JP6869201B2 - スパークプラグ - Google Patents

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Description

本発明はスパークプラグに関し、特に磁性体を内蔵したスパークプラグに関するものである。
放電時に発生する電波ノイズを抑えるために、主体金具が保持する絶縁体の軸孔に導電体を配置し、導電体の周囲であって軸孔の内部に磁性体を配置したスパークプラグが知られている(特許文献1)。特許文献2に開示された技術では、磁性体は種類が異なる複数の磁性材料を含有する。
特開昭62−150681号公報 特開2016−9567号公報
しかしながら上記従来の技術では、主体金具と導電体との間に磁性体を介在させた際の絶縁性について十分な工夫がなされていない。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、主体金具と導電体との間の絶縁性を確保できるスパークプラグを提供することを目的としている。
この目的を達成するために本発明のスパークプラグは、先端側から後端側へと軸線方向に延びる軸孔を有する絶縁体と、絶縁体を外周側から保持する筒状の主体金具と、軸孔に配置される導電体と、導電体の周囲であって軸孔の内部に配置される磁性体と、を備えている。磁性体は、透磁率の周波数特性が異なる磁性材料でそれぞれ形成される複数の磁性部材からなり、磁性体の一部は、主体金具の後端よりも先端側に配置され、複数の磁性部材のうち体積抵抗率が最も低い部材は、その部材の全体が、主体金具の後端よりも後端側に配置される。
請求項1記載のスパークプラグによれば、磁性体は透磁率の周波数特性が異なる磁性材料でそれぞれ形成される複数の磁性部材からなり、磁性体の一部は、主体金具の後端よりも先端側に配置される。これにより、磁性体が全て主体金具の後端よりも後端側に配置される場合に比べて、磁性部材の体積を増やすことができるので、磁性部材による電波ノイズの抑制効果をより高めることができる。また、複数の磁性部材のうち体積抵抗率が最も低い部材は、その部材の全体が、主体金具の後端よりも後端側に配置される。その結果、主体金具と導電体との間に体積抵抗率が最も低い部材が配置されないようにできるので、両者の間の絶縁性を確保できる。
請求項2記載のスパークプラグによれば、磁性体は、透磁率の周波数特性が異なる3種以上の磁性材料でそれぞれ形成される3つ以上の磁性部材を備えている。これにより、ノイズを抑制できる周波数帯域を拡大できる。また、磁性部材のうち主体金具の後端よりも先端側に少なくとも一部が配置される部材は、磁性部材のうち体積抵抗率が最も高い部材である。その結果、体積抵抗率が最も高い部材以外の部材が、主体金具と導電体との間に配置されないようにできるので、請求項1の効果に加え、両者の間の絶縁性をさらに高めつつノイズ抑制効果を向上できる。
請求項3記載のスパークプラグによれば、複数の磁性部材は、複数の磁性部材の全体の体積に対する、複数の磁性部材のうち磁性材料の透磁率の最大ピークを示す周波数が最も高い部材の体積の割合が最も大きい。ここで、透磁率の最大ピークを示す周波数が高い磁性材料ほど(つまり、ノイズの高周波成分に対して抑制機能を備える磁性材料ほど)、その最大ピークが低くなることが知られている。よって、ノイズの高周波成分の抑制効果が比較的低い部材の体積を最も大きくすることで、請求項1又は2の効果に加え、ノイズ抑制が低周波成分に偏らないように制御しながら、複数の磁性部材を用いることで広くなったノイズ抑制可能な周波数帯域の全域で、十分なノイズ抑制効果を得ることができる。
請求項4記載のスパークプラグによれば、複数の磁性部材は軸線方向に互いに接する接触面を有し、複数の磁性部材は、互いに合わさる凹凸が接触面に形成されているので、磁性部材をずれ難くできる。その結果、請求項1から3のいずれかの効果に加え、振動等による磁性部材の破損を抑制できる。
請求項5記載のスパークプラグによれば、複数の磁性部材は固定部材を介して互いに固定されているので、請求項1から4のいずれかの効果に加え、振動等による磁性部材の破損を抑制できる。
請求項6記載のスパークプラグによれば、磁性材料は、Mn−Znフェライト及びNi−Znフェライトを含有する。Mn−Znフェライトはノイズの低周波成分を抑制し易く、Ni−Znフェライトはノイズの高周波成分を抑制し易い。さらに、Ni−ZnフェライトはMn−Znフェライトよりも体積抵抗率が高い。従って、これらの組合せにより、請求項1から5のいずれかの効果に加え、絶縁性を確保しつつ、広い周波数帯域でノイズ抑制効果を得ることができる。
第1実施の形態におけるスパークプラグの片側断面図である。 磁性材料の周波数特性の模式図である。 第2実施の形態におけるスパークプラグの片側断面図である。 (a)は第3実施の形態におけるスパークプラグの片側断面図であり、(b)は第4実施の形態におけるスパークプラグの断面図であり、(c)は第5実施の形態におけるスパークプラグの断面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は第1実施の形態におけるスパークプラグ10の軸線Oを境にした片側断面図である。図1では、紙面下側をスパークプラグ10の先端側、紙面上側をスパークプラグ10の後端側という(図3及び図4においても同じ)。スパークプラグ10は、主体金具20と、主体金具20に絶縁保持された導電体30と、導電体30の周囲に配置された磁性体40と、を備えている。
絶縁体11は、主体金具20と導電体30とを電気的に絶縁するための部材であり、機械的特性や高温下の絶縁性に優れるアルミナ等により形成されている。絶縁体11は、軸線Oに沿って軸孔が貫通することにより、第1内周面12、第2内周面13及び第3内周面14が、後端側から先端側へ順に形成されている。第1内周面12、第2内周面13及び第3内周面14の順に内径が小さくなる。
絶縁体11は、軸線方向の中央に外径が最も大きい大径部15が形成されている。大径部15の内側に、第1内周面12と第2内周面13との境界が位置する。絶縁体11の外周面には、大径部15よりも先端側であって、第3内周面14の径方向の外側に全周に亘って先端向き面16が形成されている。絶縁体11に第1内周面12が形成されることにより、絶縁体11のうち大径部15よりも後端側の部分の肉厚(径方向の寸法)は、大径部15の部分の肉厚よりも薄い。
主体金具20は、絶縁体11の外周に配置される円筒状の部材である。主体金具20は、導電性を有する金属材料(例えば低炭素鋼等)によって形成されている。主体金具20は、絶縁体11の先端向き面16を取り囲む胴部21と、胴部21の後端側に連接される座部24と、座部24の後端側に連接される屈曲部25と、屈曲部25に先端側が連接される工具係合部26と、工具係合部26の後端側に連接される後端部27と、を備えている。胴部21は、エンジン(図示せず)のねじ穴に螺合するおねじ22が外周に形成されており、絶縁体11の先端向き面16を先端側から係止する棚部23が内周に形成されている。座部24は、エンジンのねじ穴とおねじ22との隙間を塞ぐための部位であり、胴部21の外径よりも外径が大きく形成されている。
屈曲部25は、主体金具20を絶縁体11に組み付けるときに、塑性変形(屈曲)させて加締め固定するための部位である。工具係合部26は、エンジンのねじ穴におねじ22を締め付けるときに、レンチ等の工具を係合させる部位である。工具係合部26及び屈曲部25は、絶縁体11の大径部15を取り囲む。後端部27は径方向の内側へ向けて屈曲し、大径部15よりも後端側に位置する。後端部27が屈曲した位置によって主体金具20の後端28の位置が決まる。主体金具20は、棚部23及び後端部27によって、絶縁体11の先端向き面16及び大径部15を保持する。接地電極29は主体金具20に接続される金属製(例えばニッケル基合金製)の部材である。
導電体30は複数の部材からなり、軸線Oに沿って先端側から後端側へと延び、絶縁体11を介して主体金具20の内側に絶縁保持されている。導電体30は、本実施形態では中心電極31、端子金具32及び抵抗体33を備えている。
中心電極31は棒状の部材であり、銅製または銅合金製の芯材がニッケル又はニッケル基合金で覆われている。中心電極31は、第2内周面13と第3内周面14との境界に係止され、絶縁体11の先端から先端が露出する。中心電極31は、接地電極29と火花ギャップを介して対向する。端子金具32は、高圧ケーブル(図示せず)が接続される棒状の部材であり、導電性を有する金属材料(例えば低炭素鋼等)によって形成されている。端子金具32は、先端側が絶縁体11の第2内周面13の内側に挿入され、外周面が第1内周面12から離間した状態で、絶縁体11の後端に固定されている。
抵抗体33は、スパーク時に発生する電波ノイズを抑えるための部材であり、第2内周面13の内側に配置されている。抵抗体33は、主成分であるガラス粒子、ガラス以外のセラミック粒子、及び、導電性材料を含む組成物で形成されている。第1接続部34は、中心電極31と抵抗体33とを接続する導電性を有する部材である。第2接続部35は、抵抗体33と端子金具32とを接続する導電性を有する部材である。第1接続部34及び第2接続部35によって中心電極31、端子金具32及び抵抗体33が接続され、導電体30が形成される。導電体30はスパーク時に電流が流れる。
磁性体40は、端子金具32の周囲の第1内周面12の内側に配置される部材である。磁性体40は、初透磁率(以下「透磁率」と称す)の周波数特性が異なる磁性材料でそれぞれ形成される複数の磁性部材からなる。磁性体40を構成する複数の磁性部材は、第1部材41、第2部材42及び第3部材43を含んでいる。第1部材41、第2部材42及び第3部材43は、外径および内径が同一で、軸線方向の長さが異なる円筒状の部材である。本実施形態では第1部材41の軸線方向の長さが最も長い。即ち第1部材41の体積が最も大きい。
第1部材41、第2部材42及び第3部材43は、先端側から後端側へ第2部材42、第1部材41、第3部材43の順に配置されている。第2部材42は、全体が、主体金具20の後端28よりも先端側に存在する。第1部材41は、先端側が、主体金具20の後端28よりも先端側に存在し、残りの部分が、主体金具20の後端28よりも後端側に存在する。第3部材43は、全体が、主体金具20の後端28よりも後端側に存在する。第3部材43は、主体金具20の後端28から最も離れた位置にある。
第1部材41及び第2部材42はNi−Znフェライトで形成され、第3部材43はMn−Znフェライトで形成されている。第1部材41と第2部材42との間、及び、第1部材41と第3部材43との間には固定部材44が介在する。固定部材44は、第1部材41、第2部材42及び第3部材43を互いに固定する。
固定部材44は、例えば、第1部材41、第2部材42及び第3部材43を互いに接着する接着剤、第1部材41、第2部材42及び第3部材43の隙間に充填される充填材が挙げられる。固定部材44は、各部材が対面する部位の全体に配置しても良いし、部分的に配置しても良い。固定部材44は有機物、無機物を問わない。無機物の固定部材44としては、ガラス、セメント等が挙げられる。固定部材44が第1部材41、第2部材42及び第3部材43を互いに固定すると、振動等による第1部材41、第2部材42及び第3部材43の破損を抑制できる。
スパークプラグ10は、例えば、以下のような方法によって製造される。まず、押出成形等によって第1部材41、第2部材42及び第3部材43の成形体を得た後、これらを焼成して第1部材41、第2部材42及び第3部材43を得る。
次に、絶縁体11の後端側から中心電極31を挿入し、中心電極31を第2内周面13と第3内周面14との境界で係止する。次いで、第1接続部34の原料粉末を中心電極31の周りに充填した後、圧縮用棒材(図示せず)を用いて、第2内周面13の内側に充填した第1接続部34の原料粉末を予備圧縮する。
次に、第2内周面13の内側に抵抗体33の原料粉末を供給して、第1接続部34の原料粉末の上に抵抗体33の原料粉末を充填する。圧縮用棒材(図示せず)を用いて、第2内周面13の内側に充填した抵抗体33の原料粉末を予備圧縮した後、第2内周面13の内側に第2接続部35の原料粉末を充填する。圧縮用棒材(図示せず)を用いて、第2内周面13に充填した第2接続部35の原料粉末を予備圧縮する。
次いで、絶縁体11の第1内周面12の内側に第2部材42、第1部材41及び第3部材43を順に挿入する。このときに各部材の間に固定部材44を介在させる。次に、絶縁体11を炉内に移送し、例えば抵抗体33、第1接続部34及び第2接続部35の各原料粉末に含まれるガラス成分の軟化点より高い温度まで加熱する。加熱後、第1部材41、第2部材42及び第3部材43の内側に端子金具32を挿入し、端子金具32によって第2接続部35の原料粉末を軸方向へ圧縮する。この結果、絶縁体11の内部に抵抗体33、第1接続部34及び第2接続部35が形成される。
次に絶縁体11を炉外へ移送し、予め接地電極29が接合された主体金具20を絶縁体11の外周に組み付ける。次いで、接地電極29の先端が中心電極31と対向するように接地電極29を屈曲して、スパークプラグ10を得る。
図2は第1部材41、第2部材42及び第3部材43を構成する磁性材料の周波数特性の模式図である。図2では横軸に周波数をとり、縦軸に透磁率をとる。μ′は複素透磁率の実数成分(インダクタンス成分)であり、μ″は複素透磁率の虚数成分(抵抗成分)である。μ′はある周波数まではほぼ一定の値をとるが、周波数が高くなると磁界の変化に磁束密度が追随できなくなり、位相の遅れが生じる。このため周波数の増加に伴いμ′が減少しμ″が増加する。第1部材41、第2部材42及び第3部材43はμ′が低下し始める周波数の近くでμ″が最大ピークを示す。
透磁率の最大ピークを示す周波数は、第1部材41を構成する磁性材料(Ni−Znフェライト)が最も高く、第2部材42を構成する磁性材料(Ni−Znフェライト)が2番目に高く、第3部材43を構成する磁性材料(Mn−Znフェライト)が最も低い。第1部材41、第2部材42及び第3部材43はμ″が高い周波数で使われると、抵抗成分によってそれぞれノイズを熱に変換し吸収する。
なお、第1部材41、第2部材42及び第3部材43の中で、第3部材43の体積抵抗率が最も低く、第2部材42の体積抵抗率が最も高い。体積抵抗率は直流4端子法によって測定された抵抗値に基づいて算出する値である。第1部材41及び第2部材42はNi,Znの割合を異ならせること等により、透磁率の最大ピークを示す周波数および体積抵抗率が設定されている。本実施形態では、第1部材41の初透磁率は120、体積抵抗率は1×10Ω・mであり、第2部材42の初透磁率は1500、体積抵抗率は1×10Ω・mであり、第3部材43の初透磁率は5000、体積抵抗率は0.3Ω・mである。但し、これは一例であり、これに限られるものではない。
スパークプラグ10は、透磁率の周波数特性が異なる第1部材41、第2部材42及び第3部材43が導電体30の周囲に配置されるので、スパーク時に導電体30を電流が流れることによって生じる電波ノイズを広い周波数帯域において抑制できる。また、主体金具20の後端28よりも先端側に第2部材42が配置されるので、磁性部材が全て主体金具20の後端28よりも後端側に配置される場合に比べて、磁性部材の体積を増やすことができる。よって、磁性部材による電波ノイズの抑制効果を高めることができる。さらに、体積抵抗率が最も低い第3部材43の全体が、主体金具20の後端28よりも後端側に配置されるので、導電体30と主体金具20との間に磁性部材を介する貫通漏れ電流を生じ難くできる。よって、主体金具20と導電体30との間の絶縁性を確保できる。
スパークプラグ10は、磁性部材の全体の体積に対する、透磁率の最大ピークを示す周波数が最も高い第1部材41の体積の割合が最も大きい。第1部材41の透磁率の最大ピークは第2部材42及び第3部材43の透磁率の最大ピークより低いが(図2参照)、第1部材41の体積の割合を最も大きくすることにより、ノイズ抑制が低周波成分に偏らないように制御しながら、複数の磁性部材を用いることで広くなったノイズ抑制可能な周波数帯域の全域で、十分なノイズ抑制効果を得ることができる。
最大ピークの透磁率が高いMn−Znフェライトによって第3部材43を形成し、第3部材43によってノイズの低周波成分を抑制する。Mn−Znフェライトよりも体積抵抗率が高いNi−Znフェライトによって第1部材41及び第2部材42を形成し、第1部材41及び第2部材42によって、第3部材43が抑制する成分よりも周波数が高い高周波成分を抑制する。Mn−Znフェライト及びNi−Znフェライトの組合せにより、絶縁性を確保しつつノイズ抑制効果を向上できる。
図3を参照して第2実施の形態について説明する。第1実施形態では、主体金具20の後端28よりも先端側に、体積抵抗率が最も高い第2部材42の全部と、体積抵抗率が2番目に高い第1部材41の一部と、が配置される場合について説明した。これに対し第2実施形態では、主体金具20の後端28よりも先端側に配置される磁性部材の全体が、体積抵抗率が最も高い第2部材52である場合について説明する。なお、第1実施形態で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図3は第2実施の形態におけるスパークプラグ50の片側断面図である。なお、図3ではスパークプラグ50の先端側の図示が省略されている(図4(a)から図4(c)においても同じ)。
スパークプラグ50に内蔵された磁性体51は、導電体30の周囲の第1内周面12の内側に配置されている。磁性体51を構成する複数の磁性部材は、円筒状に形成された第1部材52、第2部材53及び第3部材54を含んでいる。第1部材52、第2部材53及び第3部材54は、外径および内径が同一で、軸線方向の長さが異なる円筒状の部材である。本実施形態では第1部材52の軸線方向の長さが最も長い(第1部材52の体積が最も大きい)。
第1部材52、第2部材53及び第3部材54は、先端側から後端側へ第1部材52、第2部材53、第3部材54の順に配置されている。第1部材52は、先端側が、主体金具20の後端28よりも先端側に存在し、残りの部分が、主体金具20の後端28よりも後端側に存在する。第2部材53及び第3部材54は、全体が、主体金具20の後端28よりも後端側に存在する。第1部材52及び第2部材53はNi−Znフェライトで形成され、第3部材54はMn−Znフェライトで形成されている。第1部材52と第2部材53との間、及び、第2部材53と第3部材54との間には固定部材44(図1参照)が介在する。
透磁率の最大ピークを示す周波数は、第1部材52を構成する磁性材料(Ni−Znフェライト)が最も高く、第2部材53を構成する磁性材料(Ni−Znフェライト)が2番目に高く、第3部材54を構成する磁性材料(Mn−Znフェライト)が最も低い。体積抵抗率は、第1部材52、第2部材53及び第3部材54の中で第3部材54が最も低く、第1部材52が最も高い。第1部材52及び第2部材53は、第1実施形態と同様に、Ni,Znの割合を異ならせること等により、透磁率の最大ピークを示す周波数および体積抵抗率が設定される。
スパークプラグ50では、体積抵抗率が最も高い第1部材52は、先端側が、主体金具20の後端28よりも先端側に存在し、第1部材52の残りの部分が、主体金具20の後端28よりも後端側に存在する。主体金具20の後端28の前後に亘って第1部材52が配置されているので、電界が集中し易い主体金具20の後端28と磁性体51との間の貫通漏れ電流を生じ難くできる。その結果、主体金具20と導電体30との間の絶縁性を向上できる。
また、磁性部材の全体の体積に対する、透磁率の最大ピークを示す周波数が最も高い第1部材52の体積の割合が最も大きいので、ノイズ抑制が低周波成分に偏らないように制御しながら、複数の磁性部材を用いることで広くなったノイズ抑制可能な周波数帯域の全域で、十分なノイズ抑制効果を得ることができる。
図4を参照して第3実施の形態から第5実施の形態について説明する。第1実施形態および第2実施形態では、第1部材41,52、第2部材42,53及び第3部材43,54の互いに接触する面がほぼ平坦な場合について説明した。これに対し第3実施形態から第5実施形態では、第1部材62及び第2部材64が軸線方向に互いに接する接触面63,65,71,72,81,82に凹凸が形成される場合について説明する。なお、第1実施形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図4(a)は第3実施の形態におけるスパークプラグ60の片側断面図である。
スパークプラグ60に内蔵された磁性体61は、導電体30の周囲の第1内周面12の内側に配置されている。磁性体61を構成する複数の磁性部材は、円筒状に形成された第1部材62及び第2部材64を含んでいる。第1部材62及び第2部材64は、外径および内径が同一の円筒状の部材である。第1部材62の体積は第2部材64の体積より大きい。先端側から後端側へ第1部材62、第2部材64の順に配置されている。第1部材62は、先端側が、主体金具20の後端28よりも先端側に存在し、残りの部分が、主体金具20の後端28よりも後端側に存在する。第2部材64は、全体が、主体金具20の後端28よりも後端側に存在する。
第1部材62はNi−Znフェライトで形成され、第2部材64はMn−Znフェライトで形成されている。第1部材62と第2部材64との間には固定部材44(図1参照)が介在する。透磁率の最大ピークを示す周波数は、第1部材62を構成する磁性材料(Ni−Znフェライト)が、第2部材64を構成する磁性材料(Mn−Znフェライト)よりも高い。また、第1部材62の体積抵抗率は第2部材64の体積抵抗率よりも高い。
第1部材62及び第2部材64は、軸線方向に互いに接する接触面63,65を有している。互いに合わさる凹凸が接触面63,65に形成されることにより、第2部材64の接触面65の一部は、第1部材62の接触面63の一部の径方向の外側に位置する。接触面63,65の凹凸が互いに径方向に接触することにより、第1部材62及び第2部材64の径方向の移動が規制される。その結果、第1部材62及び第2部材64を径方向にずれ難くできるので、振動等による第1部材62及び第2部材64の破損を抑制できる。
図4(b)は第4実施の形態におけるスパークプラグ70の断面図である。図4(b)では軸線Oを境にした片側の図示が省略されている(図4(c)においても同じ)。スパークプラグ70の第1部材62及び第2部材64は、軸線方向に互いに接する接触面71,72を有している。互いに合わさる凹凸が接触面71,72に形成されることにより、第1部材62の接触面71の一部は、第2部材64の接触面72の一部の径方向の外側に位置する。接触面71,72の凹凸が互いに径方向に接触することにより、第1部材62及び第2部材64の径方向の移動が規制される。その結果、第1部材62及び第2部材64を径方向にずれ難くできるので、振動等による第1部材62及び第2部材64の破損を抑制できる。
図4(c)は第5実施の形態におけるスパークプラグ80の断面図である。スパークプラグ80の第1部材62及び第2部材64は、軸線方向に互いに接する接触面81,82を有している。互いに合わさる凹凸が接触面81,82に形成されることにより、第1部材62の接触面81の一部は、第2部材64の接触面82の一部の径方向の中央に位置する。接触面81,82の凹凸が互いに径方向に接触することにより、第1部材62及び第2部材64の径方向の移動が規制される。その結果、第1部材62及び第2部材64を径方向にずれ難くできるので、振動等による第1部材62及び第2部材64の破損を抑制できる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
第1実施形態および第2実施形態では磁性体40,51は3個の磁性部材からなり、第3実施形態から第5実施形態では磁性体61は2個の磁性部材からなる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。磁性体を構成する磁性部材の数は2個以上(例えば4個や5個など)を適宜設定できる。
実施形態では導電体30に内蔵する抵抗体33が、絶縁体11の内部で原料粉末を成形して焼成するモノリシックタイプの場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。予め製造された抵抗器を絶縁体11に挿入して抵抗体とすることは当然可能である。また、当然のことながら抵抗体は省略できる。
実施形態では、第2接続部35が原料粉末を焼成して形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。導電性のあるばね等の弾性体により第2接続部35を形成することは当然可能である。
第1実施形態では、軸線方向の先端側から順に第2部材42、第1部材41、第3部材43が配置される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第1部材41及び第2部材42の順序を入れ替えることは当然可能である。
第2実施形態では、軸線方向の先端側から順に第1部材52、第2部材53、第3部材54が配置される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第2部材53及び第3部材54の順序を入れ替えることは当然可能である。第2部材53と第3部材54とを入れ替えても、主体金具20の後端28よりも後端側に第3部材54の全体を配置できるからである。また、第1部材52及び第2部材53の順序を入れ替えることは当然可能である。
実施形態では、固定部材44によって磁性部材が互いに固定される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。固定部材44を省略することは当然可能である。
実施形態では、磁性体40,51,61が端子金具30の周囲に配置される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。中心電極31や抵抗体33等の周囲に磁性体を配置することは当然可能である。端子金具30と同様に、中心電極31や抵抗体33等もスパーク時に電流が流れるので、磁性体によるノイズ抑制効果が得られるからである。
10,50,60,70,80 スパークプラグ
20 主体金具
28 主体金具の後端
30 導電体
40,51,61 磁性体
42 第2部材(体積抵抗率が最も高い部材)
43,54 第3部材(体積抵抗率が最も低い部材)
44 固定部材
52 第1部材(体積抵抗率が最も高い部材)
64 第2部材(体積抵抗率が最も低い部材)
63,65,71,72,81,82 接触面

Claims (6)

  1. 先端側から後端側へと軸線方向に延びる軸孔を有する絶縁体と、
    前記絶縁体を外周側から保持する筒状の主体金具と、
    前記軸孔に配置される導電体と、
    前記導電体の周囲であって前記軸孔の内部に配置される磁性体と、を備えるスパークプラグであって、
    前記磁性体は、透磁率の周波数特性が異なる磁性材料でそれぞれ形成される複数の磁性部材からなり、
    前記磁性体の一部は、前記主体金具の後端よりも先端側に配置され、
    前記複数の磁性部材のうち体積抵抗率が最も低い部材は、前記部材の全体が、前記主体金具の後端よりも後端側に配置されるスパークプラグ。
  2. 前記磁性体は、透磁率の周波数特性が異なる3種以上の磁性材料でそれぞれ形成される3つ以上の磁性部材を備え、
    前記磁性部材のうち前記主体金具の後端よりも先端側に少なくとも一部が配置される部材は、前記磁性部材のうち体積抵抗率が最も高い部材である請求項1記載のスパークプラグ。
  3. 前記複数の磁性部材は、前記複数の磁性部材の全体の体積に対する、前記複数の磁性部材のうち前記磁性材料の透磁率の最大ピークを示す周波数が最も高い部材の体積の割合が最も大きい請求項1又は2に記載のスパークプラグ。
  4. 軸線方向に互いに接する接触面を有する前記複数の磁性部材は、互いに合わさる凹凸が前記接触面に形成されている請求項1から3のいずれかに記載のスパークプラグ。
  5. 前記複数の磁性部材は、固定部材を介して互いに固定されている請求項1から4のいずれかに記載のスパークプラグ。
  6. 前記磁性材料は、Mn−Znフェライト及びNi−Znフェライトを含有する請求項1から5のいずれかに記載のスパークプラグ。
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