JP2014043388A - 第13族窒化物結晶の製造方法 - Google Patents

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Shuichi Kubo
秀一 久保
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宏隆 池田
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Abstract

【課題】石英製リアクターを有するHVPE装置を用いて、非極性または半極性GaN基板上に積層欠陥の少ないGaN結晶をホモエピタキシャル成長させる方法を提供する。
【解決手段】第13族窒化物結晶の成長方法は、HVPE装置の石英製リアクター100内に設置される下地基板の主面上に第13族窒化物結晶を成長させる前に、下地基板の温度を成長開始温度まで上昇させる第1工程と、主面上に第13族窒化物からなる単結晶層を成長させながら、下地基板の温度を成長開始温度から本成長温度まで上昇させる第2工程と、下地基板の温度を本成長温度に維持しながら、第2工程で成長させた単結晶層の上に更に第13族窒化物結晶を成長させる第3工程と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、第13族窒化物結晶の製造方法に関する。第13族窒化物には、III族窒化物系化合物半導体などと呼ばれるGaN、InGaN、AlGaN、AlInGaN等の半導体材料が含まれる。
非極性または半極性GaN基板上にGaN、InGaN、AlGaN等からなる結晶薄膜を成長させて発光構造を形成したLED等の発光デバイスが知られている(非特許文献1〜4参照)。かかる発光デバイスの特性を改善するために、積層欠陥がないGaN基板が必要とされている。
非極性または半極性GaN基板を製造する方法として、C面GaN基板上にホモエピタキシャル成長させたバルクGaN結晶を、所望の非極性面または半極性面に平行な主面が形成されるようにスライスする方法がある。この方法により得られるGaN基板は積層欠陥が少ないことが確認されている(非特許文献2および非特許文献5参照)。しかし、この方法を用いて大きいサイズの非極性または半極性GaN基板を製造することは困難である。
特許文献1には、M面サファイア基板上にMOVPE法でM面GaN薄膜を成長させて得たテンプレート基板上に、液相法によって1.5mm厚のバルクGaN結晶を成長させた例が記載されている。同文献によると、このバルクGaN結晶の積層欠陥密度は10cm−1であったとのことである。
特許文献2には、複数のGaN結晶片を用いて作製した半極性のGaN結晶接合基板上に、ハイドライド気相成長法(HVPE法)にて3mm厚のバルクGaN結晶を成長させたことが記載されている。
特許文献3には、非極性または半極性の下地基板上に、HVPE法にてGaN結晶を成長させたことが記載されている。
特許文献4には、非極性または半極性GaN基板上に、HVPE法にて厚さ10mmのバルクGaN結晶を成長させたことが記載されている。
特開2010−1209号公報 特開2010−13298号公報 特開2011−16676号公報 特開2012−66983号公報
Applied Physics Express 1 (2008) 091102 Phys. stat. sol. (a) 205 No.5 (2008) 1056 Japanese Journal of Applied Physicshys Vol.46 No.40 (2007) L960 Appl. Phys. Lett. 91 (2007) 191906 Applied Physics Express 2 (2009) 021002
一般的なハイドライド気相成長装置(HVPE装置)はホットウォール型の構成を有しており、石英製リアクターと、その内部に設置される下地基板を加熱するために該石英製リアクターの外部に配置されるヒーターと、を備えている。
本発明者等は、このような一般的なHVPE装置を使って、通常のHVPE法にてM面GaN下地基板上にバルクGaN結晶をホモエピタキシャル成長させ、そのバルクGaN結晶をスライスする方法でM面GaN基板を試作した。使用したM面GaN下地基板は、C面GaN基板上にホモエピタキシャル成長させたバルクGaN結晶から切り出したものである。得られたM面GaN基板を調べたところ、下地基板に使用したM面GaN基板に比べて積層欠陥密度が著しく高かった。
そこで本発明者らは、上記方法で得られるM面GaN基板の積層欠陥密度を低減するために種々検討を行った。
本発明はかかる検討の過程でなされたものであり、その主たる目的は、石英製リアクターと、該石英製リアクター内に設置される下地基板を加熱するために該石英製リアクターの外部に配置されるヒーターと、を備えるHVPE装置を用いて、第13族窒化物結晶の表面であって該第13族窒化物結晶の非極性面または半極性面に平行な主面を有する下地基板の該主面上に、積層欠陥の少ない第13族窒化物結晶をホモエピタキシャル成長させるための方法を提供することにある。
上記目的を達成するための手段として、以下に記載する第13族窒化物結晶の成長方法を提供する。
[A1]石英製リアクターと、前記石英製リアクター内に設置される下地基板を加熱する目的で前記石英製リアクターの外部に配置されるヒーターと、を備えるハイドライド気相成長装置を用いて、第1の第13族窒化物結晶の表面であって該第1の第13族窒化物結晶の非極性面または半極性面に平行な主面を有する下地基板の該主面上に、第2の第13族窒化物結晶を成長させる、第13族窒化物結晶の成長方法において、
前記主面上に第13族窒化物結晶を成長させる前に、前記下地基板の温度を成長開始温度まで上昇させる第1工程と、
前記主面上に第13族窒化物からなる単結晶層を成長させながら、前記下地基板の温度を前記成長開始温度から本成長温度まで上昇させる第2工程と、
前記下地基板の温度を前記本成長温度に維持しながら、前記第2工程で成長させた単結晶層の上に更に第13族窒化物結晶を成長させる第3工程と、
を有することを特徴とする第13族窒化物結晶の成長方法。
[A2]前記第2工程において前記石英製リアクター内に導入するガスのうち、体積流量にして40%以上を窒素ガスとする、[A1]に記載の成長方法。
[A3]前記成長開始温度が700℃以上940℃以下である、[A1]または[A2]に記載の成長方法。
[A4]前記本成長温度が970℃以上1300℃以下である、[A1]〜[A3]のいずれかに記載の成長方法。
[A5]前記主面が前記第1の第13族窒化物結晶の(10−10)面との間でなす角度が0°以上5°以下である、[A1]〜[A4]のいずれかに記載の成長方法。
[A6]前記主面が前記第1の第13族窒化物結晶の(11−20)面との間でなす角度が0°以上5°以下である、[A1]〜[A4]のいずれかに記載の成長方法。
[A7]前記主面が、前記第1の第13族窒化物結晶の(10−10)面から[0001
]方向または[000−1]方向に5°以上30°以下傾斜した結晶面に平行である、[A1]〜[A4]のいずれかに記載の成長方法。
[A8]前記主面が、前記第1の第13族窒化物結晶の(20−21)面、(20−2−1)面、(30−31)面、(30−3−1)面、(10−11)面、(10−1−1)面、(10−12)面、(10−1−2)面、(11−22)面、(11−2−2)面、(11−21)面および(11−2−1)面から選ばれるいずれかの結晶面との間でなす角度が0°以上5°以下である、[A1]〜[A4]のいずれかに記載の成長方法。
[A9]前記下地基板が単結晶基板である、[A1]〜[A8]のいずれかに記載の成長方法。
[A10]前記下地基板が複数の第13族窒化物結晶片から構成されている、[A1]〜[A8]のいずれかに記載の成長方法。
[A11]前記下地基板がテンプレート基板または第13族窒化物層接合基板である、[A1]〜[A8]のいずれかに記載の成長方法。
[A12]前記第1の第13族窒化物結晶がGaN結晶であり、かつ、前記第2工程で成長させる第13族窒化物結晶および前記第3工程で成長させる第13族窒化物結晶が両方ともGaN結晶である、[A1]〜[A11]のいずれかに記載の成長方法。
[A13][A1]〜[A12]のいずれかに記載の成長方法を用いて第13族窒化物結晶を成長させる工程と、該工程で成長させた第13族窒化物結晶をスライスする工程と、を有する第13族窒化物結晶基板の製造方法。
[A14][A13]に記載の製造方法を用いて第13族窒化物結晶基板を製造する工程と、該工程で製造した第13族窒化物結晶基板を該第13族窒化物結晶基板とは化学組成が異なる異組成基板に接合させる工程と、を有する第13族窒化物層接合基板の製造方法。
本発明の実施形態に係る上記の第13族窒化物結晶成長方法によれば、石英製リアクターと、該石英製リアクター内に設置される下地基板を加熱する目的で該石英製リアクターの外部に配置されるヒーターと、を備えるHVPE装置を用いて、第13族窒化物結晶の表面であって該第13族窒化物結晶の非極性面または半極性面に平行な主面を有する下地基板の該主面上に、積層欠陥の少ない第13族窒化物結晶をホモエピタキシャル成長させることができる。
積層欠陥の少ない第13族窒化物結晶をスライスすることにより得られる非極性または半極性の第13族窒化物基板は積層欠陥密度が低いので、その上に半導体結晶薄膜を成長させることによって優れた特性を有する半導体デバイスを製造することができる。
実施形態に係るGaN結晶の成長方法で用いることができるHVPE装置の一例を示す概略図である。 図2(a)および(b)は、それぞれ、HVPE法でGaN結晶を成長させたM面−1°オフGaN基板の主面の走査型電子顕微鏡(SEM)像である。(図面代用写真) 実施形態に係るGaN結晶の成長方法における下地基板の温度と時間の関係を表す図である。 実施形態に係るGaN結晶の成長方法における下地基板の温度と時間の関係を表す図である。 GaN層接合基板の構造を説明するための模式図である。 複数のGaN基板を並べたところを示す模式図である。
結晶幾何学においては、結晶面の面方位を表わすために(hkl)また
は(hkil)などのミラー表示が用いられる。第13族窒化物のような六方晶系結晶における結晶面の面方位は(hkil)で表わされる。ここで、h、k、iおよびlはミラー指数と呼ばれる整数であり、i=−(h+k)の関係を有する。この面方位(hkil)の面は(hkil)面と表される。また、(hkil)面に垂直な方向、すなわち(hkil)面の法線方向は[hkil]方向と表される。
本明細書においては、第13族窒化物の(0001)面との間でなす角度が10°より大きく90°以下である結晶面を総称して「非極性面または半極性面」と呼ぶ。非極性面の典型例は(1−100)面および(11−20)面である。半極性面の典型例としては(20−21)面、(20−2−1)面、(30−31)面、(30−3−1)面、(10−11)面、(10−1−1)面、(10−12)面、(10−1−2)面、(11−22)面、(11−2−2)面、(11−21)面、(11−2−1)面などが挙げられる。
以下では、本発明の好ましい実施形態について、第13族窒化物結晶であるGaN結晶の成長方法を例として説明する。
1.ハイドライド気相成長装置(HVPE装置)
図1に、GaN結晶の成長に使用することのできるHVPE装置の概念図を示す。図1のHVPE装置は、リアクター100、リアクター内にガスを導入するための導入管101〜105、金属ガリウムを保持するリザーバー106、成長炉を取り囲むように配置されたヒーター107、下地基板を載置するためのサセプター108、リアクター内からガスを排出するための排気管109を備えている。
リアクター100、導入管101〜105、リザーバー106および排気管109の材質は石英である。サセプター108の材質は好ましくはカーボンであり、特に表面がSiCでコーティングされたものが好ましい。サセプター108は、例えば1〜50rpmで回転させることができる。
導入管101、102、104および105の各々を通してリアクター100に導入されるガスG1、G2、G4およびG5は、アンモニア(窒素原料)、キャリアガス、シールドガス、ドーピングガス、エッチングガス等である。
導入管103を通してリザーバー106に供給される塩化水素(HCl)は、リザーバーに保持された金属ガリウムと反応して塩化ガリウム(GaCl)ガスを生じる。塩化水素は、通常、キャリアガスで希釈されてリザーバー106に供給されるので、リザーバーを通して成長炉内に導入されるガスG3は、塩化ガリウムと塩化水素とキャリアガスを含んでいる。
キャリアガスおよびシールドガスとして好ましく使用されるのは窒素ガス(N)および水素ガス(H)である。
エッチングガスとしては、サセプターの側面やリアクターの壁面に付着した多結晶GaNを分解除去するための塩化水素含有ガスが例示される。
ドーピングガスは、成長させるGaN結晶をドープするために供給するガスである。酸素ドープ用のドーピングガスとしては、酸素ガス(O)または水(HO)を用いることができる。ケイ素ドープ用のドーピングガスとしてはシラン(SiH4)、ジシラン(Si26)、クロロシラン(SiHCl)、ジクロロシラン(SiHCl)、トリクロロシラン(SiHCl)、テトラクロロシラン(SiCl)、テトラフロロシラン(SiF)などを用いることができる。
一実施形態では、ドーピングガスの供給を行う代わりに、リアクター、導入管、リザーバー等を構成する石英から発生する酸素含有ガスを利用して、成長させるGaN結晶を酸
素ドープすることも可能である。成長中の石英部材の温度が高くなる程、酸素含有ガスの発生量が増加し、GaN結晶中の酸素濃度が高くなる。
反対に、成長させるGaN結晶中の酸素濃度を低く抑える手法については、前述の特許文献4(特開2012−066983号公報)を参照することができる。一例を挙げると次の通りである。
1)リアクターの内部に高純度pBN(熱分解窒化ホウ素)製のライナー管を配置し、その内側にサセプターを配置する。石英製のリアクターから発生する酸素含有ガスが、下地基板に接触することを防止できる。
2)上記1)において、リアクター壁とライナー管の間にシールドガスとして高純度の窒素ガスを流すことにより、リアクター起源の酸素含有ガスが下地基板に接触することを更に効果的に抑制できる。
3)サセプターに局所加熱機構を設け、その局所加熱機構とヒーターを併用して下地基板を加熱する。下地基板を所定温度に加熱するために必要なヒーター出力を下げられるので、下地基板とともにヒーターで加熱されていた成長炉、導入管、リザーバー等の石英部材の温度を下げることができ、ひいてはこれらの石英部材から発生する酸素含有ガスの量を低減することができる。
4)遮熱板等の手段を用いてヒーターの熱がリザーバーに伝わり難くする。リザーバーの温度を下げることができるので、リザーバーから発生する酸素含有ガスの量を低減することができる。
2.下地基板
下地基板の少なくとも一方の主面は、第13族窒化物結晶の表面である。
下地基板は、全体がひとつの第13族窒化物結晶からなる単結晶基板であってもよいし、あるいは、複数の第13族窒化物結晶片の集合体であってもよい。
また、下地基板は、第13族窒化物結晶層が、該第13族窒化物結晶層とは化学組成の異なる異組成基板上に成長してなるテンプレート基板であってもよいし、あるいは、第13族窒化物結晶層が該第13族窒化物結晶層とは化学組成が異なる異組成基板に接合されている第13族窒化物層接合基板であってもよい。
実施形態に係る方法でGaN結晶を成長させる場合には、主面がGaN結晶の表面である下地基板を用いることが好ましい。かかる下地基板の一例は、GaN単結晶基板や、複数のGaN結晶片(GaN単結晶基板を含む)を接合一体化させてなる基板である。更に他の一例は、サファイア基板、AlN基板、SiC基板、Si基板のような異組成基板上にGaN単結晶層を成長させてなるテンプレート基板や、あるいは、異組成基板にGaN単結晶層を接合させてなるGaN層接合基板である。
下地基板の少なくとも一方の主面は、第13族窒化物結晶の表面であり、その第13族窒化物結晶の非極性面または半極性面に平行である。
一例において、この主面が、この第13族窒化物結晶の(10−10)面との間でなす角度は、0°以上5°以下であり得る。
他の一例において、この主面が、この第13族窒化物結晶の(11−20)面との間でなす角度は、0°以上5°以下であり得る。
更に他の一例において、この主面は、この第13族窒化物結晶の(10−10)面から[0001]方向もしくは[000−1]方向に5°以上30°以下傾斜した結晶面に平行であり得る。
更に他の一例において、この主面が、この第13族窒化物結晶の(20−21)面、(20−2−1)面、(30−31)面、(30−3−1)面、(10−11)面、(10−1−1)面、(10−12)面、(10−1−2)面、(11−22)面、(11−2
−2)面、(11−21)面および(11−2−1)面から選ばれるいずれかの結晶面との間でなす角度は、0°以上5°以下であり得る。
GaN結晶の表面であって該GaN結晶の非極性面または半極性面に平行な主面を有する下地基板にあっては、該主面が該GaN結晶の(0001)面との間でなす角度が小さくなるにつれて、該主面上にGaN結晶を成長させる際に積層欠陥が発生し難くなる傾向がある[特許文献4(特開2012−66983)の表1(段落0060)および表2(段落0061)を参照できる]。
3.GaN結晶の成長
本発明者等は、M面GaN基板上で成長するGaN結晶中に生じる積層欠陥の原因について実験検討を通して考察した結果、成長初期段階における成長モードが積層欠陥の形成に大きく影響している可能性があることを突き止めた。
図2(a)および(b)は、それぞれ、(10−10)面から[000−1]方向に1°傾斜した結晶面に平行な主面を有する、M面−1°オフGaN基板の主面上に、塩化ガリウムとアンモニアを原料とするHVPE法によってGaN結晶を1分間だけ成長させたところを示すSEM像である。
図2(a)では、GaN結晶は二次元的に成長し、下地基板の主面全体を覆っているのに対し、図2(b)では、GaN結晶は島状に成長しており、多くの領域で下地基板の表面が露出している。
図2(a)と図2(b)の例でそれぞれ使用されているHVPE条件を用いてバルクGaN結晶を成長させると、図2(a)の例で使用した条件、すなわち、初期段階で2次元成長(ステップフロー成長)が促進される条件で成長させたバルクGaN結晶の方が、積層欠陥の少ないものとなる。
このことから、成長の初期段階で島状(3次元形状)のGaN結晶が形成されると、成長が進んで島状結晶同士がコアレスする際に積層欠陥が発生する可能性が推測される。
従って、積層欠陥を低減するには、結晶成長の初期段階におけるGaN結晶の下地基板表面に対する濡れ性を改善して、GaN結晶の2次元成長(ステップフロー成長)を促すことが有効と考えられる。
非極性または半極性GaN基板上でのGaNの2次元成長を促進する手段として、本発明者等は下記の第1手段を見出している。
(第1手段)GaN結晶の成長中にリアクター内に流すガスに占める窒素ガス(N)の比率を高めること。
例えば、前述の図2(a)の例では、成長中にリアクター内に流すガスに占める窒素ガス(N)の比率が体積流量にして91%である。
しかし、この図2(a)の例では、下地基板温度を950℃まで昇温したうえで塩化ガリウムとアンモニアの供給を開始しているところ、そのまま成長を続けた場合に得られるGaN結晶中の積層欠陥密度は、本発明者等にとって満足できるレベルまで低減していなかった。
また、HVPE法によりGaN結晶を成長させる場合に、キャリアガスに占める水素ガス(H)の比率を下げ、窒素ガス(N)の比率を高くしていくと、リアクターの壁面上、サセプターの露出面上、下地基板の端面上などに、多結晶GaNが大量に析出するという問題がある。
そこで、本発明者等は更に検討を重ねた結果、下記の第2手段を見出した。
(第2手段)下地基板温度が本成長過程の成長温度に達する前の昇温段階でガリウム原料(GaCl)および窒素原料(NH)の供給を開始し、GaN結晶を成長させながら下地基板を本成長過程の成長温度まで昇温すること。
ここでいう本成長過程とは、GaN結晶を成長させる工程のうち、GaN結晶を厚膜に成長させる過程をいう。
上記の第2手段によれば、GaN結晶を成長させる前の下地基板表面に、GaN結晶の2次元成長を阻害する不純物が付着するのを防止することができると考えられる。GaN結晶の2次元成長を阻害する不純物とは、例えば、リアクターの材料である石英が高温下でアンモニアと接触し、分解することにより生じるケイ素含有化合物である。
このように考える理由は、上記第2手段を採用しない従来のHVPE法を用いた場合において、成長初期段階の下地基板表面に局所的にGaN結晶の成長が起こらない部分が存在することが確認されたからである。また、成長後のバルクGaN結晶の分析から、下地基板との界面付近のケイ素濃度が高くなる傾向があることも確認されている。
その他に、石英製リアクターの使用回数を重ねるごとに、成長させたGaN結晶中の積層欠陥密度が高くなる傾向があることも確認されている。原因として、使用回数を重ねることによって石英製リアクターの劣化が進行し、GaN結晶の2次元成長を阻害する物質の発生量が多くなっている可能性が推測される。この可能性を示唆する事実として、使用1回目の石英製リアクターを用いて成長させたGaN結晶のキャリア濃度は1.6×1017cm−3となったのに対し、使用12回目の石英製リアクターを用いて同様に成長させたGaN結晶のキャリア濃度は1.7×1018cm−3となったという測定結果が得られている。
上記第2手段を利用した好適なGaN結晶の成長方法では、図3に示すように、GaNの成長を開始させる前に、下地基板を所定の温度T1まで昇温する(昇温工程)。続いて、下地基板上にGaN結晶を成長させる成長工程を実行するが、最初は、GaN単結晶層を成長させながら、下地基板を温度T1から所定の温度T2まで昇温させる(昇温過程)。昇温過程の後は、下地基板の温度をT2に維持しながら、必要な厚さが得られるまでGaN結晶の成長を続ける(本成長過程)。
この成長方法において、温度T1は好ましくは700℃以上である。温度T1が低過ぎる場合には、昇温過程においてGaNの単結晶層を成長させることができない。
三次元成長の発生が問題にならない範囲内で温度T1を高くすることにより、昇温過程で成長する単結晶GaN層の結晶性を良好なものとすることができる。石英製リアクターの状態にもよるが、例えば、温度T1は750℃以上、更には790℃以上、更には830℃以上とすることもできる。
一方、温度T1が高過ぎると昇温過程で三次元成長が発生し易くなり、本成長過程で成長するGaN結晶中の積層欠陥が多くなることは前述の通りである。従って、温度T1は好ましくは940℃以下であり、より好ましくは910℃以下、更に好ましくは870℃以下である。
昇温工程における昇温速度は、通常5℃/min以上、好ましくは8℃/min以上、より好ましくは12℃/min以上である。昇温工程における昇温速度に特に上限はないが、通常30℃/min以下である。図3の例では昇温工程における昇温速度が一定であるが、必須ではない。例えば、最初は昇温速度を高く設定しておき、下地基板の温度がT1に近づくにつれて、昇温速度を低下させることができる。昇温工程には、昇温速度をゼロにする期間、すなわち、温度を一定に保持する期間を、部分的に設けることもできる。
昇温工程でリアクター内に供給する雰囲気ガスは、窒素ガスおよびアンモニアであることが好ましい。リアクター内に流す雰囲気ガスの総体積流量に占める窒素ガスの比率は、通常20%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上である。
昇温工程において下地基板の温度がT1に達した後は、速やかに成長工程を開始するこ
とが望ましいが、一例においては、リアクター内の状態が安定するまで成長工程を開始しないで下地基板の温度をT1に保持してもよい。保持時間は好ましくは30分以下、より好ましくは10分以下である。
成長工程には、前述の通り、昇温過程と本成長過程が含まれる。昇温過程ではGaN単結晶層を成長させながら、下地基板の温度をT1からT2まで上昇させる。T2は好ましくは970℃以上、より好ましくは990℃以上であり、通常1300℃以下、好ましくは1150℃以下である。
昇温過程における平均昇温速度は通常5℃/min以上、好ましくは8℃/min以上、より好ましくは11℃/min以上であり、通常30℃/min以下、好ましくは27℃/min以下、より好ましくは24℃/min以下である。図3の例では昇温過程における昇温速度が一定であるが、必須ではない。例えば、昇温開始直後から昇温速度を徐々に上昇させることができる。また、下地基板の温度がT2に近づくにつれて、昇温速度を低下させることもできる。
更に、昇温過程には、下地基板の温度がT2に達するまでの間に、昇温速度をゼロとする期間、すなわち、温度を一定に保持する期間を、部分的に設けることもできる。
昇温過程では、リアクター内に供給するガスのうち、体積流量にして40%以上を窒素ガスとすることが好ましい。GaN結晶の2次元成長が促進されるからである。一例では、リアクター内に供給するガスの体積流量にして90%以上を窒素ガスとしてもよい。
本成長過程では、下地基板の温度をT2に保持して、昇温過程で下地基板上に成長した単結晶GaN層の上に、GaN結晶を厚膜状に成長させる。
本成長過程においても、リアクター内に供給するガスのうち、体積流量にして40%以上を窒素ガスとすることが好ましい。一例では、リアクター内に供給するガスの体積流量にして90%以上を窒素ガスとしてもよい。
本成長過程の時間は、通常10時間〜100時間である。本成長過程におけるGaN結晶の成長速度は、成長温度や原料ガスの供給量等を調整することにより設定することができる。本成長過程におけるGaN結晶の成長速度は、好ましくは30μm/h以上とする。また、本成長過程で成長させるGaN結晶の厚さは、通常1mm以上である。
一例では、図4に示すように、昇温過程と本成長過程の間に、下地基板の温度が一時的にT2よりも高い温度となる遷移過程が存在してもよい。
成長させたバルクGaN結晶に含まれる積層欠陥の多少は、低温(10K)にてPL測定を行うことで評価することができる。上述の好適な成長方法を用いた場合、積層欠陥に由来する3.41eVの低温PLピーク強度Iと、バンド端発光に由来する3.47eVの低温PLピーク強度Iの強度比I/Iが0.1以下であるGaN結晶を得ることが可能である。
4.自立GaN基板
上記方法で成長させたバルクGaN結晶を、ソーワイヤを用いてスライスすることにより自立GaN基板を得ることができる。必要な場合には、スライス加工の前に、外周研削加工あるいはコアドリル装置を用いたくり抜き加工を行って、結晶の外形を整えることができる。スライスしたままのGaN基板の表層部分には加工ダメージが残っているので、エッチング処理により表層部分を除去することが望ましい。エッチング処理の後、基板の2つの主面のうち、半導体結晶のエピタキシャル成長に使用する予定の主面に対してはC
MP仕上げを行うことが望ましい。
バルクGaN結晶をスライスするときの方向を調節することによって、自立GaN基板の主面は、任意の非極性面または半極性面と平行に設けることができる。非極性面または半極性面の具体例としては、(10−10)面、(11−20)面、(20−21)面、(20−2−1)面、(30−31)面、(30−3−1)面、(10−11)面、(10−1−1)面、(10−12)面、(10−1−2)面、(11−22)面、(11−2−2)面、(11−21)面、(11−2−1)面などが挙げられる。また、自立GaN基板の主面は、これらの低指数面から僅かに傾いた結晶面と平行にすることもできる。
非極性または半極性の自立GaN基板の主面と交わる積層欠陥の有無および密度は、例えば下記の方法により確認することができる。
第1の方法では、対象であるGaN基板の主面上に、MOVPE法を用いて、発光ピーク波長405nmのLED構造を備えた第13族窒化物多層膜をエピタキシャル成長させる。この多層膜の表面を蛍光顕微鏡で観察すると、該基板の主面と積層欠陥とが交わる部位に輝線が観測される。
第2の方法では、波長分光可能なPL(フォトルミネッセンス)測定装置を用いて、低温(10K)にて、対象であるGaN基板主面のPL像を観察する。この方法では、積層欠陥に由来する3.41eV(364nm)付近のPLをプローブとして利用する。
第3の方法では、カソードルミネッセンス(CL)装置を用いて、低温(82K以下)にて、対象であるGaN基板主面のCL像を観察する。
また、M面に平行なGaN結晶表面の積層欠陥の密度は、X線回折装置を用いてロッキングカーブの広がりの異方性を調べることによって見積もることが可能である。
5.応用例
非極性または半極性GaN基板は、各種の半導体デバイスの製造に使用することができる。半導体デバイスの具体例としては、発光ダイオード、レーザダイオードなどの発光素子、整流器、バイポーラトランジスタ、電界効果トランジスタ、HEMT(High Electron Mobility Transistor)などの電子素子、温度センサ、圧力センサ、放射線センサ、可視−紫外光検出器などの半導体センサ、SAW(Surface Acoustic Wave)デバイス、振動子、共振子、発振器、MEMS(Micro Electro Mechanical System)部品、電圧アクチュエータなどがある。
非極性または半極性GaN基板は、GaN層接合基板の製造に用いることもできる。GaN層接合基板とは、図5に模式的に示すように、GaNとは化学組成が異なる異組成基板にGaN層が接合している複合基板であり、各種の半導体デバイスの製造に使用することができる。
GaN層接合基板は、典型的には、GaN基板の主表面近傍にイオンを注入する第1ステップと、そのGaN基板の主表面側を異組成基板に接合する第2ステップと、イオン注入された領域を境としてGaN基板を分離することによって、異組成基板に接合したGaN層を形成する第3ステップを、この順に実行することによって製造することができる。
GaN層接合基板に使用し得る異組成基板としては、サファイア基板、AlN基板、SiC基板、ZnSe基板、Si基板、ZnO基板、ZnS基板、石英基板、スピネル基板、カーボン基板、ダイヤモンド基板、Ga23基板、ZrB2基板、Mo基板、W基板などが例示される。
GaN層接合基板の構造、製造方法および用途については、特開2006−210660号公報、特開2011−44665等を参照することができる。
<実施例1>
(下地基板)
(10−10)面から[000−1]方向に2°傾斜した結晶面に平行な主面を有する、オフ角−2°のM面GaN基板を下地基板として用意した。この下地基板を、石英製リアクターを備えるHVPE装置の該リアクター内に配置された、サセプターの上に設置した。
(昇温工程)
次いで、雰囲気ガスとして窒素ガス(N)およびアンモニア(NH)をリアクター内に流しながら、リアクターの外部に設置されたヒーターで加熱することにより、下地基板の温度を昇温速度:21℃/minで750℃まで上昇させた。窒素ガスとアンモニアの体積流量比はN:NH=4:1とした。また、リザーバーは850℃に加熱した。
下地基板の温度が750℃に達した後、昇温を停止し、雰囲気ガスをリアクター内に流したまま15分間保持した。
(成長工程;昇温過程)
次に、アンモニアに加えて塩化ガリウム(GaCl)の供給を開始するとともに、下地基板の昇温を再開した。昇温速度は21℃/minとし、950℃となったところで昇温を停止した。
(成長工程;本成長過程)
昇温停止後は、基板温度を950℃に保持したまま30時間、塩化ガリウムおよびアンモニアをリアクター内に供給することによりGaN結晶を成長させた。
上記の成長工程(昇温過程の開始から本成長過程の終了まで)においては、リアクター内圧力を1.0×10Paとし、塩化ガリウムガスの分圧を3.5×10Pa、アンモニアガスの分圧を1.1×10Pa、水素ガスの分圧を4.0×10Pa、窒素ガスの分圧を4.3×10Paとした。水素ガスおよび窒素ガスはキャリアガスである。
ここでいうガス分圧は、リアクター内の圧力(P)に対して、リアクター内に供給される全てのガスの体積流量の総和に占める当該ガスの体積流量の比率(r)を乗じた値(P×r)である。
<実施例2>
昇温工程において下地基板の温度を800℃まで上昇させたことと、それに伴い成長工程開始時の下地基板温度を800℃としたこと以外は、実施例1と同様にして、オフ角−2°のM面GaN基板(下地基板)上にGaN結晶を成長させた。
<実施例3>
昇温工程において下地基板の温度を850℃まで上昇させたことと、それに伴い成長工程開始時の下地基板温度を850℃としたこと以外は、実施例1と同様にして、オフ角−2°のM面GaN基板(下地基板)上にGaN結晶を成長させた。
<実施例4>
昇温工程において下地基板の温度を900℃まで上昇させたことと、それに伴い成長工程開始時の下地基板温度を900℃としたこと以外は、実施例1と同様にして、オフ角−2°のM面GaN基板(下地基板)上にGaN結晶を成長させた。
<比較例>
昇温工程において下地基板の温度を950℃まで上昇させたことと、成長工程においては昇温過程を省略して、最初から下地基板温度950℃で本成長過程を行ったこと以外は、実施例1と同様にして、オフ角−2°のM面GaN基板(下地基板)上にGaN結晶を
成長させた。
<評価結果>
実施例1〜4および比較例1において得られたGaN結晶の膜厚はいずれも約1.2mmであった。各例で得たGaN結晶の積層欠陥密度を、低温カソードルミネッセンス法を用いて評価した結果を表1に示す。測定条件は、加速電圧3kV、電流2nA、200倍視野、試料温度82Kと設定した。
表1に示すように、成長工程において昇温過程を実行しなかった比較例のGaN結晶は、実施例のGaN結晶に比べて積層欠陥密度が高かった。積層欠陥密度が最小(60cm−1)となったのは、成長工程の開始温度を850℃とした実施例3のGaN結晶であった。
<実施例5>
昇温工程において下地基板の温度が850℃に達した後、成長工程を開始するまでの間、下地基板を850℃に保持する時間を1分間としたこと以外は実施例3と同様にして、オフ角−2°のM面GaN基板(下地基板)上にGaN結晶を成長させた。
<実施例6>
昇温工程において下地基板の温度が850℃に達した後、成長工程を開始するまでの間、下地基板を850℃に保持する時間を60分間としたこと以外は実施例3と同様にして、オフ角−2°のM面GaN基板(下地基板)上にGaN結晶を成長させた。
<評価結果>
実施例5および6で得られたGaN結晶の膜厚は約1.2mmであった。各例で得たGaN結晶の積層欠陥密度を低温カソードルミネッセンス法で測定した結果を、実施例3のGaN結晶の結果と合わせて表2に示す。測定条件は加速電圧3kV、電流2nA、200倍視野、試料温度82Kとした。
この結果から、昇温工程の後は速やかに成長工程を開始することが、下地基板上に成長させるGaN結晶中の積層欠陥密度を低減するうえで好ましいと考えられる。
<実施例7>
c軸成長により得たバルクGaN結晶から切り出した、主面が5mm(c軸方向)×30mm(a軸方向)の長方形であるM面−2°オフGaN基板を、22枚準備した。この22枚のGaN基板を図6に示すように並べたものを下地基板とした。
かかる下地基板を用いたことと、本成長過程におけるGaN結晶の成長時間を50時間としたこと以外は実施例5と同様にして、厚さ3.0mmのGaN結晶を成長させた。
次いで、得られたGaN結晶を、その外形を整えたうえでスライスし、厚さ330μm、直径50mmの自立M面GaN基板を複数枚作製した。
このGaN基板の転位密度を、加速電圧3kV、電流2nA、200倍視野という条件でカソードルミネッセンス観察を行い評価した結果、暗点密度より算出した転位密度は1.6×10〜3.4×10cm−2であった。
また、高分解能X線回折装置(スペクトリス(株)製 パナリティカル X’Pert
Pro MRD)を用いて、X線をa軸に垂直に入射させたときの(100)面ロッキングカーブの半値全幅と、X線をc軸に垂直に入射させたときの(100)面ロッキングカーブの半値全幅とを測定したところ、それぞれ、23arcsecと24arcsecであった。
更に、X線をa軸に垂直に入射させて得た(100)面ロッキングカーブの1/300値幅(W100@1/300)と、X線をa軸に垂直に入射させて得た(300)面ロッキングカーブの1/300値幅(W300@1/300)の比(W100@1/300 / W300@1/300)より、積層欠陥密度を評価した。その結果、W100@1/300 / W300@1/300は0.62であり、この値から積層欠陥密度を見積ると100cm−1であった。
以上に記した実施形態および実施例においては、第13族窒化物結晶としてGaN結晶を例に、その成長方法等について説明したが、本発明の成長方法を用いて製造可能な第13族窒化物結晶および第13族窒化物基板は、GaN結晶やGaN基板に限定されるものではない。
本発明は本明細書に明示的に記載された実施形態あるいは実施例に限定されるものでは
なく、その趣旨を逸脱しない範囲内において種々変形することができる。
100 リアクター
101〜105 導入管
106 リザーバー
107 ヒーター
108 サセプター
109 排気管

Claims (14)

  1. 石英製リアクターと、前記石英製リアクター内に設置される下地基板を加熱する目的で前記石英製リアクターの外部に配置されるヒーターと、を備えるハイドライド気相成長装置を用いて、第1の第13族窒化物結晶の表面であって該第1の第13族窒化物結晶の非極性面または半極性面に平行な主面を有する下地基板の該主面上に、第2の第13族窒化物結晶を成長させる、第13族窒化物結晶の成長方法において、
    前記主面上に第13族窒化物結晶を成長させる前に、前記下地基板の温度を成長開始温度まで上昇させる第1工程と、
    前記主面上に第13族窒化物からなる単結晶層を成長させながら、前記下地基板の温度を前記成長開始温度から本成長温度まで上昇させる第2工程と、
    前記下地基板の温度を前記本成長温度に維持しながら、前記第2工程で成長させた単結晶層の上に更に第13族窒化物結晶を成長させる第3工程と、
    を有することを特徴とする第13族窒化物結晶の成長方法。
  2. 前記第2工程において前記石英製リアクター内に導入するガスのうち、体積流量にして40%以上を窒素ガスとする、請求項1に記載の成長方法。
  3. 前記成長開始温度が700℃以上940℃以下である、請求項1または2に記載の成長方法。
  4. 前記本成長温度が970℃以上1300℃以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の成長方法。
  5. 前記主面が前記第1の第13族窒化物結晶の(10−10)面との間でなす角度が0°以上5°以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の成長方法。
  6. 前記主面が前記第1の第13族窒化物結晶の(11−20)面との間でなす角度が0°以上5°以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の成長方法。
  7. 前記主面が、前記第1の第13族窒化物結晶の(10−10)面から[0001]方向または[000−1]方向に5°以上30°以下傾斜した結晶面に平行である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の成長方法。
  8. 前記主面が、前記第1の第13族窒化物結晶の(20−21)面、(20−2−1)面、(30−31)面、(30−3−1)面、(10−11)面、(10−1−1)面、(10−12)面、(10−1−2)面、(11−22)面、(11−2−2)面、(11−21)面および(11−2−1)面から選ばれるいずれかの結晶面との間でなす角度が0°以上5°以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の成長方法。
  9. 前記下地基板が単結晶基板である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の成長方法。
  10. 前記下地基板が複数の第13族窒化物結晶片から構成されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の成長方法。
  11. 前記下地基板がテンプレート基板または第13族窒化物層接合基板である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の成長方法。
  12. 前記第1の第13族窒化物結晶がGaN結晶であり、かつ、前記第2工程で成長させる第13族窒化物結晶および前記第3工程で成長させる第13族窒化物結晶が両方ともGa
    N結晶である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の成長方法。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の成長方法を用いて第13族窒化物結晶を成長させる工程と、該工程で成長させた第13族窒化物結晶をスライスする工程と、を有する第13族窒化物結晶基板の製造方法。
  14. 請求項13に記載の製造方法を用いて第13族窒化物結晶基板を製造する工程と、該工程で製造した第13族窒化物結晶基板を該第13族窒化物結晶基板とは化学組成が異なる異組成基板に接合させる工程と、を有する第13族窒化物層接合基板の製造方法。
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