JP2018181808A - 量産用マスク原版の製造方法、表示装置形成用基板の製造方法および表示装置の製造方法 - Google Patents

量産用マスク原版の製造方法、表示装置形成用基板の製造方法および表示装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】表示装置形成用基板および表示装置に、所望の微細形状を含む凹凸構造を設けることができるとともに、表示装置の製造に要する工数を低減することが可能な、量産用マスク原版の製造方法、表示装置形成用基板の製造方法および表示装置の製造方法を提供する。【解決手段】表示装置形成用基板10に凹凸構造3を転写するための量産用マスク原版5の製造方法において、まず、転写用ガラス基材2上に設けられた凹凸構造3を含む転写用マスク原版1を準備する。次に、転写用ガラス基材2よりも大きい量産用ガラス基材6を準備し、量産用ガラス基材6上にパターン形成用樹脂9を設ける。そして、パターン形成用樹脂9に転写用マスク原版1を複数回接触させることにより、パターン形成用樹脂9に転写用マスク原版1の凹凸構造3を複数個転写し、複数のパターン層7を有する量産用マスク原版を作製する。【選択図】図2

Description

本発明は、量産用マスク原版の製造方法、表示装置形成用基板の製造方法および表示装置の製造方法に関する。
従来から、有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子を発光素子として、発光素子から放射される光を表示光として利用する表示装置(有機EL表示装置)が開発されている。このような表示装置は、その用途を、テレビやデスクトップモニターのみならず、携帯用ノートパソコン、携帯電話、携帯用ゲーム機、電子リーダー、電子ブックなどの携帯型電子機器にまで広く拡大していることから、さらなる軽量化、小型化、及び薄型化が求められている。
ところで上述した表示装置においては、一般に、有機EL素子の有機発光層から放射される光のうち、10%程度のみが観察側に取り出され、残り90%程度が表示装置内部で全反射を繰り返して伝播し、そして反射電極の表面に存在する電子が集団振動することにより発生する表面プラズモン損失等により、伝播中に減衰して消滅することが知られている。このため上述した表示装置は、光の取り出し効率が低く、従って消費電力が大きいという課題を有している。
このような課題を解決するため、粒子単層膜からなる2次元結晶体をエッチングマスクとしたドライエッチング法によって作製した規則的凹凸による周期格子構造を有する基板を用い、陰極(反射電極)の表面に規則的凹凸を付与し、規則的凹凸を有する陰極表面での表面プラズモン共鳴を利用して光エネルギーの取り出し効率を向上させる表示装置が提案されている(例えば特許文献1)。この際、周期格子構造の原盤を用いて作製した原盤等を用いて、ナノインプリント法等により周期格子構造の形状を転写して周期格子構造を作製することが提案されている。
しかしながら、基板のサイズが大きい場合、基板に複数の凹凸構造を転写する際には、ナノインプリント法による凹凸構造の転写を繰り返し行う必要があり、表示装置の製造に要する工数が増加するといった問題があった。
特開2009−158478号公報
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、表示装置形成用基板および表示装置に、所望の微細形状を含む凹凸構造を設けることができるとともに、表示装置の製造に要する工数を低減することが可能な、量産用マスク原版の製造方法、表示装置形成用基板の製造方法および表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、表示装置を形成するための表示装置形成用基板に凹凸構造を転写するための量産用マスク原版の製造方法であって、転写用ガラス基材と、前記転写用ガラス基材上に設けられた凹凸構造とを含む転写用マスク原版を準備する工程と、前記転写用ガラス基材よりも大きい量産用ガラス基材を準備する工程と、前記量産用ガラス基材上にパターン形成用樹脂を設ける工程と、前記パターン形成用樹脂に前記転写用マスク原版を複数回接触させることにより、前記パターン形成用樹脂に前記転写用マスク原版の凹凸構造を複数個転写し、複数のパターン層を有する量産用マスク原版を作製する工程とを備えたことを特徴とする量産用マスク原版の製造方法である。
本発明は、前記複数のパターン層は、流路を介して互いに離間して配置され、前記転写用マスク原版の凹凸構造の周囲に、遮光部が形成され、前記量産用マスク原版の前記流路は、前記遮光部に対応する位置に形成されることを特徴とする量産用マスク原版の製造方法である。
本発明は、前記転写用マスク原版の凹凸構造は、少なくとも3つの単位凹凸構造を含み、前記少なくとも3つの単位凹凸構造は、互いに異なる凹凸形状を含むことを特徴とする量産用マスク原版の製造方法である。
本発明は、前記複数のパターン層は、それぞれ前記量産用ガラス基材上に配置されたチップと、前記チップ上に、流路を介して互いに離間して配置された少なくとも3つのパターン部とを有し、前記少なくとも3つのパターン部に前記転写用マスク原版の凹凸構造に対応する凹凸構造が転写されることを特徴とする量産用マスク原版の製造方法である。
本発明は、前記少なくとも3つのパターン部に転写された凹凸構造は、互いに異なる凹凸形状を含むことを特徴とする量産用マスク原版の製造方法である。
本発明は、表示装置を形成するための表示装置形成用基板の製造方法であって、本発明による量産用マスク原版の製造方法によって製造された量産用マスク原版を準備する工程と、基板用ガラス基材を準備する工程と、前記基板用ガラス基材上に基板用樹脂を設ける工程と、前記基板用樹脂に前記量産用マスク原版を接触させることにより、前記基板用樹脂上に前記量産用マスク原版の凹凸構造を転写し、微細凹凸層を形成する工程と、前記量産用マスク原版を前記基板用樹脂から剥離する工程とを備えたことを特徴とする表示装置形成用基板の製造方法である。
本発明は、前記基板用樹脂は、UV硬化型樹脂からなり、前記微細凹凸層を形成する工程において、前記基板用樹脂にUV光を照射することにより、前記基板用樹脂を硬化させることを特徴とする表示装置形成用基板の製造方法である。
本発明は、前記基板用樹脂は、熱硬化型樹脂からなり、前記微細凹凸層を形成する工程において、前記基板用樹脂を加熱することにより、前記基板用樹脂を硬化させることを特徴とする表示装置形成用基板の製造方法である。
本発明は、前記凹凸構造を転写する工程は、真空雰囲気において行われることを特徴とする表示装置形成用基板の製造方法である。
本発明は、前記量産用マスク原版を前記基板用樹脂から剥離する工程において、圧縮空気を用いて前記量産用マスク原版を前記基板用樹脂から剥離することを特徴とする表示装置形成用基板の製造方法である。
本発明は、表示装置の製造方法であって、本発明による表示装置形成用基板の製造方法によって製造された表示装置形成用基板を準備する工程と、前記基板用ガラス基材上に薄膜トランジスタを配置する工程と、前記微細凹凸層上に、前記薄膜トランジスタに電気的に接続される有機EL素子を配置する工程と、前記有機EL素子を封止材料によって封止する工程とを備え、前記有機EL素子は、前記微細凹凸層上に配置された第1電極と、前記第1電極上に配置された有機発光層と、前記有機発光層上に配置された第2電極とを有し、前記有機EL素子を配置する工程において、前記第1電極の表面は、前記微細凹凸層に転写された凹凸構造の凹凸形状に対応する凹凸形状に形成されることを特徴とする表示装置の製造方法である。
本発明は、前記第1電極は、スパッタリング法により形成されることを特徴とする表示装置の製造方法である。
本発明によれば、表示装置形成用基板および表示装置に、所望の微細形状を含む凹凸構造を設けることができるとともに、表示装置の製造に要する工数を低減することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態による量産用マスク原版の製造方法に用いられる転写用マスク原版を示す断面図である。 図2は、本発明の第1の実施の形態による量産用マスク原版の製造方法によって製造された量産用マスク原版を示す断面図である。 図3は、本発明の第1の実施の形態による量産用マスク原版の製造方法によって製造された量産用マスク原版を示す拡大断面図(図2の部分拡大図)である。 図4は、本発明の第1の実施の形態による表示装置形成用基板の製造方法によって製造された表示装置形成用基板を示す断面図である。 図5は、本発明の第1の実施の形態による表示装置形成用基板の製造方法によって製造された表示装置形成用基板を示す拡大断面図(図4の部分拡大図)である。 図6は、本発明の第1の実施の形態による表示装置の製造方法によって製造された表示装置を示す断面図である。 図7は、本発明の第1の実施の形態による表示装置の製造方法によって製造された表示装置を示す拡大断面図(図6の部分拡大図)である。 図8(a)−(d)は、本発明の第1の実施の形態による量産用マスク原版の製造方法を示す断面図である。 図9(a)−(c)は、本発明の第1の実施の形態による量産用マスク原版の製造方法を示す断面図である。 図10(a)−(c)は、本発明の第1の実施の形態による量産用マスク原版の製造方法を示す断面図である。 図11(a)−(d)は、本発明の第1の実施の形態による表示装置形成用基板の製造方法を示す断面図である。 図12(a)−(c)は、本発明の第1の実施の形態による表示装置形成用基板の製造方法を示す断面図である。 図13(a)−(d)は、本発明の第1の実施の形態による表示装置の製造方法を示す断面図である。 図14(a)−(c)は、本発明の第1の実施の形態による表示装置の製造方法を示す断面図である。 図15は、本発明の第2の実施の形態による量産用マスク原版の製造方法によって製造された量産用マスク原版を示す断面図である。 図16(a)−(c)は、本発明の第2の実施の形態による量産用マスク原版の製造方法を示す断面図である。 図17(a)−(c)は、本発明の第2の実施の形態による量産用マスク原版の製造方法を示す断面図である。 図18(a)−(c)は、本発明の第2の実施の形態による量産用マスク原版の製造方法を示す断面図である。 図19(a)−(c)は、本発明の第2の実施の形態による表示装置形成用基板の製造方法を示す断面図である。 図20(a)−(c)は、本発明の第2の実施の形態による表示装置形成用基板の製造方法を示す断面図である。 図21は、本発明の第2の実施の形態による量産用マスク原版の製造方法に用いられる転写用マスク原版の変形例を示す断面図である。 図22(a)−(d)は、本発明の第2の実施の形態による量産用マスク原版の製造方法の変形例を示す断面図である。 図23(a)−(c)は、本発明の第2の実施の形態による量産用マスク原版の製造方法の変形例を示す断面図である。 図24(a)−(c)は、本発明の第2の実施の形態による量産用マスク原版の製造方法の変形例を示す断面図である。 図25は、本発明の第3の実施の形態による量産用マスク原版の製造方法によって製造された量産用マスク原版を示す断面図である。 図26は、本発明の第3の実施の形態による表示装置形成用基板の製造方法によって製造された表示装置形成用基板を示す断面図である。 図27は、本発明の第3の実施の形態による表示装置の製造方法によって製造された表示装置を示す断面図である。 図28は、本発明の第3の実施の形態による表示装置の製造方法によって製造された表示装置を示す拡大断面図(図27の部分拡大図)である。 図29(a)−(c)は、本発明の第3の実施の形態による量産用マスク原版の製造方法を示す断面図である。 図30(a)−(c)は、本発明の第3の実施の形態による量産用マスク原版の製造方法を示す断面図である。 図31(a)−(c)は、本発明の第3の実施の形態による量産用マスク原版の製造方法を示す断面図である。 図32(a)−(b)は、本発明の第3の実施の形態による量産用マスク原版の製造方法を示す断面図である。 図33(a)−(b)は、本発明の第3の実施の形態による表示装置形成用基板の製造方法を示す断面図である。 図34(a)−(b)は、本発明の第3の実施の形態による表示装置形成用基板の製造方法を示す断面図である。 図35(a)−(b)は、本発明の第3の実施の形態による表示装置形成用基板の製造方法を示す断面図である。 図36(a)−(d)は、本発明の第3の実施の形態による表示装置の製造方法を示す断面図である。 図37(a)−(c)は、本発明の第3の実施の形態による表示装置の製造方法を示す断面図である。 図38(a)−(b)は、本発明の第4の実施の形態による表示装置形成用基板の製造方法を示す断面図である。 図39(a)−(b)は、本発明の第4の実施の形態による表示装置形成用基板の製造方法を示す断面図である。
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について、図1乃至図14を参照して説明する。なお、以下の各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。また、以下の各図に示されている構成には、図示と理解のしやすさの便宜上、サイズ及び縮尺等が実物のそれらから変更されている部分が含まれうる。なお、本明細書中、「表面」とは、図1乃至図7において上方を向く面のことをいう。
(転写用マスク原版の構成)
まず、図1により、本実施の形態による量産用マスク原版の製造方法に用いられる転写用マスク原版の概略について説明する。図1は、本実施の形態による量産用マスク原版の製造方法に用いられる転写用マスク原版を示す断面図である。
図1に示す転写用マスク原版1は、後述する量産用マスク原版5(図2及び図3参照)に、後述する凹凸構造3を転写するためのものである。この転写用マスク原版1は、転写用ガラス基材2と、転写用ガラス基材2上に設けられた凹凸構造3とを備えている。
このうち転写用ガラス基材2は、転写用マスク原版1の全体を支持するものであり、平坦な板状の部材からなる。転写用ガラス基材2としては、例えば、無アルカリガラス、石英ガラス、アルミノホウ珪酸系ガラス、ソーダ石灰ガラス、アクリルガラス等のガラス類を用いることができる。このように、基材としてガラス類を用いることにより、転写用ガラス基材2上に設けられた凹凸構造3の位置精度を向上させることができる。また、転写用ガラス基材2の厚みは、材質の強度、取り扱い適性等を考慮して適宜設定することができ、例えば、50μm以上8000μm以下程度の範囲で適宜設定することができる。また、転写用ガラス基材2のガラスサイズは、例えば、6インチ相当の転写用マスク原版1に対応するサイズの転写用ガラス基材2を用いることができる。
凹凸構造3は、転写用ガラス基材2上に直接形成され、表面に微細な凹凸形状を含む層からなる。この凹凸構造3は、3つの単位凹凸構造3R、3G、3Bを含み、これらの単位凹凸構造3R、3G、3Bは、互いに異なる凹凸形状を含んでいる。すなわち、凹凸構造3は、赤色用の単位凹凸構造3Rと、緑色用の単位凹凸構造3Gと、青色用の単位凹凸構造3Bとを有しており、これらの赤色用の単位凹凸構造3R、緑色用の単位凹凸構造3Gおよび青色用の単位凹凸構造3Bの凹凸形状は、互いに異なっている。これにより、後述する第1電極26の凹凸構造26bに、互いに異なる凹凸形状からなる赤色用の単位凹凸構造26Rと、緑色用の単位凹凸構造26Gと、青色用の単位凹凸構造26Bとを設けることができる。なお、凹凸構造3は、互いに異なる凹凸形状からなる4つ以上の単位凹凸構造を含んでいても良い。このような凹凸構造3は、後述する転写用マスク原版1の製造工程において、量産用マスク原版5の後述するパターン形成用樹脂9(図8(c)−図8(d)、図9(a)−(c)及び図10(a)参照)に接触し、凹凸構造3に対応する後述する凹凸構造7bが転写されたパターン層7を形成する役割を果たす。
凹凸構造3を構成する材料には、後述するパターン層7の形成工程において、凹凸構造3を維持しつつ、後述する量産用マスク原版5のパターン形成用樹脂9に凹凸構造3を転写できるものが用いられる。凹凸構造3を構成する材料としては、例えば、UV硬化型樹脂または熱硬化型樹脂を用いることができる。
この凹凸構造3は、例えば、ナノインプリント法により作製されており、凹凸構造3の表面は、寸法精度の高い微細な凹凸形状に形成されている。凹凸構造3は、図中では概略的に示されているが、凹凸構造3の凸部の高さ(凹部の深さ)、ピッチ、数、形状(ライン形状、ドット形状(モスアイ形状)等)は、特に限定されるものではない。例えば、赤色用の単位凹凸構造26Rにおいては、凸部の高さが100nm以上800nm以下、凸部の幅が100nm以上250nm以下、隣接する凸部の間の間隔(ピッチ)が520nm以上720nm以下程度の範囲で適宜設定することができる。また、緑色用の単位凹凸構造26Gにおいては、例えば、凸部の高さが100nm以上800nm以下、凸部の幅が100nm以上250nm以下、隣接する凸部の間の間隔(ピッチ)が435nm以上635nm以下程度の範囲で適宜設定することができる。さらに、青色用の単位凹凸構造26Bにおいては、例えば、凸部の高さが100nm以上800nm以下、凸部の幅が100nm以上250nm以下、隣接する凸部の間の間隔(ピッチ)が370nm以上570nm以下程度の範囲で適宜設定することができる。また、凹凸構造3の幅は、例えば、5μm以上500μm以下程度の範囲で適宜設定することができる。
(量産用マスク原版の構成)
次に、図2及び図3により、本実施の形態による量産用マスク原版の製造方法によって製造される量産用マスク原版の概略について説明する。図2は、本実施の形態による量産用マスク原版の製造方法によって製造された量産用マスク原版を示す断面図であり、図3は、図2の量産用マスク原版を示す拡大断面図である。
図2及び図3に示す量産用マスク原版5は、後述する表示装置形成用基板10(図4及び図5参照)に後述する凹凸構造7bを転写するためのものである。この量産用マスク原版5は、量産用ガラス基材6と、量産用ガラス基材6上に互いに離間して配置された複数のパターン層7と、量産用ガラス基材6上にパターン層7を介して互いに離間して配置された複数の量産用マスク用平坦層8とを備えている。
このうち量産用ガラス基材6は、量産用マスク原版5の全体を支持するものであり、平坦な板状の部材からなる。量産用ガラス基材6としては、例えば、無アルカリガラス、石英ガラス、アルミノホウ珪酸系ガラス、ソーダ石灰ガラス、アクリルガラス等のガラス類を用いることができる。基材としてガラス類を用いることにより、量産用ガラス基材6上に形成されたパターン層7の位置精度を向上させることができる。量産用ガラス基材6の厚みは、材質の強度、取り扱い適性等を考慮して設定することができ、例えば、50μm以上1100μm以下程度の範囲で適宜設定することができる。また、量産用ガラス基材6のガラスサイズは転写用ガラス基材2よりも大きく、後述する基板用ガラス基材11と同じサイズ(例えば、G6サイズ(1800mm×1500mm))の量産用ガラス基材6を用いることができる。
パターン層7は、量産用ガラス基材6上に直接形成され、表面7aに微細な凹凸形状を含む凹凸構造7bが設けられた層からなる。パターン層7は、後述する表示装置形成用基板10の製造工程において、表示装置形成用基板10の後述する基板用樹脂14(図11(c)−(d)及び図12(a)参照)に凹凸構造7bを転写する役割を果たす。
パターン層7には、後述するパターン層7の形成工程において、転写用マスク原版1の凹凸構造3が接触することにより、表面7aに凹凸構造7bが設けられるものが用いられる。またパターン層7には、後述する表示装置形成用基板10の製造工程において、凹凸構造7bを維持しつつ、後述する基板用樹脂14に凹凸構造7bを転写できるものが用いられる。パターン層7の材料としては、例えば、UV硬化型樹脂または熱硬化型樹脂を用いることができる。また、パターン層7の厚み(量産用ガラス基材6の表面から凹凸構造7bの凸部の表面までの距離)は、例えば、100nm以上800nm以下程度の範囲で適宜設定することができる。また、パターン層7の幅は、上述した凹凸構造3の幅と略同一であり、例えば、5μm以上500μm以下程度の範囲で適宜設定することができる。
このパターン層7は、後述するように、量産用マスク原版5の製造工程において、パターン形成用樹脂9に転写用マスク原版1の凹凸構造3を転写し、硬化させたものである。このパターン形成用樹脂9は、後述するように、量産用ガラス基材6上にダイコート法、インクジェット法、スプレーコート法、キャピラリーコート法、スリット及びスピン法等の手法により塗布形成されたものである。このように形成されたパターン形成用樹脂9は、全体として平坦性を高めることが可能となり、寸法精度の高い微細な凹凸形状を含む凹凸構造7bをパターン層7に設けることが可能となる。
凹凸構造7bの凹凸形状は、凹凸構造3の凹凸形状に対応しており、上述した凹凸構造3の凹部と凸部とが反転した凹凸形状に形成されている。図3において、仮想線(二点鎖線)で示すように、凹凸構造7bは、赤色用の単位凹凸構造3Rから転写された赤色用の単位凹凸構造7Rと、緑色用の単位凹凸構造3Gから転写された緑色用の単位凹凸構造7Gと、青色用の単位凹凸構造3Bから転写された青色用の単位凹凸構造7Bとを有している。これらの赤色用の単位凹凸構造7R、緑色用の単位凹凸構造7Gおよび青色用の単位凹凸構造7Bの凹凸形状は、互いに異なっている。このような凹凸構造7bは、後述する表示装置形成用基板10の製造工程において、表示装置形成用基板10の後述する基板用樹脂14に接触し、凹凸構造7b対応する後述する凹凸構造12bが転写された微細凹凸層12を形成する役割を果たす。
量産用マスク用平坦層8は、量産用ガラス基材6上に直接形成され、平坦な表面を有する層からなる。この量産用マスク用平坦層8は、後述するパターン層7を形成する工程において、パターン形成用樹脂9が転写用マスク原版1に接触することなく硬化した部分である。量産用マスク用平坦層8は、パターン層7と同じ材料から構成される。また、量産用マスク用平坦層8の厚みは、例えば、100nm以上800nm以下程度の範囲で適宜設定することができる。また、量産用マスク用平坦層8の幅は、例えば、5μm以上500μm以下程度の範囲で適宜設定することができる。
(表示装置形成用基板の構成)
次に、図4及び図5により、本実施の形態による表示装置形成用基板の製造方法によって製造される表示装置形成用基板の概略について説明する。図4は、本実施の形態による表示装置形成用基板の製造方法によって製造された表示装置形成用基板を示す断面図であり、図5は、図4の表示装置形成用基板を示す拡大断面図である。
図4及び図5に示す表示装置形成用基板10は、後述する表示装置20(図6及び図7参照)を作製するためのものである。この表示装置形成用基板10は、基板用ガラス基材11と、基板用ガラス基材11上に互いに離間して配置された複数の微細凹凸層12と、基板用ガラス基材11上に微細凹凸層12を介して互いに離間して配置された複数の基板用平坦層13と、を備えている。
このうち基板用ガラス基材11は、表示装置形成用基板10の全体を支持するものであり、平坦な板状の部材からなる。基板用ガラス基材11としては、例えば、無アルカリガラス、石英ガラス、アルミノホウ珪酸系ガラス、ソーダ石灰ガラス、アクリルガラス等のガラス類を用いることができる。基板用ガラス基材11の厚みは、材質の強度、取り扱い適性等を考慮して設定することができ、例えば、50μm以上1100μm以下程度の範囲で適宜設定することができる。なお、基板用ガラス基材11のガラスサイズは任意であり、例えば、G6サイズ(1800mm×1500mm)の基板用ガラス基材11を用いることができる。
微細凹凸層12は、基板用ガラス基材11上に直接形成され、表面12aに微細な凹凸形状を含む凹凸構造12bが設けられた層からなる。微細凹凸層12は、後述する表示装置20の製造工程において、後述する第1電極26の表面26aに凹凸構造26bを設ける役割を果たす。
微細凹凸層12には、後述する表示装置形成用基板10の製造工程において、量産用マスク原版5のパターン層7の凹凸構造7bに接触することにより、表面12aに凹凸構造12bが設けられるものが用いられる。また微細凹凸層12には、後述する表示装置20の製造工程において、凹凸構造12bを維持しつつ、後述する第1電極26に凹凸構造26bを設けることができるものが用いられる。微細凹凸層12の材料としては、例えば、UV硬化型樹脂または熱硬化型樹脂を用いることができる。また、微細凹凸層12の厚み(基板用ガラス基材11の表面から凹凸構造12bの凸部の表面までの距離)は、例えば、100nm以上800nm以下程度の範囲で適宜設定することができる。また、微細凹凸層12の幅は、上述したパターン層7の幅と略同一であり、例えば、5μm以上500μm程度の範囲で適宜設定することができる。
この微細凹凸層12は、後述するように、表示装置形成用基板10の製造工程において、基板用樹脂14に量産用マスク原版5のパターン層7の凹凸構造7bを転写し、硬化させたものである。この基板用樹脂14は、後述するように、基板用ガラス基材11上にダイコート法、インクジェット法、スプレーコート法、キャピラリーコート法、スリット及びスピン法、又は、中央滴下法等の手法により塗布形成されたものである。このように形成された基板用樹脂14は、全体として平坦性を高めることが可能となり、寸法精度の高い微細な凹凸形状を含む凹凸構造12bを微細凹凸層12に設けることが可能となる。
凹凸構造12bの凹凸形状は、凹凸構造7bの凹凸形状に対応しており、上述した凹凸構造7bの凹部と凸部とが反転した凹凸形状に形成されている。すなわち、上述した凹凸構造3および凹凸構造12bは互いに略同一の凹凸形状に形成されている。図5において、仮想線(二点鎖線)で示すように、凹凸構造12bは、赤色用の単位凹凸構造7Rから転写された赤色用の単位凹凸構造12Rと、緑色用の単位凹凸構造7Gから転写された緑色用の単位凹凸構造12Gと、青色用の単位凹凸構造7Bから転写された青色用の単位凹凸構造12Bとを有している。これらの赤色用の単位凹凸構造12R、緑色用の単位凹凸構造12Gおよび青色用の単位凹凸構造12Bの凹凸形状は、互いに異なっている。
基板用平坦層13は、基板用ガラス基材11上に直接形成され、平坦な表面を有する層からなる。この基板用平坦層13は、後述する微細凹凸層12を形成する工程において、基板用樹脂14が量産用マスク原版5に接触することなく硬化した部分である。基板用平坦層13は、微細凹凸層12と同じ材料から構成される。また、基板用平坦層13の厚みは、例えば、100nm以上800nm以下程度の範囲で適宜設定することができる。また、基板用平坦層13の幅は、上述した量産用マスク用平坦層8の幅と略同一であり、例えば、5μm以上500μm以下程度の範囲で適宜設定することができる。
(表示装置の構成)
次に、図6及び図7により、本実施の形態による表示装置の製造方法によって製造される表示装置の概略について説明する。図6は、本実施の形態による表示装置の製造方法によって製造された表示装置を示す断面図であり、図7は、図6の表示装置を示す拡大断面図である。この表示装置は、上述した表示装置形成用基板10上に、後述する有機EL素子24等を複数配置し、個々の有機EL素子24毎に切断して個片化することにより作製されたものである。
図6に示す表示装置20は、上述した表示装置形成用基板10と、基板用平坦層13を介して基板用ガラス基材11上に配置された薄膜トランジスタ(TFT)23と、微細凹凸層12上に配置された有機EL素子24と、有機EL素子24上に配置された封止材料(TFE)25とを備えている。
このうち表示装置形成用基板10については、図4及び図5を用いて既に説明したので、ここでは詳細な説明を省略する。
薄膜トランジスタ23は、有機EL素子24を駆動するためのものであり、有機EL素子24の後述する第1電極26および第2電極28に印加される電圧を制御するようになっている。
有機EL素子24は、薄膜トランジスタ23に電気的に接続されている。図6に示すように、有機EL素子24は、微細凹凸層12上に配置された第1電極(反射電極)26と、第1電極26上に配置された有機発光層27と、有機発光層27上に配置された第2電極(透明電極)28とを有している。ここでは、第1電極26が陽極を構成し、第2電極28が陰極を構成する例について説明する。しかしながら、第1電極26および第2電極28の極性が特に限られることはない。
第1電極26は、微細凹凸層12、基板用平坦層13および薄膜トランジスタ23上に直接形成された層からなる。第1電極26の表面のうち、微細凹凸層12上の表面26aには、微細な凹凸形状を含む凹凸構造26bが設けられている。第1電極26は、後述するように、微細凹凸層12、基板用平坦層13および薄膜トランジスタ23上にスパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法等の手法により形成されたものである。とりわけ、第1電極26は、スパッタリング法により成膜されていることが好ましく、これにより、第1電極26を均一に微細凹凸層12上に成膜することができる。第1電極26の材質としては、効率良く正孔を注入できる材質を用いることが好ましい。第1電極26の材質としては、例えば、アルミニウム、クロム、モリブデン、タングステン、銅、銀または金およびそれらの合金等の金属材料を挙げることができる。凹凸構造26bの凹凸形状は、凹凸構造12bの凹凸形状に対応しており、凹凸構造26bは、上述した凹凸構造3、12bと略同一の凹凸形状に形成されている。このように、第1電極26の表面26aが凹凸形状に形成されていることにより、第1電極26の表面26aに存在する電子が振動しにくくすることが可能となる。これにより、表面プラズモン損失を低減することができ、第1電極26の表面26aに到達した光を効率良く反射させることができる。このため、光の取り出し効率を向上させることができる。また、図7において、仮想線(二点鎖線)で示すように、凹凸構造26bは、赤色用の単位凹凸構造26Rと、緑色用の単位凹凸構造26Gと、青色用の単位凹凸構造26Bとを有している。これらの赤色用の単位凹凸構造26R、緑色用の単位凹凸構造26Gおよび青色用の単位凹凸構造26Bの凹凸形状は、互いに異なっている。ところで、第1電極26の表面26aに到達する光は、様々な色を有しており、光の波長が異なっている。このように光の波長が異なる場合、凹凸構造の凹凸形状によっては、光の反射効率を向上させることが困難な場合がある。一方、本実施の形態においては、赤色用の単位凹凸構造26R、緑色用の単位凹凸構造26Gおよび青色用の単位凹凸構造26Bが設けられている。これにより、単位凹凸構造26R、26G、26Bにより、波長の異なる各色の光を効率良く反射させることができ、光の取り出し効率を向上させることができる。
有機発光層27は、第1電極26上に直接形成された層からなる。有機発光層27の表面27aには、微細な凹凸形状を含む凹凸構造27bが設けられている。有機発光層27は、後述するように、第1電極26上に蒸着法、ノズルから塗布液を塗布するノズル塗布法、インクジェット等の印刷法により形成されたものである。有機発光層27としては、所定の電圧を印加することにより各色光を発光するよう構成された蛍光性有機物質を含有するものが好ましく、例えば、キノリノール錯体、オキサゾール錯体、各種レーザー色素、ポリパラフェニレンビニレン等が挙げられる。凹凸構造27bの凹凸形状は、凹凸構造26bの凹凸形状に対応しており、凹凸構造27bは、上述した凹凸構造3、12b、26bと略同一の凹凸形状に形成されている。すなわち、図7において、仮想線(二点鎖線)で示すように、凹凸構造27bは、赤色用の単位凹凸構造27Rと、緑色用の単位凹凸構造27Gと、青色用の単位凹凸構造27Bとを有している。これらの赤色用の単位凹凸構造27R、緑色用の単位凹凸構造27Gおよび青色用の単位凹凸構造27Bの凹凸形状は、互いに異なっている。
第2電極28は、有機発光層27上に直接形成された層からなる。第2電極28の表面28aには、微細な凹凸形状を含む凹凸構造28bが設けられている。第2電極28は、後述するように、有機発光層27上にスパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法等の手法により形成されたものである。第2電極28の材質としては、電子を注入しやすく、かつ光透過性の良好な材質を用いることが好ましい。第2電極28の材質としては、例えば酸化リチウム、炭酸セシウム等が挙げられる。凹凸構造28bの凹凸形状は、凹凸構造27bの凹凸形状に対応しており、凹凸構造28bは、上述した凹凸構造3、12b、26b、27bと略同一の凹凸形状に形成されている。すなわち、図7において、仮想線(二点鎖線)で示すように、凹凸構造28bは、赤色用の単位凹凸構造28Rと、緑色用の単位凹凸構造28Gと、青色用の単位凹凸構造28Bとを有している。これらの赤色用の単位凹凸構造28R、緑色用の単位凹凸構造28Gおよび青色用の単位凹凸構造28Bの凹凸形状は、互いに異なっている。
有機EL素子24において発光した光は、微細凹凸層12が位置する側とは反対の側へ取り出される。すなわち、有機EL素子24からの光は、封止材料25の上方から取り出される。このように本実施の形態における表示装置20は、いわゆるトップエミッション型の表示装置となっている。
封止材料25は、有機EL素子24を封止し、有機EL素子24を保護するためのものである。封止材料25は、後述するように、基板用平坦層13、薄膜トランジスタ23、第1電極26および第2電極28上にダイコート法、インクジェット法、スプレーコート法、キャピラリーコート法、スリット及びスピン法等の手法により塗布形成されたものである。封止材料25としては、例えば、例えば酸化シリコンを用いることができる。封止材料25の厚み(図6における基板用平坦層13の表面から封止材料25の表面までの距離)は、材質の強度、取り扱い適性等を考慮して設定することができ、例えば、1μm以上10μm以下程度の範囲で適宜設定することができる。
なお、本実施の形態において、図6及び図7に示すように、表示装置20がトップエミッション型である例を示したが、これに限られるものではなく、表示装置20がいわゆるボトムエミッション型であってもよい。
(量産用マスク原版の製造方法)
次に、図8(a)−(d)、図9(a)−(c)及び図10(a)−(c)により、本実施の形態による量産用マスク原版の製造方法について説明する。図8(a)−(d)、図9(a)−(c)及び図10(a)−(c)は、本実施の形態による量産用マスク原版の製造方法を示す断面図である。
まず、図8(a)に示すように、転写用ガラス基材2と、転写用ガラス基材2上に設けられた凹凸構造3とを含む転写用マスク原版1を準備する。このとき、例えば、6インチサイズの転写用マスク原版1を準備する。転写用ガラス基材2としては、例えば、無アルカリガラス、石英ガラス、アルミノホウ珪酸系ガラス、ソーダ石灰ガラス、アクリルガラス等のガラス類を用いることができる。また、凹凸構造3は、例えば、転写用ガラス基材2上に、ナノインプリント法により設けられていることが好ましい。これにより、凹凸構造3の表面を、寸法精度の高い微細な凹凸形状に形成することができる。さらに、凹凸構造3は、3つの単位凹凸構造3R、3G、3Bを含み、これらの3つの単位凹凸構造3R、3G、3Bは、互いに異なる凹凸形状を含んでいることが好ましい。すなわち、凹凸構造3は、赤色用の単位凹凸構造3Rと、緑色用の単位凹凸構造3Gと、青色用の単位凹凸構造3Bとを有しており、これらの赤色用の単位凹凸構造3R、緑色用の単位凹凸構造3Gおよび青色用の単位凹凸構造3Bの凹凸形状は、互いに異なっていることが好ましい。これにより、後述するパターン層7の形成工程において、パターン層7に、互いに異なる凹凸形状からなる単位凹凸構造7R、7G、7Bを設けることができ、後述する表示装置形成用基板10の製造工程において、微細凹凸層12に、互いに異なる凹凸形状からなる単位凹凸構造12R、12G、12Bを設けることができる。このため、後述する表示装置20の製造工程において、第1電極26の凹凸構造26bに、互いに異なる凹凸形状からなる赤色用の単位凹凸構造26Rと、緑色用の単位凹凸構造26Gと、青色用の単位凹凸構造26Bとを設けることができる。
次に、図8(b)に示すように、転写用マスク原版1の転写用ガラス基材2よりも大きいサイズの平坦な板状の部材からなる量産用ガラス基材6を準備する。このとき、例えば、G6サイズ(1800mm×1500mm)の量産用ガラス基材6を準備する。この量産用ガラス基材6としては、例えば、無アルカリガラス、石英ガラス、アルミノホウ珪酸系ガラス、ソーダ石灰ガラス、アクリルガラス等のガラス類を用いることができる。
次に、図8(c)に示すように、量産用ガラス基材6上に樹脂材料を塗布することにより、量産用ガラス基材6上に(未硬化の)パターン形成用樹脂9を設ける。パターン形成用樹脂9の樹脂材料としては、例えば、UV硬化型樹脂または熱硬化型樹脂を用いることができる。
樹脂材料は、例えばダイコート法、インクジェット法、スプレーコート法、キャピラリーコート法、スリット及びスピン法、又は、中央滴下法等の手法により量産用ガラス基材6上に塗布される。このため、量産用ガラス基材6上に発泡型の接着フィルム、テープ等を貼着する場合と比べて、フィルム、テープ等にうねりや接着剤等の厚みムラが生じるおそれがなく、パターン形成用樹脂9の平坦性を高めることができる。
次いで、パターン形成用樹脂9に転写用マスク原版1を接触させることにより、パターン形成用樹脂9に転写用マスク原版1の凹凸構造3を転写する。この際、まず、図8(d)に示すように、転写用マスク原版1の凹凸構造3とパターン形成用樹脂9とが向かい合うように、転写用マスク原版1を配置する。次に、図9(a)に示すように、凹凸構造3をパターン形成用樹脂9に接触させ、凹凸構造3の凹凸形状をパターン形成用樹脂9に完全に埋め込ませる。このとき、凹凸構造3の凹凸形状をパターン形成用樹脂9に完全に埋め込ませるために、転写用ガラス基材2の裏面(凹凸構造3が形成されていない面)から、例えば、図示しない加圧ローラー等により、転写用マスク原版1を加圧し、転写用マスク原版1をパターン形成用樹脂9の側に押圧しても良い。このようにして、凹凸構造3の凹部と凸部とが反転した凹凸形状を含む凹凸構造7bが、パターン形成用樹脂9に転写される(図9(a))。なお、パターン形成用樹脂9には赤色用の単位凹凸構造7R、緑色用の単位凹凸構造7Gおよび青色用の単位凹凸構造7B(図3参照)がそれぞれ転写される。また、転写用マスク原版1をパターン形成用樹脂9に接触させる前に、転写用マスク原版1の凹凸構造3に離型材を塗布していても良い。これにより、後述する転写用マスク原版1をパターン層7から剥離する工程において、パターン形成用樹脂9が転写用マスク原版1の凹凸構造3に付着する、いわゆるマスク残りを低減させることができる。
次に、転写用マスク原版1に接触されたパターン形成用樹脂9を硬化させることにより、凹凸構造3に対応する凹凸構造7bが転写されたパターン層7を形成する(図9(a))。パターン形成用樹脂9を硬化させる際、パターン形成用樹脂9がUV硬化型樹脂からなる場合には、パターン形成用樹脂9にUV光を照射する。これにより、パターン形成用樹脂9が硬化し、凹凸構造7bが設けられたパターン層7が形成される。この際、UV光が照射されたパターン形成用樹脂9のうち、凹凸構造3と接触していない部分においては、凹凸構造7bが転写されることなく、表面が平坦な状態で硬化し、量産用マスク用平坦層8が形成される。また、パターン形成用樹脂9が熱硬化型樹脂からなる場合には、パターン形成用樹脂9を硬化させる際、パターン形成用樹脂9を加熱する。これにより、パターン形成用樹脂9が硬化し、凹凸構造7bが設けられたパターン層7が形成される。この際、加熱されたパターン形成用樹脂9のうち、凹凸構造3と接触していない部分においては、凹凸構造7bが転写されることなく、表面が平坦な状態で硬化し、量産用マスク用平坦層8が形成される。
次いで、図9(b)に示すように、転写用マスク原版1をパターン層7から剥離する。転写用マスク原版1とパターン層7との引き離しは、パターン形成用樹脂9に対する転写用マスク原版1の接触と、パターン形成用樹脂9の硬化によるパターン層7および量産用マスク用平坦層8の形成が完了した後に行うことができる。また、転写用マスク原版1とパターン層7とが引き離された後に、パターン層7および量産用マスク用平坦層8を完全に硬化するため追加露光を行ってもよい。
次に、図9(c)に示すように、転写用マスク原版1の凹凸構造3と、凹凸構造7bが設けられていないパターン形成用樹脂9とが向かい合うように、転写用マスク原版1を配置する。次いで、図10(a)に示すように、図9(a)を用いて説明した方法と同様の方法で、凹凸構造3をパターン形成用樹脂9に接触させ、転写用マスク原版1に接触されたパターン形成用樹脂9を硬化させることにより、凹凸構造3に対応する凹凸構造7bが転写されたパターン層7を形成する。
次に、図10(b)に示すように、図9(b)を用いて説明した方法と同様の方法で、転写用マスク原版1をパターン層7から剥離する(図10(b))。
以後、図9(c)及び図10(a)−(b)に示す工程を繰り返し、パターン形成用樹脂9に転写用マスク原版1を複数回接触させることにより、パターン形成用樹脂9に転写用マスク原版1の凹凸構造3を複数個転写し、複数個のパターン層7を形成する。なお、パターン形成用樹脂9に転写用マスク原版1を接触させる際、図示しないアライメントマークにより、転写用マスク原版1の接触位置を調整することが好ましい。これにより、量産用マスク原版5に形成されるパターン層7の位置精度を向上させることができる。
このようにして、図2に示す量産用マスク原版5が得られる(図10(c))。
(表示装置形成用基板の製造方法)
次に、図11(a)−(d)及び図12(a)−(c)により、本実施の形態による表示装置形成用基板の製造方法について説明する。図11(a)−(d)及び図12(a)−(c)は、本実施の形態による表示装置形成用基板の製造方法を示す断面図である。
まず、例えば、図8(a)−(d)、図9(a)−(c)及び図10(a)−(c)に示す方法により、量産用マスク原版5を作製する(図11(a))。
次に、図11(b)に示すように、平坦な板状の部材からなる基板用ガラス基材11を準備する。このとき、例えば、G6サイズ(1800mm×1500mm)の基板用ガラス基材11を準備する。この基板用ガラス基材11としては、例えば、無アルカリガラス、石英ガラス、アルミノホウ珪酸系ガラス、ソーダ石灰ガラス、アクリルガラス等のガラス類を用いることができる。
次に、図11(c)に示すように、基板用ガラス基材11上に樹脂材料を塗布することにより、基板用ガラス基材11上に基板用樹脂14を設ける。基板用樹脂14の樹脂材料としては、例えば、UV硬化型樹脂または熱硬化型樹脂を用いることができる。
基板用樹脂14は、例えばダイコート法、インクジェット法、スプレーコート法、キャピラリーコート法、スリット及びスピン法、又は、中央滴下法等の手法により基板用ガラス基材11上に塗布される。このため、基板用ガラス基材11上に発泡型の接着フィルム、テープ等を貼着する場合と比べて、フィルム、テープ等にうねりや接着剤等の厚みムラが生じるおそれがなく、基板用樹脂14の平坦性を高めることができる。
次いで、基板用樹脂14に量産用マスク原版5を接触させることにより、基板用樹脂14に量産用マスク原版5の複数の凹凸構造7bを転写する。この際、まず、図11(d)に示すように、量産用マスク原版5の凹凸構造7bと基板用樹脂14とが向かい合うように、量産用マスク原版5を配置する。次に、図12(a)に示すように、凹凸構造7bを基板用樹脂14に接触させ、凹凸構造7bの凹凸形状を基板用樹脂14に完全に埋め込ませる。このとき、凹凸構造7bの凹凸形状を基板用樹脂14に完全に埋め込ませるために、量産用ガラス基材6の裏面(パターン層7または量産用マスク用平坦層8が形成されていない面)から、例えば、図示しない加圧ローラー等により、量産用マスク原版5を加圧し、量産用マスク原版5を基板用樹脂14の側に押圧しても良い。このようにして、凹凸構造7bの凹部と凸部とが反転した凹凸形状を含む凹凸構造12bが基板用樹脂14に転写される(図12(a))。なお、基板用樹脂14には赤色用の単位凹凸構造12R、緑色用の単位凹凸構造12Gおよび青色用の単位凹凸構造12B(図5参照)がそれぞれ転写される。また、量産用マスク原版5を基板用樹脂14に接触させる前に、量産用マスク原版5の凹凸構造7bに離型材を塗布していても良い。これにより、後述する量産用マスク原版5を微細凹凸層12から剥離する工程において、基板用樹脂14が量産用マスク原版5の凹凸構造7bに付着する、いわゆるマスク残りを低減させることができる。
次に、量産用マスク原版5に接触された基板用樹脂14を硬化させることにより、凹凸構造7bに対応する凹凸構造12bが転写された微細凹凸層12を形成する(図12(a))。基板用樹脂14を硬化させる際、基板用樹脂14がUV硬化型樹脂からなる場合には、基板用樹脂14にUV光を照射する。これにより、基板用樹脂14が硬化し、凹凸構造12bが設けられた微細凹凸層12が形成される。この際、UV光が照射された基板用樹脂14のうち、凹凸構造7bと接触していない部分においては、凹凸構造12bが転写されることなく、表面が平坦な状態で硬化し、基板用平坦層13が形成される。また、基板用樹脂14が熱硬化型樹脂からなる場合には、基板用樹脂14を硬化させる際、基板用樹脂14を加熱する。これにより、基板用樹脂14が硬化し、凹凸構造12bが設けられた微細凹凸層12が形成される。この際、加熱された基板用樹脂14のうち、凹凸構造7bと接触していない部分においては、凹凸構造12bが転写されることなく、表面が平坦な状態で硬化し、基板用平坦層13が形成される。
次いで、量産用マスク原版5を微細凹凸層12から剥離する(図12(b))。量産用マスク原版5と微細凹凸層12との引き離しは、基板用樹脂14に対する量産用マスク原版5の接触と、基板用樹脂14の硬化による微細凹凸層12および基板用平坦層13の形成が完了した後に行うことができる。また、量産用マスク原版5と微細凹凸層12とが引き離された後に、微細凹凸層12を完全に硬化するため追加露光を行ってもよい。
このようにして、図4に示す表示装置形成用基板10が得られる(図12(c))。
(表示装置の製造方法)
次に、図13(a)−(d)及び図14(a)−(c)により、本実施の形態による表示装置の製造方法について説明する。図13(a)−(d)及び図14(a)−(c)は、本実施の形態による表示装置の製造方法を示す断面図である。
まず、例えば、図11(a)−(d)及び図12(a)−(c)に示す方法により、表示装置形成用基板10を作製する(図13(a))。
次いで、基板用平坦層13を介して基板用ガラス基材11上に薄膜トランジスタ23を配置する(図13(b))。このとき、基板用ガラス基材11上には、図示はしないが、各々が各表示装置20に対応する複数の薄膜トランジスタ23が配置される。このようにして表示装置20の中間体20aが形成される。なお、複数の薄膜トランジスタ23が基板用ガラス基材11上に配置された後、切断装置(図示せず)によって、表示装置20の中間体20aは、平面視で、例えば半分の大きさに切断される。
次に、微細凹凸層12上に有機EL素子24を配置する(図13(c)−(d)及び図14(a))。このとき、微細凹凸層12上には、図示はしないが、各々が各表示装置20に対応する複数の有機EL素子24が配置される。各々の有機EL素子24は、微細凹凸層12上に配置された第1電極26と、第1電極26上に配置された有機発光層27と、有機発光層27上に配置された第2電極28とを有している。この場合、まず、微細凹凸層12、基板用平坦層13および薄膜トランジスタ23上に第1電極26を形成する(図13(c))。第1電極26には、効率良く正孔を注入できる材料が用いられる。例えば、第1電極26としては、アルミニウム、クロム、モリブデン、タングステン、銅、銀または金およびそれらの合金等の金属材料を用いることができる。第1電極26は、微細凹凸層12、基板用平坦層13および薄膜トランジスタ23上にスパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法等の手法により形成される。とりわけ、第1電極26は、スパッタリング法により形成されていることが好ましい。これにより、微細凹凸層12上に第1電極26を均一に形成することができる。
第1電極26を微細凹凸層12上に形成する際、例えば、スパッタリング法により微細凹凸層12、基板用平坦層13および薄膜トランジスタ23上に第1電極26が形成される。このうち、微細凹凸層12上に形成される第1電極26は、凹凸構造12bが設けられている表面12a上に均一に積層される。これにより、第1電極26の表面26aは、凹凸構造12bの凹凸形状に対応する凹凸形状に形成される。このため、第1電極26の表面のうち、微細凹凸層12上の表面26aには、凹凸構造12bの形状と略同一の凹凸形状を含む凹凸構造26bが設けられる。このようにして、第1電極26が形成される。なお、第1電極26の表面26aには、赤色用の単位凹凸構造26R、緑色用の単位凹凸構造26Gおよび青色用の単位凹凸構造26B(図7参照)がそれぞれ設けられる。これらの赤色用の単位凹凸構造26R、緑色用の単位凹凸構造26Gおよび青色用の単位凹凸構造26Bの凹凸形状は、互いに異なっており、波長の異なる各色の光を効率良く反射させることができる。このため、光の取り出し効率を向上させることができる。また、この際、有機EL素子24の第1電極26が薄膜トランジスタ23に電気的に接続される。
次いで、第1電極26上に有機発光層27を形成する(図13(d))。有機発光層27には、所定の電圧を印加することにより白色光を発光するよう構成された蛍光性有機物質を含有するものが用いられる。例えば、有機発光層27としては、キノリノール錯体、オキサゾール錯体、各種レーザー色素、ポリパラフェニレンビニレン等を用いることができる。有機発光層27は、第1電極26上に蒸着法、ノズルから塗布液を塗布するノズル塗布法、インクジェット等の印刷法により形成される。
有機発光層27を第1電極26上に形成する際、有機発光層27は、凹凸構造26bが設けられている第1電極26の表面26a上に均一に積層される。これにより、有機発光層27の表面27aは、凹凸構造26bの凹凸形状に対応する凹凸形状に形成される。このため、有機発光層27の表面27aには、凹凸構造26bの形状と略同一の凹凸形状を含む凹凸構造27bが設けられる。なお、有機発光層27の表面27aには、赤色用の単位凹凸構造27R、緑色用の単位凹凸構造27Gおよび青色用の単位凹凸構造27B(図7参照)がそれぞれ設けられる。
次に、有機発光層27上に第2電極28を形成する(図14(a))。第2電極28には、電子を注入しやすく、かつ光透過性の良好な材料が用いられる。例えば、第2電極28としては、酸化リチウム、炭酸セシウム等を用いることができる。第2電極28は、有機発光層27上にスパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法等の手法により形成される。
第2電極28を有機発光層27上に形成する際、第2電極28は、凹凸構造27bが設けられている有機発光層27の表面27a上に均一に積層される。これにより、第2電極28の表面28aは、凹凸構造27bの凹凸形状に対応する凹凸形状に形成される。このため、第2電極28の表面28aには、凹凸構造27bの形状と略同一の凹凸形状を含む凹凸構造28bが設けられる。なお、第2電極28の表面28aには、赤色用の単位凹凸構造28R、緑色用の単位凹凸構造28Gおよび青色用の単位凹凸構造28B(図7参照)がそれぞれ設けられる。このようにして、微細凹凸層12上に有機EL素子24が配置される。
次いで、微細凹凸層12上に配置された有機EL素子24を封止材料25によって封止する(図14(b))。封止材料25としては、例えば、酸化シリコンが用いられる。封止材料25は、基板用平坦層13、薄膜トランジスタ23、第1電極26および第2電極28上にダイコート法、インクジェット法、スプレーコート法、キャピラリーコート法、スリット及びスピン法等の手法により形成される。このようにして、有機EL素子24が封止材料25によって覆われる。
その後、切断装置(図示せず)によって、表示装置20の中間体20aは個々の表示装置20毎に切断され個片化される(図14(c))。
以上の一連の工程により、図6に示す表示装置20を得ることができる(図14(c))。
このように、本実施の形態によれば、パターン形成用樹脂9に転写用マスク原版1の微細な凹凸形状を含む凹凸構造3を複数回接触させることにより、パターン形成用樹脂9に凹凸構造3を複数個転写し、凹凸構造7bが設けられた複数のパターン層7を形成している。これにより、微細な凹凸形状を含む凹凸構造7bが設けられた複数個のパターン層7が形成された量産用マスク原版5を製造することができる。そして、この量産用マスク原版5を用いることにより、表示装置形成用基板10の基板用樹脂14に、微細な凹凸形状を含む複数個の凹凸構造12bを設けることができる。このため、表示装置形成用基板10を製造する際に、表示装置形成用基板10の基板用樹脂14に凹凸構造12bを転写する工数を低減することができる。とりわけ、量産用マスク原版5は、再利用することができるため、表示装置形成用基板10の基板用樹脂14に凹凸構造12bを1つずつ転写する場合に比べて、表示装置形成用基板10に凹凸構造12bを転写する工数を大幅に低減することができる。この結果、表示装置形成用基板10および表示装置20の製造に要する工数を低減することができ、表示装置20を製造する際の生産性を向上することができる。
また、本実施の形態によれば、凹凸構造3は、互いに異なる凹凸形状からなる3つの単位凹凸構造3R、3G、3Bを含んでいる。これにより、パターン層7の形成工程において、パターン層7に、互いに異なる凹凸形状からなる単位凹凸構造7R、7G、7Bを設けることができ、表示装置形成用基板10の製造工程において、微細凹凸層12に、互いに異なる凹凸形状からなる単位凹凸構造12R、12G、12Bを設けることができる。このため、表示装置20の製造工程において、第1電極26の凹凸構造26bに、互いに異なる凹凸形状からなる赤色用の単位凹凸構造26Rと、緑色用の単位凹凸構造26Gと、青色用の単位凹凸構造26Bとを設けることができる。これにより、第1電極26の表面26aに、波長の異なる各色の光を効率良く反射させることができる単位凹凸構造26R、26G、26Bを設けることができ、光の取り出し効率を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、基板用樹脂14は、UV硬化型樹脂からなっていても良く、この場合、凹凸構造7bを基板用樹脂14に転写する工程において、基板用樹脂14にUV光を照射することにより、基板用樹脂14を硬化させている。これにより、基板用樹脂14に転写された凹凸構造12bを維持することができるとともに、量産用マスク原版5を表示装置形成用基板10から剥離する際に、量産用マスク原版5に基板用樹脂14が付着する、いわゆるマスク残りを防止することができる。
また、本実施の形態によれば、基板用樹脂14は、熱硬化型樹脂からなっていても良く、この場合、凹凸構造7bを基板用樹脂14に転写する工程において、基板用樹脂14を加熱することにより、基板用樹脂14を硬化させている。これにより、基板用樹脂14に転写された凹凸構造12bを維持することができるとともに、量産用マスク原版5を表示装置形成用基板10から剥離する際に、量産用マスク原版5に基板用樹脂14が付着する、いわゆるマスク残りを防止することができる。
さらに、本実施の形態によれば、第1電極26が、スパッタリング法により形成されている。これにより、微細凹凸層12上に形成される第1電極26を、凹凸構造12bが設けられている表面12a上に均一に積層させることができる。このため、第1電極26の表面26aを、凹凸構造12bの凹凸形状に対応する凹凸形状に形成することができる。この結果、微細凹凸層12上の第1電極26の表面26aに、凹凸構造12bの形状と略同一の凹凸形状を含む凹凸構造26bを設けることができる。このため、第1電極26の表面26aに規則的な凹凸形状を含む凹凸構造26bを設けることができ、表示装置20の光取り出し効率を向上させることができる。
(第2の実施の形態)
次に、図15乃至図20を参照して本発明の第2の実施の形態について説明する。図15は、本発明の第2の実施の形態による量産用マスク原版の製造方法によって製造された量産用マスク原版を示す断面図であり、図16乃至図18は、本発明の第2の実施の形態による量産用マスク原版の製造方法を示す断面図であり、図19及び図20は本発明の第2の実施の形態による表示装置形成用基板の製造方法を示す図である。図15乃至図20に示す第2の実施の形態は、量産用マスク原版5の構成が異なるものであり、他の構成は上述した第1の実施の形態と略同一である。図15乃至図20において、第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。また、図15乃至図20に示されている構成には、図示と理解のしやすさの便宜上、サイズ及び縮尺等が実物のそれらから変更されている部分が含まれうる。
(転写用マスク原版の構成)
転写用マスク原版1の構成は、図1に示す転写用マスク原版1と同一であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
(量産用マスク原版の構成)
次に、図15を用いて、本実施の形態による量産用マスク原版5について説明する。図15に示す量産用マスク原版5において、複数のパターン層7は、流路41を介して互いに離間して配置されている。すなわち、量産用ガラス基材6上に量産用マスク用平坦層8が配置されることなく、互いに隣接するパターン層7同士の間に流路41が形成されている。
このように流路41を設けたことにより、量産用マスク原版5を用いて表示装置形成用基板10の基板用樹脂14に凹凸構造7bを転写する際に、基板用樹脂14とパターン層7との間に入り込んだ空気を流路41から逃がすことができる。このため、基板用樹脂14に凹凸構造7bを転写する際に、基板用樹脂14と凹凸構造7bとの間に空気が入り込む、いわゆる泡噛みを抑制することができるとともに、量産用マスク原版5が表示装置形成用基板10の微細凹凸層12に張り付いてしまうことを抑制することができる。
(表示装置形成用基板および表示装置の構成)
表示装置形成用基板10および表示装置20の構成は、図4乃至図7に示す表示装置形成用基板10および表示装置20と同一であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
(量産用マスク原版の製造方法)
次に、図16(a)−(c)、図17(a)−(c)及び図18(a)−(c)により、本実施の形態による量産用マスク原版の製造方法について説明する。図16(a)−(c)、図17(a)−(c)及び図18(a)−(c)は、本実施の形態による量産用マスク原版の製造方法を示す断面図である。
まず、図16(a)に示すように、転写用マスク原版1を準備する。
次に、図16(b)に示すように、量産用ガラス基材6を準備し、量産用ガラス基材6上にパターン形成用樹脂9を設ける。この際、パターン形成用樹脂9を、インクジェット法により塗布しながらパターニングする。このようにして、量産用ガラス基材6上に流路41が形成されるとともに、パターニングされたパターン形成用樹脂9が形成される。
次いで、パターン形成用樹脂9に転写用マスク原版1を接触させることにより、パターン形成用樹脂9に転写用マスク原版1の凹凸構造3を転写する。この際、まず、図16(c)に示すように、転写用マスク原版1の凹凸構造3と、パターニングされたパターン形成用樹脂9とが向かい合うように、転写用マスク原版1を配置する。次に、図17(a)に示すように、凹凸構造3をパターン形成用樹脂9に接触させ、凹凸構造3の凹凸形状をパターン形成用樹脂9に完全に埋め込ませる。
次に、転写用マスク原版1に接触されたパターン形成用樹脂9を硬化させることにより、凹凸構造3に対応する凹凸構造7bが転写されたパターン層7を形成する(図17(a))。
次いで、図17(b)に示すように、転写用マスク原版1をパターン層7から剥離する。
次に、図17(c)に示すように、転写用マスク原版1の凹凸構造3と、凹凸構造7bが設けられていないパターン形成用樹脂9とが向かい合うように、転写用マスク原版1を配置する。次いで、図18(a)に示すように、凹凸構造3をパターン形成用樹脂9に接触させ、転写用マスク原版1に接触されたパターン形成用樹脂9を硬化させることにより、凹凸構造3に対応する凹凸構造7bが転写されたパターン層7を形成する。
次に、図18(b)に示すように、転写用マスク原版1をパターン層7から剥離する。
以後、図17(c)及び図18(a)−(b)に示す工程を繰り返し、パターン形成用樹脂9に転写用マスク原版1を複数回接触させることにより、パターン形成用樹脂9に転写用マスク原版1の凹凸構造3を複数個転写し、複数個のパターン層7を形成する。
このようにして、図15に示す量産用マスク原版5が得られる(図18(c))。
(表示装置形成用基板の製造方法)
次に、図19(a)−(c)及び図20(a)−(c)により、本実施の形態による表示装置形成用基板の製造方法について説明する。図19(a)−(c)及び図20(a)−(c)は、本実施の形態による表示装置形成用基板の製造方法を示す断面図である。
まず、例えば、図16(a)−(c)、図17(a)−(c)及び図18(a)−(c)に示す方法により、量産用マスク原版5を作製する(図19(a))。
次に、図19(b)に示すように、基板用ガラス基材11を準備し、基板用ガラス基材11上に基板用樹脂14を設ける。
次いで、基板用樹脂14に量産用マスク原版5を接触させることにより、基板用樹脂14に量産用マスク原版5の複数の凹凸構造7bを転写する。この際、まず、図19(c)に示すように、量産用マスク原版5の凹凸構造7bと基板用樹脂14とが向かい合うように、量産用マスク原版5を配置する。次に、図20(a)に示すように、凹凸構造7bを基板用樹脂14に接触させ、凹凸構造7bの凹凸形状を基板用樹脂14に完全に埋め込ませる。
次に、量産用マスク原版5に接触された基板用樹脂14を硬化させることにより、凹凸構造7bに対応する凹凸構造12bが転写された微細凹凸層12を形成する(図20(a))。基板用樹脂14を硬化させる際、基板用樹脂14のうち、凹凸構造7bと接触していない部分(流路41と向かい合う部分)においては、凹凸構造12bが転写されることなく、表面が平坦な状態で硬化し、基板用平坦層13が形成される。
次いで、量産用マスク原版5を微細凹凸層12から剥離する(図20(b)。
このようにして、図4に示す表示装置形成用基板10が得られる(図20(c))。
このように、本実施の形態によれば、複数のパターン層7が、流路41を介して互いに離間して配置されている。これにより、量産用マスク原版5を用いて表示装置形成用基板10に凹凸構造7bを転写する際に(図20(a))、基板用樹脂14とパターン層7との間に入り込んだ空気を流路41から逃がすことができる。このため、基板用樹脂14に凹凸構造7bを転写する際に、基板用樹脂14と凹凸構造7bとの間に空気が入り込む、いわゆる泡噛みを抑制することができるとともに、量産用マスク原版5が表示装置形成用基板10の微細凹凸層12に張り付いてしまうことを抑制することができる。
(変形例)
次に、図21乃至図24を参照して本実施の形態の変形例について説明する。図21は、本実施の形態による量産用マスク原版の製造方法に用いられる転写用マスク原版の変形例を示す断面図である。図21に示す転写用マスク原版1において、転写用マスク原版1の凹凸構造3の周囲に、遮光部4が設けられているものであり、他の構成は、上述した図1に示す構成と同様である。また、図22乃至図24は、本実施の形態による量産用マスク原版の製造方法の変形例を示す断面図である。図22及び図24に示す量産用マスク原版の製造方法において、パターン層7を形成した後に、パターン形成用樹脂9を除去し、パターン層7をパターニングするものであり、他の構成は、上述した図16(a)−(c)、図17(a)−(c)及び図18(a)−(c)に示す構成と略同様である。図21乃至図24において、図15乃至図20に示す実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
(転写用マスク原版の構成)
まず、図21に示す転写用マスク原版1において、転写用マスク原版1の凹凸構造3の周囲に、遮光部4が形成されている。この遮光部4は、量産用マスク原版5の製造工程において、パターン形成用樹脂9に照射されたUV光を遮光するためのものである。具体的には、遮光部4は、量産用マスク原版5の製造工程において、例えば、パターン形成用樹脂9がUV硬化型樹脂からなる場合に、パターン形成用樹脂9に照射されたUV光を遮光し、UV光によるパターン形成用樹脂9の硬化を防ぐ役割を果たす。量産用マスク原版5の製造工程において、遮光部4に対応する位置には、量産用マスク原版5の流路41が形成される。なお、遮光部4は、量産用ガラス基材6の周縁部を覆っていることが好ましい。これにより、流路41に対応する位置のパターン形成用樹脂9に照射されたUV光を効果的に遮光することができる。
このような遮光部4は、後述するように、量産用ガラス基材6上にスパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法等の手法により成膜されたものを、フォトリソグラフィ法にてレジストをパターニングし、エッチングにてパターン形成したもの、若しくはフォトリソグラフィ法にて遮光性色素を含有したレジストを直接パターニング形成したものである。遮光部4の材質としては、UV光等の光を効果的に遮光できるものが用いられ、例えば、クロム、モリブデン、チタン、アルミニウム、銀、ニッケル等の金属膜もしくはカーボンブラック、チタンブラック等の黒色顔料を挙げることができる。また、遮光部4の厚みは、適宜設定することができ、例えば、50nm以上300nm以下程度が好ましい。
(量産用マスク原版の構成)
量産用マスク原版5の構成は、図15に示す量産用マスク原版5と同一であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
(表示装置形成用基板および表示装置の構成)
表示装置形成用基板10および表示装置20の構成は、図4乃至図7に示す表示装置形成用基板10および表示装置20と同一であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
(量産用マスク原版の製造方法)
次に、図22(a)−(d)、図23(a)−(c)及び図24(a)−(c)により、本実施の形態による量産用マスク原版の製造方法について説明する。図22(a)−(d)、図23(a)−(c)及び図24(a)−(c)は、本実施の形態による量産用マスク原版の製造方法を示す断面図である。
まず、図22(a)に示すように、転写用ガラス基材2と、転写用ガラス基材2上に設けられた凹凸構造3と、凹凸構造3の周囲に形成された遮光部4とを含む転写用マスク原版1を準備する。
次に、図22(b)に示すように、量産用ガラス基材6を準備し、量産用ガラス基材6上にパターン形成用樹脂9を設ける。
次いで、パターン形成用樹脂9に転写用マスク原版1を接触させることにより、パターン形成用樹脂9に転写用マスク原版1の凹凸構造3を転写する。この際、まず、図22(c)に示すように、転写用マスク原版1の凹凸構造3とパターン形成用樹脂9とが向かい合うように、転写用マスク原版1を配置する。次に、図22(d)に示すように、凹凸構造3をパターン形成用樹脂9に接触させ、凹凸構造3の凹凸形状をパターン形成用樹脂9に完全に埋め込ませる。
次に、転写用マスク原版1に接触されたパターン形成用樹脂9を硬化させることにより、凹凸構造3に対応する凹凸構造7bが転写されたパターン層7を形成する(図22(d))。パターン形成用樹脂9を硬化させる際、例えば、パターン形成用樹脂9がUV硬化型樹脂からなる場合、パターン形成用樹脂9にUV光を照射する。これにより、パターン形成用樹脂9が硬化し、凹凸構造7bが設けられたパターン層7が形成される。この際、パターン形成用樹脂9のうち、凹凸構造3と接触していない部分(遮光部4と向かい合う部分)においては、照射されたUV光が遮光部4により遮光される。これにより、UV光によるパターン形成用樹脂9の硬化が防がれ、パターン形成用樹脂9は硬化しない。
次いで、図23(a)に示すように、転写用マスク原版1をパターン層7から剥離する。
次に、図23(b)に示すように、転写用マスク原版1の凹凸構造3と、凹凸構造7bが設けられていないパターン形成用樹脂9とが向かい合うように、転写用マスク原版1を配置する。次いで、図23(c)に示すように、凹凸構造3をパターン形成用樹脂9に接触させ、転写用マスク原版1に接触されたパターン形成用樹脂9を硬化させることにより、凹凸構造3に対応する凹凸構造7bが転写されたパターン層7を形成する。
次いで、図24(a)に示すように、転写用マスク原版1をパターン層7から剥離する。
以後、図23(b)−(c)及び図24(a)に示す工程を繰り返し、パターン形成用樹脂9に転写用マスク原版1を複数回接触させることにより、パターン形成用樹脂9に転写用マスク原版1の凹凸構造3を複数個転写し、複数個のパターン層7を形成する(図24(b))。
次いで、図24(c)に示すように、遮光部4により保護され、硬化していないパターン形成用樹脂9を量産用ガラス基材6から除去する。この場合、例えば、アルカリ現像により、量産用ガラス基材6からパターン形成用樹脂9を除去する。このようにして、流路41が、遮光部4に対応する位置に形成される。
このようにして、図15に示す量産用マスク原版5が得られる(図24(c))。
この場合においても、複数のパターン層7を、流路41を介して互いに離間して配置することができる。これにより、量産用マスク原版5を用いて表示装置形成用基板10に凹凸構造7bを転写する際(図20(a))に、基板用樹脂14とパターン層7との間に入り込んだ空気を流路41から逃がすことができる。このため、基板用樹脂14に凹凸構造7bを転写する際に、基板用樹脂14と凹凸構造7bとの間に空気が入り込む、いわゆる泡噛みを抑制することができるとともに、量産用マスク原版5が表示装置形成用基板10の微細凹凸層12に張り付いてしまうことを抑制することができる。
(第3の実施の形態)
次に、図25乃至図37を参照して本発明の第3の実施の形態について説明する。図25は、本発明の第3の実施の形態による量産用マスク原版の製造方法によって製造された量産用マスク原版を示す断面図であり、図26は、本発明の第3の実施の形態による表示装置形成用基板の製造方法によって製造された表示装置形成用基板を示す断面図であり、図27及び図28は、本発明の第3の実施の形態による表示装置の製造方法によって製造された表示装置を示す断面図である。図29乃至図32は、本発明の第3の実施の形態による量産用マスク原版の製造方法を示す断面図であり、図33乃至図35は、本発明の第3の実施の形態による表示装置形成用基板の製造方法を示す断面図であり、図36及び図37は、本発明の第3の実施の形態による表示装置の製造方法を示す断面図である。図25乃至図37に示す第3の実施の形態は、量産用マスク原版5、表示装置形成用基板10および表示装置20の構成が異なるものであり、他の構成は上述した第2の実施の形態と略同一である。図25乃至図37において、第2の実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。また、図25乃至図37に示されている構成には、図示と理解のしやすさの便宜上、サイズ及び縮尺等が実物のそれらから変更されている部分が含まれうる。
(転写用マスク原版の構成)
転写用マスク原版1の構成は、図1に示す転写用マスク原版1と同一であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
(量産用マスク原版の構成)
次に、図25を用いて、本実施の形態による量産用マスク原版5について説明する。図25に示す量産用マスク原版5において、複数のパターン層7は、それぞれ量産用ガラス基材6上に配置されたチップ42と、チップ42上に流路43を介して互いに離間して配置された3つのパターン部44とを有している。このうち、チップ42は、パターン層7上に直接形成され、平坦な表面42aを有する層からなる。このチップ42は、パターン部44と同じ材料から構成される。また、チップ42の厚みは、例えば、100nm以上800nm以下程度の範囲で適宜設定することができる。チップ42の幅は、上述した凹凸構造3の幅と略同一であり、例えば、5μm以上500μm以下程度の範囲で適宜設定することができる。
このチップ42は、後述するように、量産用マスク原版5の製造工程において、チップ用樹脂45を硬化させたものである。このチップ用樹脂45は、後述するように、量産用ガラス基材6上にダイコート法、インクジェット法、スプレーコート法、キャピラリーコート法、スリット及びスピン法等の手法により塗布形成されたものである。このように形成されたチップ用樹脂45は、全体として平坦性を高めることが可能となる。
パターン部44は、チップ42上に直接形成され、表面44aに微細な凹凸形状を含む凹凸構造44bが設けられた層からなる。すなわち、各々のパターン部44の表面44aには、転写用マスク原版1の凹凸構造3に対応する凹凸構造44bが転写されている。なお、各々のチップ42上に、流路43を介して互いに離間して配置された4つ以上のパターン部44が設けられていても良い。パターン部44は、表示装置形成用基板10の製造工程において、表示装置形成用基板10の基板用樹脂14に凹凸構造44bを転写する役割を果たす。
パターン部44には、後述するパターン部44の形成工程において、転写用マスク原版1の凹凸構造3が接触することにより、表面44aに凹凸構造44bが設けられるものが用いられる。またパターン部44には、表示装置形成用基板10の製造工程において、凹凸構造44bを維持しつつ、基板用樹脂14に凹凸構造44bを転写できるものが用いられる。パターン部44の材料としては、例えば、UV硬化型樹脂または熱硬化型樹脂を用いることができる。また、パターン部44の厚み(パターン層7の表面7aから凹凸構造44bの凸部の表面までの距離)は、例えば、100nm以上800nm以下程度の範囲で適宜設定することができる。また、パターン部44の幅は、第1の実施の形態および第2の実施の形態によるパターン層7の幅よりも小さく、例えば、5μm以上500μm以下程度の範囲で適宜設定することができる。
このパターン部44は、後述するように、量産用マスク原版5の製造工程において、パターン部用樹脂46に転写用マスク原版1の凹凸構造3を転写し、硬化させたものである。このパターン部用樹脂46は、後述するように、チップ42上にダイコート法、インクジェット法、スプレーコート法、キャピラリーコート法、スリット及びスピン法等の手法により塗布形成されたものである。このように形成されたパターン部用樹脂46は、全体として平坦性を高めることが可能となり、寸法精度の高い微細な凹凸形状を含む凹凸構造44bをパターン部44に設けることが可能となる。
凹凸構造44bの凹凸形状は、凹凸構造3の凹凸形状に対応しており、上述した凹凸構造3の凹部と凸部とが反転した凹凸形状に形成されている。また、各々のパターン部44の表面44aに転写された凹凸構造44bは、互いに異なる凹凸形状を含んでいる。すなわち、図25に示すように、凹凸構造44bは、赤色用の単位凹凸構造3Rから転写された赤色用の単位凹凸構造44Rと、緑色用の単位凹凸構造3Gから転写された緑色用の単位凹凸構造44Gと、青色用の単位凹凸構造3Bから転写された青色用の単位凹凸構造44Bとを有している。これらの赤色用の単位凹凸構造44R、緑色用の単位凹凸構造44Gおよび青色用の単位凹凸構造44Bの凹凸形状は、互いに異なっている。このような凹凸構造44bは、後述する表示装置形成用基板10の製造工程において、表示装置形成用基板10の基板用樹脂14に接触し、凹凸構造44bに対応する凹凸構造12bが転写された微細凹凸層12を形成する役割を果たす。
このように、複数のパターン層7が、流路43を介して互いに離間して配置された3つのパターン部44を有することにより、量産用マスク原版5を用いて表示装置形成用基板10の基板用樹脂14に凹凸構造44bを転写する際に、基板用樹脂14とパターン部44との間に入り込んだ空気を流路43から逃がすことができる。とりわけ、パターン部44の幅は、第1の実施の形態および第2の実施の形態によるパターン層7の幅よりも小さくなっている。このため、基板用樹脂14に凹凸構造44bを転写する際に、基板用樹脂14と凹凸構造44bとの間に空気が入り込む、いわゆる泡噛みを効果的に抑制することができるとともに、量産用マスク原版5が表示装置形成用基板10の微細凹凸層12に張り付いてしまうことを効果的に抑制することができる。
(表示装置形成用基板の構成)
次に、図26に示す表示装置形成用基板10において、微細凹凸層12には、上述した流路43に対応する位置に平坦部12cが形成されている。この平坦部12cにより、微細凹凸層12に3つの単位凹凸構造12R、12G、12Bが画定されている。
凹凸構造12bの凹凸形状は、凹凸構造44bの凹凸形状に対応しており、上述した凹凸構造44bの凹部と凸部とが反転した凹凸形状に形成されている。図26に示すように、凹凸構造12bは、赤色用の単位凹凸構造44Rから転写された赤色用の単位凹凸構造12Rと、緑色用の単位凹凸構造44Gから転写された緑色用の単位凹凸構造12Gと、青色用の単位凹凸構造44Bから転写された青色用の単位凹凸構造12Bとを有している。これらの赤色用の単位凹凸構造12R、緑色用の単位凹凸構造12Gおよび青色用の単位凹凸構造12Bは、平坦部12cを介して互いに離間して配置されている。
(表示装置の構成)
次に、図27及び図28に示す表示装置20において、第1電極26には、上述した平坦部12cに対応する位置に平坦部26cが形成されている。この平坦部26cにより、第1電極26に3つの単位凹凸構造26R、26G、26Bが画定されている。すなわち、図28に示すように、赤色用の単位凹凸構造26R、緑色用の単位凹凸構造26Gおよび青色用の単位凹凸構造26Bは、平坦部26cを介して互いに離間して配置されている。
有機発光層27には、第1電極26の平坦部26cに対応する位置に平坦部27cが形成されている。この平坦部27cにより、有機発光層27に3つの単位凹凸構造27R、27G、27Bが画定されている。すなわち、図28に示すように、赤色用の単位凹凸構造27R、緑色用の単位凹凸構造27Gおよび青色用の単位凹凸構造27Bは、平坦部27cを介して互いに離間して配置されている。
第2電極28には、有機発光層27の平坦部27cに対応する位置に形成された平坦部28cが形成されている。この平坦部28cにより、第2電極28に3つの単位凹凸構造28R、28G、28Bが画定されている。すなわち、図28に示すように、赤色用の単位凹凸構造28R、緑色用の単位凹凸構造28Gおよび青色用の単位凹凸構造28Bは、平坦部28cを介して互いに離間して配置されている。
(量産用マスク原版の製造方法)
次に、図29(a)−(c)、図30(a)−(c)、図31(a)−(c)及び図32(a)−(b)により、本実施の形態による量産用マスク原版の製造方法について説明する。図29(a)−(c)、図30(a)−(c)、図31(a)−(c)及び図32(a)−(b)は、本実施の形態による量産用マスク原版の製造方法を示す断面図である。
まず、図29(a)に示すように、転写用マスク原版1を準備する。
次に、図29(b)に示すように、量産用ガラス基材6を準備し、量産用ガラス基材6上に樹脂材料を塗布することにより、量産用ガラス基材6上に(未硬化の)チップ用樹脂45を設ける。チップ用樹脂45の樹脂材料としては、例えば、UV硬化型樹脂または熱硬化型樹脂を用いることができる。
樹脂材料は、例えばダイコート法、インクジェット法、スプレーコート法、キャピラリーコート法、スリット及びスピン法等の手法により量産用ガラス基材6上に塗布される。このため、量産用ガラス基材6上に発泡型の接着フィルム、テープ等を貼着する場合と比べて、フィルム、テープ等にうねりや接着剤等の厚みムラが生じるおそれがなく、チップ42の平坦性を高めることができる。
次いで、図29(c)に示すように、チップ用樹脂45を、フォトリソグラフィ法によりパターニングする。このようにして、量産用ガラス基材6上に流路41が形成されるとともに、パターニングされたチップ用樹脂45が形成される。
次に、チップ用樹脂45を硬化させることにより、チップ42を形成する(図29(c))。チップ用樹脂45を硬化させる際、チップ用樹脂45がUV硬化型樹脂からなる場合には、チップ用樹脂45にUV光を照射する。これにより、チップ用樹脂45が硬化し、チップ42が形成される。また、チップ用樹脂45が熱硬化型樹脂からなる場合には、チップ用樹脂45を硬化させる際、チップ用樹脂45を加熱する。これにより、チップ用樹脂45が硬化し、チップ42が形成される。このようにして、平坦な表面42aを有するチップ42が形成される。
次いで、図30(a)に示すように、チップ42上に樹脂材料を塗布することにより、チップ42上に(未硬化の)パターン部用樹脂46を設ける。パターン部用樹脂46の樹脂材料としては、例えば、UV硬化型樹脂または熱硬化型樹脂を用いることができる。
樹脂材料は、例えばダイコート法、インクジェット法、スプレーコート法、キャピラリーコート法、スリット及びスピン法等の手法によりチップ42上に塗布される。このため、チップ42上に発泡型の接着フィルム、テープ等を貼着する場合と比べて、フィルム、テープ等にうねりや接着剤等の厚みムラが生じるおそれがなく、パターン部用樹脂46の平坦性を高めることができる。
チップ42上に樹脂材料を塗布する際、特にチップ42上のみにパターン部用樹脂46を直接形成できるインクジェット法が用いられる。このようにインクジェット法によってパターン部用樹脂46を塗布しながらパターニングすることにより、チップ42上に流路43が形成されるとともに、パターニングされたパターン部用樹脂46が形成される。
次いで、パターン部用樹脂46に転写用マスク原版1を接触させることにより、パターン部用樹脂46に転写用マスク原版1の凹凸構造3を転写する。この場合、各々のパターン部用樹脂46の表面に、それぞれ転写用マスク原版1の凹凸構造3を転写する。この際、まず、図30(b)に示すように、転写用マスク原版1の凹凸構造3とパターン部用樹脂46とが向かい合うように、転写用マスク原版1を配置する。次に、図30(c)に示すように、凹凸構造3をパターン部用樹脂46に接触させ、凹凸構造3の凹凸形状をパターン部用樹脂46に完全に埋め込ませる。このとき、凹凸構造3の凹凸形状をパターン部用樹脂46に完全に埋め込ませるために、転写用ガラス基材2の裏面(凹凸構造3が形成されていない面)から、例えば、図示しない加圧ローラー等により、転写用マスク原版1を加圧し、転写用マスク原版1をパターン部用樹脂46の側に押圧しても良い。このようにして、凹凸構造3の凹部と凸部とが反転した凹凸形状を含む凹凸構造44bが、パターン部用樹脂46に転写される(図30(c))。この際、パターン部用樹脂46には赤色用の単位凹凸構造44R、緑色用の単位凹凸構造44Gおよび青色用の単位凹凸構造44Bがそれぞれ転写される。また、転写用マスク原版1をパターン部用樹脂46に接触させる前に、転写用マスク原版1の凹凸構造3に離型材を塗布していても良い。これにより、後述する転写用マスク原版1をパターン部44から剥離する工程において、パターン部用樹脂46が転写用マスク原版1の凹凸構造3に付着する、いわゆるマスク残りを低減させることができる。
次に、転写用マスク原版1に接触されたパターン部用樹脂46を硬化させることにより、凹凸構造3に対応する凹凸構造44bが転写されたパターン部44を形成する(図30(c))。パターン部用樹脂46を硬化させる際、パターン部用樹脂46がUV硬化型樹脂からなる場合には、パターン部用樹脂46にUV光を照射する。これにより、パターン部用樹脂46が硬化し、凹凸構造44bが設けられたパターン部44が形成される。また、パターン部用樹脂46が熱硬化型樹脂からなる場合には、パターン部用樹脂46を硬化させる際、パターン部用樹脂46を加熱する。これにより、パターン部用樹脂46が硬化し、凹凸構造44bが設けられたパターン部44が形成される。
次いで、図31(a)に示すように、転写用マスク原版1をパターン部44から剥離する。転写用マスク原版1とパターン部44との引き離しは、パターン部用樹脂46に対する転写用マスク原版1の接触と、パターン部用樹脂46の硬化によるパターン部44の形成が完了した後に行うことができる。また、転写用マスク原版1とパターン部44とが引き離された後に、パターン部44を完全に硬化するため追加露光を行ってもよい。
次に、図31(b)に示すように、転写用マスク原版1の凹凸構造3と、凹凸構造44bが設けられていないパターン部用樹脂46とが向かい合うように、転写用マスク原版1を配置する。次いで、図31(c)に示すように、図30(c)を用いて説明した方法と同様の方法で、凹凸構造3をパターン部用樹脂46に接触させ、転写用マスク原版1に接触されたパターン部用樹脂46を硬化させることにより、凹凸構造3に対応する凹凸構造44bが転写されたパターン部44を形成する。
次に、図32(a)に示すように、図31(a)を用いて説明した方法と同様の方法で、転写用マスク原版1をパターン部44から剥離する。
以後、図31(b)−(c)及び図32(a)に示す工程を繰り返し、パターン部用樹脂46に転写用マスク原版1を複数回接触させることにより、パターン部用樹脂46に転写用マスク原版1の凹凸構造3を複数個転写し、複数個のパターン層7を形成する。なお、パターン部用樹脂46に転写用マスク原版1を接触させる際、図示しないアライメントマークにより、転写用マスク原版1の接触位置を調整することが好ましい。これにより、量産用マスク原版5に形成されるパターン層7の位置精度を向上させることができる。
このようにして、図25に示す量産用マスク原版5が得られる(図32(b))。
(表示装置形成用基板の製造方法)
次に、図33(a)−(b)、図34(a)−(b)及び図35(a)−(b)により、本実施の形態による表示装置形成用基板の製造方法について説明する。図33(a)−(b)、図34(a)−(b)及び図35(a)−(b)は、本実施の形態による表示装置形成用基板の製造方法を示す断面図である。
まず、例えば、図29(a)−(d)、図30(a)−(c)、図31(a)−(c)及び図32(a)−(b)に示す方法により、量産用マスク原版5を作製する(図33(a))。
次に、図33(b)に示すように、基板用ガラス基材11を準備し、基板用ガラス基材11上に基板用樹脂14を設ける。
次いで、基板用樹脂14に量産用マスク原版5を接触させることにより、基板用樹脂14に量産用マスク原版5の複数の凹凸構造44bを転写する。この際、まず、図34(a)に示すように、量産用マスク原版5の凹凸構造44bと基板用樹脂14とが向かい合うように、量産用マスク原版5を配置する。次に、図34(b)に示すように、凹凸構造44bを基板用樹脂14に接触させ、凹凸構造44bの凹凸形状を基板用樹脂14に完全に埋め込ませる。
次に、量産用マスク原版5に接触された基板用樹脂14を硬化させることにより、凹凸構造44bに対応する凹凸構造12bが転写された微細凹凸層12を形成する(図34(b))。基板用樹脂14を硬化させる際、基板用樹脂14のうち、凹凸構造44bと接触していない部分(流路41および流路43と向かい合う部分)においては、凹凸構造12bが転写されることなく、表面が平坦な状態で硬化し、基板用平坦層13および平坦部12cが形成される。
次いで、量産用マスク原版5を微細凹凸層12から剥離する(図35(a)。
このようにして、図26に示す表示装置形成用基板10が得られる(図35(b))。
(表示装置の製造方法)
次に、図36(a)−(d)及び図37(a)−(c)により、本実施の形態による表示装置の製造方法について説明する。図36(a)−(d)及び図37(a)−(c)は、本実施の形態による表示装置の製造方法を示す断面図である。
まず、例えば、図33(a)−(b)、図34(a)−(b)及び図35(a)−(b)に示す方法により、表示装置形成用基板10を作製する(図36(a))。
次いで、基板用平坦層13を介して基板用ガラス基材11上に薄膜トランジスタ23を配置する(図36(b))。
次に、微細凹凸層12上に有機EL素子24を配置する(図36(c)−(d)及び図37(a))。この場合、まず、微細凹凸層12、基板用平坦層13および薄膜トランジスタ23上に第1電極26を形成する(図36(c))。
微細凹凸層12上に形成される第1電極26は、凹凸構造12bが設けられている表面12a上に均一に積層される。これにより、第1電極26の表面26aは、微細凹凸層12の表面12aに対応する形状に形成される。このため、第1電極26の表面のうち、微細凹凸層12上の表面26aには、凹凸構造12bの形状と略同一の凹凸形状を含む凹凸構造26bが設けられる。また、微細凹凸層12の平坦部12cに対応する位置に平坦部26cが形成される。なお、第1電極26の表面26aには、赤色用の単位凹凸構造26R、緑色用の単位凹凸構造26Gおよび青色用の単位凹凸構造26B(図28参照)がそれぞれ設けられる。このようにして、第1電極26が形成される。
次いで、第1電極26上に有機発光層27を形成する(図36(d))。
有機発光層27を第1電極26上に形成する際、有機発光層27は、凹凸構造26bが設けられている第1電極26の表面26a上に均一に積層される。これにより、有機発光層27の表面27aは、第1電極26の表面26aに対応する形状に形成される。このため、有機発光層27の表面27aには、凹凸構造26bの形状と略同一の凹凸形状を含む凹凸構造27bが設けられる。また、第1電極26の平坦部26cに対応する位置に平坦部27cが形成される。なお、有機発光層27の表面27aには、赤色用の単位凹凸構造27R、緑色用の単位凹凸構造27Gおよび青色用の単位凹凸構造27B(図28参照)がそれぞれ設けられる。
次に、有機発光層27上に第2電極28を形成する(図37(a))。
第2電極28を有機発光層27上に形成する際、第2電極28は、凹凸構造27bが設けられている有機発光層27の表面27a上に均一に積層される。これにより、第2電極28の表面28aは、有機発光層27の表面27aに対応する形状に形成される。このため、第2電極28の表面28aには、凹凸構造27bの形状と略同一の凹凸形状を含む凹凸構造28bが設けられる。また、有機発光層27の平坦部27cに対応する位置に平坦部28cが形成される。なお、第2電極28の表面28aには、赤色用の単位凹凸構造28R、緑色用の単位凹凸構造28Gおよび青色用の単位凹凸構造28B(図28参照)がそれぞれ設けられる。このようにして、微細凹凸層12上に有機EL素子24が配置される。
次いで、微細凹凸層12上に配置された有機EL素子24を封止材料25によって封止する(図37(b))。
その後、切断装置(図示せず)によって、表示装置20の中間体20aは個々の表示装置20毎に切断され個片化される(図37(c))。
以上の一連の工程により、図27及び図28に示す表示装置20を得ることができる(図37(c))。
このように、本実施の形態によれば、複数のパターン層7は、流路43を介して互いに離間して配置された3つのパターン部44を有している。これにより、量産用マスク原版5を用いて表示装置形成用基板10の基板用樹脂14に凹凸構造44bを転写する際に図34(b)、基板用樹脂14とパターン部44との間に入り込んだ空気を流路43から逃がすことができる。とりわけ、パターン部44の幅は、第1の実施の形態および第2の実施の形態によるパターン層7の幅よりも小さくなっている。このため、基板用樹脂14に凹凸構造44bを転写する際に、基板用樹脂14と凹凸構造44bとの間に空気が入り込む、いわゆる泡噛みを効果的に抑制することができるとともに、量産用マスク原版5が表示装置形成用基板10の微細凹凸層12に張り付いてしまうことを効果的に抑制することができる。
また、本実施の形態によれば、複数のパターン層7は、流路43を介して互いに離間して配置された3つのパターン部44を有している。これにより、転写用マスク原版1を用いてパターン部用樹脂46に凹凸構造3を転写する際に(図30(c))、凹凸構造3とパターン部用樹脂46との間に入り込んだ空気を流路43から逃がすことができる。このため、転写用マスク原版1を用いて量産用マスク原版5のパターン部用樹脂46に凹凸構造3を転写する際においても、いわゆる泡噛みを抑制することができるとともに、転写用マスク原版1が量産用マスク原版5に張り付いてしまうことを抑制することができる。
また、本実施の形態によれば、各々のパターン部44に転写された凹凸構造44bは、互いに異なる凹凸形状を含んでいる。これにより、表示装置形成用基板10の製造工程において、微細凹凸層12に、互いに異なる凹凸形状からなる単位凹凸構造12R、12G、12Bを設けることができる。このため、表示装置20の製造工程において、第1電極26の凹凸構造26bに、互いに異なる凹凸形状からなる赤色用の単位凹凸構造26Rと、緑色用の単位凹凸構造26Gと、青色用の単位凹凸構造26Bとを設けることができる。これにより、第1電極26の表面26aに、波長の異なる各色の光を効率良く反射させることができる単位凹凸構造26R、26G、26Bを設けることができ、光の取り出し効率を向上させることができる。
(第4の実施の形態)
次に、図38及び図39を参照して本発明の第4の実施の形態について説明する。図38及び図39は、本発明の第4の実施の形態による表示装置形成用基板の製造方法を示す断面図である。図38及び図39に示す第4の実施の形態は、表示装置形成用基板10の基板用樹脂14に量産用マスク原版5の凹凸構造7bを転写する工程が、真空雰囲気において行われ、量産用マスク原版5を基板用樹脂14から剥離する工程において、圧縮空気を用いて量産用マスク原版5を基板用樹脂14から剥離することが異なるものであり、他の構成は上述した第1の実施の形態と略同一である。図38及び図39において、第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。また、図38及び図39に示されている構成には、図示と理解のしやすさの便宜上、サイズ及び縮尺等が実物のそれらから変更されている部分が含まれうる。
(転写用マスク原版、量産用マスク原版、表示装置形成用基板および表示装置の構成)
転写用マスク原版1、量産用マスク原版5、表示装置形成用基板10および表示装置20の構成は、図1乃至図7に示す転写用マスク原版1、量産用マスク原版5、表示装置形成用基板10および表示装置20と同一であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
(量産用マスク原版の製造方法)
量産用マスク原版5の製造方法は、図8乃至図10に示す量産用マスク原版5の製造方法と同一であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
(表示装置形成用基板の製造方法)
次に、図38(a)−(b)及び図39(a)−(b)により、本実施の形態による表示装置形成用基板の製造方法について説明する。図38(a)−(b)及び図39(a)−(b)は、本実施の形態による表示装置形成用基板の製造方法を示す断面図である。
まず、例えば、図11(a)−(c)に示す方法により、量産用マスク原版5と、基板用樹脂14が設けられた基板用ガラス基材11とを準備し、量産用マスク原版5の凹凸構造7bと基板用樹脂14とが向かい合うように、量産用マスク原版5を配置する。この際、量産用マスク原版5と、基板用樹脂14が設けられた基板用ガラス基材11とを、真空装置51内に配置する(図38(a))。次に、図38(b)に示すように、凹凸構造7bを基板用樹脂14に接触させ、凹凸構造7bの凹凸形状を基板用樹脂14に完全に埋め込ませる。このようにして、凹凸構造7bの凹部と凸部とが反転した凹凸形状を含む凹凸構造12bが基板用樹脂14に転写される(図38(b))。この際、量産用マスク原版5と、基板用樹脂14が設けられた基板用ガラス基材11とは、真空装置51内に配置されており、凹凸構造7bを基板用樹脂14に転写する工程は、真空雰囲気において行われる。真空装置内の真空度は、例えば、50Pa以上50000Pa以下としても良い。これにより、基板用樹脂14と凹凸構造7bとの間に空気が入り込む、いわゆる泡噛みを抑制することができる。
次いで、量産用マスク原版5に接触された基板用樹脂14を硬化させることにより、凹凸構造7bに対応する凹凸構造12bが転写された微細凹凸層12を形成する(図38(b))。
次に、量産用マスク原版5を微細凹凸層12から剥離する(図39(a))。この際、圧縮空気を用いて量産用マスク原版5を基板用樹脂14から剥離する。すなわち、基板用樹脂14と凹凸構造7bとの間に圧縮空気を送り込むことにより、量産用マスク原版5を基板用樹脂14から剥離する。
このようにして、図4に示す表示装置形成用基板10が得られる(図39(b))。
このように、本実施の形態によれば、基板用樹脂14にパターン層7の凹凸構造7bを転写する工程が、真空雰囲気において行われる。これにより、基板用樹脂14に凹凸構造7bを転写する際に、基板用樹脂14と凹凸構造7bとの間に空気が入り込む、いわゆる泡噛みを更に効果的に抑制することができるとともに、量産用マスク原版5が表示装置形成用基板10の微細凹凸層12に張り付いてしまうことを更に効果的に抑制することができる。
また、本実施の形態によれば、量産用マスク原版5を基板用樹脂14から剥離する工程において、圧縮空気を用いて量産用マスク原版5を基板用樹脂14から剥離している。これにより、安定した剥離を行うことができ、量産用マスク原版5が表示装置形成用基板10の微細凹凸層12に張り付いてしまうことを更に効果的に抑制することができる。
なお、本実施の形態において、真空雰囲気において行われる工程が、凹凸構造7bを基板用樹脂14に転写する工程である例を示したが、これに限られるものではなく、転写用マスク原版1の凹凸構造3をパターン形成用樹脂9に転写する工程が、真空雰囲気において行われても良い。また、本実施の形態において、圧縮空気を用いた剥離工程が、量産用マスク原版5を微細凹凸層12から剥離する工程である例を示したが、これに限られるものではなく、転写用マスク原版1をパターン層7から剥離する工程において、圧縮空気を用いて転写用マスク原版1をパターン層7から剥離してもよい。
上記各実施の形態および変形例に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記各実施の形態および変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
1 転写用マスク原版
2 転写用ガラス基材
3 凹凸構造
3R、3G、3B 単位凹凸構造
4 遮光部
5 量産用マスク原版
6 量産用ガラス基材
7 パターン層
7b 凹凸構造
9 パターン形成用樹脂
10 表示装置形成用基板
11 基板用ガラス基材
12 微細凹凸層
12b 凹凸構造
14 基板用樹脂
20 表示装置
23 薄膜トランジスタ
24 有機EL素子
25 封止材料
26 第1電極
26a 表面
27 有機発光層
28 第2電極
41 流路
42 チップ
43 流路
44 パターン部
44b 凹凸構造

Claims (12)

  1. 表示装置を形成するための表示装置形成用基板に凹凸構造を転写するための量産用マスク原版の製造方法であって、
    転写用ガラス基材と、前記転写用ガラス基材上に設けられた凹凸構造とを含む転写用マスク原版を準備する工程と、
    前記転写用ガラス基材よりも大きい量産用ガラス基材を準備する工程と、
    前記量産用ガラス基材上にパターン形成用樹脂を設ける工程と、
    前記パターン形成用樹脂に前記転写用マスク原版を複数回接触させることにより、前記パターン形成用樹脂に前記転写用マスク原版の凹凸構造を複数個転写し、複数のパターン層を有する量産用マスク原版を作製する工程とを備えたことを特徴とする量産用マスク原版の製造方法。
  2. 前記複数のパターン層は、流路を介して互いに離間して配置され、前記転写用マスク原版の凹凸構造の周囲に、遮光部が形成され、前記量産用マスク原版の前記流路は、前記遮光部に対応する位置に形成されることを特徴とする請求項1に記載の量産用マスク原版の製造方法。
  3. 前記転写用マスク原版の凹凸構造は、少なくとも3つの単位凹凸構造を含み、前記少なくとも3つの単位凹凸構造は、互いに異なる凹凸形状を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の量産用マスク原版の製造方法。
  4. 前記複数のパターン層は、それぞれ前記量産用ガラス基材上に配置されたチップと、前記チップ上に、流路を介して互いに離間して配置された少なくとも3つのパターン部とを有し、前記少なくとも3つのパターン部に前記転写用マスク原版の凹凸構造に対応する凹凸構造が転写されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の量産用マスク原版の製造方法。
  5. 前記少なくとも3つのパターン部に転写された凹凸構造は、互いに異なる凹凸形状を含むことを特徴とする請求項4に記載の量産用マスク原版の製造方法。
  6. 表示装置を形成するための表示装置形成用基板の製造方法であって、
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載の量産用マスク原版の製造方法によって製造された量産用マスク原版を準備する工程と、
    基板用ガラス基材を準備する工程と、
    前記基板用ガラス基材上に基板用樹脂を設ける工程と、
    前記基板用樹脂に前記量産用マスク原版を接触させることにより、前記基板用樹脂上に前記量産用マスク原版の凹凸構造を転写し、微細凹凸層を形成する工程と、
    前記量産用マスク原版を前記基板用樹脂から剥離する工程とを備えたことを特徴とする表示装置形成用基板の製造方法。
  7. 前記基板用樹脂は、UV硬化型樹脂からなり、
    前記微細凹凸層を形成する工程において、前記基板用樹脂にUV光を照射することにより、前記基板用樹脂を硬化させることを特徴とする請求項6に記載の表示装置形成用基板の製造方法。
  8. 前記基板用樹脂は、熱硬化型樹脂からなり、
    前記微細凹凸層を形成する工程において、前記基板用樹脂を加熱することにより、前記基板用樹脂を硬化させることを特徴とする請求項6に記載の表示装置形成用基板の製造方法。
  9. 前記凹凸構造を転写する工程は、真空雰囲気において行われることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一項に記載の表示装置形成用基板の製造方法。
  10. 前記量産用マスク原版を前記基板用樹脂から剥離する工程において、圧縮空気を用いて前記量産用マスク原版を前記基板用樹脂から剥離することを特徴とする請求項9に記載の表示装置形成用基板の製造方法。
  11. 表示装置の製造方法であって、
    請求項6乃至10のいずれか一項に記載の表示装置形成用基板の製造方法によって製造された表示装置形成用基板を準備する工程と、
    前記基板用ガラス基材上に薄膜トランジスタを配置する工程と、
    前記微細凹凸層上に、前記薄膜トランジスタに電気的に接続される有機EL素子を配置する工程と、
    前記有機EL素子を封止材料によって封止する工程とを備え、
    前記有機EL素子は、前記微細凹凸層上に配置された第1電極と、前記第1電極上に配置された有機発光層と、前記有機発光層上に配置された第2電極とを有し、
    前記有機EL素子を配置する工程において、前記第1電極の表面は、前記微細凹凸層に転写された凹凸構造の凹凸形状に対応する凹凸形状に形成されることを特徴とする表示装置の製造方法。
  12. 前記第1電極は、スパッタリング法により形成されることを特徴とする請求項11に記載の表示装置の製造方法。
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