3当量の少なくとも1つのポリカーボネートジオールと;(d)2〜18個の炭素原子を有する、約0.1〜約0.9当量の少なくとも1つのジオールとを含む成分の反応生成物を含むグループFのポリウレタンを提供し、ここで、この反応生成物の成分は、本質的にポリエーテルポリオールを含まず、反応成分は、少なくとも約100℃の温度に少なくとも約10分間維持される。2〜18個の炭素原子を有するジオールは、ポリカーボネートジオールとは化学的に異なり、例えば、このジオールは、ポリカーボネートジオールと比較して、少なくとも1個の異なる原子または異なる配置の原子を有する。
グループFのポリウレタンを調製するための反応生成物として使用するのに適切なポリイソシアネート、4〜18個の炭素原子と、少なくとも3個のヒドロキシル基とを有する、分枝ポリオール、ポリカーボネートジオール、2〜18個の炭素原子を有するジオール、分枝ポリオール(b)とは異なり、2〜18個の炭素原子を有するポリオールの非限定的な例は、グループAおよびBに関して上に詳細に記載されている。いくつかの非限定的な実施形態では、ポリイソシアネートは、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートであってもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、ジオール(d)は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−エタンジオール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、ソルビトール、マンニトール、シクロペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、1,4−ベンゼンジメタノール、キシレングリコール、ヒドロキシベンジルアルコール、ジヒドロキシトルエンビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート、1,4−ビス(ヒドロキシエチル)ピペラジン、N,N’,ビス(2−ヒドロキシエチル)オキサミド、およびこれらの混合物からなる群から選択される脂肪族ジオールである。
いくつかの非限定的な実施形態では、グループFのポリウレタンを形成するために用いられる分枝ポリオールの量は、約0.3〜約0.98当量、または約0.5〜約0.98当量、または約0.9〜約0.98当量であってもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、グループFのポリウレタンを形成するために用いられるポリカーボネートジオールの量は、約0.01〜約0.1当量、または約0.05〜約0.1当量、または約0.1当量であってもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、グループFのポリウレタンを形成するために用いられるジオールの量は、約0.01〜約0.1当量、または約0.05〜約0.1当量、または約0.1当量であってもよい。
グループFのポリウレタンは、ポリエーテルポリオールを本質的に含まず、ポリエーテルポリオールの種類および量は、グループA〜Dに関して上に記載されている。
グループFのポリウレタンいくつかの非限定的な実施形態では、反応生成物は、以下の1つ以上のものを、グループA〜Dに関し、記載されるように、上のような量でさらに含んでいてもよい:ポリウレタンポリオール、アクリルアミド、ポリビニルアルコール、ヒドロキシ官能性(メタ)アクリレートを含有するポリマー、アリルアルコールを含有するポリマー、ジヒドロキシオキサミド、ジヒドロキシアミド、ジヒドロキシピペリジン、ジヒドロキシフタレート、ジヒドロキシエチルヒドロキノン、ポリエステルアミド、およびこれらの混合物。
グループFのポリウレタンのいくつかの非限定的な実施形態では、反応生成物は、グループEに関して上に記載したような1つ以上のアミン硬化剤をさらに含んでいてもよい。他の非限定的な実施形態では、グループFのポリウレタンを調製するための反応生成物は、グループA〜Dに関して上に記載したようなアミン硬化剤を本質的に含まなくてもよいか、または含まなくてもよい。他の非限定的な実施形態では、グループFのポリウレタンを調製するための反応生成物は、グループA〜Dに関して上に記載したようなポリエーテルポリオールを本質的に含まないか、または含まず、または、ある実施形態では、約0.1当量未満のポリエーテルポリオールを含む。
グループFのポリウレタンは、本明細書に記載のいずれかの応用または用途に有用な場合がある。いくつかの非限定的な実施形態では、本発明は、透明物または窓として使用するのに適したポリウレタンを提供する。クリープ抵抗が良好で(またはたわみが低く)、破壊靱性(Kファクター)が大きいグループFのポリウレタンは、飛行機用の窓に有用な場合がある。飛行機の窓に望ましい特性は、グループBに関し、上に記載されている。
(グループG)
いくつかの非限定的な実施形態では、本発明は、約1当量の少なくとも1つのポリイソシアネートと;4〜18個の炭素原子と、少なくとも3個のヒドロキシル基とを有する、約0.3〜約1当量の少なくとも1つの分枝ポリオールと;ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、およびこれらの混合物からなる群から選択される、約0.01〜約0.3当量の少なくとも1つのポリオールと;約0.1〜約0.7当量の少なくとも1つの脂肪族ジオールとを含む成分の反応生成物を含む、グループGのポリウレタンを提供し、ここで、この反応生成物の成分は、本質的にポリエーテルポリオールおよびアミン硬化剤を含まず、反応成分は、少なくとも約100℃の温度に少なくとも約10分間維持され、反応成分は、少なくとも約100℃の温度に少なくとも約10分間維持される。
グループGのポリウレタンを調製するための反応生成物として使用するための、適切なポリイソシアネート、4〜18個の炭素原子と、少なくとも3個のヒドロキシル基とを有する分枝ポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、脂肪族ジオールの非限定的な例は、グループAに関して上に詳細に記載している。脂肪族ジオールは、ポリエステルポリオールおよびポリカプロラクトンポリオールとは化学的に異なっており、例えば、ジオールは、ポリエステルポリオールおよびポリカプロラクトンポリオールと比較して、少なくとも1個の異なる原子または異なる原子の配置を有する。
いくつかの非限定的な実施形態では、グループGのポリウレタンを形成するのに用いられる分枝ポリオールの量は、約0.3〜約0.9当量、または約0.3〜約0.7当量、または約0.4当量〜約0.6当量、または約0.7当量であってもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、グループGのポリウレタンを形成するのに用いられるポリエステルおよび/またはポリカプロラクトンポリオールの量は、約0.01〜約0.1当量、または約0.05〜約0.1当量、または約0.1当量であってもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、グループGのポリウレタンを形成するのに用いられる脂肪族ジオールの量は、約0.1〜約0.6当量、または約0.1〜約0.5当量、または約0.5当量であってもよい。
グループGのポリウレタンは、ポリエーテルポリオールおよび/またはアミン硬化剤を本質的に含まないか、または含まず、ポリエーテルポリオールおよびアミン硬化剤の種類および量は、グループA〜Dに関し、上に記載されている。
グループGのポリウレタンのいくつかの非限定的な実施形態では、反応生成物は、以下の1つ以上のものを、グループA〜Dに関し、記載されるように、上のような量でさらに含んでいてもよい:ポリウレタンポリオール、アクリルアミド、ポリビニルアルコール、ヒドロキシ官能性(メタ)アクリレートを含有するポリマー、アリルアルコールを含有するポリマー、ポリエステルアミド、およびこれらの混合物。
他の非限定的な実施形態では、本発明は、約1当量の4,4’−メチレン−ビス−(シクロヘキシルイソシアネート)と;約0.3当量のトリメチロールプロパンと;約0.5当量のデカンジオールと;約0.2当量のポリカプロラクトンポリオール、例えば、数平均分子量が約1000グラム/モルのDow TONE 0210ポリカプロラクトンポリオールとからなる成分の反応生成物を含むグループGのポリウレタンを提供し、ここで、反応成分は、少なくとも約100℃の温度に少なくとも約10分間維持される。
他の非限定的な実施形態では、本発明は、(1)約0.4当量の4,4’−メチレン−ビス−(シクロヘキシルイソシアネート)(例えば、DESMODUR W)と;(2)約0.3当量のポリカプロラクトンジオール(例えば、ヘキサンジオールから調製されるCAPA 2047およびCAPA 2077Aポリカプロラクトンジオール)と;(3)約0.05当量のトリメチロールプロパンを含む成分の反応生成物であるプレポリマーから調製されるグループGのポリウレタンを提供する。プレポリマーは、上に記載されるような2〜18個の炭素原子を有する、少なくとも1つの脂肪族ジオール(例えば、ブタンジオールまたはペンタンジオール)と反応する。
(グループH)
他の非限定的な実施形態では、本発明は、(a)(1)少なくとも1つのポリイソシアネートと;(2)少なくとも1つのポリカプロラクトンポリオールと;(3)ポリアルキレンポリオール、ポリエーテルポリオール、およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つのポリオールとを含む成分の反応生成物であるプレポリマーと;(b)2〜18個の炭素原子を有する、少なくとも1つのジオールとを含む成分の反応生成物を含むグループHのポリウレタンを提供する。
グループHのポリウレタンを調製するための反応生成物として用いるのに適したポリイソシアネート、ポリカプロラクトンポリオール、ポリアルキレンポリオール、ポリエーテルポリオール、2〜18個の炭素原子を有するジオールの非限定的な例は、グループAに関して上に詳細に記載している。適切なポリアルキレンポリオールの非限定的な例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、およびこれらの混合物が挙げられる。ポリアルキレングリコールは、数平均分子量が、約200〜約1000グラム/モル、または約200グラム/モル〜約4,000グラム/モルであってもよい。
ジオールは、ポリアルキレンポリオールおよびポリエーテルポリオールと化学的に異なっており、例えば、ジオールは、ポリアルキレンポリオールおよびポリエーテルポリオールと比較して、少なくとも1個の異なる原子または異なる配置の原子を有する。
いくつかの非限定的な実施形態では、グループHのポリウレタンを形成するために用いられる分枝ポリカプロラクトンポリオールの量は、約0.05〜約0.8当量、または約0.1〜約0.6当量、または約0.1当量〜約0.4当量、または約0.3当量であってもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、グループHのポリウレタンを形成するために用いられるポリアルキレンポリオールおよび/またはポリエーテルポリオールの量は、約0.1〜約0.9当量、または約0.2〜約0.6当量、または約0.4当量であってもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、グループHのポリウレタンを形成するために用いられるジオールの量は、約0.1〜約0.9当量、または約0.3〜約0.8当量、または約0.7当量であってもよい。
グループHのポリウレタンは、(1)少なくとも1つのポリイソシアネートと;(2)少なくとも1つのポリカプロラクトンポリオールと;(3)ポリアルキレンポリオール、ポリエーテルポリオール、これらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つのポリオールとを含む反応生成物の成分を反応させ、プレポリマーを形成することによって調製される。次いで、このプレポリマーを、2〜18個の炭素原子を有する少なくとも1つのジオールおよび以下に示すような任意の他の任意の反応成分と反応させる。
グループHのポリウレタンのいくつかの非限定的な実施形態では、反応生成物は、以下の1つ以上のものを、グループA〜Dに関し、記載されるように、上のような量でさらに含んでいてもよい:少なくとも3個のヒドロキシル基を有する分枝ポリオール、ポリウレタンポリオール、アクリルアミド、ポリビニルアルコール、ヒドロキシ官能性(メタ)アクリレートを含有するポリマー、アリルアルコールを含有するポリマー、ポリエステルアミド、およびこれらの混合物。
グループHのポリウレタンのいくつかの非限定的な実施形態では、反応生成物は、グループEに関して上に記載したような1つ以上のアミン硬化剤をさらに含んでいてもよい。他の非限定的な実施形態では、グループHのポリウレタンを調製するための反応生成物は、グループA〜Dに関して上に記載したようなポリエーテルポリオールを本質的に含まないか、または含まなくてもよい。
他の非限定的な実施形態では、本発明は、(a)(1)脂肪族または脂環式のジイソシアネートと;(2)ポリカプロラクトンジオールと;(3)ポリエチレングリコールと;(4)ポリオキシエチレンおよびポリオキシプロピレンのコポリマーとを含む成分の反応生成物であるプレポリマーと、(b)2〜18個の炭素原子を有する、少なくとも1つのジオールとを含む成分の反応生成物を含むグループHのポリウレタンを提供する。
他の非限定的な実施形態では、本発明は、(1)約0.4当量の4,4’−メチレン−ビス−(シクロヘキシルイソシアネート)(例えば、DESMODUR W)と;(2)約0.003当量のポリカプロラクトンジオール(例えば、ヘキサンジオールから調製されるCAPA 2077Aポリカプロラクトンジオール)と;(3)約0.025当量のポリエチレングリコール(例えば、PLURACOL E400NF)と;(4)約0.029当量のポリオキシエチレンおよびポリオキシプロピレンコポリマー(例えば、PLURONIC L62Dエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー)と;(5)約0.05当量のトリメチロールプロパンと;添加剤、例えば、触媒(例えばジブチルスズジラウレート)、酸化防止剤(例えば、IRGANOX 1010およびIRGANOX MD 1024)、紫外線安定化剤、例えば、CYASORB UV 5411およびTINUVIN 328(それぞれ以下に記載される)とを含む成分の反応生成物であるプレポリマーから調製されるグループHのポリウレタンを提供する。
末端がイソシアネートのプレポリマーを、2〜18個の炭素原子を有する少なくとも1つのジオール(例えば、1,4−ブタンジオールおよび/または1,4−シクロヘキサンジメタノール)と、1,4−ブタンジオールと1,4−シクロヘキサンジメタノールとの当量比約0.75:0.25で反応させる。プレポリマーとジオールとの当量比は、約1:1である。
(グループA−H)
ここでグループA〜Hの発明を参照すると、本発明のポリウレタンを、種々の技術を用いて重合することができる。以下にさらに詳細に記載するいくつかの非限定的な実施形態では、ポリイソシアネートおよびポリオールを、1ポットプロセスで一緒に反応させ、ポリウレタンを形成することができる。本発明の硫黄を含有するポリウレタンを、イソシアネートおよび/またはイソチオシアネートと、ポリオールおよび/またはポリチオールとを合わせることによって製造することができる。
他の非限定的な実施形態では、ポリウレタンは、ポリイソシアネートおよびポリオールを反応させ、ポリウレタンプレポリマーを形成し、次いで、ジオールと、場合により触媒と、他の任意の反応成分とを導入することによって調製することができる。
他の非限定的な実施形態(例えば、グループB)では、ポリウレタンは、ポリイソシアネートおよびジオールを反応させ、イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーを形成し、次いで、ジオールと、ポリオールと、場合により触媒と、他の任意の反応成分とを導入することによって調製することができる。いくつかの非限定的な実施形態では、イソシアネート官能性ウレタンプレポリマー、ポリオール、ジオール反応成分の第2の部分は、少なくとも約100℃の温度に少なくとも約10分間、または少なくとも約110℃、もしくは少なくとも約120℃に少なくとも約10分間もしくは少なくとも約20分間維持される。
いくつかの非限定的な実施形態では、プレポリマーおよびポリウレタンは、ダイナミックピンミキサーを備えるMax Urethane Processing System(例えば、ヒールズバーグ、CAのMax Machinery,Inc.から入手可能なMax Urethane Processing System 601−000−282型または601−000−333型)を用いて調製することができる。混合ヘッドまたはチャンバの容積は、所望な場合、さまざまであってもよく、例えば、62cc、70cc、140cc、205ccまたは250ccであってもよい。ある実施形態では、混合ヘッド中に反応剤が滞留する時間を長くすると、物理特性(例えば、ヤング率およびガードナー衝撃強度)を向上させることができる。いくつかの実施形態では、滞留時間が約4秒〜約30分、または約4秒〜約15分、または約4秒〜約1分、または約4〜約30秒、または約4〜約15秒、または約4〜約8秒であることが望ましい場合がある。
1ショットプロセスで調製されるか、またはプレポリマーを用いて多段階プロセスで調製されるかにかかわらず、いくつかの非限定的な実施形態では、上述の成分は、それぞれ、反応の前に脱気していてもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、プレポリマーを脱気してもよく、二官能材料を脱気してもよく、次いで、これらの2つの材料を合わせてもよい。1つ以上の反応剤を、反応の前に、少なくとも約100℃、少なくとも約110℃、または少なくとも約120℃の温度まであらかじめ加熱してもよい。
「1ショット」、「1ポット」または塊重合方法において、全ての成分(つまり、イソシアネート、ポリオール、およびジオール)を同時に混合する。この方法は、一般的には、全ての活性水素がほぼ同じ速度で反応する場合、例えば、全てがヒドロキシル基を唯一の反応部位として含有する場合には、満足のいくものである。ウレタン反応は乾燥した反応剤を用いた無水条件下で、例えば、大気圧の窒素雰囲気下、約75℃〜約140℃の範囲の温度で行ってもよい。ポリカーボネートポリオールまたは任意のヒドロキシ官能性化合物が用いられる場合、これらは、典型的には反応前に、通常、水分含有量が約0.01〜約0.05%になるまで乾燥される。
望ましいランダムさを有し、ほぼ透明なポリマーを得るために、水分を排除するために窒素雰囲気下、ジオール(例えば、無水1,4−ブタンジオール(最大で0.04%の水を含む)をポリオールに加え、温度は、相が分離せず、均一な混合物が得られるような十分に高い温度に維持する。ポリイソシアネート(例えば、4,4’−メチレン−ビス−(シクロヘキシルイソシアネート))をすばやく加えてもよく、混合物は、少なくとも約75℃、または少なくとも約85℃、または少なくとも約90℃、または少なくとも約95℃の温度に少なくとも約10分または少なくとも約20分維持されてもよい。ある実施形態では、混合物は、少なくとも約100℃、または少なくとも約105℃、または少なくとも約110℃の温度に少なくとも約10分または少なくとも約20分維持され、その結果、相は分離せず、混合物は均一なままである。この混合物は、約2〜約6mmHg(約266.6〜約800パスカル(Pa))の範囲、または約266.6Paの圧力に、約10分〜約24時間、または約10分〜約4時間維持されてもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、混合物は、少なくとも約75℃、または少なくとも約85℃、または少なくとも約90℃、または少なくとも約95℃、または少なくとも約100℃、または少なくとも約105℃、または少なくとも約110℃の温度ではげしく撹拌され、少なくとも約3分間脱気され、その間に、圧力は大気圧から約3mmHgまで下がってもよい。圧力の低下によって、溶解している気体(例えば、窒素、二酸化炭素)の除去が容易になり、次いで、この成分を約100℃〜約140℃、または約110℃〜約140℃の範囲の温度で、触媒存在下反応させ、イソシアネート基が実質的に存在しなくなるまで反応を続け、ある実施形態では、少なくとも約6時間続けてもよい。触媒が存在しない状態では、反応は、例えば窒素雰囲気下で、少なくとも約24時間行われる。
いくつかの非限定的な実施形態では、窓を形成してもよく、場合により脱気されてもよい重合性混合物を、型に入れ、当該技術分野で既知の種々の従来技術を用い、型を加熱してもよい(すなわち、熱硬化サイクル)。熱硬化サイクルは、反応剤の反応性およびモル比によってさまざまに変わってもよい。非限定的な実施形態では、熱硬化サイクルは、プレポリマーとジオール、そして場合により、ジオールおよびジチオールとの混合物を加熱すること;または、ポリイソシアネートと、ポリオールおよび/またはポリチオールと、ジオールまたはジオール/ジチオールとの混合物を、室温から約200℃の温度で約0.5時間〜約72時間;または約80℃〜約150℃で約5時間〜約48時間加熱することを含んでいてもよい。
以下にさらに詳細に記載される他の非限定的な実施形態では、イソシアネートおよびポリオールを一緒に反応させ、ポリウレタンプレポリマーを形成してもよく、このプレポリマーを同じまたは異なる、さらなるポリオールおよび/またはジオールと反応させ、ポリウレタンまたは硫黄を含有するポリウレタンを形成してもよい。プレポリマー方法を使用する場合、混合しやすくするために、プレポリマー粘度を約200cp、または多くとも数千センチポイズに下げるために、プレポリマーおよびジオールを加熱してもよい。塊重合の場合、反応は、乾燥した反応剤を用い、無水条件下で行うべきである。反応剤を、反応前に少なくとも約100℃、少なくとも約110℃、または少なくとも約120℃の温度まであらかじめ加熱してもよい。反応剤は、反応を促進するために、少なくとも約100℃、少なくとも約110℃、または少なくとも約120℃の温度に少なくとも約10分、または少なくとも約2時間維持されてもよい。混合物は、約2〜約6mmHg(約266.6〜約800パスカル(Pa))の範囲、または約266.6Paの圧力に約10分〜約24時間、または約10分〜約4時間維持されてもよい。
ポリウレタンプレポリマーは、数平均分子量(Mn)が約50,000グラム/モル未満、または約20,000グラム/モル未満、または約10,000グラム/モル未満、または約5,000グラム/モル未満、または少なくとも約1,000グラム/モル、または少なくとも約2,000グラム/モルであってもよい(その間の任意の範囲を含む)。
ポリウレタンを形成する成分(例えば、ポリオールおよびイソシアネート)を合わせてポリウレタンを製造する場合、この成分の相対量は、典型的には、反応性イソシアネート基の利用可能な数と、反応性ヒドロキシル基の利用可能な数との比率であらわされ、すなわち、NCO:OHの当量比である。例えば、イソシアネート成分の供給された形態の1NCO当量の重量を、有機ポリオール成分の供給された形態の1OH当量の重量と反応させるとき、NCO:OHの比率1.0:1.0が得られる。本発明のポリウレタンは、当量比NCO:OHが、約0.9:1.0〜約1.1:1.0の範囲、または約1.0:1.0であってもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、イソシアネートとポリオールとが反応してプレポリマーを生成する場合、イソシアネートは、過剰量で存在し、例えば、イソシアネートプレポリマー中のイソシアネートの量およびポリオールの量は、(NCO):(OH)の当量比が約1.0:0.05〜約1.0:0.7の範囲になり得るように選択されてもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、末端がイソシアネートのポリウレタンプレポリマーまたは末端がイソシアネートの硫黄を含有するポリウレタンプレポリマーを調製するために用いられるイソシアネートの量およびポリオールの量は、当量比(NCO):(SH+OH)が、少なくとも約1.0:1.0、または少なくとも約2.0:1.0、または少なくとも約2.5:1.0、または約4.5:1.0未満、または約5.5:1.0未満になり得るように選択されてもよく、あるいは、末端がイソチオシアネートの硫黄を含有するポリウレタンプレポリマーを調製するために用いられるイソチオシアネートの量およびポリオールの量は、当量比(NCS):(SH+OH)が、少なくとも約1.0:1.0、または少なくとも約2.0:1.0、または少なくとも約2.5:1.0、または約4.5:1.0未満、または約5.5:1.0未満になり得るように選択されてもよく;あるいは、末端がイソチオシアネート/イソシアネートの硫黄を含有するポリウレタンプレポリマーを調製するために用いられるイソチオシアネートおよびイソシアネートを合わせたものの量、およびポリオールの量は、当量比(NCS+NCO):(SH+OH)が、少なくとも約1.0:1.0、または少なくとも約2.0:1.0、または少なくとも約2.5:1.0、または約4.5:1.0未満、または約5.5:1.0未満になり得るように選択されてもよい。
ジオールおよびポリオールの比率および割合は、プレポリマーの粘度に影響を及ぼす場合がある。このようなプレポリマーの粘度は重要であり得、例えば、プレポリマーはフローコーティングプロセス用のコーティング組成物とともに使用することが意図される場合に重要であり得る。しかし、このようなプレポリマーの固体含有量も、重要な場合があり、この場合には、固体含有量が多いと、コーティングにとって望ましい特性(例えば、耐候性、引っかき抵抗性など)を達成することができる。従来のコーティングでは、固体含有量がより多いコーティング組成物は、典型的には、適切なフローコーティングプロセスのために粘度を下げる目的で、コーティングを希釈するために、より多くの量の溶媒を必要とする。しかし、このような溶媒の使用は、基材表面(特に、基材表面がポリマー材料である場合)に悪影響を与える場合がある。本発明では、プレポリマーの粘度は、より高い固体含有量で粘度レベルがより低い材料を得るように適切に調節することができ、それによって、基材表面に悪影響を与える可能性がある過剰量の溶媒を用いることなく、効果的なコーティングが得られる。
任意のアミン硬化剤を用いるいくつかの非限定的な実施形態では、硫黄を含有するポリウレタンを調製するために用いられる、末端がイソシアネートのポリウレタンプレポリマーまたは硫黄を含有するイソシアネートが末端にあるポリウレタンプレポリマーの量およびアミン硬化剤の量は、当量比(NH+SH+OH):(NCO)が、約0.80:1.0〜約1.1:1.0、または約0.85:1.0〜約1.0:1.0、または約0.90:1.0〜約1.0:1.0、または約0.90:1.0〜約0.95:1.0、または約0.95:1.0〜約1.0:1.0の範囲になり得るように選択されてもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、硫黄を含有するポリ尿素ウレタンを調製するために用いられる、末端がイソチオシアネートまたはイソチオシアネート/イソシアネートであって硫黄を含有するポリウレタンプレポリマーの量およびアミン硬化剤の量は、当量比(NH+SH+OH):(NCO+NCS)が、約0.80:1.0〜約1.1:1.0、または約0.85:1.0〜約1.0:1.0、または約0.90:1.0〜約1.0:1.0、または約0.90:1.0〜約0.95:1.0、または約0.95:1.0〜約1.0:1.0の範囲になり得るように選択されてもよい。
本発明のポリウレタンの尋常ではないエネルギー吸収性および透明度は、ウレタンの成分および割合にのみ依存し得るのではなく、調製方法にも依存し得ると考えられる。もっと特定的には、ポリウレタンの規則的なブロックセグメントが存在することは、ポリウレタンの透明度およびエネルギー吸収性に悪影響を及ぼす場合があると考えられ、結果的に、ポリマー内のランダムなセグメントが、最適な結果を与え得ると考えられる。結果的に、ウレタンがランダムまたは規則的なブロックセグメントを含むかどうかは、特定の試薬およびその相対的な反応性と、反応条件とに依存する。一般的にいうと、ポリイソシアネートは、ポリマーポリオールよりも、低分子量ジオールまたはポリオール、例えば、1,4−ブタンジオールとの反応性が高く、したがって、いくつかの非限定的な実施形態では、例えば、低分子量ジオールまたはポリオールおよびポリマーポリオールの密な混合物に、例えば、触媒を使用しない場合には、少なくとも約75℃の温度ではげしく撹拌しながらポリイソシアネートを迅速に加え、次いで、発熱がおさまってから、少なくとも約100℃または約110℃の反応温度に維持することによって、低分子量ジオールまたはポリオールとポリイソシアネートとの優先的な反応を抑制することが望ましい。触媒を使用する場合、初期の混合温度は、もっと低くてもよく(例えば、約60℃)、その結果、発熱によっても、混合物の温度は、望ましい反応温度よりも実質的に高い温度まで上がらない。しかし、ポリウレタンが熱に安定なので、反応温度は、約200℃の高温および約60℃の低温に達してもよく、いくつかの非限定的な実施形態では、触媒を使用する場合には、約75℃〜約130℃の範囲、または約80℃〜約100℃の範囲である。触媒を使用しない場合、いくつかの非限定的な実施形態では、反応温度は、約130℃〜約150℃の範囲であってもよい。
ポリマーが相分離のために濁ってしまわないように、均一な混合物が得られた後、触媒を使用していない場合には、反応温度に迅速に到達させることも望ましい。例えば、ある混合物は、触媒が存在しないと、80度未満で30分たたないうちに濁ってしまう場合がある。したがって、例えば、ポリマーが濁らないように、高速せん断混合ヘッドを用いることによって約100℃、または約110℃、または約130℃より高い反応温度に迅速に到達させるために、触媒を使用するか、または反応剤を導入することが望ましい場合がある。適切な触媒は、当該技術分野で知られているものから選択されてもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、触媒を加える前、または加えた後に脱気を行ってもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、ポリウレタンを形成する材料の反応を高めるために、ウレタンを形成する触媒を本発明で用いてもよい。適切なウレタンを形成する触媒としては、NCOおよびOHを含有する材料の反応によってウレタンを形成するのに有用であり、アロファネート(allophonate)およびイソシアネートの生成を導く副反応を促進する傾向がほとんどない触媒が挙げられる。適切な触媒の非限定的な例は、Lewis塩基、Lewis酸、およびUllmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、第5版、1992、Volume A21、pp.673〜674に記載されているような挿入触媒の群から選択される。
いくつかの非限定的な実施形態では、触媒は、有機酸のスズ塩、例えば、第一スズオクトアートまたはスズ酸ブチル(butyl stannoic acid)であってもよい。適切な触媒の他の非限定的な例としては、三級アミン触媒、三級アンモニウム塩、スズ触媒、ホスフィン、またはこれらの混合物が挙げられる。いくつかの非限定的な実施形態では、触媒は、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズメルカプチド、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジマレエート、ジメチルスズジアセテート、ジメチルスズジラウレート、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ビスマスカルボキシレート、ジルコニウムカルボキシレート、亜鉛オクトアート、鉄アセチルアセトネート、およびこれらの混合物であってもよい。使用される触媒の量は、成分の量によって変わってもよく、例えば、約10ppm〜約600ppmであってもよい。
代替的で非限定的な実施形態では、本発明のポリウレタンを含む組成物中に種々の添加剤が含まれてもよい。このような添加剤としては、光安定化剤、熱安定化剤、酸化防止剤、着色剤、難燃剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、例えば、ヒンダードアミン光安定化剤、離型剤、変化しない(非フォトクロミック)染料、蛍光剤、顔料、界面活性剤、軟化添加剤、例えば、限定されないが、アルコキシル化フェノールベンゾエート、ポリ(アルキレングリコール)ジベンゾエート、およびこれらの混合物が挙げられる。黄変防止添加剤の非限定的な例としては、3−メチル−2−ブテノール、有機ピロカーボネートおよびトリフェニルホスファイト(CAS登録番号101−02−0)が挙げられる。有用な酸化防止剤の例としては、IRGANOX 1010、IRGANOX 1076、およびIRGANOX MD 1024が挙げられ、それぞれ、タリタウン、ニューヨークのCiba Specialty Chemicalsから市販されている。有用なUV吸収剤の例としては、Ciba Specialty Chemicalsから市販されているCYASORB UV 5411、TINUVIN 130、およびTINUVIN 328、ならびにシャーロット、ノースカロライナのClariant Corp.から市販されているSANDOVAR 3206が挙げられる。有用なヒンダードアミン光安定化剤の例としては、シャーロット、ノースカロライナのClariant Corp.から市販されているSANDOVAR 3056が挙げられる。有用な界面活性剤の例としては、ウェーゼル、ドイツのBYK Chemieから市販されているBYK 306が挙げられる。
このような添加剤は、添加剤がポリマーの合計重量を基準として、約30重量%未満、または約15重量%未満、または約5重量%未満、または約3重量%未満を構成するような量で存在してもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、上述の任意成分の添加剤を、ポリイソシアネートまたはイソシアネート官能性プレポリマーとあらかじめ混合しておいてもよい。他の非限定的な実施形態では、任意成分の添加剤を、ポリオールまたはウレタンプレポリマーとあらかじめ混合しておいてもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、本発明は、約1当量の少なくとも1つのポリイソシアネートと;4〜18個の炭素原子と、少なくとも3個のヒドロキシル基とを有する、約0.1〜約0.9当量の少なくとも1つの分枝ポリオールと;2〜18個の炭素原子を有する、約0.1〜約0.9当量の少なくとも1つのジオールとを含む成分を1ポットプロセスで反応させる工程を含む、グループAのポリウレタンを調製する方法を提供し、ここで、この成分は、ポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールを本質的に含まない。
他の非限定的な実施形態では、本発明は、少なくとも1つのポリイソシアネートと、4〜18個の炭素原子と、少なくとも3個のヒドロキシル基とを有する、少なくとも1つの分枝ポリオールとを反応させ、ポリウレタンプレポリマーを形成する工程と;このポリウレタンプレポリマーと、2〜18個の炭素原子を有する少なくとも1つのジオールとを反応させ、ポリウレタンを形成する工程とを含む、グループAのポリウレタンを調製する方法を提供する。
他の非限定的な実施形態では、本発明は、(a)(i)約1当量の少なくとも1つのポリイソシアネートと;(ii)2〜18個の炭素原子を有する、約0.1〜約0.5当量の少なくとも1つのジオールとを反応させ、イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーを形成することと;(b)このイソシアネート官能性ウレタンプレポリマーと、4〜18個の炭素原子と、少なくとも3個のヒドロキシル基とを有する、約0.05〜約0.9当量の少なくとも1つの分枝ポリオールと、2〜18個の炭素原子を有する、約0.45当量の少なくとも1つのジオールとを反応させる工程とを含む、グループBのポリウレタンを調製する方法を提供し、ここで、この反応生成物の成分は、ポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールを本質的に含まない。
いくつかの非限定的な実施形態では、本発明は、(a)(i)約1当量の少なくとも1つのポリイソシアネートと;(ii)2〜18個の炭素原子を有する、約0.1〜約0.5当量の少なくとも1つのポリオールとを含む成分の反応生成物を含むイソシアネート官能性ウレタンプレポリマー;(b)4〜18個の炭素原子および少なくとも3個のヒドロキシル基を有する、約0.05〜約1.0当量の少なくとも1つの分枝ポリオール、ならびに;(c)分枝ポリオール(b)とは異なり、2〜18個の炭素原子を有する、約0.9当量までの少なくとも1つのポリオールを含む反応成分を含む、グループBのポリウレタンを調製する方法を提供し、ここで、反応生成物の成分が、ポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールを本質的に含まない。
いくつかの非限定的な実施形態では、本発明は、少なくとも1つのポリイソシアネートトリマーまたは分枝ポリイソシアネート(ポリイソシアネートは、少なくとも3個のイソシアネート官能基を有する)と;4〜18個の炭素原子および少なくとも2個のヒドロキシル基を有する、少なくとも1つの脂肪族ポリオールとを含む成分を、1ポットプロセスで反応させる工程を含む、グループCのポリウレタンを調製する方法を提供し、ここで、反応生成物の成分が、ポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールを本質的に含まない。
いくつかの非限定的な実施形態では、本発明は、少なくとも1つのポリイソシアネートと;4〜18個の炭素原子および少なくとも3個のヒドロキシル基を有する、少なくとも1つの分枝ポリオールと;1個以上の臭素原子、1個以上のリン原子、またはこれらの組み合わせを有する、少なくとも1つのポリオールとを含む成分を、1ポットプロセスで反応させる工程を含む、グループDのポリウレタンを調製する方法を提供する。
他の非限定的な実施形態では、本発明は、少なくとも1つのポリイソシアネートと、4〜18個の炭素原子および少なくとも3個のヒドロキシル基を有する少なくとも1つの分枝ポリオールとを反応させ、ポリウレタンプレポリマーを形成する工程と;このポリウレタンプレポリマーと、1個以上の臭素原子、1個以上のリン原子、またはこれらの組み合わせを有する、少なくとも1つのポリオールとを反応させ、ポリウレタンを形成する工程とを含む、グループDのポリウレタンを調製する方法を提供する。いくつかの非限定的な実施形態では、約0.1〜約0.15当量の分枝ポリオールを、工程(a)において約1当量のポリイソシアネートと反応させ、工程(b)は、ポリウレタンプレポリマーと、ポリオールと、約0.15〜約0.9当量の分枝ポリオールとを反応させ、ポリウレタンを形成することをさらに含む。
いくつかの非限定的な実施形態では、本発明は、約1当量の少なくとも1つのポリイソシアネートと;4〜18個の炭素原子および少なくとも3個のヒドロキシル基を有する、約0.3〜約1当量の少なくとも1つの分枝ポリオールと;約0.01〜約0.3当量の少なくとも1つのポリカーボネートジオールとを含む成分を、1ポットプロセスで反応させる工程を含む、グループEのポリウレタンを調製する方法を提供し、ここで、この反応生成物の成分は、本質的にポリエーテルポリオールおよびアミン硬化剤を含まない。
他の非限定的な実施形態では、本発明は、少なくとも1つのポリイソシアネートと、4〜18個の炭素原子と、少なくとも3個のヒドロキシル基とを有する、少なくとも1つの分枝ポリオールとを反応させ、ポリウレタンプレポリマーを形成する工程と;このポリウレタンプレポリマーおよび少なくとも1つのポリカーボネートジオールを反応させ、ポリウレタンを形成する工程とを含む、グループEのポリウレタンを調製する方法を提供する。
いくつかの非限定的な実施形態では、本発明は、(a)約1当量の少なくとも1つのポリイソシアネートと;(b)4〜18個の炭素原子および少なくとも3個のヒドロキシル基を有する、約0.3〜約1当量の少なくとも1つの分枝ポリオールと;(c)約0.01〜約0.3当量の少なくとも1つのポリカーボネートジオールと;(d)2〜18個の炭素原子を有する、約0.1〜約0.9当量の少なくとも1つのジオールとを含む成分を、1ポットプロセスで反応する工程を含む、グループFのポリウレタンを調製する方法を提供し、ここで、反応生成物の成分は、本質的にポリエーテルポリオールを含まない。
他の非限定的な実施形態では、本発明は、(a)少なくとも1つのポリイソシアネートと、4〜18個の炭素原子および少なくとも3個のヒドロキシル基を有する、少なくとも1つの分枝ポリオールとを反応させ、ポリウレタンプレポリマーを形成する工程と;(b)このポリウレタンプレポリマーを、少なくとも1つのポリカーボネートジオール、および2〜18個の炭素原子を有する少なくとも1つのジオールと反応させ、ポリウレタンを形成する工程とを含むグループFのポリウレタンを調製する方法を提供し、ここで、反応生成物の成分が、ポリエーテルポリオールを本質的に含まない。
他の非限定的な実施形態では、本発明は、(a)約1当量の少なくとも1つのポリイソシアネートと;(b)4〜18個の炭素原子および少なくとも3個のヒドロキシル基を有する、約0.05〜約1当量の少なくとも1つの分枝ポリオールと;(c)約0.01〜約0.3当量の少なくとも1つのポリカーボネートジオールと;(d)上述の分枝ポリオールとは異なる、2〜18個の炭素原子を有する、約0.1〜約0.9当量の少なくとも1つのポリオールを含む成分の反応生成物を含むポリウレタンを含むグループFのポリウレタンを調製する方法を提供し、ここで、反応生成物の成分は、本質的にポリエーテルポリオールを含まず、反応成分は、少なくとも約100℃の温度に少なくとも約10分間維持される。
他の非限定的な実施形態では、本発明は、(a)約1当量の少なくとも1つのポリイソシアネートと、約0.3〜約0.4当量のブタンジオールまたはシクロヘキサンジメタノールとを反応させ、イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーを形成すること、ならびに;(b)このイソシアネート官能性ウレタンプレポリマーを、約0.1〜約0.3当量のトリメチロールプロパンと、約0.4〜約0.5当量のブタンジオールまたはシクロヘキサンジメタノールと;約0.01〜約0.3当量の少なくとも1つのポリカーボネートジオールとを反応させることを含む、反応成分からポリウレタンを調製する方法を提供し、ここで、反応生成物の成分は、本質的にポリエーテルポリオールを含まない。
いくつかの非限定的な実施形態では、本発明は、約1当量の少なくとも1つのポリイソシアネートと;4〜18個の炭素原子および少なくとも3個のヒドロキシル基とを有する、約0.3〜約1当量の少なくとも1つの分枝ポリオールと;ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、およびこれらの混合物からなる群から選択される、約0.01〜約0.3当量の少なくとも1つのポリオールと;約0.1〜約0.7当量の少なくとも1つの脂肪族ジオールとを含む成分を1ポットプロセスで反応させる工程を含む、グループGのポリウレタンを調製する方法を提供し、ここで、この反応生成物の成分は、本質的にポリエーテルポリオールおよびアミン硬化剤を含まない。
他の非限定的な実施形態では、本発明は、少なくとも1つのポリイソシアネートと、4〜18個の炭素原子および少なくとも3個のヒドロキシル基を有する、少なくとも1つの分枝ポリオールとを反応させ、ポリウレタンプレポリマーを形成すること、ならびに;このポリウレタンプレポリマーとポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つのポリオールと、約0.1〜約0.7当量の少なくとも1つの脂肪族ジオールとを反応させ、ポリウレタンを形成することを含む、グループGのポリウレタンを調製する方法を提供する。
いくつかの非限定的な実施形態では、本発明は、少なくとも1つのポリイソシアネートと;少なくとも1つのポリカプロラクトンポリオールと;ポリアルキレンポリオール、ポリエーテルポリオール、およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つのポリオールとを含む成分を反応させ、ポリウレタンプレポリマーを形成する工程、ならびに;このプレポリマーと、2〜18個の炭素原子を有する少なくとも1つのジオールとを反応させ、ポリウレタンを形成する工程を含む、グループHのポリウレタンを調製する方法を提供する。
(ポリ(尿素ウレタン))
ポリ(尿素ウレタン)は、上述のグループA〜Hのポリウレタンのいずれかから、反応成分に1つ以上のアミン硬化剤を含むことによって調製することができる。アミン硬化剤のアミン官能基を、イソシアネート基と反応させ、ポリウレタンマトリックス内に尿素結合または尿素単位を形成してもよい。アミン硬化剤の適切な量および反応条件を上記に詳細に記載する。
(ポリ(尿素ウレタン)の合成A)
代替的に、またはこれに加え、ポリイソシアネートのイソシアネート官能基と水とを反応させることによって、望ましい程度まで、尿素結合または尿素単位をポリウレタンマトリックス内に形成してもよい。以下のポリ(尿素ウレタン)の合成Aの反応スキームの工程1に示されるように、イソシアネート官能基を水と反応させることによって、カルバメート官能基に変換する。いくつかの非限定的な実施形態では、NCO:水の当量比は、約10:1〜約2:1、または約5:1〜約2:1、または約3:1〜約2:1の範囲である。
工程1に示されるイソシアネートは、上に詳細に記載されるような、Rが、任意の接続基(例えば、脂肪族、脂環式、芳香族、ヘテロ環など)であるジイソシアネートである。しかし、所望な場合、イソシアネートが、1個以上、2個以上、3個以上、またはそれ以上の数のイソシアネート官能基を有していてもよいことを当業者は理解するだろう。適切なイソシアネートの例は、上述のイソシアネートのいずれかであってもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、ポリイソシアネートは、1つ以上の脂肪族ポリイソシアネートである。いくつかの非限定的な実施形態では、ポリイソシアネートは、4,4’−メチレン−ビス−(シクロヘキシルイソシアネート)(例えば、DESMODUR W)である。
二酸化炭素の除去により、カルバメート基をアミン基へと変換しやすくなる。水を本質的に完全に消費するために、過剰量のイソシアネートが望ましい。さらに、アミン基への変換を促進するために、二酸化炭素を本質的に全て除去することが望ましい。減圧下、約60℃までの温度で、水をポリイソシアネートまたはポリウレタンポリイソシアネートプレポリマーと反応させてもよい。減圧は、系から水を除去しない程度に十分に低いものであるべきであり、例えば、約10〜約20mmHg(約1333〜約2666Pa)で約10〜約30分間である。反応が本質的に終了した後、すなわち、さらなる二酸化炭素が生成しなくなった後、温度を少なくとも約100℃または約110℃まで上げ、10ppm以上の触媒(例えば、ジブチルスズジアセテート)を用い、約2〜約24時間、または約2時間加熱してもよい。実質的に全ての水が過剰量のイソシアネートと反応した後、生成したアミンは、イソシアネートと本質的にすぐに反応する。
ポリ(尿素ウレタン)の合成A
当業者に十分に知られているように、特定のアミン硬化剤(例えば、2〜18個の炭素原子を有する脂肪族アミン硬化剤、例えば、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、ジアミノブタン、PACM、ジアミンヘキサン、1,10−デカンジアミン)は、反応性が高く、アミン官能基が、周囲の空気中に存在する酸素と非常にすばやく反応し始め、重合物を変色させてしまうため、通常の製造条件下で用いるのは現実的ではない。脂肪族アミン硬化剤は、典型的には、きわめて吸湿性であり、乾燥させたままにしておくのは困難である。一般的に、脂肪族アミンは、固形分100%で、透明で、色が薄く、濁りが少ないプラスチックを製造することが実施不可能であるほど反応性である。
上に記載し、工程2に示したようなアミンを系中で形成することによって、通常の製造条件下で用いるのが通常は現実的ではないアミンを、望ましくない副生成物の生成、色または濁りを生じさせることなく、系中で生成させることができる。さらに、反応速度をもっと簡単に制御することができる。この反応は、上述の任意の種類のポリイソシアネートに用いることができるが、脂肪族ポリイソシアネートを上述のようにアミンに変換するのに特に有用である。
上の工程2に示されているように、系中で生成したアミンが別のイソシアネートと反応し、尿素基を生成する。過剰量のポリイソシアネートを用い、イソシアネート官能性尿素プレポリマーを形成することができる。いくつかの非限定的な実施形態では、NCO:アミン官能基の当量比は、約1:0.05〜約1:0.7、または約1:0.05〜約1:0.5、または約1:0.05〜約1:0.3である。適切な反応温度は、スズ触媒のような触媒を用いる場合、約25℃〜約60℃であってもよい。水が反応し、二酸化炭素が除去される場合、反応温度を約2〜約4時間かけて約90℃まで上げてもよい。または、反応が終了するまで、約25℃で約8時間まで反応を進めてもよい。以下にさらに詳細に記載するポリ(尿素ウレタン)の合成Bに示されるように、イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーを形成するために、場合により、上述のような1個以上のポリオールまたはジオールがこの反応に含まれてもよい。
上のポリ(尿素ウレタン)の合成Aの反応スキームの工程3に示されるように、ポリオールおよび/またはジオールをイソシアネート官能性尿素プレポリマーと反応させ、本発明のポリ(尿素ウレタン)を形成してもよい。工程3に示されるポリオールは、上に記載されるようなジオール(m=2)、トリオール(m=3)、またはもっと多価のヒドロキシル官能性材料(m=4またはそれ以上)であってもよく、ここで、Rは、ポリオールについて以下に詳細に記載されるように、任意の接続基(例えば、脂肪族、脂環式、芳香族、ヘテロ環など)である。適切なポリオールの例は、上に記載されるいずれかのポリオールであってもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、ポリオールは、トリメチロールプロパンおよびブタンジオールおよび/またはペンタンジオールであってもよい。ポリイソシアネートとしてイソシアネート官能性尿素プレポリマーと反応させるためのポリオールの適切な量は、上に詳細に記載されている。上のポリ(尿素ウレタン)において、xは、1〜約100、または約1〜約20の範囲であってもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、ポリ(尿素ウレタン)を形成するために、イソシアネート官能性プレポリマーを、約90℃の温度まで加熱し、ポリオールを加え、約90℃まで加熱する。相溶化を促進するために、温度を約100℃または約110℃まで上げ、次いで、約2〜約4mmの減圧を約3〜約5分間適用してもよい。
物品を調製するために、例えば、混合物を、剥離コーティングしたガラス鋳型に注ぐか、圧をかけて入れ、望ましい厚みおよび寸法を有する物品を成形してもよい。ある実施形態では、鋳型を、約200°F(93.3℃)の温度まであらかじめ加熱する。充填した型またはセルを約250°F(121℃)〜約320°F(160℃)の温度で乾燥機に入れ、例えば、約24〜約48時間かけて硬化させた。乾燥機からセルを取り出し、約25℃の温度まで冷却し、硬化したポリマーを鋳型から取り出した。
(グループI)
いくつかの非限定的な実施形態では、本発明は、(a)(1)少なくとも1つのポリイソシアネートと;(2)水との反応生成物を含む、少なくとも1つのイソシアネート官能性尿素プレポリマー、および;(b)4〜18個の炭素原子と、少なくとも3個のヒドロキシル基とを有する、少なくとも1つの分枝ポリオールを含む成分の反応生成物を含むグループIのポリ(尿素ウレタン)を提供し、ここで、反応生成物の成分は、本質的にアミン硬化剤を含まない。適切なポリイソシアネート、および4〜18個の炭素原子を有する分枝ポリオールは、上に詳細に記載されている。存在する場合、アミン硬化剤は、本質的に含まないものと上に定義されているとおりの量で存在してもよい。上記の他の任意のポリオール、触媒、または他の添加剤のうちのいずれかが、反応成分として、上のグループA〜Hに関して上に記載した量で存在してもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、本発明は、(a)少なくとも1つのポリイソシアネートと水とを反応させ、イソシアネート官能性尿素プレポリマーを形成する工程、ならびに;(b)イソシアネート官能性尿素プレポリマーを含む反応生成物の成分と、4〜18個の炭素原子および少なくとも3個のヒドロキシル基を有する、少なくとも1つの分枝ポリオールとを反応させる工程を含む、グループIのポリ(尿素ウレタン)を調製する方法を提供し、ここで、反応生成物の成分は、本質的にアミン硬化剤を含まない。反応合成は、ポリ(尿素ウレタン)の合成Aに関し、上に記載したとおりであってもよい。以下にさらに詳細に記載するポリ(尿素ウレタン)の合成Bに示されるように、場合により、上述のような1つ以上のポリオールまたはジオールの一部分は、イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーを形成するためにこの反応に含まれてもよく、次いで、これをポリオールおよび/またはジオールの別の部分と反応させる。
(グループJ)
いくつかの非限定的な実施形態では、本発明は、(a)(1)ポリイソシアネートトリマーおよび分枝ポリイソシアネートからなる群から選択される、少なくとも1つのポリイソシアネート(ポリイソシアネートは、少なくとも3個のイソシアネート官能基を有する)と;(2)水との反応生成物を含む、少なくとも1つのイソシアネート官能性尿素プレポリマー、ならびに;(b)4〜18個の炭素原子と少なくとも2個のヒドロキシル基を有する、少なくとも1つの脂肪族ポリオールを含む成分の反応生成物を含む、グループJのポリ(尿素ウレタン)を提供する。
適切なポリイソシアネートトリマーおよび分枝ポリイソシアネートおよびポリオールの例を、上に記載している。上記の他の任意のポリオール、アミン硬化剤、触媒または他の添加剤のうちのいずれかが、反応成分として、上のグループA〜Hに関して上に記載した量で存在してもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、反応成分は、上述のようにアミン硬化剤を本質的に含まないか、または含まない。
他の非限定的な実施形態では、本発明は、(a)ポリイソシアネートトリマーおよび分枝ポリイソシアネートからなる群から選択される、少なくとも1つのポリイソシアネートと、水とを反応させ、イソシアネート官能性尿素プレポリマーを形成する工程、ならびに;(b)このイソシアネート官能性尿素プレポリマーを含む反応生成物の成分と、4〜18個の炭素原子および少なくとも2個のヒドロキシル基を有する、少なくとも1つの脂肪族ポリオールとを反応させる工程を含む、ポリ(尿素ウレタン)を調製する方法を提供し、ここで、反応生成物の成分は、本質的にアミン硬化剤を含まない。
反応合成は、ポリ(尿素ウレタン)の合成Aに関し、上に記載したとおりであってもよい。以下にさらに詳細に記載するポリ(尿素ウレタン)の合成Bに示されるように、場合により、上述のような1つ以上のポリオールまたはジオールの一部分は、イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーを形成するためにこの反応に含まれてもよく、次いで、このイソシアネート官能性ウレタンプレポリマーをポリオールおよび/またはジオールの別の部分と反応させる。
(ポリ(尿素ウレタン)の合成B)
以下のポリ(尿素ウレタン)の合成Bに一般的に示されるように、他の非限定的な実施形態では、ポリイソシアネートと、ポリオールの一部分とを反応させ、少なくとも1つのイソシアネート官能性ウレタンプレポリマーを形成し、次いで、イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーと水とを反応させることによって、望ましい程度までポリウレタンマトリックス内に尿素結合または尿素単位を形成してもよい。以下のポリ(尿素ウレタン)の合成Bの反応スキームの工程1に示されているように、ポリオールおよび/またはジオールの一部分を、ポリイソシアネートと反応させ、少なくとも1つのイソシアネート官能性ウレタンプレポリマーを形成してもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、NCO:OH官能基の当量比は、約1:0.05〜約1:0.7、または約1:0.05〜約1:0.5、または約1:0.05〜約1:0.3の範囲である。ヒドロキシル基のウレタン基への本質的に完全な変換を確実にするために、過剰量のイソシアネートが望ましい。
工程1に示されるイソシアネートは、上に詳細に記載されるように、Rが任意の接続基(例えば、脂肪族、脂環式、芳香族、ヘテロ環など)であるジイソシアネートである。しかし、所望な場合、イソシアネートが、1個以上、2個以上、3個以上、またはそれ以上の数のイソシアネート官能基を有していてもよいことを当業者は理解するだろう。適切なイソシアネートの例は、上述のポリイソシアネートのいずれかであってもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、ポリイソシアネートは、1つ以上の脂肪族ポリイソシアネートである。いくつかの非限定的な実施形態では、ポリイソシアネートは、4,4’−メチレン−ビス−(シクロヘキシルイソシアネート)(例えば、DESMODUR W)である。
工程1に示されるポリオールは、上に記載されるようなジオール(m=2)、トリオール(m=3)、またはもっと多価のヒドロキシル官能性材料(m=4またはそれ以上)であってもよく、ここで、Rは、ポリオールについて上に詳細に記載されるように、任意の接続基(例えば、脂肪族、脂環式、芳香族、ヘテロ環など)である。適切なポリオールの例は、上に記載されるいずれかのポリオールであってもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、ポリオールは、トリメチロールプロパンおよびブタンジオールおよび/またはペンタンジオールであってもよい。場合により、反応を促進するために、上に記載されているような1つ以上の触媒を用いてもよい。ポリイソシアネートを、ポリオールと反応させ、反応剤をケトルに入れ、約10ppm以上の触媒(例えば、スズ、ビスマスまたはジルコニウム触媒)を加えることによって、イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーを形成してもよい。全てのヒドロキシル官能基が反応するまで、混合物を約100℃または約110℃の温度まで約2〜約4時間加熱してもよい。FTIR分光法を用い、反応度を決定してもよい。
イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーのイソシアネート官能基と水とを反応させることによって、望ましい程度までポリウレタンマトリックス内に尿素結合または尿素単位を形成してもよい。以下のポリ(尿素ウレタン)の合成Bの反応スキームの工程2に示されているように、イソシアネート官能基は、水と反応することによってカルバメート官能基に変換される。いくつかの非限定的な実施形態では、NCO:水の当量比は、約1:0.05〜約1:0.7、または約1:0.05〜約1:0.5、または約1:0.05〜約1:0.3の範囲である。
二酸化炭素の除去により、カルバメート基をアミン基へと変換しやすくなる。水を本質的に完全に消費するために、過剰量のイソシアネートが望ましい。さらに、アミン基への変換を促進するために、発生する二酸化炭素を本質的に全て除去することが望ましい。減圧下で水が除去されるのを防ぐために、約25℃の温度で反応を開始させ、次いで、二酸化炭素を除去するために減圧にしつつ、温度を約60℃まで上げてもよい。二酸化炭素の生成が止まった後、反応温度を約2〜約4時間、約100℃または約110℃まで上げてもよい。
上述のように、特定のアミン硬化剤(例えば、脂肪族アミン硬化剤)は、反応性が高く、通常の製造条件下で用いるのは現実的ではない。上に記載し、工程2に示されるように、アミンを系中で形成することによって、通常の製造条件下で用いるのが通常は現実的ではないアミンを、望ましくない副生成物を生じることなく、系中で生成させることができる。さらに、反応速度をもっと簡単に制御することができる。この反応は、上述の任意の種類のポリイソシアネートに用いることができるが、脂肪族ポリイソシアネートを上述のようにアミンに変換するのに特に有用である。
以下の工程3に示されているように、系中で生成したアミンが別のイソシアネートと反応し、尿素基を生成する。過剰量のポリイソシアネートを用い、イソシアネート官能性尿素ウレタンプレポリマーを形成することができる。イソシアネート官能性尿素ウレタンプレポリマーは、約25℃〜約150℃、または約110℃の温度で、化学量論的量よりも過剰なポリイソシアネートと、アミンとを、イソシアネート基とアミン基との反応が実質的に終了するまで実質的に無水の条件で反応させることによって調製することができる。ポリイソシアネートおよびアミン成分は、イソシアネート基の数と、アミン基の数との比率が、約1:0.05〜約1:0.7、または約1:0.05〜1:0.3の割合で適切に反応する。
以下のポリ(尿素ウレタン)の合成Bの反応スキームの工程4に示されているように、イソシアネート官能性尿素ウレタンプレポリマーを、ポリオールおよび/またはジオールの別の部分と反応させ、本発明のポリ(尿素ウレタン)を形成してもよい。工程4に示されるポリオールは、上に記載されるようなジオール、トリオール、またはもっと多価のヒドロキシル官能性材料であってもよく、ここで、Rは、ポリオールについて上に詳細に記載されるように、任意の接続基(例えば、脂肪族、脂環式、芳香族、ヘテロ環など)である。適切なポリオールの例は、上に記載されるいずれかのポリオールであってもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、ポリオールは、トリメチロールプロパンおよびブタンジオールおよび/またはペンタンジオールであってもよい。ポリイソシアネートとしてイソシアネート官能性尿素ウレタンプレポリマーと反応させるためのポリオールの適切な量は、上に詳細に記載されている。
イソシアネート官能性尿素ウレタンプレポリマーを、約120℃〜約160℃の範囲の温度で、イソシアネート基とヒドロキシル基との反応が実質的に終了するまで実質的に無水の条件で、ポリオールおよび/またはジオールの他の一部分(n=2以上)と反応させてもよい。イソシアネート官能性尿素ウレタンプレポリマーおよびポリオールおよび/またはジオールの成分は、イソシアネート基の数と、ヒドロキシル基の数との比率が、約1.05:1〜約1:1の範囲で適切に反応する。グループKのポリ(尿素ウレタン)では、yは、1〜約500またはそれ以上、または約1〜約200の範囲であってもよい。
硬化温度は、最終的なポリマーのガラス転移温度に依存する。ある実施形態では、完全硬化の場合、硬化温度は、ガラス転移温度よりも高いはずである。例えば、硬化温度は、約140℃〜約180℃、または約143℃〜約180℃の範囲であってもよい。
ポリ(尿素ウレタン)の合成B
(グループK)
いくつかの非限定的な実施形態では、本発明は、(a)イソシアネート官能性尿素ウレタンプレポリマーを形成するための、(1)(i)第1の量の少なくとも1つのポリイソシアネートと;(ii)第1の量の少なくとも1つの分枝ポリオールとの反応生成物を含む少なくとも1つのイソシアネート官能性ウレタンプレポリマーと;(2)水との反応生成物を含む、少なくとも1つのイソシアネート官能性尿素ウレタンプレポリマー、および;(b)第2の量の少なくとも1つのポリイソシアネートおよび第2の量の少なくとも1つの分枝ポリオールを含む成分の反応生成物を含む、グループKのポリ(尿素ウレタン)を提供する。
適切なポリイソシアネートおよびポリオールの例は、上に記載される。上述の他の任意のポリオール、アミン硬化剤、触媒または他の添加剤のうちのいずれかが、反応成分として、上のグループA〜Gに関して上に記載した量で含まれてもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、反応成分は、上述のアミン硬化剤を本質的に含まないか、または含まず、あるいはアミン硬化剤を含まない。
他の非限定的な実施形態では、本発明は、(a)少なくとも1つのポリイソシアネートと、4〜18個の炭素原子および少なくとも3個のヒドロキシル基を有する、少なくとも1つの分枝ポリオールとを反応させ、イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーを形成する工程;(b)イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーを、水とポリイソシアネートと反応させ、イソシアネート官能性尿素ウレタンプレポリマーを形成する工程、ならびに;(c)イソシアネート官能性尿素ウレタンプレポリマーを含む反応生成物の成分と、4〜18個の炭素原子および少なくとも2個のヒドロキシル基を有する、少なくとも1つの脂肪族ポリオールとを反応させる工程を含む、グループKのポリ(尿素ウレタン)を調製する方法を提供し、ここで、反応生成物の成分は、本質的にアミン硬化剤を含まない。反応合成は、ポリ(尿素ウレタン)の合成Bに関し、上に記載したとおりであってもよい。
(グループL)
他の非限定的な実施形態では、本発明は、(a)イソシアネート官能性尿素ウレタンプレポリマーを形成するための、(1)(i)ポリイソシアネートトリマーおよび分枝ポリイソシアネートからなる群から選択される第1の量の少なくとも1つのポリイソシアネートであって、少なくとも3個のイソシアネート官能基を有するポリイソシアネートと;(ii)第1の量の少なくとも1つの脂肪族ポリオールとの反応生成物を含む、少なくとも1つのイソシアネート官能性ウレタンプレポリマーと;(2)水との反応生成物を含む、少なくとも1つのイソシアネート官能性尿素ウレタンプレポリマー、および;(b)第2の量の少なくとも1つのポリイソシアネートおよび第2の量の少なくとも1つの脂肪族ポリオールを含む成分の反応生成物を含む、グループLのポリ(尿素ウレタン)を提供する。
適切なポリイソシアネートトリマー、少なくとも3個のイソシアネート官能基を有する分枝ポリイソシアネート、およびポリオールの例は、上に記載されている。上述の他の任意成分のポリオール、アミン硬化剤、触媒または他の添加剤のうちのいずれかが、反応成分として、上のグループA〜Gに関して上に記載した量で含まれてもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、反応成分は、上述のようなアミン硬化剤を本質的に含まないか、または含まない。
他の非限定的な実施形態では、本発明は、(a)ポリイソシアネートトリマーおよび分枝ポリイソシアネートからなる群から選択される少なくとも1つのポリイソシアネートと、4〜18個の炭素原子および少なくとも2個のヒドロキシル基を有する、少なくとも1つの脂肪族ポリオールとを反応させ、イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーを形成する工程;(b)イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーを水とポリイソシアネートと反応させ、イソシアネート官能性尿素ウレタンプレポリマーを形成する工程、ならびに;(c)イソシアネート官能性尿素ウレタンプレポリマーを含む反応生成物の成分と、4〜18個の炭素原子および少なくとも2個のヒドロキシル基を有する、少なくとも1つの脂肪族ポリオールとを反応させる工程を含む、グループLのポリ(尿素ウレタン)を調製する方法を提供し、ここで、反応生成物の成分は、本質的にアミン硬化剤を含まないか、またはアミン硬化剤を含まない。反応合成は、ポリ(尿素ウレタン)の合成Bに関し、上に記載したとおりであってもよい。
上述のように、ポリ(尿素ウレタン)は、反応成分に1つ以上のアミン硬化剤を含むことによって調製することができる。アミン硬化剤のアミン官能基が、イソシアネート基と反応し、ポリウレタンマトリックス内に尿素結合または尿素単位を生成してもよい。
(グループM)
他の非限定的な実施形態では、本発明は、約1当量の少なくとも1つのポリイソシアネートと;4〜18個の炭素原子および少なくとも3個のヒドロキシル基を有する、約0.1〜約0.9当量の少なくとも1つの分枝ポリオールと;2〜18個の炭素原子を有する、約0.1〜約0.9当量の少なくとも1つの脂肪族ジオールと;少なくとも1つのアミン硬化剤とを含む成分の反応生成物を含む、グループMのポリ(尿素ウレタン)を提供し、ここで、反応生成物の成分は、ポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールを本質的に含まないか、または含まない。
グループMのポリウレタンを調製するための反応成分として用いるのに適切なポリイソシアネート、4〜18個の炭素原子および少なくとも3個のヒドロキシル基を有する分枝ポリオール、脂肪族ジオール、ならびにアミン硬化剤の非限定的な例を、グループAに関して上に詳細に記載している。
いくつかの非限定的な実施形態では、グループMのポリウレタンを形成するのに用いられる分枝ポリオールの量は、約0.3〜約0.98当量、他の非限定的な実施形態では、約0.5〜約0.98当量、他の非限定的な実施形態では、約0.3当量、または約0.9当量、または約0.98当量であってもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、グループMのポリウレタンを形成するのに用いられる脂肪族ジオールの量は、約0.1〜約0.7当量、他の非限定的な実施形態では、約0.1〜約0.5当量、他の非限定的な実施形態では、約0.3当量であってもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、グループMのポリウレタンを形成するのに用いられるアミン硬化剤の量は、約0.1〜約0.9当量、他の非限定的な実施形態では、約0.1〜約0.7当量、他の非限定的な実施形態では、約0.3当量であってもよい。
グループMのポリ(尿素ウレタン)に関し、ポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールを本質的に含まないとは、ポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールが、上述のグループAのポリウレタンについて記載されるそれぞれの量で反応成分として存在してもよいこと、あるいは、反応成分は、ポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールのいずれか一方、または両方を含まなくてもよいことを意味する。
上述の他の任意のポリオール、触媒、または他の添加剤のうちのいずれかが、反応成分として、上述のグループA〜Hに関して上に記載した量で含まれてもよい。
他の非限定的な実施形態では、本発明は、少なくとも1つのポリイソシアネートと;4〜18個の炭素原子および少なくとも3個のヒドロキシル基を有する、少なくとも1つの分枝ポリオールと;2〜18個の炭素原子を有する少なくとも1つの脂肪族ジオールと;アミン硬化剤とを含む成分を、1ポットプロセスで反応させる工程を含む、ポリ(尿素ウレタン)を調製する方法を提供し、ここで、反応生成物の成分は、ポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールを本質的に含まないか、または含まない。
(グループN)
他の非限定的な実施形態では、本発明は、(a)ポリイソシアネートトリマーおよび分枝ポリイソシアネートからなる群から選択される少なくとも1つのポリイソシアネートであって、少なくとも3個のイソシアネート官能基を有するポリイソシアネートと;(b)4〜18個の炭素原子および少なくとも2個のヒドロキシル基を有する、約0.1〜約0.9当量の少なくとも1つのポリオールと;(c)少なくとも1つのアミン硬化剤とを含む成分の反応生成物を含む、グループNのポリ(尿素ウレタン)を提供し、ここで、反応生成物の成分は、ポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールを本質的に含まないか、または含まない。
グループNのポリウレタンを調製するための反応成分として使用するのに適切なポリイソシアネート、4〜18個の炭素原子および少なくとも3個のヒドロキシル基を有する分枝ポリオール、脂肪族ジオール、ならびにアミン硬化剤の非限定的な例を、グループA〜Cに関し、上に詳細に記載している。
いくつかの非限定的な実施形態では、グループNのポリウレタンを形成するのに用いられる分枝ポリオールの量は、約0.3〜約0.98当量、他の非限定的な実施形態では、約0.5〜約0.98当量、他の非限定的な実施形態では、約0.3当量、または約0.9当量、または約0.98当量であってもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、グループNのポリウレタンを形成するのに用いられる脂肪族ジオールの量は、約0.1〜約0.7当量、他の非限定的な実施形態では、約0.1〜約0.5当量、他の非限定的な実施形態では、約0.3当量であってもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、グループNのポリウレタンを形成するのに用いられるアミン硬化剤の量は、約0.1〜約0.7当量、他の非限定的な実施形態では、約0.1〜約0.5当量、他の非限定的な実施形態では、約0.3当量であってもよい。
グループNのポリ(尿素ウレタン)に関し、ポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールを本質的に含まないとは、ポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールが、上述のグループAのポリウレタンについて記載されるそれぞれの量で反応成分として存在してもよいこと、あるいは、反応成分は、ポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールのいずれか一方、または両方を含まなくてもよいことを意味する。
上述の他の任意のポリオール、触媒、または他の添加剤のうちのいずれかが、反応成分として、上のグループA〜Hに関して上に記載した量で含まれてもよい。
他の非限定的な実施形態では、本発明は、ポリイソシアネートトリマーおよび分枝ポリイソシアネートからなる群から選択される少なくとも1つのポリイソシアネートと;4〜18個の炭素原子および少なくとも3個のヒドロキシル基を有する少なくとも1つの脂肪族ポリオールと;2〜18個の炭素原子を有する少なくとも1つの脂肪族ジオールと;アミン硬化剤とを含む成分を、1ポットプロセスで反応させる工程を含む、ポリ(尿素ウレタン)を調製する方法を提供し、ここで、反応生成物の成分は、ポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールを本質的に含まないか、または含まない。
ある実施形態では、本発明のグループI〜Nのポリ(尿素ウレタン)は、熱硬化性であってもよい。
(グループO)
いくつかの非限定的な実施形態では、本発明は、自己配向を有し、第1の結晶方向に沿って配置が固定されるように結合した、結晶性粒子の第1の部分と、自己配向を有し、第2の結晶方向に沿って配置が固定されるように結合した、結晶性粒子の第2の部分とを含むポリウレタン材料を提供し、第1の結晶方向は、第2の結晶方向とは異なっており、この結晶性粒子は、ポリウレタン材料の総容積の少なくとも約30%含まれる。
粒子同士の相互作用または粒子と基材表面との相互作用により、一方向、二方向、または三方向の結晶軸に整列する。本明細書で使用される場合、結晶性粒子に対し、「整列する」または「整列した」は、結晶部分の粒子が、一般的に固定された位置および配置に並ぶように整列することを意味する。好ましい整列度は、材料の目的の用途によって変わる。整列の目的で、粒子が、例えば、望ましい整列方向に対し垂直または平行に、適切な配向で主要な平らな表面を有する均一な形状を有することが望ましい。
いくつかの非限定的な実施形態では、結晶性粒子の第1の部分を2次元で整列させる。いくつかの非限定的な実施形態では、結晶性粒子の第1の部分を3次元で整列させる。ある実施形態では、結晶性粒子を、任意の方向に沿って、約1nm〜約50nmの範囲の距離に沿って整列させる。
いくつかの非限定的な実施形態では、結晶性粒子の第2の部分を2次元で整列させる。いくつかの非限定的な実施形態では、結晶性粒子の第2の部分を3次元で整列させる。
本発明の結晶性粒子は、少なくとも「自己整列する」形態である。本明細書で使用される場合、「自己整列する」形態は、1個の粒子が少なくとも1つの結晶方向に沿って、もっと密度が大きく規則性のある領域(例えば、ラメラのような)へと整列する多結晶構造を形成するように自己組織化することが可能な任意の粒子を含む。自己整列形態を有する結晶粒子の形態の例としては、立方体の粒子、六角形の平板状、六角形の繊維状、長方形の平板状、長方形の粒子、三角形の平板状、四角形の平板状、四面体、立方体、八面体、およびこれらの混合物が挙げられる。
自己整列する形態は、望ましい整列方向から約10°までであり得る配向を確立してもよく、さらに、望ましい特性を十分にとらえたままである。したがって、このような形態を有する粒子は、望ましい形態を本質的に有する粒子を含む。例えば、立方体の粒子の場合、粒子は、完全な立方体である必要はない。軸は、完全に90°の角度である必要はなく、長さが実際に同じである必要もない。粒子の角も切り取られていてもよい。さらに、「立方体」または「立方体の」は、形態を指すことを意図しており、粒子を立方体結晶系に限定することを意図したものではない。その代わりに、斜方晶系、正方晶または菱面体晶の結晶構造を有する単結晶粒子を、単結晶粒子が定義された立方体形態を有している場合には、立方体として用いてもよい。言い換えると、面が本質的に四角形であり、本質的に長方形であるか、またはその両方であり、本質的に立方体の形態を有する任意の本質的に直角の単結晶粒子は、本発明の目的では立方体と考えられる。
結晶性粒子を、単一の結晶層または複数の結晶層からなる一体構造に整列させてもよい。1つ以上の層は、一般的に平面であるが、層は、ポリウレタンの生成中および硬化中に、支持基材材料の形状に依存して、湾曲した表面または複雑な形状に一致してもよい。
本発明の多結晶材料は、1次元、2次元、3次元に整列させるために、複数の単結晶粒子を整列した列に入れ、整列させることによって調製される。いくつかの非限定的な実施形態では、粒子は、エージングまたは熱処理をすると、列をなすように自己整列してもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、隣接する粒子とともに結合するのに十分な固体状態の拡散レベルを得るために、溶融温度の約半分よりも高い温度が必要であり、ほとんどが、一般的に、約35℃〜約100℃の範囲である。選択される温度範囲は、結合する材料に依存して変わるが、定義されている範囲内で過度の実験をすることなく、当業者によって簡単に決定することができる。複数の整列した粒子の層を有する多結晶材料を形成するために、調製工程を繰り返してもよい。得られた材料は、本質的に、材料の中で単結晶粒子の1次元、2次元、または3次元で整列した三次元の物体である。
図4は、実施例Aの配合物2にかかるポリウレタンから調製した鋳造物を示すTEM顕微鏡写真である。ポリウレタンを重合させて2週間後に、この鋳造物を、TEMを用いて分析した。鋳造物を周囲温度(約25℃)で2週間保存した。図4に示されるように、整列した結晶として認識できる区域は観察されなかった。
図5は、実施例Aの配合物2にかかるポリウレタンの鋳造物を示すTEM顕微鏡写真である。ポリウレタンを重合させて3週間後に、この鋳造物を、TEMを用いて分析した。鋳造物を周囲温度(約25℃)で3週間保存した。図5に示されるように、結晶領域の初期の生成が観察される。
図6は、実施例Aの配合物2にかかるポリウレタンの鋳造物を示すTEM顕微鏡写真である。ポリウレタンを重合させて7ヶ月に、この鋳造物を、TEMを用いて分析した。鋳造物を周囲温度(約25℃)で7ヶ月保存した。図6の顕微鏡写真では、矢印にほぼ平行な整列した結晶区域が示されている。
図7は、周囲温度(約25℃)で7ヶ月間保存した、実施例Aの配合物2のポリウレタンの電子回折パターンである。パターン中の明るい点は、結晶格子面からの反射であり、大きさは約8ナノメートル×約4ナノメートルである。
図8は、周囲温度で約7ヶ月エージングした後に調製した、実施例Aの配合物2にかかるポリウレタンの鋳造物を示すTEM顕微鏡写真である。この顕微鏡写真(図8)では、矢印にほぼ平行に整列した結晶の多くの区域または領域が示されており、領域は、異なる方向に配向しており、3週間エージングしたサンプルよりも高密度の領域を示している。
図9は、周囲温度で約2〜4週間エージングした後に調製した、実施例Aの配合物2にかかるポリウレタンの鋳造物の第1の部分を示すTEM顕微鏡写真である。鋳造物を周囲温度で2〜4週間保存した。図9に示されるように、整列した結晶として認識できる区域は観察されなかった。
図10は、図9に示される実施例Aの配合物2にかかるポリウレタンの鋳造物の第2の部分を示すTEM顕微鏡写真である。図10の丸く囲んだ領域で示されるように、結晶領域の初期の生成が観察される。
図9および図10に示されるサンプルは、ガードナー衝撃強度が180in−lbsであった。
図11は、実施例Aの配合物2にかかるポリウレタンの鋳造物を示すTEM顕微鏡写真である。ポリウレタンを重合させて約2〜約4週間後に、この鋳造物を、TEMを用いて分析した。鋳造物を周囲温度で2〜4週間保存した。顕微鏡写真(図11)では、丸く囲んだ領域に、整列した結晶の区域が示されている。
図12は、周囲温度で約7ヶ月エージングした後に調製した、実施例Aの配合物2にかかるポリウレタンの鋳造物の第1の部分を示すTEM顕微鏡写真である。この顕微鏡写真(図12)において、整列した結晶の大きな区域または領域が示されている。
図13は、図12で示される実施例Aの配合物2にかかるポリウレタンの鋳造物の第2の部分を示すTEM顕微鏡写真である。この顕微鏡写真(図13)において、整列した結晶の多くの区域または領域が示されており、この領域は、異なる方向に配向しており、より短い期間エージングしたサンプルよりも、より高密度の領域を示す。
図12および13に示されるサンプルは、ガードナー衝撃強度が640in−lbsであった。
図14は、周囲条件でそれぞれ2週間、3ヶ月、7ヶ月エージングした後に測定した実施例Aの配合物2にかかるポリウレタンの鋳造物について、示差走査熱量測定(DSC)を用いて測定した、温度の関数としての熱流量のグラフである。結晶領域の溶融吸熱エンタルピーは時間経過に伴って大きくなり、このことは、ポリマーがガラス状であり、235°F(113℃)のガラス転移温度で高度に架橋したとしても、時間経過に伴うポリマー形態および微細構造の変化を示す。結晶領域の数および大きさが増すにつれて、溶融エンタルピーは大きくなる。ガードナー衝撃強度は、時間経過に伴って大きくなる。2週間の時点で、ガードナー衝撃強度は、180in−lbsであった。3週間の時点で、ガードナー衝撃強度は、380in−lbsであった。7ヶ月の時点で、ガードナー衝撃強度は、640in−lbsであった。
図15は、周囲条件でそれぞれ7ヶ月、1年エージングした後に測定した実施例Aの配合物1および2にかかるポリウレタンの鋳造物について、ヤング率の関数としてのガードナー衝撃強度のグラフである。7ヶ月の時点で、配合物2の場合、ガードナー衝撃強度は、640in−lbsであった。1年の時点で、配合物1の場合、ガードナー衝撃強度は、400in−lbsであった。
いくつかの非限定的な実施形態では、ポリウレタン材料は、ポリマー相によって一緒に結合した、小傾角粒界を有する結晶性粒子の第1の部分の一体化した塊を含む。
いくつかの非限定的な実施形態では、ポリウレタン材料は、ポリマー相によって一緒に結合した、小傾角粒界を有する結晶性粒子の第2の部分の一体化した塊を含む。
いくつかの非限定的な実施形態では、ポリウレタン材料は、小傾角粒界とほぼアモルファスの相を有する、結晶性粒子の第1の部分の一体化した塊を含む。
いくつかの非限定的な実施形態では、ポリウレタン材料は、小傾角粒界とほぼアモルファスの相を有する、結晶性粒子の第2の部分の一体化した塊を含む。
いくつかの非限定的な実施形態では、結晶性粒子の第1の部分の厚みは、約50ナノメートル未満である。いくつかの非限定的な実施形態では、結晶性粒子の第2の部分の厚みは、約50ナノメートル未満である。第1の部分の長さおよび幅は、それぞれ変わってもよく、例えば、約4nm×約8nmであってもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、結晶性粒子の第1の部分の厚みは、約10ナノメートル〜約100ナノメートルの範囲であってもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、結晶性粒子の第2の部分の厚みは、約4ナノメートル〜約50ナノメートルの範囲であってもよい。第2の部分の長さおよび幅は、それぞれ変わってもよく、例えば、約4nm×約8nmであってもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、結晶性粒子は、材料の全容積の少なくとも約30%を構成する。他の非限定的な実施形態では、結晶性粒子は、材料の全容積の少なくとも約40%、または少なくとも約50%、または少なくとも約60%、または少なくとも約70%、または少なくとも約80%、または少なくとも約90%を構成する。結晶性粒子の百分率は、DSCによって決定することができる。例えば、以下に示すような配合物2から調製された物品を周囲条件(約25℃)で約7ヶ月エージングすると、結晶度は約43容積%であった。
いくつかの非限定的な実施形態では、ポリウレタンは、(a)約1当量の4,4’−メチレン−ビス−(シクロヘキシルイソシアネート)と;(b)約0.3当量のトリメチロールプロパンと;(c)約0.7当量のブタンジオールまたはペンタンジオールからなる成分の反応生成物を含む。いくつかの非限定的な実施形態では、ブタンジオールは、1,4−ブタンジオールである。いくつかの非限定的な実施形態では、ペンタンジオールは、1,5−ペンタンジオールである。
いくつかの非限定的な実施形態では、上述の本発明にかかるグループA〜Mのポリウレタンおよびポリ(尿素ウレタン)の耐衝撃性は、エージングまたは熱処理によって高まることがある。
いくつかの非限定的な実施形態では、ポリウレタン材料を形成してから少なくとも約2週間エージングしてもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、ポリウレタン材料を形成してから少なくとも約2ヶ月エージングしてもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、ポリウレタン材料を形成してから少なくとも約7ヶ月エージングした。
いくつかの非限定的な実施形態では、ポリウレタン材料を形成してから約1〜約24時間、約90℃〜約150℃、または約200°F(約93℃)〜約290°F(約143℃)の温度で加熱した。いくつかの非限定的な実施形態では、粒界移動度を誘発するのに十分な温度でポリウレタンを加熱し、その結果、隣接する結晶粒界の衝突がさらなる成長を妨げるまで粒子が成長する。正味の結果は、多結晶微細構造であり、全ての現実的な目的で、この多結晶微細構造の粒子が、ある種の望ましい特性について単結晶と同様の特性を発揮するように、2次元または3次元で整列する。
耐衝撃性または可とう性は、当業者に知られている種々の従来の方法を用いて測定することができる。材料の可とう性は、ASTM−D 5420−04にしたがって、8lbまたは16lb(17.6kgまたは35.2kg)の重量物が、種々の高さから、試験される基材(標本の大きさは2インチ×2インチ×1/8インチ(5.1cm×5.1cm×0.3cm))の上に載せた金属ダートの上に落ちる40インチ(101.6cm)のアルミニウム管からなるGardner Variable Impact Testerを用い、Gardner Impact Testによって測定することができる。非限定的な実施形態では、Gardner Impact Testの衝撃強度の結果は、少なくとも約65in−lb(7.3ジュール)、または約65in−lb(7.3ジュール)〜約640in−lb(72ジュール)である。
別の実施形態では、耐衝撃性は、ASTM−D 3763−02にしたがって、最初のマイクロ秒の衝撃で合計エネルギー吸収量を測定するロードセルを備える高速試験からなるDynatup Testを用いて測定することができる。衝撃強度は、ジュールで測定することができる。非限定的な実施形態では、基材は、少なくとも約35ジュール、または約35〜約105ジュールの衝撃強度を有していてもよい。
(グループP)
いくつかの非限定的な実施形態では、本発明は、ポリウレタン粉末コーティング組成物を提供する。この粉末コーティング組成物は、上に詳細に記載したグループA〜Nのポリウレタンまたはポリ(尿素ウレタン)のいずれかから調製することができる。
いくつかの非限定的な実施形態では、本発明は、少なくとも1つのポリイソシアネートと、少なくとも1つの脂肪族ポリオールとを反応させ、一般的に固体のヒドロキシ官能性プレポリマーを形成する工程;このヒドロキシ官能性プレポリマーを溶融する工程と;少なくとも1つの一般的に固体のポリイソシアネートを溶融し、溶融したポリイソシアネートを形成する工程;溶融したヒドロキシ官能性プレポリマーと、溶融したポリイソシアネートとを混合して混合物を形成する工程、ならびに;この混合物を固化させ、一般的に固体の粉末コーティング組成物を形成する工程を含む、ポリウレタン粉末コーティング組成物を調製する方法を提供する。
一般的に固体のヒドロキシ官能性プレポリマーは、ポリイソシアネートを過剰量の脂肪族ポリオールと触媒と上述の量で反応させ、このプレポリマーを約140℃、または約150℃〜約180℃の温度で約1〜約24時間加熱し、成分の本質的に完全な反応を促進し、ほぼ固体のプレポリマーの生成を促進することによって調製することができる。
いくつかの非限定的な実施形態では、ポリイソシアネートは、上述のように枝分かれしているか、またはトリマーであり、脂肪族ポリオールは、4〜18個の炭素原子、または4個または5個の炭素原子を有する脂肪族ジオールであり、例えば、プロパンジオール、ブタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、1,10−デカンジオールおよび/または1,12−ドデカンジオールである。他の非限定的な実施形態では、ポリイソシアネートは、上述のような任意のポリイソシアネートであってもよく、脂肪族ポリオールは、4〜18個の炭素原子を有する分枝ジオール、例えば、トリメチロールプロパンであってもよい。
イソシアネート官能基とヒドロキシル官能基との当量比は、約1:0.9〜約1:1.1、または約1:1であってもよい。
一般的に固体のポリイソシアネートは、例えば、約35℃〜約150℃の温度で約2〜約24時間加熱し、溶融したポリイソシアネートを形成することによって溶融することができる。溶融したヒドロキシ官能性プレポリマーと、溶融したポリイソシアネートとを混合し、固化し、以下に記載するように、粉末コーティングを形成するのに適した、ほぼ均一の混合物を形成してもよい。ポリイソシアネートのイソシアネート官能基とヒドロキシ官能性プレポリマーのヒドロキシル官能基との当量比は、約1.05:1〜約0.95:1、または約1:1であってもよい。
他の非限定的な実施形態では、本発明は、少なくとも1つのポリイソシアネートと少なくとも1つの脂肪族ポリオールとを反応させ、一般的に固体のヒドロキシ官能性プレポリマーを形成する工程;このヒドロキシ官能性プレポリマーを第1の溶媒に溶解させ、第1の溶液を形成する工程;少なくとも1つのほぼ固体のポリイソシアネートを、第1の溶媒と同じか、または相溶性の第2の溶媒に溶解させ、第2の溶液を形成する工程と;第1の溶液と第2の溶液とを混合する工程、ならびに;溶媒の実質的に全てを除去し、ほぼ固体の粉末コーティング組成物を形成する工程を含む、ポリウレタン粉末コーティング組成物を調製する方法を提供する。
いくつかの非限定的な実施形態では、ポリイソシアネートは、上述のように枝分かれしているか、またはトリマーであり、脂肪族ポリオールは、4〜18個の炭素原子、または4個または5個の炭素原子を有する脂肪族ジオールであり、例えば、プロパンジオールおよび/またはブタンジオールである。他の非限定的な実施形態では、ポリイソシアネートは、上述のような任意のポリイソシアネートであってもよく、脂肪族ポリオールは、4〜18個の炭素原子を有する分枝ジオール、例えば、トリメチロールプロパンであってもよい。
一般的に固体のヒドロキシ官能性プレポリマーは、ポリイソシアネートを過剰量の脂肪族ポリオールと触媒と、上述の種類および量で反応させることによって調製することができる。ヒドロキシ官能性プレポリマーを第1の溶媒に溶解させ、第1の溶液を形成する。溶媒は、ヒドロキシ官能性プレポリマーを溶解することが可能な任意の溶媒であってもよく、例えば、双極性非プロトン溶媒(例えば、m−ピロール(N−メチル−2−ピロリドン)、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド(DMSO)、塩化メチレン、ジクロロブタン、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミドおよび/またはアセトニトリル溶媒であってもよい。溶媒の量は、ヒドロキシ官能性プレポリマーの固体重量を基準として、約20〜約95重量%の範囲であってもよい。
第1の溶媒と同じであるか、相溶性である第2の溶媒中で第2の溶液を生成するほぼ固体のポリイソシアネート。溶媒は、ほぼ固体のポリイソシアネートを溶解することが可能な任意の溶媒であってよく、例えば、双極性非プロトン溶媒(例えば、m−ピロール(N−メチル−2−ピロリドン)、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド(DMSO)、塩化メチレン、ジメチルホルムアミドおよび/またはアセトニトリル溶媒であってもよい。溶媒の量は、ポリイソシアネートの固体重量を基準として、約20〜約95重量%の範囲であってもよい。
第1の溶液と、第2の溶液とを混合し、例えば、乾燥機中、減圧によって溶媒の実質的に全てを除去し、コーティング組成物として使用するのに適した、ほぼ固体の粉末を形成する。所望な場合、粉末を粉砕するか、または微粉化してもよい。
本発明で有用な硬化性粉末コーティング組成物は、典型的には、まず、ブレンダー(例えば、Henshelブレードブレンダー)中、ポリマー(例えば、ポリウレタンまたはポリ(尿素ウレタン)ポリマー)、架橋剤(存在する場合)、粒子および添加剤(例えば、脱気剤、流動制御剤、触媒)を乾燥状態でブレンドすることによって調製される。ブレンダーを、ブレンダーに入れた材料を乾燥した均一のブレンドにするのに十分な時間操作する。次いで、この乾燥した均一のブレンドを押出機(例えば、二軸同方向回転押出機)で溶融混合し、成分が溶融するが、ゲル化しないような十分な温度範囲で操作する。
場合により、本発明の硬化性の粉末コーティング組成物を、2つ以上の工程で溶融混合してもよい。例えば、第1の溶融ブレンドは、硬化触媒が存在しない状態で調製する。第2の溶融ブレンドは、第1の溶融ブレンドと硬化触媒の乾燥ブレンドから、低温で調製する。溶融混合した硬化性粉末コーティング組成物を、典型的には、平均粒径が例えば、15〜30ミクロンになるまで粉砕する。
または、本発明の粉末コーティング組成物は、上述のような成分のうち、粒子以外のものをブレンドし、押出成形することによって調製することができる。粉砕した粉末コーティング組成物に粒子を単純に混合することによって(例えば、Henschelミキサーを用いて混合することによって)、粒子を後添加剤として配合物に加えてもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、粉末コーティング組成物を、液体媒体(例えば、水)中でスラリー化し、これを噴霧によって塗布してもよい。
(グループQ)
いくつかの非限定的な実施形態では、本発明の組成物は、1種類以上の強化材料をさらに含んでいてもよい。これらの強化材料は、望ましい任意の物理形態(例えば、粒子(例えばナノ粒子が挙げられるがこれに限定されない)、凝集物、繊維物、切断した繊維物、マットなど)中に存在してもよい。
強化材料は、ポリウレタンまたはポリ(尿素ウレタン)とは化学的に異なるポリマー系無機材料、非ポリマー系無機材料、ポリマー系有機材料、非ポリマー系有機材料、それらのコンポジット、およびこれらの混合物からなる群から選択される材料から作られてもよい。本明細書で使用される場合、ポリウレタンまたはポリ(尿素ウレタン)とは「化学的に異なる」とは、強化材料が、ポリウレタンまたはポリ(尿素ウレタン)と比較して、少なくとも1個の異なる原子または異なる配置の原子を有することを意味する。
本明細書で使用される場合、用語「ポリマー系無機材料」は、炭素以外の1個以上の元素に基づく骨格繰り返し単位を有するポリマー材料を意味する。James Markら、Inorganic Polymers、Prentice Hall Polymer Science and Engineering Series(1992)、5ページ(本明細書で参考として組み込まれる)を参照。さらに、本明細書で使用される場合、用語「ポリマー系有機材料」は、合成ポリマー材料、半合成ポリマー材料、および天然ポリマー材料を意味し、これらは全て、炭素に基づく骨格繰り返し単位を有している。
「有機材料」は、本明細書で使用される場合、炭素を含有する化合物であって、化合物中の炭素が典型的には炭素自体と水素に結合しており、多くは、他の元素にも結合している、化合物を意味し、酸化炭素、カーバイド、二硫化炭素などのような二元化合物;金属シアニド、金属カルボニル、ホスゲン、硫化カルボニルなどの三元化合物;ならびに、炭素を含有するイオン化合物、例えば、金属炭酸塩、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウムなどを除外する。R.Lewis,Sr.,Hawley’s Condensed Chemical Dictionary,(第12版、1993)、761−762ページ、およびM.Silberberg,Chemistry The Molecular Nature of Matter and Change(1996)、586ページを参照(これらは、本明細書に参考として組み込まれる)。
本明細書で使用される場合、用語「無機材料」は、有機材料ではない任意の材料を意味する。
本明細書で使用される場合、用語「コンポジット材料」は、2種以上の異なる材料を組み合わせたものを意味する。例えば、コンポジット粒子は、1種類以上の第2の材料でコーティングされ、被覆され、または封入された第1の材料から作られてもよく、柔らかい表面を有するコンポジット粒子を形成してもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、コンポジット材料から作られる粒子は、第1の材料の異なる形態でコーティングされ、被覆され、または封入された第1の材料から作られてもよい。本発明で有用な粒子に関するさらなる情報については、G.Wypych,Handbook of Fillers、第2版、(1999)、15−202ページ(本明細書に参考として組み込まれる)を参照。
本発明の組成物で用いるのに適した強化材料は、当該技術分野で既知の無機元素または無機化合物を含んでいてもよい。適切な非ポリマー系の無機強化材料は、セラミック材料、金属系材料、および上述のいずれかの混合物から作られてもよい。本発明の強化材料を形成するのに有用な非ポリマー系の無機材料は、グラファイト、金属、酸化物、カーバイド、窒化物、ホウ化物、スルフィド、シリケート、カーボネート、サルフェート、水酸化物からなる群から選択される無機材料を含む。適切なセラミック材料は、金属酸化物、金属窒化物、金属カーバイド、金属硫化物、金属ケイ化物、金属ホウ化物、金属カーボネート、および上述のいずれかの混合物を含む。適切な金属の非限定的な例としては、モリブデン、白金、パラジウム、ニッケル、アルミニウム、銅、金、鉄、銀、アロイ、および上述のいずれかの混合物が挙げられる。金属窒化物の非限定的な例は、例えば、窒化ホウ素であり;金属酸化物の非限定的な例は、例えば、酸化亜鉛であり;適切な金属硫化物の非限定的な例は、例えば、二硫化モリブデン、二硫化タンタル、二硫化タングステン、二硫化亜鉛であり;金属ケイ化物の非限定的な例は、例えば、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、例えば、バーミキュライトである。いくつかの非限定的な実施形態では、強化材料は、フィラー、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、シリケート、アルギン酸塩、カーボンブラック、金属酸化物、例えば、二酸化チタン、シリカ、酸化亜鉛を本質的に含まない(約5重量%未満、または1重量%未満)か、含まない。
いくつかの非限定的な実施形態では、強化材料は、本質的に一種類の無機酸化物(例えば、コロイド状、ヒュームド、またはアモルファス形態のシリカ、アルミナまたはコロイド状アルミナ、二酸化チタン、酸化セシウム、酸化イットリウム、コロイド状イットリア、ジルコニア、例えば、コロイド状ジルコニアまたはアモルファスジルコニア、および上述のいずれかの混合物)のコアを含んでいてもよく、または、別の種類の有機酸化物が堆積しているある種類の無機酸化物のコアを含んでいてもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、強化材料は、硬化した組成物の光学特性を深刻なほど妨害すべきではない。本明細書で使用される場合、「透明」は、BYK/Haze Gloss装置を用いて測定した場合、硬化したコーティングが、50未満のBYK Haze指数を有することを意味する。
組成物は、ゾルゲルプロセスによってシリカ粒子を系中で形成するのに適した前駆体を含んでいてもよい。本発明の組成物は、アルコキシシランを含んでいてもよく、アルコキシシランは、加水分解して系中でシリカ粒子を形成することができる。例えば、オルトケイ酸テトラエチルは、塩酸のような酸で加水分解され、縮合してシリカ粒子を形成し得る。他の有用な粒子としては、表面改質されたシリカ、例えば、米国特許第5,853,809号の第6欄第51行〜第8欄第43行(本明細書に参考として組み込まれる)に記載されているものが挙げられる。
強化粒子のゾル(例えば、有機ゾル)を本発明で用いてもよい。これらのゾルは、広範な種類の小さな粒子、平均粒径が以下に記載されるような範囲のコロイド状シリカを含んでいてもよい。コロイド状シリカは、粒子を最初に形成している間、または形成した後に表面改質してもよい。これらの表面改質されたシリカは、これらの表面に化学的に結合した炭素含有部分を含んでいてもよく、また、望ましい特定のシリカの特性に依存して、無水SiO2基およびSiOH基、シリカ表面に物理的に会合しているか、または化学的に結合している種々のイオン基、吸着した有機基、または上述のいずれかの組み合わせのような基を含んでいてもよい。このような表面改質されたシリカは、米国特許第4,680,204号に詳細に記載される(本明細書に参考として組み込まれる)。このような小さな粒子のコロイド状シリカは、簡単に入手可能であり、本質的に無色であり、また、このような組成物を着色し、そして/または透明度を減らすために当該技術分野で既知のさらなる顔料または成分を加えることなく無色透明の組成物またはコーティングをもたらす組成物中に上記コロイド状シリカが含まれることを可能にする、屈折率を有する。
強化材料の他の適切な非限定的な例としては、コロイド状シリカ、例えば、Nissan Chemical Companyから商品名ORGANOSILICASOLSTM、例えば、ORGANOSILICASOLTMMT−ST、およびClariant CorporationからHIGHLINKTMとして市販されているもの;コロイド状アルミナ、例えば、Nalco Chemicalから商品名NALCO 8676(登録商標)で市販されているもの;コロイド状ジルコニア、例えば、Nissan Chemical Companyから商品名HIT−32M(登録商標)で市販されているものが挙げられる。
本発明のいくつかの非限定的な実施形態では、強化材料は、ナノ構造である。本明細書で使用される場合、用語「ナノ構造」は、最も長い寸法の長さが、1nm〜1000nm、例えば、1nm〜500nm、または1nm〜100nm、または1〜40nmの三次元の物体を指す。
ナノ構造の強化材料を、あらかじめ形成したナノ構造(例えば、ナノクレー)をポリマー溶液に分散させることによって、ポリマーマトリックスに組み込んでもよい。代替的に、またはこれに加え、ナノ構造の強化材料を、ナノ構造を系中で形成することによって、ポリマーマトリックスに組み込んでもよい。例えば、ポリウレタンまたはポリ(尿素ウレタン)の前駆体溶液と、ナノ構造の前駆体とを混合することによって混合物を形成し、ナノ構造の前駆体からポリマーマトリックス中でナノ構造を形成し、ポリマーの前駆体溶液からポリマーを形成することによって、ナノ構造の強化材料を系中で形成してもよい。
本明細書で使用される場合、句「ポリウレタンまたはポリ(尿素ウレタン)の前駆体溶液」は、上述のように、ポリウレタンまたはポリ(尿素ウレタン)を形成するための出発物質として使用可能な任意の材料を指す。例えば、望ましい最終生成物が脂肪族ポリウレタンである場合、このポリマーに適した前駆体としては、限定されないが、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、およびビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタンおよびチオジエタノールが挙げられる。
本明細書で使用される場合、句「ナノ構造の前駆体」は、ナノ構造を形成するための出発物質として使用可能な任意の材料を指す。
本発明のいくつかの非限定的な実施形態では、溶媒(例えば、水、エタノール、iso−プロパノール、ブタノールなど)を混合物に加える。
ポリマーの粘度を、ナノ構造をポリマーのマトリックスに組み込むことができるように低くしつつ、ナノ構造を形成する。ナノ構造の形成は、種々の技術を用いて開始することができる。本発明の非限定的な実施形態では、ナノ構造は、混合物のpHを調節することによって形成される。酸または塩基(例えば、アンモニア)を用い、溶液のpHを調節してもよい。実際のポリマー前駆体溶液および実際のナノ構造前駆体に依存して、ナノ構造が生成するであろう最適なpH範囲が存在する。当業者は、最適pH範囲が両方の前駆体に依存するということを知っている。
別の非限定的な実施形態では、混合物を加熱し、ナノ粒子の生成を開始させてもよい。混合物を、前駆体溶液が分解してしまうような温度よりも高い温度まで混合物を加熱しないという条件で、任意の温度まで加熱してもよい。例えば、ポリウレタンまたはポリ(尿素ウレタン)を含む前駆体溶液を、200℃を超える温度まで加熱してはいけない。なぜなら、この温度では、ポリウレタンまたはポリ(尿素ウレタン)が分解し始めるからである。pH範囲と同様に、粒子が生成するであろう最適な温度範囲は、実際のポリウレタンまたはポリ(尿素ウレタン)前駆体溶液および実際のナノ構造前駆体に依存する。当業者は、最適温度範囲が両方の前駆体に依存するということを知っている。一般的に、混合物を加熱する温度が高いほど、そして/または、混合物を加熱する時間が長いほど、生成するナノ構造の大きさが大きくなる。
本発明のさらに別の非限定的な実施形態では、ナノ構造を形成することは、混合物のpHを調節した後、混合物を加熱することによって達成される。本発明のさらなる非限定的な実施形態では、ナノ構造を形成することは、混合物を加熱し、次いで、混合物のpHを調節することによって達成される。
本発明の種々の他の非限定的な実施形態では、ナノ構造は、以下の1つ以上を用いて形成してもよい:混合物に加える圧力を増やすこと;ポリウレタンまたはポリ(尿素ウレタン)の前駆体溶液の濃度を変えることによって;ナノ構造生成の開始剤を用いることによって;種を加えることによって(当該技術分野でよく知られているように、生成するナノ構造の予想重量に基づいて、5%を超える望ましいナノ構造材料を加える)。
生成するナノ構造は、帯電した種である。ナノ構造が生成するように溶液のpHを調節する場合、電荷は、pH調節の結果である。ナノ構造形成工程中にpH調節を行わなかった場合には、ポリマー系安定化剤(例えば、限定されないが、水中のナトリウムポリメタクリレート、水中のアンモニウムポリメタクリレート(両方とも、それぞれ、ノーウォーク、CTのR.T.Vanderbilt Company,Inc.からDarvan(登録商標)7およびDarvan(登録商標)Cとして市販されている))を溶液に加え、電荷を作り出してもよい。
第3の工程は、ポリウレタンまたはポリ(尿素ウレタン)の前駆体溶液を含む混合物から、ポリウレタンまたはポリ(尿素ウレタン)を形成することを含む。ポリウレタンまたはポリ(尿素ウレタン)の形成を、ポリウレタンまたはポリ(尿素ウレタン)の前駆体溶液およびナノ構造の前駆体に基づいて、種々の技術(上に詳細に記載されたようなもの)を用いて開始してもよい。
本発明の別の実施形態では、上に記載した第2の工程および第3の工程を交換する。
本発明のポリマーのマトリックスに組み込まれたナノ構造を有するポリマーを製造する方法を、「系中での」プロセスと称する。このことは、ポリマー溶液に分散している、あらかじめ形成したナノ構造とは対照的に、ポリマーを製造する同じプロセス中にナノ構造が形成されることを意味する。
本発明のいくつかの方法の間に、イオン(カチオンおよび/またはアニオン)が、混合物中に生成してもよい。生成するイオンおよび他のプロセス変数(例えば、混合物が保持される系の圧力)は、最終的なポリマーに影響を及ぼす場合がある。例えば、ナノ構造の生成量およびナノ構造の形態は、溶液中に存在するイオンの種類および量に依存して変わる。
ポリマーマトリックスにおいて、ナノ構造物は、典型的には、運動エネルギーを有しているために、絶えず互いに近づき衝突する。通常の環境下で、いくつかのナノ構造は、一緒に結合し、ファンデルワールス力のような種々の力によって凝集する。上述のように、ナノ構造は、効果的に規則的な大きさの粒子になり、ナノ構造を組み込む望ましい効果が減ってしまうため、凝集は、望ましくない。
しかし、上述の方法は、例えば、ポリマーの熱安定性を高め、そして/またはポリマーの化学活性を減らす目的で、ポリマーの性能が低下する程度まで凝集しないポリマーのマトリックス中にナノ構造を有するポリマーを製造することができる。ナノ構造は、安定化されているため凝集しない。安定化は、静電安定化および/または立体安定化によって生じてもよい。
ポリマーマトリックス中のナノ構造が、同じように帯電した種であるため、これらの構造は互いに反発する。これにより、ナノ構造が互いに近づいて凝集してしまうのを防ぐ。この現象は、静電安定化と呼ばれる。
ナノ構造が作られたときには、ナノ構造はポリマー前駆体溶液に囲まれているため、ナノ構造は、自由度が失われており、さもなければ、ナノ構造は互いに近づいてしまうだろう。この自由度が失われていることは、熱力学的な用語で、エントロピーの低下と表現され、これにより、凝集を防ぐための必要な障壁を与える。この現象は、立体安定化と呼ばれる。この方法が、ナノ構造を形成する前にポリマーを形成することを含む場合にも同じ原理が適用される。
ポリマーマトリックス中のナノ構造の濃度は、総容積を基準として、0.1%〜90%、例えば、3%〜85%、または15%〜80%の範囲であってもよい。ポリマーマトリックス中のナノ構造は、以下の形状を有していてもよい:球、立方体のような多面体、三角形、五角形、ダイアモンド形状、針状、棒状、円板状、など。ポリマーマトリックス中のナノ構造は、横縦比が、1:1〜1:1,000、例えば、1:1〜1:100であってもよい。
適切なナノ構造材料の非限定的な例としては、形成されるポリマーマトリックスに組み込まれたチタニア、アルミナ、インジウムスズオキシド(ITO)、アンチモンスズオキシド(ATO)、モノブチルスズトリクロリド、酢酸インジウム、アンチモントリクロリドナノ構造が挙げられる。チタニアナノ構造の適切な前駆体としては、限定されないが、チタンiso−プロポキシド、塩化チタン(IV)、カリウムチタニルオキサレートが挙げられる。アルミナナノ構造の適切な前駆体としては、限定されないが、アルミニウムiso−プロポキシド、アルミニウムトリ−tert−ブトキシド、アルミニウムトリ−sec−ブトキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムペンタンジオネートが挙げられる。ジルコニアナノ構造に適切な前駆体としては、限定されないが、ジルコニウムiso−プロポキシド、ジルコニウムtert−ブトキシド、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムエトキシド、ジルコニウム2,4−ペンタンジオネート、およびジルコニウムトリフルオロペンタン−ジオネートが挙げられる。
第1の工程では、ポリウレタンまたはポリ(尿素ウレタン)の前駆体溶液を、ナノ構造の前駆体と混合する。
第2の工程では、ポリマーマトリックス中のナノ構造の前駆体から、ナノ構造を形成する。ナノ構造の形成は、混合物のpHを調節した後に、加熱することによって引き起こされてもよい。pHは、薬剤(例えば、アンモニア)を混合物に導入することによって調節してもよい。ウレタンまたは尿素ウレタンの水溶液中のITOナノ構造の場合、ナノ構造は、pH>8で生成し始める。pHを調節した後、混合物を100℃までの温度に加熱する。溶液を、100℃を超える温度まで加熱すると、ポリマーマトリックスが分解する場合がある。上述のように、混合物を長い時間加熱すると、ナノ構造のサイズを大きくすることができる。
第3の工程では、ポリウレタンおよびポリ(尿素ウレタン)を形成することについて上に記載したように、ポリマーの前駆体溶液をポリマーに変換する。
本発明の非限定的な実施形態では、最終的な強化したポリマーを、自動車用および建築用途の積層したガラス透明物の中間層として使用する。当該技術分野でよく知られているように、積層したガラス透明物は、少なくとも2枚の透明ガラスシートの間に中間層を挟むことによって製造することができる。
本発明のこの特定の実施形態では、自動車用および建築用途の実施形態で、積層したガラス透明物は、ナノ構造が凝集しないことが重要である。ナノ構造が凝集し、200nmより大きな直径を効果的に達成する場合には、ナノ構造は、中間層を通過する透過率がこの用途にとって不十分であるような程度まで、可視光線を分散してしまうだろう。この用途で許容可能な大きさを有するナノ構造を有するポリマーは、「ヘイズ値」を用いて決定することができる。ヘイズ値は、透明度が妨げられる程度と関連がある。ポリマーマトリックス中に存在するナノ構造が大きいほど、ヘイズ値が大きい。本発明によれば、自動車用および建築用途の積層したガラスは、コロンビア、MDのBYK−Gardner製のHazeguard Systemを用いて測定した場合、ヘイズ値が約1%以下であり、例えば、約0.3%以下、または約0.2%以下である。
ポリマーマトリックスに組み込まれたチタニアナノ構造を有するポリウレタンまたはポリ(尿素ウレタン)が形成される実施形態では、第1の工程は、チタン iso−プロポキシドと、1〜10wt% H2O2溶液および適切なポリウレタンまたはポリ(尿素ウレタン)前駆体とを上述のように混合することを含んでいてもよい。H2O2は、チタニアナノ構造(特に、アナターゼ形態のチタニアナノ構造)の開始剤として作用する。場合により、チタニアナノ構造を安定化させるのを助けるために、ポリマー(例えば、ICI Ltd.(ブリッジウォーター、NJ)からTween(登録商標)80として市販されているポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート)を上述の溶液に加えてもよい。
第2の工程では、混合物を100℃までの温度に加熱することによって、前駆体からチタニアナノ構造を形成する。
第3の工程では、ポリマーの前駆体溶液を、上に詳細に記載されるようにポリウレタンまたはポリ(尿素ウレタン)に変換する。
本発明の非限定的な実施形態では、ポリマーのマトリックスに組み込まれたチタニア、アルミナ、またはジルコニアナノ構造を有するポリウレタンまたはポリ(尿素ウレタン)を、光学レンズとして用いてもよい。光学レンズ用途で許容可能な大きさのナノ構造を有するポリマーは、「ヘイズ値」を用いて決定することができる。本発明によれば、光学レンズは、ヘイズ値が、BYK Gardner製のHazeguard Systemを用いて測定した場合、0.5%以下、例えば、0.2%以下である。
本発明の非限定的な実施形態では、ポリマーマトリックスに組み込まれたITOまたはATOナノ構造を有するポリウレタンが形成される。このようなポリマーは、以下の様式で形成することができる。第1の工程では、トリメチロールプロパン、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、およびチオジエタノールの前駆体溶液を、ITOまたはATOナノ構造の前駆体と混合する。
ポリウレタンの適切な前駆体溶液は、トリメチロールプロパン、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、チオジエタノール、および1,4−ブタンジオールである。ITOナノ構造に対して適切な前駆体としては、モノブチルスズトリクロリドおよび酢酸インジウムが挙げられる。ATOナノ構造に対して適切な前駆体は、アンチモントリクロリドである。
第2の工程では、ITOまたはATOナノ構造を前駆体から形成する。ナノ構造の形成は、薬剤(例えば、アンモニア)を混合物に導入することによって溶液のpHを調節し、次いで、混合物を加熱することによって引き起こしてもよい。ITOナノ構造の場合、ITOナノ構造は、pH>8で生成し始める。pHを調節した後、混合物を100℃までの温度に加熱する。上述のように、混合物を長い時間加熱すると、ナノ構造のサイズを大きくすることができる。
第3の工程では、当該技術分野でよく知られているように、1,4−ブタンジオールを、トリメチロールプロパン、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、チオジエタノールと混合する。例えば、1,4ブタンジオール、チオジエタノール、トリメチロールプロパン(TMP)、DESMODUR(登録商標) Wを、全て容器内で混合し、180°Fまで加熱してもよい。この混合物を減圧下で約15分間混合し、次いで、スズ触媒(例えば、ジブチルスズジラウレートまたはビスマスカルボキシレート)を濃度25ppmで混合物に加える。次いで、この混合物をガラス製の型の間に入れ、250°F(121℃)で少なくとも20時間硬化させ、ポリウレタンを形成する。
非限定的な実施形態では、トリメチロールプロパン、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、ポリマーマトリックスに組み込まれたITOまたはATOナノ構造を有するチオジエタノールを用い、飛行機の窓用の帯電防止コーティングを形成する。ナノ構造を有するポリマーは、標準的なトリメチロールプロパン、ITO/ATOナノ粒子を含まないメチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)チオジエタノールよりも大きな弾性率を有している。
他の非限定的な実施形態では、強化材料は、ナノ構造の前駆体を含む溶媒中のポリウレタンを膨潤させ、ポリウレタンのマトリックス中で、ナノ構造の前駆体からナノ構造を形成することによってインサイチュで生成される、ナノ構造強化材料である。ポリマーを穏やかに膨潤させるのに適した溶媒の非限定的な例としては、メタノール、プロピレングリコールメチルエーテル、例えば、DOWANOL PM(ミッドランド、ミシガンのDow Chemical Co.から市販されている)、ジアセトンアルコール、2−プロパノール、1−プロパノール、およびアセチルプロパノールが挙げられる。
飛行機の窓用途で許容可能な大きさを有するナノ構造を有するポリマーは、「ヘイズ値」を用いて決定することができる。本発明によれば、積層した飛行機の窓は、ヘイズ値が、BYK Gardner製のHazeguard Systemを用いて測定した場合、約1%以下、例えば、約0.5%以下である。
本発明のいくつかの非限定的な実施形態では、強化材料は、ポリマーコーティングまたはポリマー基材を摩耗させ得る材料の硬度値よりも大きな硬度値を有する。ポリマーコーティングまたはポリマー基材を摩耗させ得る材料の例としては、限定されないが、泥、砂、岩、ガラス、車洗浄用ブラシなどが挙げられる。ポリマーコーティングまたはポリマー基材を摩耗させ得る粒子および材料の硬度値は、任意の従来の硬度測定方法(例えば、VickersまたはBrinellの硬度)によって決定することができ、または、材料表面の相対的な耐引っかき性を1から10のスケールで示す、元々のMohsの硬度スケールにしたがって決定することができる。本発明で用いるのに適した無機材料から形成される粒子のいくつかの非限定的な例のMohsの硬度値を以下の表1に示す。
1 K. Ludema、Friction、Wear、Lubrication、(1996) at page 27(本明細書に参考として組み込まれる)
2 R. Weast (Ed.)、Handbook of Chemistry and Physics、CRC Press (1975) at page F−22.
3 R. Lewis、Sr.、Hawley’s Condensed Chemical Dictionary、(12th Ed. 1993) at page 793(本明細書に参考として組み込まれる)
4 Hawley’s Condensed Chemical Dictionary、(12th Ed. 1993) at page 1113(本明細書に参考として組み込まれる)
5 Hawley’s Condensed Chemical Dictionary、(12th Ed. 1993) at page 784(本明細書に参考として組み込まれる)
6 Handbook of Chemistry and Physics at page F−22.
7 Handbook of Chemistry and Physics at page F−22.
8 Friction、Wear、Lubrication at page 27.
9 Friction、Wear、Lubrication at page 27.
10 Friction、Wear、Lubrication at page 27.
11 Friction、Wear、Lubrication at page 27.
12 Handbook of Chemistry and Physics at page F−22.
13 Handbook of Chemistry and Physics at page F−22.
14 Handbook of Chemistry and Physics at page F−22.
15 Handbook of Chemistry and Physics at page F−22.
16 Handbook of Chemistry and Physics at page F−22.
17 Handbook of Chemistry and Physics at page F−22.
18 Handbook of Chemistry and Physics at page F−22.
19 R. Weast (Ed.)、Handbook of Chemistry Physics、CRC Press (71.sup.st Ed. 1990) at page 4−158
いくつかの非限定的な実施形態では、強化材料は、1種類以上の第2の材料でコーティングされたか、被覆されたか、または封入された第1の材料から形成され、硬い表面を有するコンポジット材料を形成してもよい。他の非限定的な実施形態では、強化粒子は、第1の材料の異なる形態でコーティングされたか、被覆されたか、または封入された第1の材料から形成されてもよく、硬い表面を有するコンポジット材料を形成してもよい。
いくつかの非限定的な例では、有用なコンポジット粒子を形成するために、無機材料(例えば、炭化ケイ素または窒化アルミニウム)から形成される無機粒子は、シリカコーティング、カーボネートコーティング、ナノクレーコーティングとともに与えられてもよい。他の非限定的な例では、アルキル側鎖を有するシランカップリング剤が、無機酸化物から作られる無機粒子の表面と相互作用し、「柔らかい」表面を有する有用なコンポジット粒子を与えてもよい。他の例としては、非ポリマー系材料またはポリマー材料から作られる粒子を、異なる非ポリマー系材料またはポリマー材料で被覆するか、封入するか、またはコーティングすることが挙げられる。このようなコンポジット粒子の非限定的な例のひとつはDUALITETMであり、これはバッファロー、ニューヨークのPierce and Stevens Corporationから市販されている、炭酸カルシウムでコーティングされた合成ポリマー粒子である。
いくつかの非限定的な実施形態では、固体潤滑剤材料から粒子を形成する。本明細書で使用される場合、用語「固体潤滑剤」は、2つの表面の間で用いられ、相対的な動きの間に損傷することを防ぎ、そして/または摩擦および摩耗を減らすための任意の固体を意味する。いくつかの非限定的な実施形態では、固体潤滑剤は、無機固体潤滑剤である。本明細書で使用される場合、「無機固体潤滑剤」は、固体潤滑剤が、薄い平坦な面にせん断され、互いに簡単に滑り、したがって、摩擦を減らし、潤滑効果を生じさせるような特徴的な結晶の性質を有していることを意味する。R.Lewis,Sr.,Hawley’s Condensed Chemical Dictionary,(12th Ed.1993)、712ページ(本明細書に参考として組み込まれる)を参照。摩擦は、ある固体をもう1つの固体の上で滑らせることに対する抵抗である。F.Clauss,Solid Lubricants and Self−Lubricating Solids(1972)、1ページ(本明細書に参考として組み込まれる)を参照。
いくつかの非限定的な実施形態では、粒子は、ラメラ構造を有する。ラメラ構造を有する粒子は、六角形に並んだ原子のシートまたは平板で構成されており、シート内に強い結合と、シート間に弱いファンデルワールス結合とを有し、シート間のせん断強度が低い。ラメラ構造の非限定的な例は、六方晶構造である。ラメラフラーレン(すなわち、バッキーボール)構造を有する無機固体粒子も、本発明で有用であり得る。
本発明の粒子を形成するのに有用なラメラ構造を有する適切な材料の非限定的な例としては、窒化ホウ素、グラファイト、金属ジカルコゲニド、マイカ、タルク、セッコウ、カオリナイト、カルサイト、ヨウ化カドミウム、硫化銀、および上述のいずれかの混合物が挙げられる。適切な金属ジカルコゲニドとしては、モリブデンジスルフィド、モリブデンジセレニド、タンタルジスルフィド、タンタルジセレニド、タングステンジスルフィド、タングステンジセレニド、および上述のいずれかの混合物が挙げられる。
いくつかの非限定的な実施形態では、強化材料は、ガラス繊維束であってもよい。ガラス繊維束は、ガラスフィラメントから作られ、一般的に受容可能なフィラメントの種類は、他の酸化物および非酸化物の組成物で選択的に改変されたシリケートのような酸化物の組成物に基づく。有用なガラスフィラメントは、当業者に知られている繊維化可能な任意の種類のガラス組成物から作られてもよく、有用なガラスフィラメントとしては、繊維化可能なガラス組成物から調製されるもの、例えば、「E−ガラス」、「A−ガラス」、「C−ガラス」、「D−ガラス」、「R−ガラス」、「S−ガラス」、およびフッ素を含まず、そして/またはホウ素を含まないE−ガラス誘導体が挙げられる。本明細書で使用される場合、用語「繊維化可能な」は、一般的に、連続的なフィラメント、繊維、束または糸へ形成することが可能な材料を意味する。本明細書で使用される場合、「E−ガラス誘導体」は、少量のフッ素および/またはホウ素を含むか、またはフッ素を含まず、そして/またはホウ素を含まなくてもよいガラス組成物を意味する。さらに、本明細書で使用される場合、「少量のフッ素」は、0.5重量%未満のフッ素、または0.1重量%未満のフッ素を意味し、「少量のホウ素」は、5重量%未満のホウ素、または2重量%未満のホウ素を意味する。玄武岩およびミネラルウールは、本発明で有用な他の繊維化可能なガラス材料の例である。適切なガラス以外の繊維化可能な無機材料の非限定的な例としては、セラミック材料、例えば、炭化ケイ素、炭素、石英、グラファイト、ムライト、酸化アルミニウム、および圧電セラミック材料が挙げられる。いくつかの非限定的な実施形態では、ガラスフィラメントは、E−ガラスから作られる。これらからガラスフィラメントを製造するこのような組成物および方法は、当業者に周知であり、このようなガラス組成物および繊維化方法は、K.Loewenstein,The Manufacturing Technology of Continuous Glass Fibres,(第3版、1993)、30−44、47−60、115−122、126−135ページに開示されている(本明細書に参考として組み込まれる)。
ガラス繊維は、フィラメントの公称直径が、約5.0〜約30.0マイクロメートルの範囲であってもよい(D〜Yのフィラメント名に対応する)。典型的には、ガラス繊維束は、ガラス繊維束(例えば、本質的に乾燥した残渣)の表面の少なくとも一部分に塗布された組成物と相溶性である束コーティング組成物を有している。ガラス繊維束の強化は、切断された形態、一般的に連続した束、マットなどで用いることができる。
また、粒子は、ポリマー系無機材料および非ポリマー系無機材料、ポリマー系有機材料および非ポリマー系有機材料、コンポジット材料、および上述のいずれかの混合物から選択される材料から作られる中空粒子であってもよい。中空粒子を形成することが可能な、適切な材料の非限定的な例を上に記載している。ある実施形態では、中空粒子、中空のガラス球である。
いくつかの非限定的な実施形態では、強化材料は、非ポリマー系有機材料から作られてもよい。本発明で有用な非ポリマー系有機材料の非限定的な例としては、限定されないが、ステアレート(例えば、ステアリン酸亜鉛およびステアリン酸アルミニウム)、ダイアモンド、カーボンブラック、ステアラミドが挙げられる。
いくつかの非限定的な実施形態では、粒子は、無機ポリマー材料から作られてもよい。有用な無機ポリマー材料の非限定的な例としては、ポリホスファゼン、ポリシラン、ポリシロキサン、ポリゲレマン(polygeremane)、ポリマー硫黄、ポリマーセレン、シリコーン、および上述のいずれかの混合物が挙げられる。本発明で使用するのに適した無機ポリマー材料から作られる粒子の非限定的な例は、TOSPEARL1であり、これは、架橋したシロキサンから作られる粒子であり、日本の東芝シリコーン株式会社から市販されている。(1 R.J.Perry「Applications for Cross−Linked Siloxane Particles」Chemtech.1999年2月、39−44ページを参照。)
粒子は、ポリウレタンまたはポリ(尿素ウレタン)とは化学的に異なる合成有機ポリマー材料から作られてもよい。適切な有機ポリマー材料の非限定的な例としては、限定されないが、熱硬化性材料および熱可塑性材料が挙げられる。適切な熱可塑性材料の非限定的な例としては、熱可塑性ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリオレフィン、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブテン、アクリルポリマー(例えば、スチレンおよびアクリル酸モノマーのコポリマー、メタクリレートを含有するポリマー)、ポリアミド、熱可塑性ポリウレタン、ビニルポリマー、および上述のいずれかの混合物が挙げられる。
いくつかの非限定的な実施形態では、ポリマー系有機材料は、シラン基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミド基からなる群から選択される少なくとも1つの官能基を含む、(メタ)アクリルポリマーまたはコポリマーである。いくつかの非限定的な実施形態では、これらの(メタ)アクリルポリマーまたはコポリマーは、直径が約5000nmまで、例えば、約5〜約5000nmであるか、または可視光の波長未満、例えば、700ナノメートル以下、例えば、約50〜約700ナノメートルのナノ繊維として存在してもよい。繊維は、リボン形状を有していてもよく、この場合、直径は、繊維の最も大きな寸法を意味することが意図される。典型的には、リボン形状の繊維の幅は、約5000ナノメートルまで、例えば、約500〜約5000nmであってもよく、厚みは、約200nmまで、例えば、約5〜約200nmであってもよい。繊維は、セラミック溶融物、ポリマー溶融物またはポリマー溶液をエレクトロスピニングすることによって調製することができる。
適切な(メタ)アクリルポリマーは、シラン基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、およびアミン基またはアミド基を含む不飽和の重合性材料を付加重合させることによって作られてもよい。有用なシラン基の非限定的な例としては、構造Si−Xn(nは、1〜3の範囲の値を有する整数であり、Xは、塩素、アルコキシエステル、および/またはアシルオキシエステルから選択される)を有する基が挙げられる。このような基は、水(空気中の水分を含む)の存在下で加水分解し、シラノール基を生成し、この基は、縮合して−Si−O−Si−基を生成する。(メタ)アクリルポリマーは、例えば、ヒドロキシル官能性エチレン系不飽和重合性モノマー(例えば、ヒドロキシアルキル基に2〜4個の炭素原子を有する(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル)を用いることによって、ヒドロキシル官能基を含んでいてもよい。(メタ)アクリルポリマーは、場合により、窒素を含有するエチレン系不飽和モノマー(例えば、アミン、アミド、尿素、イミダゾール、およびピロリドン)から導入された窒素官能基を含む。このような(メタ)アクリルポリマーおよび繊維化方法のさらなる記載は、米国特許出願第11/610,755号、名称「Transparent Composite Articles」および米国特許出願第11/610,651号、名称「Organic−Inorganic Polymer Composites and Their Preparation by Liquid Infusion」に開示されており、これらはそれぞれ2006年12月14日に出願されており、本明細書に参考として組み込まれる。
適切な繊維化可能な有機材料の非限定的な例としては、綿、セルロース、天然ゴム、亜麻、カラムシ、麻、サイザルアサ、およびウールが挙げられる。適切な繊維化可能な有機ポリマー材料の非限定的な例としては、ポリアミドから作られるもの(例えば、ナイロンおよびアラミド)(例えば、KEVLARTMアラミド繊維)、熱可塑性ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート)、アクリル樹脂(例えば、ポリアクリロニトリル)、ポリオレフィン、ポリウレタン、およびビニルポリマー(例えば、ポリビニルアルコール)が挙げられる。本発明で有用なガラス以外の繊維化可能な材料およびそのような繊維を調製し、処理する方法は、Encyclopedia of Polymer Science and Technology、Vol.6(1967)の505−712ページに長々と説明されており、これは特に、本明細書に参考として組み込まれる。
所望な場合、上述のいずれかの材料のブレンドまたはコポリマー、および上述のいずれかの材料から作られる繊維の組み合わせを本発明で用いてもよいことが理解される。さらに、用語「束」は、異なる繊維化可能な材料から作られる少なくとも2種類の異なる繊維を包含していてもよい。本明細書で使用される場合、用語「繊維化可能な」は、一般的に、連続的なフィラメント、繊維、束または糸へ形成することが可能な材料を意味する。
適切な熱可塑性繊維は、種々のポリマー押出成形方法および繊維形成方法、例えば、引き抜き成形、融解紡糸、乾燥紡糸、湿式紡糸、ギャップスピニングによって作られてもよい。このような方法は、当業者に十分に知られており、本開示を考慮してさらなる記載は不要だと考える。さらなる情報が必要な場合には、そのような方法は、Encyclopedia of Polymer Science and Technology、Vol.6、507−508ページに開示されている。
有用なポリアミド繊維の非限定的な例としては、ナイロン繊維、例えば、ナイロン6(カプロラクタムのポリマー)、ナイロン6,6(アジピン酸とヘキサメチレンジアミンとの縮合生成物)、ナイロン12(ブタジエンから作ることができる)、ナイロン10、ポリヘキサメチレンアジポアミド、ポリアミド−イミド、およびアラミド、例えば、KEVLARTM(ウィルミントン、デラウェアのE.I.duPont de Nemours,Inc.から市販されている)が挙げられる。
有用な熱可塑性ポリエステル繊維の非限定的な例としては、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートから構成されるものが挙げられる。
アクリルポリマーから作られる有用な繊維の非限定的な例としては、少なくとも約35重量%、または少なくとも約85重量%のアクリロニトリル単位を有するポリアクリロニトリルが挙げられ、このポリアクリロニトリルは、他のビニルモノマー(例えば、酢酸ビニル、塩化ビニル、スチレン、ビニルピリジン、アクリル酸エステルまたはアクリルアミド)と共重合していてもよい。Encyclopedia of Polymer Science and Technology、Vol.6、559−561ページを参照。
有用なポリオレフィン繊維の非限定的な例は、一般的に、少なくとも85重量%のエチレン、プロピレン、または他のオレフィンから構成されている。Encyclopedia of Polymer Science and Technology、Vol.6、561−564を参照。
ビニルポリマーから作られる有用な繊維の非限定的な例は、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルアルコールから作られてもよい。
本発明で有用であると考えられる、熱可塑性の繊維化可能な材料のさらなる非限定的な例としては、繊維化可能なポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリアセタールが挙げられる。
所望な場合、上述のいずれかの材料のブレンドまたはコポリマー、および上述のいずれかの材料から作られる繊維の組み合わせを本発明で用いてもよいことが理解される。また、熱可塑性繊維は、表面に帯電防止剤がコーティングされていてもよい。
適切な強化材料は、上述のいずれかの繊維から構成されるマットまたは布地を含んでいてもよい。コンポジットを形成するための人気が高まっているプロセスは、ガラス繊維マットのような繊維で強化された熱可塑性樹脂(ガラスマット熱可塑性物質、すなわち「GMT」と呼ばれることが多い)の成形可能なシートを圧縮成形またはスタンピングすることによるプロセスである。これらのコンポジットシートを用い、自動車用構成要素およびコンピューターの筺体のような物品を形成してもよい。首尾よく市販されているGMTシートの例は、連続ガラス繊維束の針状マットを含むポリプロピレン樹脂シートの層を押出成形することによって作られる、AZDEL(登録商標)の成形可能なコンポジットシートである。AZDEL(登録商標)コンポジットシートは、シェルビー、N.C.のAzdel,Inc.から市販されている。
樹脂マトリックス材料を強化するために、米国特許第3,664,909号、第3,713,962号、第3,850,723号は、繊維束の強化マットと層をなしていてもよい、束になっていないフィラメントの繊維状マットを開示している。
米国特許第4,847,140号は、無機繊維(例えば、ガラス)のゆるい層を、無機繊維と有機繊維とのブレンドであるキャリアウェブにより一つに結合させて針状にすることによって形成した絶縁媒体を開示しており、キャリアウェブは、約10重量%までの有機繊維を含んでいる。
米国特許第4,948,661号、第5,011,737号、第5,071,608号、第5,098,624号は、強化ガラス繊維および熱可塑性繊維をウェブ中に十分にブレンドし、ウェブに圧を加えつつ、ウェブを熱可塑性繊維の融点まで加熱し、ウェブと連結した構造にウェブを圧縮することによって製造される、繊維で強化された熱可塑性成形製品を開示している。
スパンボンド法による、有用なポリプロピレンの繊維マットを非限定的な例は、シンプソンヴィル、S.C.のFiberweb N.A.,Inc.から市販されている。
適切な熱硬化性強化材料の非限定的な例としては、熱硬化性ポリエステル、ビニルエステル、エポキシ材料、フェノール樹脂、アミノプラスト、熱硬化性ポリウレタン、および上述のいずれかの混合物が挙げられる。エポキシ材料から作られる合成ポリマー粒子の特定の非限定的な例は、エポキシマイクロゲル粒子である。
硬化した物品またはコーティング中に存在する強化粒子の濃度は、所望な場合、当該技術分野で十分に知られている種々の分析技術、例えば、透過型電子顕微鏡法(「TEM」)、表面走査電子顕微鏡法(「X−SEM」)、原子間力顕微鏡法(「AFM」)、X線光電子分光法によって決定することができる。
いくつかの非限定的な実施形態では、本発明は、すでに記載されているような、強化粒子が、組成物に組み込まれる前に約100ミクロン未満の平均粒径を有するか、または、組成物に組み込まれる前に約50ミクロン未満の平均粒径を有する、硬化した組成物に関する。他の非限定的な実施形態では、本発明は、すでに記載されているような、強化粒子が、組成物に組み込まれる前に約1〜約1000ナノメートル未満の平均粒径を有するか、または、組成物に組み込まれる前に約1〜約100ナノメートルの平均粒径を有する、硬化した組成物に関する。
他の非限定的な実施形態では、本発明は、すでに記載されているような、粒子が、組成物に組み込む前に約5〜約50ナノメートルの平均粒径を有するか、または、組成物に組み込む前に約5〜約25ナノメートルの平均粒径を有する、硬化した組成物に関する。
粒子の平均粒径が少なくとも約1ミクロンである実施形態では、平均粒径は、既知のレーザー散乱技術にしたがって測定することができる。例えば、このような粒子の平均粒径は、Horiba Model LA 900レーザー回折粒径装置によって測定され、この装置は、波長が633nmのヘリウム−ネオンレーザーを用いて粒子の大きさを測定し、また、この装置は、粒子が球状であると仮定しており、すなわち、「粒径」は、粒子を完全に内包するであろう最も小さな球を指す。
粒子の大きさが1ミクロン以下である本発明の一実施形態では、平均粒径は、透過型電子顕微鏡法(「TEM」)画像の電子顕微鏡写真を目視で調べ、画像内の粒子の直径を測定し、TEM画像の倍率に基づいて平均粒径を算出することによって決定することができる。当業者は、TEM画像を調製する方法を理解し、あるこのような方法に関する記述は、以下の実施例に開示されている。本発明の非限定的な一実施形態では、倍率が105,000倍のTEM画像を形成し、変換ファクターは、倍率を1000で除することによって得られる。目視で観察したら、粒子の直径をミリメーター単位で測定し、測定値を、変換ファクターを用いてナノメートルに変換する。粒子の直径は、粒子を完全に内包するであろう最も小さな球を指す。
強化材料の形状(または形態)は、本発明の特定の実施形態および目的とする用途によって変わってもよい。例えば、一般的に球状の形態(例えば、固体ビーズ、マイクロビーズ、または中空の球)を用いてもよく、また、立方体、平板状、または針状(細長いか、または繊維状)の粒子を用いてもよい。加えて、粒子は、中空、多孔質、または空隙がない、またはこれらのいずれかを組み合わせた内部構造を有していてもよい(例えば、多孔質または固体の壁を有し、中心部は中空)。適切な粒子の特徴に関するさらなる情報は、H.Katzら(Ed.)、Handbook of Fillers and Plastics(1987)、9−10ページを参照(本明細書に参考として組み込まれる)。
異なる平均粒径を有する1つ以上の粒子の混合物を、本発明にしたがって組成物に組み込み、組成物に望ましい性質および特徴を付与してもよいことを、当業者は認識する。例えば、さまざまな粒径を有する粒子を、本発明にしたがって組成物で使用してもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、強化材料は、組成物中に、組成物を形成する成分の合計重量を基準として、約0.01〜約75重量%、または約25〜約50重量%の量で存在する。
強化粒子は、キャリア中に、分散物、懸濁物、またはエマルションで存在してもよい。適切なキャリアの非限定的な例としては、限定されないが、水、溶媒、界面活性剤、または上述のいずれかの混合物が挙げられる。適切な溶媒の非限定的な例としては、限定されないが、鉱物油、アルコール(例えば、メタノールまたはブタノール)、ケトン(例えば、メチルアミルケトン)、芳香族炭化水素(例えば、キシレン)、グリコールエーテル(例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル)、エステル、脂肪族、および上述のいずれかの混合物が挙げられる。
分散技術(例えば、破砕、粉砕、マイクロ流体化、超音波処理、またはコーティングまたは成形物品配合物の分野で十分に知られている任意の他の分散技術)を用いてもよい。または、当該技術分野で既知の任意の他の分散技術によって、粒子を分散させてもよい。所望な場合、コロイド形態以外の形態の粒子を、他の組成物成分の混合物に後で加え、当該技術分野で既知の任意の分散技術を用いて分散させてもよい。
本発明のさらなる実施形態は、自動車用基材と、この自動車用基材の少なくとも一部分にコーティングされた、硬化した組成物とを含む、コーティングされた自動車用基材に関し、ここで、硬化した組成物は、上述のいずれかの組成物から選択される。さらに別の実施形態では、本発明は、自動車用基材を与えることと、自動車用基材の少なくとも一部分に、上述のいずれかの組成物から選択されるコーティング組成物を塗布することとを含む、コーティングされた自動車用基材を製造する方法に関する。また、これらの実施形態で硬化した組成物を形成するのに使用される成分は、上に記載した成分から選択されてもよく、さらなる成分は、上に引用したものから選択されてもよい。
適切な可とう性エラストマー基材は、当該技術分野でよく知られている任意の熱可塑性または熱硬化性の合成材料を含んでいてもよい。適切な可とう性エラストマー基材材料の非限定例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、熱可塑性ポリオレフィン(「TPO」)、反応物を射出成形したポリウレタン(「RIM」)、熱可塑性ポリウレタン(「TPU」)が挙げられる。
本発明の組成物でのコーティングのための基材として有用な熱硬化性材料の非限定的な例としては、ポリエステル、エポキシド、フェノール樹脂、ポリウレタン(例えば、「RIM」熱硬化性材料)、および上述のいずれかの混合物が挙げられる。適切な熱可塑性材料の非限定的な例としては、熱可塑性ポリオレフィン、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、例えば、ナイロン、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性ポリエステル、アクリルポリマー、ビニルポリマー、ポリカーボネート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(「ABS」)コポリマー、エチレンプロピレンジエンターポリマー(「EPDM」)ゴム、コポリマー、および上述のいずれかの混合物が挙げられる。
本発明の組成物でコーティングするための基材として有用な、適切な金属基材の非限定的な例としては、鉄金属(例えば、鉄、鋼鉄、これらのアロイ)、非鉄金属(例えば、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、これらのアロイ)、および上述のいずれかの混合物が挙げられる。特に、自動車構成要素の使用では、基材を、冷間圧延鋼、電気亜鉛めっき鋼(例えば、熱浸漬による電気亜鉛めっき鋼)、電気めっきした鉄−亜鉛鋼、アルミニウム、マグネシウムから形成してもよい。
自動車両(限定されないが、自動車、トラック、トラクターを含む)を製造するための構成要素として基材を用いる場合、基材は、任意の形状を有していてもよく、上述の金属製および可とう性基材から選択されてもよい。自動車の車体構成要素の典型的な形状としては、車体(フレーム)、フード、ドア、泥よけ、ミラーの筺体、バンパー、自動車用トリムが挙げられる。
自動車用途に関する本発明の実施形態では、硬化した組成物は、例えば、電着コーティング、プライマーコーティング、ベースコートおよび/またはトップコートであってもよい。適切なトップコートとしては、モノコートおよびベースコート/クリアコートコンポジットが挙げられる。モノコートは、着色したコーティング組成物の1つ以上の層から作られる。
いくつかの非限定的な実施形態では、グループA〜Pのポリウレタンおよびポリ(尿素ウレタン)は、コンポジット物品(例えば、風車の羽根、爆破耐性があるパネル、防弾性パネルおよびレードーム)を形成するために、繊維ガラスで強化されていてもよい。
(グループR)
いくつかの非限定的な実施形態では、グループA〜Qのポリウレタンおよびポリ(尿素ウレタン)は、複数層の物品における1つ以上の層として有用な場合がある。所望な場合、複数層の物品が薄層を重ね合わせて作られ得る。
いくつかの非限定的な実施形態では、加熱しながらポリマーを切断し、顆粒化し、押出成形し、そして/または粉砕し、カレンダー成形してシートにし、積層体へと組み立てられ、数日間、1週間、またはそれ以上の期間、周囲温度(約25℃)でエージングする。
いくつかの非限定的な実施形態では、本発明は、本発明のポリウレタンおよび/またはポリ(尿素ウレタン)の複数層を有する物品を提供する。それぞれの層の厚み、および物品の合計厚みは、所望なように変わってもよい。層および物品の適切な厚みの非限定的な例は、以下に記載している。層は、所望な場合、1つに積層した状態であってもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、本発明は、(a)上述のような本発明のポリウレタンまたはポリ(尿素ウレタン)の少なくとも1つの層と;(b)紙、ガラス、セラミック、木材、石材、繊維品、金属または有機ポリマー材料、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される基材の少なくとも1つの層とを含む多層物品または積層体を提供する。いくつかの非限定的な実施形態では、本発明のポリウレタンまたはポリ(尿素ウレタン)の層(a)は、層(b)の有機ポリマー材料とは化学的または物理的に異なっており、すなわち、少なくとも1個の異なる原子を有するか、または異なる原子配置または構造を有する。他の実施形態では、本発明の同じまたは同様のポリウレタンまたはポリ(尿素ウレタン)の2つ以上の層を用いてもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、基材は、熱可塑性ポリカーボネート樹脂(例えば、ピッツフィールド、マサチューセッツのGE Plasticsによって商品名LEXAN(登録商標)で販売される、ビスフェノールAおよびホスゲンから誘導されるカーボネートで接続した樹脂);ポリエステル、例えば、ウィルミントン、デラウェアのE.I.duPont de Nemours Co.によって商品名MYLARで販売される材料;ポリ(メタクリル酸メチル)、例えば、フィラデルフィア、ペンシルバニアのAltuglas Internationalによって商標PLEXIGLASで販売される材料;ポリヘキシレン−ポリカーボネート系ポリウレタン;ポリオール(炭酸アリル)モノマー、特に、ジエチレングリコールビス(炭酸アリル)(このモノマーは、PPG Industries, Inc.によって商標CR−39で販売される)の重合物、ならびにポリオール(炭酸アリル)(例えば、ジエチレングリコールビス(炭酸アリル))と、他の共重合可能なモノマー材料とのコポリマーの重合物、例えば、酢酸ビニルとのコポリマー、ならびに末端がジアクリレート官能基のポリウレタンとのコポリマー(米国特許第4,360,653号および第4,994,208号に記載されるようなもの);末端部分にアリル官能基またはアクリル官能基を含む、脂肪族ウレタンとのコポリマー(米国特許第5,200,483号に記載されるもの);ポリ(酢酸ビニルアセテート)、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、ジエチレングリコールジメタクリレートモノマー、ジイソプロペニルベンゼンモノマー、およびエトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレートモノマーからなる群のメンバーであるポリマー;酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、セルロースアセテートブチラート、ポリスチレン、ならびにスチレンとメタクリル酸メチル、酢酸ビニルおよびアクリロニトリルとのコポリマーから調製された、光学的に透明な重合した有機材料である。いくつかの非限定的な実施形態では、物品は、本発明のポリウレタンまたはポリ尿素ウレタンの少なくとも1つの層と、ポリカーボネートの少なくとも1つの層とを含む。
適切なポリヘキシレン−ポリカーボネート系ポリウレタンの非限定的な例は、以下のように調製することができる:末端がヒドロキシルのプレポリマーは、0.2当量の分子量1000のヘキサンジオールに基づくカーボネートジオール(Stahlから市販されているPC−1733)、0.8当量の1,5ペンタンジオール、および1.0当量のトリメチルヘキサンジイソシアネートから製造される。成分を180°F(82℃)まで加熱し、100ppmのジブチルスズジラウレートを触媒として用いる。プレポリマーは、グラム当量が218グラム/当量である。末端がヒドロキシルであるトリマープレポリマーを、シクロヘキサノン溶媒に溶解させ、1当量のDesmodur 3390(ヘキサンジイソシアネートのトリイソシアヌレートトリマー)を架橋剤として加え、混合する。コーティング溶液は、固形分が95%であり、粘度が3000センチポイズである。この溶液を、任意のビスフェノールAポリカーボネート(例えば、Lexan)の上にフローコーティングし、乾燥機中、250°F(121℃)で4時間硬化させてもよい。コーティングの厚みは、2〜5milの範囲であってもよく、エラストマーである。
層の数および厚みは、所望なようにさまざまに変えてもよい。例えば、単一層の厚みは、約0.1mm〜約60cm、または約2mm〜約60cm、または約0.3cm〜約2.5cmの範囲であってもよい。層の数は、所望な場合、2〜10、または2〜4であってもよい。複数層物品または積層体の合計厚みは、約2mm〜約15cmまたはそれ以上、または約2mm〜約5cmの範囲であってもよい。射撃用途の場合、本発明のポリウレタンまたはポリ(尿素ウレタン)の合計厚みは、約2mm〜約15cmまたはそれ以上、または約2mm〜約5cmの範囲であってもよい。また、射撃用途の場合、本発明のポリウレタンおよび/またはポリ(尿素ウレタン)を用いて層を形成するのに適した基材としては、例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、またはポリエーテル熱可塑性エラストマーが挙げられる。本発明のポリウレタンおよび/またはポリ(尿素ウレタン)の層は、積層体の外側(弾道による衝撃の可能性がある側)、積層体の内側、またはその間のどこかに配置されてもよい。
(グループA〜R)
いくつかの非限定的な実施形態では、本発明のポリウレタンおよび/またはポリ(尿素ウレタン)の硬質セグメントの含有量が、約10〜約100重量%、または約20〜約80重量%、または約30〜約75重量%であってもよい。硬質セグメントの計算は、上に詳細に記載されている。
いくつかの非限定的な実施形態では、本発明のポリウレタンおよび/またはポリ(尿素ウレタン)は、一般的に、ウレタンの含有量(Wu)が、約20〜約40重量%、または約21〜約36重量%、または約30〜約40重量%である。ウレタンの含有量は、ポリマー中に存在するウレタン結合の重量%であり、当量の合計数を決定し、ここから全ての反応剤の合計重量を決定し、これらの反応剤から得ることが可能なウレタン結合の合計重量を、反応剤自体の合計重量で割ることによって算出することができる。以下の例で、この計算についてさらに説明する。実施例Iの配合物1において、本発明のポリウレタン物品は、0.7当量の1,4−ブタンジオール、0.3当量のトリメチロールプロパン、1当量の4,4’−メチレン−ビス−(シクロヘキシルイソシアネート)(DESMODUR W)を反応させることによって調製された。1,4−ブタンジオールのグラム当量は45であり、トリメチロールプロパンのグラム当量は44.7であり(不純物について補正した)、DESMODUR Wのグラム当量は131.2である。したがって、使用する成分の実際の重量は、31.54重量部の1,4−ブタンジオール、13.2重量部のトリメチロールプロパン、131.2重量部のDESMODUR Wであるか、または反応剤の合計重量が175.9重量部である。1当量のDESMODUR Wは、1等量のウレタン結合を与えるだろう。ウレタン結合のグラム当量は59であり、ウレタン結合の合計重量は、このグラム当量に当量数を掛け算することによって決定され、これもまた59であろう。したがって、ウレタン結合の合計重量59を、反応剤の合計重量175.9で割り、100を掛けてパーセントに変換し、ウレタン結合の重量%として33.49重量%が得られるだろう。
類似した様式で、環構造(Wc)(例えば、シクロヘキシル)の重量%を計算することができる。実施例Iの配合物1において、シクロヘキシル部分に関与する材料はDESMODUR Wのみである。1当量のDESMODUR Wは、グラム当量が81の1当量のシクロヘキシル部分を与えるだろう。したがって、シクロヘキシル部分の合計重量は、81に等しく、これを反応剤の合計重量、すなわち175.9で割り、Wc 46%を得た。いくつかの非限定的な実施形態では、本発明のポリウレタンおよびポリ(尿素ウレタン)の環の含有量が、約10〜約80重量%、約20〜約70重量%、約30〜約70重量%、または約30〜約60重量%であってもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、本発明の得られたポリウレタンまたはポリ(尿素ウレタン)は、硬化すると、固体であってもよく、本質的に透明であってもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、ポリウレタンは、部分的に硬化していてもよく、または本質的にさらなる反応が起こらないように完全に硬化していてもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、本発明のポリウレタンおよびポリ(尿素ウレタン)は、一般的に、数平均分子量が、固有粘度の測定値から概算される場合、少なくとも約20,000グラム/モル、または約20,000〜約1,000,000グラム/モル、または約20,000〜約800,000グラム/モルの範囲である。本発明のポリウレタンおよびポリ(尿素ウレタン)は、一般的に、架橋あたりの平均分子量が、少なくとも約500グラム/モル、ある実施形態では、約500〜約15,000グラム/モル、または約1800〜約15,000グラム/モルの範囲である。本発明のポリウレタンおよびポリ(尿素ウレタン)は、一般的に、架橋密度が少なくとも約11,000グラム/モルである。
いくつかの非限定的な実施形態では、本発明のポリウレタンおよびポリ(尿素ウレタン)は、硬化すると、密度が低くてもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、密度は、少なくとも0.9〜1.25グラム/cm3未満、または少なくとも1.0〜1.45グラム/cm3未満、または1.08〜1.37グラム/cm3、または1.08〜1.13であってもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、本発明のポリウレタンおよびポリ(尿素ウレタン)の密度は、LEXAN(密度は約1.21g/cm3)、従来の伸長したアクリル樹脂(密度は約1.18g/cm3)より低くてもよい。密度は、Tech Pro,Incorporatedによって製造されるDensiTECH装置を用いて測定することができる。いくつかの非限定的な実施形態では、密度は、ASTM D 792−00にしたがって測定する。
また、いくつかの光学的に透明なポリウレタンおよびポリ(尿素ウレタン)は、加熱すると、約−70℃の低温および約11℃で発熱することがあり(示差熱分析は、du Pont 900熱分析機を用いて決定することができる)、このことは、このポリマーがほぼアモルファスであることを示している。
いくつかの非限定的な実施形態では、窒素雰囲気下、軟化点が約65℃〜約200℃であり、融点が約80℃〜約220℃であり、分解温度が約280℃〜約330℃であるのが典型的である。
本発明のポリウレタンおよびポリ(尿素ウレタン)を用い、耐衝撃性または可とう性が良好であり、衝撃強度が高く、引張強度が高く、熱変形に対する耐性があり、加圧したときにたわみに耐性があり、硬度が良好であり、ヤング率が高く、Kファクターが大きく、耐溶媒性が良好であり、透明度(clarity)または透明度(transparency)が良好であり、光透過率が高く、濁りが低く、耐候性が良好であり、エネルギー吸収が良好であり、水分安定性が良好であり、紫外線安定性が良好であり、そして/または防弾性が良好である物品を形成することができる。
いくつかの非限定的な実施形態では、本発明のポリウレタンおよびポリ(尿素ウレタン)を用い、ASTM−D 5420−04によれば、ガードナー衝撃強度が、少なくとも約100in−lb、または少なくとも約200in−lb、または少なくとも約400in−lb(45ジュール)、または少なくとも約500in−lb、または少なくとも約600in−lbの物品を形成することができる。耐衝撃性および衝撃強度を測定するのに適切な方法および装置の非限定的な例は、上に詳細に記載されている。
ある実施形態では、本発明の硬化した物品の熱変形温度は、ASTM−D−648にしたがって測定した場合、少なくとも約190°F(88℃)であり得るか、または200°F(93℃)より高くてもよい。
ポリウレタンおよびポリ(尿素ウレタン)の硬度は、Shore硬度によって決定することができ、したがって、ある実施形態では、本発明の物品は、Shore Dデュロメーターを用い、室温(25℃)でのShore D硬度が少なくとも約75、または少なくとも約80である。
降伏点または破断点での引張強度は、ASTM−D 638−03にしたがって測定することができる。いくつかの非限定的な実施形態では、降伏点での引張強度は、ASTM−D 638−03によれば、少なくとも約6,800lb/in2(47MPa)であり、または、約6,800〜約20,000lb/in2(約47〜約138MPa)、または約12,000〜約20,000lb/in2(約83〜約138MPa)である。
ヤング率は、ASTM−D 638−03にしたがって測定することができる。いくつかの非限定的な実施形態では、ヤング率は、少なくとも約215,000lb/in2(約1482MPa)、または約215,000(約1482MPa)〜約600,000lb/in2(約4137MPa)、または約350,000(約2413MPa)〜約600,000lb/in2(約4137MPa)である。商業的な飛行機のキャビンにある窓用途では、キャビンの圧力が、外圧よりも10psi(0.07MPa)またはそれ以上大きい場合、キャビンの窓は、空気流でゆがみ、それによって騒音が増し、燃料効率が下がることがある。ヤング率の値が大きいことは、剛性が大きく、窓が空気流の方へそれる傾向が小さくなることを示している。飛行機の窓用途でのある種の非限定的な実施形態では、ヤング率の値は、少なくとも約350,000(約2413MPa)であってもよい。典型的な射撃用途では、外側の層がガラスであり、その下にある層を貫通する前に、大きな領域に衝撃応力が広がることによって銃弾をゆがませるのに十分なほど堅い。実施例Aの配合物125にしたがって調製されたポリ(尿素ウレタン)は、本発明によれば、厚みが約0.125インチ(0.3cm)であり、20フィート(6.1m)の距離から1350フィート/秒(411m/秒)で発射した9mm弾を平たく伸ばした。層は2箇所の割れた領域へと壊れたが、ガラスのように大きな範囲にわたって砕け散ることはなく、乗員が車両に対する攻撃を逃れるのに十分大きな視界を与えている。
Kファクターは、亀裂伝播の尺度である。亀裂伝播は、U.S.Dept.of Defense MIL−PRF−25690B(1993年1月29日)にしたがって測定することができる。いくつかの非限定的な実施形態では、本発明のポリウレタンおよびポリ(尿素ウレタン)は、Kファクター耐亀裂伝播性が少なくとも約1000lb/in3/2(1,098,800N/m3/2)、または約1000lb/in3/2(1,098,800N/m3/2)〜約4000lb/in3/2(4,395,200N/m3/2)、または約2000lb/in3/2(2,197,600N/m3/2)〜約4000lb/in3/2(4,395,200N/m3/2)である。
自動車のフロントガラスで使用するのに適した組成物は、最少光透過率が70%または86.5%、またはそれより上(発光体A.タングステンランプ2,840°K.)であり、濁りが2%未満である(ANSI CODE Z−26.1、1966、Test No.18)という標準的な要求を満たす。光透過率および濁り率は、ASTM E903−82にしたがって、Hunter Pivotable Sphere Haze Meterによって測定することができる。
本発明のポリウレタンおよびポリ(尿素ウレタン)は、UV光安定性および加水分解安定性によって測定される場合、顕著な耐候性を有している場合がある。Fade−O−Meter(登録商標)にさらすことは、シカゴ、イリノイのAtlas Electric Devices Co.によって製造されるFade−O−Meter、Type FDA−R、Serial No.F02951を用い、ASTM G−25−70の方法Aにしたがって行うことができる。光源は、溶融シリカグローブに包まれたカーボンアークランプであってもよい。Fade−O−Meter(ブラックパネル)の操作温度は、140°F(60℃)であってもよく、噴霧ユニットに水が存在しない状態で装置を動かした。サンプルの大きさは、2と1/2インチ×6インチ×1/8インチ(6.35cm×15.24cm×0.32cm)である。Weather−O−Meter(登録商標)にさらすことは、Weather−O−Meter、Type DMC、Serial No.WO−1305を用い、ASTM D−1499−64にしたがって行うことができる。光源の種類は、溶融シリカグローブに包まれた2連のカーボンアークランプであってもよい。操作するブラックパネルの温度は、140°F(60℃)であってもよい。水の噴霧は、約70°F(21℃)の温度の脱イオン水である。使用される水噴霧ノズルの数および種類は、4個のNo.50ノズルである。または、耐UV性は、ASTM G−53にしたがって、QUVを用いて1000時間で決定することができる。
耐摩耗性は、重量が500gのCS−10F摩耗ホイールを取り付けたTaber Abraderを用いて、ASTM D 1044−99にしたがって測定することができ、サンプルの大きさは、3インチ×3インチ×1/8インチ(7.62cm×7.62cm×0.32cm)である。いくつかの非限定的な実施形態では、Taber100サイクルによって、伸長したアクリル樹脂の場合、濁りが30%となり、本発明のポリウレタンおよびポリ(尿素ウレタン)の場合、5%〜40%、または10%〜15%、または約5%未満を生じることがある。
本発明のポリウレタンおよびポリ(尿素ウレタン)は、溶媒および酸に対し、良好な耐ひび割れ性を有する場合がある。耐ひび割れ性は、U.S.Dept.of Defense MIL−PRF−25690B(1993年1月29日)にしたがって測定することができる。Stress Craze Testingのための溶媒および酸の非限定的な例としては、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、酢酸エチル、アセトン、トルエン、酢酸イソブチル、Skydrol(油圧油)、ジェット燃料(例えば、JP−4)、75%硫酸水溶液が挙げられる。いくつかの非限定的な実施形態では、本発明のポリウレタンおよびポリ(尿素ウレタン)から調製される、コーティングされていない物品は、有機溶媒および75重量%硫酸水溶液中での耐応力ひび割れ性が、少なくとも約1000psi(6.9MPa)引張張力、または約1000psi(6.9MPa)〜約4000psi(27.6MPa)、または約2000psi(13.8MPa)〜約4000psi(27.6MPa)である。いくつかの非限定的な実施形態では、本発明のポリウレタンおよびポリ(尿素ウレタン)は、コーティングされていない場合、75%硫酸に、30日まで耐えることができ、または、膜応力1000psi(6.9MPa)〜4000psi(27.6MPa)で任意の有機溶媒に耐えることができる。
いくつかの非限定的な実施形態では、本発明のポリウレタンおよびポリ(尿素ウレタン)は、重合している場合、屈折率が少なくとも1.55、または少なくとも1.56、または少なくとも1.57、または少なくとも1.58、または少なくとも1.59、または少なくとも1.60、または少なくとも1.62、または少なくとも1.65の重合物を製造することができる。他の非限定的な実施形態では、本発明のポリ(尿素ウレタン)は、重合している場合、アッベ数が少なくとも32、または少なくとも35、または少なくとも38、または少なくとも39、または少なくとも40、または少なくとも44、または少なくとも59、またはアッベ数が59の重合物を製造することができる。屈折率およびアッベ数は、当該技術分野で既知の方法(例えば、American Standard Test Method(ASTM)Number D 542−00)によって決定することができる。さらに、屈折率およびアッベ数は、種々の既知の装置を用いて決定することができる。本発明の非限定的な実施形態では、屈折率およびアッベ数は、以下の点を除き、ASTM D 542−00に従って測定することができる:(i)章7.3で特定されている、少なくとも3個の標本の最小値の代わりに、1〜2個のサンプル/標本を試験する;(ii)章8.1に特定されている試験を行う前に、サンプル/標本を調整する代わりに、調整せずにサンプルを試験する。さらに、非限定的な実施形態では、AtagoのDR−M2型Multi−Wavelength Digital Abbe Refractometerを用い、サンプル/標本の屈折率およびアッベ数を測定することができる。
本発明のポリウレタンまたはポリ(尿素ウレタン)を用いて調製可能な固体物品としては、限定されないが、光学物品またはレンズ、フォトクロミック物品またはレンズ、窓、透明物、例えば、ほぼ透明の窓、フロントガラス、サイドライト、およびバックライト、航空機用または飛行機用透明物、防弾性物品、風車の構成要素(例えば、羽根)、板ガラスが挙げられる。
いくつかの非限定的な実施形態では、ポリマー基材材料(これに塗布されるコーティング組成物を含む)は、光学構成要素の形態、例えば、窓、平らなレンズ、視力を矯正する眼科用レンズ、液晶ディスプレイの外側の表示面、陰極線管、例えば、テレビおよびコンピューターのビデオ表示管、透明ポリマー膜、透明物、例えば、フロントガラス、航空機用透明物、プラスチックシートなどであってもよい。
本発明のポリウレタンおよびポリ(尿素ウレタン)は、広範囲のさまざまな用途にとって望ましい。これらの物質は、航空機用安全ガラス窓の板ガラス材料として特に有用である。航空機用板ガラス以外にも、シートの形態の本発明のポリウレタンおよびポリ(尿素ウレタン)を、建築用途に用いてもよく、所望な場合、顔料を加えることによって色を付けるか、または不透明にしてもよい。このような用途では、本発明のポリウレタンおよびポリ(尿素ウレタン)は、シート形態であってもよく、単独で使用するか、または上述のような他の材料に積層させてもよい。コンポジットの層は、所望な場合、同じ弾性率値を有していてもよく、異なる弾性率値を有していてもよい。また、ある実施形態では、本発明のポリウレタンおよびポリ(尿素ウレタン)は、光学的に透明であり、紫外線および湿度にさらされても影響を受けず、耐摩耗性があるため、光学レンズに用いてもよい。
他の非限定的な実施形態では、本発明のポリウレタンおよびポリ(尿素ウレタン)を、エレクトロクロミック用途で、導電性膜、マイクロ波吸着膜、または抵抗の低い膜を堆積させるための熱膨張率の低い基材として用いてもよい。他の非限定的な実施形態では、伸長したアクリル基材を、シアノエチルアクリレート/アクリルコポリマーでコーティングし、さらに、本発明のポリウレタンおよびポリ(尿素ウレタン)でコーティングしてもよい。
本発明のポリウレタンおよびポリ(尿素ウレタン)をシート形態で用いてもよく、厚みは約2〜500milまでさまざまであってもよいが、用途によっては、これよりいくらか薄いシートおよび厚いシートを用いてもよい。航空機用途に関し、ある実施形態では、厚みは、1/8インチ〜1/2インチ(0.32cm〜1.27cm)の間で変わってもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、自動車用の窓は、熱可塑性ポリカーボネート樹脂(例えば、商標LEXANで販売されているもの)と、窓の耐候性を上げるために、窓の外側に風化層として塗布される本発明のコーティング組成物とから調製されてもよい。または、自動車用の窓は、ガラス/LEXAN積層体として調製することができ、外側層としてガラスと、積層耐の内側の層として塗布される本発明のコーティング組成物とを備える。
本発明のコーティング組成物を、任意の既知のコーティング手順を用いて基材表面に塗布してもよい。望ましくは、コーティング組成物を、機械的なフローコーティングデバイスが基材シートを横断するにつれて、液体の表面張力によって、基材表面全体に一貫性のある液体のシートが引っ張られる、自動化したフローコーティングシステムによって基材表面にフローコーティングする。自動化したフローコーティングデバイスは、典型的には、樹脂溶液を保持している加圧ポットに接続するノズルを保持している連接型のアームからなる。このアームは、コーティングされるシートの上を軌道に沿って動く。液体の流速は、加圧ポットを用いて調節される。連接型のアームの横断速度は、電位差計を用いて設定される。シートからノズルまでの距離は、最適化されており、連接型のアームによって一定に保たれている。このことは、特に湾曲したシートの場合に重要である。コーティングの厚みは、樹脂溶液の初期粘度および溶媒の蒸発速度によって決定される。蒸発速度は、溶媒の選択、および換気されたコーティングブースでの空気流(立方フィート/分)によって主に制御される。または、コーティング組成物が調製され、望ましい構造を形成するために適切な型に入れられてもよく、次いで、例えば、コーティング組成物は、積層プロセスを経て、適切な基材の層として塗布されてもよく、または、一体化した構造として使用してもよい。
コーティング組成物は、一般的に、透明または着色したモノコートとしてそれ自体が基材に塗布されてもよく、または、当業者に知られているように、カラー・プラス・クリア(color−plus−clear)コンポジットコーティングにおいて、着色したベースコートおよび/または透明なトップコートとして塗布されてもよい。ある実施形態では、イソシアネートおよびヒドロキシル基が完全に反応する前にコーティングを塗布してもよい。例えば、イソシアネートおよびヒドロキシル成分を、混合ノズルを経て別個に噴霧することによって、基材にコーティングを塗布する。コーティングを塗布してもよい。または、コーティングを乾燥機内で部分的に硬化してもよく、次いで、高湿環境(例えば、湿度が高いか、水を噴霧)におき、コーティングをさらに反応させ、硬化してもよい。所望な場合、コーティング組成物は、配合した表面コーティングの技術分野でよく知られているさらなる材料、例えば、界面活性剤、流動制御剤、チキソトロピー剤、フィラー、脱気剤、有機共溶媒、触媒、および他の従来の補助剤を含んでいてもよい。これらの材料は、コーティング組成物の合計重量の40重量%までを構成していてもよい。
上述のように、硬化した組成物を、液体コーティング組成物から形成してもよいが、これらを、粉末コーティング組成物として配合されたコーティング組成物から形成してもよい。
別の非限定的な実施形態では、本発明の硬化した組成物は、着色したプラスチック(エラストマー)基材またはモールド・イン・カラー(mold−in−color)(「MIC」)プラスチック基材のための装飾用コーティングまたは保護コーティングとして有用な場合がある。これらの用途では、組成物を、プラスチック基材に直接塗布してもよく、または、成形するマトリックス中に含まれてもよい。場合により、接着促進剤をまずプラスチックまたはエラストマー基材に直接塗布し、組成物をその上にトップコートとして塗布してもよい。
別の非限定的な実施形態では、本発明の組成物は、ガラス基材または他の基材について、剥離するシールド層、耐破裂性コーティング層またはひび防止性コーティング層として有用な場合もある。
非限定的な実施形態では、本発明のポリウレタン重合物を用い、フォトクロミック物品を調製してもよい。さらなる実施形態では、重合物は、フォトクロミック基質を活性化する電磁気スペクトルの一部分、すなわち、フォトクロミック基質の着色した形態または開環体を生成する紫外(UV)光に対して透明であってもよく、そして、UVで活性化した形態(すなわち、開環形態)で、フォトクロミック基質の吸収最大波長を含む可視スペクトルの一部分の波長に対して透明であってもよい。
フォトクロミック化合物は、紫外線を含む光(例えば、日光中の紫外線、または水銀ランプの光)に曝露されると、可逆的な色変化を示す。さまざまな種類のフォトクロミック化合物が合成されており、日光によって誘発される可逆的な色変化または暗色化が望ましい用途での使用について示唆されている。フォトクロミック化合物のうち、最も広く記載されている種類は、オキサジン、ピラン、フルギドである。
異なる種類のフォトクロミック化合物によって示される、この可逆的な色変化(すなわち、可視光範囲(400〜700nm)での吸収スペクトルの変化)に関与する一般的な機構が記載され、分類されている。John C.Crano、「Chromogenic Materials(Photochromic)」、Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、Fourth Edition、1993、pp.321−332を参照。最も一般的な種類のフォトクロミック化合物(例えば、インドリノスピロピランおよびインドリノスピロオキサジン)の一般的な機構は、電子環状機構を含む。活性化する放射線にさらされると、これらの化合物は、無色の閉環化合物から着色した開環種へと変換する。対照的に、フルギドフォトクロミック化合物の着色した形態は、無色の開環形態から着色した閉環形態への変換を含む電子環状機構によって与えられる。
広範囲のフォトクロミック基質を本発明で用いてもよい。非限定的な実施形態では、有機フォトクロミック化合物または基質を用いてもよい。代替的で非限定的な実施形態では、フォトクロミック基質を重合物に組み込んでもよく(例えば、溶解させても、分散させても、または拡散させてもよく)、またはコーティングとして塗布してもよい。
非限定的な実施形態では、有機フォトクロミック基質は、590ナノメートルより大きな可視光範囲に、活性化した吸収最大値を有していてもよい。さらなる非限定的な実施形態では、可視光範囲の活性化した吸収最大範囲は、少なくとも590〜700ナノメートルであってもよい。これらの材料は、適切な溶媒またはマトリックス中で紫外線にさらされると、青色、青色がかった緑色、または青色がかった紫色を示す場合がある。本発明で有用な、このような基質の非限定的な例としては、限定されないが、スピロ(インドリン)ナフトオキサジン、スピロ(インドリン)ベンゾオキサジンが挙げられる。これらの適切なフォトクロミック基質および他の適切なフォトクロミック基質は、米国特許第3,562,172号;第3,578,602号;第4,215,010号;第4,342,668号;第5,405,958号;第4,637,698号;第4,931,219号;第4,816,584号;第4,880,667号;第4,818,096号に記載されている。
別の非限定的な実施形態では、有機フォトクロミック基質は、400〜500ナノメートル未満の範囲の可視光範囲に、少なくとも1つの吸収最大値を有していてもよい。さらなる非限定的な実施形態では、基質は、この可視光範囲に2個の吸収最大値を有していてもよい。これらの材料は、適切な溶媒またはマトリックス中で紫外線にさらされると、黄色から橙色を示す場合がある。このような材料の非限定的な例としては、特定のクロメン、例えば、限定されないが、ベンゾピランおよびナフトピランが挙げられる。このような多くのクロメンは、米国特許第3,567,605号;第4,826,977号;第5,066,818号;第4,826,977号;第5,066,818号;第5,466,398号;第5,384,077号;第5,238,931号;第5,274,132号に記載されている。
別の非限定的な実施形態では、フォトクロミック基質は、400〜500ナノメートルの範囲の可視光範囲と、500〜700ナノメートルの範囲の可視光範囲とに吸収最大値を有していてもよい。これらの材料は、適切な溶媒またはマトリックス中で紫外線にさらされると、黄色/褐色から紫/灰色にわたる色を示す場合がある。これらの基質の非限定的な例としては、ピラン環の2位に置換基を有する特定のベンゾピラン化合物および置換されているか、または置換されていないヘテロ環(例えば、ベンゾピランのベンゼン部分に縮合したベンゾチエノ環またはベンゾフラノ環)が挙げられる。このような材料のさらなる非限定的な例は、米国特許第5,429,774号に開示されている。
いくつかの非限定的な実施形態では、本発明で用いるためのフォトクロミック基質としては、フォトクロミック有機金属ジチゾネート、例えば、限定されないが(アリールアゾ)−チオギ酸アリールヒドラジデート、例えば、限定されないが、例えば、米国特許第3,361,706号に記載されている水銀ジチゾネートを挙げることができる。フルギドおよびフルギミド、例えば、限定されないが、3−フリルフルギド、3−チエニルフルギド、3−フリルフルギミド、および3−チエニルフルギミドは、米国特許第4,931,220号の第20欄第5行〜第21欄第38行に記載されており、これらを本発明で使用してもよい。上述の特許の関連する部分は、本明細書に参考として組み込まれる。
他の非限定的な実施形態では、本発明のフォトクロミック物品は、1種類のフォトクロミック基質、または2種類以上のフォトクロミック基質の混合物を含んでいてもよい。他の非限定的な実施形態では、フォトクロミック基質の種々の混合物を用い、このようなほぼ中性の灰色または褐色といった活性化した色を得ることができる。
使用されるフォトクロミック基質の量は、さまざまであってもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、フォトクロミック基質の量、基質の比率(例えば、混合物を用いる場合)は、基質が塗布される重合物、または、組み込まれる重合物が、結果として望ましい色(例えば、実質的に中性の色、例えば、フィルタをかけていない日光で活性化された場合には、灰色または褐色の影、すなわち、活性化したフォトクロミック基質の色を可能な限り与えるようなほぼ中性の色)を示すようなものであってもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、使用するフォトクロミック基質の量は、活性化した種の色強度および最終的な望ましい色に依存していてもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、フォトクロミック基質を、当該技術分野で知られている種々の方法によって、重合物に塗布するか、または組み込んでもよい。非限定的な実施形態では、フォトクロミック基質を重合物に溶解させてもよく、分散させてもよい。他の非限定的な実施形態では、フォトクロミック基質を、当該技術分野で既知の方法によって、重合物に吸収させてもよい。用語「吸収」または「吸収させる」は、フォトクロミック基質だけを重合物に浸透させること、溶媒を介して、フォトクロミック基質を多孔質ポリマーに移動させ、吸収させること、蒸気相の移動、他のこのような移動機構を含む。非限定的な実施形態では、吸収させる方法は、フォトクロミック物品をフォトクロミック基質でコーティングすることと;フォトクロミック物品の表面を加熱することと;残ったコーティングをフォトクロミック物品の表面から除去することとを含んでいてもよい。代替的で非限定的な実施形態では、吸収プロセスは、フォトクロミック基質の熱い溶液に重合物を浸すこと、または熱移動させることを含んでいてもよい。
いくつかの非限定的な実施形態では、フォトクロミック基質は、例えば、ポリマー膜の一部分として、重合物の隣接する層の間の別個の層であってもよく、または、フォトクロミック基質を、コーティングとして、または重合物の表面に配置されたコーティングの一部分として塗布してもよい。
重合物に塗布されるか、または組み込まれるフォトクロミック基質の量、またはフォトクロミック基質を含む組成物の量は、さまざまであってもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、この量は、活性化が起こったときに、フォトクロミック効果を裸眼で区別可能であるような量であってもよい。このような量は、一般的に、フォトクロミック効果のある量として記載されてもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、使用される量は、照射したときの望ましい色の強度、フォトクロミック基質を組み込むか、または塗布するために用いられる方法に依存してもよい。一般的に、塗布されるか、または組み込まれるフォトクロミック基質が多いほど、色強度が高くなる。いくつかの非限定的な実施形態では、フォトクロミック性の光学重合体に組み込まれるか、または塗布されるフォトクロミック基質の量は、フォトクロミック基質が組み込まれるか、または塗布される表面1cm2あたり、0.15〜0.35mgであってもよい。
別の実施形態では、材料を重合および/または鋳造によって硬化させる前に、フォトクロミック基質をポリウレタンに加えてもよい。この実施形態では、使用されるフォトクロミック基質は、例えば、存在するイソシアネートとの、可能性のある有害な相互作用に対して耐性を示すように選択されてもよい。このような有害な相互作用によって、例えば、フォトクロミック基質を開環形態または閉環形態で捕捉することによってフォトクロミック基質が不活性化する場合がある。
本発明で用いるための適切なフォトクロミック基質のさらなる非限定的な例としては、金属酸化物に封入されたフォトクロミック顔料および有機フォトクロミック基質、例えば、米国特許第4,166,043号および第4,367,170号に開示されているもの;有機重合物に封入された有機フォトクロミック基質、例えば、米国特許第4,931,220号に開示されているものが挙げられる。
本発明を、以下の実施例を参照してさらに記載する。他の意味であると示されていない限り、全ての部およびパーセントは重量基準である。
以下に記載の物理特性は、以下のように測定した。
光透過率(%)は、ASTM E903−82にしたがって測定し;
黄色度は、ASTM D 1925−70にしたがって測定し;
屈折率は、ATAGO Co., Ltd.によって製造される複数波長のAbbe Refractometer DR−M2型で測定し;液体の屈折率は、ASTM−D 1218にしたがって測定し;固体の屈折率はASTM−D 542にしたがって測定し;
固体の密度(グラム/cm3)は、ASTM−D 792−00にしたがって測定し;
テーバー摩耗度(%ヘイズ)は、ASTM D 1044−99にしたがって、重量が500gのCS−10F摩耗ホイールを備えるテーバー摩耗機を用い、100サイクルまで測定し、サンプルの大きさは、3インチ×3インチ×1/8インチ(7.62cm×7.62cm×0.32cm)であり;
Bayer摩耗度(%ヘイズ)は、ASTM F 735−94(2001年に再承認)にしたがって測定し;
Kファクター耐亀裂伝播性は、U.S.Dept.of Defense MIL−PRF−25690B(1993年1月29日)にしたがって測定した。
降伏点での引張強度、降伏点での伸長度、ヤング率は、約25℃で、ASTM−D 638−03にしたがって測定し;
ガードナー衝撃強度は、ASTM−D 5420−04にしたがって測定し;
Dynatup多軸型衝撃強度は、ASTM−D 3763−02にしたがって測定し;
Shore D硬度は、Shore Dデュロメーターにしたがって測定し;
QUV−B試験は、ASTM G−53にしたがって、333時間または1000時間行い(指定どおり);
ガラス転移温度(Tg)は、動的機械分析を用いて測定し;
線熱膨張係数は、duPont Thermomechanical分析機(TMA)を用い、ASTM E 228−95にしたがって測定した。
本明細書では、以下の省略語を使用した。
CHDM:1,4−シクロヘキサンジメタノール;
Des N 3400:Bayerから市販されている、60%ヘキサメチレンジイソシアネートダイマーおよび40%ヘキサメチレンジイソシアネートトリマー;
Des WまたはDESMODUR W:Bayerから市販されている、4,4’−メチレン−ビス−(シクロヘキシルイソシアネート);
MDI:メチレンジフェニル4,4’−ジイソシアネート;
PDO:1,5−ペンタンジオール;
ポリカプロラクトンジオール:Solvayから市販されている、分子量が1000g/molのTone 0210ポリカプロラクトンジオール;
ポリカーボネートジオール1:Stahlから市販されている、分子量が1000g/molのヘキサンジオールから調製されるKM−10−1733ポリカーボネートジオール(PC−1733としても知られる);
ポリカーボネートジオール2:Stahlから市販されている、分子量が1000g/molのヘキサンジオールから調製されるKM10−1667ポリカーボネートジオール;
TMDI:トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート;
TMP:トリメチロールプロパン;
TMXDI:メタ−テトラメチルキシリレンジイソシアネート
(実施例A)
配合物1〜133のポリウレタンおよびポリ(尿素ウレタン)を、表1〜18に列挙した量で、成分から調製した。
ポリウレタン(水を含まない配合物)を、窒素で覆った状態で、撹拌しつつガラス製ケトルで調製した。ポリイソシアネートを約100℃の温度にあらかじめ加熱した後、他の成分を加えた。混合物を約110℃の温度まで約10分かけて加熱し、この温度に約30分間維持した。
ポリ(尿素ウレタン)(水を含む配合物)を、窒素で覆った状態で、撹拌しつつガラス製ケトルで調製した。ポリイソシアネートを約60℃の温度にあらかじめ加熱しておいた。
配合物123〜127、131、132、133について、ポリイソシアネートに水を加え、温度を約30分間維持し、イソシアネート官能性尿素プレポリマーを形成した。他の成分を加え、混合物を約90℃の温度まで約10分かけて加熱し、この温度に約30分間維持した。
配合物128〜130の場合、約0.15当量のトリメチロールプロパンをポリイソシアネートに加え、温度を約120分間維持し、イソシアネート官能性尿素ウレタンプレポリマーを形成した。他の成分を加え、混合物を約110℃の温度まで約120分かけて加熱し、この温度に約4時間維持した。
ポリウレタンおよびポリ(尿素ウレタン)の混合物をそれぞれ脱気して二酸化炭素を除去し、あらかじめ約121℃の温度に加熱しておいた12インチ×13インチ×0.125インチ(30.5cm×33cm×0.3cm)の鋳型に入れた。次いで、充填した鋳型を乾燥機内で、約121℃で約48時間硬化させた。
上のサンプルは、低い黄色度、高い光透過率、高い衝撃強度、良好な耐射撃性を示した。
2インチ(5.1cm)の以下の成形した配合物2が外側に面しており、これが1インチ(2.5cm)の以下の成形した配合物9の層に積層し、0.5インチ(1.3cm)の成形した配合物60の積層体6インチ×6インチ(15.2cm×15.2cm)は、150フィート(45.7m)離れた所からのAK−47(7.62mm×39mmの弾丸)を4回連続して止めるか、またはそらした。それぞれの層を上述のように成形した。この積層体にはガラス層は使用しなかった。積層体をオートクレーブ中、約300°F(149℃)で約2時間加熱した。
Polycast 84航空宇宙用の伸長したアクリル樹脂(クレイトン、ミズーリのSpartechから市販されている)のサンプルと、実施例Aの配合物2のポリマー(上述のように110℃で合成し、143℃で硬化した)のサンプルを、以下の表19に記載されるように物理特性について評価した。実施例Aの配合物2のサンプルは、密度が低く、衝撃強度および伸長度が大きく、伸長したアクリル樹脂の試験サンプルよりも頑丈であった。LEXAN #8574K26ポリカーボネート(クリーブランド、オハイオのMcMaster Carr Supply Co.から市販されている)と、実施例Aの配合物84のポリマー(上述のように110℃で合成し、143℃で硬化した)のサンプルを、以下の表20に記載されるように物理特性について評価した。実施例Aの配合物84は、LEXAN試験サンプルよりも、良好な耐溶媒性、耐UV性を有し、衝撃強度が大きかった。
(DMA試験)
配合物114(0.95当量の1,10−デカンジオール、0.05当量のトリメチロールプロパン、1.0当量の4,4’−メチレン−ビス−(シクロヘキシルイソシアネートから調製)(DESMODUR W))のサンプルに、貯蔵弾性率、損失弾性率、タンデルタについて、動的機械分析(DMA)を用いた。DMA分析は、クランプで固定した固体サンプル(2インチ×2インチ×1/8インチ)(5.1cm×5.1cm×0.3cm)で、3℃/分の速度で温度を広範囲にわたって上げながら、振動数1Hzで振動させて行った。図16に示されているように、サンプルは、損失弾性率において、約−70℃の低温で転移を示しており、これは、ガラス状ポリマーでは一般的なことではなく、この低い温度で分子のねじれが動くことを示している。第2の遷移状態は、約14℃に存在する。このポリマーのガラス転移温度は71℃であり、タンデルタグラフの最大値である。この温度で、ポリマーは、機械的な振動を熱に最も効率よく変換しており、したがって、この温度で、このポリマーは、減衰特性が最大値に到達している。貯蔵弾性率は、ポリマーによって保存されるエネルギーであり、ポリマーのヤング率または剛性に関連しているだろう。
(射撃試験)
(実施例AA)
上の実施例Aから、配合物2の6インチ×6インチ×1インチ厚(15.2cm×15.2cm×2.5cm)のサンプルを、290°F(143℃)で48時間加熱することによって硬化させた。30フィート(9.1m)離れた所から速度987フィート/秒(300m/秒)で撃たれた4個の0.40口径弾は、サンプル表面から弾き飛ばされ、プラスチックは割れていなかった。試験サンプルの斜視図の写真を図17に示している。
(実施例AB)
上の実施例Aから、配合物2の6インチ×6インチ×3/8インチ厚(15.2cm×15.2cm×1cm)のサンプルを、290°F(143℃)で48時間加熱することによって硬化させた。競技用重鉛散弾を用いる、20フィート(6.1m)離れた所からの速度1290フィート/秒(393m/秒)の12ゲージショットガンの弾丸は、サンプル表面から弾き飛ばされ、プラスチックは割れていなかった。試験サンプルの正面図の写真を図18に示している。
(実施例AC)
上の実施例Aから、配合物93の6インチ×6インチ×1インチ厚(15.2cm×15.2cm×2.5cm)のサンプルを、290°F(143℃)で48時間加熱することによって硬化させた。20フィート(6.1m)離れた所から速度1350フィート/秒(411m/秒)で撃たれた3個の9mm弾は、サンプル中にとどまった。試験サンプルの正面図の写真を図19に示している。
(実施例AD)
上の実施例Aから、配合物94の6インチ×6インチ×1インチ厚(15.2cm×15.2cm×2.5cm)のサンプルを、290°F(143℃)で48時間加熱することによって硬化させた。20フィート(6.1m)離れた所から初期速度1350フィート/秒(411m/秒)で撃たれた1個の9mm弾は、サンプル中にとどまった。試験サンプルの写真を図20および21に示している。図20は、サンプル表面に埋め込まれた銃弾を示すサンプルの斜視図である。図21は、サンプルへの銃弾の射入口を示すサンプルの側面図である。
(実施例AE)
上の実施例Aから、配合物2の6インチ×6インチ×1インチ厚(15.2cm×15.2cm×2.5cm)のサンプルを、290°F(143℃)で48時間加熱することによって硬化させた。上の実施例Aから、配合物9の6インチ×6インチ×1インチ厚のサンプルを、290°F(143℃)で48時間加熱することによって硬化させた。上の実施例Aから、配合物58の6インチ×6インチ×0.5インチ厚(15.2cm×15.2cm×1.75cm)のサンプルを、290°F(143℃)で48時間加熱することによって硬化させた。配合物2のサンプルの1インチ厚(2.5cm)の層と、配合物9のサンプルの1インチ(2.5cm)厚の層と、配合物58のサンプルの0.5インチ(1.25cm)厚の層を、配合物2の層がライフルの方を向くように組み立てることによって、コンポジットを調製した。
鋼鉄のコアを有する4個の7.62×39mm弾を、AK−47ライフルから、30ヤード(27.4m)の距離から初期速度2700フィート/秒(823m/秒)で撃った。第1の銃弾は、配合物9の中間層で止まり、最初に撃たれた方向とほぼ並行であった。第2〜第4の銃弾は、配合物58の遠い層で止まっており、最初に撃たれた方向とほぼ並行であった。試験サンプルの写真は、図22および23に示している。図22は、銃弾の射入口と、サンプル表面に埋め込まれている2つの銃弾とを示すサンプルの一部分の正面図である。図23は、サンプルの配合物58の層に撃ち込まれた2個の銃弾が存在していることを示すサンプルの後側の斜視図である。
(実施例AF)
上の実施例Aの配合物58および89〜97から調製されたサンプルを同様に実施した。すなわち、全て銃弾を「受けた」。配合物94から調製されたサンプルは、サンプルの貫通度が最も少なく、銃弾の後側約1/8インチが、表面から飛び出していることが示された。配合物94から調製されたサンプルの後側には、延性の隆起は観察されなかった。配合物58および89〜92から調製されたサンプルと比較して、貫通度は顕著に低下していた。
(実施例B)
(温度80℃対110℃の処理の非限定的な比較例)
短鎖ジオール(上述のように、4〜8個の炭素原子を有する脂肪族ジオール)は、典型的には、これら2つの材料の極性が異なり、表面張力が異なるため、イソシアネートに混和しない。短鎖ジオールおよびイソシアネートを80℃以下で混合すると、110℃以上の場合よりも透明溶液になるのに時間が長くかかることがわかった。この溶液は、両方とも透明な外観であってもよいが、硬化した物品内にそれ自体があらわれる不均一性が存在し、溶液を110℃以上で形成した場合よりも衝撃強度がかなり低いことがわかっている。それに加え、ガラスの型で鋳造するか、または反応物を射出成形するとき、鋳込みおよび空気への曝露、または100℃未満である鋳型の温度により生じる任意の冷却は、さらなる冷却によって不均一性が増すため、不均一性の問題を悪化させる。温度をさらにもっと下げると、短鎖ジオールおよびイソシアネートは相分離し、濁りとしてあらわれてくるであろう。この濁りは、一般的に、型に注ぎ、24〜48時間加熱した後、120℃〜140℃に加熱した乾燥機中では透き通っていないだろう。また、処理温度が100℃未満に下がるにつれて、衝撃強度の大きな変動が観察された。110℃より上では、本発明のポリマーの初期ガードナー衝撃強度は、初期にもっと高く、110℃を超える温度で処理する場合、バッチごとの衝撃強度の変化は小さいことが示されている。以下の実施例は、温度の影響を示す。
(実施例B1)
以下の成分1,5ペンタンジオール20.1グラム、トリメチロールプロパン7.5グラム、および4,4’−メチレン−ビス−(シクロヘキシルイソシアネート)のtrans−trans異性体を20%含むDESMODUR W 72.45グラムを、温度計およびオーバーヘッドスターラーを取り付けたガラスケトルに入れた。投入物を混合し、減圧にしながら(2mmHg(266Pa))、110℃〜120℃の温度まで上げていき、泡を取り除いた。110℃〜120℃に到達した後、このバッチを10〜20分間混合した。
このバッチを、140℃の乾燥機であらかじめ加熱しておいた、加熱したガラスの型に入れた。触媒を用いずに、ポリマーを140℃で48時間かけて硬化させた。硬化させた後、乾燥機から型を取り出し、室温まで冷却した。次いで、ガラスの型からプラスチックシートを取り出し、ガードナー衝撃試験用に2インチ×2インチ×1/8インチ(5.1cm×5.1cm×0.3cm)のサンプルに切断した。初期のガードナー衝撃強度の平均は、260in−lbs(30J)であった。
(実施例B2)
以下の成分:1,5ペンタンジオール20.1グラム、トリメチロールプロパン7.5グラム、および4,4’−メチレン−ビス−(シクロヘキシルイソシアネート)のtrans−trans異性体を20%含むDESMODUR W 72.45グラムを、温度計およびオーバーヘッドスターラーを取り付けたガラスケトルに入れた。投入物を混合し、減圧にしながら(2mmHg(266Pa))、80℃〜90℃の温度まで上げていき、泡を取り除いた。80℃〜90℃に到達した後、このバッチが透明の外観になるまで、1〜2時間混合した。
このバッチを、140℃の乾燥機であらかじめ加熱しておいた、加熱したガラスの型に入れた。触媒を用いずに、ポリマーを140℃で48時間かけて硬化させた。硬化させた後、乾燥機から型を取り出し、室温まで冷却した。ガラスの型からプラスチックシートを取り出し、ガードナー衝撃試験用に2インチ×2インチ×1/8インチ(5.1cm×5.1cm×0.3cm)のサンプルに切断した。初期のガードナー衝撃強度の平均は、62in−lbs(7J)であった。
(実施例B3)
以下の成分 1,4ブタンジオール17.9グラム、トリメチロールプロパン7.4グラム、および4,4’−メチレン−ビス−(シクロヘキシルイソシアネート)のtrans−trans異性体を20%含むDESMODUR W 74.47グラムを、温度計およびオーバーヘッドスターラーを取り付けたガラスケトルに入れた。投入物を混合し、減圧にしながら(2mmHg(266Pa))、110℃〜120℃の温度まで上げていき、泡を取り除いた。110℃〜120℃に到達した後、このバッチを10〜20分間混合した。
このバッチを、140℃の乾燥機であらかじめ加熱しておいた、加熱したガラスの型に入れた。触媒を用いずに、ポリマーを140℃で48時間かけて硬化させた。硬化させた後、乾燥機から型を取り出し、室温まで冷却した。ガラスの型からプラスチックシートを取り出し、ガードナー衝撃試験用に2インチ×2インチ×1/8インチ(5.1cm×5.1cm×0.3cm)のサンプルに切断した。初期のガードナー衝撃強度の平均は、180in−lbs(21ジュール)であった。
(実施例B4)
以下の成分:1,4ブタンジオール17.9グラム、トリメチロールプロパン7.4グラム、および4,4’−メチレン−ビス−(シクロヘキシルイソシアネート)のtrans−trans異性体を20%含むDESMODUR W 74.47グラムを、温度計およびオーバーヘッドスターラーを取り付けたガラスケトルに入れた。投入物を混合し、減圧にしながら(2mmHg(266Pa))、80℃〜90℃の温度まで上げていき、泡を取り除いた。80℃〜90℃に到達した後、このバッチが透明になるまで、1〜2時間混合した。
このバッチを、140℃の乾燥機であらかじめ加熱しておいた、加熱したガラスの型に入れた。触媒を用いずに、ポリマーを140℃で48時間かけて硬化させた。硬化させた後、乾燥機から型を取り出し、室温まで冷却した。ガラスの型からプラスチックシートを取り出し、ガードナー衝撃試験用に2インチ×2インチ×1/8インチ(5.1cm×5.1cm×0.3cm)のサンプルに切断した。初期のガードナー衝撃強度の平均は、10〜15in−lbs(1J〜1.5J)であった。
(実施例C)
本発明のポリウレタンサンプル中、整列した結晶性領域の全体的な割合を概算するために、配合物番号2(0.7当量の1,5−ペンタンジオール(PDO)、0.3当量のトリメチロールプロパン(TMP)、1当量の4,4’−メチレン−ビス−(シクロヘキシルイソシアネート)(DESMODUR W))および配合物番号136(0.95当量のPDO、0.05当量のTMP、ならびに1当量の4,4’−メチレン−ビス−(シクロヘキシルイソシアネート)(DESMODUR W))のサンプルを、2℃/分で示差走査熱量測定(DSC)を用い、さらに熱重量分析(TGA)を用いて試験した。
全ての成分を、それぞれの配合物中、約110℃で約30分間混合することによって、それぞれのサンプルを調製し、減圧下で約5〜約10分間脱気し、次いで、約200°F(93℃)に加熱したガラスの型に約48時間入れ、室温(25℃)まで冷却し、型から取り出した。配合物番号2のサンプルを約25℃で約7ヵ月間エージングした。
配合物番号136のサンプル(約25℃で約2週間エージングした)をコントロールサンプルとして使用し、このサンプルの整列した結晶性領域の割合を、結晶度100%のリファレンスとして用いた。配合物番号136のサンプルの結晶度100%に対し、配合物番号2の整列した結晶性領域の割合は、42%であると計算された。約260℃での吸熱ピークは、両サンプルでみられ、これは、サンプルの規則的な領域が溶融することによるものであった。配合物番号2および136のサンプルそれぞれについてのDSCデータを、以下の表21と、図24および25にそれぞれ示している。配合物136のサンプルの熱重量分析データ(TGA)は、図26に示している。
(実施例D:射撃試験)
(実施例D1)
本発明のポリウレタンポリマーを、以下の表22に列挙した成分から調製した。
1,10デカンジオール、トリメチロールプロパン、DESMODUR Wを80℃にあらかじめ加熱しておき、これをガラスケトルに入れた。窒素で覆い、一定速度で撹拌しつつ、混合物を約115℃まで加熱し、相溶化した。透明になったら、混合物を脱気し、あらかじめ121℃に加熱しておいた12インチ×12インチ×0.125インチ(30.5cm×30.5cm×0.3cm)の鋳型に入れた。充填した鋳型を143℃で48時間かけて硬化させた。
厚みが6インチ×6インチ×1インチ(15.2cm×15.2cm×2.5cm)のこの配合物は、30フィート(9.1m)離れた所から、987フィート/秒の速度で0.40口径のピストルで撃つと、亀裂は生じず、貫通した。20フィート(6.1m)離れた所からだと、銃弾も止まり、亀裂も観察されなかった。さらに、20フィート(6.1m)離れた所から、1350フィート/秒(411m/秒)で撃つと、配合物に亀裂は生じず、9mmが複数回貫通した。それに加えて、競技用重鉛散弾を用いる、30フィート(9.1m)離れた所からの12ゲージショットガンの弾丸(1290フィート/秒)により、配合物は厚み3/8インチ(18インチ×12インチ×3/8インチ)(46cm×30cm×1cm)を3連続で貫通された。それぞれの試験では、銃弾は、標的から弾き飛ばされた。
(実施例D2)
本発明のポリウレタンポリマーを、以下の表23に列挙した成分から調製した。
1,5ペンタンジオール、PC−1733、トリメチロールプロパン、および80℃にあらかじめ加熱しておいたDESMODUR Wをガラスケトルに入れた。窒素で覆い、一定速度で撹拌しつつ、混合物を約105℃まで加熱し、相溶化した。透明になったら、混合物を脱気し、あらかじめ121℃に加熱しておいた12インチ×12インチ×0.125インチ(30.5cm×30.5cm×0.3cm)の鋳型に入れた。充填した鋳型を143℃で48時間かけて硬化させた。
この配合物は、6インチ×6インチ×1インチ(15.2cm×15.2cm×2.5cm)サンプル中でポリマーの塊を「捕捉する」ことによって、この配合物は、115グレイン、1350フィート/秒で撃たれた9mmが複数回貫通した。銃弾の貫通度は、約0.25インチ(0.6cm)であり、サンプルの後側に延性の隆起はなかった。同じ配合物の4インチ×4インチ×1インチ(10.1cm×10.1cm×2.5cm)サンプルは、0.40口径の銃弾が複数回貫通し、銃弾は中にとどまっておらず、はじかれてもいなかった。銃弾はサンプルの底部にとどまり、わずかに変形していた。3/8インチ(1cm)の厚みで、この配合物は、30フィート(9.1m)離れた所から、12ゲージショットガンの弾を3回貫通させた。ほとんどの弾丸は、サンプル表面に埋まっていた。
(実施例D3)
本発明のポリウレタンポリマーを、以下の表24に列挙した成分から調製した。
1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、DESMODUR Wを80℃にあらかじめ加熱しておき、これをガラスケトルに入れた。窒素で覆い、一定速度で撹拌しつつ、混合物を約105℃まで加熱し、相溶化した。透明になったら、混合物を脱気し、あらかじめ121℃に加熱しておいた12インチ×12インチ×0.125インチ(30.5cm×30.5cm×0.3cm)の鋳型に入れた。充填した鋳型を143℃で48時間かけて硬化させた。
厚みが6インチ×6インチ×1インチ(15.2cm×15.2cm×2.5cm)のこの配合物のサンプルは、30フィート(9.1m)離れた所から0.40口径のピストルで撃つと、亀裂は生じず、複数回貫通した。0.40口径の速度は、987フィート/秒(300m)であった。3/8インチの厚みで60フィート(18.2m)離れた所からでは、heavy game shotを用い、銃口での速度が1290フィート/秒(393m/秒)で、12ゲージショットガンの弾丸が複数回貫通した。20フィート(6.1m)および30フィート(9.1m)離れた所からでは、1インチ(2.5cm)の厚みのこの配合物は、9mm銃、115グレインの弾丸を用いて速度1350フィート/秒(411m/秒)で撃った場合、壊れた。
(実施例D4)
本発明のポリウレタンポリマーを、以下の表25に列挙した成分から調製した。
1,5−ペンタンジオール、トリメチロールプロパン、DESMODUR Wを80℃にあらかじめ加熱しておき、これをガラスケトルに入れた。窒素で覆い、一定速度で撹拌しつつ、混合物を約115℃まで加熱し、相溶化した。透明になったら、混合物を脱気し、あらかじめ121℃に加熱しておいた12インチ×12インチ×0.125インチ(30.5cm×30.5cm×0.3cm)の鋳型に入れた。充填した鋳型を143℃で48時間かけて硬化させた。
6インチ×6インチ×1インチ(15.2cm×15.2cm×2.5cm)のこの配合物のサンプルは、30フィート(9.1m)離れた所から速度987フィート/秒(300m)で0.40口径のピストルで撃つと、亀裂は生じず、貫通した。20フィート(6.1m)離れた所からでは、銃弾は止まったが、中には、小さな亀裂が観察されるものもあった。また、この配合物は、20フィート(6.1m)離れた所から1350フィート/秒(411m/秒)で撃たれた9mmを、亀裂を生じることなく複数回貫通させた。それに加え、この配合物も、3/8インチ(1cm)の厚みでは、heavy game lead shotを用い、30フィート(9.1m)離れた所から、12ゲージショットガンの弾丸(1290フィート/秒)(393m/秒)が3連続で貫通した。
(実施例D5)
本発明のポリウレタンポリマーを、以下の表26に列挙した成分から調製した。
1,5ペンタンジオール、KM10−1733ポリカーボネートジオール、トリメチロールプロパン、DESMODUR Wを80℃にあらかじめ加熱しておき、これをガラスケトルに入れた。窒素で覆い、一定速度で撹拌しつつ、混合物を約105℃まで加熱し、相溶化した。透明になったら、混合物を脱気し、あらかじめ143℃に加熱しておいた12インチ×12インチ×0.125インチ(30.5cm×30.5cm×0.3cm)の鋳型に入れた。充填した鋳型を121℃で48時間かけて硬化させた。
この配合物は、6インチ×6インチ×1インチ(15.2cm×15.2cm×2.5cm)のサンプル中でポリマーの塊を「捕捉する」ことによって、この配合物は、115グレイン、1350フィート/秒(393m/秒)で撃たれた9mmが複数回貫通した。銃弾の貫通度は、約0.5インチ(1.2cm)であり、サンプルの後側にわずかに延性の隆起が存在した。同じサンプルの4インチ×4インチ×1インチ(10.1cm×10.1cm×2.5cm)も、0.40口径の銃弾を複数回貫通し、銃弾は中にとどまっておらず、はじかれてもいなかった。銃弾はサンプルの底部にとどまり、わずかに変形していた。3/8インチ(1cm)の厚みで、この配合物は、30フィート(9.1m)離れた所から、12ゲージショットガンの銃弾が3回貫通した。ほとんどの弾丸は、サンプル表面に埋まっていた。
全ての9mm弾丸は、115グレインであり、Ruger 9mmピストルから撃たれた銃口速度は1350フィート/秒(411m/秒)であった。全ての0.40口径の弾丸は、987フィート/秒(300m)の銃口速度でSmith & Wesson 0.40口径のピストルで撃たれた。全ての12ゲージショットガンの弾丸は、Remington 12ゲージショットガンを使用し、競技で装填される重い鉛散弾を用いて、銃口での速度1290フィート/秒(393m/秒)で撃たれた。サンプルは、Velcro(登録商標)を用いた12インチ厚の木製ブロックに付着させて撃たれ、サンプルを保持するための枠は用いなかった。射撃は約60°F(15℃)〜約80°F(27℃)の範囲の温度で、屋外で行った。
(実施例E)
上の実施例Aの配合物2から調製されたサンプルを調製し、上の実施例Aのようにガードナー衝撃強度について試験した。35重量%の4,4’−メチレン−ビス−(シクロヘキシルイソシアネート)のtrans,trans異性体を用い、サンプルE1を調製した。17重量%の4,4’−メチレン−ビス−(シクロヘキシルイソシアネート)のtrans,trans異性体を用い、サンプルE2を調製した。サンプルE1のガードナー衝撃強度は、150in−lbs(17J)であった。サンプルE2のガードナー衝撃強度は、40in−lbs(5J)であった。trans,trans 4,4’−メチレン−ビス−(シクロヘキシルイソシアネート)の重量%を多くして調製したサンプルE1は、より少ない重量%のtrans, trans 4,4’−メチレン−ビス−(シクロヘキシルイソシアネート)を用いて調製したサンプルE2よりもガードナー衝撃強度が大きかった。
(実施例F)
上の実施例1の配合物1から、さらに、3重量%のCIBA TINUVIN B75液体光安定化剤系(Ciba Specialty Chemicalsから市販されている)(20重量%のIRGANOX 1135、40重量%のTINUVIN 571、40重量%のTINUVIN 765の混合物である)を含むサンプルを調製した。初期のガードナー衝撃強度は、75in−lbs(9J)であった。1000時間のQUV−Bの後に、ガードナー衝撃強度は、75in−lbs(9J)であった。初期の引張強度は、13,400psi(92.4MPa)であり、1000時間のQUV−Bの後には、13,100psi(90.3MPa)であった。初期の伸長度は40%であり、1000時間のQUV−Bの後には、50%であった。
(実施例G)
(弾塑性ポリウレタンの実施例)
(実施例G1)
以下の反応剤:DESMODUR W 131.2グラム、トリメチロールプロパン13.41グラム、1,5ペンタンジオール26.015グラム、およびStahl KM−1733(ヘキサンジオールに基づく、分子量が1000のポリカーボネートジオール)81.712グラムを一緒に混合し、80℃まで加熱し、脱気した。10ppmのジブチルスズジアセテートを加え、溶液が均一になるまで混合した。混合物をガラスの型に注ぎ、290°F(143℃)で48時間硬化させた。硬化した後、型を室温(25℃)まで冷却し、ポリマーを型から取り出した。ポリマーは、ヤング率が215,000psi(約1482MPa)であった。ウレタンの含有量は、重量%で23.4%であった。架橋あたりの分子量は、2548グラム/モルであった。環の含有量は重量%で32%であった。
このポリマーから調製した、6インチ×6インチ×1インチ厚(15.2cm×15.2cm×2.5cm)の物品は、20フィート(6.1m)の距離から初期速度1350フィート/秒(411m/秒)で撃たれた125グレインの9mmの銃弾を、ポリマー内に銃弾を捕捉することによって止めた。銃弾の後側は、サンプルに約1/8インチ(0.3cm)入り込んでおり、裏側に非常に小さな盛り上がりがあった。
(実施例G2)
以下の反応剤:DESMODUR W 131.2グラム、トリメチロールプロパン13.41グラム、1,5ペンタンジオール28.096グラム、およびStahl KM−1733(ヘキサンジオールに基づく、分子量が1000のポリカーボネートジオール)65.370グラムを一緒に混合し、80℃まで加熱し、脱気した。10ppmのジブチルスズジアセテートを加え、溶液が均一になるまで混合した。混合物をガラスの型に注ぎ、290°F(143℃)で48時間硬化させた。硬化した後、型を室温(25℃)まで冷却し、ポリマーを型から取り出した。ポリマーは、ヤング率が215,000psi(約1482MPa)であった。ウレタンの含有量は、重量%で24.8%であった。架橋あたりの分子量は、2404グラム/モルであった。環の含有量は重量%で34%であった。
このポリマーから調製した、6インチ×6インチ×1インチ(15.2cm×15.2cm×2.5cm)の物品は、20フィート(6.1m)離れたところから初期速度1350フィート/秒(411m/秒)で撃たれた125グレインの9mmの銃弾を、ポリマー内に銃弾を捕捉することによって止めた。銃弾の長さの5分の4(4/5)がサンプルに入り込んでおり、銃弾の後側は、衝撃を受けた表面から約1/8インチ(0.3cm)飛び出していた。
(実施例G3)
以下の反応剤:DESMODUR W 131.2グラム、トリメチロールプロパン13.41グラム、1,5ペンタンジオール28.617グラム、およびStahl KM−1733(ヘキサンジオールに基づく、分子量が1000のポリカーボネートジオール)61.284グラムを一緒に混合し、80℃まで加熱し、脱気した。10ppmのジブチルスズジアセテートを加え、溶液が均一になるまで混合した。混合物をガラスの型に注ぎ、290°F(143℃)で48時間硬化させた。硬化した後、型を室温(25℃)まで冷却し、ポリマーを型から取り出した。ポリマーは、ヤング率が215,000psi(約1482MPa)であった。ウレタンの含有量は、重量%で25.15%であった。架橋あたりの分子量は、2369グラム/モルであった。環の含有量は重量%で34.53%であった。
このポリマーから調製した、6インチ×6インチ×1インチ(15.2cm×15.2cm×2.5cm)の物品は、20フィート(6.1m)離れたところから初期速度1350フィート/秒(411m/秒)で撃たれた125グレインの9mmの銃弾を捕捉することによって止めた。銃弾の長さの5分の4(4/5)がサンプルに入り込んでおり、銃弾の後側は、衝撃を受けた表面から約1/8インチ(0.3cm)飛び出していた。
(ポリ(尿素ウレタン)の実施例)
(実施例G4)
以下の反応剤:DESMODUR W 318.26グラム、0.5%のジブチルスズジアセテートを含有するトリメチロールプロパン0.84グラムをガラスケトルに入れ、75℃で加熱し、撹拌した。脱イオン水(4.37グラム)を加え、混合し、反応させて、ポリウレタンプレポリマー内にポリ尿素硬質セグメントを形成した。減圧下で二酸化炭素の泡を除去した。次いで、温度を80℃まで上げ、30分間反応させた。2mmHgの減圧を利用して脱気を行い、63.42グラムの1,5ペンタンジオールを、32.76グラムのトリメチロールプロパンとともに加えた。混合物を撹拌し、減圧度をゆっくりと上げた。発熱により温度が95℃に達し、この時点で、混合物を、6インチ×6インチ×1/8インチ(15.2cm×15.2cm×0.3cm)のガラスの型に注いだ。材料を290°F(143℃)で48時間硬化させた。材料を室温(25℃)で型から取り出し、透き通った、非常に透明なプラスチックを得た。
(実施例G5)
以下の反応剤:トリメチロールプロパン2.23グラムを、10ppmのジブチルスズジアセテートを含むDESMODUR W 76.133グラムとともに80℃で反応させ、末端がイソシアネート基の分枝ポリウレタンを形成した。温度が60℃まで下がったら、このバッチに水(0.9グラム)を加え、2時間反応させ、ポリウレタンポリ尿素プレポリマーのポリ尿素部分を形成した。次いで、減圧状態で二酸化炭素を除去し、38グラムのトリメチロールプロパンを加え、混合し、減圧下で脱気し、75℃で上述のようなガラスの型に注いだ。290°F(143℃)で48時間硬化させた後、室温(25℃)で型からプラスチックを取り出し、弾性率が高く、非常に透明なプラスチックを得た。ヤング率は、Instron testing machineで、6インチ/分のクロスヘッド速度で測定すると、441,000psiであった。
(実施例G6)
以下の反応剤:バッチ合計重量の10ppmのジブチルスズジアセテートを用い、トリメチロールプロパン2.23グラムを、DESMODUR W 131.2グラムと反応させ、分枝イソシアネートが末端にあるポリウレタンプレポリマーを製造した。脱イオン水(1.34グラム)を加え、60℃で反応させた。二酸化炭素を減圧脱気によって除去した。温度を75℃まで上げ、シクロヘキサンジメタノール39.66グラムを連鎖伸長剤として加えた。混合し、脱気した後に、液体を、上述のようにガラスの型に注ぎ、290°F(143℃)で48時間硬化させた。室温(25℃)で型から外し、光学品質の高いプラスチックシートを得た。
(実施例H)
(実施例H1)
ポリウレタンを以下の成分から調製した。
1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、およびDESMODUR W(80℃にあらかじめ加熱)をガラスケトルに入れた。窒素で覆い、一定速度で撹拌しつつ、混合物を約105℃まで加熱し、相溶化した。透明になったら、混合物を脱気し、あらかじめ121℃に加熱しておいた12インチ×12インチ×0.125インチ(30cm×30cm×0.3cm)の鋳型に入れた。鋳型を121℃で48時間、150℃で6時間かけて硬化させた。平均ガードナー衝撃強度は、102in−lbs(12J)であった。
(実施例H2)
ポリウレタンを、以下の成分から調製した。
1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、およびDESMODUR W(80℃にあらかじめ加熱)をガラスケトルに入れた。窒素で覆い、一定速度で撹拌しつつ、混合物を約105℃まで加熱し、相溶化した。混合物を脱気し、あらかじめ121℃に加熱しておいた12インチ×12インチ×0.125インチ(30cm×30cm×0.3cm)の鋳型に入れた。鋳型を121℃で48時間硬化させた。平均ガードナー衝撃強度は、110in−lbs(13J)であった。
(実施例H3)
ポリウレタンを、以下の成分から調製した。
1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、およびDESMODUR W(80℃にあらかじめ加熱)をガラスケトルに入れた。窒素で覆い、一定速度で撹拌しつつ、混合物を約105℃まで加熱し、相溶化した。混合物を脱気し、あらかじめ121℃に加熱しておいた12インチ×12インチ×0.125インチ(30cm×30cm×0.3cm)の鋳型に入れた。鋳型を121℃で48時間硬化させた。平均ガードナー衝撃強度は、131in−lbs(15J)であった。
(実施例H4)
ポリウレタンを、以下の成分から調製した。
1,5−ペンタンジオール、トリメチロールプロパン、およびDESMODUR W(80℃にあらかじめ加熱)をガラスケトルに入れた。窒素で覆い、一定速度で撹拌しつつ、混合物を約115℃まで加熱し、相溶化した。混合物を脱気し、あらかじめ121℃に加熱しておいた12インチ×12インチ×0.125インチ(30cm×30cm×0.3cm)の鋳型に入れた。鋳型を121℃で48時間硬化させた。平均ガードナー衝撃強度は、135in−lbs(15J)であった。
(実施例H5)
ポリウレタンを、以下の成分から調製した。
1,5−ペンタンジオール、トリメチロールプロパン、およびDESMODUR W(80℃にあらかじめ加熱)をガラスケトルに入れた。窒素で覆い、一定速度で撹拌しつつ、混合物を約115℃まで加熱し、相溶化した。混合物を脱気し、あらかじめ121℃に加熱しておいた12インチ×12インチ×0.125インチ(30cm×30cm×0.3cm)の鋳型に入れた。鋳型を121℃で48時間硬化させた。平均ガードナー衝撃強度は、71in−lbs(8J)であった。
(実施例H6)
ポリウレタンを、以下の成分から調製した。
1,5−ペンタンジオール、CHDM、トリメチロールプロパン、およびDESMODUR W(80℃にあらかじめ加熱)をガラスケトルに入れた。窒素で覆い、一定速度で撹拌しつつ、混合物を約105℃まで加熱し、相溶化した。混合物を脱気し、あらかじめ121℃に加熱しておいた12インチ×12インチ×0.125インチ(30cm×30cm×0.3cm)の鋳型に入れた。鋳型を121℃で48時間硬化させた。平均ガードナー衝撃強度は、143in−lbs(16J)であった。
(実施例H7)
ポリウレタンを、以下の成分から調製した。
CHDM、トリメチロールプロパン、およびDESMODUR W(80℃にあらかじめ加熱)をガラスケトルに入れた。窒素で覆い、一定速度で撹拌しつつ、混合物を約105℃まで加熱し、相溶化した。混合物を脱気し、あらかじめ121℃に加熱しておいた12インチ×12インチ×0.125インチ(30cm×30cm×0.3cm)の鋳型に入れた。鋳型を121℃で48時間硬化させた。平均ガードナー衝撃強度は、63in−lbs(7J)であった。
(実施例H8)
ポリウレタンを、以下の成分から調製した。
1,4−ブタンジオール、CHDM、トリメチロールプロパン、およびDESMODUR W(80℃にあらかじめ加熱)をガラスケトルに入れた。窒素で覆い、一定速度で撹拌しつつ、混合物を約105℃まで加熱し、相溶化した。混合物を脱気し、あらかじめ121℃に加熱しておいた12インチ×12インチ×0.125インチ(30cm×30cm×0.3cm)の鋳型に入れた。鋳型を121℃で48時間硬化させた。平均ガードナー衝撃強度は、47in−lbs(5J)であった。
(実施例H9)
ポリウレタンを、以下の成分から調製した。
1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、およびDESMODUR W(80℃にあらかじめ加熱)をガラスケトルに入れた。窒素で覆い、一定速度で撹拌しつつ、混合物を約105℃まで加熱し、相溶化した。混合物を脱気し、あらかじめ121℃に加熱しておいた12インチ×12インチ×0.125インチ(30cm×30cm×0.3cm)の鋳型に入れた。鋳型を121℃で48時間硬化させた。平均ガードナー衝撃強度は、130in−lbs(15J)であった。
(実施例H10)
ポリウレタンを、以下の成分から調製した。
1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、およびDESMODUR W(80℃にあらかじめ加熱)をガラスケトルに入れた。窒素で覆い、一定速度で撹拌しつつ、混合物を約115℃まで加熱し、相溶化した。混合物を脱気し、あらかじめ121℃に加熱しておいた12インチ×12インチ×0.125インチ(30cm×30cm×0.3cm)の鋳型に入れた。鋳型を121℃で48時間硬化させた。平均ガードナー衝撃強度は、53in−lbs(6J)であった。
(実施例H11)
ポリウレタンを、以下の成分から調製した。
1,6−ヘキサンジオール、CHDM、トリメチロールプロパン、およびDESMODUR W(80℃にあらかじめ加熱)をガラスケトルに入れた。窒素で覆い、一定速度で撹拌しつつ、混合物を約115℃まで加熱し、相溶化した。混合物を脱気し、あらかじめ121℃に加熱しておいた12インチ×12インチ×0.125インチ(30cm×30cm×0.3cm)の鋳型に入れた。鋳型を121℃で48時間硬化させた。平均ガードナー衝撃強度は、124in−lbs(14J)であった。
(実施例H12)
ポリウレタンを、以下の成分から調製した。
1,4−シクロヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、およびDESMODUR W(80℃にあらかじめ加熱)をガラスケトルに入れた。窒素で覆い、一定速度で撹拌しつつ、混合物を約95℃まで加熱し、相溶化した。透明になったら、混合物を脱気し、あらかじめ121℃に加熱しておいた6インチ×6インチ×0.25インチ(15cm×15cm×0.3cm)の鋳型に入れた。鋳型を121℃で48時間硬化させた。ガードナー衝撃強度は、7in−lbs(1J)であった。
(実施例H13)
ポリウレタンを、以下の成分から調製した。
エチレングリコール、トリメチロールプロパン、およびDESMODUR W(80℃にあらかじめ加熱)をガラスケトルに入れた。窒素で覆い、一定速度で撹拌しつつ、混合物を約105℃まで加熱し、相溶化した。混合物を脱気し、あらかじめ121℃に加熱しておいた12インチ×12インチ×0.125インチ(30cm×30cm×0.3cm)の鋳型に入れた。鋳型を121℃で48時間硬化させた。平均ガードナー衝撃強度は、4in−lbs(4J)であった。
(実施例H14)
ポリウレタンを、以下の成分から調製した。
1,4−ブタンジオール、ペンタエリスリトール、およびDESMODUR W(80℃にあらかじめ加熱)をガラスケトルに入れた。窒素で覆い、一定速度で撹拌しつつ、混合物を約150℃まで加熱した。ペンタエリスリトールは溶解しなかった。
(実施例H15)
ポリウレタンを、以下の成分から調製した。
1,4−ベンゼンジメタノール、トリメチロールプロパン、およびDESMODUR W(80℃にあらかじめ加熱)をガラスケトルに入れた。窒素で覆い、一定速度で撹拌しつつ、混合物を約105℃まで加熱し、相溶化した。混合物を脱気し、あらかじめ121℃に加熱しておいた12インチ×12インチ×0.125インチ(30cm×30cm×0.3cm)の鋳型に入れた。鋳型を121℃で48時間硬化させた。平均ガードナー衝撃強度は、63in−lbs(7J)であった。
(実施例H16)
ポリウレタンを、以下の成分から調製した。
1,4−ベンゼンジメタノール、CHDM、トリメチロールプロパン、およびDESMODUR W(80℃にあらかじめ加熱)をガラスケトルに入れた。窒素で覆い、一定速度で撹拌しつつ、混合物を約115℃まで加熱し、相溶化した。混合物を脱気し、あらかじめ121℃に加熱しておいた12インチ×12インチ×0.125インチ(30cm×30cm×0.3cm)の鋳型に入れた。鋳型を121℃で48時間硬化させた。平均ガードナー衝撃強度は、75in−lbs(9J)であった。
(実施例H17)
ポリウレタンを、以下の成分から調製した。
1,4−ベンゼンジメタノール、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、およびDESMODUR W(80℃にあらかじめ加熱)をガラスケトルに入れた。窒素で覆い、一定速度で撹拌しつつ、混合物を約115℃まで加熱し、相溶化した。透明になったら、混合物を脱気し、あらかじめ121℃に加熱しておいた12インチ×12インチ×0.125インチ(30cm×30cm×0.3cm)の鋳型に入れた。鋳型を121℃で48時間硬化させた。ガードナー衝撃強度は、62in−lbs(7J)であった。
(実施例H18)
ポリウレタンを、以下の成分から調製した。
1,4−ベンゼンジメタノール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、およびDESMODUR W(80℃にあらかじめ加熱)をガラスケトルに入れた。窒素で覆い、一定速度で撹拌しつつ、混合物を約115℃まで加熱し、相溶化した。透明になったら、混合物を脱気し、あらかじめ121℃に加熱しておいた12インチ×12インチ×0.125インチ(30cm×30cm×0.3cm)の鋳型に入れた。鋳型を121℃で48時間硬化させた。ガードナー衝撃強度は、64in−lbs(7J)であった。
(実施例H19)
ポリウレタンを、以下の成分から調製した。
4,4’−トリメチレンジピペリジン、TMP、およびDESMODUR W(80℃にあらかじめ加熱)をガラスケトルに入れた。初期温度は、約50℃であり、撹拌しているときに約60℃まで上がり、ゲル化して白色の塊になった。
(実施例H20)
ポリウレタンを、以下の成分から調製した。
1,4−ビス(ヒドロキシエチル)ピペラジン、トリメチロールプロパン、およびDESMODUR W(80℃にあらかじめ加熱)をガラスケトルに入れた。窒素で覆い、一定速度で撹拌しつつ、混合物を約105℃まで加熱し、このときに、もはや撹拌できないほど粘度が上昇した。混合物は、透明ではなく、溶融していない1,4−ビス(ヒドロキシエチル)ピペラジンが混合物中に存在していた。
(実施例H21)
ポリウレタンを、以下の成分から調製した。
N,N
’−ビス(2−ヒドロキシエチル)オキサミド、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、およびDESMODUR W(80℃にあらかじめ加熱)をガラスケトルに入れた。窒素で覆い、一定速度で撹拌しつつ、混合物を約105℃まで加熱し、このときに、もはや撹拌できないほど粘度が上昇した。混合物は、透明ではなく、溶融していないN,N
’−ビス(2−ヒドロキシエチル)オキサミドが混合物中に存在していた。
(実施例H22)
ポリウレタンを、以下の成分から調製した。
3,6−ジチア−1,2−オクタンジオール、トリメチロールプロパン、およびDESMODUR W(80℃にあらかじめ加熱)をガラスケトルに入れた。窒素で覆い、一定速度で撹拌しつつ、混合物を約105℃まで加熱し、このときに、もはや撹拌できないほど粘度が上昇した。混合物を脱気し、あらかじめ121℃に加熱しておいた6インチ×6インチ×0.25インチ(15cm×15cm×0.3cm)の鋳型に入れた。鋳型を121℃で48時間硬化させた。平均ガードナー衝撃強度は、81in−lbs(9J)であった。
(実施例H23)
ポリウレタンを、以下の成分から調製した。
3,6−ジチア−1,2−オクタンジオール、ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジブロモフェニル)スルホン、CHDM、トリメチロールプロパン、DESMODUR W(80℃にあらかじめ加熱)をガラスケトルに入れた。窒素で覆い、一定速度で撹拌しつつ、混合物を約115℃まで加熱し、相溶化した。混合物を脱気し、あらかじめ121℃に加熱しておいた12インチ×12インチ×0.125インチ(30cm×30cm×0.3cm)の鋳型に入れた。鋳型を121℃で48時間硬化させた。
(実施例H24)
本発明のポリウレタンポリマーを、以下に列挙した成分から調製した。
2,2−チオジエタノール、トリメチロールプロパン、およびDESMODUR W(80℃にあらかじめ加熱)をガラスケトルに入れた。窒素で覆い、一定速度で撹拌しつつ、混合物を約95℃まで加熱し、相溶化した。透明になったら、混合物を脱気し、あらかじめ121℃に加熱しておいた6インチ×6インチ×0.25インチ(15cm×15cm×0.3cm)の鋳型に入れた。鋳型を121℃で48時間硬化させた。ガードナー衝撃強度は、5in−lbs.(1J)であり、サンプルは脆かった。
(実施例H25)
ポリウレタンを、以下の成分から調製した。
チオジエタノール、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、およびDESMODUR W(80℃にあらかじめ加熱)をガラスケトルに入れた。窒素で覆い、一定速度で撹拌しつつ、混合物を約105℃まで加熱し、相溶化した。混合物を脱気し、あらかじめ121℃に加熱しておいた12インチ×12インチ×0.125インチ(30cm×30cm×0.3cm)の鋳型に入れた。鋳型を121℃で48時間硬化させた。平均ガードナー衝撃強度は、39in−lbs(4J)であった。
(実施例H26)
ポリウレタンを、以下の成分から調製した。
チオジエタノール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、およびDESMODUR W(80℃にあらかじめ加熱)をガラスケトルに入れた。窒素で覆い、一定速度で撹拌しつつ、混合物を約105℃まで加熱し、相溶化した。混合物を脱気し、あらかじめ121℃に加熱しておいた12インチ×12インチ×0.125インチ(30cm×30cm×0.3cm)の鋳型に入れた。鋳型を121℃で48時間硬化させた。平均ガードナー衝撃強度は、55in−lbs(6J)であった。
(実施例H27)
ポリウレタンを、以下の成分から調製した。
1,4−ブタンジオール、Des N 3400、およびDESMODUR W(80℃にあらかじめ加熱)をガラスケトルに入れた。窒素で覆い、一定速度で撹拌しつつ、混合物を約105℃まで加熱した。混合物を脱気し、あらかじめ121℃に加熱しておいた6インチ×6インチ×0.25インチ(15cm×15cm×0.3cm)の鋳型に入れた。鋳型を121℃で48時間硬化させた。平均ガードナー衝撃強度は、35in−lbs(4J)であった。
(実施例H28)
ポリウレタンを、以下の成分から調製した。
1,4−ブタンジオール、TMP、およびDESMODUR W(80℃にあらかじめ加熱)、脱イオン水をガラスケトルに入れた。窒素で覆い、一定速度で撹拌しつつ、混合物を約105℃まで加熱し、相溶化した。相溶化した後、ケトルの側面に凝縮(水)が観察された。
(実施例H29)
ポリウレタンを、以下の成分から調製した。
1,4−ブタンジオール、TMP、およびDESMODUR W(80℃にあらかじめ加熱)をガラスケトルに入れた。窒素で覆い、一定速度で撹拌しつつ、混合物を約110℃まで加熱した。混合物を脱気し、あらかじめ121℃に加熱しておいた15インチ×15インチ×0.125インチ(38cm×38cm×0.3cm)の鋳型に入れた。鋳型を121℃で48時間硬化させた。平均ガードナー衝撃強度は、300in−lbs(35J)であった。W
uは33.5%であり、W
cは46%であり、M
cは10,569g/molであった。
(実施例H30)
ポリウレタンを、以下の成分から調製した。
1,5−ペンタンジオール、TMP、およびDESMODUR W(80℃にあらかじめ加熱)をガラスケトルに入れた。窒素で覆い、一定速度で撹拌しつつ、混合物を約110℃まで加熱した。混合物を脱気し、あらかじめ121℃に加熱しておいた15インチ×15インチ×0.125インチ(38cm×38cm×0.3cm)の鋳型に入れた。鋳型を121℃で48時間硬化させた。平均ガードナー衝撃強度は400in−lbs(46J)であった。W
uは32.3%であり、W
cは44.3%であり、M
cは10,973g/molであった。
(実施例H31)
ポリウレタンを、以下の成分から調製した。
1,10−デカンジオール、TMP、およびDESMODUR W(80℃にあらかじめ加熱)をガラスケトルに入れた。窒素で覆い、一定速度で撹拌しつつ、混合物を約110℃まで加熱した。混合物を脱気し、あらかじめ121℃に加熱しておいた15インチ×15インチ×0.125インチ(38cm×38cm×0.3cm)の鋳型に入れた。鋳型を121℃で48時間硬化させた。平均ガードナー衝撃強度は、>640in−lbs(>74J)であった。W
uは27.3%であり、W
cは37.5%であり、M
cは12,974g/molであった。Dynatup衝撃強度は、77ジュールであった。
(実施例H32)
ポリウレタンを、以下の成分から調製した。
TONE 210、1,5−ペンタンジオール、TMP、およびDESMODUR W(80℃にあらかじめ加熱)をガラスケトルに入れた。窒素で覆い、一定速度で撹拌しつつ、混合物を約110℃まで加熱した。混合物を脱気し、あらかじめ121℃に加熱しておいた15インチ×15インチ×0.125インチ(38cm×38cm×0.3cm)の鋳型に入れた。鋳型を121℃で48時間硬化させた。W
uは23.4%であり、W
cは32%であり、M
cは2542g/molであった。
(実施例H33)
ポリウレタンを、以下の成分から調製した。
TONE 210、1,5−ペンタンジオール、TMP、およびDESMODUR W(80℃にあらかじめ加熱)をガラスケトルに入れた。窒素で覆い、一定速度で撹拌しつつ、混合物を約110℃まで加熱した。混合物を脱気し、あらかじめ121℃に加熱しておいた15インチ×15インチ×0.125インチ(38cm×38cm×0.3cm)の鋳型に入れた。鋳型を121℃で48時間硬化させた。W
uは25.2%であり、W
cは34.6%であり、M
cは2342g/molであった。
(実施例I)
実施例Aの配合物1〜10のサンプル、McMasterCarr製のPlexiglas、Poly 84(伸長したアクリル樹脂)、商業グレードのLEXANについて、以下の条件にしたがってKファクターを試験した。
ロードセル:2000lbf
湿度(%):50
温度:73°F(23℃)
試験速度:320lbf/分
厚み:0.120インチ
(実施例J)
ポリウレタンを、以下の成分から調製した。
1,5−ペンタンジオール、トリメチロールプロパン、およびDESMODUR W(80℃にあらかじめ加熱)をガラスケトルに入れた。窒素で覆い、一定速度で撹拌しつつ、混合物を約115℃まで加熱し、相溶化した。透明になったら、混合物を脱気し、あらかじめ121℃に加熱しておいた14インチ×14インチ×0.375インチの鋳型に入れた。第1のサンプルセットを121℃で48時間硬化させた。第2のサンプルセットを121℃で48時間硬化させ、145℃で12時間硬化させた。それぞれのサンプルセットについて、75%硫酸水溶液に30分間浸漬することによって、耐応力ひび割れ性を評価した。第2のサンプルセットは、4000psiで30分間通した。
(実施例K)
トリメチロールプロパン(0.05当量)、1,10−デカンジオール(0.95当量)、およびDESMODUR W(1.0当量、80℃にあらかじめ加熱)をガラスケトルに入れた。窒素で覆い、一定速度で撹拌しつつ、混合物を約110℃まで加熱し、相溶化した。透明になったら、混合物を脱気し、あらかじめ143℃に加熱しておいた12インチ×12インチ×0.125インチの鋳型に入れた。充填した型を121℃で48時間硬化させた。Dynatup多軸型衝撃強度は、ASTM−D 3763−02にしたがって測定した場合、77ジュールであった。LexanサンプルのDynatup多軸型衝撃強度は、72ジュールであった。
(実施例L)
(実施例L1)
ガラスケトル中、減圧下で0.3当量の1,5−ペンタンジオール、1.0当量のDESMODUR W、および10ppmのジブチルスズジアセテートを反応剤として反応させることによって、イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーを調製した。反応温度は、143℃に10時間維持され、0.4当量の1,5−ペンタンジオールおよび0.3当量のトリメチロールプロパンを加えた。110℃で約30分後、混合物を、剥離コーティングされたガラスの型の間に入れ、290°F(143℃)で72時間硬化させた。型を乾燥機から取り出し、プラスチックを外した。ガードナー衝撃強度は、256in−lbs(29J)であった。
ガラスケトル中、減圧下で0.5当量の1,5−ペンタンジオール、1.0当量のDESMODUR W、および10ppmのジブチルスズジアセテートを反応剤として反応させることによって、イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーを調製した。反応温度は、143℃に10時間維持され、0.2当量の1,5−ペンタンジオールおよび0.3当量のトリメチロールプロパンを加えた。110℃で約30分後、混合物を、剥離コーティングされたガラスの型の間に入れ、290°F(143℃)で72時間硬化させた。型を乾燥機から取り出し、プラスチックを外した。ガードナー衝撃強度は、256in−lbs(29J)であった。
イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーから調製され、多くの量(0.5当量)の1,5−ペンタンジオールを含むサンプルは、ガードナー衝撃強度が高かった。任意の理論に束縛されることを意図しないが、成分間の混和性は短鎖ジオールの一部分とポリイソシアネートとをあらかじめ反応させておくことによって改良されると考えられる。
(実施例L2)
(イソシアネート官能性プレポリマーを用いて調製したサンプル)
(サンプルA)
ガラス反応ケトル中、減圧下、窒素で覆い、0.3当量の1,5−ペンタンジオール、および1.0当量のDESMODUR W 4,4’−メチレン−ビス−(シクロヘキシルイソシアネート)を反応させることによって、イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーを調製した。プレポリマー成分を、110℃の温度まであらかじめ加熱しておき、減圧乾燥機中、液化させ、脱気してから混合した。ガラス反応ケトルを60℃〜80℃の間の温度まであらかじめ加熱した後、プレポリマー成分を加えた。反応温度は、120℃に15分間維持された。次いで、0.4当量の1,5−ペンタンジオールおよび0.3当量のトリメチロールプロパンを加えた。0.4当量の1,5−ペンタンジオールおよび0.3当量のトリメチロールプロパンを80℃の温度まであらかじめ加熱し、減圧乾燥機中、液化させ、脱気してから混合物に加えた。配合物を28mmHg以下の減圧下で撹拌して脱気しながら、あらかじめ加熱した加熱マントルに約120℃の温度までケトルを約15分間おいた。次いで、剥離コーティングされた1インチ×15インチ×15インチ(2.5cm×38.1cm×38.1cm)の鋳造用ガラス製鋳型であって、約120℃の温度にあらかじめ加熱しておいた、3600gの樹脂容量を有する鋳型の間に混合物を入れた。混合物を約120℃で2時間硬化させ、次いで、160℃で22時間硬化させた。乾燥機から型を取り出し、プラスチックを外した。次いで、プラスチックシートをガラスの型から取り出し、ガードナー衝撃試験用に2インチ×2インチ×1/8インチ(5.1cm×5.1cm×0.3cm)のサンプルに切断した。ガードナー衝撃強度は、256in−lbs(29J)であった。
(サンプルB)
ガラス反応ケトル中、減圧下、窒素で覆い、0.3当量の1,5−ペンタンジオール、および1.0当量のDESMODUR Wを反応させることによって、イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーを調製した。プレポリマー成分を、110℃の温度まであらかじめ加熱しておき、減圧乾燥機中、液化させ、脱気してから混合した。ガラス反応ケトルを60℃〜80℃の間の温度まであらかじめ加熱した後、プレポリマー成分を加えた。反応温度は、120℃に15分間維持された。次いで、0.1当量の1,5−ペンタンジオールおよび0.6当量のトリメチロールプロパンを加えた。0.1当量の1,5−ペンタンジオールおよび0.6当量のトリメチロールプロパンを80℃の温度まであらかじめ加熱し、減圧乾燥機中、液化させ、脱気してから混合物に加えた。配合物を29mmHg以下の減圧下で撹拌して脱気しながら、あらかじめ加熱した加熱マントルに約120℃の温度までケトルを約15分間おいた。次いで、剥離コーティングされた1インチ×15インチ×15インチ(2.5cm×38.1cm×38.1cm)の鋳造用ガラス製鋳型であって、約120℃の温度にあらかじめ加熱しておいた、3600gの樹脂容量を有する鋳型の間に混合物を入れた。混合物を約120℃で2時間硬化させ、次いで、160℃で22時間硬化させた。乾燥機から型を取り出し、プラスチックを外した。次いで、プラスチックシートをガラスの型から取り出し、ガードナー衝撃試験用に2インチ×2インチ×1/8インチ(5.1cm×5.1cm×0.3cm)のサンプルに切断した。ガードナー衝撃強度は、100in−lbs(11.3J)であった。
(サンプルC)
ガラス反応ケトル中、減圧下、窒素で覆い、0.3当量の1,5−ペンタンジオール、1.0当量のDESMODUR Wを反応させることによって、イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーを調製した。プレポリマー成分を、110℃の温度まであらかじめ加熱しておき、減圧乾燥機中、液化させ、脱気してから混合した。ガラス反応ケトルを60℃〜80℃の間の温度まであらかじめ加熱した後、プレポリマー成分を加えた。反応温度は、120℃に15分間維持された。次いで、0.2当量の1,5−ペンタンジオールおよび0.5当量のトリメチロールプロパンを加えた。0.2当量の1,5−ペンタンジオールおよび0.5当量のトリメチロールプロパンを80℃の温度まであらかじめ加熱し、減圧乾燥機中、液化させ、脱気してから混合物に加えた。配合物を28mmHg以下の減圧下で撹拌して脱気しながら、あらかじめ加熱した加熱マントルに約120℃の温度までケトルを約15分間おいた。次いで、剥離コーティングされた1インチ×15インチ×15インチ(2.5cm×38.1cm×38.1cm)の鋳造用ガラス製鋳型であって、約120℃の温度にあらかじめ加熱しておいた、3600gの樹脂容量を有する鋳型の間に混合物を入れた。混合物を約120℃で2時間硬化させ、次いで、160℃で22時間硬化させた。乾燥機から型を取り出し、プラスチックを外した。次いで、プラスチックシートをガラスの型から取り出し、ガードナー衝撃試験用に2インチ×2インチ×1/8インチ(5.1cm×5.1cm×0.3cm)のサンプルに切断した。ガードナー衝撃強度は、56in−lbs(6.3J)であった。
サンプルA〜Cについて、ガラス転移温度(Tg)、ガードナー衝撃強度、黄色度(YI)、光透過率(%T)、降伏点での引張強度、破断点での引張伸長度、およびヤング率を評価した。ガラス転移温度(Tg)は、DMAを用いて測定した。公称寸法が、長さ約60mm×幅13mm×厚み約3mmの長方体の棒を、3点曲げモード(距離50mm)でTAI DMA 2980に取り付け、周波数1Hz、振幅20μm、自動歪み120%、静的な力10mNで、3℃/分で−90℃から180℃までを走査し、データ点を4秒ごとに集めた。降伏点での引張強度、破断点での引張伸長度、ヤング率は、約25℃でASTM−D−638−03にしたがって、サンプルA〜Cそれぞれの5個のサンプルについて測定した。試験前に、約23℃、50%RHで約40時間かけてサンプルコンディションを調整した。サンプルの平均寸法は、7インチ×0.506インチ×0.136インチ(17.78cm×1.285cm×0.345cm)であった。クロスヘッドの速度は、6.0インチ/分(15.24cm/分)であった。結果を以下に記載する。
(サンプルD)
ガラス反応ケトル中、減圧下、窒素で覆い、0.1当量の1,5−ペンタンジオール、および1.0当量のDESMODUR Wを反応させることによって、イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーを調製した。ガラス反応ケトルを60℃〜80℃の間の温度まであらかじめ加熱した後、プレポリマー成分を加えた。成分の初期反応温度は67℃であり、90℃まで加熱した。プレポリマー成分を、110℃の温度まであらかじめ加熱しておき、減圧乾燥機中、液化させ、脱気してから混合した。プレポリマー成分の温度が約121℃になるまで、温度を約135分かけて125℃まで上げた。次いで、0.9当量のトリメチロールプロパンを混合物に加えた。0.9当量のトリメチロールプロパンを130℃の温度まであらかじめ加熱し、減圧乾燥機中、液化させ、脱気してから混合物に加えた。次いで、剥離コーティングされた1インチ×15インチ×15インチ(2.5cm×38.1cm×38.1cm)の鋳造用ガラス製鋳型であって、約120℃の温度にあらかじめ加熱しておいた、3600gの樹脂容量を有する鋳型の間に混合物を入れた。混合物を約120℃で2時間硬化させ、次いで、160℃で22時間硬化させた。乾燥機から型を取り出し、プラスチックを外した。次いで、プラスチックシートをガラスの型から取り出し、ガードナー衝撃試験用に2インチ×2インチ×1/8インチ(5.1cm×5.1cm×0.3cm)のサンプルに切断した。ガードナー衝撃強度は、27in−lbs(3J)であった。
(サンプルE)
ガラスケトル中、減圧下、窒素で覆い、0.2当量の1,5−ペンタンジオール、および1.0当量のDESMODUR Wを反応させることによって、イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーを調製した。反応温度は120℃で2時間維持され、0.8当量のトリメチロールプロパンを加えた。110℃で約30分後、剥離コーティングされた1インチ×15インチ×15インチ(2.5cm×38.1cm×38.1cm)の鋳造用ガラス製鋳型であって、約120℃の温度にあらかじめ加熱しておいた、3600gの樹脂容量を有する鋳型の間に混合物を入れ、次いで、290°F(143℃)で72時間硬化させた。乾燥機から型を取り出し、プラスチックを外した。次いで、プラスチックシートをガラスの型から取り出し、ガードナー衝撃試験用に2インチ×2インチ×1/8インチ(5.1cm×5.1cm×0.3cm)のサンプルに切断した。ガードナー衝撃強度は、20in−lbs(2.2J)であった。Kファクター耐亀裂伝播性は、800lb/in3/2であった。サンプルについて、75%硫酸水溶液に浸漬することによって、耐応力ひび割れ性を評価した。4000psi(27.6MPa)の応力で2ヶ月経過した後に、サンプルの分解はみられなかった。
サンプルDおよびEについて、サンプルA〜Cについて上に記載した様式で、引張係数、ガラス転移温度、ガードナー衝撃強度を評価し、密度、Kファクター、ヘイズ率(テーバー摩耗度)、MIL−PRF−25690B(1993年1月29日)およびAmendment I(1995年6月25日)にしたがう塩化メチレンを用いた耐溶媒性、75%硫酸を用いる耐応力ひび割れ性、線熱膨張係数を評価した。固体の密度(グラム/cm3)は、ASTM−D 792−00にしたがって測定した。テーバー摩耗度(%ヘイズ)は、ASTM D 1044−99にしたがって、重量が500gのCS−10F摩耗ホイールを備えるテーバー摩耗機を用い、3インチ×3インチ×1/8インチ(7.62cm×7.62cm×0.32cm)のサンプルについて100サイクルまで測定した。Kファクター耐亀裂伝播性は、U.S.Dept.of Defense MIL−PRF−25690B(1993年1月29日)にしたがって測定した。耐応力ひび割れ性は、MIL−PRF−25690B(1993年1月29日)およびAmendment I(1995年6月25日)にしたがって、3500psiで、75%硫酸水溶液に浸すことによって測定した。線熱膨張係数は、duPont Thermomechanical分析機(TMA)を用い、ASTM E 228−95にしたがって測定した。結果を以下に記載している。
(サンプルF)
ガラスケトル中、減圧下、窒素で覆い、0.2当量の1,5−ペンタンジオール、および1.0当量のDESMODUR Wを反応させることによって、イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーを調製した。反応温度を120℃で2時間維持し、次いで、サンプルを室温(約25℃)まで冷却した。サンプルを再び110℃まで加熱し、0.2当量の1,5−ペンタンジオールを加えた。反応温度を120℃で12時間維持し、0.6当量のトリメチロールプロパンを加えた。110℃で約30分後、剥離コーティングされた1インチ×15インチ×15インチ(2.5cm×38.1cm×38.1cm)の鋳造用ガラス製鋳型であって、約120℃の温度にあらかじめ加熱しておいた、3600gの樹脂容量を有する鋳型の間に混合物を入れ、次いで、290°F(143℃)で72時間硬化させた。乾燥機から型を取り出し、プラスチックを外した。次いで、プラスチックシートをガラスの型から取り出し、ガードナー衝撃試験用に2インチ×2インチ×1/8インチ(5.1cm×5.1cm×0.3cm)のサンプルに切断した。ガードナー衝撃強度は、100in−lbs(11.3J)であった。白色表面を有する板の前に、厚みが1インチのサンプルを固定し、サンプルに光をあてたときに、筋は観察されなかった(「目視による筋試験」)。
(サンプルG)
ガラスケトル中、減圧下、窒素で覆い、0.2当量の1,5−ペンタンジオール、および1.0当量のDESMODUR Wを反応させることによって、イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーを調製した。反応温度を120℃で2時間維持し、次いで、サンプルを室温(約25℃)まで冷却した。サンプルを再び110℃まで加熱し、0.15当量の1,5−ペンタンジオールを加えた。反応温度を120℃で12時間維持し、0.6当量のトリメチロールプロパンおよび0.05当量の1,5−ペンタンジオールを加えた。110℃で約30分後、剥離コーティングされた1インチ×15インチ×15インチ(2.5cm×38.1cm×38.1cm)の鋳造用ガラス製鋳型であって、約120℃の温度にあらかじめ加熱しておいた、3600gの樹脂容量を有する鋳型の間に混合物を入れ、次いで、290°F(143℃)で72時間硬化させた。乾燥機から型を取り出し、プラスチックを外した。次いで、プラスチックシートをガラスの型から取り出し、ガードナー衝撃試験用に2インチ×2インチ×1/8インチ(5.1cm×5.1cm×0.3cm)のサンプルに切断した。ガードナー衝撃強度は、110in−lbs(12.4J)であった。白色表面を有する板の前に、厚みが1インチのサンプルを固定し、サンプルに光をあてたときに、筋は観察されなかった。
(射撃試験)
上の実施例L2から得た配合物A〜Gそれぞれについて、6インチ×6インチ×1インチ厚(15.2cm×15.2cm×2.5cm)のサンプルを、290°F(143℃)で48時間加熱することによって硬化させた。30フィート(9.1m)離れた所から速度987フィート/秒(300m/秒)で撃たれた0.40口径弾は、それぞれのサンプル表面から弾き飛ばされ、プラスチックは割れていなかった。20フィート(6.1m)離れた所から速度1350フィート/秒(411m/秒)で撃たれた9mm弾は、それぞれのサンプル表面から弾き飛ばされ、プラスチックは割れていなかった。
(プレポリマーを用いずに調製されたサンプル)
(サンプルH)
ポリウレタンを、以下の成分から調製した。
1,5−ペンタンジオール、TMP、およびDESMODUR W(80℃にあらかじめ加熱)を、あらかじめ60℃〜80℃の間の温度に加熱しておいたガラス反応ケトルに入れ(窒素で覆った状態)た後、成分を加えた。配合物を29mmHg以下の減圧下で撹拌して脱気しながら、あらかじめ加熱した加熱マントルに約118℃の温度までケトルを約30分間おいた。次いで、剥離コーティングされた1インチ×15インチ×15インチ(2.5cm×38.1cm×38.1cm)の鋳造用ガラス製鋳型であって、約120℃の温度にあらかじめ加熱しておいた、3600gの樹脂容量を有する鋳型の間に混合物を入れた。混合物を約120℃で2時間硬化させ、次いで、160℃で22時間硬化させた。乾燥機から型を取り出し、プラスチックを外した。次いで、プラスチックシートをガラスの型から取り出し、ガードナー衝撃試験用に2インチ×2インチ×1/8インチ(5.1cm×5.1cm×0.3cm)のサンプルに切断した。ガードナー衝撃強度は、27in−lbs(3J)であった。
(サンプルI)
ポリウレタンを、以下の成分から調製した。
1,5−ペンタンジオール、TMP、およびDESMODUR W(80℃にあらかじめ加熱)を、あらかじめ60℃〜80℃の間の温度に前もって加熱しておいたガラス反応ケトルに入れ(窒素で覆った状態)た後、成分を加えた。配合物を29mmHg以下の減圧下で撹拌して脱気しながら、あらかじめ加熱した加熱マントルに約118℃の温度までケトルを約30分間おいた。次いで、剥離コーティングされた1インチ×15インチ×15インチ(2.5cm×38.1cm×38.1cm)の鋳造用ガラス製鋳型であって、約120℃の温度にあらかじめ加熱しておいた、3600gの樹脂容量を有する鋳型の間に混合物を入れた。混合物を約120℃で2時間硬化させ、次いで、160℃で22時間硬化させた。乾燥機から型を取り出し、プラスチックを外した。次いで、プラスチックシートをガラスの型から取り出し、ガードナー衝撃試験用に2インチ×2インチ×1/8インチ(5.1cm×5.1cm×0.3cm)のサンプルに切断した。ガードナー衝撃強度は、100in−lbs(11J)であった。硬質セグメントは、重量%で21.69であり、ウレタンは重量%で33.25であり、M
cは、673.8g/molであった。
(サンプルJ)
ポリウレタンを、以下の成分から調製した。
1,4−ブタンジオール、PC−1733ポリカーボネートジオール、TMP、およびDESMODUR W(80℃にあらかじめ加熱)を、あらかじめ60℃〜80℃の間の温度に加熱しておいたガラス反応ケトルに入れ(窒素で覆った状態)た後、成分を加えた。配合物を28mmHg以下の減圧下で撹拌して脱気しながら、あらかじめ加熱した加熱マントルにケトルを約20分間置き、約121℃の温度に加熱した。次いで、剥離コーティングされた1インチ×15インチ×15インチ(2.5cm×38.1cm×38.1cm)の鋳造用ガラス製鋳型であって、約120℃の温度にあらかじめ加熱しておいた、3600gの樹脂容量を有する鋳型の間に混合物を入れた。混合物を約120℃で2時間硬化させ、次いで、160℃で22時間硬化させた。乾燥機から型を取り出し、プラスチックを外した。次いで、プラスチックシートをガラスの型から取り出し、ガードナー衝撃試験用に2インチ×2インチ×1/8インチ(5.1cm×5.1cm×0.3cm)のサンプルに切断した。ガードナー衝撃強度は、520in−lbs(29J)であった。硬質セグメントは重量%で55%であり、ウレタンは重量%で29.276であり、M
cは、2015.3g/molであった。
(サンプルK)
ポリウレタンを、以下の成分から調製した。
CHDM、PC−1733、TMP、およびDESMODUR W(80℃にあらかじめ加熱)を、あらかじめ60℃〜80℃の間の温度に加熱しておいたガラス反応ケトルに入れ(窒素で覆った状態)た後、成分を加えた。配合物を28mmHg以下の減圧下で撹拌して脱気しながら、あらかじめ加熱した加熱マントルにケトルを約20〜25分間おき、約121℃の温度に加熱した。次いで、剥離コーティングされた1インチ×15インチ×15インチ(2.5cm×38.1cm×38.1cm)の鋳造用ガラス製鋳型であって、約120℃の温度にあらかじめ加熱しておいた、3600gの樹脂容量を有する鋳型の間に混合物を入れた。混合物を約120℃で2時間硬化させ、次いで、160℃で22時間硬化させた。乾燥機から型を取り出し、プラスチックを外した。W
cは、27.5%であり、ウレタンは重量%で25.33であり、M
cは7094.5であった。
(サンプルL)
ポリウレタンを、以下の成分から調製した。
CHDM、PC−1733、TMP、およびDESMODUR W(80℃にあらかじめ加熱)を、あらかじめ60℃〜80℃の間の温度に加熱しておいたガラス反応ケトルに入れ(窒素で覆った状態)た後、成分を加えた。配合物を28mmHg以下の減圧下で撹拌して脱気しながら、あらかじめ加熱した加熱マントルに約122℃の温度までケトルを約20〜25分間おいた。次いで、剥離コーティングされた1インチ×15インチ×15インチ(2.5cm×38.1cm×38.1cm)の鋳造用ガラス製鋳型であって、約120℃の温度にあらかじめ加熱しておいた、3600gの樹脂容量を有する鋳型の間に混合物を入れた。混合物を約120℃で2時間硬化させ、次いで、160℃で22時間硬化させた。乾燥機から型を取り出し、プラスチックを外した。硬質セグメントは重量%で23.85であり、ウレタンは重量%で25.2であり、M
cは4680であった。
(サンプルM)
ポリウレタンを、以下の成分から調製した。
CHDM、PC−1733、TMP、およびDESMODUR W(80℃にあらかじめ加熱)を、あらかじめ60℃〜80℃の間の温度に加熱しておいたガラス反応ケトルに入れ(窒素で覆った状態)た後、成分を加えた。配合物を28mmHg以下の減圧下で撹拌して脱気しながら、あらかじめ加熱した加熱マントルに約121℃の温度までケトルを約20〜25分間おいた。次いで、剥離コーティングされた1インチ×15インチ×15インチ(2.5cm×38.1cm×38.1cm)の鋳造用ガラス製鋳型であって、約120℃の温度にあらかじめ加熱しておいた、3600gの樹脂容量を有する鋳型の間に混合物を入れた。混合物を約120℃で2時間硬化させ、次いで、160℃で22時間硬化させた。乾燥機から型を取り出し、プラスチックを外した。硬質セグメントは重量%で61.5%であり、ウレタンは重量%で25.5であり、M
cは3505.7であった。
(実施例L3)
0.3当量の1,5−ペンタンジオール、1.0当量のDESMODUR W 4,4’−メチレン−ビス−(シクロヘキシルイソシアネート)、および5ppmのジブチルスズジアセテートを反応剤として反応させることによって、イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーを調製した。DESMODUR Wおよび1,5−ペンタンジオールを、窒素雰囲気下、それぞれ少なくとも約4時間かけて約80℃の温度まであらかじめ加熱しておいた後、混合した。試行1〜3については、ヒールスバーグ、CAのMax Machinery、Inc.から入手可能なMax Urethane Processing System Model No.601−000−282を用いて、そして、試行4〜6については、Max Urethane Processing System Model No. 601−000−333を用い、成分を混合した。
Max Urethane Processing Systemを用い、原材料を望ましい特定の温度まで加熱し、混合ヘッドに運ばれる原材料の温度を維持し、各成分を脱気し、それぞれの原材料をブレンドし、分散するためのダイナミックピンミキサーに特定の量を送達した。「Max Urethane Processing System」、Max Machinery、Inc.の刊行物(2005)(本明細書に参考として組み込まれる)を参照。
次いで、イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーを、以下に示すように、0.4当量の1,5−ペンタンジオールおよび0.3当量のトリメチロールプロパン(配合物2)、0.1当量の1,5−ペンタンジオールおよび0.6当量のトリメチロールプロパン(配合物3)、または0.2当量の1,5−ペンタンジオールおよび0.5当量のトリメチロールプロパン(配合物81)と反応させた。それぞれの反応剤を、以下に示す温度まで加熱した後、混合した。各試行について、それぞれの反応剤の流速、混合ヘッドの温度を以下の表27に特定している。混合速度は、13,000rpmであった。
(試行1)
混合ヘッド内へのプレポリマー、トリメチロールプロパン、および1,5−ペンタンジオールの流速(グラム/分)を以下の表に記載している。剥離コーティングされた1インチ×15インチ×15インチ(2.5cm×38.1cm×38.1cm)の鋳造用ガラス製鋳型であって、約140℃の温度にあらかじめ加熱しておいた、3600gの樹脂容量を有する鋳型の間に混合物を入れ、以下の表28に記載したそれぞれの時間および温度で硬化させた。硬化させた後、それぞれの型を乾燥機から取りだし、室温まで冷却した。
選択したサンプルについて、種々の物理特性を評価した。QUV−Bに333時間さらした後(約1年と等価)の黄色度(YI)および光透過率(%T)をASTM G−53にしたがって決定した。結果を以下の表29に記載する。
(試行2)
試行2では、上の試行1と同様の成分を用いて混合物を調製したが、但し、それぞれの混合条件および鋳造条件は、以下の表30〜31に記載したとおりである。
選択したサンプルについて、種々の物理特性を評価した。ASTM D−5420−04にしたがう、選択したサンプルのガードナー衝撃強度試験の結果を以下の表32および図27に記載する。配合物(Y)に安定化剤が加えられた以下のサンプルの場合、プレポリマーの合計重量に基づいて、0.5重量%のIRGANOX 1076酸化防止剤をプレポリマー調製中に加え、1重量%のSANDUVOR VSUおよび0.5重量%のSANDUVOR 3058を、プレポリマーと他のモノマーとを混合している間に加えた。図27に示されるように、混合ヘッド内での反応剤の滞留時間が長くなると、本発明にしたがってサンプルから調製された成形物品のガードナー衝撃強度を向上させることができる。
選択したサンプルの黄色度(YI)および光透過率(%T)は、ASTM G−53にしたがって決定した。また、選択したサンプルを、初期と、上述の様式でQUV−Bに333時間さらした後に試験し、それらの試験結果を決定した。結果を以下の表33および34に記載している。
選択したサンプルのガラス転移温度(Tg)は、DMAを用いて測定した。公称寸法が、長さ約60mm×幅13mm×厚み約3mmの長方体の棒を、3点曲げモード(距離50mm)でTAI DMA 2980に取り付け、周波数1Hz、振幅20μm、自動歪み120%、静的な力10mNで、3℃/分で−90から180℃までを走査し、データ点を4秒ごとに集めた。結果を以下の表35および図28〜34に記載している。
図28は、試行番号2のサンプル19にしたがって調製したポリウレタンの鋳造物について、DMAを用いて測定した貯蔵弾性率、損失弾性率、およびタンデルタを温度の関数として示すグラフである。図29は、試行番号2のサンプル21にしたがって調製したポリウレタンの鋳造物について、DMAを用いて測定した貯蔵弾性率、損失弾性率、およびタンデルタを温度の関数として示すグラフである。図30は、試行番号2のサンプル31にしたがって調製したポリウレタンの鋳造物について、DMAを用いて測定した貯蔵弾性率、損失弾性率、およびタンデルタを温度の関数として示すグラフである。図31は、試行番号2のサンプル46にしたがって調製したポリウレタンの鋳造物について、DMAを用いて測定した貯蔵弾性率、損失弾性率、およびタンデルタを温度の関数として示すグラフである。図32は、試行番号2のサンプル48にしたがって調製したポリウレタンの鋳造物について、DMAを用いて測定した貯蔵弾性率、損失弾性率、およびタンデルタを温度の関数として示すグラフである。図33は、試行番号2のサンプル49にしたがって調製したポリウレタンの鋳造物について、DMAを用いて測定した貯蔵弾性率、損失弾性率、およびタンデルタを温度の関数として示すグラフである。図34は、試行番号2のサンプル52にしたがって調製したポリウレタンの鋳造物について、DMAを用いて測定した貯蔵弾性率、損失弾性率、およびタンデルタを温度の関数として示すグラフである。
表36および図35は、混合ヘッド中の滞留時間(秒)の関数としてのヤング率(psi)について、選択したサンプルを試験した結果を示す。
ASTM D−5420−04にしたがって、選択したサンプルをガードナー衝撃強度について試験した結果を、以下の表37に記載している。上述のように、安定化剤を含んでいた。
以下の表38に示されるようなサンプル群について、ASTM D−5420−04にしたがって、ガードナー衝撃強度を測定した。ASTM G−53にしたがって、硬化後、およびQUV−Bに2時間または78時間さらした後のサンプルを試験した。
(試行3)
試行3では、上の試行1と同様の成分を用いて混合物を調製したが、但し、それぞれの混合条件および鋳造条件は、以下の表39〜40に記載したとおりである。サンプルを250°F(121℃)で2時間硬化させ、次いで、320°F(160℃)で16時間硬化させた。剥離コーティングされた1インチ×15インチ×15インチ(2.5cm×38.1cm×38.1cm)の鋳造用ガラス製鋳型であって、約140℃の温度にあらかじめ加熱しておいた、3600gの樹脂容量を有する鋳型の間に混合物を入れ、以下の表に記載するそれぞれの時間および温度で硬化させた。硬化させた後、それぞれの型を乾燥機から取り出し、室温まで冷却した。
選択したサンプルのFischer微小硬さは、ISO 14577−1:2002にしたがって決定した。試験結果を以下の表41に記載している。
以下の表42に示されるようなサンプル操作について、ASTM D−5420−04にしたがって、ガードナー衝撃強度(in−lbs)を測定した。
光透過率および黄色度の試験は、透明プラスチックのヘイズおよび視感透過率について、ASTM D1003試験方法にしたがって行い、プラスチックの黄色度については、D1925試験方法にしたがって行った。試験結果を以下の表43に示している。
(試行4)
試行4では、上の試行1と同様の成分を用いて混合物を調製したが、但し、それぞれの混合条件は、以下の表44〜45に記載したとおりである。サンプルを250°F(121℃)で2時間硬化させ、次いで、320°F(160℃)で16時間硬化させた。剥離コーティングされた1インチ×15インチ×15インチ(2.5cm×38.1cm×38.1cm)の鋳造用ガラス製鋳型であって、約140℃の温度にあらかじめ加熱しておいた、3600gの樹脂容量を有する鋳型の間に混合物を入れ、以下の表に記載するそれぞれの時間および温度で硬化させた。硬化させた後、それぞれの型を乾燥機から取り出し、室温まで冷却した。
プレポリマー(PP)を以下の様に調製した。
0.21当量の1,5−ペンタンジオール、0.09当量のトリメチロールプロパン、1.0当量のDESMODUR W 4,4’−メチレン−ビス−(シクロヘキシルイソシアネート)、および5ppmのジブチルスズジアセテートを反応剤として反応させることによって、イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーを調製した。DESMODUR W、1,5−ペンタンジオール、およびトリメチロールプロパンをそれぞれ、窒素雰囲気下、少なくとも約4時間約80℃の温度にあらかじめ加熱した後、混合した。Max Urethane Processing System Model No. 601−000−333を用い、成分を混合した。混合ヘッドの容積は、205ccであった。
その後、イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーを、0.21当量のトリメチロールプロパン、0.49当量の1,5−ペンタンジオールと反応させた。それぞれの反応剤を、以下に示す温度まで加熱した後、混合した。それぞれの反応剤の流速、混合ヘッドの温度を以下に特定している。混合速度は、13,000rpmであった。
選択したサンプルの黄色度(YI)および光透過率(%T)を、ASTM G−53にしたがって決定した。また、選択したサンプルの試験結果を、初期と、上述の様式でQUV−Bに333時間さらした後に試験し、決定した。結果を以下の表46に記載している。
選択したサンプルのFischer微小硬さは、ISO 14577−1:2002にしたがって決定した。ヤング率値は、当業者に十分に知られている変換式によって、Fischer微小硬さの値から誘導された。試験結果を以下の表47に記載している。
以下の表48および以下の図36および37に示されるようなサンプル群について、ASTM D−5420−04にしたがって、ガードナー衝撃強度を測定した。
(キャビンの窓を形成する実施例)
単純な湾曲を形成する目的で、ビレットの周囲にウレタンフォーム材料を結合させることによって、試行4(配合物3)のサンプル11の(27インチ×34インチ×0.42インチ)のビレットは調製された。次いで、ビレットおよび周囲のウレタンフォームを減圧雌型にクランプで止め、そして、プラスチックが軟化し、垂れ下がるまで、約135℃(275°F)の温度まで加熱した。ビレット部分が、型の形状に沿うようになるまで減圧にした。減圧を維持し、この部分を約65℃(150°F)の温度まで冷却し、この時点で、減圧を止め、成形したビレットを型から取り外した。それぞれの組成物を形成する温度範囲は、動的機械分析(DMA)試験から導れる貯蔵弾性率対温度のプロットから決定された。例えば、試行4のサンプル11のサンプルのDMA分析については、図38を参照。適切な形成温度は、一般的に、プラスチック成形部分の型のマークオフ(markoff)を防ぐために、ガラス転移温度の開始点に近いが、ガラス転移温度ではない。所望な場合、成形した部分を磨いてもよい。
(試行5)
試行5では、上の試行1と同様の成分を用いて混合物を調製したが、但し、それぞれの混合条件および鋳造条件は、以下の表49および50に記載したとおりである。
各サンプルの12インチ×12インチ×0.42インチのビレットを垂直に固定し、プロパントーチの炎に15秒間さらした。各サンプルは、炎を取り除いた後に自己消火した。ガードナー衝撃強度は、厚みが0.125インチのサンプルでは100in−lbsであり、厚みが0.42インチのサンプルでは610in−lbsであった。
(キャビンの窓の形成)
ビレットの周囲にウレタンフォーム材料を結合させることによって単純な湾曲を形成するために、試行5のサンプル1〜6それぞれについて、27インチ×34インチ×0.42インチのビレットを調製した。次いで、ビレットおよび周囲のウレタンフォームを減圧雌型にクランプで止め、プラスチックが軟化し、垂れ下がるまで、約135℃(275°F)の温度に加熱した。ビレット部分が、型の形状に沿うようになるまで減圧した。減圧を維持し、この部分を約65℃(150°F)の温度まで冷却し、この時点で、減圧を止め、成形したビレットを型から取り出した。それぞれの組成物を形成する温度範囲は、対応するサンプルの動的機械分析(DMA)試験から導れる貯蔵弾性率対温度のプロットから決定された。所望な場合、成形した部分を磨いてもよい。
(試行6)
上述の試行1にしたがって、0.35当量の1,5−ペンタンジオール、1.0当量のDESMODUR W 4,4’−メチレン−ビス−(シクロヘキシルイソシアネート)、および5ppmのジブチルスズジアセテートを反応剤として反応させることによって、イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーを調製した。
その後、イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーを、0.05当量の1,5−ペンタンジオール、および0.6当量のトリメチロールプロパン(配合物3)と反応させ、所定の重量%のCibaから入手可能なIRGANOX(登録商標)1076オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert.ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、Clariant Corp.から入手可能なHOSTAVIN(登録商標)VSU N−(2−エトキシフェニル)−N’−(4−エチルフェニル)−エチレンジアミドUV吸収剤、およびChemturaから入手可能なビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケートとメチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケートとの混合物であるLOWILITE(登録商標)92を、以下の表51および52に示されるように加えた。それぞれの反応剤を、約125〜130℃の温度まで加熱した後に、混合した。それぞれの反応剤の流速、混合ヘッドの温度を以下に特定している。混合速度は、13,000rpmであった。
以下に詳細に記載した方法にしたがって、このポリマー組成物からキャビンの窓を調製することができる。
(たわみおよびKファクターの試験)
選択したサンプルについて、Kファクター耐亀裂伝播性およびクリープまたはたわみを評価した。Kファクター耐亀裂伝播性は、U.S.Dept.of Defense MIL−PRF−25690B(1993年1月29日)にしたがって測定した。伸長したアクリル樹脂のキャビン窓のKファクター耐亀裂伝播性は、一般的に、約2400lbs/in
3/2である。いくつかの非限定的な実施形態では、本発明にしたがって調製されるキャビン窓のKファクター耐亀裂伝播性は、少なくとも2000lbs/in
3/2である。
3,294psig(高度3,500フィートでの業務時の圧力の300倍)で3時間という状態でクリープ現象をシミュレーションするために、曲げ試験を開発した。それぞれの試験標本は、6インチ×1/2インチ×1/8インチ(15.2cm×1.3cm×0.3cm)であった。たわみ試験は、Zwick ProLine試験機を用いて行った。標本に対し、3,294psig(22.7MPa)の曲げ圧を3時間かけた。各標本の最大たわみを測定した。結果を図39に示している。
図39は、従来のように伸長したアクリル樹脂のサンプルおよび本発明のサンプルについての試験時間の関数としての公称歪み(mm)のグラフである。図39は、伸長したアクリル樹脂と比較した、サンプル番号1(配合物3)、試行A(以下に記載される調製法)のたわみを示す。これは、伸長したアクリル樹脂のコントロールサンプルのほぼ60%の引張係数を有していた。図39に示されるように、配合物3のサンプルは、開始時に多くたわんでいたとしても、そのたわみ速度は、約2時間後には、伸長したアクリル樹脂よりもたわみが少なくなるため、かなり遅くなった。
サンプル番号1、試行A(配合物3)を、以下のように、上に記載した実施例L3の試行番号1と同じ様式で同じ成分から調製した。
サンプル番号2、試行A(配合物81)(以下に記載)を、以下のように、上に記載した実施例L3の試行番号1と同じ様式で同じ成分から調製した。
サンプル番号1、試行B(配合物2)(以下に記載)を以下のとおりに調製した。
ガラス反応ケトル中、減圧下、窒素で覆い、0.3当量の1,5−ペンタンジオール、および1.0当量のDESMODUR W 4,4’−メチレン−ビス−(シクロヘキシルイソシアネート)を反応させることによって、イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーを調製した。プレポリマー成分を110℃の温度まであらかじめ加熱し、減圧乾燥機中、液化させ、脱気してから混合した。ガラス反応ケトルを60℃〜80℃の間の温度まであらかじめ加熱した後、プレポリマー成分を加えた。反応温度は、120℃に15分間維持された。次いで、0.4当量の1,5−ペンタンジオールおよび0.3当量のトリメチロールプロパンを加えた。0.4当量の1,5−ペンタンジオールおよび0.3当量のトリメチロールプロパンを80℃の温度まであらかじめ加熱し、減圧乾燥機中、液化させ、脱気してから混合物に加えた。配合物を28mmHg以下の減圧下で撹拌して脱気しながら、あらかじめ加熱した加熱マントルに約120℃の温度までケトルを約15分間おいた。次いで、剥離コーティングされた1インチ×15インチ×15インチ(2.5cm×38.1cm×38.1cm)の鋳造用ガラス製鋳型であって、約120℃の温度にあらかじめ加熱しておいた、3600gの樹脂容量を有する鋳型の間に混合物を入れた。混合物を約120℃で2時間硬化させ、次いで、160℃で22時間硬化させた。乾燥機から型を取り出し、プラスチックを外した。
加圧下でのたわみ、Kファクター耐亀裂伝播性、良好な耐溶媒性/耐摩耗性、良好な難燃性および低いクリープ性を満たすように、4種類の配合物(上の実施例L2から240、244、245、および246)を、キャビンの窓用に設計した。これらの配合物とともに、試行Aのサンプル番号1(配合物3)、試行Aのサンプル番号2(配合物81)、および試行Bのサンプル番号1(配合物2)(以下に記載)のKファクターおよびたわみ特性を評価した。たわみ試験は、上述のように行われ、次いで、最終的なたわみ値を比較した。4種類の新しい配合物全ての最終的なたわみ値が、試行Bのサンプル番号1(配合物2)よりも低く、加圧下でのたわみの仕様を満たしていた。特に、実施例L2のサンプルLは、2,350lbf/in3/2の平均Kファクターに達していた。図40は、上の実施例2のサンプルA、B、C、J、K、L、およびMのうち、選択したサンプルについて、それぞれ平均Kファクター(lbf/in3/2)およびたわみ(mm)の棒グラフである。
(実施例M)
(実施例M1)
グラム当量が327グラム/モルのイソシアネート官能性プレポリマー(NCO/OH比率は3.8)を、以下の成分を約104℃で約5時間反応させることによって調製した。
全ての成分を一緒に混合するが、但し、安定化剤は、プレポリマーを反応させた後に溶解させた。
約9グラムのアクリルアミドを約45グラムの1,4−ブタンジオールに約25℃の温度で溶解させ、約365グラムの上述のプレポリマーと、固形合計量を基準として約0.1重量%のアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)と混合した。この混合物をガラスの型の間に入れ、一定速度で撹拌しつつ、オーブン中、約80℃の温度で約48時間加熱した。透明重合物が生成した。硬化したポリマーのサンプルについて、光透過率およびガードナー衝撃強度を評価した。サンプルの光透過率は、91%であり、ガードナー衝撃強度は、150in−lbs(17J)であった。
(実施例M2)
以下に列挙されるような、上のイソシアネート官能性プレポリマー、シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、および1,4−ブタンジオールから、本発明のポリウレタンポリマーを調製した。
プレポリマー、CHDM(80℃にあらかじめ加熱)、および1,4−ブタンジオールをガラスケトルに入れた。窒素で覆い、一定速度で撹拌しつつ、混合物を約40℃まで加熱し、相溶化した。透明になったら、混合物を脱気し、あらかじめ80℃に加熱しておいた6インチ×6インチ×0.25インチ(15cm×15cm×0.6cm)の鋳型およびアルミニウムカップに入れた。充填した型を121℃で24時間硬化させた。
このポリマーから調製された6インチ×6インチ×1インチの厚み(15cm×15cm×2.5cm)の物品は、初期速度1350フィート/秒(411m/秒)で20フィート(6.1m)の距離から撃たれた9mm(125グレイン)弾を止め、表面はほとんど損傷しなかった。また、同じサンプルは、0.40口径弾にも表面はほとんど損傷しなかった。銃弾は、ポリマーから跳ね返りも、ポリマーに埋まり込みもしなかった。銃弾は、サンプルの底部で部分的に変形されてとどまっていた。
(実施例M3)
以下に列挙したように、上のイソシアネート官能性プレポリマー、シクロヘキサンジメタノール(CHDM)および1,4−ブタンジオールから、本発明のポリウレタンポリマーを調製した。
プレポリマー、CHDM(80℃にあらかじめ加熱)、および1,4−ブタンジオールをガラスケトルに入れた。窒素で覆い、一定速度で撹拌しつつ、混合物を約40℃まで加熱し、相溶化した。透明になったら、混合物を脱気し、あらかじめ80℃に加熱しておいた6インチ×6インチ×0.25インチ(15cm×15cm×0.6cm)の鋳型およびアルミニウムカップに入れた。充填した型を121℃で24時間硬化させた。
(実施例M4)
以下に列挙したように、上のイソシアネート官能性プレポリマー、およびヒドロキノンビス(ヒドロキシエチル)エーテルから、本発明のポリウレタンポリマーを調製した。
プレポリマーおよびヒドロキノンビス(ヒドロキシエチル)エーテルをガラスケトルに入れ、加熱マントル中においた。窒素で覆い、一定速度で撹拌しつつ、混合物を約85℃まで加熱し、相溶化した。透明になったら、混合物を減圧下におき、脱気し、あらかじめ80℃に加熱しておいた6インチ×6インチ×0.25インチ(15cm×15cm×0.6cm)の鋳型に入れた。充填した型を121℃で24時間硬化させた。鋳造サンプルは透明であったが、いくらか濁りを示した。ガードナー衝撃強度は、320in−lbs(37J)であった。
(実施例N)
以下の成分を約104℃の温度で約5時間反応させることによって、イソシアネート官能性プレポリマーを調製した。
全ての成分を一緒に混合するが、但し、安定化剤は、プレポリマーを反応させた後に溶解させた。
以下に列挙されるような、上のプレポリマーおよび1,4−ブタンジオールから、本発明のポリウレタンポリマーを調製した。
プレポリマーおよび1,4−ブタンジオールをガラスケトルに入れた。窒素で覆い、一定速度で撹拌しつつ、混合物を約45℃まで加熱し、相溶化した。透明になったら、混合物を脱気し、あらかじめ80℃に加熱しておいた4インチ×4インチ×60milの鋳型に入れた。充填した型を121℃で24時間硬化させた。
このポリマーから調製された6インチ×6インチ×1インチ(15cm×15cm×2.5cm)の物品は、初期速度1350フィート/秒(411m/秒)で20フィート(6.1m)の距離から撃たれた9mm(125グレイン)弾を止め、表面はほとんど損傷しなかった。また、同じサンプルは、0.40口径弾にも表面はほとんど損傷しなかった。
(実施例O)
(実施例O1)
以下の成分を約104℃の温度で約5時間反応させることによって、イソシアネート官能性プレポリマーを調製した。
全ての成分を一緒に混合するが、但し、安定化剤は、プレポリマーを反応させた後に溶解させた。
以下に列挙されるような、上のプレポリマーおよびCHDMから、本発明のポリウレタンポリマーを調製した。
プレポリマー、CHDMをガラスケトルに入れた。窒素で覆い、一定速度で撹拌しつつ、混合物を約55℃まで加熱し、相溶化した。透明になったら、混合物を脱気し、あらかじめ80℃に加熱しておいた13インチ×13インチ×0.25インチの鋳型に入れた。充填した型を121℃で24時間硬化させた。
(実施例O2)
以下に列挙されるような、上のプレポリマーおよびCHDMから、本発明のポリウレタンポリマーを調製した。
プレポリマー、2,2−チオジエタノールをガラスケトルに入れた。窒素で覆い、一定速度で撹拌しつつ、混合物を約55℃まで加熱し、相溶化した。透明になったら、混合物を脱気し、あらかじめ80℃に加熱しておいた13インチ×13インチ×0.25インチの鋳型に入れた。充填した型を121℃で24時間硬化させた。
(実施例P)
比較例として、1.0当量の1,10−デカンジオール、および1.0当量のDESMODUR Wを反応剤として用い、10ppmのジブチルスズジアセテートを触媒として用い、熱可塑性ポリマーを調製した。ガラスケトル中、減圧下でポリマーを110℃で混合した。110℃で約30分後、混合物を、剥離コーティングされたガラスの型の間に入れ、290°F(143℃)で72時間硬化させた。型を乾燥機から取り出し、プラスチックを外した。ガードナー衝撃強度は、40in−lbs(5J)未満であり、平均は約16in−lbs(2J)であった。
少量の分枝ポリオール、つまり、0.05当量のトリメチロールプロパン、ならびに0.95当量の1,10−デカンジオール、および1.0当量のDESMODUR Wを用い、同様の様式で本発明のポリマーを調製した。この枝分かれした熱可塑性の場合、ガードナー衝撃強度の平均は640−in−lbであり、架橋あたりの分子量は、約12,900グラム/モルであった。
(実施例Q)
(比較例)
比較のために、約0.1当量のトリメチロールプロパンと、約1.0当量の4,4’−メチレン−ビス−(シクロヘキシルイソシアネート)(DESMODUR W)とを反応させ、過剰量の(0.9当量の)DESMODUR Wに溶解したポリウレタンポリイソシアネートを形成することによって、プレポリマーを調製した。約10ppmのジブチルスズジアセテートを触媒として使用した。室温ですばやく混合しながら、約0.1当量の4,4’−メチレン−ビス−シクロヘキシルアミン(DESMODUR Wのジアミン類似体)を加えた。すぐに、白色フレーク状の沈殿が生成した。この沈殿は、一晩放置すると濃度が増し、約290°F(143℃)まで加熱しても溶解しないだろう。上の例を、上と同じ順序で繰り返したが、ポリイソシアネートは約40℃まで加熱した。すばやく混合しながらジアミンを加え、同様の白色沈殿が生成し、この白色沈殿は、約290°F(143℃)まで加熱しても溶解させることはできなかった。
本発明によれば、上と同じポリイソシアネートを約40℃まで加熱した。すばやく混合しつつ、約0.1当量の水を加えた。減圧にして(4mmHg)二酸化炭素を除去し、ポリウレタンの中にポリウレアを形成し、わずかに濁ったポリウレタンポリ尿素ポリイソシアネートを形成した。水と反応させた場合、DESMODUR Wのジアミン類似体を系中で形成した。次いで、この混合物を0.8当量のトリメチロールプロパンと反応させ、弾性率が大きく、光学的な透明度が高いプラスチックを形成した。厚みが1/8インチ(0.3cm)のサンプルの光透過率は、91.8%であり、ヘイズは0.1%未満であった。ガラス転移温度は、175℃であった。
本発明によれば、同じポリイソシアネートを、約40℃で0.2当量の水と反応させ、減圧下で二酸化炭素を除去した。水と反応させた場合、DESMODUR Wのジアミン類似体を系中で形成した。約0.5当量のペンタンジオールおよび約0.2当量のトリメチロールプロパンを、ポリウレタンポリ尿素ポリイソシアネートと反応させ、光学的な透明度が高いプラスチックを形成し、1/8インチの厚み(0.3cm)のサンプルでは、光透過率が91.74%、ガラス転移温度が約137℃であった。
(実施例R)
(実施例R1)
窒素で覆ったガラスケトル中に、撹拌しつつ、8.26重量%の3,6−ジチア−1,2−オクタンジオール(91.6グラム当量);29.47重量%のビス(4−(−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジブロモフェニル)スルホン(326.985グラム当量);6.50重量%の1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)(72.1グラム当量);5.10重量%のトリメチロールプロパン(TMP)(44グラム当量);および、あらかじめ80℃の温度に加熱しておいた50.68重量%の4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(DESMODUR W)(131.2グラム当量)を入れた。次いで、混合物を115℃の温度まで加熱した。
次いで、混合物を脱気し、あらかじめ121℃の温度に加熱しておいた12インチ×13インチ×0.125インチ(30cm×33cm×0.3cm)の鋳型に入れた。次いで、充填した型を、乾燥器中、121℃で48時間硬化させた。
得られたレンズの屈折率は、nD=1.5519であると測定された。
(実施例R2)
窒素で覆ったガラスケトル中に、撹拌しつつ、30.75重量%の3,6−ジチア−1,2−オクタンジオール(91.6グラム当量);6.23重量%のTMP(44.0グラム当量)、およびあらかじめ80℃の温度に加熱しておいた62.92重量%のDESMODUR W(131.2グラム当量)を入れた。次いで、混合物を105℃の温度まで加熱した。
次いで、混合物を脱気し、あらかじめ121℃の温度に加熱しておいた12インチ×13インチ×0.125インチ(30cm×33cm×0.3cm)の鋳型に入れた。次いで、充填した型を、乾燥器中、121℃で48時間硬化させた。
得られたレンズの屈折率は、nD=1.5448であると測定され、衝撃は82.0in−lbs(9J)であると測定された。
(実施例R3)
窒素で覆ったガラスケトル中に、撹拌しつつ、9.70重量%の1,5−ペンタンジオール(52.1グラム当量);7.03重量%のTMP(44.0グラム当量);13.43重量%のCHDM(72.1グラム当量);およびあらかじめ80℃の温度に加熱しておいた69.84%のDESMODUR W(131.2グラム当量)を入れた。次いで、混合物を105℃の温度まで加熱した。
次いで、混合物を脱気し、あらかじめ121℃の温度に加熱しておいた12インチ×13インチ×0.125インチ(30cm×33cm×0.3cm)の鋳型に入れた。次いで、充填した型を、乾燥器中、121℃で48時間硬化させた。
衝撃は、160.0in−lbs(18J)であると測定された。
(実施例R4)
この実施例は、実施例3の手順にしたがって行ったが、但し、1,4−ブタンジオール(45.1グラム当量)を1,5ペンタンジオールの代わりに用い、混合物中にCHDMが存在しなかった。17.28%の1,4ブタンジオール、7.23%のトリメチロールプロパン、および75.48%のDESMODUR W。
衝撃は、120.0in−lbs(14J)であると測定された。
(実施例R5)
この実施例は、実施例4の手順にしたがって行ったが、但し、1,4−ベンゼンジメタノール(69.1グラム当量)を1,4−ブタンジオールの代わりに用いた。25.09重量%の1,4ベンゼンジメタノール、6.85重量%のトリメチロールプロパン、および74.57重量%のDESMODUR W。
衝撃は、72.0in−lbs(8J)であると測定された。硬化サイクルに入って15分後に、この材料は濁ったことが観察された。したがって、硬化サイクルの残りの時間は、乾燥機の温度を143℃まで上げたが、この材料は濁ったままだった。
(実施例R6)
この実施例は、実施例5の手順にしたがって行ったが、但し、1,4−ブタンジオール(45.1グラム当量)も混合物に加え、この混合物を、105℃の代わりに115℃の温度まで加熱した。13.12重量%の1,4ベンゼンジメタノール、および8.55重量%の1,4ブタンジオール、および71.17重量%のDESMODUR W。
衝撃は、72.0in−lbs(8J)であると測定された。
(実施例R7)
この実施例は、実施例6の手順にしたがって行ったが、但し、1,6−ヘキサンジオール(59.1グラム当量)を1,4−ブタンジオールの代わりに使用した。12.76重量%の1,4ベンゼンジメタノール、10.93重量%の1,6ヘキサンジオール、および69.32重量%のDESMODUR W。
衝撃は、64.0in−lbs(7J)であると測定された。
(実施例R8)
この実施例は、実施例7の手順にしたがって行ったが、但し、チオジエタノール(61.1グラム当量)を1,4−ベンゼンジメタノールの代わりに用い、混合物を115℃の代わりに105℃の温度まで加熱した。11.78重量%の2,2−チオジエタノール、8.69重量%の1,4ブタンジオール、7.27重量%のトリメチロールプロパン、および70.10重量%のDESMODUR W。
衝撃は、72.0in−lbs(8J)であると測定された。
(実施例R9)
この実施例は、実施例3の手順にしたがって行ったが、但し、混合物中にCHDMは存在せず、混合物を105℃の代わりに115℃の温度まで加熱した。20.16重量%の1,5ペンタンジオール、7.3重量%のトリメチロールプロパン、および72.55重量%のDESMODUR W。
衝撃は、200.0in−lbs(23J)であると測定された。
(実施例R10)
この実施例は、実施例9の手順にしたがって行ったが、但し、1,8−オクタンジオール(73.1グラム当量)を1,5−ペンタンジオールの代わりに用いた。26.14重量%の1,8オクタンジオール、6.75重量%のトリメチロールプロパン、および67.11重量%のDESMODUR W。
衝撃は、624.0in−lbs(72J)であると測定された。
(実施例R11)
この実施例は、実施例10の手順にしたがって行ったが、但し、1,10−デカンジオール(87.1グラム当量)を1,8−オクタンジオールの代わりに用いた。29.66重量%の1,10デカンジオール、6.43重量%のトリメチロールプロパン、および63.9重量%のDESMODUR W。
衝撃は、624.0in−lbs(72J)であると測定された。
(実施例R12)
この実施例は、実施例11の手順にしたがって行ったが、但し、エチレングリコール(31.0グラム当量)を1,10−デカンジオールの代わりに用い、混合物を115℃の代わりに105℃の温度まで加熱した。13.06重量%のエチレングリコール、7.95重量%のトリメチロールプロパン、および78.99重量%のDESMODUR W。
衝撃は、8.0in−lbs(1J)であると測定された。
(実施例R13)
この実施例は、実施例11の手順にしたがって行ったが、但し、1,12−ドデカンジオールを1,10−デカンジオールの代わりに用いた。32.87重量%の1,12ドデカンジオール、6.14重量%のトリメチロールプロパン、60.99重量%のDESMODUR W。
衝撃は、624.0in−lbs(72J)であると測定された。
(実施例R14)
この実施例は、実施例13の手順にしたがって行ったが、但し、1,6−ヘキサンジオール(59.1グラム当量)を1,12−ドデカンジオールの代わりに用い、混合物を115℃の代わりに105℃の温度まで加熱した。22.24重量%の1,6ヘキサンジオール、7.11重量%のトリメチロールプロパン、70.65重量%のDESMODUR W。
衝撃は、144in−lbs(17J)であると測定された。
(実施例R15)
この実施例は、実施例9の手順にしたがって行った。衝撃は、80.0in−lbs(9J)であると測定された。
(実施例R16)
この実施例は、実施例11の手順にしたがって行ったが、但し、101.2当量の1,10−デカンジオールを用い;KM−1733(ヘキサンジオールおよびジエチルカーボネートから作られ、ICIから市販されている1000MWのカーボネートジオール)(428グラム当量)を混合物に加えた。28.29%の1,10デカンジオール、9.48重量%のPC−1733、5.69重量%のトリメチロールプロパン、56.54重量%のDESMODUR W。
衝撃は、640.0in−lbs(74J)であると測定された。
(実施例R17)
配合物1〜11を、実施例3の手順にしたがって調製したが、但し、表21に列挙した成分を使用して、反応混合物を調製した。配合物1〜11について、得られた特性(降伏点での引張強度、降伏点での伸長度%、破断点での引張強度、破断点での伸長度%、ヤング率をASTM−D 638−03にしたがって測定し;ガードナー衝撃は、ASTM−D 5420−04にしたがって測定し;Tgは、動的機械分析を用いて測定し;密度は、ASTM−D 792にしたがって測定した)を表27〜29に示している。
表29
(実施例R18)
この実施例は、実施例12の手順にしたがって行ったが、但し、53.0グラム当量のジエチレングリコールをエチレングリコールの代わりに用い、混合物を105℃の代わりに115℃の温度まで加熱した。
衝撃は、6.0in−lbsであると測定された。
(実施例R19)
この実施例は、実施例18の手順にしたがって行ったが、但し、67.0グラム当量のジプロピレングリコールをジエチレングリコールの代わりに用いた。
衝撃は、8.0in−lbsであると測定された。
硬化させた後、ポリマーA〜Dのそれぞれでコーティングされたシートのセットについて、それぞれ500gのCS10Fホイール(全てのサンプルについて一対)を用いる標準的なテーバー摩耗度試験を用いて摩耗試験を行った。ホイールは、各サイクル(25サイクル)の前に再び表面仕上げされた。試験条件は、約70°F〜約75°Fの範囲の温度で、相対湿度約50%〜約60%で行った。所与のテーバーサイクル数での平均散乱光ヘイズを決定し、その結果を以下に示した。
1000時間にわたる標準的なQUV−B露光試験手順は、屋外での約3年間の露光の等価体の典型である。結果を以下に示す。
露光されたサンプル−QUV−Bに1000時間さらすこと−屋外3年間に等しい
(実施例S:難燃試験)
(実施例S1)
本発明のポリウレタンポリマーを、以下に列挙した成分から調製した。
1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、あらかじめ80℃に加熱しておいたDESMODUR Wを、テトラブロモビスフェノールAビス(2−ヒドロキシエチル)エーテルの固体とともにガラスビーカーに入れた。ホットプレート上で撹拌しながら、混合物が透明になり、全てのテトラブロモビスフェノールAビス(2−ヒドロキシエチル)エーテルの固体が溶解/溶融するまで、混合物を加熱した。
初期のガードナー衝撃データは、伸長したアクリル樹脂(>16in/lbs)よりも衝撃強度が良好であり、PLEXIGLAS(2in−lb)よりもかなり高いことを示した。ブンゼンバーナーを用いた燃焼試験は、炎がすぐに自己消火されたことを示した。
(実施例S2)
本発明のポリウレタンポリマーを、以下に列挙した成分から調製した。
ポリマーの重量は、304.39グラムであった。1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、およびあらかじめ80℃に加熱しておいたDESMODUR Wを、テトラブロモビスフェノールAビス(2−ヒドロキシエチル)エーテルの固体とともにガラスケトルに入れた。窒素で覆い、一定速度で撹拌しつつ、混合物が透明になり、全てのテトラブロモビスフェノールAビス(2−ヒドロキシエチル)エーテルの固体が溶解/溶融するまで、混合物を約105℃まで加熱した。透明になったら、混合物を脱気し、あらかじめ約121℃の温度に加熱しておいた12インチ×12インチ×0.125インチの鋳型に入れた。充填した鋳型を約121℃で約48時間硬化させた。初期衝撃データは、性能が非常に悪いことを示していた(<16in/lbs)。ブンゼンバーナーを用いた燃焼試験は、炎がすぐに自己消火したことを示した。
(実施例S3)
本発明のポリウレタンポリマーを、以下に列挙した成分から調製した。
ポリマーの重量は、214.47グラムであった。1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、およびあらかじめ80℃に加熱しておいたDESMODUR Wを、テトラブロモビスフェノールAビス(2−ヒドロキシエチル)エーテルの固体とともにガラスケトルに入れた。窒素で覆い、一定速度で撹拌しつつ、混合物が透明になり、全てのテトラブロモビスフェノールAビス(2−ヒドロキシエチル)エーテルの固体が溶解/溶融するまで、混合物を約105℃まで加熱した。透明になったら、混合物を脱気し、あらかじめ121℃の温度に加熱しておいた12インチ×12インチ×0.125インチの鋳型に入れた。充填した鋳型を121℃で約48時間硬化させた。ブンゼンバーナーを用いた燃焼試験は、炎をはずした後に、ポリマーが炭化し、約7秒間で燃えたことを示していた。
(実施例T)
(繊維ガラスで強化されたポリウレタン)
以下の反応剤:208グラムの1,10−デカンジオール(2.39当量)、45.7グラムのトリメチロールプロパン(1.02当量)をフラスコに入れ、窒素で覆い、撹拌しつつ、125℃まで加熱した。透明で均一な溶融物を形成したとき、混合物を105℃まで冷却し、446グラム(3.41当量)のDESMODUR Wを加えた。15分間混合し、約90℃まで再び加熱した後、混合物は澄んだ。90℃の温度に約10分間制御した後、剥離布によって覆われた二方向のE−ガラス繊維マットの4層と、真空バッグの内側にフローメッシュとを含む20インチ×20インチ×1/8インチ厚(50.8cm×50.8cm×0.3cm)の型に、約50%の液体を減圧で移動させた。型およびガラスを105℃まであらかじめ加熱した後、移動を開始させた。
約15分後、完全にバッグを満たし繊細なガラスを湿らせるのに十分な材料を移動させた。次いで、このバッグおよび型を48時間かけて143℃まで加熱した。次いで、得られた繊維ガラス−ウレタンコンポジットの温度を120℃まで下げ、1時間維持した後、温度をさらに38℃まで下げた。38℃で1時間維持した後、システムを室温まで冷却し、分解した。得られた部分は剛性であり、無色であり、空隙がなかった。
(実施例U)
伸長したアクリル樹脂上の本発明の鋳造膜の多層コンポジット
0.5インチのPolycast 84(登録商標)伸長したアクリル樹脂、および0.25インチのガラスを用い、ジメチルジクロロシランで剥離コーティングされた鋳型を構築した。ウレタン接着性を良好にするため、プライマーを伸長したアクリル樹脂に塗布した。型は、シリコーンゴムガスケットを用いて一定に維持された、伸長したアクリル樹脂とガラスとの間の0.060インチのギャップを有する6インチ×6インチであった。縁は、クランプで止められていた。0.3当量のトリメチロールプロパン、0.7当量の1,5ペンタンジオール、および1.0当量のDESMODUR Wを用いた組成物を混合し、210°Fで脱気し、記載した鋳型に注いだ。組成物を180°Fで3日間硬化させ、室温まで冷却し、次いで、膜を鋳造したプラスチックをガラス剥離プレートから分離した。光学品質が高く、優れた基材接着性を有し、耐溶媒応力ひび割れ性が高いコンポジットを製造した。コンポジットは、4,000psiの引張応力でポリウレタンプラスチックを用いて応力をかけ、酢酸エチルを塗布し、ガラスカバー片で覆い、30分間放置した。顕微鏡で試験した場合でも、ひび割れは観察されなかった。同じ試験を、むき出しの伸長したアクリル樹脂で行うと、顕微鏡で試験しなくても、ひび割れがすぐに目視される。同じ試験を、1000psiの応力をかけたむき出しの伸長したアクリル樹脂で行った。この場合もまた、顕微鏡で試験しなくても、ひび割れがすぐに目視された。
(実施例V)
(強化されたコンポジット)
以下の表30を参照し、熱硬化性ポリウレタンを以下のように調製した。
反応容器に、撹拌機と、熱電対と、窒素注入口と、蒸留容器と、減圧ポンプとを取り付けた。次いで、投入物Aを加え、減圧下で80℃〜100℃まで加熱しつつ撹拌し、1時間維持した。次いで、反応混合物を80℃まで冷却し、減圧を止め、容器に投入物Bを加えた。次いで、反応混合物を減圧下で80℃まで加熱すると、110〜120℃まで発熱した。次いで、反応混合物を、3辺がガスケットに固定されており、クランプで一緒に保持されている、2個の5インチ×5インチ×3/16インチの浮いたガラスプレートの間の位置で鋳造した。ガラスプレートは、両方とも、ポリウレタンと接する表面にシラン剥離コーティングを有していた。プレート間の空間は、約16分の3インチであった。鋳造の前に、鋳型を約120℃の温度まであらかじめ加熱しておいた。鋳造の後、120℃で24時間硬化し、次いで、143℃で16時間硬化して、集合体が得られた。完全に硬化させた後、型に対し、乾燥機に入れつつ、143℃の温度から45℃の温度まで2時間かけて徐々に冷却するサイクルを行った。型を乾燥機から取り出し、ポリウレタンからガラスプレートを分離した。
(実施例V)
以下の実施例は、種々の無機粒状相を熱硬化性ポリマー相に注入することを示す。熱硬化性ポリマーを、種々の膨潤溶媒と、系中で無機粒状相を形成する種々の前駆体と接触させた。
(実施例V1)
(メタノール中での、テトラメチルオルトシリケートの注入)
実施例Aの熱硬化性ポリウレタンを、20.3重量%(25容積%)の無水メタノールと、79.7重量%(75容積%)のテトラメチルオルトシリケート(TMOS)とを含む溶液に24時間浸した。メタノール/TMOS溶液からポリ(ウレタン)を取り出し、脱イオン水の中に3日間置いた。次に、ポリ(ウレタン)を100℃の減圧乾燥機中に2時間置いた。透過型電子顕微鏡法(TEM)は、シリカ粒子がポリウレタン相に注入されたことを示していた。シリカ粒子は、ポリ(ウレタン)基材中に250μmで生成した。シリカナノ粒子の形態は、ほぼ球であり、粒径範囲は10〜20nmであった。この標本では、別個の粒子および粒子のクラスターがみられた。
(実施例V2)
(エタノール中での、テトラエチルオルトシリケートの注入)
実施例Aの熱硬化性ポリウレタンを、21.9重量%(25容積%)の無水エタノールと、78.1重量%(75容積%)のテトラエチルオルトシリケート(TEOS)とを含む溶液に24時間浸した。エタノール/TEOS溶液からポリ(ウレタン)を取り出し、14%水酸化アンモニウム水溶液中に4時間置いた。ポリ(ウレタン)を水ですすぎ、143℃の乾燥機中に4時間置いた。TEMは、シリカナノ粒子がポリウレタン相に浸出したことを示していた。ナノ粒子の粒径範囲は、10〜70nmであり、ほとんどは、10nmの範囲内にあった。
(実施例V3)
(キシレン中での、テトラメチルオルトシリケートの注入)
実施例Aの熱硬化性ポリウレタンを、21.7重量%(25容積%)の無水キシレンと、78.3重量%(75容積%)のテトラメチルオルトシリケート(TMOS)とを含む溶液に24時間浸した。キシレン/TMOS溶液からポリ(ウレタン)を取り出し、14%水酸化アンモニウム水溶液中に4時間置いた。ポリ(ウレタン)を水ですすぎ、143℃の乾燥機中に4時間置いた。TEMは、シリカナノ粒子がポリウレタン相に浸出したことを示していた。ナノ粒子の粒径範囲は、7〜40ナノメートルであった。
(実施例V4)
(酢酸エチル中での、テトラメチルオルトシリケートの注入)
実施例Aの熱硬化性ポリウレタンを、22.4重量%(25容積%)の無水酢酸エチルと、77.6重量%(75容積%)のテトラメチルオルトシリケート(TMOS)とを含む溶液に24時間浸した。酢酸エチル/TMOS溶液からポリ(ウレタン)を取り出し、14%水酸化アンモニウム水溶液中に4時間置いた。ポリ(ウレタン)を水ですすぎ、143℃の乾燥機中に4時間置いた。TEMは、シリカナノ粒子がポリウレタン相に浸出したことを示していた。
(実施例V5)
(ジメチルスルホキシド中での、テトラメチルオルトシリケートの注入)
実施例Aのポリウレタンを、25重量%(25容積%)の無水ジメチルスルホキシド(DMSO)と、75重量%(75容積%)のテトラメチルオルトシリケート(TMOS)とを含む溶液に24時間浸した。DMSO/TMOS溶液からポリ(ウレタン)を取り出し、14%水酸化アンモニウム水溶液中に4時間置いた。ポリ(ウレタン)を水ですすぎ、143℃の乾燥機中に4時間置いた。TEMは、シリカナノ粒子がポリウレタン相に浸出したことを示していた。ナノ粒子の粒径範囲は、7〜30ナノメートルであった。
(実施例V6)
(架橋したポリエステル膜へのテトラメチルオルトシリケートの注入)
架橋したポリエステル膜片を、20.3重量%(25容積%)の無水メタノールと、79.7重量%(75容積%)のテトラメチルオルトシリケート(TMOS)とを含む溶液に2時間浸した。メタノール/TMOS溶液からこの膜を取り出し、14%水酸化アンモニウム水溶液中に2時間置いた。この膜を水で15分間すすぎ、室温で17時間乾燥させた。シリカ粒状相が、ポリマー相に浸出した。TEMは、ナノ粒子の粒径範囲が7〜300nmであることを示していた。
(実施例V7)
(酢酸エチル中での、チタンビス(エチルアセトアセテート)ジイソプロポキシドの注入)
実施例Aの熱硬化性ポリウレタンを、80.1重量%の無水酢酸エチルと、19.9重量%のチタンビス(エチルアセトアセテート)ジイソプロポキシドとを含む溶液に24時間浸した。酢酸エチル/チタンビス(エチルアセトアセテート)ジイソプロポキシド溶液からポリ(ウレタン)を取り出し、14%水酸化アンモニウム水溶液中に4時間置いた。ポリ(ウレタン)を水ですすぎ、143℃の乾燥機中に4時間置いた。チタニア粒状相がポリウレタン相に浸出した。Temは、ナノ粒子の粒径範囲が5〜200nmであることを示していた。
(実施例V8)
(酢酸エチル中での、ジルコニウム(IV)アセチルアセトナートの注入)
実施例Aの熱硬化性ポリウレタンを、91.2重量%の無水酢酸エチルと、8.8重量%のジルコニウム(IV)アセチルアセトナートとを含む溶液に24時間浸した。酢酸エチル/ジルコニウム(IV)アセチルアセトナート溶液からポリ(ウレタン)を取り出し、14%水酸化アンモニウム水溶液中に4時間置いた。ポリ(ウレタン)を水ですすぎ、143℃の乾燥機中に4時間置いた。ジルコニア粒状相がポリウレタン相に浸出した。
(実施例W)
(アクリルシランポリマーの合成)
表23の実施例A〜Cそれぞれについて、反応フラスコに、撹拌機と、熱電対と、窒素注入口と、凝縮器とを取り付けた。次いで、投入物Aを加え、還流温度(75℃〜80℃)まで加熱しつつ、窒素雰囲気下で撹拌した。還流しているエタノールに、投入物Bおよび投入物Cを3時間かけて同時に加えた。反応混合物を還流条件に2時間維持した。次いで、投入物Dを30分間かけて加えた。反応混合物を還流条件に2時間維持し、次いで、30℃まで冷却した。
1 変性したエチルアルコール、200プルーフ、Archer Daniel Midland Co.から入手可能
2 γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、GEシリコーンから入手可能
3 ジ−トリメチロールプロパンテトラアクリレート、Sartomer Company Inc.から入手可能
4 2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、E.I. duPont de Nemours & Co.、Inc.から入手可能
5 可溶性部分のMn;ポリマーは、テトラヒドロフランに完全に可溶性ではない
(実施例W1)
実施例Aのアクリルシラン樹脂(8.5グラム)を、ポリビニルピロリドン(0.1グラム)と水(1.5グラム)とブレンドした。配合物を室温で225分間保存した。得られた溶液の一部分を10mlシリンジに入れ、シリンジポンプによって、速度1.6ミリリットル/時間で、実施例1に記載されるように紡糸口金に送った。エレクトロスピニングの条件は、実施例1に記載したとおりであった。厚みが100〜200ナノメートルであり、幅が1200〜5000ナノメートルのリボン形のナノ繊維を、接地したアルミニウム箔の上に集め、光学顕微鏡法および走査型電子顕微鏡法によって特性決定した。ナノ繊維のサンプルを110℃の乾燥機で2時間乾燥させた。測定可能な重量減少はみられなかった。このことは、ナノ繊維が完全に架橋していたことを示している。
(実施例W2およびW3)
ポリウレタンマトリックスとエレクトロスピニングされた実施例1の繊維とを含む透明なコンポジット物品を以下のように調製した。
実施例2および3それぞれでは(以下の表32を参照)、反応容器に、撹拌機と、熱電対と、窒素注入口と、蒸留容器と、減圧ポンプとを取り付けた。次いで、投入物Aを加え、減圧下で80℃〜100℃まで加熱しつつ撹拌し、1時間維持した。次いで、反応混合物を80℃まで冷却し、減圧を止め、容器に投入物Bを加えた。次いで、反応混合物を減圧下で80℃まで加熱すると、110〜120℃まで発熱した。次いで、反応混合物を、3辺がガスケットに固定されており、クランプで一緒に保持されている、2個の5インチ×5インチ×3/16インチの浮いたガラスプレートの間の位置で鋳造した。ガラスプレートは、両方とも、エレクトロスピニングされた繊維およびポリウレタンと接する表面にシラン剥離コーティングを有していた。処理されたプレート上で繊維をスピニングさせた後、繊維を鋳型に組み立てた。鋳型の内側に、エレクトロスピニングされたナノ繊維で覆われたプレートを有するように、鋳型を組み立てた。プレート間の間隔は、約16分の3インチであった。鋳造の前に、鋳型を約120℃の温度まであらかじめ加熱しておいた。鋳造の後、120℃で24時間硬化し、次いで、143℃で16時間硬化して、集合体が得られる。完全に硬化させた後、型に対し、乾燥機に入れたままにする一方で、143℃の温度から45℃の温度まで2時間かけて徐々に冷却するサイクルを行った。型を乾燥機から取り出し、コンポジット物品からガラスプレートを分離した。
(ポリウレタンの実施例2および3)
Atlas ATCC Scratch Tester、Model CM−5(シカゴ、イリノイのAtlas Electrical Devices Companyから入手可能)を用い、10回の二重摩擦法によって、重くした研磨紙で表面を線状に引っかくことによる引っかき試験にコンポジットを供することによって、それぞれのコンポジット物品について耐引っかき性を試験した。使用した研磨紙は、3M 281Q WETORDRY
TM PRODUCTION
TM 9ミクロン研磨紙シートであり、これは、セントポール、ミネソタの3M Companyから市販されている。
9μm研磨剤を用い、Crockmeterを用いた引っかき試験を終了した後、引っかき処理された領域の表面において、光学表面形状測定装置を用い、平均粗さの増加が測定された。引っかき処理された領域の表面を、Crockmeterで引っかいた方向と垂直に走査し;つまり、引っかき傷を横切るように走査した。元々の物品の表面の平均粗さを測定するために、引っかき処理していない領域でも同じ走査を行った。それぞれの物品について、平均表面粗さの変化は、引っかき処理した表面の平均粗さから、引っかき処理していない表面の平均粗さを引くことによって算出された。ナノ繊維を含まない透明物品を、実施例3のエレクトロスピニングされた繊維を含む透明コンポジット物品と比較した。
さらに、比較の目的で、コンポジット物品を、一般的に上の実施例3に記載したように調製したが、但し、ポリフッ化ビニリデン(KYNAR)およびナイロン−6繊維をエレクトロスピニングし、実施例3の繊維の代わりに用いた。このコンポジット物品について、耐引っかき性を上述のように評価した。試験結果を以下の表33に報告している。
表33に報告した結果は、アクリル樹脂−シランがエレクトロスピニングされた繊維によって提供される耐引っかき性の向上が得られたことを示す。
(実施例X)
(粉末の実施例)
1,4−ブタンジオール(5.47グラム、0.122当量)、および4,4’−メチレンビス−シクロヘキシルイソシアネート(Bayer Corporation製のDESMODUR W;NCOグラム当量131;14.52グラム、0.111当量)を、乾燥したガラス容器中で一緒に撹拌した。ジブチルスズジラウレート1滴を加えた。濁った混合物は、自然と加温され、透明になった。次いで、この混合物を120℃の乾燥機中に6時間置いた。
得られたガラス状の固体ポリウレタンの一部である1.88グラムを、ホットプレート上で沸騰させることによって、5.23グラムのM−Pyrolに溶解させた。同様に、イソホロンジイソシアネートトリマー(0.23グラム)を、3.68グラムのM−Pyrolに溶解させた。この2つの溶液をアルミニウム皿であわせ、145℃で35分間焼いた。得られた膜は透明であり、頑丈であり、硬かった。メチルエチルケトンで擦っても、膜は軟化もせず、膜が粘着性をもたらすこともなく、このことは、十分に架橋していたことを示す。
(実施例Y)
(系中で生成したナノ粒子中で得られる、ウレタンへの無機前駆体の液体注入)
ウレタンプラスチック片を以下の方法で調製した。ジメチルジクロロシランを、2枚の強化ガラス片の表面で蒸着させ、過剰量をイソプロパノールで拭き取った。ゴムガスケット(直径が3/16インチ)を、この2枚のガラス片の間に置き、ガラス片を、型の一端が開いた状態になるように一緒に固定した。3ッ口丸底フラスコ中、減圧下、504gの1,10−デカンジオール(3.55mol、0.7当量)、および111gのトリメチロールプロパン(0.83mol、0.3当量)を120℃まで加熱し、30分間維持することによって、プレポリマーを調製した。フラスコの投入物を80℃まで冷却し、1084gのジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(4.14mol、1当量)を加えた。反応物は、105℃まで発熱し、この溶液を、ガラス型の開いた端に注いだ。型を乾燥機中、120℃で24時間置き、143℃で16時間置いた。温度を1時間かけて43℃まで下げ、型を乾燥機から取り出した。型を分解し、鋳造したウレタンプラスチック部分を取り出した。
75容積%のテトラメチルオルトシリケート(TMOS)と、25容積%のメタノールとを含む溶液を、密閉した容器内で調製した。ウレタンプラスチック片をこの密閉した容器内に置き、容器に乾燥した窒素ガスを流した。ウレタンプラスチックをTMOS/メタノール溶液に4時間または24時間浸した。ウレタンプラスチックを取り出し、(1)水に72時間、(2)2M HClに1時間、水に1時間、または(3)15%(v/v)のNH4OH水溶液に1時間浸した。その後、標本を143℃で4時間アニーリングした。この浸漬によって、プラスチックに注入された液体の無機前駆体(TMOS)を加水分解し、縮合させた。それぞれの浸漬によって、プラスチックの異なる深さに位置する、異なる大きさのナノ粒子が得られた。
広範囲にわたる本発明の概念から逸脱することなく、上述の実施例を変化させ得ることは当業者には理解される。したがって、本発明は、開示されている特定の実施形態に限定されないが、添付の特許請求の範囲によって規定されるように、本発明の趣旨および範囲の中にある改変を包含することを意図していることが理解される。