JPH08285089A - 船尾管シール装置の圧力調整法 - Google Patents

船尾管シール装置の圧力調整法

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JPH08285089A
JPH08285089A JP8086676A JP8667696A JPH08285089A JP H08285089 A JPH08285089 A JP H08285089A JP 8086676 A JP8086676 A JP 8086676A JP 8667696 A JP8667696 A JP 8667696A JP H08285089 A JPH08285089 A JP H08285089A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 船尾管シール装置の空気チャンバーにおい
て、空気チャンバー用エアリレーの出力圧を調整してシ
ールリングの位置における喫水圧を求め、この圧力を再
度調整することにより、空気チャンバーを形成する各シ
ールリングに加わる差圧を調整する圧力調整法を提供す
る。 【解決手段】 海水を密封するシールリング4とこれと
隣り合うシールリング5により空気チャンバー7を形成
する船尾管シール装置において、軽荷喫水線以下に喫水
圧力検出部を取り付けて、海水圧力を喫水計15などに
より空気背圧として検出し、これを空気チャンバー用エ
アリレー16のパイロット圧としたエアリレーの出力圧
を空気流量計9を通して空気チャンバー7に入れ、シー
ルリップから海水側へ吹き出す状態及び吹き出しが止む
状態などに当該エアリレー16の出力圧を調整すること
により得られる船尾管シール装置取り付け位置の喫水圧
力などを基準として、当該エアリレー16の出力圧を再
度調整することにより空気チャンバー7の圧力を調整す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、船尾管シール装置に関
するものであり、更に詳しくは空気チャンバーを形成す
る船外側のリップ型シールリングのシールリップから空
気を海水側へ吹き出す状態及び吹き出しが止む状態など
に空気チャンバー用エアリレーの出力圧を調整すること
により得られる空気チャンバーの圧力を、再度、調整す
ることにより空気チャンバーを形成する各シールリング
に加わる差圧を調整する圧力調整法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、最後部にリップ型シールリングを
船外側に向けて配列することなどにより、空気チャンバ
ーを形成する船尾管シール装置における該チャンバーの
圧力調整法として、空気圧力調整器による方法と定流量
式圧力制御ユニットによる方法とがあるのは、周知の事
実である。
【0003】空気圧力調整器による方法としては、例え
ば図2に示すシャフト1に遊嵌するケーシング3内に、
ライナー2に摺接するリップ型シールリング4,5によ
り形成されるチャンバー内にセグメントシール22を配
して空気チャンバー7を形成する船尾管シール装置にお
いて、空気圧力調整器20を手動調整して積み荷により
変化する喫水に合わせてシャフト1付近の海水圧力より
約0.3kgf/cm 2 以上高くした加圧空気を空気配
管11を介して入れることにより、該チャンバー7内の
空気が海水側に吹き出しているものなどが公知である。
【0004】又、定流量式圧力制御ユニットによる方法
としては、図3に示すシャフト1に遊嵌するケーシング
3内に、ライナー2に摺接するリップ型シールリング
4,5により形成される空気チャンバー7に定流量式圧
力制御ユニット18から加圧空気を空気配管11を介し
て入れることにより、喫水の変化に拘らずシールリング
4のシールリップからシャフト1付近の海水圧より定差
圧高い該チャンバー7の空気が常時、海水側へ吹き出し
ているものも公知である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする問題
点として、従来、積み荷により変化する喫水に合わせて
空気圧力調整器20を手動調整して、シャフト1付近の
海水圧力より高い加圧空気を空気配管11を介して入れ
ることにより空気チャンバー7内の空気が海水側に吹き
出す該チャンバー7の圧力調整法では、喫水圧力の変化
に対して空気圧力調整器20を自動的に調整することが
出来ない。又、限定漏洩型シールリングであるセグメン
トシール22がある場合、ライナー2、ケーシング3と
の接触隙間の変化により船内への漏洩空気量に変動が発
生するため、該チャンバー7の圧力が変化する。空気圧
力調整器20により該チャンバー7内の空気が海水側に
吹き出さない状態に調整することも可能であるが、空気
チャンバー7を形成する海水側シールリング4の負荷を
少なくするため積み荷が変化する度に計測した船尾の喫
水を参考に、どのような状況下でも空気チャンバー7の
圧力が船尾の喫水相当圧力より約0.3kgf/cm2
以上高くなるように空気圧力調整器20を手動調整し、
該チャンバー7の空気が海水側に吹き出す状態とする必
要があった。
【0006】又、空気圧力調整器20を空気圧により喫
水変化に合わせて自動調整する場合には、海水側のシー
ルリング4に加わる海水圧力を検出するために船尾管内
などを通してシールリング4付近に喫水検出用空気配管
を設け、圧力検出装置及び該圧力調整器20用パイロッ
ト圧作動装置などを取り付けることなどが必要であっ
た。喫水を圧力センサーにより検出する場合には、船内
の軽荷喫水線以下に圧力センサーを取り付けることによ
り喫水検出が可能となるが、新たに空圧変換器などが必
要であった。
【0007】定流量式圧力制御ユニット18から空気チ
ャンバー7に入れた加圧空気を、シールリング4から常
時、海水側へ吹き出している圧力調整法では、空気チャ
ンバー7の圧力が定流量式圧力制御ユニット18によ
り、喫水の変化に拘らずシャフト1付近の海水圧力より
も常に一定量高くなるため、シールリング4の位置にお
ける喫水に対して該チャンバー7の圧力の大きさを海水
圧力より高く又は低くする調整が出来なかった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解決するためになされたもので、本発明によれば、シャ
フトに遊嵌するケーシング内に、ライナーに摺接するリ
ップ型シールリングを船外側から船内側に順次配置し、
海水を密封するシールリングのシールリップを船外側
に、該シールリングと隣り合うシールリングのシールリ
ップを船内側又は船外側に向けたシールリングにより空
気チャンバーを形成する船尾管シール装置において、軽
荷喫水線以下の海水圧力を喫水計などにより空気背圧と
して検出し該空気背圧を空気チャンバー用エアリレーの
パイロット圧とした該エアリレーの出力圧を空気流量計
を通して空気チャンバーに入れ、空気が海水を密封する
シールリングのシールリップから海水側へ吹き出す。こ
の時の吹き出し圧力は、吹き出し位置における喫水圧力
にシールリングのガータースプリングによる緊迫力及び
ゴム自身の締め代による緊迫力に打ち勝つ圧力を加えた
圧力となる。
【0009】この吹き出し状態から、空気流量計がゼロ
を示す吹き出しが止む状態に調整することにより得られ
る海水を密封するシールリング位置における喫水圧力及
び上述の吹き出し圧力などを基準として、該エアリレー
の出力圧を再度調整することにより空気チャンバーの圧
力を調整する圧力調整法を得ることを目的とする。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1に従って具体的
に説明する。図1において、シャフト1に遊嵌するケー
シング3内には、ライナー2に摺接するリップ型シール
リング4〜6が船外側から船内側に順次配置され、海水
を密封するシールリング4のシールリップを船外側に、
該シールリング4と隣り合うシールリング5のシールリ
ップを船内側に向けて空気チャンバー7が、該シールリ
ング5と隣接するシールリング6のシールリップを船内
側又は船外側に向けて油チャンバー8が形成されてい
る。
【0011】軽荷喫水線以下であれば、シャフト1付近
に限定されない船外の取り付け位置とすることが出来る
喫水計測用配管14の管端を通して、供給空気を空気式
喫水計15から船外に放出することにより検出される管
端位置における喫水相当圧力に等しい空気背圧をパイロ
ット圧として、空気チャンバー用エアリレー16を作動
させ、該エアリレー16の出力圧が空気配管11を介し
て空気チャンバー7に加えられている。尚、該エアリレ
ー16はパイロット圧を一定量、内部設定で増減出来る
特性を有するので、喫水の変化に対して出力圧が連動す
る。
【0012】又、該エアリレー16のパイロット圧又は
出力圧を油タンク用エアリレー17のパイロット圧とす
る該エアリレー17の出力圧が油チャンバー8に連通す
る油タンク10に加えられている。尚、該エアリレー1
7の出力圧は通常、該エアリレー16の出力圧より高く
調整されている。このような構成において、喫水計測用
配管14の船外への取り付け位置における海水圧力を空
気式喫水計15により空気背圧として検出し、該空気背
圧を空気チャンバー用エアリレー16のパイロット圧と
した該エアリレー16の出力圧を該エアリレー16の入
力側に取り付けた空気流量計9を通して空気チャンバー
7に入れる。空気を海水を密封するシールリング4のシ
ールリップから海水側へ吹き出すように該エアリレー1
6の出力圧を調整することにより、シャフト1付近の喫
水圧力に近い圧力を計測する。この吹き出し圧力は、吹
き出し位置における喫水圧力にシールリング4のガータ
ースプリング21による緊迫力及びゴム自身の締め代に
よる緊迫力に打ち勝つ圧力を加えた圧力より僅かに高く
なる。吹き出し圧力から空気流量計9がゼロを示す吹き
出しが止む状態に空気チャンバー用エアリレー16を調
整することにより、海水を密封するシールリング4の位
置における正確な喫水圧力が得られる。
【0013】従って、吹き出し圧力及び吹き出しが止む
圧力などを基準にして該エアリレー16を再度調整する
ことにより、シールリング4に加わる海水圧力に対して
空気チャンバー7の圧力を自動的に、高く又は低く調整
することが出来るため、喫水の変化に拘らず該シールリ
ング4に加わる差圧を常時、任意の一定値に制御するこ
とが出来る。
【0014】尚、上述の実施例は該エアリレー17によ
り圧力が制御される油タンク10(加圧タンク)の場合
について述べたが、油チャンバー8の圧力が重力タンク
などにより常に該エアリレー16の出力圧より高く調整
されている場合でも良い。又海水又は清水を密封する空
気チャンバーが複数個ある場合でも、各空気チャンバー
の圧力を制御するエアリレーを調整することにより、一
個の場合と同様、各空気チャンバーを構成する各シール
リングに加わる差圧を常に任意の一定値に制御すること
が出来る。更に、各シールリングに加わる差圧が一定で
船内への空気漏洩による空気チャンバー7の圧力変化が
起こらないので、該チャンバー7の圧力を常に船尾の喫
水相当圧力より高くして、空気を海水側に吹き出す必要
がない。
【0015】
【発明の効果】本発明による船尾管シール装置の圧力調
整法では、喫水計測用配管端などの取り付け位置が船内
の軽荷喫水線以下であれば、海水を密封するシールリン
グに加わる海水圧力を空気チャンバー用エアリレーの出
力圧を調整することにより、シャフト付近でない場合で
もシールリングから空気が吹き出す圧力及び吹き出しが
止む圧力などにより正確に得ることが出来るので、これ
らの圧力を基準として空気チャンバー用エアリレーの特
性を利用することにより、海水圧力の変化に対応して空
気チャンバーの圧力を自動的に高く又は低く調整するこ
とが出来る。
【0016】従って、喫水の変化に拘らず該シールリン
グに加わる差圧を常時、任意の一定値に制御することが
出来る。又、限定漏洩型シールリングであるセグメント
シールなどがないため船内への空気漏洩による空気チャ
ンバーの圧力変化が起こらないので、該チャンバーの圧
力を船尾の喫水相当圧力より常に高くして、空気を海水
側に吹き出す必要がない。
【0017】尚、本発明の船尾管シール装置における空
気チャンバーの圧力調整法は、船尾管シール装置と同様
な使い方をする陸上用シール装置などにも適用出来る。
又、セグメントシールなどがある場合でも、空気チャン
バーから船内に通じる配管を絞るか閉じれば、リップ型
シールリングのみによる空気チャンバーと考えることが
出来るので、本発明の圧力調整法が適用出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧力調整法の一実施例を示す船尾管シ
ール装置の概略図である。
【図2】本発明の圧力調整法を使用しない従来の船尾管
シール装置の概略図である。
【図3】本発明の圧力調整法を使用しない従来の船尾管
シール装置の概略図である。
【符号の説明】
1 シャフト 2 ライナー 3 ケーシング 4,5,6 シールリング 7 空気チャンバー 8 油チャンバー 9 空気流量計 10 油タンク 11 空気配管 12 ドレン配管 13 油配管 14 喫水計測用配管 15 空気式喫水計 16 空気チャンバー用エアリレー 17 油タンク用エアリレー 18 定流量式圧力制御ユニット 19 ニードル弁 20 空気圧力調整器 21 ガータースプリング 22 セグメントシール

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャフトに遊嵌するケーシング内に、シ
    ャフト側に摺接するリップ型シールリングを船外側から
    船内側に順次配置し、海水を密封するシールリングのシ
    ールリップを船外側に、該シールリングと隣り合うシー
    ルリングのシールリップを船内側又は船外側に向けたシ
    ールリングにより空気チャンバーを形成する船尾管シー
    ル装置において、軽荷喫水線以下に喫水圧力検出部を取
    り付けて該検出部における海水圧力を喫水計などにより
    空気背圧として検出し、該空気背圧を空気チャンバー用
    エアリレーのパイロット圧とした該エアリレーの出力圧
    を該エアリレーの入力側又は出力側に取り付けた空気流
    量計を通して空気チャンバーに入れ、空気を海水を密封
    するシールリングのシールリップから海水側へ吹き出す
    状態及び吹き出しが止む状態などに該エアリレーの出力
    圧を調整することにより得られる船尾管シール装置取り
    付け位置の喫水圧力などを基準として、該エアリレーの
    出力圧を再度調整することにより空気チャンバーの圧力
    を調整する圧力調整法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101151640B1 (ko) * 2010-08-11 2012-06-11 주식회사 화승알앤에이 선미관 시일 장치의 압력 조절 장치
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CN110094506A (zh) * 2019-05-20 2019-08-06 常州市科协减速机制造有限公司 压力进气式高密封轴面连接结构
KR20210040157A (ko) * 2018-11-20 2021-04-12 바르질라 재팬 가부시키가이샤 드래프트 미터 및 선박

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