JP6437736B2 - 自立基板の製造方法および自立基板 - Google Patents

自立基板の製造方法および自立基板 Download PDF

Info

Publication number
JP6437736B2
JP6437736B2 JP2014097384A JP2014097384A JP6437736B2 JP 6437736 B2 JP6437736 B2 JP 6437736B2 JP 2014097384 A JP2014097384 A JP 2014097384A JP 2014097384 A JP2014097384 A JP 2014097384A JP 6437736 B2 JP6437736 B2 JP 6437736B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group iii
nitride semiconductor
iii nitride
self
forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014097384A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015214441A (ja
Inventor
裕次郎 石原
裕次郎 石原
泰治 藤山
泰治 藤山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Furukawa Co Ltd filed Critical Furukawa Co Ltd
Priority to JP2014097384A priority Critical patent/JP6437736B2/ja
Publication of JP2015214441A publication Critical patent/JP2015214441A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6437736B2 publication Critical patent/JP6437736B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Description

本発明は自立基板の製造方法および自立基板に関する。
窒化ガリウム(GaN)から成る自立基板として、たとえば特許文献1に記載のものがある。
特開2012−162431号公報 特開2009−147319号公報 特開2002−353503号公報
GaNから成る自立基板に高濃度のn型不純物を含有させることができれば、その自立基板を用いてデバイスを作製する際の設計自由度や応用が広がることが期待される。しかし、自立基板の製造において、n型不純物を高濃度で含有させることが難しい。
自立基板の製法ではないが、GaNやサファイアなどの基板上にデバイスのn型層を形成する際に、n型不純物を高濃度でドープする先行技術がある。特許文献2には、n型不純物を5.8×1018cm−3の濃度でドープすることが記載されている。しかしながら、高濃度でドープすると、転位が増加したり、ひどい場合にはクラックが発生したりする等の不具合が生じることが知られている。
実際に、特許文献3には、GaN系化合物半導体において、n型層のキャリア濃度が大きいほど電気抵抗は小さくなるが、キャリア濃度が1×1018cm−3を超える場合はn型層にクラックが発生する頻度が上昇することが記載されている。よって、現実にはn型不純物を高濃度でドープすることは難しかった。
加えて、n型不純物を高濃度でドープすることは、膜厚の小さいデバイス層では比較的行いやすいが、自立基板においては厚膜成長をさせることが必要なため困難であった。特許文献2においても、20μmを越える厚膜とすると表面荒れが生じ易いことが記載されている。自立基板については、デバイス層以上に転位密度が低くある必要性が高く、かつ、厚膜成長させる必要があるため、n型不純物濃度の高さと、転位密度の低さとのバランスを取ることが困難であった。
また、発明者が鋭意検討した結果、サファイアなどの異種基板上にGaN層を形成する場合には、比較的n型不純物濃度を高め易いが、特に自立化させたGaN基板上にGaN層を形成する場合には、n型不純物濃度を高めることが、困難であることが分かった。理由は定かではないが、例えば異種基板上成長では、異種基板とGaNの相互作用で生じる歪の関与で不純物濃度を高めやすいこと、同種基板上成長では低転位密度結晶が形成されるために転位周辺への不純物取り込みが相対的に減少し、不純物の添加がより困難になることなどが考えられる。
本発明は、n型不純物を高濃度で含有すると共に、結晶品質に優れた自立基板を提供するものである。
本発明によれば、
III族窒化物半導体からなる下地基板を準備する工程と、
前記下地基板上に、ハイドライド気相成長法により、III族窒化物半導体層を形成する工程とを含み、
前記III族窒化物半導体層を形成する工程は、n型不純物の濃度が5×1018cm−3以上であり、厚さが50μm以上である高濃度領域を形成する工程を含み、
前記高濃度領域を形成する工程では、成長温度を1120℃以上とし、ドーピングガスとしてジクロロシランを用い、
貫通転位密度を5×10cm−2以下とする自立基板の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、
III族窒化物半導体からなる下地基板を準備する工程と、
前記下地基板上に、ハイドライド気相成長法により、III族窒化物半導体層を形成する工程とを含み、
前記III族窒化物半導体層を形成する工程は、n型不純物の濃度が5×1018cm−3以上であり、厚さが50μm以上である高濃度領域を形成する工程を含み、
前記高濃度領域を形成する工程では、成長温度を1120℃以上とし、
貫通転位密度を5×10cm−2以下とし、
前記III族窒化物半導体層を形成する工程は、前記n型不純物の濃度が前記下地基板から遠ざかるにつれて連続的に高くなる濃度傾斜領域を形成する工程を含む自立基板の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、
III族窒化物半導体からなる下地基板を準備する工程と、
前記下地基板上に、ハイドライド気相成長法により、III族窒化物半導体層を形成する工程とを含み、
前記III族窒化物半導体層を形成する工程は、n型不純物の濃度が5×1018cm−3以上であり、厚さが50μm以上である高濃度領域を形成する工程を含み、
前記高濃度領域を形成する工程では、成長温度を1120℃以上とし、
貫通転位密度を5×10cm−2以下とし、
前記III族窒化物半導体層を形成する工程は、成長温度を上昇させながら前記III族窒化物半導体層を形成する、昇温形成工程を含む自立基板の製造方法が提供される
本発明によれば、
50μm以上の厚さに亘ってn型不純物の濃度が5×1018cm−3以上である高濃度領域を有し、
貫通転位密度が5×10cm−2以下であり、
前記n型不純物の濃度が前記高濃度領域に近づくにつれて連続的に高くなる濃度傾斜領域を有するIII族窒化物半導体の自立基板が提供される
本発明によれば、n型不純物を高濃度で含有すると共に、結晶品質に優れた自立基板を提供することができる。
第1の実施形態に係る自立基板の製造に用いるHVPE装置の構造を示す図である。 第1の実施形態に係る自立基板の製造方法の工程について説明するための図である。 第2の実施形態に係る自立基板の製造方法の工程について説明するための図である。 第2の実施形態の変形例におけるドーピングガスの供給流量について説明するための図である。 第3の実施形態に係る自立基板の製造方法の工程について説明するための図である。 比較例に係る方法で形成したGaN層の成長表面を微分干渉顕微鏡で観察した結果を示す図である。 形成したGaN層の成長表面を、X線回折測定で測定した際の、(0004)ロッキングカーブ半値幅とキャリア濃度との関係、およびキャリア密度とエッチピット密度(EPD)との関係を示した図である。 実施例に係る方法で成長させた、最表面のGaN層(高濃度領域)の成長表面を微分干渉顕微鏡で観察した結果を示す図である。 HClに対するSiHClの供給分圧比と、GaN層のキャリア濃度との関係を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態によれば、自立基板の製造方法は、III族窒化物半導体からなる下地基板210を準備する工程と、下地基板210上に、ハイドライド気相成長法により、III族窒化物半導体層250を形成する工程とを含む。III族窒化物半導体層250を形成する工程は、n型不純物の濃度が5×1018cm−3以上であり、厚さが50μm以上である高濃度領域220を形成する工程を含む。高濃度領域220を形成する工程では、成長温度を1120℃以上とする。自立基板の貫通転位密度を5×10cm−2以下とする。
まず、本実施形態においてIII族窒化物半導体層250の成長に用いる気相成長装置について説明する。本実施形態に係る自立基板の製造はハイドライド気相成長(HVPE)法を用いて行う。HVPE法により高速成長が可能であり、製造効率に優れるためである。図1は、本実施形態に係る自立基板の製造に用いるHVPE装置100の構造を示す図である。
HVPE装置100は反応管121、基板ホルダ123、III族ガス供給部139、窒素原料ガス供給部137、ドーピングガス供給管125、ガス排出管135、第1のヒータ129および第2のヒータ130を備える。基板ホルダ123は反応管121内に設けられている。III族ガス供給部139は、III族原料ガスを反応管121内のうち基板ホルダ123を含む成長領域122に供給する。窒素原料ガス供給部137は、窒素原料ガスを成長領域122に供給する。ドーピングガス供給管125は、ドーピングガスを成長領域122に供給する。ガス排出管135は、反応管121内のガスを排出する。
HVPE装置100では、基板ホルダ123に保持された基板133上に、III族窒化物半導体層を成長させる。基板ホルダ123は回転軸132に取り付けられており、回転自在となっている。
反応管121には、第1のガス供給管124および第2のガス供給管126が接続され、第1のガス供給管124の供給口と第2のガス供給管126の供給口の間には遮蔽板136が設けられている。反応管121のうち、第1のガス供給管124、ドーピングガス供給管125、および第2のガス供給管126の供給口に近い側を上流側と呼び、ガス排出管135に近い側を下流側と呼ぶ。遮蔽板136は、反応管121の上流側の空間を、上層と下層のふたつの層に分離している。当該下層の領域には、ソースボート128が備えられており、ソースボート128にはIII族原料127が保持されている。III族原料127はたとえばガリウム(Ga)である。第1のガス供給管124および第2のガス供給管126から供給されるガスは、必要に応じて反応管121内をパージするパージガスに切り替えることができる。パージガスはたとえば窒素(N)ガスである。
第1のガス供給管124からは反応管121内へ窒素原料ガスが供給される。窒素原料ガスはたとえばアンモニア(NH)である。第2のガス供給管126からは反応管121内へハロゲン含有ガスが供給される。ハロゲン含有ガスはたとえば塩化水素(HCl)である。ドーピングガス供給管125からは反応管121内へドーピングガスが供給される。ドーピングガスとして、たとえばジクロロシラン(SiHCl)やモノシラン(SiH)を用いることにより、シリコン(Si)をn型不純物として添加することができる。もしくは、ドーピングガスとして、たとえば四塩化ゲルマニウム(GeCl)または水素化ゲルマニウム(GeH)を用いることでゲルマニウム(Ge)をn型不純物として添加することができる。もしくは、ドーピングガスとして、たとえば酸素(O)、一酸化二窒素(NO)、または水蒸気(HO)を用いることで酸素(O)をn型不純物として添加することができる。
窒素原料ガス供給部137は、第1のガス供給管124と、反応管121のうち遮蔽板136より上層の領域(ドーピングガス供給管125およびその内部を除く)とを含む。III族ガス供給部139は、第2のガス供給管126、ソースボート128、III族原料127、および反応管121のうち遮蔽板136より下層の領域を含む。窒素原料ガス供給部137およびIII族ガス供給部139の周囲には第1のヒータ129が配置されている。
第1のガス供給管124から供給された窒素原料ガスは窒素原料ガス供給部137中を下流に向かって通過し、基板133表面に供給される。その際、窒素原料ガス供給部137内は第1のヒータ129から加えられる熱により、たとえば800℃以上900℃以下の温度に維持されている。この熱により、窒素原料ガス供給部137では窒素原料ガスの分解が促進される。
III族ガス供給部139では、第2のガス供給管126から供給されたハロゲン含有ガスとソースボート128に保持されたIII族原料127とから、III族原料ガスが生成される。生成されたIII族原料ガスは、基板ホルダ123に保持された基板133の表面に供給される。その際、III族ガス供給部139内は第1のヒータ129から加えられる熱により、たとえば800℃以上900℃以下の温度に維持されている。第2のガス供給管126から供給されたハロゲン含有ガスは、III族ガス供給部139中を下流に向かって通過する際、ソースボート128中に保持されたIII族原料127の表面または揮発したIII族原料127と接触する。そして、III族原料ガスが生成される。たとえば、ハロゲン含有ガスがHClであり、III族原料127がGaである場合、III族ガス供給部139ではガリウム塩化物(GaCl)を含むIII族原料ガスが生成される。
反応管121のうち、窒素原料ガス供給部137およびIII族ガス供給部139の下流側に位置する成長領域122には、基板133を保持した基板ホルダ123が配置されている。成長領域122には、窒素原料ガス供給部137から窒素原料ガスが供給され、III族ガス供給部139からIII族原料ガスが供給される。そして、この基板133上にIII族窒化物半導体層が形成される。成長領域122の周囲には第2のヒータ130が配置されており、必要に応じて成長領域122に熱を加える。III族窒化物半導体層を形成する間、基板ホルダ123を、回転軸132を軸として回転させることで、基板133の面内で均一な層を得ることができる。
次に、本実施形態に係る自立基板の製造方法の工程について説明する。
図2は、本実施形態に係る自立基板の製造方法の工程について説明するための図である。本実施形態に係る自立基板の製造方法は、III族窒化物半導体からなる下地基板210を準備する工程と、下地基板210上にIII族窒化物半導体層250を形成する工程とを含む。本実施形態において、下地基板210およびIII族窒化物半導体層250はいずれも窒化ガリウム(GaN)からなる。III族窒化物半導体層250は上述したHVPE装置100を用い、ハイドライド気相成長法により形成される。
本実施形態では、III族窒化物半導体層250を高濃度領域220のみからなる層とする例について説明する。n型不純物濃度が5×1018cm−3以上であり、厚さが50μm以上である層状の領域を高濃度領域220と呼ぶ。なお、以降の説明において領域とは、III族窒化物半導体層250に含まれる、層状に形成された領域を示す。
まず、図2(a)のように、III族窒化物半導体からなる下地基板210を準備する。下地基板210におけるn型不純物の濃度は下地基板210を準備する際や、III族窒化物半導体層250を形成する際のクラック発生防止の観点から、1×1016cm−3以上が好ましく、5×1017cm−3以上がより好ましい。また、同様の観点から、下地基板210におけるn型不純物の濃度は5×1018cm−3未満が好ましい。次に、下地基板210をHVPE装置100の基板ホルダ123に基板133として取り付ける。下地基板210の厚さはハンドリングの容易性の観点から、50μm以上が好ましく、300μm以上がより好ましい。
第1のガス供給管124および第2のガス供給管126からパージガスを供給し、反応管121内をパージする。反応管121内に供給したパージガスはガス排出管135より排出される。反応管121内を十分にパージした後、第1のガス供給管124および第2のガス供給管126から供給するガスをキャリアガスに切り替える。キャリアガスはたとえばH(水素)ガスである。
次に、第1のヒータ129および第2のヒータ130により反応管121を昇温する。昇温中に、第1のガス供給管124から、キャリアガスに加えて窒素原料ガスの供給を開始する。本実施形態では、窒素原料ガスとしてNHを用いる。第1のガス供給管124から供給された窒素原料ガスは熱により分解されて成長領域122に供給される。引き続き、III族原料127の温度がたとえば850℃になるまで第1のヒータ129による昇温を続ける。成長領域122の温度が1120℃以上、より好ましくは1150℃以上になるまで第2のヒータ130による昇温を続ける。ここで、n型不純物を高濃度で含有すると共に、結晶品質に優れた高濃度領域220を形成する観点から、高濃度領域220は1120℃以上、好ましくは1150℃以上の成長温度で形成する。以後、成長温度とは、層形成時における成長領域122の温度を示す。
III族原料127および成長領域122の温度が安定した後、第2のガス供給管126から、キャリアガスに加えてハロゲン含有ガスの供給を開始する。本実施形態では、ハロゲン含有ガスとしてHClを用いる。第2のガス供給管126から供給したハロゲン含有ガスがIII族原料127と反応してIII族原料ガスが生成され、III族原料ガスが成長領域122に供給される。
第2のガス供給管126から、キャリアガスに加えてハロゲン含有ガスの供給を開始すると同時に、成長領域122にドーピングガス供給管125からドーピングガスの供給を開始する。成長領域122では、窒素原料ガス、III族原料ガス、およびドーピングガスが反応して下地基板210上にIII族窒化物半導体層250が形成される。この際、n型不純物の濃度が5×1018cm−3以上となるよう、ドーピングガスの供給流量を設定する。
本実施形態に係るIII族窒化物半導体層250の成長面はc面(0001)とする。ただし、成長面を無極性面、非極性面とすることもできる。
高濃度領域220を形成する際のハロゲン含有ガスの供給流量に対する、ドーピングガスの供給流量の比は、1×10−5以上が好ましく、3×10−5以上がより好ましく、また、8×10−5以下が好ましく、5×10−5以下がより好ましい。これらの条件により、高濃度領域220の形成工程では、n型不純物を高濃度で含有すると共に、結晶品質に優れた高濃度領域220を形成することができる。
本実施形態では、ドーピングガスとしてSiHClを用い、n型不純物をSiとする。なお、ドーピングガスとしてたとえばSiHClまたはSiHを用いることで、n型不純物をSiとすることができる。ドーピングガスとして、SiHClやSiHの代わりにたとえばGeClまたはGeHを用いることでn型不純物をGeとすることもできるし、代わりにたとえばO、NO、またはHOを用いることでn型不純物をOとすることもできる。
そして、高濃度領域220の厚さが50μm以上、より好ましくは300μm以上となるまで形成を続ける。窒素原料ガス、III族原料ガス(ハロゲン含有ガス)、およびドーピングガスの供給流量や、成長温度などを最適化することによって、III族窒化物半導体からなる下地基板210上に、n型不純物を高濃度で含有し、結晶品質に優れた高濃度領域220を形成することができる。ここで、高濃度領域220の、X線回折測定で測定される(0004)ロッキングカーブ半値幅は60arcsec以下とすることができる。
図2(b)のように高濃度領域220の厚さが所定の膜厚となった時点で、ドーピングガス供給管125からのドーピングガスの供給および第2のガス供給管126からのハロゲン含有ガスの供給を停止し、第1のヒータ129および第2のヒータ130を停止して、反応管121を降温する。降温中にも第1のガス供給管124からの窒素原料ガスの供給を続け、成長領域122の温度がたとえば600℃以下になった時点で、第1のガス供給管124から供給するガスを、キャリアガスおよび窒素原料ガスからパージガスに切り替える。そして、温度が十分に下がった後、下地基板210の上にIII族窒化物半導体層250が形成された基板133を反応管121から取り出す。
ここで、下地基板210およびIII族窒化物半導体層250からなる積層体の貫通転位密度は5×10cm−2以下である。また、当該貫通転位密度は1×10cm−2以上である。貫通転位密度はIII族窒化物半導体層250上面にエッチピットを形成し、形成したエッチピットの密度を計測することにより測定できる。なお、高濃度領域220において、n型不純物の濃度に対するキャリア濃度の比は25℃において0.7以上である。よって、添加したn型不純物が効率的にはたらき、特性の良いデバイスを製造できる。
本実施形態に係る自立基板の製造方法は、III族窒化物半導体層250を形成する工程の後に、下地基板210を除去する工程をさらに含む。図2(c)のように下地基板210とIII族窒化物半導体層250との積層体の、下地基板210が露出した面を研磨することで、下地基板210が除去されたIII族窒化物半導体層250からなる自立基板を得ることができる。III族窒化物半導体層250は、高濃度領域220のみからなるため、両方の面に高濃度領域220が露出した自立基板が得られる。
ただし、下地基板210を除去せず、下地基板210とIII族窒化物半導体層250とからなる構造を自立基板としてもよい。このとき、一方の面には高濃度領域220が露出し、他方の面の表面近傍において、n型不純物の濃度が5×1018cm−3未満となるような自立基板が得られる。なお、表面近傍とは以後、表面の付着物や吸着物等による影響が、測定されるn型不純物の濃度に現れない程度の深さ領域を示す。得られる自立基板は、厚さ50μm以上に亘って、n型不純物濃度が5×1018cm−3以上である高濃度領域220を有する。また、自立基板の貫通転位密度は5×10cm−2以下となる。また、当該貫通転位密度は1×10cm−2以上となる。
自立基板の貫通転位の測定方法について以下に説明する。III族窒化物半導体層250の成長面、すなわち、図2(b)に示す下地基板210とIII族窒化物半導体層250との積層体において、下地基板210からは厚さ方向に遠いIII族窒化物半導体層250の主面を主面S1とよび、一方、下地基板210に厚さ方向に近いIII族窒化物半導体層250の主面を主面S2と呼ぶ。ここで、下地基板210から引き継がれた主面S2での転位の一部が主面S1まで貫通し、貫通転位となる。よって、主面S1での転位密度は、主面S2での転位密度よりも低くなり、主面S1での転位密度を貫通転位密度とみなすことができる。たとえば下地基板210およびIII族窒化物半導体層250がc面成長のGaNである場合、主面S1はGa面となり、エッチングにより主面S1にエッチピットを形成してエッチピットの密度を測定することで、下地基板210とIII族窒化物半導体層250との積層体の貫通転位密度を測定できる。
図2(c)のように下地基板210を除去して自立基板とした場合、積層体において主面S1であった側の面が自立基板の主面S1'となり、主面S2であった側の面が自立基板の主面S2'となる。よって、主面S1'での転位密度を自立基板の貫通転位密度とみなして求めることができる。たとえば下地基板210およびIII族窒化物半導体層250がc面成長のGaNである場合、主面S1'はGa面となり、主面S2'はN面となる。N面はエッチングによりエッチピットを形成せず、Ga面よりもエッチングレートが高いので、主面S1'と主面S2'とを識別することができる。そして、上述のように主面S1'でのエッチピット形成、測定を行うことで、自立基板の貫通転位密度を測定することができる。
もしくは、自立基板の両面の転位密度を測定し、小さい方を貫通転位密度として求めることができる。なお、GaN基板のN面の転位密度は、自立基板が薄くなるようGa面側から削り、N面近傍の転位密度を、Ga面側からエッチピット形成および測定することで求められる。
なお、III族窒化物半導体層250の後、下地基板210を除去する工程の代わりに、III族窒化物半導体層250をスライスする工程を含んでも良い。厚膜に成長させたIII族窒化物半導体層250を成長面に平行な面でスライスすることで、高濃度領域220からなる複数の自立基板を得ることができる。
下地基板210およびIII族窒化物半導体層250は同じIII族窒化物半導体から成ることが好ましい。結晶の格子定数や熱膨張率が近く、結晶性の良いIII族窒化物半導体層250が得られるためである。
次に、本実施形態の作用および効果について説明する。本実施形態によれば、n型不純物を高濃度で含有すると共に、結晶品質に優れた自立基板が得られる。
このように高いn型不純物濃度を有し、貫通転位密度の低い自立基板を用いて光デバイスや電子デバイスを作製することで、デバイス特性を向上させることができる。電極との接触抵抗や、基板のバルク抵抗、基板の厚さ方向の直列抵抗が低減されるためである。
(第2の実施形態)
図3は、第2の実施形態に係る自立基板の製造方法の工程について説明するための図である。本実施形態に係る自立基板の製造方法は、III族窒化物半導体層250を形成する工程が、低濃度領域230を形成する工程をさらに含む点を除いて、第1の実施形態に係る自立基板の製造方法と同様の構成である。ここで、低濃度領域230のn型不純物の濃度は、5×1018cm−3未満である。以下で、詳細に説明する。
本実施形態において、III族窒化物半導体層250を形成する工程は、高濃度領域220を形成する工程の前に、低濃度領域230を形成する工程を含み、低濃度領域230のn型不純物の濃度は、下地基板210のn型不純物の濃度以上である。
本実施形態においては、下地基板210と高濃度領域220との間に、低濃度領域230を形成することにより、n型不純物濃度が互いに異なる、下地基板210とIII族窒化物半導体層250との界面や、領域同士の界面での三次元成長モードの発生を抑制したり、結晶の格子定数や熱膨張率などの変化を小さくしたりできる。そのため、結晶性の良いIII族窒化物半導体層250が得られる。
なお、本実施形態では、低濃度領域230は、n型不純物の濃度が互いに異なる領域231と領域232からなる。低濃度領域230においてn型不純物の濃度が異なる複数の領域を設け、下地基板210から高濃度領域220に向かって段階的にn型不純物の濃度が増加するような層構造を形成することにより、各界面での濃度の変化を小さくでき、さらに結晶性の良いIII族窒化物半導体層250が得られる。
まず、図3(a)のように、III族窒化物半導体からなる下地基板210を準備する。下地基板210におけるn型不純物の濃度は下地基板210を準備する際や、III族窒化物半導体層250を形成する際のクラック発生防止の観点から、1×1016cm−3以上が好ましく、5×1017cm−3以上がより好ましい。また、同様の観点から、下地基板210におけるn型不純物の濃度は5×1018cm−3未満が好ましい。次に、下地基板210をHVPE装置100の基板ホルダ123に基板133として取り付ける。下地基板210の厚さはハンドリングの容易性の観点から、50μm以上が好ましく、300μm以上がより好ましい。
第1のガス供給管124および第2のガス供給管126からパージガスを供給し、反応管121内をパージする。反応管121内に供給したパージガスはガス排出管135より排出される。反応管121内を十分にパージした後、第1のガス供給管124および第2のガス供給管126から供給するガスをキャリアガスに切り替える。キャリアガスはたとえばHガスである。
次に、第1のヒータ129および第2のヒータ130により反応管121を昇温する。昇温中に、第1のガス供給管124から、キャリアガスに加えて窒素原料ガスの供給を開始する。本実施形態では、窒素原料ガスとしてNHを用いる。第1のガス供給管124から供給された窒素原料ガスは熱により分解されて成長領域122に供給される。引き続き、III族原料127の温度がたとえば850℃になるまで第1のヒータ129による昇温を続け、成長領域122の温度が1120℃以上、好ましくは1150℃以上になるまで第2のヒータ130による昇温を続ける。
III族原料127および成長領域122の温度が安定した後、第2のガス供給管126から、キャリアガスに加えてハロゲン含有ガスの供給を開始する。本実施形態では、ハロゲン含有ガスとしてHClを用いる。第2のガス供給管126から供給したハロゲン含有ガスがIII族原料127と反応してIII族原料ガスが生成され、III族原料ガスが成長領域122に供給される。
第2のガス供給管126から、キャリアガスに加えてハロゲン含有ガスの供給を開始すると同時に、成長領域122にドーピングガス供給管125からドーピングガスの供給を開始する。成長領域122では、窒素原料ガス、III族原料ガス、およびドーピングガスが反応して下地基板210の上に領域231からなる層が形成される。この際のドーピングガスの供給流量は、たとえば、後述する高濃度領域220の形成工程でのドーピングガスの供給流量の5分の1程度とする。その結果として、領域231のn型不純物の濃度は、高濃度領域220のn型不純物の濃度の5分の1程度となる。領域231の厚さはたとえば10μmとする。なお、本実施形態に係る下地基板210のn型不純物の濃度は、領域231のn型不純物の濃度よりも小さいものとする。ただし、必ずしもこれに限定されるものではない。
領域231の厚さが所望の膜厚となった時点で、ドーピングガス供給管125からのドーピングガスの供給流量を調整し、領域231からなる層の上に領域232からなる層の形成を開始する。領域232を形成する際のドーピングガスの供給流量は、領域231を形成する際のドーピングガスの供給流量よりも多く、後述する高濃度領域220の形成工程でのドーピングガスの供給流量よりも少なくする。たとえば、後述する高濃度領域220の形成工程でのドーピングガスの供給流量の5分の2程度とする。その結果として、領域232のn型不純物の濃度は、高濃度領域220のn型不純物の濃度の5分の2程度となる。領域232の厚さはたとえば10μmとする。
領域232の厚さが所望の膜厚となった時点で、ドーピングガス供給管125からのドーピングガスの供給流量を調整し、低濃度領域230からなる層の上に高濃度領域220からなる層の形成を開始する。この際、高濃度領域220におけるn型不純物の濃度が5×1018cm−3以上となるよう、ドーピングガスの供給流量を調節する。
本実施形態に係るIII族窒化物半導体層250の成長面はc面(0001)とする。ただし、成長面を無極性面、非極性面とすることもできる。
高濃度領域220は1120℃以上、好ましくは1150℃以上の成長温度で形成する。高濃度領域220を形成する際のハロゲン含有ガスの供給流量に対する、ドーピングガスの供給流量の比は、1×10−5以上が好ましく、3×10−5以上がより好ましく、また、8×10−5以下が好ましく、5×10−5以下がより好ましい。これらの条件により、高濃度領域220の形成工程では、n型不純物を高濃度で含有すると共に、結晶品質に優れた高濃度領域220を形成することができる。
本実施形態では、ドーピングガスとしてSiHClを用い、n型不純物をSiとする。なお、ドーピングガスとしてたとえばSiHClまたはSiHを用いることで、n型不純物をSiとすることができる。ドーピングガスとして、SiHClやSiHの代わりにたとえばGeClまたはGeHを用いることでn型不純物をGeとすることもできるし、代わりにたとえばO、NO、またはHOを用いることでn型不純物をOとすることもできる。
そして、第1の実施形態と同様に、高濃度領域220の厚さが50μm以上、より好ましくは300μm以上となるまで形成を続ける。ここで、高濃度領域220の、X線回折測定で測定される(0004)ロッキングカーブ半値幅は60arcsec以下とすることができる。
図3(b)のように高濃度領域220の厚さが所定の膜厚となった時点で、ドーピングガス供給管125からのドーピングガスの供給および第2のガス供給管126からのハロゲン含有ガスの供給を停止し、第1のヒータ129および第2のヒータ130を停止して、反応管121を降温する。降温中にも第1のガス供給管124からの窒素原料ガスの供給を続け、成長領域122の温度がたとえば600℃以下になった時点で、第1のガス供給管124から供給するガスを、キャリアガスおよび窒素原料ガスからパージガスに切り替える。そして、温度が十分に下がった後、下地基板210の上にIII族窒化物半導体層250が形成された基板133を反応管121から取り出す。
ここで、下地基板210およびIII族窒化物半導体層250からなる積層体の貫通転位密度は5×10cm−2以下である。また、当該貫通転位密度は1×10cm−2以上である。また、高濃度領域220において、n型不純物の濃度に対するキャリア濃度の比は25℃において0.7以上である。よって、添加したn型不純物が効率的にはたらき、特性の良いデバイスを製造できる。
領域231,232におけるn型不純物の濃度は、それぞれ高濃度領域220のn型不純物の濃度よりも低く、領域231におけるn型不純物の濃度は、領域232におけるn型不純物の濃度よりも低い。
本実施形態に係る自立基板の製造方法は、III族窒化物半導体層250を形成する工程の後に、III族窒化物半導体層250の一部および下地基板210を除去する工程をさらに含む。たとえば、III族窒化物半導体層250のうちの高濃度領域220以外の領域、および下地基板210を除去する。
図3(c)のように下地基板210とIII族窒化物半導体層250との積層体の、下地基板210が露出した面を研磨することで、下地基板210と、低濃度領域230とが除去され、高濃度領域220のみからなる自立基板を得ることができる。
ただし、高濃度領域220だけでなく、低濃度領域230の全体もしくは一部を残し、自立基板としても良い。あるいは、下地基板210を除去せず、下地基板210、低濃度領域230および高濃度領域220からなる構造を自立基板としてもよい。いずれの場合も、得られる自立基板の少なくとも一方の面は、高濃度領域220の露出面となる。得られる自立基板は、厚さ50μm以上に亘って、n型不純物濃度が5×1018cm−3以上である高濃度領域220を有する。また、自立基板の貫通転位密度は5×10cm−2以下となる。また、当該貫通転位密度は1×10cm−2以上となる。
下地基板210、低濃度領域230および高濃度領域220は同じIII族窒化物半導体から成ることが好ましい。結晶の格子定数や熱膨張率が近く、結晶性の良いIII族窒化物半導体層250が得られるためである。なお、変形例として、たとえば、下地基板210および低濃度領域230をGaNとし、高濃度領域220を窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)としてもよい。
本実施形態では、低濃度領域230が領域231および領域232の2つの領域からなる例について説明したが、低濃度領域230はひとつの領域として形成しても良いし、n型不純物の濃度が異なる3つ以上の領域で形成しても良い。なお、領域同士の界面において、濃度の変化を小さくするほど、三次元成長モードの発生を抑制したり、界面での結晶の格子定数や熱膨張率などの変化を小さくしたりする効果がより確実に得られる。そのため、より結晶性の良いIII族窒化物半導体層250が得られる。
次に、本実施形態に係る自立基板の製造方法の変形例について説明する。本変形例において、III族窒化物半導体層250を形成する工程は、n型不純物の濃度が下地基板210から遠ざかるにつれて連続的に高くなる濃度傾斜領域を形成する工程を含む。以下に詳細に説明する。
本変形例では、低濃度領域230が濃度傾斜領域のみからなる例について説明するが、これに限定されず、たとえば領域231および領域232のいずれかを濃度傾斜領域としても良い。
図4は、本変形例におけるドーピングガスの供給流量について説明するための図である。図4において、横軸は時間、縦軸はハロゲン含有ガスの供給流量に対するドーピングガスの供給流量の比率を示す。ドーピングガスを供給していない時点から、高濃度領域220の形成を開始した時点までのドーピングガスの供給流量の比率の変化を示している。
図4(a)は第1の実施形態におけるドーピングガスの供給流量比率の変化に相当する。ドーピングガスを供給していない状態から、高濃度領域220の形成に必要な供給流量比率まで、ドーピングガスの供給流量比率を1段階で変化させる。低濃度領域230は形成されない。
図4(b)は第2の実施形態におけるドーピングガスの供給流量比率の変化に相当する。ドーピングガスを供給していない状態から、高濃度領域220の形成に必要な供給流量比率まで、ドーピングガスの供給流量比率を段階的に変化させる。ドーピングガスを供給し始めてから、高濃度領域220の形成を始めるまでの間、供給流量比率の段階毎にn型不純物濃度の異なる領域が一領域ずつ形成される。図4(b)の例では、2つの領域231,232が形成される。
図4(c)は本変形例におけるドーピングガスの供給流量比率の変化を示している。ドーピングガスを供給していない状態から、高濃度領域220の形成に必要な供給流量比率まで、ドーピングガスの供給流量比率を連続的に変化させる。ドーピングガスを供給し始めてから、高濃度領域220の形成を始めるまでの間に、濃度傾斜領域が形成される。このようにドーピングガスの供給流量比を連続的に変化させることによって、n型不純物の濃度が下地基板210の表面から遠ざかるにつれて連続的に高くなる濃度傾斜領域が形成される。
このように、n型不純物の濃度を連続的に変化させることで、下地基板210とIII族窒化物半導体層250との界面や、領域同士の界面に非連続な濃度の変化が生じるのを防ぐことができる。そのため界面での三次元成長モードの発生を抑制したり、結晶の格子定数や熱膨張率などの変化を小さくしたりする効果がより確実に得られ、より結晶性の良いIII族窒化物半導体層250が得られる。
本変形例では、低濃度領域230を濃度傾斜領域として形成する例について説明したが、高濃度領域220の全体または一部を濃度傾斜領域として形成しても良い。
なお、得たい自立基板の構造に応じて、III族窒化物半導体層250を形成する工程は、n型不純物の濃度が下地基板210の表面から遠ざかるにつれて連続的に低くなる領域を形成する工程を含んでも良い。
なお、本実施形態では、低濃度領域230を形成する工程において、常にドーピングガスを供給する例について説明したが、低濃度領域230は、ドーピングガスを供給せずに形成された領域を含んでも良い。
なお、本実施形態では、高濃度領域220を形成する工程の前にのみ低濃度領域230を形成する工程を設ける例について説明したが、これに限定されるものではない。得たい自立基板の構造に応じて、たとえば高濃度領域220を形成した後に、低濃度領域230を形成する工程を設けてもよいし、高濃度領域220を形成する前後に低濃度領域230を形成する工程を設けても良い。このとき、たとえばその後のデバイス製造を簡便にする観点から、下地基板210を除去する工程において、少なくとも一方の面を高濃度領域220の露出面とするよう研磨をおこなうことが望ましい。
なお、III族窒化物半導体層250の後、下地基板210を除去する工程の代わりに、III族窒化物半導体層250をスライスする工程を含んでも良い。厚膜に成長させたIII族窒化物半導体層250を、成長面に平行な面でスライスすることで、複数の自立基板を得ることができる。このとき、たとえばその後のデバイス製造を簡便にする観点から、少なくとも一方の面を高濃度領域220の露出面とするようスライスをおこなうことが望ましい。
なお、III族窒化物半導体層250を形成する工程において、高濃度領域220以外の領域のn型不純物の濃度を、くまなく5×1018cm−3未満とするよう、III族窒化物半導体層250を形成してもよいし、得たい自立基板の構造に応じて、高濃度領域220とは別に、5×1018cm−3以上のn型不純物の濃度を有し、厚さが50μm未満であるような高濃度薄層領域を形成しても良い。たとえば、低濃度領域230と高濃度領域220の間に、高濃度領域220よりもn型不純物の濃度の低い高濃度薄層領域を形成することにより、領域同士の界面における濃度の変化を小さくすることができ、三次元成長モードの発生を抑制したり、界面での結晶の格子定数や熱膨張率などの変化を小さくしたりする効果がより確実に得られる。そのため、より結晶性の良いIII族窒化物半導体層250が得られる。また、同様の観点から、高濃度薄層領域を濃度傾斜領域として形成しても良い。
次に、本実施形態の作用および効果について説明する。本実施形態においては、第1の実施形態と同様の作用および効果が得られる。
(第3の実施形態)
図5は、第3の実施形態に係る自立基板の製造方法の工程について説明するための図である。本実施形態に係る自立基板の製造方法は、III族窒化物半導体層250を形成する工程が、成長温度を上昇させながらIII族窒化物半導体層250を形成する、昇温形成工程を含む点を除いて、第2の実施形態に係る自立基板の製造方法と同様の構成である。以下で詳細に説明する。
本実施形態では、下地基板210を準備する工程の後、高濃度領域220を形成する工程の前に低濃度領域230を形成する工程を含む。低濃度領域230は、第2の実施形態と同様の領域231,232に加え、領域241および領域242を有する。低濃度領域230を形成する工程において、高濃度領域220よりも低い成長温度で領域241を形成する。また、成長温度を上昇させながら領域242を形成する。
まず、図5(a)のように、III族窒化物半導体からなる下地基板210を準備する。下地基板210におけるn型不純物の濃度は下地基板210を準備する際や、高濃度領域220を形成する際のクラック発生防止の観点から、1×1016cm−3以上が好ましく、5×1017cm−3以上がより好ましい。また、同様の観点から、下地基板210におけるn型不純物の濃度は5×1018cm−3未満が好ましい。次に、下地基板210をHVPE装置100の基板ホルダ123に基板133として取り付ける。下地基板210の厚さはハンドリングの容易性の観点から、50μm以上が好ましく、300μm以上がより好ましい。
第1のガス供給管124および第2のガス供給管126からパージガスを供給し、反応管121内をパージする。反応管121内に供給したパージガスはガス排出管135より排出される。反応管121内を十分にパージした後、第1のガス供給管124および第2のガス供給管126から供給するガスをキャリアガスに切り替える。キャリアガスはたとえばHガスである。
次に、第1のヒータ129および第2のヒータ130により反応管121を昇温する。昇温中に、第1のガス供給管124から、キャリアガスに加えて窒素原料ガスの供給を開始する。本実施形態では、窒素原料ガスとしてNHを用いる。第1のガス供給管124から供給された窒素原料ガスは熱により分解されて成長領域122に供給される。引き続き、III族原料127の温度がたとえば850℃になるまで第1のヒータ129による昇温を続け、成長領域122の温度がたとえば1040℃になるまで第2のヒータ130による昇温を続ける。
III族原料127および成長領域122の温度が安定した後、第2のガス供給管126から、キャリアガスに加えてハロゲン含有ガスの供給を開始する。本実施形態では、ハロゲン含有ガスとしてHClを用いる。第2のガス供給管126から供給したハロゲン含有ガスがIII族原料127と反応してIII族原料ガスが生成され、III族原料ガスが成長領域122に供給される。
第2のガス供給管126から、キャリアガスに加えてハロゲン含有ガスの供給を開始すると同時に、成長領域122にドーピングガス供給管125からドーピングガスの供給を開始する。成長領域122では、窒素原料ガス、III族原料ガス、およびドーピングガスが反応して下地基板210の上に領域241からなる層が形成される。この際のドーピングガスの供給流量は、たとえば、後述する高濃度領域220の形成工程でのドーピングガスの供給流量の5分の1程度とする。領域241の厚さはたとえば50μmである。
領域241の厚さが所望の膜厚となった時点で、成長領域122への窒素原料ガス、III族原料ガス、およびドーピングガスの供給を続けたまま、成長領域122が1120℃以上、好ましくは1150℃以上になるまで第2のヒータ130による昇温を行う。昇温中には領域242が形成される(昇温形成工程)。領域242の厚さはたとえば100μmである。
成長領域122の温度が安定した時点で、定常温度にて領域242の上に領域231が形成される。以後、領域231,232および高濃度領域220の形成方法は第2の実施形態に係る方法と同じである。
図5(b)のように高濃度領域220の厚さが所定の膜厚となった時点で、ドーピングガス供給管125からのドーピングガスの供給および第2のガス供給管126からのハロゲン含有ガスの供給を停止し、第1のヒータ129および第2のヒータ130を停止して、反応管121を降温する。降温中には第1のガス供給管124からの窒素原料ガスの供給を続け、成長領域122の温度がたとえば600℃以下になった時点で、第1のガス供給管124から供給するガスを、キャリアガスおよび窒素原料ガスからパージガスに切り替える。そして、温度が十分に下がった後、下地基板210の上にIII族窒化物半導体層250が形成された基板133を反応管121から取り出す。
本実施形態に係る自立基板の製造方法は、III族窒化物半導体層250を形成する工程の後に、III族窒化物半導体層250の一部および下地基板210を除去する工程をさらに含む。たとえば、III族窒化物半導体層250のうちの高濃度領域220以外の領域、および下地基板210を除去する。
図5(c)のように下地基板210とIII族窒化物半導体層250との積層体の、下地基板210が露出した面を研磨することで、下地基板210と、低濃度領域230とが除去され、高濃度領域220のみからなる自立基板を得ることができる。
ただし、高濃度領域220だけでなく、低濃度領域230の全体もしくは一部を残し、自立基板としても良い。あるいは、下地基板210を除去せず、下地基板210、低濃度領域230および高濃度領域220からなる構造を自立基板としてもよい。いずれの場合も、得られる自立基板の少なくとも一方の面は、高濃度領域220の露出面となる。得られる自立基板は、厚さ50μm以上に亘って、n型不純物濃度が5×1018cm−3以上である高濃度領域220を有する。また、自立基板の貫通転位密度は5×10cm−2以下となる。また、当該貫通転位密度は1×10cm−2以上となる。
下地基板210およびIII族窒化物半導体層250は同じIII族窒化物半導体から成ることが好ましい。結晶の格子定数や熱膨張率が近く、結晶性の良いIII族窒化物半導体層250が得られるためである。なお、変形例として、たとえば、下地基板210および低濃度領域230をGaNとし、高濃度領域220を窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)としてもよい。
本実施形態においては、III族窒化物半導体層250を形成する工程が、成長温度を上昇させながらIII族窒化物半導体層250を形成する、昇温形成工程を含むことにより、昇温工程での基板の熱分解を抑制したり、形成温度が互いに異なる領域同士の界面での三次元成長モードの発生を抑制したり、結晶の格子定数や熱膨張率などの変化を小さくしたりできる。そのため、結晶性の良いIII族窒化物半導体層250が得られる。
なお、本実施形態では、低濃度領域230が領域231、領域232、領域241、および領域242からなる例について説明したが、低濃度領域230の領域構造はこの例に限定されない。たとえば、低濃度領域230は3つ以下、もしくは5つ以上の領域からなっても良いし、低濃度領域230は濃度傾斜領域やn型不純物の濃度が下地基板210の表面から遠ざかるにつれて連続的に低くなる領域を含んでも良い。
なお、本実施形態では、低濃度領域230を形成する工程において、常にドーピングガスを供給する例について説明したが、低濃度領域230は、ドーピングガスを供給せずに形成された領域を含んでも良い。
なお、本実施形態では、高濃度領域220を形成する工程の前にのみ低濃度領域230を形成する工程を設ける例について説明したが、これに限定されるものではない。得たい自立基板の構造に応じて、たとえば高濃度領域220を形成した後に、低濃度領域230を形成する工程を設けてもよいし、高濃度領域220を形成する前後に低濃度領域230を形成する工程を設けても良い。このとき、たとえばその後のデバイス製造を簡便にする観点から、下地基板210を除去する工程において、少なくとも一方の面を高濃度領域220の露出面とするよう研磨をおこなうことが望ましい。
なお、III族窒化物半導体層250の後、下地基板210を除去する工程の代わりに、III族窒化物半導体層250をスライスする工程を含んでも良い。厚膜に成長させたIII族窒化物半導体層250を、成長面に平行な面でスライスすることで、複数の自立基板を得ることができる。このとき、たとえばその後のデバイス製造を簡便にする観点から、少なくとも一方の面を高濃度領域220の露出面とするようスライスをおこなうことが望ましい。
なお、III族窒化物半導体層250を形成する工程において、高濃度領域220以外の領域のn型不純物の濃度を、くまなく5×1018cm−3未満とするよう、III族窒化物半導体層250を形成してもよいし、得たい自立基板の構造に応じて、高濃度領域220とは別に、5×1018cm−3以上のn型不純物の濃度を有し、厚さが50μm未満であるような高濃度薄層領域を形成しても良い。そして、高濃度薄層領域を濃度傾斜領域として形成しても良いし、昇温形成工程で形成しても良い。
次に、本実施形態の作用および効果について説明する。本実施形態においては、第1の実施形態と同様の作用および効果が得られる。
以下、本発明の比較例および実施例について説明する。
(比較例)
GaNの自立基板を下地基板210とし、下地基板210上に、HVPE法によってGaN層の形成を行った。窒素原料ガスとしてNHを、ハロゲン含有ガスとしてHClを、III族原料127としてGaを、ドーピングガスとして、3000ppmの濃度に水素で希釈されたSiHClを用いた。GaN層の形成時におけるガスの供給流量は、HClについて200cc/min、NHについて3000cc/minとし、GaN層の形成時の成長温度は1040℃とした。ここで、HClの供給流量を200cc/minとした結果として成長領域122にはGaClが200cc/minで供給された。なお、成長速度は180μm/h程度であり、形成したGaN層の膜厚は180μmであった。下地基板210の表面のGaN層を成長させる表面、およびGaN層の成長面はc面(0001)とした。
図6は、本比較例に係る方法で形成したGaN層の成長表面を微分干渉顕微鏡で観察した結果を示す図である。図6(a)および(b)は下地基板上にドーピングガスを供給せずに形成したGaN層の表面の像である。このGaN層のキャリア濃度をテラヘルツ(THz)波測定したところ、7.2×1016cm−3であった。図6(c)および(d)は、下地基板上に、ドーピングガスを1cc/minの供給流量で供給して形成したGaN層の表面の像である。このGaN層のキャリア濃度をTHz波測定したところ、8.3×1017cm−3であった。図6(e)および(f)は、下地基板上に、ドーピングガスを3cc/minの供給流量で供給して形成したGaN層の表面の像である。このGaN層のキャリア濃度をTHz波測定したところ、2.3×1018cm−3であった。図6(g)および(h)は、下地基板上に、ドーピングガスを5cc/minの供給流量で供給して形成したGaN層の表面の像である。このGaN層のキャリア濃度をTHz波測定したところ、3.7×1018cm−3であった。図6のように、成長温度を1040℃として形成した場合には、n型不純物としてのSiのドーピング濃度を高くするほど、表面のモフォロジーが悪化した。
図7は、形成したGaN層の成長表面を、X線回折測定で測定した際の、(0004)ロッキングカーブ半値幅とキャリア濃度との関係、およびキャリア密度とエッチピット密度(EPD)との関係を示した図である。本比較例の条件(1040℃)では、Siのドーピング濃度を高くし、キャリア濃度が3.7×1018cm−3となった結晶について、(0004)ロッキングカーブ半値幅やエッチピット密度が増大しており、結晶性の悪化が確認された。なお、エッチピット密度は、形成したGaN層の表面を、240℃に加熱した硫酸と燐酸の混合液で2時間エッチングし、顕在化したエッチピットを微分干渉顕微鏡で観察することで測定した。
本比較例で示した条件で形成されたGaN層は、n型不純物が十分にドーピングされず、結晶性にも乏しかった。理由のひとつとしては、成長温度が低温であるため、Siのマイグレーションが抑えられ、窒化シリコンとして偏析するなどして、成長を阻害し、結晶性に悪影響を与えたことが推測される。
(実施例)
GaNの自立基板を下地基板210とし、下地基板210上に、HVPE法によってGaN層の形成を行った。窒素原料ガスとしてNHを、ハロゲン含有ガスとしてHClを、III族原料127としてGaを、ドーピングガスとして3000ppmの濃度に水素で希釈されたSiHClを用いた。GaN層の形成時におけるガスの供給流量は、HClについて400cc/min、NHについて4000cc/minとした。HClの供給流量を400cc/minとした結果として、成長領域122にはGaClが400cc/minで供給された。成長速度は240μm/h程度であった。
本実施例では、第3の実施形態で説明したように、下地基板210上に低濃度領域230を成長させた後、高濃度領域220を成長させた。ただし、第3の実施形態に係る領域241および領域242に相当する領域の形成時には、ドーピングガスを供給しなかった。下地基板210上にはまず、ドーピングガスを供給せずに、成長温度1040℃で5分間、GaN層(領域241)を形成した。次に引き続き、ドーピングガスを供給せずに、30分間、GaN層(領域242)を形成した。この30分間で、成長温度を1040℃から1160℃へ昇温した(昇温形成工程)。そして次に、ドーピングガスを1cc/minの供給流量で供給しつつ、1160℃の成長温度で10分間、GaN層(領域231)を形成した。続けて、ドーピングガスの供給流量を2cc/minとして、1160℃の成長温度で10分間、GaN層(領域232)を形成した。最後に、ドーピングガスの供給流量を5cc/minとして45分間、GaN層(高濃度領域220)を形成した。形成されたGaN層(高濃度領域220)の膜厚は180μmであった。なお、下地基板210の表面のGaN層を成長させる表面、およびGaN層の成長面はc面(0001)とした。
本実施例に係る方法で成長させた基板は、平坦に成長した。
図8は本実施例に係る方法で成長させた、最表面のGaN層(高濃度領域220)の成長表面の微分干渉顕微鏡像である。本図から、平坦な表面を有する層が得られたことが分かる。また、X線回折測定で測定した(0004)ロッキングカーブ半値幅は51arcsecであった。よって、結晶性が良好であることが確かめられた。
本実施例に係る方法で成長させた基板の最表面のGaN層(高濃度領域220)について、二次イオン質量分析法(SIMS)を用いて分析を行ったところ、Si濃度が9×1018cm−3であった。また、ホール測定により、室温(25℃)にてキャリア濃度が7×1018cm−3、移動度が186cm−1−1であることが分かった。
さらに、形成したGaN層(高濃度領域220)の表面において、比較例と同様の方法でエッチピット密度(貫通転位密度)を測定したところ、1.1×10cm−2であった。
このように、本実施例から、窒素原料ガス、III族原料ガス(ハロゲン含有ガス)、およびドーピングガスの供給流量を最適化すること、成長温度などを最適化すること、低濃度領域230を形成する工程や昇温形成工程を設けることなどの結果、GaNからなる下地基板210上に、n型不純物を高濃度で含有し、結晶品質に優れた高濃度領域220を形成できることが確かめられた。
また、図9は、HClに対するSiHClの供給分圧比と、GaN層のキャリア濃度の関係を示した図である。比較例(1040℃)および実施例(1160℃)による結果について示している。キャリア濃度はTHz波測定により求めた。図9より、成長温度などの条件を適正化することで、ドーピング効率が向上することが分かる。
比較例では、高いn型不純物濃度を有する層の成長を続けると、結晶性が悪くなった。それに対し、たとえば本実施例のように条件を最適化することで、高いn型不純物濃度を有し、かつ結晶性の良好なGaN層を厚く形成することができる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、参考形態の例を付記する
1. III族窒化物半導体からなる下地基板を準備する工程と、
前記下地基板上に、ハイドライド気相成長法により、III族窒化物半導体層を形成する工程とを含み、
前記III族窒化物半導体層を形成する工程は、n型不純物の濃度が5×10 18 cm −3 以上であり、厚さが50μm以上である高濃度領域を形成する工程を含み、
前記高濃度領域を形成する工程では、成長温度を1120℃以上とし、
貫通転位密度を5×10 cm −2 以下とする自立基板の製造方法。
2. 1.に記載の自立基板の製造方法において、
前記III族窒化物半導体層を形成する工程は、低濃度領域を形成する工程をさらに含み、
前記低濃度領域の前記n型不純物の濃度は、5×10 18 cm −3 未満である自立基板の製造方法。
3. 2.に記載の自立基板の製造方法において、
前記III族窒化物半導体層を形成する工程は、前記高濃度領域を形成する工程の前に、前記低濃度領域を形成する工程を含み、
前記低濃度領域の前記n型不純物の濃度は、前記下地基板の前記n型不純物の濃度以上である自立基板の製造方法。
4. 1.から3.のいずれか一つに記載の自立基板の製造方法において、
前記III族窒化物半導体層を形成する工程において、前記高濃度領域以外の領域の前記n型不純物の濃度を、くまなく5×10 18 cm −3 未満とするよう、前記III族窒化物半導体層を形成する自立基板の製造方法。
5. 1.から4.のいずれか一つに記載の自立基板の製造方法において、
前記III族窒化物半導体層を形成する工程は、前記n型不純物の濃度が前記下地基板から遠ざかるにつれて連続的に高くなる濃度傾斜領域を形成する工程を含む自立基板の製造方法。
6. 1.から5.のいずれか一つに記載の自立基板の製造方法において、
前記III族窒化物半導体層を形成する工程は、成長温度を上昇させながら前記III族窒化物半導体層を形成する、昇温形成工程を含む自立基板の製造方法。
7. 1.から6.のいずれか一つに記載の自立基板の製造方法において、
前記III族窒化物半導体層を形成する工程の後に、前記下地基板を除去する工程をさらに含む自立基板の製造方法。
8. 7.に記載の自立基板の製造方法において、
前記下地基板を除去する工程では、前記下地基板および、前記III族窒化物半導体層の一部を除去する自立基板の製造方法。
9. 7.または8.に記載の自立基板の製造方法において、
前記下地基板を除去する工程では、少なくとも一方の面を前記高濃度領域の露出面とする自立基板の製造方法。
10. 1.から6.のいずれか一つに記載の自立基板の製造方法において、
前記III族窒化物半導体層を形成する工程の後に、前記III族窒化物半導体層をスライスする工程をさらに含み、少なくとも一方の面を前記高濃度領域の露出面とする自立基板の製造方法。
11. 1.から10.のいずれか一つに記載の自立基板の製造方法において、
前記下地基板および前記III族窒化物半導体層はいずれも同じIII族窒化物半導体からなる自立基板の製造方法。
12. 11.に記載の自立基板の製造方法において、
前記下地基板および前記III族窒化物半導体層はいずれも窒化ガリウムからなる自立基板の製造方法。
13. 1.から12.のいずれか一つに記載の自立基板の製造方法において、
前記n型不純物はSiである自立基板の製造方法。
14. 1.から13.のいずれか一つに記載の自立基板の製造方法において、
前記高濃度領域における、前記n型不純物の濃度に対するキャリア濃度の比が25℃にて0.7以上である自立基板の製造方法。
15. 50μm以上の厚さに亘ってn型不純物の濃度が5×10 18 cm −3 以上である高濃度領域を有し、
貫通転位密度が5×10 cm −2 以下であるIII族窒化物半導体の自立基板。
16. 15.に記載の自立基板において、
少なくとも一方の面に前記高濃度領域が露出している自立基板。
17. 16.に記載の自立基板において、
他方の面の表面近傍において前記n型不純物の濃度が5×10 18 cm −3 未満である自立基板。
18. 16.に記載の自立基板において、
両方の面に前記高濃度領域が露出している自立基板。
19. 15.から18.のいずれか一つに記載の自立基板において、
前記III族窒化物半導体は窒化ガリウムである自立基板。
20. 15.から19.のいずれか一つに記載の自立基板において、
前記n型不純物はSiである自立基板。
21. 15.から20.のいずれか一つに記載の自立基板において、
前記高濃度領域における前記n型不純物の濃度に対するキャリア濃度の比が25℃にて0.7以上である自立基板。
100 HVPE装置
121 反応管
122 成長領域
123 基板ホルダ
124 第1のガス供給管
125 ドーピングガス供給管
126 第2のガス供給管
127 III族原料
128 ソースボート
129 第1のヒータ
130 第2のヒータ
132 回転軸
133 基板
135 ガス排出管
136 遮蔽板
137 窒素原料ガス供給部
139 III族ガス供給部
210 下地基板
220 高濃度領域
230 低濃度領域
231,232,241,242 領域
250 III族窒化物半導体層

Claims (24)

  1. III族窒化物半導体からなる下地基板を準備する工程と、
    前記下地基板上に、ハイドライド気相成長法により、III族窒化物半導体層を形成する工程とを含み、
    前記III族窒化物半導体層を形成する工程は、n型不純物の濃度が5×1018cm−3以上であり、厚さが50μm以上である高濃度領域を形成する工程を含み、
    前記高濃度領域を形成する工程では、成長温度を1120℃以上とし、ドーピングガスとしてジクロロシランを用い、
    貫通転位密度を5×10cm−2以下とする自立基板の製造方法。
  2. III族窒化物半導体からなる下地基板を準備する工程と、
    前記下地基板上に、ハイドライド気相成長法により、III族窒化物半導体層を形成する工程とを含み、
    前記III族窒化物半導体層を形成する工程は、n型不純物の濃度が5×1018cm−3以上であり、厚さが50μm以上である高濃度領域を形成する工程を含み、
    前記高濃度領域を形成する工程では、成長温度を1120℃以上とし、
    貫通転位密度を5×10cm−2以下とし、
    前記III族窒化物半導体層を形成する工程は、前記n型不純物の濃度が前記下地基板から遠ざかるにつれて連続的に高くなる濃度傾斜領域を形成する工程を含む自立基板の製造方法。
  3. III族窒化物半導体からなる下地基板を準備する工程と、
    前記下地基板上に、ハイドライド気相成長法により、III族窒化物半導体層を形成する工程とを含み、
    前記III族窒化物半導体層を形成する工程は、n型不純物の濃度が5×1018cm−3以上であり、厚さが50μm以上である高濃度領域を形成する工程を含み、
    前記高濃度領域を形成する工程では、成長温度を1120℃以上とし、
    貫通転位密度を5×10cm−2以下とし、
    前記III族窒化物半導体層を形成する工程は、成長温度を上昇させながら前記III族窒化物半導体層を形成する、昇温形成工程を含む自立基板の製造方法。
  4. 請求項1または3に記載の自立基板の製造方法において、
    前記III族窒化物半導体層を形成する工程は、前記n型不純物の濃度が前記下地基板から遠ざかるにつれて連続的に高くなる濃度傾斜領域を形成する工程を含む自立基板の製造方法。
  5. 請求項1に記載の自立基板の製造方法において、
    前記III族窒化物半導体層を形成する工程は、成長温度を上昇させながら前記III族窒化物半導体層を形成する、昇温形成工程を含む自立基板の製造方法。
  6. 請求項5に記載の自立基板の製造方法において、
    前記III族窒化物半導体層を形成する工程は、前記n型不純物の濃度が前記下地基板から遠ざかるにつれて連続的に高くなる濃度傾斜領域を形成する工程を含む自立基板の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の自立基板の製造方法において、
    前記n型不純物はSiである自立基板の製造方法。
  8. 請求項1〜のいずれか一項に記載の自立基板の製造方法において、
    前記高濃度領域における、前記n型不純物の濃度に対するキャリア濃度の比が25℃にて0.7以上である自立基板の製造方法。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載の自立基板の製造方法において、
    前記III族窒化物半導体層を形成する工程は、低濃度領域を形成する工程をさらに含み、
    前記低濃度領域の前記n型不純物の濃度は、5×1018cm−3未満である自立基板の製造方法。
  10. 請求項9に記載の自立基板の製造方法において、
    前記III族窒化物半導体層を形成する工程は、前記高濃度領域を形成する工程の前に、前記低濃度領域を形成する工程を含み、
    前記低濃度領域の前記n型不純物の濃度は、前記下地基板の前記n型不純物の濃度以上である自立基板の製造方法。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に記載の自立基板の製造方法において、
    前記III族窒化物半導体層を形成する工程において、前記高濃度領域以外の領域の前記n型不純物の濃度を、くまなく5×1018cm−3未満とするよう、前記III族窒化物半導体層を形成する自立基板の製造方法。
  12. 請求項1から11のいずれか一項に記載の自立基板の製造方法において、
    前記III族窒化物半導体層を形成する工程の後に、前記下地基板を除去する工程をさらに含む自立基板の製造方法。
  13. 請求項12に記載の自立基板の製造方法において、
    前記下地基板を除去する工程では、前記下地基板および、前記III族窒化物半導体層の一部を除去する自立基板の製造方法。
  14. 請求項12または13に記載の自立基板の製造方法において、
    前記下地基板を除去する工程では、少なくとも一方の面を前記高濃度領域の露出面とする自立基板の製造方法。
  15. 請求項1から11のいずれか一項に記載の自立基板の製造方法において、
    前記III族窒化物半導体層を形成する工程の後に、前記III族窒化物半導体層をスライスする工程をさらに含み、少なくとも一方の面を前記高濃度領域の露出面とする自立基板の製造方法。
  16. 請求項1から15のいずれか一項に記載の自立基板の製造方法において、
    前記下地基板および前記III族窒化物半導体層はいずれも同じIII族窒化物半導体からなる自立基板の製造方法。
  17. 請求項16に記載の自立基板の製造方法において、
    前記下地基板および前記III族窒化物半導体層はいずれも窒化ガリウムからなる自立基板の製造方法。
  18. 50μm以上の厚さに亘ってn型不純物の濃度が5×1018cm−3以上である高濃度領域を有し、
    貫通転位密度が5×10cm−2以下であり、
    前記n型不純物の濃度が前記高濃度領域に近づくにつれて連続的に高くなる濃度傾斜領域を有するIII族窒化物半導体の自立基板。
  19. 請求項18に記載の自立基板において、
    前記n型不純物はSiである自立基板。
  20. 請求項18または19に記載の自立基板において、
    前記高濃度領域における前記n型不純物の濃度に対するキャリア濃度の比が25℃にて0.7以上である自立基板。
  21. 請求項18から2のいずれか一項に記載の自立基板において、
    少なくとも一方の面に前記高濃度領域が露出している自立基板。
  22. 請求項2に記載の自立基板において、
    他方の面の表面近傍において前記n型不純物の濃度が5×1018cm−3未満である自立基板。
  23. 請求項2に記載の自立基板において、
    両方の面に前記高濃度領域が露出している自立基板。
  24. 請求項18から2のいずれか一項に記載の自立基板において、
    前記III族窒化物半導体は窒化ガリウムである自立基板。
JP2014097384A 2014-05-09 2014-05-09 自立基板の製造方法および自立基板 Active JP6437736B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014097384A JP6437736B2 (ja) 2014-05-09 2014-05-09 自立基板の製造方法および自立基板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014097384A JP6437736B2 (ja) 2014-05-09 2014-05-09 自立基板の製造方法および自立基板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015214441A JP2015214441A (ja) 2015-12-03
JP6437736B2 true JP6437736B2 (ja) 2018-12-12

Family

ID=54751716

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014097384A Active JP6437736B2 (ja) 2014-05-09 2014-05-09 自立基板の製造方法および自立基板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6437736B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20210041077A (ko) * 2018-08-17 2021-04-14 미쯔비시 케미컬 주식회사 n 형 GaN 결정, GaN 웨이퍼, 그리고, GaN 결정, GaN 웨이퍼 및 질화물 반도체 디바이스의 제조 방법
WO2020203541A1 (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 三菱ケミカル株式会社 GaN基板ウエハおよびGaN基板ウエハの製造方法
JP7496575B2 (ja) 2020-07-03 2024-06-07 国立大学法人大阪大学 Iii族窒化物結晶の製造方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20060011946A1 (en) * 2002-03-01 2006-01-19 Tadao Toda Nitride semiconductor laser element
JP2009126723A (ja) * 2007-11-20 2009-06-11 Sumitomo Electric Ind Ltd Iii族窒化物半導体結晶の成長方法、iii族窒化物半導体結晶基板の製造方法およびiii族窒化物半導体結晶基板
JP2014062023A (ja) * 2011-10-28 2014-04-10 Mitsubishi Chemicals Corp 窒化物結晶の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015214441A (ja) 2015-12-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI429797B (zh) 第 iii 族氮化物半導體結晶基板及半導體元件
JP5218047B2 (ja) 窒化ガリウム結晶を作製する方法および窒化ガリウムウエハ
JP5560528B2 (ja) Iii族窒化物単結晶インゴットの製造方法、及びiii族窒化物単結晶基板の製造方法
JP6031733B2 (ja) GaN結晶の製造方法
JP2009126723A (ja) Iii族窒化物半導体結晶の成長方法、iii族窒化物半導体結晶基板の製造方法およびiii族窒化物半導体結晶基板
JP2005320237A (ja) 非極性a面窒化物半導体単結晶基板およびその製造方法
JP2006143581A (ja) 窒化ガリウム単結晶厚膜およびその製造方法
JP2008133151A (ja) 結晶成長方法、結晶基板、および半導体デバイス
JP5045388B2 (ja) Iii族窒化物半導体結晶の成長方法およびiii族窒化物半導体結晶基板の製造方法
JP2009032963A (ja) 窒化ガリウム結晶の成長方法、窒化ガリウム結晶基板、エピウエハの製造方法およびエピウエハ
US9896780B2 (en) Method for pretreatment of base substrate and method for manufacturing layered body using pretreated base substrate
JP2006290677A (ja) 窒化物系化合物半導体結晶の製造方法及び窒化物系化合物半導体基板の製造方法
JP4788397B2 (ja) Iii族窒化物結晶の製造方法
JP6906205B2 (ja) 半導体積層物の製造方法および窒化物結晶基板の製造方法
JP6437736B2 (ja) 自立基板の製造方法および自立基板
JP6669157B2 (ja) C面GaN基板
JP5045955B2 (ja) Iii族窒化物半導体自立基板
JP2019048766A (ja) α−Ga2O3単結晶、α−Ga2O3の製造方法、および、それを用いた半導体素子
JP2014043388A (ja) 第13族窒化物結晶の製造方法
JP5710104B2 (ja) シリコンエピタキシャルウェーハ及びシリコンエピタキシャルウェーハの製造方法
JP2005343704A (ja) AlxGayIn1−x−yN結晶の製造方法
JP6250368B2 (ja) 自立基板の製造方法および自立基板
JP6527667B2 (ja) 窒化物半導体基板の製造方法
JP2020200223A (ja) Iii族元素窒化物結晶の製造方法および製造装置
KR20130078984A (ko) 질화갈륨 기판 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170405

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180116

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180313

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180529

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180629

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181113

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181115

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6437736

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250