本発明の実施形態を説明する。以下説明は図中に矢印で示す左右、前後、上下を使用する。接着装置1は二枚のシートを接着剤Zで接着する。二枚のシートは、下シート8と上シート6である(図19参照)。上シート6は下シート8に対して上側から重なる。一例として、下シート8と上シート6は何れも可撓性を有する布である。本実施形態の接着装置1は、下シート8の右端部である下特定端部8Aと、上シート6の左端部である上特定端部6Aを、接着剤Zを介して接着する。接着剤Zは図23、図24でのみで図示する。
図1〜図13を参照し、接着装置1の機械的構成を説明する。図1〜図3に示す如く、接着装置1は台座部2、脚柱部3、アーム部4、頭部5を備える。台座部2は直方体状であり、作業台に固定する。脚柱部3は柱状であり、台座部2上面から上方に延びる。アーム部4は脚柱部3上端部から左方に延びる。頭部5はアーム部4左端部から左方に突出する。
台座部2は固定部32を支持する。固定部32は、台座部2左面に固定した矩形板状である。固定部32は土台33を支持する。土台33は、左側面視U字状であり、固定部32から左方に延びる。土台33は前壁33Aを備える。土台33上端は支持部52を固定する。支持部52は左右方向と前後方向に延びる。支持部52は左部53と右部54を備える。左部53は平面視略矩形状である。左部53は下シート8を下側から支持する。左部53は後端に、上下方向に開放した開口孔59を備える。右部54は左部53の右端前部から右方に延びる。
図3に示す如く、頭部5は上搬送機構70を支持する。上搬送機構70は支持アーム16、上搬送ローラ12、上搬送エアシリンダ122(図14参照)、上搬送モータ112を備える。支持アーム16は、頭部5に設けた左右方向に延びる上軸部にて、回動可能に支持する。支持アーム16は、頭部5下方で後方から前方に延び、更に前下方に延びる。支持アーム16は箱状である。支持アーム16は下端部に上ローラ軸を支持する。上ローラ軸は、左右方向に延び、回転可能である。上搬送ローラ12は上ローラ軸にて支持する。上搬送ローラ12は上ローラ軸と共に左右方向を軸方向として回転する。上搬送エアシリンダ122(図14参照)は、上下方向に沿う姿勢で頭部5内部に設ける。上搬送エアシリンダ122は、上下方向に延びる軸を備える。上搬送エアシリンダ122は、支持アーム16の後端部に連結する。支持アーム16は上搬送エアシリンダ122の駆動により上軸部を中心に揺動する。
上搬送モータ112は支持アーム16に設ける。上搬送モータ112は、第一プーリ、タイミングベルト、第二プーリ等を介して、上ローラ軸に連結する。第一プーリ、タイミングベルト、第二プーリは、支持アーム16内部に設ける。第二プーリは上ローラ軸に支持し、上搬送ローラ12と左右方向に並ぶ。故に、上搬送ローラ12は上搬送モータ112の動力で回転する。
上搬送エアシリンダ122が支持アーム16を揺動することで、上搬送ローラ12は挟持位置(図3参照)と退避位置(図6参照)の間を移動する。挟持位置にある上搬送ローラ12は、下シート8と上シート6を、後述の下搬送ローラ270との間で上側から挟む。退避位置にある上搬送ローラ12は、上シート6から上方に退避する。
図2〜図4に示す如く、頭部5(図1参照)はノズルレバー揺動機構22を備える。ノズルレバー揺動機構22はノズルモータ113、支持軸26、ノズルレバー9、ノズル11を備える。ノズルモータ113は頭部5内部の左側に設けたパルスモータである。ノズルモータ113は、ウォームを固定した出力軸を備える。支持軸26はウォーム上方で左右方向に延びる筒状である。支持軸26は、ウォーム上端と噛み合うウォームホイール25を支持する。支持軸26は、ノズルモータ113の動力によってウォームホイール25と共に回転する。支持軸26の内部には後述の供給機構45が供給する接着剤Zが流れる。
ノズルレバー9は、ウォームホイール25左方に設け、支持軸26左端から下側へ延びる腕状且つ箱状である。ノズルレバー9は内部に流路21を備える。流路21は支持軸26の内部と連通する。ノズルレバー9の下端部は、ノズル装着部10である。ノズル11は、ノズル装着部10に螺子14で装着する。ノズル11はノズル装着部10に対して着脱可能である。ノズルレバー9は、流路21近傍の内部にヒータ132(図14参照)を備える。ヒータ132の熱はノズル装着部10を介してノズル11まで伝導する。
ノズル11は連結部11A、突出部11B、上端部11C(図5参照)、吐出口11Dを備える。連結部11Aは、支持軸26から離間する方向へノズル装着部10から突出する。連結部11Aは接着剤Zの流路を内部に備える。突出部11Bは、連結部11A先端部から右方に突出する。突出部11Bは右側面視略三角形の棒状である。突出部11Bは接着剤Zの流路を内部に備える。接着剤Zは、ノズルレバー9の流路21と連結部11Aの流路を経由して、突出部11Bの流路に到る。上端部11Cは、突出部11Bの上端部であり、上シート6を下側から支持する。吐出口11Dは、突出部11Bの下面に形成し、上端部11C下方にある。吐出口11Dは、左右方向に沿って略等間隔に並ぶ複数の円形孔である。吐出口11Dは下シート8に接着剤Zを吐出する。
ノズル装着部10は、ノズル11に代えてノズル13(図4参照)を装着できる。ノズル13は吐出口13Dを備える。吐出口13Dは吐出口11Dに対応する。ノズル11の吐出幅と、ノズル13の吐出幅は互いに異なる。ノズル11、13の吐出幅は、吐出口11D、13Dの左右方向における形成範囲である。ノズル11の吐出幅(寸法L1)は、ノズル13の吐出幅(寸法L2)よりも長い。ノズル11の吐出左端位置X1と、ノズル13の吐出左端位置X2は、互いに異なる左右方向位置にある。吐出左端位置X1は、ノズル装着部10に装着したノズル11の吐出口11Dの左端位置であり、吐出左端位置X2は、ノズル装着部10に装着したノズル13の吐出口13Dの左端位置である。本実施形態では、ノズル13の吐出左端位置X2は、ノズル11の吐出左端位置X1よりも右側となる。以下、ノズル装着部10にノズル11を装着した接着装置1の構成を説明する。
支持軸26はノズルレバー9を揺動可能に支持する。故に、ノズル11は離間位置(図16参照)と第二対向位置(図6参照)との間を、第一対向位置(図6参照)を経由して変位する。図6では、第一対向位置にあるノズル11を実線で図示し、第二対向位置にあるノズル11を二点鎖線で図示する。ノズル11が離間位置にある場合、吐出口11Dは前下方を向く。ノズル11が第二対向位置にある場合、吐出口11Dは後下方を向き、且つ下シート8に上方から対向する。ノズル11は、支持軸26を中心に左側面視で時計回りに離間位置から揺動することで、第二対向位置に変位する。
ノズル11が第一対向位置にある場合、吐出口11Dは、下方を向き、且つ下シート8に上方から対向する。本実施形態では、第一対向位置は第二対向位置よりも低い位置である。以下、第一対向位置と第二対向位置との間を変位するノズル11の上端部11Cの通過領域を、ノズル作動領域15(図6参照)と称す。
図2、図3に示す如く、頭部5は装着部41と供給機構45を備える。装着部41は頭部5略中央部に設け、カバー41A(図1参照)、収容部41B、蓋41C、ヒータ131(図14参照)を備える。カバー41Aは略直方体の箱状であり、頭部5上面から上方に延びる。カバー41Aは上下方向に開口する。収容部41Bはカバー41A内部に設ける。収容部41Bは略直方体の箱状であり、頭部5内部からカバー41A上端まで延びる。収容部41Bは上方に開口する。収容部41Bは内部にカートリッジ(図示略)を着脱可能に収容する。蓋41Cは収容部41Bの上側に着脱可能に設け、収容部41B上部開口を開閉する。カートリッジは熱溶融性の接着剤Zを収容する。接着剤Zは所定温度に加熱すると液化し、所定温度より低い温度で固化する。ヒータ131は収容部41Bに設ける。ヒータ131は収容部41Bに収容したカートリッジを加熱する。接着剤Zはヒータ131の加熱により溶融して液化する。
供給機構45は、収容部41Bに収容したカートリッジの接着剤Zをノズル11に供給する機構である。供給機構45はポンプモータ114とギアポンプ46を備える。ポンプモータ114はアーム部4(図1参照)内部に設ける。ポンプモータ114は出力軸114Aを備える。ギアポンプ46は装着部41前側に設け、支持軸26右端部に接続する。出力軸114Aはギア46Aを介してギアポンプ46に連結する。ギアポンプ46は収容部41Bに収容したカートリッジから接着剤Zを吸引する。ギアポンプ46は吸引した接着剤Zを、支持軸26とノズルレバー9を介して、ノズル11に供給する。
図5に示す如く、接着装置1は下先端支持機構240を備える。下先端支持機構240は、下特定端部8Aの後端部である下先端部8B(図20参照)を支持する機構である。下先端支持機構240は、基台212、連結体224、一対の案内部225、支持体228、保持部226、左右エアシリンダ217、ノズル対向部材230を備える。
基台212は土台33に固定する。基台212は背面視略矩形状である。基台212は、左上部に連結部材213を備える。連結部材213は、前後方向に厚さを有する板状の磁性体である。本実施形態の連結部材213は永久磁石である。連結部材213は後述のピン705に対して離脱可能に連結する。連結体224は基台212に固定し、左右方向に延びる。一対の案内部225は、連結体224にて支持した左右方向に延びる棒状であり、上下方向沿って間隔を空けて並ぶ。支持体228は一対の案内部225にて左右動可能に支持した板状部材である。支持体228は、左右方向に並ぶ一対の壁部227を有する。保持部226は、一対の案内部225下方で連結体224に固定した板状部材である。保持部226は、側面視円形状の保持孔を有する。左右エアシリンダ217は、保持部226の保持孔にて保持し、左右方向に沿う。左右エアシリンダ217は軸218(図18参照)を有する。軸218左端部は、支持体228下端に連結する。故に、軸218が左右エアシリンダ217の駆動に伴い左右動することで、支持体228は左右動する。
ノズル対向部材230は支持体228上端に固定する。ノズル対向部材230は、左右方向に延びる板状であり、ノズル作動領域15(図6参照)下側にある。ノズル対向部材230は、第一対向位置又は第二対向位置にあるノズル11の吐出口11D(図4参照)に対して、下側から隙間を空けて対向する。ノズル対向部材230は下先端部8Bを下側から支持する。
ノズル対向部材230は、左支持部231と右支持部236を備える。左支持部231は露出孔229、下検出孔235(図7参照)を備える。露出孔229は、左支持部231後端部にて上下方向に開放する。露出孔229は平面視で左右方向に延びる矩形状である。下検出孔235は、露出孔229右部の前方にて上下方向に開放する。下検出孔235は、開口孔59(図3参照)に対して左側となる左右方向位置にある。下検出孔235は平面視で左右方向に長い長円状である。下検出孔235の内側領域は、後述の下検出位置P(図26参照)を含む。左支持部231の上面は平面状である。右支持部236は左支持部231の右方に設ける。右支持部236上面は、支持軸26(図2参照)を中心とした円弧状であり、後上方に向けて湾曲する。
支持体228が、左右エアシリンダ217の駆動に伴い一対の案内部225に沿って左右動することで、ノズル対向部材230は、第一支持触位置(図5参照)と第二支持位置(図18参照)の間を左右動する。第一支持位置はノズル対向部材230の可動範囲の右端位置である。ノズル対向部材230が第一支持位置にある場合、左支持部231はノズル作動領域15(図6参照)の真下にある。第二支持位置は、ノズル対向部材230の可動範囲の左端位置である。ノズル対向部材230が第二支持位置にある場合、右支持部236がノズル作動領域15の真下にある。後述の接着処理(図25参照)の実行時、ノズル対向部材230は第一支持位置にある。後述の先端塗布処理(図17参照)の実行時、ノズル対向部材230は第二支持位置にある。
図5に示す如く、接着装置1は下搬送機構260を備える。下搬送機構260は支持体228にて支持する。下搬送機構260は、下搬送モータ262、プーリ264、搬送軸268、ベルト266、下搬送ローラ270を備える。下搬送モータ262は、支持体228のうちで右側の壁部227の右面に固定する。下搬送モータ262は左右方向に沿う出力軸262Aを備える。出力軸262Aは、右側の壁部227から左方に突出する。プーリ264は出力軸262A左端部に固定する。搬送軸268は、露出孔229下方で左右方向に延び、支持体228上端部にて回動可能に支持する。搬送軸268は連結プーリを固定する。
ベルト266は、プーリ264、連結プーリに架け渡す。下搬送ローラ270は、連結プーリ左方で搬送軸268に固定し、露出孔229から上側に突出する。下搬送ローラ270は、下搬送モータ262の駆動力で、搬送軸268と共に回転する。下搬送ローラ270は、挟持位置にある上搬送ローラ12に対して下側から接触する。換言すると、上搬送ローラ12は、下搬送ローラ270に対して上側から接触することで挟持位置にて位置決めする。
下搬送機構260は、左右エアシリンダ217の駆動に伴って、ノズル対向部材230と共に左右動する。ノズル対向部材230が第一支持位置(図5参照)にある場合、下搬送ローラ270は下先端部8Bに対して下側から接触する。ノズル対向部材230が第二支持位置(図18参照)にある場合、下搬送ローラ270は下先端部8Bに対して左側にずれる。
以下、上搬送機構70と下搬送機構260を総称する場合、搬送機構80(図2参照)と称す。搬送機構80は前後方向に沿って下シート8と上シート6を前側から後側へ搬送する。故に本実施形態では、下シート8と上シート6の搬送方向は前後方向であり、搬送方向上流側は前側であり、搬送方向下流側は後側である。
図6に示す如く、接着装置1はシート支持部280を備える。シート支持部280は、支持体228の一対の壁部227の夫々の上端に固定し、上搬送ローラ12と下搬送ローラ270よりも後側にある。シート支持部280は、接着剤Zを間にして互いに接着した下シート8と上シート6を下側から支持する。シート支持部280は、上板部280Aと下板部280Bを有する。上板部280Aは、一対の壁部227の夫々の上部に沿って、前上方から後下方に延びる板状である。下板部280Bは、上板部280A下端から後下方に延びる板状である。下板部280Bは上板部280Aよりも急勾配である。
図5〜図7に示す如く、接着装置1は上先端支持機構700を備える。上先端支持機構700は、上特定端部6A(図26参照)の後端部である上先端部6B(図20参照)を支持する機構である。
上先端支持機構700は支持軸701、可動体702、ピン705、駆動機構720、上支持部730を備える。支持軸701は左右方向に延び、ノズル対向部材230よりも下側で基台212の右上部に固定する。支持軸701は連結部材213よりも前下方にある。換言すると、連結部材213は、支持軸701に対して後側且つ上側にある。支持軸701の少なくとも一部は、前後方向においてノズル作動領域15の内側にある(図6参照)。本実施形態では前後方向において、支持軸701の後部はノズル作動領域15の内側にあり、支持軸701の前部はノズル作動領域15の前側にある。以下、支持軸701と直交し且つ支持軸701から離隔する方向を単に径方向と称す。
可動体702は支持軸701にて回動可能に支持する。可動体702は腕部703と固定部704を備える。腕部703は支持軸701に回動可能に連結する。腕部703は、左右方向に厚さを有する板状であり、支持軸701から径方向に延びる。腕部703は、長穴703Aと連結穴703Bを有する。長穴703Aは腕部703を左右方向に貫通する。長穴703Aは支持軸701を中心とした周方向に長径を有する。右側面視において、長穴703Aの支持軸701を中心とした反時計回り側の端部は始端部703Cであり、始端部703Cとは反対側の端部は終端部703Dである。連結穴703Bは、長穴703Aと支持軸701の間に設けた円形状の穴である。固定部704は、支持軸701に対し腕部703よりも径方向側の端部に設ける。固定部704は、腕部703の径方向側の端部に対して直交する板状である。固定部704は、二つの螺子穴704A(図9参照)を備える。螺子穴704Aは、左右方向に並び、且つ径方向側へ開口する。
ピン705(図7参照)は左右方向に沿う円柱状である。本実施形態ではピン705は金属製であり、基台212の連結部材213と互いに引き合う磁性体である。ピン705は第一軸部705Aと第二軸部705Bを備える。第一軸部705Aは連結穴703Bに回動可能に嵌る。第二軸部705Bは第一軸部705A左端から左方に延びる。第二軸部705Bは第一軸部705Aに対して偏心する。第二軸部705Bは、可動体702の回動に伴って、基台212の連結部材213に連結する。以下、連結穴703B、第一軸部705Aを総称する場合、変更部710と称す。
図5、図6に示す如く、駆動機構720は連結腕721、支持部722、上先端エアシリンダ725、固定部727、リンク728を備える。連結腕721は、可動体702の腕部703左方に設け、支持軸701にて回動可能に支持する。連結腕721は一端部721Aと他端部721Bを有する。一端部721Aは支持軸701に回動可能に連結する。他端部721Bは長穴703Aに摺動可能に連結する。
支持部722は、下方から上方に延び、更に前方に折れ曲がる板状部材である。支持部722後端部は、基台212右上部に固定する。支持部722は前端部に支持孔を有する。支持部722の支持孔は上下方向に開放する。上先端エアシリンダ725は、上下方向に延びる姿勢で支持部722の支持孔にて支持する。換言すると、上先端エアシリンダ725は、基台212にて支持する。上先端エアシリンダ725は軸725Aを有する。軸725Aは、軸方向である上下方向に移動可能である。本実施形態の軸725Aは、支持部722後端部から下方に突出する。軸725Aは、進出位置(図6参照)と退入位置(図21参照)との間を上下動する。図21では、進出位置にある軸725Aを二点鎖線で図示し、退入位置にある軸725Aを実線で図示する。本実施形態では、進出位置は軸725Aの可動範囲の下端位置であり、退入位置は軸725Aの可動範囲の上端位置である。
固定部727は、軸725A下端部に固定し、軸725Aから後方に突出する。リンク728は、左右方向に厚さを有する板状である。リンク728は第一端部728Aと第二端部728Bを有する。第一端部728Aは固定部727前端部に回動可能に連結する。換言すると、第一端部728Aは軸725Aに回動可能に連結する。第二端部728Bは、第一端部728Aよりも後側で、連結腕721の他端部721Bに回動可能に連結する。
上先端エアシリンダ725の動力は、固定部727、リンク728、連結腕721、長穴703Aを介して、腕部703に伝達する。故に、上先端エアシリンダ725の駆動に伴って、可動体702は支持軸701を中心に回動する。可動体702の回動に伴い、ピン705の第二軸部705B(図7参照)は連結部材213に対して接離する。第二軸部705Bが前側から連結部材213に直接的に接触することで、ピン705は連結部材213に連結する。ピン705が連結部材213に対して連結する場合、可動体702は、第二軸部705Bと連結部材213とが引き合う磁力により保持される。
図7〜図9を参照し、上支持部730を説明する。上支持部730は、固定部704に設ける。可動体702が上先端エアシリンダ725の駆動に伴い回転することで、上支持部730は、作動位置(図7参照)と、非作動位置(図6参照)との間を回動する。作動位置にある上支持部730は、ノズル作動領域15よりも上側にある。非作動位置にある上支持部730は、作動位置にある場合に比べて、ノズル作動領域15から後下方に離間する。本実施形態では、非作動位置にある上支持部730は、シート支持部280の下板部280Bの後端部に対して前下方にある。以下の上支持部730の説明では、作動位置にある上支持部730の姿勢を基準に説明する。
図9に示す如く、上支持部730は、支持部材740、二つの締結部材745、突出部材750、二つの締結部材756、延出部材760、二つの締結部材799を備える。締結部材745、756、799は、図9でのみ二点鎖線で図示する。
支持部材740は、固定部704に固定する。支持部材740は板状体741、支持面742、二つの挿通孔743、二つの螺子穴744を備える。板状体741は、固定部704端面のうち腕部703と反対側に対向して接触する。板状体741は、左右方向に延び、且つ、後上方から前下方へ傾斜して延びる。板状体741左端は、ノズル11の連結部11Aよりも右側となる左右方向位置にある。板状体741は、ノズル作動領域15(図6参照)の上方にある。支持面742は、板状体741の上面であり、平面状に形成する。支持面742は上先端部6B(図23参照)を支持する。二つの挿通孔743は、何れも、板状体741を厚さ方向に貫通する左右方向に長い孔である。二つの挿通孔743は夫々二つの螺子穴704Aに上側から対向する。二つの螺子穴744は、二つの挿通孔743よりも前側に設ける。二つの締結部材745は夫々二つの挿通孔743に挿通する。挿通孔743に挿通した締結部材745は、該挿通孔743と対向する螺子穴704Aに締結する。故に支持部材740は固定部704に固定する。
突出部材750は支持面742に固定する。突出部材750は支持面742から上側に突出する。換言すると、突出部材750は支持面742と交差する方向に支持面742から突出する。突出部材750は、板状体751、二つの挿通孔752、二つの螺子穴753を備える。板状体751は、左右方向に延び、支持面742に対向して接触する。二つの挿通孔752は何れも板状体751右部を厚さ方向に貫通する。挿通孔752は前後方向に長径を有する。二つの挿通孔752は夫々二つの螺子穴744と対向する。二つの螺子穴753は、板状体751左部に設け、上側に開放する。二つの締結部材756は夫々二つの挿通孔752に挿通する。挿通孔752に挿通した締結部材756は、該挿通孔752と対向する螺子穴744に締結する。故に、突出部材750は支持部材740に固定する。
延出部材760は板状体751左部に固定する。延出部材760は、第一板状体761、第二板状体762、二つの挿通孔763を備える。第一板状体761は、突出部材750の板状体751左部の上面に接触し、板状体751から前方へ直線状に延出する。第一板状体761前部の下面は、延設面761Aである。延設面761Aは、支持部材740の支持面742に対して上方から隙間を空けて対向する。延設面761Aは支持面742と平行である。第二板状体762は第一板状体761前端から前上方に延びる。延設面761Aと第二板状体762は上先端部6Bに上側から接触可能である。二つの挿通孔763は、第一板状体761を厚さ方向に貫通する。二つの挿通孔763は夫々二つの螺子穴753と対向する。二つの締結部材799は夫々二つの挿通孔763に挿通する。挿通孔763に挿通した締結部材799は、該挿通孔763と対向する螺子穴753に締結する。故に延出部材760は突出部材750に固定する。
図10、図11を参照し、上支持機構300を説明する。上支持機構300は、上シート6を支持する機構であり、土台33に設ける。上支持機構300は、案内部材302、移動体304、支持台305、支持部材315、位置決め部材310、土台エアシリンダ309、変更機構320を備える。
案内部材302は、土台33内側に固定した左右方向に延びる棒状であり、前後方向に間隔を空けて二つ設ける。移動体304は、二つの案内部材302にて左右動可能に支持する。移動体304は、支持部52(図2参照)の左部53の右方且つ右部54の後方に形成した空間を介して、支持部52よりも上方に突出する。移動体304上端は平面である。支持台305は、平面視略矩形状の板状であり、移動体304上端に固定する。支持台305は移動体304と共に左右動する。支持部材315は、移動体304上端にて支持し、移動体304の左後部から左方に突出する。
支持部材315は、左右方向と前後方向とに延び、支持部52に対して平行である。支持部材315は、上面315A、下面315B、収容穴315C、上反射部、下反射部を備える。上面315Aは、上シート6を下側から支持する平面である。上面315Aは、ノズル11の上端部11Cと同じ上下方向位置にある(図9参照)。下面315Bは支持部材315の下端を形成する。下面315B前部は、下面315B後部よりも下側にある。収容穴315Cは、上面315Aの左後部に形成した左右方向に長い凹みである。上反射部は、光を反射可能な材料によって形成した左右方向に延びる部材であり、収容穴315Cの内側に収容する。上反射部は上面315Aよりも下側にある。下反射部は、光を反射可能な材料によって形成し、下面315B後部に設ける。
位置決め部材310は、土台33の前壁33A上端に形成した凹部36に固定する。凹部36は、土台33の前壁33A上端から下方に凹む。位置決め部材310は、支持部52(図2参照)の右部54下方にある。移動体304は、位置決め部材310の右端に対して接離可能である。
移動体304は、左端位置(図10参照)と右端位置(図16参照)との間で移動可能である。左端位置は、位置決め部材310によって左方への移動を規制されて位置決めされる移動体304の左右方向位置である。本実施形態では、移動体304が位置決め部材310右端に接触することで、支持台305は左方への移動を規制される。移動体304が左端位置にある場合、支持部材315は、第一対向位置にあるノズル11に対して前方にあり、ノズル11の特定通過領域に進入する。特定通過領域は、離間位置と第一対向位置との間を変位するノズル11の通過領域である。また、移動体304が左端位置にある場合、下面315B後部は、第一支持位置にあるノズル対向部材230の下検出孔235に対して上方から対向し、下反射部は、下検出孔の内側領域の上方に位置する。右端位置は、位置決め部材310から右方に離隔する移動体304の左右方向位置である。移動体304が右端位置にある場合、支持部材315は、ノズル11の特定通過領域から右方に退出する。
土台エアシリンダ309は、土台33の内側に設けたエアシリンダである。土台エアシリンダ309は、左右方向に延びる軸を有する。土台エアシリンダ309の軸は、位置決め部材310後方で移動体304下部に連結する。故に、土台エアシリンダ309が軸を左右動することで、移動体304は左端位置と右端位置との間で移動する。
変更機構320は、位置決め部材310が移動体304に接触して位置決めする位置を左右方向に変更する機構である。即ち、変更機構320は移動体304の左端位置を変更できる。変更機構320は、挿通孔322と、二つの螺子穴333、二つの螺子部材334を備える。挿通孔322は、位置決め部材310に設け、土台33の前壁33A前方にある。挿通孔322は位置決め部材310を前後方向に貫通し、左右方向に長い。二つの螺子穴333は前壁33Aに設けた正面視円形状の穴である。二つの螺子穴333は夫々挿通孔322に後方から対向する。二つの螺子部材334は何れも挿通孔322に前方から挿通する。挿通孔322に挿通した二つの螺子部材334は夫々、二つの螺子穴333に締結する。
図10〜図12を参照し、下挟持機構500を説明する。下挟持機構500は、支持部材315の下面315B前部との間で下シート8の下特定端部8A(図19参照)を挟み、且つ下特定端部8Aを左右動する機構である。図10、図11に示す如く、下挟持機構500は、下支持体502、下モータ支持部材504、下アーム507、下回動軸506(図12参照)、下挟持ローラ501、下モータ505、連結軸508、下駆動連結部、下保持体515、下弾性部材509、下エアシリンダ525を備える。
下支持体502は、土台33に固定した箱状であり、支持部52(図2参照)の左部53下方にある。下モータ支持部材504は、前後方向に延び、下支持体502に挿通して下支持体502にて回動可能に支持する。下モータ支持部材504の回動中心は、前後方向に延びる下軸線Uである。下モータ支持部材504は、下支持体502に対して前方と後方とに突出し、支持部52の下側にある。下モータ支持部材504は、中央部に下軸挿通孔を有する。下軸挿通孔は、正面視で下軸線Uを中心とした円形状であり、前後方向に開放する。
下アーム507は、下モータ支持部材504後端に固定し、下モータ支持部材504から上側且つ右側に延びる。下アーム507は腕状且つ箱状であり、下モータ支持部材504と共に下軸線Uを中心に回動可能である。下アーム507の上端部である先端部507Aは、平面視で開口孔59の下側にある(図9参照)。下アーム507は下端部である基端部に下孔を有する。下孔は、下軸挿通孔と同軸の円形状であり、前後方向に開放する。下回動軸506は、先端部507Aから後方に突出し、前後方向を軸方向として回動可能な軸である。下挟持ローラ501は下回動軸506後端部にて支持する。即ち、下挟持ローラ501は、下回動軸506と共に前後方向を軸方向として回動可能である。
下挟持ローラ501は平面視で開口孔59内側にあり(図9参照)、第一支持位置にあるノズル対向部材230の下検出孔235に対して左側にある。移動体304が左端位置(図10参照)にある場合、下挟持ローラ501は、支持部材315の下面315B前部との間で、下シート8を挟持可能である。下挟持ローラ501は、下モータ支持部材504と共に下軸線Uを中心に回動可能である。下挟持ローラ501は、下接触位置と下離隔位置との間を回動する。図12では、下接触位置にある下挟持ローラ501を実線で図示し、下離隔位置にある下挟持ローラ501を二点鎖線で図示する。下挟持ローラ501が下接触位置にある場合、下挟持ローラ501上端が下面315B前部と同じ上下方向位置となる。下挟持ローラ501が下離隔位置にある場合、下挟持ローラ501上端は下面315B前部よりも下側となる。
下モータ505は、下支持体502前方に設けた正逆回転可能なモータである。下モータ505は、下モータ支持部材504と共に下軸線Uを中心に回動可能である。下モータ505は筐体503と出力軸を備える。筐体503は下モータ支持部材504前端に固定する。出力軸は筐体503から後方に突出する。下モータ505の出力軸は、下モータ支持部材504の下軸挿通孔に挿通し、下支持体502内部まで突出する。連結軸508は、下モータ支持部材504前端から左方に突出する。
下駆動連結部は、下軸部材、下駆動プーリ、下従動プーリ、下ベルトを備える。下軸部材は、下モータ支持部材504の下軸挿通孔と、下アーム507の下孔とに挿通した前後方向に延びる軸である。下軸部材の前端部は、継手を介して下モータ505の出力軸の先端部に連結する。下軸部材の後端部は下アーム507基端部の内部にある。下駆動プーリは下軸部材の後端部に固定する。下従動プーリは下回動軸506前部に固定する。下ベルトは下駆動プーリと下従動プーリに架け渡す。故に、下駆動連結部は下モータ505と下挟持ローラ501を連結し、下モータ505は下挟持ローラ501を駆動できる。
図10に示す如く、下保持体515は、背面視L字状の板状部材であり、下支持体502左面に固定する。下保持体515は貫通孔516を備える。貫通孔516は、下保持体515の上部を左右方向に貫通し、上下方向に長い。連結軸508は貫通孔516に挿通する。下保持体515は左端部に固定軸521を固定する。固定軸521は下保持体515左端部から上方に突出する。固定軸521は上端に連結孔を有する。連結孔は固定軸521の軸線と直交する方向に開放する。
下弾性部材509は、一例として上下方向に弾性変形可能な引張バネである。下弾性部材509上端は連結軸508左端に係合し、下弾性部材509下端は固定軸521の連結孔に係合する。下弾性部材509は、伸張した状態で配置する。下弾性部材509は、下軸線Uを中心に正面視で反時計回りに下モータ支持部材504を付勢する。
下エアシリンダ525は、下保持体515の右上部の左面に固定し、連結軸508下方にある。下エアシリンダ525は下ロッド526を有する。下ロッド526は、軸方向である上下方向に移動可能である。下エアシリンダ525は、下付勢位置(図16参照)と、下退却位置(図10参照)との間で下ロッド526を上下動する。下付勢位置は下ロッド526の可動範囲の上端であり、下退却位置は下ロッド526の可動範囲の下端である。下付勢位置にある下ロッド526は、連結軸508を上方に付勢する。即ち、下付勢位置にある下ロッド526は、下軸線Uを中心に正面視時計回りに下モータ支持部材504を付勢し、下挟持ローラ501を下離隔位置で保持する。下退却位置にある下ロッド526は、連結軸508から下方に離隔し、下挟持ローラ501を下接触位置で保持する。
図12を参照し、下検出機構530を説明する。下検出機構530は、下シート8の下特定端部8A(図19参照)が後述の下検出位置Pにあるか否かを検出する機構である。下検出機構530は、下固定部材532と下検出部535を備える。下固定部材532は、支持部52(図2参照)下方で土台33に固定する。下検出部535は、下固定部材532に固定した光学式センサである。ノズル対向部材230が第一支持位置にあるとき、下検出部535はノズル対向部材230の下検出孔235の内側領域の下方に位置する。下検出部535は、下発光部535A(図14参照)と下受光部535B(図14参照)を備える。下発光部535Aと下受光部535Bは互いに同じ高さ位置に設ける。下発光部535Aは下検出孔235の内側領域に向けて光を発光する。下受光部535Bは下発光部535Aが発光した光を受光可能である。
ノズル対向部材230が第一支持位置にある場合、下検出孔235の上方にある下特定端部8Aは、下発光部535Aが発光した光を遮断し、下受光部535Bは、下発光部535Aが発光した光を受光しない。移動体304が左端位置にあり、且つ下特定端部8Aが下検出孔235上方にない場合、下発光部535Aが発光した光は、下反射部によって下方に反射される。下受光部535Bは下発光部535Aが発光した光を受光する。故に下検出部535は、下検出孔235の上方に下特定端部8Aがあるか否かを検出できる。以下、ノズル対向部材230が第一支持位置にある場合において、下検出孔235の内側領域のうちで、下発光部535Aの真上にある位置を、下検出位置Pと称す。下検出位置Pは、第一対向位置にあるノズル11の吐出口11Dと下挟持ローラ501との間となる所定の前後方向位置であり、且つ下挟持ローラ501に対して右側となる位置である。換言すると、下検出孔235は下検出位置Pにて上下方向に開放し、下検出部535は下検出位置Pに下特定端部8Aがあるか否かを検出する。
図13を参照し、上挟持機構600を説明する。上挟持機構600は、固定台641、上連結部材642、係合ピン647、上支持体602、上モータ支持部材604、上アーム607、上回動軸606、上挟持ローラ601、上モータ605、当接部608、上駆動連結部610(図26参照)、上弾性部材609、上エアシリンダ625を備える。
固定台641は、アーム部4に固定した板状部材である。上連結部材642は、固定台641の右前部の上面に固定した板状部材である。上連結部材642は、複数の係合穴649を備える。複数の係合穴649は、固定台641前方に位置し、左右方向に等間隔に並ぶ。係合穴649の個数は一例として三個である。係合ピン647は、複数の係合穴649の何れか一つに選択的に係合するピンである。図13の係合ピン647は、右側の係合穴649に係合する。係合ピン647は上連結部材642から下側に突出する。
上支持体602は、上連結部材642左方で、固定台641下面に固定した箱状体である。即ち、上支持体602は、上連結部材642に連結する。上モータ支持部材604は、前後方向に延びる部材であり、上支持体602に挿通して上支持体602にて回動可能に支持する。上モータ支持部材604の回動中心は、前後方向に延びる上軸線Wである。上モータ支持部材604は、上支持体602に対して前方と後方とに突出する。上モータ支持部材604は前端部に、上側に突出する連結ピン604Aを有する。上モータ支持部材604は、中央部に上軸挿通孔を有する。上軸挿通孔は、正面視で上軸線Wを中心とした円形状であり、前後方向に開放する。
上アーム607は、上モータ支持部材604の前端に固定し、上モータ支持部材604から下側且つ左側に延びる。上アーム607は腕状且つ箱状であり、下モータ支持部材504と共に上軸線Wを中心に回動可能である。上アーム607の下端部である先端部607Aは、開口孔59の上側にある。上アーム607は上端部である基端部に上孔を有する。上孔は、上軸挿通孔と同軸の円形状であり、前後方向に開放する。上回動軸606は、先端部607Aから後方に突出し、前後方向を軸方向として回動可能な軸である。上挟持ローラ601は、上回動軸606後端部に支持する。即ち、上挟持ローラ601は、上回動軸606と共に前後方向を軸方向として回動可能である。上挟持ローラ601は支持部材315の上側にある。上挟持ローラ601は、上モータ支持部材604と共に上軸線Wを中心に回動可能である。
上挟持ローラ601は、上接触位置(図13参照)と上離隔位置(図12参照)との間を、上軸線Wを中心に回動する。図12では、上接触位置にあるときの上挟持ローラ601を実線で図示し、上離隔位置にある上挟持ローラ601を二点鎖線で図示する。上挟持ローラ601が上接触位置にある場合、上挟持ローラ601下端は支持部材315の上面315Aと同じ上下方向位置にある。移動体304が左端位置にあり且つ上挟持ローラ601が上接触位置にある場合、上挟持ローラ601は、支持部材315の上面315Aに接触する。上挟持ローラ601が上離隔位置にある場合、上挟持ローラ601下端は上面315Aよりも上側となる。
上モータ605は、上支持体602後方に設けた正逆回転可能なモータである。上モータ605は筐体605Aと出力軸を備える。筐体605Aは下モータ支持部材504後端に固定する。故に上モータ605は、上モータ支持部材604と共に上軸線Wを中心に回動可能である。上モータ605の出力軸は、筐体605Aから前方に突出し、上モータ支持部材604の上軸挿通孔に挿通する。当接部608は、正面視L字状の板状部材であり、上モータ支持部材604後端の右面に固定する。
上駆動連結部610(図26参照)は、上軸部材、上駆動プーリ、上従動プーリ、上ベルト613(図26参照)を備える。上軸部材は、上モータ支持部材604の上軸挿通孔と、上アーム607の上孔とに挿通した前後方向に延びる軸である。上軸部材の後端部は、継手を介して上モータ605の出力軸の先端部に連結する。上軸部材の前端部は、上アーム607基端部の内部にある。上駆動プーリは、上軸部材の前端部に固定する。上従動プーリは上回動軸606の前部に固定する。上ベルト613は、上駆動プーリと上従動プーリに架け渡す。故に、上駆動連結部610は上モータ605と上挟持ローラ601を連結し、上モータ605は上挟持ローラ601を駆動できる。
図13で示す上弾性部材609は、一例として左右方向に弾性変形可能な引張バネである。上弾性部材609左端は連結ピン604Aに係合し、上弾性部材609右端は係合ピン647に係合する。換言すると、上弾性部材609は、上モータ支持部材604と上支持体602を連結する。上弾性部材609は伸張した状態で配置する。上弾性部材609は、上軸線Wを中心に正面視で時計回りに上モータ支持部材604を付勢する。即ち、上弾性部材609は、上接触位置から上離隔位置に向かう回動方向に上モータ支持部材604を付勢する。上モータ支持部材604には、上アーム607、上駆動連結部610等の自重によって上接触位置に向かう力が働く。上弾性部材609は、上モータ支持部材604に働く上記の力を低減する。
上エアシリンダ625は固定台641の右後部の下面に固定する。上エアシリンダ625は上ロッド626を有する。上ロッド626は、当接部608の右部の上方にあり、軸方向である上下方向に移動可能である。上エアシリンダ625は、上付勢位置と上退却位置(図13参照)との間で、上ロッド626を上下動する。上付勢位置は上ロッド626の可動範囲の下端であり、上退却位置は上ロッド626の可動範囲の上端である。上付勢位置にある上ロッド626は、当接部608を下方に付勢する。即ち、上付勢位置にある上ロッド626は、上軸線Wを中心に正面視で時計回りに上モータ支持部材604を付勢し、上モータ支持部材604を上離隔位置で保持する。上退却位置にある上ロッド626は、当接部608から上方に離隔する。上モータ支持部材604は上接触位置で保持する。
図13を参照し、上検出部支持機構660を説明する。上検出部支持機構660は上固定部材632、二つの締結穴639、保持部材633、挿通孔638、二つの締結部材637を備える。上固定部材632は、アーム部4(図1参照)に固定する。上固定部材632は、アーム部4から下方に延びる板状部材である。二つの締結穴639は、上固定部材632下端部に、左右方向に並んで設ける。保持部材633は、上固定部材632下端部の前方に設けた左右方向に延びる部材である。挿通孔638は、保持部材633の右部を前後方向に貫通する。挿通孔638は、左右方向に長く、二つの締結穴639の夫々に前方から対向する。二つの締結部材637は何れも挿通孔638に前方から挿通する。挿通孔638に挿通した二つの締結部材637は夫々、二つの締結穴639に締結する。故に保持部材633は上固定部材632に固定する。
保持部材633は上検出部635を保持する。上検出部635は公知の光学式センサである。移動体304が左端位置にあるとき、上検出部635は、支持部材315の収容穴315C(図10参照)内側領域の上方に位置する。上検出部635は、上発光部635A(図14参照)と上受光部635B(図14参照)を備える。上発光部635Aと上受光部635Bは互いに同じ高さ位置に設ける。上発光部635Aは、収容穴315Cの内側領域に向けて光を発光する。上受光部635Bは上発光部635Aが発光した光を受光可能である。
ノズル対向部材230の収容穴315C上方にある上特定端部6A(図19参照)は、上発光部635Aが発光した光を遮断し、上受光部635Bは、上発光部635Aが発光した光を受光しない。移動体304が左端位置にあり、且つ上特定端部6Aが収容穴315Cの上方にない場合、上発光部635Aが発光した光は、上反射部315Eによって上方に反射される。上受光部635Bは上発光部635Aが発光した光を受光する。故に上検出部635は、収容穴315Cの上方に上特定端部6Aがあるか否かを検出できる。以下、移動体304が左端位置にある場合において、収容穴315C内側領域のうちで、上発光部635Aの真下にある位置を、上検出位置Q(図26参照)と称す。上検出位置Qは、第一対向位置にあるノズル11の吐出口11Dと上挟持ローラ601との間となる所定の前後方向位置であり、且つ上挟持ローラ601に対して左側となる位置である。上検出位置Qは、下検出位置Pと略同じ前後方向位置である。上検出部635は、上検出位置Qに上特定端部6Aがあるか否かを検出する。
図14を作成し、接着装置1の電気的構成を説明する。接着装置1は制御装置100を備える。制御装置100はCPU101、ROM102、RAM103、記憶装置104、駆動回路105、106を備える。CPU101は接着装置1の動作を統括制御する。CPU101はROM102、RAM103、記憶装置104、スイッチ19、踏板7、下検出部535、上検出部635、駆動回路105、106、ヒータ131、132と接続する。ROM102は、各種処理を実行するプログラムを記憶する。RAM103は各種情報を一時的に記憶する。記憶装置104は不揮発性であり、各種設定値等を記憶する。スイッチ19は頭部5前面下部に設ける。作業者は、スイッチ19を操作して接着装置1に各種指示を入力する。スイッチ19は各種指示を示す情報を検出結果としてCPU101に出力する。踏板7は作業台下部に設け、作業者が足で操作する。作業者は、踏板7を介して、後述の接着処理の開始指示又は終了指示を入力する。踏板7は、接着処理の開始指示又は終了指示を示す情報を、検出結果としてCPU101に出力する。下検出部535と上検出部635は夫々、検出結果をCPU101に出力する。
CPU101は、駆動回路105を介して、下搬送モータ262、上搬送モータ112、ノズルモータ113、ポンプモータ114、下モータ505、上モータ605の夫々に対して制御信号を送信して駆動制御する。CPU101は、駆動回路106を介して、上搬送エアシリンダ122、左右エアシリンダ217、上先端エアシリンダ725、土台エアシリンダ309、下エアシリンダ525、上エアシリンダ625の夫々を駆動制御する。CPU101は、ヒータ131、132を駆動させる。ヒータ131は収容部41B(図2参照)に収容したカートリッジを加熱する。ヒータ132は、ノズルレバー9内部を吐出口11Dに向けて流れる接着剤Zを加熱する。接着剤Zは、ヒータ131、132の加熱により溶融して液化する。
図11、図13、図15〜図28を参照し、メイン処理を説明する。例えば、作業者がメイン処理の開始指示をスイッチ19に入力する。CPU101は、メイン処理を実行するプログラムをROM102から読み出して、メイン処理を開始する。メイン処理の開始前、接着装置1は初期状態である(図1、図5、図13参照)。接着装置1が初期状態である場合、ノズル11は第一対向位置にあり、ノズル対向部材230は第一支持位置にあり、上搬送ローラ12は挟持位置にあり、下ロッド526は下退却位置にあり、上ロッド626は上退却位置にあり、下挟持ローラ501は下接触位置にあり、上挟持ローラ601は上接触位置にあり、移動体304は左端位置にある。
図15、図16に示す如く、CPU101は、スイッチ19の検出結果に基づき、ローラ移動指示を検出したか否かを判断する(S11)。ローラ移動指示は、上搬送ローラ12、下挟持ローラ501、上挟持ローラ601を夫々移動させる指示である。CPU101は、ローラ移動指示を検出するまで(S11:NO)、待機する。作業者がスイッチ19にローラ移動指示を入力すると(S11:YES)、CPU101は、上搬送エアシリンダ122(図14参照)を駆動制御して上搬送ローラ12を退避位置に移動する(S13)。上搬送ローラ12は挟持位置から退避位置に移動する(図6参照)。
CPU101は、下エアシリンダ525を駆動制御して、下挟持ローラ501を下離隔位置に回動する(S15)。下エアシリンダ525の駆動により、下ロッド526は下退却位置から下付勢位置に上昇する(図16の矢印E)。下モータ支持部材504は、下弾性部材509の付勢力に抗って正面視時計回りに回動し(図16の矢印D1)、下挟持ローラ501は下接触位置から下離隔位置に回動する(図16参照)。
CPU101は、上エアシリンダ625を駆動制御して、上挟持ローラ601を上離隔位置に回動する(S17)。上エアシリンダ625の駆動により、上ロッド626は上退却位置(図13参照)から上付勢位置に下降する(図13の矢印G)。上モータ支持部材604は、上アーム607、上駆動連結部610(図26参照)等の自重に抗って、正面視時計回りに回動し(図16の矢印F1)、上挟持ローラ601は上接触位置から上離隔位置に回動する。CPU101は、土台エアシリンダ309を駆動制御して、移動体304を左端位置(図10参照)から右端位置(図16参照)に移動する(S19)。支持部材315は、ノズル11の特定通過領域から右方に退出し、下挟持ローラ501の右上方、且つ上挟持ローラ601の右下方に移動する(図16参照)。
CPU101は、スイッチ19の検出結果に基づき、ノズル変位指示を検出したか否を判断する(S21)。ノズル変位指示は、ノズル11を変位させる支持である。CPU101は、ノズル変位指示を検出するまで(S21:NO)、待機する。作業者がノズル変位指示をスイッチ19に入力すると(S21:YES)、CPU101は、ノズルモータ113を駆動制御して、ノズル11を第一対向位置から離間位置に変位させる(S23)。CPU101は、所定のパルス信号を制御信号としてノズルモータ113に入力する。移動体304が右端位置にあるので、ノズル11は支持部材315に接触することなく離間位置まで変位する(図16参照)。ノズル11が離間位置に到達したとき、CPU101はノズルモータ113の駆動を停止する。CPU101は、先端塗布処理を実行する(S25)。
図17〜図23を参照し、先端塗布処理を説明する。先端塗布処理は、下シート8の下先端部8Bに接着剤Zを塗布する処理である。CPU101は、左右エアシリンダ217を駆動制御して、ノズル対向部材230を、第一支持位置(図5参照)から第二支持位置(図18参照)に移動する(S51)。
CPU101は、スイッチ19の検出結果に基づき、ノズル変位指示を検出したか否かを判断する(S53)。S53はS21と同様の処理である。CPU101の待機中(S53:NO)、作業者は、支持部52とノズル対向部材230に下シート8を配置する(図19参照)。ノズル対向部材230の右支持部236は下側から下先端部8Bを支持する。下先端部8Bは、右支持部236の上面に沿って湾曲する(図20参照)。該時、下搬送ローラ270は下先端部8Bから左方に離隔する。
下シート8を載置した作業者は、ノズル変位指示をスイッチ19に入力する(S53:YES)。CPU101は、ノズルモータ113を駆動制御してノズル11を離間位置(図16参照)から第一対向位置(図19参照)に変位する(S55)。ノズル11の突出部11Bは、下先端部8Bに上方から対向する(図20参照)。CPU101は、土台エアシリンダ309を駆動制御して、移動体304を右端位置から左端位置まで移動する(S57)。支持部材315は、下挟持ローラ501の上方、且つ上挟持ローラ601の下方となる位置まで左方に移動する(図19参照)。
CPU101は、上先端エアシリンダ725を駆動制御して、上支持部730を中間位置に回動する(S59)。中間位置は、非作動位置と作動位置の間となる上支持部730の配置位置である。上先端エアシリンダ725の軸725Aが下端位置から上端位置に向けて上昇することで(図21の矢印S)、リンク728の第二端部728Bは、連結腕721の他端部721Bを介して、長穴703Aの始端部703Cを上方に付勢する。他端部721Bが始端部703Cに接触する状態を維持しながら、可動体702は回動する。故に、上支持部730は、非作動位置から中間位置に向けて回動する(図21の矢印N1)。軸725Aが上端位置に到達したとき、上支持部730は中間位置に到達する。該場合、連結腕721は支持軸701を中心に回動角度θ(図20参照)だけ回動する。回動角度θは、非作動位置から中間位置まで回動する上支持部730の回動角度と同じである。上支持部730が中間位置に到達したとき、リンク728の第二端部728Bは、連結腕721の他端部721Bと長穴703Aの始端部703Cを介して、可動体702を保持する。故に接着装置1は上支持部730を中間位置で保持する。
CPU101は、スイッチ19の検出結果に基づき、先端塗布を開始させる指示を検出したか否かを判断する(S61)。作業者が先端塗布を開始させる指示を入力するまで(S61:NO)、CPU101は待機する。CPU101の待機中(S61:NO)、作業者は上シート6を配置する。上先端部6Bは、例えばノズル11の上端部11Cに載置し、上先端部6Bよりも後側の上シート6の部位は、支持台305に載置する(図19、図21参照)。
上シート6を配置した作業者は、上支持部730を中間位置(図21参照)から作動位置(図22参照)に手動で回動する(図21の矢印N2)。長穴703Aが連結腕721の他端部721Bに対して摺動することで、上支持部730は中間位置から作動位置に向けて回動する(図21の矢印N2)。ピン705の第二軸部705Bが連結部材213に前側から接触することで(図7参照)、上支持部730は作動位置にて停止する。中間位置から作動位置まで回動する上支持部730の回動角度は、上述の連結腕721の回動角度θ(図20参照)以下である。本実施形態では、中間位置から作動位置まで回動する上支持部730の回動角度は、回動角度θと略同じである。長穴703Aの始端部703Cと接触していた他端部721Bは、上支持部730の回動後、終端部703D近傍に位置する(図22参照)。
作業者は、上先端部6Bの左部を、支持面742と第二板状体762の間に挿入し、更に、延設面761Aと支持面742との間に挿入する(図23参照)。作業者は、上先端部6Bを突出部材750に前方から当てることで、前後方向における上先端部6Bの位置決めをする。支持面742は、ノズル作動領域15よりも上側で上先端部6Bを下側から支持する。作業者は、先端塗布を開始させる指示をスイッチ19に入力する(S61:YES)。
CPU101は、ノズルモータ113、ヒータ131、132、ポンプモータ114を駆動制御して、先端塗布を実行する(S63)。ノズルモータ113が駆動することで、ノズル11は第一対向位置から第二対向位置に向けて変位する。同時に、接着剤Zはヒータ131、132の駆動によって液化し、供給機構45はポンプモータ114の駆動によって接着剤Zを吐出口11Dに供給する。故に、ノズル11が、第一対向位置から第二対向位置に変位しながら(図23の矢印V)、吐出口11Dは接着剤Zを下先端部8Bに向けて吐出する。故に接着装置1は下先端部8Bに接着剤Zを塗布する(図23参照)。上先端部6Bが、ノズル作動領域15よりも上側にある支持面742にて支持するので、ノズル11は上先端部6Bに接触し難い。ノズル11が第二対向位置に到達すると、CPU101は、ノズルモータ113、ヒータ131、132、ポンプモータ114を駆動停止する。CPU101は先端塗布を終了する(S63)。
CPU101は、左右エアシリンダ217を駆動制御して、ノズル対向部材230を第二支持位置(図18参照)から第一支持位置(図5参照)に移動する(S65)。右支持部236に代えて左支持部231(図5参照)と下搬送ローラ270が、下先端部8Bを下側から支持する。CPU101は、下搬送モータ262、上搬送モータ112、ポンプモータ114を停止した状態でノズルモータ113を駆動制御して、ノズル11を第二対向位置(図23参照)から第一対向位置(図24参照)に変位する(S67)。CPU101は、先端塗布処理を終了して、処理をS27に移行する。
図15、図19、図22、図24に示す如く、CPU101は、スイッチ19の検出結果に基づき、上支持部730の退避指示を検出したか否かを判断する(S27)。上支持部730の退避指示は、上支持部730を作動位置から非作動位置に回動させる指示である。作業者が上支持部730の退避指示をスイッチ19に入力するまで(S27:NO)、CPU101は待機する。作業者が上支持部730の退避指示をスイッチ19に入力すると(S27:YES)、CPU101は上先端エアシリンダ725を駆動制御して、上支持部730を作動位置から非作動位置に回動する(S29)。軸725Aは、上先端エアシリンダ725の駆動に伴って上端位置(図22参照)から下端位置(図24参照)に向けて下降する(図24の矢印T)。下端位置に向けて下降する軸725Aは、リンク728、連結腕721、長穴703Aの終端部703Dを介して、可動体702を下側に付勢する。故に、ピン705の第二軸部705B(図7参照)は連結部材213から後方に離脱し、可動体702は支持軸701を中心に右側面視で時計回りに回動する(図23、図24の矢印N3)。上支持部730は、上支持部730と可動体702等の自重によって、中間位置を経由して非作動位置に向けて回動する。上支持部730は、上先端部6Bから後方に離隔する。長穴703Aは連結腕721の他端部721Bに対して摺動する。軸725Aが下端位置に到達したとき、可動体702は非作動位置に到達し、連結腕721の他端部721Bは長穴703Aの始端部703Cに接触する。上支持部730が作動位置で支持していた上先端部6Bは、接着剤Zを間にして下先端部8Bに重なる(図24参照)。
CPU101は、上搬送エアシリンダ122を駆動制御して、上搬送ローラ12を挟持位置まで回動する(S31)。上搬送ローラ12は、下先端部8Bと上先端部6Bを下搬送ローラ270との間で上側から挟む(図28参照)。
CPU101は、下エアシリンダ525を駆動制御して、下挟持ローラ501を下接触位置に回動する(S33)。下エアシリンダ525の駆動により、下ロッド526は下付勢位置から下退却位置に下降する(図19参照)。下挟持ローラ501は、下弾性部材509の付勢力によって、下離隔位置から下接触位置まで回動する(図19の矢印D2)。下挟持ローラ501は、支持部材315の下面315B前部との間で下シート8を挟む(図19参照)。
CPU101は、上エアシリンダ625を駆動制御して、上挟持ローラ601を上接触位置に回動する(S35)。上エアシリンダ625の駆動により、上ロッド626は上付勢位置から上退却位置まで上昇する(図13参照)。上モータ支持部材604は、上アーム607、上駆動連結部610等の自重によって、正面視反時計回りに回動する(図19の矢印F2)。上挟持ローラ601は、上離隔位置から上接触位置に回動し、上面315Aとの間で上シート6を挟む(図19参照)。CPU101は接着処理を実行する(S37)。作業者が踏板7を足で操作することで、CPU101は接着処理の開始指示を検出し、接着処理を開始する(S37)。
図25〜図28を参照し、接着処理を説明する。接着処理は、下シート8の下特定端部8Aと、上シート6の上特定端部6Aを接着剤Zで接着する処理である。CPU101は、ヒータ131、132を駆動し、且つポンプモータ114を駆動制御し、接着剤Zの吐出を開始する(S81)。ヒータ131、132の発熱によって、接着剤Zは液化する。ポンプモータ114の駆動によって、供給機構45は、接着剤Zをノズル11に供給する。吐出口11D(図4参照)は、下特定端部8Aに向けて接着剤Zを吐出する(図28参照)。
CPU101は、上搬送モータ112と下搬送モータ262を駆動制御して、上搬送ローラ12と下搬送ローラ270の夫々の駆動を開始する(S83)。上搬送ローラ12と下搬送ローラ270は、第一対向位置にあるノズル11に対して下流側にて上下方向に挟んだ下シート8と上シート6を後側へ搬送する(図28の矢印Y方向)。
CPU101は、下検出部535の検出結果に基づき、下特定端部8Aが下検出位置Pにあるか否かを判断する(S85)。下検出位置Pに下特定端部8Aがあることを下検出部535が検出した場合(図26参照)、CPU101は、下特定端部8Aが下検出位置Pにあると判断する(S85:YES)。CPU101は、下モータ505を駆動制御して、下挟持ローラ501を第一出力方向に回転駆動する(S87)。第一出力方向は、下挟持ローラ501上端が左側に向かう回転方向であり、図26の矢印H1に相当する。第一出力方向に回転する下挟持ローラ501は、下特定端部8Aを左側に移動する(図26の矢印A1)。CPU101は処理をS91に移行する。
下検出位置Pに下特定端部8Aがないことを下検出部535が検出した場合(図27参照)、CPU101は、下特定端部8Aが下検出位置Pにないと判断する(S85:NO)。CPU101は、下モータ505を駆動制御して、下挟持ローラ501を第二出力方向に回転駆動する(S89)。第二出力方向は第一出力方向と反対方向であり、図27の矢印H2に相当する。第二出力方向に回転する下挟持ローラ501は下特定端部8Aを右側に移動する(図27の矢印A2)。CPU101は処理をS91に移行する
CPU101は、上検出部635の検出結果に基づき、上特定端部6Aが上検出位置Qにあるか否かを判断する(S91)。上検出位置Qに上特定端部6Aがあることを上検出部635が検出した場合(図26参照)、CPU101は、上特定端部6Aが上検出位置Qにあると判断する(S91:YES)。CPU101は、上モータ605を駆動制御して、上挟持ローラ601を第三出力方向に回転駆動する(S93)。第三出力方向は、上挟持ローラ601下端が右側に向かう回転方向であり、図26の矢印H3に相当する。第三出力方向に回転する上挟持ローラ601は、上特定端部6Aを右側に移動する(図26の矢印B1)。CPU101は処理をS97に移行する。
上検出位置Qに上特定端部6Aがないことを上検出部635が検出した場合(図27参照)、CPU101は、上特定端部6Aが上検出位置Qにないと判断する(S91:NO)。CPU101は、上モータ605を駆動制御して、上挟持ローラ601を第四出力方向に回転駆動する(S95)。第四出力方向は第三出力方向と反対方向であり、図27の矢印H4に相当する。第四出力方向に回転する上挟持ローラ601は、上特定端部6Aを左側に移動する(図27の矢印B2)。CPU101は処理をS97に移行する。
CPU101は、踏板7の検出結果に基づき、接着処理の終了指示を検出したか否かを判断する(S97)。CPU101は、接着処理の終了指示を検出するまで(S97:NO)、S85〜S97を繰り返し実行する。該場合、ポンプモータ114、上搬送モータ112、下搬送モータ262、下モータ505、上モータ605、ヒータ131、132は夫々継続して駆動する。
CPU101が、S85〜S97を繰り返し実行する間に、接着剤Zが付着した下シート8は、下搬送ローラ270と上搬送ローラ12との間に進入する。上搬送ローラ12と下搬送ローラ270は、下特定端部8Aと上特定端部6Aとを接着剤Zで互いに圧着して後側に搬送する。故に、接着装置1は、下特定端部8Aと上特定端部6Aを、接着剤Zを介して接着する。接着剤Zを間にして互いに接着した下シート8と上シート6は、上搬送ローラ12と下搬送ローラ270の回転により、シート支持部280に沿って後側に移動する(図28の矢印Y)。非作動位置にある上支持部730は、シート支持部280の下板部280B後端部に対して前下方にある。故に、シート支持部280に沿って移動する下シート8と上シート6は、上支持部730に接触し難い。
CPU101がS85〜S97を繰り返し実行する間、下挟持ローラ501は第一出力方向又は第二出力方向へ回転駆動する。例えば、下特定端部8Aが前側且つ左側に向けて湾曲している場合(図19参照)、下シート8の後方への移動に伴い、下特定端部8Aは下検出位置P左側を通過する(S85:NO)。CPU101は、下挟持ローラ501を第二出力方向に回転駆動する(S89)。故に、下特定端部8Aが前側且つ左側に向けて湾曲している場合でも、吐出口11D下方を通過する下特定端部8Aと、吐出口11Dとの左右方向における位置関係がずれるのを、接着装置1は抑制できる。また、下特定端部8Aが前後方向に沿って直線状に延びる場合、CPU101は、下挟持ローラ501を第一出力方向と第二出力方向とに交互に回転駆動する(S85:YES、S87、S85:NO、S89)。故に、吐出口11D下方を通過する下特定端部8Aと、吐出口11Dとの左右方向における位置関係がずれるのを、接着装置1は抑制できる。
CPU101がS85〜S97を繰り返し実行する間、上挟持ローラ601は第三出力方向又は第四出力方向へ回転駆動する。例えば、上特定端部6Aが前側且つ右側に向けて湾曲している場合(図19参照)、上シート6の後方への移動に伴い、上特定端部6Aは上検出位置Q右側を通過する(S91:NO)。CPU101は、上挟持ローラ601を第四出力方向に回転駆動する(S95)。故に、上特定端部6Aが前側且つ右側に向けて湾曲している場合でも、上端部11Cを通過する上特定端部6Aと、吐出口11Dとの左右方向における位置関係がずれるのを、接着装置1は抑制できる。また、上特定端部6Aが前後方向に沿って直線状に延びる場合、CPU101は、上挟持ローラ601を第三出力方向と第四出力方向とに交互に回転駆動する(S91:YES、S93、S91:NO、S95)。故に、吐出口11D下方を通過する上特定端部6Aと、吐出口11Dとの左右方向における位置関係がずれるのを、接着装置1は抑制できる。
CPU101がS85〜S97を繰り返し実行することで、接着装置1は、ノズル11を通過する下特定端部8Aと上特定端部6Aの左右方向位置を調整する。故に下特定端部8Aに対して上下方向に重なる上特定端部6Aの左右方向長さ(以下、上特定端部6Aの重なり量と称す)は、所定範囲内に収まる。上特定端部6Aの重なり量は、図26では寸法M1に相当し、図27では寸法M2に相当する。
作業者が踏板7を足で操作して接着処理の終了指示を入力すると(S97:YES)、CPU101は、上搬送モータ112、下搬送モータ262、ポンプモータ114、下モータ505、上モータ605の夫々の駆動を停止し、ヒータ131、132の夫々の駆動を停止する(S99)。CPU101は接着処理を終了し、メイン処理を終了する。
図9を参照し、上支持部730が作動位置にある時の突出部材750の前後方向位置を調整する方法を説明する。例えば上支持部730が作動位置にある場合に、作業者は該調整作業を実行する。
作業者が、螺子穴744から脱落しない程度に締結部材756を緩めることで、突出部材750と延出部材760は、挿通孔752の長径方向に一体的に移動可能となる(矢印R1)。作業者は、突出部材750と延出部材760の位置調整を行った後、締結部材756を再び締結する。上支持部730が作動位置にある時の突出部材750の前後方向位置は、変わる。故に、作業者は、上支持部730が作動位置にある時の突出部材750の前後方向位置を調整できるので、上先端部6B(図23参照)が突出部材750に当たる前後方向位置を調整できる。上先端部6Bが突出部材750に当たる前後方向位置を調整することで、先端塗布処理後に上先端部6Bを下先端部8Bに重ねる時に、上先端部6B後端部を下先端部8B後端部に合わせるようにすることができる。
図7を参照し、上支持部730の作動位置を前後方向に調整する方法を説明する。作業者は、例えば、作動位置にある上支持部730を保持して、作動位置と中間位置(図7参照)との間となる特定位置まで手動で回動する。作業者は、上支持部730を特定位置で保持しながら、ピン705の第一軸部705Aを中心に第二軸部705Bを回動する(矢印J)。第二軸部705Bが第一軸部705Aに対して偏心しているので、支持軸701を中心とした回動方向における第一軸部705Aの配置位置は、変化する。故に、変更部710が、第二軸部705Bと連結部材213が互いに連結する連結位置を前後方向に変更できるので、接着装置1は、上支持部730の作動位置を前後方向に調整できる。尚、作業者が上支持部730の作動位置を前後方向に調整しても、中間位置から作動位置まで回動する上支持部730の回動角度が連結腕721の回動角度θ(図20参照)以下となる関係は、変わらない。
図4、図11、図13を参照し、上検出位置Qを左右方向に調整し、且つ、移動体304の左端位置を左右方向に調整する方法を説明する。作業者は、ノズル11に代えてノズル13をノズル装着部10に装着する場合に、上検出位置Qと移動体304の左端位置とを夫々、左右方向に調整する。本実施形態では一例として、ノズル13の吐出幅(寸法L2)はノズル11の吐出幅(寸法L1)よりも短く、且つ、ノズル13の吐出左端位置X2は、ノズル11の吐出左端位置X1よりも右側となる。故に作業者は、上特定端部6Aの重なり量(図26の寸法M1、図27の寸法M2)を、ノズル11装着時よりも短くする必要がある。更に、作業者は、移動体304が左端位置にある場合の上反射部の左右方向位置を調整する必要がある。
図13に示す如く、作業者は、締結穴639から脱落しない程度に締結部材637を緩める。保持部材633は二つの締結部材637にて支持した状態で左右動可能となる。作業者は、保持部材633と共に上検出部635を右方(矢印C)に移動する。挿通孔638は二つの締結部材637の夫々に対して摺動しながら右方に移動する。作業者は、二つの締結部材637を夫々、二つの締結穴639に再び締結する。
図11に示す如く、作業者は螺子穴333から脱落しない程度に螺子部材334を緩める。位置決め部材310は、二つの螺子部材334にて支持した状態で左右動可能となる。作業者は、上検出位置Qを右側に変更した分、位置決め部材310を右側に移動し、二つの螺子部材334を夫々、二つの螺子穴333に再び締結する。位置決め部材310の土台33に対する固定位置が右側に変化するので、位置決め部材310が移動体304に対して接触して位置決めする位置は、右側に変化する。故に移動体304の左端位置は右側に変化する。故に、移動体304が左端位置にある時の上反射部315Eの左右方向位置は右側に変化する。以上の作業により、作業者は、上検出位置Qと、移動体304の左端位置を夫々右側に変更できる。故に、接着装置1は、接着処理(図25参照)の実行時における上シート6の重なり量を短くできる。
図9を参照し、上支持部730の固定部704に対する固定位置を左右方向に調整する方法を説明する。作業者は、ノズル11に代えてノズル13をノズル装着部10に装着する場合に、上支持部730の左右方向位置を調整する。本実施形態では、一例として、作業者は上支持部730の固定部704に対する固定位置を右方に調整する。
作業者が、螺子穴704Aから脱落しない程度に締結部材745を緩めることで、支持部材740、突出部材750、延出部材760は、挿通孔743の長径方向である左右方向に移動可能となる。作業者は、支持部材740、突出部材750、延出部材760を右方に移動した後(矢印R2)、締結部材745を再び締結する。故に、作業者は、上支持部730の固定部704に対する固定位置を右方に調整できる。
以上説明の如く、CPU101が先端塗布処理を実行する場合(S25)、上シート6の上先端部6Bは、作動位置にある上支持部730の支持面742にて支持する。作動位置にある上シート6は、第一対向位置と第二対向位置との間で変位するノズル11に接触し難い。故にCPU101が先端塗布処理(S25)を実行する前に、作業者は、作動位置にある上支持部730に上先端部6Bを載置できる。先端塗布処理(S25)の終了に伴って、ノズル11が第二対向位置から第一対向位置に変位した場合(S67)、CPU101は上支持部730を非作動位置に回動する(S29)。上先端部6Bは、接着剤Zが付着した下先端部8Bに素早く重なる。故に、接着剤Zが付着した下先端部8Bに上シート6の上先端部6Bを重ねる作業効率を向上した接着装置1が実現できる。
上支持部730が作動位置まで回動した場合、作業者は上先端部6Bを突出部材750に当てて位置決めできる。故に接着装置1は、互いに重なる下シート8と上シート6の位置関係をずれ難くできる。
作業者が、締結部材756を緩めることで、突出部材750は挿通孔752の長径方向に移動できる。作業者は、上支持部730が作動位置にある時の突出部材750の前後方向位置を調整できるので、下シート8に重ねる上先端部6Bの前後方向位置を調整できる。故に接着装置1は、互いに重なる下シート8と上シート6の位置関係を更にずれ難くできる。
上先端部6Bが後側に向かうに従い上側に向けて湾曲する場合、又は、上先端部6Bが後側に向かうに従い下側に向けて湾曲する場合がある。本実施形態では、突出部材750は支持面742から突出し、延出部材760の延設面761Aは、支持面742と平行に延び、且つ支持面742に対して隙間を空けて対向する。故に接着装置1は、湾曲した上先端部6Bの姿勢を、支持面742と延設面761Aとの間で矯正し易い。矯正後の上先端部6Bは、上下方向に湾曲せず前後方向に延びる姿勢になり易い。故に、上支持部730が作動位置から非作動位置に回動した場合(S29)、接着剤Zを介して互いに付着した下シート8と上シート6に皺が生じ難い。
延設面761Aは、隙間を空けて対向し、且つ、支持面742と平行に延びる。延設面761Aから支持面742に到る距離は、上支持部730が作動位置にある時の延設面761Aの延設方向に亘って、一定になる。故に接着装置1は、支持面742と延設面761Aとの間にある上先端部6Bの姿勢を更に矯正し易い。
上支持部730は、可動体702の固定部704に設け、可動体702の回動に伴い作動位置と非作動位置との間を回動する。換言すると、可動体702は、上支持部730を作動位置と非作動位置との間で回動可能に支持する。上支持部730が非作動位置にある場合、第二軸部705Bは連結部材213から離脱する。ピン705の第二軸部705Bが連結部材213に離脱可能に連結することで、上支持部730は作動位置にて停止する。上支持部730が作動位置にて安定して停止できるので、作業者は作動位置にある上支持部730に上シート6を配置し易い。また、ピン705と連結部材213は、互いに引き合う磁性体である。接着装置1は、上支持部730を作動位置で停止する構成を、ピン705と連結部材213によって実現する。故に接着装置1は、可動体702と基台212の構成を簡易化できる。
変更部710は、ピン705の第二軸部705Bと連結部材213とが互いに連結する連結位置を前後方向に変更する。故に作業者は、作動位置にある上支持部730を所望の前後方向位置に調整できる。
支持軸701の少なくとも一部は、前後方向において、ノズル作動領域15内にある。作動位置にある上支持部730の前部は、側面視で、支持軸701と上下方向に並ぶ。作動位置にある上支持部730の上下方向位置は、変動し難くなる。故に、上支持部730に配置する上シート6の上下方向位置が安定化するので、接着装置1は、互いに重なる上シート6と下シート8の位置関係を更にずれ難くできる。
ノズル11が第二対向位置から第一対向位置に変位した後(S67)、ピン705は、支持軸701を中心に後側に回動することで、連結部材213から離脱する。該時、ピン705が下側に変位するので、上支持部730は作動位置から非作動位置に向けて即座に回動し易い。故に、ノズル11が第二対向位置から第一対向位置に変位してから(S67)、作業者が上先端部6Bを下先端部8Bに重ねるまでの時間を短縮できる。故に、先端塗布処理で下先端部8Bに付着した接着剤Zが固化する前に、上先端部6Bは下先端部8Bに重なり易い。
上先端エアシリンダ725の駆動力が、リンク728、連結腕721を介して可動体702に伝達することで、上支持部730は支持軸701を中心に非作動位置から中間位置に回動できる。上支持部730が上先端エアシリンダ725の駆動力で中間位置まで回動する分、上支持部730を回動する作業者の作業量は、低減する。故に接着装置1は、上支持部730に上シート6を配置する作業効率を向上できる。
上支持部730は、非作動位置から、上先端エアシリンダ725の駆動によって中間位置に到達する(S59)。上先端エアシリンダ725の駆動後、上支持部730は中間位置で保持される。作業者は上支持部730を中間位置から作動位置まで所望の時機に回動する。故に上支持部730の利便性は向上する。故に接着装置1は、上支持部730に上シート6を配置する作業効率を向上しつつ、上支持部730の利便性を向上できる。
シート支持部280は、接着剤Zを間にして互いに接着した下シート8と上シート6を支持する。非作動位置にある上支持部730は、シート支持部280の下板部280B後端部よりも前下方にある。シート支持部280に沿って移動する上シート6と下シート8は、非作動位置にある上支持部730に接触し難い。故に、接着装置1は、上シート6と下シート8を安定的に搬送できる。
ノズル装着部10がノズル11を装着するかノズル13を装着するかにより、接着装置1が接着剤Zを吐出する吐出幅は変わる。上支持部730が、螺子穴704A、挿通孔743、締結部材745を備えることで、接着装置1は、接着剤Zの吐出幅に応じて、上支持部730の左右方向位置を変更できる。故に、下シート8と上シート6の接着の仕方を多様化し、且つ、互いに重なる下シート8と上シート6の位置関係をずれ難くできる。
以上説明にて、ノズル対向部材230は本発明の下支持部の一例である。突出部材750は本発明の接触部材の一例である。挿通孔752は本発明の第一挿通孔の一例である。螺子穴744は本発明の第一螺子穴の一例である。締結部材756は本発明の第一締結部材の一例である。ピン705は本発明の可動部材の一例である。挿通孔743は本発明の第二挿通孔の一例である。螺子穴704Aは本発明の第二螺子穴の一例である。締結部材745は本発明の第二締結部材の一例である。上先端エアシリンダ725は本発明の駆動部の一例である。後側は本発明の下流側、一方側の一例である。左右方向は本発明の特定方向、直交方向の一例である。前側は本発明の上流側の一例である。S63を実行するCPU101は本発明の吐出制御部の一例である。S67を実行するCPU101は本発明の変位制御部の一例である。S37を実行するCPU101は本発明の吐出制御部の一例である。
本発明は上記実施例に限定しない。吐出口11D、13Dは、左右方向に沿って等間隔に並ぶ複数の円形孔である代わりに、例えば、左右方向に長い矩形状であってもよい。ノズル11は、回動可能である代わりに、例えば左右方向に移動可能であってもよい。該場合、接着装置1は、支持軸26に代えて、例えば左右方向に延びるレールを備えてもよい。レールは、ノズル11を左右動可能に支持する。
ノズル11の可動範囲のうち、支持軸26を中心とした左側面視時計回り側の端は、第二対向位置でなくてもよい。例えばノズル11は、第二対向位置よりも、支持軸26を中心とした左側面視時計回り側となる退却位置に変位可能であってもよい。例えば、先端塗布の実行後(S63)、CPU101は、ヒータ131、132とポンプモータ114を停止状態にし、且つ、ノズルモータ113を駆動制御して、ノズル11を第二対向位置から退却位置まで変位してもよい。ノズル対向部材230が第二支持位置から第一支持位置に移動した後(S65)、CPU101は、ノズル11を退却位置から第一対向位置に変位してもよい(S67)。
上支持部730を回動可能に支持する支持軸701は、左右方向に延びる代わりに、前後方向に延びてもよい。該場合、非作動位置にある上支持部730は、作動位置にある場合に比べて、ノズル作動領域15から例えば左下方に離間する。本変形例において、前後方向は本発明の特定方向の一例である。上支持部730は、支持軸701を中心に回動可能である代わりに、左右方向に移動可能であってもよい。該場合、非作動位置は、作動位置に対して右方又は左方に離隔した位置であってもよい。
接着装置1は、上先端エアシリンダ725を備えなくてもよく、上支持部730は、非作動位置と作動位置との間を例えば作業者による手動で回動可能であってもよい。例えば、ノズル11が第二対向位置から第一対向位置に変位した後(S67)、作業者は上支持部730を作動位置から非作動位置に手動で回動してもよい。該場合でも、ノズル11が第一対向位置から第二対向位置に変位した後、上先端部6Bは、接着剤Zが付着した下先端部8Bに素早く重なることができる。故に接着装置1は、下先端部8Bに上先端部6Bを重ねる作業効率を向上できる。
接着装置1は、上先端エアシリンダ725の代わりに例えばソレノイドを備えてもよい。ソレノイドは軸725Aを備える。該場合、上支持部730は、ソレノイドの駆動により、非作動位置と作動位置との間を回動可能となる。本変形例においてソレノイドは、本発明の「駆動部」の一例である。
上支持部730は、突出部材750に加えて接触部材を、支持面742に備えてもよい。上支持部730が作動位置にある場合、接触部材は、突出部材750よりも前方且つ延出部材760の第一板状体761前端よりも後方となる前後方向位置にある。作業者は、上先端部6Bを接触部材に当てて位置決めできる。該場合でも、接着装置1は互いに重なる下シート8と上シート6の位置関係をずれ難くできる。本変形例では、螺子穴744と対向する挿通孔752は、接触部材に設ける。作業者が、挿通孔752に挿通し且つ螺子穴744に締結した締結部材756を緩めれば、上支持部730が作動位置にある時の接触部材の前後方向位置は調整可能である。突出部材750の前後方向位置は調整できなくてもよい。上支持部730は、突出部材750を備えなくてもよい。
連結部材213は、左右方向に厚さを有する板状でなくてもよい。例えば、連結部材213は、後方に向けて開口する係合穴を有する部材であってもよい。該場合、接着装置1は、ピン705に代えて、L字部材と係合部を備えてもよい。L字部材は、第一板部と第二板部を備える。第一板部は、左右方向に厚さを有し、腕部703の左面に対向して固定する。第二板部は、支持軸701を中心に左側面視時計回り側の第一板部の端部から左方に延びる。上支持部730が作動位置にある場合、第二板部は係合穴と対向する。係合部は、支持軸701を中心に左側面視時計回り側に第二板部から突出する。上支持部730が作動位置にある場合、係合部が係合穴に離脱可能に係合する。即ち、係合部が係合穴に離脱可能に連結することで、上支持部730は作動位置にて安定して停止できる。
接着装置1がピン705に代えてL字部材と係合部を備える場合、変更部710は、連結穴703Bと第一軸部705Aを備えなくてもよい。該場合、変更部710は、締結穴、長孔、螺子を備えてもよい。締結穴は、腕部703に設け、左方に向けて開口する。長孔は、支持軸701を中心とした円弧状であり、L字部材の第一板部を厚さ方向に貫通する。長孔の一部は締結穴と対向する。螺子は、長孔に挿通し締結穴に締結する。作業者は、螺子穴から脱落しない程度に螺子を緩めれば、L字部材を長孔の長径方向に調整できる。故に変更部710は、係合部が係合穴に係合する係合位置を前後方向に変更できるので、接着装置1は上支持部730の作動位置を前後方向に調整できる。
上支持部730が作動位置にある場合、上支持部730の後部が側面視で支持軸701と上下方向に並ぶ代わりに、上支持部730の前部が側面視で支持軸701と上下方向に並んでもよい。該場合でも、支持軸701の少なくとも一部が、前後方向においてノズル作動領域15内にあるので、作動位置にある上支持部730の上下方向位置は変動し難くなる。
ピン705の第二軸部705Bは、連結部材213に直接的に接触しなくてもよい。例えば、接着装置1は、連結部材213の後面に非磁性体によって形成した板状部材を備えてもよい。上支持部730が中間位置から作動位置に回動する場合、第二軸部705Bは板状部材を介して連結部材213に間接的に接触する。故に接着装置1はピン705と連結部材213の磁力によって、上支持部730を作動位置で保持する。
ノズル装着部10は、ノズル11、13を選択的に装着可能である代わりに、例えばノズル11、13の何れか一方のみを固定してもよい。該場合、接着装置1は、上支持部730が、螺子穴704A、挿通孔743、締結部材745を備えなくてもよい。