JP2018202648A - 廃液収容体及び液体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】上部に位置する廃液導入部に付着した廃液が垂れても下方に位置する収容体側接続端子まで到達することを抑制可能とした廃液収容体及びそのような廃液収容体が着脱可能に装着される液体噴射装置を提供する。【解決手段】廃液を排出する排出部よりも下方に位置する装置側接続端子33を有する装着部30に対して着脱可能に装着される廃液収容体29は、装着部への装着状態で、排出部から排出された廃液を導入可能とする廃液導入部44が上部に設けられた第1収容部41と、第1収容部の鉛直方向下側に設けられ、第1収容部と連通する第2収容部42と、装着部への装着状態で、装置側接続端子に対して電気的に接続される収容体側接続端子と、を備え、上方からの平面視において、第2収容部は第1収容部よりも大きく形成され、収容体側接続端子は、第2収容部において、第1収容部とは鉛直方向で重ならない位置に配置される。【選択図】図4

Description

本発明は、廃液収容体及び液体噴射装置に関する。
液体噴射ヘッドから媒体に液体を噴射することで印刷を行う液体噴射装置として、液体噴射ヘッドから排出された廃液を収容するための廃液収容体を着脱可能とした装着部を有する液体噴射装置がある。こうした液体噴射装置の装着部には、液体噴射ヘッドからの廃液を排出する排出部と、廃液収容体に設けられた収容体側接続端子に対して電気的に接続可能な装置側接続端子とが設けられている。一方、廃液収容体には、装着部への装着状態で、排出部から排出された廃液を導入可能とする廃液導入部と、装置側接続端子に対して電気的に接続される収容体側接続端子とが設けられている(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−196799号公報
ところで、廃液収容体における廃液導入部と収容体側接続端子とは、廃液導入部が廃液収容体の上部に位置する一方、収容体側接続端子は廃液収容体の側面で廃液導入部よりも下方となる位置に設けられている。そのため、装着部の排出部から排出された廃液が廃液収容体における廃液導入部の周りに付着した場合には、その付着した廃液が下方に垂れたときに収容体側接続端子まで到達する可能性があった。
本発明の目的は、上部に位置する廃液導入部に付着した廃液が垂れても下方に位置する収容体側接続端子まで到達することを抑制可能とした廃液収容体及びそのような廃液収容体が着脱可能に装着される液体噴射装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する廃液収容体は、液体噴射ヘッドからの廃液を排出する排出部及び前記排出部よりも下方に位置する装置側接続端子を有する装着部に対して着脱可能に装着される廃液収容体であって、前記装着部への装着状態で、前記排出部から排出された前記廃液を導入可能とする廃液導入部が上部に設けられた第1収容部と、前記第1収容部の鉛直方向下側に設けられ、前記第1収容部と連通する第2収容部と、前記装着部への装着状態で、前記装置側接続端子に対して電気的に接続される収容体側接続端子と、を備え、上方からの平面視において、前記第2収容部は前記第1収容部よりも大きく形成され、前記収容体側接続端子は、前記第2収容部において、前記第1収容部とは前記鉛直方向で重ならない位置に配置される。
この構成によれば、装着部の排出部から排出された廃液が廃液収容体において上部に位置する廃液導入部の周りに付着し、その付着した廃液が下方に垂れた場合でも下方に位置する収容体側接続端子まで到達することを抑制できる。
上記廃液収容体において、前記廃液導入部は、前記第1収容部の上面に設けられ、前記収容体側接続端子は、前記第2収容部の側面に設けられている。
この構成によれば、廃液導入部の周りに付着した廃液が垂れたときに収容体側接続端子に回り込むことを抑制できる。
上記廃液収容体において、前記第2収容部は、鉛直方向において前記収容体側接続端子と隣り合う位置に収容体側係合部を有し、前記収容体側接続端子が前記装置側接続端子に対して電気的に接続された状態で、前記収容体側係合部は前記装着部に設けられた装置側係合部に対して係合する。
この構成によれば、収容体側接続端子の近くで収容体側係合部が装置側係合部に対して係合するため、収容体側接続端子を装置側接続端子に対して正しく接続させることができる。
上記廃液収容体において、前記第1収容部は、前記装着部に対する装着方向と交差する方向において前記廃液導入部を挟む位置に一対の収容体側位置合わせ部が設けられ、前記収容体側位置合わせ部は、前記装着部を前記装着方向から見た場合に前記排出部を挟む位置に設けられる装置側位置合わせ部に対して、前記装着部に対する装着時に位置合わせされる。
この構成によれば、装着部に廃液収容体を装着するとき、排出部に廃液導入部の位置を合わせられるため、廃液導入部の周りに廃液が付着することを抑制できる。
上記廃液収容体において、前記第1収容部及び前記第2収容部の少なくとも一方は、互いに交差した状態で鉛直方向に延びる2つの面を有し、前記2つの面が交差する交差部には、上方からの平面視において、前記2つの面の交点よりも前記廃液導入部が設けられた側で前記2つの面を繋ぐ繋ぎ面が設けられている。
この構成によれば、繋ぎ面に指先を掛けた場合には、2つの面が交差する交差部を跨ぐようにして廃液収容体を把持できるため、廃液収容体に対して指先で掴める把持部を別途突出するように形成する必要がない。また、そのように把持部を廃液収容体から突出させる場合と比較して、装着部内において廃液収容体自体が占有する容積を大きく確保可能となるため、廃液を多く収容できる。
上記課題を解決する液体噴射装置は、液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドからの廃液を排出する排出部及び前記排出部よりも下方に位置する装置側接続端子を有し、上記構成の廃液収容体が着脱可能に装着される装着部と、を備える。
この構成によれば、液体噴射装置において、装着部に装着された廃液収容体の廃液導入部の周りに付着した廃液が、収容体側接続端子を介して装着部の装置側接続端子まで到達することを抑制できる。
上記課題を解決する別の液体噴射装置は、液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドからの廃液を排出する排出部を有するとともに、前記排出部から排出された前記廃液を収容する廃液収容体が着脱可能に装着される装着部と、前記液体噴射ヘッドを収容するとともに、前記装着部を外部に露出可能とする開口部を有する筐体と、を備え、前記開口部は、前記筐体の外面を構成する面のうち、互いに交差する2つの面に亘って設けられている。
この構成によれば、装着部に対して廃液収容体を着脱する際には、開口部を介して筐体の交差する2つの面に亘って跨るように廃液収容体を把持できるため、廃液収容体の着脱作業を容易にできる。
上記液体噴射装置は、前記開口部に対して着脱可能であって且つ装着された際には前記開口部を覆うカバーを更に備え、前記カバーは、前記開口部に装着された際に、前記筐体における前記2つの面の一部をなす。
この構成によれば、カバーにより開口部を覆った場合には、装着部に装着されている廃液収容体に対して不用意にユーザーが触れることを抑制できるとともに、液体噴射装置の外観を良好に保つことができる。
上記液体噴射装置において、前記カバーは、前記開口部への装着状態において前記筐体における前記2つの面が交差する交差部と対応する部分に、上方からの平面視において、前記2つの面の交点よりも前記開口部の内側で前記2つの面を繋ぐ繋ぎ面が設けられている。
この構成によれば、繋ぎ面に指先を掛けた場合には、2つの面が交差する交差部を跨ぐようにしてカバーを把持できるため、筐体の開口部に対してカバーを着脱し易くできる。
上記液体噴射装置において、前記装着部は、前記2つの面のうち1つの面が位置する側から前記廃液収容体を着脱可能に構成されている。
この構成によれば、装着部に対して廃液収容体を一方向に移動させるだけで着脱が可能となる。
液体噴射装置の外観を示す斜視図。 カバーが取り外された状態の液体噴射装置の斜視図。 カバーの裏面側を示す斜視図。 装着部から廃液収容体を取り外した状態を示す液体噴射装置の部分斜視図。 図4における状態を下方から見た場合の部分斜視図。 廃液収容体の斜め上方からの斜視図。 廃液収容体の斜め下方からの斜視図。
以下、廃液収容体及び同廃液収容体を着脱可能とする装着部を備えた液体噴射装置の一実施形態について図面を参照して説明する。なお、この実施形態における液体噴射装置は、液体の一例であるインクを媒体の一例である用紙に噴射することによって印刷を行うインクジェット式のプリンターで構成されている。また、そのプリンターは、印刷方式が用紙の搬送方向と交差する主走査方向に液体噴射ヘッドを移動させて印刷を行う所謂シリアル方式のプリンターである。
さらに、各図において示すX−Y−Z座標系は次のとおりとする。すなわち、X方向は液体を収容した液体収容体を装着して移動するキャリッジ(移動体)の移動方向(主走査方向)であり、液体噴射装置の幅方向と一致する。また、Y方向は液体噴射装置の奥行方向であり、用紙の搬送方向及び排出方向と一致する。また、Z方向は鉛直方向であり、液体噴射装置の高さ方向と一致する。
そして、Z方向については、装置上方側となる鉛直上方向を+Z方向とし、装置下方側となる鉛直下方向を−Z方向とする。また、Y方向については、図1において実線の白抜き矢印で示すように、装置内から用紙が排出される方向を+Y方向とし、その反対方向を−Y方向とする。そして、X方向については、装置を+Y方向から見た場合の左右方向で、装置の右側となる方向を−X方向とし、装置の左側となる方向を+X方向とする。
図1に示すように、液体噴射装置11は、幅方向であるX方向を長手方向とする直方体状の筐体12を有している。筐体12の内部には、上方である+Z方向が開口した箱形状のキャリッジ13が、印刷時に用紙Pが搬送される搬送領域の上方を、主走査方向となるX方向へ破線白抜き矢印で示されるように往復移動可能に設けられている。キャリッジ13の下部には、搬送領域を搬送される用紙Pに向けてインク(液体)を噴射可能な液体噴射ヘッド14が搭載されている。キャリッジ13の上部には複数(例えば6つ)の液体収容体15が液体噴射ヘッド14に対してインクを供給可能に装着されている。
筐体12は、上方からの平面視において、用紙Pの排出口(図示略)が形成された+Y方向側の面12aと、その面12aを前面としたとき、その反対側で背面となる−Y方向側の面12bと、それら2つの面12a,12bと交差した側面を構成する左右一対の面12c,12dを有している。そして、その左右一対の面12c,12dのうちで筐体12を手前側である+Y方向側から見た場合に右側面となる−X方向側の面12cと背面である−Y方向側の面12bとが互いに交差する交差部16に、その交差部16を−Y方向側及び−X方向側から見た場合において矩形の切欠形状をなす開口部17が形成されている。すなわち、開口部17は、直方体状をなす筐体12の外面を構成する6つの面のうちで、鉛直方向であるZ方向に延びて互いに交差することにより交差部16を形成する2つの面である−Y方向側の面12bと−X方向側の面12cに亘って設けられている。
開口部17には、カバー18が着脱可能に装着されている。このカバー18は、開口部17に装着された際には開口部17を覆うことが可能であって、開口部17に装着された状態で筐体12の−Y方向側の面12bに沿う面18bと、同じく開口部17に装着された状態で筐体12の−X方向側の面12cに沿う面18cとを有している。すなわち、カバー18は、開口部17に装着された際に、その互いに交差する2つの面18b,18cが筐体12において交差部16で互いに交差する2つの面12b,12cの一部をなす。
図1及び図3に示すように、カバー18は、開口部17への装着状態において、筐体12の交差部16で交差する2つの面である−Y方向側の面12bと−X方向側の面12cの交点19よりも開口部17の内側となる位置で、カバー18における−Y方向側の面18bと−X方向側の面18cとを滑らかに繋ぐ繋ぎ面20を有している。すなわち、筐体12の交差部16は上方からの平面視においてR形状をなすように形成されているため、こうした交差部16に形成された開口部17に装着された状態において互いに交差するカバー18の−Y方向側の面18bと−X方向側の面18cの繋ぎ面20も、上方からの平面視ではR形状をなすように形成されている。
図3に示すように、カバー18は、その−Y方向側の面18bの裏側となる+Y方向側の面21に複数(本実施形態では3つ)のX方向に延びるリブ22が形成されている。これら3つのリブ22のうち最も+Z方向側に位置するリブ22の上面には、Y方向への係止機能を有する係止爪23が形成されている。そして、この係止爪23と対応するように、筐体12の開口部17において、カバー18が開口部17に着脱されるときに係止爪23が通過する位置には、弾性変形することで係止爪23と係止可能な係止部24が形成されている。
また、カバー18は、その−X方向側の面18cの裏側となる+X方向側の面25に複数(本実施形態では3つ)のY方向に延びるリブ26が形成されている。これら3つのリブ26のうち+Z方向側に位置する2つのリブ26の+Y方向側の端部にはY方向から見て−Z方向側が開放された逆L字状のガイド爪27が形成されている。また、+X方向側の面25における−Z方向側の端部にも、同様の2つのガイド爪27がY方向に一定の間隔をおいて形成されている。そして、これらのガイド爪27と対応するように、筐体12の開口部17において、カバー18が開口部17に着脱されるときに各ガイド爪27が通過する位置には、個別に対応するガイド爪27をY方向にはガイドしつつX方向にはその移動を規制するように係合するレール状のガイド部28が形成されている。
図4及び図5に示すように、筐体12における開口部17の内側には、廃液を収容可能な廃液収容体29が着脱可能に装着される装着部30が設けられている。この装着部30は、開口部17を介して筐体12の外部に露出可能とされ、開口部17にカバー18が装着されたときには外部から隠蔽される。なお、図4及び図5は開口部17からカバー18が取り外された状態を示している。
図5に示すように、装着部30内の上部には、廃液を−Z方向に向けて排出可能な筒状の排出部31が設けられている。この排出部31には、液体噴射ヘッド14から印刷に用いられずに廃インクとして排出された廃液を受容した図示略のメンテナンス部(例えば、吸引キャップ等)から廃液が導かれるように構成されている。また、装着部30内の上部には、筐体12の外部から開口部17を介して装着部30に廃液収容体29を装着するときの位置合わせに利用可能な装置側位置合わせ部32が形成されている。なお、装置側位置合わせ部32は、装着部30に対する廃液収容体29の装着方向となるX方向から装着部30を見た場合において、排出部31をY方向の両側から挟む位置に、−Z方向側が開放した凹状をなすように切り欠き形成されている。
また、図4に示すように、装着部30内の下部において+Y方向側で且つ+X方向側となる位置には、弾性変形可能な端子金具などを含んで構成された装置側接続端子33が設けられている。この装置側接続端子33は、装着部30内において、排出部31よりも−Z方向となる下方に位置し、筐体12内に設けられた図示略の制御部と電気的に接続されている。また、装着部30内の下部において、鉛直方向であるZ方向において装置側接続端子33とその下側で隣り合う位置には、基端側となる+X方向側の部分がX方向に延びると共に、先端部となる−X方向側の端部が−Y方向側に山折りされた板金片からなる装置側係合部34が設けられている。すなわち、この装置側係合部34は、その自由端となる−X方向側の部分がY方向へ弾性変形可能に構成されている。さらに、装着部30内の下部において、装置側係合部34よりも−Y方向側で装着部30の略中央となる位置には、先端に雌ねじ孔35aを有する筒状の装置側取付部35がX方向に延びるように設けられている。
次に、装着部30に対して着脱可能に装着される廃液収容体29について説明する。
図6及び図7に示すように、廃液収容体29は、上方からの平面視において略矩形状をなしており、その内部には廃液を収容可能な廃液収容室(図示略)を有している。この廃液収容体29は、Z方向において+Z方向側に位置する第1収容部41と、第1収容部41よりも−Z方向側に位置して第1収容部41と内部の廃液収容室が連通する第2収容部42とを有している。また、廃液収容体29は、その+Y方向側及び+X方向側で且つ第2収容部42よりも+Z方向側の部分が上方からの平面視で略L字状をなす段差部43とされている。そのため、この段差部43の存在により、第2収容部42は、上方からの平面視において、第1収容部41よりも大きく形成されている。
図4及び図6に示すように、廃液収容体29において第1収容部41と第2収容部42は、その四方の側面のうち、−Y方向側の面29bと−X方向側の面29cとが共通するものの、+Y方向側の面と+X方向側の面とは共通していない。すなわち、+Y方向側の面は、第1収容部41における+Y方向側の面129aと第2収容部42における+Y方向側の面229aとに分かれ、+X方向側の面は、第1収容部41における+X方向側の面129dと第2収容部42における+X方向側の面229dとに分かれている。そして、段差部43の存在により、第1収容部41における+Y方向側の面129aは第2収容部42における+Y方向側の面229aよりも−Y方向側に位置ずれし、第1収容部41における+X方向側の面129dは第2収容部42における+X方向側の面229dよりも−X方向側に位置ずれしている。
廃液収容体29における第1収容部41の上面には、上方である+Z方向に向けて開口する廃液導入部44が形成されている。この廃液導入部44は、廃液収容体29の内部の廃液収容室に連通しており、廃液収容体29が装着部30に装着された状態では、装着部30内の上部に位置する排出部31とZ方向で位置が重なり、排出部31から排出された廃液を廃液収容室に導入可能とされる。
また、廃液収容体29における第1収容部41の上面には、廃液収容体29が装着部30に装着されるときに、装着部30内の上部に設けられている一対の装置側位置合わせ部32に位置合わせされて挿入される一対の収容体側位置合わせ部45が、X方向に延びるように設けられている。廃液収容体29は、装着部30に装着されるとき、X方向が装着方向とされ、一対の収容体側位置合わせ部45は、その装着方向であるX方向と交差するY方向において廃液導入部44を両側から挟む位置に形成されている。
また、図6及び図7に示すように、廃液収容体29における第2収容部42の一側面である+Y方向側の面229aには、廃液収容体29が装着部30に装着されるときに、装着部30内の装置側接続端子33に接触して電気的に接続される収容体側接続端子46が設けられている。収容体側接続端子46は、廃液収容体29において、上面に廃液導入部44が設けられた第1収容部41の+Y方向側の面129aよりも外側となる+Y方向側に位置がずれた第2収容部42の+Y方向側の面229aに設けられている。そのため、収容体側接続端子46は、上方からの平面視したときに鉛直方向であるZ方向において第1収容部41とは重ならない位置に配置されている。
また、図6及び図7に示すように、第2収容部42の+Y方向側の面229aにおいてZ方向で収容体側接続端子46と下側で隣り合う位置には、廃液収容体29が装着部30に装着されたときに装置側係合部34と係合する収容体側係合部47が設けられている。この収容体側係合部47は、装着部30に対する廃液収容体29の装着方向で前側となる+X方向側の部分がX方向に延びるガイド面とされ、その装着方向で後側となる−X方向側の部分が+Y方向側に上り勾配をなした後に−Y方向側に谷形状をなすように形成されている。すなわち、装置側係合部34において−Y方向側に山折りされた先端部がY方向に弾性変形を伴ってX方向への移動を規制しつつ係合するように構成されている。
さらに、廃液収容体29における第2収容部42の下面には、廃液収容体29が装着部30に装着されたときに装置側取付部35を挿入可能とする断面半円形状の溝部48が、X方向に延びるように形成されている。図5に示すように、溝部48において、装着部30に対する廃液収容体29の装着方向で後側となる−X方向側の端部には、貫通孔53aを有する壁状の収容体側取付部53が形成されている。すなわち、溝部48に筒状の装置側取付部35が挿入された状態において、収容体側取付部53の貫通孔53aに挿通したねじ部材(図示略)を装置側取付部35の先端の雌ねじ孔35aに螺合させることで、廃液収容体29は装着部30に固定される。
図2、図4及び図5に示すように、廃液収容体29は、装着部30に装着されたときに開口部17を介して外部に露出する面である−Y方向側の面29bと−X方向側の面29cとの交差部54が、上方からの平面視においてR形状をなすように形成されている。すなわち、廃液収容体29の−Y方向側の面29bと−X方向側の面29cとが交差する交差部54には、上方からの平面視において、−Y方向側の面29bと−X方向側の面29cとの交点49よりも内側となる廃液導入部44が設けられた側で−Y方向側の面29bと−X方向側の面29cとを滑らかに繋ぐ繋ぎ面50が設けられている。
また、廃液収容体29における−Y方向側の面29bには、第1収容部41における+X方向側の面129dと繋ぎ面50とに亘って延びる凹部51が形成されている。そのため、図4に示すように、ユーザーは、廃液収容体29を装着部30に装着するとき、廃液収容体29における凹部51と段差部43に指先52をかけることで、廃液収容体29を容易に把持可能とされる。
次に、上記のように構成された廃液収容体29及び液体噴射装置11の作用について、液体噴射装置11が有する装着部30に対して廃液収容体29を着脱する場合に着目して説明する。
筐体12の装着部30に廃液収容体29を装着するときには、まず、筐体12の開口部17からカバー18が取り外される。このとき、カバー18は、−Y方向側の面18bと−X方向側の面18cとを両者の交点19よりも内側で滑らかに繋ぐ繋ぎ面20を有しているため、その繋ぎ面20に指先をかければ、開口部17に対するカバー18の着脱作業が容易になる。
開口部17からカバー18が取り外されると、開口部17を介して装着部30が外部に露出する。すると次には、廃液収容体29が把持されて装着部30に装着される。このとき、廃液収容体29は、−Y方向側の面29bと−X方向側の面29cとを両者の交点49よりも内側で滑らかに繋ぐ繋ぎ面50を有しているため、その繋ぎ面50に指先をかければ、廃液収容体29を容易に把持できる。したがって、格別に把持部を廃液収容体29に突出するように形成しなくてもよい。
また、装着部30に対する廃液収容体29の装着時には、収容体側位置合わせ部45が装置側位置合わせ部32に位置合わせされるため、廃液導入部44を排出部31に対して位置ずれさせることなく装着可能とされる。また、そのように位置合わせした状態から、廃液収容体29は装置側取付部35が延びる一方向であるX方向に移動されることで装着状態とされる。
また、その装着時において、収容体側接続端子46と装置側接続端子33とは、それらとZ方向で隣り合う位置に設けられた収容体側係合部47と装置側係合部34とが係合するため、電気的な接続状態が安定する。そして、その装着状態では、排出部31から排出された廃液が廃液導入部44を介して廃液収容体29の廃液収容室に導入されて収容される。このとき、廃液導入部44の周りから廃液が第1収容部41の側面である例えば+X方向側の面129dを伝って垂れたとしても、第2収容部42において収容体側接続端子46が設けられた側面である+X方向側の面229dは、第1収容部41の+X方向側の面129dとはZ方向で重なっていないため、そのような廃液の回り込みは殆どない。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)装着部30の排出部31から排出された廃液が廃液収容体29において上部に位置する廃液導入部44の周りに付着し、その付着した廃液が下方に垂れた場合でも、収容体側接続端子46は第2収容部42において第1収容部41とはZ方向で重ならない位置にあるので、下方に位置する収容体側接続端子46まで到達することを抑制できる。
(2)廃液導入部44の周りに付着した廃液が、例えば第1収容部41の+X方向側の面129dを伝って垂れたとしても、第2収容部42において収容体側接続端子46が設けられた+X方向側の面229dは第1収容部41の+X方向側の面129dよりも外側に位置するので、収容体側接続端子46まで廃液が回り込むことを抑制できる。
(3)収容体側接続端子46の近くで収容体側係合部47が装置側係合部34に対して係合するため、収容体側接続端子46を装置側接続端子33に対して正しく接続させることができる。
(4)装着部30に廃液収容体29を装着するとき、装置側位置合わせ部32と収容体側位置合わせ部45とを用いて排出部31に廃液導入部44の位置を合わせられるため、廃液導入部44の周りに排出部31から排出された廃液が不用意に付着することを抑制できる。
(5)廃液収容体29の繋ぎ面50に指先52を掛けた場合には、−Y方向側の面29bと−X方向側の面29cが交差する交差部54を跨ぐようにして廃液収容体29を把持できるため、廃液収容体29に対して指先52で掴める把持部を別途突出するように形成する必要がない。また、そのように把持部を廃液収容体29から突出させる場合と比較して、装着部30内において廃液収容体29自体が占有する容積を大きく確保可能となるため、廃液を多く収容できる。
(6)装着部30に対して廃液収容体29を着脱する際には、開口部17を介して筐体12の交差する2つの面である−Y方向側の面12bと−X方向側の面12cに亘って跨るように廃液収容体29を把持できるため、廃液収容体29の着脱作業を容易にできる。
(7)カバー18により開口部17を覆った場合には、装着部30に装着されている廃液収容体29に対して不用意にユーザーが触れることを抑制できるとともに、液体噴射装置11の外観を良好に保つことができる。
(8)繋ぎ面20に指先を掛けた場合には、−Y方向側の面18bと−X方向側の面18cが交差する交差部を跨ぐようにしてカバー18を把持できるため、筐体12の開口部17に対してカバー18を着脱し易くできる。
(9)装着部30に廃液収容体29を装着する際には、装着部30に対して廃液収容体29を一方向であるX方向に移動させるだけで着脱が可能となる。
なお、上記実施形態は以下に示す変更例のように変更してもよい。また、上記実施形態に含まれる構成と下記変更例に含まれる構成とを任意に組み合わせてもよいし、下記変更例に含まれる構成同士を任意に組み合わせてもよい。
・廃液収容体29は、開口部17を介して装着部30に対して、X方向とは異なる別の一方向であるY方向から、すなわち、−X方向側の面12cが位置する側ではなく、−Y方向側の面12bが位置する側から着脱するようにしてもよい。この場合、装置側接続端子33、装置側係合部34、装置側取付部35、収容体側接続端子46、収容体側係合部47及び溝部48は、X方向ではなくY方向に延びるように設けられる。
・カバー18は、筐体12に対して、ねじで固定できる構成としてもよい。
・開口部17を覆うことが可能なカバー18はなくてもよい。この場合、開口部17を介して装着部30に装着された廃液収容体29における−Y方向側の面29bと−X方向側の面29cが、筐体12における−Y方向側の面12bと−X方向側の面12cの一部をなすように構成される。
・開口部17を覆うことが可能なカバー18を設けない場合、廃液収容体29は開口部17から外側に突出する形状としてもよい。これにより、収容できる廃液の量を増やすことができる。
・装着部30を外部に露出させる開口部17は交差する2つの面に亘って設けられるのではなく、例えば筐体12における−X方向側の面12cだけなど、1つの面に開口形成される構成でもよい。
・廃液収容体29における−Y方向側の面29bと−X方向側の面29cとが交差する交差部54の繋ぎ面50は、上方からの平面視において、滑らかなR形状ではなく、交点49よりも内側を通る連続した折れ線形状をなす構成でもよい。
・廃液収容体29における−Y方向側の面29bと−X方向側の面29cの交差部54は滑らかな繋ぎ面50で繋がるのではなく、直角に交差して繋がる構成でもよいし、面取り形状としてもよい。
・装置側位置合わせ部32と収容体側位置合わせ部45は、それぞれ一対ずつでなく、1つずつ又は3つ以上ずつであってもよい。また、双方に位置合わせ部は必ずしもなくてよい。
・廃液収容体29において、廃液導入部44よりも下方に設けられる収容体側接続端子46は、第2収容部42の側面ではなく、第1収容部41との段差部43を形成する第2収容部42の上面に設けてもよい。
・廃液収容体29は、上方からの平面視において第1収容部41よりも第2収容部42が大きく形成されるのであれば、平面視で矩形以外の形状、例えば円形などであってもよい。
・廃液収容体29において、−Y方向側の面29bと−X方向側の面29cとの交差部54で交点49よりも内側で−Y方向側の面29bと−X方向側の面29cとを滑らかに繋ぐ繋ぎ面50は、第1収容部41にだけでもよく、第2収容部42にだけでもよい。
・装置側係合部34と収容体側係合部47は、収容体側係合部47の方が弾性変形可能な板金片からなり、装置側係合部34の方が変形しない構成であってもよく、又は、両方共に弾性変形して付勢力により係合する構成でもよい。
11…液体噴射装置、12…筐体、12a,12b,12c,12d…面、13…キャリッジ、14…液体噴射ヘッド、15…液体収容体、16…交差部、17…開口部、18…カバー、18a,18b,18c…面、19…交点、20…繋ぎ面、21…面、22…リブ、23…係止爪、24…係止部、25…面、26…リブ、27…ガイド爪、28…ガイド部、29…廃液収容体、29b,29c…面、30…装着部、31…排出部、32…装置側位置合わせ部、33…装置側接続端子、34…装置側係合部、35…装置側取付部、35a…雌ねじ孔、41…第1収容部、42…第2収容部、43…段差部、44…廃液導入部、45…収容体側位置合わせ部、46…収容体側接続端子、47…収容体側係合部、48…溝部、49…交点、50…繋ぎ面、51…凹部、52…指先、53…収容体側取付部、53a…貫通孔、54…交差部、129a,129d…面、229a,229d…面、P…用紙。

Claims (10)

  1. 液体噴射ヘッドからの廃液を排出する排出部及び前記排出部よりも下方に位置する装置側接続端子を有する装着部に対して着脱可能に装着される廃液収容体であって、
    前記装着部への装着状態で、前記排出部から排出された前記廃液を導入可能とする廃液導入部が上部に設けられた第1収容部と、
    前記第1収容部の鉛直方向下側に設けられ、前記第1収容部と連通する第2収容部と、
    前記装着部への装着状態で、前記装置側接続端子に対して電気的に接続される収容体側接続端子と、
    を備え、
    上方からの平面視において、前記第2収容部は前記第1収容部よりも大きく形成され、
    前記収容体側接続端子は、前記第2収容部において、前記第1収容部とは前記鉛直方向で重ならない位置に配置されることを特徴とする廃液収容体。
  2. 請求項1に記載の廃液収容体において、
    前記廃液導入部は、前記第1収容部の上面に設けられ、前記収容体側接続端子は、前記第2収容部の側面に設けられていることを特徴とする廃液収容体。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の廃液収容体において、
    前記第2収容部は、鉛直方向において前記収容体側接続端子と隣り合う位置に収容体側係合部を有し、前記収容体側接続端子が前記装置側接続端子に対して電気的に接続された状態で、前記収容体側係合部は前記装着部に設けられた装置側係合部に対して係合することを特徴とする廃液収容体。
  4. 請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の廃液収容体において、
    前記第1収容部は、前記装着部に対する装着方向と交差する方向において前記廃液導入部を挟む位置に一対の収容体側位置合わせ部が設けられ、前記収容体側位置合わせ部は、前記装着部を前記装着方向から見た場合に前記排出部を挟む位置に設けられる装置側位置合わせ部に対して、前記装着部に対する装着時に位置合わせされることを特徴とする廃液収容体。
  5. 請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の廃液収容体において、
    前記第1収容部及び前記第2収容部の少なくとも一方は、互いに交差した状態で鉛直方向に延びる2つの面を有し、前記2つの面が交差する交差部には、上方からの平面視において、前記2つの面の交点よりも前記廃液導入部が設けられた側で前記2つの面を繋ぐ繋ぎ面が設けられていることを特徴とする廃液収容体。
  6. 液体を噴射する液体噴射ヘッドと、
    前記液体噴射ヘッドからの廃液を排出する排出部及び前記排出部よりも下方に位置する装置側接続端子を有し、請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載の廃液収容体が着脱可能に装着される装着部と、
    を備えることを特徴とする液体噴射装置。
  7. 液体を噴射する液体噴射ヘッドと、
    前記液体噴射ヘッドからの廃液を排出する排出部を有するとともに、前記排出部から排出された前記廃液を収容する廃液収容体が着脱可能に装着される装着部と、
    前記液体噴射ヘッドを収容するとともに、前記装着部を外部に露出可能とする開口部を有する筐体と、
    を備え、
    前記開口部は、前記筐体の外面を構成する面のうち、互いに交差する2つの面に亘って設けられていることを特徴とする液体噴射装置。
  8. 請求項7に記載の液体噴射装置において、
    前記開口部に対して着脱可能であって且つ装着された際には前記開口部を覆うカバーを更に備え、
    前記カバーは、前記開口部に装着された際に、前記筐体における前記2つの面の一部をなすことを特徴とする液体噴射装置。
  9. 請求項8に記載の液体噴射装置において、
    前記カバーは、前記開口部への装着状態において前記筐体における前記2つの面が交差する交差部と対応する部分に、上方からの平面視において、前記2つの面の交点よりも前記開口部の内側で前記2つの面を繋ぐ繋ぎ面が設けられていることを特徴とする液体噴射装置。
  10. 請求項7〜請求項9のうち何れか一項に記載の液体噴射装置において、
    前記装着部は、前記2つの面のうち1つの面が位置する側から前記廃液収容体を着脱可能に構成されていることを特徴とする液体噴射装置。
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