JP6702142B2 - フッ化物イオン電池 - Google Patents

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Description

本発明は、フッ化物イオン電池に関する。
高電圧かつ高エネルギー密度な電池として、例えばLiイオン電池が知られている。Liイオン電池は、Liイオンと正極活物質との反応、及び、Liイオンと負極活物質との反応を利用したカチオンベースの電池である。一方、アニオンベースの電池として、フッ化物イオン(フッ化物アニオン)の反応を利用したフッ化物イオン電池が知られている。
例えば、特許文献1には、フッ化物イオン電池の正極活物質としてCuが用いられることが開示されている。特許文献1のように、Cuのような金属(M)のフッ化・脱フッ化反応(MeF+xe⇒Me+xF)により、フッ化物イオン電池の活物質として機能を発現することが知られている。また、特許文献2には、固体電解質としてPbSnFを用いたフッ化物イオン電池が開示されている。
特開2016−062821号公報 特開平05−325973号公報
特許文献1のようにフッ化物イオン電池の正極活物質としてCuを用いることで、フッ化物イオン電池を高容量にできることが知られているが、放電電位が低く、充電によるエネルギーを十分に利用することが困難である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、従来のCu単体を正極活物質に用いたフッ化物イオン電池よりも放電電位を高くできるフッ化物イオン電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明においては、正極活物質層と、固体電解質層とを少なくとも有し、上記正極活物質層は、Cu及びSnを主体とする正極活物質粒子を含み、上記固体電解質層は、Pb、Sn及びFを含有する固体電解質を含む、フッ化物イオン電池を提供する。
本発明によれば、CuとSnを有する正極活物質粒子を含むことで、放電時の放電電位を高くできる。
本発明のフッ化物イオン電池は、従来のCu単体を正極活物質に用いたフッ化物イオン電池よりも放電電位を高くできるフッ化物イオン電池とすることができる。
本発明のフッ化物イオン電池の一例を示す概略断面図である。 本発明のフッ化物イオン電池の他の例を示す概略断面図である。 実施例1〜3及び比較例で用いた実験装置の模式図である。 実施例1で用いた正極活物質粒子のXRD測定結果である。 実施例2で用いた正極活物質粒子のXRD測定結果である。 実施例3で用いた正極活物質粒子のXRD測定結果である。 比較例で用いた正極活物質粒子のXRD測定結果である。 実施例1〜3及び比較例の二次電池を用いて充放電試験を行った時の放電曲線である。
以下、本発明の実施形態におけるフッ化物イオン電池の詳細を説明する。
本発明の実施形態におけるフッ化物イオン電池は、正極活物質層と、固体電解質層とを少なくとも有し、上記正極活物質層は、Cu及びSnを主体とする正極活物質粒子を含み、上記固体電解質層は、Pb、Sn及びFを含有する固体電解質を含む。
本発明において、「Cu及びSnを主体とする正極活物質粒子」とは、正極活物質粒子が少なくともCu及びSnを有し、且つ、正極活物質粒子を構成する全ての金属元素のモル数をXとし、正極活物質粒子を構成するCu元素のモル数をAとし、正極活物質粒子を構成するSn元素のモル数をBとしたとき、(A+B)/Xが0.5以上であることを意味する。
図1は、本発明のフッ化物イオン電池の一例を示す概略断面図である。図1に示すように、本発明のフッ化物イオン電池10は、正極活物質層1と、固体電解質層2とを少なくとも有し、固体電解質層2は、Pb、Sn及びFを含有する固体電解質2aを含み、正極活物質層1は、少なくともCu及びSnを有し、且つ、Cu及びSnを主体とする正極活物質粒子を含有する。このように、負極活物質層を有しないフッ化物イオン電池の構成では、固体電解質層2の表面に負極集電体5が配置され、正極活物質層1の固体電解質層2と反対側の表面に正極集電体4が配置される。
図2は、フッ化物イオン電池10が、負極活物質層3をさらに有し、正極活物質層1及び負極活物質層3の間に固体電解質層2が形成された例を示している。フッ化物イオン電池10は、通常、正極活物質層1の集電を行う正極集電体4と、負極活物質層3の集電を行う負極集電体5とをさらに有する。
なお、図1のような、電池作製時に負極活物質層を有しないフッ化物イオン電池10においては、初回充電時に、固体電解質層2と負極集電体5との界面で、固体電解質2aが脱フッ化して負極活物質が生成される反応が生じ、図2に示されるように、負極活物質層3が自己形成される。
従来のように正極活物質粒子としてCu単体粒子を用いると放電電位が低い理由の1つは、推定ではあるが、以下のように考えられる。充電時に、電子伝導体である正極活物質粒子と固体電解質とが接している面において、固体電解質が酸化分解されて、酸化分解物が生じると推定される。その酸化分解物はフッ化物イオン伝導性を持たないため、フッ化物イオンの伝導が阻害されて抵抗が高くなることで、過電圧が大きくなり、放電電位が低下すると推定される。
これに対し、本発明においては、特定の理論に束縛されるものではないが、正極活物質粒子中にCuと共にSnが存在することにより、固体電解質とCuの間において固体電解質の酸化を抑制し、酸化分解物による抵抗増加を抑制できると考えられる。また、CuとSnが合金化、又は固溶化することで、正極活物質粒子中でのフッ化物イオン伝導性が向上すると考えられる。以上の理由から正極活物質粒子がCuとSnとを主体として含有することで放電電位を向上させることができると推定される。
以下、本発明のフッ化物イオン電池の実施形態における各構成の詳細を説明する。
1.正極活物質層
本発明における正極活物質層は、少なくとも正極活物質粒子を含む層である。また、正極活物質層は、正極活物質粒子の他に、固体電解質、導電化材及び結着材をさらに含んでいても良い。中でも、本発明においては、固体電解質として、後述する固体電解質の材料をさらに含むことが好ましい。
本発明における正極活物質粒子は、少なくともCu及びSnを含有し、且つ、Cu及びSnを主体として含有する。Cuは価数として2価までとり得ることから、電極反応においては1個のCuに対し、2個の電子を反応させる(2個の電子を動かす)ことができるため、高容量の電池とすることが期待できる。さらに、Cuは比較的、安全、安定、安価であり、電子伝導性が高いといった利点も有する。
本発明の実施形態における正極活物質粒子は、上述したCuとSn以外に、他の金属元素をさらに含有していても良い。他の金属としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ランタノイド金属等を挙げることができる。具体的な活物質としては、Ag、Co、Mn、Cu、W、またはVの単体、これらの金属の合金を挙げることができる。
正極活物質粒子を構成する全ての金属元素のモル数をXとし、正極活物質粒子を構成するCu元素のモル数をAとし、正極活物質粒子を構成するSn元素のモル数をBとしたとき、(A+B)/Xが0.5より大きくてもよく、0.7以上であってもよく、0.9以上であってもよい。また、正極活物質粒子がCu及びSnのみで構成されていてもよい。なお、正極活物質粒子を構成する全ての金属元素に対するCu元素とSn元素との合計の含有割合は、例えば、ラマン分光法、NMR、XPS等により求めることができる。
正極活物質粒子の形状は、例えば、真球状、楕円球状等を挙げることができる。正極活物質粒子の平均粒径(D50)は、10nm〜100nmの範囲内であることが好ましく、中でも、20nm〜60nmの範囲内であることが好ましい。なお、平均粒径は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察(例えば、n≧20)等により測定することができる。また、BET比表面積の測定値から算出することもできる。
正極活物質粒子中のCu及びSnを含有する形態としては、特に限定はされないが、Snを含有する化合物をCu粒子に被覆する形態、CuとSnとの合金を正極活物質粒子として用いる形態などが挙げられる。
Snを含有する化合物をCu粒子に被覆する形態としては、特に限定はされないが、フッ化物イオン伝導性が高いという観点から、Snを含有するフッ化物を被覆するのが好ましい。具体的にはSnFが好ましい。Snを含有するフッ化物以外にも、フッ化物イオン伝導性が高い、Laのフッ化物、Ceのフッ化物、Caのフッ化物等を含有していてもよい。具体的には、LaF、CeF、CaF等が挙げられる。
本発明の実施形態のSnを含有する化合物において、Cu粒子の表面に対するSnを含有する化合物の被覆率は、例えば、20%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましく、70%以上であることがさらに好ましく、100%であっても良い。Snを含有する化合物の被覆率の測定方法としては、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)及びX線光電子分光法(XPS)等を挙げることができる。
Snを含有する化合物の平均厚さは、例えば、0.5nm以上であることが好ましく、1nm以上であることが好ましく、10nm以上であることが好ましい。また、Snを含有する化合物の厚さは、例えば、30nm以下であることが好ましく、20nm以下であることが好ましく、15nm以下であることが好ましい。また、Snを含有する化合物の平均厚さの測定方法としては、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)等を挙げることができる。また、正極活物質粒子の平均粒径及び原料の重量比から求めることもできる。
CuとSnとの合金を正極活物質粒子として用いる形態は、Cu元素のモル数(A)及びSn元素のモル数(B)の合計に対する、Cu元素のモル数(A)の割合(A/A+B)の値は、特に限定はされないが、0.5以上が好ましく、0.7以上が好ましく、0.9以上が好ましい。また、A/A+Bの値は、1より小さい。Cuによる高容量にできる利点を活かしながら、Snによる放電電位を向上させることができるからである。
また、正極活物質層における正極活物質粒子の含有量は、容量の観点からはより多いことが好ましく、例えば20重量%以上であり、50重量%以上であることが好ましく、70重量%以上であることがより好ましい。
導電化材としては、所望の電子伝導性を有するものであれば特に限定されないが、例えば炭素材料を挙げることができる。炭素材料としては、例えば、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック、グラフェン、フラーレン、カーボンナノチューブ等を挙げることができる。
正極活物質層中の固体電解質の含有量としては、例えば、10重量%〜80重量%の範囲内であることが好ましい。また、正極活物質層の厚さは、電池の構成によって大きく異なるものであり、特に限定されるものではない。
2.固体電解質層
本発明の固体電解質層はPb、Sn、及びFを含有する固体電解質を含む。
本発明の実施形態における固体電解質は、少なくとも、Pb、Sn、及びFを含有していればよく、上述の3つの元素のみを含有していても良く、他の元素をさらに含有していても良い。他の元素としては、例えば、Sm等を挙げることができる。他の元素を含有する場合は、Pb、Sn、及びFを含有する固体電解質をベースに他の元素をドープしても良い。固体電解質におけるFは、通常、キャリアであるフッ化物イオン(F)として機能する。
本発明の実施形態における固体電解質中の全ての元素の合計に対する、Pb元素、Sn元素及びF元素の合計の割合は、例えば、70mol%以上であることが好ましく、80mol%以上であることがより好ましく、90mol%以上であることが好ましく、100mol%であっても良い。なお、上記Pb元素、Sn元素及びF元素の合計の割合は、例えば、ラマン分光法、NMR、XPS等により求めることができる。
本発明の実施形態における固体電解質は、例えば、一般式Pb1−xSn(0<x<1)で表される組成を有することが好ましい。上記一般式におけるxの値は、0よりも大きく、0.2以上であることが好ましく、0.4以上であることがより好ましい。また、上記一般式におけるxの値は、1よりも小さく、0.6以下であることが好ましい。より具体的な固体電解質としては、Pb0.4Sn0.6(x=0.6)、Pb0.6Sn0.4(x=0.4)等を挙げることができる。本発明においては、中でも、Pb0.6Sn0.4(x=0.4)が好ましい。なお、本発明における固体電解質の組成は、例えば、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析を行うことで確認することができる。
本発明の実施形態における固体電解質の還元電位は、例えば、0.2V(vs.Pb/PbF)以上であることが好ましく、0.3V(vs.Pb/PbF)以上であることがより好ましい。また、固体電解質の酸化電位は、例えば、1.4V(vs.Pb/PbF)以下であることが好ましく、1.3V(vs.Pb/PbF)以下であることがより好ましい。固体電解質の還元電位及び酸化電位は、例えば、サイクリックボルタンメトリ(CV)により求めることができる。
3.負極活物質層
本発明の実施形態における負極活物質層は、少なくとも負極活物質を含有する層である。また、負極活物質層は、負極活物質の他に、導電化材及び結着材をさらに含有していても良い。また、本発明においては、負極活物質層が、固体電解質層中の固体電解質に由来するものであっても良い。具体的には、固体電解質に含有される金属元素等を、充電時(初回充電時)に析出させることにより得られたものであっても良い。
負極活物質としては、上述した正極活物質粒子よりも、卑な電位を有する活物質であれば特に限定されず、例えば、Pbを挙げることができる。
導電化材及び結着材については、上述した「1.正極活物質層」における材料と同様の材料を用いることができる。また、負極活物質層における負極活物質の含有量は、容量の観点からはより多いことが好ましく、例えば30重量%以上であり、50重量%以上であることが好ましく、70重量%以上であることがより好ましい。また、負極活物質層の厚さは、電池の構成によって大きく異なるものであり、特に限定されるものではない。
4.フッ化物イオン電池
本発明のフッ化物イオン電池は、上述した正極活物質層及び固体電解質層を少なくとも有し、負極活物質層を有しても良い。さらに通常は、正極活物質層の集電を行う正極集電体、及び、負極活物質層の集電を行う負極集電体を有する。正極集電体及び負極集電体としては、例えば、SUS、Cu、Ni、Al、Fe、Pt、Pb等を挙げることができる。集電体の形状としては、例えば、箔状、メッシュ状、多孔質状等を挙げることができる。
本発明の実施形態におけるフッ化物イオン電池は、通常、固体電池である。また、本発明のフッ化物イオン電池は、一次電池であっても良く、二次電池であっても良いが、中でも、二次電池であることが好ましい。繰り返し充放電でき、例えば車載用電池として有用だからである。なお、一次電池には、二次電池の一次電池的使用(充電後、一度の放電だけを目的とした使用)も含まれる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
(正極活物質粒子の合成)
正極活物質粒子として、SnFでコートしたCu粒子を、熱プラズマ法を用いて合成した。原料として、Cu100gと、SnF10gとを用いた。この時、Cu粒子の粒子径は30nm、SnFコートの厚さは0.7nm程度であった。
(正極合材の作製)
Ar雰囲気下のグローブボックス内で、固体電解質として、Pb0.6Sn0.4を作製した。具体的には、PbF、 SnFを原料とし、モル比でPbF:SnF=3:2となるように秤量した。得られた原料をメカニカルミリングした後、400℃で熱処理することによりPb0.6Sn0.4を得た。また、導電化材として、アセチレンブラックを準備した。重量比で、上述の正極活物質:固体電解質:導電化材=25:70:5で混合し、正極合材を得た。
(二次電池の作製)
正極集電体及び負極集電体として、それぞれPb箔を準備した。 1cmのセラミックス製の型に上記固体電解質を250mg秤量し、1ton/cm(10kg/cm)でプレスして固体電解質層を作製した。得られた固体電解質層の片側に正極合材10mgを入れ、1ton/cmでプレスすることで正極活物質層を作製した。正極活物質層及び固体電解質層の表面にPb箔を配置した。その後、全体を4ton/cmでプレスした。以上により、1cmのペレット状の図3で示されるような二次電池を得た。上記二次電池は、構成として、正極集電体、正極活物質層、固体電解質層、及び負極集電体の順に積層された構成を有する。なお、負極活物質層は、固体電解質と負極集電体の界面で自己形成される。
[実施例2]
正極活物質粒子として、41Cu−11Snで表される合金を用いたこと以外は実施例1と同様にして二次電池を作製した。ここで、41Cu−11Snは、CuとSnのモル比がCu:Sn=41:11である合金を示す。
[実施例3]
正極活物質粒子として、6Cu−5Snで表される合金を用いたこと以外は実施例1と同様にして二次電池を作製した。ここで、6Cu−5Snは、CuとSnのモル比がCu:Sn=6:5である合金を示す。
[比較例]
正極活物質粒子として、Cu単体粒子(Sn無し)を用いたこと以外は実施例1と同様にして二次電池を作製した。
[評価]
(XRD測定)
実施例1〜3及び比較例で得られた正極活物質粒子を用いて、X線回折測定(CuKα線使用)を行った。その結果を図4〜図7に示す。図4において、実施例1で得られた正極活物質粒子はCu及びSnFに帰属される2θ=25.4±0.5、43.3±0.5、50.5±0.5、74.0±0.5のピークが確認され、実施例1で得られた正極活物質粒子がSnFとCuを有することが確認された。図5において、実施例2で得られた正極活物質粒子は41Cu−11Snに帰属される2θ=25.8±0.5、42.6±0.5、62.0±0.5、78.2±0.5のピークが確認され、実施例2で得られた正極活物質粒子が41Cu−11Snを有することが確認された。図6において、実施例3で得られた正極活物質粒子は6Cu−5Snに帰属される2θ=30.0±0.5、35.0±0.5、43.0±0.5、53.0±0.5のピークが確認され、実施例3で得られた正極活物質粒子が6Cu−5Snを有することが確認された。図7において、比較例で得られた正極活物質粒子はCuに帰属される2θ=43.3±0.5、50.5±0.5、74.1±0.5のピークが確認され、比較例で得られた正極活物質粒子がCuであることが確認された。
(充放電試験)
実施例1〜3及び比較例で作製された二次電池について、下記の充放電試験を行った。正極がフッ化され、負極が脱フッ化される過程を「充電」、正極が脱フッ化され、負極がフッ化される過程を「放電」とした。電池はデシケータ内に入れ、真空引きしながら評価を行った。測定条件は、充電40μA、放電−20μA、1.3V(vs.Pb/PbF)〜0.3V(vs.Pb/PbF)、デシケータ内の温度140℃で1サイクル行った。容量維持率の結果を図8に示す。
図8は、縦軸に放電電位(vs.Pb/PbF)であり、横軸が容量(mAh)を示す。実施例1〜3の正極活物質粒子の放電電位はそれぞれ0.72V(vs.Pb/PbF)、0.72V(vs.Pb/PbF)、0.72V(vs.Pb/PbF)であり、比較例1のCu単体粒子を用いた正極活物質粒子の放電電位は0.68V(vs.Pb/PbF)であった。すなわち、Snを有する実施例1〜3の正極活物質粒子は、比較例の正極活物質粒子に比べて、放電電位が約0.04V(vs.Pb/PbF)高くなった。
比較例では、充電により、正極活物質層中の固体電解質は、Cu単体粒子との界面において酸化分解され、酸化分解物が生じると推定される。そして、酸化分解物は、フッ化物イオンの伝導を阻害し、抵抗が高くなると推定される。一方、実施例1の正極活物質粒子では、CuとSnFとの界面付近でCuとSnが固溶化し、また、実施例2〜3の正極活物質粒子では、CuとSnが合金化されたことで、Cu粒子及び固体電解質の界面における固体電解質の酸化分解が抑制されたと推測される。また、CuとSnの固溶及び合金化により、フッ化物イオン伝導性が向上したと推測される。以上のことから、正極活物質粒子にCuとSnを含有することで放電電位が高くなったと推測される。
10 … フッ化物イオン電池
1 … 正極活物質層
2 … 固体電解質層
2a … 固体電解質
3 … 負極活物質層
4 … 正極集電体
5 … 負極集電体

Claims (1)

  1. 正極活物質層と、固体電解質層とを少なくとも有し、
    前記正極活物質層は、Cu及びSnを主体とする正極活物質粒子を含み、
    前記正極活物質粒子は、Cu粒子がSnを含有する化合物により被覆されたもの、又は、Cuモル量がSnモル量に対して1.2倍〜3.7(41/11)倍であるCuとSnとの合金であり、
    前記固体電解質層は、Pb、Sn及びFを含有する固体電解質を含む、フッ化物イオン電池。
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