JP2018185432A - 液体現像剤 - Google Patents
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Abstract
Description
〔1〕 ポリエステル系樹脂を含む結着樹脂と着色剤を含有するトナー粒子、分散剤、及び絶縁性液体を含有する液体現像剤であって、
(i)前記液体現像剤の固形分濃度45質量%における25℃での粘度が100mPa・s以下であること、
(ii)前記液体現像剤の固形分濃度45質量%における導電率が1.0×10-10S/m以下であること、及び
(iii)前記トナー粒子の体積中位粒径が1μm以上3μm以下であること
を満足する、液体現像剤、並びに
〔2〕 前記〔1〕記載の液体現像剤の製造方法であって、
工程1:ポリエステル系樹脂を含む結着樹脂及び着色剤を溶融混練し、粉砕してトナー粒子を得る工程、
工程2:工程1で得られたトナー粒子と分散剤を混合し、絶縁性液体中に分散させ、トナー粒子分散液を得る工程、及び
工程3:工程2で得られたトナー粒子分散液を湿式粉砕し、液体現像剤を得る工程
を含む、液体現像剤の製造方法
に関する。
液体現像システムでは、貯蔵タンク内に貯めた液体現像剤中のトナー粒子は、アニロックスローラーを介し現像ローラー上で成膜される。このとき液体現像剤は高固形分化するため、増粘を起こし均一な成膜が困難となる場合がある。また高固形分化により絶縁性液体の含有量が減少するため、導電率が上昇する傾向にあり、トナー粒子の正確な電気泳動が阻害される場合がある。
そこで、本発明者らが鋭意検討を行った結果、下記(i)〜(iii)の要件を満足する場合に、現像ローラー上での成膜性が良好かつ現像性が良好となることを見出した。45質量%という高い固形分濃度は現像ローラー上で高固形分化した状態に近く、この濃度における物性を制御することが重要である。
さらに、前記の粘度の液体現像剤や粒径のトナーは紙状に転写された際にもトナー粒子が適度な粒子間距離で均一な膜を形成するため、加熱時に速やかに凝集し低温定着性に優れると考えられる。
液体現像剤の固形分濃度45質量%における25℃での粘度は、液体現像剤のローラー上での増粘を抑制し成膜性を向上させる観点から、100mPa・s以下であり、好ましくは90mPa・s以下、より好ましくは80mPa・s以下、さらに好ましくは70mPa・s以下であり、そして、トナーの低温定着性の観点から、好ましくは40mPa・s以上、より好ましくは50mPa・s以上、さらに好ましくは60mPa・s以上である。
液体現像剤の固形分濃度45質量%における導電率は、現像性及び画質の観点から、1.0×10-10S/m以下であり、好ましくは9.5×10-11S/m以下、より好ましくは8.0×10-11S/m以下である。
液体現像剤中のトナー粒子の体積中位粒径(D50)は、液体現像剤のローラー上での増粘を抑制し成膜性を向上させる観点から、1μm以上であり、好ましくは1.3μm以上、より好ましくは1.6μm以上であり、そして、液体現像剤の画質を向上させる観点、トナー粒子の現像性及び低温定着性の観点から、3μm以下であり、好ましくは2.7μm以下、より好ましくは2.4μm以下である。
で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。炭素数2以上20以下の脂肪族ジオールとして、具体的には、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール等が挙げられる。
即ち、本発明においてポリエステル樹脂は、2価以上のアルコールを含むアルコール成分と2価以上のカルボン酸系化合物を含むカルボン酸成分との重縮合物であって、3価以上のカルボン酸系化合物の含有量が、アルコール成分100モルに対して、好ましくは5モル以上、より好ましくは10モル以上であり、そして、好ましくは40モル以下、より好ましくは40モル未満、さらに好ましくは35モル以下、さらに好ましくは30モル以下、さらに好ましくは20モル以下である重縮合物が好ましい。
工程1:ポリエステル系樹脂を含む結着樹脂及び着色剤を溶融混練し、粉砕してトナー粒子を得る工程、
工程2:工程1で得られたトナー粒子と分散剤を混合し、絶縁性液体中に分散させ、トナー粒子分散液を得る工程、及び
工程3:工程2で得られたトナー粒子分散液を湿式粉砕し、液体現像剤を得る工程
を含む方法により製造することが好ましい。
(i)前記液体現像剤の固形分濃度45質量%における25℃での粘度が100mPa・s以下であること、
(ii)前記液体現像剤の固形分濃度45質量%における導電率が1.0×10-10S/m以下であること、及び
(iii)前記トナー粒子の体積中位粒径が1μm以上3μm以下であること
を満足する、液体現像剤。
<3> ポリアルキレンイミンが、エチレンの平均付加モル数が2以上5以下であるポリエチレンイミンである、前記<2>記載の液体現像剤。
<4> 炭化水素基含有化合物が、炭素数が、好ましくは35以上、より好ましくは50以上であり、好ましくは200以下、より好ましくは150以下、さらに好ましくは100以下であるポリオレフィン骨格を有する、前記<2>又は<3>記載の液体現像剤。
<5> ポリオレフィン骨格が、ポリイソブテン骨格及び/又はポリプロピレン骨格、好ましくはポリイソブテン骨格である、前記<4>記載の液体現像剤。
<6> ポリエステル系樹脂が、ポリエステル樹脂又はポリエステル樹脂とスチレン系樹脂とを含有する複合樹脂である、前記<1>〜<5>いずれか記載の液体現像剤。
<7> ポリエステル樹脂が、2価以上のアルコールを含むアルコール成分と2価以上のカルボン酸系化合物を含むカルボン酸成分との重縮合物である、前記<6>記載の液体現像剤。
<8> ポリエステル系樹脂の酸価が、15mgKOH/g以上、好ましくは30mgKOH/g以上であり、60mgKOH/g以下、好ましくは45mgKOH/g以下である、前記<1>〜<7>いずれか記載の液体現像剤。
<9> 絶縁性液体が、炭化水素系絶縁性液体、好ましくは脂肪族炭化水素系溶媒、より好ましくはポリイソブテンを含有する、前記<1>〜<8>いずれか記載の液体現像剤。
<10> 絶縁性液体の25℃における粘度が、1mPa・s以上、好ましくは1.5mPa・s以上であり、100mPa・s以下、好ましくは50mPa・s以下、より好ましくは20mPa・s以下、さらに好ましくは10mPa・s以下、さらに好ましくは5mPa・s以下である、前記<1>〜<9>いずれか記載の液体現像剤。
<11> 液体現像剤の固形分濃度が、10質量%以上、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上であり、45質量%以下、好ましくは42質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である、前記<1>〜<10>いずれか記載の液体現像剤。
<12> 固形分濃度が25質量%の液体現像剤の25℃における粘度が、3mPa・s以上、好ましくは5mPa・s以上、より好ましくは6mPa・s以上、さらに好ましくは7mPa・s以上であり、50mPa・s以下、好ましくは40mPa・s以下、より好ましくは37mPa・s以下、さらに好ましくは35mPa・s以下、さらに好ましくは32mPa・s以下、さらに好ましくは28mPa・s以下、さらに好ましくは24mPa・s以下、さらに好ましくは20mPa・s以下、さらに好ましくは16mPa・s以下である、前記<1>〜<11>いずれか記載の液体現像剤。
<13> 前記<1>〜<12>いずれか記載の液体現像剤の製造方法であって、
工程1:ポリエステル系樹脂を含む結着樹脂及び着色剤を溶融混練し、粉砕してトナー粒子を得る工程、
工程2:工程1で得られたトナー粒子と分散剤を混合し、絶縁性液体中に分散させ、トナー粒子分散液を得る工程、及び
工程3:工程2で得られたトナー粒子分散液を湿式粉砕し、液体現像剤を得る工程
を含む、液体現像剤の製造方法。
フローテスター「CFT-500D」((株)島津製作所製)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/minで加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出す。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
示差走査熱量計「DSC210」(セイコー電子工業(株)製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/minで0℃まで冷却する。次に試料を昇温速度10℃/minで昇温し、吸熱ピークを測定する。吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とする。
JIS K0070の方法により測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更する。
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター(株)製)
アパチャー径:100μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター(株)製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター(株)製)
分散液:電解液にエマルゲン109P(花王(株)製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB(グリフィン):13.6)を溶解して5質量%に調整したもの
分散条件:前記分散液5mLに測定試料10mgを添加し、超音波分散機(機械名:(株)エスエヌディー製US-1、出力:80W)にて1分間分散させる。その後、前記電解液25mLを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を調製する。
測定条件:前記電解液100mLに、3万個の粒子の粒径を20秒間で測定できる濃度となるように、前記試料分散液を加え、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
以下に示す、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により分子量分布を測定し、数平均分子量を求める。
(1) 試料溶液の調製
濃度が0.2g/100mLになるように、試料を0.15mol/LでNa2SO4を1%酢酸水溶液に溶解させた溶液に溶解させる。次いで、この溶液をポアサイズ0.2μmのフッ素樹脂フィルター「FP-200」(住友電気工業(株)製)を用いて濾過して不溶解成分を除き、試料溶液とする。
(2) 分子量測定
下記の測定装置と分析カラムを用い、溶離液として0.15mol/LでNa2SO4を1%酢酸水溶液に溶解させた溶液を、毎分1mLの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させる。そこに試料溶液100μLを注入して測定を行う。試料の分子量は、あらかじめ作成した検量線に基づき算出する。このときの検量線には、数種類の標準プルラン(昭和電工(株)製のP-5(5.9×103)、P-50(4.73×104)、P-200(2.12×105)、P-800(7.08×105))を標準試料として作成したものを用いる。括弧内は分子量を示す。
測定装置:HLC-8320GPC(東ソー(株)製)
分析カラム:α+α-M+α-M(東ソー(株)製)
(1) 試料溶液の調製
濃度が0.5g/100mLになるように、試料をテトラヒドロフランに溶解させた。次いで、この溶液をポアサイズ2μmのフッ素樹脂フィルター「FP-200」(住友電気工業(株)製)を用いて濾過して不溶解成分を除き、試料溶液とする。
(2) 分子量分布測定
下記の測定装置と分析カラムを用い、溶離液としてテトラヒドロフランを、毎分1mLの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させる。そこに試料溶液100μLを注入して測定を行う。試料の分子量は、あらかじめ作成した検量線に基づき算出する。このときの検量線には、数種類の単分散ポリスチレン(東ソー(株)製のA-500(Mw 5.0×102)、A-1000(Mw 1.01×103)、A-2500(Mw 2.63×103)、A-5000(Mw 5.97×103)、F-1(Mw 1.02×104)、F-2(Mw 1.81×104)、F-4(Mw 3.97×104)、F-10(Mw 9.64×104)、F-20(Mw 1.90×105)、F-40(Mw 4.27×105)、F-80(Mw 7.06×105)、F-128(Mw 1.09×106))を標準試料として作成したものを用いる。括弧内は分子量を示す。
測定装置:HLC-8220GPC(東ソー(株)製)
分析カラム:GMHXL+G3000HXL(東ソー(株)製)
試料25gを40mL容のガラス製サンプル管「スクリューNo.7」((株)マルエム製)に入れ、非水系導電率計「DT-700」(Dispersion Technology社製)を用いて、電極を絶縁性液体に浸し、25℃で20回測定を行って平均値を算出し、導電率を測定する。数値が小さいほど高抵抗であることを示す。
示差走査熱量計「DSC210」(セイコー電子工業(株)製)を用いて、試料6.0〜8.0mgをアルミパンに計量し、昇温速度10℃/minで350℃まで昇温し、吸熱ピークを測定する。最も高温側の吸熱ピークを沸点とする。
10mL容のスクリュー管に測定液を6〜7mL入れ、回転振動式粘度計「ビスコメイトVM-10A-L」((株)セコニック製、検出端子:チタン製、φ8mm)を用い、検出端子の先端部の15mm上に液面が来る位置にスクリュー管を固定し、25℃にて粘度を測定する。
試料10質量部をヘキサン90質量部で希釈し、遠心分離装置「3-30KS」(シグマ社製)を用いて、回転数25,000r/minにて、20分間回転させる。静置後、上澄み液をデカンテーションにて除去した後、90質量部のヘキサンで希釈し、同様の条件で再び遠心分離を行う。上澄み液をデカンテーションにて除去した後、下層を真空乾燥機にて0.5kPa、40℃にて8時間乾燥させ、以下の式より固形分濃度を計算する。
レーザー回折/散乱式粒径測定装置「マスターサイザー2000」(マルバーン社製)を用いて、測定用セルにアイソパーL(エクソンモービル社製、イソパラフィン、25℃における粘度1mPa・s)を加え、散乱強度が5〜15%になる濃度で、粒子屈折率1.58(虚数部0.1)、分散媒屈折率1.42の条件にて、体積中位粒径(D50)を測定する。
表1に示す無水トリメリット酸以外の原料モノマー、エステル化触媒及び重合禁止剤を窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10L容の四つ口フラスコに入れ、マントルヒーターを用いて、180℃から200℃まで1時間かけて昇温し、200℃にて反応させた後、無水トリメリット酸を添加し、200℃にて表1に示す軟化点に達するまで反応を行って、表1に示す物性を有するポリエステル樹脂(樹脂A)を得た。
表1に示す原料モノマー及びエステル化触媒を、窒素導入管、脱水管、攪拌機及び熱電対を装備した10L容の四つ口フラスコに入れ、マントルヒーターを用いて、180℃に昇温した後、220℃まで10時間かけて昇温を行い、220℃にて反応させた。さらに8.3kPaにて、表1に示す軟化点に達するまで反応を行って、表1に示す物性を有するポリエステル樹脂(樹脂B)を得た。
表2に示すポリアルキレンイミンを冷却管、窒素導入管、撹拌機、脱水管及び熱電対を装備した2L容の四つ口フラスコに入れ、窒素ガスで反応容器内を置換した。撹拌しながら、表2に示すポリイソブテン無水コハク酸(PIBSA)に溶解した溶液を室温で1時間かけて滴下した。滴下終了後、30分間室温で保持した。その後、反応容器内を150℃に加温して1時間保持した後、160℃に昇温して1時間保持した。160℃で8.3kPaに減圧して溶剤を留去し、IR分析からPIBSA由来の酸無水物のピーク(1780cm-1)が消失し、イミド結合由来のピーク(1700cm-1)が生じた時点を反応終点として、表2に示す物性を有する分散剤A〜Dを得た。
表3に示す結着樹脂80質量部及び着色剤「ECB-301」(大日精化工業(株)製、フタロシアニンブルー15:3)20質量部を、予め20L容のヘンシェルミキサーを使用し、回転数1500r/min(周速度21.6m/sec)で3分間攪拌混合後、以下に示す条件で溶融混練した。
連続式二本オープンロール型混練機「ニーデックス」(日本コークス工業(株)製、ロール外径:14cm、有効ロール長:55cm)を使用した。連続式二本オープンロール型混練機の運転条件は、高回転側ロール(フロントロール)回転数75r/min(周速度32.4m/min)、低回転側ロール(バックロール)回転数35r/min(周速度15.0m/min)、混練物供給口側端部のロール間隙0.1mmであった。ロール内の加熱媒体温度及び冷却媒体温度は、高回転側ロールの原料投入側が90℃及び混練物排出側が85℃であり、低回転側ロールの原料投入側が35℃及び混練物排出側が35℃であった。また、原料混合物の上記混練機への供給速度は10kg/h、上記混練機中の平均滞留時間は約3分間であった。
実施例1と同様にして原料の溶融混練及び粉砕分級を行い、体積中位粒径(D50)が10μmのトナー粒子を得た。
分散剤を分散剤Eに変更し、分散剤の使用量を2.64質量部(トナー粒子100質量部に対して有効分換算で3質量部)に、絶縁性液体の使用量を53.36質量部に変更した以外は実施例1と同様の方法で、固形分濃度が25質量%の液体現像剤と45質量%の液体現像剤を得た。得られた液体現像剤の物性を表3に示す。
分散剤を分散剤Eに変更し、トナー粒子の使用量を41質量部、分散剤の使用量を8.2質量部(トナー粒子100質量部に対して有効分換算で10質量部)に、絶縁性液体の使用量を50.8質量部に変更した以外は実施例1と同様の方法で、固形分濃度が25質量%の液体現像剤と45質量%の液体現像剤を得た。得られた液体現像剤の物性を表3に示す。
固形分濃度45質量%の液体現像剤5gを10mL容のスクリュー管に入れ、60℃の恒温槽にて3分間保存し、保存後のトナー粒子の体積中位粒径(D50)を測定した。さらに恒温槽の温度を5℃ずつ昇温して同様に保存後のトナー粒子のD50を測定した。D50が10μmを超えた時点の温度を凝集開始温度とした。凝集開始温度が低いほど低温定着性に優れることを示す。結果を表3に示す。
「フレキシプルーフ100UV」(RK Print Coat Instruments社製)を用いて、固形分濃度45質量%の液体現像剤1gをドクターブレードインキチャンバーに滴下し、印圧ローラーを2回転させて「PODグロスコート紙」(王子製紙(株)製)上に印刷見本(23.5cm×3.5cm)を作製した。印刷速度は60m/minとし、アニロックスロールは160線/cmのハニカムパターン(スクリーン角度60°)を使用した。画像欠損の有無を観察し、以下の評価基準に従って、液体現像剤の成膜性を評価した。
A:画像欠損が全く発生しない
B:画像欠損が発生し、欠損部の面積が全画像部の面積の15%未満
C:画像欠損が発生し、欠損部の面積が全画像部の面積の15%以上
これに対し、比較例1、2の液体現像剤は、固形分濃度45質量%における25℃での粘度が高すぎるため、成膜性に欠けている。また、比較例2の液体現像剤に対して、増粘を抑制するために分散剤を過剰に添加した比較例3の現像剤は、抵抗が低下しており、凝集温度も高くなり低温定着性に欠けている。
される潜像の現像等に好適に用いられるものである。
Claims (10)
- ポリエステル系樹脂を含む結着樹脂と着色剤を含有するトナー粒子、分散剤、及び絶縁性液体を含有する液体現像剤であって、
(i)前記液体現像剤の固形分濃度45質量%における25℃での粘度が100mPa・s以下であること、
(ii)前記液体現像剤の固形分濃度45質量%における導電率が1.0×10-10S/m以下であること、及び
(iii)前記トナー粒子の体積中位粒径が1μm以上3μm以下であること
を満足する、液体現像剤。 - 分散剤が、分子量250以下のポリアルキレンイミンと、ハロゲン化された炭素数16以上の炭化水素及び数平均分子量500以上の反応性の官能基を有するポリオレフィンから選ばれる1種以上の炭化水素基含有化合物との反応物を含有する、請求項1記載の液体現像剤。
- ポリアルキレンイミンが、エチレンの平均付加モル数が2以上5以下であるポリエチレンイミンである、請求項2記載の液体現像剤。
- 炭化水素基含有化合物が、炭素数35以上200以下のポリオレフィン骨格を有する、請求項2又は3記載の液体現像剤。
- ポリオレフィン骨格が、ポリイソブテン骨格及び/又はポリプロピレン骨格である、請求項4記載の液体現像剤。
- ポリエステル系樹脂が、ポリエステル樹脂又はポリエステル樹脂とスチレン系樹脂とを含有する複合樹脂である、請求項1〜5いずれか記載の液体現像剤。
- ポリエステル樹脂が、2価以上のアルコールを含むアルコール成分と2価以上のカルボン酸系化合物を含むカルボン酸成分との重縮合物である、請求項1〜6いずれか記載の液体現像剤。
- ポリエステル系樹脂の酸価が15mgKOH/g以上60mgKOH/g以下である、請求項1〜7いずれか記載の液体現像剤。
- 絶縁性液体が炭化水素系絶縁性液体を含有する、請求項1〜8いずれか記載の液体現像剤。
- 請求項1〜9いずれか記載の液体現像剤の製造方法であって、
工程1:ポリエステル系樹脂を含む結着樹脂及び着色剤を溶融混練し、粉砕してトナー粒子を得る工程、
工程2:工程1で得られたトナー粒子と分散剤を混合し、絶縁性液体中に分散させ、トナー粒子分散液を得る工程、及び
工程3:工程2で得られたトナー粒子分散液を湿式粉砕し、液体現像剤を得る工程
を含む、液体現像剤の製造方法。
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