JP2018173588A - 光学部品 - Google Patents

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JP2018173588A JP2017072673A JP2017072673A JP2018173588A JP 2018173588 A JP2018173588 A JP 2018173588A JP 2017072673 A JP2017072673 A JP 2017072673A JP 2017072673 A JP2017072673 A JP 2017072673A JP 2018173588 A JP2018173588 A JP 2018173588A
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春佳 齋藤
Haruka Saito
春佳 齋藤
松木 智昭
Tomoaki Matsuki
智昭 松木
勝好 原田
Katsuyoshi Harada
勝好 原田
泰之 添田
Yasuyuki Soeda
泰之 添田
加藤 久博
Hisahiro Kato
久博 加藤
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Abstract

【課題】高温環境下における光学性能の信頼性に優れた光学部品を提供する。【解決手段】本発明の光学部品は、環状オレフィン系共重合体(A)および親水剤を含む。そして、上記環状オレフィン系共重合体(A)は、炭素原子数が2〜20のα−オレフィンと[I]で示されるテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン類とのランダム共重合体であり、上記テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン類が[I−A]で示されるエンド体(I−A)と[I−B]で示されるエキソ体(I−B)を含み、上記エキソ体(I−B)の含有量に対する上記エンド体(I−A)の含有量のモル比((I−A)/(I−B))が0/100以上60/40以下であり、上記テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン類から導かれる構成単位が[II]で示される構造である。【選択図】なし

Description

本発明は、光学部品に関する。
環状オレフィン系共重合体は光学性能に優れるため、例えば、光学レンズ等の光学部品として用いられている。
光学部品に用いられる環状オレフィン系共重合体に関する技術としては、例えば、特許文献1(特開平5−320258号公報)および特許文献2(特公平7−13084号公報)に記載のものが挙げられる。
特許文献1および2には光学部品に用いられる環状オレフィン系共重合体が開示されている。
特開平5−320258号公報 特公平7−13084号公報
近年、車載カメラレンズや携帯機器(携帯電話、スマートフォン、タブレット等)用のカメラレンズの需要が高まっている。車載カメラレンズや携帯機器用のカメラレンズには高い耐熱性が要求される。そのため、光学部品用途において、高温環境下における光学性能の信頼性のさらなる向上が求められている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、高温環境下における光学性能の信頼性に優れた光学部品を提供するものである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した。その結果、環状オレフィン系共重合体を構成する環状オレフィンとして、エキソ体の比率を高めたテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン類を使用することで、環状オレフィン系共重合体の耐熱性を高めることができ、さらに耐熱性を高めた環状オレフィン系共重合体と親水剤とを併用することで、得られる光学部品の高温環境下における光学性能の信頼性を向上できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明によれば、以下に示す光学部品が提供される。
[1]
環状オレフィン系共重合体(A)および親水剤を含む光学部品であって、
上記環状オレフィン系共重合体(A)は、炭素原子数が2〜20のα−オレフィンと下記式[I]で示されるテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン類とのランダム共重合体であり、
上記テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン類が下記式[I−A]で示されるエンド体(I−A)と下記式[I−B]で示されるエキソ体(I−B)を含み、上記エキソ体(I−B)の含有量に対する上記エンド体(I−A)の含有量のモル比((I−A)/(I−B))が0/100以上60/40以下であり、
上記テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン類から導かれる構成単位が下記式[II]で示される構造である光学部品。
Figure 2018173588
(上記式[I]、R〜R12はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素、炭化水素基またはハロゲンであり、またR(またはR10)とR11(またはR12)とは互いに連結して環を形成していてもよい。)
Figure 2018173588
Figure 2018173588
Figure 2018173588
(上記式[II]、R〜R12はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素、炭化水素基またはハロゲンであり、またR(またはR10)とR11(またはR12)とは互いに連結して環を形成していてもよい。)
[2]
上記[1]に記載の光学部品において、
上記環状オレフィン系共重合体(A)のガラス転移温度が155℃を超えて190℃以下の範囲にある光学部品。
[3]
上記[1]または[2]に記載の光学部品において、
上記親水剤が脂肪酸とエーテル基を1つ以上有する多価アルコールとの脂肪酸エステルを含む光学部品。
[4]
上記[3]に記載の光学部品において、
上記脂肪酸エステルがグリセリン脂肪酸エステルを含む光学部品。
[5]
上記[1]乃至[4]のいずれか一つに記載の光学部品において、
上記光学部品中の上記環状オレフィン系共重合体(A)の含有量を100質量部としたとき、上記光学部品中の上記親水剤の含有量が0.05質量部以上1.5質量部以下である光学部品。
[6]
上記[1]乃至[5]のいずれか一つに記載の光学部品において、
上記環状オレフィン系共重合体(A)中の全構成単位の合計を100モル%としたとき、上記α−オレフィンから導かれる構成単位(a1)の含有量が20モル%以上90モル%以下であり、上記テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン類から導かれる構成単位(a2)の含有量が10モル%以上80モル%以下である光学部品。
[7]
上記[1]乃至[6]のいずれか一つに記載の光学部品において、
上記テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン類がテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンを含む光学部品。
[8]
上記[1]乃至[7]のいずれか一つに記載の光学部品において、
上記α−オレフィンがエチレンを含む光学部品。
[9]
上記[1]乃至[8]のいずれか一つに記載の光学部品において、
fθレンズ、撮像レンズ、センサーレンズ、プリズム、プロジェクタレンズまたは導光板である光学部品。
[10]
上記[1]乃至[9]のいずれか一つに記載の光学部品において、
車載カメラレンズまたは携帯機器用カメラレンズである光学部品。
本発明によれば、高温環境下における光学性能の信頼性に優れた光学部品を提供することができる。
以下、本発明を実施形態に基づいて説明する。なお、本実施形態では、数値範囲を示す「A〜B」は特に断りがなければ、A以上B以下を表す。
[光学部品]
まず、本発明に係る実施形態の光学部品について説明する。
本実施形態に係る光学部品は、環状オレフィン系共重合体(A)および親水剤を含む。そして、環状オレフィン系共重合体(A)は、炭素原子数が2〜20のα−オレフィンと下記式[I]で示されるテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン類とのランダム共重合体である。上記テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン類は下記式[I−A]で示されるエンド体(I−A)と下記式[I−B]で示されるエキソ体(I−B)を含み、上記エキソ体(I−B)の含有量に対する上記エンド体(I−A)の含有量のモル比((I−A)/(I−B))が0/100以上60/40以下である。
また、上記テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン類から導かれる構成単位は下記式[II]で示される構造である。
Figure 2018173588
(上記式[I]、R〜R12はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素、炭化水素基またはハロゲンであり、またR(またはR10)とR11(またはR12)とは互いに連結して環を形成していてもよい。)
Figure 2018173588
Figure 2018173588
Figure 2018173588
(上記式[II]、R〜R12はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素、炭化水素基またはハロゲンであり、またR(またはR10)とR11(またはR12)とは互いに連結して環を形成していてもよい。)
本発明者らの検討によれば、環状オレフィン系共重合体を構成する環状オレフィンとして、エキソ体の比率を高めたテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン類を使用することで、環状オレフィン系共重合体の耐熱性を高めることができ、さらに耐熱性を高めた環状オレフィン系共重合体と親水剤とを併用することで、得られる光学部品の高温環境下における光学性能の信頼性を向上できることを見出した。
すなわち、本実施形態に係る光学部品によれば、エキソ体の比率が上記範囲にあるテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン類を使用した環状オレフィン系共重合体(A)と、親水剤とを含むことにより、高温環境下における光学性能の信頼性を良好にすることができる。
この理由は明らかではないが、エキソ体の比率が上記範囲にあるテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン類を使用した環状オレフィン系共重合体(A)はガラス転移温度が高く耐熱性に優れるため、この環状オレフィン系共重合体(A)を含む光学部品は、高温環境下において、熱収縮等の形状変化が小さいからだと考えられる。熱収縮等の形状変化が小さいため、屈折率の変化が小さくなり、その結果、高温環境下における光学性能の信頼性を向上できると考えられる。
また、本実施形態に係る光学部品は親水剤を含むことにより、光学部品内に吸収された水が分散され、光学性能の劣化を引き起こす水の凝集が抑制されると推察される。光学性能の劣化を引き起こす水の凝集が抑制された結果、高温条件下における光学性能の劣化が抑制されると考えられる。
以上の理由から、本実施形態に係る光学部品は環状オレフィン系共重合体(A)と親水剤との相乗効果により高温環境下における光学性能の信頼性が良好であると考えられる。
本実施形態に係る光学部品中の環状オレフィン系共重合体(A)および親水剤の合計含有量の下限は、光学部品の全体を100質量%としたとき、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上である。本実施形態に係る光学部品中の環状オレフィン系共重合体(A)および親水剤の合計含有量が上記下限値以上であることにより、高温環境下における光学性能の信頼性をより一層良好にすることができる。
本実施形態に係る光学部品中の環状オレフィン系共重合体(A)および親水剤の合計含有量の上限は特に限定されないが、例えば、100質量%以下である。
本実施形態に係る光学部品は環状オレフィン系共重合体(A)を含むため、光学性能に優れている。そのため像を高精度に識別する必要がある光学系において、光学部品として好適に用いることができる。光学部品とは光学系機器等に使用される部品であり、具体的には、センサーレンズ、ピックアップレンズ、プロジェクタレンズ、プリズム、fθレンズ、撮像レンズ、導光板、プロジェクタレンズ等が挙げられ、本実施形態に係る効果の観点から、fθレンズ、撮像レンズ、センサーレンズ、プリズム、プロジェクタレンズまたは導光板に好適に用いることができる。
また、本実施形態に係る光学部品は高温環境下における光学性能の信頼性に優れるため、車載カメラレンズや携帯機器(携帯電話、スマートフォン、タブレット等)用のカメラレンズ等の耐熱性が求められる光学部品にとりわけ好適に用いることができる。車載カメラレンズや携帯機器用カメラレンズとしては、例えば、ビューカメラレンズ、センシングカメラレンズ、ヘッドアップディスプレイの光収束用レンズ、ヘッドアップディスプレイの光拡散用レンズ等が挙げられる。
以下、各成分について具体的に説明する。
(環状オレフィン系共重合体(A))
環状オレフィン系共重合体(A)は、炭素原子数が2〜20のα−オレフィンと下記式[I]で示されるテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン類とのランダム共重合体である。上記テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン類は下記式[I−A]で示されるエンド体(I−A)と下記式[I−B]で示されるエキソ体(I−B)を含み、上記エキソ体(I−B)の含有量に対する上記エンド体(I−A)の含有量のモル比((I−A)/(I−B))が0/100以上60/40以下であり、好ましくは0/100以上40/60以下であり、より好ましくは0/100以上30/70以下、特に好ましくは0/100以上20/80以下である。
また、上記テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン類から導かれる構成単位は下記式[II]で示される構造である。
Figure 2018173588
(上記式[I]、R〜R12はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素、炭化水素基またはハロゲンであり、またR(またはR10)とR11(またはR12)とは互いに連結して環を形成していてもよい。)
Figure 2018173588
Figure 2018173588
Figure 2018173588
(上記式[II]、R〜R12はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素、炭化水素基またはハロゲンであり、またR(またはR10)とR11(またはR12)とは互いに連結して環を形成していてもよい。)
上記テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン類としては、特許第2795486号公報の表1に記載の化合物を用いることができる。
また、上記炭化水素基としては、例えば、8−メチル、8−エチル、8−プロピル、8−ブチル、8−イソブチル、8−ヘキシル、8−シクロヘキシル、8−ステアリル、5,10−ジメチル、2,10−ジメチル、8,9−ジメチル、8−エチル−9−メチル、11,12−ジメチル、2,7,9−トリメチル、2,7−ジメチル−9−エチル、9−イソブチル−2,7−ジメチル、9,11,12−トリメチル、9−エチル−11,12−ジメチル、9−イソブチル−11,12−ジメチル、5,8,9,10−テトラメチル、8−エチリデン、8−エチリデン−9−メチル、8−エチリデン−9−エチル、8−エチリデン−9−イソプロピル、8−エチリデン−9−ブチル、8−n−プロピリデン、8−n−プロピリデン−9−メチル、8−n−プロピリデン−9−エチル、8−n−プロピリデン−9−イソプロピル、8−n−プロピリデン−9−ブチル、8−イソプロピリデン、8−イソプロピリデン−9−メチル、8−イソプロピリデン−9−エチル、8−イソプロピリデン−9−イソプロピル、8−イソプロピリデン−9−ブチル、8−クロロ、8−ブロモ、8−フルオロ、8,9−ジクロロ、8−フェニル、8−メチル−8−フェニル、8−ベンジル、8−トリル、8−(エチルフェニル)、8−(イソプロピルフェニル)、8,9−ジフェニル、8−(ビフェニル)、8−(β−ナフチル)、8−(α−ナフチル)、8−(アントラセニル)、5,6−ジフェニル等が挙げられる。
上記テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン類は1種類を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、本実施形態に係る光学部品の耐熱性および光学性能のバランスをさらに向上させる観点から、上記テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン類としては、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンが好ましい。
本実施形態に係る環状オレフィン系共重合体(A)を構成する全構成単位の合計を100モル%としたとき、上記テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン類から導かれる構成単位(a2)の含有量は、好ましくは10モル%以上80モル%以下、より好ましくは20モル%以上70モル%以下、さらに好ましくは30モル%以上60モル%以下である。
上記テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン類由来の構成単位(a2)の含有量が上記下限値以上であることにより、得られる光学部品の透明性等を向上させることができる。また、上記テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン類由来の構成単位(a2)の含有量が上記上限値以下であることにより、得られる光学部品の耐熱性や寸法安定性を向上させることができる。
環状オレフィン系共重合体(A)を構成する炭素原子数が2〜20であるα−オレフィンは直鎖状でも分岐状でもよい。このようなα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等の炭素原子数が2〜20の直鎖状α−オレフィン;4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン等の炭素原子数が4〜20の分岐状α−オレフィン等が挙げられる。これらの中でも、炭素原子数が2〜4の直鎖状α−オレフィンが好ましく、エチレンが特に好ましい。このようなα−オレフィンは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態に係る環状オレフィン系共重合体(A)を構成する全構成単位の合計を100モル%としたとき、上記α−オレフィンから導かれる構成単位(a1)の含有量は、好ましくは20モル%以上90モル%以下、より好ましくは30モル%以上80モル%以下、さらに好ましくは40モル%以上70モル%以下である。
上記α−オレフィン由来の構成単位(a1)の含有量が上記下限値以上であることにより、得られる光学部品の耐熱性や寸法安定性を向上させることができる。また、上記α−オレフィン由来の構成単位(a1)の含有量が上記上限値以下であることにより、得られる光学部品の透明性等を向上させることができる。
本実施形態において環状オレフィン系共重合体(A)は1種類を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態において環状オレフィン系共重合体(A)は、例えば、特許第2795486号公報等の方法に従い適宜条件を選択することにより製造することができる。
本実施形態に係る環状オレフィン系共重合体(A)のガラス転移温度(Tg)は155℃を超えて190℃以下の範囲にあることが好ましく、155℃を超えて180℃以下の範囲にあることがより好ましい。環状オレフィン系共重合体(A)のガラス転移温度(Tg)が上記範囲であると、耐熱性が求められる光学部品として使用する際に、十分な耐熱性を得ることができるとともに、良好な成形性を得ることができる。
本実施形態に係る環状オレフィン系共重合体(A)のガラス転移温度(Tg)は、例えば、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定することができる。例えば、島津サイエンス社製DSC−6220を用いて窒素雰囲気下で常温から10℃/分の昇温速度で200℃まで昇温した後に5分間保持し、次いで10℃/分の降温速度で−20℃まで降温した後に5分保持し、次いで10℃/分の昇温速度で200℃まで昇温する際にガラス転移温度を測定することができる。
本実施形態に係る環状オレフィン系共重合体(A)の極限粘度[η](135℃デカリン中)は、例えば0.05〜10.0dl/gであり、好ましくは0.2〜5.0dl/gであり、さらに好ましくは0.3〜3.0dl/g、特に好ましくは0.4〜2.0dl/gである。
極限粘度[η]が上記下限値以上であると、得られる光学部品の機械的強度を向上させることができる。また、極限粘度[η]が上記上限値以下であると、環状オレフィン系共重合体(A)の成形性を向上させることができる。
(親水剤)
本実施形態に係る光学部品は親水剤を含む。親水剤としては、例えば、脂肪酸とエーテル基を1つ以上有する多価アルコールとの脂肪酸エステル等が挙げられる。なお、多価アルコールのエーテル基は、エステル基中のエーテル基を含まない。これらの中でも脂肪酸とエーテル基を1つ以上有する多価アルコールとの脂肪酸エステルが好ましい。
脂肪酸とエーテル基を1つ以上有する多価アルコールとの脂肪酸エステルを含むことにより、高温高湿条件下における光学性能の劣化を抑制することができる。
この理由は明らかではないが、以下の理由が考えられる。まず、上記脂肪酸エステルは、水酸基、エーテル基、カルボニル基のような親水性の官能基を有する。そのため、高温高湿条件下で成形した場合であっても、光学部品内に吸収された水が分散され、光学性能の劣化を引き起こす水の凝集が抑制されると推察される。光学性能の劣化を引き起こす水の凝集が抑制された結果、高温高湿条件下における光学性能の劣化が抑制されると考えられる。
エーテル基を1つ以上有する多価アルコールとしては、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ソルビタン等を挙げることができる。これらの中でもジグリセリンおよびトリグリセリンが好ましい。
本実施形態において、脂肪酸エステルはグリセリン脂肪酸エステルが好ましく、ジグリセリン脂肪酸エステルおよびトリグリセリン脂肪酸エステルから選択される少なくとも一種がより好ましい。ジグリセリン脂肪酸エステルは、ジグリセリンに含まれる4つのヒドロキシ基の少なくとも1つが脂肪酸とエステル化したものである。トリグリセリン脂肪酸エステルは、トリグリセリンに含まれる5つのヒドロキシ基の少なくとも1つが脂肪酸とエステル化したものである。
脂肪酸としては、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の飽和脂肪酸;クロトン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、ガドレイン酸、エイコセン酸等のモノ不飽和脂肪酸;リノール酸、エイコサジエン酸、ドコサジエン酸等のジ不飽和脂肪酸;リノレン酸、ピノレン酸、エレオステアリン酸、エイコサトリエン酸等のトリ不飽和脂肪酸;ステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサテトラエン酸等のテトラ不飽和脂肪酸;等を挙げることができる。
ジグリセリン脂肪酸エステルとしては、ジグリセリンモノカプリレート、ジグリセリンジカプリレート、ジグリセリンモノカプレート、ジグリセリンジカプレート、ジグリセリンモノラウレート、ジグリセリンジラウレート、ジグリセリンモノミリステート、ジグリセリンジミリステート、ジグリセリンモノパルミテート、ジグリセリンジパルミテート、ジグリセリンモノステアレート、ジグリセリンジステアレート、ジグリセリンモノベヘネート、ジグリセリンジベヘネート等のジグリセリン飽和脂肪酸エステル;ジグリセリンモノオレート、ジグリセリンジオレート、等のジグリセリン不飽和脂肪酸エステル;等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態において、ジグリセリン脂肪酸エステルは、ジグリセリンと、上記から選択される炭素数12〜18の飽和または不飽和脂肪酸とのエステルであることが好ましい。
トリグリセリン脂肪酸エステルとしては、トリグリセリンモノカプリレート、トリグリセリンジカプリレート、トリグリセリントリカプリレート、トリグリセリンモノカプレート、トリグリセリンジカプレート、トリグリセリントリカプレート、トリグリセリンモノラウレート、トリグリセリンジラウレート、トリグリセリントリラウレート、トリグリセリンモノミリステート、トリグリセリンジミリステート、トリグリセリントリミリステート、トリグリセリンモノパルミテート、トリグリセリンジパルミテート、トリグリセリントリパルミレート、トリグリセリンモノステアレート、トリグリセリンジステアレート、トリグリセリントリステアレート、トリグリセリンモノベヘネート、トリグリセリンジベヘネート、トリグリセリントリベヘネート等のトリグリセリン飽和脂肪酸エステル;トリグリセリンモノオレート、トリグリセリンジオレート、トリグリセリントリオレート等のトリグリセリン不飽和脂肪酸エステル;等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態に係るグリセリン脂肪酸エステルは、トリグリセリンまたはジグリセリンと炭素数8以上24以下の飽和または不飽和脂肪酸とのエステルを含むことが好ましく、トリグリセリンまたはジグリセリンと炭素数12以上18以下の飽和または不飽和脂肪酸とのエステルを含むことがより好ましい。
本実施形態に係る光学部品において、光学部品中の環状オレフィン系重合体(A)を100質量部としたとき、光学部品中の上記親水剤の含有量の下限は、高温高湿条件下における光学性能の劣化をより一層抑制する観点から、0.05質量部以上であることが好ましく、0.1質量部以上であることがより好ましく、0.2質量部以上であることがさらに好ましく、0.3質量部以上であることが特に好ましい。
また、上記親水剤の含有量の上限は、成形時の親水剤のガス化量を抑制する観点から、1.5質量部以下であることが好ましく、1.2質量部以下であることがより好ましく、1.0質量部以下であることがさらに好ましい。
本実施形態に係るグリセリン脂肪酸エステルとしては、モノエステル単独、モノエステルとジエステルとの混合物またはモノエステルとジエステルとトリエステルとの混合物等を挙げることができる。
(その他の成分)
本実施形態に係る光学部品には、環状オレフィン系重合体(A)および上記親水剤以外に、本実施形態に係る光学部品の良好な物性を損なわない範囲内で任意成分として公知の添加剤を含有させることができる。
添加剤としては、例えば、酸化防止剤、二次抗酸化剤、滑剤、離型剤、防曇剤、耐候安定剤、耐光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、金属不活性化剤等が挙げられる。
本実施形態に係る光学部品は、環状オレフィン系重合体(A)および親水剤を含む環状オレフィン系樹脂組成物を所定の形状に成形することにより得ることができる。環状オレフィン系樹脂組成物を成形して光学部品を得る方法としては特に限定されるものではなく、公知の方法を用いることができる。その用途および形状にもよるが、例えば、押出成形、射出成形、インフレーション成形、ブロー成形、押出ブロー成形、射出ブロー成形、プレス成形、真空成形、パウダースラッシュ成形、カレンダー成形、発泡成形等が適用可能である。これらの中でも、成形性、生産性の観点から射出成形法が好ましい。また、成形条件は使用目的、または成形方法により適宜選択されるが、例えば射出成形における樹脂温度は、通常150℃〜400℃、好ましくは200℃〜350℃、より好ましくは230℃〜330℃の範囲で適宜選択される。
本実施形態に係る環状オレフィン系樹脂組成物は、例えば、環状オレフィン系重合体(A)、親水剤および必要に応じて添加されるその他の成分を、押出機およびバンバリーミキサー等の公知の混練装置を用いて溶融混練する方法;環状オレフィン系重合体(A)、親水剤および必要に応じて添加されるその他の成分を共通の溶媒に溶解した後、溶媒を蒸発させる方法;貧溶媒中に環状オレフィン系重合体(A)、親水剤および必要に応じて添加されるその他の成分の溶液を加えて析出させる方法;等の方法により得ることができる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
また、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより何等制限されるものではない。
<環状オレフィン系共重合体(A)の製造>
[製造例1]
攪拌装置を備えた容積500mLのガラス製反応容器に不活性ガスとして窒素を50NL/hの流量で30分間流通させた。次いで、シクロヘキサン300mL、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(以下、テトラシクロドデセンとも呼ぶ。)(エキソ体の比率:98モル%、54.7mmol)、エチルアルミニウムセスキクロリド(Al(C1.5Cl1.5)シクロヘキサン溶液(0.15mmol、濃度1.0mM/mL)をガラス製反応容器にそれぞれ加えた。
次いで、回転数600rpmで重合溶媒を攪拌しながら溶媒温度を25℃に維持した。溶媒温度が所定の温度に達した後、流通ガスを窒素からエチレンに切り替え、エチレンを50NL/h、水素を8NL/hの供給速度で反応容器に流通させ、10分経過した後に、VO(OC)Clのシクロヘキサン溶液(0.0025mmol)をガラス製反応容器に添加し、重合を開始させた。
5分間経過した後メタノールを5mL添加して重合を停止させ、エチレンとテトラシクロドデセンとの共重合体を含む重合溶液を得た。その後、重合溶液を別に用意した容積2Lのビーカーに移液し、さらに濃塩酸5mLと攪拌子を加え、強攪拌下で2時間接触させ脱灰操作を行った。この重合液に対して体積で約3倍のアセトンを入れたビーカーに脱灰後の重合溶液を攪拌下で加えて共重合体を析出させ、さらに析出した共重合体を濾過により濾液と分離した。得られた溶媒を含む重合体を130℃で10時間減圧乾燥を行い、白色パウダー状のエチレンとテトラシクロドデセンとの共重合体(環状オレフィン系共重合体(A−1)0.481gを得た。得られた環状オレフィン系共重合体(A−1)の組成、ガラス転移温度および極限粘度[η]を表1にそれぞれ示す。
[製造例2〜6]
VO(OC)Clの添加量、水素の供給量、テトラシクロドデセン中のエキソ体の比率等を表1に記載の値に変更した以外は、製造例1と同様に操作を行い、表1に記載の量のエチレンとテトラシクロドデセンとの共重合体(環状オレフィン系共重合体(A−2)〜(A−6))をそれぞれ得た。
得られた環状オレフィン系共重合体(A−2)〜(A−6)の組成、ガラス転移温度および極限粘度[η]を表1にそれぞれ示す。
Figure 2018173588
表1から理解できるように、エキソ体の比率が40モル%以上の製造例1〜5の環状オレフィン系共重合体の(A−2)〜(A−5)はガラス転移温度がいずれも155℃を超えており、耐熱性に優れていた。これに対し、エキソ体の比率が40モル%未満の製造例5および6の環状オレフィン系共重合体(A−6)はガラス転移温度が155℃以下であり、耐熱性に劣っていた。
[製造例7]
(重合)
攪拌式重合器(反応容積100L)を用いて、エチレンとテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(エキソ体の比率:60モル%)との共重合反応を連続的に行った。
この共重合反応を行う際には、製造例1で用いたバナジウム触媒(VO(OC)Cl)を、重合溶媒として用いられた重合器内のシクロヘキサンに対するバナジウム触媒濃度が0.06ミリモル/Lになるような量で重合器内に供給した。また、有機アルミニウム化合物であるエチルアルミニウムセスキクロリド(Al(C1.5Cl1.5)を、Al/V=18.0になるような量で重合器内に供給した。また、エチレン、テトラシクロドデセンおよび水素をテトラシクロドデセン/エチレン比が5.8(質量比)、気相エチレン/水素比が1.5となるような量で重合器内に供給した。重合温度を10℃とし、重合圧力を0.3kg/cmG、として連続的に共重合反応を行った。
(脱灰)
重合器より抜出したエチレンとテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンとの共重合体の溶液に対して、メタノールおよびpH調節剤として濃度が15質量%のNaOH溶液を添加し重合反応を停止させた。また、共重合体中に存在する触媒残渣をこの共重合体溶液中から除去(脱灰)した(ポリマー溶液A)。
上記脱灰処理を行った、エチレンとテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンとの共重合体のシクロヘキサン溶液(ポリマー溶液A、ポリマー濃度7.7質量%)に安定剤としてペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を共重合体に対する添加量が共重合体100質量部に対して0.4質量部となるように添加した。
(脱溶媒)
熱源として290℃のホットオイルを用いた二重管式加熱器に、シクロヘキサン溶液中の共重合体の濃度を3質量%とした上記共重合体のシクロヘキサン溶液を120kg/hで供給して、260℃に加熱した(加熱工程)。熱源としてホットオイルを用いた二重管式フラッシュ乾燥器(容積15L)とフラッシュホッパー(容積330L)とを用いて、上記加熱工程を経た上記共重合体のシクロヘキサン溶液から重合溶媒であるシクロヘキサンとともに大半の未反応モノマーを除去することでフラッシュ乾燥された溶融状態のエチレンとテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンとのランダム共重合体(環状オレフィン系共重合体(A−7))を得た。環状オレフィン系共重合体(A−7)のガラス転移温度(Tg)は161℃であった。
(押出)
ベント付二軸混練押出機を用い、上記の溶融状態の環状オレフィンランダム共重合体(A−7)を押出機の樹脂装入部より装入した。次いで、ベント部分より揮発物を除去する目的で、トラップを介し真空ポンプで吸引した。次いで、押出機出口に取り付けられたペレタイザーによりペレット化して環状オレフィン系共重合体(A−7)を含む樹脂組成物A7を得た。
<実施例1>
製造例7で得た樹脂組成物A7と、蒸留ジグリセリン脂肪酸エステル(リケマールDO−100:理研ビタミン社製、環状オレフィン系共重合体(A−7)100質量部に対して0.9質量部の量)とを直接押出機に装入し、樹脂組成物A7と蒸留ジグリセリン脂肪酸エステルを含む樹脂組成物B1を得た。具体的には、同方向回転、スクリュー径44mmφ、樹脂装入部からL/D=24の位置にベント孔があるL/D=30の二軸押出機を用い、環状オレフィン系共重合体(A−7)を樹脂装入部より装入し、次いで、120℃で加温溶融させた蒸留ジグリセリン脂肪酸エステルをベント孔から装入し、スクリュー回転数150rpm、モータ動力30kWの条件で溶融混練し、樹脂組成物B1を得た。得られた樹脂組成物B1について、荷重たわみ温度(HDT)の評価をおこなった。得られた結果を表2に示す。
<比較例1>
[製造例8]
テトラシクロドデセン(エキソ体の比率:60モル%)の代わりにテトラシクロドデセン(エキソ体の比率:5モル%)を用いた以外は製造例7と同様にして環状オレフィン系共重合体(A−8)を製造し、次いで、環状オレフィン系共重合体(A−7)の代わりに環状オレフィン系共重合体(A−8)を用いた以外は製造例7と同様にして環状オレフィン系共重合体(A−8)を含む樹脂組成物A8を得た。環状オレフィン系共重合体(A−8)のガラス転移温度(Tg)は143℃であった。
実施例1において、樹脂組成物A7の代わりに製造例8で得られた樹脂組成物A8を用いた以外は同様にして樹脂組成物B2を得た。
得られた樹脂組成物B2について、荷重たわみ温度(HDT)の評価をおこなった。得られた結果を表2に示す。
Figure 2018173588
表2から理解できるように、エキソ体の比率が40モル%以上の環状オレフィンランダム共重合体(A−7)および親水剤であるジグリセリン脂肪酸エステルを含む実施例1の樹脂組成物B1は荷重たわみ温度が高く、高温環境下における信頼性により優れることが理解できる。
これに対し、エキソ体の比率が40モル%未満の環状オレフィンランダム共重合体(A−8)および親水剤であるジグリセリン脂肪酸エステルを含む比較例1の樹脂組成物B2は荷重たわみ温度が低く、高温環境下における信頼性により劣ることが理解できる。
(評価方法)
上記製造例、実施例および比較例で得られた環状オレフィン系共重合体および樹脂組成物について、以下の評価方法により評価した。
(1)極限粘度[η]
環状オレフィン系共重合体の極限粘度[η]は、135℃、デカリン中で測定した。
(2)ガラス転移温度Tg(℃)
島津サイエンス社製DSC−6220を用いてN(窒素)雰囲気下で測定した。常温から10℃/分の昇温速度で200℃まで昇温した後に5分間保持し、次いで10℃/分の降温速度で−20℃まで降温した後に5分間保持した。そして10℃/分の昇温速度で200℃まで昇温する際の吸熱曲線からガラス転移温度(Tg)を求めた。
(3)環状オレフィン系共重合体を構成する各構成単位の含有量の測定方法
環状オレフィンの含有量およびポリマー中のテトラシクロドデセンのエキソ体の比率は、日本電子社製「ECA500型」核磁気共鳴装置を用い、下記条件で測定することにより行った。
溶媒:重テトラクロロエタン
サンプル濃度:50〜100g/l−solvent
パルス繰り返し時間:5.5秒
積算回数:6000〜16000回
測定温度:120℃
上記のような条件で測定した13C−NMRスペクトルにより、テトラシクロドデセンの組成およびエキソ体の比率をそれぞれ定量した。
(4)[荷重たわみ温度(HDT)]
HDT試験機(東洋析機製作所社製、6A−2)を用いて、ASTM D648に準じて実施した。試験片はASTM用のHDT試験片(1/4インチ)を使用した。

Claims (10)

  1. 環状オレフィン系共重合体(A)および親水剤を含む光学部品であって、
    前記環状オレフィン系共重合体(A)は、炭素原子数が2〜20のα−オレフィンと下記式[I]で示されるテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン類とのランダム共重合体であり、
    前記テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン類が下記式[I−A]で示されるエンド体(I−A)と下記式[I−B]で示されるエキソ体(I−B)を含み、前記エキソ体(I−B)の含有量に対する前記エンド体(I−A)の含有量のモル比((I−A)/(I−B))が0/100以上60/40以下であり、
    前記テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン類から導かれる構成単位が下記式[II]で示される構造である光学部品。
    Figure 2018173588
    (上記式[I]、R〜R12はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素、炭化水素基またはハロゲンであり、またR(またはR10)とR11(またはR12)とは互いに連結して環を形成していてもよい。)
    Figure 2018173588
    Figure 2018173588
    Figure 2018173588
    (上記式[II]、R〜R12はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素、炭化水素基またはハロゲンであり、またR(またはR10)とR11(またはR12)とは互いに連結して環を形成していてもよい。)
  2. 請求項1に記載の光学部品において、
    前記環状オレフィン系共重合体(A)のガラス転移温度が155℃を超えて190℃以下の範囲にある光学部品。
  3. 請求項1または2に記載の光学部品において、
    前記親水剤が脂肪酸とエーテル基を1つ以上有する多価アルコールとの脂肪酸エステルを含む光学部品。
  4. 請求項3に記載の光学部品において、
    前記脂肪酸エステルがグリセリン脂肪酸エステルを含む光学部品。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光学部品において、
    前記光学部品中の前記環状オレフィン系共重合体(A)の含有量を100質量部としたとき、前記光学部品中の前記親水剤の含有量が0.05質量部以上1.5質量部以下である光学部品。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光学部品において、
    前記環状オレフィン系共重合体(A)中の全構成単位の合計を100モル%としたとき、前記α−オレフィンから導かれる構成単位(a1)の含有量が20モル%以上90モル%以下であり、前記テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン類から導かれる構成単位(a2)の含有量が10モル%以上80モル%以下である光学部品。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光学部品において、
    前記テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン類がテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンを含む光学部品。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の光学部品において、
    前記α−オレフィンがエチレンを含む光学部品。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の光学部品において、
    fθレンズ、撮像レンズ、センサーレンズ、プリズム、プロジェクタレンズまたは導光板である光学部品。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の光学部品において、
    車載カメラレンズまたは携帯機器用カメラレンズである光学部品。
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