JP2018188491A - 易裂性延伸フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリエステル樹脂(A)及びポリアミド樹脂(B)を含む樹脂組成物からなる易裂性延伸フィルムであって、(A)が、脂環式炭化水素構造を有するジオールに由来する構成単位をジオール構成単位の全量に対して0.5〜50モル%有するポリエステル樹脂であり、(B)が、メタキシリレンジアミンに由来する構成単位を70モル%以上含むジアミン構成単位と、C4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来する構成単位を70モル%以上含むジカルボン酸構成単位とを有する、ポリアミド樹脂であり、(A)及び(B)の配合量が、(A)65〜97質量部に対し、(B)3〜35質量部である、易裂性延伸フィルム。好ましくは、脂環式炭化水素構造を有するジオール単位がC3〜6のシクロアルカン構造である、フィルム。
【選択図】図1
Description
一方、易裂性フィルムとしては、PETなどの結晶性のポリエステル樹脂に、ナイロン6およびMXD6などのポリアミド樹脂を配合してなる樹脂組成物からなる延伸フィルムが知られている(特許文献1〜4)。
[1]ポリエステル樹脂(A)およびポリアミド樹脂(B)を含む樹脂組成物からなる易裂性延伸フィルムであって、
ポリエステル樹脂(A)が、脂環式炭化水素構造を有するジオールに由来する構成単位を、ポリエステル樹脂(A)を構成するジオール構成単位の全量に対して0.5〜50モル%有するポリエステル樹脂であり、
ポリアミド樹脂(B)が、メタキシリレンジアミンに由来する構成単位を70モル%以上含むジアミン構成単位と、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来する構成単位を70モル%以上含むジカルボン酸構成単位とを有する、ポリアミド樹脂であり、
ポリエステル樹脂(A)およびポリアミド樹脂(B)の配合量が、ポリエステル樹脂(A)およびポリアミド樹脂(B)の合計量を100質量部としたとき、ポリエステル樹脂(A)65〜97質量部に対し、ポリアミド樹脂(B)3〜35質量部である、易裂性延伸フィルム。
[2]前記脂環式炭化水素構造が、炭素数3〜10のシクロアルカン構造である、[1]に記載の易裂性延伸フィルム。
[3]前記脂環式炭化水素構造を有するジオール構成単位が、下記一般式(1)で表される化合物に由来するものである、[1]または[2]に記載の易裂性延伸フィルム。
[式中、R1は、それぞれ独立して、炭素数1〜10の2価の脂肪族基を示す。R2は、炭素数1〜10の1価の脂肪族基、炭素数3〜12の1価の脂環基および炭素数6〜18の1価の芳香族基からなる群から選ばれる1価の有機基を示す。aは0または1であり、aが0のとき、水酸基OHはシクロヘキサン環に直接結合する。bは、0〜4の整数である。]
[4]前記α,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸が、アジピン酸、セバシン酸、またはその混合物である、[1]から[3]のいずれか一項に記載の易裂性延伸フィルム。
[5]前記樹脂組成物が、単軸押出機を用いて混練されたものであり、易裂性延伸フィルムの前駆体である未延伸フィルムの縦方向(MD)の切断面におけるポリアミド樹脂(B)の分散粒子の長径が0.3〜2.0μmであり、短径が0.1〜1.0μmである、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の易裂性延伸フィルム。
[6]ポリアミド樹脂(B)の相対粘度が2.0〜2.5である、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の易裂性延伸フィルム。
[7]23℃、60%RHでの酸素透過係数が2〜6ml・mm/(m2・day・atm)である、[1]〜[6]のいずれか一項に記載の易裂性延伸フィルム。
[8]医薬品、化粧品または食品の包装用フィルムである、[1]〜[7]のいずれか一項に記載の易裂性延伸フィルム。
[9][1]〜[7]のいずれか一項に記載の易裂性延伸フィルムを、多層易裂性延伸フィルムの少なくとも一層として有する、多層易裂性延伸フィルム。
[10]医薬品、化粧品または食品の包装用フィルムである、[9]に記載の多層易裂性延伸フィルム。
ポリエステル樹脂(A)が、脂環式炭化水素構造を有するジオールに由来する構成単位を、ポリエステル樹脂(A)を構成するジオール構成単位の全量に対して0.5〜50モル%有するポリエステル樹脂であり、
ポリアミド樹脂(B)が、メタキシリレンジアミンに由来する構成単位を70モル%以上含むジアミン構成単位と、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来する構成単位を70モル%以上含むジカルボン酸構成単位とを有する、ポリアミド樹脂であり、
ポリエステル樹脂(A)およびポリアミド樹脂(B)の配合量が、ポリエステル樹脂(A)およびポリアミド樹脂(B)の合計量を100質量部としたとき、ポリエステル樹脂(A)65〜97質量部に対し、ポリアミド樹脂(B)3〜35質量部であることを特徴としている。
以下、本発明の易裂性延伸フィルムを構成する各成分について具体的に説明する。
ポリエステル樹脂(A)は、脂環式炭化水素構造を有するジオールに由来する構成単位を、ポリエステル樹脂(A)を構成するジオール構成単位の全量に対して0.5〜50モル%有するポリエステル樹脂である。
単環式脂環式炭化水素構造としては、シクロアルカン構造およびシクロアルケン構造が挙げられ、中でも炭素数3〜10のシクロアルカン構造が好ましく、炭素数4〜8のシクロアルカン構造がより好ましく、炭素数4〜6のシクロアルカン構造がさらに好ましい。
多環式脂環式炭化水素構造の具体例としては、ビシクロ[4.4.0]デカン(別名:デカヒドロナフタレン)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(別名:ノルボルネン)、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン(別名:アダマンタン)、トリシクロ(5.2.1.02.6)デカン(別名:テトラヒドロジシクロペンタジエン)、スピロ[5.5]ウンデカン(別名:スピロビシクロヘキサン)等が挙げられる。
脂環式炭化水素構造としては、単環式であることが好ましい。中でも、シクロヘキサン構造が特に好ましい。
R2が1価の脂環基である場合、1価の脂環基としては、例えば、シクロアルキル基などが挙げられる。1価の脂環基の炭素数としては、好ましくは3〜12、より好ましくは6〜9である。
R2が1価の芳香族基である場合、1価の芳香族基としては、例えば、フェニル基、ビフェニル基、およびナフチル基などのアリール基が挙げられる。1価の芳香族基の炭素数としては、好ましくは6〜18、より好ましくは6〜12である。
これらの中でも、易裂性延伸フィルムの透明性の観点から、R2はアルキル基であることが好ましい。また、同様の観点から、bが0であること、即ちシクロヘキサン環がR2により置換されていないことがより好ましい。
置換基としては、例えば、ハロゲン原子(塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子など)、シアノ基、水酸基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基およびアミノ基などが挙げられる。
ポリエステル樹脂(A)中に脂肪族グリコールに由来する構成単位を含む場合、脂肪族グリコールに由来する構成単位の含有量は、ポリエステル樹脂(A)の使用前の乾燥の容易さや成型加工性の観点から、ポリエステル樹脂(A)を構成するジオール構成単位の全量に対して、好ましくは50モル%以上、より好ましくは60モル%以上、より好ましくは65モル%以上である。また、脂肪族グリコールに由来する構成単位の含有量の上限は、ジオール単位の全量に対して好ましくは99.5モル%以下である。
ポリエステル樹脂(A)中に芳香族ジカルボン酸に由来する構成単位を含む場合、芳香族ジカルボン酸に由来する構成単位の含有量は、ポリエステル樹脂(A)を構成するジカルボン酸単位の全量に対して、好ましくは50モル%以上、より好ましくは60モル%以上、さらに好ましくは70モル%以上である。また、芳香族ジカルボン酸単位の含有量の上限は、ジカルボン酸単位の全量に対して好ましくは100モル%以下である。
その中でも、テレフタル酸、イソフタル酸、1,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸等のナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルスルホンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルエーテルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸など、およびそれらの炭素数1〜3の短鎖アルキルエステルが好ましく、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、およびそれらのメチルエステルおよびエチルエステルがより好ましく、テレフタル酸、イソフタル酸およびそれらのメチルエステルがさらに好ましく、テレフタル酸が最も好ましい。
上記の2価の脂肪族基、2価の脂環基、2価の芳香族基の具体例としては、一般式(1)中のR1として例示したものが挙げられ、上記の1価の脂肪族基、1価の脂環基、1価の芳香族基としては、一般式(1)中のR2として例示したものが挙げられる。
ポリエステル樹脂(A)の製造時に使用する重縮合触媒としては、公知の三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等のアンチモン化合物、酸化ゲルマニウムなどのゲルマニウム化合物等が例示できる。また必要に応じて分子量を高めるために従来公知の方法によって固相重合してもよい。
固有粘度が上記の範囲であれば、ポリエステル樹脂の分子量が十分に高く、且つ溶融時の粘度も高くなりすぎないため、成形加工性が良好な樹脂組成物となり得る。また、当該樹脂組成物を用いた成形体の機械的特性も良好となる。
ポリアミド樹脂(B)は、メタキシリレンジアミンに由来する構成単位を70モル%以上含むジアミン構成単位と、α,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来する構成単位を70モル%以上含むジカルボン酸構成単位とを有する、ポリアミド樹脂である。
これらの中でも、優れたガスバリア性に加え、入手容易性の観点から、アジピン酸、セバシン酸、またはこれらの混合物を用いることが好ましい。
炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来する構成単位以外のジカルボン酸構成単位としては、シュウ酸、マロン酸等の炭素数3以下の脂肪族ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸が挙げられる。これらは1種で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
重縮合条件等を調整することで重合度を制御することができる。重縮合時に分子量調整剤として少量のモノアミンやモノカルボン酸を加えてもよい。また、重縮合反応を抑制して所望の重合度とするために、ポリアミド樹脂(B)を構成するジアミン成分とジカルボン酸成分との比率(モル比)を1からずらして調整してもよい。さらに、ポリアミド樹脂(B)の重縮合時には、アミド化反応を促進する効果や、重縮合時の着色を防止する効果を得るために、リン原子含有化合物、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等の公知の添加剤を添加してもよい。
相対粘度=t/t0
本発明の易裂性延伸フィルムを構成する樹脂組成物においては、易裂性の観点から、ポリエステル樹脂(A)中にポリアミド樹脂(B)が分散した海島構造をとることが好ましいが、透明性および易裂性をより高いレベルで両立させるためには、上記の海島構造においてポリアミド樹脂(B)の径を適切な範囲に制御することが重要である。
ポリエステル樹脂(A)中に分散するポリアミド樹脂(B)の径を適切な範囲に制御するためには、相対粘度が2.5以下のポリアミド樹脂(B)を用い、さらに単軸押出機を用いてポリエステル樹脂(A)およびポリアミド樹脂(B)を含む樹脂組成物を混練することが好ましい。
易裂性延伸フィルムの延伸倍率によるが、ポリアミド樹脂(B)の分散粒子が上記の大きさで分散することで透明性と易裂性(直線カット性)の両立が、より好ましい状態で実現できる。
本発明の易裂性延伸フィルムを、多層易裂性延伸フィルムを構成する少なくとも一層として用いる場合、本発明の易裂性延伸フィルムの一層の厚みは、単層で用いる場合と同様の範囲で効果は発現するが、積層する材質の機械物性やガスバリア性、および多層易裂性延伸フィルムの経済的合理性と用途によって適宜決定すればよい。
実施例および比較例で得られた一軸延伸フィルムを、延伸方向(MDまたはTD)を縦方向として、横30mm×縦200mmの短冊にカットし、横の中心に切り込み20mm(ノッチ部分)を入れた(図1(a)参照)。その後、ノッチ部分(グリップ)をつかんで引き裂き(図1(b)参照)、横の中心からの距離をズレ量として測定した。ズレ量が5mm以下の場合を「A」、ズレ量が5mmを超え10mm以下の場合を「B」、ズレ量が10mmを超える、あるいは力を加える方向へのカット性が発現しない場合を「C」とした。
実施例および比較例で得られた未延伸フィルムについて、ASTM D3985に準じて酸素透過係数を測定した。具体的には、酸素透過係数測定装置(モコン社製、商品名「OX−TRAN 2/21」)を用いて、実施例および比較例で得られたフィルムサンプル(厚み50μm)の23℃、60%RH(相対湿度)での環境下における、酸素透過係数(単位:ml・mm/m2・day・atm)を測定した。
実施例および比較例で作製した未延伸フィルム中のポリアミド樹脂(B)の分散粒子の長径平均値L(μm)と短径平均値W(μm)は次のように測定した。
実施例および比較例で作製した未延伸フィルムを切り出し、フィルムの厚み方向、且つMDが断面となるようにエポキシ樹脂に包埋した。
次にウルトラミクロトーム(Boeckeler Instruments製、商品名「CR−X Power Tome XL」)を用いて、包埋した試料から、厚み0.1μmの観察用超薄片を切り出した。作製した超薄切片を塩化ルテニウムで染色した後、銅メッシュ上で電子顕微鏡観察した。染色されたポリアミド樹脂とポリエステル樹脂との濃淡により、分散状態を観察した。
そして、未延伸フィルムの縦5μm、横5μm(面積25μm2)中に存在するポリアミド樹脂の個々の分散粒子について、一番長い部分の両端に2本の平行な接線を引き、その接線間の距離を長径Lとした。次に前記2本の接線と平行な各粒子を横切る線を引き、粒子と重なる部分のうち一番長い線分の長さを測定し、その長さを短径Wとした。このようにして、ポリアミド樹脂の分散粒子の長径L及び短径Wの測定を、50個のポリアミド樹脂の分散粒子に対して行った。
<観察条件>
電子顕微鏡:走査電子顕微鏡、日立ハイテクノロジーズ(株)製、商品名:「S4800」
加速電圧:30kV
電流:10mA
測定倍率:25000倍
測定モード:TEM
実施例および比較例で得られた未延伸フィルムについて、JIS K7105に準じて、5cm×5cmに切り出し、色彩・濁度同時測定器(日本電色工業株式会社製「COH−400」)を用いてヘイズおよび全光線透過率を測定した。
実施例および比較例で得られた未延伸フィルムについて、ヒートシール性の評価を行なった。同一の組成のフィルムを10mm×60mmに2枚切り出し、2枚のフィルムを同一方向に重ね合わせた状態で片方の端部(10mm×10mm)をヒートシールした。ヒートシール条件は、加熱温度を120℃、または150℃とし、加熱時間を1秒、シール圧力を0.2MPaで行なった。ヒートシール性の評価は、ストログラフ((株)東洋精機製作所製)を用いて、シール幅10mmでのヒートシール強度を測定することにより行なった。シール強度が5N/10mm以上の場合を「A」、シール強度が0N/10mmよりも大きく5N/10mmよりも小さい場合を「B」、シール強度が0N/10mm(全く接着しない)の場合を「C」とした。
ポリエステル樹脂(A−1)として、イーストマンケミカル社製「Eastar Copolyester GN001」(非晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂;ジカルボン酸成分:テレフタル酸100モル%、ジオール成分:エチレングリコール65.3モル%、ジエチレングリコール2.5モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール32.2モル%;ガラス転移温度Tg=73℃;固有粘度[η]=0.82dl/g)を用いた。
攪拌機、分縮器、冷却器、温度計、滴下槽および窒素ガス導入管を備えたジャケット付きの50L反応缶に、アジピン酸15kg、次亜リン酸ナトリウム一水和物15gを仕込み、十分窒素置換し、さらに少量の窒素気流下にて180℃に昇温し、アジピン酸を均一に溶融させた後、系内を撹拌しつつ、これにメタキシリレンジアミン13.9kgを、170分を要して滴下した。この間、内温は連続的に245℃まで上昇させた。なお重縮合により生成する水は、分縮器および冷却器を通して系外に除いた。メタキシリレンジアミンの滴下終了後、内温をさらに260℃まで昇温し、1時間反応を継続した後、ポリマーを反応缶下部のノズルからストランドとして取り出し、水冷後ペレット化してポリマーを得た。
次に、上記の操作にて得たポリマーを加熱ジャケット、窒素ガス導入管、真空ラインを備えた50L回転式タンブラーに入れ、回転させつつ系内を減圧にした後、純度99容量%以上の窒素で常圧にする操作を3回行った。その後、窒素流通下にて系内を140℃まで昇温させた。次に系内を減圧にし、さらに190℃まで連続的に昇温し、190℃で30分保持した後、窒素を導入して系内を常圧に戻した後、冷却してポリアミド樹脂(B−1)を得た。得られたポリアミド樹脂(B−1)の相対粘度は2.7であり、融点は237℃であり、ガラス転移点は85℃であった。
攪拌機、分縮器、冷却器、温度計、滴下槽および窒素ガス導入管を備えたジャケット付きの50L反応缶に、アジピン酸15kg、次亜リン酸ナトリウム一水和物15gを仕込み、十分窒素置換し、さらに少量の窒素気流下にて180℃に昇温し、アジピン酸を均一に溶融させた後、系内を撹拌しつつ、これにメタキシリレンジアミン13.8kgを、170分を要して滴下した。この間、内温は連続的に245℃まで上昇させた。なお重縮合により生成する水は、分縮器および冷却器を通して系外に除いた。メタキシリレンジアミンの滴下終了後、内温をさらに260℃まで昇温し、1時間反応を継続した後、ポリマーを反応缶下部のノズルからストランドとして取り出し、水冷後ペレット化してポリマーを得た。
次に、上記操作にて得たポリマーを100℃で48時間真空乾燥することにより乾燥及び結晶化したペレットを得た。得られたポリアミド樹脂(B−2)の相対粘度は2.1であり、融点は237℃であり、ガラス転移点は85℃であった。
ポリエステル樹脂(R−1)として、日本ユニペット(株)製「UNIPET BK−2180」(結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂;ジカルボン酸単位を100モル%としてイソフタル酸単位を1.5モル%含有する;ガラス転移温度Tg=73℃;固有粘度「η」=0.83dl/g)を用いた。
ポリエステル樹脂(A−1)および製造例1で得られたポリアミド樹脂(B−1)または製造例2で得られたポリアミド樹脂(B−2)を表1に記載の組成比でドライブレンドし、Tダイ付き単軸押出機(プラスチック工学研究所製、PTM−25、スクリュー径:25mmφ、L/D=24)を用い、Tダイ法によりシリンダー温度240〜270℃、Tダイ温度270℃、スクリュー回転数70rpm、冷却ロール温度70℃の条件下で製膜し、未延伸フィルム(幅150mm、厚み約50μm)を製造した。
得られた未延伸フィルムを、105℃で1分間予備加熱した後、線延伸速度3000mm/分、横方向(TD)の延伸倍率2.0倍の条件で、横方向に延伸し、厚み約25μmの一軸延伸フィルムを得た。また、上記とは別の未延伸フィルムを、105℃で1分間予備加熱した後、線延伸速度3000mm/分、縦方向(MD)の延伸倍率2.0倍の条件で、縦方向に延伸し、厚み約25μmの一軸延伸フィルムを得た。
得られた未延伸フィルムについて、外観、ガスバリア性およびヒートシール性を評価した。また、得られた一軸延伸フィルムについて、易裂性を評価した。
ポリアミド樹脂(B−1)またはポリアミド樹脂(B−2)を用いなかったことを除いて、実施例と同様にして未延伸フィルムおよび一軸延伸フィルムを作製し、物性を評価した。
ポリエステル樹脂(A−1)の代わりに、ポリエステル樹脂(R−1)を用い、ポリアミド樹脂(B−1)またはポリアミド樹脂(B−2)を用いなかったことを除いて、実施例と同様にして未延伸フィルムおよび一軸延伸フィルムを作製し、物性を評価した。
比較例3
ポリエステル樹脂(A−1)の代わりに、ポリエステル樹脂(R−1)を用いたことを除いて、実施例と同様にして未延伸フィルムおよび一軸延伸フィルムを作製し、物性を評価した。
Claims (10)
- ポリエステル樹脂(A)およびポリアミド樹脂(B)を含む樹脂組成物からなる易裂性延伸フィルムであって、
ポリエステル樹脂(A)が、脂環式炭化水素構造を有するジオールに由来する構成単位を、ポリエステル樹脂(A)を構成するジオール構成単位の全量に対して0.5〜50モル%有するポリエステル樹脂であり、
ポリアミド樹脂(B)が、メタキシリレンジアミンに由来する構成単位を70モル%以上含むジアミン構成単位と、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来する構成単位を70モル%以上含むジカルボン酸構成単位とを有する、ポリアミド樹脂であり、
ポリエステル樹脂(A)およびポリアミド樹脂(B)の配合量が、ポリエステル樹脂(A)およびポリアミド樹脂(B)の合計量を100質量部としたとき、ポリエステル樹脂(A)65〜97質量部に対し、ポリアミド樹脂(B)3〜35質量部である、易裂性延伸フィルム。 - 前記脂環式炭化水素構造が、炭素数3〜10のシクロアルカン構造である、請求項1に記載の易裂性延伸フィルム。
- 前記脂環式炭化水素構造を有するジオール構成単位が、下記一般式(1)で表される化合物に由来するものである、請求項1または2に記載の易裂性延伸フィルム。
[式中、R1は、それぞれ独立して、炭素数1〜10の2価の脂肪族基を示す。R2は、炭素数1〜10の1価の脂肪族基、炭素数3〜12の1価の脂環基および炭素数6〜18の1価の芳香族基からなる群から選ばれる1価の有機基を示す。aは0または1であり、aが0のとき、水酸基OHはシクロヘキサン環に直接結合する。bは、0〜4の整数である。] - 前記α,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸が、アジピン酸、セバシン酸、またはその混合物である、請求項1から3のいずれか一項に記載の易裂性延伸フィルム。
- 前記樹脂組成物が、単軸押出機を用いて混練されたものであり、易裂性延伸フィルムの前駆体である未延伸フィルムの縦方向(MD)の切断面におけるポリアミド樹脂(B)の分散粒子の長径が0.3〜2.0μmであり、短径が0.1〜1.0μmである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の易裂性延伸フィルム。
- ポリアミド樹脂(B)の相対粘度が2.0〜2.5である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の易裂性延伸フィルム。
- 23℃、60%RHでの酸素透過係数が2〜6ml・mm/(m2・day・atm)である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の易裂性延伸フィルム。
- 医薬品、化粧品または食品の包装用フィルムである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の易裂性延伸フィルム。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の易裂性延伸フィルムを、多層易裂性延伸フィルムの少なくとも一層として有する、多層易裂性延伸フィルム。
- 医薬品、化粧品または食品の包装用フィルムである、請求項9に記載の多層易裂性延伸フィルム。
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