JP2008024544A - ゲルマニウムドープ窒化ガリウム結晶とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】蛍光体材料として高品質で高輝度のゲルマニウムドープ窒化ガリウム結晶を低コストで容易に安定的に得る。
【解決手段】固体状三酸化二ガリウム(Ga2 O3 )を還元剤を用いて熱還元することで一酸化二ガリウム(Ga2 O)ガスを生成する。固体状二酸化ゲルマニウム(GeO2 )を還元剤を用いて熱還元することで一酸化ゲルマニウム(GeO)ガスを生成する。一酸化ゲルマニウムガスの存在下に、一酸化二ガリウムをアンモニア(NH3 )含有ガスと反応させることで、ゲルマニウム(Ge)がドープされた窒化ガリウム(GaN)結晶を生成する。
【選択図】図1
【解決手段】固体状三酸化二ガリウム(Ga2 O3 )を還元剤を用いて熱還元することで一酸化二ガリウム(Ga2 O)ガスを生成する。固体状二酸化ゲルマニウム(GeO2 )を還元剤を用いて熱還元することで一酸化ゲルマニウム(GeO)ガスを生成する。一酸化ゲルマニウムガスの存在下に、一酸化二ガリウムをアンモニア(NH3 )含有ガスと反応させることで、ゲルマニウム(Ge)がドープされた窒化ガリウム(GaN)結晶を生成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、ゲルマニウム(Ge)がドープされた窒化ガリウム(GaN)の結晶と、その製造方法に関する。
耐久性や発光特性に優れた窒化ガリウム系結晶を有機金属気相成長法(MOCVD)やハイドライド気相成長法(HVPE)を用いて生成し、さらに、その窒化ガリウム系結晶を不純物のドーピングにより半導体発光素子、レーザー素子、蛍光体材料等として利用することが行なわれている。
例えば特許文献1は、有機金属気相成長法により、TMG(トリメチルガリウム)、TMI(トリメチルインジウム)の気化ガスをゲルマンガス(GeH4 )と共に反応容器内に供給することで、ゲルマニウムがドープされた薄膜状の窒化インジウムガリウム(Inx Ga1-x N(0<X <0.5))結晶を基板上で成長させることを開示している。
また特許文献2は、ハイドライド気相成長法により、金属ガリウム(Ga)を加熱することで生成されるガリウム蒸気を、アンモニア(NH3 )ガスと反応させることで窒化ガリウムの結晶核を生成し、その結晶核上で、金属ガリウムをハロゲン化水素と反応させることで生成されるハロゲン化ガリウムガスをアンモニアガスと反応させることで粉体状の窒化ガリウム結晶を生成することを開示している。さらに、その結晶生成領域に、亜鉛(Zn)、テルビウム(Tb)、マグネシウム(Mg)、ユーロピウム(Eu)、ツリウム(Tm)、サマリウム(Sm)、ケイ素(Si)、インジウム(In)、またはアルミニウム(Al)を加熱することで生成される不純物ガスを供給することで、不純物がドープされた粉体状の窒化ガリウム結晶を成長させ、それを蛍光体材料として用いることを開示している。
しかし、有機金属気相成長法やハイドライド気相成長法においてはガリウム源ガスの供給量の調整が難しく、また、有機金属気相成長法において用いる有機液体金属は高価かつ有毒なものである。そこで特許文献3により、温度制御可能な第1の反応空間において、固体状三酸化二ガリウム(Ga2 O3 )を黒鉛(C)を用いて熱還元することで一酸化二ガリウム(Ga2 O)ガスを生成し、その第1の反応空間とは独立して温度制御可能な第2の反応空間において、第1の反応空間からキャリアガスにより輸送された一酸化二ガリウムガスをアンモニアガスと反応させることで、窒化ガリウム結晶を生成することが提案されている。
特開平06−196755号公報
特開2004−284876号公報
特開2006−89811号公報
特許文献3は、窒化ガリウム結晶を効率良く生成することは開示しているが、不純物のドーピングに関しては何ら開示していない。また、特許文献1に記載のように不純物としてゲルマニウムを半導体薄膜にドーピングすることは行なわれているが、蛍光体材料に関しては特許文献2に記載のようにゲルマニウム以外の不純物がドーピングされていた。さらに、特許文献1においてゲルマニウムをドーピングするために用いられるゲルマンガスは有毒である。また、レーザードーピング法やイオン注入法等によるドーピングは製造コストが増大し、高価な金属ゲルマニウムが必要になる。本発明は、そのような問題を解決することのできるゲルマニウムドープ窒化ガリウム結晶とその製造方法を提供することを目的とする。
本発明によるゲルマニウムドープ窒化ガリウム結晶の製造方法は、固体状三酸化二ガリウム(Ga2 O3 )を還元剤を用いて熱還元することで生成される一酸化二ガリウム(Ga2 O)ガスを、固体状二酸化ゲルマニウム(GeO2 )を還元剤を用いて熱還元することで生成される一酸化ゲルマニウム(GeO)ガスの存在下に、アンモニア(NH3 )含有ガスと反応させることで、ゲルマニウム(Ge)がドープされた窒化ガリウム(GaN)結晶を生成することを特徴とする。
本発明によれば、ゲルマニウム源として固体状二酸化ゲルマニウムと還元剤が用いられるので、高価な金属ゲルマニウムやゲルマンガスのような有毒ガスを用いることなく、熱還元反応を利用してゲルマニウムドープ窒化ガリウム結晶を容易に生成できる。
本発明によれば、ゲルマニウム源として固体状二酸化ゲルマニウムと還元剤が用いられるので、高価な金属ゲルマニウムやゲルマンガスのような有毒ガスを用いることなく、熱還元反応を利用してゲルマニウムドープ窒化ガリウム結晶を容易に生成できる。
本発明によるゲルマニウムドープ窒化ガリウム結晶の製造方法においては、前記各還元剤が黒鉛(C)であるのが好ましい。還元剤として固体の黒鉛が用いられるので、ゲルマニウムのドーピング濃度を容易に調整できる。すなわち、ゲルマニウムドープ窒化ガリウム結晶の特性を容易に制御でき、例えば蛍光体として用いる場合の輝度向上のような品質向上に資することができる。
温度制御可能な第1の反応空間において、前記固体状三酸化二ガリウムを熱還元することで前記一酸化二ガリウムガスを生成すると共に前記固体状二酸化ゲルマニウムを熱還元することで前記一酸化ゲルマニウムガスを生成し、前記第1の反応空間とは独立して温度制御可能な第2の反応空間に、前記第1の反応空間から前記一酸化二ガリウムガスと前記一酸化ゲルマニウムガスをキャリアガスにより導入し、前記第2の反応空間に前記アンモニア含有ガスを導入し、前記第2の反応空間において、前記一酸化二ガリウムガスを前記一酸化ゲルマニウムガスの存在下に前記アンモニア含有ガスと加熱しつつ反応させるのが好ましい。これにより、第1の反応空間での三酸化二ガリウムの熱還元と二酸化ゲルマニウムの熱還元のための温度の最適化と、第2の反応空間での結晶生成のための温度の最適化とを独立して行うことができ、安定した特性の結晶を容易に得ることができる。また、第1の反応空間において生成された一酸化二ガリウムガスと一酸化ゲルマニウムガスは第2の反応空間にキャリアガスの流れにより導入され、第2の反応空間にアンモニア含有ガスが導入されるので、結晶原料ガスを結晶成長領域に輸送しつつ加熱することで結晶を生成でき、簡単で安価な装置によりゲルマニウムドープ窒化ガリウム結晶を製造できる。
本発明によるゲルマニウムドープ窒化ガリウム結晶は蛍光体材料として用いられる粉体状のものであり、本発明方法を用いて製造することで発光特性を容易に制御できる。
本発明によれば、蛍光体材料として高品質で高輝度のゲルマニウムドープ窒化ガリウム結晶を低コストで容易に安定的に得ることができる。
図1に示す本発明の実施形態の結晶製造装置Aは、炉体1、反応容器2、導入管3、ヒータ4、および排気管5、6を備える。炉体1は軸心横向きに配置される筒状とされている。炉体1の一端側の端壁1aに筒状の反応容器2と排気管5が挿入され、他端側の端壁1bに導入管3と排気管6が挿入されている。
反応容器2は例えば石英ガラスチューブにより構成され、その一端はキャリアガスの供給源に炉体1の外部において接続される。反応容器2の他端は、炉体1内において下向きに開口する第1原料ガス出口2aとされている。本実施形態におけるキャリアガスはアルゴン(Ar)ガスとされている。なお、キャリアガスの種類は結晶生成に影響を与えなければ特に限定されず、例えばヘリウム(He)ガス、窒素(N2 )ガス、水素(H2 )ガス等を用いることができる。キャリアガスの純度は99.9体積%以上であるのが好ましく、99.9999体積%以上であるのがより好ましい。キャリアガスの流量は10ml/min以上が好ましく、50〜150ml/minがより好ましい。
導入管3の一端は、窒素源となるアンモニア含有ガスの供給源に炉体1の外部において接続される。導入管3の他端は、炉体1内において下向きに開口する第2原料ガス出口3aとされている。アンモニア含有ガスとしては、アンモニアガスまたはアンモニアガスと結晶生成に影響を与えないガスとの混合ガスを用いることができ、本実施形態ではアンモニアガスが用いられる。アンモニアガスは、結晶の品質、サイズおよび結晶成長速度の観点から高純度であるのが好ましく、具体的には99体積%以上が好ましく、99.999体積%以上であるのがより好ましい。また、アンモニアガスと共に混合ガスを構成するガスとしては例えばアルゴンガス、ヘリウムガス、窒素ガス、水素ガスを用いることができ、その純度は99.9体積%以上であるのが好ましく、99.9999体積%以上であるのがより好ましい。アンモニアガスの流量は5〜1000ml/minが好ましく、50〜150ml/minがより好ましい。
ヒータ4は、炉体1の一端から他端にかけて並列する複数のヒータエレメント4a、4b、4cを有し、各ヒータエレメント4a、4b、4cの温度は図外制御装置により互いに独立して制御可能とされている。これにより、炉体1の両端間略中央領域における反応容器2内が温度制御可能な第1の反応空間11とされ、炉体1内の他端寄りの領域が第2の反応空間12とされ、ヒータエレメント4b、4cの温度を独立して制御することで第1の反応空間11と第2の反応空間12は互いに独立して温度制御可能とされている。
第1の反応空間11に、原料載置部としてアルミナボート13が設置される。そのアルミナボート13上に、固体状二酸化ゲルマニウムと還元剤である黒鉛との混合物14、および固体状三酸化二ガリウムと還元剤である黒鉛との混合物15が載置される。第1の反応空間11において、ゲルマニウム源となる混合物14はガリウム源となる混合物15に対してキャリアガスの流れの上流に配置される。三酸化二ガリウム、黒鉛、および二酸化ゲルマニウムは、生成されるゲルマニウムドープ窒化ガリウム結晶の特性向上の観点から高純度であるのが好ましく、具体的には純度90重量%以上であるのが好ましい。
第2の反応空間12に、結晶形成部として基板16が設置される。その基板16の上方に第1原料ガス出口2aと第2原料ガス出口3aが配置され、基板16上で各ガス出口2a、3aから流出するガスが混合される。
第1の反応空間11において固体状三酸化二ガリウムを黒鉛を用いて熱還元することで一酸化二ガリウムガスが生成される。この熱還元の反応式は以下の通りである。
Ga2 O3 +2C→Ga2 O+2CO
この熱還元を行なうための温度は500〜1500℃であるのが好ましく、900〜1200℃であるのがより好ましい。
Ga2 O3 +2C→Ga2 O+2CO
この熱還元を行なうための温度は500〜1500℃であるのが好ましく、900〜1200℃であるのがより好ましい。
第1の反応空間11において固体状二酸化ゲルマニウムを黒鉛を用いて熱還元することで一酸化ゲルマニウムガスが生成される。この熱還元の反応式は以下の通りである。
GeO2 +C→GeO+CO
この熱還元を行なうための温度は500〜1500℃であるのが好ましく、900〜1200℃であるのがより好ましい。
GeO2 +C→GeO+CO
この熱還元を行なうための温度は500〜1500℃であるのが好ましく、900〜1200℃であるのがより好ましい。
第1の反応空間11において生成された一酸化二ガリウムガスと一酸化ゲルマニウムガスは、キャリアガスにより圧送されることで第1原料ガス出口2aから第2の反応空間12に導入される。また、導入管3を流れるアンモニアガスは第2原料ガス出口3aから第2の反応空間12に導入される。これにより、第2の反応空間12において、一酸化二ガリウムガスを一酸化ゲルマニウムガスの存在下に前記アンモニアガスと反応させることで、ゲルマニウムがドープされた窒化ガリウム結晶が基板16上で生成される。その結晶生成のための反応式は以下の通りである。
Ga2 O+2NH3 →2GaN+H2 O+2H2
この結晶生成のための反応が進行する基板16付近での温度は300〜1500℃に加熱するのが好ましく、800〜1300℃に加熱するのがより好ましい。その加熱時間は、加熱温度と生成する結晶サイズに応じて異なるものとされ、0.01〜48時間であるのが好ましく、0.03〜24時間であるのがより好ましい。
この結晶生成により生じた水蒸気と水素ガスは排気管5、6を介して第2の反応空間12から排出される。
なお、第1原料ガス出口2aから流出する一酸化二ガリウムガスと一酸化ゲルマニウムガスの混合ガスと、第2原料ガス出口3aから流出するアンモニアガスを、各原料ガス出口2a、3aの向きや基板16との距離を適宜設定することで、基板16の上方位置において接触させるのが好ましく、基板16の上面において接触させるのがより好ましい。例えば、各原料ガス出口2a、3aと基板16の上面との距離を2cmとする。
Ga2 O+2NH3 →2GaN+H2 O+2H2
この結晶生成のための反応が進行する基板16付近での温度は300〜1500℃に加熱するのが好ましく、800〜1300℃に加熱するのがより好ましい。その加熱時間は、加熱温度と生成する結晶サイズに応じて異なるものとされ、0.01〜48時間であるのが好ましく、0.03〜24時間であるのがより好ましい。
この結晶生成により生じた水蒸気と水素ガスは排気管5、6を介して第2の反応空間12から排出される。
なお、第1原料ガス出口2aから流出する一酸化二ガリウムガスと一酸化ゲルマニウムガスの混合ガスと、第2原料ガス出口3aから流出するアンモニアガスを、各原料ガス出口2a、3aの向きや基板16との距離を適宜設定することで、基板16の上方位置において接触させるのが好ましく、基板16の上面において接触させるのがより好ましい。例えば、各原料ガス出口2a、3aと基板16の上面との距離を2cmとする。
基板16上で生成されるゲルマニウムドープ窒化ガリウム結晶は結晶粒子が凝集したものであり、粉体状の蛍光体材料として用いることができる。
上記実施形態によれば、ゲルマニウム源として固体状二酸化ゲルマニウムと還元剤が用いられるので、高価な金属ゲルマニウムやゲルマンガスのような有毒ガスを用いることなく、熱還元反応を利用してゲルマニウムドープ窒化ガリウム結晶を容易に生成できる。
また、還元剤として固体の黒鉛が用いられるので、ゲルマニウムのドーピング濃度を容易に調整できる。すなわち、ゲルマニウムドープ窒化ガリウム結晶の特性を容易に制御でき、蛍光体として用いる場合の輝度向上のような品質向上に資することができる。
さらに、第1の反応空間11での三酸化二ガリウムの熱還元と二酸化ゲルマニウムの熱還元のための温度の最適化と、第2の反応空間12での結晶生成のための温度の最適化とを独立して行うことができ、安定した特性の結晶を容易に得ることができる。また、第1の反応空間11において生成された一酸化二ガリウムガスと一酸化ゲルマニウムガスは第2の反応空間12にキャリアガスの流れにより導入され、第2の反応空間12にアンモニアガスが導入されるので、結晶原料ガスを結晶成長領域に輸送しつつ加熱することで結晶を生成でき、簡単で安価な装置によりゲルマニウムドープ窒化ガリウム結晶を製造できる。
また、還元剤として固体の黒鉛が用いられるので、ゲルマニウムのドーピング濃度を容易に調整できる。すなわち、ゲルマニウムドープ窒化ガリウム結晶の特性を容易に制御でき、蛍光体として用いる場合の輝度向上のような品質向上に資することができる。
さらに、第1の反応空間11での三酸化二ガリウムの熱還元と二酸化ゲルマニウムの熱還元のための温度の最適化と、第2の反応空間12での結晶生成のための温度の最適化とを独立して行うことができ、安定した特性の結晶を容易に得ることができる。また、第1の反応空間11において生成された一酸化二ガリウムガスと一酸化ゲルマニウムガスは第2の反応空間12にキャリアガスの流れにより導入され、第2の反応空間12にアンモニアガスが導入されるので、結晶原料ガスを結晶成長領域に輸送しつつ加熱することで結晶を生成でき、簡単で安価な装置によりゲルマニウムドープ窒化ガリウム結晶を製造できる。
上記実施形態の結晶製造装置Aを用い、ゲルマニウムドープ窒化ガリウム結晶を製造した。
反応容器2として直径18mmの石英ガラス管を用い、固体状二酸化ゲルマニウム(高純度化学研究所製、純度99.995%)と黒鉛(ナカライテクス製、純度99%)の混合物14と、固体状三酸化二ガリウム(高純度化学研究所製、純度99.99%)と黒鉛(ナカライテクス製、純度99%)の混合物15をアルミナボート13に載置し、キャリアガスとしてアルゴンガス(住友精化製、純度99.9999体積%)を流量100ml/minで反応容器2内に供給し、ヒータ4により第1の反応空間11を約1000℃に加熱し、導入管3として直径8mmの石英ガラス管を用い、アンモニアガス(住友精化製、純度99.9995体積%)を流量100ml/minで導入管3に供給し、ヒータ4により第2の反応空間12を約1180℃で60分間加熱し、石英ガラス製基板16上でゲルマニウムドープ窒化ガリウム結晶を生成した。
混合物15における固体状三酸化二ガリウムと黒鉛のモル比は1:20とした。
ゲルマニウムドープ窒化ガリウム結晶として、ゲルマニウム濃度がそれぞれ0mol%、0.08mol%、0.4mol%、0.8mol%、4mol%、8mol%のものが生成されるように、混合物14における固体状二酸化ゲルマニウムと黒鉛のモル比を変化させた。なお、ゲルマニウム濃度の制御方法は特に限定されず、例えば黒鉛の粒度を変化させることで制御してもよい。
反応容器2として直径18mmの石英ガラス管を用い、固体状二酸化ゲルマニウム(高純度化学研究所製、純度99.995%)と黒鉛(ナカライテクス製、純度99%)の混合物14と、固体状三酸化二ガリウム(高純度化学研究所製、純度99.99%)と黒鉛(ナカライテクス製、純度99%)の混合物15をアルミナボート13に載置し、キャリアガスとしてアルゴンガス(住友精化製、純度99.9999体積%)を流量100ml/minで反応容器2内に供給し、ヒータ4により第1の反応空間11を約1000℃に加熱し、導入管3として直径8mmの石英ガラス管を用い、アンモニアガス(住友精化製、純度99.9995体積%)を流量100ml/minで導入管3に供給し、ヒータ4により第2の反応空間12を約1180℃で60分間加熱し、石英ガラス製基板16上でゲルマニウムドープ窒化ガリウム結晶を生成した。
混合物15における固体状三酸化二ガリウムと黒鉛のモル比は1:20とした。
ゲルマニウムドープ窒化ガリウム結晶として、ゲルマニウム濃度がそれぞれ0mol%、0.08mol%、0.4mol%、0.8mol%、4mol%、8mol%のものが生成されるように、混合物14における固体状二酸化ゲルマニウムと黒鉛のモル比を変化させた。なお、ゲルマニウム濃度の制御方法は特に限定されず、例えば黒鉛の粒度を変化させることで制御してもよい。
基板16上に生成されたゲルマニウムドープ窒化ガリウム結晶は、走査型電子顕微鏡(SEM)により観察すると粒径が1μm未満〜数μmの結晶粒子が凝集したものであった。
図2は、生成された結晶のラマン分光分析の結果を示すもので、横軸はラマンシフト量(cm-1)、縦軸はラマン強度(Arbitrary Unit)を表す。この図2より、ラマンシフト量300cm-1付近にゲルマニウムのドーピングに由来するラマン強度のピークが確認され、また、そのピークはゲルマニウム濃度に応じて増大することを確認できる。さらに、ゲルマニウム濃度が変化しても、ラマンシフト量500cm-1〜600cm-1の間に図中矢印で示す窒化ガリウムに由来するラマン強度のピークが確認できることから結晶構造が維持されていることを確認できる。
図3、図4は、生成された結晶のカソードルミネッセンス(CL)測定の結果を示すもので、図3における横軸はカソードルミネッセンスの波長(nm)、縦軸は強度(cps)を表し、図4における横軸はゲルマニウム濃度(mol%)、縦軸はカソードルミネッセンスの波長(nm)を表す。この図3、図4より、ゲルマニウムドープ窒化ガリウム結晶のバンドギャップに対応する発光ピークの波長がゲルマニウム濃度に応じてシフトし、ゲルマニウムをドーピングしない場合に比べ、ゲルマニウム濃度を0.08mol%とすることで波長362nm付近にシャープで輝度の高い発光ピークを生じることを確認できた。また、ゲルマニウムがドーピングされていない窒化ガリウム結晶における欠陥由来の発光ピーク(440nm)を、ゲルマニウムをドーピングすることで減少させ、結晶性を向上させて良好な発光品質を得られることを確認できた。
本発明は上記実施形態や実施例に限定されない。例えば、第1の反応空間11において、ゲルマニウム源となる混合物14に対するガリウム源となる混合物15の配置や、混合物14、15を載置する原料載置部の材質は特に限定されない。基板16の材質は結晶生成に影響を与えなければ石英ガラスに制限されず、例えばサファイヤや黒鉛を用いることができる。第1の反応空間11や第2の反応空間12の加熱方法も特に限定されない。さらに、還元剤は黒鉛に限定されず、活性炭のような他の固体還元剤や気体還元剤を用いてもよい。
11…第1の反応空間、12…第2の反応空間
Claims (4)
- 固体状三酸化二ガリウム(Ga2 O3 )を還元剤を用いて熱還元することで生成される一酸化二ガリウム(Ga2 O)ガスを、固体状二酸化ゲルマニウム(GeO2 )を還元剤を用いて熱還元することで生成される一酸化ゲルマニウム(GeO)ガスの存在下に、アンモニア(NH3 )含有ガスと反応させることで、ゲルマニウム(Ge)がドープされた窒化ガリウム(GaN)結晶を生成するゲルマニウムドープ窒化ガリウム結晶の製造方法。
- 前記各還元剤が黒鉛(C)である請求項1に記載のゲルマニウムドープ窒化ガリウム結晶の製造方法。
- 温度制御可能な第1の反応空間において、前記固体状三酸化二ガリウムを熱還元することで前記一酸化二ガリウムガスを生成すると共に前記固体状二酸化ゲルマニウムを熱還元することで前記一酸化ゲルマニウムガスを生成し、
前記第1の反応空間とは独立して温度制御可能な第2の反応空間に、前記第1の反応空間から前記一酸化二ガリウムガスと前記一酸化ゲルマニウムガスをキャリアガスにより導入し、
前記第2の反応空間に前記アンモニア含有ガスを導入し、
前記第2の反応空間において、前記一酸化二ガリウムガスを前記一酸化ゲルマニウムガスの存在下に前記アンモニア含有ガスと加熱しつつ反応させる請求項1または2に記載のゲルマニウムドープ窒化ガリウム結晶の製造方法。 - 蛍光体材料として用いられる粉体状のゲルマニウムドープ窒化ガリウム結晶。
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