JP2018195483A - 固体電解質シート及びその製造方法、並びに、固体電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】無機固体電解質を薄膜化した場合にも、優れた可撓性及び強度を有する固体電解質シートを提供すること。【解決手段】シート状に形成され、厚み方向に貫通する複数の貫通孔16を有する金属製の支持体14と、支持体14の少なくとも一方の主面14a上及び貫通孔16内に配置された無機固体電解質15と、を備える固体電解質シート13。【選択図】図4

Description

本発明は、固体電解質シート及びその製造方法、並びに、固体電池に関する。
近年、携帯型電子機器、電気自動車等の普及により、高性能な二次電池が必要とされている。従来の二次電池は、可燃性の有機溶媒を含む電解液が使用されていたため、安全性の点で懸念があった。そこで、より安全性の高い二次電池として、固体電解質を用いた固体電池が開発されている。固体電解質としては、有機高分子固体電解質、無機固体電解質が知られているが、これらの固体電解質は、シート状に形成されて固体電池に用いられることが多い。例えば、特許文献1には、不織布の表面及び内部に固体電解質を含む、自立性に優れた固体電解質シートが開示されている。
特開2016−31789号公報
固体電解質シートを効率よく製造するためには、薄膜化した固体電解質をロール状に巻き取ることにより連続的に製造することが望ましい。しかし、固体電解質シートに無機固体電解質を使用する場合、薄膜化した無機固体電解質は、充分な強度を有しておらず、製造時に割れやすいという問題がある。
そこで本発明は、無機固体電解質を薄膜化した場合にも、優れた可撓性及び強度を有する固体電解質シートを提供することを目的とする。
本発明は、シート状に形成され、厚み方向に貫通する複数の貫通孔を有する金属製の支持体と、支持体の少なくとも一方の主面上及び貫通孔内に配置された無機固体電解質と、を備える固体電解質シートを提供する。
無機固体電解質は、好ましくは、下記式(1)で表される化合物である。
Li7−yLa3−x Zr2−y 12 (1)
式(1)中、AはY、Nd、Sm及びGdからなる群より選択される少なくとも1種の金属元素を示し、MはNb及びTaからなる群より選択される少なくとも1種の金属元素を示し、0≦x<3であり、0≦y<2である。
支持体を構成する金属は、好ましくはステンレス鋼である。
無機固体電解質の平均粒子径は、好ましくは、貫通孔の開口幅より小さい。
また、本発明は、正極と、負極と、正極と負極との間に設けられた固体電解質シートとを備えた固体電池を提供する。
さらに本発明は、シート状に形成され、厚み方向に貫通する複数の貫通孔を有する金属製の支持体において、支持体の主面上及び貫通孔内に無機固体電解質を配置する工程を備える、固体電解質シートの製造方法を提供する。
無機固体電解質を配置する工程は、ランタン及びジルコニウムを含みパイロクロア型の結晶構造を有する化合物とリチウム化合物とを含有する混合物を、支持体の主面上及び貫通孔内に配置する工程と、混合物を焼結させる工程と、を有していてよい。
本発明によれば、無機固体電解質を薄膜化した場合にも、優れた可撓性及び強度を有する固体電解質シートを提供することができる。
一実施形態に係る二次電池を示す斜視図である。 図1に示した二次電池の電極群を示す分解斜視図である。 (a)は一実施形態に係る支持体の平面図であり、(b)は(a)の要部拡大図である。 図2のI−I線矢視断面における要部拡大図である。 製造例1及び製造例2における化合物の粉末X線回折パターンを示す図である。 実施例1及び実施例2における化合物の粉末X線回折パターンを示す図である。
以下、図面を適宜参照しながら、本発明の実施形態について説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は、一実施形態に係る固体電池を示す斜視図である。図1に示すように、固体電池1は、正極、負極及び電解質層から構成される電極群2と、電極群2を収容する袋状の電池外装体3とを備えている。正極及び負極には、それぞれ正極集電タブ4及び負極集電タブ5が設けられている。正極集電タブ4及び負極集電タブ5は、それぞれ正極及び負極が固体電池1の外部と電気的に接続可能なように、電池外装体3の内部から外部へ突き出している。
電池外装体3は、例えばラミネートフィルムで形成されていてよい。ラミネートフィルムは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等の樹脂フィルムと、アルミニウム、銅、ステンレス鋼等の金属箔と、ポリプロピレン等のシーラント層とがこの順で積層された積層フィルムであってよい。
図2は、図1に示した固体電池1の電極群2の一実施形態を示す分解斜視図である。図2に示すように、一実施形態に係る電極群2は、正極6と、電解質層7と、負極8とをこの順に備える。正極6は、正極集電体9と、正極集電体9上に設けられた正極合剤層10とを備えている。正極集電体9には、正極集電タブ4が設けられている。負極8は、負極集電体11と、負極集電体11上に設けられた負極合剤層12とを備えている。負極集電体11には、負極集電タブ5が設けられている。
電極群2の変形例として、電極群は、正極合剤層と、バイポーラ電極集電体と、負極合剤層とをこの順に備えるバイポーラ電極を有していてもよい。その場合の電極群は、正極と、第1の電解質層と、バイポーラ電極と、第2の電解質層と、負極とをこの順に備える。バイポーラ電極は、正極合剤層が設けられた面を負極側に、負極合剤層が設けられた面を正極側に向けて配置される。電極群はバイポーラ電極を複数有していてもよく、その場合、電解質層は各バイポーラ電極間にも配置される。
正極集電体9は、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン等で形成されている。正極集電体9の厚さは、例えば10〜100μmである。正極合剤層10は、例えば、正極活物質と、導電剤と、バインダとを含有する。正極合剤層10の厚さは、例えば20〜200μmである。
正極活物質は、リチウム遷移金属酸化物、リチウム遷移金属リン酸塩等のリチウム遷移金属化合物であってよい。リチウム遷移金属酸化物は、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム等であってよい。リチウム遷移金属酸化物は、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム等に含有されるMn、Ni、Co等の遷移金属の一部を、1種若しくは2種以上の他の遷移金属、又はMg、Al等の金属元素(典型元素)で置換したリチウム遷移金属酸化物であってもよい。リチウム遷移金属リン酸塩は、LiFePO、LiMnPO、LiMn1−xPO(0.3≦x≦1、MはFe、Ni、Co、Ti、Cu、Zn、Mg及びZrからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素である)等であってよい。
導電剤は、カーボンブラック、黒鉛、炭素繊維、カーボンナノチューブ等であってよい。バインダは、正極6の表面で分解しないものであれば制限されないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン、スチレン・ブタジエンゴム、カルボキシルメチルセルロース、フッ素ゴム、エチレン・プロピレンゴム、ポリアクリル酸、ポリイミド、ポリアミド等のポリマであってよい。
負極集電体11は、例えば、銅、ステンレス鋼、チタン、ニッケル等で形成されている。負極集電体11の厚さは、例えば10〜100μmである。負極合剤層12は、例えば、負極活物質とバインダとを含有する。負極合剤層12の厚さは、例えば10〜200μmである。
負極活物質は、例えば、炭素系材料(黒鉛、非晶質炭素)、導電性高分子材料(例えば、ポリアセン、ポリパラフェニレン、ポリアニリン、ポリアセチレン)、リチウム複合酸化物(例えば、チタン酸リチウム:LiTi12)、金属リチウム、リチウムと合金化する金属(例えば、アルミニウム、シリコン、スズ)であってよい。バインダは、正極合剤層10におけるバインダと同様であってよい。
電解質層7は、固体電解質シート13で構成されている。固体電解質シート13は、支持体14と、支持体14の一方の主面上に配置された無機固体電解質15とを備えている。図2に示すように、固体電解質シート13は、その支持体14側が負極8と接するように配置されている。固体電解質シート13は、その支持体14側が正極6と接するように配置されていてもよい。
支持体14は、金属で形成されている。金属は、ステンレス鋼、ニッケル等であってよく、好ましくはステンレス鋼である。支持体14の表面には、シリカ、アルミナ等でコーティングが施されていてもよい。固体電解質シート13の製造方法は、一実施形態において、無機固体電解質の前駆体を焼結させる工程を備えている(詳細は後述する)。そのため、支持体14が金属で形成されていると、焼結させる工程での加熱による支持体14の脆化を抑制することができる。
支持体14は、シート状に形成されている。支持体14の厚み(正極6、電解質層7及び負極8が積層されている方向の長さ)は、3μm以上、6μm以上、又は10μm以上であってよく、300μm以下、100μm以下、又は50μm以下であってよい。
図3(a)は、支持体14の一実施形態を示す平面図であり、図3(b)は、図3(a)に示した支持体14の一部Pを拡大した要部拡大図である。図3(a)に示すように、支持体14は、その主面14aの略中央の所定の領域に、厚み方向(Z方向)に貫通する複数の貫通孔16を有している。支持体14は、その主面14aの全面に複数の貫通孔を有していてもよい。
貫通孔16の平面形状は、例えば略円形状である。貫通孔16の開口幅(直径)Dは、3μm以上、10μm以上、又は25μm以上であってよく、300μm以下、200μm以下、又は100μm以下であってよい。貫通孔16の開口幅(直径)Dは、互いに同じであっても異なっていてもよい。貫通孔の平面形状は、四角形等の多角形状、楕円形状などであってもよい。貫通孔の平面形状が略円形状以外の形状である場合、開口部のX,Y方向における最大長さを開口幅とみなす。
複数の貫通孔16は、平面視において、例えば、第1の方向(X方向)及び第1の方向に直交する第2の方向(Y方向)に沿って格子状に配置されている。X方向に隣接する貫通孔16同士の間隔D、及びY方向に隣接する貫通孔16同士の間隔Dは、それぞれ、3μm以上であってよく、100μm以下であってよい。なお、貫通孔同士の間隔とは、所定の方向に隣接する貫通孔の外縁同士の最短距離をいう。X方向の間隔D及びY方向の間隔Dは、互いに同じであっても異なっていてもよい。複数の貫通孔は、平面視において、格子状以外の状態(例えば千鳥状)で規則的に配置されていてもよく、不規則に配置されていてもよい。
支持体14における貫通孔16の開口率(支持体14の主面14aの面積に占める貫通孔16の総開口面積)は、固体電解質シート13のイオン伝導度を確保する観点から、好ましくは15%以上、より好ましくは25%以上、更に好ましくは35%以上である。支持体14における貫通孔16の開口率は、固体電解質シート13の強度を確保する観点から、支持体14における主面14aの面積に対して、好ましくは85%以下、より好ましくは75%以下、更に好ましくは65%以下である。
図4は、図2のI−I線矢視断面の一部を拡大した要部拡大図であり、固体電解質シート13を厚み方向に切断したときの断面を示している。図4に示すように、無機固体電解質15は、支持体14の主面14a上に加えて、貫通孔16の内部にも埋め込まれるように配置されている。無機固体電解質15が貫通孔16内にも配置されていることにより、固体電解質シート13のイオン伝導度が確保される。すなわち、図2に示すように、支持体14と負極合剤層12との間に支持体14が存在していても、貫通孔16内に設けられた無機固体電解質15が負極合剤層12に接触するため、固体電池1の正極6及び負極8間においてイオンの移動が妨げられないようになっている。
無機固体電解質15は、好ましくは、下記式(1)で表される化合物(複合酸化物)である。
Li7−yLa3−x Zr2−y 12 (1)
式(1)中、AはY、Nd、Sm及びGdからなる群より選択される少なくとも1種の金属元素を示し、MはNb及びTaからなる群より選択される少なくとも1種の金属元素を示し、0≦x<3であり、0≦y<2である。
式(1)で表される化合物は、ガーネット型の結晶構造を有していてよい。式(1)で表される化合物の結晶系は、立方晶系でも正方晶系でもよいが、より優れたイオン伝導度を有する観点から、好ましくは立方晶系である。
式(1)で表される化合物の結晶構造は、CuKα線を用いた粉末X線回折測定を行うことにより確認することができる。この化合物は、粉末X線回折パターン(CuKα:λ=1.5418Å)において、回折角(2θ)=16.0°〜17.0°、25.0°〜26.0°、27.0°〜28.0°、33.0°〜34.0°、35.0°〜36.0°、37.0°〜38.0°、44.0°〜45.0°、及び52.0°〜53.0°の範囲にピークを有している。
式(1)で表される化合物は、具体的には、LiLaZr12(LLZ)、Li6.75LaZr1.75Nb0.2512(LLZ−Nb)、Li6.75LaZr1.75Ta0.2512等であってよい。
無機固体電解質15は、例えば粒子状であってよい。無機固体電解質15の平均粒子径は、貫通孔16の開口幅より小さいとよい。無機固体電解質15の平均粒子径は、1μm以上であってよく、20μm以下であってよい。なお、平均粒子径は、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置(LA−950、株式会社堀場製作所製)等によって測定される。
固体電解質シート13の厚みは、3μm以上であってよく、また、好ましくは、200μm以下、150μm以下、又は100μm以下である。固体電解質シート13の厚みが薄いほど、固体電解質シート13をロール状に巻き取りながら連続的に製造することが容易になる。加えて、固体電解質シート13自体が有する抵抗を低減できる。
次に、固体電池1の製造方法を説明する。固体電池1の製造方法は、正極集電体9上に正極合剤層10を形成して正極6を得る第1の工程と、負極集電体11上に負極合剤層12を形成して負極8を得る第2の工程と、電解質層7を得る第3の工程と、正極6と負極8との間に電解質層7を設ける第4の工程と、を備える。第1〜3の工程の順序は任意である。
第1の工程では、正極6は、例えば、正極合剤層に用いる材料を混練機、分散機等を用いて分散媒に分散させてスラリ状の正極合剤を得た後、この正極合剤をドクターブレード法、ディッピング法、スプレー法等により正極集電体9上に塗布し、その後分散媒を揮発させることにより得られる。分散媒を揮発させた後、必要に応じて、ロールプレスによる圧縮成型工程が設けられてもよい。正極合剤層10は、上述した正極合剤の塗布から分散媒の揮発までの工程を複数回行うことにより、多層構造の正極合剤層として形成されてもよい。
第1の工程において用いられる分散媒は、水、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)等であってよい。
第2の工程において、負極集電体11に負極合剤層12を形成する方法は、上述した第1の工程と同様の方法であってよい。
第3の工程において、電解質層7は、固体電解質シート13を製造することにより形成される。固体電解質シート13は、一実施形態において、上述した支持体14の主面14a上及び貫通孔16内に無機固体電解質15を配置する電解質配置工程を備える製造方法により製造される。
支持体14は、例えば、ファイバレーザ等を用いたレーザ加工により、金属製の基材に貫通孔16を形成することで得られる。
電解質配置工程は、一実施形態において、無機固体電解質15の原料を混合した混合物(前駆体混合物)を、支持体14の主面14a上及び貫通孔16内に配置する混合物配置工程と、前駆体混合物を焼結させる焼結工程とを有する。
混合物配置工程で用いる前駆体混合物は、例えば、無機固体電解質15の原料を水に懸濁させたスラリ(前駆体スラリ)であり、好ましくは、無機固体電解質15の原料として、ランタン及びジルコニウムを含む化合物(中間体化合物)と、リチウム化合物とを含んでいる。
中間体化合物は、例えば、下記式(2)で表される化合物(複合酸化物)である。
La2−z Zr2−w (2)
は、Mg、Ca、Sr及びBa等のアルカリ土類金属、Y、Nd、Sm及びGdからなる群より選択される少なくとも1種の金属元素を示し、MはNb及びTaからなる群より選択される少なくとも1種の金属元素を示し、0≦z≦0.75であり、0≦w≦0.5である。
式(2)で表される化合物は、パイロクロア型の結晶構造を有していてよい。式(2)で表される化合物の結晶構造は、CuKα線を用いた粉末X線回折測定を行うことにより確認することができる。この化合物は、粉末X線回折パターン(CuKα:λ=1.5418Å)において、2θ=28.0°〜29.0°、33.0°〜34.0°、47.0°〜48.0°、及び56.0°〜57.0°の範囲にピークを有している。
中間体化合物は、具体的には、LaZr、LaZr1.45Nb0.55、La1.750.25Zr1.75Nb0.25、La1.75Ca0.25Zr1.75Ta0.25等であってよい。
中間体化合物は、例えば、以下の方法により製造することができる。まず、Laを含む化合物と、Zrを含む化合物と、必要に応じて、中間体化合物を構成するその他の元素を含む化合物とを混合する。次に、この混合物を焼結(一次焼結)させることにより、中間体化合物を得ることができる。
一次焼結の際の加熱温度は、600℃以上であってよく、1000℃以下であってよい。一次焼結の加熱時間は、10時間以上であってよく、30時間以下であってよい。
リチウム化合物は、例えば、LiBO、LiAc、LiCl、LiPO、LiNO、LiSO、LiCO、LiOH、LiO等であってよい。これらのリチウム化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
混合物配置工程では、続いて、得られた前駆体スラリを、例えばアプリケータを用いて支持体14の主面14a上に塗布する。前駆体スラリは流動性を有するため、支持体14の主面14a上に前駆体スラリを塗布することで、前駆体スラリが、支持体14の主面14a上のみならず、貫通孔16内にも入り込むことで配置される。
焼結工程では、支持体14の主面14a上及び貫通孔16内に配置された前駆体スラリを焼結(二次焼結)させる。これにより、支持体14の主面14a上及び貫通孔16内に無機固体電解質15が配置された固体電解質シート13を得ることができる。
二次焼結の際の加熱温度は、立方晶の無機固体電解質を好適に得られる観点から、好ましくは500℃以上、より好ましくは600℃以上、更に好ましくは700℃以上である。加熱温度は、無機固体電解質中のリチウムイオンの蒸散を抑制できる観点から、好ましくは900℃以下、より好ましくは870℃以下、更に好ましくは850℃以下である。二次焼結の際の加熱時間は、5時間以上であってよく、20時間以下であってよい。
本実施形態に係る固体電解質シート13の製造方法においては、上述したように、中間体化合物を用いて無機固体電解質15が作製される。中間体化合物を使用せずに無機固体電解質15を作製する場合、1100℃程度の温度で焼結させる必要があるが、本実施形態に係る製造方法では、中間体化合物を使用することで、二次焼結の加熱温度を低温にすることができる。二次焼結の加熱温度を低温にすると、焼結時のリチウムイオンの蒸散を抑制することができるため、イオン伝導度の低下を抑制できる。加えて、支持体14の脆化を抑制することもできる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<製造例1>(LLZ中間体化合物(LaZr)の作製)
La(NO・6HO(ナカライテスク株式会社製)128.2質量部を純水500質量部に、ZrO(NO・2HO(和光純薬工業株式会社製)79.1質量部を純水1000質量部にそれぞれ溶解し、Laイオン及びZrイオンがそれぞれ溶解した水溶液を作製した。各水溶液を、LaとZrとが物質量比でLa:Zr=1:1となるように混合した後、28質量%アンモニア水を50質量部と、炭酸アンモニウム100質量部とを加え、pHを9以上とすることで白色の沈殿物を得た。この沈殿物を120℃で30時間加熱して水分を揮発させ、大気雰囲気で750℃、20時間焼成することで、LaZrの白色粉末を得た。得られた粉末について粉末X線回折測定(CuKα:λ=1.5418Å)を行うことにより、結晶構造を確認した。得られた粉末の粉末X線回折パターンを、図5に示す。その結果、得られた粉末がパイロクロア構造を有するLaZrであると確認した。
<製造例2>(LLZ−Nb中間体化合物(LaZr1.75Nb0.25)の作製)
La(NO・6HO128.2質量部を純水500質量部に、ZrO(NO・2HO69.2質量部を純水1000質量部に、NbCl(シグマアルドリッチジャパン合同会社製)10質量部を純水20質量部にそれぞれ溶解し、Laイオン、Zrイオン、及びNbイオンがそれぞれ溶解した水溶液を作製した。各水溶液を、LaとZrとNbとが物質量比でLa:Zr:Nb=2:1.75:0.25となるように混合した後、28質量%アンモニア水を75質量部と、炭酸アンモニウム100質量部とを加え、pHを9以上とすることで白色の沈殿物を得た。この沈殿物を120℃で30時間加熱して水分を揮発させ、大気雰囲気で750℃、20時間焼成することで、白色の粉末を得た。得られた粉末について、製造例1と同様の条件で粉末X線回折測定を行うことにより、結晶構造を確認した。得られた粉末の粉末X線回折パターンを、図5に示す。その結果、得られた粉末がパイロクロア型構造を有するLaZr1.75Nb0.25であると確認した。
<製造例3>(LLZ前駆体スラリの作製)
製造例1で作製したLaZr286質量部に、LiCO129質量部と、La(OH)95質量部とを加え、物質量比でLi:La:Zr=7:3:2となるように混合した。これを、ジルコニアボールを用いたボールミルにて混合し、LaZrの粉末を作製した。この粉末に純水500質量部を添加し、更にボールミルにて撹拌し、LLZ前駆体スラリを作製した。
<製造例4>(LLZ−Nb前駆体スラリの作製)
製造例2で作製したLaZr1.75Nb0.25286質量部に、LiCO125質量部と、La(OH)95質量部とを加え、物質量比でLi:La:Zr:Nb=6.75:3:1.75:0.25となるように混合した。これを、ジルコニアボールを用いたボールミルにて混合し、LLZ−Nbの前駆体粉末を作製した。この粉末に純水500質量部を添加し、更にボールミルにて撹拌し、LLZ−Nb前駆体スラリを作製した。
<製造例5>(支持体の作製)
縦50mm×横50mm×厚さ50μmのステンレス箔(17−7PH(SUS631)、株式会社ニラコ製)の中央(縦40mm×横40mm)の領域に、ファイバレーザを用いて、図3に示したものと同様に、直径(開口幅)50μmの略円形状の平面形状を有する貫通孔を、25μm間隔(D=D=25μm)で格子状に形成した。これにより、開口率35%の支持体を得た。この支持体を大気雰囲気下、800℃で4時間焼成することで、支持体表面に酸化被膜を形成させ、支持体を絶縁化させた。
(実施例1)
製造例3で得たLLZ前駆体スラリを、製造例5で作製した支持体上にアプリケータにてギャップ200μmで塗布し、120℃で4時間加熱して水分を揮発させた。その後、大気雰囲気下、800℃で10時間焼結することで、支持体上に無機固体電解質としてのLLZが形成された固体電解質シートを得た。得られた固体電解質シートについて、製造例1と同様の条件で粉末X線回折測定を行うことにより、固体電解質シート中のLLZの結晶構造を確認した。固体電解質シートの粉末X線回折パターンを、図6に示す。その結果、固体電解質シート中のLLZがガーネット型構造の立方晶であることを確認した。また、固体電解質シートの厚みは75μm以下であった。
(実施例2)
製造例4のLLZ−Nb前駆体スラリを用いた以外は、実施例1と同様の手法により、支持体上に無機固体電解質としてのLLZ−Nbが形成された固体電解質シートを作製した。得られた固体電解質シートについて、製造例1と同様の条件で粉末X線回折測定を行うことにより、固体電解質シート中のLLZ−Nbの結晶構造を確認した。固体電解質シートの粉末X線回折パターンを、図6に示す。その結果、固体電解質シート中のLLZ−Nbがガーネット型構造の立方晶であることを確認した。また、固体電解質シートの厚みは100μmであった。
(比較例1)
製造例3で作製したLaZrの粉末を、200MPaで一軸成形することにより、φ25mm、厚み約1.0mmの前駆体粉末シート(前駆体粉末ペレット)を作製した。その後、前駆体粉末ペレットを実施例1と同様の焼結条件にて焼結し、固体電解質シート(固体電解質ペレット)を作製した。
(可撓性及び強度の評価)
実施例1〜2及び比較例1の固体電解質シートの強度を確認するために、可撓性試験を実施した。当該試験では、固体電解質シートを90度に曲げてから元の状態に戻した後、固体電解質シートの状態を確認した。その結果、実施例1〜2では、無機固体電解質が割れることがなく、且つ、無機固体電解質の粉末が固体電解質シートから顕著に脱落することもなかった(可撓性及び強度の点で優れていた)。一方、比較例1では、無機固体電解質が割れ、無機固体電解質の粉末が固体電解質シートから顕著に脱落した(可撓性及び強度の点で劣っていた)。
(インピーダンス測定)
実施例1〜2の固体電解質シートのイオン伝導度を確認するために、インピーダンス測定を実施した。固体電解質シートの略中央部の両面に金ペースト(株式会社ニラコ製、商品番号176010)をφ1cmで塗布し、120℃で4時間加熱し水分を揮発させた。その後、合成空気(N=80vol%、O=20vol%)中にて、800℃、10分間焼成し、固体電解質シートに金電極を形成させた。金電極部分にインジウム金属を押し付け、25℃、振幅電圧10mV、0.1Hz〜7MHzの条件でインピーダンスを測定し、イオン伝導度を算出した。その結果、実施例1の固体電解質シートにおけるイオン伝導度は5.9×10−5S・cm−1であり、実施例2の固体電解質シートにおけるイオン伝導度は3.5×10−4S・cm−1であった。よって、実施例1及び実施例2の固体電解質シートが、実用上問題ない程度のイオン伝導度を有することを確認できた。
1…固体電池、6…正極、7…電解質層、8…負極、13…固体電解質シート、14…支持体、14a…支持体の主面、15…無機固体電解質、16…貫通孔。

Claims (7)

  1. シート状に形成され、厚み方向に貫通する複数の貫通孔を有する金属製の支持体と、
    前記支持体の少なくとも一方の主面上及び前記貫通孔内に配置された無機固体電解質と、を備える固体電解質シート。
  2. 前記無機固体電解質は下記式(1)で表される化合物である、請求項1に記載の固体電解質シート。
    Li7−yLa3−x Zr2−y 12 (1)
    [式(1)中、AはY、Nd、Sm及びGdからなる群より選択される少なくとも1種の金属元素を示し、MはNb及びTaからなる群より選択される少なくとも1種の金属元素を示し、0≦x<3であり、0≦y<2である。]
  3. 前記金属はステンレス鋼である、請求項1又は2に記載の固体電解質シート。
  4. 前記無機固体電解質の平均粒子径が前記貫通孔の開口幅より小さい、請求項1〜3のいずれか一項に記載の固体電解質シート。
  5. 正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に設けられた請求項1〜4のいずれか一項に記載の固体電解質シートとを備えた固体電池。
  6. シート状に形成され、厚み方向に貫通する複数の貫通孔を有する金属製の支持体において、前記支持体の主面上及び前記貫通孔内に無機固体電解質を配置する工程を備える、固体電解質シートの製造方法。
  7. 前記無機固体電解質を配置する工程は、
    ランタン及びジルコニウムを含みパイロクロア型の結晶構造を有する化合物とリチウム化合物とを含有する混合物を、前記支持体の主面上及び前記貫通孔内に配置する工程と、
    前記混合物を焼結させる工程と、
    を有する、請求項6に記載の固体電解質シートの製造方法。
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