JP2020200223A - Iii族元素窒化物結晶の製造方法および製造装置 - Google Patents

Iii族元素窒化物結晶の製造方法および製造装置 Download PDF

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章雄 上田
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Hiroshi Ono
啓 大野
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Tomio Yamashita
富生 山下
石橋 明彦
Akihiko Ishibashi
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Abstract

【課題】高品質なIII族元素窒化物結晶を得るためのIII族元素窒化物結晶の製造方法を提供する。【解決手段】III族元素窒化物結晶の製造方法は、チャンバ内に種基板を準備する種基板準備工程と、チャンバ内に窒素元素含有ガスとIII族元素酸化物ガスとを供給して種基板に島状のIII族元素窒化物を成長させるOVPE工程と、チャンバ内に窒素元素含有ガスとIII族元素塩化物ガスとを供給して島状のIII族元素窒化物の上にIII族元素窒化物を層状に成長させるHVPE工程と、を含む。【選択図】図5

Description

本発明は、III族元素窒化物結晶の製造方法及び製造装置に関する。
III族元素窒化物半導体は、III族元素であるGa、Al、Inなどの組成を変化させることで広いバンドギャップをカバーできることから、LED、LDなどの光半導体デバイス、高周波、高出力用途の電子デバイス等に広く使用されている。中でも窒化物半導体結晶基板上へホモエピタキシャル成長させた光デバイスや電子デバイスは、結晶性の高さから素子の特性を大きく向上させる。そのため、窒化物半導体結晶基板上デバイスは、大きく期待され、広く研究・開発が行われている。これらの高性能デバイスに用いられる窒化物半導体結晶基板として、ハイドライド気相成長法(HVPE法)を用いた厚膜窒化物半導体結晶をスライスして自立基板を形成する方法が開示されている。HVPE法にて窒化物半導体結晶を形成する際に、転位密度の低減は重要であり、横方向成長を行うことで転位を横方向に曲げ、伝搬する転位を対消滅させることで低転位化を実現している。
図1A、図1B、図1Cは、窒化物結晶内部での転位の対消滅を実現させる方法のイメージ図である。図1A乃至図1Cを用いて、窒化物結晶内部での転位の対消滅について説明する。
(1)まず、基板101上にファセット構造を持つ窒化物半導体結晶核102を形成させる(図1A)。基板/窒化物結晶界面にて発生している転位104は、窒化物半導体結晶核102内にてファセット方向に曲げられる。
(2)その後に横方向成長領域103を成長させる(図1B)。横方向成長領域103が進むにつれ、転位104は、横方向成長領域103の主な成長方向である横方向に更に曲げられる。
(3)さらに、横方向成長領域103を成長させて、隣接する横方向成長領域103を結合させる(図1C)。その結果、横方向成長領域103が結合する領域にて転位104同志が結合することで表面に向かって転位数が低減する。
従来例では、このような転位の対消滅による転位低減を実現させる方法として、基板上にマスクや凸凹パターンを形成し、選択成長法を用いることで意図的に基板面に対して角度を持つファセットを持つ窒化物半導体結晶核を形成し、その上に横方向成長させることで低転位な窒化物半導体結晶を得ている。図2は、従来例(例えば、特許文献1参照。)に開示されている転位低減手法によって得られるGaN結晶の断面構成を示す概略断面図である。図2では基板101上にPdやTiN金属マスク105を形成し、その上に選択成長にて窒化物結晶103を形成することで窒化物半導体結晶を得ている。また、図3は、従来例(例えば、特許文献2参照。)における成長温度を変調させた場合の転位低減手法によって得られるGaN結晶の断面構成を示す概略断面図である。特許文献2では図3に示すようにHVPE法にて950℃程度の低温にて3次元成長させることでファセット構造を持つ窒化物半導体膜を形成し、その後に成長温度を1025℃程度と高温にして横方向成長を行うことで転位低減する手法が開示されている。
特許第4396816号 特許第5367376号
しかしながら、特許文献1に開示の転位低減手法では、窒化物半導体結晶核を形成するために基板上にマスクや凸凹パターンを形成する必要があり、工程が複雑であるという課題がある。また、特許文献2に開示されている950℃の低温にてHVPE法にて3次元成長した窒化物半導体膜においては、本発明者らの検討結果では良好な結晶性が得らなかった。よって、これらの方法では、十分な転位低減効果を得ることは困難である。
そこで、本発明では高品質なIII族元素窒化物半導体結晶を形成するIII族元素窒化物結晶の製造方法を提供することを目的とする。
本開示に係るIII族元素窒化物結晶の製造方法は、チャンバ内に種基板を準備する種基板準備工程と、
前記チャンバ内に窒素元素含有ガスとIII族元素酸化物ガスとを供給して前記種基板に島状のIII族元素窒化物を成長させるOVPE工程と、
前記チャンバ内に前記窒素元素含有ガスとIII族元素塩化物ガスとを供給して前記島状のIII族元素窒化物の上にIII族元素窒化物を層状に成長させるHVPE工程と、
を含む。
本開示に係るIII族元素窒化物結晶の製造方法により、III族元素窒化物結晶の3次元核成長から横方向成長を容易に実現して転位の対消滅により、高品質なIII族元素窒化物単結晶を育成できる。
窒化物結晶内部での転位の対消滅を実現させる方法のイメージ図である。 窒化物結晶内部での転位の対消滅を実現させる方法のイメージ図である。 窒化物結晶内部での転位の対消滅を実現させる方法のイメージ図である。 従来例における転位低減手法によって得られるGaN結晶の断面構成を示す概略断面図である。 従来例における成長温度を変調させた場合の転位低減手法によって得られるGaN結晶の断面構成を示す概略断面図である。 実施の形態1に係るIII族元素窒化物結晶の製造装置の構成を示す概略断面図である。 実施の形態1に係るIII族元素窒化物結晶におけるOVPE/HVPE層の断面構成を示す概略断面図である。 実施の形態1に係るIII族元素窒化物結晶の製造方法におけるOVPE成長後の表面のSEM像である。 実施の形態1に係るおけるOVPE/HVPE成長後のカソードルミネッセンス像(CL像)である。 GaN基板の表面のカソードルミネッセンス像(CL像)である。 HVPE法のみにて成長させた場合の表面のカソードルミネッセンス像(CL像)である。 実施の形態2に係るIII族元素窒化物結晶の製造方法によって成長させたGaN膜に含まれるOVPE/HVPE層の断面構成を示す概略断面図である。 実施の形態3に係るIII族元素窒化物結晶の製造装置の構成を示す概略断面図である。
第1の態様に係るIII族元素窒化物結晶の製造方法は、チャンバ内に種基板を準備する種基板準備工程と、
前記チャンバ内に窒素元素含有ガスとIII族元素酸化物ガスとを供給して前記種基板に島状のIII族元素窒化物を成長させるOVPE工程と、
前記チャンバ内に前記窒素元素含有ガスとIII族元素塩化物ガスとを供給して前記島状のIII族元素窒化物の上にIII族元素窒化物を層状に成長させるHVPE工程と、
を含む。
第2の態様に係るIII族元素窒化物結晶の製造方法は、上記第1の態様において、前記OVPE工程と前記HVPE工程との切り替え前後における前記チャンバ内の温度差は300℃以下であってもよい。
第3の態様に係るIII族元素窒化物結晶の製造方法は、上記第1又は第2の態様において、前記OVPE工程と前記HVPE工程とを交互に繰り返してもよい。
第4の態様に係るIII族元素窒化物結晶の製造方法は、上記第1から第3のいずれかの態様において、前記OVPE工程と前記HVPE工程とを切り替える際に、前記両工程を同時に行ってもよい。
第5の態様に係るIII族元素窒化物結晶の製造方法は、上記第4の態様において、前記OVPE工程と前記HVPE工程とを切り替える際に、前記III族元素酸化物ガスの供給を徐々に低減してもよい。
第6の態様に係るIII族元素窒化物結晶の製造方法は、上記第1から第5のいずれかの態様において、前記窒素元素含有ガスは、NHであり、前記III族元素酸化物ガスは、GaOであり、前記III族元素塩化物ガスは、HClであってもよい。
第7の態様に係るIII族元素窒化物結晶の製造方法は、上記第1から第6のいずれかの態様において、前記III族元素酸化物ガスは、III族元素金属を酸化させて形成してもよい。
第8の態様に係るIII族元素窒化物結晶の製造装置は、上記第1から第7のいずれかの態様におけるIII族元素窒化物結晶の製造方法を実施するためのIII族元素窒化物結晶の製造装置である。
第9の態様に係るIII族元素窒化物結晶製造装置は、種基板を配置するチャンバと、
III族元素金属が配置されたIII族元素原料室と、
前記III族元素原料室に酸素系ガスを導入する酸素系ガス導入ノズルと、
前記III族元素原料室に塩化物系ガスを導入する塩化物系ガス導入ノズルと、
前記III族元素原料室からIII族元素酸化物ガス又はIII族元素塩化物ガスを前記チャンバ内に供給する第1ノズルと、
窒素元素含有ガスを前記チャンバ内に供給する第2ノズルと、
キャリアガスを前記チャンバ内に供給する第3ノズルと、
を備える。
第10の態様に係るIII族元素窒化物結晶製造装置は、上記第9の態様において、前記III族元素原料室は、第1原料室と、第2原料室とを有し、
前記酸素系ガス導入ノズルは、前記第1原料室に酸素系ガスを導入し、
前記塩化物系ガス導入ノズルは、前記第2原料室に塩化物系ガスを導入し、
前記第1ノズルは、前記第1原料室から前記チャンバ内にIII族元素酸化物ガスを供給するIII族元素酸化物ガス供給ノズルと、前記第2原料室から前記チャンバ内にIII族元素塩化物ガスを供給するIII族元素塩化物ガス供給ノズルと、を有してもよい。
以下、実施の形態に係るIII族元素窒化物結晶の製造方法及び製造装置について、添付図面を参照しながら説明する。なお、図面において実質的に同一の部材については同一の符号を付している。
(実施の形態1)
<III族元素窒化物結晶の製造方法>
本開示の実施の形態1に係るIII族元素窒化物結晶の製造方法は、種基板準備工程と、OVPE工程と、HVPE工程と、を含む。種基板準備工程では、チャンバ内に種基板を準備する。OVPE工程では、チャンバ内に窒素元素含有ガスとIII族元素酸化物ガスとを供給して種基板に島状のIII族元素窒化物を成長させる。HVPE工程では、チャンバ内に窒素元素含有ガスとIII族元素塩化物ガスとを供給して島状のIII族元素窒化物の上にIII族元素窒化物を層状に成長させる。
実施の形態1に係るIII族元素窒化物結晶の製造方法では、OVPE工程とHVPE工程とを同一チャンバ内にて連続に実施することが可能であることを特徴とする。具体的には、窒化物半導体結晶の3次元核の製造方法として、III族元素酸化物を原料とする酸化物気相成長法(OVPE法)を用い、その後に同一チャンバ内にてHVPE法によって横方向成長させることで高品質な窒化物結晶を得ることを特徴としている。OVPE法では、GaOガスとアンモニアガスとをチャンバ内に導入して反応させることで、チャンバ内に設置されている基板上にGaN結晶を形成する。このOVPE法では、III族元素原料ガスが酸素を含むため、窒化物成長中に酸素がチャンバ内に存在する。これらの酸素は基板表面のc面テラス上に比べ、ステップ端にてより安定となることが予想され、ステップ端に滞在している酸素は窒化物結晶の横方向成長を阻害する。そのため、成長が進むに連れてファセット面が顕在化し、3次元核成長させることを可能とする。よって、OVPE法を用いることで、良好な結晶性を持つ窒化物核成長が可能となる。その後に、同一チャンバ内で続けてGaClガスとアンモニアガスとを導入して反応させるHVPE法によって横方向成長を促進させる。このようにGaN結晶をHVPE法にて成長させることで十分な転位低減効果を持たせた高品質なIII族元素窒化物結晶を得ることができる。本開示においては同一チャンバにて連続してOVPE成長、及び、HVPE成長が可能なため、それぞれの成長を別チャンバにて成長させる工程で生じてしまう1000℃程度の温度の昇降温が必要ない。よって、基板/窒化物膜の熱膨張係数差によるクラック誘発も抑制することが可能である。
本開示における実施の形態1に係るIII族元素窒化物結晶の製造方法について詳細に説明する。なお、このIII族元素窒化物結晶の製造方法では、図4のIII族元素窒化物結晶の製造装置を用いた場合について説明するが、これに限られない。
(1)基板101には、例えばGaN基板を用いる。
(2)次に、GaN基板101をチャンバに導入し、アンモニア及び水素雰囲気中にて基板温度1000℃程度まで加熱して、表面の酸化膜を除去する。
(3)その後に酸素系ガス導入ノズル114より酸素ガスを金属Gaが設置されているIII族元素原料室113を通してIII族元素酸化物ガスであるGaOガスを発生させ、第1ノズル112よりGaN基板101へと供給開始する。同様に、反応ガスノズル117からはアンモニアを導入し、キャリアガスノズル116からは窒素と水素の混合ガスを導入し、1350℃へと基板温度を昇温させながら基板上にGaNをOVPE成長させる。それぞれの流量は、例えば、酸素0.2slm、アンモニア2slm、キャリアガスノズル116からは窒素9.2slmと水素9.1slmである。基板は、サセプタ111の回転機構により、例えば回転数1000rpmに設定してある。上記の条件にて得られたGaNの成長速度は、例えば60ミクロン/hである。
図6は、OVPE法にて成長時間100分間にて膜厚100ミクロン成長させた後のGaN表面の電子顕微鏡像(SEM像)である。図6より、表面に凹凸を持つ3次元状にGaNが形成されていることが確認できる。得られたGaN表面は、主にc面から約62°の角度を持つ{10−11}面にて構成されている。
(4)次に、OVPE法にて100ミクロン厚成長させた後、成長温度を1050℃へと降温させる。降温させながら、酸素系ガス導入ノズル114より導入されていた酸素供給を止め、塩化物系ガス導入ノズル115より0.26slmのHClをIII族元素原料室113に導入する。これにより、III族元素原料室113内ではIII族元素塩化物ガスであるGaClが発生し、第1ノズル112より基板101へとGaClの供給が開始される。同様にアンモニア2.4slm、キャリアガスを窒素8slmと水素9.9slm、回転数500rpmとする。これらの条件にてHVPE成長させた場合のGaNの成長速度は、例えば、220ミクロン/hである。
図7は、HVPE法にて110min成長後のGaN膜の表面カソードルミネッセンス像(CL像)である。成長させたGaN膜の膜厚は400ミクロンである。GaN膜の表面は、横方向成長が促進された影響と思われる鏡面であった。図7より見積もられた暗点密度は1.2×10cm−2であった。
一方、図8Aは、GaN基板のカソードルミネッセンス像(CL像)である。図8Bは、GaN基板上にHVPE法のみにて膜厚400ミクロン成長させた場合のカソードルミネッセンス像(CL像)である。図8A及び図8Bより見積もられた暗点密度は両サンプル共に4.0×10cm−2であった。
図7と図8A及び図8Bとを対比すると、図8A及び図8Bに示されるように、HVPE法のみの成長では平坦成長が主であるために図1A乃至図1Cに示した様な転位対消滅の機構の効果が小さく、400ミクロン成長ではHVPE成長前後での大きな差異を観測することが出来なかった。一方、図7に示されるように、OVPE法+HVPE法にて成長されたGaN膜においては転位対消滅による転位密度の低減が確認され、高品質なGaN結晶が得られていることがわかる。
なお、本実施の形態1においては基板101にGaN基板を用いているが、これに限られず、サファイア、SiC、ScAlMgO、Siなどの窒化物テンプレート基板を用いてもよい。その場合、基板101とGaNとの間において熱膨張係数が異なるため(GaN:5.59×10−6/k、サファイア:7.5×10−6/k、SiC:4.2×10−6/k、ScAlMgO4:6.2×10−6/k、Si:3.9×10−6/k)、温度の昇降温にて熱膨張係数差による歪が生じ、クラックを誘発する恐れがある。そのため、OVPE法とHVPE法との成長温度差を300℃以下にすることでクラック発生を抑制することが可能となる。
<III族元素窒化物結晶>
図5は、本実施の形態1に係るIII族元素窒化物結晶の製造方法によって成長させたIII族元素窒化物結晶200であるGaN膜の断面構成を示す概略断面図である。
このIII族元素窒化物結晶200は、基板101と、基板101の上に成長した膜厚100ミクロンのGaN核形成層201と、GaN核形成層201の上に成長した膜厚400ミクロンのGaN埋め込み層202と、を有する。GaN核形成層201は、c面から約62°の角度を持つ{10−11}面からなる三角形のファセット構造を有し、隣接するファセット構造が一部結合している。また、GaN埋め込み層202は、GaN核形成層201から横方向に成長して結合し、平面を形成している。
<III族元素窒化物結晶の製造装置>
図4は、本実施の形態1に係る、III族元素窒化物結晶の製造装置100の構成を示す概略断面図である。このIII族元素窒化物結晶の製造装置100は、気相成長装置であり、GaN単結晶を成長させるための種基板101を配置する反応室(容器(チャンバ)110)と、III族元素系反応系ガス、具体的には、III族元素酸化物ガス及び/又はIII族元素塩化物ガスを導入する第1ノズル112と、V族元素系反応ガス、具体的には、窒素元素含有ガスを前記反応室内に導入する第2ノズル(反応ガスノズル117)と、キャリアガスを前記反応室内に導入する第3ノズル(ガスノズル116)と、を備える。また、OVPE法とHVPE法とによってそれぞれ成長を可能とするために、III族元素金属が配置されたIII族元素原料室113に酸素系ガス導入ノズル114及び/又は塩化物系ガス導入ノズル115からガスを導入することで、III族元素系反応系ガス、具体的にはIII族元素酸化物ガス及び/又はIII族元素塩化物ガスが生成される。生成されたIII族元素系反応系ガス(III族元素酸化物ガス及び/又はIII族元素塩化物ガス)は、第1ノズル112より基板101へと供給される。容器110(反応室)内に配置されている基板101は、サセプタ111にて保持されており、サセプタ111は、基板101に比べて大きなサイズをしている。サセプタ111は、更に加熱機構、及び、回転機構を有している。容器110に導入されたガス種は、排気部118より排気される。
(実施の形態2)
<III族元素窒化物結晶の製造方法>
図9は、実施の形態2に係るIII族元素窒化物結晶の製造方法によって成長させたGaN膜の断面構成を示す概略断面図である。なお、III族元素窒化物結晶の製造装置としては実施の形態1と同様に図4のIII族元素窒化物結晶の製造装置を用いた場合について説明する。
(1)基板101にはGaN基板を用いる。
(2)GaN基板101は、実施の形態1と同様に1000℃程度での表面酸化膜除去後に1350℃に昇温させながら酸素0.2slm、アンモニア2slm、キャリアガスノズル116からは窒素9.2slmと水素9.1slm、回転数1000rpmにてOVPE法によって100ミクロン成長させる。
(3)その後、基板温度を1050℃に降温させながら、例えば、酸素0.1slm、HCl0.1slm、アンモニア2.4slm、キャリアガスとして窒素8slmと水素9.9slm、回転数500rpmにてOVPE/HVPEハイブリッド層203を50ミクロン成長させる。この場合、酸素ガスの供給とHClガスの供給とを切り替えるのではなく、両方のガスを同時に供給している。
(4)その後、基板温度1050℃にてHCl0.26slm、アンモニア2.4slm、アンモニア2.4slm、キャリアガスを窒素8slmと水素9.9slm、回転数500rpmにて350ミクロンHVPE成長させる。
以上の工程によって、III族元素窒化物結晶200aであるGaN膜を得ることができる。
このIII族元素窒化物結晶の製造方法によれば、実施の形態1に係るIII族元素窒化物結晶の製造方法と対比すると、OVPE/HVPEハイブリッド層203をOVPE成長層201と、HVPE成長層202との間に挿入する点で相違する。つまり、OVPE法からHVPE法に切り替える際に、両方をオーバラップさせて行っている。これによって、OVPE成長層201と、HVPE成長層202との間にOVPE/HVPEハイブリッド層203を挿入している。OVPE/HVPEハイブリッド層203を挿入することで、切替時にOVPE成長層に混入してしまう酸素の濃度をHVPE層に対して階段状に変化させることが可能となる。これにより、急激な酸素濃度の変化に対する界面での歪の影響を低減することが可能となる。このようにOVPE/HVPE層にOVPE/HVPEハイブリッド層を挿入した構造においても表面CL像評価から、暗点密度2.6×10cm−2の高品質なGaN結晶を得ることが出来る。
<III族元素窒化物結晶>
このIII族元素窒化物結晶200aは、基板101と、基板101上に成長した膜厚100ミクロンのGaN核形成層201と、GaN核形成層201の上に成長した膜厚50ミクロンのOVPE/HVPEハイブリッド層203と、OVPE/HVPEハイブリッド層203の上に成長した膜厚350ミクロンのGaN埋め込み層202と、を有する。
なお、本実施の形態2においてはOVPE/HVPEハイブリッド層203を1層のみ挿入しているが、これに限られない。例えば、急激なGaN中の酸素濃度の変化を、階段状、もしくは傾斜状に変化させるためにノズル114の酸素の流量を変化させる、及び、ノズル115のHClの流量を変化させてOVPE/HVPEハイブリッド層203を挿入してもよい。
(実施の形態3)
<III族元素窒化物結晶の製造装置>
図10は、本実施の形態3に係るIII族元素窒化物結晶の製造装置の構成を示す概略断面図である。このIII族元素窒化物結晶の製造装置は、気相成長装置である。このIII族元素窒化物結晶の製造装置では、実施の形態1に係るIII族元素窒化物結晶の製造装置と対比すると、III族元素系反応系ガスを導入するためにOVPE法とHVPE法それぞれにGa金属を備えたOVPE法用III族元素原料室121と、HVPE法用III族元素原料室122とを設けている点で相違する。つまり、III族元素原料室がOVPE用及びHVPE用の2つに分離されている。このIII族元素窒化物結晶の製造装置によれば、酸素系ガス導入ノズル114より供給される酸素によって、OVPE法用III族元素原料室121にてGaOを生成し、III族元素供給ノズル119よりGaOが基板101へと供給される。また、塩化物系ガス導入ノズル115より供給されるHClによって、HVPE法用III族元素原料室122にてGaClを生成し、III族元素供給ノズル120よりGaClが基板101へと供給される。この様な構成とすることで、OVPE法とHVPE法とのそれぞれのIII族元素ガス供給の制御性を向上させることが可能となる。なお、本実施の形態においても図5もしくは図9の構造を形成することで同様に高品質なGaN結晶を得ることが出来る。
なお、図10のIII族元素窒化物結晶の製造装置の構成の場合、OVPE法用のIII族元素原料室121にはGa金属の代わりにGa原料を配置してもよい。その場合、ガス導入ノズル114からは水素を導入することでGaOを生成することが可能であり、III族元素供給ノズル119より基板101へと供給することが出来る。
なお、本開示においては、前述した様々な実施の形態及び/又は実施例のうちの任意の実施の形態及び/又は実施例を適宜組み合わせることを含むものであり、それぞれの実施の形態及び/又は実施例が有する効果を奏することができる。
本発明に係るIII族元素窒化物結晶の製造方法および製造装置を用いることで、厚膜、高品質なIII族元素窒化物膜を作製可能となることから、高品質なIII族元素窒化物基板の提供が可能となる。また、基板上に高性能なIII族元素窒化物デバイスの供給を可能とする。
100、100a III族元素窒化物結晶の製造装置
101 基板
102 窒化物半導体結晶核
103 窒化物半導体横方向成長領域
104 転位
105 マスク
110 容器(チャンバ)
111 サセプタ
112 第1ノズル
113 III族元素原料室
114 酸素系ガス導入ノズル
115 塩化物系ガス導入ノズル
116 第3ノズル
117 第2ノズル
118 排気部
119 III族元素供給ノズル(OVPE)
120 III族元素供給ノズル(HVPE)
121 OVPE法用III族元素原料室
122 HVPE法用III族元素原料室
200、200a III族元素窒化物結晶
201 核形成層
202 埋め込み層
203 OVPE/HVPEハイブリッド層

Claims (10)

  1. チャンバ内に種基板を準備する種基板準備工程と、
    前記チャンバ内に窒素元素含有ガスとIII族元素酸化物ガスとを供給して前記種基板に島状のIII族元素窒化物を成長させるOVPE工程と、
    前記チャンバ内に前記窒素元素含有ガスとIII族元素塩化物ガスとを供給して前記島状のIII族元素窒化物の上にIII族元素窒化物を層状に成長させるHVPE工程と、
    を含む、III族元素窒化物結晶の製造方法。
  2. 前記OVPE工程と前記HVPE工程との切り替え前後における前記チャンバ内の温度差は300℃以下である、請求項1に記載のIII族元素窒化物結晶の製造方法。
  3. 前記OVPE工程と前記HVPE工程とを交互に繰り返す、請求項1又は2に記載のIII族元素窒化物結晶の製造方法。
  4. 前記OVPE工程と前記HVPE工程とを切り替える際に、前記両工程を同時に行う、請求項1から3のいずれか一項に記載のIII族元素窒化物結晶の製造方法。
  5. (酸素濃度を徐々に変化させる)
    前記OVPE工程と前記HVPE工程とを切り替える際に、前記III族元素酸化物ガスの供給を徐々に低減する、請求項4に記載のIII族元素窒化物結晶の製造方法。
  6. 前記窒素元素含有ガスは、NHであり、前記III族元素酸化物ガスは、GaOであり、前記III族元素塩化物ガスは、HClである、請求項1から5のいずれか一項に記載のIII族元素窒化物結晶の製造方法。
  7. 前記III族元素酸化物ガスは、III族元素金属を酸化させて形成される、請求項1から6のいずれか一項に記載のIII族元素窒化物結晶の製造方法。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載のIII族元素窒化物結晶の製造方法を実施するためのIII族元素窒化物結晶の製造装置。
  9. 種基板を配置するチャンバと、
    III族元素金属が配置されたIII族元素原料室と、
    前記III族元素原料室に酸素系ガスを導入する酸素系ガス導入ノズルと、
    前記III族元素原料室に塩化物系ガスを導入する塩化物系ガス導入ノズルと、
    前記III族元素原料室からIII族元素酸化物ガス又はIII族元素塩化物ガスを前記チャンバ内に供給する第1ノズルと、
    窒素元素含有ガスを前記チャンバ内に供給する第2ノズルと、
    キャリアガスを前記チャンバ内に供給する第3ノズルと、
    を備える、III族元素窒化物結晶製造装置。
  10. 前記III族元素原料室は、第1原料室と、第2原料室とを有し、
    前記酸素系ガス導入ノズルは、前記第1原料室に酸素系ガスを導入し、
    前記塩化物系ガス導入ノズルは、前記第2原料室に塩化物系ガスを導入し、
    前記第1ノズルは、前記第1原料室から前記チャンバ内にIII族元素酸化物ガスを供給するIII族元素酸化物ガス供給ノズルと、前記第2原料室から前記チャンバ内にIII族元素塩化物ガスを供給するIII族元素塩化物ガス供給ノズルと、を有する、請求項9に記載のIII族元素窒化物結晶製造装置。
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