JP6885249B2 - フッ化物イオン電池 - Google Patents

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Description

本開示は、フッ化物イオン電池に関する。
高電圧かつ高エネルギー密度な電池として、例えばLiイオン電池が知られている。Liイオン電池は、Liイオンをキャリアとして用いるカチオンベースの電池である。一方、アニオンベースの電池として、フッ化物イオンをキャリアとして用いるフッ化物イオン電池が知られている。
例えば、特許文献1には、固体電解質としてPbSnFを用いたフッ化物イオン電池が開示されている。また、特許文献2には、Pb(1−x)Sn(1−y)Zr(x+y)(4+2x+2y)(0<x+y≦0.16)で表されるフッ化物イオン伝導体が開示されている。さらに、特許文献3には、液系フッ化物イオン電池の正極活物質として、MF(Mは金属であり、xは金属Mの価数である)を用いることが開示されている。
特開平05−325973号公報 特開平04−238815号公報 特開2017−010865号公報
特許文献1に記載されているように、正極活物質層に含まれる固体電解質としてPbSnFを用いたフッ化物イオン電池は、充放電容量が低いという課題がある。
本開示は、上記課題に鑑みてなされたものであり、充放電容量が良好なフッ化物イオン電池を提供することを主目的とする。
上記課題を達成するために、本開示においては、正極活物質を含有する正極活物質層と、負極活物質を含有する負極活物質層と、上記正極活物質層および上記負極活物質層の間に形成された固体電解質層と、を有するフッ化物イオン電池であって、上記正極活物質は、フッ化脱フッ化電位が0.3V以上(vs Pb/PbF)の金属元素を含み、上記正極活物質層は、0.3V以上(vs Pb/PbF)1.3V以下(vs Pb/PbF)の電位で作動し、上記正極活物質層は、PbFまたはPbMF(Mは、フッ化脱フッ化電位が0V以下(vs Pb/PbF)である金属元素である。また、xは、0よりも大きい実数である。)で表される固体電解質を含むことを特徴とするフッ化物イオン電池を提供する。
本開示によれば、正極活物質層が、PbFまたはPbMFで表される固体電解質を含むことで、充放電容量が良好なフッ化物イオン電池とすることができる。
本開示は、充放電容量が良好なフッ化物イオン電池とすることができるという効果を奏する。
本開示のフッ化物イオン電池の一例を示す概略断面図である。 正極活物質層に含まれる固体電解質としてPbSnFを用いたときの、本開示の課題を説明するための模式図である。 実施例1〜4および比較例で作製したフッ化物イオン電池を用いた評価セルの構成を示す概略断面図である。 実施例1および比較例で得られた二次電池の充放電試験の結果である。 実施例1および比較例で得られた二次電池の充放電試験の結果である。 実施例1〜4および比較例で得られた二次電池の充放電試験の結果である。
以下、本開示の実施形態におけるフッ化物イオン電池について、詳細に説明する。
図1は、本開示のフッ化物イオン電池の一例を示す概略断面図である。図1に示されるフッ化物イオン電池10は、正極活物質を有する正極活物質層1と、負極活物質を有する負極活物質層2と、正極活物質層1および負極活物質層2の間に形成された固体電解質層3と、を有する。また、正極活物質は、フッ化脱フッ化電位が0.3V以上(vs Pb/PbF)の金属元素を含み、正極活物質層1は、0.3V以上(vs Pb/PbF)1.3V以下(vs Pb/PbF)の電位で作動し、正極活物質層1は、PbFまたはPbMF(Mは、フッ化脱フッ化電位が0V以下(vs Pb/PbF)である金属元素である。また、xは、0よりも大きい実数である。)で表される固体電解質を含む。さらに、図1に示されるフッ化物イオン電池10は、正極活物質層1の集電を行う正極集電体4と、負極活物質層2の集電を行う負極集電体5と、これらの部材を収納する電池ケース6とを有する。
本開示によれば、正極活物質層が、PbFまたはPbMFで表される固体電解質を含むことで、充放電容量が良好なフッ化物イオン電池とすることができる。本開示のフッ化物イオン電池がこのような効果を奏する理由としては、以下のようなことが推測できる。
まず、引用文献1に記載されているPbSnFは、フッ化物イオン伝導性が高いという利点がある。そこで、正極活物質層に含まれる固体電解質としてPbSnFを用いたフッ化物イオン電池の性能について検討した。その結果、本開示の発明者等は、PbSnFを用いたフッ化物イオン電池の充放電容量が、正極理論容量の50%程度しか得られないという新規な課題を発見した。なお、上記課題は、後述する比較例により明らかである。
本開示の発明者等は、上記課題が生じる理由について検討した。これまで、PbSnFは、正極活物質の充放電電位において化学変化しにくいと認識されていた。一方、本開示の発明者等は、PbSnFは単体でほとんど反応しないものの、正極活物質の充放電時に、正極活物質層中の正極活物質(例えばCu)や導電化材(例えばC)と接触することで、Snが副反応することを新たに知見した。Snの副反応が進行した場合には、正極活物質の正反応が阻害されることで、充放電容量が低くなると推測される。ここでいう副反応としては、PbSnF→PbSnF、またはPbSnF→SnFで表される不可逆反応が考えられる。すなわち、副反応が進行した場合、例えば図2(a)、(b)に示すように、正極活物質(図2(a)、(b)においてはCu)と固体電解質(PbSnF)との界面において、比較的イオン伝導性が低い4価のSnIVが生成され、副反応成分であるSnIVが正極活物質(Cu)の正反応(0.7V)を阻害することが、充放電容量が低くなる要因の一つであると推測される。なお、図2(a)、(b)は、正極活物質層に含まれる固体電解質としてPbSnFを用いたときの、上記課題を説明するための模式図であり、図2(b)は、図2(a)における破線で囲った領域の拡大図である。また、図2におけるABは、アセチレンブラックを示す。
そこで、本開示によれば、フッ化物イオン伝導性が高く、かつSnを含まないPbFまたはPbMFで表される固体電解質を、正極活物質層に用いることで、上述した課題を解消し、充放電容量が良好なフッ化物イオン電池を得ることができるという効果を奏する。
以下、本開示のフッ化物イオン電池について、各構成に分けて説明する。
1.正極活物質層
本開示における正極活物質層は、正極活物質を含有する層である。また、正極活物質層は、0.3V以上(vs Pb/PbF)1.3V以下(vs Pb/PbF)の電位で作動し、正極活物質層は、PbFまたはPbMF(Mは、フッ化脱フッ化電位が0V以下(vs Pb/PbF)である金属元素である。また、xは、0よりも大きい実数である。)で表される固体電解質を含む。また、正極活物質層は、正極活物質および固体電解質の他にも、導電化材および結着材を含んでいてもよい。
ここで、本開示において「正極活物質層は、0.3V以上(vs Pb/PbF)1.3V以下(vs Pb/PbF)の電位で作動(し)する」とは、正極活物質層において、0.3V以上(vs Pb/PbF)1.3V以下(vs Pb/PbF)の範囲内における少なくともいずれかの電位で電極反応が生じることをいう。また、本開示において「フッ化脱フッ化電位」とは、サイクリックボルタンメトリ法により測定されるフッ化電位および脱フッ化電位の平均電位である。
本開示において、正極活物質層が作動する電位、いわゆる正極活物質層の作動電位は、0.3V以上(vs Pb/PbF)1.3V以下(vs Pb/PbF)であればよく、中でも0.6V以上(vs Pb/PbF)1V以下(vs Pb/PbF)であってもよい。
(1)正極活物質
本開示における正極活物質は、通常、放電時に脱フッ化する活物質である。正極活物質には、負極活物質よりも高い電位を有する任意の活物質が選択され得る。正極活物質としては、例えば、金属単体、合金、金属酸化物、および、これらのフッ化物が挙げられる。
正極活物質は、フッ化脱フッ化電位が0.3V(vs Pb/PbF)以上の金属元素を含む。具体的には、正極活物質は、フッ化脱フッ化電位が0.6V(vs Pb/PbF)以上の金属元素を含んでいてもよい。なお、フッ化脱フッ化電位は、例えば、サイクリックボルタンメトリ(CV)により求めることができる。フッ化脱フッ化電位の説明は、上述した内容と同様であるため、ここでの記載は省略する。
正極活物質に含まれる金属元素は、上述したフッ化脱フッ化電位を有していればく、一般的なフッ化物イオン電池に用いられるものと同様とすることができる。具体的な金属元素としては、例えば、Cu、Ag、Mn、Rh、V、Ru、Bi、Nb、Sb等が挙げられる。中でも、正極活物質は、Cu、CuF、Bi、BiF、Ag、AgFであることが好ましい。なお、上記xは、0よりも大きい実数である。
本開示における正極活物質は、上述した特定の金属元素のみを含有していてもよく、他の金属元素をさらに含有していてもよい。他の金属元素としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ランタノイド金属等が挙げられる。また、本開示における正極活物質としては、例えば、上述した特定の金属の単体、上述した特定の金属の合金、上述した特定の金属および他の金属を含む合金等が挙げられる。
また、本開示における正極活物質の他の例として、炭素材料、および、そのフッ化物を挙げることができる。炭素材料としては、例えば、黒鉛、コークス、カーボンナノチューブ等を挙げることができる。また、正極活物質のさらに他の例として、ポリマー材料を挙げることができる。ポリマー材料としては、例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリチオフェン等を挙げることができる。
正極活物質中の金属の割合は、例えば、70mol%以上であることが好ましく、中でも80mol%以上であることが好ましく、とくに90mol%以上であることが好ましい。また、正極活物質中の金属の割合は、100mol%であってもよい。なお、上述した金属の割合は、正極活物質全体に対する金属の割合であり、金属が二種以上含まれている場合には、正極活物質全体に対する二種以上の金属の合計の割合である。
正極活物質の形状は、例えば、粒子状であってもよい。具体的な正極活物質の平均粒径(D50)は、10nm以上100nm以下の範囲内、中でも20nm以上60nm以下の範囲内であることが好ましい。なお、平均粒径は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)におる観察(例えば、n≧100)等により測定することができる。また、BET比表面積の測定値から算出することもできる。
正極活物質層における正極活物質の含有量は、容量の観点からはより多いことが好ましく、例えば20重量%以上であり、50重量%以上であることが好ましく、70重量%以上であることがより好ましい。
(2)固体電解質
本開示における正極活物質層は、PbFまたはPbMF(Mは、フッ化脱フッ化電位が0V以下(vs Pb/PbF)である金属元素である。また、xは、0よりも大きい実数である。)で表される固体電解質を含む。
PbMFにおいてMで表す金属元素は、フッ化脱フッ化電位が0V(vs Pb/PbF)以下である金属元素であるため、正極活物質の充放電電位において化学反応を起こしにくい。そのため、例えば固体電解質としてPbSnFを用いたときのように、Snの副反応により正反応が阻害されることを抑制し、十分に正反応を進行させることができる。したがって、充放電容量が良好なフッ化物イオン電池を得ることができる。
PbMFにおいてMで表す金属元素としては、例えば、アルカリ金属、2族〜4族元素、Al、Zn、Ga、In、La、Ce、Cs、Rb、Zr等が挙げられる。また、PbMFにおけるxは、0より大きい実数であり、カチオン部の電荷に応じて適宜変更される。PbMFにおけるxは、例えば、1.5以上3以下であることが好ましい。PbMFの具体例としては、例えば、PbCsF、PbRbF、Pb0.9Zr0.12.2等が挙げられる。なお、従来用いられているPbSnFは、PbMFにおけるMがSnであるが、Snのフッ化脱フッ化電位は0Vより大きい。そのため、本開示におけるPbMFにおけるMは、Snを含まない。
正極活物質層に含まれる固体電解質は、フッ化物イオンをイオン伝導させることが可能な材料である。したがって、固体電解質は良好なイオン伝導性を示すことが好ましい。固体電解質のイオン伝導度は、例えば、25℃の条件下にて10−6S/cm以上を示すことが好ましく、中でも10−5S/cm以上を示すことが好ましい。
正極活物質層中の固体電解質の含有量としては、例えば10重量%以上80重量%の範囲内であることが好ましい。
(3)正極活物質層
本開示における正極活物質層は、上述した正極活物質および固体電解質を含有していればよいが、必要に応じて、例えば導電化材および結着材の少なくとも一つをさらに含有していてもよい。
導電化材としては、所望の電子伝導性を有することが好ましく、例えば、炭素材料が挙げられる。炭素材料としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック、グラフェン、フラーレン、カーボンナノチューブ等が挙げられる。
結着材としては、化学的、電気的に安定なものであれば特に限定されるものではないが、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系結着材、ポリイミド等の炭化水素系結着剤、シリコーン系結着剤を挙げることができる。
正極活物質層の厚みは、フッ化物イオン電池の構成によって大きく異なり、特に限定されない。
2.固体電解質層
本開示における固体電解質層は、正極活物質層および負極活物質層の間に形成される層である。また、本開示における固体電解質層は、少なくとも固体電解質を含む層である。
本開示における固体電解質は、フッ化物イオン電池に用いることが可能な材料であればよく、特に限定されない。本開示における固体電解質としては、例えば、少なくともPb、Sn、およびFを含有する材料が挙げられる。この場合、Fは、通常、キャリアであるフッ化物イオン(F)として機能する。Pb、Sn、およびFを含有する材料(PSF)は、フッ化物イオン伝導度が高く、また柔らかいため電池の充填率を良好にすることができるといった利点を有する。
本開示における固体電解質中の全ての元素の合計に対する、Pb元素、Sn元素およびF元素の合計の割合は、例えば、70mol%以上であることが好ましく、中でも80mol%以上であることが好ましく、特に90mol%以上であることが好ましい。さらに、固体電解質中の全ての元素の合計に対する、Pb元素、Sn元素およびF元素の合計の割合は、100mol%であってもよい。なお、上記Pb元素、Sn元素およびF元素の合計の割合は、例えば、ラマン分光法、NMR、XPS等により求めることができる。さらにまた、固体電解質中のPb元素のモル数およびSn元素のモル数の合計に対する、Sn元素のモル数の割合(Sn/Pb+Sn)の値は、通常、0より大きければよく、中でも0.25以上であることが好ましい。また、上記Sn/Pb+Snの値は、例えば、1.5以下であることが好ましい。また、上記Sn/Pb+Snの値は、1以下であってもよい。
本開示における固体電解質は、例えば、一般式Pb2−xSn(0<x<2)で表される組成を有することが好ましい。上記一般式におけるxの値は、通常、0よりも大きく、0.4以上であることが好ましく、0.6以上であることがより好ましい。また、上記一般式におけるxの値は、通常、2よりも小さく、1.2以下であることが好ましい。より具体的な固体電解質としては、PbSnF(x=1)、Pb1.2Sn0.8(x=0.8)が好ましい。なお、本開示における固体電解質が上記組成を有することは、例えば、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析を行うことで確認することができる。
固体電解質層の厚みは、電池の構成によって大きく異なり、特に限定されない。
3.負極活物質層
本開示における負極活物質層は、負極活物質を含有する層である。
本開示における負極活物質は、通常、放電時にフッ化する活物質である。負極活物質には、正極活物質よりも低い電位を有する任意の活物質が選択され得る。負極活物質としては、例えば、金属単体、合金、金属酸化物、および、これらのフッ化物が挙げられる。負極活物質に含まれる金属元素としては、例えば、Ca、Li、Sn、In、Cr、Fe、Zn、Ga、Ti、Zr、Ce、Mg、Pb等を挙げることができる。
負極活物質層における負極活物質の含有量は、容量の観点からより多いことが好ましく、例えば30重量%以上であり、50重量%以上であることが好ましく、70重量%以上であることが好ましい。
本開示における負極活物質層は、上述した負極活物質を含有していればよいが、必要に応じて、例えば導電化材および結着材の少なくとも一つをさらに含有していてもよい。なお、導電化材および結着材については、上記「1.正極活物質層」の項に記載した導電化材および結着材と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
負極活物質層の厚みは、フッ化物イオン電池の構成によって大きく異なり、特に限定されない。
4.その他の構成
本開示のフッ化物イオン電池は、上述した正極活物質層、固体電解質層および負極活物質層を少なくとも有する。さらに通常は、正極活物質層の集電を行う正極集電体、および負極活物質層の集電を行う負極集電体を有する。集電体の形状としては、例えば、箔状、メッシュ状、多孔質状等が挙げられる。
本開示のフッ化物イオン電池は、充放電を制御する制御部を有していてもよい。制御部としては、例えば、正極活物質層の電位が、0.3V(vs Pb/PbF)未満とならないように、放電を制御する制御部であることが好ましい。また正極活物質層の電位が、1.3V(vs Pb/PbF)よりも大きくならないように、充電を制御する制御部であることが好ましい。
制御部としては、例えば、ECU(Electronic Control Unit)と、PCU(Power Control Unit)とを有していてもよい。ECUとは、外部からの要求(例えば、充電要求または放電要求)と、フッ化物イオン電池の電圧および電流とに基づいて、PCUに充放電の指示(例えば、開始指示または停止指示)を行う。PCUは、放電時には、負荷に対して電力を供給し、充電時には、電源から電力を受給する。
5.フッ化物イオン電池
本開示のフッ化物イオン電池は、一次電池であってもよく、二次電池であってもよいが、中でも、二次電池であることが好ましい。繰り返し充放電でき、例えば車載用電池として有用だからである。なお、一次電池には、二次電池の一次電池的使用(充電後、一度の放電だけを目的とした使用)も含まれる。また、本開示のフッ化物イオン電池の形状としては、例えば、コイン型、ラミネート型、円筒型および角型等が挙げられる。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して本開示をさらに具体的に説明する。
(固体電解質の合成)
原料フッ化物(PbF、SnF、CsF、RbF、ZrF)を化学量論比で秤量し、遊星ボールミルで撹拌後、400℃で焼成した。これにより、PbF、PbCsF、PbRbF、Pb0.9Zr0.12.2を合成した。
[実施例1]
(正極活物質材料の合成)
正極活物質として、Cuナノ粒子を準備し、さらに、導電化材としてアセチレンブラック(AB)を準備した。上述した正極活物質:固体電解質(PbF):AB=25:70:5の重量比(wt%)で、遊星ボールミルで混合して正極活物質材料を調製した。
(二次電池(ハーフセル)の作製)
正極集電体、および負極集電体としてそれぞれPt箔を準備した。1cmのセラミックス製の型に固体電解質(PbSnF)を250mg秤量し、1ton/cm(103kg/cm)でプレスして固体電解質層を作製した。得られた固体電解質層の片側に、上述の正極活物質材料を10mg入れ、1ton/cmでプレスすることで正極活物質層を作製した。正極活物質層および固体電解質層の表面にPt箔を配置した。その後、全体を4ton/cmでプレスした。以上により、1cmのペレット状の二次電池を得た。上記二次電池は、構成として、正極集電体、正極活物質層、固体電解質層、および負極集電体の順に積層された構成を有する。なお、負極活物質層は、固体電解質と負極集電体の界面で自己形成される。具体的には、図3に示す構成を有する。
[実施例2]
正極活物質材料に含まれる固体電解質として、PbCsFを用いたこと以外は、実施例1と同様にして二次電池を作製した。
[実施例3]
正極活物質材料に含まれる固体電解質として、PbRbFを用いたこと以外は、実施例1と同様にして二次電池を作製した。
[実施例4]
正極活物質材料に含まれる固体電解質として、Pb0.9Zr0.12.2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして二次電池を作製した。
[比較例]
正極活物質材料に含まれる固体電解質として、PbSnFを用いたこと以外は、実施例1と同様にして二次電池を作製した。
[評価]
(充放電試験)
実施例1〜4および比較例で得られた二次電池に対して、それぞれ140℃または60℃に加熱したセル中で、真空引きしながら充放電試験を実施した(図3)。充放電試験の条件は、0.3V以上(vs Pb/PbF)1.3V以下(vs Pb/PbF)、充電容量:0.04mA/cm、放電容量:0.02mA/cm、0.03mAの定電流充放電とした。その結果を、図4〜図6に示す。
140℃に加熱したセル中で充放電試験を実施したときの、実施例1および比較例の結果を図4に示す。図4に示すように、正極活物質層に含まれる固体電解質としてPbSnFを用いた比較例では、副反応による不可逆容量が大きく、充放電容量は、正極理論容量(843mA/g)の50%以下であった。一方、正極活物質層に含まれる固体電解質としてPbFを用いた実施例1では、比較例に比べて充放電容量が大幅に向上した。なお、図5に示すように、60℃に加熱したセル中で充放電試験を実施した場合にも、同様の結果が得られた。
140℃に加熱したセル中で充放電試験を実施したときの、実施例1〜4および比較例の結果を図6に示す。図6に示すように、正極活物質層に含まれる固体電解質として、PbFまたはPbMF(Mは、フッ化脱フッ化電位が0V以下(vs Pb/PbF)である金属元素である。また、xは、0よりも大きい実数である。)で表される固体電解質を用いた実施例1〜4では、比較例に比べて充放電容量が大幅に向上した。
1 … 正極活物質層
2 … 固体電解質層
3 … 負極活物質層
4 … 正極集電体
5 … 負極集電体
10 … フッ化物イオン電池

Claims (1)

  1. 正極活物質を含有する正極活物質層と、負極活物質を含有する負極活物質層と、前記正極活物質層および前記負極活物質層の間に形成された固体電解質層と、を有するフッ化物イオン電池であって、
    前記正極活物質は、フッ化脱フッ化電位が0.3V以上(vs Pb/PbF)の金属元素を含み、
    前記正極活物質層は、0.3V以上(vs Pb/PbF)1.3V以下(vs Pb/PbF)の電位で作動し、
    前記正極活物質層は、固体電解質を含み、前記固体電解質が、PbCsF 、PbRbF およびPb 0.9 Zr 0.1 2.2 の少なくとも一種であることを特徴とするフッ化物イオン電池。
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