JP2018184487A - 抗体を精製する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】抗体、抗体フラグメントおよび/もしくは抗体成分の混合物を迅速かつ効率的に分離して、上記混合物から所望の抗体生成物を単離するために、種々の抗体特異的精製媒体を使用して抗体を精製するための方法を提供すること。【解決手段】本発明は、免疫グロブリン分子の各結合部位に対して異なる特異性を有する二重特異的モノクローナル抗体(例えば、単一の重鎖および2つの異なる軽鎖(一方は、κ定常ドメインを含み、他方は、λ定常ドメインを含む)から構成される抗体(共通の重鎖を共有する異なる特異性の抗体を含む))の精製に関する。本発明はまた、遊離軽鎖を含むインタクトでない抗体からインタクトな抗体を分離することによって、インタクトな抗体を効率的に精製するための方法を提供する。【選択図】なし

Description

この出願は、2011年10月19日に出願された米国仮特許出願第61/548,9
58号(これは、その全体が参考として本明細書に援用される)の利益およびそれに対す
る優先権を主張する。
(発明の分野)
本発明は、抗体、抗体フラグメントおよび/もしくは抗体成分の混合物を迅速にかつ効
率的に分離して所望の抗体生成物を上記混合物から単離するための、種々の抗体特異的ア
フィニティー媒体を使用して抗体を精製するための方法を提供する。本発明は、免疫グロ
ブリン分子の各結合部位に対して異なる特異性を有する二重特異的(bispecifi
c)モノクローナル抗体(例えば、単一の重鎖および2つの異なる軽鎖(一方は、κ定常
ドメインを含み、他方は、λ定常ドメインを含む)から構成される抗体(共通の重鎖を共
有する異なる特異性の抗体を含む)の精製に関する。本発明はまた、インタクトな抗体を
、抗体細胞培養発現プロセスの間に生成された遊離軽鎖から分離することによって、イン
タクトな抗体を効率的に精製するための方法を提供する。
(発明の背景)
抗体は、4つのポリペプチド:2個の重鎖および2個の軽鎖、から構成される。抗体の
抗原結合部分は、軽鎖可変ドメイン(VL)および重鎖可変ドメイン(VH)によって形
成される。これらドメインの1つの末端において、6つのループが抗原結合部位を形成し
、相補性決定領域(CDR)ともいわれる。3個のCDRが上記VHドメインに位置し(
H1、H2およびH3)、他の3個が、上記VLドメインにある(L1、L2およびL3
)。
免疫グロブリンの大部分は、2個の同一の重鎖ポリペプチドおよび2個の同一な軽鎖ポ
リペプチドから構成されるので、両方のアーム上で同じ特異性を有する二価でありかつ単
一特異的(monospecific)分子である。
モノクローナル抗体は、ヒト疾患のいくつかの領域において、治療的介入のための成功
したかつ魅力的な分子のクラスとして出現した。しかし、単一のタンパク質を標的化もし
くは中和することは、モノクローナル抗体の治療的使用を制限する特定の疾患において効
力を達成するには、常に十分であるわけではない。多くの適応症において、生物学的系の
1つの成分を中和することが効力を達成するには十分でないということは、ますます明ら
かである。この問題の1つの解決法は、いくつかのモノクローナル抗体を同時に投与する
ことである。しかし、このアプローチは、組み合わされる予定の抗体が、以前から個々に
承認されていない場合には、規制的側面から複雑である。さらに、組み合わせアプローチ
はまた、製造の観点からコストがかかる。よって、複数の抗原を単一の分子で標的化する
ことを可能にする抗体および治療剤、ならびにこれら多重特異的抗体を効率的に精製およ
び単離することが必要である。また、抗体、抗体フラグメントおよび/もしくは抗体成分
を含む混合物からインタクトな抗体を効率的に精製および単離することが必要である。
(発明の要旨)
本発明は、抗体特異的精製媒体および関連試薬を使用して、所望の抗体生成物もしくは
所望の抗体生成物の組み合わせを、抗体、抗体フラグメント、抗体成分(例えば、遊離軽
鎖)、およびこれらの組み合わせの混合物から、分離および単離する種々の技術を提供す
る。本明細書で提供される方法は、所望の抗体生成物もしくは所望の抗体生成物の組み合
わせを、抗体および/もしくはそのフラグメントの混合物から迅速にかつ効率的に分離す
る。例えば、いくつかの実施形態において、上記方法は、インタクトな抗体もしくはイン
タクトな抗体の組み合わせを、抗体成分(例えば、抗体製造プロセスの副生成物である遊
離軽鎖)から単離するように設計される。本明細書で使用される場合、用語「インタクト
」な抗体分子とは、全長抗体のフラグメントおよび/もしくは他の部分(これらは、「イ
ンタクトでない」抗体として、本明細書でまとめて言及される)とは対照的に、全長抗体
を意味する。上記インタクトな抗体は、任意のインタクトな抗体であり得、非限定的例に
よれば、インタクトな一価抗体、インタクトな二重特異的抗体、インタクトな多重特異的
抗体、インタクトなモノクローナル抗体(例えば、インタクトな完全ヒト抗体、インタク
トなヒト化抗体および/もしくは他のインタクトなキメラ抗体)が挙げられる。いくつか
の実施形態において、上記方法は、二重特異的抗体(例えば、単一の重鎖および少なくと
も1個のカッパ(κ)軽鎖領域(もしくはκ軽鎖に由来する軽鎖領域)および少なくとも
1個のラムダ(λ)軽鎖領域(もしくはλ軽鎖由来の軽鎖領域)を有する二重特異的抗体
を単離するように設計されている。
上記精製媒体は、いくつかの実施形態において、κ軽鎖(もしくはその一部)を含む抗
体およびそのフラグメントを単離するアフィニティー媒体(例えば、κ軽鎖およびその一
部に対して特異的な樹脂もしくは他の分離手段(例えば、KappaSelect樹脂お
よび/もしくはProtein L含有樹脂)である。上記精製媒体は、いくつかの実施
形態において、λ軽鎖(もしくはその一部)を含む抗体およびそのフラグメントを単離す
るアフィニティー媒体(例えば、λ軽鎖およびその一部に対して特異的な樹脂もしくは他
の分離手段(例えば、LambdaFabSelect樹脂))である。上記精製媒体は
、抗体フラグメントおよび他の抗体成分(遊離軽鎖を含む)からインタクトなIgG抗体
を単離する、例えば、混合モードクロマトグラフィー作用物質(例えば、Mep Hyp
erCelTMクロマトグラフィー吸着剤)である。上記精製媒体は、いくつかの実施形
態において、これら媒体のうちの1種以上の組み合わせである。
一局面において、本発明は、標準的抗体から連続して区別できない二重特異的抗体およ
びその抗原結合フラグメントの精製を可能にする。上記精製される抗体およびその抗原結
合フラグメントの改変されていない性質は、上記抗体およびその抗原結合フラグメントに
、標準的モノクローナル抗体に類似の都合のよい製造特性を提供する。
本明細書で提供される方法は、種々の二重特異的抗体およびその抗原結合フラグメント
、特に、2つの独立した標的に対する特異性を駆動する、共通のIgG重鎖および2種の
異なる軽鎖(一方は、カッパ(κ)定常領域を有し、他方は、ラムダ(λ)定常領域を有
する)を有する「κλ−ボディ(κλ−body)」と本明細書でいわれる二重特異的抗
体およびその抗原結合フラグメントを精製するために有用である。
精製される予定である上記二重特異的抗体およびそれらの抗原結合フラグメントは、種
々の方法のうちのいずれかを使用して生成され得る。例えば、上記二重特異的抗体および
その抗原結合フラグメントは、(i)異なる特異性を有し、そして同じ重鎖可変ドメイン
を共有するが、異なる可変軽鎖を有する(例えば、固定した重鎖を有する抗体ライブラリ
ーもしくは単一のVH遺伝子を含むトランスジェニック動物を使用することによって)2
種の抗体を単離する工程;(ii)上記重鎖可変ドメインを重鎖の定常領域に融合し、一
方の軽鎖可変ドメインをκ定常ドメインに融合し、そして他方の軽鎖可変ドメインをλ定
常ドメインに融合する工程;ならびに(iii)宿主細胞もしくは細胞株(例えば、哺乳
動物細胞および/もしくは哺乳動物細胞株)において上記3種の鎖を同時発現し、3種の
抗体(2種の単一特異的抗体および2個の異なる軽鎖を有する1種の二重特異的抗体)の
混合物の上清中でアセンブリおよび分泌をもたらす工程によって生成され得る。この方法
を使用して生成されるいくつかの抗体およびそれらの抗原結合フラグメントにおいて、第
1の軽鎖の少なくとも第1の部分は、κタイプであり、上記第2の軽鎖の少なくとも一部
は、λタイプである。この方法を使用して生成されるいくつかの抗体およびそれらの抗原
結合フラグメントにおいて、上記第1の軽鎖は、少なくともκ定常領域を含む。この方法
を使用して生成されるいくつかの抗体およびそれらの抗原結合フラグメントにおいて、上
記第1の軽鎖は、κ可変領域をさらに含む。この方法を使用して生成されるいくつかの抗
体およびそれらの抗原結合フラグメントにおいて、上記第1の軽鎖は、λ可変領域をさら
に含む。この方法を使用して生成されるいくつかの抗体およびそれらの抗原結合フラグメ
ントにおいて、上記第2の軽鎖は、少なくともλ定常領域を含む。この方法を使用して生
成されるいくつかの抗体およびそれらの抗原結合フラグメントにおいて、上記第2の軽鎖
は、λ可変領域をさらに含む。この方法を使用して生成されるいくつかの抗体およびそれ
らの抗原結合フラグメントにおいて、上記第2の軽鎖は、κ可変領域をさらに含む。この
方法を使用して生成されるいくつかの抗体およびそれらの抗原結合フラグメントにおいて
、上記第1の軽鎖は、κ定常領域およびκ可変領域を含み、上記第2の軽鎖は、λ定常領
域およびλ可変領域を含む。この方法を使用して生成されるいくつかの抗体およびそれら
の抗原結合フラグメントにおいて、上記定常および可変フレームワーク領域配列は、ヒト
のものである。
この方法もしくは当該分野で公知の任意の他の適切な方法を使用して生成された上記二
重特異的抗体およびその抗原結合フラグメントは、抗体精製に使用される標準的クロマト
グラフィー技術を使用して精製される。この方法もしくは当該分野で公知の任意の他の適
切な方法を使用して生成される上記二重特異的抗体およびその抗原結合フラグメントはま
た、他の分離技術を使用して(例えば、非限定的かつ非網羅的な例によれば、膜濾過技術
およびタンパク質沈殿技術によって)精製され得る。好ましい実施形態において、上記二
重特異的抗体およびそれらの抗原結合フラグメントは、アフィニティークロマトグラフィ
ー、例えば、KappaSelectアフィニティークロマトグラフィー、Lambda
FabSelectクロマトグラフィーもしくはProtein Lアフィニティークロ
マトグラフィーを使用して、精製される。
本発明は、各結合部位において異なる特異性を有し、2コピーの単一の重鎖ポリペプチ
ドならびにκ定常領域を含む第1の軽鎖およびλ定常領域を含む第2の軽鎖からなる二重
特異的モノクローナル抗体を精製するための方法を提供する。これら方法は、以下の工程
を包含する:(i)各結合部位において異なる特異性を有し、2コピーの単一の重鎖ポリ
ペプチドならびにκ定常領域を含む第1の軽鎖およびλ定常領域を含む第2の軽鎖からな
る1種以上の二重特異的モノクローナル抗体(二重特異的MAb);2個のλ軽鎖もしく
はその一部を有する1種以上の単一特異的モノクローナル抗体(λ−MAb);ならびに
2個のκ軽鎖もしくはその一部を有する1種以上の単一特異的モノクローナル抗体(κ−
MAb)を含む混合抗体組成物を提供する工程;(ii)κ軽鎖定常領域もしくはλ軽鎖
定常領域に対して特異的な親和性を有する分離手段を提供する工程;(iii)上記分離
手段と上記混合抗体組成物とを、上記κ−MAbのκ軽鎖定常領域によるかもしくは上記
λ−MAbのλ軽鎖定常領域による上記分離手段への結合と比較して、上記二重特異的M
Abによる上記分離手段への差次的結合を可能にする条件下で接触させる工程;ならびに
(iv)上記κ−MAbのκ軽鎖定常領域の脱離もしくは上記λ−MAbのλ軽鎖定常領
域の脱離と比較して、上記二重特異的MAbの優先的脱離を可能にする条件下で、上記分
離手段から抗体を溶離する工程。
いくつかの実施形態において、上記分離手段は、樹脂、膜、磁性ビーズ、粒子もしくは
モノリス(monolith)であり、いくつかの実施形態において、上記分離手段は、
κ軽鎖定常領域もしくはλ軽鎖定常領域に対して高い特異性および親和性を有するリガン
ドにカップリングされる。いくつかの実施形態において、上記分離手段は、KappaS
elect樹脂、LambdaFabSelect樹脂、もしくはProtein L樹
脂である。いくつかの実施形態において、上記リガンドは、抗λモノクローナル抗体もし
くは抗κモノクローナル抗体である。
いくつかの実施形態において、上記結合および/もしくは溶離条件は、pHレベルにお
ける段階的変化を含む。いくつかの実施形態において、上記結合および/もしくは溶離条
件は、無機塩濃度(例えば、塩化ナトリウム(NaCl)濃度もしくは他の無機塩(例え
ば、非限定的かつ非網羅的な例によれば、ホフマイスターシリーズのイオンからの無機塩
組み合わせ)の濃度)における段階的変化を含む。いくつかの実施形態において、上記結
合および/もしくは溶離条件は、組成物中のアミノ酸の濃度(例えば、非限定的かつ非網
羅的な例によれば、アルギニン、ヒスチジン、プロリン、フェニルアラニン、チロシン、
トリプトファンおよび/もしくはグリシンの濃度)における段階的変化を含む。いくつか
の実施形態において、上記結合および/もしくは溶離条件は、1種以上の温和な変性剤(
例えば、非限定的かつ非網羅的な例によれば、ポリソルベート20、ポリソルベート80
、ポリエチレングリコール2000、ポリエチレングリコール8000、Triton
X−100、CHAPS、NP−40、ならびに他のイオン性、非イオン性および/もし
くは双性イオン性界面活性剤)を含む。
いくつかの実施形態において、上記方法は、溶離した画分中の二重特異的抗体、κ−M
Abおよび/もしくはλ−MAbの純度および割合を決定するためのさらなる工程を包含
する。この工程は、種々の当該分野で認識された技術のうちのいずれか(例えば、非限定
的かつ非網羅的な例によれば、疎水性相互作用高速液体クロマトグラフィー(HIC−H
PLC)、イオン交換高速液体クロマトグラフィー(IEX−HPLC)もしくは逆相高
速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC))を使用して達成され得る。
本明細書で提供される実施例は、より高いpH段階的溶離を使用すると、より低いpH
で溶離する単一特異的κ−MAbより二重特異的κλ−ボディ生成物をKappaSel
ectアフィニティー樹脂から優先的に溶離するという実行可能性を実証する。なぜなら
、上記単一特異的MAbは、上記単一特異的形式中の2個のκ鎖の存在のおかげで、上記
κλ−ボディ中の単一のκ鎖とは対照的に、上記樹脂に対してより高い親和性を有するか
らである。本明細書で記載される方法は、上記軽鎖に対する親和性が上記単一特異的およ
び/もしくは二重特異的生成物を差次的に結合するために使用される他のクロマトグラフ
ィー支持体(例えば、非限定的かつ非網羅的な例によれば、LambdaFabSele
ct、イオン交換、疎水性相互作用、および混合モード樹脂(例えば、ヒドロキシアパタ
イト)ならびに他のクロマトグラフィー技術)において有用である。当業者は、このカテ
ゴリー内に入る他の当該分野で認識された技術を容易に理解する。上記異なる生成物を分
離する溶離ストラテジーは、pH変化に限定されるべきではなく、非限定的かつ非網羅的
な例によれば、塩濃度(例えば、NaCl濃度もしくは他の無機塩(例えば、ホフマイス
ターシリーズのイオンからの無機塩の組み合わせ)の濃度)、アルギニンおよび他のアミ
ノ酸の濃度(例えば、ヒスチジン、プロリン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトフ
ァン、およびグリシンの濃度)の段階的変化を使用するカチオン交換分離技術、温和な変
性剤(例えば、ポリソルベート20、ポリソルベート80、ポリエチレングリコール20
00、ポリエチレングリコール8000、Triton X−100、CHAPS、NP
−40、ならびに他のイオン性、非イオン性および/もしくは双性イオン性界面活性剤な
ど)の使用をも包含し得る。
別の局面において、本発明は、インタクトな抗体(単一特異的抗体、二重特異的抗体お
よびインタクトな抗体の混合物を含む)からの遊離軽鎖の効率的除去に関する。特に、ク
ロマトグラフィー条件は、インタクトな二重特異的もしくは単一特異的モノクローナル抗
体、またはインタクトな二重特異的もしくは単一特異的モノクローナル抗体の組み合わせ
を、遊離軽鎖から単離するために適用可能であることが同定された。
本明細書で提供される実施例は、遊離軽鎖を含む混合物からの、インタクトなIgG分
子の上記混合モードアフィニティー単離のために二重特異的抗体を使用する。これは、例
に過ぎず、本明細書で提供される方法が、モノマーもしくはポリマーとして、および天然
のもしくは変化したコンホメーションにおいて存在し得る不完全な抗体成分(すなわち、
インタクトでない抗体)を生成する任意の抗体製造プロセスと組み合わせて有用であるこ
とは、理解されるべきである。さらに、本明細書で提供される実施例が、インタクトなI
gG抗体を同定する精製媒体を使用するが、これら方法が他のインタクトな抗体分子を同
定する任意の精製媒体とともに使用され得ることは、理解されるべきである。
当該分野で公知の任意の適切な方法を使用して生成された上記インタクトな抗体分子は
、本明細書で提供される混合モードクロマトグラフィー分離技術単独で、もしくは任意の
他の適切な分離技術(例えば、非限定的かつ非網羅的な例によれば、膜濾過技術およびタ
ンパク質沈澱技術)と組み合わせて使用して、精製され得る。
本発明は、インタクトな抗体もしくはインタクトな抗体の組み合わせを、インタクトで
ない抗体(抗体成分、抗体成分のダイマー、抗体フラグメントおよび/もしくはこれらの
組み合わせを含む)を含む混合物から精製するための方法を提供する。上記インタクトな
抗体の組み合わせは、インタクトな抗体の1種以上の異なるタイプ(同じ標的もしくは異
なる標的を結合する抗体を含む)を含み得る。上記インタクトな抗体は、任意のインタク
トな抗体(非限定的例によれば、インタクトな一価抗体、インタクトな二重特異的抗体、
インタクトな多重特異的抗体、インタクトなモノクローナル抗体(例えば、インタクトな
完全ヒト抗体、インタクトなヒト化抗体、および/もしくは他のインタクトなキメラ抗体
)が挙げられる)であり得る。上記インタクトな抗体の組み合わせは、同じ標的もしくは
異なる標的に対する任意のインタクトな抗体の組み合わせ(非限定的例によれば、以下:
インタクトな一価抗体、インタクトな二重特異的抗体、インタクトな多重特異的抗体、イ
ンタクトなモノクローナル抗体、インタクトな完全ヒト抗体、インタクトなヒト化抗体お
よび/もしくは他のインタクトなキメラ抗体のうちの1種以上を含む組み合わせが挙げら
れる)を含み得る。
いくつかの実施形態において、これら方法は、以下の工程を包含する:(i)上記イン
タクトな抗体もしくはインタクトな抗体の組み合わせおよび1種以上のインタクトでない
抗体分子(1種以上の抗体成分(例えば、遊離軽鎖)、抗体成分(例えば、遊離軽鎖)の
1種以上のダイマー、および/もしくは1種以上の抗体フラグメントを含む)のうちの1
種以上を含む混合抗体組成物を提供する工程;(ii)上記インタクトでない抗体分子と
比較して、インタクトな抗体分子の間で差次的親和性を有する分離手段を提供する工程;
(iii)上記分離手段と上記混合抗体組成物とを、インタクトでない抗体分子(例えば
、1種以上の抗体成分(例えば、遊離軽鎖)、抗体成分(例えば、遊離軽鎖)の1種以上
のダイマー、および/もしくは1種以上の抗体フラグメント)による上記分離手段への結
合と比較して、上記インタクトな抗体分子もしくはインタクトな抗体の組み合わせによる
上記分離手段への差次的結合を可能にする条件下で接触させる工程;ならびに(iv)上
記インタクトな抗体もしくはインタクトな抗体の組み合わせを、上記分離手段から分離し
、上記インタクトな抗体もしくはインタクトな抗体の組み合わせを保持し、それによって
、上記インタクトな抗体もしくはインタクトな抗体の組み合わせを、上記混合抗体組成物
から精製する工程。いくつかの実施形態において、上記インタクトな抗体もしくはインタ
クトな抗体の組み合わせは、上記インタクトな抗体もしくはインタクトな抗体の組み合わ
せを、上記分離手段から、上記インタクトでない抗体分子(例えば、1種以上の抗体成分
(例えば、遊離軽鎖)、抗体成分(例えば、遊離軽鎖)の1種以上のダイマー、および/
もしくは1種以上の抗体フラグメント)の脱離と比較して、上記インタクトな抗体もしく
はインタクトな抗体の組み合わせの優先的脱離を可能にする条件下で溶離することによっ
て、上記分離手段から分離される。いくつかの実施形態において、上記分離手段は、上記
分離手段への上記インタクトな抗体もしくはインタクトな抗体の組み合わせによる結合を
可能にするが、上記インタクトでない抗体分子と上記分離手段との間の結合を可能にしな
い条件下で、上記抗体混合組成物によって接触させられる。いくつかの実施形態において
、上記インタクトな抗体もしくはインタクトな抗体の組み合わせは、任意の結合していな
い、インタクトでない抗体を上記混合抗体組成物から除去することによって、または上記
結合していない、インタクトでない抗体を上記分離手段から流し去って上記結合していな
い画分を廃棄するかもしくはさもなければ除去することによって、上記インタクトでない
抗体画分から分離される。いくつかの実施形態において、上記インタクトでない抗体分子
は、遊離軽鎖である。
いくつかの実施形態において、上記分離手段は、樹脂、膜、磁性ビーズ、粒子もしくは
モノリスである。いくつかの実施形態において、上記分離手段は、インタクトでない抗体
分子と比較して、インタクトな抗体分子に対して差次的な特異性および親和性を有するリ
ガンドにカップリングされる。いくつかの実施形態において、上記分離手段は、混合モー
ドクロマトグラフィー媒体(例えば、疎水性相互作用高速液体クロマトグラフィー(HI
C−HPLC)もしくはイオン交換高速液体クロマトグラフィー(IEX−HPLC))
である。いくつかの実施形態において、上記混合モードクロマトグラフィー媒体は、Me
p HyperCelTMである。他の混合モードクロマトグラフィー媒体としては、例
えば、CapioTM MC、CaptoTM adhere、HEA HyperCe
TM、PPA HyperCelTM、CHTTMセラミックヒドロキシアパタイト、
およびNuviaTM cPrimeTMが挙げられる。いくつかの実施形態において、
上記リガンドは、抗・抗体モノクローナル抗体(例えば、抗IgG抗体)である。
いくつかの実施形態において、上記方法は、上記溶離された画分における上記インタク
トな抗体の純度および割合を決定するさらなる工程を包含する。この工程は、種々の当該
分野で認識された技術のうちのいずれか(例えば、非限定的かつ非網羅的な例によれば、
サイズ排除高速液体クロマトグラフィー(SEC−HPLC)、疎水性相互作用高速液体
クロマトグラフィー(HIC−HPLC)、イオン交換高速液体クロマトグラフィー(I
EX−HPLC)、もしくは逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC))を使
用して達成され得る。
いくつかの実施形態において、これら方法は、以下の工程を包含する:(i)1種以上
の上記インタクトな抗体もしくはインタクトな抗体の組み合わせおよび1種以上のインタ
クトでない抗体分子(1種以上の抗体成分(例えば、遊離軽鎖)、抗体成分(例えば、遊
離軽鎖)の1種以上のダイマー、および/もしくは1種以上の抗体フラグメントを含む)
を含む混合抗体組成物を提供する工程;(ii)インタクトな抗体分子と比較して、イン
タクトでない抗体分子との間で差次的親和性を有する分離手段を提供する工程;(iii
)上記分離手段と上記混合抗体組成物とを、上記インタクトでない抗体分子による上記分
離手段への結合を可能にするが、上記インタクトな抗体もしくはインタクトな抗体の組み
合わせによる上記分離手段への結合を可能にせず、その結果、上記インタクトな抗体もし
くはインタクトな抗体の組み合わせが結合されていない画分の中に残る条件下で接触させ
る工程;ならびに(iv)上記インタクトな抗体もしくはインタクトな抗体の組み合わせ
を含む結合されていない画分を保持する工程。いくつかの実施形態において、上記方法は
、上記インタクトでない抗体分子を上記分離手段から分離するさらなる工程を包含し得る
。いくつかの実施形態において、上記インタクトでない抗体分子は、遊離軽鎖である。
いくつかの実施形態において、上記分離手段は、樹脂、膜、磁性ビーズ、粒子もしくは
モノリスである。いくつかの実施形態において、上記分離手段は、インタクトな抗体分子
に対して差次的な特異性および親和性を有するリガンドにカップリングされる。いくつか
の実施形態において、上記分離手段は、混合モードクロマトグラフィー媒体(例えば、疎
水性相互作用高速液体クロマトグラフィー(HIC−HPLC)もしくはイオン交換高速
液体クロマトグラフィー(IEX−HPLC))である。いくつかの実施形態において、
上記混合モードクロマトグラフィー媒体は、Mep HyperCelTMである。他の
混合モードクロマトグラフィー媒体としては、例えば、CaptoTM MMC、Cap
toTM adhere、HEA HyperCelTM、PPA HyperCel
、CHTTMセラミックヒドロキシアパタイト、およびNuviaTM cPrime
TMが挙げられる。いくつかの実施形態において、上記リガンドは、抗・抗体モノクロー
ナル抗体抗体(例えば、抗IgG抗体)である。
いくつかの実施形態において、上記方法は、上記溶離した画分における上記インタクト
な抗体の純度および割合を決定するさらなる工程を包含する。この工程は、種々の当該分
野で認識された技術のうちのいずれか(例えば、非限定的かつ非網羅的な例によれば、サ
イズ排除高速液体クロマトグラフィー(SEC−HPLC)、疎水性相互作用高速液体ク
ロマトグラフィー(HIC−HPLC)、イオン交換高速液体クロマトグラフィー(IE
X−HPLC)、もしくは逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC))を使用
して達成され得る。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
各結合部位において異なる特異性を有し、2コピーの単一の重鎖ポリペプチド、ならびにκ定常領域を含む第1の軽鎖およびλ定常領域を含む第2の軽鎖からなる二重特異的モノクローナル抗体を精製する方法であって、該方法は、
(a)各結合部位において異なる特異性を有し、2コピーの単一の重鎖ポリペプチド、ならびにκ定常領域を含む第1の軽鎖およびλ定常領域を含む第2の軽鎖からなる1種以上の該二重特異的モノクローナル抗体(二重特異的MAb);2個のλ軽鎖もしくはその一部を有する1種以上の単一特異的モノクローナル抗体(λ−MAb);ならびに2個のカッパ軽鎖もしくはその一部を有する1種以上の単一特異的モノクローナル抗体(κ−MAb)を含む混合抗体組成物を提供する工程;
(b)κ軽鎖定常領域もしくはλ軽鎖定常領域に対して特異的親和性を有する分離手段を提供する工程;
(c)該分離手段と該混合抗体組成物とを、該κ−MAbのκ軽鎖定常領域によるかもしくは該λ−MAbのλ軽鎖定常領域による該分離手段への結合と比較して、該二重特異的MAbによる該分離手段への差次的結合を可能にする条件下で接触させる工程;ならびに
(d)該κ−MAbのκ軽鎖定常領域の脱離もしくは該λ−MAbのλ軽鎖定常領域の脱離と比較して、該二重特異的MAbの優先的脱離を可能にする条件下で、該分離手段から抗体を溶離する工程、
を包含する、方法。
(項目2)
前記分離手段は、樹脂、膜、磁性ビーズ、粒子もしくはモノリスである、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記分離手段は、κ軽鎖定常領域もしくはλ軽鎖定常領域に対して高い特異性および親和性を有するリガンドにカップリングされる、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記分離手段は、KappaSelect樹脂、LambdaFabSelect樹脂もしくはProtein L含有樹脂である、項目3に記載の方法。
(項目5)
前記リガンドは、抗λモノクローナル抗体もしくは抗κモノクローナル抗体である、項目3に記載の方法。
(項目6)
前記結合および/もしくは溶離条件は、pHレベルにおける段階的変化を含む、項目1に記載の方法。
(項目7)
前記結合および/もしくは溶離条件は、前記組成物中のアミノ酸の濃度の変化を含む、項目1に記載の方法。
(項目8)
前記アミノ酸は、アルギニン、ヒスチジン、ヒスチジン、プロリン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファンおよび/もしくはグリシンである、項目7に記載の方法。
(項目9)
インタクトな抗体もしくはインタクトな抗体の組み合わせを混合物から精製する方法であって、該方法は、
(a)1種以上のインタクトな抗体および少なくとも1種のインタクトでない抗体分子を含む混合抗体組成物を提供する工程であって、ここで該インタクトでない抗体分子は、1種以上の抗体成分、抗体成分の1種以上のダイマー、1種以上の抗体フラグメント、およびこれらの組み合わせを含む、工程;
(b)インタクトな抗体とインタクトでない抗体分子との間で差次的親和性を有する分離手段を提供する工程;
(c)該分離手段と該混合抗体組成物とを、該インタクトでない抗体分子による該分離手段への結合と比較して、該1種以上のインタクトな抗体による該分離手段への差次的結合を可能にする条件下で接触させる工程;ならびに
(d)該1種以上のインタクトな抗体を、該分離手段から分離し、該1種以上のインタクトな抗体を保持する工程、
を包含する、方法。
(項目10)
前記インタクトでない抗体分子は、遊離軽鎖である、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記分離手段は、樹脂、膜、磁性ビーズ、粒子もしくはモノリスである、項目9に記載の方法。
(項目12)
前記分離手段は、インタクトな抗体分子に対して高い特異性および親和性を有するリガンドにカップリングされている、項目9に記載の方法。
(項目13)
前記分離手段は、混合モードクロマトグラフィー樹脂である、項目12に記載の方法。
(項目14)
前記分離手段は、Mep HyperCelTM樹脂である、項目13に記載の方法。
(項目15)
工程(d)は、前記インタクトな抗体もしくはインタクトな抗体の組み合わせを、前記分離手段から、前記インタクトでない抗体分子の脱離と比較して、該分離手段からの該1種以上のインタクトな抗体の優先的脱離を可能にする条件下で溶離する工程を包含する、項目9に記載の方法。
(項目16)
工程(c)は、前記分離手段を、該分離手段への前記1種以上の抗体の結合を可能にするが、該分離手段への前記インタクトでない抗体分子の結合を可能にしない条件下で接触させる工程を包含する、項目9に記載の方法。
(項目17)
工程(d)は、前記インタクトな抗体もしくはインタクトな抗体の組み合わせを、該1種以上のインタクトな抗体の脱離を可能にする条件下で、前記分離手段から溶離する工程を包含する、項目16に記載の方法。
(項目18)
工程(c)は、任意の結合していない、インタクトでない抗体分子を、前記組成物から除去する工程をさらに包含する、項目16に記載の方法。
(項目19)
インタクトな抗体もしくはインタクトな抗体の組み合わせを、混合物から精製する方法であって、該方法は、
(a)1種以上のインタクトな抗体および少なくとも1種のインタクトでない抗体分子を含む混合抗体組成物を提供する工程であって、ここで該インタクトでない抗体分子は、1種以上の抗体成分、抗体成分の1種以上のダイマー、1種以上の抗体フラグメント、およびこれらの組み合わせを含む、工程;
(b)インタクトな抗体とインタクトでない抗体分子との間で差次的親和性を有する分離手段を提供する工程;
(c)該分離手段と該混合抗体組成物とを、該インタクトでない抗体分子による該分離手段への結合を可能にするが、該1種以上のインタクトな抗体による該分離手段への結合を可能にせず、その結果、該1種以上のインタクトな抗体が、結合していない画分中に残る条件下で接触させる工程;ならびに
(d)1種以上のインタクトな抗体を含む該結合していない画分を保持する工程、
を包含する、方法。
(項目20)
前記インタクトでない抗体分子は、遊離軽鎖である、項目19に記載の方法。
(項目21)
前記分離手段は、樹脂、膜、磁性ビーズ、粒子もしくはモノリスである、項目19に記載の方法。
(項目22)
前記分離手段は、インタクトでない抗体分子に対して高い特異性および親和性を有するリガンドにカップリングされている、項目19に記載の方法。
(項目23)
前記分離手段は、混合モードクロマトグラフィー樹脂である、項目22に記載の方法。(項目24)
前記分離手段は、Mep HyperCelTM樹脂である、項目23に記載の方法。
図1A〜1Cは、2コピーの特有の重鎖ポリペプチドならびに2個の異なる軽鎖ポリペプチドから構成される異なるκλ−ボディ二重特異的抗体の構造の模式図である。これら図に示される上記κ軽鎖および上記λ軽鎖(もしくはこれらの一部)の位置および/もしくは構成は、限定ではないことが意図される。当業者は、上記κ軽鎖および上記λ軽鎖(もしくはこれらの一部)がまた、図1A〜1Cに示される二重特異的抗体の鏡像を生じるように配置され得ることを認識する。当業者はまた、図1A〜1Cにおける完全IgG形式で表されている二重特異的抗体がまた、他の免疫グロブリンアイソタイプを使用して、もしくはF(ab’)2のような他の免疫グロブリン形式において生成され得ることを認識する。図1A.κ定常ドメインに融合されたκ可変ドメインおよびλ定常ドメインに融合されたλ可変ドメイン。図1B.κ定常ドメインおよびλ定常ドメインに融合されたκ可変ドメイン。図1C.κ定常ドメインおよびλ定常ドメインに融合されたλ可変ドメイン。 図2は、CHO細胞における3シストロン発現ベクター(tri−cistronic expression vector)の発現が、3種の抗体生成物を、IgG生成物(「IgG」と表示された中央パネル)および遊離軽鎖(FLC)の混合物、ならびにこれらFLCのダイマー(「FLC」と表示された下側のパネル)に関して、理論上25:50:25の比で生じることを示す図である。 図3Aは、段階的pH溶離を使用するKappaSelectアフィニティークロマトグラフィーの代表的UVトレースプロフィールを示すグラフである。 図3Bは、KappaSelect溶離画分の非還元型および還元型SDS−PAGEを示す図である。 図3Cは、KappaSelect溶離画分のIEX−HPLC分析を示すグラフである。 図4Aは、段階的pH溶離を使用するLambdaFabSelectアフィニティークロマトグラフィーの代表的UVトレースプロフィールを示すグラフである。 図4Bは、LambdaFabSelect溶離画分の非還元型および還元型SDS−PAGEを示す図である。 図4Cは、LambdaFabSelect溶離画分のHIC−HPLC分析を示すグラフである。 図5Aは、段階的pH溶離を使用するMep HyperCelTM混合モードクロマトグラフィーの代表的UVトレースプロフィールを示すグラフである。 図5Bは、Mep HyperCelTM溶離画分の非還元型および還元型SDS−PAGEを示す図である。 図5Cは、Mep HyperCelTM溶離画分のHIC−HPLC分析を示すグラフである。
(詳細な説明)
本発明は、抗体特異的アフィニティー媒体および関連試薬を使用して、所望の抗体生成
物を、抗体、抗体フラグメント、抗体成分(例えば、遊離軽鎖)、およびこれらの組み合
わせの混合物から分離および単離する種々の技術を提供する。本明細書で提供される方法
は、所望の抗体生成物を、抗体および/もしくはこれらのフラグメントの混合物から迅速
にかつ効率的に分離する。
本発明は、ヒト免疫グロブリンと構造が同一な二重特異的抗体を精製するための方法を
提供する。この分子タイプは、2コピーの特有の重鎖ポリペプチド、定常κドメインに融
合された第1の軽鎖可変領域および定常λドメインに融合された第2の軽鎖可変領域から
構成される。各結合部位は、上記重鎖および軽鎖の両方が寄与する異なる抗原特異性を示
す。上記軽鎖可変領域は、λファミリーもしくはκファミリーのものであり得、好ましく
は、それぞれ、λ定常ドメインおよびκ定常ドメインに融合される。これは、非天然のポ
リペプチド接合部の生成を回避するために好ましい。しかし、κ軽鎖可変ドメインを第1
の特異性のために定常λドメインに融合し、λ軽鎖可変ドメインを第2の特異性のために
定常κドメインに融合することによって、本発明の二重特異的抗体を得ることもまた可能
である(図1)。本明細書で記載される二重特異的抗体は、IgGκλ抗体もしくは「κ
λ−ボディ」(完全ヒト二重特異的IgG形式)ともいわれる。このκλ−ボディ形式は
、標準的モノクローナル抗体、例えば、標準的IgG分子から区別不能である二重特異的
抗体のアフィニティー精製を可能にし、従って、以前の形式と比較して都合がよい。
上記κλ−ボディは、同じ重鎖可変ドメインを共有する、異なる抗原特異性を有する2
種の抗体Fv領域(各々、軽鎖可変ドメインおよび重鎖可変ドメインによって構成される
)を同定することによって生成される。
本発明はまた、インタクトでない抗体分子(例えば、抗体成分、抗体成分のダイマー、
抗体フラグメントおよび/もしくはこれらの組み合わせを含む)を含む混合物からインタ
クトな抗体を精製するための方法を提供する。
本発明の方法を使用して精製される予定である上記κλ−ボディおよび/もしくはイン
タクトな抗体は、抗体を生成するための種々の方法のうちのいずれかを使用して生成され
る。モノクローナル抗体およびそのフラグメントの生成について多くの方法が記載されて
きた(例えば、Antibodies: A Laborator Manual, H
arlow E, and Lane D, 1988, Cold Spring H
arbor Laboratory Press, Cold Spring Harb
or, NY(本明細書に参考として援用される)を参照のこと)。完全ヒト抗体は、軽
鎖および重鎖(CDR1およびCDR2を含む)両方の配列が、ヒト遺伝子から生じる抗
体分子である。CDR3領域は、ヒト起源のものであり得るか、または合成手段によって
設計され得る。このような抗体は、「ヒト抗体」もしくは「完全ヒト抗体」と本明細書で
いわれる。ヒトモノクローナル抗体は、トリオーマ(trioma)技術;ヒトB細胞ハ
イブリドーマ技術(Kozborら、1983 Immunol Today 4: 7
2を参照のこと);およびEBVハイブリドーマ技術を使用して、ヒトモノクローナル抗
体(Coleら、1985 In: MONOCLONAL ANTIBODIES A
ND CANCER THERAPY, Alan R. Liss, Inc., p
p. 77−96を参照のこと)を生成することによって、調製され得る。ヒトモノクロ
ーナル抗体が利用され得、それは、ヒトハイブリドーマを使用することによって(Cot
eら、1983. Proc Natl Acad Sci USA 80: 2026
−2030を参照のこと)もしくはヒトB細胞をインビトロで、エプスタイン・バー・ウ
イルスで形質転換することによって(Coleら、1985 In: MONOCLON
AL ANTIBODIES AND CANCER THERAPY, Alan R
. Liss, Inc., pp. 77−96を参照のこと)生成され得る。
モノクローナル抗体は、例えば、動物を標的抗原、またはその免疫原性フラグメント、
誘導体もしくは改変体で免疫化することによって生成される。あるいは、上記動物は、上
記標的抗原をコードする核酸分子を含むベクターでトランスフェクトされた細胞で免疫化
され、その結果、上記標的抗原が発現され、上記トランスフェクトされた細胞の表面と会
合する。異種の非ヒト動物を生じるための種々の技術が当該分野で周知である。例えば、
米国特許第6,075,181号および同第6,150,584号(これはその全体が本
明細書に参考として援用される)を参照のこと。
あるいは、上記抗体は、上記標的抗原に結合するための抗体もしくは抗原結合ドメイン
配列を含むライブラリーをスクリーニングすることによって得られる。このライブラリー
は、例えば、組み立てられたファージ粒子の表面で発現されるバクテリオファージコート
タンパク質へのタンパク質もしくはペプチド融合物および上記ファージ粒子内に含まれる
コードDNA配列としてバクタリオファージにおいて、調製される(すなわち、「ファー
ジディスプレイライブラリー」)。
次いで、骨髄腫/B細胞融合物から生じるハイブリドーマは、上記標的抗原への反応性
についてスクリーニングされる。モノクローナル抗体は、例えば、ハイブリドーマ法(例
えば、Kohler and Milstein, Nature, 256:495
(1975)によって記載されるもの)を使用して調製される。ハイブリドーマ法におい
て、マウス、ハムスター、もしくは他の適切な宿主動物が、代表的には、免疫化因子で免
疫化されて、上記免疫化因子に特異的に結合する抗体を生成するかもしくは生成し得るリ
ンパ球が誘発される。あるいは、上記リンパ球は、インビトロで免疫化され得る。
厳密には不可能ではないものの、同じ重鎖可変ドメインを有するが、異なる抗原に対し
て指向される異なる抗体の思いがけない同定は、非常に可能性が低い。実際に、大部分の
場合には、重鎖は、抗原結合表面に主に寄与し、配列の中で最も可変性も高い。特に、重
鎖のCDR3は、配列、長さおよび構造において最も多様なCDRである。従って、異な
る抗原に対して特異的な2種の抗体は、異なる重鎖可変ドメインをほぼ常に有する。
いくつかの実施形態において、精製される予定の上記κλ−ボディおよび/もしくはイ
ンタクトな抗体は、例えば、上記重鎖可変ドメインが全てのライブラリーメンバーに関し
て同一であり、従って、多様性が上記軽鎖可変ドメインに制限されている抗体ライブラリ
ーを使用して、生成される。このようなライブラリーは、例えば、同時係属中の出願PC
T/US2010/035619(2010年5月20日出願およびPCT公開番号WO
2010/135558として2010年11月25日公開)および同時係属中の出願
PCT/US2010/057780(2010年11月23日出願およびPCT公開番
号WO 2011/084255として2011年7月14日公開)(これらの各々が、
その全体において本明細書に参考として援用される)に記載される。しかし、上記軽鎖可
変ドメインは、重鎖可変ドメインと組み合わせて発現されるので、両方のドメインが抗原
結合に寄与し得る。上記プロセスをさらに促進するために、同じ重鎖可変ドメインおよび
多様なλ可変軽鎖もしくはκ可変軽鎖のいずれかを含む抗体ライブラリーが、異なる抗原
に対する抗体のインビトロ選択のために並行して使用され得る。このアプローチは、本発
明の完全な免疫グロブリン形式にある二重特異的抗体の生成のための構成要素として使用
され得る、共通の重鎖を有するが、一方はλ軽鎖可変ドメインを、他方はκ軽鎖可変ドメ
インを有する2つの抗体の識別を可能にする。本発明の方法を使用して精製される予定の
上記二重特異的抗体は、異なるアイソタイプのものであり得、それらのFc部分は、異な
るFcレセプターへの結合特性を変化させるために改変され得、このようにして、上記抗
体のエフェクター機能ならびにその薬物動態特性を改変し得る。上記Fc部分の改変のた
めの多くの方法が記載されてきており、本発明の抗体に適用可能である(例えば、Str
ohl,WR Curr Opin Biotechnol 2009 (6):685
−91;米国特許第6,528,624号;米国特許出願公開番号2009/01911
99(2009年1月9日出願)を参照のこと)。本発明の方法はまた、上記Fc部分を
欠くF(ab’)2形式において二重特異的抗体および抗体混合物を精製するために使用
され得る。
好ましくは、上記精製される予定のκλ−ボディは、本発明の二重特異的抗体の組み立
てを可能にするために、単一細胞への上記共通の重鎖および2個の異なる軽鎖の同時発現
のために最適化されてきた。上記ポリペプチドの全てが、同じレベルで発現されかつ免疫
グロブリン分子を形成するために等しく十分に組み立てられるようにするのであれば、単
一特異的(同じ軽鎖)および二重特異的(2個の異なる軽鎖)の比は、50%であるはず
である。しかし、異なる軽鎖が異なるレベルで発現され、そして/または同じ効率で組み
立てられないことは、あり得ることである。さらに、インタクトなIgG分子への組み立
てから逃れた軽鎖は、「遊離軽鎖」(FLC)として細胞培養培地に分泌され得る。上記
異なるポリペプチドの相対的発現を調節して、それらの本質的な発現特性もしくは共通な
重鎖と会合する傾向が異なることを補償する手段としては、非限定的例示によれば、種々
の強度を有するプロモーターの使用、異なる効率を特徴とする内部リボソーム進入部位(
IRES)の使用、または転写レベルもしくは翻訳レベルにおいて作用し得る、ならびに
mRNA安定性に対して作用する調節エレメントの他のタイプの使用が挙げられる。上記
発現の調節はまた、一方のもしくは他方の軽鎖を発現する個々の遺伝子のコピー数を増大
させ、従って、それらの相対的発現を改変するために、細胞の複数の逐次的なトランスフ
ェクションによって達成され得る。
上記重鎖および2個の軽鎖の同時発現は、細胞培養上清へと分泌される3種の異なる抗
体:2種の単一特異的二価抗体および1種の二重特異的二価抗体の混合物を生じる。後者
は、上記目的のκλ−ボディを得るために、上記混合物から精製されなければならない。
本明細書に記載される精製法は、上記κ軽鎖もしくはλ軽鎖の定常ドメインと特異的に相
互作用するアフィニティークロマトグラフィー媒体(例えば、KappaSelectア
フィニティー媒体、LambdaFabSelectアフィニティー媒体、ならびに/も
しくはProtein L、CaptureSelect Fab KappaおよびC
aptureSelect Fab Lambdaアフィニティーマトリクス)の使用に
よる精製手順を大いに促進する。このアフィニティークロマトグラフィー精製アプローチ
は効率的であり、二重特異的抗体(κλ−ボディを含む)に一般的に適用可能である。こ
れは、抗体混合物を発現するクアドローマもしくは他の細胞株から得られる各二重特異的
抗体のために開発され最適化されなければならない特定の精製法とは際だって対照的であ
る。実際に、上記混合物中の異なる抗体の生化学的特性が類似している場合には、標準的
クロマトグラフィー技術(例えば、イオン交換クロマトグラフィー)を使用するそれらの
分離は、困難であり得るかもしくは全く不可能であり得る。
上記3個の鎖の同時発現は、3種の異なる抗体:2種の単一特異的抗体および1種の二
重特異的抗体、の組み立てをもたらした。それらの理論的相対比は、発現レベルおよび組
み立て速度が両方の軽鎖に関して類似であるとするならば、1:1:2であるはずである
。上記二重特異的抗体を、上記二重特異的抗体(例えば、上記κλ−ボディ)を、アフィ
ニティー樹脂を使用して優先的に溶離するアフィニティークロマトグラフィー手順を使用
して精製した。
上記3つの鎖の同時発現はまた、細胞培養上清中に過剰な遊離軽鎖の生成をもたらした
。このような遊離軽鎖は、例えば、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーを省
略する精製プロセスにおいて除去するのは潜在的に問題があり得る。遊離軽鎖は、本明細
書中で示されるとおり、混合モードクロマトグラフィーを使用して上記インタクトな抗体
ミックスから効率的に分離され得る。
異なる抗体操作アプローチを使用して均質な二重特異的分子の生成を無理矢理行うこと
を目指して二重特異的抗体形式を生成および精製する以前のアプローチは、上記生成物の
生産性、拡張性および安定性を犠牲にして行われた。本明細書に記載される方法は、上記
二重特異的抗体を、一価のモノクローナル抗体および遊離軽鎖を含む混合物から精製する
効率的かつ包括的な手段を提供する。
実施例1:λ軽鎖およびκ軽鎖を有する二重特異的抗体の精製
上記κλ−ボディは、2種の独立した標的に対する特異性を駆動する、共通のIgG1
重鎖および2個の異なる軽鎖を含む新規な二重特異的IgG形式である。大規模産業プロ
セスに適用可能な効率的精製プロトコルを可能にするために、その形式は、一方の軽鎖が
κ定常領域を含むと同時に、他方がλ定常領域を含むことが必要である(図1を参照のこ
と)。
κλ−ボディを生成するために、上記共通の重鎖および2個の軽鎖を、CHO細胞にお
いて、3シストロン発現ベクターを使用して発現させる。このベクター形式は、3種の生
成物:単一特異的κモノクローナル抗体(MAb)、二重特異的κλ−ボディおよび単一
特異的λ−MAb、の構築を可能にする。κ軽鎖とλ軽鎖との間で類似の発現レベルおよ
び上記重鎖との組み立てを仮定すると、理論的生成物比は、遊離軽鎖を加えて25:50
:25である(図2を参照のこと)。
このκλ−ボディ形式の精製は、例えば、同時係属中の米国特許出願第13/210,
723号(2011年8月16日出願)に記載されるように、KappaSelectア
フィニティー樹脂およびLambdaFabSelectアフィニティー樹脂(GE H
ealthcare)への逐次的結合によって行われ得る。これら樹脂は、上記κ定常領
域もしくはλ定常領域のいずれかに対して高い特異性および親和性を有するドメインリガ
ンドとカップリングされる。しかし、上記κλ−ボディおよび他の二重特異的抗体の大規
模精製を可能にする、改善されかつコスト効率的精製プロセスが必要である。遊離軽鎖が
、KappaSelectアフィニティークロマトグラフィーおよびLambdaFab
Selectアフィニティークロマトグラフィーより前に上記混合物から除去され得る限
りにおいて、プロテインAアフィニティー上清捕捉工程の除去が想定され、可能である。
上記精製プロセスを合理化することを目的として、上記κλ−ボディが、その対応する
、単一特異的κ−MAb(KappaSelectに対して)もしくは単一特異的λ−M
Ab(LambdaFabSelectに対して)の副生成物より弱い親和性で、上記モ
ノクローナル形式(κもしくはλのいずれか)に関して、双方ではなく各軽鎖のうちの一
方のみを含むという事実に起因して、KappaSelect樹脂もしくはLambda
FabSelect樹脂のいずれかに結合すると仮定した。さらに、遊離軽鎖が、上記上
清から組換えタンパク質を直接捕捉するために、混合モードクロマトグラフィーを使用し
てインタクトな抗体から分離され得ると仮定した(図2を参照のこと)。
本明細書中で提供される研究から、KappaSelectアフィニティークロマトグ
ラフィーもしくはLambdaFabSelectアフィニティークロマトグラフィーの
いずれかの間に段階的pH溶離を使用して、κλ−ボディを単一特異的κAbから成功裏
に分離することが示される。
出発材料:KappaSelectクロマトグラフィーに関しては、κλ二重特異的発
現ベクター(1つのγ1重鎖cDNA、1つのκ軽鎖cDNA、および1つのλ軽鎖cD
NAを含む)でトランスフェクトしたCHO細胞の清澄にした25Lウェーブバッグ発酵
上清を、精製のための出発材料として使用した。LambdaFabSelectおよび
混合モードクロマトグラフィーに関しては、κλ二重特異的発現ベクター(1つのγ1重
鎖cDNA、1つのκ軽鎖cDNAおよび1つのλ軽鎖cDNAを含む)でトランスフェ
クトしたCHO細胞のBIOSTAT CultiBag STR 100L発酵の清澄
にした上清を、精製のための出発材料として使用した。
KappaSelectクロマトグラフィー工程: 抗IFNγ/IL−6RC(すな
わち、IL−6RCは、IL−6とIL−6Rとの間で形成された複合体である)κλ−
ボディ二重特異的IgG抗体を、KappaSelectアフィニティークロマトグラフ
ィー媒体(GE Healthcare)を使用して精製した。上記抗IFNγ/IL−
6RC κλ−ボディ二重特異的IgG抗体の重鎖および軽鎖アミノ酸配列を、以下に示
す:

10mg/mLでのカラムへのローディングならびに50mM リン酸ナトリウム、2
50mM 塩化ナトリウム、pH7.0(5カラム容積)での洗浄工程の後、pH段階的
溶離(pH3.0、続いて、pH2.5およびpH2.0)を、この関連するpHに調節
した50mM グリシン緩衝液を使用して行った。フロースルー(F/T)画分および溶
離した画分を集め、生成物回収を決定するために280nmでの吸光度測定(NanoD
rop UV−Vis分光光度計(Thermo Scientific)を使用)によ
って、上記サンプルの純度および組成を決定するために還元型および非還元型SDS−P
AGE(製造業者のガイドラインに従ってInvitrogen Novex NuPA
GE 12ウェル 4〜20% 勾配ゲルを使用)によって、そして上記精製プロセスが
上記κλ−ボディ二重特異的IgGを上記2種の単一特異的抗体副生成物から分離する能
力を決定するためにイオン交換高速液体クロマトグラフィー(IEX−HPLC;以下に
記載される方法)によって分析した。
IEX−HPLC法:このイオン交換高速液体クロマトグラフィー(IEX−HPLC
)法を、精製サンプル中の単一特異的抗体および二重特異的抗体の割合を決定するために
使用した。上記IEX−HPLC法は、タンパク質改変体の分離をそれらの電荷分布に従
って可能にする。サンプルを調製して、A BioMab NP5−SSカラム(Agi
lent)の上に50μgをローディングし、流量0.8mL/分での10mM リン酸
ナトリウム、500mM NaCl、pH6.5(0%〜100% NaCl濃度)の直
線勾配を、上記異なる抗体生成物を分離するために適用した。214nmでのUV検出を
使用して、サンプル溶離をモニターした。3つの集団を(参照標準に従って)同定し、そ
れらのパーセンテージ相対面積に従って分析した。各アイソフォームのパーセンテージを
、総ピーク面積に対する各成分のピーク面積を計算することによって決定した。
図3A中のUVトレース(青色)によって示されるように、上記KappaSelec
tクロマトグラフィー樹脂に適用した3つのpH段階的溶出は、3つの結合画分の逐次的
単離を可能にした。非還元型SDS−PAGE分析(図3Bに示される)から、認識され
るように、組み立てられた全長抗体を含む高純度の溶離した画分が明らかになった。いく
つかの遊離軽鎖生成物(モノマーおよびダイマー形態)もまた、検出された。還元型SD
S−PAGE分析から、逐次的pH溶離工程は、軽鎖組成に基づいて、上記2種の単一特
異的抗体に対して上記κλ−ボディの差次的保持をもたらすことが示唆された。pH3.
0での溶離画分は、両方の軽鎖を等しいレベルで含んだのに対して、上記pH2.5画分
およびpH2.0画分は、最小のもしくは検出不能なレベルのλ軽鎖を示した。上記3つ
の結合画分を、上記IEX−HPLCクロマトグラムのピーク面積を積分することによっ
てさらに特徴付けた(図3C)。表1にまとめた結果は、上記SDS−PAGE分析と一
致し、このことは、pH3.0における第1の溶離画分中の上記κλ−ボディの量が非常
に豊富である(70.10%)ことを示す。pH2.5およびpH2.0でのその後の溶
離工程は、上記単一特異的κ抗体の溶離を生じた。上記KappaSelect樹脂での
pH段階的溶離ストラテジーは、従って、二重特異的κλ−ボディを、単一特異的なκ−
MAbおよびλ−MAbから効率的に分離することを示した。

このデータから、より低いpHで溶離する単一特異的κ−MAbより、二重特異的κλ
−ボディ生成物をKappaSelectアフィニティー樹脂から優先的に溶離するため
に、より高いpH段階的溶離を使用することの実行可能性が実証される。このことは、お
そらく、上記κλ−ボディ中の単一のκ鎖とは対照的に、上記単一特異的形式における2
個のκ鎖の存在のため、上記樹脂へのより高い親和性に起因する。
従って、この分離はまた、上記軽鎖に対する親和性が上記単一特異的および/もしくは
二重特異的生成物を差次的に結合するために使用される他のクロマトグラフィー支持体(
例えば、非限定的かつ非網羅的な例によれば、LambdaFabSelectイオン交
換、疎水性相互作用、および混合モード樹脂(例えば、ヒドロキシアパタイト))におい
て有用である。当業者は、このカテゴリー内に入る他の当該分野で認識された技術を容易
に認識する。上記異なる生成物を分離するための溶離ストラテジーは、pH変化に限定さ
れるべきでないのみならず、非限定的かつ非網羅的な例によれば、塩濃度(例えば、Na
Cl濃度もしくは他の無機塩(例えば、ホフマイスターシリーズのイオンからの無機塩組
み合わせ)の濃度)の段階的変化、アルギニンおよび他のアミノ酸(例えば、ヒスチジン
、プロリン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、およびグリシンの濃度)を
使用するカチオン交換分離技術、温和な変性剤(例えば、ポリソルベート20、ポリソル
ベート80、ポリエチレングリコール2000、ポリエチレングリコール8000、Tr
iton X−100、CHAPS、NP−40、ならびに他のイオン性、非イオン性お
よび/もしくは双性イオン性界面活性剤)の使用などをも含み得る。
LambdaFabSekctクロマトグラフィー工程: 抗IL−6Rc/IL−6
RC κλ−ボディ二重特異的IgG抗体を、LambdaFabSelectアフィニ
ティークロマトグラフィー媒体(GE Healthcare)を使用して精製した。上
記抗IL−6Rc/IL−6RC κλ−ボディ二重特異的IgG抗体の重鎖および軽鎖
のアミノ酸配列を、以下に示す:

20mg/mLでのカラムへのローディング、ならびに50mM リン酸ナトリウム、
250mM 塩化ナトリウム、pH7.0(5カラム容積)での洗浄工程の後に、pH段
階的溶離を、pH3.0に調節した50mM グリシン緩衝液を使用して行った。フロー
スルー画分および溶離した画分を集め、生成物回収を決定するために280nmでの吸光
度測定(NanoDrop UV−Vis分光光度計(Thermo Scientif
ic)を使用)によって、上記サンプルの純度および組成を決定するために還元型および
非還元型SDS−PAGE(製造業者のガイドラインに従ってInvitrogen N
ovex NuPAGE 12ウェル 4〜20% 勾配ゲルを使用)によって、そして
上記精製プロセスが上記κλ−ボディ二重特異的IgGを上記2種の単一特異的抗体副生
成物から分離する能力を決定するために疎水性高速液体クロマトグラフィー(HIC−H
PLC;以下に記載される方法)によって、分析した。
HIC−HPLC法:サンプル混合物中の上記λ−MAb、κ−MAbおよび上記κλ
−ボディの相対的割合を決定するために、Dionex ProPac HIC−10カ
ラムを使用するHIC−HPLC(疎水性相互作用クロマトグラフィー)アッセイを使用
した。硫酸アンモニウムの85〜25%の間の下降勾配を、高分離能で上記3種(上記κ
−MAbの溶離が最初、続いて、上記κλ−ボディ、最後に、上記λ−MAb)を溶離す
るために、上記サンプルのローディングの後に、上記カラムに適用した。280nmでモ
ニターしたUVトレースのピーク面積積分を、各種の量を決定するために行った。
図4A中のUVトレースによって示されるように、上記LambdaFabSelec
tクロマトグラフィー樹脂に適用されたpH段階的溶離は、上記κλ−ボディの精製を可
能にした。非還元的SDS−PAGE分析(図4Bに示される)から、認識されるように
、組み立てられた全長抗体を含む精製画分が高純度であることが明らかにされた。いくつ
かの遊離軽鎖生成物(モノマーおよびダイマー形態)もまた、非還元型SDS−PAGE
によって検出した。上記精製画分を、上記HIC−HPLCクロマトグラムのピーク面積
を積分することによってさらに特徴付けた(図4C)。表2にまとめた結果は、上記SD
S−PAGE分析と一致し、このことは、pH3.0での溶離画分において上記κλ−ボ
ディの量が非常に豊富である(89.4%)ことを示す。

Mep HyperCelTM混合モードクロマトグラフィーを使用する遊離軽鎖減少
:製造コストを減らすために、生物工学/製薬産業は、最初のプロテインAアフィニティ
ークロマトグラフィー工程を省略する精製プロセスを開発中である。代替の精製解決策は
、従って、現在探索されている最中である。特に、混合モードクロマトグラフィーは、細
胞培養夾雑物からの抗体の選択的単離を可能にするイオン性相互作用および疎水性相互作
用両方の組み合わせの新規な選択的活用を提供する。これら夾雑物としては、宿主細胞タ
ンパク質、細胞DNA、エンドトキシン、ウイルス、ならびに抗体フラグメントが挙げら
れ得る。上記のように、組換え抗体を発現する哺乳動物細胞はまた、組み立てられていな
い遊離軽鎖を上清へと分泌する。
本発明は、遊離軽鎖を、単一特異的抗体および二重特異的抗体から効率的に除去するこ
とに関する。特に、二重特異的抗体もしくは単一特異的モノクローナル抗体および遊離軽
鎖に適用可能なクロマトグラフィー条件が、同定された。本発明は、遊離軽鎖夾雑物を、
κλ−ボディを発現するCHO細胞株の上清から減らすための方法によって示される(図
5A〜5Cを参照のこと)。上記方法は、以下の工程を包含する:a)上記細胞培養上清
を、固体のクロマトグラフィー混合モード樹脂(例えば、MEP HyperCel)に
適用する工程、b)上記モノクローナル抗体を酢酸緩衝溶離バッファー(pH5.0)(
溶離液)で溶離する工程、およびc)pH2.1において上記樹脂に強く結合している遊
離軽鎖を除去する工程(ストリップ)。
図5Aは、非還元型SDS PAGE(図5B)によって決定されるように、上記スト
リップ中のFLCの存在を示す代表的MEP HyperCelクロマトグラムを示す。
SEC HPLC分析から、上記細胞培養上清中の60%から下がって上記抗体溶離画分
中の33%へと、効率的FLC除去が確認された(図5Cおよび以下の表3)。

他の実施形態
本発明は、その詳細な説明とともに記載されてきたが、前述の説明は、本発明の範囲を
例示し、限定しないと解釈される。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義
される。他の局面、利点、および改変は、以下の特許請求の範囲の範囲内にある。

Mep HyperCelTM混合モードクロマトグラフィーを使用する遊離軽鎖減少:製造コストを減らすために、生物工学/製薬産業は、最初のプロテインAアフィニティークロマトグラフィー工程を省略する精製プロセスを開発中である。代替の精製解決策は、従って、現在探索されている最中である。特に、混合モードクロマトグラフィーは、細胞培養夾雑物からの抗体の選択的単離を可能にするイオン性相互作用および疎水性相互作用両方の組み合わせの新規な選択的活用を提供する。これら夾雑物としては、宿主細胞タンパク質、細胞DNA、エンドトキシン、ウイルス、ならびに抗体フラグメントが挙げられ得る。上記のように、組換え抗体を発現する哺乳動物細胞はまた、組み立てられていない遊離軽鎖を上清へと分泌する。

Claims (1)

  1. 本明細書に記載の発明。
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