JP2018172727A - リチウムイオン電池スクラップの処理方法 - Google Patents

リチウムイオン電池スクラップの処理方法 Download PDF

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【課題】複数個のリチウムイオン電池スクラップを効率的に焙焼処理するとともに、アルミニウムの脆化・微細化を有効に抑制することができるリチウムイオン電池スクラップの処理方法を提案する。【解決手段】この発明のリチウムイオン電池スクラップの処理方法は、リチウムイオン電池スクラップを処理する方法であって、複数個のリチウムイオン電池スクラップを、それぞれが互いに重なり合わないように配置し、当該リチウムイオン電池スクラップを加熱して焙焼処理する。【選択図】なし

Description

この発明は、リチウムイオン電池スクラップを処理する方法に関するものであり、特には、リチウムイオン電池スクラップに含まれる金属の回収に要するコストの増大を有効に抑制することのできる技術を提案するものである。
各種の電子デバイスをはじめとして多くの産業分野で使用されているリチウムイオン電池は、マンガン、ニッケルおよびコバルトを含有するリチウム金属塩を正極活物質として用い、その正極活物質を含む正極材及び負極材の周囲を、アルミニウムを含む筐体で包み込んだものであり、近年は、その使用量の増加および使用範囲の拡大に伴い、電池の製品寿命や製造過程での不良により廃棄される量が増大している状況にある。
かかる状況の下では、大量に廃棄されるリチウムイオン電池スクラップから、上記のニッケルおよびコバルト等の有価金属を、再利用するべく比較的低コストで容易に回収することが望まれる。
有価金属を回収するために、廃棄等されたリチウムイオン電池スクラップを処理するには、はじめに、リチウムイオン電池スクラップを焙焼することによって、内部に含まれる有害な電解液を除去して無害化する焙焼工程、及び、その後に破砕、篩別を順に行って、筐体や正極基材に含まれるアルミニウムをある程度除去する破砕・篩別工程を実施する。
次いで、破砕・篩別工程の篩下に得られる粉末状の電池粉を浸出液に添加して浸出し、そこに含まれ得るリチウム、ニッケル、コバルト、マンガン、銅、アルミニウム等を溶液中に溶解させる浸出工程を行う。
そしてその後、浸出工程で得られた浸出後液に溶解している各金属元素を分離させる回収工程を行う。ここでは、浸出後液に浸出しているそれぞれの金属を分離させるため、浸出後液に対し、分離させる金属に応じた複数段階の溶媒抽出もしくは中和等を順次に施し、さらには、各段階で得られたそれぞれの溶液に対して、逆抽出、電解、炭酸化その他の処理を施す。具体的には、まずアルミニウムを回収し、続いてマンガンおよび銅、そしてコバルト、その後にニッケルを回収して、最後に水相にリチウムを残すことで、各有価金属を回収することができる。
焙焼工程では、従来は、所定の耐熱性のコンテナに多数個のリチウムイオン電池スクラップを入れて、このコンテナを焼却炉内に配置し、コンテナごと多数個のリチウムイオン電池スクラップを加熱することとしていた。
しかるに、このようにしてコンテナを用いて焙焼処理を行うと、加熱時に、コンテナ内で多数個のリチウムイオン電池スクラップが重なり合いながら充填されていることに起因して、リチウムイオン電池スクラップの温度が所期する温度を超えて大きく上昇する。
それにより、リチウムイオン電池スクラップに含まれる正極集電体としてのアルミニウム箔等のアルミニウムが脆化し、その後の破砕によって微細な粉末状になるので、篩別後の篩下に得られる主として正極材からなる電池粉に、多くのアルミニウムが混入する。電池粉に混入したアルミニウムは、浸出工程で正極材とともに浸出液に溶解し、回収工程でそれの分離・除去が必要になって工数およびコストの増大を招く。
この発明は、このような問題に対処することを課題とするものであり、その目的とするところは、アルミニウムの脆化・微細化を有効に抑制することができるリチウムイオン電池スクラップの処理方法を提案することにある。
発明者は、上記の課題を解決するべく鋭意検討を行った結果、焼却炉内で、各リチウムイオン電池スクラップが互いに重なり合わないように該リチウムイオン電池スクラップを配置して加熱することにより、加熱時にリチウムイオン電池スクラップ自身から発生する熱の放散が促進されて、意図しない高温度にまで上昇することが抑えられ、その結果として、アルミニウムの脆化・微細化を有効に抑制できることを見出した。
このような知見の下、この発明のリチウムイオン電池スクラップの処理方法は、焼却炉内で、複数個のリチウムイオン電池スクラップを、それぞれが互いに重なり合わないように配置し、当該リチウムイオン電池スクラップを加熱して焙焼処理することにある。
ここで、複数個のリチウムイオン電池スクラップを配置するに当り、各リチウムイオン電池スクラップが「互いに重なり合わない」とは、リチウムイオン電池スクラップの筐体が有する複数の側面のうち、各リチウムイオン電池スクラップの最も面積の大きな側面どうしが25%以下の面積で接触していることを意味する。言い換えれば、複数個のリチウムイオン電池スクラップの少なくとも一組の、筺体の最も面積の大きな側面どうしが、25%を超える面積で接触している場合は、互いに重なり合って配置されているものとする。ある一個のリチウムイオン電池スクラップの筐体の最も面積の大きな側面に着目して、当該側面の、他の一個以上のリチウムイオン電池スクラップの筐体の最も面積の大きな側面との接触面積が25%以上である場合は、互いに重なり合っているものとする。
なお、他の側面は仮に互いに大きな面積で接触していても特に問わず、最も面積の大きな側面どうしの接触面積を確認することにより、互いに重なり合っているか否かを判断する。また、最も面積の大きな側面どうしの接触面積が0%である場合には、リチウムイオン電池スクラップどうしが互いに間隔をおいて離隔していることも含まれる。
この発明のリチウムイオン電池スクラップの処理方法では、リチウムイオン電池スクラップを、炉内搬送装置上に配置して焼却炉内で搬送しながら加熱し、複数個のリチウムイオン電池スクラップを連続して焙焼処理することが好ましい。
この場合、各リチウムイオン電池スクラップを、5分〜60分にわたって焼却炉内で搬送することが好ましい。
上記の炉内搬送装置は、焼却炉内に配置したベルトコンベアとすることが好適である。
この場合、前記ベルトコンベアとして、メッシュ状のステンレス製ベルトを有するものを用いることが好ましい。
またこの場合、焼却炉を固定床炉とし、前記ベルトコンベアが、リチウムイオン電池スクラップを前記固定床炉の開口部から内部に送る挿入側コンベア部と、挿入側コンベア部に続いて、リチウムイオン電池スクラップを前記固定床炉の内部で搬送する内側コンベア部と、内側コンベア部に続いて、リチウムイオン電池スクラップを前記固定床炉の内部から開口部に送る排出側コンベア部とを有することが好ましい。
なお、リチウムイオン電池スクラップを加熱する際の焼却炉内の温度は、200℃〜660℃とすることが好ましい。
この発明のリチウムイオン電池スクラップの処理方法によれば、焼却炉内で、複数個のリチウムイオン電池スクラップを、それぞれが互いに重なり合わないように配置し、当該リチウムイオン電池スクラップを加熱して焙焼処理することにより、アルミニウムの脆化・微細化を有効に抑制することができる。
この発明の一の実施形態に係るリチウムイオン電池スクラップの処理方法に用いることのできる炉内搬送装置の一例を模式的に示す焼却炉内の平面図である。 実施例の試験Aの時間の経過に伴うリチウムイオン電池スクラップの温度変化を示すグラフである。 実施例の試験Bの時間の経過に伴うリチウムイオン電池スクラップの温度変化を示すグラフである。
以下に、この発明の実施の形態について詳細に説明する。
この発明の一の実施形態に係るリチウムイオン電池スクラップの処理方法は、複数個のリチウムイオン電池スクラップを焙焼処理するに当り、焼却炉内で、複数個のリチウムイオン電池スクラップのそれぞれが互いに重なり合わないように、複数個のリチウムイオン電池スクラップを配置し、それらのリチウムイオン電池スクラップを加熱するものである。
(リチウムイオン電池)
この発明で対象とするリチウムイオン電池スクラップは、携帯電話その他の種々の電子機器等で使用され得るリチウムイオン電池が、電池製品の寿命や製造不良またはその他の理由によって廃棄されたものである。このようなリチウムイオン電池スクラップを対象として処理し、そこに含まれる金属を回収することで、資源の有効活用を図ることができる。
リチウムイオン電池スクラップは通常、その周囲を包み込む筐体として、アルミニウムを含む筐体を有する。この筐体としては、たとえば、アルミニウムのみからなるものや、アルミニウム及び鉄、アルミラミネート等を含むものがある。
また、リチウムイオン電池スクラップは、上記の筺体内に、リチウム、ニッケル、コバルト及びマンガンのうちの一種以上の単独金属酸化物又は、二種以上の複合金属酸化物等からなる正極活物質や、正極活物質が、たとえばポリフッ化ビニリデン(PVDF)その他の有機バインダー等によって塗布されて固着されたアルミニウム箔(正極集電体)を含むものとすることができる。その他に、リチウムイオン電池スクラップには、銅、鉄等が含まれる場合がある。
そしてまた、リチウムイオン電池スクラップには一般に、筺体内に電解液が含まれる。電解液としては、たとえば、エチレンカルボナート、ジエチルカルボナート等が使用されることがある。
筐体で包み込まれたリチウムイオン電池スクラップは、実質的に平面輪郭形状が正方形もしくは長方形状の直方体等の形状を有するものとすることができ、この場合、処理前の寸法として、たとえば、縦が40mm〜80mm、横が35mm〜65mm、厚みが4mm〜5mmのものを対象とすることができるが、この寸法のものに限定されない。
なお、リチウムイオン電池スクラップは筐体が円筒形のものもある。
(焙焼工程)
焙焼工程は、焼却炉内でリチウムイオン電池スクラップを加熱し、内部の電解液を燃焼除去して無害化するとともに、アルミニウム箔と正極材を結着させているバインダーを分解すること等を目的として行う。この焙焼工程を経ると、後工程の破砕・篩別時にアルミニウム箔と正極材との分離が促進されて、アルミニウムを有効に除去することができ、また、篩下に回収される正極材の回収率を高くすることができる。
ここで、リチウムイオン電池スクラップを加熱する際に、各リチウムイオン電池スクラップが互いに重なり合わないように、それらのリチウムイオン電池スクラップを配置することが肝要である。それにより、電解液の燃焼時にリチウムイオン電池スクラップが重なり合っていることに起因する、高温域への温度上昇が抑えられるで、アルミニウム箔等のアルミニウムの脆化を有効に防止することができる。その結果として、後工程でのアルミニウムの除去に要する手間及びコストを削減することができる。
具体的には、リチウムイオン電池スクラップのそれぞれの最も面積の大きな側面どうしの接触面積が25%以下となるように、複数個のリチウムイオン電池スクラップを配置する。なお、円筒形のリチウムイオン電池スクラップでは、外周面どうしが一方向(たとえば水平方向)で互いに接触して並んで配置されていてもよいが、この場合、前記一方向に対して傾斜ないし直交する方向(たとえば鉛直方向)で積層されないように配置することが好適である。
ここで、各リチウムイオン電池スクラップが互いに重なり合わないようにリチウムイオン電池スクラップを配置しつつも、多数個のリチウムイオン電池スクラップを効率的に処理するには、様々な手段を採用することができる。
たとえば、焼却炉内に多数段の棚状載置部を設けて、その各段のプレート部上に複数個のリチウムイオン電池スクラップを配置することにより、効率的な焙焼処理を実現可能である。なおこの場合、リチウムイオン電池スクラップを配置するプレート部は、メッシュ状等の通気性を有する形態とすることが好適である。
あるいは、主として焼却炉内に配置されて複数個のリチウムイオン電池スクラップを焼却炉内で搬送する炉内搬送装置を用いることが好ましい。それにより、従来のコンテナを用いた焙焼のようにリチウムイオン電池スクラップどうしを密集させなくても、多数個のリチウムイオン電池スクラップを連続して処理することができる。その結果として、効率的に焙焼処理を行うことが可能になってなお、密集による意図しない高い温度への上昇が防止されて、アルミニウムの脆化・微細化を抑制することができる。
炉内搬送装置は具体的には、所定のサイズのリチウムイオン電池スクラップを焼却炉内で搬送できるものであれば、ベルトコンベア、ローラーコンベアその他の種々のものを用いることができるが、なかでも、ベルトコンベアを用いることが、そのベルト上に多数個のリチウムイオン電池スクラップを広げて配置できる点で好ましい。
ベルトコンベア1は一般に、図1に例示するように、駆動輪2および少なくとも一個の従動輪3と、それらの駆動輪2および従動輪3に巻き掛けた無端環状のベルト4とを有する。この場合、ベルトコンベア1のベルト4上に、複数個のリチウムイオン電池スクラップが互いに重なり合わないように、それらを配置する。
ベルトコンベア1のベルト4については、リチウムイオン電池スクラップの焙焼のための焼却炉内の温度に耐え得る材質のものを選択する。
特にベルト4は、図示の例のように、ステンレス製でメッシュ状のものとすることが好ましい。それにより、リチウムイオン電池スクラップの発火に伴う局所的な加熱に起因するベルト4の変形による蛇行を抑制することができる。なお、メッシュ状のベルト4の目開きは、各種のリチウムイオン電池スクラップが落下しない程度の小さい寸法とする。
またベルトコンベア1は、焼却炉の内部IFで所定の時間にわたってリチウムイオン電池スクラップを搬送するように配置されたものであれば、その延在形態は特に問わない。
焼却炉は固定床炉であることが、新たな専用炉を設置するよりも経済的であることから好適であり、この場合、ベルトコンベア1は、図1に示すように、リチウムイオン電池スクラップを固定床炉の開口部Afから内部IFに送る挿入側コンベア部1aと、挿入側コンベア部1aに続いて、リチウムイオン電池スクラップを固定床炉の内部IFで搬送する内側コンベア部1bと、内側コンベア部1bに続いて、リチウムイオン電池スクラップを固定床炉の内部IFから開口部Afに送る排出側コンベア部1cとを有することが好ましい。
なお図1に示すところでは、挿入側コンベア部1aと内側コンベア部1bと排出側コンベア部1cとを、相互に別個のベルト4および駆動輪2で構成しているが、挿入側コンベア部1aと内側コンベア部1bとの境界部分、内側コンベア部1bと排出側コンベア部1cとの境界部分が途切れず、湾曲などして連続するものであってもよい。またここでは、挿入側コンベア部1a、内側コンベア部1bおよび排出側コンベア部1cがそれぞれ直線状に延びるものとしたが、途中で湾曲ないし屈曲するものであってもよい。
但し、図1に示すように、挿入側コンベア部1aと内側コンベア部1bと排出側コンベア部1cとを相互に分離させ、各コンベア部1a、1b、1cを直線状とした場合は、挿入側から排出側まで連続するU字型コンベアよりも一般的で、メンテナンスが容易であるという利点がある。
このようなベルトコンベア1等を用いて、リチウムイオン電池スクラップを焙焼する場合、焼却炉の内部IFの温度を200℃〜660℃とし、ベルトコンベア1上に配置されるリチウムイオン電池スクラップの各々が、焼却炉の内部IFで5分〜60分にわたって搬送されるように、ベルトコンベア1の延在形態、ベルト4の速度その他の条件を調整することが好ましい。これにより、リチウムイオン電池スクラップのアルミニウムの脆化を招くことなしに、内部の電解液の除去、バインダーの分解を有効に行うことができる。
焼却炉の内部IFの温度が200℃未満では、リチウムイオン電池スクラップの電解液の気化が十分に進まず、電解液の除去が不十分になるおそれがある。一方、この温度が6660℃を超える場合、アルミニウムが融解する懸念がある。
搬送時間を5分未満とすれば、電解液が内部に残留する可能性があり、また60分を超える時間とすることは、焙焼処理の効率向上の観点から問題がある。
より好ましくは、焼却炉の内部IFの温度を200℃〜300℃とし、ベルトコンベア1による搬送時間を10分〜30分とする。なお、この搬送時間は、図示の例を用いて説明すれば、リチウムイオン電池スクラップが挿入側コンベア部1aで焼却炉の開口部AFから内部IFに入ったときから、そのリチウムイオン電池スクラップが排出側コンベア部1cで焼却炉の内部IFから開口部AFに出てきたときまでの時間を意味する。
(破砕・篩別工程)
上記の焙焼工程で加熱された後のリチウムイオン電池スクラップは、この実施形態では、筺体から正極材及び負極材を取り出すための破砕及び、そこに含まれ得るアルミニウムの粉末を除去するための所定の篩による篩別に供される。それにより、篩上には、たとえば、アルミニウムや銅が残り、篩下には、アルミニウムや銅がある程度除去された電池粉を得ることができる。
リチウムイオン電池スクラップの破砕は、主として、リチウムイオン電池スクラップの筺体を破壊するとともに、正極活物質が塗布されたアルミニウム箔から正極活物質を選択的に分離させるために行う。
ここでは、種々の公知の装置ないし機器を用いることができるが、特に、リチウムイオン電池スクラップを切断しながら衝撃を加えて破砕することのできる衝撃式の粉砕機を用いることが好ましい。この衝撃式の粉砕機としては、サンプルミル、ハンマーミル、ピンミル、ウィングミル、トルネードミル、ハンマークラッシャ等を挙げることができる。なお、粉砕機の出口にはスクリーンを設置することができ、それにより、リチウムイオン電池スクラップは、スクリーンを通過できる程度の大きさにまで粉砕されると粉砕機よりスクリーンを通じて排出される。
破砕後のリチウムイオン電池は、適切な目開きの篩を用いて篩別される。これにより篩下に得られる電池粉には、上記の破砕によりアルミニウムから分離された細かい粉状の正極活物質が多く存在し、それよりも大きな粒状のアルミニウムはある程度除去されている。
特にここでは、上述した焙焼工程により、リチウムイオン電池スクラップに含まれるアルミニウムの脆化が抑制されるので、破砕の際には、アルミニウムそれほど微細にはならず、それにより、大部分のアルミニウムを篩上に残すことが可能になる。
なお、篩別後の篩下の電池粉に含まれるアルミニウムの含有量は、5質量%未満とすることが好ましい。
(浸出工程及び回収工程)
上記の破砕・篩別工程の後、電池粉を硫酸等の酸性溶液に添加して浸出させて得た浸出後液から、浸出後液中に溶解しているニッケル、コバルト、マンガン等を、溶媒抽出や中和等により回収することができる。
ここでは、上述した焙焼工程により、浸出後液に溶解した金属に、アルミニウムがほとんど含まれなくなることから、回収工程でのアルミニウムの分離除去に要する処理を簡略化ないし省略することができる。それにより、処理能率の向上および処理コストの低減を実現することができる。
次に、リチウムイオン電池スクラップを加熱する試験を実施したので、その内容を以下に説明する。但し、ここでの説明は単なる例示を目的とするものであって、それに限定されることを意図するものではない。
コンテナ内に多数のリチウムイオン電池スクラップを充填して加熱する従来の処理を模擬して、四個のリチウムイオン電池スクラップ(計200.0g)を重ね合わせ、これらを容器内に配置するとともに、上側から断熱材を敷設することで放熱を防止しながら、容器外部の下部から火を当てて加熱する試験Aを行った。
その結果、図2に示すように、リチウムイオン電池スクラップの温度は加熱初期から急激に上昇し、370℃で発煙が生じ、また420℃で発火して650℃に鎮火した。
また、リチウムイオン電池スクラップを重ね合わせずに炉内で搬送しながら加熱する処理を模擬して、一個のリチウムイオン電池スクラップ(50.0g)を、同様の容器内に配置し、断熱材を敷設しないことで放熱を促進させながら、同様に容器の下部から加熱する試験Bを行った。
その結果、図3に示すように、リチウムイオン電池スクラップの温度は緩やかに上昇し、発煙や発火は生じなかった。
上記の試験A及びBより、リチウムイオン電池スクラップを重ね合わせずに放熱を促進させることにより、リチウムイオン電池スクラップの温度の急増を防止できることが解かった。
1 ベルトコンベア(炉内搬送装置)
1a 挿入側コンベア部
1b 内部コンベア部
1c 排出側コンベア部
2 駆動輪
3 従動輪
4 ベルト
IF 焼却炉の内部
AF 焼却炉の開口部

Claims (7)

  1. リチウムイオン電池スクラップを処理する方法であって、焼却炉内で、複数個のリチウムイオン電池スクラップを、それぞれが互いに重なり合わないように配置し、当該リチウムイオン電池スクラップを加熱して焙焼処理する、リチウムイオン電池スクラップの処理方法。
  2. リチウムイオン電池スクラップを、炉内搬送装置上に配置して焼却炉内で搬送しながら加熱し、複数個のリチウムイオン電池スクラップを連続して焙焼処理する、請求項1に記載のリチウムイオン電池スクラップの処理方法。
  3. 各リチウムイオン電池スクラップを、5分〜60分にわたって焼却炉内で搬送する、請求項2に記載のリチウムイオン電池スクラップの処理方法。
  4. 前記炉内搬送装置を、焼却炉内に配置したベルトコンベアとする、請求項2又は3に記載のリチウムイオン電池スクラップの処理方法。
  5. 前記ベルトコンベアとして、メッシュ状のステンレス製ベルトを有するものを用いる、請求項4に記載のリチウムイオン電池スクラップの処理方法。
  6. 焼却炉を固定床炉とし、前記ベルトコンベアが、リチウムイオン電池スクラップを前記固定床炉の開口部から内部に送る挿入側コンベア部と、挿入側コンベア部に続いて、リチウムイオン電池スクラップを前記固定床炉の内部で搬送する内側コンベア部と、内側コンベア部に続いて、リチウムイオン電池スクラップを前記固定床炉の内部から開口部に送る排出側コンベア部とを有する、請求項4又は5に記載のリチウムイオン電池スクラップの処理方法。
  7. リチウムイオン電池スクラップを加熱する際の焼却炉内の温度を、200℃〜660℃とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のリチウムイオン電池スクラップの処理方法。
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