JP2018500221A - 船舶用の封止構造、推進器、船舶及び船舶のプロペラシャフトを封止する方法 - Google Patents

船舶用の封止構造、推進器、船舶及び船舶のプロペラシャフトを封止する方法 Download PDF

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Abstract

少なくとも1つのベアリング(41)によって回転可能に支持されたプロペラシャフト(31)と、プロペラシャフトの上に配置された水シール(100)と、プロペラシャフトの上にベアリングと隣接し、且つ、水シールから軸線方向(X−X)の距離(A2)だけ離れて配置された第1オイルシール(200)と、水シールと第1オイルシールとの間に延在し且つ気体が充填された中間区画(300)と、プロペラシャフトに作用する海水圧を測定する第1圧力センサ(91)と、中間区画内の気体の圧力を測定する第2圧力センサ(92)と、中間区画内の気体にかける圧力を生成する圧力システム(500)とを備え、これによって、中間区画内の気体圧が、プロペラシャフトに作用する海水圧よりも低いレベルに保たれる封止構造。

Description

本発明は、船舶用の封止構造及び船舶のプロペラシャフトを封止する方法に関する。
特許文献1は、プロペラシャフトの封止アセンブリを開示している。封止アセンブリは、最後尾にあるベアリングアセンブリにおける船尾の船尾材内のプロペラシャフトのためのものである。この構造は、ベアリングアセンブリの内部に海水が入り込むのを防止する。封止構造は3つのハウジング部を備える。プロペラにおける第1ハウジング部が水シールハウジングを形成し、ベアリングにおける第3ハウジング部がオイルシールハウジングを形成し、第1ハウジング部と第2ハウジング部との間に配置された第2ハウジング部がチャンバハウジングを形成する。その一方、封止構造はベアリング潤滑剤がベアリングアセンブリから海水に排出するのを防止する。水シールは1つのシールリングを備え、オイルシールは2つのシールリングを備える。オイルシール内の2つのシールリングの間には潤滑オイルシールチャンバがある。更に、水シールとオイルシールとの間のチャンバハウジングとして環状の隙間チャンバが形成されている。環状チャンバには、ビルジタンクに続く排出路が設けられる。こうして、水シール又はオイルシールからの漏洩はどのようなものでも船内から容易に確認できる。
特許文献2は、船舶のプロペラシャフトを封止する構造を開示している。船舶は、中空のストラットの内部に取り付けられた推進器を備える。推進器は、シャフトに接続されるモータと、ストラットの外側でシャフトの外端部に接続されるプロペラとを備える。シャフトは、プロペラとモータとの間に配置されたベアリングを介してストラットの外殻に支持される。ストラットの外殻の外面は周囲の海水と接触する。ベアリングとプロペラとの間には閉鎖された中間区画がある。中間区画は、プロペラ側における鉛直な第1壁部、及びベアリングにおける鉛直な第2壁部で区画されている。中間区画の外周は、第1鉛直壁部と第2鉛直壁部との間にあるストラットの外殻の周壁によって形成される。シャフトは、第1鉛直壁部においては水シール、そして第2鉛直壁部においては第1オイルシールによって封止される。中間区画の内周は、水シール及び第1オイルシールの外周、並びに水シールと第1オイルシールとの間にあるシャフトの外周によって形成される。
特許文献3は、船のプロペラシャフトを封止する構造及び方法を開示している。プロペラとシャフトベアリングとの間には中間区画がある。封止は、中間区画内に互いに軸線方向に離間して配置された水シールとオイルシールとを含む。水シールは4つのリップシールを備え、リップシールは、隣接するリップシールの各対の間にシールチャンバを形成する。潤滑オイルが、第1ポンプにより、潤滑オイル容器から熱交換器を通りプロペラ側から数えて2番目のシールチャンバまで供給される。更に、潤滑オイルは、2番目のシールチャンバから、固定スロットルを通って3番目のシールチャンバまで導かれ、潤滑オイル容器へと戻る。1番目のシールチャンバ内の圧力は、プロペラシャフトのレベルにある周りの水の水圧に近い。3番目のシールチャンバ内の圧力は、1番目のシールチャンバ内の圧力を下回る一定の圧力レベルに保たれる。2番目のシールチャンバ内の圧力は、第1ポンプの回転速度を1番目のシールチャンバの圧力値と3番目のシールチャンバの圧力値との間の値に調整することによって調節できる。この構造において、各シールリップに跨る圧力の差異は、シールリップの過剰摩耗を抑制するように低いレベルに保たれる。
特許文献4は、海洋船舶のプロペラシャフトを封止する構造及びその動作を制御する方法を開示している。この封止構造は、水シールを形成する一組の外方シールリングと、オイルシールを形成する一組の内方シールリングと、を備える封止ハウジングを備える。封止ハウジングは、プロペラシャフト又はプロペラシャフトに設けられたスリーブと接続して設置されるように構成される。封止ハウジングは、2つの水シールリングの間に第1オイルチャンバを有し、内方シールリング組と外方シールリング組との間に中間オイルチャンバを有する。中間オイルチャンバは、中間オイルチャンバの上に配置されたヘッダータンクと呼ばれるオイルタンクと、接続ラインによって接続される。オイルタンクにオイルが一部充填されると、オイルタンク内のオイルレベルより上の上方部に空気が充填される。この構造は、プロペラシャフトに作用する海水圧を測定する第1圧力センサと、オイルタンク内の空気圧を測定する第2圧力センサとを更に備える。また、この構造は、オイルタンクの内部に真空を生成する真空ポンプと、オイルタンクの内部に外気を通す空気弁とを更に備える。オイルタンク内の空気圧は、中間オイルチャンバ内の油圧が、プロペラシャフトに作用する海水圧未満で維持するように調整される。中間オイルチャンバ内の油圧は、オイルの静水圧とオイルタンク内の空気圧との合計である。
米国特許第4,174,672号明細書 国際公開第2009/130368号 国際公開第2012/085325号 国際公開第2013/156662号
本発明の目的は、船舶用の封止構造の向上、及び船舶のプロペラシャフトを封止する方法の向上を実現することである。
本発明に係る船舶用の封止構造は請求項1に定義される。
本発明に係る船舶のプロペラシャフトを封止する方法は請求項19に定義される。
船舶用の封止構造は、
少なくとも1つのベアリングによって回転可能に支持されているプロペラシャフトと、
プロペラシャフトの上に配置された、プロペラシャフトを海水に対して封止するための水シールと、
プロペラシャフトの上にベアリングと隣接し、且つ、水シールから軸線方向の距離だけ離間して配置された、ベアリングからのオイルに対して封止するための第1オイルシールと、
水シールと第1オイルシールとの間に延在する中間区画と、
プロペラシャフトに作用する海水圧を測定する第1圧力センサと、を備える。
封止構造は、
気体が充填された中間区画内の圧力を測定する第2圧力センサと、
中間区画内の気体にかける圧力を生成する圧力システムと、を更に備え、
中間区画内の気体圧が、プロペラシャフトに作用する海水圧よりも低いレベルに保たれる。
船舶のプロペラシャフトを封止する方法は、
少なくとも1つのベアリングによって回転可能に支持されているプロペラシャフトと、
プロペラシャフトの上に配置された、プロペラシャフトを海水に対して封止するための水シールと、
プロペラシャフトの上にベアリングと隣接し、且つ、水シールから軸線方向の距離だけ離間して配置された、ベアリングからのオイルに対して封止するため第1オイルシールと、
水シール及び第1オイルシールの間に延在する中間区画と、
プロペラシャフトに作用する海水圧を測定する第1圧力センサと、
気体が充填された中間区画内の圧力を測定する第2圧力センサと、
中間区画内の気体にかける圧力を生成する圧力システムと、を備える封止構造によるものである。
方法は、
第1圧力センサによってプロペラシャフトに作用する海水圧を測定することと、
第2圧力センサによって中間区画内の気体圧を測定することと、
中間区画内の気体圧を、プロペラシャフトに作用する海水圧よりも低いレベルに保つことと、を含む。
この封止構造によって、任意の市販の水潤滑シールを水シールとして使用することが可能となる。水シールは端面式シール又はリップ式シールでもよい。また、第1オイルシールも端面式シール又はリップ式シールでもよい。
この封止構造によって、空気圧によって作動する緊急用シールを水シールと接続して使用することが可能となる。これは、封止構造に簡易構造の水シールが用いられることで、空気圧によって作動する緊急用シールのための空間が残ることに起因する。シールを交換する間に水シール内のシールチャンバの内部への海水の浸入を取り除くように、水シール内のシールチャンバに続く海水経路を閉鎖することができる。水シール及び第1オイルシール内のシールリングの交換は船舶内で完了させることができる。また、点検用開口部を通る、船舶内から中間区画までのアクセスを提供することができる。
この封止構造によって、水シールにおいて簡易且つ費用効率の高い解決策を用いることが可能となる。この構造では、シールチャンバをその間にもった2つのリップシールリングのみを備えるリップ式水シールを使用することができる。シールリングを潤滑及び冷却するように、海水をシールチャンバ内で循環させることができる。シールチャンバの内部に導かれる潤滑水を加圧する必要はない。中間区画内の空気圧が第2シールリングの後側に作用することで、第2シールリングの前側と後側との間の適切な圧力差を維持できる。
この封止構造は、必要な構成要素の数が従来技術の解決策よりも少ない。ポンプ、周波数変換器付きの電気モータ及び冷却要素を取り除くことができる。従来技術の解決策における4つのシールリングと比較して、この封止構造は2つのシールリングのみをリップシールに基づく水シール内に必要とする。
この封止構造は、特に砕氷船での振動によって起こるポンピング現象を最小化させる。
この封止構造は水シールの速やかな交換に寄与する。リップ式水シールにおいて最も重要なシールリングは第2シールリングである。第2シールリングが損傷した場合、この第2シールリングのみを通常の港での停留の間に交換するのは簡単なことである。
この封止構造によって、緊急事態におけるシールの交換を先送りにすることが可能となる。水シール内の第2シールリングが損傷すると中間区画の内部全体が浸水する事態となりうる。推進器は、そのような事態においても、水シールを港で交換できるまで依然としてフルパワーで動作することができる。2つのシールリングをもつリップ式シールに基づいた第1オイルシールが用いられる場合、ベアリングの内部への海水の浸入を取り除くように、2つのシールリングの間にあるシールチャンバを、海水圧を超えるように手動的に加圧してもよい。
この封止構造によって、重要な構成要素の冗長性を簡単に有することが可能となる。中間区画は、常に海水圧を下回る圧力に加圧されている必要がある。中間区画を加圧するのに用いられる構成要素は簡単に冗長化できる。中間区画の容積はかなり大きく、例えば500〜3000リットルの範囲内に作ることができ、これは、空気の供給が少しの間休止してもシステムには影響しないことを意味する。
この封止構造は、その簡易性から、従来技術の解決策よりも全体的に費用が低い。
水シールは純粋に水のみで潤滑される。これは、潤滑オイルが水シールから海に漏洩することが発生しえないことを意味する。当然ながら、水シールにおける潤滑オイルとして生分解性オイルを使用することも可能だが、生分解性オイルの使用はシャフトシールに期待される寿命を短くしうる。ミネラルオイルで潤滑されたシャフトシールの寿命は略5年程度だが、生分解性オイルで潤滑されたシャフトシールの寿命は略2年半程度である。
以下、本発明は、付属の図面を参照しながら、好適な実施例によってより詳細に説明される。
船舶の推進器の断面を示す。 図1の推進器の下端部を拡大したものを示す。 プロペラシャフト用のシールリングの断面を示す。 従来技術におけるプロペラシャフト用の封止構造の断面を示す。 従来技術におけるプロペラシャフト用の封止構造及び制御システムの基本構成を示す。 本発明の一実施例に係るプロペラシャフト用の封止構造及び制御システムの断面を示す。 図6の封止構造及び制御システムの基本構成を示す。 本発明の他の実施例に係るプロペラシャフト用の封止構造及び制御システムの断面を示す。
図1は船舶における推進器の断面を示す。推進器20は、上部22と下部23とをもった中空のストラット21を備える。ストラット21の上部22は、ストラットの下部23を支持する支持アームを形成する。ストラット21の下部23は、第1端部23Aとそれに対向する第2端部23Bとを有する長手方向の区画を形成する。ストラットの下部23は駆動部30、31及び32を含む。この実施例では、駆動部は、第1電気モータ30と、第1シャフト31と、ストラット21の下部23における第2端部23Bの外側に配置されたプロペラ32と、を備える。第1シャフト31の第1端部31Aは第1電気モータ30に接続され、第1シャフト31の第2端部31Bが、ストラット21の下部23における第2端部23Bから突出する。プロペラ32は第1シャフト31の第2外端部31Bに接続される。第1シャフト31の軸方向中央線X−Xが軸線を形成する。推進器20は、回転の重心軸Y−Y周りに360度回転できるように、ストラット21の上部22を介して船舶10に回転可能に取り付けられる。推進器20は、ギアホイール25によって、回転の重心軸Y−Y周りに360度回転させることができる。第1シャフト31は、ベアリング41及び42によってストラット21の下部23内に回転可能に取り付けられる。第1シャフト31の第2端部31Bは、ストラット21の下部23における第2端部23Bから第1シャフト31が突出する開口部O1内の水シール100によって封止される。第1シャフト31の第2端部31Bにおけるベアリング41は、第1オイルシール200で封止される、水シール100に面する側、及び第2オイルシール400で封止される、反対側にある。オイルシール200及び400は、オイルが、ベアリング41からストラットの下部23の内部やストラット21の下部23の周りの海の中へと漏洩するのを防止する。
図2は、図1の推進器の下端部を拡大したものを示す。この拡大で、ストラット21の下部23における第2端部23Bが示される。この図では、第1電気モータ30と、シャフト31と、プロペラ32と、ベアリング41と、水シール100と、第1オイルシール200と、第2オイルシール400とを示す。推進器は、プロペラ32とベアリング41との間に中間区画300を備える。中間区画300は、プロペラ32における鉛直な第1壁部26、及びベアリング41の支持構造から形成されている鉛直な第2壁部27に、軸線方向X−Xで囲まれる。中間区画300の外周が、その第1壁部26と第2壁部27との間に軸線方向X−Xに延在する、ストラット21における下部23の外周28の一部によって形成される。中間区画300の内周が、水シール100の外周、第1オイルシール200の外周及び水シール100と第1オイルシール200との間にあるシャフト31の外周によって形成される。第1壁部26と第2壁部27とは、互いに軸線方向X−Xの距離A1だけ離間する。シャフト31は中間区画300を通過する。
図3は、プロペラシャフトを封止するためのシールリングの断面を示す。シールリング110はリップシールから形成され、第1リップ部111と第2支持部112と、を備える。支持部112は、シールリング110を支持する支持フレーム113の内部に嵌合する。リップ部111は、シャフト31の外面に対して作用するか、或いはシャフト31に嵌合するライナーの外面に作用する。リップ部111は、ばね114によってライナーに押し付けられる。リップ部111の前側FSに作用する海水が、リップ部111を更にライナーに押し付ける。海水圧は、推進器20の軸線X−Xの喫水に依存している。推進器内のシャフトのシールは、例えば4〜10メートルの軸線X−Xの喫水用に設計することができる。この発想は、リップ部111の前側FSとリップ部111の後側BSとの間の圧力差を小さく保つためのものである。リップ部111における、リップ部111のライナーに対する密閉を保つための目標の圧力差は0.1〜0.5バールであり、有利には0.3バールである。この圧力差が少ないと漏洩の虞が増し、大き過ぎる圧力差はリップの過剰摩耗を促進する。軸線方向又は径方向の強い軸運動も漏洩の虞を増加させる。リップ部111は、例えば水及びオイルを含む潤滑媒体によって更に潤滑になる。潤滑媒体はリップ部111の後側BSに導かれる。こうして、海水と潤滑媒体との間の圧力差が維持される。
図4は、従来技術におけるプロペラシャフト用の封止構造の断面を示す。この図は、4つの水シールリング110,120,130及び140と、4つの水シールリング110,120,130及び140の間に形成された3つのシールチャンバ115,125及び135とを備える水シール100を示す。シャフト31の上にライナー33があることで、シールリング110,120,130及び140のリップ部がライナー33の外面に作用する。シールリング110,120,130及び140における全てのリップ部が海水に面している。各シールリング110,120,130及び140のリップ部にかかる圧力差は、シールリング110,120,130及び140の摩耗を軽減するように最小値に保たれる。シールリング110,120,130及び140のリップ部111は、リップ部111の内部に組み込まれたばね114、及びシールチャンバ115,125及び135内の水圧や油圧といった潤滑媒体の圧力によって、ライナー33に対してしっかりと閉じられる。
海水圧は喫水に依存する。例えば4メートルの喫水が約0.4バールの水圧に相当し、第1シールリング110に作用する。第1シールチャンバ115内に存在する圧力は第1シールリング110の状態に依存する。第1シールリング110の基本的な機能は「泥シール」として作用することであり、通常、第1シールリング110は、作動からしばらくすると海水と第1シールチャンバ115との間の圧力を安定させる。いずれにしても、新品の第1シールリング110はライナー33に対してしっかりと密接する。つまり、第1シールリング110が新しい場合には第1シールチャンバ115内の圧力を海水圧よりも低くすることができる。しかしながら、第1シールチャンバ115内の圧力は、作動からしばらくすると軸線X−Xにおける海水圧と同じになる。
図5は、従来技術におけるプロペラシャフト用の封止構造及び制御システムの基本構成を示す。この封止構造は、先述した従来技術を公開している特許文献3に開示されている。
この図は、4つの水シールリング110,120,130及び140と、4つの水シールリング110,120,130及び140の間に形成された3つのシールチャンバ115,125及び135とをもつ水シール100を示す。水シール100は、水が船舶の内部に浸入するのを防止する。潤滑オイルタンク70が、第1供給パイプ72によって第1ポンプ62の入口に接続される。第1ポンプ62の排出口が、第2供給パイプ73によって熱交換器63の入口に接続される。熱交換器63の排出口が、第3供給パイプ74によって水シール100に接続される。第2シールチャンバ125は、第1接続パイプ75及び第2接続パイプ77によって第3シールチャンバ135に接続される。更に、第1接続パイプ75と第2接続パイプ77との間には固定スロットル76がある。更に、第3シールチャンバ135から潤滑オイルタンク70に戻る返送パイプ78がある。また、船舶の内部へと続き、それを通して潤滑オイルタンク70を潤滑オイルで充填できる充填パイプ71もある。更に、バルブ80を介して第2接続パイプ77に接続される排水管81がある。熱交換器63は、推進器20の周りの海水による熱交換器63の冷却が実現されるように、推進器20本体に直接接続することができる。
こうして、潤滑オイルは、第1ポンプ62によって潤滑オイルタンク70から第2シールチャンバ125の内部へと送り込まれ、更に、固定スロットル76を通って第3シールチャンバ135に向かい、そして更に潤滑オイルタンク70へと戻る。
第1ポンプ62は第2電気モータ61によって駆動され、第2電気モータ62は周波数変換器56によって制御される。
第1圧力センサ51が第1シールチャンバ115内の圧力を測定し、測定信号を第1制御部53に送信する。第1制御部53は、加算器54及び更にはPI制御回路55を介して周波数変換器56に接続される。第2圧力センサ52が第2シールチャンバ125内の圧力を測定し、測定信号を加算器54に送信する。
このシステムにおける潤滑オイルのバランスは、第2電気モータ61の回転速度、ひいては第1電気モータ61に接続された第1ポンプ62の回転速度をも制御することで維持される。第1ポンプ62の回転速度は、水シール100に送り込まれるオイルの量に対応する。第2シールリング120にかかる圧力差は、第1ポンプ62の回転速度を調整することで所定の範囲内に維持される。例えばシャフトのレベルX−Xにおける海水圧が1.0バールの場合、第2シールチャンバ125内の圧力は、例えば0.45バールになるように、第1ポンプ62の回転速度によって調整される。固定スロットル76は、第3シールチャンバ135に入るときの潤滑オイルの圧力を軽減する。第3シールチャンバ135内の潤滑オイルの圧力は、軸線X−Xと潤滑オイルタンク70との間の高低差H1によって起こる静水圧によって定まる。第3シールチャンバ135内の潤滑オイルの圧力は、典型的には0.1バールである。つまり、この発想は、第2シールチャンバ125内の圧力を、シャフトのレベルX−Xにおける海水圧と第3シールチャンバ135内の圧力との間のレベルに保つためのものである。こうして、この構造によって、第2シールリング120及び第3シールリング130にかかる圧力差は一定になる。潤滑オイルは、その中で潤滑オイルが冷却される熱交換器63を通過する。冷却された潤滑オイルは水シール100を冷却する。
第1オイルシール200は、2つのシールリング210及び220と1つのシールチャンバ215とを備える。第1オイルシール200は、潤滑オイルがベアリング41から海へと漏洩するのを防止する。ベアリング41は潤滑オイルによって絶え間なく潤滑され、この潤滑オイルは第1オイルシール200内の第1シールリング210も潤滑する。ベアリング潤滑オイルの一部を、第1オイルシール200内の第2シールリング220も潤滑し冷却するようにシールチャンバ215を通して導くこともできる。
図6は、本発明の一実施例に係るプロペラシャフト用の封止構造及び制御システムの断面を示す。
水シール100は、2つのシールリング110及び120と、2つのシールリング110及び120の間に形成されたシールチャンバ115とを備えるリップ式シールである。シールリング110及び120はリップシールに基づく。更に、水シール100の最外端部に、海水に向けられた緊急用シールリング105がある。水シール100は、シールチャンバ115を通過する海水SWによって潤滑される。第1シールリング110の基本的な機能は「泥シール」として作用することであり、通常、第1シールリング110は、作動からしばらくすると海水と第1シールチャンバ115との間の圧力を安定させる。
オイルシールは、ベアリング41の反対側にある2つの対称的なオイルシール200及び400から構成される。第1オイルシール200、すなわちベアリング41の右手側にあるオイルシールは、2つのシールリング210及び220と、2つのシールリング210及び220の間に形成されたシールチャンバ215とを備えるリップ式シールである。第1オイルシール200は、潤滑オイルタンク70からシールチャンバ215まで循環している潤滑オイルによって潤滑される。また、第2オイルシール400、すなわちベアリング41の左手側にあるオイルシールは、2つのシールリング410及び420と、2つのシールリング410及び420の間にあるシールチャンバ415とを備えるリップ式シールである。
水シール100及び第1オイルシール200は、共通の中間区画300内に含まれている。中間区画300は、プロペラ32における第1鉛直壁部26、及びベアリング41における第2鉛直壁部27に囲まれている。中間区画300の外周は、第1鉛直壁部26と第2鉛直壁部27との間にあるストラット21の下部23の骨組みの外周28によって形成される。中間区画300の内周は、水シール100、第1オイルシール200及び水シール100と第1オイルシール200との間にあるシャフト31の外周によって形成される。第1鉛直壁部26と第2鉛直壁部27との間の距離は第1軸線方向距離A1である。更に、水シール100と第1オイルシール200との間の距離は第2軸線方向距離A2である。第2鉛直壁部27には、ストラット21の内部から中間区画300までのアクセスを提供する点検用開口部29が設けられる。空気圧システム500が中間区画300内の空気圧を制御する。中間区画300の容積は、典型的には500〜3000リットルの範囲内である。
第2軸線方向距離は、水シール100及び第1オイルシール200を点検し取り換えるのに必要な距離である。この構造は、水シール100及び第1オイルシール200を点検する際に、整備士が点検用開口部29を通過して中間区画300の内部に行けるようにすることができる。他の可能性として、整備士は中間区画300の内部を完全には通過することなく点検用開口部29を通して点検を行う。水シール100と第1オイルシール200との間の第2軸線方向距離は、古いシールを取り除いて新たなシールを設置することを可能にするのに必要な距離である。水シール100は1つのシールリング110及び120として取り外され、第2シールリング120から一度に取り外される。第2シールリング120内の締結ボルトが開けられ、第2シールリング120は、第2シールリング120を取り外すことができる、水シール100と第1オイルシール200との間の空間へと軸線方向X−Xに引っ張られる。同じ手順が第1シールリング110に対しても行われる。同様の手法で第1オイルシール200を取り外すことができる。新たな水シール100及び新たな第1オイルシール200の設置が逆の順序で行われる。
加圧された中間区画300の使用が、簡素且つ商用の任意の種類の水シール100の使用を可能にする。水シール100は図示のようなリップシール又は端面シールであってもよい。また、第1オイルシールも図示のようなリップシール又は端面シールであってもよい。
図7は、図6の封止構造及び制御システムの基本構成を示す。
この図は、2つのシールリング110及び120と、シールリング110及び120の間に配置されたシールチャンバ115とをもつ水シール100を示す。シールリング110及び120は、プロペラシャフト31の上に配置された第1ライナー33に作用する。水シール100は、海水SWのみによって潤滑及び冷却される。水シール100内のシールチャンバ115内で海水SWを回転させるのに簡易且つ機械的なサーキュレータが使用できる。また、水シール100内のシールチャンバ115内における圧力を測定する第1圧力センサ91もある。
水シール100内のシールチャンバ115内における圧力は、シャフトのレベルX−Xにおける海水圧と同じである。空気圧は、第1バルブ94が設けられた第1パイプ93によって空気圧システム500から中間区画300へと導かれる。中間区画300内の空気圧は、空気圧システム500によって、水シール100のシールチャンバ115内で作用する海水圧を例えば0.1バール下回る一定のレベルに保たれる。これは、水シール100内の第2シールリング120にかかるのに適した圧力差を保つことができることを意味する。空気圧システム500の制御部510が、入力信号として、第1圧力センサ91によって測定された水シール100内のシールチャンバ115の圧力、及び第2圧力センサ92によって測定された中間区画300内の圧力を受信する。制御部510は、空気生成部520を制御することで、中間区画300内に、第1圧力センサ91によって測定された水シール100内のシールチャンバ115内の空気圧に基づく所望の空気圧を生成する。こうして、水シール100内の第2シールリング120にかかる圧力差は、例えば0.1バールのレベルに一定に保たれる。これは、水シール100内の第2シールリング120が極めて良好に作用する状態となることに寄与するだろう。
また、この図は、2つのシールリング210及び220と、シールリング210及び220の間に配置されたシールチャンバ215とをもつ第1オイルシール200も示す。シールリング210及び220は、プロペラシャフト31の上に配置された第2ライナー34に作用する。第1オイルシール200は、潤滑オイルタンク70から循環している潤滑オイルによって潤滑される。潤滑オイルは、シールチャンバ215を通って循環される。潤滑オイルタンク70に続く充填パイプ71がある。第1オイルシール200は、潤滑オイルがベアリング41から漏出するのを防止する。一方、第1オイルシール200は、中間区画300が浸水した緊急事態にも、ベアリング41の内部に海水が浸入するのを防止する。
第1オイルシール200内のシールチャンバ215は、軸線X−Xと潤滑オイルタンク70との間の高低差H2によって起こる静水圧によって加圧される。シールチャンバ215内でオイルを循環させるのに簡易且つ機械的なオイルサーキュレータが使用できる。オイルタンク70は、ストラット21の下部23における第1電気モータ30を冷却するのに使用される冷却空気の温度にまで冷却される。ベアリング41に最も近い封止用リング210は、ベアリング41内での潤滑オイルの循環によって冷却される。空気圧制御システム500内で生成された空気圧は、更に、第2バルブ96が設けられた第2パイプ95によって潤滑オイルタンク70に導かれる。これは、第1オイルシール200内のシールチャンバ215に作用する圧力が、空気圧システム500によって生成された空気圧が加わる潤滑オイルタンク70と軸線X−Xとの間の高低差H2によって起こる静水圧であることを意味する。中間区画300内の空気圧は、シャフトのレベルX−Xにおける海水圧を0.1バール下回る。つまり、シールチャンバ215内の圧力は、高さH2によって起こる静水圧が加わり、シャフトのレベルX−Xにおける海水圧を0.1バール下回る。高さH2は例えば1メートルであってもよく、これは、対応する静水圧が0.1バールとなりうることを意味する。こうして、シールチャンバ215内の圧力はシャフトのレベルX−Xにおける海水圧に対応しうる。また、こうして、第1オイルシール200内の第2シールリング220にかかる圧力差は0.1バールとなりうる。更に、バルブ80を介して第1オイルシール200内のシールチャンバ215に接続された排水管81がある。
図8は、本発明の他の実施例に係るプロペラシャフト用の封止構造及び制御システムの断面を示す。この実施例を図7に示す実施例と比較すると水シール100のみに違いがある。水シール100は、この実施例では端面式シール150に基づく。シャフト31には円筒形状の締結部材35が設けられ、端面式シール150はその締結部材35に取り付けられる。水シール150の鉛直面が、第1鉛直壁部26内に配置される鉛直ライナー36に対して作用する。この端面式シール150は、締結部材35に取り付けられた円筒形状部152と、ライナー36に作用する円形状部151とから形成される。鉛直ライナー36に対して作用する円形状部151には、封止を形成するリップが設けられてもよい(不図示)。様々な種類の端面式シール150があるが、鉛直ライナー36に対して作用するリップを設けることが可能な円形状部151は、端面式シール150にとって一般的な特徴である。第1圧力センサ91は、円形状部151内のリップの間にある小さな水シールチャンバからか、或いは第1端壁部26の外側に作用する海水から直接的に、軸線X−Xにおける海水圧を測定してもよい。封止構造と制御システムとは、図7に示す他の点において対応している。中間区画300内の空気圧は、端面式シール150の円形状部のリップを鉛直ライナー36に対して押し付けるように端面式シール150に作用する。
この封止構造によって、緊急事態におけるシールの交換を先送りにすることが可能となる。水シール100内のシールリング120が損傷すると中間区画300の内部全体が浸水する事態となりうる。推進器20は、そのような事態においても、水シール100内のシールリング120を港で交換できるまで依然としてフルパワーで動作することができる。ベアリング41の内部への海水の浸入を取り除くように、オイルシール200内の2つのシールリング210及び220の間にあるシールチャンバ215を、海水圧を超えるように手動的に加圧してもよい。これは、第1バルブ94を閉じ且つ第2バルブ96を開けっ放しにすることで行うことができる。第2圧力センサ92によって測定される、浸水した中間区画300内の圧力よりも高い圧力を有する加圧された空気を潤滑オイルタンク70の内部に導くことができる。こうして、第1オイルシール200内のシールチャンバ215における圧力が、浸水した中間区画300内の圧力よりも高くなり、第1オイルシール200内のシールチャンバ215の内部に海水が浸入するのを防止する。
船舶の喫水が大体一定の場合には、必ずしも空気圧が空気圧システム500から潤滑オイルタンク70まで繋がる必要はない。そのような場合、潤滑オイルタンク70は、第1オイルシール200内のシールチャンバ215において適切な静水圧を維持するように適切な高さH2に位置付けることができる。第1オイルシール200内のシールチャンバ215における圧力は、オイルがベアリング41から中間区画300へと漏洩するのを防止するように、中間区画300内の圧力よりも高いレベルでなければならない。
なお、第1オイルシール200用の潤滑オイルタンク70がなくても可能となりうる。そのような場合、第1オイルシール200は1つのシールリング210のみを備える。これは、船舶の喫水が小さく且つ一定である場合、すなわち中間区画300内の圧力が小さく且つ安定していることを意味する場合に可能となりうる。
また、端面式シールを第1オイルシール200として使用することも可能となりうる。しかしながら、リップ式シールの方が第1オイルシール200として使用するのに適している。
図6に示す緊急用シール105は、封止構造における任意の特徴である。緊急用シール105は、水シール100を交換する状況において空気で膨張させることができる。緊急用シール105は、水シール100を交換するときに船舶の内部に水が浸入するのを防止する。緊急用シール105が使用されない場合、水シール100を交換するときにプロペラ32と第1鉛直壁部26との間に一時的な膨張可能シールを設置するダイバーが必要になる。
当然ながら、緊急用シール105は図8に示す本発明の実施例にも使用することができる。
中間区画300は閉鎖された気密な区画である。中間区画300の空気は、水シール100及び第1オイルシール200を通ることでしか漏出しえない。そのため、点検用開口部29は、閉鎖時に気密となるように封止されなければならない。当然ながら、鉛直な第2壁部27にその周囲方向に沿って幾つかの点検用開口部29があってもよい。
図1に示す、ストラット21の下部23の第2端部23Bにおける開口部1は、推進器20本体の内部に形成される。推進器20本体はストラット21によって形成される。
中間区画300には有利には空気が充填されるが、空気の代わりに他の任意の気体が中間区画300内で使用されてもよい。封止構造の周りに使用可能な空気があることから、空気の使用は有利である。空気を使用するための費用は低いが、他の気体を使用すると費用が上がりうる。
本発明に係る封止構造は、図1に示す推進器に限定されない。当然ながら、封止構造は、例えばストラット21の上部22や、むしろ船舶10のハル11の内部に駆動モータ30が配置された推進器においても用いることができる。そのような場合、推進器20は、駆動モータから延在するか或いは駆動モータを通ってプロペラシャフト31まで降りる鉛直な駆動シャフトを備えてもよい。鉛直な駆動シャフトはピニオン構造によってプロペラシャフト31に接続することができる。また、封止構造は、外部に推進器がない船舶10にも用いることができる。そして、推進装置は、船舶10のハル11の内部から、船舶10のハル11の船尾における開口部O1を通って海水へと延出するプロペラシャフトを備えてもよい。そのような場合、推進装置内の駆動モータ30は、船舶10のハル11内に配置される。駆動モータ30は、電気モータの代わりに燃焼エンジンであってもよい。そのような場合、封止構造は船舶10のハル11における開口部O1と接続するように配置される。ベアリング41は開口部O1の近くに配置される。船舶10のハル11内の封止構造は、図2に示す封止構造と対応するようになってもよい。
本発明及びその実施例は上述の例示に限定されず、請求項の範囲内で多様化してもよい。
本発明は、船舶用の封止構造及び船舶のプロペラシャフトを封止する方法に関する。
特許文献1は、プロペラシャフトの封止アセンブリを開示している。封止アセンブリは、最後尾にあるベアリングアセンブリにおける船尾の船尾材内のプロペラシャフトのためのものである。この構造は、ベアリングアセンブリの内部に海水が入り込むのを防止する。封止構造は3つのハウジング部を備える。プロペラにおける第1ハウジング部が水シールハウジングを形成し、ベアリングにおける第3ハウジング部がオイルシールハウジングを形成し、第1ハウジング部と第2ハウジング部との間に配置された第2ハウジング部がチャンバハウジングを形成する。その一方、封止構造はベアリング潤滑剤がベアリングアセンブリから海水に排出するのを防止する。水シールは1つのシールリングを備え、オイルシールは2つのシールリングを備える。オイルシール内の2つのシールリングの間には潤滑オイルシールチャンバがある。更に、水シールとオイルシールとの間のチャンバハウジングとして環状の隙間チャンバが形成されている。環状チャンバには、ビルジタンクに続く排出路が設けられる。こうして、水シール又はオイルシールからの漏洩はどのようなものでも船内から容易に確認できる。
特許文献2は、船舶のプロペラシャフトを封止する構造を開示している。船舶は、中空のストラットの内部に取り付けられた推進器を備える。推進器は、シャフトに接続されるモータと、ストラットの外側でシャフトの外端部に接続されるプロペラとを備える。シャフトは、プロペラとモータとの間に配置されたベアリングを介してストラットの外殻に支持される。ストラットの外殻の外面は周囲の海水と接触する。ベアリングとプロペラとの間には閉鎖された中間区画がある。中間区画は、プロペラ側における鉛直な第1壁部、及びベアリングにおける鉛直な第2壁部で区画されている。中間区画の外周は、第1鉛直壁部と第2鉛直壁部との間にあるストラットの外殻の周壁によって形成される。シャフトは、第1鉛直壁部においては水シール、そして第2鉛直壁部においては第1オイルシールによって封止される。中間区画の内周は、水シール及び第1オイルシールの外周、並びに水シールと第1オイルシールとの間にあるシャフトの外周によって形成される。
特許文献3は、船のプロペラシャフトを封止する構造及び方法を開示している。プロペラとシャフトベアリングとの間には中間区画がある。封止は、中間区画内に互いに軸線方向に離間して配置された水シールとオイルシールとを含む。水シールは4つのリップシールを備え、リップシールは、隣接するリップシールの各対の間にシールチャンバを形成する。潤滑オイルが、第1ポンプにより、潤滑オイル容器から熱交換器を通りプロペラ側から数えて2番目のシールチャンバまで供給される。更に、潤滑オイルは、2番目のシールチャンバから、固定スロットルを通って3番目のシールチャンバまで導かれ、潤滑オイル容器へと戻る。1番目のシールチャンバ内の圧力は、プロペラシャフトのレベルにある周りの水の水圧に近い。3番目のシールチャンバ内の圧力は、1番目のシールチャンバ内の圧力を下回る一定の圧力レベルに保たれる。2番目のシールチャンバ内の圧力は、第1ポンプの回転速度を1番目のシールチャンバの圧力値と3番目のシールチャンバの圧力値との間の値に調整することによって調節できる。この構造において、各シールリップに跨る圧力の差異は、シールリップの過剰摩耗を抑制するように低いレベルに保たれる。
特許文献4は、海洋船舶のプロペラシャフトを封止する構造及びその動作を制御する方法を開示している。この封止構造は、水シールを形成する一組の外方シールリングと、オイルシールを形成する一組の内方シールリングと、を備える封止ハウジングを備える。封止ハウジングは、プロペラシャフト又はプロペラシャフトに設けられたスリーブと接続して設置されるように構成される。封止ハウジングは、2つの水シールリングの間に第1オイルチャンバを有し、内方シールリング組と外方シールリング組との間に中間オイルチャンバを有する。中間オイルチャンバは、中間オイルチャンバの上に配置されたヘッダータンクと呼ばれるオイルタンクと、接続ラインによって接続される。オイルタンクにオイルが一部充填されると、オイルタンク内のオイルレベルより上の上方部に空気が充填される。この構造は、プロペラシャフトに作用する海水圧を測定する第1圧力センサと、オイルタンク内の空気圧を測定する第2圧力センサとを更に備える。また、この構造は、オイルタンクの内部に真空を生成する真空ポンプと、オイルタンクの内部に外気を通す空気弁とを更に備える。オイルタンク内の空気圧は、中間オイルチャンバ内の油圧が、プロペラシャフトに作用する海水圧未満で維持するように調整される。中間オイルチャンバ内の油圧は、オイルの静水圧とオイルタンク内の空気圧との合計である。
米国特許第4,174,672号明細書 国際公開第2009/130368号 国際公開第2012/085325号 国際公開第2013/156662号
本発明の目的は、船舶用の封止構造の向上、及び船舶のプロペラシャフトを封止する方法の向上を実現することである。
本発明に係る船舶用の封止構造は請求項1に定義される。
本発明に係る船舶のプロペラシャフトを封止する方法は請求項1に定義される。
船舶用の封止構造は、
少なくとも1つのベアリングによって回転可能に支持されているプロペラシャフトと、
プロペラシャフトの上に配置された、プロペラシャフトを海水に対して封止するための水シールと、
プロペラシャフトの上にベアリングと隣接し、且つ、水シールから軸線方向の距離だけ離間して配置された、ベアリングからのオイルに対して封止するための第1オイルシールと、
水シールと第1オイルシールとの間に延在する中間区画と、
プロペラシャフトに作用する海水圧を測定する第1圧力センサと、
気体が充填された中間区画内の圧力を測定する第2圧力センサと、
中間区画内の気体にかける圧力を生成する圧力システムと
を備え
中間区画内の気体圧が、プロペラシャフトに作用する海水圧よりも低いレベルに保たれる。
封止構造において、水シール及び第1オイルシールが、中間区画内に含まれている。
船舶のプロペラシャフトを封止する方法は、
少なくとも1つのベアリングによって回転可能に支持されているプロペラシャフトと、
プロペラシャフトの上に配置された、プロペラシャフトを海水に対して封止するための水シールと、
プロペラシャフトの上にベアリングと隣接し、且つ、水シールから軸線方向の距離だけ離間して配置された、ベアリングからのオイルに対して封止するため第1オイルシールと、
水シール及び第1オイルシールの間に延在する中間区画であって、水シール及び第1オイルシールが、中間区画内に含まれている、中央区画と、
プロペラシャフトに作用する海水圧を測定する第1圧力センサと、
気体が充填された中間区画内の圧力を測定する第2圧力センサと、
中間区画内の気体にかける圧力を生成する圧力システムと、を備える封止構造によるものである。
方法は、
第1圧力センサによってプロペラシャフトに作用する海水圧を測定することと、
第2圧力センサによって中間区画内の気体圧を測定することと、
中間区画内の気体圧を、プロペラシャフトに作用する海水圧よりも低いレベルに保つことと、を含む。
この封止構造によって、任意の市販の水潤滑シールを水シールとして使用することが可能となる。水シールは端面式シール又はリップ式シールでもよい。また、第1オイルシールも端面式シール又はリップ式シールでもよい。
この封止構造によって、空気圧によって作動する緊急用シールを水シールと接続して使用することが可能となる。これは、封止構造に簡易構造の水シールが用いられることで、空気圧によって作動する緊急用シールのための空間が残ることに起因する。シールを交換する間に水シール内のシールチャンバの内部への海水の浸入を取り除くように、水シール内のシールチャンバに続く海水経路を閉鎖することができる。水シール及び第1オイルシール内のシールリングの交換は船舶内で完了させることができる。また、点検用開口部を通る、船舶内から中間区画までのアクセスを提供することができる。
この封止構造によって、水シールにおいて簡易且つ費用効率の高い解決策を用いることが可能となる。この構造では、シールチャンバをその間にもった2つのリップシールリングのみを備えるリップ式水シールを使用することができる。シールリングを潤滑及び冷却するように、海水をシールチャンバ内で循環させることができる。シールチャンバの内部に導かれる潤滑水を加圧する必要はない。中間区画内の空気圧が第2シールリングの後側に作用することで、第2シールリングの前側と後側との間の適切な圧力差を維持できる。
この封止構造は、必要な構成要素の数が従来技術の解決策よりも少ない。ポンプ、周波数変換器付きの電気モータ及び冷却要素を取り除くことができる。従来技術の解決策における4つのシールリングと比較して、この封止構造は2つのシールリングのみをリップシールに基づく水シール内に必要とする。
この封止構造は、特に砕氷船での振動によって起こるポンピング現象を最小化させる。
この封止構造は水シールの速やかな交換に寄与する。リップ式水シールにおいて最も重要なシールリングは第2シールリングである。第2シールリングが損傷した場合、この第2シールリングのみを通常の港での停留の間に交換するのは簡単なことである。
この封止構造によって、緊急事態におけるシールの交換を先送りにすることが可能となる。水シール内の第2シールリングが損傷すると中間区画の内部全体が浸水する事態となりうる。推進器は、そのような事態においても、水シールを港で交換できるまで依然としてフルパワーで動作することができる。2つのシールリングをもつリップ式シールに基づいた第1オイルシールが用いられる場合、ベアリングの内部への海水の浸入を取り除くように、2つのシールリングの間にあるシールチャンバを、海水圧を超えるように手動的に加圧してもよい。
この封止構造によって、重要な構成要素の冗長性を簡単に有することが可能となる。中間区画は、常に海水圧を下回る圧力に加圧されている必要がある。中間区画を加圧するのに用いられる構成要素は簡単に冗長化できる。中間区画の容積はかなり大きく、例えば500〜3000リットルの範囲内に作ることができ、これは、空気の供給が少しの間休止してもシステムには影響しないことを意味する。
この封止構造は、その簡易性から、従来技術の解決策よりも全体的に費用が低い。
水シールは純粋に水のみで潤滑される。これは、潤滑オイルが水シールから海に漏洩することが発生しえないことを意味する。当然ながら、水シールにおける潤滑オイルとして生分解性オイルを使用することも可能だが、生分解性オイルの使用はシャフトシールに期待される寿命を短くしうる。ミネラルオイルで潤滑されたシャフトシールの寿命は略5年程度だが、生分解性オイルで潤滑されたシャフトシールの寿命は略2年半程度である。
以下、本発明は、付属の図面を参照しながら、好適な実施例によってより詳細に説明される。
船舶の推進器の断面を示す。 図1の推進器の下端部を拡大したものを示す。 プロペラシャフト用のシールリングの断面を示す。 従来技術におけるプロペラシャフト用の封止構造の断面を示す。 従来技術におけるプロペラシャフト用の封止構造及び制御システムの基本構成を示す。 本発明の一実施例に係るプロペラシャフト用の封止構造及び制御システムの断面を示す。 図6の封止構造及び制御システムの基本構成を示す。 本発明の他の実施例に係るプロペラシャフト用の封止構造及び制御システムの断面を示す。
図1は船舶における推進器の断面を示す。推進器20は、上部22と下部23とをもった中空のストラット21を備える。ストラット21の上部22は、ストラットの下部23を支持する支持アームを形成する。ストラット21の下部23は、第1端部23Aとそれに対向する第2端部23Bとを有する長手方向の区画を形成する。ストラットの下部23は駆動部30、31及び32を含む。この実施例では、駆動部は、第1電気モータ30と、第1シャフト31と、ストラット21の下部23における第2端部23Bの外側に配置されたプロペラ32と、を備える。第1シャフト31の第1端部31Aは第1電気モータ30に接続され、第1シャフト31の第2端部31Bが、ストラット21の下部23における第2端部23Bから突出する。プロペラ32は第1シャフト31の第2外端部31Bに接続される。第1シャフト31の軸方向中央線X−Xが軸線を形成する。推進器20は、回転の重心軸Y−Y周りに360度回転できるように、ストラット21の上部22を介して船舶10に回転可能に取り付けられる。推進器20は、ギアホイール25によって、回転の重心軸Y−Y周りに360度回転させることができる。第1シャフト31は、ベアリング41及び42によってストラット21の下部23内に回転可能に取り付けられる。第1シャフト31の第2端部31Bは、ストラット21の下部23における第2端部23Bから第1シャフト31が突出する開口部O1内の水シール100によって封止される。第1シャフト31の第2端部31Bにおけるベアリング41は、第1オイルシール200で封止される、水シール100に面する側、及び第2オイルシール400で封止される、反対側にある。オイルシール200及び400は、オイルが、ベアリング41からストラットの下部23の内部やストラット21の下部23の周りの海の中へと漏洩するのを防止する。
図2は、図1の推進器の下端部を拡大したものを示す。この拡大で、ストラット21の下部23における第2端部23Bが示される。この図では、第1電気モータ30と、シャフト31と、プロペラ32と、ベアリング41と、水シール100と、第1オイルシール200と、第2オイルシール400とを示す。推進器は、プロペラ32とベアリング41との間に中間区画300を備える。中間区画300は、プロペラ32における鉛直な第1壁部26、及びベアリング41の支持構造から形成されている鉛直な第2壁部27に、軸線方向X−Xで囲まれる。中間区画300の外周が、その第1壁部26と第2壁部27との間に軸線方向X−Xに延在する、ストラット21における下部23の外周28の一部によって形成される。中間区画300の内周が、水シール100の外周、第1オイルシール200の外周及び水シール100と第1オイルシール200との間にあるシャフト31の外周によって形成される。第1壁部26と第2壁部27とは、互いに軸線方向X−Xの距離A1だけ離間する。シャフト31は中間区画300を通過する。
図3は、プロペラシャフトを封止するためのシールリングの断面を示す。シールリング110はリップシールから形成され、第1リップ部111と第2支持部112と、を備える。支持部112は、シールリング110を支持する支持フレーム113の内部に嵌合する。リップ部111は、シャフト31の外面に対して作用するか、或いはシャフト31に嵌合するライナーの外面に作用する。リップ部111は、ばね114によってライナーに押し付けられる。リップ部111の前側FSに作用する海水が、リップ部111を更にライナーに押し付ける。海水圧は、推進器20の軸線X−Xの喫水に依存している。推進器内のシャフトのシールは、例えば4〜10メートルの軸線X−Xの喫水用に設計することができる。この発想は、リップ部111の前側FSとリップ部111の後側BSとの間の圧力差を小さく保つためのものである。リップ部111における、リップ部111のライナーに対する密閉を保つための目標の圧力差は0.1〜0.5バールであり、有利には0.3バールである。この圧力差が少ないと漏洩の虞が増し、大き過ぎる圧力差はリップの過剰摩耗を促進する。軸線方向又は径方向の強い軸運動も漏洩の虞を増加させる。リップ部111は、例えば水及びオイルを含む潤滑媒体によって更に潤滑になる。潤滑媒体はリップ部111の後側BSに導かれる。こうして、海水と潤滑媒体との間の圧力差が維持される。
図4は、従来技術におけるプロペラシャフト用の封止構造の断面を示す。この図は、4つの水シールリング110,120,130及び140と、4つの水シールリング110,120,130及び140の間に形成された3つのシールチャンバ115,125及び135とを備える水シール100を示す。シャフト31の上にライナー33があることで、シールリング110,120,130及び140のリップ部がライナー33の外面に作用する。シールリング110,120,130及び140における全てのリップ部が海水に面している。各シールリング110,120,130及び140のリップ部にかかる圧力差は、シールリング110,120,130及び140の摩耗を軽減するように最小値に保たれる。シールリング110,120,130及び140のリップ部111は、リップ部111の内部に組み込まれたばね114、及びシールチャンバ115,125及び135内の水圧や油圧といった潤滑媒体の圧力によって、ライナー33に対してしっかりと閉じられる。
海水圧は喫水に依存する。例えば4メートルの喫水が約0.4バールの水圧に相当し、第1シールリング110に作用する。第1シールチャンバ115内に存在する圧力は第1シールリング110の状態に依存する。第1シールリング110の基本的な機能は「泥シール」として作用することであり、通常、第1シールリング110は、作動からしばらくすると海水と第1シールチャンバ115との間の圧力を安定させる。いずれにしても、新品の第1シールリング110はライナー33に対してしっかりと密接する。つまり、第1シールリング110が新しい場合には第1シールチャンバ115内の圧力を海水圧よりも低くすることができる。しかしながら、第1シールチャンバ115内の圧力は、作動からしばらくすると軸線X−Xにおける海水圧と同じになる。
図5は、従来技術におけるプロペラシャフト用の封止構造及び制御システムの基本構成を示す。この封止構造は、先述した従来技術を公開している特許文献3に開示されている。
この図は、4つの水シールリング110,120,130及び140と、4つの水シールリング110,120,130及び140の間に形成された3つのシールチャンバ115,125及び135とをもつ水シール100を示す。水シール100は、水が船舶の内部に浸入するのを防止する。潤滑オイルタンク70が、第1供給パイプ72によって第1ポンプ62の入口に接続される。第1ポンプ62の排出口が、第2供給パイプ73によって熱交換器63の入口に接続される。熱交換器63の排出口が、第3供給パイプ74によって水シール100に接続される。第2シールチャンバ125は、第1接続パイプ75及び第2接続パイプ77によって第3シールチャンバ135に接続される。更に、第1接続パイプ75と第2接続パイプ77との間には固定スロットル76がある。更に、第3シールチャンバ135から潤滑オイルタンク70に戻る返送パイプ78がある。また、船舶の内部へと続き、それを通して潤滑オイルタンク70を潤滑オイルで充填できる充填パイプ71もある。更に、バルブ80を介して第2接続パイプ77に接続される排水管81がある。熱交換器63は、推進器20の周りの海水による熱交換器63の冷却が実現されるように、推進器20本体に直接接続することができる。
こうして、潤滑オイルは、第1ポンプ62によって潤滑オイルタンク70から第2シールチャンバ125の内部へと送り込まれ、更に、固定スロットル76を通って第3シールチャンバ135に向かい、そして更に潤滑オイルタンク70へと戻る。
第1ポンプ62は第2電気モータ61によって駆動され、第2電気モータ62は周波数変換器56によって制御される。
第1圧力センサ51が第1シールチャンバ115内の圧力を測定し、測定信号を第1制御部53に送信する。第1制御部53は、加算器54及び更にはPI制御回路55を介して周波数変換器56に接続される。第2圧力センサ52が第2シールチャンバ125内の圧力を測定し、測定信号を加算器54に送信する。
このシステムにおける潤滑オイルのバランスは、第2電気モータ61の回転速度、ひいては第1電気モータ61に接続された第1ポンプ62の回転速度をも制御することで維持される。第1ポンプ62の回転速度は、水シール100に送り込まれるオイルの量に対応する。第2シールリング120にかかる圧力差は、第1ポンプ62の回転速度を調整することで所定の範囲内に維持される。例えばシャフトのレベルX−Xにおける海水圧が1.0バールの場合、第2シールチャンバ125内の圧力は、例えば0.45バールになるように、第1ポンプ62の回転速度によって調整される。固定スロットル76は、第3シールチャンバ135に入るときの潤滑オイルの圧力を軽減する。第3シールチャンバ135内の潤滑オイルの圧力は、軸線X−Xと潤滑オイルタンク70との間の高低差H1によって起こる静水圧によって定まる。第3シールチャンバ135内の潤滑オイルの圧力は、典型的には0.1バールである。つまり、この発想は、第2シールチャンバ125内の圧力を、シャフトのレベルX−Xにおける海水圧と第3シールチャンバ135内の圧力との間のレベルに保つためのものである。こうして、この構造によって、第2シールリング120及び第3シールリング130にかかる圧力差は一定になる。潤滑オイルは、その中で潤滑オイルが冷却される熱交換器63を通過する。冷却された潤滑オイルは水シール100を冷却する。
第1オイルシール200は、2つのシールリング210及び220と1つのシールチャンバ215とを備える。第1オイルシール200は、潤滑オイルがベアリング41から海へと漏洩するのを防止する。ベアリング41は潤滑オイルによって絶え間なく潤滑され、この潤滑オイルは第1オイルシール200内の第1シールリング210も潤滑する。ベアリング潤滑オイルの一部を、第1オイルシール200内の第2シールリング220も潤滑し冷却するようにシールチャンバ215を通して導くこともできる。
図6は、本発明の一実施例に係るプロペラシャフト用の封止構造及び制御システムの断面を示す。
水シール100は、2つのシールリング110及び120と、2つのシールリング110及び120の間に形成されたシールチャンバ115とを備えるリップ式シールである。シールリング110及び120はリップシールに基づく。更に、水シール100の最外端部に、海水に向けられた緊急用シールリング105がある。水シール100は、シールチャンバ115を通過する海水SWによって潤滑される。第1シールリング110の基本的な機能は「泥シール」として作用することであり、通常、第1シールリング110は、作動からしばらくすると海水と第1シールチャンバ115との間の圧力を安定させる。
オイルシールは、ベアリング41の反対側にある2つの対称的なオイルシール200及び400から構成される。第1オイルシール200、すなわちベアリング41の右手側にあるオイルシールは、2つのシールリング210及び220と、2つのシールリング210及び220の間に形成されたシールチャンバ215とを備えるリップ式シールである。第1オイルシール200は、潤滑オイルタンク70からシールチャンバ215まで循環している潤滑オイルによって潤滑される。また、第2オイルシール400、すなわちベアリング41の左手側にあるオイルシールは、2つのシールリング410及び420と、2つのシールリング410及び420の間にあるシールチャンバ415とを備えるリップ式シールである。
水シール100及び第1オイルシール200は、共通の中間区画300内に含まれている。中間区画300は、プロペラ32における第1鉛直壁部26、及びベアリング41における第2鉛直壁部27に囲まれている。中間区画300の外周は、第1鉛直壁部26と第2鉛直壁部27との間にあるストラット21の下部23の骨組みの外周28によって形成される。中間区画300の内周は、水シール100、第1オイルシール200及び水シール100と第1オイルシール200との間にあるシャフト31の外周によって形成される。第1鉛直壁部26と第2鉛直壁部27との間の距離は第1軸線方向距離A1である。更に、水シール100と第1オイルシール200との間の距離は第2軸線方向距離A2である。第2鉛直壁部27には、ストラット21の内部から中間区画300までのアクセスを提供する点検用開口部29が設けられる。空気圧システム500が中間区画300内の空気圧を制御する。中間区画300の容積は、典型的には500〜3000リットルの範囲内である。
第2軸線方向距離は、水シール100及び第1オイルシール200を点検し取り換えるのに必要な距離である。この構造は、水シール100及び第1オイルシール200を点検する際に、整備士が点検用開口部29を通過して中間区画300の内部に行けるようにすることができる。他の可能性として、整備士は中間区画300の内部を完全には通過することなく点検用開口部29を通して点検を行う。水シール100と第1オイルシール200との間の第2軸線方向距離は、古いシールを取り除いて新たなシールを設置することを可能にするのに必要な距離である。水シール100は1つのシールリング110及び120として取り外され、第2シールリング120から一度に取り外される。第2シールリング120内の締結ボルトが開けられ、第2シールリング120は、第2シールリング120を取り外すことができる、水シール100と第1オイルシール200との間の空間へと軸線方向X−Xに引っ張られる。同じ手順が第1シールリング110に対しても行われる。同様の手法で第1オイルシール200を取り外すことができる。新たな水シール100及び新たな第1オイルシール200の設置が逆の順序で行われる。
加圧された中間区画300の使用が、簡素且つ商用の任意の種類の水シール100の使用を可能にする。水シール100は図示のようなリップシール又は端面シールであってもよい。また、第1オイルシールも図示のようなリップシール又は端面シールであってもよい。
図7は、図6の封止構造及び制御システムの基本構成を示す。
この図は、2つのシールリング110及び120と、シールリング110及び120の間に配置されたシールチャンバ115とをもつ水シール100を示す。シールリング110及び120は、プロペラシャフト31の上に配置された第1ライナー33に作用する。水シール100は、海水SWのみによって潤滑及び冷却される。水シール100内のシールチャンバ115内で海水SWを回転させるのに簡易且つ機械的なサーキュレータが使用できる。また、水シール100内のシールチャンバ115内における圧力を測定する第1圧力センサ91もある。
水シール100内のシールチャンバ115内における圧力は、シャフトのレベルX−Xにおける海水圧と同じである。空気圧は、第1バルブ94が設けられた第1パイプ93によって空気圧システム500から中間区画300へと導かれる。中間区画300内の空気圧は、空気圧システム500によって、水シール100のシールチャンバ115内で作用する海水圧を例えば0.1バール下回る一定のレベルに保たれる。これは、水シール100内の第2シールリング120にかかるのに適した圧力差を保つことができることを意味する。空気圧システム500の制御部510が、入力信号として、第1圧力センサ91によって測定された水シール100内のシールチャンバ115の圧力、及び第2圧力センサ92によって測定された中間区画300内の圧力を受信する。制御部510は、空気生成部520を制御することで、中間区画300内に、第1圧力センサ91によって測定された水シール100内のシールチャンバ115内の空気圧に基づく所望の空気圧を生成する。こうして、水シール100内の第2シールリング120にかかる圧力差は、例えば0.1バールのレベルに一定に保たれる。これは、水シール100内の第2シールリング120が極めて良好に作用する状態となることに寄与するだろう。
また、この図は、2つのシールリング210及び220と、シールリング210及び220の間に配置されたシールチャンバ215とをもつ第1オイルシール200も示す。シールリング210及び220は、プロペラシャフト31の上に配置された第2ライナー34に作用する。第1オイルシール200は、潤滑オイルタンク70から循環している潤滑オイルによって潤滑される。潤滑オイルは、シールチャンバ215を通って循環される。潤滑オイルタンク70に続く充填パイプ71がある。第1オイルシール200は、潤滑オイルがベアリング41から漏出するのを防止する。一方、第1オイルシール200は、中間区画300が浸水した緊急事態にも、ベアリング41の内部に海水が浸入するのを防止する。
第1オイルシール200内のシールチャンバ215は、軸線X−Xと潤滑オイルタンク70との間の高低差H2によって起こる静水圧によって加圧される。シールチャンバ215内でオイルを循環させるのに簡易且つ機械的なオイルサーキュレータが使用できる。オイルタンク70は、ストラット21の下部23における第1電気モータ30を冷却するのに使用される冷却空気の温度にまで冷却される。ベアリング41に最も近い封止用リング210は、ベアリング41内での潤滑オイルの循環によって冷却される。空気圧制御システム500内で生成された空気圧は、更に、第2バルブ96が設けられた第2パイプ95によって潤滑オイルタンク70に導かれる。これは、第1オイルシール200内のシールチャンバ215に作用する圧力が、空気圧システム500によって生成された空気圧が加わる潤滑オイルタンク70と軸線X−Xとの間の高低差H2によって起こる静水圧であることを意味する。中間区画300内の空気圧は、シャフトのレベルX−Xにおける海水圧を0.1バール下回る。つまり、シールチャンバ215内の圧力は、高さH2によって起こる静水圧が加わり、シャフトのレベルX−Xにおける海水圧を0.1バール下回る。高さH2は例えば1メートルであってもよく、これは、対応する静水圧が0.1バールとなりうることを意味する。こうして、シールチャンバ215内の圧力はシャフトのレベルX−Xにおける海水圧に対応しうる。また、こうして、第1オイルシール200内の第2シールリング220にかかる圧力差は0.1バールとなりうる。更に、バルブ80を介して第1オイルシール200内のシールチャンバ215に接続された排水管81がある。
図8は、本発明の他の実施例に係るプロペラシャフト用の封止構造及び制御システムの断面を示す。この実施例を図7に示す実施例と比較すると水シール100のみに違いがある。水シール100は、この実施例では端面式シール150に基づく。シャフト31には円筒形状の締結部材35が設けられ、端面式シール150はその締結部材35に取り付けられる。水シール150の鉛直面が、第1鉛直壁部26内に配置される鉛直ライナー36に対して作用する。この端面式シール150は、締結部材35に取り付けられた円筒形状部152と、ライナー36に作用する円形状部151とから形成される。鉛直ライナー36に対して作用する円形状部151には、封止を形成するリップが設けられてもよい(不図示)。様々な種類の端面式シール150があるが、鉛直ライナー36に対して作用するリップを設けることが可能な円形状部151は、端面式シール150にとって一般的な特徴である。第1圧力センサ91は、円形状部151内のリップの間にある小さな水シールチャンバからか、或いは第1端壁部26の外側に作用する海水から直接的に、軸線X−Xにおける海水圧を測定してもよい。封止構造と制御システムとは、図7に示す他の点において対応している。中間区画300内の空気圧は、端面式シール150の円形状部のリップを鉛直ライナー36に対して押し付けるように端面式シール150に作用する。
この封止構造によって、緊急事態におけるシールの交換を先送りにすることが可能となる。水シール100内のシールリング120が損傷すると中間区画300の内部全体が浸水する事態となりうる。推進器20は、そのような事態においても、水シール100内のシールリング120を港で交換できるまで依然としてフルパワーで動作することができる。ベアリング41の内部への海水の浸入を取り除くように、オイルシール200内の2つのシールリング210及び220の間にあるシールチャンバ215を、海水圧を超えるように手動的に加圧してもよい。これは、第1バルブ94を閉じ且つ第2バルブ96を開けっ放しにすることで行うことができる。第2圧力センサ92によって測定される、浸水した中間区画300内の圧力よりも高い圧力を有する加圧された空気を潤滑オイルタンク70の内部に導くことができる。こうして、第1オイルシール200内のシールチャンバ215における圧力が、浸水した中間区画300内の圧力よりも高くなり、第1オイルシール200内のシールチャンバ215の内部に海水が浸入するのを防止する。
船舶の喫水が大体一定の場合には、必ずしも空気圧が空気圧システム500から潤滑オイルタンク70まで繋がる必要はない。そのような場合、潤滑オイルタンク70は、第1オイルシール200内のシールチャンバ215において適切な静水圧を維持するように適切な高さH2に位置付けることができる。第1オイルシール200内のシールチャンバ215における圧力は、オイルがベアリング41から中間区画300へと漏洩するのを防止するように、中間区画300内の圧力よりも高いレベルでなければならない。
なお、第1オイルシール200用の潤滑オイルタンク70がなくても可能となりうる。そのような場合、第1オイルシール200は1つのシールリング210のみを備える。これは、船舶の喫水が小さく且つ一定である場合、すなわち中間区画300内の圧力が小さく且つ安定していることを意味する場合に可能となりうる。
また、端面式シールを第1オイルシール200として使用することも可能となりうる。しかしながら、リップ式シールの方が第1オイルシール200として使用するのに適している。
図6に示す緊急用シール105は、封止構造における任意の特徴である。緊急用シール105は、水シール100を交換する状況において空気で膨張させることができる。緊急用シール105は、水シール100を交換するときに船舶の内部に水が浸入するのを防止する。緊急用シール105が使用されない場合、水シール100を交換するときにプロペラ32と第1鉛直壁部26との間に一時的な膨張可能シールを設置するダイバーが必要になる。
当然ながら、緊急用シール105は図8に示す本発明の実施例にも使用することができる。
中間区画300は閉鎖された気密な区画である。中間区画300の空気は、水シール100及び第1オイルシール200を通ることでしか漏出しえない。そのため、点検用開口部29は、閉鎖時に気密となるように封止されなければならない。当然ながら、鉛直な第2壁部27にその周囲方向に沿って幾つかの点検用開口部29があってもよい。
図1に示す、ストラット21の下部23の第2端部23Bにおける開口部1は、推進器20本体の内部に形成される。推進器20本体はストラット21によって形成される。
中間区画300には有利には空気が充填されるが、空気の代わりに他の任意の気体が中間区画300内で使用されてもよい。封止構造の周りに使用可能な空気があることから、空気の使用は有利である。空気を使用するための費用は低いが、他の気体を使用すると費用が上がりうる。
本発明に係る封止構造は、図1に示す推進器に限定されない。当然ながら、封止構造は、例えばストラット21の上部22や、むしろ船舶10のハル11の内部に駆動モータ30が配置された推進器においても用いることができる。そのような場合、推進器20は、駆動モータから延在するか或いは駆動モータを通ってプロペラシャフト31まで降りる鉛直な駆動シャフトを備えてもよい。鉛直な駆動シャフトはピニオン構造によってプロペラシャフト31に接続することができる。また、封止構造は、外部に推進器がない船舶10にも用いることができる。そして、推進装置は、船舶10のハル11の内部から、船舶10のハル11の船尾における開口部O1を通って海水へと延出するプロペラシャフトを備えてもよい。そのような場合、推進装置内の駆動モータ30は、船舶10のハル11内に配置される。駆動モータ30は、電気モータの代わりに燃焼エンジンであってもよい。そのような場合、封止構造は船舶10のハル11における開口部O1と接続するように配置される。ベアリング41は開口部O1の近くに配置される。船舶10のハル11内の封止構造は、図2に示す封止構造と対応するようになってもよい。
本発明及びその実施例は上述の例示に限定されず、請求項の範囲内で多様化してもよい。

Claims (19)

  1. 少なくとも1つのベアリング(41)によって回転可能に支持されているプロペラシャフト(31)と、
    前記プロペラシャフト(31)を海水に対して封止するために、前記プロペラシャフト(31)上に配置された水シール(100)と、
    前記ベアリング(41)からのオイルに対して封止するために、前記水シール(100)から軸線方向(X−X)の距離(A2)で離間され、前記ベアリング(41)と隣接して前記プロペラシャフト(31)上に配置された第1オイルシール(200)と、
    前記水シール(100)と前記第1オイルシール(200)との間に延在する中間区画(300)と、
    前記プロペラシャフト(31)に作用する前記海水の圧力を測定する第1圧力センサ(91)と、
    を備える船舶(10)用の封止構造であって、
    前記封止構造が、
    気体で充填された前記中間区画(300)内の圧力を測定する第2圧力センサ(92)と、
    前記中間区画(300)内の前記気体に対する圧力を生成する圧力システム(500)と
    を更に備え、
    前記中間区画(300)内の前記気体の圧力は、前記プロペラシャフト(31)に作用する前記海水の圧力と比較して低いレベルに保持されている
    ことを特徴とする封止構造。
  2. 前記中間区画(300)内の前記気体が空気であることを特徴とする、請求項1に記載の封止構造。
  3. 前記水シール(100)及び前記第1オイルシール(200)が、前記中間区画(300)内に含まれていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の封止構造。
  4. 前記中間区画(300)の内周は、前記水シール(100)、前記第1オイルシール(200)、及び、前記水シール(100)と前記第1オイルシール(200)との間にある前記プロペラシャフト(31)の外周によって形成されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の封止構造。
  5. 前記中間区画(300)が、前記水シール(200)における第1の径方向延在壁部(26)及び前記ベアリング(41)における第2の径方向延在壁部(27)によって、更に径方向に区画されていることを特徴とする、請求項4に記載の封止構造。
  6. 前記中間区画(300)の外周は、前記第1の径方向延在壁部(26)と前記第2の径方向延在壁部(27)との間で前記軸線方向(X−X)に延在する外壁部によって区画されていることを特徴とする、請求項4又は5に記載の封止構造。
  7. 前記水シール(100)が、2つのシールリング(110,120)と、前記2つのシールリング(110,120)の間にあるシールチャンバ(115)とが設けられたリップ式シールであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の封止構造。
  8. 前記第1圧力センサ(91)が、前記水シール(100)の前記シールチャンバ(115)内の圧力を測定することを特徴とする、請求項7に記載の封止構造。
  9. 前記水シール(100)の前記シールチャンバ(115)が、海水(SW)潤滑を備えることを特徴とする、請求項7又は8に記載の封止構造。
  10. 前記水シール(100)が、鉛直ライナー(36)上に前記軸線方向(X−X)に作用するシールリップを備える第1リング状部(151)が設けられた端面式シール(150)であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の封止構造。
  11. 前記第1オイルシール(200)が、2つのシールリング(210,220)と、前記2つのシールリング(210,220)の間にあるシールチャンバ(215)とが設けられたリップ式シールであることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の封止構造。
  12. 前記第1オイルシール(200)の前記シールチャンバ(215)が、前記第1オイルシール(200)内の前記シールチャンバ(215)に潤滑オイルを供給するために、前記第1オイルシール(200)の上方に鉛直な距離(H2)で離間して配置されている潤滑オイルタンク(70)に接続されていることを特徴とする、請求項11に記載の封止構造。
  13. 前記圧力システム(500)が、前記オイルタンク(70)を加圧するために、前記オイルタンク(70)に接続されていることを特徴とする、請求項12に記載の封止構造。
  14. 前記圧力システム(500)が、第1バルブ(94)を介して前記中間区画(300)に接続されていることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載の封止構造。
  15. 前記圧力システム(500)が、前記オイルタンク(70)を加圧するために、第2バルブ(96)を介して前記オイルタンク(70)に接続されていることを特徴とする、請求項12〜14のいずれか一項に記載の封止構造。
  16. 前記中間区画(300)の容積が、500〜3000リットルの範囲内であることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一項に記載の封止構造。
  17. 請求項1〜16のいずれか一項に記載の封止構造を備える推進器(20)であって、
    前記推進器(20)が、上部(22)と下部(23)とを有するストラット(21)を備え、前記ストラット(21)の前記上部(22)を介して船舶(10)に回転可能に取り付けられ、
    前記プロペラシャフト(31)は、前記少なくとも1つのベアリング(41)を有する前記ストラット(21)の前記下部(23)内で回転可能に支持され、
    前記プロペラシャフト(31)は、前記ストラット(21)の前記下部(23)において開口部(O1)を通って前記推進器(20)の外部に延在し、
    前記水シール(100)は、前記開口部(O1)に配置されている
    ことを特徴とする推進器(20)。
  18. 請求項1〜16のいずれか一項に記載の封止構造を備える船舶(10)であって、
    前記プロペラシャフト(31)は、前記少なくとも1つのベアリング(41)を有する前記船舶(10)のハル内で回転可能に支持され、
    前記プロペラシャフト(31)は、前記船舶の前記ハルにおける開口部(O1)を通って前記船舶の外部に延在し、
    前記水シール(100)は、前記開口部(O1)に配置されている
    ことを特徴とする船舶。
  19. 封止構造によって船舶(10)のプロペラシャフト(31)を封止する方法であって、
    前記封止構造は、
    少なくとも1つのベアリング(41)によって回転可能に支持されているプロペラシャフト(31)と、
    前記プロペラシャフト(31)を海水に対して封止するために、前記プロペラシャフト(31)の上に配置された水シール(100)と、
    前記ベアリング(41)からのオイルに対して封止するために、前記水シール(100)から軸線方向(X−X)の距離(A2)で離間され、前記ベアリング(41)と隣接して前記プロペラシャフト(31)上に配置された第1オイルシール(200)と、
    前記水シール(100)と前記第1オイルシール(200)との間に延在する中間区画(300)と、
    前記プロペラシャフト(31)に作用する前記海水の圧力を測定する第1圧力センサ(91)と、
    気体で充填された前記中間区画(300)内の圧力を測定する第2圧力センサ(92)と、
    前記中間区画(300)内の前記気体に対する圧力を生成する圧力システム(500)と
    を備え、
    前記第1圧力センサ(91)によって前記プロペラシャフト(31)に作用する前記海水の圧力を測定するステップと、
    前記第2圧力センサ(91)によって前記中間区画(300)内の前記気体の圧力を測定するステップと、
    前記中間区画(300)内の前記気体の圧力を、前記プロペラシャフト(31)に作用する前記海水の圧力と比較して低いレベルに保持するステップと
    を含む方法。
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