JP2018176429A - 塗り器の紙製素地の製作方法および漆器の製作方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】廉価な構成により、植物繊維を主成分とする繊維混合液から、滑らかな凹凸面を備えた漆器の製作に適した紙製素地を製作すること。【解決手段】漆器の紙製素地25の製作においては、通水性の雌型12の凹状成形型面12aに一定量の繊維混合液21を注ぎ込み、凹状成形型面12aを雌型12の背面側から真空引きして、紙型外側層22を成形する。雌型12の凹状成形型面12aが正確に紙型外側層22の外周面に付与される。紙型外側層22の凹状内周面に一定量の繊維混合液23を注ぎ込み、通水性の無い雄型14の排水溝付きの凸状成形型面14aを回転させながら雌型12の側に押圧して、紙型外側層22の内側に紙型内側層24を成形する。雄型14の凸状成形型面14aが正確に紙型内側層24の凹状内周面に付与される。型通りの厚さ、滑らか内外面を備えた紙型25が得られる。【選択図】図5

Description

本発明は紙製素地を用いた漆器などの塗り器の製作方法に関し、特に、古紙等を用いて紙製素地を製作する紙製素地の製作方法の改良に関する。
塗り器、例えば、木製の漆器は、その素地として、天然の木材を削りだして器形を製作し、器形に漆塗りおよび加飾を施して製作される。天然の木材の代わりに、木材などの植物繊維に接着剤などのバインダを加えた混合液を、金型を用いて、加熱乾燥し、あるいは、熱間において加圧成形して、漆器用素地を製作することが、特許文献1〜3において提案されている。
特許文献1においては、熱可塑性接着剤と植物繊維を水に懸濁させ、得られた混合液を、雄型と雌型によって規定されるキャビティに入れて加熱乾燥して半乾燥状態とし、半乾燥状態の成形品をより高温で加熱して接着剤を溶融させた後に固めて、漆器の素地を得ている。
特許文献2においては、パルプ溶液に樹脂系バインダを加えて混合して得られた混合溶液を、金網型で漉いて(混合溶液に金網型を繰り返し潜らせて)、型表面に繊維層を成形し、この成形品を乾燥して、パルプモールド紙からなる素地の原型を得ている。この原型(成形品)をヒートプレスして加熱整形して、表面に樹脂の硬質層を形成し、この上に漆を塗布して漆器が製作される。
特許文献3においては、植物繊維を主成分とする混合液を、雄金型と雌金型の間に供給し、熱間において加圧成形して、漆器用生地の基層を得ている。基層の表面に、ペースト状の表面材料を塗布し、再び金型内で、熱間加圧成形して、基層が表面層で被覆された漆器の素地を得ている。
特開昭64−20400号公報 特開平7−205598号公報 特開2005−59454号公報
本発明の目的は、廉価な構成により、植物繊維を主成分とする繊維混合液から、滑らかな凹凸面を備えた漆器等の塗り器の製作に適した紙製素地を製作可能な塗り器の紙製素地の製作方法を提案することにある。
本発明の塗り器、例えば、漆器の紙製素地の製作方法は、
植物繊維を水に溶解させて得られる繊維混合液から、製作対象の漆器の素地として用いるための紙型を成形する紙型成形工程と、
乾燥後の前記紙型に希釈漆液を浸透させる希釈漆液浸透工程と、
希釈漆液乾燥後の前記紙型の内面および外面を研ぎ、不要な凹凸を除去する紙型研ぎ工程と、
漆パテを用いて前記紙型の内外面に目止めを施す目止め工程と、
漆パテの乾燥後に、前記紙型の内外面に漆で下塗りを施す漆下塗り工程と
を経て漆器の紙製素地を製作する。
また、前記紙型成形工程では、
通水性のある雌型の凹状成形型面に繊維混合液を真空引きして、当該凹状成形型面に沿った形状の所定厚さの紙型外側層を形成する工程と、
雌型の凹状成形型面上に成形された紙型外側層の凹状内周面に、所定量の繊維混合液を注ぎ込む工程と、
雌型の凹状成形型面を真空引きすると共に、通水性の無い雄型の排水溝付きの凸状成形型面を、当該凸状成形型面の中心回りに回転させながら、凹状成形型面に向けて押圧して、紙型外側層に所定厚さの紙型内側層を積層する工程と
を経て、紙型外側層および紙型内側層が一体化された紙型を成形する。
本発明では、通水性の雌型の凹状成形型面に一定量の繊維混合液を注ぎ込み、凹状成形型面を雌型の背面側から真空引きする。これにより、雌型の凹状成形型面が正確に紙型外側層の外周面に付与され、一定厚さの紙型外側層が形成される。また、紙型外側層の凹状内周面に一定量の繊維混合液を注ぎ込み、通水性の無い雄型の通水溝付きの凸状成形型面を回転させながら雌型の側に押圧している。これにより、雄型の凸状成形型面が正確に紙型内側層の凹状内周面に付与される。また、凸状成形型面に応じて、紙型内側層の各部分の厚さを制御することができるので、滑らかな内外面を備え、型通り(設計通り)に厚い部分および薄い部分を備えた紙型が得られる。各部の厚さが一定の紙型の場合に比べて、紙型内側層によって各部の厚さを変えることにより、歪みなどが起こり難い紙型が得られる。
金網型を用いて繊維混合液を漉いて紙型を製作する場合に比べて、精度良く紙型を製作できる。特に、紙型の各部の厚さを自由に設定することができると共に、紙型の凹状内周面を滑らかで目標とする曲面に成形でき、後工程の研ぎ、削りなどの作業が容易になる。また、雄型と雌型を用いて繊維混合液をヒートプレスする場合には、所定の密度の紙型を成形するためには大掛かりなプレス機構、加熱機構を必要とし、製作コストが高くなる。本発明では、廉価な機構により、滑らかな内外面を紙型に付与できる。
ここで、前記希釈漆液浸透工程では、乾燥後の紙型の内面および外面のうちの一方の面から他方の面に向けて、当該紙型の厚さ方向に一方通行で希釈漆液を浸透させることが望ましい。紙型の内部全体に亘って確実に希釈漆液が染み込むので、紙型の各部分において繊維が確実に連結され、繊維の剥がれ、溶け出しを防止できる。この結果、製作された漆器を食洗機で洗うことも可能になる。
また、前記目止め工程において用いる漆パテとしては、米糊と漆と木粉とを練り合わせた漆パテを用いることができる。漆パテにより目止めを行うことで、紙型内の空気層が密閉された状態になる。密閉された空気層によって、漆器の保温性が向上する。また、空気層が密閉されるので、後工程において塗布される漆が浸透して空気層が充填されることがなく、空気層がそのまま残る。これにより、漆器の軽量化を実現でき、高齢者等の非力な人によって扱い易い漆器を実現できる。
本発明によって製作された紙製素地に、木製漆器の場合と同様な要領で、漆塗り、加飾を施すことで、漆器が製作される。
なお、本発明において、古紙の繊維に代えて、バージン繊維を用いることも可能である。また、漆に代えて、自然塗料を塗布して、または、ウレタン樹脂その他の化学塗料を塗布して、器を製作することも可能である。
本発明を適用可能な漆器の一例を示す斜視図および断面図である。 漆器の製作手順を示す概略フローチャートである。 漆器の紙製素地の製作手順を示すフローチャートである。 紙製素地の製作に用いる成形型(雌型と雄型)を示す説明図、および雄型の排水溝付きの凸状成形型面を示す説明図である。 紙型成形工程を示す説明図である。
以下に、図面を参照して、本発明を適用した漆器の製作方法の実施の形態を説明する。
図1(a)、(b)は、本実施の形態による漆器の製作方法によって製作される漆器の一例を示す斜視図および断面図である。漆器1は、例えば、一般的な形状の茶碗であり、上端が円形の口縁2となっている所定厚さの半球状の本体部3(胴部および腰部)と、本体部3の底面中央に一体形成されている偏平な円筒状の高台4とを備えている。本体部3は、凸球面状の外周面3aと、凹球面状の内周面3bとを備えている。本例では、本体部3の厚さは、口縁2の側から底部に向けて漸増している。
図2は、漆器1の製作手順の一例を示す概略フローチャートである。漆器1は、古紙を水に漬けて解して繊維混合液を調製する繊維混合液の調製工程ST1、繊維混合液を用いて製作対象の漆器の素地として用いるため紙製素地を製作する紙製素地製作工程ST2、製作された紙製素地に漆塗りを施す漆塗り工程ST3、および、加飾工程ST4を経て製作される。漆塗り工程ST3および加飾工程ST4では、それぞれ、一般的な木製漆器の場合と同様な要領で漆塗り、加飾を施して、普及品から高級品までの各種バリエーションの漆器が得られる。
本例の漆器1は茶碗であるが、本発明は、菓子盆、菓子器、菓子鉢、盛器、盛皿などのように、回転対称の形状をした器の製作に適用できる。また、器の各部の厚さについても、図示の例に限らず、厚い部分、薄い部分が任意に設定された器の製作に本発明を適用できる。さらに、本例では、植物繊維を所定の割合で含む繊維混合液を、古紙を用いて調製している。古紙繊維に代えて、バージン繊維を用いて繊維混合液を調製することもできる。さらにまた、本例は、漆器の製作に本発明を適用した例であるが、漆以外の自然塗料、または、ウレタン樹脂その他の化学塗料を紙製素地に塗布して塗り器を製作する場合にも同様に適用可能である。
図3は、紙製素地の製作手順、すなわち、図2の紙製素地製作工程ST2の一例を示すフローチャートである。紙製素地製作工程ST2では、まず、製作対象の漆器1の素地として用いるための紙型を、雄型および雌型からなる成形型を用いて繊維混合液から成形する紙型成形工程ST11、および、成形された紙型を成形型から外して乾燥させる紙型乾燥工程ST12を行う。紙型成形工程ST11および成形型については後述する。
次に、乾燥後の紙型に希釈漆液を浸透させる希釈漆液浸透工程ST13、および、希釈漆液を浸透させた紙型を乾燥させる希釈漆液乾燥工程ST14を行う。この後は、乾燥後の紙型の内周面および外周面を、ロクロなどを用いて研ぎ、不要な凹凸を除去する紙型研ぎ工程ST15を行う。次に、漆パテを用いて紙型の内外面に目止めを施す目止め工程ST16、および、漆パテによって目止めされた紙型を乾燥させる漆パテ乾燥工程ST17を行う。しかる後に、漆パテ乾燥後の紙型の内外面に、漆で下塗りを施す漆下塗り工程ST18および乾燥工程ST19を行う。これらの工程を経て、漆器1の紙製素地が得られる。
図4(a)、(b)は、それぞれ、紙型成形工程ST11において使用する成形型を示す説明図および雄型の凹状成形型面を示す説明図であり、図5は紙型成形工程ST11の手順を示す説明図である。
まず、図4を参照して、紙型成形工程ST11において用いる成形型10について説明する。成形型10は、架台11に取り付けた通水性のある雌型12と垂直回転軸13に取り付けた通水性の無い雄型14を備えている。雌型12は、架台11に水平に取り付けられ、その凹状成形型面12aが上方を向いている。雌型12は全体として所定厚さの椀形状をした型であり、通水性を備えている。例えば、通水性のある素材から雌型12が製作される。または、通水性の無い素材から雌型12を製作し、細かな通水穴を一定のピッチで厚さ方向に貫通する状態に付ける。雌型12の凹状成形型面12aは、漆器1の本体部3の凸球面状の外周面3aおよび高台4の外周面4a(図1参照)に対応した面形状を備えている。また、凹状成形型面12aには、一定の間隔で細かな凹凸が形成され、凹状成形型面12aに沿った水の流れを確保できるようになっている。架台11における雌型12の背面側の空間は密閉空間11aとなっており、ここは、不図示の真空吸引源15によって真空引きすることが可能となっている。
雄型14は、雌型12の真上において下向きに支持されている。雄型14は通水性の無い素材から形成されており、その下面には通水性の無い凸状成形型面14aが形成されている。凸状成形型面14aは、漆器1の本体部3の凹球面状の内周面3bおよび口縁2に対応した面形状を備えている。雄型14は垂直回転軸13の下端部に同軸に固定されている。垂直回転軸13は不図示の回転源によってその中心軸線13a回りに回転駆動される。垂直回転軸13と一体となって中心軸線13a回りに雄型14が回転する。
図4(b)に示すように、雄型14の凸状成形型面14aには、所定深さ、所定幅の4本の排水溝14bが形成されている。各排水溝14bは凸状成形型面14aの中心から90°の角度間隔で放射状に配列されており、その中心側から外周側に向かって溝幅、溝深さが漸増している。排水溝14bの外周端14cは、雄型14の外周縁に露出している。排水溝14bによって水の排水性が確保される。
図5を参照して、成形型10を用いた紙型成形手順を説明する。まず、工程ST21に示すように、繊維混合液21を雌型12に注ぎ込みながら、雌型12を背面側から真空引きする。凹状成形型面12aに繊維混合液21が吸引され、水分が通水性の雌型12を通って背面側に排出される。この結果、工程ST22に示すように、凹状成形型面12aに沿って繊維成分が所定の密度で堆積して、当該凹状成形型面12aに沿った形状の一定厚さの紙型外側層22が形成される。
次に、工程ST23に示すように、雌型12の凹状成形型面12a上に成形された紙型外側層22の凹状内周面に、所定量の繊維混合液23を注ぎ込む。この後は、工程ST24に示すように、雌型12を背面側から真空引きする。真空引きを行いながら、通水性の無い雄型14の排水溝14b付きの凸状成形型面14aを、雌型12の真上に位置決めし、雄型14を中心軸線13a回りに回転させながら、降下させる。雄型14の凸状成形型面14aによって、注ぎ込まれた繊維混合液23を上側から下方に押圧する。繊維混合液23の水分は、凸状成形型面14aの排水溝14bを通って押し出され、繊維成分が押圧力と真空吸引力とによって、紙型外側層22の上に、所定の密度、所定厚さの紙型内側層24として、積層される。本例では、開口縁側の部分から底部分に向けて厚さが漸増し、底部分が最も厚い紙型内側層24が形成される。紙型内側層24の各部の厚みは、雄型14の凸状成形型面14aを変更することにより、増減させることができる。よって、紙型25の各部の厚さを自由に設定でき、歪難い紙型が得られる。雄型14は連続して一方向に回転させてもよいが、繰り返し逆方向に回転させてもよい。排水溝14bは、雄型14を回転させながら押圧した状態において、良好な排水性が確保できるように、その溝形状が設定されている。
この結果、工程ST25に示すように、紙型外側層22、紙型内側層24が一体化された紙型25が得られる。この後は、工程ST26に示すように、型開きを行い、紙型25を取り出す。取り出した紙型25の凸状外周面25aには、雌型12の凹状成形型面12aによって漆器1の外周面3a、4aに対応する形状が付与されている。また、紙型25の凹状内周面25bには、雄型14の凸状成形型面14aによって、漆器1の内周面3bに対応する形状が付与されている。この後は、紙型25は前述のように乾燥させる(図3の工程ST12)。
成形された紙型25は、漆器1の外周面3a、4aおよび内周面3bの曲面が精度よく賦形されているので、後の研ぎ工程(図3のST15)等における表面整形作業を簡単かつ短時間のうちに行うことができる。
1 漆器
2 口縁
3 本体部
3a 外周面
3b 内周面
4 高台
4a 外周面
10 成形型
11 架台
11a 密閉空間
12 雌型
12a 凹状成形型面
13 垂直回転軸
14 雄型
14a 凸状成形型面
14b 排水溝
14c 外周端
15 真空吸引源
21、23 繊維混合液
22 紙型外側層
24 紙型内側層
25 紙型
25a 凸状外周面
25b 凹状内周面
ST1 繊維混合液調製工程
ST2 紙製素地製作工程
ST3 漆塗り工程
ST4 加飾工程
ST11 紙型成形工程
ST12 紙型乾燥工程
ST13 希釈漆液浸透工程
ST14 希釈漆液乾燥工程
ST15 紙型研ぎ工程
ST16 目止め工程
ST17 漆パテ乾燥工程
ST18 漆下塗り工程
ST19 乾燥工程
ST21〜ST26 工程

Claims (6)

  1. 植物繊維を水に溶解させて得られる繊維混合液から、製作対象の塗り器の素地として用いるための紙型を成形する紙型成形工程と、
    乾燥後の前記紙型に希釈漆液を浸透させる希釈漆液浸透工程と、
    希釈漆液乾燥後の前記紙型の内面および外面を研ぎ、不要な凹凸を除去する紙型研ぎ工程と、
    漆パテを用いて前記紙型の内外面に目止めを施す目止め工程と、
    前記漆パテの乾燥後に、前記紙型の内外面に漆で下塗りを施す漆下塗り工程と
    を経て前記塗り器の紙製素地を製作し、
    前記紙型成形工程では、
    通水性のある雌型の凹状成形型面に前記繊維混合液を真空引きして、当該凹状成形型面に沿った形状の所定厚さの紙型外側層を形成する工程と、
    前記雌型の前記凹状成形型面上に成形された状態の前記紙型外側層の凹状内周面に、所定量の前記繊維混合液を注ぎ込む工程と、
    前記雌型の前記凹状成形型面を真空引きすると共に、通水性の無い雄型の排水溝付きの凸状成形型面を、当該凸状成形型面の中心回りに回転させながら、前記凹状成形型面に向けて押圧して、前記紙型外側層に所定厚さの紙型内側層を積層する工程と
    を経て、前記紙型外側層および前記紙型内側層からなる前記紙型を成形する
    塗り器の紙製素地の製作方法。
  2. 植物繊維を水に溶解させて得られる繊維混合液から、製作対象の漆器の素地として用いるための紙型を成形する紙型成形工程と、
    乾燥後の前記紙型に希釈漆液を浸透させる希釈漆液浸透工程と、
    希釈漆液乾燥後の前記紙型の内面および外面を研ぎ、不要な凹凸を除去する紙型研ぎ工程と、
    漆パテを用いて前記紙型の内外面に目止めを施す目止め工程と、
    前記漆パテの乾燥後に、前記紙型の内外面に漆で下塗りを施す漆下塗り工程と
    を経て前記漆器の紙製素地を製作し、
    前記紙型成形工程では、
    通水性のある雌型の凹状成形型面に前記繊維混合液を真空引きして、当該凹状成形型面に沿った形状の所定厚さの紙型外側層を形成する工程と、
    前記雌型の前記凹状成形型面上に成形された状態の前記紙型外側層の凹状内周面に、所定量の前記繊維混合液を注ぎ込む工程と、
    前記雌型の前記凹状成形型面を真空引きすると共に、通水性の無い雄型の排水溝付きの凸状成形型面を、当該凸状成形型面の中心回りに回転させながら、前記凹状成形型面に向けて押圧して、前記紙型外側層に所定厚さの紙型内側層を積層する工程と
    を経て、前記紙型外側層および前記紙型内側層からなる前記紙型を成形する
    漆器の紙製素地の製作方法。
  3. 請求項2に記載の漆器の紙製素地の製作方法において、
    前記希釈漆液浸透工程は、
    乾燥後の前記紙型の内面および外面のうちの一方の面から他方の面に向けて、当該紙型の厚さ方向に一方通行で希釈漆液を浸透させる
    漆器の紙製素地の製作方法。
  4. 請求項2または3に記載の漆器の紙製素地の製作方法において、
    前記目止め工程の前記漆パテとして、米糊と漆と木粉とを練り合わせた漆パテを用いる漆器の紙製素地の製作方法。
  5. 請求項2、3または4の記載の漆器の紙製素地の製作方法において、
    前記繊維混合液として、古紙を水に漬けて解して得られる前記繊維混合液を用いる漆器の紙製素地の製作方法。
  6. 請求項2ないし5のうちのいずれか一つの項に記載の製作方法により製作した紙製素地に漆塗りを施す漆塗り工程を備えた漆器の製作方法。
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