JP2018183914A - 振動板用フィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】150℃以上の耐熱性を得ることができ、耐久性を向上させることのできる振動板用フィルムの製造方法を提供する。【解決手段】ポリエーテルエーテルケトン樹脂とフラーレンとを溶融混練して成形材料1を調製し、この成形材料1を用いてTダイス13からフィルム2を連続的に押出成形し、この押出成形したフィルム2を圧着ロール17と冷却ロール18との間に挟んで冷却することにより、冷却したフィルム2の厚さを2μm以上110μm以下とし、冷却後のフィルム2の機械的特性を23℃における引張最大強度で90N/mm2以上とするとともに、引張破断時伸びで100%以上とし、冷却後のフィルム2の耐熱性を150℃における引張最大強度で80N/mm2以上とし、かつ引張破断時伸びで400%以上とし、フィルム2の音響特性を23℃における比重で1.2以上1.4以下とし、20℃における損失正接で0.010以上とする。【選択図】図1

Description

本発明は、音質特性と耐熱性に優れる振動板用フィルムの製造方法に関するものである。
携帯電話、携帯ゲーム機器、スマートフォン等からなる携帯機器には、マイクロスピーカと呼ばれる小型のスピーカが内蔵されている。このマイクロスピーカと呼ばれるスピーカの音波を発生させる振動板は、一般的には、(1)金属箔、(2)天然樹脂製の紙、織布、不織布、(3)合成樹脂製のフィルムにより形成されており、音質を左右する重要な部品である。
振動板が(3)の合成樹脂製のフィルムの場合、これまでにポリエチレン(PE)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂等からなるフィルムが用いられている(特許文献1、2参照)。
ところで、近年のスピーカは、益々の高機能化や高性能化が図られている。したがって、スピーカの振動板に対する要求特性も益々厳しくなって来ている。この振動板に求められる要求特性としては、軽量(密度あるいは比重が小さい)であること、適度な剛性(ヤング率、弾性率)を有すること、厚さ精度に優れること、損失正接(内部損失とも、tanδともいう)が大きく、耐熱性に優れること等があげられる。加えて、耐湿性、耐水性、成形性(プレス成形、真空成形、圧空成形等)に優れることもあげられる。
しかしながら、スピーカの振動板が(1)の金属箔の場合、耐熱性や耐水性等に優れるものの、剛性が大きいので、最低共振周波数(f)が高く、低音の再生特性が不十分となる。加えて、振動板にとって、重要な損失正接(内部損失とも、tanδともいう)が小さいので、振動板が共振して音響特性が乱れ、その結果、高性能が期待できず、音質に問題が生じる。さらに、密度が大きいので、振動伝播速度が遅くなったり、再生周波数帯域が狭まり、音質特性に問題が生ずる。
また、スピーカの振動板が(2)の天然樹脂製の紙、織布、不織布の場合、密度が小さく、軽量ではあるものの、剛性が小さいので、高周波領域の再生に問題が発生し、しかも、重要な損失正接も小さいので、やはり音質に問題が発生する。さらに、十分な耐湿性、耐水性、耐熱性を得ることが困難となり、スピーカの製造工程も煩雑化する。
これに対し、スピーカの振動板が(3)の合成樹脂製のフィルムの場合、合成樹脂の材質の変更により、損失正接の選択等が可能になるので、問題が少なく、しかも、振動板の薄型化、軽量化、量産化に適するので、小型軽量の携帯機器の内蔵には最適である。これらの点に鑑み、近年の携帯機器に内蔵されるスピーカには、合成樹脂製のフィルムの振動板が利用されている。
さて、最近は、携帯機器の高機能化に伴うライフスタイルの変化により、時間や場所を問わず、携帯機器でテレビ番組や音楽、ゲーム等を楽しみたいという利用者が少なくない。具体的には、通勤時の公共交通車内、温度変化の激しい旅行先の海水浴場やスキー場、騒がしい休暇中の娯楽施設、上下前後左右に揺れるランニング時等にも、携帯機器一台で良質のテレビ番組や音楽、ゲーム等を楽しみ、時間を有効利用して生活を豊かにしたいと願う利用者が少なくない。
係る利用者の要望を満たすためには、スピーカが安定した環境で使用される据え置きの音響機器に内蔵されるのではなく、携帯機器に内蔵されるという特別な事情を考慮し、スピーカの性能を向上させたり、高出力化させる必要がある。具体的には、好ましくない使用環境で携帯機器が長時間利用されたり、外部出力を大きくし、大音量で超時間利用されるのを前提に、スピーカの振動板の耐熱性をさらに向上させ、スピーカの耐久性を改良する必要がある。
上記合成樹脂製のフィルムは、耐熱性が不十分なため、スピーカ用の振動板として使用する場合、外部出力を大きくすると、ボイスコイルの高振動により発生する高熱で振動板の変形、又は破損を招く等、耐久性に問題が生じる。そこで、近年、スピーカの振動板用フィルムとして、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂製のフィルムが提案され、実施されている(特許文献3参照)。
特開昭60−139098号公報 特開昭64− 67099号公報 特開昭58‐222699号公報 16−3ポリマーフロンティア21配布資料 「フラーレンの特性と分散させた樹脂・ゴムの特性」 「フラーレンとナノチューブの科学」(篠原久典・齊藤弥八 著 名古屋大学出版 2011年刊 P.29〜37)
ポリエーテルエーテルケトン樹脂製のフィルムは、ガラス転移点が140℃以上150℃以上(測定方法:示差走査熱量測定法)、融点が330℃以上340℃以上(測定方法:示差走査熱量測定法)なので、優れた耐熱性を得ることができる。
しかしながら、高機能・高出力化されたスピーカは、出力時、ボイスコイルの高振動により発熱し、振動板の温度が150℃付近まで達してしまうと言われている。この点、ポリエーテルエーテルケトン樹脂製のフィルムのガラス転移点は150℃以下なので、このフィルムを振動板に使用すると、ボイスコイルの高振動で発生する高熱により、振動板が変形したり、破損するおそれがある。
本発明は上記に鑑みなされたもので、150℃以上の耐熱性を得ることができ、耐久性を向上させることのできる振動板用フィルムの製造方法を提供することを目的としている。
本発明者等は上記課題を解決すべく、鋭意研究した結果、ポリエーテルエーテルケトン樹脂にフラーレンを添加することにより、ポリエーテルエーテルケトン樹脂成形品のガラス転移点を向上させることができることに着目し(非特許文献1)、ポリエーテルエーテルケトン樹脂とフラーレンとから成る成形材料によりフィルムを製造することで本発明を完成させた。
すなわち、本発明においては上記課題を解決するため、樹脂含有の成形材料を用いてフィルムを成形する振動板用フィルムの製造方法であって、
ポリエーテルエーテルケトン樹脂とフラーレンとを溶融混練して成形材料を調製し、この成形材料を用いてダイスからフィルムを連続的に帯形に押出成形し、この押出成形したフィルムを圧着ロールと冷却ロールとの間に挟んで冷却することにより、冷却したフィルムの厚さを2μm以上110μm以下とし、
冷却後のフィルムの機械的特性を23℃における引張最大強度で90N/mm以上とするとともに、引張破断時伸びで100%以上とし、冷却後のフィルムの耐熱性を150℃における引張最大強度で80N/mm以上とし、かつ引張破断時伸びで400%以上とし、フィルムの音響特性を23℃における比重で1.2以上1.4以下とし、20℃における損失正接で0.010以上とすることを特徴としている。
なお、押出成形機にポリエーテルエーテルケトン樹脂とフラーレンとを不活性ガスを供給しながら投入し、ポリエーテルエーテルケトン樹脂100質量部に対してフラーレン0.05質量部以上5質量部以下添加して溶融混練することができる。
また、圧着ロールと冷却ロールのうち、少なくとも冷却ロールの温度を50℃以上260℃以下の範囲に調整することが好ましい。
また、冷却ロールの周面に微細な凹凸を形成し、フィルムを圧着ロールと冷却ロールの間に挟んで冷却する際、冷却ロールの微細な凹凸をフィルムに転写して摩擦係数を低下させることができる。
また、冷却後のフィルムを厚さ10μm以上100μm以下のエラストマー層に積層接着し、これらを熱成形することもできる。
また、冷却後のフィルムをエラストマー層の両面のうち、少なくとも片面にプライマーを介して積層接着し、これらを熱成形することが可能である。
さらに、エラストマー層をシリコーン樹脂製としてそのJIS K 6253に準拠してデュロメータのタイプAで測定した場合のデュロメータ硬さを、A10以上A90以下とすることが可能である。
ここで、特許請求の範囲におけるポリエーテルエーテルケトン樹脂とフラーレンよりなる成形材料の溶融混練前における含水率は、2000ppm以下であるのが好ましい。ダイスの押出成形時の温度は、ポリエーテルエーテルケトン樹脂の融点以上あるいは熱分解温度未満の範囲に調整するのが好ましい。また、冷却したフィルムの厚さ公差は、平均値±10%の範囲内が好ましい。圧着ロールと冷却ロールの数は、必要に応じて増減することができる。
圧着ロールの下流には、フィルム用の巻取機を設置し、これら圧着ロールと巻取機との間には、フィルムを容易に加工する観点から、フィルムの側部にスリットを形成するスリット刃を配置し、このスリット刃と巻取機との間には、フィルムにテンションを作用させるテンションロールを回転可能に軸支させることができる。
振動板用フィルムは専らスピーカ用であるが、このスピーカは、音の波長と同程度の寸法の振動板から、大気中に音を直接放射する直接放射型が主である。但し、直接放射型の他、ホーン型でも良い。このスピーカは、主に携帯機器に内蔵されるが、この携帯機器には、少なくとも携帯電話、携帯用音楽機器、携帯ゲーム機器、スマートフォン、タブレットPC、ノートパソコン等が含まれる。
本発明によれば、フラーレンがポリエーテルエーテルケトン樹脂の分子鎖間に入り込み、フラーレンとポリエーテルエーテルケトン樹脂の分子鎖間に働くファンデルワールス力等の相互作用により、フラーレンを含有したポリエーテルエーテルケトン樹脂製のフィルムの耐熱性を改良し、向上させるので、振動板用のフィルムに150℃以上の耐熱性を付与することができる(非特許文献1参照)。
本発明によれば、成形材料にフラーレンを添加することにより、150℃以上の耐熱性を得ることができ、これを通じてフィルムの耐久性を向上させることができるという効果がある。具体的には、冷却後のフィルムの機械的特性を23℃における引張最大強度で90N/mm以上とするとともに、引張破断時伸びで100%以上とし、冷却後のフィルムの耐熱性を150℃における引張最大強度で80N/mm以上とし、かつ引張破断時伸びで400%以上とし、フィルムの音響特性を23℃における比重で1.2以上1.4以下とし、20℃における損失正接で0.010以上とするので、フィルムの機械的特性が低下したり、成形精度の低下を防ぐことができ、振動板の小型化が期待できる。また、スピーカの製造工程の煩雑化を防ぐことができる。
請求項2記載の発明によれば、フラーレンの添加量がポリエーテルエーテルケトン樹脂100質量部に対して0.05質量部以上5.0質量部以下なので、フィルムの耐熱性の改良効果が期待できる。また、ポリエーテルエーテルケトン樹脂とフラーレンとからなる成形材料の溶融粘度の増大に伴い、フィルムの押出成形が困難になるのを防止することができる。また、製造時の不活性ガスの供給により、成形材料の酸化劣化や酸素架橋を防止することが可能になる。
請求項3記載の発明によれば、少なくとも冷却ロールの温度を50℃以上260℃以下の範囲とするので、製造中のフィルムが冷却ロールに貼り付き、破断するおそれを排除することができる。加えて、冷却ロールの結露防止が期待できる。
請求項4記載の発明によれば、音質特性や圧縮特性等に優れるエラストマー層にポリエーテルエーテルケトン樹脂とフラーレンとを含有する成形材料より得られるフィルムを積層してこれらの特性を併有する振動板を製造するので、例え携帯機器等が好ましくない使用環境で長時間利用され、しかも、スピーカ等のハイパワー化に伴い、ボイスコイル等に発熱や振動が生じても、振動板の耐久性や音質特性を向上させることが可能になる。また、フィルムの厚さが2μm以上110μm以下の範囲なので、フィルムの機械的強度の低下を防止したり、振動板の大型化を防ぐことも可能になる。
請求項5記載の発明によれば、エラストマー層にシリコーン樹脂を使用するので、耐熱性、耐候性、難燃性、音質特性、圧縮特性に優れる振動板を得ることができる。また、シリコーン樹脂のデュロメータ硬さがA10以上A90以下の範囲内なので、シリコーン樹脂の圧縮永久歪み特性が悪化したり、振動板の振動伝搬速度が低下して音質に悪影響が生じるのを防ぐことができる。さらに、損失正接が低下したり、f値の増大に伴い、振動板の性能が悪化するのを防止することができる。
本発明に係る振動板用フィルムの製造方法の実施形態を模式的に示す全体説明図である。 本発明に係る振動板用フィルムの製造方法の実施形態における振動板用フィルムを模式的に示す断面説明図である。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明すると、本実施形態における振動板用フィルムの製造方法は、図1や図2に示すように、樹脂含有の成形材料1を用いて携帯機器のスピーカ用のフィルム2を成形する製法であり、ポリエーテルエーテルケトン樹脂とフラーレンとを溶融混練して成形材料1を調製し、この成形材料1を溶融押出成形機器10で溶融混練して用いてTダイス13からフィルム2を連続的に押出成形し、この押出成形したフィルム2を一対の圧着ロール17と冷却ロール18との間に挟持させて冷却することにより、冷却後のフィルム2の厚さを2μm以上110μm以下とするようにしている。
成形材料1のポリエーテルエーテルケトン樹脂は、特に限定されるものではないが、化学式〔化1〕の繰り返し単位を有する樹脂であり、通常は融点が320℃以上360℃以下であり、好ましくは335℃以上345℃以下である。
Figure 2018183914
このポリエーテルエーテルケトン樹脂における化学式〔化1〕のnは、耐折強さの観点から、10以上が好ましく、20以上がより好ましい。ポリエーテルエーテルケトン樹脂は、化学式〔化1〕の繰り返し単位のみからなるホモポリマーであっても良いし、化学式〔化1〕以外の繰り返し単位を有していても良い。但し、ポリエーテルエーテルケトン樹脂中、化学式〔化1〕の化学構造の割合は、ポリエーテルエーテルケトン樹脂100モル%に対し、50モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましく、80モル%が最適である。
ポリエーテルエーテルケトン樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で他の共重合可能な単量体とのブロック共重合体、ランダム共重合体、あるいは変性体も使用することが可能である。
ポリエーテルエーテルケトン樹脂の具体例としては、ビクトレック社製の製品名:ビクトレックス ピークシリーズ、ダイセル・エボニック社製の製品名:ベスタキープシリーズ、ソルベイスペシャルティポリマーズ社製の製品名:キータスパイアポリエーテルエーテルケトンシリーズがあげられる。ポリエーテルエーテルケトン樹脂の製造方法としては、例えば特開昭50−27897号公報、特開昭5l−119797号公報、特開昭52−38000号公報、特開昭54−90296号公報、特公昭55−23574号公報、特公昭56−2091号公報等に記載された製法があげられる。
成形材料1のフラーレンは炭素のみから構成され、中空状の閉殻構造をなす球殻状又は略球殻状の炭素クラスタであり、フラーレンがポリエーテルエーテルケトン樹脂の分子鎖間に入り込み、フラーレンがポリエーテルエーテルケトン樹脂との分子鎖間に働くファンデルワールス力等の相互作用により、フラーレンを含有したポリエーテルエーテルケトン樹脂製のフィルムの耐熱性を改良し、フィルム2に150℃以上の耐熱性を確保するよう機能する(非特許文献1参照)。このフラーレンの炭素数は、通常60以上130以下の偶数で、一般式Cnで表される(ここで、nは60以上130以下の整数を示す)。代表的なフラーレンの例としては、C60、C70、C76、C78、C80、C82、C84、C86、C88、C90、C92、C94、C96、C100、及びこれらよりも多くの炭素を有する高次の炭素クラスタがあげられる。
フラーレンは、本発明の効果を損なわない範囲で上記フラーレンの他、フラーレンを構成する少なくとも1つの炭素原子に有機又は無機の分子を結合させたフラーレン誘導体、フラーレンの中空状の閉殻構造内部に金属や化合物を内包させたフラーレン錯体、フラーレンの2量体、3量体等のフラーレン多量体も使用可能である。これらのフラーレンは、1種を単独で使用しても良いし、2種類以上を併用しても良い。これらフラーレンの中では、C60あるいはC70が入手の容易さの観点から好ましい。より好ましくは、C60とC70からなる混合物がコスト面から最適である。
フラーレンは、粉体状、顆粒状、塊状等を特に問うものではない。このフラーレンはフィルム2の特性を損なわない範囲において、例えばシランカップリング剤〔3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルエトキシシラン、トリス-(トリメトキシシリルプロピル)イソシアルレート、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、イミダゾールシラン等〕、チタネート系カップリング剤〔イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチルチタネート)、テトラオクチルビス(ジ−トリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート等〕、アルミニウム系カップリング剤〔アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等〕等からなる各種カップリング剤で処理を施すことができる。
フラーレンの添加量は、ポリエーテルエーテルケトン樹脂100質量部に対して0.05質量部以上5.0質量部以下、好ましくは0.1質量部以上4.8質量部以下、より好ましくは0.1質量部以上4.5質量部以下である。これは、フラーレンの添加量が0.05質量部未満の場合には、ポリエーテルエーテルケトン樹脂とフラーレンとからなる成形材料1より得られるフィルム2の耐熱性の改良効果を喪失し、150℃以上の耐熱性を確保することができないからである。これに対し、5.0質量部を越える場合には、ポリエーテルエーテルケトン樹脂とフラーレンとからなる成形材料1の溶融粘度が増大し、溶融押出成形法によるフィルム2の成形が困難になるからである。
フラーレンの具体例としては、フロンティアカーボン社の製品名:nanomシリーズがあげられる。このフラーレンの製造方法としては、例えば加熱フローガス中レーザー蒸発法、抵抗加熱法、アーク放電法、燃焼法、高周波誘電加熱法、ナフタレン熱分解法等の製法(非特許文献2)が用いられる。
ポリエーテルエーテルケトン樹脂とフラーレンとからなる成形材料1には、ポリエーテルエーテルケトン樹脂の他、ポリイミド(PI)樹脂、ポリアミドイミド(PAI)樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂等のポリイミド樹脂、ポリアミド4T(PA4T)樹脂、ポリアミド6T(PA6T)樹脂、変性ポリアミド6T(変性PA6T)樹脂、ポリアミド9T(PA9T)樹脂、ポリアミド10T(PA10T)樹脂、ポリアミド11T(PA11T)樹脂、ポリアミド6(PA6)樹脂、ポリアミド66(PA66)樹脂、ポリアミド46(PA46)樹脂等のポリアミド樹脂、ポリエーテルケトン(PEK)樹脂、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)樹脂、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)樹脂、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)等のポリアリーレンエーテルケトン樹脂、ポリサルホン(PSU)樹脂、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂、ポリフェニレンサルホン(PPSU)樹脂等のポリサルホン樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリフェニレンスルフィドケトン樹脂、ポリフェニレンスルフィドスルホン樹脂、ポリフェニレンスルフィドケトンスルホン樹脂等のポリアリーレンサルファイド樹脂、液晶ポリマー(LCP)等を必要に応じ、添加することができる。
成形材料1には、本発明の特性を損なわない範囲において、上記樹脂の他、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤、耐熱向上剤、無機化合物、有機化合物等が選択的に添加される。
成形材料1を調製する方法としては、(1)ポリエーテルエーテルケトン樹脂とフラーレンとを室温で攪拌混合させた後に溶融混練し、成形材料1を調製する方法、(2)ポリエーテルエーテルケトン樹脂とフラーレンとを攪拌混合することなく、溶融したポリエーテルエーテルケトン樹脂中にフラーレンを添加し、これらを溶融混合して成形材料1を調製する方法があげられる。これら(1)、(2)の方法は、いずれでも良いが、分散性、定量混合性、作業性の観点からすると、(1)の方法が好ましい。ここでいう「常温」とは、0℃以上50℃以下程度の温度を指す。
(1)の方法について具体的に説明すると、ポリエーテルエーテルケトン樹脂とフラーレンとを攪拌混合して攪拌混合物を得るには、タンブラーミキサー、ヘンシルミキサー、V型混合機、ナウターミキサー、リボンブレンダー、あるいは万能ミキサー等を使用すれば良い。この際、ポリエーテルエーテルケトン樹脂の形状は、粉体状、顆粒状、塊状、ペレット状等、いかなる形状でも構わないが、フラーレンとより均一に分散することのできる粉体状であるのが好ましい。粉体に粉砕する方法としては、例えば剪断粉砕法、衝撃粉砕法、衝突粉砕法、冷凍粉砕法、溶液粉砕法等があげられる。
ポリエーテルエーテルケトン樹脂とフラーレンとは、攪拌混合物がミキシングロール、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、単軸押出成形機、多軸押出成形機(二軸押出成形機、三軸押出成形機、四軸押出成形機、八軸押出成形機等)等の溶融混練機で溶融混練され、分散することで調製される。溶融混練機の溶融混練時の温度は、溶融混練分散が可能であり、ポリエーテルエーテルケトン樹脂が分解しない温度であれば、特に制限されるものではないが、ポリエーテルエーテルケトン樹脂の融点以上熱分解温度未満の範囲である。具体的には、360℃以上450℃以下、好ましくは360℃以上420℃以下、より好ましくは370℃以上400℃以下の範囲である。
これは、溶融混練機の溶融混練時の温度がポリエーテルエーテルケトン樹脂の融点未満の温度の場合には、ポリエーテルエーテルケトン樹脂が溶融しないので、ポリエーテルエーテルケトン樹脂中にフラーレンを均一に分散することができないからである。また、溶融混練機の温度がポリエーテルエーテルケトン樹脂の熱分解温度を越える場合には、ポリエーテルエーテルケトン樹脂が激しく分解するので、好ましくないからである。
溶融混練機の原料投入口にポリエーテルエーテルケトン樹脂とフラーレンからなる攪拌混合物を投入する場合には、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、窒素ガス、二酸化炭素ガス等の不活性ガスを適宜供給することができる。不活性ガスを供給すれば、ポリエーテルエーテルケトン樹脂やフラーレンの酸化劣化あるいは酸化架橋を防止することができる。また、単に溶融混練するのではなく、減圧下で溶融混練すれば、ポリエーテルルエーテルケトン樹脂、及びフラーレン中に含まれている水分、あるいは低分子化合物等の不純物を除去することが可能となる。
次に、(2)の方法について具体的に説明すると、ポリエーテルエーテルケトン樹脂とフラーレンとからなる成形材料1を調製するには、先ず、ポリエーテルエーテルケトン樹脂をミキシングロール、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、単軸押出成形機、多軸押出成形機(二軸押出成形機、三軸押出成形機、四軸押出成形機、八軸押出成形機等)等の溶融混練機で溶融混練し、ポリエーテルエーテルケトン樹脂にフラーレンを添加して溶融混練分散させることにより、成形材料1を調製する。
この際、溶融混練機の原料投入口にポリエーテルエーテルケトン樹脂を投入する場合には、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、窒素ガス、二酸化炭素ガス等の不活性ガスを適宜供給することができる。この不活性ガスの供給により、ポリエーテルエーテルケトン樹脂やフラーレンの酸化劣化あるいは酸化架橋の防止が期待できる。また、減圧下で溶融混練すれば、ポリエーテルルエーテルケトン樹脂、及びフラーレン中に含まれている水分あるいは低分子化合物等の不純物を除去することが可能となる。
調製時の溶融混練温度は、溶融混練分散が可能であり、ポリエーテルエーテルケトン樹脂が分解しない温度であれば、特に制限されるものではないが、ポリエーテルエーテルケトン樹脂の融点以上熱分解温度未満の範囲である。具体的には、(1)の方法の場合と同様の理由から、360℃以上450℃以下、好ましくは360℃以上430℃以下、より好ましくは370℃以上400℃以下の範囲である。このようなポリエーテルエーテルケトン樹脂とフラーレンからなる成形材料1は、通常は塊状、ストランド状、シート状、棒状に押し出された後、粉砕機あるいは裁断機で塊状、顆粒状、ペレット状等の成形加工に適した形態とされる。
フィルム2は、成形材料1を用いた溶融押出成形法、カレンダー成形法、あるいはキャスティング成形法等の各種成形法により成形される。これらの成形法の中では、ハンドリング性の向上や設備の簡略化の観点から、溶融押出成形法により連続的に薄く押出成形されることが好ましい。ここで、溶融押出成形法とは図1に示すように、溶融押出成形機10を使用して成形材料1を溶融混練し、溶融押出成形機10の先端部のTダイス13から振動板用のフィルム2を連続的に押し出して製造する成形方法である。
溶融押出成形機10は、例えば単軸押出成形機や二軸押出成形機等からなり、投入された成形材料1を溶融混練するよう機能する。この溶融押出成形機10の上部後方には、成形材料1用の原料投入口11が設置され、この原料投入口11には、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガス、窒素ガス、二酸化炭素ガス等の不活性ガス(図1の矢印参照)を必要に応じて供給する不活性ガス供給管12が接続されており、この不活性ガス供給管12による不活性ガスの流入により、成形材料1の酸化劣化や酸素架橋が有効に防止される。
溶融押出成形機10の溶融混練時の温度は、溶融混練が可能な温度であり、ポリエーテルエーテルケトン樹脂が分解しない温度であれば、特に制限されるものではないが、ポリエーテルエーテルケトン樹脂の融点以上熱分解温度未満の範囲である。具体的には、360℃以上450℃以下、好ましくは360℃以上430℃以下、より好ましくは370℃以上400℃以下に調整される。これは、ポリエーテルエーテルケトン樹脂の融点未満の場合には、成形材料1を溶融押出成形することができないからである。また、溶融混練時の温度がポリエーテルエーテルケトン樹脂の熱分解温度を越える場合には、ポリエーテルエーテルケトン樹脂が激しく分解するので、好ましくないからである。
Tダイス13は、溶融押出成形機10の先端部に連結管14以下を介して装着され、薄い帯形のフィルム2を連続的に下方に押し出すよう機能する。このTダイス13の押出時の温度は、ポリエーテルエーテルケトン樹脂の融点以上熱分解温度未満の範囲である。具体的には、360℃以上450℃以下、好ましくは360℃以上430℃以下、より好ましくは370℃以上400℃以下に調整される。これは、ポリエーテルエーテルケトン樹脂の融点未満の場合には、成形材料1を溶融押出成形が困難となり、逆にポリエーテルエーテルケトン樹脂の熱分解温度を越える場合には、ポリエーテルエーテルケトン樹脂が激しく分解するおそれがあるという理由に基づく。
Tダイス13の上流の連結管14以下には、ギアポンプ15とフィルタ16とがそれぞれ装着されることが好ましい。ギアポンプ15は、溶融押出成形機10により溶融混練された成形材料1を一定の流量で、かつ高精度でTダイス13にフィルタ16を介して移送するよう機能する。また、フィルタ16は、溶融状態の成形材料1のゲル等を分離し、溶融状態の成形材料1をTダイス13に移送するよう機能する。
Tダイス13の下方には、一対の圧着ロール17が回転可能に軸支され、この一対の圧着ロール17の間には、これらに摺接する冷却ロール18が回転可能に介在される。一対の圧着ロール17のうち、下流の圧着ロール17の下流には、フィルム2を巻き取る巻取機19の巻取管20が回転可能に設置され、圧着ロール17と巻取機19の巻取管20との間には、フィルム2の側部にスリットを形成するスリット刃21が昇降可能に配置されており、このスリット刃21と巻取管20との間には、フィルム2にテンションを作用させて円滑に巻き取るための回転可能なテンションロール22が必要数軸支される。
各圧着ロール17の周面には、フィルム2と冷却ロール18との密着性を向上させる観点から、少なくとも天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ノルボルネンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等のゴム層が必要に応じて被覆形成され、このゴム層には、シリカやアルミナ等の無機化合物が選択的に添加される。これらの中では、耐熱性に優れるシリコーンゴムやフッ素ゴムの採用が好ましい。
圧着ロール17としては、表面が金属の金属弾性ロールが必要に応じて使用され、この金属弾性ロールが使用される場合には、表面が平滑性に優れるフィルム2の成形が可能となる。この金属弾性ロールの具体例としては、例えば金属スリーブロール、エアーロール(ディムコ社製 製品名)、UFロール(日立造船社製 製品名)が該当する。
このような圧着ロール17は、260℃以下、好ましくは50℃以上260℃以下、より好ましくは100℃以上230℃以下の温度に調整され、フィルム2に摺接してこれを冷却ロール18に圧接する。圧着ロール17の温度が係る範囲なのは、圧着ロール17の温度が260℃を越える場合には、製造中のフィルム2が圧着ロール17に貼り付き、フィルム2が破断するおそれがあるからである。逆に、50℃未満の場合には、圧着ロール17が結露するため、好ましくないからである。圧着ロール17の温度調整や冷却方法としては、空気、水、オイル等の熱媒体による方法、あるいは電気ヒーター、誘電加熱ロール等があげられる。
冷却ロール18は、例えば圧着ロール17よりも拡径の金属ロールからなり、Tダイス13の下方に回転可能に軸支されて押し出されたフィルム2を圧着ロール17との間に挟持し、圧着ロール17と共にフィルム2を冷却しながらその厚さを所定の範囲内に制御するよう機能する。この冷却ロール18は、圧着ロール17と同様、260℃以下、好ましくは50℃以上260℃以下、より好ましくは100℃以上230℃以下の温度に調整され、フィルム2に摺接する。
これは、冷却ロール18の温度が260℃を越える場合には、製造中のフィルム2が冷却ロール18に貼り付き、破断するおそれがあるからである。これに対し、50℃未満の場合は、冷却ロール18が結露するため、好ましくないからである。冷却ロール18の温度調整や冷却方法としては、空気、水、オイル等の熱媒体による方法、あるいは電気ヒーター、誘電加熱等があげられる。
上記において、携帯機器の振動板用のフィルム2を製造する場合には図1に示すように、溶融押出成形機10の原料投入口11に、ポリエーテルエーテルケトン樹脂と、耐熱性に資するフラーレンとからなる成形材料1を図1に矢印で示す不活性ガスを供給しながら投入し、溶融押出成形機10により成形材料1を加熱・加圧状態で溶融混練し、Tダイス13から薄い帯形のフィルム2を連続的に押し出す。
この際、成形材料1の溶融混練前における含水率は、2000ppm以下、好ましくは1000ppm以下、より好ましくは100ppm以上1000ppm以下に調整される。これは、成形材料1の溶融混練前における含水率が2000ppmを越える場合には、フィルム2の発泡を招くおそれがあるからである。
フィルム2を押し出したら、一対の圧着ロール17、冷却ロール18、テンションロール22、巻取機19の巻取管20に巻架し、フィルム2を冷却ロール18により冷却し、フィルム2の両側部をスリット刃21でそれぞれカットするとともに、巻取管20に順次巻き取れば、振動板用のフィルム2を製造することができる。
冷却後のフィルム2の厚さは、2μm以上110μm以下、好ましくは3μm以上105μm以下、より好ましくは3.5μm以上100μm以下の範囲が好適である。これは、フィルム2の厚さが2μm未満の場合には、フィルム2の機械的強度が著しく低下するので、フィルム2の成形が困難になるからである。これに対し、フィルム2の厚さが110μmを越える場合には、振動板が大きく厚くなり、スピーカのサイズも大きくなり、携帯機器用のスピーカに適さなくなるからである。このフィルム2の厚さは、各種の接触式厚さ計により、測定することができる。
フィルム2の厚さ公差は、平均値±10%の範囲内、好ましくは平均値±5%の範囲内が良い。これは、フィルム2の厚さ公差が平均値±10%の範囲を外れると、音質にバラツキが生じるため、不適切となるからである。このフィルム2の厚さ公差は、所定の式により求めることができる。
フィルム2製造の際、フィルム2の表面には、本発明の効果を失わない範囲で微細な凹凸を形成し、フィルム2表面の摩擦係数を低下させることができる。この微細な凹凸の形成方法としては、例えば(1)ポリエーテルエーテルケトン樹脂とフラーレンとからなる成形材料1を溶融押出成形機10により溶融混練し、この溶融混練した成形材料1をTダイス13から微細な凹凸を周面に有する冷却ロール18上に吐き出して密着させ、フィルム2の成形時に微細な凹凸を同時に転写形成する方法、(2)フィルム2を製造した後、微細な凹凸を周面に有する冷却ロール18上に密着させ、微細な凹凸を形成する方法がある。いずれの方法をも採用することが可能であるが、設備の簡略化、フィルム2の厚さ精度の管理、フィルム2の外観維持の観点からすると、(1)の方法が最適である。
冷却後のフィルム2の機械的特性に関しては、23℃における引張最大強度と引張破断時伸びにより評価することができる。機械的特性は、23℃における引張最大強度で90N/mm以上とするとともに、引張破断時伸びで100%以上とすることが好ましい。引張最大強度は、90N/mm、好ましくは100N/mm以上、さらに好ましくは107N/mm以上が最適である。また、引張破断時伸びは、100%以上、好ましくは110%以上、より好ましくは115%以上が最適である。
これは、引張最大強度が90N/mm未満で、かつ引張破断時伸びが100%未満の場合には、フィルム2をスピーカの振動板として使用したとき、フィルム2の機械的特性、特に靭性に劣るため、振動板が割れたり、裂けてしまう問題が生じるからである。23℃における引張最大強度と引張破断時伸びの上限は、特に限定されるものではないが、引張最大強度で500N/mm以下、引張破断時伸びで500%以下が良い。
冷却後のフィルム2の耐熱特性は、150℃における引張最大強度で80N/mm以上とするとともに、引張破断時伸びで400%以上が好ましい。引張最大強度は、80N/mm以上、好ましくは85N/mm以上、さらに好ましくは87N/mm以上が最適である。また、引張破断時伸びは、400%以上、好ましくは410%以上、さらに好ましくは420%以上が最適である。
これは、引張最大強度が80N/mm未満で、かつ引張破断時伸びが400%未満の場合には、フィルム2から得られる振動板をスピーカ用の振動板として使用したとき、ボイスコイルの高振動で発生する高熱により、フィルム2から得られる振動板の変形、又は破損を招く等、耐久性に問題が生じるからである。150℃における引張最大強度と引張破断時伸びの上限は、特に限定されないが、引張最大強度で500N/mm以下、引張破断時伸びで1000%以下が好適である。
冷却後のポリエーテルエーテルケトン樹脂とフラーレンとからなる成形材料1より得られるフィルム2の比重は、1.2以上1.4以下、好ましくは1.25以上1.35以下、より好ましくは1.26以上1.32以下が最適である。これは、係る範囲であれば、密度が小さいので軽量化が期待でき、振動伝搬速度が速まったり、再生周波数帯域が広がるため、良好な音質特性を得ることができるからである。
冷却後のポリエーテルエーテルケトン樹脂製のフィルム2の20℃における損失正接は、0.010以上、好ましくは0.012以上、より好ましくは0.013以上が最適である。これは、損失正接が0.010未満の場合には、共振の発生により、音質特性にバラツキが生じるという理由に基づく。損失正接の上限は、特に限定されるものではないが、0.4以下が良い。
製造したフィルム2は、そのまま振動板として使用することもできるが、優れた音質特性、圧縮特性、損失正接を得る観点から、図2に示す積層中間体3の一部とし、この積層中間体3を成形して振動板とすることが好ましい。積層中間体3は、図2に示すように、厚さ10μm以上100μm以下のエラストマー層4と、このエラストマー層4の表裏両面にプライマー5を介してそれぞれ積層接着される上下一対のフィルム2とを多層構造に備え、主に携帯機器内蔵用に使用される。
エラストマー層4に用いられるエラストマーとしては、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、炭化水素樹脂等があげられる。これらのエラストマーの中ではシリコーン樹脂が耐熱性、耐候性、難燃性、音質特性、圧縮特性等に優れる点で好ましい。エラストマー層4に使用されるシリコーン樹脂はシリコーン樹脂組成物からなり、このシリコーン樹脂組成物は、中間体の製造適正、及び製造後の保管適性の観点から、加熱硬化型シリコーン樹脂が好ましい。
加熱硬化型シリコーン樹脂としては、例えば付加硬化型ミラブルシリコーン樹脂や付加硬化型液状シリコーン樹脂があげられる。付加硬化型ミラブルシリコーン樹脂は、通常、オルガノポリシロキサンに、シリカ系等の充填材、及び硬化剤(公知の白金系触媒とオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを組み合わせた硬化剤、及び有機化酸化物等)やシリカ微粉末等からなる各種の添加剤を添加した組成物の状態で使用される。
これに対し、付加硬化型液状シリコーン樹脂は、一分子中にケイ素原子と結合するアルケニル基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサンと、一分子中にケイ素原子と結合する水素原子を少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、平均粒径が1μm以上30μm以下で、嵩密度が0.1g/cm以上0.5g/cm以下である無機質充填材(珪藻土、パーライト、発泡パーライトの粉砕物、マイカ、炭酸カルシウム、ガラスフレーク、及び中空フィラー等)と、付加反応触媒(白金黒、塩化第二白金、塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒等)とが添加された樹脂組成物の状態で使用される。
シリコーン樹脂となるシリコーン樹脂組成物は、二本ローラや三本ローラ等のカレンダーロール、ロールミル、バンバリーミキサー、ドウミキサー(ニーダー)等の混練機等を用い、樹脂組成物、及び所望により各種添加剤が均一に混合されるまで、例えば数分から数時間、好ましくは5分〜1時間、常温又は加熱下で混練して得られる。ここでいう「常温」とは、0℃以上50℃以下程度の温度を指す。
エラストマー層4の厚さは、軽量化により、優れた音質特性を得る観点から、10μm以上100μm以下、好ましくは20μm以上80μm以下、より好ましくは50μm以上75μm以下が最適である。ここで、エラストマー層4にシリコーン樹脂を使用した場合は、硬化後の厚さを指す。また、エラストマー層4にシリコーン樹脂を使用した場合のデュロメータ硬さは、JIS K 6253に準拠してデュロメータのタイプAで測定した場合、A10以上A90以下、好ましくはA20以上A70以下、より好ましくはA20以上A50以下の範囲が好適である。
これは、デュロメータ硬さがA10未満の場合には、シリコーン樹脂の圧縮永久歪み特性が悪化したり、振動板の振動伝搬速度が低下して音質に問題が生じるという理由に基づく。逆に、デュロメータ硬さがA90を越える場合には、損失正接が小さくなり、振動板としての性能が悪化するという理由に基づく。
プライマー5は、エラストマー層4とフィルム2との間に介在され、これらを強固に接着するよう機能する。このプライマー5は、エラストマー層4とフィルム2とを接着することができるものであれば、特に限定されるものでないが、例えばアルキド樹脂、フェノール変性・シリコーン変性等のアルキッド樹脂変性物、オイルフリーアルキッド樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、及びこれらの混合物等があげられる。また、これらの樹脂を硬化、及び/又は架橋する架橋剤として、例えばイソシアネート化合物、メラミン化合物、エポキシ化合物、過酸化物、フェノール化合物、ハイドロジェンシロキサン化合物、シラン化合物等があげられる。
プライマー5は、上記化合物と有機溶剤とからなる混合物の状態で使用される。有機溶剤としては、揮発し易い溶剤が良く、例えばメタノール、エタノール、あるいはイソプロパノール等のアルコール系溶剤、キシレン、あるいはトルエン等の芳香族炭化水素系溶剤、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、あるいはジメチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、アセトン、あるいはメチルエチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、あるいは酢酸ブチル等のエステル系溶剤等があげられる。これらの有機溶剤は、単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。有機溶剤の添加量に関しては、プライマー5の塗工方法に応じ、適切な濃度になるよう適宜調整される。
プライマー5は、エラストマー層4とフィルム2との対向面のいずれかに、例えばスプレー法、ハケ塗り法、グラビアコート法、ダイコート法、バーコーター(メイヤーバー)法、含浸コート法等の公知の方法で薄く塗布され、有機溶剤の揮発後、薄膜の層を形成する。乾燥した薄膜のプライマー5は、0.1μm以上5μm以下、好ましくは1μm以上2μm以下の厚さとされる。これは、プライマー5の厚さが0.1μm未満の場合には、エラストマー層4とフィルム2との接着が不十分で、振動板への成形中、あるいは使用中に剥離してしまうおそれがあるからである。これに対し、プライマー5の厚さが5μmを越える場合には、振動板への二次成形性、あるいは音響特性に悪影響を及ぼすおそれがあるからである。
エラストマー層4及びフィルム2へのプライマー5の濡れ性を改良するため、本発明の特性を損なわない範囲で、エラストマー層4及びフィルム2の表面を各種表面処理方法により処理することができる。各種の表面処理方法としては、例えばコロナ照射処理、紫外線照射処理、プラズマ照射処理、フレーム処理、火炎処理、あるいはイトロ処理等の公知の方法があげられる。
一対のフィルム2の厚さは、エラストマー層4の表裏両面で異なっていても、同等でも良いが、好ましくは同等が良い。これは、一対のフィルム2の厚さが異なると、フィルム2の加熱収縮率が異なるため、振動板が成形後にカールしてしまうおそれがあるからである。
このような積層中間体3の作製方法としては、先ず、エラストマー層4に使用されるエラストマーをシート形に成形し、このエラストマーと既に成形しておいた一対のフィルム2とをプライマー5を介してラミネートする。エラストマーをシートに成形する方法としては、常温押出成形法、溶融押出成形法、カレンダー成形法、又はキャスティング成形法等の公知の製造法を採用することができる。エラストマー層4に使用されるエラストマーの機械的特性が低い、あるいはベトツキが激しい等、取り扱い性に劣る場合は、エラストマーをポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂シート等の非伸縮性の基材シート上に所定の厚さで分出しすることができる。
エラストマー層4のエラストマーが例えばシリコーン樹脂の場合、先ず、シリコーン樹脂組成物を調製して2〜3本のカレンダーロールにより混練し、この混練したシリコーン樹脂組成物をポリエチレンテレフタレート樹脂シート等の非伸縮性の基材シート上にカレンダーロールで所定の厚さのシート形に分出しし、シリコーン樹脂組成物の露出面に、既に成形しておいたフィルム2をプライマー5を介してラミネートする。こうしてラミネートしたら、基材シートをフィルム2側に設置し、基材シートを剥離してシリコーン樹脂組成物の粘着面を露出させ、この露出面に別のフィルム2をプライマー5を介してラミネートすれば、積層中間体3を作製することができる。
積層中間体3を形成したら、この積層中間体3を、金型を使用したプレス成形、真空成形、あるいは圧空成形等の熱成形法により成形する。この金型を用いた一体成形により、150℃以上の耐熱性を有する完成品の振動板を製造することができる。積層中間体3のエラストマー層4がシリコーン樹脂の場合、積層中間体3を、金型を使用したプレス成形、真空成形、あるいは圧空成形等の熱成形により、振動板に成形するとともに、この成形と同時にシリコーン樹脂を硬化させ、所定の大きさ・形に整えれば、皺のない小型のスピーカの振動板を製造することができる。
積層中間体3の熱成形温度は、振動板への成形性の点より、ポリエーテルエーテルケトン樹脂のガラス転移点以上融点未満である。具体的には、150℃以上300℃以下、好ましくは180℃以上250℃以下である。これは、熱成形温度がフィルム2のガラス転移点温度未満の場合には、積層中間体3から振動板への成形が困難であり、逆に熱成形温度がフィルム2の融点以上の場合には、フィルム2が溶融して形状性の低下を招いたり、あるいはエラストマー層4に使用されているエラストマーが熱分解、変成してしまうからである。
上記によれば、成形材料1中のフラーレンがポリエーテルエーテルケトン樹脂の分子鎖間に入り込み、フラーレンとポリエーテルエーテルケトン樹脂の分子鎖間に働くファンデルワールス力等の相互作用により、ポリエーテルエーテルケトン樹脂製のフィルムの耐熱性を向上させることができ、振動板用のフィルム2に150℃以上の耐熱性を付与することができる。また、音質特性や圧縮特性等に優れるエラストマー層4に一対のフィルム2層を積層してこれらの特性を併せ持つ振動板を製造するので、例え携帯機器が好ましくない使用環境で長時間利用され、しかも、スピーカの高機能・高出力化に伴い、外部出力が増大し、ボイスコイルに発熱や振動が生じても、振動板の耐久性や音響特性を向上させることができる。
また、損失正接に優れるエラストマー層4と、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、及び耐熱性に資するフラーレンからなる成形材料1により得られるフィルム2との複合化により、振動板の損失正接が向上するので、音響特性の向上が大いに期待できる。
また、エラストマー層4に耐熱性、耐候性、難燃性、音質特性、圧縮特性等に優れるシリコーン樹脂を用い、このシリコーン樹脂に一対のフィルム2層を積層してこれらの特性を併せ持つ振動板を製造すれば、例え携帯機器が好ましくない使用環境で長時間利用されたり、ボイスコイルに発熱や振動が生じても、振動板の耐熱性や音響特性を著しく向上させることが可能になる。特に、損失正接が大きく、f値の増大化を防止効果に優れるシリコーン樹脂と、耐熱性に優れるポリエーテルエーテルケトン樹脂とフラーレンとからなる成形材料1から得られるフィルム2層との複合化により、振動板の耐熱性と損失正接、低音域の再生特性が非常に向上するので、耐久性と音響特性の向上が大いに期待できる。
なお、上記実施形態では振動板を、エラストマー層4と、このエラストマー層4の両面にプライマー5を介してそれぞれ積層接着されるフィルム2とを備えた多層構造としたが、何らこれに限定されるものではない。例えば、フィルム2のみとし、エラストマー層4を省略しても良い。また、フィルム2の表面には、本発明の効果を失わない範囲で各種の帯電防止剤、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等の各種エラストマーを塗布したり、アルミニウム、スズ、ニッケル、銅等の各種金属を蒸着しても良い。
以下、本発明に係る振動板用フィルムの製造方法の実施例を比較例と共に説明する。
〔実施例1〕
先ず、成形材料を調製するため、市販のポリエーテルエーテルケトン樹脂〔ソルベイスペシャルティポリマーズ社製、製品名:キータスパイアポリエーテルエーテルケトン グレード:KT−851NL SP(以下、「KT-851NL SP」と略す)〕を選択し、このポリエーテルエーテルケトン樹脂を冷凍粉砕法により粉砕した。粉砕したポリエーテルエーテルケトン樹脂の粒度をエアージェットシーブ標準ふるいにより測定したところ、6メッシュパスであった。
ポリエーテルエーテルケトン樹脂を粉砕したら、この粉砕したポリエーテルエーテルケトン樹脂とフラーレン〔フロンティアカーボン社製、製品名:nanom mix STH、組成:C60とC70の混合物〕を表1に示す配合質量部で樹脂容器に投入するとともに、φ10mmのジルコニアボールを併せて投入し、樹脂容器に蓋を取り付けてタンブラーミキサーに装着し、このタンブラーミキサーを室温で1時間の条件で回転させることにより、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、フラーレン、及びジルコニアボールを分散混合させ、その後、ジルコニアボールを取り出して攪拌混合物を調製した。
次いで、調製した攪拌混合物をφ25mmの同方向回転二軸押出機(L/D=41)に供給して減圧下で溶融混練し、この溶融混練した攪拌混合物を同方向回転二軸押出成形機のダイスから棒状に押し出して水冷後にカットし、ポリエーテルエーテルケトン樹脂とフラーレンからなるペレット形の成形材料を調製した。攪拌混合物は、同方向回転二軸押出成形機のシリンダー温度:350〜380℃、ダイス温度:380℃の条件下で溶融混練した。溶融した攪拌混合物の温度については、ダイス出口直後の溶融した攪拌混合物の温度を測定することとした。測定したところ、398℃であった。
次いで、成形材料を150℃に加熱した熱風乾燥機に投入して12時間乾燥させ、成形材料の水分率が300ppm以下であるのを確認後、乾燥した成形材料を幅400mmのTダイスを備えたφ40mmの単軸押出成形機にセットして溶融混練し、この溶融混練した成形材料を単軸押出成形機のTダイスから連続的に押し出して振動板用のフィルムを帯形に押出成形した。
この際、成形材料の含水率は、微量水分測定装置(三菱化学社製 製品名CA−100型)を用い、カールフィッシャー滴定法により測定した。また、単軸押出成形機は、L/D=32、圧縮比:2.5、スクリュー:フルフライトスクリュータイプとした。この単軸押出成形機の温度は380〜400℃、Tダイスの温度は400℃、単軸押出成形機とTダイスとを連結する連結管の温度は400℃に調整した。単軸押出成形機に成形材料を投入する際には、窒素ガス18L/分を供給した。また、溶融した成形材料の温度については、Tダイス入口の樹脂温度を測定することとし、測定したところ、397℃であった。
こうしてフィルムを押出成形したら、連続したフィルムの両側部をスリット刃で裁断して巻取機の巻取管に順次巻き取り、長さ50m、幅300mmの振動板用のフィルムを製造した。この際、フィルムは、シリコーンゴム製の一対の圧着ロール、周面に凹凸を備えた210℃の冷却ロールである金属ロール、及びこれらの下流に位置する3インチの巻取管に順次巻架し、圧着ロールと金属ロールとに挟持させた。
振動板用のフィルムが得られたら、このフィルムのフィルム厚、フィルム厚公差、機械的特性、耐熱特性と音響特性を評価し、その結果を表1に記載した。機械的特性は23℃におけるフィルムの引張最大強度と引張破断時伸び、耐熱特性はフィルムの150℃における引張最大強度と引張破断時伸び、音響特性は23℃におけるフィルムの比重と20℃における損失正接により評価した。
・フィルムのフィルム厚
フィルム厚が1.5〜10μm以下のフィルムの厚さについては、接触式の厚さ計〔Marh社製 製品名:ミリマール 1240 コンパクトアンプにミリマール インダクティブ プローブ 1301を取り付けた装置〕を使用して測定した。これに対し、フィルム厚が10μmを越え〜110μmの厚さのフィルムについては、マイクロメータ〔ミツトヨ社製 製品名:クーラントプルーフマイクロメータ 符号MDC−25PJ〕を使用して測定した。
測定に際しては、フィルムの押出方向と幅方向(押出方向の直角方向)が交わる所定位置の厚みを20箇所測定し、その平均値をフィルム厚とした。押出方向の測定箇所は、フィルムの先端部から100mm間隔で100mm、200mm、300mm、400mmの位置とした。これに対し、幅方向の測定箇所は、フィルムの左端部から50mm、次いで50mm間隔で100mm、150mm、200mm、250mmの箇所とした。
・フィルムのフィルム厚公差
フィルム厚公差については、以下の式から求めた。
フィルム厚公差[%]={(MAX又はMIN)−(AVE)}/(AVE)×100
ここで、MAX:フィルム厚の最大値
MIN:フィルム厚の最小値
AVE:フィルム厚の平均値
求めたフィルム厚公差が±5%以内の場合をA、±5〜10%以内の場合をB、±10%を越える場合をNGとした。
・フィルムの23℃における引張最大強度と引張破断時伸び
フィルムの23℃における引張最大強度と引張破断時伸びは、フィルムの押出方向と幅方向(押出方向の直角方向)について測定した。測定用の試験片は、JIS K7160 3形を使用した。引張最大強度と引張破断時伸びは、JIS K7127に準拠し、引張速度50mm/分、温度23℃の条件で測定した。
・フィルムの150℃における引張最大強度と引張破断時伸び
フィルムの150℃における引張最大強度と引張破断時伸びは、フィルムの押出方向と幅方向(押出方向の直角方向)について測定した。測定用の試験片は、JIS K7160 3形を使用した。具体的には、フィルムからJIS K7160 3形に試験片を切り出し、この試験片を予め150℃の加熱した恒温槽付き引張試験機に取り付け、JIS K7127に準拠し、引張速度50mm/分で測定した。測定は、試験片を恒温槽内の引張試験機のつまみ具に取り付け、恒温槽の扉を閉じ、恒温槽の温度が150±2℃に達した後、3分間放置後に実施した。
・フィルムの比重
フィルムの23℃における比重に関しては、JIS K7112(A法)の測定方法に準拠し、温度23℃の条件で測定した。
・フィルムの損失正接
フィルムの損失正接は、フィルムの押出方向と幅方向(押出方向の直角方向)について測定した。具体的には、フィルムの押出方向の損失正接を測定する場合には、押出方向60mm×幅方向6mm、幅方向の損失正接を測定する場合には、押出方向6mm×幅60mmの大きさに切り出して測定した。損失正接の測定に際しては、粘弾性スペクトロメータ(ティー・エス・インスツルメント・ジャパン社製 製品名:RSA−G2)を用いた引張モードにより、周波数1Hz、歪み0.1%、昇温速度3℃/分、測定温度範囲−60〜380℃、チェック間21mmの条件で測定し、20℃の損失正接を求めた。
〔実施例2〕
実施例1で使用したポリエーテルエーテルケトン樹脂とフラーレンとを表1に掲げる成形材料の配合質量部となるよう、実施例1と同様にして攪拌混合物を調製した。以下、実施例1と同様の方法により成形材料を調製して乾燥させ、ポリエーテルエーテルケトン樹脂とフラーレンからなるフィルムを帯形に押出成形した。
溶融した成形材料の温度については、Tダイス入口の樹脂温度を測定することとし、測定したところ、396℃であった。フィルムが得られたら、このフィルムのフィルム厚、フィルム厚公差、機械的特性、耐熱特性と音響特性を実施例1と同様の方法により評価し、その結果を表1に記載した。
〔実施例3〕
実施例1で使用したポリエーテルエーテルケトン樹脂とフラーレンとを表1に掲げる成形材料の配合質量部となるよう、実施例1と同様にして攪拌混合物を調製した。以下、実施例1と同様の方法により成形材料を調製して乾燥させ、ポリエーテルエーテルケトン樹脂とフラーレンからなるフィルムを帯形に押出成形した。
溶融した成形材料の温度については、Tダイス入口の樹脂温度を測定することとし、測定したところ、397℃であった。冷却ロールの温度は、実施例1では210℃であったが、実施例3では230℃に変更した。フィルムが得られたら、このフィルムのフィルム厚、フィルム厚公差、機械的特性、耐熱特性と音響特性を実施例1と同様の方法により評価し、その結果を表1に記載した。
Figure 2018183914
〔実施例4〕
先ず、成形材料を調製するため、市販のポリエーテルエーテルケトン樹脂〔ダイセル・エボニック社製 製品名:ベスタキープ−J ZV7403 natural(以下、「ZV7403」と略す)〕を選択し、このポリエーテルエーテルケトン樹脂を実施例1と同様の方法を用いて粉砕した。粉砕したポリエーテルエーテルケトン樹脂の粒度を実施例1と同じエアージェットシーブ標準ふるいにより測定したところ、8メッシュパスであった。
ポリエーテルエーテルケトン樹脂を粉砕したら、この粉砕したポリエーテルエーテルケトン樹脂とフラーレン〔フロンティアカーボン社製、製品名:nanom mix ST、組成:C60とC70の混合物〕を表2に示す配合質量部で樹脂容器に投入し、以下、実施例1と同様にしてポリエーテルエーテルケトン樹脂とフラーレンとを攪拌混合物に調製した。
攪拌混合物が得られたら、この攪拌混合物を実施例1と同じ方法により成形材料に調製し、この成形材料を乾燥させた後、実施例1と同様にして溶融押出成形し、ポリエーテルエーテルケトン樹脂とフラーレンとからなるフィルムを帯状に押出成形した。溶融した成形材料の温度については、Tダイス入口の樹脂温度を測定することとし、測定したところ、398℃であった。冷却ロールの温度は、実施例1では210℃であったが、実施例4では130℃に変更した。フィルムが得られたら、このフィルム厚、フィルム厚公差、機械的特性、耐熱性特性と音響特性を実施例1と同様の方法により評価し、その結果を表2に記載した。
〔実施例5〕
先ず、成形材料を調製するため、市販のポリエーテルエーテルケトン樹脂〔ビクトレックス社製、製品名:ビクトレックスピーク381G(以下、「381G」と略す)〕を選択し、このポリエーテルエーテルケトン樹脂を実施例1と同様にして粉砕した。粉砕したポリエーテルエーテルケトン樹脂の粒度を実施例1と同じエアージェットシーブ標準ふるいにより測定したところ、8メッシュパスであった。
ポリエーテルエーテルケトン樹脂を粉砕したら、この粉砕したポリエーテルエーテルケトン樹脂とフラーレン〔フロンティアカーボン社製、製品名:nanom mix ST、組成:C60とC70の混合物〕とを表2に示す配合質量部で樹脂容器に投入し、以下、実施例1と同様にして攪拌混合物を調製した。
攪拌混合物が得られたら、この攪拌混合物を実施例1と同じ方法を用いて成形材料を調製し、この成形材料を乾燥させた後、実施例1と同様にして溶融押出成形し、ポリエーテルエーテルケトン樹脂とフラーレンからなるフィルムを帯状に押出成形した。溶融した成形材料の温度については、Tダイス入口の樹脂温度を測定することとし、測定したところ、396℃であった。また、冷却ロールの温度は、150℃に変更した。フィルムが得られたら、このフィルム厚、フィルム厚公差、機械的特性、耐熱性特性と音響特性を実施例1と同様の方法により評価し、その結果を表2に記載した。
Figure 2018183914
〔比較例1〕
実施例1の粉砕したポリエーテルエーテルケトン樹脂とフラーレンとを表3に示す配合質量部で実施例1と同様に方法により、攪拌混合して攪拌混合物を調製した。攪拌混合物が得られたら、実施例1と同様の方法により、ポリエーテルエーテルケトン樹脂とフラーレンとからなる成形材料を調製し、実施例1と同様の方法により乾燥させ、ポリエーテルエーテルケトン樹脂とフラーレンからなるフィルムを帯形に押出成形した。
溶融した成形材料の温度については、Tダイス入口の樹脂温度を測定したところ、395℃であった。フィルムが得られたら、このフィルムのフィルム厚、フィルム厚公差、機械的特性、耐熱特性と音響特性を実施例1と同様の方法により評価し、その結果を表3に記載した。
〔比較例2〕
実施例1の粉砕したポリエーテルエーテルケトン樹脂とフラーレンとを表3に示す配合質量部で実施例1と同様の方法により、攪拌混合して攪拌混合物を調製した。攪拌混合物が得られたら、実施例1と同様の方法により、ポリエーテルエーテルケトン樹脂とフラーレンとからなる成形材料を調製し、実施例1と同様の方法により乾燥させ、ポリエーテルエーテルケトン樹脂とフラーレンからなるフィルムの押出成形を試みた。しかしながら、押出成形機が過負荷状態となり、Tダイスからフィルムを帯状に押出成形することができなかった。
Figure 2018183914
〔評 価〕
各実施例のフィルムは、23℃における引張最大強度が100N/mm以上、引張破断時伸びが100%以上であり、スピーカの振動板として使用しても、十分な機械的特性を有していた。また、150℃における引張最大強度は80N/mm以上、破断時伸びは400%以上であった。加えて、フィルムの比重は1.26以上1.32以下であり、20℃における損失正接は0.010以上であった。
以上のことから、各実施例のフィルムは、機械的特性と耐熱特性が高く、耐久性や音響特性についても、優れた特性を有していることが明白となった。さらに、フィルムの厚さ公差は、音質のバラツキ防止が期待できる±10%以内であり、フィルムの成形適性にも何ら問題が認められなかった。
これに対して、比較例1のフィルムは、150℃における引張最大強度が80N/mm未満、引張破断時伸びが400%未満であり、耐熱性が低く、振動板の耐久性に問題が生じた。また、比較例2では、フィルムの成形を試みたものの、押出成形機が過負荷状態となり、Tダイスからフィルムを押出成形することができなかったので、フィルムの成形を中止した。
本発明に係る振動板用フィルムの製造方法は、携帯機器等に内蔵されるスピーカの製造分野で用いられる。
1 成形材料
2 フィルム
3 積層中間体
4 エラストマー層
5 プライマー
10 溶融押出成形機(押出成形機)
12 不活性ガス供給管
13 Tダイス
17 圧着ロール
18 冷却ロール
19 巻取機
20 巻取管

Claims (5)

  1. 樹脂含有の成形材料を用いてフィルムを成形する振動板用フィルムの製造方法であって、
    ポリエーテルエーテルケトン樹脂とフラーレンとを溶融混練して成形材料を調製し、この成形材料を用いてダイスからフィルムを連続的に帯形に押出成形し、この押出成形したフィルムを圧着ロールと冷却ロールとの間に挟んで冷却することにより、冷却したフィルムの厚さを2μm以上110μm以下とし、
    冷却後のフィルムの機械的特性を23℃における引張最大強度で90N/mm以上とするとともに、引張破断時伸びで100%以上とし、冷却後のフィルムの耐熱性を150℃における引張最大強度で80N/mm以上とし、かつ引張破断時伸びで400%以上とし、フィルムの音響特性を23℃における比重で1.2以上1.4以下とし、20℃における損失正接で0.010以上とすることを特徴とする振動板用フィルムの製造方法。
  2. 押出成形機にポリエーテルエーテルケトン樹脂とフラーレンとを不活性ガスを供給しながら投入し、ポリエーテルエーテルケトン樹脂100質量部に対してフラーレン0.05質量部以上5質量部以下添加して溶融混練する請求項1記載の振動板用フィルムの製造方法。
  3. 圧着ロールと冷却ロールのうち、少なくとも冷却ロールの温度を50℃以上260℃以下に調整する請求項1又は2記載の振動板用フィルムの製造方法。
  4. 冷却後のフィルムを厚さ10μm以上100μm以下のエラストマー層に積層接着し、これらを熱成形する請求項1、2、又は3記載の振動板用フィルムの製造方法。
  5. エラストマー層をシリコーン樹脂製としてそのJIS K 6253に準拠してデュロメータのタイプAで測定した場合のデュロメータ硬さを、A10以上A90以下とする請求項4記載の振動板用フィルムの製造方法。
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