JP2018193544A - 熱硬化性樹脂組成物及び加工樹脂ワニス硬化フィルムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、レーザースキャニングには時間がかかり、形成したプラスチック基板にダメージを与えることや糊残りが生じることから歩留まりが悪く、また剥離工程に必要な装置やランニングコストが非常に高価であることが課題となっている。
〔1〕ビニル基を有するシロキサン化合物及びヒドロシリル基を有するシロキサン化合物の混合化合物、並びに/又は、ビニル基及びヒドロシリル基を有するシロキサン化合物(化合物A)を含む、少なくともヒドロシリル化反応を利用する熱硬化性樹脂組成物であって、前記熱硬化性樹脂組成物は、さらに、
重合性単量体の重合体構造を有する主鎖(a)と、下記式(1):
R1、R2及びR3はそれぞれ水素原子または炭素原子数1〜18の有機基であり、
R4はフッ素化アルキル基またはポリ(パーフルオロアルキレンエーテル)鎖であり、
Y1は酸素原子または硫黄原子である)で表される官能基を有する側鎖(b)とを有し、前記主鎖(a)が、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、メサコン酸、マレイン酸、フマル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルマレイン酸、カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート及び2−(メタ)アクリロイロキシエチルテトラヒドロフタル酸からなる群から選ばれる一種以上の重合性単量体の重合体構造を有する、含フッ素化合物(化合物B)を含み、
前記熱硬化性樹脂組成物の硬化体層が樹脂ワニス硬化フィルムと接触して積層する硬化後積層体を構成するために使用され、
前記樹脂ワニス硬化フィルムは、前記硬化体層の温度が25℃において前記樹脂ワニス硬化フィルムを前記硬化体層から剥離できる熱硬化性樹脂組成物(以下、本発明1ともいう)、及び、
〔2〕加工樹脂ワニス硬化フィルムの製造方法であって、
支持基板の表面に請求項1〜6のいずれか1項記載の熱硬化性樹脂組成物が接触してなる熱硬化性樹脂組成物層を形成して、150〜300℃環境下で前記熱硬化性樹脂組成物層を熱硬化して支持基板と熱硬化性樹脂組成物硬化体層とが積層する硬化後積層体1を得る工程1、
前記硬化後積層体1において、前記熱硬化性樹脂組成物硬化体層の前記支持基板と接触していない面上に、樹脂ワニスを塗布して樹脂ワニス薄液層を形成して、前記樹脂ワニス薄液層を加熱することにより樹脂ワニス硬化フィルムを形成して、前記支持基板、前記熱硬化性樹脂組成物硬化体層及び前記樹脂ワニス硬化フィルムが積層された硬化後積層体2を得る工程2、
前記工程2の後に、前記硬化後積層体2を構成する前記樹脂ワニス硬化フィルムを加工して加工樹脂ワニス硬化フィルムを形成する工程3、及び、
前記硬化後積層体2から前記加工樹脂ワニス硬化フィルムを剥離する工程4を有する加工樹脂ワニス硬化フィルムの製造方法。
本発明1は、化合物A及び化合物Bを含むことによって、樹脂ワニス硬化フィルムを加工するための長期高温プロセス下であっても、本発明1の硬化体層の形態安定性及び樹脂ワニスの塗工安定性を確保し、樹脂ワニス硬化フィルムが本発明1の硬化体層に密着し、かつ樹脂ワニス硬化フィルムを加工工程後に加工樹脂ワニス硬化フィルムを本発明1の硬化体層から容易に剥離できるという効果を奏する。
本発明1における化合物Aは、ビニル基を有するシロキサン化合物及びヒドロシリル基を有するシロキサン化合物の混合化合物、並びに/又は、ビニル基及びヒドロシリル基を有するシロキサン化合物であり、熱硬化性樹脂の高温安定性、樹脂ワニス硬化フィルム密着・剥離性の観点から、ビニル基及びヒドロシリル基以外の反応性基を有さないことが好ましい。
ヒドロシリル基を有するシロキサン化合物との反応性、熱硬化性樹脂の高温安定性、樹脂ワニス硬化フィルム密着・剥離性の観点から、ビニル基を有するシロキサン化合物として、好ましくは、例えば、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有する下記一般式(2);
R4−nSiOn/2 (2)
(式(2)中、Rは、ケイ素原子に結合した置換又は非置換の一価炭化水素基であり、好ましくは不飽和炭化水素基、より好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニリル基等のアリール基;及びベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基及びヘプテニル基等のアルケニル基からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の不飽和炭化水素基であり、更に好ましくは炭素原子数が1〜12、更に好ましくは炭素原子数が1〜8のもの不飽和炭化水素基であり、更に好ましくは、メチル基、エチル基、フェニル基、ビニル基、アリル基であり、nは1以上4以下の整数であり、好ましくはn=3である)で表される分岐構造を有するオルガノポリシロキサンである。
ビニル基を有するシロキサン化合物との反応性、熱硬化性樹脂の高温安定性、樹脂ワニス硬化フィルム密着・剥離性の観点から、ヒドロシリル基を有するシロキサン化合物として、好ましくはヒドロシリル基を有する環状シロキサン及び/又は直鎖状ポリシロキサンである。
ジメチルシロキサン単位とメチルハイドロジェンシロキサン単位及び末端トリメチルシロキシ単位との共重合体、ジフェニルシロキサン単位とメチルハイドロジェンシロキサン単位及び末端トリメチルシロキシ単位との共重合体、メチルフェニルシロキサン単位とメチルハイドロジェンシロキサン単位及び末端トリメチルシロキシ単位との共重合体、ジメチルハイドロジェンシリル基で末端が封鎖されたポリジメチルシロキサン、ジメチルハイドロジェンシリル基で末端が封鎖されたポリジフェニルシロキサン、ジメチルハイドロジェンシリル基で末端が封鎖されたポリメチルフェニルシロキサン等が挙げられ、より好ましくは、
ジメチルハイドロジェンシリル基で分子末端が封鎖されたポリシロキサン、さらにはジメチルハイドロジェンシリル基で分子末端が封鎖されたポリジメチルシロキサンを好適に用いることができ、具体的に例えば、テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルトリシロキサンが挙げられる。
1,3,5,7−テトラハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1−プロピル−3,5,7−トリハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,5−ジハイドロジェン−3,7−ジヘキシル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5−トリハイドロジェン−1,3,5−トリメチルシクロシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタハイドロジェン−1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサハイドロジェン−1,3,5,7,9,11−ヘキサメチルシクロシロキサン等が挙げられ、より好ましくは、
1,3,5,7−テトラハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンが挙げられる。
化合物Aは、ビニル基及びヒドロシリル基を有するシロキサン化合物であってもよく、例えば、下記式(3):
X−40−2667A(ビニル基及びヒドロシリル基含有メチル・フェニル置換型シロキサン化合物、信越化学工業社)、HPM−502(45−50モル% 水素末端メチルヒドロシロキサン−フェニルメチルシロキサンコポリマー、Gelest.Inc社)が挙げられる。
本発明1における化合物Bは、
重合性単量体の重合体構造を有する主鎖(a)と、下記式(1):
R1、R2及びR3はそれぞれ水素原子または炭素原子数1〜18の有機基であり、
R4はフッ素化アルキル基またはポリ(パーフルオロアルキレンエーテル)鎖であり、
Y1は酸素原子または硫黄原子である)で表される官能基を有する側鎖(b)とを有し、前記主鎖(a)が、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、メサコン酸、マレイン酸、フマル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルマレイン酸、カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート及び2−(メタ)アクリロイロキシエチルテトラヒドロフタル酸からなる群から選ばれる一種以上の重合性単量体の重合体構造を有する含フッ素化合物である。
式(1)で表される官能基を有する側鎖(b)において、R1、R2およびR3がそれぞれ水素原子のものが好ましく、
R4は、フッ素原子が直接結合した好ましくは炭素原子の数が1〜6、より好ましくは4〜6、更に好ましくは6のフッ素化アルキル基である。
下記式(1−1):
化合物Bとしては、カルボキシル基を有する重合性単量体(α)と下記式(5):
R1、R2及びR3はそれぞれ水素原子または炭素原子数1〜18の有機基であり、
R4はフッ素化アルキル基またはポリ(パーフルオロアルキレンエーテル)鎖であり、
Y1は酸素原子または硫黄原子である)で表されるビニルエーテル化合物との反応物である、ブロック化されたカルボキシル基を有する重合性単量体を構成要素とする化合物であることが好ましい。
東ソー社「HLC−8220 GPC」、
(2)カラム
東ソー社ガードカラム「HHR−H」(6.0mmI.D.×4cm)
+東ソー社「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)
+東ソー社「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)
+東ソー社「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)
+東ソー社「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)
(3)検出器
ELSD(オルテック社「ELSD2000」)
(4)データ処理
東ソー社「GPC−8020モデルIIデータ解析バージョン4.30」
(5)測定条件
カラム温度:40℃ 展開溶媒:テトラヒドロフラン(THF) 流速:1.0ml/分
(6)試料
樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(5μl)。
(7)標準試料
「GPC−8020モデルIIデータ解析バージョン4.30」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(8)単分散ポリスチレン
東ソー社「A−500」「A−1000」「A−2500」「A−5000」「F−1」「F−2」「F−4」「F−10」「F−20」「F−40」「F−80」「F−128」「F−288」「F−550」
本発明1は、形態安定性、塗工安定性及び密着・剥離性の観点から、さらに化合物Cである分子末端がアルコキシシリル基で封鎖されアルコキシ基が形成された反応性シロキサン化合物を含むことが好ましい。
好ましくは、アルコキシシリル基を有し、メチル基やフェニル基の有機官能基、並びに/又は、反応性官能基を有するシロキサン化合物であり、
より好ましくは、分子末端がアルコキシシリル基で封鎖されアルコキシ基が形成されたたシロキサン化合物である。
測定装置:島津製作所社製GPCシステム;
カラムの種類:有機溶媒系SECカラム(東ソー社製);
溶剤の種類:テトラヒドロフラン(THF)
KR−511(組成:メトキシ基、ビニル基含有フェニル置換型シロキサン化合物、信越化学工業社);
KR−513(組成:メトキシ基、アクリル基含有メチル置換型シロキサン化合物、信越化学工業社);
KR−213(組成:メトキシ基含有メチル・フェニル置換型シロキサン化合物、信越化学工業社);
X-40-9296(組成:メトキシ基、メタクリル基含有メチル置換型シロキサン化合物、信越化学工業社);
X-41-1053(組成:メトキシ基、エトキシ基およびエポキシ基含有シロキサン化合物、信越化学工業社);
KR−9218(組成:メトキシ基含有メチル・フェニル置換型シロキサン化合物、信越化学工業社)などが挙げられる。
本発明1は、化合物Aの有するビニル基ヒドロシリル基のヒドロシリル化反応を利用して熱硬化するが、ヒドロシリル化反応をより円滑に進行させるためには、通常ヒドロシリル化反応用触媒である化合物Dを使用する。
遷移金属系では、白金系、パラジウム系、ロジウム系、ルテニウム系等が好ましく、
非遷移金属系では、C5H5−Fe−CH3(CO)2で示される鉄錯体化合物、鉄またはコバルトのカルボン酸塩とイソシアニドの混合物を挙げることができるが、
反応効率の観点から白金系触媒がより好ましい。
本発明1は、熱硬化性樹脂を薄く均一に塗布することが容易であるという理由から、さらに化合物Eである溶剤を含むことが好ましく、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、シクロヘプタノン、2−ヘプタノン、メチルイソブチルケトン、ブチロラクトン等のケトン類;メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコ−ル、tert−ブチルアルコール、ペンタノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール等のアルコール類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類;
本発明1は、本発明の効果を損なわない範囲で、目的に応じて、任意にその他の化合物、例えば、化合物A及びC以外のシロキサン化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、重合禁止剤、レベリング剤、界面活性剤、着色剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、フィラー、老化防止剤、濡れ性改良剤、離型剤等の各化合物を含むことができる。
本発明1は化合物A及びBを含むが、熱硬化性樹脂の形態安定性、塗工安定性及び密着・剥離性の観点から、化合物A100質量部に対して、化合物Bは、好ましくは0.02〜3質量部、より好ましくは0.06〜2質量部、更に好ましくは0.1〜1質量部である。
本発明1は、熱硬化性樹脂組成物の硬化体層が樹脂ワニス硬化フィルム表面と接触して積層する硬化後積層体を構成するために使用され、樹脂ワニス硬化フィルムは、25℃環境下でも、熱硬化性樹脂組成物の硬化体層から剥離できる。
硬化後積層体1の本発明1硬化体層の上に、樹脂ワニスを1g滴下し、スピンコート(500rpm×30秒+3000rpm×1秒)して活性化硬化後積層体1上に樹脂ワニス薄液層を形成した後、支持基板、本発明1硬化体層及び樹脂ワニス薄液層が積層した硬化前積層体2をオーブンに入れ、120℃×15分の加熱をして樹脂ワニス硬化フィルム層、本発明1硬化体層及び支持基板が積層した硬化後積層体2を得る。
なお、PIワニス以外の樹脂ワニスを用いて硬化後積層体2を得る場合は、上記加熱条件を調整し、好ましくは100〜200℃×10〜30分の間で調整して、当該樹脂ワニスに適切な加熱をして樹脂ワニス硬化フィルム層を形成する。
(1)支持基板:無アルカリガラス(イーグルXG(縦35mm、横35mm、厚み0.7mm)、コーニング社))
(2)樹脂ワニス:セミコファインSP−030(ポリイミドの濃度15wt%、N−メチルピロリドン(溶剤)溶液、東レ社)
(3)スピンコーター:スピンコーター1H−DX2(ミカサ社)
(4)オーブン:LC113(ESPEC社)
(5)高性能小型高温電気炉:SPM100−16V(丸祥電器社)
(6)剥離強度測定装置:デジタルフォースゲージZP−50N/電動測定スタンドMX−500N−L550−E(イマダ社)
樹脂ワニスの粘度の好適範囲は、本発明1硬化体上の塗工性の観点から好ましくは100mPa・s〜50000mPa・s、より好ましくは200mPa・s〜20000mPa・s、更に好ましくは500mPa・s〜10000mPa・sであり、
上記の好適粘度範囲に調整するためには、
好適な希釈溶剤は、樹脂の溶解性に応じて選択することが必要であるが、単独で用いることも2種以上併用することもでき、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、ブチロラクトンなどのケトン類、メトキシプロパノール、エタノール、メタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノールなどのアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブエステル類、テトラヒドロフランなどのエーテル類、n−ヘキサン、トルエンなどの炭化水素類及びN−メチルピロリドンなどのアミド類からなる群から少なくとも1種以上の溶剤であることが好ましく、
樹脂ワニスの固形分濃度は、5〜50質量%であることが好ましい。
フィルムを2mm×2mm程度の大きさに複数枚切りとり、それらをTGA測定専用のアルミパンの中に約10mgとなるように入れて蓋をする。これをTGA(METTLER TOLEDO社製、TGA/DSC1)に入れてから、10℃/minで昇温しT℃で1時間保持後の減量を測定、減量率を計算する。
ガラス以外のセラミックス、金属としては、Siを含む合金、Siを含むセラミックス粒子が好ましい。
支持基板が無アルカリガラス、樹脂ワニス硬化フィルムがポリベンゾオキサゾールワニス硬化フィルムの場合、
支持基板が無アルカリガラス、樹脂ワニス硬化フィルムがポリアミドイミドワニス硬化フィルムの場合、
支持基板が無アルカリガラス、樹脂ワニス硬化フィルムがシリコーンワニス硬化フィルムの場合、
支持基板が無アルカリガラス、樹脂ワニス硬化フィルムがイミド変性エポキシ硬化フィルムの場合、
支持基板が無アルカリガラス、樹脂ワニス硬化フィルムが耐熱アルキッド硬化フィルムの場合、
支持基板が無アルカリガラス、樹脂ワニス硬化フィルムが耐熱ポリエステル硬化フィルムの場合、
支持基板が無アルカリガラス、樹脂ワニス硬化フィルムがエポキシ変性ポリエステルイミド硬化フィルムの場合、
支持基板が無アルカリガラス、樹脂ワニス硬化フィルムがポリアリレート硬化フィルムの場合、
支持基板が無アルカリガラス、樹脂ワニス硬化フィルムがアルミやステンレスなどの金属箔の場合、
支持基板がアルミやステンレスなどの金属、樹脂ワニス硬化フィルムがポリイミドワニス硬化フィルムの場合、
等が挙げられる。
本発明2は、加工樹脂ワニス硬化フィルムの製造方法であって、
支持基板の表面に本発明1の熱硬化性樹脂組成物が接触してなる熱硬化性樹脂組成物層を形成して、150〜300℃環境下で熱硬化性樹脂組成物層を熱硬化して熱硬化性樹脂組成物硬化体層と支持基板とが積層する硬化後積層体1を得る工程1、
硬化後積層体1において、熱硬化性樹脂組成物硬化体層の支持基板と接触していない面上に、樹脂ワニスを塗布して樹脂ワニス薄液層を形成して、前記樹脂ワニス薄液層を加熱することにより樹脂ワニス硬化フィルムを形成して、前記支持基板、熱硬化性樹脂組成物硬化体層及び前記樹脂ワニス硬化フィルムが積層された硬化後積層体2を得る工程2、
前記工程2の後に、硬化後積層体2を構成する樹脂ワニス硬化フィルムを加工して加工樹脂ワニス硬化フィルムを形成する工程3、及び、
硬化後積層体2から加工樹脂ワニス硬化フィルムを剥離する工程4を有する加工樹脂ワニス硬化フィルムの製造方法である。
支持基板上に熱硬化性樹脂組成物層を形成する方法としては、手順1で挙げたような熱硬化性樹脂組成物をスピンコート法で塗工する以外にも、スリットコート法、ダイコート法、スクリーン印刷法、アプリケーター法等で塗工することができる。スピンコート法では、例えば、回転速度が好ましくは500〜6000rpm、より好ましくは2000〜6000rpm、回転時間が好ましくは30〜60秒という条件のもと、熱硬化性樹脂組成物層をスピンコーティングする方法が挙げられる。
工程2では、まず、活性化硬化後積層体1において、熱硬化性樹脂組成物硬化体層の支持基板と接触していない面上に、樹脂ワニスを塗布して樹脂ワニス薄液層を形成する。
工程3は、工程2の後におかれ、硬化後積層体2を構成する樹脂ワニス硬化フィルムを加工して加工樹脂ワニス硬化フィルムを形成することを内容とする。
工程4は、工程1〜3を経て形成された樹脂ワニス硬化フィルムが加工された硬化後積層体2から加工樹脂ワニス硬化フィルムを剥離する工程である。
ル、シクロドデセン、1−tert−ブチル−3,5−ジメチルベンゼン、ブチルシクロヘキサン、シクロオクタン、シクロヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素類、アニソール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジグライム等のアルコール/エーテル類、炭酸エチレン、酢酸エチル、酢酸N−ブチル、乳酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、炭酸プロピレン、γ−ブチロラクトン等のエステル/ラクトン類、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン等のケトン類、N−メチル−2−ピロリジノン等のアミド/ラクタム類が挙げられる。
(1)化合物A
化合物a1:X−40−2667A(ビニル基及びヒドロシリル基含有メチル・フェニル置換型シロキサン化合物、信越化学工業社)
化合物a2:HPM−502(45−50モル% 水素末端メチルヒドロシロキサン−フェニルメチルシロキサンコポリマー、Gelest.Inc社)
化合物b1:メガファックDS−21(DIC社)
化合物C1:X−40−9296(メタクリル/メチル基オリゴメトキシカップリング剤、信越化学工業社)
化合物C2:KR−513(アクリル/メチル基オリゴメトキシカップリング剤、信越化学工業社)
化合物C3:KR−511(ビニル/フェニル基含有オリゴメトキシカップリング剤、信越化学工業社)
化合物C4:KR−213(メチル/フェニル基含有メトキシカップリング剤、信越化学工業社)
化合物d1:X−40−2667B(CAT−PH)(ビニル基及びヒドロシリル基を有さず非反応性のメチル・フェニル置換型シロキサン化合物中に白金系触媒が添加されている)、信越化学工業社)
化合物e1:MEK(メチルエチルケトン、関東化学社)
化合物r1:メガファックF552(含フッ素基・親油性基含有オリゴマー、DIC社)
化合物r2:メガファックF554(含フッ素基・親油性基含有オリゴマー、DIC社)
化合物r3:メガファックF561(含フッ素基・親油性基含有オリゴマー、DIC社)
化合物r4:メガファックF569(含フッ素基・親油性基含有オリゴマー、DIC社)
化合物r5:フタージェント100(スルホン酸Na塩系、ネオス社)
化合物r6:フタージェント222F(ポリオキシエチレンエーテル系、ネオス社)
化合物r7:フタージェントFTX−218(ポリオキシエチレンエーテル系、ネオス社)
表1記載のそれぞれの化合物について、化合物Aを50gとして、表1記載の質量部の割合で、容器(容量200ml、材質SUS)に投入し、撹拌温度は室温(25℃)、大気圧下にてスリーワンモーター(新東科学社製)を使用して200回転/分で30分〜1時間攪拌して、実施例1〜8の熱硬化性樹脂組成物及び比較例1〜8の比較熱硬化性樹脂組成物を製造した。
(1)基材及び器具
(1−1)支持基板:無アルカリガラス(イーグルXG(縦35mm、横35mm、厚み0.7mm)、コーニング社))
(1−2)樹脂ワニス:セミコファインSP−030(東レ社)
(1−3)スピンコーター:スピンコーター1H−DX2(ミカサ社)
(1−4)オーブン:LC113(ESPEC社)
(1−5)高性能小型高温電気炉(SPM100−16V(丸祥電器社))
実施例1の熱硬化性樹脂組成物を使用して、以下の条件で加工樹脂ワニス硬化フィルムを製造した。
製造実施例1の熱硬化性樹脂組成物を、実施例2〜7及び8〜16、比較例1〜8の熱硬化性樹脂組成物に置き換えて同じ条件で工程1〜4を行い、それぞれを製造実施例2〜7及び8〜16、製造比較例1〜8とした。
(1)熱硬化性樹脂組成物硬化体層の外観
工程1で得た熱硬化性樹脂組成物硬化体層の外観を目視して、以下を評価した。
(1−1)シュリンク:ガラス外周から熱硬化性樹脂組成物硬化体層までの距離の最大値(mm);
(1−2)ハジキ:熱硬化性樹脂組成物硬化体層中の熱硬化性樹脂組成物硬化体層で被覆されていないガラス面(クレーター状になっている場合が多い)の領域の面積を有する円の直径(mm)。
シュリンクが2mm以下、ハジキが2mm以下の場合を〇
シュリンクが2mm超、またはハジキが2mm超の場合を×
工程2で得た樹脂ワニス薄液層の外観を目視して、以下を評価した。
(2−1)シュリンク:ガラス外周から樹脂ワニス薄液層までの距離の最大値(mm);
(2−2)ハジキ:樹脂ワニス薄液層中の樹脂ワニス薄液層で被覆されていないガラス面(クレーター状になっている場合が多い)の領域の面積を有する円の直径(mm)。
シュリンクが2mm以下、ハジキが2mm以下の場合を〇
シュリンクが2mm超、またはハジキが2mm超の場合を×
工程3で得た樹脂ワニス硬化フィルムの外観を目視して、以下を評価した。
(3−1)シュリンク:ガラス外周から樹脂ワニス薄液層までの距離の最大値(mm);
(3−2)ハジキ:樹脂ワニス薄液層中の樹脂ワニス薄液層で被覆されていないガラス面(クレーター状になっている場合が多い)の領域の面積を有する円の直径(mm)。
シュリンクが2mm以下、ハジキが2mm以下の場合を〇
シュリンクが2mm超、またはハジキが2mm超の場合を×
工程4において、樹脂ワニス硬化フィルムの剥離の程度を以下の基準で評価した。
(4−1)樹脂ワニス硬化フィルムを硬化体層から剥離する際に、硬化体層の構成樹脂の付着及び硬化体層の支持基板からの剥離を伴わず剥離強度が0.3N/mm以下である場合が○、
(4−2)樹脂ワニス硬化フィルムを硬化体層から剥離する際に、硬化体層の構成樹脂の付着又は硬化体層の支持基板からの剥離を伴う場合が×。
Claims (8)
- ビニル基を有するシロキサン化合物及びヒドロシリル基を有するシロキサン化合物の混合化合物、並びに/又は、ビニル基及びヒドロシリル基を有するシロキサン化合物(化合物A)を含む、少なくともヒドロシリル化反応を利用する熱硬化性樹脂組成物であって、
前記熱硬化性樹脂組成物は、さらに、
重合性単量体の重合体構造を有する主鎖(a)と、下記式(1):
(式(1)中、
R1、R2及びR3はそれぞれ水素原子または炭素原子数1〜18の有機基であり、
R4はフッ素化アルキル基またはポリ(パーフルオロアルキレンエーテル)鎖であり、
Y1は酸素原子または硫黄原子である)で表される官能基を有する側鎖(b)とを有し、前記主鎖(a)が、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、メサコン酸、マレイン酸、フマル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルマレイン酸、カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート及び2−(メタ)アクリロイロキシエチルテトラヒドロフタル酸からなる群から選ばれる一種以上の重合性単量体の重合体構造を有する、含フッ素化合物(化合物B)を含み、
前記熱硬化性樹脂組成物の硬化体層が樹脂ワニス硬化フィルムと接触して積層する硬化後積層体を構成するために使用され、
前記樹脂ワニス硬化フィルムは、前記硬化体層の温度が25℃において前記樹脂ワニス硬化フィルムを前記硬化体層から剥離できる熱硬化性樹脂組成物。 - さらに、分子末端がアルコキシシリル基で封鎖されアルコキシ基が形成された反応性シロキサン化合物(化合物C)を含む請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
- さらに、ヒドロシリル化反応用触媒(化合物D)を含む請求項1又は2記載の熱硬化性樹脂組成物。
- さらに、希釈用溶剤(化合物E)を含む請求項1〜3のいずれか1項記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 前記樹脂ワニス硬化フィルムが精密素子配置用基板である請求項1〜4のいずれか1項記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 前記硬化体層から剥離される前記樹脂ワニス硬化フィルムが、精密素子が配置された精密素子配置基板である請求項1〜4のいずれか1項記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 加工樹脂ワニス硬化フィルムの製造方法であって、
支持基板の表面に請求項1〜6のいずれか1項記載の熱硬化性樹脂組成物が接触してなる熱硬化性樹脂組成物層を形成して、150〜300℃環境下で前記熱硬化性樹脂組成物層を熱硬化して支持基板と熱硬化性樹脂組成物硬化体層とが積層する硬化後積層体1を得る工程1、
前記硬化後積層体1において、前記熱硬化性樹脂組成物硬化体層の前記支持基板と接触していない面上に、樹脂ワニスを塗布して樹脂ワニス薄液層を形成して、前記樹脂ワニス薄液層を加熱することにより樹脂ワニス硬化フィルムを形成して、前記支持基板、前記熱硬化性樹脂組成物硬化体層及び前記樹脂ワニス硬化フィルムが積層された硬化後積層体2を得る工程2、
前記工程2の後に、前記硬化後積層体2を構成する前記樹脂ワニス硬化フィルムを加工して加工樹脂ワニス硬化フィルムを形成する工程3、及び、
前記硬化後積層体2から前記加工樹脂ワニス硬化フィルムを剥離する工程4を有する加工樹脂ワニス硬化フィルムの製造方法。 - 前記工程3において200〜550℃の環境下で前記樹脂ワニス硬化フィルムを加工する請求項7記載の加工樹脂ワニス硬化フィルムの製造方法。
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