JP3909690B2 - エピタキシャル成長によるSiC膜の製造方法 - Google Patents

エピタキシャル成長によるSiC膜の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、エピタキシャル成長によるSiC膜の製造方法に関するものである。とくに、この発明は、パワーデバイス素子及び高周波半導体素子に供されるSiC単結晶膜の製造に適した方法に関するものである。
【0002】
【関連の技術】
パワーデバイスや、高周波素子に用いられる3C−SiC単結晶膜は、結晶構造が3C−SiCと類似の閃亜鉛鉱構造を有するSi基板を用いて製作されている。
【0003】
現在、パワー用デバイスを目的に3C−SiCをSi基板上に成長させる研究が行われている。この理由は、次のとおりである。
【0004】
(a)Siの結晶完全性が極めて高い
(b)安価に大口径の結晶基板が入手可能である
(c)Siデバイスの加工製造ラインを流用可能である
しかし、基板と格子定数の異なる結晶膜を成長させる場合、そのまま成長させたのでは、目的結晶物質と基板との格子不整合及び熱膨張差により応力が発生、多結晶化や結晶欠陥多発で良好な結晶が得られない。
【0005】
そこで、基板と目的物質の結晶膜の間に中間層を形成して格子不整合を緩和させる方法やSi基板表面を炭化水素ガスにより炭化処理またはundulationを施して表面を荒らした後にシランやプロパンガスなどによって3C−SiCをエピタキシャル成長させる方法が提案されている。
【0006】
【発明の解決しようとする課題】
基板となるSiと成長させるSiCとの間には格子不整合があり、そのためにミスフィット転位による結晶欠陥が多数発生し、デバイス作製時の問題となっている。
【0007】
したがって、基板と格子定数の異なる結晶膜を成長させるためには、目的結晶物質と基板との格子不整合及び熱膨張差による応力を抑制緩和する必要がある。
【0008】
Si基板表面を炭化水素ガスで炭化し、これをバッファー層としてSiCを成長させる方法がある。この手法によると、基板中のSi原子が炭化処理により基板表面に持ち去られ、Si基板中に空孔が生じ、Si基板が荒れてしまう現象が見られる。
【0009】
また、Si基板にundulationを施し表面を荒らして、多発した欠陥を相殺させ減少させることで、大口径の3C−SiC単結晶を得ることが提案されている。
【0010】
しかし、こうした気相成長では、基板の表面状態を受け継いでしまうため、低欠陥密度の低い高品質単結晶層が得られず、デバイス基板としての要求を満たすものは未だ得られていない。また、その基板の荒れはデバイス作製時の電気抵抗にもなり得る。
【0011】
そこで、基板の荒れをもたらさない適当な物質によるバッファー層を設けることが必要であり、閃亜鉛鉱型結晶であるc−BPを中間層としてSiCをヘテロエピタキシャル成長させる方法が提案されている。この方法では、SiC成長温度以下で分解してしまうc−BPのため、分解開始温度以下でSiCなどのアモルファス層を形成することにより雰囲気ガスに対する遮蔽膜として分解を抑制する技術も提案されている。
【0012】
しかし、デバイスとして使用するための3C−SiC結晶には、さらなる結晶性の向上が求められている。また、バッファー層としてのc−BP層からSiC層への欠陥伝搬が確認されており、バッファー層の結晶性向上も望まれる。
【0013】
すなわち、基板にundulation加工を施す場合においても、或いは中間緩衝層を導入する方法にしてもSiC層と界面をなす処の結晶欠陥を極力排除する必要がある。そこで、こうした格子定数差及び熱膨張差を抑制回避し、Siを基板として気相成長により欠陥の少ない3C−SiC結晶膜を得るための結晶成長方法の確立が望まれている。
【0014】
本発明の目的は、Si基板上にバッファー層として形成されたc−BP層の結晶性の向上および熱膨張差のさらなる緩和による高品質SiC膜の製造方法を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決手段を例示するとつぎの通りである。
【0016】
(1)Si基板上に立方晶リン化ホウ素(c−BP)をバッファー層として成膜する工程と、
SiCが結晶化する温度よりも低い温度でアモルファスSiC膜をバッファー層の上にエピタキシャル成長により成膜させる工程と
SiCが結晶化する温度以上の高い温度で3C−SiC結晶膜をアモルファスSiC膜の上にエピタキシャル成長により成膜させる工程と
を含むSiC膜の製造方法。
【0017】
(2)前記低い温度でアモルファスSiC膜を形成した後に、原料ガスの供給を停止してアニール処理をおこない、そのあと、前記高い温度で3C−SiC結晶膜を形成し、しかも、アモルファスSiCの形成後のアニール処理温度がc−BPの成膜温度以下で、かつ750℃以上である前記(1)に記載のSiC膜の製造方法。
【0018】
(3)アモルファスSiCの成膜温度が300〜650℃である前記(1)又は(2)に記載のSiC膜の製造方法。
【0020】
)Si基板上にSiC膜をエピタキシャル成長させる方法において、以下の工程を含む方法。
【0021】
(a)Si基板上にP(リン)元素を有するガスとB(ホウ素)元素を有するガスとを含む原料ガスを供給して、Si基板上に厚さ5nm以上100nm以下のアモルファスBP薄膜を合成する工程、
(b)Si基板上にさらにP元素を有するガスとB元素を有するガスとを含む原料ガスを供給して、Si基板上に厚さ5nm以上1000nm以下のc−BP単結晶薄膜を合成する工程、
(c)c−BP単結晶薄膜が合成されたSi基板上に、炭素元素を有するガスと珪素元素を有するガスを供給して、Si基板上のc−BP単結晶薄膜の上に厚さ1nm以上500nm以下のアモルファスSiC薄膜を合成する工程、
(d)Si基板を750〜1200℃の温度でアニール処理して、前記(b)工程で形成したc−BP単結晶膜の結晶性を向上させる工程、
(e)Si基板上に再び炭素元素及び珪素元素を有するガスを供給して1nm以上500nm以下の厚さを有する3C−SiC単結晶薄膜を合成する工程。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の好適な実施態様によれば、BP分解開始温度以下の温度で、SiCのアモルファス層をバッファー層の上に形成して、雰囲気との遮蔽膜として機能させたうえで、原料ガスの供給を停止してBP成膜温度以下でアニール処理をおこなう。それにより、バッファー層のc−BPの結晶性が向上し、その後のSiC単結晶の成長においても良好な3C−SiC成長膜が得られる。
【0025】
基板となるSi上にSiC単結晶膜をエピタキシャル成長させるにあたり、中間緩衝層としてc−BPを用いる。閃亜鉛鉱型結晶であるc−BPの格子定数はSiと格子定数と比較して16.4%の違いがあるものの、c−BPはSi上にヘテロエピタキシャル成長できることが知られている。Si基板上にc−BPをエピタキシャル成長させることにより、c−BPの格子定数に近い立方晶炭化ケイ素(3C−SiC)結晶がミスフィット転位を抑制した状態でヘテロエピタキシャルが可能である。しかし、SiC結晶層はその下地として中間緩衝層の結晶欠陥を引き継いでしまうため、中間緩衝層の結晶性を向上させることが必要である。また、SiC自体は低温でのアニールでは顕著な結晶向上効果が得られないため、低温でもアニール効果が得られるc−BPバッファー層での結晶向上が重要となる。
【0026】
ここで、c−BPなどのPを含む材料は融点より低い温度で分解し、その後のヘテロエピタキシャル成長の障害になっている。そこで、c−BPをエピタキシャル成長させた後、300〜650℃の比較的低温にてSiCのアモルファス層を〜500nm程度成長させ、次いで基板温度を750℃からc−BP成長温度以下まで上昇させてアニールをおこなう。その後、所定の温度にて3C−SiCの結晶成長をおこなう。アニール温度はなるべくSiC結晶成長温度に近い方が効果的である。
【0027】
比較的低温でアモルファスSiC層を設けることによってc−BPの分解を抑制し、アニール効果の発揮できる温度までの昇温を可能にする。SiC低温成長後アニールすることによりBP分解を抑制してc−BP層の結晶性を向上し、そのバッファー層の改善で良質なSiCヘテロエピタキシャル結晶を得ることができる。
【0028】
上記の応用として、バッファー層およびSiC層を薄く多層化して介在させることにより熱膨張差の緩和をねらう。
【0029】
まず、低温でSi基板上に隣元素を有するガスと硼素元素を有するガスとを含む原料ガスを供給することにより該Si基板上に厚さ5nm以上100nm以下のBPアモルファス薄膜を合成する。ここで該原料ガスは、該燐元素を有するガスと硼素元素を有するガスを全ガス中各々0.01〜30容量%の範囲内で含有している。また、成膜温度は300〜700℃である。
【0030】
つぎに、温度を上昇させ、該基板上にさらに隣元素を有するガスと硼素元素を有するガスとを含む原料ガスを供給する。それにより該Si基板上に厚さ5nm以上1000nm以下のc−BP単結晶薄膜を合成する。ここで該原料ガスは、該燐元素を有するガスと硼素元素を有するガスを全ガス中各々0.01〜30容量%の範囲内で含有している。また、成膜温度は800〜1200℃である。
【0031】
ここで温度を低下させ、該c−BP単結晶薄膜が合成されたSi基板に炭素元素を有するガスと珪素元素を有するガスを供給する。それによって、Si基板上のc−BP単結晶薄膜上に厚さ1nm以上300nm以下のアモルファスSiC薄膜を合成する。ここで使う原料ガスは、炭素元素を有するガスと珪素元素を有するガスを全ガス中各々0.01〜30容量%の範囲内で含有している。また、そのときの成膜温度は300〜650℃である。
【0032】
その後、原料ガスを停止し、該基板を750℃以上c−BP成膜温度以下の温度でアニールを行い先に形成した立方晶燐化硼素単結晶膜の結晶性を向上させる。
【0033】
該基板上に再び炭素元素及び珪素元素を有するガスを供給して1nm以上500nm以下の3C−SiC単結晶薄膜を合成する。ここで使う原料ガスは、炭素元素を有するガスと珪素元素を有するガスを全ガス中各々0.01〜30容量%の範囲内で含有している。また、成膜温度は800〜1100℃である。
【0034】
前述一連の工程を少なくとも2回以上繰り返し行って、c−BP単結晶薄膜と3C−SiC単結晶薄膜とが交互に堆積して成る厚さ10nm以上10000nm以下の多層膜をSi基板上に形成する。
【0035】
さらに、該基板に炭素元素を有するガスと珪素元素を有するガスとを含む原料ガスを供給する。それによって、該基板上に1μm以上の3C−SiC単結晶膜を合成する。ここで使う原料ガスは、炭素元素を有するガスと珪素元素を有するガスを全ガス中各々0.01〜30容量%の範囲内で含有している。また、成膜温度は800〜1200℃である。
【0036】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。
【0037】
実施例1
(1)Si基板を水素雰囲気中で1000℃以上加熱する。それにより自然酸化膜を除去する。
【0038】
(2)c−BPの結晶成長を行う。すなわち、Si基板を800〜1000℃まで昇温し、Si基板の表面に原料ガスとしてB26およびPH3を供給して0 .5μm程度の厚みを有するc−BP膜を成膜する。
【0039】
(3)c−BP膜の上にSiCの低温成長層を設ける。すなわち、PH3を供 給しつつ、300〜600℃まで降温し、PH33の供給を止め、SiC原料ガ スとしてモノメチルシラン(CH3SiH3)を供給し、0.2μm程度の厚みを有するSiC層を成膜する。
【0040】
(4)原料ガスを止め、c−BP成長温度以下の800℃にてアニール処理する。
【0041】
(5)3C−SiCの結晶成長を行う。すなわち、750〜900℃まで昇温し、再びモノメチルシラン(CH3SiH3)を供給し、3C−SiCを5μm以上の厚みまで成膜する。
【0042】
比較例1
比較1として、アニールをおこなわないで成膜した。つまり前述実施例1の(4)を除いて、実施例1と同様に成膜した。
【0043】
比較例2
比較2として、c−BP成長温度以上の1020℃でアニールして成膜した。すなわち、前述実施例1の(4)のアニール温度を変更した。
【0044】
図1は、前述の実施例1および比較例1〜2にて作製した結晶のX線回折評価結果の回折パターンを示す。図2は、それを回折強度比較としてグラフに示す。
【0045】
図1〜2から明らかなように、c−BP層を成膜後、低温にてアモルファスSiC層を成膜して、アモルファスSiC層によってc−BP層を雰囲気から遮蔽し、アニール後、3C−SiC層を成長させた実施例1においては、アニール処理無しの比較例1と比べて、高品質な3C−SiCヘテロエピタキシャル結晶を得ることが出来た。しかし、比較例2のように、アニール温度がc−BP成膜温度以上の場合には、c−BP層の分解が生じc−BPおよび3C−SiCの結晶性が劣化した。
【0046】
よって、c−BPをSi基板に成長させた後、SiC低温成長層を設けることでc−BPの変質を抑制し、さらにc−BP成膜温度以下でアニールをおこないc−BP層の結晶性を向上してから3C−SiC結晶成長を実施することで、高品質なヘテロエピタキシャル結晶を得ることができる。
【0047】
実施例2
多層膜とした実施例2について図3〜5に基づき説明を行う。
【0048】
図3の(a)と(b)は、それぞれ本発明方法の実施に適した反応装置の一例を簡略化した形で示す平面図と縦断面図である。
【0049】
図3の装置において、1は断面が円形若しくは長方形の反応容器であり、その始端側には3種の気相原料を供給するための3本の供給間2a、2b、2cが上から順に備えられている。その始端側とは反対に位置する終端側には排気口3が設けられている。反応管1内にはサセプター4上に載置されたSi単結晶基板5が2本の供給管2b、2cの開口部とほぼ対向する位置に配置されている。そしてサセプター4の下には、Si基板5を加熱するためのカーボン発熱体6が設置されている。サセプター4は図3の(b)に矢印で示すように、自転可能となっている。
【0050】
図3の装置によって3C−SiC膜の製造する方法を以下に説明する。
【0051】
排気口3に続く図示しない減圧手段によって反応容器1内を150Torrに減圧した状態でカーボン発熱体6によりシリコン基板5を300〜500℃に加熱して10〜30分保持する。供給管2aから水素ガスを毎分1リットル、水冷された供給管2bからB26を毎分10cc、発熱体2eを内蔵して温度制御可能なっている供給管2cからPH3を毎分1リットルで反応容器1内に供給し、S i基板5上に厚さ5nm以上100nm以下のアモルファスBP単結晶薄膜を合成する。
【0052】
つぎに、反応容器1内を150Torrに減圧した状態でカーボン発熱体6によりSi基板5を800〜1100℃に加熱して10〜30分保持する。供給管2aから水素ガスを毎分1リットル、水冷された供給管2bからB26を毎分10cc、発熱体2eを内蔵して温度制御可能な供給管2cからPH3を毎分1リ ットルを反応管内に供給し、該基板上にさらに隣元素を有するガスと硼素元素を有するガスとを含む原料ガスを供給することによって、厚さ5nm以上1μm以下のc−BP単結晶薄膜を合成する。
【0053】
つぎに、c−BP単結晶薄膜が合成されたSi基板5に炭素元素を有するガスと珪素元素を有するガスを供給する。まず、反応容器1内を150Torrに減圧した状態でカーボン発熱体6によりSi基板5を300〜650℃に加熱して10〜30分保持する。その際、供給管2aから水素ガスを毎分5リットル、発熱体2eを内蔵して温度制御可能な供給管2cからCH3SiH3を毎分6ccを反応容器1内に供給し、Si基板5のc−BP単結晶薄膜上に厚さ1nm以上100nm以下のアモルファスSiC薄膜を合成する。
【0054】
Si基板5を750〜1100℃の温度でアニール処理して、先に形成したc−BP単結晶膜の結晶性を向上する。
【0055】
つぎに、Si基板5上に再び炭素元素及び珪素元素を有するガスを供給する。まず、反応容器1内を0.001Torrに減圧した状態でカーボン発熱体6によりSi基板5を800〜1100℃に加熱して10〜120分保持する。その際、供給管2aから水素ガスを毎分5リットル、発熱体2eを内蔵して温度制御可能な供給管2cからCH3SiH3を毎分6cc、反応容器1内に供給し、1nm以上500nm以下の3C−SiC単結晶薄膜を合成する。
【0056】
前述の一連の工程を少なくとも2回以上繰り返し行って、c−BP単結晶薄膜と3C−SiC単結晶薄膜とが交互に堆積させる。それにより厚さ10nm以上10μm以下の多層膜をSi基板上に形成する。
【0057】
さらに、Si基板5に炭素元素を有するガスと珪素元素を有するガスとを含む原料ガスを供給する。まず、反応容器1内を0.001Torrに減圧した状態でカーボン発熱体6によりSi基板5を800〜1200℃に加熱して300分保持する。その際、供給管2aから水素ガスを毎分5リットル、発熱体2eを内蔵して温度制御可能な供給管2cからCH3SiH3を毎分6cc、反応容器1内に供給し、Si基板5上に2μmの3C−SiC単結晶膜を合成する。
【0058】
図4は本発明の実施例により得られたSi基板上への3C−SiC結晶の概略を示す断面図、図5はその代表的なX線回折評価結果を示すグラフである。図4,5は、とくに3C−SiC単結晶膜を厚く成長させた場合を示すもので、バッファー層が()は単層、()は多層化した例である。
【0059】
Si単結晶基板5上に成長されたc−BP単結晶薄膜及び3C−SiC単結晶薄膜を交互に堆積した多層膜が、緩衝膜(バッファー層)として機能するとともに、アニール効果によるc−BP層の結晶欠陥改善作用により、各々c−BP上に形成される3C−SiC膜の結晶性改善向上する。しかも、格子定数及び熱膨張係数の差異が効果的に緩和され、Si基板5上に、歪み及び結晶欠陥が可及的に防止された高品質の3C−SiC単結晶膜を形成することができる。
【0060】
3C−SiC結晶をSi基板上に形成する例を説明したが、Si基板上に形成される結晶層は、GaNを始め、窒化物、酸化物などの全ての化合物結晶に応用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例と比較例1〜2によりシリコン基板上に作製した結晶のX線回折評価結果の回折パターン
【図2】 図1のX線回折評価結果の回折強度
【図3】 ()は、本発明方法の実施に適した反応装置の一例を簡略化した形で示す平面図
)は、本発明方法の実施に適した反応装置の一例を簡略化した形で示す縦断面図
【図4】 本発明の実施例により得られたSi基板上への3C−SiC結晶の概略を示す断面図。
)はバッファー層が単層、()はバッファー層が多層。
【図5】 図4においてSi基板上に厚く成長させた3C−SiC単結晶膜の代表的なX線回折評価結果を示すグラフ
【符号の説明】
1 反応管
2a、2b、2c 供給管
2e 発熱体
3 排気口
4 サセプター
5 Si基板
6 カーボン発熱体

Claims (4)

  1. Si基板上に立方晶リン化ホウ素(c−BP)をバッファー層として成膜する工程と、
    SiCが結晶化する温度よりも低い温度でアモルファスSiC膜をバッファー層の上にエピタキシャル成長により成膜させる工程と SiCが結晶化する温度以上の高い温度で3C−SiC結晶膜をアモルファスSiC膜の上にエピタキシャル成長により成膜させる工程と を含むSiC膜の製造方法。
  2. 前記低い温度でアモルファスSiC膜を形成した後に、原料ガスの供給を停止してアニール処理をおこない、そのあと、前記高い温度で3C−SiC結晶膜を形成し、しかも、アモルファスSiCの形成後のアニール処理温度がc−BPの成膜温度以下でかつ750℃以上である、請求項1に記載のSiC膜の製造方法。
  3. アモルファスSiCの成膜温度が300〜650℃である請求項1又は2に記載のSiC膜の製造方法。
  4. Si基板上にSiC膜をエピタキシャル成長させる方法において、以下の工程を含む方法。
    (a)Si基板上にP(リン)元素を有するガスとB(ホウ素)元素を有するガスとを含む原料ガスを供給して、Si基板上に厚さ5nm以上100nm以下のアモルファスBP薄膜を合成する工程、
    (b)Si基板上に、さらにP元素を有するガスとB元素を有するガスとを含む原料ガスを供給して、Si基板上に厚さ5nm以上1000nm以下のc−BP単結晶薄膜を合成する工程、
    (c)c−BP単結晶薄膜が合成されたSi基板上に、炭素元素を有するガスと珪素元素を有するガスを供給して、Si基板上のc−BP単結晶薄膜の上に厚さ1nm以上500nm以下のアモルファスSiC薄膜を合成する工程、
    (d)Si基板を750℃以上でかつc−BPの成膜温度以下の温度でアニール処理して、前記(b)工程で形成したc−BP単結晶膜の結晶性を向上させる工程、
    (e)Si基板上に再び炭素元素及び珪素元素を有するガスを供給して1nm以上500nm以下の厚さを有する3C−SiC単結晶薄膜を合成する工程
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