JP2018186067A - フッ化物イオン電池 - Google Patents

フッ化物イオン電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2018186067A
JP2018186067A JP2017225841A JP2017225841A JP2018186067A JP 2018186067 A JP2018186067 A JP 2018186067A JP 2017225841 A JP2017225841 A JP 2017225841A JP 2017225841 A JP2017225841 A JP 2017225841A JP 2018186067 A JP2018186067 A JP 2018186067A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
active material
electrode active
positive electrode
fluoride ion
ion battery
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017225841A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6933108B2 (ja
Inventor
秀教 三木
Hidenori Miki
秀教 三木
万純 佐藤
Masumi Sato
万純 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to CN201810342940.7A priority Critical patent/CN108735986B/zh
Priority to US15/954,920 priority patent/US10529988B2/en
Publication of JP2018186067A publication Critical patent/JP2018186067A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6933108B2 publication Critical patent/JP6933108B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

【課題】本開示は、充放電電位が高いフッ化物イオン電池を提供することを主目的とする。【解決手段】本開示は、正極活物質層と、負極活物質層と、上記正極活物質層および上記負極活物質層の間に形成された電解質層とを有するフッ化物イオン電池であって、上記正極活物質層は、CuxS(1≦x≦2)で表される組成を有する正極活物質を含む、フッ化物イオン電池を提供することにより、上記課題を解決する。【選択図】図1

Description

本開示は、フッ化物イオン電池に関する。
高電圧かつ高エネルギー密度な電池として、例えばLiイオン電池が知られている。Liイオン電池は、Liイオンと正極活物質との反応、および、Liイオンと負極活物質との反応を利用したカチオンベースの電池である。一方、アニオンベースの電池として、フッ化物イオン(フッ化物アニオン)の反応を利用したフッ化物イオン電池が知られている。
例えば、特許文献1には、フッ化物イオン電池の正極活物質としてCuが用いられることが開示されている。特許文献1のように、Cuのような金属(Me)のフッ化・脱フッ化反応(MeF+xe⇔Me+xF)により、フッ化物イオン電池の活物質として機能を発現することが知られている。また、特許文献2には、固体電解質としてPbSnFを用いたフッ化物イオン電池が開示されている。
特開2016−038959号公報 特開平05−325973号公報
特許文献1のようにフッ化物イオン電池の正極活物質としてCuを用いることで、フッ化物イオン電池を高容量にできることが知られているが、放電電位が低く、充電によるエネルギーを十分に利用することが困難である。
本開示は、上記課題に鑑みてなされたものであり、充放電電位が高いフッ化物イオン電池を提供することを主目的とする。
上記課題を達成するために、本開示においては、正極活物質層と、負極活物質層と、上記正極活物質層および上記負極活物質層の間に形成された電解質層とを有するフッ化物イオン電池であって、上記正極活物質層は、CuS(1≦x≦2)で表される組成を有する正極活物質を含む、フッ化物イオン電池を提供する。
本開示によれば、正極活物質層が、CuS(1≦x≦2)で表される組成を有する正極活物質を含むことで、充放電電位を高くできる。
上記開示において、上記xは、1.8≦x≦2を満たしても良い。
本開示のフッ化物イオン電池は、充放電電位が高いという効果を奏する。
本開示のフッ化物イオン電池の一例を示す概略断面図である。 実施例1および比較例1で用いた実験装置の模式図である。 実施例1で得られたフッ化物イオン電池の充放電曲線である。 比較例1で得られたフッ化物イオン電池の充放電曲線である。 実施例1および比較例1で得られたフッ化物イオン電池の充放電曲線である。 実施例2および比較例2で得られたフッ化物イオン電池の充放電曲線である。 実施例3、4で得られたフッ化物イオン電池の充放電曲線である。 実施例2(CuS)および実施例4(CuS)の正極活物質に対するXPS測定の結果である。 実施例5〜7および比較例2、3で得られたフッ化物イオン電池の充電電位および充電容量の結果である。
以下、本開示の実施形態におけるフッ化物イオン電池について、詳細に説明する。
本開示の実施形態におけるフッ化物イオン電池は、正極活物質層と、負極活物質層と、上記正極活物質層および上記負極活物質層の間に形成された電解質層とを有する電池であって、上記正極活物質層は、CuS(1≦x≦2)で表される組成を有する正極活物質を含む、電池である。
図1は、本開示のフッ化物イオン電池の一例を示す概略断面図である。図1に示されるフッ化物イオン電池10は、正極活物質層1と、負極活物質層2と、正極活物質層1および負極活物質層2の間に形成された電解質層3と、正極活物質層の集電を行う正極集電体4と、負極活物質層2の集電を行う負極集電体5と、これらの部材を収納する電池ケース6とを有する。
ところで、フッ化物イオン電池は、Liイオン電池に比べて電池電圧が低い。具体的に、Liイオン電池は、最大で5V程度の電池とすることができる。一方、現状のフッ化物イオン電池は、例えば、正極Cu(0.7Vvs.Pb/Pb2+)、負極LaF(−2.4Vvs.Pb/Pb2+)のときに3.1V程度の電池電圧とすることが限界である。電池電圧は、電池の出力およびエネルギー密度に直結する要素である。そのため、より電池電圧の高いフッ化物イオン電池が求められている。
フッ化物イオン電池の電池電圧が低い理由の一つとして、高電位な正極活物質が発見されていないことが挙げられる。現在、フッ化物イオン電池に用いられる正極活物質としては、例えばCu単体が知られている。Cu単体の電位は、0.7Vvs.Pb/Pb2+であり、これを越すような高電位な正極活物質は知られていない。
従来のように正極活物質としてCu単体を用いた場合に、放電電位が低くなる理由の一つとしては、例えば以下のことが推測される。すなわち、充電時に、電子伝導体である正極活物質と固体電解質とが接している面において、固体電解質が酸化分解されて、酸化分解物が生じる。このとき生じる酸化分解物は、フッ化物イオン伝導性を持たない。そのため、酸化分解物によりフッ化物イオンの伝導が阻害されて抵抗が高くなり、このことで、過電圧が大きくなり、放電電位が低くなることが推測される。
これに対し、本開示の発明者等は、高電位な正極活物質としてCuSを発見した。本開示においては、正極活物質としてCuSを含む正極活物質層を用いることで、充放電電位を高くすることができ、結果として、フッ化物イオン電池の高エネルギー密度化、高出力化を図ることができる。正極活物質としてCuSを用いることで、充放電電位を高くできる具体的な理由は明らかになっていないが、次のようなことが推測される。すなわち、本開示においては、正極活物質層が、正極活物質としてCuだけでなくSを含むことで、フッ化物イオン電池の充放電に何らかの影響を与え、結果として理論電位が変化したことが推測される。なお、本開示においては、充放電電位を高くできるが、このときの充放電電位の変化は、フッ化物イオン電池内の抵抗による過電圧によるものではなく、理論的に充放電電位が変化したと言える。これは、後述する実施例の結果から明らかである。具体的には、通常、過電圧による電圧変化の場合には、充電電位が高くなる(高抵抗化)と、放電電位が低下し、一方で、充電電位が低下する(低抵抗化)と、放電電位が高くなる傾向にある。一方、後述する実施例の結果によれば、本開示のフッ化物イオン電池は、充電電位および放電電位のいずれもが高くなる。したがって、本開示のフッ化物イオン電池においては、理論電位が変化したと言える。
以下、本開示のフッ化物イオン電池について、各構成に分けて説明する。
1.正極活物質層
本開示における正極活物質層は、正極活物質を含む層である。また、正極活物質層は、正極活物質の他に、固体電解質、導電化材および結着材の少なくとも一つをさらに含んでいても良い。本開示においては、中でも、固体電解質として、後述する固体電解質の材料をさらに含むことが好ましい。
正極活物質層の厚みは、フッ化物イオン電池の構成に応じて適宜調整することができ、特に限定されない。
(1)正極活物質
本開示における正極活物質は、CuS(1≦x≦2)で表される組成を有する。正極活物質は、フッ化物イオン電池の充電時にフッ素化され、放電時に脱フッ素化される。
CuSにおけるxは、通常、1以上であり、1.3以上であっても良く、1.5以上であっても良く、1.8以上であっても良い。xが小さすぎると、容量が小さくなる可能性がある。一方、CuSにおけるxは、通常、2以下であり、1.9以下であっても良い。xが大きすぎると、電位が低くなる可能性がある。
正極活物質層における正極活物質の含有量は、例えば20重量%以上であっても良く、40重量%以上であっても良く、60重量%以上であっても良い。正極活物質層は、正極活物質として、CuS(1≦x≦2)で表される組成を有する正極活物質のみを含有していても良く、他の正極活物質を含有していても良い。後者の場合、CuS(1≦x≦2)で表される組成を有する正極活物質が、正極活物質の主成分であること(重量比率で最も多いこと)が好ましい。
本開示における正極活物質の形状としては、例えば粒子状(正極活物質粒子)が挙げられる。正極活物質粒子の具体的な形状としては、例えば、真球状、楕円球状等が挙げられる。正極活物質粒子の平均粒子径(D50)は、例えば、10nm以上50μm以下の範囲内であることが好ましく、中でも20nm以上10μm以下の範囲内であることが好ましい。なお、正極活物質粒子の平均粒子径は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察(例えば、n≧20)等により測定することができる。また、BET比表面積の測定値から算出することもできる。
(2)導電化材
正極活物質層における導電化材は、所望の電子伝導性を有することが好ましい。導電化材としては、例えば炭素材料が挙げられる。炭素材料としては、例えば、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック、グラフェン、フラーレン、カーボンナノチューブ等が挙げられる。
(3)固体電解質
正極活物質層における固体電解質の含有量は、例えば、10重量%以上80重量%以下の範囲内とすることができる。
固体電解質についてのその他の事項は、後述する「2.電解質層」の項で説明するため、ここでの記載は省略する。
(4)結着材
結着材としては、化学的、電気的に安定なものであれば特に限定されるものではないが、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系結着材を挙げることができる。
2.電解質層
本開示における電解質層は、正極活物質層および負極活物質層の間に形成される層である。電解質層を構成する電解質は、液体電解質(電解液)であっても良く、固体電解質であっても良い。
本開示における電解液は、例えば、フッ化物塩および有機溶媒を含有する。フッ化物塩としては、無機フッ化物塩、有機フッ化物塩、イオン液体等を挙げることができる。無機フッ化物塩の一例としては、例えば、XF(Xは、Li、Na、K、RbまたはCsである)を挙げることができる。有機フッ化物塩のカチオンの一例としては、テトラメチルアンモニウムカチオン等のアルキルアンモニウムカチオンを挙げることができる。電解液におけるフッ化物塩の濃度は、例えば0.1mol%〜40mol%の範囲内であり、1mol%〜10mol%の範囲内であることが好ましい。
電解液の有機溶媒は、通常、フッ化物塩を溶解する溶媒である。有機溶媒としては、例えば、トリエチレングリコールジメチルエーテル(G3)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(G4)等のグライム、エチレンカーボネート(EC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)等の環状カーボネート、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等の鎖状カーボネート挙げることができる。また、有機溶媒として、イオン液体を用いても良い。
一方、上記固体電解質としては、La、Ce等のランタノイド元素のフッ化物、Li、Na、K、Rb、Cs等のアルカリ元素のフッ化物、Ca、Sr、Ba等のアルカリ土類元素のフッ化物等を挙げることができる。具体的には、LaおよびBaのフッ化物(例えば、La0.9Ba0.12.9)、PbおよびSnのフッ化物等を挙げることができる。本開示においては、固体電解質が、少なくとも、Pb、SnおよびFを含有することが好ましい。このとき、固体電解質は、上述の3つの元素のみを含有していても良く、その他の元素をさらに含有していても良い。他の元素としては、例えば、Smが挙げられる。他の元素を含有する場合は、Pb、SnおよびFを含有する固体電解質をベースに他の元素をドープしても良い。固体電解質におけるFは、通常、キャリアであるフッ化物イオン(F)として機能する。
本開示における固体電解質が、少なくとも、Pb、SnおよびFを含有する場合、固体電解質中の全ての元素の合計に対するPb元素、Sn元素およびF元素の合計の割合は、例えば、70mol%以上であることが好ましく、80mol%以上であることがより好ましく、90mol%以上であることが特に好ましい。また、本開示においては、上記割合が100mol%であっても良い。なお、Pb元素、Sn元素およびF元素の合計の割合は、例えば、ラマン分光法、NMR、XPS等により求めることができる。
本開示における固体電解質は、例えば、一般式Pb1−xSn(0<x<1)で表される組成を有することが好ましい。上記一般式におけるxの値は、0よりも大きく、0.2以上であることが好ましく、0.4以上であることがより好ましい。また、上記一般式におけるxの値は、1よりも小さく、0.6以下であることが好ましい。より具体的な固体電解質としては、例えば、Pb0.4Sn0.6(x=0.6)、Pb0.6Sn0.4(x=0.4)等が挙げられる。本開示においては、中でも、Pb0.6Sn0.4(x=0.4)が好ましい。なお、本開示における固体電解質の組成は、例えば、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析を行うことで確認することができる。
本開示における固体電解質の還元電位は、例えば、0.2V(vs.Pb/PbF)以上であることが好ましく、0.3V(vs.Pb/PbF)以上であることが好ましい。また、固体電解質の酸化電位は、例えば、1.4V(vs.Pb/PbF)以下であることが好ましく、1.3V(vs.Pb/PbF)以下であることが好ましい。固体電解質の還元電位および酸化電位は、例えば、サイクリックボルタンメトリ(CV)により求めることができる。
3.負極活物質層
本開示における負極活物質層は、負極活物質を含む層である。また、負極活物質層は、負極活物質の他に、固体電解質、導電化材および結着材の少なくとも一つをさらに含有していても良い。本開示においては、中でも、固体電解質として、上述した固体電解質の材料をさらに含むことが好ましい。
負極活物質は、通常、放電時にフッ化する活物質である。また、負極活物質には、正極活物質よりも低い電位を有する任意の活物質が選択され得る。そのため、上述した正極活物質を負極活物質として用いても良い。負極活物質としては、例えば、金属単体、合金、金属酸化物、および、これらのフッ化物を挙げることができる。負極活物質に含まれる金属元素としては、例えば、La、Ca、Al、Eu、Li、Si、Ge、Sn、In、V、Cd、Cr、Fe、Zn、Ga、Ti、Nb、Mn、Yb、Zr、Sm、Ce、Mg、Pb等を挙げることができる。中でも、負極活物質は、Mg、MgF、Al、AlF、Ce、CeF、Ca、CaF、Pb、PbFであることが好ましい。なお、上記xは、0よりも大きい実数である。また、負極活物質として、上述した炭素材料およびポリマー材料を用いることもできる。
負極活物質層における負極活物質の含有量は、容量の観点からはより多いことが好ましく、例えば、30重量%以上であり、50重量%以上であることが好ましく、70重量%以上であることがより好ましい。
負極活物質層の厚みは、フッ化物イオン電池の構成に応じて適宜調整することができ、特に限定されない。
導電化材および結着材については、上述した「1.正極活物質層」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
4.その他の構成
本開示のフッ化物イオン電池は、上述した正極活物質層、負極活物質層および電解質層を少なくとも有する。さらに通常は、正極活物質層の集電を行う正極集電体、および、負極活物質層の集電を行う負極集電体を有する。
正極集電体および負極集電体の形状としては、例えば、箔状、メッシュ状、多孔質状等が挙げられる。
5.フッ化物イオン電池
本開示のフッ化物イオン電池は、通常、固体電池である。また、本開示のフッ化物イオン電池は、一次電池であっても良く、二次電池であっても良いが、中でも二次電池であることが好ましい。繰り返し充放電でき、例えば車載用電池として有用だからである。なお、一次電池には、二次電池の一次電池的使用(充電後、一度の放電だけを目的とした使用)も含まれる。また、本開示のフッ化物イオン電池の形状としては、例えば、コイン型、ラミネート型、円筒型および角型等を挙げることができる。また、フッ化物イオン電池に用いられる電池ケースは、特に限定されない。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して本開示をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
(正極活物質)
正極活物質粒子として、CuSを準備した。CuSの平均粒子径(D50)は5μmであった。
(正極合材の作製)
Ar雰囲気のグローブボックス内で、固体電解質として、Pb0.6Sn0.4を作製した。具体的には、PbF、SnFを原料とし、モル比でPbF:SnF=3:2となるように秤量した。得られた原料を、ボールミル機を用いてメカニカルミリングしてPb0.6Sn0.4を得た。また、導電化材として、アセチレンブラックを準備した。重量比で、上述の正極活物質:固体電解質:導電化材=25:70:5で混合し、正極合材を得た。
(二次電池の作製)
正極集電体および負極集電体として、Pb箔を準備した。1cmのセラミックス製の型に、上述した固体電解質を250mg秤量し、1ton/cm(10kg/cm)でプレスして、固体電解質層を作製した。得られた固体電解質層の片側に正極合材10mgを入れ、1ton/cmでプレスすることで、正極活物質層を作製した。正極活物質層および固体電解質層の表面にPb箔を配置した。その後、全体を4ton/cmでプレスした。以上により1cmのペレット状の図2で示されるような二次電池を得た。上記二次電池は、構成として、正極集電体、正極活物質層、固体電解質層、および負極集電体の順に積層された構成を有する。なお、負極活物質層は、固体電解質層と負極集電体との界面で自己形成される。
[比較例1]
正極活物質粒子としてCu単体粒子を用いたこと以外は実施例1と同様にして二次電池を作製した。
[評価]
(充放電試験)
実施例1および比較例1で作製された二次電池について、下記の充放電試験を行った。正極活物質がフッ化され、負極活物質が脱フッ化される過程を「充電」、正極活物質が脱フッ化され、負極活物質がフッ化される過程を「放電」とした。電池はデシケータ内に入れ、真空引きをしながら評価した。測定条件は、充電40μA、放電−20μA、1.3V(vs.Pb/PbF)〜0.3V(vs.Pb/PbF)、デシケータ内の温度140℃で1サイクル行った。充放電曲線を図3、図4に示す。また、図5では、図3および図4の充放電曲線を比較した。
実施例1で得られたフッ化物イオン電池の充放電曲線を示す図3と、比較例1で得られたフッ化物イオン電池の充放電曲線を示す図4とを比較すると、図5に示すように、実施例1で得られたフッ化物イオン電池が、比較例1で得られたフッ化物イオン電池に比べて、充電電位および放電電位ともに高電位を示すことが分かった。このように、実施例1で得られたフッ化物イオン電池の充放電電位が変化したのは、電池内の抵抗による過電圧が原因ではなく、理論的に充放電電位が変化したからと言える。電池内の抵抗による過電圧が原因の場合には、例えば、充電電位が高くなる(高抵抗化)と放電電位は低下し、一方、充電電位が低下する(低抵抗化)と放電電位は高くなる傾向にあるからである。
[実施例2]
正極活物質粒子としてCuSを準備し、固体電解質としてPbFを準備し、導電化材としてアセチレンブラックを準備した。重量比で、正極活物質:固体電解質:導電化材=25:70:5で混合し、300rpm、12時間の条件で、ボールミル機を用いてメカニカルミリングを行い、正極合材を得た。得られた正極合材を用いたこと以外は、実施例1と同様にして二次電池を作製した。
[実施例3]
正極活物質粒子としてCu1.8Sを用いたこと以外は実施例2と同様にして二次電池を作製した。
[実施例4]
正極活物質粒子としてCuSを用いたこと以外は実施例2と同様にして二次電池を作製した。
[比較例2]
正極活物質粒子としてCu単体粒子を用いたこと以外は実施例2と同様にして二次電池を作製した。
[評価]
(充放電試験)
実施例2〜4および比較例2で作製された二次電池について、下記の充放電試験を行った。電池はデシケータ内に入れ、真空引きをしながら評価した。測定条件は、充電40μA、放電−20μA、デシケータ内の温度140℃で1サイクル行った。電圧範囲は、実施例2〜4では、1.4V(vs.Pb/PbF)〜0.4V(vs.Pb/PbF)とし、比較例2では、1.3V(vs.Pb/PbF)〜0.3V(vs.Pb/PbF)とした。充放電曲線を図6、図7に示す。
図6、図7に示すように、実施例2〜4で得られたフッ化物イオン電池は、比較例2で得られたフッ化物イオン電池に比べて、充電電位および放電電位ともに高電位を示すことが分かった。実施例2〜4も、実施例1と同様に、電池内の抵抗による過電圧が原因ではなく、理論的に充放電電位が変化したからと言える。また、実施例3および実施例4は、充電電位および放電電位が実施例2と同程度であるが、実施例2よりも高い容量が得られることが確認された。
(XPS測定)
実施例2(CuS)および実施例4(CuS)で作製された二次電池について、充電前、充電後および放電後の状態で、正極活物質に対してX線光電子分光(XPS)測定を行った。その結果を図8に示す。図8に示すように、実施例2(CuS)では、CuおよびSの両方が価数変化しており、充放電容量に影響を与えることが確認された。同様の傾向が実施例4(CuS)でも確認された。一方、実施例4(CuS)は、実施例2(CuS)に比べて、Cuの価数変化およびSの価数変化が大きく、これらの価数変化が高容量化に寄与していることが示唆された。
[比較例3]
S単体をさらに用い、正極活物質の組成をCuS0.1(Cu10S)に変更したこと以外は、比較例2と同様にして、二次電池を作製した。
[実施例5]
S単体をさらに用い、正極活物質の組成をCuS0.5(CuS)に変更したこと以外は、比較例2と同様にして、二次電池を作製した。
[実施例6]
S単体をさらに用い、正極活物質の組成をCuS0.56(Cu1.8S)に変更したこと以外は、比較例2と同様にして、二次電池を作製した。
[実施例7]
S単体をさらに用い、正極活物質の組成をCuSに変更したこと以外は、比較例2と同様にして、二次電池を作製した。
[評価]
(充放電試験)
実施例5〜7および比較例2、3で作製された二次電池について、下記の充放電試験を行った。電池はデシケータ内に入れ、真空引きをしながら評価した。測定条件は、充電40μA、放電−20μA、1.4V(vs.Pb/PbF)〜0.4V(vs.Pb/PbF)、デシケータ内の温度140℃で1サイクル行った。充放電曲線から、充電電位および充電容量を求めた。その結果を図9に示す。
図9に示すように、実施例5〜7は、比較例2に比べて、高電位であることが確認された。一方、CuSにおけるyの値が大きくなると、充電容量が低下する傾向が見られた。実施例5、6では、充電電位を高くしつつ、充電容量の低下を抑制できることが確認された。
1 … 正極活物質層
2 … 電解質層
3 … 負極活物質層
4 … 正極集電体
5 … 負極集電体
10 … フッ化物イオン電池

Claims (2)

  1. 正極活物質層と、負極活物質層と、前記正極活物質層および前記負極活物質層の間に形成された電解質層とを有するフッ化物イオン電池であって、
    前記正極活物質層は、CuS(1≦x≦2)で表される組成を有する正極活物質を含む、フッ化物イオン電池。
  2. 前記xは、1.8≦x≦2を満たす、請求項1に記載のフッ化物イオン電池。
JP2017225841A 2017-04-24 2017-11-24 フッ化物イオン電池 Active JP6933108B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
CN201810342940.7A CN108735986B (zh) 2017-04-24 2018-04-17 氟化物离子电池
US15/954,920 US10529988B2 (en) 2017-04-24 2018-04-17 Fluoride ion battery

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017085151 2017-04-24
JP2017085151 2017-04-24

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018186067A true JP2018186067A (ja) 2018-11-22
JP6933108B2 JP6933108B2 (ja) 2021-09-08

Family

ID=64356126

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017225841A Active JP6933108B2 (ja) 2017-04-24 2017-11-24 フッ化物イオン電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6933108B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020170656A (ja) * 2019-04-04 2020-10-15 トヨタ自動車株式会社 電解液およびフッ化物イオン電池
JP2020191252A (ja) * 2019-05-23 2020-11-26 トヨタ自動車株式会社 フッ化物イオン電池
CN112018381A (zh) * 2019-05-28 2020-12-01 丰田自动车株式会社 活性物质和氟离子电池
JP2020198215A (ja) * 2019-06-03 2020-12-10 トヨタ自動車株式会社 フッ化物イオン電池

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013145758A (ja) * 2006-03-03 2013-07-25 California Inst Of Technology フッ化物イオン電気化学セル
JP2014501434A (ja) * 2010-12-22 2014-01-20 コンツアー エナジー システムズ インコーポレイテッド フッ化物イオン電池
JP2016038959A (ja) * 2014-08-06 2016-03-22 トヨタ自動車株式会社 フッ化物イオン電池用電解液およびフッ化物イオン電池

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013145758A (ja) * 2006-03-03 2013-07-25 California Inst Of Technology フッ化物イオン電気化学セル
JP2014501434A (ja) * 2010-12-22 2014-01-20 コンツアー エナジー システムズ インコーポレイテッド フッ化物イオン電池
JP2016038959A (ja) * 2014-08-06 2016-03-22 トヨタ自動車株式会社 フッ化物イオン電池用電解液およびフッ化物イオン電池

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020170656A (ja) * 2019-04-04 2020-10-15 トヨタ自動車株式会社 電解液およびフッ化物イオン電池
JP7201514B2 (ja) 2019-04-04 2023-01-10 トヨタ自動車株式会社 電解液およびフッ化物イオン電池
JP2020191252A (ja) * 2019-05-23 2020-11-26 トヨタ自動車株式会社 フッ化物イオン電池
JP7099403B2 (ja) 2019-05-23 2022-07-12 トヨタ自動車株式会社 フッ化物イオン電池
CN112018381A (zh) * 2019-05-28 2020-12-01 丰田自动车株式会社 活性物质和氟离子电池
CN112018381B (zh) * 2019-05-28 2023-12-15 丰田自动车株式会社 活性物质和氟离子电池
JP2020198215A (ja) * 2019-06-03 2020-12-10 トヨタ自動車株式会社 フッ化物イオン電池
JP7088126B2 (ja) 2019-06-03 2022-06-21 トヨタ自動車株式会社 フッ化物イオン電池

Also Published As

Publication number Publication date
JP6933108B2 (ja) 2021-09-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6680175B2 (ja) フッ化物イオン電池
JP6933108B2 (ja) フッ化物イオン電池
JP6852701B2 (ja) 正極活物質およびフッ化物イオン電池
CN109755566B (zh) 正极活性物质和氟化物离子电池
CN108987745B (zh) 正极活性材料和氟化物离子电池
JP2019169467A (ja) マグネシウム二次電池用正極活物質及びそれを用いたマグネシウム二次電池
JP7099403B2 (ja) フッ化物イオン電池
JP2014216299A (ja) ナトリウムイオン二次電池
CN108735986B (zh) 氟化物离子电池
JP2020047526A (ja) 活物質およびフッ化物イオン電池
JP6863223B2 (ja) 正極活物質およびフッ化物イオン電池
CN110492063B (zh) 正极活性材料和氟化物离子电池
JP2018166098A (ja) 負極活物質および電池
JP6885249B2 (ja) フッ化物イオン電池
JP2020194697A (ja) フッ化物イオン電池
JP7147726B2 (ja) 活物質およびフッ化物イオン電池
JP7088126B2 (ja) フッ化物イオン電池
CN112018381B (zh) 活性物质和氟离子电池
US20240250258A1 (en) Positive electrode active material for fluoride ion battery and fluoride ion battery
CN108878882A (zh) 非水二次电池用负极活性物质和非水二次电池
JP2023079855A (ja) 正極活物質およびフッ化物イオン電池
JP2022178410A (ja) フッ化物イオン電池およびその製造方法
JP2021002468A (ja) 正極活物質層
JP2024117964A (ja) フッ化物イオン電池用正極活物質及びフッ化物イオン電池
JP2022133724A (ja) 正極活物質およびフッ化物イオン電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200218

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201216

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201222

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210208

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210720

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210802

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6933108

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151