JP2018181596A - 点火プラグ - Google Patents

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Abstract

【課題】高温・高電圧の条件下においても、抵抗体の抵抗値上昇による劣化が抑制されて、長期に亘って安定した点火を維持できる、信頼性の高い点火プラグを提供する。【解決手段】長軸状の中心電極2、絶縁碍子3、接地電極4、端子金具5、及び中心電極2と端子金具5との間に配置される抵抗体6を具備する点火プラグである。抵抗体6はガラス相と、導電材と骨材とからなる。導電材は、金属硼化物及び金属硅化物の少なくとも一方からなる第1導電材と、カーボンからなる第2導電材とを含有する。【選択図】図1

Description

本発明は、電磁波ノイズを吸収する抵抗体を内蔵する点火プラグに関する。
点火プラグは、軸孔を有する絶縁体と、軸孔内に同軸的に設けられた中心電極及び端子金具とを備え、軸孔内において中心電極と端子金具とを電気的に接続している。中心電極と端子金具との間には、電磁波ノイズを吸収する抵抗体が配設される。
抵抗体は、例えば、カーボン等の導電性材料を含んで構成され、カーボン添加量に応じた抵抗値を有する。点火プラグの寿命性能の向上のためには、抵抗体中のカーボンの酸化抑制が望まれている。
例えば、特許文献1には、ガラスと、ジルコニアなどのセラミックス粉末と、カーボンブラックなどの導電材と、金属とを含有する抵抗体を備えた点火プラグが開示されている。金属を分散させることにより、酸化による寿命性能の低下を抑制している。
特許第5084136号
しかしながら、近年の点火プラグには、例えば250℃、35kVという高温、高電圧での性能が要求される。従来の点火プラグでは、このような高温、高電圧では、安定した点火が維持できなくなるおそれがある。これは、抵抗体中の特定部位に電流集中が生じて温度上昇が起こり、カーボン等の導電材が酸化して消失するためであると推察される。その結果、抵抗体が高抵抗化することで、点火プラグが早期に劣化すると考えられる。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、高温・高電圧の条件下においても、抵抗体の抵抗値上昇による劣化が抑制されて、長期に亘って安定した点火を維持できる、信頼性の高い点火プラグを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、長軸状の中心電極(2)と、
該中心電極を軸孔(31)内の先端側に保持する絶縁碍子(3)と、
該軸孔の先端側において上記中心電極と対向する接地電極(4)と、
上記軸孔内の基端側に保持され、上記中心電極と外部電源(12)とを接続する端子金具(5)と、
上記軸孔内において上記中心電極と上記端子金具との間に配置される抵抗体(6)と、を具備し、
上記抵抗体が、骨材(61)と、ガラス相(62)と、該ガラス相に分散された導電材(63)とからなり、
上記導電材が、金属硼化物及び金属硅化物の少なくとも一方からなる第1導電材(631)と、カーボンからなる第2導電材(632)とを含有する、点火プラグ(1)にある。
上記点火プラグにおいては、抵抗体が、導電材として金属硼化物及び金属硅化物の少なくとも一方からなる第1導電材と、カーボンからなる第2導電材とを含有する。第1導電材は、それ自体が導電性を示し、第2導電材の導電性を補う機能を果たすことができる。さらに第1導電材は、抵抗体の製造時及び点火プラグの使用時の熱等によって酸化され、部分的にガラス化しうる。このように部分的にガラス化した第1導電材は、カーボンからなる第2導電材の酸化による消失を抑制する効果がある。
したがって、例えば250℃、35kVという高温、高電圧条件下における点火プラグの使用においても、抵抗体内部まで酸化が進行することを防止できる。したがって、カーボンからなる第2導電材の消失を抑制できる。その結果、点火プラグは、高温、高電圧条件下においても、初期の抵抗値を長期に亘って維持できる。その結果、高温、高電圧条件下においても例えば12万キロ走行相当の信頼性を発揮できる。
以上のごとく、上記態様によれば、高温・高電圧の条件下においても、抵抗体の抵抗値上昇による劣化が抑制されて、長期に亘って安定した点火を維持できる、信頼性の高い点火プラグを提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1における、点火プラグの断面図。 実施形態1における、点火プラグにおける抵抗体周囲の断面模式図。 実施形態1における、抵抗体の断面内部構造を示す模式図。 実施形態1における、電子線マイクロアナライザ分析で観察される抵抗体の断面内部構造におけるSi分布の模式図。 実施形態1における、(a)第1導電材の断面を示す模式図、(b)部分的にガラス化した第1導電材の断面を示す模式図。
(実施形態1)
内燃機関に適用される点火プラグに係る実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。図1に例示されるように、点火プラグ1は、中心電極2、絶縁碍子3、接地電極4、端子金具5、抵抗体6、及びハウジング7を具備する。なお、本明細書において、単に軸方向Zといったときは、点火プラグ1の中心軸が延びる方向を意味するものとする。また、軸方向Zにおいて、点火プラグ1における点火コイルと接続される側を基端側Rといい、燃焼室内に配される側を先端側Fという。また、単に径方向といったときは、軸方向Zに垂直な点火プラグ1の径方向を意味するものとする。
ハウジング7は、筒状であり、内部に絶縁碍子3を備える。絶縁碍子3も筒状であり、軸孔31を有する。絶縁碍子3の軸孔31内には中心電極2が同軸的に配置される。
接地電極4は、軸孔31の先端側(すなわち、図1の下端側)において中心電極2と対向する。また、抵抗体6は、軸孔31内において中心電極2と端子金具5との間に配置される。内燃機関は、例えば自動車用エンジンであり、点火プラグ1は、ハウジング7の先端側に設けた取付ネジ部71によって、図示しないエンジン燃焼室に臨むシリンダヘッドの取付穴に螺結される。
ハウジング7は、例えば、鉄系合金等の金属材料からなる。ハウジング7の内側には、アルミナ等の絶縁材料からなる絶縁碍子3が保持される。中心電極2は長軸状であり、放電チップ21を有する先端部(すなわち、図1の下端部)が突出するように、絶縁碍子3の内側に保持されている。端子金具5は、長軸状の本体部に続く大径の基端部(すなわち、図1の上端部)が突出するように、絶縁碍子3の内側に保持されている。ターミナルとなる端子金具5の基端部は、中心電極2へ高電圧を供給するための外部電源12に接続される。
中心電極2は、例えば、ニッケル系合金等の金属材料からなり、内部に銅系合金等の熱伝導性に優れた金属材料が芯材を構成している。絶縁碍子3の軸孔31は、軸方向Zにおいて内径が異なる複数の領域を有し、例えば、中央部より先端側の内径が、段付きに縮径している。また、中心電極2は、軸方向Zにおいて外径が異なる複数の領域を有し、例えば、基端部より先端側の外径が、軸孔31の内径に沿って段付きに縮径している。これにより、中心電極2の基端部が、軸孔31の段付き部に当接して支持される。
接地電極4は、ハウジング7の先端側に一体的に設けられ、L字形に屈曲する先端が、軸方向Zにおいて中心電極2の先端と対向している。これにより、中心電極2と接地電極4との間に、火花放電ギャップGを形成している。
抵抗体6は、中心電極2と端子金具5との間において絶縁碍子3の内側に配置される円柱状の部材であり、導電性材料を含有して、所望の抵抗値に調整されている。抵抗体6は、中心電極2と端子金具5とを電気的に接続すると共に、電磁波ノイズを吸収する機能を有する。
抵抗体6と中心電極2、抵抗体6と端子金具5との間には、それぞれ第1ガラスシール層64、第2ガラスシール層65が充填される。第1、第2ガラスシール層64、65は、導電性の接合ガラスからなる。接合ガラスは、例えば、ガラスに銅粉末を混入させてなる銅ガラスによって形成される。これにより、外部電源12から、端子金具5、第2ガラスシール層65、抵抗体6、第1ガラスシール層64を経て、中心電極2に至る導電パスが形成される。
図2に模式的に示すように、抵抗体6は、軸方向Zの先端側F、すなわち中心電極2側の第1ガラスシール層64との界面を、第1界面6Aとし、軸方向Zの基端側R、すなわち端子金具5側の第2ガラスシール層65との界面を、第2界面6Bとしている。
図3に例示されるように、抵抗体6は、骨材61と、ガラス相62と、これに分散された導電材63とからなる。抵抗体6は、骨材61と、ガラス相62を形成するためのガラス粉末と、導電材63の粉末とを含む粉末材料を熱処理して得られる。
ガラス相62は、例えば、B23−SiO2系ガラス、BaO−SiO2−B23系ガラス、ZnO−B23−SiO2系ガラス、BaO−CaO−B23−SiO2系ガラス、Na2O−SiO2−B23系ガラス、K2O−SiO2−B23系ガラス、Al23−B23−SiO2系ガラス、BaO−B23系ガラス、Bi2O−B23系ガラス、及びSiO2−MgO−Al23系ガラスからなる群より選択される少なくとも1種を含む。
骨材61の材質は、特に限定されず、例えばジルコニア等のセラミックスからなる。
導電材63としては、第1導電材631と第2導電材632とを含有する。第1導電材631は、金属硼化物及び金属硅化物の少なくとも一方からなる。第2導電材632は、カーボンからなる。導電材63が、第2導電材632と共に第1導電材631を含有するため、酸化による第2導電材632の消失を抑制する効果が発揮される。そのため、高温、高電圧条件下においても点火プラグ1が長期に亘って安定した点火を維持できる。
金属硼化物の金属としては、周期表におけるIVB属、VB属、VIB、及びランタノイドからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素が挙げられる。金属硅化物についても同様である。好ましくは、IVB〜VIBの中では、第4周期〜第6周期の金属元素が好ましく、ランタノイドの中ではランタンが好ましい。この場合には、点火プラグ1の長期にわたる安定性がより向上する。安定性をさらに向上させるという観点からは、第1導電材631は、IVB属の金属の硼化物及び硅化物から選ばれる少なくとも1種を含有することがより好まし、IVB属の金属の硼化物がさらに好ましい。
第1導電材631の酸化劣化を防止するという観点から、第1導電材631の融点は2000℃以上であることが好ましい。高温、高電圧環境下における酸化劣化をより防止するという観点からは、第1導電材631の融点は2500℃以上であることがより好ましく、2700℃以上であることがさらに好ましく、3000℃以上であることがさらにより好ましい。
第1導電材631の一部がガラス化されていてもよい。第1導電材631のガラス化により、第2導電材631の酸化による消失が抑制される。第1導電材631のガラス化は例えば抵抗体の製造時や点火プラグ1の使用時によって起こりうる。ガラス化は、抵抗体6の内部に存在する多数の第1導電材粒子の内の一部に起こったり、第1導電材粒子の表面の少なくとも一部に起こったりすると考えられる。また、ガラス化した第1導電材631は、周囲のガラス相62との親和性がよく、接合性がよい。
第1導電材631のガラス化は、例えば電子線マイクロアナライザー(つまり、EPMA)による元素分析により確認できる。図4は、図3と同様の内部構造の抵抗体6について、EPMAによるSi元素のマッピングを示す模式図である。図4に例示されるように、硅化物からなる第1導電材631のガラス化は、EPMAによる元素マッピングにおいて、周囲よりSi濃度が高い部分として検知できる。また、第1導電材631が硼化物からなる場合においても、硼化物からなる第1導電材のガラス化は、EPMAによる元素マッピングにおいて、周囲よりもB濃度が高い部分として検知できる。なお、第1導電材のガラス化は、EPMA以外の分析により検出することも可能である。
図3に例示されるように、抵抗体6においては、骨材61の粒界に形成されたガラス相62に導電材63が分散されていることが好ましい。この場合には、導電材63による三次元的の導電パスが形成される。導電材63としては、第1導電材631と第2導電材632とを含有するため、骨材61の粒界において第1導電材631と第2導電材632とが近接配置される構造をとる。そのため、第1導電材631による上述の第2導電材の酸化消失の抑制効果がより十分に発揮される。
骨材61の粒界において、第1導電材631と第2導電材632とからなる導電材63が三次元的に連なっていることが好ましい。この場合には、導電材63による導電パスが確実に形成される。
第2導電材632に対する第1導電材631の質量比は0.1〜2であることが好ましい。この範囲にすることにより、第2導電材632の添加効果が十分に得られると共に、導電材63による導電パスが十分に保持される。この効果をより高めるという観点から、第2導電材632に対する第1導電材631の質量比は0.2〜1.8であることがより好ましく、0.5〜1.5であることがさらに好ましい。また、これらの範囲内にて質量比を高めると、後述の実験例において示す通り抵抗体6の抵抗値(つまり、プラグ抵抗値)を下げることができる。したがって、第2導電材632に対する第1導電材631の質量比は、例えば所望のプラグ抵抗値に合わせて調整することができる。抵抗体6の全体の抵抗値(以下、適宜、プラグ抵抗値と称する)Rは、例えば、1kΩ〜10kΩ程度となるように調整される。なお、質量比の算出にあたって、第1導電材631の量は、金属硼化物及び金属硅化物の合計量である。金属硼化物及び金属硅化物のうち一方を含有していない場合には、含有していない方の含有量は0として算出する。
抵抗体中の導電材63の含有量(第1導電材631と第2導電材632との合計)は、電波雑音の抑制に適切な抵抗値に基づいて適宜調整できるが、例えば1質量%以下にすることができる。
点火プラグ1の点火エネルギーを低減するという観点から、点火プラグ1のプラグ抵抗値Rは3kΩ以下であることが好ましい。
点火プラグ1は、電圧35kV以上、温度250℃以上の条件下で使用できる。これにより、高電圧、高温条件下における抵抗体6の劣化による抵抗増大抑制効果が顕著に発揮される。
次に、図1に示した本形態の点火プラグ1の製造方法について、その一例を説明する。まず、筒状の絶縁碍子3の軸孔31内に中心電極2を挿入し、中心電極2の先端の放電チップ21を絶縁碍子3の先端開口から突出させた状態にて位置保持する。そして、絶縁碍子3の内側に、その基端側から第1ガラスシール層64となる接合ガラスの材料粉末、例えば銅ガラス粉末を充填し、これを軸方向Zに加圧する。次いで、第1ガラスシール層64となる材料粉末の基端側に、抵抗体6の構成材料の粉末を充填する。
絶縁碍子3に充填された抵抗体6の構成材料を、軸方向Zに加圧する。さらに、抵抗体6の基端側に、第2ガラスシール層65の材料粉末となる銅ガラス粉末を充填する。次いで、絶縁碍子3内に、端子金具5を金具本体側から挿入しつつ、第2ガラスシール層65の材料粉末を軸方向Zに加圧する。
その後、中心電極2、抵抗体6の構成材料、第1、第2ガラスシール層64、65の材料粉末、端子金具5が挿入された絶縁碍子3を、焼成炉内で熱処理する。これにより、絶縁碍子3の軸孔31内において、中心電極2と端子金具5の間に、第1、第2ガラスシール層64、65を介して抵抗体6が形成される。
そして、中心電極2、抵抗体6、第1、第2ガラスシール層64、65、端子金具5が内側に挿入された絶縁碍子3を、接地電極4を備えるハウジング7の筒内に挿入して保持させることにより、本形態の点火プラグ1が得られる。
抵抗体6の構成材料としては、金属硼化物及び金属硅化物の少なくとも一方からなる粉末、カーボン粉末、ガラス粉末、ジルコニア粉末等が用いられる。金属硼化物及び金属硅化物の少なくとも一方からなる粉末は第1導電材631の材料である。カーボン粉末は、第2導電材632の材料である。ガラス粉末はガラス相62の材料である。ジルコニア粉末は骨材61の材料である。
抵抗体6の作製にあたっては、例えば、金属硼化物及び金属硅化物の少なくとも一方と、カーボン粉末と、ガラス粉末とを混合し、ガラスを主成分とする導電材−ガラス混合粉末する。そして、導電材−ガラス混合粉と、ジルコニア粉末とを混合して抵抗体6用の材料粉末を作製する。
抵抗体6用の材料粉末におけるカーボンの添加量は、例えば0.1質量%〜5質量%とすることができる。また、材料粉末における金属硼化物及び金属硅化物の添加量は、0.1質量%〜0.5質量%とすることができる。金属硼化物及び金属硅化物のうちの一方の添加量は0であってもよい。骨材、ガラス粉末の添加量は適宜調整可能であるが、骨材の添加量を例えば10質量%〜50質量%にし、骨材とカーボンと金属硼化物と金属硅化物との合計量が100質量%となるようにガラス粉末の添加量を調整することができる。
ガラス粉末及び骨材の平均粒子径は、適宜調整することができる。ガラス粉末としては、例えば平均粒子径20μm以下のものを用いることができる。骨材としては、例えば平均粒子径1μm〜10μmのものを用いることができる。カーボンとしては、平均粒子径1μm〜10μmのものを用いることができる。抵抗体用の材料では、通常、骨材の平均粒子径が最も大きい。これにより、骨材の粒界に平均粒径の小さな導電材が配置され易くなり、導電材による導電パスが形成され易くなる。なお、骨材、カーボン、金属硼化物、金属硅化物の平均粒子径は、焼成後に得られる抵抗体6中においても実質的に同じであると考えられる。
焼成前の各材料の平均粒子径は、例えばレーザ回折・散乱法によって求められた粒度分布における体積積算値50%での粒径である。抵抗体6中の、金属硼化物及び金属硅化物の少なくとも一方からなる第1導電材631、カーボンからなる第2導電材632、骨材61の平均粒子径は、例えば抵抗体6の断面の顕微鏡観察によって測定される。顕微鏡観察には、例えば走査型電子顕微鏡を用いることができる。測定対象となる各粒子の粒径を合計100個測定し、その相加平均を平均粒子径とする。
また、ガラス粉末としては、上述の平均粒子径20μm以下の小径ガラス粉末と、例えば平均粒子径100μm以上の大径ガラス粉末とを併用することもできる。この場合には、骨材61の粒界に形成されるガラス相62にカーボン等の導電材63が偏在し易くなり、導電パスが形成されやすくなる。
第1導電材631として用いられる金属硼化物、金属硅化物の粉末の平均粒子径は、第2導電材632として用いられるカーボンの平均粒子径に対する比(つまり、第1導電材の平均粒子径/第2導電材の平均粒子径)は1未満であることが好ましい。この場合には、抵抗体6において第2導電材632の周囲に第1導電材631が配置されやすくなる。そのため、第1導電材631による第2導電材632の酸化消失抑制効果がより向上する。この効果をさらに高める観点から、第1導電材631の平均粒子径/第2導電材632の平均粒子径は、0.9以下であることがより好ましく、0.5以下であることがさらに好ましい。
図1〜図3に例示されるように、本形態の点火プラグ1においては、抵抗体6が、導電材63として第1導電材631と第2導電材632とを含有する。第1導電材631が金属硼化物及び金属硅化物の少なくとも一方からなり、第2導電材632がカーボンからなる。第1導電材631は、それ自体が導電性を示し、第2導電材632の導電性を補う機能を果たすことができる。
また、図3、図5(a)、図5(b)に例示されるように、第1導電材631は、さらに抵抗体6の製造時及び点火プラグの使用時の熱等により酸化されて部分的にガラス化しうる。例えば第1導電材631の表面に、酸化硼素、酸化珪素、ホウ酸塩、ケイ酸塩等からなるガラス領域631gが形成されうる。
このように少なくとも部分的にガラス化した第1導電材631は、カーボンからなる第2導電材632の酸化による消失を抑制する効果がある。つまり、点火プラグ1の使用中に、抵抗体6内の例えば特定部位に電流集中が生じて温度上昇が起こったとしても、第1導電材631により第2導電材632の酸化による消失の抑制が可能になる。
導電材63が例えば第1導電材631を含有するが、第2導電材632を含有しない場合には、導電材63の接触抵抗が大きくなる。導電材63として、第1導電材631及び第2導電材の両方を含有することにより、比較的軟らかいカーボンからなる第2導電材632と第1導電材631とにより導電パスを三次元的に多岐にわたって形成させることができる。
また、第1導電材631のガラス化とは、例えば1個の粒子について、表面が部分的にガラス化していてもよいし、表面全体がガラス化していてもよいし、表面から内部までガラス化していてもよい。また、多数の第1導電材631について、一部の粒子がガラス化しており、残りはガラス化していなくてもよい。全ての粒子がガラス化していてもよい。
このような構成の抵抗体6を有するため、点火プラグ1は、たとえ250℃、35kVという高温、高電圧条件で使用しても、抵抗体6の内部まで酸化が進行することを防止できる。したがって、抵抗体6中の第2導電材632の消失を抑制できる。その結果、高温、高電圧条件下においても、初期の抵抗値を長期に亘って維持できる。その結果、高温高圧条件下の使用でも、点火プラグ1が例えば12万キロ走行相当の信頼性を発揮できる。
以上のごとく、上記形態によれば、高温・高電圧の条件下においても、抵抗体の抵抗値上昇による劣化が抑制されて、長期に亘って安定した点火を維持できる、信頼性の高い点火プラグ1を提供することができる。
なお、本形態以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
(実験例)
本例においては、第1導電材631の種類を変えて複数の抵抗体6を作製し、この抵抗体6を備えた点火プラグ1の信頼性を評価する。具体的には、後述の表1〜表3に示すように、実施例1〜51及び比較例1〜3の54種類の抵抗体6を作製し、点火プラグ1の信頼性の評価を行った。
各実施例、比較例の抵抗体6の製造は、表1〜3に示す第1導電材631をそれぞれ用い、実施形態1と同様にして行った。そして、実施形態1と同様にして点火プラグ1を構築した。第1導電材631及び第2導電材632の添加量は表1〜表3に示す通りである。骨材61の添加量は、20質量%であり、残量がガラス相62を形成するガラス粉末の添加量である。
実施例、比較例の各抵抗体について、以下の通り信頼性試験を行った。具体的には、各抵抗体6を備えた点火プラグ1を250℃の加熱炉内に入れ、周波数60Hzにて、中心電極2と接地電極4との間に放電電圧35±2kVを印加し、放電を繰り返す信頼性試験を行った。そして、信頼性試験前後における、中心電極2と端子金具5との間のプラグ抵抗値Rを測定した。プラグ抵抗値Rの上昇率(つまり、抵抗上昇率)が25%超過時点で、抵抗上昇による劣化と判断して、その総点火回数を以て信頼性を評価した。総点火回数が、2億回(例えば、12万キロ走行相当)超で、抵抗上昇率が25%以下の場合には、十分な信頼性を有すると判断した。その結果を表1〜3に示す。また、信頼性試験の前のプラグ抵抗値Rを表1〜3に示す。
Figure 2018181596
Figure 2018181596
Figure 2018181596
表1及び表2に示すように、実施例の点火プラグは、初期のプラグ抵抗値Rが、1kΩ〜3kΩの範囲にあり、信頼性試験において、2億回超の連続点火を繰り返しても、プラグ抵抗値Rの抵抗上昇率が25%以下であった。つまり、実施例の点火プラグは、長期に亘って安定した点火を維持でき、耐久性に優れ、信頼性が高い。これは、実施例の点火プラグ1は、抵抗体6が導電材63として、金属硼化物及び金属硅化物の少なくとも一方からなる第1導電材631と第2導電材632とを含有しているからであると考えられる。
これに対し、金属硼化物、金属窒化物ではなく、金属窒化物、金属炭化物をそれぞれ含有する比較例1、比較例2、並びに導電材としてカーボンのみを含有する比較例3は、表3に示すように信頼性試験における耐久性が不十分であった。
したがって、実施例のように抵抗体6を構成することにより、高温・高電圧の条件下においても、抵抗体6の抵抗値上昇による劣化が抑制されて、長期に亘って安定した点火を維持できる、信頼性の高い点火プラグ1を提供することができる。
本発明は上記実施形態等に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。例えば、点火プラグ1を構成する絶縁碍子3やハウジング7等の各部材形状、中心電極2と対向する接地電極4の配置等は、任意に変更することができる。また、抵抗体6の軸方向Zにおける位置は適宜変更可能であり、図1に例示される位置から、例えばより先端側F又はより基端側Rに配置することも可能である。点火プラグPは、自動車等の車両用のエンジンに適用する例として説明したが、それ以外の各種内燃機関へ適用することも、もちろん可能である。
1 点火プラグ
2 中心電極
3 絶縁碍子
4 接地電極
5 端子金具
6 抵抗体
61 骨材
62 ガラス相
63 導電材
631 第1導電材
632 第2導電材

Claims (8)

  1. 長軸状の中心電極(2)と、
    該中心電極を軸孔(31)内の先端側に保持する絶縁碍子(3)と、
    該軸孔の先端側において上記中心電極と対向する接地電極(4)と、
    上記軸孔内の基端側に保持され、上記中心電極と外部電源(12)とを接続する端子金具(5)と、
    上記軸孔内において上記中心電極と上記端子金具との間に配置される抵抗体(6)と、を具備し、
    上記抵抗体が、骨材(61)と、ガラス相(62)と、該ガラス相に分散された導電材(63)とからなり、
    上記導電材が、金属硼化物及び金属硅化物の少なくとも一方からなる第1導電材(631)と、カーボンからなる第2導電材(632)とを含有する、点火プラグ(1)。
  2. 上記第2導電材に対する上記第1導電材の質量比が0.1〜2である、請求項1に記載の点火プラグ。
  3. 上記第1導電材の一部がガラス化された、請求項1又は2に記載の点火プラグ。
  4. 上記点火プラグのプラグ抵抗値Rが3kΩ以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の点火プラグ。
  5. 上記抵抗体においては、上記骨材の粒界に形成された上記ガラス相に上記導電材が分散されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の点火プラグ。
  6. 上記導電材が三次元的に連なっている、請求項5に記載の点火プラグ。
  7. 上記ガラス相は、B23−SiO2系ガラス、BaO−SiO2−B23系ガラス、ZnO−B23−SiO2系ガラス、BaO−CaO−B23−SiO2系ガラス、Na2O−SiO2−B23系ガラス、K2O−SiO2−B23系ガラス、Al23−B23−SiO2系ガラス、BaO−B23系ガラス、Bi2O−B23系ガラス、及びSiO2−MgO−Al23系ガラスから群より選択される少なくとも1種を含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の点火プラグ。
  8. 上記点火プラグは、電圧35kV以上、温度250℃以上の条件下で使用される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の点火プラグ。
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