JP2018196892A - 逐次成形方法及び逐次成形装置 - Google Patents

逐次成形方法及び逐次成形装置 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の逐次成形装置は、制御軸が多くて設備及び制御が複雑になるとともに成形時間が長く、設備が大型化するという問題点があった。【解決手段】金属板Aをその主面に直交する回動軸Cを中心にして回動可能に保持すると共に、工具1を回動軸Cに直交する一方向及び金属板Aに向けて進退する方向に往復動可能に保持し、金属板Aに成形部位Bに対応する工具移動経路TPを設定し、金属板Aを回動させながら、回動軸Cに直交する基準線SL上で工具1を往復動させることにより、工具移動経路TPに工具1を合わせて金属板Aを成形する逐次成形方法とし、制御軸の数を少なくして設備や制御の簡略化や成形時間の短縮化や設備の小型化を実現する。【選択図】図2

Description

本発明は、金属板に工具を押し付けて移動させることにより金属板を次第に変形させて三次元形状に成形する逐次成形方法及び逐次成形装置に関するものである。
従来の逐次成形方法としては、金属板の逐次張出し成形装置の名称で、特許文献1に記載されているものがある。特許文献1に記載の成形装置は、金属板を固定した加工テーブルを水平方向に移動させる水平移動機構を有し、金属板の上下両面より成形が可能となるように逐次成形パンチを支持する工具支持部を加工テーブルの上部と下部に設け、上工具支持部と下工具支持部に垂直方向の垂直移動機構を設け、さらに、下工具支持部には、垂直方向に加えて水平方向に加工テーブルより小さい移動量の水平移動機構を有している。上記の成形装置は、金属板及び上下の工具を相対的に移動させて、金属板を3次元のシェル形状に成形するものである。
特許第3787900号公報
しかしながら、上記したような従来の逐次成形装置は、金属板を水平方向(X,Y方向)に移動可能にし、上工具を垂直方向(Z方向)に移動可能にし、下工具を水平方向及び垂直方向(X,Y,Z方向)に移動させる構成である。このため、上記の逐次成形装置は、制御軸(6軸)が多くて設備及び制御が複雑になるとともに成形時間が長く、また、金属板を水平方向に移動させるだけの占有面積が必要であって、設備が大型化するという問題点があり、このような問題点を解決することが課題であった。
本発明は、上記従来の課題に着目して成されたもので、制御軸の数を少なくして設備や制御の簡略化や成形時間の短縮化を図ることができると共に、設備の小型化を図ることができる逐次成形方法及び逐次成形装置を提供することを目的としている。
本発明に係わる逐次成形方法は、周囲を保持した金属板に工具の先端を押し付けて移動させることにより、金属板を厚さ方向に次第に変形させて三次元形状に成形する方法である。この逐次成形方法は、金属板をその主面に直交する回動軸を中心にして回動可能に保持すると共に、工具を金属板の回動軸に直交する一方向及び金属板に向けて進退する方向に往復動可能に保持する。そして、逐次成形方法は、金属板に成形部位に対応する工具移動経路を設定し、金属板を回動させながら、金属板の回動軸に直交する基準線上で工具を往復動させることにより、工具移動経路に工具を合わせて金属板を成形することを特徴としている。
また、本発明に係わる逐次成形装置は、周囲を保持した金属板に工具の先端を押し付けて移動させることにより、金属板を厚さ方向に次第に変形させて三次元形状に成形する装置である。この逐次成形装置は、金属板をその主面に直交する回動軸を中心にして回動可能に保持するワーク保持機構と、工具を金属板の回動軸に直交する一方向及び金属板に向けて進退する方向に往復動可能に保持する工具保持機構と、ワーク保持機構及び工具保持機構を制御する主制御装置とを備えている。そして、逐次成形装置は、主制御装置が、工具移動経路を設定した金属板を回動させながら、金属板の回動軸に直交する基準線上で工具移動経路と工具とが一致するように、基準線上で工具を往復動させる制御を行うことを特徴としている。
本発明に係わる逐次成形方法及び逐次成形装置は、上記構成を採用したことにより、制御軸が、金属板の回動軸、金属板の主面に沿った一方向の工具の駆動軸、及び金属板に向けて進退する方向の工具の駆動軸の3軸になる。また、金属板は、水平方向に移動させる必要はなく、回動させるだけである。これにより、上記の逐次成形方法及び逐次成形装置は、制御軸の数を少なくして設備や制御の簡略化や成形時間の短縮化を図ることができると共に、設備の小型化を図ることができる。
本発明に係わる逐次成形方法の第1実施形態を説明する図であって、逐次成形方法が適用可能な逐次成形装置を説明する側面図である。 金属板の成形過程を説明する各々平面図(A)〜(E)である。 成形速度、工具速度及び回動速度のベクトル関係を示す説明図(A)成形時間と金属板の回転数との関係を示すグラフ(B)である。 本発明に係わる逐次成形方法の第2実施形態を説明する図であって、逐次成形方法が適用可能な逐次成形装置を説明する側面図である。 本発明に係わる逐次成形方法の第3実施形態を説明する図であって、逐次成形方法が適用可能な逐次成形装置を説明する側面図である。 本発明に係わる逐次成形方法の第4実施形態を説明する図であって、逐次成形方法が適用可能な逐次成形装置を説明する側面図である。 金属板の成形要領を説明する斜視図である。 金属板の成形過程において往回動の成形過程を順次示す平面図(A)、及び往復回動の成形過程を順次示す平面図(B)である。
図1は、本発明の逐次成形方法が適用可能な逐次成形装置を説明する図である。図示の逐次成形装置は、周囲を保持した金属板Aに工具1の先端を押し付けて移動させることにより、金属板Aを厚さ方向に次第に変形させて三次元形状に成形するものである。
そして、逐次成形装置は、概略として、金属板Aを保持するワーク保持機構11と、工具1を保持する工具保持機構12と、ワーク保持機構11及び工具保持機構12を制御する主制御装置13とを備えている。ワーク保持機構11は、金属板Aをその主面に直交する回動軸Cを中心にして回動可能に保持する。工具保持機構12は、工具1を金属板Aの回動軸Cに直交する一方向(X方向)及び金属板Aに向けて進退する方向(Z方向)に往復動可能に保持する。また、工具1は、球面状の先端を有する丸棒状の工具であり、その先端を金属板Aに向けた状態にして配置される。
より具体的に説明すると、ワーク保持機構11は、基台13上に、回転駆動用のモータ14、及びガイドローラ等の転動機器15を介して、固定治具16を回動可能に備えている。固定治具16は、金属板Aを水平に配置し、その周囲を強固に拘束する。また、固定治具16は、成形前の平坦な金属板(仮想線で示す)Aを所定の高さに保持し、金属板Aの下側には、成形後の凹状部(成形部位)Bを収容し得る空間を設けている。このようにして、ワーク保持機構11は、金属板Aをその主面に直交する回動軸Cを中心にして回動可能に保持している。
工具保持機構12は、多軸制御型の作業ロボットであって、旋回台17Aに、第1関節17Bを介して第1アーム17Cの基端部が連結してあり、第1アーム17Cの先端部に、第2関節17Dを介して第2アーム17Eの基端部が連結してある。そして、第2アーム17Eの先端部に、第3関節17Fを介してハンド部17Gが連結してあり、このハンド部17Gに工具1が装着してある。
上記の工具保持機構12は、多軸制御型の作業ロボットであるから、直交する水平方向(X,Y方向)、垂直方向(Z方向)、及び直交する3軸回り(X〜Z軸回り)に工具1の姿勢を変更することが可能である。但し、この実施形態の逐次成形方法及び逐次成形装置では、工具1をその軸線が垂直になる姿勢で保持し、この工具1を水平な一方向と上下方向に移動させれば良いので、作業ロボットのティーチングプログラムを簡素化できる。このようにして、工具保持機構12は、工具1を金属板Aの回動軸Cに直交する一方向(X方向)及び金属板Aに向けて進退する方向(Z方向)に往復動可能に保持している。
主制御装置13は、工具移動経路(TP)を設定した金属板Aを回動させながら、金属板Aの回動軸Cに直交する基準線(SL)上で工具移動経路と工具1とが一致するように、基準線(SL)上で工具1を往復動させる制御を行う。また、主制御装置13は、成形の進行に伴って、工具1を金属板Aに向けて前進させる。なお、工具移動経路(TP)及び基準線(SL)については、後述する逐次成形方法で説明する。
上記の主制御装置13は、直接的には、ワーク保持機構11を構成するモータ14の回動方向や回動速度を制御すると共に、工具保持機構12である作業ロボットにおける第1〜第3の関節17B,17D,17Fのモータ(図示せず)を制御する。
次に、図2に基づいて、上記の逐次成形装置を用いた逐次成形方法を説明する。
金属板Aは、その形状がとくに限定されるものではないが、図示例では正方形であり、その内側に平面正方形状の凹状部(成形部位)Bが成形される。金属板Aには、凹状部Bに対応する工具移動経路TPが設定してある。工具移動経路TPは、工具1による初期の成形部分であり、凹状部Bの開口縁に相当する部分である。
また、図2には、金属板Aの辺に直交する縦横の中心線を示す。ここで、この実施形態では、図2(A)に示すように、縦横の中心線の交点を金属板Aの回動軸Cとし、横の中心線を基準線SLとする。回動軸C及び基準線SLは、成形時において不動である。
逐次成形方法は、ワーク保持手段11により、金属板Aをその主面に直交する回動軸Cを中心にして回動可能に保持すると共に、工具保持手段12により、工具を金属板の回動軸に直交する一方向(X方向)及び金属板に向けて進退する方向(Z方向)に往復動可能に保持する。また、逐次成形方法は、金属板Aに成形部位(凹状部B)に対応する工具移動経路TPを設定する。
そして、逐次成形方法は、金属板Aを回動させながら、金属板Aの回動軸Cに直交する基準線SL上で工具2を往復動させることにより、工具移動経路TPに工具1を合わせて金属板Aを成形する。この際、逐次成形方法は、基準線SL上において、回動軸Cから基準線SLと工具移動経路TPとの交点に至る距離Lの変化に応じて工具1を往復動させる。また、この実施形態では、金属板Aの回動軸Cと成形部位(凹状部B)の中心Cwとを一致させており、金属板Aを一方向に回動(回転)させながら成形を行う。
すなわち、逐次成形方法は、図2(A)に示す成形開始時には、工具移動経路TPと基準線SLとの交点に工具1が位置しており、その工具1を金属板Aに押し付けた状態にした後、図2中で時計回りに金属板Aを回動させる。この際、金属板Aは、工具移動経路TPが正方形状であるから、工具移動経路TPの最初の辺から最初の角K1に至る間は、図2(B)〜(D)に示すように、回動軸Cから基準線SLと工具移動経路TPとの交点に至る距離Lが増大する。
この間、逐次成形方法は、図2(B)〜(D)に示すように、基準線SLで、工具1を回動軸Cから離れる方向に移動させ、工具1が常に工具移動経路TPに一致する状態にする。換言すれば、主制御装置13により、工具1が常に工具移動経路TPに一致するように。基準線SL上で工具1を移動させる。
次に、逐次成形方法は、図2(D)に示すように、基準線SLと工具移動経路TPの最初の角K1とが一致した後には、金属板Aがさらに同方向に回動し続けるので、図2(E)に示すように、次の辺の中心と工具移動経路TPとが一致するまでの間は、回動軸Cから基準線SLと工具移動経路TPとの交点に至る距離Lが減少する。
この間、逐次成形方法は、図2(D)及び(E)に示すように、基準線SLで、工具1を回動軸Cに近づく方向に移動させ、工具1が常に工具移動経路TPに一致する状態にする。それ以降、逐次成形方法は、金属板Aの回動に伴って、上述の要領で工具1を往復動させ、工具移動経路TPの全周にわたって工具1による成形を行う。つまり、実質的に、工具1が工具移動経路TPに沿って周回移動したことになる。
その後、逐次成形方法は、工具保持手段12により、金属板Aに対して工具1を所定量前進(下降)させ、必要に応じて工具移動経路TPを所定ピッチだけ内側に変更して、同様の成形を行う。そして、逐次成形方法は、工具1の周回移動毎に、工具1の前進と必要に応じたピッチ変更とを繰り返すことで、金属板Aの中央部を押し下げるように次第に変形させ、最終的に所定深さの凹状部Bを形成する。
上記の逐次成形方法では、図3(A)に示すように、成形速度Vは、往復動する工具1の移動速度Vtと、金属板Aの周速度Vwとのベクトル和(Vm,Vn)の向きになる。図中において、Cは回動軸、1は工具、Rは回動軸Cから工具1までの距離、ωは金属板Aの角速度である。
すなわち、成形速度Vは、図2においては、回動軸Cから工具1までの距離Rに依存し、(Vm,Vn)、工具移動経路TPの形状や大きさよっても変化する。そこで、逐次成形方法では、工具移動経路TPの形状及び大きさ等に応じて、金属板Aの回動速度及び工具1の移動速度の少なくとも一方を調整し、常に、基準線SLと工具移動経路TPとの交点に工具1が一致するように制御する。
上記実施形態で説明した逐次成形方法は、制御軸が、金属板Aの回動軸C、金属板Aの主面に沿った一方向の工具1の駆動軸(X方向の軸)、及び金属板Aに向けて進退する方向の工具の駆動軸(Z方向の軸)の3軸になる。なお、逐次成形方法は、金属板Aを回動軸C回り(Z軸回り)に回動させるだけで、金属板Aの移動は不要である。
これにより、上記の逐次成形方法及び逐次成形装置は、制御軸の数を少なくして設備や制御の簡略化や成形時間の短縮化を図ることができると共に、設備の小型化を図ることができる。図3(B)は、成形時間と金属板の回転数との関係を示すグラフであり、本発明の逐次成形方法では、金属板Aを回転させずに工具1を周回移動させた場合(回転数0の場合)に比べて、成形時間を約3分の1に短縮することができた。
また、上記の逐次成形方法及び逐次成形装置は、基準線SL上において、回動軸Cから基準線SLと工具移動経路TPとの交点に至る距離Lの変化に応じて工具1を往復動させることから、図示例のような正方形等の回転対称形状だけでなく、非対称形状の成形も可能であり、様々な形状の成形品を製造することができる。なお、成形開始時における工具移動経路TPと工具1との位置関係は任意である。
さらに、上記の逐次成形方法及び逐次成形装置は、金属板Aの回動軸Cと成形部位(凹状部B)の中心Cwとを一致させて、金属板Aを一方向に回動させながら成形を行うことから、比較的大型の成形部位を有する成形品の成形に好都合であり、設備や制御の簡略化を図りつつ、短時間で成形をすることができる。
図4〜図8は、本発明に係わる逐次成形方法及び逐次成形装置の第2〜第4の実施形態を説明する図である。以下の各実施形態において、第1実施形態と同一の構成部位は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
〈第2実施形態〉
図4に示す逐次成形装置は、本発明に係わる逐次成形方法が適用可能なものであり、金属板Aの片面側に配置した複数(2本)の工具1を用いて成形を行うものである。図示の逐次成形装置は、ワーク保持機構11の両側夫々に、作業ロボットである工具保持手段12,12を配置している。なお、金属板Aの片面側に配置する工具1は、当然、2本以上であっても構わない。
上記の逐次成形方法及び逐次成形装置は、第1実施形態と同等の効果を得ることができるうえに、1つの金属板Aに対する加工点が増えるので、成形時間のさらなる短縮化を実現することができる。つまり、上記の逐次成形方法及び逐次成形装置は、例えば図2に示すような正方形の凹状部Bを形成する場合、2つの工具保持手段12,12を180度異なる配置にすれば、金属板Aを180度回動させるだけで、工具移動経路TPの1周分の成形を完了させることができる。
〈第3実施形態〉
図5に示す逐次成形装置は、本発明に係わる逐次成形方法が適用可能なものであり、金属板Aの両面側に配置した工具1,1を用い、両工具1,1で金属板Aを挟む状態にして成形を行うものである。図示例の逐次成形装置は、金属板Aを竪に保持するワーク保持機構21を備えると共に、その両側夫々に、作業ロボットから成る工具保持手段12,12を配置している。
この実施形態のワーク保持装置21は、基台22上に、リング状のモータ付き固定治具23を、その回転軸Cが水平になる状態で備えている。このモータ付き固定治具23は、基台22に固定したリステータ23Aと、ステータ23Aの内側に同心状に配置したロータ23Bとを備えると共に、ロータ23Bに、金属板Aの周囲を拘束するクランプ23Cを備えている。
上記構成を備えた逐次成形装置は、金属板Aを水平な回動軸C回りに回動させながら、その両面に工具1,1を押し付け、先の実施形態と同様に、金属板A上に設定した基準線(図2の符号SL参照)で工具1を往復動させる。この際、逐次成形装置では、2つの工具1,1を同軸線上に配置するのではなく、互いに僅かにオフセットした状態で金属板Aを挟み込むようにする。
上記の逐次成形方法及び逐次成形装置は、第1実施形態と同等の効果を得ることができるうえに、一対の工具1,1が、金属板Aを抑える役割と金属板Aを成形する役割とを互いに担うことになる。このため、成形型が無くても、金属板Aが局部的に動く(逃げる)ようなことがなく、精度良く所望の形状に成形することができる。
〈第4実施形態〉
図6に示す逐次成形装置は、本発明に係わる逐次成形方法が適用可能なものであり、金属板Aを所定角度範囲で往復回動させながら成形を行うものである。図示例の逐次成形装置は、金属板Aを竪に保持するワーク保持機構31を備えると共に、その両側夫々に、作業ロボットから成る工具保持手段12,12を配置している。
この実施形態のワーク保持機構31は、基台32に、金属板Aを竪の姿勢で保持する固定治具33と、この固定治具33を往復回動させるモータ34とを備えている。固定治具33は、金属板Aの周囲を拘束する保持枠33Aと、保持枠33Aの下部に一体化した揺動体33Bとを備えている。そして、固定治具33は、32と揺動体33Bとの間にガイドローラ等の転動機器35を介装すると共に、モータ34の出力軸と揺動体33Bとを連結した構成である。これにより、ワーク保持機構31は、モータ34を正逆回転させることにより、金属板Aをモータ34の中心線を回動軸Cとして往復回動させる。
ここで、本発明に係わる逐次成形方法は、金属板Aを回動させながら金属板Aを成形することから、成形部位(凹状部B)が比較的小さい場合、この成形部位の中心Cwと回動軸Cとを一致させて成形を行うと、成形部位の周速度が小さくなり、金属板Aと工具1との相対速度を高めて成形時間を短縮することが難しくなる。
そこで、図示の逐次成形装置は、成形部位が比較的小さい場合、金属板Aの回動軸Cと成形部位の中心Cwとを離れた位置にオフセットすることで、成形部位の周速度を高めるようにし、この際、金属板Aを往復回動させる。つまり、本発明の逐次成形方法及び逐次成形装置では、金属板Aの回動軸Cは、必ずしも成形部位の中心Cwでなくても良く、成形部位の大きさ等に応じて適宜設定することができる。
次に、図7及び図8に基づいて、この実施形態の逐次成形方法を説明する。なお、図6に示す逐次成形装置では、回動軸Cを金属板Aの外側に設けた場合を説明したが、図7及び図8では、便宜上、回動軸Cを金属板Aの中心とし、この中心から離れた位置に、比較的小さい成形部位(凹状部B)を形成する場合を例示している。よって、図6と、図7及び図8とは、回動軸Cの位置が異なるだけで、金属板Aの回動軸Cと成形部位の中心Cwとを離れた位置にオフセットして、成形部位の周速度を高める点で同等である。
図7に示す金属板Aは、正方形であり、中心から離間した位置に小さい正方形の凹状部Bを形成するので、回転軸Cに対して凹状部Bの中心Cwが離れた位置にオフセットしてある。この際、図示の凹状部Bは、その4辺が金属板Aの4辺と平行であり、その対角線が金属板Aの対角線に一致する位置にある。また、金属板Aは、初期段階において平坦であるから、成形後の凹状部Bの開口縁が、工具移動経路TPに相当する。
さらに、金属板Aは、回動軸Cを通る凹状部Bの一方の対角線と、回動軸Cに直交する基準線SLとが一致している。よって、金属板Aは、回動軸Cと他方の対角線の対角とを結ぶ2本の線分により決定される角度範囲で往復回動される。また、工具1は、基準線SL上において、凹状部Bの一方の対角線の長さ範囲TAで往復動する。
逐次成形方法は、図8(A)示すように金属板Aを一方向に往回動させ、その後、図8(B)に示すように金属板Aを逆方向に復回動させながら、基準線SL上において、回動軸Cから基準線SLと工具移動経路TPとの交点に至る距離の変化に応じて工具1を往復動させる。
すなわち、逐次成形方法は、図8(A)の最上段に示すように、基準線SLと、正方形である工具移動経路TPの角K1との交点に工具1を押し付けて、金属板Aを図8(A)上で時計回りに回動させながら、常に、基準線SLと工具移動経路TPとの交点に工具1が一致するように、工具1を移動させる。
この際、図示の逐次成形方法では、図8(A)の上から2段目に示すように、2番目の角K2と基準線SLとが一致するまでの間は、回動軸Cから基準線SLと工具移動経路TPとの交点に至る距離が増大するので、基準線SL上で回動軸Cから離間する方向(図8中で上方向)に工具1を移動させる。
次に、逐次成形方法は、金属板Aの回動を続行し、図8(A)の上から3段目に示すように、基準線SLと工具移動経路TPの2番目の角K2とが一致した後には、回動軸Cから基準線SLと工具移動経路TPとの交点に至る距離が減少するので、基準線SL上で回動軸に近づく方向(図8中で下方向)に工具1を移動させる。そして、逐次成形方法は、図8(A)の最下段に示すように、工具移動経路TPの3番目の角K3と基準線SLとが一致した時点で、工具移動経路TPの前半2辺の成形が終了し、金属板Aの往回動を停止する。
その後、逐次成形方法は、図8(B)に示すように、金属板Aを反時計回りに復回動させながら、工具移動経路TPの後半2辺を成形する。すなわち、図8(B)の最上段に示すように、工具移動経路TPの3番目の角K3と基準線SLとの交点に工具1が位置する状態で後半2辺の成形を開始する。
また、逐次成形方法は、図8(B)の2段目に示すように、工具移動経路TPの4番目の角K4と基準線SLとが一致するまでの間は、回動軸Cから基準線SLと工具移動経路TPとの交点に至る距離が減少するので、基準線SL上で回動軸Cに近づく方向(図8中で下方向)に工具1を移動させる。
さらに、逐次成形方法は、図8(B)の3段目に示すように、工具移動経路TPの最初の角K1と基準線SLとが一致するまでの間は、回動軸Cから基準線SLと工具移動経路TPとの交点に至る距離が増大するので、基準線SL上で回動軸Cから離間する方向(図8中で上方向)に工具1を移動させる。そして、逐次成形方法は、図8(B)の最下段に示すように、工具移動経路TPの最初の角K1と基準線SLとが一致した時点で、工具移動経路の後半2辺の成形が終了し、金属板Aの復回動を停止する。
さらに、逐次成形方法は、金属板Aに対して工具1を所定量前進(下降)させ、必要に応じて工具移動経路TPを所定ピッチだけ内側に変更して、同様の成形を行い、4辺の成形毎に、工具1の前進と必要に応じたピッチ変更とを繰り返す。これにより、逐次成形方法は、金属板Aの一部を押し下げるように次第に変形させ、最終的に所定深さの凹状部Bを形成する。
上記の逐次成形方法及び逐次成形装置は、比較的小型の成形部位(凹状部B)であっても、金属板Aの回動軸Cと成形部位の中心Cwとをオフセットすることで、成形部位の周速を充分に高めて、所望の成形を短時間で行うことができる。なお、上記実施形態では、理解し易くする都合上、平面正方形の凹状部Bを例示したが、正方形以外の回転対称形状や、非対称形状の成形部位を成形することも可能である。また、成形開始時における工具移動経路TPと工具1との位置関係は任意である。
本発明に係わる逐次成形方法及び逐次成形装置は、上記した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の細部を適宜変更することが可能である。例えば、ワーク保持機構や工具保持機構としては、様々な構成の装置を用いることが可能である、とくに、工具保持機構は、工具1を金属板Aの主面に沿う方向と、進退する方向との2方向に移動させれば良いので、作業ロボットのほか、NC工作機械等を用いることができ、2軸制御が可能な簡単な装置の使用も可能である。
A 金属板
B 凹状部(成形部位)
C 金属板の回動軸
Cw 成形部位の中心
SL 基準線
TP 工具移動経路
1 工具
11 ワーク保持機構
12 工具保持機構
13 主制御装置
21 ワーク保持機構
31 ワーク保持機構

Claims (7)

  1. 周囲を保持した金属板に工具の先端を押し付けて移動させることにより、金属板を厚さ方向に次第に変形させて三次元形状に成形する逐次成形方法であって、
    金属板をその主面に直交する回動軸を中心にして回動可能に保持すると共に、
    工具を金属板の回動軸に直交する一方向及び金属板に向けて進退する方向に往復動可能に保持し、
    金属板に成形部位に対応する工具移動経路を設定し、
    金属板を回動させながら、金属板の回動軸に直交する基準線上で工具を往復動させることにより、工具移動経路に工具を合わせて金属板を成形することを特徴とする逐次成形方法。
  2. 前記基準線上において、回動軸から基準線と工具移動経路との交点に至る距離の変化に応じて、工具を往復動させることを特徴とする請求項1に記載の逐次成形方法。
  3. 金属板における成形部位の中心と回動軸とを一致させ、金属板を一方向に回動させながら成形を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の逐次成形方法。
  4. 金属板の片面側に配置した複数の工具を用いて成形を行うことを特徴とする請求項3に記載の逐次成形方法。
  5. 金属板における成形部位の中心と回動軸とをオフセットし、金属板を所定角度範囲で往復回動させながら成形を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の逐次成形方法。
  6. 金属板の両面側に配置した工具を用い、両工具で金属板を挟む状態にして成形を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の逐次成形方法。
  7. 周囲を保持した金属板に工具の先端を押し付けて移動させることにより、金属板を厚さ方向に次第に変形させて三次元形状に成形する逐次成形装置であって、
    金属板をその主面に直交する回動軸を中心にして回動可能に保持するワーク保持機構と、
    工具を金属板の回動軸に直交する一方向及び金属板に向けて進退する方向に往復動可能に保持する工具保持機構と、
    ワーク保持機構及び工具保持機構を制御する主制御装置とを備え、
    主制御装置が、工具移動経路を設定した金属板を回動させながら、金属板の回動軸に直交する基準線上で工具移動経路と工具とが一致するように、基準線上で工具を往復動させる制御を行うことを特徴とする逐次成形装置。
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