JP6785115B2 - 点火プラグ - Google Patents

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Description

本発明は、電磁波ノイズを吸収する抵抗体を内蔵する点火プラグに関する。
点火プラグは、軸孔を有する絶縁体と、軸孔内に同軸的に設けられた中心電極及び端子金具とを備え、軸孔内において中心電極と端子金具とを電気的に接続している。中心電極と端子金具との間には、電磁波ノイズを吸収する抵抗体が配設される。抵抗体は、例えば、カーボン等の導電性材料を含んで構成され、カーボン添加量に応じた抵抗値を有する。
また、特許文献1には、点火プラグの接続部に抵抗体を含み、軸線方向における抵抗体の中央より中心電極側の抵抗値を、端子金具側の抵抗値よりも大きくすることが開示されている。抵抗体の抵抗値は、例えば、カーボンの添加量を変更した導電性材料の粉末を、軸線方向に段階的に充填することで調整され、中心電極側の抵抗値(例えば、3kΩ)を、端子金具側の抵抗値(例えば、2kΩ)よりも大きくして、電波雑音のレベルを低減している。
特許第4901990号
ところが、従来の点火プラグを、高温・高電圧の条件下(例えば、250℃、35kV)で作動させた場合に、安定した点火が維持できなくなることが判明した。これは、抵抗体中の特定部位に電流集中が生じて温度上昇が起こり、導電性材料が酸化して消失し高抵抗化することで、早期に劣化したと推察される。このため、製品寿命が短くなって(例えば、1〜2万キロ走行相当)、要求される耐久性(例えば、12万キロ走行相当)を満足することができず、信頼性が低下するおそれがあった。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、高温・高電圧の条件下においても、抵抗体の抵抗値上昇による劣化が抑制されて、長期に亘って安定した点火を維持できる、信頼性の高い点火プラグを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、長軸状の中心電極(2)と、
該中心電極を軸孔(11)内の先端側に保持する絶縁碍子(1)と、
該軸孔の先端側において上記中心電極と対向する接地電極(3)と、
上記軸孔内の基端側に保持され、上記中心電極と外部電源(12)とを接続する端子金具(5)と、
上記軸孔内において上記中心電極と上記端子金具との間に配置される抵抗体(4)と、を具備する点火プラグにおいて、
上記抵抗体は、
上記中心電極側の端面である第1界面(4A)を含む第1レジスタ層(41)と、上記端子金具側の端面である第2界面(4B)を含む第2レジスタ層(42)とからなり、上記第1レジスタ層に含まれる導電性材料の質量割合は、上記第2レジスタ層に含まれる導電性材料の質量割合よりも高く、
上記中心電極側から上記端子金具側へ、軸方向(x)に1mmピッチで設定された複数区間の各区間抵抗値をr1〜rnとし、
r1〜rnのうちの最大値Rmaxと最小値Rminとを用いて、下記式1で表される最大最小倍率Tが、1<T≦4であり、
式1:T=Rmax/Rmin、但しRmin<1000Ω
下記式2で表されるr1〜rnの平均値Xと、上記最大値Rmaxと上記最小値Rminとを用いて、下記式3又は式4で表されるS+とS-のうち、より大きい値である最大抵抗バラツキSmaxが、Smax≦100%であり、
式2:X=(r1+r2〜+rn)/n、但しn≧2
式3:S+=(Rmax/X−1)×100(単位:%)
式4:S-=(X/Rmin−1)×100(単位:%)
かつ、少なくとも上記第1レジスタ層の上記第1界面を含む端部に、上記最小値Rminとなる区間を有する、点火プラグにある。
なお、括弧内の符号は、参考のために付したものであり、本発明はこれら符号により限定されるものではない。
上記態様の点火プラグにおいて、抵抗体は、軸方向の複数区間における区間抵抗値の最大最小倍率Tが1よりも大きく4以下の範囲にあり、最小値Rminが1000Ω以下と小さいので、抵抗体の特定部位に電流集中が生じにくい。特に、最小値Rminとなる区間が中心電極側の端部に含まれ、中心電極側の界面近傍の電界集中が緩和されることで、導電性材料の酸化による消失が抑制され、高抵抗化を防止する効果が得られる。これにより、外部電源側の端子電極から中心電極へ至る導電パスが切断されることなく、安定した電源供給が継続できる。
したがって高温・高電圧の条件下においても、抵抗体の抵抗値上昇による劣化が抑制されて、長期に亘って安定した点火を維持できる、信頼性の高い点火プラグを実現できる。
実施形態1における、点火プラグの構造を示す全体断面図。 実施形態1における、点火プラグに内蔵される抵抗体の概略構造を示す要部拡大断面図。 実施形態1における、抵抗体に設定した複数の区間における抵抗値分布の例を示す図。 実施形態1における、抵抗体に設定した複数の区間における抵抗バラツキの例を示す図。 実施形態2における、抵抗体の抵抗値分布の他の例を示す図。 実施形態2における、抵抗体の抵抗値分布の他の例を示す図。 実施形態2における、抵抗体の抵抗値分布の他の例を示す図。 実施形態2における、抵抗体の抵抗値分布の他の例を示す図。 実施形態2における、抵抗体の抵抗値分布の他の例を示す図。 実施形態2における、抵抗体の抵抗バラツキの他の例を示す図。 実施形態2における、抵抗体の抵抗分布の他の例を示す図。 実施形態2における、抵抗体の抵抗バラツキの他の例を示す図。 実施形態2における、抵抗体の抵抗分布の他の例を示す図。 実施形態2における、抵抗体の抵抗バラツキの他の例を示す図。 実施例における、抵抗体に設定した複数の区間における抵抗値の測定方法を説明するための図。 実施例における、抵抗体の切断面の構造形態を示す模式図。 実施例における、抵抗体の切断面の走査型電子顕微鏡写真。 実施例における、カーボン添加量と抵抗体の抵抗値の関係を示す図。
(実施形態1)
内燃機関に適用される点火プラグPの実施形態1につき、図1、図2を用いて説明する。図1に示すように、点火プラグPは、筒状のハウジングH内に、軸孔11を有する筒状の絶縁碍子1と、軸孔11内に同軸的に配置された中心電極2及び端子金具5と、接地電極3と、抵抗体4とを具備する。接地電極3は、軸孔11の先端側(すなわち、図1の下端側)において中心電極2と対向する。また、抵抗体4は、軸孔11内において中心電極2と端子金具と5の間に配置される。内燃機関は、例えば自動車用エンジンであり、点火プラグPは、ハウジングHの先端側に設けた取付ネジ部H1によって、図示しないエンジン燃焼室に臨むシリンダヘッドの取付穴に螺結される。
ハウジングHは、例えば、鉄系合金等の金属材料からなる。ハウジングHの内側には、アルミナ等の絶縁材料からなる絶縁碍子1が保持される。中心電極2は長軸状であり、放電チップ21を有する先端部(すなわち、図1の下端部)が突出するように、絶縁碍子1の内側に保持されている。端子金具5は、長軸状の本体部に続く大径の基端部(すなわち、図1の上端部)が突出するように、絶縁碍子1の内側に保持されている。ターミナルとなる端子金具5の基端部は、中心電極2へ高電圧を供給するための外部電源12に接続される。
中心電極2は、例えば、ニッケル系合金等の金属材料からなり、内部に銅系合金等の熱伝導性に優れた金属材料が芯材を構成している。絶縁碍子1の軸孔11は、軸方向xにおいて内径が異なる複数の領域を有し、例えば、中央部より先端側の内径が、段付きに縮径している。また、中心電極2は、軸方向xにおいて外径が異なる複数の領域を有し、例えば、基端部より先端側の外径が、軸孔11の内径に沿って段付きに縮径している。これにより、中心電極2の基端部が、軸孔11の段付き部に当接して支持される。
接地電極3は、ハウジングHの先端側に一体的に設けられ、L字形に屈曲する先端が、軸方向xにおいて中心電極2の先端と対向している。これにより、中心電極2と接地電極3との間に、火花放電ギャップGを形成している。抵抗体4は、中心電極2と端子金具5との間において絶縁碍子1の内側に配置される円柱状の部材であり、導電性材料を含有して、所望の抵抗値に調整されている。抵抗体4は、中心電極2と端子金具5とを電気的に接続すると共に、電磁波ノイズを吸収する機能を有する。
抵抗体4は、ガラス材料と骨材とを含む基材に、カーボン材料等の導電性材料が分散した集合体からなる。抵抗体4は、導電性材料の粉末とガラス粉末と骨材粉末とを含む粉末材料を熱処理して得られ、例えば、骨材粉末としてジルコニア粉末等のセラミック粉末が用いられる。導電性材料の粉末は、例えば、カーボン粉末が混合したガラスを主成分とするカーボン−ガラス混合粉末として添加することができる。
抵抗体4と中心電極2、端子金具5との間には、それぞれ第1ガラスシール層51、第2ガラスシール層52が充填される。第1、第2ガラスシール層51、52は、導電性の接合ガラスからなり、接合ガラスは、例えば、ガラスに銅粉末を混入させてなる銅ガラスからなる。これにより、外部電源12から、端子金具5、第2ガラスシール層52、抵抗体4、第1ガラスシール層51を経て、中心電極2に至る導電パスが形成される。
図2に模式的に示すように、抵抗体4は、軸方向xの先端側、すなわち中心電極2側の第1ガラスシール層51との界面を、第1界面4Aとし、軸方向xの基端側、すなわち端子金具5側の第2ガラスシール層52との界面を、第2界面4Bとしている。具体的には、本形態において、抵抗体4は2層構造としており、第1界面4Aを含む第1レジスタ層41と、第2界面4Bを含む第2レジスタ層42とからなる。
第1レジスタ層41は、例えば、軸方向xにおいて1mmピッチで設定した複数区間についてその抵抗値が略同等となるように、カーボン材料等の導電性材料の添加量が調整されている。同様に、第2レジスタ層42についても、軸方向xに1mmピッチで設定した各区間抵抗値が略同等となるように、カーボン材料等の導電性材料の添加量が調整されている。このとき、第1レジスタ層41における、ガラス材料と骨材とを含む基材の質量とカーボン材料の質量の合計質量に占めるカーボン材料の質量割合(単位:質量%、以下、適宜カーボン添加量と称する)は、第2レジスタ層42における、ガラス材料と骨材とを含む基材の質量とカーボン材料の質量の合計質量に占めるカーボン材料の質量割合(単位:質量%、以下、適宜カーボン添加量と称する)と同等以上とし、又は、第2レジスタ層42よりもカーボン添加量を多くすることができる。
このように、抵抗体4を2層以上として、各層を構成する粉末材料へのカーボン添加量を調整することにより、抵抗値の調整が容易にできる。抵抗体4の全体の抵抗値(以下、適宜、プラグ抵抗値と称する)Rは、例えば、2kΩ〜数kΩ程度、好ましくは、3kΩ以下となるように調整される。
ここで、抵抗体4は、第1界面4Aから第2界面4Bに至る領域において、複数の区間抵抗値が、以下の条件を満足するように設定される。すなわち、中心電極2側から端子金具5側へ向けて、軸方向xに1mmピッチで設定した複数区間(例えば、区間1〜区間n)の各区間抵抗値をr1〜rnとし、
r1〜rnのうちの最大値Rmaxと最小値Rminとを用いて、下記式1で表される最大最小倍率Tが、1<T≦4であり、
式1:T=Rmax/Rmin、但しRmin<1000Ω
かつ、少なくとも抵抗体4の中心電極4側の端部に、最小値Rminとなる区間を有する。ここで、nは、2以上の自然数であり、抵抗体4の要求特性や大きさに応じて任意に設定することができる。
図3に示すように、抵抗体4が、カーボン添加量が異なる第1、第2レジスタ層41、42からなるとき、中心電極2側の第1レジスタ層41と、端子金具5側の第2レジスタ層42の境界領域において、各区間の区間抵抗値は、段階的に変化する。例えば、図示する例では、抵抗体4を、軸方向xに1mmピッチで区画し(例えば、区間1〜区間11)、それぞれの区間抵抗値を、r1〜r11としている。第1レジスタ層41に相当するr1〜r4は、第2レジスタ層42に相当するr6〜r11よりも、区間抵抗値が小さく、最小値Rminであるr1〜r4を、最小値Rminに対する抵抗倍率=1としたとき、最大値Rmaxとなるr6〜r11の抵抗倍率=4である。
このとき、最大値Rmaxと最小値Rminの比率である、最大最小倍率T=4であり、境界領域に相当するr5は、これらの中間の抵抗倍率となっている。
このように、抵抗体4の最大最小倍率Tが4以下であり、また、中心電極2側の第1界面4Aを含む区間1と、区間1に続く領域において、区間抵抗値が最小かつ1000Ω以下となることで、高電界となりやすい第1界面4Aの近傍における電流集中が緩和される。最小値Rminは、好適には、500Ω以下である。これにより、特定部位への電流集中を防止し、導電性材料の消失による劣化を抑制する効果が高くなる。
また、抵抗体4は、複数区間の区間抵抗値であるr1〜rnについて、以下の式から算出される最大抵抗バラツキSmaxが、所望の範囲となるようにするとよい。すなわち、最大抵抗バラツキSmaxは、下記式2で表されるr1〜rnの平均値Xと、最大値Rmax又は最小値Rminを用いて、下記式3で表されるS+と下記式4で表されるS-のうちの大きい値である。
式2:X=(r1+r2〜+rn)/n、但しn≧2
式3:S+=(Rmax/X−1)×100(単位:%)
式4:S-=(X/Rmin−1)×100(単位:%)
ここで、最大抵抗バラツキSmaxは、例えば、400%以下となるようにすることが望ましい。好ましくは、Smax≦100%とし、より好ましくは、Smax≦40%の条件を満足することで、上述の最大最小倍率Tの範囲との組み合わせにより、導電性材料の消失による劣化を抑制する効果がさらに高くなる。
図4に示すように、抵抗体4が、カーボン添加量が異なる第1、第2レジスタ層41、42からなるとき、複数の区間抵抗値(例えば、r1〜r11)の平均値Xに対して、各区間の抵抗バラツキS(例えば、S1〜S11)は、式5で表され、第1、第2レジスタ層41、42の境界領域において、段階的に変化する。
式5:S1〜S11=(r1〜r11/X−1)×100(単位:%)
図示する例において、第1レジスタ層41に相当するr1〜r4(すなわち、Rmin)は、平均値Xよりも小さく、抵抗バラツキS1〜S4は、負の値となる。第2レジスタ層42に相当するr6〜r11(すなわち、Rmax)は、平均値Xよりも大きく、抵抗バラツキS6〜S11は、正の値となる。境界領域に相当する抵抗バラツキS5は、これらの中間の値となっている。
このとき、平均値Xよりも大きい領域の抵抗バラツキS5〜S11のうちの最大の大きさを、式3によりS+で表し、平均値Xよりも小さい領域の抵抗バラツキS1〜S4の絶対値について、最大の大きさを、式4によりS‐で表したとき、これらのうちより大きな値が、最大抵抗バラツキSmaxとなる。このSmaxが100%以下であるとき、抵抗体4の軸方向xの抵抗値のバラツキが緩和されて、特定部位への電流集中が抑制され、信頼性がより向上する。
第1レジスタ層41と第2レジスタ層42におけるカーボン添加量は、抵抗体4の区間抵抗値に基づいて算出される最大最小倍率Tや、最大抵抗バラツキSmaxが、上記条件を満足するように、適宜調整される。具体的には、第1レジスタ層41におけるカーボン添加量は、第2レジスタ層42におけるカーボン添加量と同じか、より多くすることができる。好適には、少なくとも第1界面4Aを含む中心電極2側の端部で、抵抗値が最小となるように、他の領域よりもカーボン添加量を増量することができる。これにより、第1界面4Aの近傍への電流集中が抑制されて、カーボン材料の酸化を抑制する効果が高まる。
第2レジスタ層42におけるカーボン添加量は、上記条件を満足する範囲で、また、抵抗体4の全体の抵抗値Rが、所望の抵抗値となるように、適宜調整することができる。例えば、第2レジスタ層42のカーボン添加量を、第1レジスタ層41より少なくすることにより、全体の抵抗値Rを比較的大きくし、電波雑音の抑制に適切な値とすることができる。
好ましくは、第1レジスタ層41において、ガラス材料と骨材を含む基材とカーボン材料の合計質量に占めるカーボン材料の質量割合を、例えば、2.0質量%〜2.7質量%とし、第2レジスタ層42におけるカーボン材料の質量割合を、例えば、1.3質量%〜2.7質量%の範囲とすることができる。第2レジスタ層42のカーボン材料の質量割合は、第1レジスタ層のカーボン材料の質量割合と同じか、より少なくなるように設定される。また、抵抗体4の全体としてのカーボン材料の質量割合の平均値(以下、適宜、平均カーボン添加量と称する)は、例えば、2.0質量%〜2.7質量%の範囲とすることができる。
なお、第1レジスタ層41と第2レジスタ層42とは、図2で示す軸方向xの中央線Lで二分割される必要はない。つまり、軸方向xにおける長さが、同じである必要はなく、例えば、第2レジスタ層42をより長くし、第1レジスタ層41をより短くして、低抵抗となる領域をより狭くし、第1界面4Aを含む端部に限ってもよい。このとき、好適には、軸方向xの中央線Lを境として先端側の半部と、基端側の半部とで、同じ抵抗値になるように構成することもできる。例えば、プラグ抵抗値Rが3kΩである場合、抵抗体4は、中心電極2側の半部が1.5kΩとなり、端子金具5側の半部も1.5kΩとなるように、第1レジスタ層41と第2レジスタ層42のカーボン添加量と長さとを制御する。これにより、抵抗体4の軸方向xにおいて、特定部位に電流集中するのを抑制する効果が高まる。
次に、図1に示した本形態の点火プラグPの製造方法について、その一例を説明する。
まず、筒状の絶縁碍子1の軸孔11内に、中心電極2を挿入し、その先端の放電チップ21を絶縁碍子1の先端開口から突出させた状態にて位置保持する。そして、絶縁碍子1の内側に、その基端側から、第1ガラスシール層51となる接合ガラスの材料粉末、例えば銅ガラス粉末を充填し、これを軸方向xに加圧する。次いで、第1ガラスシール層51となる材料粉末の基端側に、抵抗体4の材料粉末を充填する。
絶縁碍子1に充填された抵抗体4の構成材料を、軸方向xに加圧する。さらに、抵抗体4の基端側に、第2ガラスシール層52の材料粉末となる銅ガラス粉末を充填する。次いで、絶縁碍子1内に、端子金具5を金具本体側から挿入しつつ、第2ガラスシール層52の材料粉末を軸方向xに加圧する。
抵抗体4の構成材料としては、導電性材料であるカーボン粉末、ガラス粉末、骨材であるジルコニア粉末等が用いられる。例えば、カーボン粉末が混合したガラスを主成分とするカーボン−ガラス混合粉末と、ジルコニア粉末を用いて、カーボン添加量が互いに異なった2種類の材料粉末を用意する。このとき、まず、第1レジスタ層41の原料となる材料粉末を、絶縁碍子1の内側に充填する。この材料粉末のカーボン添加量は、例えば、2.0質量%〜2.7質量%とすることができる。次いで、その基端側から、第2レジスタ層42の原料となる材料粉末を、絶縁碍子1の内側に充填する。この材料粉末のカーボン添加量は、例えば、1.3質量%〜2.7質量%とすることができる。
抵抗体4を構成するガラス材料は、例えば、B23−SiO2系ガラス、BaO−SiO2−B23系ガラス、ZnO−B23−SiO2系ガラス、BaO−CaO−B23−SiO2系ガラス、Na2O−SiO2−B23系ガラス、K2O−SiO2−B23系ガラス、Al23−B23−SiO2系ガラス、BaO−B23系ガラス、Bi2O−B23系ガラス、及びSiO2−MgO−Al23系ガラスから選ばれるいずれか1種以上を含む。
抵抗体4の構成材料となるカーボン−ガラス混合粉末は、例えば、平均粒径が20μm以下の大きさのガラス粉末を用いて調整される。このようなカーボン−ガラス混合粉末は、より大きい粒子からなる骨材粒子間において、ガラス相にカーボンが分散してなる粒界ガラス相を形成する。このとき、抵抗体4の構成材料に、例えば、大径ガラス粒子(例えば、平均粒径100μm以上)を添加することもできる。これにより、粒界ガラス相にカーボンが偏在して、導電パスが形成されやすくなる。
なお、導電性材料は、カーボン材料に加えて、Al、Mg、Ti、Zr及びZn等の金属材料を含む粉末を用いることもできる。また、骨材粉末は、例えば、ジルコニア粉末以外のセラミック粉末を含むこともできる。
その後、中心電極2、抵抗体4の構成材料、第1、第2ガラスシール層51、52の材料粉末、端子金具5が挿入された絶縁碍子1を、焼成炉内で熱処理する。これにより、絶縁碍子1の軸孔11内において、中心電極2と端子金具5の間に、第1、第2ガラスシール層51、52を介して抵抗体4が配置される。このとき、中心電極2側に第1レジスタ層41が、端子金具5側に第2レジスタ層42が形成され、第1レジスタ層41と第2レジスタ層42が一体となった抵抗体4が得られる。
そして、中心電極2、抵抗体4、第1、第2ガラスシール層51、52、端子金具5が内側に挿入された絶縁碍子1を、接地電極3を備えるハウジングHの筒内に挿入して保持させることにより、本形態の点火プラグPが得られる。
(実施形態2)
上記実施形態1では、抵抗体4を、第1、第2レジスタ層41、42からなる2層構造とし、各層でそれぞれカーボン添加量が同じになるように調整したが、抵抗体4は、3層以上の多層構造としてもよい。また、カーボン添加量は段階的に変化させる必要もない。例えば、図5に示すように、中心電極2側の第1界面4Aを含む区間において、区間抵抗値が最小値Rmin(すなわち、抵抗倍率=1)とし、端子金具5側の第2界面4Bを含む区間において、区間抵抗値が最大値Rmax(すなわち、抵抗倍率=4)となるように、連続的に抵抗値が増加する構成としてもよい。
なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
また、抵抗体4の区間抵抗値は、一定の割合で連続的に増加する必要はなく、図6に示すように、段階的に変化する区間と、連続的に変化する区間を組み合わせた構造としてもよい。これらの例では、いずれも中心電極2側から端子金具5側へ、一方向に抵抗値が上昇している。この場合も、最大最小倍率Tが4以下となるように構成することで、同様の効果が得られる。
さらに、抵抗体4は、一方向に区間抵抗値が増加する必要はなく、図7に示すように、中心電極2側から端子金具5側へ、段階的に抵抗値が変化する構成において、一端上昇した区間抵抗値が、端子金具5側半部において、段階的に低下してもよい。あるいは、図8に示すように、軸方向xの中央部において区間抵抗値が最大となり、その両側の中心電極2側と端子金具5側の両端部へ向けて、区間抵抗値が低くなるように、連続的に変化する構造としてもよい。なお、図9には、全体で一定の低抵抗値(すなわち、抵抗倍率=1)とした場合を参考例として示す。これらの場合も、最大最小倍率Tが1よりも大きく4以下となる範囲にあり、かつ中心電極2側の第1界面4Aを含む区間が、区間抵抗値の最小値Rminとなることで、同様の効果が得られる。
(実施形態3)
上記実施形態2と同様に、抵抗バラツキSについても、上記図4のように第1レジスタ層41と、第2レジスタ層42の境界において段階的に変化している必要はなく、最大抵抗バラツキSmaxが、通常は400%以下、好ましくは、400%以下の範囲となっていれば、任意に設定できる。例えば、図10に示すように、中心電極2から端子金具5側へ向けて抵抗バラツキSが連続的に上昇して、中心電極2側の第1界面4Aを含む区間において、抵抗バラツキSが−100%となり(すなわち、式4におけるS-=100%)、第2界面4Bを含む区間において、抵抗バラツキSが+100%(すなわち、式3におけるS+=100%)となる構成としてもよい。
また、抵抗体4の抵抗バラツキSが、一定の割合で連続的に上昇する必要はなく、図11に示すように、段階的に変化する区間と、連続的に変化する区間を組み合わせた構造としてもよい。これらの例では、いずれも中心電極2側から端子金具5側へ、一方向に抵抗バラツキSが上昇しており、S-=S+=Smax=100%となっている。いずれの場合も、最大抵抗バラツキSmaxが100%以下となることで、同様の効果が得られる。
さらに、抵抗バラツキSが一方向に上昇する必要はなく、図12に示すように、中心電極2側から端子金具5側へ、段階的に変化する構成において、一端上昇した抵抗バラツキSが段階的に低下してもよい。あるいは、図13に示すように、軸方向xの中央部において抵抗バラツキSが最大となり、その両側の中心電極2側と端子金具5側の両端部へ向けて抵抗バラツキSが低くなるように、連続的に変化する構造としてもよい。なお、図14には、区間抵抗値が全体で略一定であり、平均値Xからの抵抗バラツキSがない(すなわち、抵抗バラツキS=0)場合を参考例として示す。これらの場合も、最大抵抗バラツキSmaxが100%以下となることで、同様の効果が得られる。
このように抵抗体4は、好ましくは、最大抵抗バラツキSmaxが100%以下となるように、中心電極2側と端子金具5側との間の抵抗バラツキSが設定されていればよく、耐久性がさらに向上する。より好ましくは、最大抵抗バラツキSmaxが40%以下となるように、設定するのがよい。
上記構造の点火プラグPについて、抵抗体4の軸方向xにおける抵抗値を変更した種々の実施例、比較例につき、高温・高電圧の条件下での信頼性を評価した。
参考例1、実施例2〜4)
上記した製造方法により、中心電極2と端子金具5の間に抵抗体4を備える点火プラグPを製作した。表1に示すように、抵抗体4は第1、第2レジスタ層41、42からなり、第1レジスタ層41の導電性材料の質量割合(すなわち、カーボン添加量)は、いずれも2.7質量%とした。第2レジスタ層42の導電性材料の質量割合(すなわち、カーボン添加量)は、1.6質量%〜2.7質量%とし、抵抗体4の全体の導電性材料の質量割合(すなわち、平均カーボン添加量)は、2.10質量%〜2.7質量%とした(すなわち、実施例1〜4)。
抵抗体4の構成材料は、カーボン−ガラス混合粉末と、ジルコニア粉末と、大径ガラス粒子との溶剤を添加して得た造粒粉を用いた。このとき、上述のカーボン添加量は、カーボン−ガラス混合粉末の質量と、ジルコニア粉末の質量と、大径ガラス粒子の質量の合計質量に占めるカーボン粉末の質量割合である。カーボン−ガラス混合粉末は、平均粒径が20μ以下のガラス粉末にカーボンを混合してなり、ガラス粉末は、例えば、BaO−CaO−B23−SiO2系ガラスを含む。また、抵抗体4は、軸方向xの中央線Lを境として先端側の半部と、基端側の半部とで、同じ抵抗値になるように構成した。
参考例1、実施例2〜4の点火プラグPについて、以下のようにして抵抗体4の信頼性試験を行って、試験前後の抵抗値変化を調べた。点火プラグPを250℃の加熱炉内に入れ、周波数60Hzにて、中心電極2と接地電極3との間に放電電圧35±2kVを印加し、放電を繰り返す信頼性試験を行った。そして、信頼性試験前後における、中心電極2と端子金具5との間のプラグ抵抗値Rを測定し、プラグ抵抗値Rの抵抗率上昇率が25%超過時点で、抵抗上昇による劣化と判断して、その総点火回数を以て信頼性を評価した。総点火回数が、2億回(例えば、12万キロ走行相当)超で、プラグ抵抗値Rの抵抗率上昇率が25%以下の場合には、十分な信頼性を有すると判断した。
なお、抵抗体4の軸方向xにおける区間抵抗値は、以下のようにして測定した。
図15に示すように、抵抗体4を軸方向xに2分割した軸芯を通る平面に、1mmピッチで金電極6を配置し、4端子法で各金電極6間の区間抵抗値を計測した。金電極6は、第1界面4Aより中心電極2側の第1ガラスシール層51に位置する金電極6(1)から、第2界面4Bより端子金具5側の第2ガラスシール層52に位置する金電極6(10)まで、1mmピッチで配置される。そして、隣り合う2つの金電極6の間、すなわち、電極6(1)−電極6(2)から電極6(9)−電極6(10)までの各区間(例えば、区間1〜区間9)について、区間抵抗値(例えば、r1〜r9)を測定した。
表1に示すように、参考例1、実施例2〜4の点火プラグPは、第1界面4A側の第1レジスタ層41において、区間抵抗値が最小値Rmin(すなわち、250Ω)となり、最大値Rmaxと最小値Rminの比率である最大最小倍率Tが1〜4の範囲にある。また、初期のプラグ抵抗値Rは、2kΩ〜3kΩの範囲にあり、信頼性試験において、2億回超の連続点火を繰り返しても、プラグ抵抗値Rの抵抗率上昇率が25%以下で信頼性を満足した。
ここで、実施例4の点火プラグPについて、試験前後の区間抵抗値の変化を調べたところ、第1界面4A近傍で、試験前に対して抵抗値のわずかな増加が見られたものの、全体のプラグ抵抗値Rへの影響はほとんど見られなかった。また、第1界面4A側の抵抗体4の切断面を、走査型顕微鏡を用いて観察したところ、図16、図17に示すように、大径ガラス粒子71とジルコニア粒子72の粒界に形成されるガラス相73に、カーボン粒子7が分散する構造が確認された。
(比較例1)
比較のため、抵抗体4を第1、第2レジスタ層41、42に設けず、一層構造とした従来品について、全体のカーボン添加量を1.45質量%とし(例えば、初期のプラグ抵抗値R5.6kΩ;区間抵抗値1500Ω程度)、それ以外は、実施例1と同様の方法で点火プラグPを製造した。この比較例1の点火プラグPについて、同様の信頼性試験を行ったところ、総点火回数0.02億回で、抵抗増加による劣化が見られた。また、抵抗体4の軸方向xにおける区間抵抗値の変化を同様に調べたところ、特に、中心電極2側の第1界面4A近傍で、抵抗値の増大が見られ、区間抵抗値が1MΩ超となっていることが確認された。軸方向xの中央部より第2界面4B側では、抵抗値の増大は見られなかった。
参考例5、実施例6〜8、比較例2〜5)
表1に示すように、抵抗体4の第1、第2レジスタ層41、42のカーボン添加量を変更した以外は、実施例1と同様の方法で点火プラグPを製造した。参考例5、実施例6〜8の抵抗体4は、第1レジスタ層41のカーボン添加量を、いずれも2.0質量%とし、第2レジスタ層42のカーボン添加量を、1.3質量%〜2.0質量%とし、抵抗体4の全体の平均カーボン添加量を、2.10質量%〜2.15質量%とした。また、比較例1〜4の抵抗体4は、第1レジスタ層41のカーボン添加量を、2.0質量%〜2.7質量%とし、第2レジスタ層42のカーボン添加量を、1.0質量%〜1.4質量%とし、抵抗体4の全体の平均カーボン添加量を、1.65質量%〜1.98質量%とした。
参考例5、実施例6〜8、比較例2〜5の点火プラグPについて、同様の信頼性試験を行って、試験前後の抵抗値変化を調べた。また、同様にして、抵抗体4の軸方向xの区間抵抗値を測定し、最大最小倍率Tを算出した。表1に示されるように、実施例5〜8の点火プラグPは、いずれも第1界面4A近傍の第1レジスタ層41において、区間抵抗値が最小値Rmin(すなわち、500Ω)となり、最大最小倍率Tは1〜4の範囲にある。また、初期のプラグ抵抗値R=3kΩに対して、信頼性試験後も大きな抵抗上昇は見られず、2億回超の連続点火が可能で信頼性を満足した。
これに対して、比較例2〜5の点火プラグPは、区間抵抗値の最小値Rminが、250Ω〜500Ωと小さいものの、最大最小倍率Tが5〜10と大きく、初期のプラグ抵抗値R=3.2kΩ〜4.3kΩに対して、0.02億回〜0.5億回で抵抗値が1MΩを超過し劣化した。
(実施例9〜12)
表2に示すように、抵抗体4の第1、第2レジスタ層41、42のカーボン添加量を変更した以外は、参考例1と同様の方法で点火プラグPを製造した。実施例9〜12の抵抗体4は、第1レジスタ層41のカーボン添加量を、2.0質量%〜2.5質量%とし、第2レジスタ層42のカーボン添加量を、1.6質量%とし、抵抗体4の全体の平均カーボン添加量を、2.10質量%とした。また、プラグ抵抗値Rは、いずれも3kΩであり、抵抗体4の軸方向xの中央部を挟んで、中心電極2側の半部と端子金具5側の半部とが同じ抵抗値(例えば、1.5kΩ)となるように構成した。
表2に示されるように、実施例9〜12の点火プラグPは、第1界面4A近傍の第1レジスタ層41において、区間抵抗値が最小値Rmin(すなわち、375Ω〜500Ω)となり、最大最小倍率Tはいずれも4である。また、初期のプラグ抵抗値R=3kΩに対して、信頼性試験後もプラグ抵抗値Rの抵抗率上昇率が25%以下で、2億回超の連続点火が可能で信頼性を満足した。
参考例13、19、実施例14〜18、20、比較例6〜9)
表3に示すように、抵抗体4の第1、第2レジスタ層41、42のカーボン添加量を変更した以外は、参考例1と同様の方法で点火プラグPを製造した。参考例13、19、実施例14〜18、20の抵抗体4は、第1レジスタ層41のカーボン添加量を、2.0質量%〜2.7質量%とし、第2レジスタ層42のカーボン添加量を、1.6質量%〜2.7質量%とした。また、比較例5〜8の抵抗体4は、第1レジスタ層41のカーボン添加量を、2.0質量%〜2.7質量%とし、第2レジスタ層42のカーボン添加量を、1.0質量%〜1.4質量%とした。
参考例13、19、実施例14〜18、20、比較例6〜9の点火プラグPについて、同様の信頼性試験を行って、試験前後の抵抗値変化を調べた。また、同様にして、抵抗体4の軸方向xの区間抵抗値を測定し、最大最小倍率Tを算出した。表3に示されるように、実施例13〜20の点火プラグPは、いずれも第1界面4A近傍の第1レジスタ層41において、区間抵抗値が最小値Rmin(すなわち、250Ω〜500Ω)となり、最大最小倍率Tは1〜4の範囲にある。また、区間抵抗値の平均値Xを算出し、上記式3又は式4で表されるS+とS-のうちの大きい値である最大抵抗バラツキSmaxを算出した。
このとき、参考例13、19、実施例14〜18、20の点火プラグPは、最大抵抗バラツキSmaxが0〜100%であり、初期のプラグ抵抗値R=2kΩ〜3kΩに対して、プラグ抵抗値Rの抵抗率上昇率が25%以下で、2億回超の連続点火が可能で信頼性を満足した。
一方、比較例6〜9の点火プラグPは、区間抵抗値の最小値Rminは、250Ωと小さいものの、最大最小倍率Tが12〜60、最大抵抗バラツキSmaxが500%〜2400%と大きい。このとき、初期のプラグ抵抗値R=4.5kΩ〜12kΩに対して、0.02億回〜0.9億回でプラグ抵抗値Rの抵抗率上昇率が25%を超過し劣化した。
ここで、図18に示すように、抵抗体4のカーボン添加量と抵抗値とは相関があり、一般に、カーボン添加量が低い領域では、カーボン添加量の変化に伴う抵抗値の変化が大きくなりやすい。例えば、比較例1の初期のカーボン添加量に相当する1.45質量%から、耐久後に相当する0.72質量%に半減するとき、抵抗値は1桁上昇する。これに対し、カーボン添加量が高い領域では、カーボン添加量の変化に伴う抵抗値の変化が小さくなりやすい。例えば、実施例4の設定値に相当するカーボン添加量2.15質量%から、1.1質量%に減少したとしても、抵抗値の上昇は2倍程度であり、その増加率は従来品に比べて非常に小さい。
つまり、抵抗体4を2層構造としたとき、第1レジスタ層41のカーボン添加量をより高くすると、カーボン材料の酸化による抵抗値の上昇を小さくすることができる。その結果、総点火回数に伴う抵抗体4の抵抗上昇も抑制することができる。
また、第2レジスタ層42のカーボン添加量をより低くすることにより、第2レジスタ層42における抵抗値を大きくして、抵抗体4全体の抵抗値Rを適切な値に調整することができる。それゆえ、火花放電に伴って発生する電波雑音を充分に抑制することができる。
以上のごとく、本実施例のように構成することで、電波雑音の抑制性能を確保しつつ、抵抗体4の抵抗値の上昇を抑制して、耐久性を向上させた点火プラグPを提供することができる。
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を超えない範囲で、種々の変更が可能である。例えば、点火プラグPを構成する絶縁碍子1やハウジングH等の各部材形状、中心電極2と対向する接地電極3の配置等は、任意に変更することができる。また、点火プラグPは、自動車用のエンジンに適用する例として説明したが、それ以外の各種内燃機関へ適用することも、もちろんできる。
P 点火プラグ
1 絶縁碍子
11 軸孔
12 外部電源
2 中心電極
3 接地電極
4 抵抗体
5 端子金具
6 金電極
7 カーボン粒子(すなわち、導電性材料)
71 大径ガラス粒子(すなわち、ガラス材料)
72 ジルコニア粒子(すなわち、骨材)
73 ガラス相(すなわち、ガラス材料)

Claims (8)

  1. 長軸状の中心電極(2)と、
    該中心電極を軸孔(11)内の先端側に保持する絶縁碍子(1)と、
    該軸孔の先端側において上記中心電極と対向する接地電極(3)と、
    上記軸孔内の基端側に保持され、上記中心電極と外部電源(12)とを接続する端子金具(5)と、
    上記軸孔内において上記中心電極と上記端子金具との間に配置される抵抗体(4)と、を具備する点火プラグ(P)において、
    上記抵抗体は、
    上記中心電極側の端面である第1界面(4A)を含む第1レジスタ層(41)と、上記端子金具側の端面である第2界面(4B)を含む第2レジスタ層(42)とからなり、上記第1レジスタ層に含まれる導電性材料の質量割合は、上記第2レジスタ層に含まれる導電性材料の質量割合よりも高く、
    上記中心電極側から上記端子金具側へ、軸方向(x)に1mmピッチで設定された複数区間の各区間抵抗値をr1〜rnとし、
    r1〜rnのうちの最大値Rmaxと最小値Rminとを用いて、下記式1で表される最大最小倍率Tが、1<T≦4であり、
    式1:T=Rmax/Rmin、但しRmin<1000Ω
    下記式2で表されるr1〜rnの平均値Xと、上記最大値Rmaxと上記最小値Rminとを用いて、下記式3又は式4で表されるS+とS-のうち、より大きい値である最大抵抗バラツキSmaxが、Smax≦100%であり、
    式2:X=(r1+r2〜+rn)/n、但しn≧2
    式3:S+=(Rmax/X−1)×100(単位:%)
    式4:S-=(X/Rmin−1)×100(単位:%)
    かつ、少なくとも上記第1レジスタ層の上記第1界面を含む端部に、上記最小値Rminとなる区間を有する、点火プラグ。
  2. 上記抵抗体は、上記最大抵抗バラツキSmaxが、Smax≦40%である、請求項1に記載の点火プラグ。
  3. 上記抵抗体は、上記最小値Rminが、500Ω以下である、請求項1又は2に記載の点火プラグ。
  4. 上記抵抗体は、全体の抵抗値Rが、3kΩ以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の点火プラグ。
  5. 上記抵抗体の基材と上記抵抗体に含まれる導電性材料との合計質量に占める、上記抵抗体に含まれる導電性材料の質量割合が、2質量%以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の点火プラグ。
  6. 上記抵抗体の上記基材は、ガラス材料と骨材とを含む、請求項に記載の点火プラグ。
  7. 上記抵抗体は、上記骨材の粒界に形成されるガラス相に、上記導電性材料が分散してなる、請求項6に記載の点火プラグ。
  8. 上記ガラス材料は、B 2 3 −SiO 2 系ガラス、BaO−SiO 2 −B 2 3 系ガラス、ZnO−B 2 3 −SiO 2 系ガラス、BaO−CaO−B 2 3 −SiO 2 系ガラス、Na 2 O−SiO 2 −B 2 3 系ガラス、K 2 O−SiO 2 −B 2 3 系ガラス、Al 2 3 −B 2 3 −SiO 2 系ガラス、BaO−B 2 3 系ガラス、Bi 2 O−B 2 3 系ガラス、及びSiO 2 −MgO−Al 2 3 系ガラスから選択される1種以上を含有する、請求項6又は7に記載の点火プラグ。
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