JP2018199584A - Iii族窒化物結晶製造方法、及び、iii族窒化物結晶製造装置 - Google Patents

Iii族窒化物結晶製造方法、及び、iii族窒化物結晶製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】III族窒化物結晶の成長の際において、ピットと呼ばれる結晶欠陥の発生を抑制する。【解決手段】第一III族元素材料107にハロゲン化水素ガスを反応させて第一III族元素の一価のハロゲン化物を含有するガスである第一原料ガス生成する生成工程と、第一III族元素材料107よりも原子番号の大きい第二III族元素材料108に第一原料ガスを反応させて第一III族元素の二価または三価のハロゲン化物の含有量を低減させた第二原料ガスを生成する低減工程と、第二原料ガスと窒素元素含有ガスとに基づきIII族窒化物結晶を製造する成長工程とを含むIII族窒化物結晶製造方法。【選択図】図1

Description

本開示は、III族窒化物結晶製造方法及びIII族窒化物結晶製造装置に関する。
窒化物半導体は、半導体レーザー、発光ダイオードなどの光デバイス、および、高周波または高出力の電子デバイスなどの分野に応用されている。窒化物半導体デバイスを作製するための窒化物結晶の製造方法としてハイドライド気相成長法(HVPE法)が用いられている。HVPE法では、単体のIII族原料上にハロゲン化水素ガスを導入することで生成するハロゲン化物ガスを製造し、このIII族ハロゲン化ガスを結晶成長用の原料ガスとして用いる場合がある。例えば窒化ガリウムの成長させる場合では、Ga金属にHClガスを導入して一価の塩化ガリウム(GaCl)を製造し、GaClガスをIII族源として用いることで1mm/h以上の高速成長が可能となっている(例えば、特許文献1)。
特開平10−215000号公報
しかしながら、HVPE法では窒化物結晶の成長の際に周囲と結晶方位が異なる領域(例えば、インバージョンドメイン)が発生することでピットと呼ばれる結晶欠陥が発生していた。
本開示はHVPE法においてピットの発生を抑制し、高品質なIII族窒化物結晶製造方法及びIII族窒化物結晶製造装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本開示のIII族窒化物結晶製造方法は、第一III族元素材料にハロゲン化水素ガスを反応させて前記第一III族元素の一価のハロゲン化ガスを含有するガスである第一原料ガス生成する生成工程と、前記第一III族元素材料よりも原子番号の大きい第二III族元素材料に前記第一原料ガスを反応させて前記第一III族元素の二価または三価のハロゲン化ガスの含有量を低減させた第二原料ガスを生成する低減工程と、前記第二原料ガスに基づきIII族窒化物結晶を製造する成長工程とを含む。
本開示によれば、III族元素の二価または三価のハロゲン化ガスの含有量を低減させた第二原料ガスをIII族窒化物結晶を成長させる成長容器へ供給することができ、高品質な窒化物結晶が製造可能となる。
図1は、本発明のIII族窒化物結晶製造方法の実施に用いられるIII族窒化物結晶製造装置を模式的に示す断面図である。 図2は、二原料ガス中の第一III族元素の二価のハロゲン化物の分圧のハロゲン化水素ガス分圧依存性の熱力学解析結果である。 図3は、第二原料ガス中の第一III族元素の三価のハロゲン化物の分圧のハロゲン化水素ガス分圧依存性の熱力学解析結果である。
次に、III族窒化物結晶製造方法、および、III族窒化物結晶製造装置の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施の形態は、III族窒化物結晶製造方法、および、III族窒化物結晶製造装置の一例を示したものに過ぎない。従って本願発明は、以下の実施の形態を参考に請求の範囲の文言によって範囲が画定されるものであり、以下の実施の形態のみに限定されるものではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
また、図面は、III族窒化物結晶製造方法、および、III族窒化物結晶製造装置を示すために適宜強調や省略、比率の調整を行った模式的な図となっており、実際の形状や位置関係、比率とは異なる場合がある。
III族窒化物結晶製造方法は、以下の3つの工程を含む。すなわち、第一III族元素の一価のハロゲン化物を含有するガスである第一原料ガスを生成する生成工程と、第二III族元素材料に第一原料ガスを反応させて前記第一III族元素の二価または三価のハロゲン化物の含有量を低減させた第二原料ガスを生成する低減工程と、生成した第二原料ガスと窒素元素含有ガスとを反応させてIII族窒化物結晶を製造する成長工程との3つである。
ここで、第一III族元素の一価のハロゲン化物を含有する第一原料ガスを生成する生成工程では、第一III族元素材料とハロゲン化水素含有ガスを反応させた際に、一価のハロゲン化物のみならず、二価または三価の第一III族元素のハロゲン化物ガスが副生成物として生成される。つまり、第一原料ガスには、第一III族元素の一価のハロゲン化物と、第一III族元素の二価、および、三価のハロゲン化物の少なくとも一方とが含まれる。
第一III族元素の二価または三価のハロゲン化物、特に第一III族元素の三価のハロゲン化物を所定量以上含むガスと窒素元素含有ガスとを反応させて、例えばc面上に結晶方位の異なる結晶を成長させた場合、ピットが発生して結晶品質低下の原因となる知見を発明者は得ている。本実施の形態に係るIII族窒化物結晶製造方法では、第二III族元素材料を、第一III族元素材料の下流側に配して第一原料ガスと第二III族元素材料とを反応させることで、二価または三価のハロゲン化物の含有量の低減を図っている。
すなわち、ハロゲン化水素ガスと第一III族元素材料とを反応させて一価のハロゲン化物を含有する第一原料ガスを生成する生成工程において、第一III族元素の二価または三価のハロゲン化物も副生物として生成される。そして、第一原料ガスと第二III族元素材料とを反応させることにより副生成された二価または三価のハロゲン化物を低減工程において低減し第二原料ガスを得る。これらの工程により得られた第二原料ガスと窒素元素含有ガスとを反応させることで、高品質な窒化物結晶を製造可能である。
なお、原子番号が大きいほどIII族元素の一価のハロゲン化物の安定性は高くなるとの知見を得ている。このため、第二III族元素を第一III族元素よりも原子番号の大きい元素とすることで、第一III族元素の二価または三価のハロゲン化物は、第二III族元素材料と優先的に反応する。これにより第二III族元素の一価のハロゲン化物が生成される。この知見に基づき、本開示において、副生成された第一III族元素の二価または三価のハロゲン化物の含有率の低下を図っている。
次に、具体例を用いて本製造方法について詳細を説明する。ここでは、第一III族元素にガリウム、第二III族元素にインジウム、ハロゲン化水素含有ガスに塩化水素を用いて説明する。この場合、第一III族元素材料とハロゲン化水素含有ガスとの反応工程においては、下記の式1〜式3で示す反応が生じる。ただし、下記式は反応式の例を示したもので、これに限定されない。
2Ga(液体)+2HCl(気体) → 2GaCl(気体)+H(気体)・・・式1
Ga(液体)+2HCl(気体) → GaCl(気体)+H(気体)・・・式2
2Ga(液体)+6HCl(気体) → 2GaCl(気体)+3H(気体)・・・式3
上記以外に例えば次の反応式の反応も起こる。
2Ga(液体)+6HCl(気体) → GaCl(気体)+3H(気体)・・・式4
本製造方法においてハロゲン化水素ガスの体積は、特に制限されないが、ハロゲン化水素含有ガスの体積合計に対して、例えば、0%を超え100%以下の範囲である。より好ましくは窒化物結晶の例えば成長速度50μm/h以上で成長を行うために、0.01〜100%の範囲である。
本製造方法において前記第一III族元素材料とハロゲン化水素含有ガスとを反応させる温度は、特に制限されないが生成するハロゲン化物の沸点の観点から600℃以上としてハロゲン化物を気体の状態で保つことが好ましく、ハロゲン化物の分解を抑制するために1200℃以下とすることが望ましい。
第一III族元素のハロゲン化物ガスのうち二価及び三価のハロゲン化物を低減する低減工程では、下記の式5、式6で示す反応が生じる。下記式は反応式の例を示したもので、これに限定されない。
In(液体)+GaCl(気体) → GaCl(気体)+InCl(気体)・・・式5
2In(液体)+GaCl(気体) → GaCl(気体)+2InCl(気体)・・・式6
上記以外に例えば次の反応式の反応が起こる。
In(液体)+GaCl(気体) → GaCl(気体)+InCl(気体)・・・式7
第一III族元素のハロゲン化物を含有する第一原料ガスのうち二価及び三価のハロゲン化物を低減して第二原料ガスを生成する低減工程では、導入されるガス中の二価及び三価のハロゲン化物のうち元の二価及び三価のハロゲン化物に対して99%以上が減少することが望ましく、より望ましくは99.999%以上が減少することである。
図2は、第二原料ガス中の第一III族元素の二価のハロゲン化物の分圧のハロゲン化水素ガス分圧依存性の熱力学解析結果である。
図3は、第二原料ガス中の第一III族元素の三価のハロゲン化物の分圧のハロゲン化水素ガス分圧依存性の熱力学解析結果である。
ここで、図2、図3中に実施例1と付されている曲線は、第一III族元素にガリウムを用いて第二III族元素にインジウムを用い、ハロゲン化水素ガスとして塩化水素(HCl)を用いた場合を示している。
また、実施例2と付されている曲線は、第一III族元素にガリウムを用いて第二III族元素にタリウムを用いハロゲン化水素ガスとして塩化水素(HCl)を用いた場合を示している。
なお、比較例1と付されている曲線は、第一III族元素にガリウムを用い、ハロゲン化水素ガスとして塩化水素(HCl)を用い第二III族元素材料を用いた低減工程を実施していない場合を示している。
本開示にかかる実施例1及び実施例2で示した第二原料ガスを用いて結晶成長させた場合、周囲と結晶方位が異なる領域の発生に基づくピットを抑制することができる。つまり、図2、図3に示すようにピットの原因となる第一III族元素の二価のハロゲン化物であるGaCl、及び、第一III族元素の三価のハロゲン化物であるGaClの分圧を、比較例1と比べて100000分の1〜100分の1と大幅に低減が可能である。従って、結晶成長の際に周囲と結晶方位が異なる領域が存在することにより発生するピットを低減可能である。
本製造方法において第一III族元素のハロゲン化物を生成する工程で得られた第一原料ガスと第二III元素材料とを反応させる低減工程における温度は、生成工程において前記第一のIII族元素原料とハロゲン化水素含有ガスとを反応させる温度以上、かつ、結晶成長させる際の種基板の温度以下であることが好ましい。これにより、生成するハロゲン化物を気体状態とすることができ、かつ、第一III族元素のハロゲン化物が第一III族元素とハロゲン化水素に分解することを抑制することができる。
第一III族元素窒化物結晶の製造工程である成長工程では、前記第一III族元素の1価のハロゲン化物ガスと窒素元素含有ガスとを反応させて第一III族元素窒化物結晶を製造する。
前記第一III族元素窒化物結晶の製造工程において、前記第一III族元素のハロゲン化物ガスと窒素元素含有ガスとを反応させる温度は、600℃以上、1200℃以下であることが好ましい。これにより、高い結晶生成速度を確保することができ、かつ、結晶品質を良くすることができる。さらに、第二III族元素窒化物の生成及び結晶への取り込みを抑制することができる。
本開示のIII族窒化物結晶製造方法により製造されるIII族窒化物結晶の形状は、特に限定されない。例えば、III族窒化物結晶は、板状、錘状、柱状などの形状であっても良い。さらにIII族窒化物結晶は、単結晶であっても良いし、多結晶であっても良い。
III族窒化物結晶は、第一III族元素の窒化物結晶である。第一III族元素窒化物結晶に含まれる第二III族元素の濃度は1×1018cm−3以下であることがのぞましく、1×1016cm−3以下であることがさらに望ましい。これにより第一III族元素窒化物結晶の格子定数の変化を抑制することができる。
また、III族窒化物結晶は、転位密度が1×10cm−2以下であることが望ましく、1×10cm−2以下であることがさらに望ましい。これにより、窒化物半導体デバイス作製のための基板として用いることができる。
次に本発明の具体的な実施形態についてさらに詳細に説明する。
<1.III族窒化物結晶製造方法>
III族窒化物結晶製造方法に含まれる生成工程では、第一III族元素材料としてガリウムにハロゲン化水素ガスとして塩化水素ガス)とを反応させて第一原料ガスを生成する。第一原料ガスには、GaClのほか、例えばGaCl及びGaClが含まれる。
低減工程では、第二III族元素材料としてインジウムと第一原料ガスとを反応させてGaCl及びGaClの含有量を低減させた第二原料ガスを得る。
成長工程では第二原料ガスと窒素元素含有ガスとしてアンモニアガスとを反応させて窒化ガリウム結晶を製造する。
次に、上記製造方法を実現しうるIII族窒化物結晶製造装置を説明する。
<2.III族窒化物結晶製造装置>
図1に、III族窒化物結晶製造装置の構成の一例を示す。同図において、わかりやすくするため各部の大きさや、比率は実際とは異なる場合がある。また、III族窒化物結晶を製造する際にあらかじめ製造装置内に配置しておく必要がある材料や種基板が示されている場合がある。
同図に示すとおり、III族窒化物結晶製造装置100は、生成容器101と、生成容器101と連通する低減容器102と、低減容器102と連通する成長容器103とを備える。本実施の形態の場合III族窒化物結晶製造装置100はさらに、生成容器101内の雰囲気、および、生成容器101内に収容される第一III族元素材料107を加熱する第一加熱手段104と、低減容器102内の雰囲気、および、低減容器102内に収容される第二III族元素材料108を加熱する第二加熱手段105と、成長容器103内の雰囲気、および、成長容器103内に収容される種基板110を加熱する第三加熱手段106とを備えている。
III族窒化物結晶製造装置100は、生成容器101内部に第一III族元素材料107が設置される。第一加熱手段104により第一III族元素材料107は、加熱される。また、生成容器101はハロゲン化水素ガス導入管111を備えている。本例ではハロゲン化水素ガス導入管111は1つであるが、複数であっても良い。さらに、生成容器101は第一原料ガス導入管112により低減容器102に連通状態で接続されている。低減容器102の内部には第二III族元素材料108が設置される。第二加熱手段105により第二III族元素材料108は加熱される。さらに、低減容器102は成長容器103と第二原料ガス導入管113により連通状態で接続されている。本例では、第2低減容器102に第一原料ガス導入管112と第二原料ガス導入管113のみが接続されているが、キャリアガスを導入するためのキャリアガス導入管が接続されても良い。
成長容器103の内部に種基板支持部109が配置されている。種基板支持部109は種基板110を指示する。種基板110は、第三加熱手段106により加熱される。成長容器103には窒素元素含有ガス導入管114、排気管115、及び第二原料ガス導入管113が接続されている。
生成容器101、低減容器102及び成長容器103の外観形状は特に限定されず、例えば円柱状、角柱状またはこれらを組み合わせた形状が上げられる。生成容器101、低減容器102及び成長容器103の材質としては、例えば石英、アルミナ、ボロンナイトライド、シリコンカーバイドなどが挙げられる。
第一III族元素材料107の設置の方法については、特に限定されないが、例えば、生成容器101に直接設置することや生成容器101内に配置したボートに設置する方法などが挙げられる。ボートの材質としては例えば、生成容器101及び低減容器102と同様の材質を用いることができる。
第二III族元素材料108の設置の方法については、特に限定されないが、例えば第一III族元素材料107の設置方法と同様とすることができる。
種基板支持部109の材質としては特に限定されないが、例えば、石英、アルミナ、ボロンナイトライド、シリコンカーバイドなどが挙げられる。
種基板110の材質としては製造するIII族窒化物結晶に応じて適宜選択することが可能である。例えば、製造するIII族窒化物結晶と同じ元素組成比を有する単結晶基板であることが望ましい。その他の種基板110の材質としては例えば、サファイア、ScAlMgO、III族窒化物、LiAlO、ZnOなどが挙げられる。
生成容器101、低減容器102などに導入される場合があるキャリアガスとしては特に限定されないが、窒素ガス、水素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなどが挙げられ、また、これらを混合したガスを用いても良い。
なお、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、本明細書において記載した構成要素を任意に組み合わせて、また、構成要素のいくつかを除外して実現される別の実施の形態を本願発明の実施の形態としてもよい。また、上記実施の形態に対して本願発明の主旨、すなわち、請求の範囲に記載される文言が示す意味を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例も本願発明に含まれる。
例えば、III族窒化物結晶製造装置100は、図1及び上記の構成に限定されない。種基板支持部109は省略することが可能であるが、操作性の観点から種基板支持部109があることが望ましい。
また、前述の構成部材に加えてその他の構成部材を備えても良い。その他の構成部材としては、例えば、反応の制御の観点から第一原料ガス導入管112及び第二原料ガス導入管113の少なくとも一方に通過する第一原料ガス、または、第二原料ガスを加熱するための加熱手段を設けてもよく、それぞれの温度を制御してもかまわない。
なお、第一III族元素としてAl、Ga、In、Tlのいずれかから選択されればよい。第二III族元素としてGa、In、Tl、Nhのいずれかから選択されればよい。ただし、第二III族元素としては、先に選択された第一III族元素よりも原子番号の大きいものである。これは、III族元素のハロゲン化物では二価及び三価のハロゲン化物と比べて、より原子番号の大きいIII族元素の一価のハロゲン化物の方が安定性が高いとの知見に基づく。すなわち、第一III族元素よりも第二III族元素を原子番号が大きい元素から選択することで、第一III族元素の二価または三価のハロゲン化物が第二III族元素材料と反応して第二III族元素の一価のハロゲン化物となる。
また、ハロゲン化水素ガスとして、HCl、HBr、HF、HIが使用される。ただし、ハロゲン化水素ガスに塩化水素を用いるのが好適である。塩化水素は、III族窒化物結晶の高速成長のためにIII族元素のハロゲン化物ガスの分圧を高く保つことが可能であるとの知見を得ている。
また、成長容器103に導入される窒素含有ガスとしてアンモニア、ヒドラジン、窒素ガスが挙げられる。ただし、窒素含有ガスとしてアンモニアが好適である。アンモニアはIII族窒化物結晶の成長温度での反応性が高いとの知見に基づく。
(実施例1)
ここでは第一III族元素材料107にGa(ガリウム)を、第二III族元素材料108にIn(インジウム)を、ハロゲン化水素ガスに塩化水素を、窒素元素含有ガスにアンモニアをそれぞれ用いて窒化ガリウムの結晶を製造する場合の実施例を示す。
生成容器101に第一III族元素材料107としてガリウムを設置した石英製のボートを配置する。ハロゲン化水素ガス導入管111より窒素ガスで希釈された塩化水素ガスを導入する。導入した塩化水素ガスがガリウムの上方を流れ、ガリウム表面で反応して塩化ガリウムガスを含む第一原料ガスを生成させた。反応の際には、生成容器101を第一加熱手段104により750℃に加熱した。
低減容器102に第二III族元素材料108としてインジウムを設置した石英製のボートを配置する。生成容器101で生成した第一原料ガスを第一原料ガス導入管112より導入する。導入した第一原料ガスがインジウムの上方を流れ、二価及び三価の塩化ガリウムガスをインジウムと反応させて第二原料ガスを生成させた。反応の際には、低減容器102を第二加熱手段105により750℃に加熱した。
成長容器103には石英製の種基板支持部109上に窒化ガリウム基板を種基板110として設置した。生成容器101及び低減容器102で順次反応して得られた塩化ガリウム含有ガスである第二原料ガスを第二原料ガス導入管113を通して成長容器103に導入した。窒素元素含有ガス導入管114より窒素ガスで希釈されたアンモニアガスを成長容器103に導入した。なお、窒素ガスは本実施例の条件では、窒化ガリウム結晶の成長には寄与しないガスであり、キャリアガスとしてのみの機能を有する。成長容器103は第三加熱手段106により1000℃に加熱した。
以上により種基板110上で窒化ガリウム結晶を成長させた。
(実施例2)
ここでは第一III族元素材料107にGa(ガリウム)を、第二III族元素材料108にTl(タリウム)を、ハロゲン化水素ガスに塩化水素を、窒素元素含有ガスにアンモニアをそれぞれ用いて窒化ガリウムの結晶を製造する場合の実施例を示す。
生成容器101に第一III族元素材料107としてGa(ガリウム)を設置した石英製のボートを配置した。ハロゲン化水素ガス導入管111より窒素ガスで希釈した塩化水素ガスを導入した。導入した塩化水素ガスがガリウム上方を流れ、ガリウム表面で反応して塩化ガリウムを含む第一原料ガスを生成させた。反応の際には、生成容器101を第一加熱手段104により750℃に加熱した。
低減容器102に第二III族元素材料108としてタリウムを設置した石英製のボートを配置した。生成容器101で生成したガスを第一原料ガス導入管112より導入し、二価及び三価の塩化ガリウムガスをタリウムと反応させた。反応の際には、低減容器102を第二加熱手段105により750℃に加熱した。
成長容器103には石英製の種基板支持部109上に窒化ガリウム基板を種基板110として設置した。生成容器101及び低減容器102で順次反応して得られた塩化ガリウムを含有するガスである第二原料ガスを第二原料ガス導入管113を通して成長容器103に導入した。窒素元素含有ガス導入管114より窒素ガスで希釈されたアンモニアガスを成長容器103に導入した。なお、窒素ガスは本実施例の条件では、窒化ガリウム結晶の成長には寄与しないガスであり、キャリアガスとしてのみの機能を有する。成長容器103は第三加熱手段106により1000℃に加熱して種基板110上で窒化ガリウム結晶の成長を試みた。
(比較例1)
前記第二III族元素材料を設置せず、それ以外は実施例1と同様の条件で結晶を成長した。
実施例1、実施例2及び比較例1で得られた結晶のピット密度の評価を行った。また、実施例1及び実施例2で得られた結晶については第二III族元素の評価も行った。ピット密度については走査電子顕微鏡像(幅40μm、高さ30μmの像)中のピットの数を数えて面積で割り求めた。第二III族元素の濃度は2次イオン質量分析により測定した。実施例1ではピットの少ない結晶が得られ、第二III族元素の取り込みも十分に少なかった。このように、本実施形態に係る方法による実施例1及び実施例2の優れた効果が確認された。
Figure 2018199584
本III族窒化物結晶製造法及びIII族窒化物結晶製造装置を用いれば高品質なIII族窒化物結晶を得ることができ、半導体レーザーや発光ダイオードなどの光デバイスや高周波または高出力の電子デバイスに利用可能である。
101 生成容器
102 低減容器
103 成長容器
104 第一加熱手段
105 第二加熱手段
106 第三加熱手段
107 第一III族元素材料
108 第二III族元素材料
109 種基板支持部
110 種基板
111 ハロゲン化水素ガス導入管
112 第一原料ガス導入管
113 第二原料ガス導入管
114 窒素元素含有ガス導入管
115 排気管

Claims (7)

  1. 第一III族元素材料にハロゲン化水素ガスを反応させて前記第一III族元素の一価のハロゲン化物を含有するガスである第一原料ガス生成する生成工程と、
    前記第一III族元素材料よりも原子番号の大きい第二III族元素材料に前記第一原料ガスを反応させて前記第一III族元素の二価または三価のハロゲン化物の含有量を低減させた第二原料ガスを生成する低減工程と、
    前記第二原料ガスと窒素元素含有ガスとに基づきIII族窒化物結晶を製造する成長工程と
    を含むIII族窒化物結晶製造方法。
  2. 前記生成工程を600℃以上1200℃以下の温度で行う
    請求項1に記載のIII族窒化物結晶製造方法。
  3. 前記第一III族元素がAl、Ga、InおよびTlのいずれかから選択され、前記第二III族元素がGa、In、TlおよびNhのいずれかから選択される
    請求項1または2に記載のIII族窒化物結晶製造方法。
  4. 前記第一III族元素がGaであり、前記第二III族元素がInである
    請求項3に記載のIII族窒化物結晶製造方法。
  5. 前記ハロゲン化水素ガスは、塩化水素である
    請求項1から4のいずれかに記載のIII族窒化物結晶製造方法。
  6. 前記窒素含有ガスが、アンモニアである
    請求項1から5のいずれかに記載のIII族窒化物結晶製造方法。
  7. 第一III族元素が収容されハロゲン化水素ガスが供給されて第一原料ガスを生成する生成容器と、
    前記第一III族元素材料よりも原子番号の大きい第二III族元素が収容され前記第一原料ガスが供給されて第二原料ガスを生成する低減容器と、
    種基板が収容され前記第二原料ガスが供給されてIII族窒化物結晶を前記種基板上に成長させる成長容器と
    を備える窒化物結晶製造装置。
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