JP3221127U - 紙型成形装置および成形型 - Google Patents

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Abstract

【課題】塗り器の紙製素材として用いる紙型の製作において、繊維混合液の定量1回の注ぎ込みで目指す設計厚の紙型を成形でき、角物も成形できる紙型成形装置を提供する。【解決手段】植物繊維を水に溶解させて得られる繊維混合液から、製作対象の塗り器の素地として用いるための紙型を成形する紙型成形装置100に用いる成形型10は、通水性のある雌型12と、通水性のない雄型14を備え、雌型12の凹状成形型面12aには、所定の密度で開口している通水穴12bが形成されている。通水穴12bの密度は、紙型の設計厚さが厚い部分は薄い部分に比べて、相対的に高密度で形成されている。また、繊維混合液を吸着させた状態の凹状成形型面12aに対して、雄型14の凸状成形型面14aを、所定方向に振動を与えながら押圧して、所定厚さの紙型を成形する型締め機構13を備えている。【選択図】図4

Description

本考案は紙製素地を用いた漆器などの塗り器の製作に当たり、塗り器の素地として用いる紙型を成形するために用いる紙型成形装置および成形型の改良に関する。
塗り器、例えば、木製の漆器は、その素地として、天然の木材を削りだして器形を製作し、器形に漆塗りおよび加飾を施して製作される。天然の木材の代わりに、木材などの植物繊維に接着剤などのバインダを加えた混合液を、金型を用いて、加熱乾燥し、あるいは、熱間において加圧成形して、漆器用素地を製作することが、特許文献1〜3において提案されている。
特許文献1においては、熱可塑性接着剤と植物繊維を水に懸濁させ、得られた混合液を、雄型と雌型によって規定されるキャビティに入れて加熱乾燥して半乾燥状態とし、半乾燥状態の成形品をより高温で加熱して接着剤を溶融させた後に固めて、漆器の素地を得ている。
特許文献2においては、パルプ溶液に樹脂系バインダを加えて混合して得られた混合溶液を、金網型で漉いて(混合溶液に金網型を繰り返し潜らせて)、型表面に繊維層を成形し、この成形品を乾燥して、パルプモールド紙からなる素地の原型を得ている。この原型(成形品)をヒートプレスして加熱整形して、表面に樹脂の硬質層を形成し、この上に漆を塗布して漆器が製作される。
特許文献3においては、植物繊維を主成分とする混合液を、雄金型と雌金型の間に供給し、熱間において加圧成形して、漆器用生地の基層を得ている。基層の表面に、ペースト状の表面材料を塗布し、再び金型内で、熱間加圧成形して、基層が表面層で被覆された漆器の素地を得ている。
本考案者は、特許文献4において、廉価な構成により、植物繊維を主成分とする繊維混合液から、滑らかな凹凸面を備えた漆器等の塗り器の製作に適した紙製素地を製作可能な塗り器の紙製素地の製作方法を提案している。この方法では、植物繊維を水に溶解させて得られる繊維混合液から、製作対象の漆器の素地として用いるための紙型を成形する紙型成形工程と、乾燥後の前記紙型に希釈漆液を浸透させる希釈漆液浸透工程と、希釈漆液乾燥後の前記紙型の内面および外面を研ぎ、不要な凹凸を除去する紙型研ぎ工程と、漆パテを用いて前記紙型の内外面に目止めを施す目止め工程と漆パテの乾燥後に、前記紙型の内外面に漆で下塗りを施す漆下塗り工程とを経て漆器の紙製素地を製作している。
また、紙型成形工程では、通水性のある雌型の凹状成形型面に繊維混合液を真空引きして、当該凹状成形型面に沿った形状の所定厚さの紙型外側層を形成する工程と、雌型の凹状成形型面上に成形された紙型外側層の凹状内周面に、所定量の繊維混合液を注ぎ込む工程と、雌型の凹状成形型面を真空引きすると共に、通水性の無い雄型の排水溝付きの凸状成形型面を、当該凸状成形型面の中心回りに回転させながら、凹状成形型面に向けて押圧して、紙型外側層に所定厚さの紙型内側層を積層する工程とを経て、紙型外側層および紙型内側層が一体化された紙型を成形している。
通水性の雌型の凹状成形型面に一定量の繊維混合液を注ぎ込み、凹状成形型面を雌型の背面側から真空引きする。これにより、雌型の凹状成形型面が正確に紙型外側層の外周面に付与され、一定厚さの紙型外側層が形成される。また、紙型外側層の凹状内周面に一定量の繊維混合液を注ぎ込み、通水性の無い雄型の通水溝付きの凸状成形型面を回転させながら雌型の側に押圧している。これにより、雄型の凸状成形型面が正確に紙型内側層の凹状内周面に付与される。また、凸状成形型面に応じて、紙型内側層の各部分の厚さを制御することができるので、滑らかな内外面を備え、型通り(設計通り)に厚い部分および薄い部分を備えた紙型が得られる。各部の厚さが一定の紙型の場合に比べて、紙型内側層によって各部の厚さを変えることにより、歪みなどが起こり難い紙型が得られる。
特開昭64−20400号公報 特開平7−205598号公報 特開2005−59454号公報 特開2018−176429号公報
本考案の目的は、上記の紙型成形工程において、繊維混合液を定量1回の注ぎ込みで目指す設計厚の紙型を成形可能な紙型成形装置、および成形型を提供することにある。
また、本考案の目的は、塗り器の紙製素材として用いる紙型として、丸物(回転対称体)でも角物(回転非対称体)のいずれであっても成形可能な紙型成形装置、および成形型を提供することにある。
本考案は、植物繊維を水に溶解させて得られる繊維混合液から、製作対象の塗り器の素地として用いるための紙型を成形する紙型成形装置であって、
通水性のある雌型および、通水性のない雄型を備えた成形型と、
前記凹状成形型面に、所定の密度で開口している通水穴と、
前記凹状成形型面に沿わせて張り付けたフィルタと、
前記凹状成形型面に注ぎ込まれた前記繊維混合液を、前記フィルタおよび前記通水穴を介して真空引きして、前記凹状成形型面に吸着させる真空吸引機構と、
前記繊維混合液を吸着させた状態の前記凹状成形型面に対して、前記雄型の凸状成形型面を、当該凸状成形型面の中心回りに回転させながら、あるいは、所定方向に振動を与えながら押圧して、所定厚さの前記紙型を成形する型締め機構と、
を備えており、
前記雌型の前記凹状成形型面に開口している前記通水穴の密度は、前記紙型の設計厚さが厚い部分は薄い部分に比べて、相対的に高密度で形成されていることを特徴としている。
通水穴の形成密度を、紙型の設計厚さに応じて変えておくことで、繊維混合液を定量1回の注ぎ込みで、目指す厚さの繊維混合液の層を、凹状成形型面と凸状成形型面との間に形成できる。よって、漆器などの塗り器の素地として用いるための紙型の製作を効率良く行うことができる。
また、本考案では、前記型締め機構として、前記凸状成形型面に振動を与えながら、当該凸状成形型面を前記凹状成形型面に押圧する機構を用いている。雄型の凸状成形型面を、振動させながら、凹状成形型面に吸着されている繊維混合液の層に沿って押圧することで、均一で平坦な繊維面が加工される。これにより、角物である塗り器の製作のために用いる紙型も容易に成形できる。
次に、本考案の紙型成形装置において、製作対象の塗り器の素地として用いるための紙型を成形するために用いる成形型は、
通水性のある雌型と、
通水性のない雄型を備え、
前記雌型に形成されている凹状成形型面と、
前記雄型に形成されている凸状成形型面と、
前記凹状成形型面に、所定の密度で開口している通水穴と、
前記凹状成形型面に沿わせて張り付けたフィルタと、
を備えており、
前記雌型の前記凹状成形型面に開口している前記通水穴の密度は、前記紙型の設計厚さが厚い部分は薄い部分に比べて、相対的に高密度で形成されていることを特徴としている。
本考案を適用可能な漆器の一例を示す斜視図および断面図である。 漆器の製作手順を示す概略フローチャートである。 漆器の紙製素地の製作手順を示すフローチャートである。 紙製素地の製作に用いる成形型(雌型と雄型)を示す説明図、および雄型の排水溝付きの凸状成形型面を示す説明図である。 紙型成形工程を示す説明図である。
以下に、図面を参照して、本考案を適用した漆器の製作方法に用いる紙型成形装置および成形型の実施の形態を説明する。
図1(a)、(b)は、本実施の形態による紙型成形装置が使用される漆器の製作方法によって製作される漆器の一例を示す斜視図および断面図である。漆器1は、例えば、一般的な形状の茶碗であり、上端が円形の口縁2となっている所定厚さの半球状の本体部3(胴部および腰部)と、本体部3の底部4の中央に一体形成されている偏平な円筒状の高台5とを備えている。本体部3は、凸球面状の外周面3aと、凹球面状の内周面3bとを備えている。本例では、本体部3の厚さは、本体部3の口縁2の側から底部4に向けて漸増している。例えば、その口縁2から底部4に向けて、肉厚が3mmから10mmに漸増しており、その高台5が最も厚い20mmの肉厚の部分となっている。
図2は、漆器1の製作手順の一例を示す概略フローチャートである。漆器1は、古紙を水に漬けて解して繊維混合液を調製する繊維混合液の調製工程ST1、繊維混合液を用いて製作対象の漆器の素地として用いるため紙製素地を製作する紙製素地製作工程ST2、製作された紙製素地に漆塗りを施す漆塗り工程ST3、および、加飾工程ST4を経て製作される。漆塗り工程ST3および加飾工程ST4では、それぞれ、一般的な木製漆器の場合と同様な要領で漆塗り、加飾を施して、普及品から高級品までの各種バリエーションの漆器が得られる。
本例の漆器1は茶碗であるが、本考案は、菓子盆、菓子器、菓子鉢、盛器、盛皿などのように、回転対称の形状をした丸物の製作に適用できる。また、回転非対称の形状をした角物の製作にも適用できる。さらに、器の各部の厚さについても、図示の例に限らず、厚い部分、薄い部分が任意に設定された器の製作に適用できる。
さらに、本例では、植物繊維を所定の割合で含む繊維混合液を、古紙を用いて調製している。古紙繊維に代えて、バージン繊維を用いて繊維混合液を調製することもできる。さらにまた、本例は、漆器の製作に本発明を適用した例であるが、漆以外の自然塗料、または、ウレタン樹脂その他の化学塗料を紙製素地に塗布して塗り器を製作する場合にも同様に適用可能である。
図3は、紙製素地の製作手順、すなわち、図2の紙製素地製作工程ST2の一例を示すフローチャートである。紙製素地製作工程ST2では、まず、製作対象の漆器1の素地として用いるための紙型を、雄型および雌型からなる成形型を備えた紙型成形装置を用いて繊維混合液から成形する紙型成形工程ST11、および、成形された紙型を成形型から外して乾燥させる紙型乾燥工程ST12を行う。紙型成形工程ST11に用いる紙型成形装置および成形型については後述する。
次に、乾燥後の紙型に希釈漆液を浸透させる希釈漆液浸透工程ST13、および、希釈漆液を浸透させた紙型を乾燥させる希釈漆液乾燥工程ST14を行う。この後は、乾燥後の紙型の内周面および外周面を、ロクロなどを用いて研ぎ、不要な凹凸を除去する紙型研ぎ工程ST15を行う。次に、漆パテを用いて紙型の内外面に目止めを施す目止め工程ST16、および、漆パテによって目止めされた紙型を乾燥させる漆パテ乾燥工程ST17を行う。しかる後に、漆パテ乾燥後の紙型の内外面に、漆で下塗りを施す漆下塗り工程ST18および乾燥工程ST19を行う。これらの工程を経て、漆器1の紙製素地が得られる。
図4(a)、(b)は、それぞれ、紙型成形工程ST11において使用する成形型を備えた紙型成形装置を示す説明図および雄型の凸状成形型面を示す説明図である。図5は、紙型成形装置を用いて行われる紙型成形工程ST11の手順を示す説明図である。
まず、図4を参照して、紙型成形工程ST11において用いる紙型成形装置および成形型について説明する。紙型成形装置100は成形型10を備えている。成形型10は、架台11に取り付けた通水性のある雌型12と、垂直振動軸13aに取り付けた通水性の無い雄型14を備えている。雌型12は、架台11に水平に取り付けられ、その凹状成形型面12aが上方を向いている。雌型12は全体として所定厚さの椀形状をした型である。雌型12の凹状成形型面12aは、漆器1の本体部3の凸球面状の外周面3aおよび高台5の外周面5a(図1参照)に対応した面形状を備えている。
雌型12は、通水性の無い素材から製作されており、図4(a)において拡大して示すように、細かな通水穴12bが所定の密度(ピッチ)で厚さ方向に貫通する状態に付けられている。通水穴12bは厚さ方向に貫通している。凹状成形型面12aには、所定の密度で、通水穴12bのそれぞれの上端が開口している。通水穴12bは、例えば、円形断面の貫通穴であり、必要とされる通水性を確保するために、その穴径および形成密度等を適切に設定する。なお、図4(a)の雌型12の断面においては通水穴12bを省略してある。
雌型12の凹状成形型面12aに開口している通水穴12bの配置密度は、紙型の設計厚さが厚い部分は薄い部分に比べて、相対的に高密度で形成されている。本例では、漆器1の本体部3の厚さは、口縁2の側から底部4に向けて漸増している。例えば、その口縁2から底部4に向けて、肉厚が3mmから10mmに漸増しており、その高台5が最も厚い20mmの肉厚の部分となっている。これに合わせて、凹状成形型面12aにおいて、3mmの肉厚の口縁2を含む縁部に対応する部分に設けた通水穴12bの密度を基準の1とする。この場合、口縁2から底部4に向けて、4、5、6、7、8、9および10mmの肉厚の部分に対応する部分に開口する通水穴12bの密度は、それぞれ、1.3倍、1.7倍、2.0倍、2.3倍、2.7倍、3倍および3.3倍にしてある。高台5に対応する部分に開口する通水穴の密度を、6.7倍にしてある。なお、これらの値は一例であり、本考案を、これらの値に限定することを意図したものではない。
雌型12の凹状成形型面12aを覆う状態に、この面に沿って所定の網目のフィルタ、例えば金網12cが張られている。なお、凹状成形型面12aに、一定の間隔で細かな凹凸を形成し、凹状成形型面12aに沿った水の流れを確保できるようにしてもよい。
架台11における雌型12の背面側の空間は密閉空間11aとなっている。密閉空間11aは真空吸引機構15に繋がっている。真空吸引機構15は、密閉空間11aを真空引きすることで、凹状成形型面12aに注ぎ込まれた繊維混合液を、金網12c(フィルタ)および通水穴12bを介して真空引きして、凹状成形型面12aに吸着させる。
雄型14は、雌型12の真上において下向きに支持されている。雄型14は通水性の無い素材から形成されており、その下面には通水性の無い凸状成形型面14aが形成されている。凸状成形型面14aは、漆器1の本体部3の凹球面状の内周面3bおよび口縁2に対応した面形状を備えている。雄型14は垂直振動軸13aの下端部に同軸に固定されている。垂直振動軸13aは加振源13bによってその中心軸線13cに沿った方向に微細な振幅で振動が与えられる。垂直振動軸13aと一体となって中心軸線13cの方向に、雄型14が微細振動を行う。垂直振動軸13a、加振源13bによって、繊維混合液を吸着させた状態の凹状成形型面12aに対して、雄型14の凸状成形型面14aを、振動を与えながら押圧して所定厚さの紙型を成形する型締め機構13が構成される。
なお、丸物の製作においては、回転駆動機構を配置し、雄型14を回転させながら、雌型12に押圧する型締め機構を配置すればよい。
また、図4(b)に示すように、雄型14の凸状成形型面14aに、所定深さ、所定幅の4本の排水溝14bを形成しておくこともできるが、このような排水溝(水はけ溝)を省略することもできる。例えば、各排水溝14bは凸状成形型面14aの中心から90°の角度間隔で放射状に配列されており、その中心側から外周側に向かって溝幅、溝深さが漸増している。排水溝14bの外周端14cは、雄型14の外周縁に露出している。排水溝14bによって水の排水性が確保される。
さらに、雌型12の凹状成形型面12aへの繊維混合液の注ぎ込みは、手作業でも行えるが、タンクから、雌型の凹状成形型面に所定量の繊維混合液を注ぎ込む繊維混合液供給機構を付設してもよい。図においては省略してあるが、繊維混合液供給機構は、繊維混合液のタンクと、タンクから繊維混合液を供給する供給管と、繊維混合液をタンクから供給管を介して送り出すポンプ等から構成される。
次に、図5を参照して、成形型10を用いた紙型成形手順を説明する。まず、工程ST21に示すように、繊維混合液21を雌型12に注ぎ込みながら、雌型12を背面側から真空引きする。凹状成形型面12aに繊維混合液21が吸引され、水分が通水性の雌型12を通って背面側に排出される。この後は、工程ST22に示すように、雌型12を背面側から真空引きしながら、通水性の無い雄型14の凸状成形型面14aを、雌型12の真上に位置決めし、雄型14を中心軸線13cの方向に微振動させながら、降下させる。雄型14の凸状成形型面14aによって、注ぎ込まれた繊維混合液21を上側から下方に押圧する。
繊維混合液21の水分は、外部に押し出され、繊維成分が押圧力と真空吸引力とによって、凹状成形型面12aの上に、所定の密度、所定厚さの層24が形成される。本例では、凹状成形型面12aには、紙型の各部の厚さに対応させた密度で通水穴12b(図4(a)参照)を形成してある。したがって、凹状成形型面12aの口縁側の部分から底部分に向けて厚さが漸増し、高台の部分が最も厚い層24が形成される。層24の各部の厚みは、凹状成形型面12aの通水穴12bの密度分布、雄型14の凸状成形型面14aを変更することにより、精度良く増減させることができる。よって、紙型の各部の厚さを自由に設定でき、歪難い紙型が得られる。
この結果、工程ST24に示すように型開きを行い、層24によって形成される紙型25を取り出す。取り出した紙型25の凸状外周面25aには、雌型12の凹状成形型面12aによって漆器1の外周面3a、5aに対応する形状が付与されている。また、紙型25の凹状内周面25bには、雄型14の凸状成形型面14aによって、漆器1の内周面3bに対応する形状が付与されている。この後は、紙型25を前述のように乾燥させる(図3の工程ST12)。
成形された紙型25は、漆器1の外周面3a、5aおよび内周面3bの曲面が精度よく賦形されているので、後の研ぎ工程(図3のST15)等における表面整形作業を簡単かつ短時間のうちに行うことができる。
1 漆器
2 口縁
3 本体部
3a 外周面
3b 内周面
4 底部
5 高台
5a 外周面
10 成形型
11 架台
11a 密閉空間
12 雌型
12a 凹状成形型面
12b 通水穴
12c 金網
13 形締め機構
13a 垂直振動軸
13b 加振源
13c 中心軸線
14 雄型
14a 凸状成形型面
14b 排水溝
14c 外周端
15 真空吸引源
21 繊維混合液
24 層
25 紙型
25a 凸状外周面
25b 凹状内周面
ST1 繊維混合液調製工程
ST2 紙製素地製作工程
ST3 漆塗り工程
ST4 加飾工程
ST11 紙型成形工程
ST12 紙型乾燥工程
ST13 希釈漆液浸透工程
ST14 希釈漆液乾燥工程
ST15 紙型研ぎ工程
ST16 目止め工程
ST17 漆パテ乾燥工程
ST18 漆下塗り工程
ST19 乾燥工程
ST21〜ST26 工程
100 紙型成形装置

Claims (6)

  1. 植物繊維を水に溶解させて得られる繊維混合液から、製作対象の塗り器の素地として用いるための紙型を成形する紙型成形装置であって、
    通水性のある雌型および通水性のない雄型を備えた成形型と、
    前記雌型の凹状成形型面に、所定の密度で開口している通水穴と、
    前記凹状成形型面に沿わせて張り付けたフィルタと、
    前記凹状成形型面に注ぎ込まれた前記繊維混合液を、前記フィルタおよび前記通水穴を介して真空引きして、前記凹状成形型面に吸着させる真空吸引機構と、
    前記繊維混合液を吸着させた状態の前記凹状成形型面に対して、前記雄型の凸状成形型面を、当該凸状成形型面の中心回りに回転させながら、あるいは、所定方向に振動を与えながら押圧して、所定厚さの前記紙型を成形する型締め機構と、
    を備えており、
    前記雌型の前記凹状成形型面に開口している前記通水穴の密度は、前記紙型の設計厚さが厚い部分は薄い部分に比べて、相対的に高密度で形成されていることを特徴とする紙型成形装置。
  2. 請求項1において、
    前記紙型は椀形状をしており、その縁部から底部に向けて肉厚が3mmから10mmに漸増しており、その高台部が最も厚い20mmの肉厚の部分であり、
    前記凹状成形型面において、
    3mmの肉厚の前記縁部に対応する部分に開口する前記通水穴の密度を基準として、
    前記縁部から前記底部に向けて、4、5、6、7、8、9および10mmの肉厚の部分に対応する部分に開口する前記通水穴の密度は、それぞれ、1.3倍、1.7倍、2.0倍、2.3倍、2.7倍、3倍および3.3倍であり、
    前記高台部に対応する部分に開口する前記通水穴の密度は、6.7倍である紙型成形装置。
  3. 請求項1または2において、
    前記型締め機構は、前記凸状成形型面に振動を与えながら、当該凸状成形型面を前記凹状成形型面に押圧する機構である紙型成形装置。
  4. 請求項1、2または3において、更に、
    前記雌型の凹状成形型面に所定量の繊維混合液を注ぎ込む繊維混合液供給機構を備えており、
    前記繊維混合液供給機構は、前記繊維混合液として、古紙を水に漬けて解して得られる前記繊維混合液を供給する紙型成形装置。
  5. 請求項1ないし4のうちのいずれか一つの項に記載の紙型成形装置において、製作対象の塗り器の素地として用いるための紙型を成形するために用いる成形型であって、
    通水性のある雌型と、
    通水性のない雄型を備え、
    前記雌型に形成されている凹状成形型面と、
    前記雄型に形成されている凸状成形型面と、
    前記凹状成形型面に、所定の密度で開口している通水穴と、
    前記凹状成形型面に沿わせて張り付けたフィルタと、
    を備えており、
    前記雌型の前記凹状成形型面に開口している前記通水穴の密度は、前記紙型の設計厚さが厚い部分は薄い部分に比べて、相対的に高密度で形成されていることを特徴とする紙型成形装置の成形型。
  6. 請求項5において、
    前記紙型は椀形状をしており、その縁部から底部に向けて肉厚が3mmから10mmに漸増しており、その高台部が最も厚い20mmの肉厚の部分であり、
    前記凹状成形型面において、
    3mmの肉厚の前記縁部に対応する部分に開口する前記通水穴の密度を基準として、
    前記縁部から前記底部に向けて、4、5、6、7、8、9および10mmの肉厚の部分に対応する部分に開口する前記通水穴の密度は、それぞれ、1.3倍、1.7倍、2.0倍、2.3倍、2.7倍、3倍および3.3倍であり、
    前記高台部に対応する部分に開口する前記通水穴の密度は、6.7倍である紙型成形装置の成形型。
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