JPH10255861A - 廃棄物の処理方法 - Google Patents

廃棄物の処理方法

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JPH10255861A
JPH10255861A JP5953097A JP5953097A JPH10255861A JP H10255861 A JPH10255861 A JP H10255861A JP 5953097 A JP5953097 A JP 5953097A JP 5953097 A JP5953097 A JP 5953097A JP H10255861 A JPH10255861 A JP H10255861A
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electrode
laminate
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JP5953097A
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Yoshiki Tomioka
由喜 富岡
Tomiaki Furuya
富明 古屋
Kimihiro Tadauchi
仁弘 忠内
Naohiko Oyasato
直彦 親里
Takeshi Gotanda
武志 五反田
Hideo Kitamura
英夫 北村
Izuru Komatsu
出 小松
Masaru Hayashi
勝 林
Motoo Yabuki
元央 矢吹
Masataka Konuma
雅敬 小沼
Kazunari Harada
一成 原田
Satoshi Kanazawa
悟史 金澤
Kunihiko Sasaki
佐々木  邦彦
Yuko Baba
優子 馬場
Masaaki Morita
正明 森田
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Original Assignee
Toshiba Corp
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/84Recycling of batteries or fuel cells

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  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Separation Of Solids By Using Liquids Or Pneumatic Power (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 安全性が高く、かつ環境負荷の少ない実用的
な電池の廃棄処理方法の提供。 【解決手段】 回収した二次電池を解体する工程と、前
記解体した電池要素部などを洗浄する工程と、前記洗浄
した電池要素部を加熱処理する工程と、前記加熱処理し
た電池要素部の電極要素部の活物質層を剥離・分離して
粉砕化する工程と、前記活物質層の粉末を酸性液中に浸
して酸溶解成分を溶出させる工程と、前記酸溶液を不溶
解成分と分離する工程と、前記酸溶液中の金属成分を沈
殿・回収する工程を有することを特徴とする廃棄物の処
理方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物の処理方法
に係り、特に使用済みのリチウムイオン電池やニッケル
水素電池などの処理処理方法ないしリサイクル方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、ブック型コンピューターや携帯電
話といった電子機器用の電池の需要は飛躍的に急増して
いる。特に、リチウムイオン二次電池は、単位重量や単
位体積当たりの電池容量が大きく、電圧が高いといった
すぐれた特性を多く持っているため、小型化が進められ
ている電子機器用電源として不可欠の二次電池と考えら
れている。また、大気汚染が深刻化する米国カリフォル
ニア州では、1998年から電気自動車(EV)販売を促すプ
ログラムが始まる予定で、このバッテリー(電源)とし
ても、リチウムイオン二次電池は開発が進めらており、
さらなる需要・消費の急増が予想される。そして、電池
の消費量の増加は、必然的に、電池の大量廃棄処分(処
理)を招来するので、何らかの廃棄処理を要することに
なる。
【0003】しかしながら、リチウムイオン二次電池や
ニッケル水素二次電池などは、実用化が進められて年月
も浅いため、実用レベルの廃棄処理方法・手段も試行錯
誤の段階にあるのが実情である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記リチウ
ムイオン二次電池において、リチウムはイオン状では安
定であるが、メタル化すると反応性が高いため、安全面
からも廃棄されるリチウムイオン二次電池は集中回収
し、適格な方法で廃棄処理することが望まれる。すなわ
ち、リチウムイオン二次電池は、メタル状化すると高い
反応性を呈するリチウムを使用しているため、発火、爆
発の危険が高く、また、廃棄電池をそのまま焼却炉で融
解・分解処理など行うと、電池内部が高圧化して爆発の
危険性が高まるなどの問題がある。さらに、資源的にみ
ると、電極要素中のコバルトやニッケルなどの金属を回
収し、再利用する必要性も高く、一方では、電解液とし
て含まれるフッ素やリンが有害物質を副生成する可能性
も高いので、環境汚染を引き起こす恐れもあるため、よ
り適正な廃棄処理が望まれることになる。
【0005】なお、前記リチウムイオン二次電池など小
型電池の多くは、電池単体(電池本体)で使用されるる
場合と、複数個の電池本体を樹脂性のパッケージーでパ
ック化した構造で使用される場合がある。そして、廃棄
物が電池パックの場合、安全に処理して有用な資源を回
収するに当たっては、先ず、樹脂製パッケージを効率よ
く分離除去して、内部の電池本体を取り出す必要があ
る。ここで、電池本体を樹脂製パッケージから取り出す
(分離する)方法としては、人手作業でパッケージ接合
部から分解する手段もあるが、大量の廃棄処理に適さな
い。一方、廃棄電池パックをまとめて機械的に破砕し、
その後、風力、比重選別などを行う大量処理手段も考え
られるが、電池本体を傷つけたときに残留電圧によって
スパークしたりする恐れもある。
【0006】また、高機能化電子機器の場合を始め、多
くの分野で配線板が使用されている。そして、この配線
板は、通常、銅箔など有価金属類や半田などの金属、難
燃化剤などの無機物、樹脂類を素材として形成されてお
り、廃棄処理および回収・再使用を困難なものとしてい
る。特に、有害物質が含まれている場合は、有害物質を
拡散させずに回収、無害化する一方で、有価金属類など
回収することの困難さは、環境問題とともに資源の活用
上重要である。
【0007】廃配線板のリサイクルとして、その配線板
中の有機物を焙焼により除去し、銅箔や実装部品の金な
どを溶鉱炉で回収している。この方法は、大量処理がで
き、有価金属の回収に有効であるが、環境保全およびリ
サイクルの観点からは問題がある。すなわち、高温の炉
から廃棄物中に含まれる有害物質、たとえば低融点金属
である鉛化合物の蒸散や、不完全な燃焼によるダイオキ
シンなどの発生が懸念されている。一方、有機物や無機
物は単に燃焼され、スラグとして排出され、このスラグ
は、骨材としての利用も提案されているが、本来の原料
に比べ低付加価値で用途は狭い。
【0008】金属類、無機物、有機物を含む複合素材製
品を有効にリサイクルするためには、各素材本来のエネ
ルギーポテンシャルを低下させることなく分離・選別す
ることが好ましい。また、環境に対する負荷の小さい処
理という観点から、燃焼によらない分離技術が提案され
ている。たとえば分離のための前処理として、破砕およ
び粉砕を行って、粉砕した廃配線板を、比重、静電ある
いは渦電流選別により分離する方法(特開平7-251154号
公報、特開平7-100436号公報など)が知られている。
【0009】これらの分離手法は、燃焼によらないた
め、有害物質の拡散が抑えられ環境への負荷を低減させ
る点で有効であるが、分離を粉砕のみに頼っているた
め、分離効率に限界があり、金属類の回収率が低いだけ
でなく、分離した樹脂に金属類が不純物として多く混入
するので樹脂の再生・用途が狭くなるという問題点があ
った。
【0010】本発明は上記事情に対処してなされたもの
で、安全性が高く、かつ環境負荷の少ない実用的な電池
の廃棄処理方法の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、回収
した電池を解体する工程と、前記解体品を洗浄する工程
と、前記洗浄した解体品を加熱処理する工程と、前記加
熱処理した解体品の電極要素部の活物質層を剥離・分離
し、粉砕化する工程と、前記活物質層の粉末を酸性液中
に浸し、酸溶解成分を溶出させる工程と、前記酸溶液を
不溶解成分と分離する工程と、前記酸溶液中の金属成分
を沈殿・回収する工程を有することを特徴とする廃棄物
の処理方法である。
【0012】ここで、回収した電池とは、たとえばリチ
ウムイオン二次電池の単体、リード付き二次電池、回路
基板などを含む電池パック(パッケージ型電池)などが
挙げられる。また、その解体は、電池単体もしくは電池
パックから分離した電池単体の外装缶を切断などし、正
極、負極およびセパレータなどの電極要素構成部材を取
り出し、要すれば短冊状に切断分離することを意味す
る。なお、電極要素構成部材の取り出し分離は、電池の
外装缶を開口した後、液中(水、溶媒、酸やアルカリ性
液)に浸漬して、電極要素構成部材を浮力によって分離
する一方、前記浸漬処理に使用した液中の電解液成分で
ある6フッ化リン酸リチウム、エチレンカーボネート、
エルメチルカーボネートなどを濃縮・回収し、磁石によ
って前記液中に浮遊する金属成分を回収する方式を採る
こともできる。
【0013】さらに、前記解体品の洗浄は、メチルアル
コーやエチルアルコールなどのアルコール類、ケトン
類、もしくはアルコール水溶液などで行うこともでき、
この場合はその後の乾燥が容易になると同時に後の剥離
が容易になる。また、硝酸を洗浄液とすると、正極の基
板と合剤とを剥離することが可能となり、後の加熱を省
略できる。一方、アルカリ(たとえば水酸化ナトリウ
ム)を洗浄液とした場合は、正極の基板であるアルミニ
ウムのみ溶解し、剥離が不要となるので、加熱処理を同
様に省略できる。
【0014】また、この洗浄処理後、電極要素は合剤と
基材との剥離(分解)のため、残存する溶媒類やバイン
ダー成分を除去するため、たとえば40〜 400℃程度の温
度で加熱処理するが、この加熱処理に先だって、予め真
空乾燥処理を施し、電解液を除去しておくと、その後の
処理効率が上がるので望ましい。
【0015】なお、この加熱処理において、電極製造時
の温度(一般的には 100〜 200℃)よりも高温で、かつ
電極要素部(電極)のバインダー中のフッ素が揮発しな
い温度(PVdF: 400℃,フッ素ゴム: 300℃)以下で加
焼し、有機バインダー成分のみを揮散させることにり、
有害物の発生を押さえる一方、熱膨脹差によって電極支
持体と活物質層とが剥離し易くなる。
【0016】さらにまた、加熱処理した解体品の電極要
素部の活物質層を剥離・分離は、たとえば水中に電極要
素部を浸漬し、たとえば超音波振動を加えるか、あるい
は気泡を吹き付けるなどの外的な力を加え、剥離・分離
作用などを促進することが好ましい。ここでの剥離・分
離は、電池パッケージの一部を構成している配線基板の
分解・処理なども対象とすることができる。そして、そ
の場合に対処して、絶縁基板を異なる応力歪みを与える
材料の積層構造とし、一定の応力異常で降伏して内部破
壊を起こし易いようにしておくことが望ましい。
【0017】また、活物質層の粉末中の酸溶解成分を溶
出させる酸性液は、電極要素部中のたとえばリチウム、
コバルト、ニッケルなどを溶解ないしイオン化するもの
で、一般的には塩酸 0.1〜60%水溶液、硝酸の 0.1〜60
%水溶液などが挙げられる。そして、分離した不溶解成
分(有機物成分)は、水などで洗浄し、酸を洗い流して
回収するとともに、前記酸溶液中の金属成分は、イオン
交換樹脂などを用いて金属を付着(沈殿的に)分離・回
収するか、あるいは金属成分を沈殿化させて分離・回収
する。
【0018】請求項2の発明は、回収した電池を放電処
理する工程と、前記放電処理した電池を解体する工程
と、前記解体品を洗浄する工程と、前記洗浄した解体品
を加熱処理する工程と、前記加熱処理した解体品の電極
要素部の活物質層を剥離・分離し、粉砕化する工程と、
前記活物質層の粉末を酸性液中に浸し、酸溶解成分を溶
出させる工程と、前記酸溶液を不溶解成分と分離する工
程と、前記酸溶液中の金属成分を沈殿・回収する工程を
有することを特徴とする廃棄物の処理方法である。 請
求項3の発明は、請求項2記載の廃棄物の処理方法にお
いて、回収した電池の放電処理工程は、一方の電池電極
端子にその電極集電体と同一材質の導体を導電性物質を
介して接続し、イオン化傾向差による放電で行うことを
特徴とする。 この発明においては、より安全に、廃棄
のために回収した電池を処理するため、予め放電処理を
行う工程を付加したものである。つまり、充電状態にあ
る二次電池をそのまま解体すると、短絡を引き起こして
電池内の有機物が発火する恐れがあるため、事前に放電
処理しておくことが望まれる。この放電処理としては、
次のような手段が挙げられる。
【0019】たとえば過充電によって電池内部で炭酸
ガスが発生し、安全装置が作動して正極リードが切断し
ている場合は、電池外部をたとえば 0℃に冷却して、も
しくは圧縮ポンプなどによる外部からの圧縮で、電池内
部の炭酸ガスを液化して安全装置を復活させる。
【0020】上記の手段を実行できる設備を装着し
た専用の電池回収ボックスを用いて、回収した電池を運
搬・搬送する過程、もしくは回収した電池を保管してい
る過程で、所要の放電処理を行う。
【0021】回収した電池を、その電極要素部中の電
解液と同種の電解液あるいは非水系溶媒中に浸漬し、電
池の自然放電を促す。このとき、浸漬する電解液に電極
を設置し、かつ抵抗を接続することにより放電は、さら
に助長される。
【0022】回収した電池が過充電状態もしくは過放
電状態の場合、一方の電池電極端子に、その電極集電体
と同一材質の導体を導電性物質を介して接続し、イオン
化傾向差による放電で行う。ここで、電極集電体は、た
とえば正極側がアルミニウム、負極側が銅であり、イオ
ン化傾向差の大きい場合が好ましい。
【0023】たとえば、負極側にリチウム金属が析出し
ている場合と析出していない場合において、正極および
負極を短絡させない状態もしくは電池が動作しない状態
で、負極側を別の電解液に浸漬された金属に接続したと
きの挙動を観察すると、次のような現象が認められる。
すなわち、負極側にリチウム金属が析出している(過充
電)状態では、電解液に浸漬された金属に、その電解液
中にイオンとして存在する金属が析出し、重量が増大し
ていき、一定の電圧下では流れる電流値も緩やかに減少
し、ある時間を経過すると、前記金属の析出もほとんど
止まり、電流値も急激に低下する。この現象は、標準電
極電位で金属を比較してみると、二次電池の負極側が半
電池として、また、電解液に浸漬された金属片側が他の
半電池として働き、新たな電池系を構成していることに
なる。そして、過充電状態にあるリチウムイオン二次電
池では、リチウムが負極側の集電体銅箔の周囲にほぼ一
様に付着していると、銅単体の標準電極電位よりも標準
電極電位が低下するため、外部の電解液に浸漬された金
属と接続する銅側が正極と成って電流が流れる。なお、
急激な電流の変化は、負極側の集電体銅箔に付着してい
るリチウムが離れ、電流の抵抗は銅の固有抵抗に支配さ
れるため、電圧が一定の下では、リチウムが付着してい
たときよりも抵抗値が大きくなることに起因する。
【0024】一方、過放電状態の二次電池の場合は、上
記過充電の場合に準じた状態において、電圧を一定して
強制的に与えると、外部の電解液に浸漬された金属がイ
オン化し負極として作用するので、過放電状態が容易を
確認できる。
【0025】請求項4の発明は、請求項2記載の廃棄物
の処理方法において、回収した電池を解体し、アルコー
ル類やケトン類などの有機溶媒に含浸暴すことを特徴と
する。 請求項5の発明は、請求項1もしくは請求項2
記載の廃棄物の処理方法において、回収した電池は、電
池本体を内装した樹脂製パッケージを、回転速度差をつ
けた複数本のロール間を通過させ、電池本体から樹脂製
パッケージを分離したものであることを特徴とする。
【0026】この発明は、回収電池が樹脂製パッケージ
から分離されたもので、その分離の仕方に特徴付けられ
る。すなわち、樹脂製パッケージに複数個の電池を内装
した構成の電池パックを、回転速度差をつけた複数本の
ロール間を通過させることにより、回転ローラによる剪
断力、ひねり作用を同時に与えて、樹脂製パッケージを
破壊・剥離し、内装されている電池本体を分離する。こ
こで、ロールの間隙は、十分な力が樹脂製パッケージに
伝達されるため、電池パック全体の厚さ以下に設定され
る一方、電池本体を破壊しないように電池本体の厚み以
上に、適宜ロール間隔を設定されなければならない。し
たがって、この分離手段は、適用するに当たっては、事
前に電池パックを形状別に分別しておくことが好まし
い。なお、処理する電池が、厚みや形状の異なる複数種
の混合系の場合には、厚みの異なる電池に対応できるよ
うに装置構成を予め工夫しておくのが望ましい。
【0027】たとえばロール間隙を変えた複数のロール
対を設置しておき、ロール機構の前に設置された分別装
置によって、処理ロールに振り分けするか、あるいは1
組のロールにおいてロール間隙を一端から他端側に広幅
化するように間隔に勾配をつけて設定してある部分に振
り分けて送り込むことにより対応できる。ここで、分別
手段はは、回収した電池を厚さごとに選別する方法であ
れば特に限定されず、たとえば、幅を変えた複数のスリ
ットを通過させる機械的選別、渦電流、電磁誘導などの
電磁気的性質を応用した選別、赤外線などのセンサー、
画像処理などによる形状認識技術を用いた選別等、公知
の方法を用いることが可能である。
【0028】ロール装置への廃電池の導入は、設定され
たロール間隙に対応する方向で導入されれば特に制限さ
れない。一般的には、厚さにより規格化された方向が入
れ替わることがないように、導入口には整流板を設けて
おくことが好ましい。また、この場合、導入方向が入れ
替わりにくいように、ロール間隔に導入される電池は、
電池厚の最も薄い方向がロール間隙に合うように導入さ
れるのが最も好ましく、さらに、この最も薄い厚み方向
が地平面に対して垂直の方向に向いて導入されることが
好ましい。このため、厚さを検知する必要がある場合に
は、厚さ検知手段の前に最も薄い厚み方向が地平面に対
して垂直の方向を調整する手段を設けることが好まし
い。この方向調整は、たとえば振動させた平板上を通過
させることにより達成される。
【0029】さらに、圧壊・分離するロール間に働く剪
断力、ひねり作用は、特にロール表面に凹凸を設けたロ
ールを用いるとさらに強力に与えることが可能である
が、この凹凸は電池本体を傷つけないために、パッケー
ジを形成する樹脂厚以下に設定する。なお、凹凸の形状
は、ロールの力を確実に伝達することができる形状であ
れば特に限定されないが、適度に鋭利な角を持つ形状が
好ましい。つまり、緩慢な凹凸では力の伝達が十分でな
く効果がなく、逆に、過度に鋭利な凹凸の場合は、温度
条件やパッケージを形成する樹脂の粘弾特性などによっ
て、剥ぎ取ったパッケージ樹脂が凹凸に付着しロールか
ら剥離しないことも起こる。このため、処理対象とする
電池パックの樹脂製パッケージ(ケース)の処理温度条
件における特性に応じて凹凸の角度を設定することが好
ましい。
【0030】また、前記樹脂製パッケージに、所要の剪
断力および捻り作用を与えるロール装置は、いわゆるロ
ール型混練装置やロール型粉砕機であり、剪断力など
は、電池パックを通過させる2本のロールに回転速度差
をつけることにより与えられる。ここで、低速ロールと
高速ロールの回転速度差は、一般速度比として 1: 2〜
1:20の範囲であるが、好ましくは 1: 3〜 1: 8の範
囲である。なお、電池パック(樹脂製の電池パッケー
ジ)に作用する力は、基本的には回転速度比により決定
されるため、回転速度自体は処理効率を考慮して任意に
設定されるが、過度に回転速度が速い場合、電池本体に
かかる歪みが大きくなり破損する危険が生じるため、一
般的には低速ロールを20〜 500 rpmの範囲で設定するの
が好ましい。さらに、樹脂製パッケージを破壊しながら
電池本体から剥離するに当たっては、予め、樹脂製パッ
ケージをその樹脂の少なくとも軟化点に加熱しておく
と、電池本体への歪み負荷をかけずに樹脂製パッケージ
を剥離することができる。ここで、加熱方法は特に制限
されず、電熱ヒーター、赤外線ヒーターなど公知の方法
を用いることができる。なお、このときの加熱は、ロー
ルに触れた部分のみが直接の熱伝導によって、軟化させ
ることが可能なロール自体に加熱ヒーターを内蔵あるい
は付設しておくことが有効である。
【0031】また、ロール表面にパッケージを形成する
樹脂が付着する場合もあるので、たとえばスクレーパの
ような固定式、あるいは回転ブラシのような可動式の掻
き取り機構を付設したり、樹脂の軟化・溶融による付着
を防止するために、ロール表面に剥離剤を噴霧あるいは
塗布することもよい。
【0032】さらにまた、ロール工程を経て剥離された
樹脂製のパッケージと電池本体とは、分離工程によりそ
れぞれ分離・回収される。ここで、分離手段は公知の種
々の方法を用いることが可能である。たとえば比重差を
利用した比重分離、風力分離、磁力、渦電流、電磁誘導
などの電磁気的性質を応用した選別、が挙げられる。
【0033】請求項5の発明の作用は、ロール処理前に
厚み形状の異なる廃電池を選別する工程を具備すること
により複数の種類の廃電池混合物も処理でき、加熱工程
で軟化させることにより容易にパッケージ樹脂をロール
工程により剥離でき、分離工程により電池本体とパッケ
ージ樹脂が選別されて回収されることである。
【0034】請求項6の発明は、請求項1もしくは請求
項2記載の廃棄物の処理方法において、回収した電池を
解体する工程において、回収した電池を加熱し、電池が
内蔵する液体を気体化し、揮散させることを特徴とす
る。
【0035】請求項7の発明は、請求項1もしくは請求
項2記載の廃棄物の処理方法において、回収した電池を
解体する工程において、回収した電池の端子突出面側の
封止部に近接しほぼ平行に切断開口させること、あるい
は各面が垂直に交わっている角部を切断開口させること
を特徴とする。
【0036】これらの発明は、電極要素部の一部を成す
電解液に使用されている炭酸エチレン、メチルエチルカ
ーボネート、γ−ブチロラクトンなどの可燃性有機溶媒
を除去し、事後の処理を行い易くしたものである。ここ
で、内蔵する液体を気体化して揮散させる手段は、 (a)
気体化による電池内の高圧化に伴って、電池が具備して
いる安全弁を解放させること、 (b)安全弁を解放した後
に加熱・気体化して揮散すること、 (c)電池外装缶をた
とえば輪切りに切断・開口して電極要素部を取り出し、
要すれば加熱・気体化して揮散することなどが挙げられ
る。そして、これら揮散する有機溶媒は、そのまま大気
中に放散させずに何等かの手段で回収することが好まし
い。
【0037】これらの発明においては、電池内の液体を
気体化して揮散させるに先だって、たとえばガス補集機
構を備えた油回転ポンプ、ピストンポンプ、多段スチ…
ムエジェクター、ルーツポンプなどを使用した真空・吸
引乾燥などの前処理を行うことが好ましい。ここで、電
池内の液体は、たとえばメチルエチルカーボネート、ジ
メチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレン
カーボネートなどである。
【0038】なお、請求項7の発明における回収した電
池の切断開口は、端子突出面側の封止部に近接してほぼ
平行に切断開口(輪切り)させるか、あるいは各面が垂
直に交わっている角部の切断開口が挙げられる。各面が
垂直に交わっている角部の切断開口は、たとえば角型電
池の場合は、隣接する側壁同士の接合角部や上面や底面
と側壁との接合角部などであり、また、円筒型電池の場
合は、上面や底面と側壁との接合角部や上面−底面間に
亘る側壁の切開などである。
【0039】請求項8の発明は、請求項1もしくは請求
項2記載の廃棄物の処理方法において、回収し解体され
た電極要素部を還元性雰囲気下、 600℃以下の温度で加
熱することを特徴とする。
【0040】この発明において、解体により取り出した
電極要素部の加熱温度は、一般的に、 300℃程度以下で
よいが、 500℃程度を限度に高温に設定することもでき
る。このとき、取り出した電極要素部を水や溶媒(溶
剤)で洗浄しておくことによってフッ酸やアニリンなど
の有害物の発生を防ぐことができる。一方、加熱温度を
300℃程度以上に設定すると、電極要素部中の樹脂バイ
ンダーなど分解し、剥離など起こし易くなるが、フッ酸
の発生によって加熱炉や周辺部の腐蝕・劣化など起こし
易いので、酸性ガス処理装置付きの耐蝕性炉を使用す
る。いずれの場合も、たとえば窒素ガスなどの不活性ガ
スを還流させ、揮散・排気することによって、有機バイ
ンダーの酸化状態などをコントロールすることが望まし
い。
【0041】請求項9の発明は、請求項1もしくは請求
項2記載の廃棄物の処理方法において、電極要素部の活
物質層を剥離・分離し、粉砕化する工程は、10mmメッシ
ュ以下の網上に載置され、かつ振動を加えて行われるこ
とを特徴とする。
【0042】この発明は、より効率的に電池の廃棄処分
を進める手段で、電極要素部の活物質層を容易に剥離・
分離し、かつ粉砕化するするが、要すれば、 200℃以上
に加熱した状態で行う。すなわち、加熱処理や化学薬品
処理によって、電池要素部の成分抽出、剥離・分解など
行い易くなるが、10mmメッシュ以下の網(たとえばコン
ベア)に載せ、振幅10mm程度、高々振動数1000回/秒程
度の振動処理を施すことによって、分離・粉砕化などを
同時に行える。なお、この振動処理に当たり、10 kgf/
cm2 程度の圧で水もしくは溶剤の噴霧を併せて行うと、
目づまりなども回避できる。
【0043】
【発明の実施の形態】以下図1〜図22を参照して実施例
を説明する。
【0044】実施例1 図1は、この実施例の工程を示すフローチャート図であ
る。先ず、廃棄処理の対象としてのリチウムイオン二次
電池(回収電池)パックを用意する。次いで、回収電池
パックは、図2に構成の概略を側面的に示すような電池
パック解体装置によって解体される。すなわち、供給ホ
ッパー1から供給された電池パック2は、第1の搬送コ
ンベア3によって電池整流手段4に送られ、この電池整
流手段4の傾斜付けされた振動板4a面を摺動し、下端
(出口)に設置された整流板4bとで形成したスリット幅
によって、最も厚さの薄い厚み面がほぼ水平方向に向く
ように整流される。この整流された電池パック2は、第
2の搬送コンベア5によって搬送され、この搬送過程
で、第2の搬送コンベア5に隣接して配置された加熱装
置6、たとえば赤外線ヒーターで加熱処理が施される。
【0045】前記加熱処理を施された電池パック2は、
低速ロール7aおよび高速ロール7bから成る一対のローラ
間に供給され、ロール剥離処理がなされる。ここで、低
速ロール7aおよび高速ロール7bは、それぞれ焼き入れ特
殊綱製の直径 229mm,有効長457mmで、両ロール7a,7b
の外周面間を電池の厚さよりも 2mm小さい値に設定し
た。また、その回転速度は、低速ロール7a側 mm/
秒、高速ロール7b側 mm/秒にそれぞれ設定した。な
お、前記両ロール7a,7bの外周面が凹凸面加工されてい
る場合は、両ロール7a,7bの外周面間を電池の厚さより
も 2mm大きい値に設定すればよい。
【0046】上記ロール剥離処理によって、電池パック
のパッケージは、選択的に破壊・分離されとともに、両
ロール7a,7b外周面に付着・残存する破壊・分離片など
が隣接配置された回転ブラシ8a,8bにより、両ロール7
a,7bの外周面から離脱される。一方、前記分離された
電池本体2aとパッケージ部材2bとは、風力選別用ブロア
9によって、電池本体2aとパッケージ部材2bに分離され
て収容容器 10a, 10bにそれぞれ収容される。
【0047】次に、図3に断面的に示すように、アルゴ
ンガスを封入したグローボックス内に収納・配置され、
かつ前記電池本体2aが内蔵する電解液と同種の電解液30
mlを収容した容量50mlのテトラフロロエチレン樹脂製の
広口瓶 11a中に、分離された電池本体2aを収容して放電
処理を行った。なお、この放電処理においては、広口瓶
11aの蓋体 11bに、内部圧が上昇したときに開放となる
安全弁 11c付の内径 5mmの通気孔 11dを備えている。こ
のように蓋体 11bで封止した状態で、グローボックス内
に2週間放置したところ、封入当初、約3.6Vであった電
池電圧が0.6Vに低下していた。
【0048】上記放電処理した電池本体2aを、図4に構
成の概略を示す電池本体分解装置で分解する。すなわ
ち、モーター12によって回転する回転台13に、固定用爪
13aで電池本体2aを固定し、この固定された電池本体2a
の切断位置を切断基準面14に合わせ、回転台13を回転さ
せるとともにその回転軸 13bを進退させる。一方、たと
えば径0.35mm、スタンドオフ距離 2mmに設定され、かつ
80℃程度に保温された高圧噴射ノズル15から、圧力3000
kfg/cm2 の絶縁油を噴射させて、電池本体2aの端子導
出側をほぼ水平に切断・開口し、電池要素部の取り出し
可能に解体する。なお、図4において、16は絶縁油用の
バッファタンク、17は高圧ポンプ、18は研磨材供給ユニ
ット、19は回収タンク、20は開閉弁21付の配管である。
【0049】次いで、電池本体2aの切断・開口部を介し
て電池要素部を取り出し、正極および負極をイソプロピ
ルアルコール中に浸漬して振るい洗浄を10分間程度行な
う。その後、要すれば、イソプロピルアルコール中から
取り出してルーツポンプによる10-1Torrで、15分間乾燥
を行なって、表面がほぼ完全に乾燥していることを確認
してから、図5に断面的に示すように、予め 250℃に加
温・調整された窒素ガス還流型の電気炉22を用いて1時
間程度加熱処理を行なう。なお、取り出された他の電池
要素部(セパレータ、溶媒、金属類)は、別途回収す
る。
【0050】上記ルーツポンプによる10-1Torr,15分間
の乾燥処理効果について詳細に説明する。すなわち、 2
50℃,窒素ガス還流型の電気炉22での加熱乾燥による還
流窒素ガスをアルカリ水溶液に捕集し、イオンクロマト
グラフィーでリンおよびフッ素量(mg/kg)の濃度を測
定・検出したところ、表1に示すごとくであった。
【0051】
【表1】 また、上記取り出した電池要素部中の正極をイソプロピ
ルアルコール中に浸漬して振るい洗浄を10分間程度行っ
た後に自然乾燥した場合、 150℃の温度に設定された電
気炉にベルトコンベアで送り込み 1時間加熱処理した場
合、あるいは400℃の温度に設定された電気炉にベルト
コンベアで送り込み 1時間加熱処理した場合における正
極の 180°剥離強度( g/mm)をそれぞれ測定した結果
を表2に示す。表2から分かるように、 400℃で加熱す
ることにより、電極の支持基板および活物質(合剤)層
を効果的に剥離することができる。
【0052】
【表2】 上記加熱処理した正極および負極の支持基材と合剤と
は、次ぎのようにして、分離・剥離、回収が行なわれ
る。先ず、図6に概略構造を断面的に示すような、ガス
流入ポンプ23で圧入されるガスを拡散するガス拡散槽 2
4a、溶剤注入ポンプ25で注入される溶剤を気泡拡散する
気泡拡散板 24bを有する反応槽24と、この反応槽24の外
周部に配置された超音波発生装置26と、回転式スクリー
ン27、溶剤循環貯留槽28および撹拌槽29を有する分離・
回収装置を用意する。なお、図6において、30はガス流
入弁、31は循環弁、32は三方弁、33は撹拌機である。
【0053】次いで、前記反応槽24内に収容した水中に
毎分20l 程度の空気が気泡旋回しながら上昇してくるよ
うな状態に反応槽24を設定し、その反応槽24内に、予め
10mm程度以下に砕いた電極細片を収容した。このとき、
超音波発生装置26によって、周波数 15000Hz〜 50000Hz
の超音波を照射し、微細な振動を与える一方、電極細片
が反応槽24の水中に一定の時間滞留するように気泡も制
御される。この処理過程において、電極細片は支持基材
および合剤系の粒子、集電体層に分離するので、集電体
層をスクリーントラップする一方、粒子状物質を反応槽
24外に流下させ、水を溶剤循環貯留槽28に、および合剤
系の粒子を含む水を撹拌槽29に分離回収する。
【0054】上記回収した粒子状物質は、図7に示すフ
ローチャートの手順で精製・回収される。たとえば正極
合剤系粒子の場合、ポリエチレン樹脂製容器内に収容
し、 6規定程度の塩酸を添加し、約80℃に加熱してコバ
ルト酸リチウムを溶解させ、酸不溶性成分を濾取・分離
する。その後、酸不溶性成分を濾取・分離した液濾をた
とえばポリエチレン樹脂製のビーカーに移し入れ、これ
に純水1500mlおよびフッ化水素酸50mlを添加し、陽イオ
ン交換樹脂( 100〜 200メッシュ)10mlを充填したのポ
リエチレン樹脂製のカラムに流し入れる。この液濾系が
カラムから流出後、カラムに 1規定フッ化水素酸10mlを
流す操作を3回繰り返してから、 0.2規定塩酸10mlを流
す操作を3回繰り返す。さらに、 8規定塩酸10mlを流す
操作を4回繰り返し、カラムからコバルトイオンを流出
させ、この流出したコバルトイオン溶液に18規定硫酸 2
mlを添加し、 120℃で加熱して溶媒を蒸発除去してか
ら、大気中、1000℃で約 1時間加熱することにより酸化
コバルトを回収する。得られた酸化コバルトの重量を測
定し、コバルトの回収率を算出したところ98%であっ
た。 なお、上記洗浄後の電極剥離は、次のような手段
で行うことができる。先ず、第1の手段としては、図8
に実施態様を模式的に示すごとく、コントロール部22a
を備え、かつ 230℃に温度設定された電気炉22を滞留時
間 1時間で加熱搬送し、これをステンレス鋼製の 5mmメ
ッシュ、U字型のベルトコンベア34上に送り込み、振幅
50mm,振動数 2/sec でベルトコンベア34を上下に振動
させる。20分間振動処理後、吐水量7.28ml/min の割合
で純水をシャワー状に噴霧し、メッシュ上に支持基板を
残留させる一方、粉砕した電極合剤を洗い流し落とし
て、両者を剥離・分離する。残留した支持基板を電子顕
微鏡で観察したところ、単位面積当たり平均 0.4%の電
極合剤が残留しているに過ぎず、ほぼ完全に分離してい
ることが確認された。
【0055】第2の手段は、図9に実施態様を模式的に
示すごとく、電気炉22に、ステンレス鋼製10mmメッシュ
の皿35を内部に備え、かつピストン36の動作によって振
幅18cm,振動数 0.5/sec の振動を付与できる機構を有
する電気炉22を用意する。この電気炉22のメッシュ皿35
に、洗浄後短冊状に切断した電極片を約 50g入れ、蓋体
37で封止し(メッシュ皿35上端との間隔20cm)、電気炉
22の温度を 300℃に設定して分離処理を行う。この分離
処理で、バインダーの分解によって剥離し易くなった表
面の電極合剤がメッシュ皿35から下に落ち、支持基板と
容易に分離する。メッシュ皿35から落ちた電極合剤を下
部の取り出し口 22bから取り出し、塩酸に溶解して ICP
-AESで定量分析を行ったところ、コバルト8gを回収でき
た。
【0056】上記では、電池パッケージ(電池パック)
を回収・処理の素材としたので、電池パッケージの解体
を先ず行ったが、二次電池素体(電池自体)を回収・処
理する場合は、電池パッケージの解体処理の工程が省略
される。また、回収・処理する二次電池がすでに放電状
態にある場合は、放電処理の工程も省略される。
【0057】実施例2 この実施例は、上記実施例1の場合において、回収した
電池の放電処理工程が特徴付けられる。すなわち、一方
の電極端子に、その電極集電体と同一材質の導体を導電
性物質を介して接続し、イオン化傾向差による放電を行
なって、この放電電流の変化を検出することにより、過
充電状態を解消するものである。
【0058】換言すると、負極側に析出しているリチウ
ム金属が有無による電気化学的特性に着目し、電池の正
極および負極を短絡させない状態や使用しない状態で、
負極側を別の電解液に浸した金属(たとえば銅)と接続
し、そのときの挙動を観察する。負極側にリチウム金属
が析出している状態では、電解液に浸された金属に電解
液中にイオンとして存在していた金属が析出し、重量の
増大が認められ、一定電圧の下では流れる電流値も緩や
かに減少する。そして、ある時間を経過すると、電流値
が急激に減少し、この時点で、前記電解液に浸された金
属に対する金属の析出もほとんど進まなくる。
【0059】この現象は、標準電極電位で金属を比較し
てみると、二次電池の負極側を半電池とした場合、外部
に接続し、かつ電解液に浸された金属が他方の半電池と
して機能し、一つの電池系を構成する。
【0060】ここで、過充電状態にあるリチウム二次電
池では、リチウムが集電体を成す銅箔の周囲にほぼ一様
に付着していると、銅単体としての標準電極電位よりも
標準電極電位が低下するため、電解液に浸された金属
(銅)が正極となり、リチウムが付着したリチウム二次
電池の銅が負極と成って電流が流れる。急激な電流の変
化は、リチウムがイオンとして銅極から離れるため、電
流路の抵抗は銅の固有抵抗が支配的となって、電圧が一
定の状態では、リチウムが付着していたときよりも抵抗
値が大きいことに起因する。
【0061】したがって、このときの電流が大きく変化
するまでの時間、電流値の変化の度合いおよび電流値か
ら、回収した二次電池の過充電状態などが、前記電流の
変化の確認、リチウム金属からリチウムイオンへの転換
がなされることになる。
【0062】一方、過充電状態の検出は、二次電池の大
きさや定格などが分かれば、二次電池1個当たりの銅の
含有量が決まるので、負極側を別の電解液に浸した金属
(銅)と接続し、その金属板の重量変化あるいは電流値
の変化で、過充電によりイオン化していた銅のおおよそ
の割合で把握できる。なお、過充電の状態を検出する場
合は、強制的に一定の電圧を与えて、電解液に浸した金
属がイオンかして負極となる構成を採る。
【0063】この実施例でも、廃棄処理の対象としての
リチウムイオン二次電池(回収電池)パックを上記実施
例1の場合に準じて解体する。すなわち、図2に構成の
概略を側面的に示すような電池パック解体装置によっ
て、供給ホッパー1から供給された電池パック2は、第
1の搬送コンベア3によって電池整流手段4に送られ、
この電池整流手段4の傾斜付けされた振動板4a面を摺動
し、下端(出口)に設置された整流板4bとで形成したス
リット幅によって、最も厚さの薄い厚み面がほぼ水平方
向に向くように整流される。この整流された電池パック
2は、第2の搬送コンベア5によって搬送され、この搬
送過程で、第2の搬送コンベア5に隣接して配置された
加熱装置6、たとえば赤外線ヒーターで加熱処理が施さ
れる。
【0064】前記加熱処理を施された電池パック2は、
低速ロール7aおよび高速ロール7bから成る一対のローラ
間に供給され、ロール剥離処理がなされる。
【0065】上記ロール剥離処理によって、電池パック
のパッケージは、選択的に破壊・分離されとともに、両
ロール7a,7bの外周面から離脱される。一方、前記分離
された電池本体2aとパッケージ部材2bとは、風力選別用
ブロア9によって、電池本体2aとパッケージ部材2bに分
離されて収容容器 10a, 10bにそれぞれ収容される。次
に、図10にその実施態様を模式的に示すような手段で、
回収電池の充電状態を検出する。図10において、38は公
称電圧3.6Vの角形リチウム二次電池(厚さ 8.6mm,幅34
mm,長さ48mm)で、X線撮影により負極側に金属が析出
しているものである。ここで、二次電池38は、外装缶 3
8a内に、負極 38b、セパレーター 38c、正極 38d、電解
液 38eを収納・装着し、かつ気密に封止された構成を採
っており、前記電解液 38e中には、リチウムイオン 38
f、炭素 38g、金属(Co,Mn,Ni)38h、酸素 38iなどが含
有されている。一方、電解液(たとえば 1モル/l の硫
酸銅溶液) 38e′を収容する容器39、前記電解液 38e′
中に浸たした金属銅片(たとえば厚さ0.01mm,幅 4cm,
長さ40cmの銅箔の捲装体)40から成る外部設備を用意
し、直流電源41および電流計42を介して、前記金属銅片
40と二次電池38の負極 38bとを電気的に接続する。
【0066】この状態で直流電源41から2.5Vの電圧を印
加し、その時の電流値読み取ったところ図11に示すよう
に、一定時間経過すると急激に電流値が下降して収束す
る変化が確認された。前記直流電源41からの電圧印加を
停止し、電解液 38e′中に浸たした金属銅片40を取り出
したところ、 8%の重量増加が認められた。この時点
で、二次電池38を再びX線撮影して負極側を観察したと
ころ、周囲に不要な金属の付着など認められず、また、
放電処理しても発火など起こらなかった。
【0067】さらに、X線撮影によって負極側に析出し
た金属量が2倍の公称電圧3.6Vの角形リチウム二次電池
について、上記と同様の条件で処理したところ、同様の
現象が認められ、電解液 38e′中に浸たした金属銅片40
の重量増加は16%であった。一方、過放電状態の角形リ
チウム二次電池について同様に処理を行ったところ、初
めから電流値が低いので極性を反転したが、同様に高い
電流値で推維した。この極性反転で、上記の場合と電圧
印加時間を同じにした後、電解液 38e′の濃度を測定し
たところ、10%増加していた。また、この時点で、再び
X線撮影して電池内部を観察したところ、金属銅部分の
増量が認められた。
【0068】上記回収電池の充電状態の検出は、次のよ
うに行ってもよい。すなわち、図12にその実施態様を模
式的に示すごとく、電解液(たとえば 1モル/l の硫酸
銅溶液) 38e′を収容する容器39、前記電解液 38e′中
に浸たす金属銅片(たとえば厚さ0.01mm,幅 4cm,長さ
40cmの銅箔の捲装体)40を 2mm程度の間隔をおいて複数
枚配置して成る外部設備を用いて行うこともできる。な
お、図10の場合と同一部分は同一符号で表示されてい
る。
【0069】この場合も、直流電源41から2.5Vの電圧を
印加し、その時の電流値読み取ったところ図13に示すよ
うに、一定時間経過すると急激に電流値が下降して収束
する変化が確認された。前記直流電源41からの電圧印加
を停止し、電解液 38e′中に浸たした金属銅片40を取り
出したところ、 8%の重量増加が認められた。この時点
で、二次電池38を再びX線撮影して負極側を観察したと
ころ、周囲に不要な金属の付着など認められず、また、
放電処理しても発火など起こらなかった。
【0070】一方、過放電状態のリチウム二次電池につ
いて同様に処理を行ったところ、初めから電流値が低い
ので極性を反転したが、高い電流値で推維した。この極
性反転で、上記の場合と電圧印加時間を同じにした後、
電解液 38e′の濃度を測定したところ、 4%増加してい
た。また、この時点で、再びX線撮影して電池内部を観
察したところ、金属銅部分の増量が認められた。
【0071】さらに、上記図14に示すような実施態様に
おいて、リチウム二次電池38の上蓋(封止蓋体)を採り
外し・開口し、エチレンカーボネートなどの溶媒で満た
すとともに、電解液 38e′中に浸たした金属銅片40と充
填したエチレンカーボネートとを、塩化カリウムのゲル
で満たした塩橋43で接続した他は、同様の条件で充電状
態の検出を行った。図14において、図10の場合と同一部
分は同一符号で表示されている。
【0072】この場合も、直流電源41から2.5Vの電圧を
印加し、その時の電流値読み取ったところ図15に示すよ
うに、一定時間経過すると急激に電流値が下降して収束
する変化が確認された。前記直流電源41からの電圧印加
を停止し、電解液 38e′中に浸たした金属銅片40を取り
出したところ、 8%の重量増加が認められた。この時点
で、二次電池38を再びX線撮影して負極側を観察したと
ころ、周囲に不要な金属の付着など認められず、また、
放電処理しても発火など起こらなかった。
【0073】一方、過放電状態のリチウム二次電池につ
いて同様に処理を行ったところ、初めから電流値が低い
ので極性を反転したが、高い電流値で推維した。この極
性反転で、上記の場合と電圧印加時間を同じにした後、
電解液 38e′の濃度を測定したところ、 8%増加してい
た。また、この時点で、再びX線撮影して電池内部を観
察したところ、金属銅部分の増量が認められた。
【0074】このようにして回収電池の充電状態を確認
してから、実施例1の場合に準じて、アルゴンガスが封
入されたグローボックス内に収納・配置され、かつ前記
回収電池の電解液と同種の電解液を収容したテトラフロ
ロエチレン樹脂製の広口瓶 11a中に、回収電池を収容し
て放電処理を行う。
【0075】上記放電処理した回収電池を、前記図4に
に図示した構成の電池本体分解装置で分解する。次い
で、回収電池の切断・開口部を介して電池要素部を取り
出し、正極および負極を水中に浸漬して振るい洗浄を10
分間程度行なう。その後、要すれば、水中から取り出し
てルーツポンプによる10-1Torrで、真空乾燥を行なっ
て、表面がほぼ完全に乾燥していることを確認してか
ら、予め 250℃に加温・調整された窒素ガス還流型の電
気炉で加熱処理を行なう。その後、取り出された他の電
池要素部(セパレータ、溶媒、金属類)を別途回収し、
たとえば浮揚法などによって、電極合剤成分および支持
基板などを分離して、それぞれ回収処理などを行う。
【0076】実施例3 この実施例は、前記実施例1に示した一連の工程から成
る廃棄物処理法において、特に、回収した電池の放電処
理によって、処理における危険性などを大幅に低減ない
し解消する手段に係る廃棄物の処理方法である。
【0077】図16は、回収電池の分解処理に当たっての
放電処理に適する放電処理装置であり、44はステンレス
鋼製の2重構造型冷却外容器、 44aはその蓋体、45は抵
抗器(たとえば10Ω程度)46を含む回路を内装し、この
回路に回収電池47を装着することができるステンレス鋼
製の2重構造型冷却内容器、 45aは冷却内容器の蓋体、
48は冷却用の液体窒素を収容したボンベ、49は液体窒素
注入・制御バルブ、50は前記冷却外容器44を被覆する遮
熱シートである。
【0078】次に放電処理例を説明する。先ず、過充電
処理を行って電池内部に炭酸ガスが発生した状態のリチ
ウム二次電池を用意し、冷却内容器45内に収容し、内装
されている回路に対して電気的に接続・装着する。次い
で、冷却内容器の蓋体 45aを装着・密閉化してから、冷
却外容器44内に液体窒素を流し込み、液体窒素注入・制
御バルブ49を閉止する一方、蓋体 44aで封止した後、遮
熱シート50で巻いて 1日放置して放電を行った。
【0079】前記放置後、遮熱シート50を取り外し液体
窒素が気化していることを確認してから、冷却外容器44
および冷却内容器45を順次開封し、アルゴンガスの封入
・置換を行った冷却外容器44内で、回収電池47の両端側
をセラミックカッターで切断して電池の分解を行った。
この電池分解において、発熱・発火なども起こらず電池
の解体は安全に行われた。
【0080】また、上記放電処理の代りに、図17に実施
態様を模式的に示すごとく、行うこともできる。すなわ
ち、抵抗体46を有する回路を内蔵した樹脂製の開閉型ボ
ックス51、回収電池47の正極側、負極側をそれぞれ固定
する絶縁性バネ 52a, 52b回収電池47の固定が緩衝的に
行われるように作用する絶縁スポンジ 53a, 53bから成
るグローボックスを用意する。一方、3.6Vに充電した状
態の回収電池47を用意し、前記グローボックス内に装着
して 3日間放置した。放置後、回収電池47を取り出して
電圧を測定したところ、電池の解体の安全性を十分確保
できる0.5Vレベルに低下していた。この放電処理手段
は、グローボックスの構成が簡略、軽量で可搬性の点で
もすぐれているので、搬送過程での放電処理を行うこと
ができる。上記放電処理後の電池分解、洗浄処理、分離
処理などの後工程歯、実施例1の場合と同様に行い、安
全性の高い電池の廃棄処理を行うことができた。
【0081】なお、回収電池の分解に当たっての放電処
理は、回収電池に外界から何らかの圧力を加え、この外
圧によって一時的に分離した電池要素ないし電気的な回
路を復元させて、自然もしくは強制放電を行う方式を採
ることもできる。
【0082】実施例4 この実施例は、電池本体を内装した樹脂製パッケージを
剥離・分離し、電池の回収を、回転速度差をつけた複数
本のロール間を通過させ、電池本体から樹脂製パッケー
ジを分離する工程に特徴付けられる廃棄物処理例であ
る。前記図1に図示した実施態様に準じて行われる。
【0083】廃棄電池試料として、ポリカーボネート−
ブタジエン−スチレン共重合体樹脂(軟化点 118℃)で
パッケージングされたリチウムイオン二次電池パック、
または寸法・形状の異なる3種のリチウムイオン二次電
池パック(寸法:40×53×10mmの角型、30×54×16mmの
円筒型、69× 173×19mmの角型)が同数混在する混合系
を用意した。
【0084】一方、焼き入れ特殊綱製の直径 229mm,有
効長 457mmの一対の、表面が凹凸な粗に加工された回転
ロールをら有するロール剥離装置を用意する。ここで回
転ロールは、回転速度差が 1: 3に付けられており、ま
た、両回転ロールの外周面間が電池の厚さよりも 2mm小
さい値に設定してある。
【0085】前記廃棄電池の単一系の場合は、整流して
ロール剥離分離装置に供給し、電池本体から樹脂製パッ
ケージを解体・分離したところ、樹脂製パッケージのみ
が破壊し、電池本体から容易に剥離して手選別を行うこ
とができた。また、混合系の場合は、並列的に整流して
3種に分離した後、それぞれ対応して予め回転ロールの
外周面間隔を調整しておいたロール剥離装置に供給し、
電池本体から樹脂製パッケージを解体・分離したとこ
ろ、選別歩留まりが90%であった。さらに、廃棄電池の
混合系を幅方向に分ける並列的な整流で3種に分離し、
これに対応させて幅方向に回転ロールの外周面間隔を変
えて、解体・分離を行った場合の選別歩留まりが86%で
あった。
【0086】上記電池パッケージの解体・分離(ロール
剥離)に当たって、廃棄電池パッケージが単一か混合系
か、廃棄電池パッケージの前加熱の有無、回転ロール外
周面の凹凸有無、回転ロールの回転速度および速度比
(回転比)などを変えて、解体・分離を行った場合の選
別(手選別もしくは風力選別)歩留まりを表3に示す。
【表3】 上記ロール剥離処理によって、電池パッケージの樹脂製
パッケージは、選択的に破壊・分離されとともに、両ロ
ール外周面に付着・残存する破壊・分離片などが隣接配
置された回転ブラシにより、外周面から離脱される。一
方、前記分離された電池本体とパッケージ部材とは、風
力選別用ブロアなどによって、電池本体およびパッケー
ジ部材に分離され、所定の収容容器にそれぞれ収容され
る。
【0087】こうして分離回収した電池本体は、前記実
施例1の場合同様に、要すれば放電処理、電池解体処
理、電池解体分離品の洗浄処理、電極要素部の加熱処
理、活物質層の剥離処理、剥離した活物質層の処理・回
収などの工程を施すことにより良好な生産性で廃棄物の
処理が行われる。
【0088】実施例5 この実施例は、回収した電池を加熱し、内蔵する液体を
事前に気化・揮散させることにより、回収電池の解体作
業の安全性などの向上を図るものである。たとえばリチ
ウム二次電池の場合、電解液としてフッ素やリンを含有
する炭酸エチレン(沸点 238℃)、メチルエチルカーボ
ネート(沸点 127℃)、γ−ブチロラクトン(沸点 204
℃)などの可燃性溶媒を内蔵している。そして、これら
可燃性溶媒が、電池の分解過程においる正極および負極
のショートで発火したり、あるいはフッ酸など有害なガ
スを発生する恐れがあるので、可及的に除去・回収して
おくことが望まれる。
【0089】そして、上記電解液を成す溶媒の除去・回
収は、 (a)電池内の液体をガス化し、圧力の上昇を利用
して安全弁の開放、 (b)電池の切断などにより一部を開
放後、電池内の液体をガス化して揮散などで行い、これ
による揮散ガスを冷却液体化して回収手段が挙げられ
る。
【0090】図18は電解液を成す溶媒の除去・回収の一
実施態様例を模式的に示すものである。図18において、
54は回収電池55を収容する容器本体、 54aは蓋体、56は
前記容器本体54を加熱する加熱器、57は容器本体54内の
温度を測定・検出する温度測定器、58は前記温度測定器
57の情報で加熱器56による加熱を制御・調整するコント
ローラ、59は発生・揮散するガスを冷却凝縮する凝縮
器、60は凝縮液化した成分を回収する容器である。な
お、61は密閉用シール、62は蓋体 54aを容器本体54に固
定する固定具である。
【0091】一方、回収された電池55として、たとえば
300回の充放電を繰り返した角型リチウム二次電池を用
意し、前記容器本体54内に回収電池55を収容・装着す
る。その後、密閉用シール61を介して蓋体 54aを配置
し、固定具62にて固定封止してから、温度コントローラ
58によって加熱器56を制御しながら、容器本体54内の温
度を 350℃に上昇させ、その温度を30分間保持した。こ
の加熱処理によって、前記回収電池55内の高圧化で安全
弁が開放し、電池内でガス化した溶媒は凝縮器59側に揮
散して凝縮・液化され、回収容器60に回収された。そし
て、電池の解体作業において、発火を発生する恐れが解
消された。ここで、加熱処理に先だって、回収電池55に
予め傷を付けておき、解体を促すことも有効である。
【0092】なお、図19に他の実施態様を模式的に示す
ように、回収容器60側に減圧器62を付設した形態を採
り、容器本体54内を 100mmHg程度に減圧化した場合は、
より効率的に電池内の溶媒を除去・回収することができ
る。
【0093】また、回収電池の切断などにより一部を開
放後、電池内の液体をガス化して凝縮・回収する場合
は、たとえば次のように行われる。図20に側面的に示す
ごとく、たとえば円筒型二次電池55の場合、正極端子 5
5aの突出面側で、 1〜 4mm程度内側の A-A線に沿って切
り込みを入れ一部を開放するか、あるいは切断して電池
要素部を取り出して、前記図19実施態様で溶媒の回収を
行ったところ、同様の結果が得られた。また、図20(容
器本体54内の温度40℃以下)に図示した実施態様で溶媒
の回収を行った場合は、回収率99%で、かつ電池の解体
作業において、発火を発生する恐れが解消された。ま
た、発火の可能性を低減するために、液体窒素出冷却し
た状態、あるいは不活性雰囲気下で、円筒型二次電池55
の切断を行うことが有効である。
【0094】前記実施例1の場合同様に、電池本体の分
離回収、放電処理後の電池解体処理において、上記電池
内溶媒の抜取り・回収を行うことにより、電池解体の作
業環境や安全性が大幅に改善向上される。したがって、
その後の電池解体分離品の洗浄処理、電極要素部の加熱
処理、活物質層の剥離処理、剥離した活物質層の処理・
回収などの工程もスムースに進行することになり、良好
な生産性で廃棄物の処理が行われる。
【0095】実施例6 この実施例は、たとえば複数個の電池本体を内蔵した形
態の電池パッケージ(電池パック)の構成で用いられる
積層板(たとえばフレキシブルな配線板など)の分離・
回収に係るものである。すなわち、高機能化電子機器の
場合を始め、多くの分野で使用されている配線板の構成
素材(銅箔など有価金属類や半田などの金属、難燃化剤
などの無機物、樹脂類)の有効な分離・回収手段に係る
ものである。換言すると、環境汚染などの問題提起を回
避できるだけでなく、分離効率も良好で、金属類の回収
率の向上および樹脂の再生・用途も拡大できる回収・処
理対策である。
【0096】この実施例に係る積層板は、異なる応力歪
みを与えた材料を積層し、一定の応力以上で降伏して内
部破壊が生じる複合体である。そして、積層板は、引っ
張り応力を与える層と、この層を挟んで(層の上面側お
よび下面側に)引っ張り応力を与えていない層を張り合
わせた構造をとった点で特徴付けられる。また、リサイ
クル時には、積層板に引っ張り応力が働いている方向と
反対向きに圧縮力を与え、引っ張り応力を打ち消して積
層板の拡がりを持った面に垂直の剪断応力を働かせ、前
記引っ張り応力を与えていた層を破壊するものである。
【0097】たとえば、金属層と、樹脂を含む絶縁層と
の部分から積層板は構成される。ここで、金属層として
は、圧延処理によって均一に10μm 〜 1mmの厚さに加工
された銅板を、一方、絶縁層としては、太さ10μm 〜 1
mmのガラス繊維を引っ張り応力を与えた上で,リン酸エ
ステルとしてのリン酸トリクレジルを含むエポキシ樹脂
でガラス繊維の周りを満たしたものを使用する。また、
ガラス繊維を含む絶縁層を上から見ると、格子になるよ
うに垂直方向に薄層状に束ね互い違いに交差した構造を
取ることができる。
【0098】上記絶縁層の形成および金属層との密着方
法は、先ず、絶縁層の骨格としてのガラス繊維を束ねて
格子状に交差させたものの縁辺部を固定し、その縁辺部
を拡大する方向で 0.1〜10%の範囲で拡げて引っ張り応
力を与え続ける。この状態でガラス繊維を挟み込むよう
に、リン酸トリクレジルなどの耐熱性を高める物質を0.
1〜20%程度含有させたエポキシ樹脂を含浸させた上
で、乾燥しないうちに金属層(銅板)を上下に積層し接
着させる。およそ10分から10時間経過した後に、この積
層体の縁辺部から加えていた引っ張り応力を取り去り、
プレス機に導き密着させた上で金属層からはみ出したガ
ラス繊維を切断機で切断し除去する。さらに、 1時間か
ら 5週間の範囲内で乾燥させた後に、切断機でカッティ
ングし加工する。
【0099】このカッテング加工時、カッティングした
1枚を抜き取り、上下の金属をそれぞれ直流電源につな
ぎ絶縁機能を確認するため、100Vの電圧を印加したとこ
ろ流れる電流は、測定器の検出限界の 1mA未満であっ
た。同じ要領で、複数の絶縁層と、金属層とを交互に密
着させた積層体について、カッティング後の絶縁機能を
試験・評価したところ、測定器の検出限界未満であっ
た。
【0100】また、同じ方法で作成した積層板に対して
垂直の方向の衝撃を与えるため、高さ2mの位置から落下
させたところ、この積層板の表面に外観上何らの変化は
認められず、絶縁層機能についても変化はなかった。さ
らに、 100℃の温度で 2時間加熱した後、外観および絶
縁機能を確認しても変化が認められなかった。
【0101】さらに、上記と同じ条件で、積層板を 1カ
月以上室温で放置した後、絶縁機能、衝撃による変化、
耐熱性を試験・評価した場合も何ら変化は認められなか
った。 そこで、上記構成の積層板をリサイクルするこ
とを想定し、その縁辺部を固定して、ガラス繊維を縮め
るような方向で圧縮力を与えた上で、積層板の拡がりを
持った面に垂直な方向から外力を与え続けた。すると、
銅板が急激に曲がり始めるのを確認したため、縁辺部か
らの圧縮力を解除した後、積層板を取り出したところ、
絶縁層のガラス繊維に多数の割れ目か生じ、金属層が剥
離していることが認められた。
【0102】上記構成を採った積層板の場合、すなわ
ち、一定の応力以上で降伏し、内部破壊が生じる複合体
を形成することによって、リサイクル時には積層板に引
っ張り応力が働いている方向と反対向きに圧縮力を与え
て引っ張り応力を打ち消し、この積層板の拡がりを持っ
た面に垂直の剪断応力を働かせ、引っ張り応力が与えら
れた層を破壊することができるので、有用資源としての
金属、金属以外の成分を分離回収することが可能とな
る。要約すると、異なる応力歪みを与えた材料を積層
し、一定の応力以上で降伏し内部破壊が生じることによ
り物質の分離回収が可能な積層板。
【0103】前記積層板の構造において、異なる応力歪
みを与える一方の層に引っ張り応力を与えてその層の上
部及び下部に引っ張り応力を与えていない層を張り合わ
せた積層板。
【0104】前記積層板に引っ張り応力が働いている方
向と反対向きに圧縮力を与えて引っ張り応力を打ち消
し、この積層板の拡がりを持った面に剪断応力を働かせ
て引っ張り応力を与えられていた層を破壊する方法。
【0105】引っ張り応力を与える層に樹脂を用いた積
層板。
【0106】引っ張り応力を与える層にガラス繊維、合
成繊維などの繊維質を含む積層板。引っ張り応力を与え
る層に圧力を加えることによって導電性を帯びる樹脂を
含む積層板。
【0107】引っ張り応力、圧縮力を変化を、積層板の
加熱温度の変化で行う。
【0108】繊維質を含む積層板にの場合、過剰な酸素
を添加させることで繊維質の回収を行う。
【0109】この実施例に係る積層板において、引っ張
り応力を与える層としては樹脂層が代表例として挙げら
れが、繊維質、セラミック、これらの混合物、もしくは
この混合物の隙間を埋める樹脂から構成される。繊維質
としては、天然繊維、化学繊維、高強度繊維、高弾性繊
維に大別される。天然繊維は植物繊維としての綿、麻
と、動物繊維の絹、羊毛に分けられ、化学繊維はレーヨ
ン、ポリノジックキュプラなどの再生繊維、アセテー
ト、トリアセテートなどの半合成繊維、ナイロン、アク
リル、ビニロン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンなど
の合成繊維に分けられる。また、高強度繊維としては、
石綿、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、超強度ポ
リエチレン繊維などがあり、高弾性繊維としては、ポリ
ウレタン繊維が挙げられる。
【0110】一方、加工時に引っ張り応力を与えない層
としては、銅、鉄などの金属、あるいは、導電性を有す
る樹脂が挙げられる。
【0111】第1の構成例 図21は積層板の第1の構成例を断面的に示したもので、
63は圧延処理によって厚さ 100μm に加工された純度 9
9.99%の銅箔、64は太さ50μm のガラス繊維 64aを引っ
張り応力を与えた上で、リン酸エステルとしてのリン酸
トリクレジルを含むエポキシ樹脂 64bにてガラス繊維の
周りを満たした絶縁層でる。ここで、ガラス繊維 64aを
含む絶縁層64は、図22に平面的に示すごとく、 1cm角の
格子になるように垂直方向に薄層状に束ねて互い違いに
交差している。
【0112】絶縁層64の形成および金属層63の密着ない
し接着一体化は、先ず、絶縁層64の骨格としてのガラス
繊維を束ねて格子状に交差させたものの縁辺部を固定
し、その縁辺部を拡大する方向で 1%ずつ拡げて引っ張
り応力を与え続ける。この状態でガラス繊維を挟み込む
ように、リン酸トリクレジルを10%含有するエポキシ樹
脂を含浸させた上で、乾燥しないうちに金属層62(銅
箔)を絶縁層64の両面に積層し接着させる。およそ 2時
間経過した後に、この積層体の縁辺部から加えていた引
っ張り応力を取り去り、プレス機で加圧・密着させた
後、金属層63からはみ出したガラス繊維を切断機で切断
し除去してから、さらに、 1週間乾燥させた後に、切断
機でA4版サイズの大きさにカッティングした。
【0113】カッティングした 1枚を抜き取り、両面の
金属層63をそれぞれ直流電源に接続し、100Vの電圧を印
加して流れる電流から絶縁機能を試験・評価したとこ
ろ、測定器の検出限界の 1mA未満であった。
【0114】同じ要領で、絶縁層64を介して 4枚の金属
層63を交互に密着させた積層体(絶縁層 3枚)をカッテ
ィングし、絶縁機能を確認したところ測定器の検出限界
未満であった。
【0115】また、上記金属層が 4層の積層板を高さ2m
の位置から落下させ、垂直方向の衝撃を与えたところ、
この積層板の表面に外観上何ら変化はなく、絶縁機能に
ついても変化はなかった。さらに、 100℃の温度で 2時
間加熱した後、外観および絶縁機能を確認しても変化が
認められなかった。
【0116】次に、上記金属層が 4層の積層板を 3カ月
室温で放置した後、絶縁機能、衝撃による変化、耐熱性
を試験・評価したところ何ら変化は認められなかった。
【0117】そこで、この金属層が 4層の積層板のリサ
イクルすることを想定し、その縁辺部を固定して、ガラ
ス繊維を縮めるような方向で圧縮力を与えた上で、積層
板の拡がりを持った面に垂直な方向から外力を与え続け
た。すると、銅板が急激に曲がり始めるのを確認したた
め、縁辺部からの圧縮力を解除した後、積層板を取り出
したところ、絶縁層のガラス繊維に多数の割れ目が生
じ、金属層が剥離しているのを認めた。
【0118】このように積層板は、一定の応力以上で降
伏し内部破壊が生じる複合体を形成することにより、リ
サイクル時には、積層板に引っ張り応力が働いている方
向と反対向きに圧縮力を与えて引っ張り応力を打ち消
し、この積層板の拡がりを持った面に垂直の剪断応力を
働かせて樹脂層を破壊することができるため、有用資源
として金属、金属以外の成分を分離回収することが可能
となる。
【0119】第2の構成例 圧延処理によって 200μm の均なに厚さに加工された純
度 99.99%の銅板を金属層とし、太さ40μm のガラス繊
維を引っ張り応力を与えた上でリン酸エステルとしての
リン酸トリクレジルを含むフェノール樹脂でガラス繊維
の周りを満たしたものを絶縁層とした他は、第1の構成
例の場合と同様にして積層板を作成した。 なお、絶縁
層の形成および金属層との密着・一体化方法は、先ず、
絶縁層の骨格としてのガラス繊維を束ねて格子状に交差
させたものの縁辺部を固定し、その縁辺部を拡大する方
向で 1%ずつ拡げて引っ張り応力を与え続ける。この状
態で、ガラス繊維を挟み込むようにリン酸トリクレジル
を10%含有するプロピルアルコールに溶かしたフェノー
ル樹脂(レゾール型)を含浸させ、未乾燥の状態で金属
層を両面に積層し接着させる。およそ 2時間経過した後
に、この積層体の縁辺部から加えていた引っ張り応力を
取り去り、プレス機にて加圧・一体化した後、金属層か
らはみ出したガラス繊維を切断機で切断し除去してか
ら、 1週間乾燥させた後にA4版サイズの大きさにカッテ
ィングした。
【0120】前記カッティングした 1枚を抜き取り、両
面金属層にそれぞれ直流電源を接続し、100Vの電圧を印
加して電流を流して絶縁機能を試験・評価したところ、
電流は測定器の検出限界の 1mA未満であった。
【0121】また、上記構成例1の場合と同様に、絶縁
層を介して 4枚の金属層を交互に密着させた積層体(絶
縁層 3枚)をカッティングし、絶縁機能を確認したとこ
ろ測定器の検出限界未満であった。
【0122】さらに、この金属層 4層の積層板につい
て、落下衝撃試験、 100℃, 2時間加熱後の外観および
絶縁機能の変化など試験・評価でも第1の構成例の場合
と同様であった。
【0123】次に、上記金属層が 4層の積層板を 3カ月
室温で放置した後、絶縁機能、衝撃による変化、耐熱性
を試験・評価したところ何ら変化は認められなかった。
【0124】そこで、この金属層が 4層の積層板のリサ
イクルすることを想定し、その縁辺部を固定して、ガラ
ス繊維を縮めるような方向で圧縮力を与えた上で、積層
板の拡がりを持った面を水平に保ちながら高さ2mの位置
から落下させた。すると、銅板が急激に曲がり始めるの
を確認したため、縁辺部からの圧縮力を解除した後、積
層板を取り出したところ、絶縁層のガラス繊維に多数の
割れ目が生じ、金属層が剥離しているのを認めた。
【0125】このように積層板は、一定の応力以上で降
伏し内部破壊が生じる複合体を形成することにより、リ
サイクル時には、積層板に引っ張り応力が働いている方
向と反対向きに圧縮力を与えて引っ張り応力を打ち消
し、この積層板の拡がりを持った面に垂直の剪断応力を
働かせて樹脂層を破壊することができるため、有用資源
として金属、金属以外の成分を分離回収することが可能
となる。
【0126】第3の構成例 上記第1の構成例の場合において、リン酸トリクレジル
を含むエポキシ樹脂の代りに、水酸化アルミニウムを 3
%含有するポリ塩化ビニルを使用した他は、同様の条件
で金属層 2層の積層板、および金属層 4層の積層板をそ
れぞれ作成した。なお、前記絶縁層の形成は、ガラス繊
維を束ねて格子状に交差させた基材の縁辺部を固定し、
その縁辺部を拡大する方向で 1%ずつ拡げて引っ張り応
力を与えた状態で、ガラス繊維を挟み込むように、水酸
化アルミニウムを 3%含有するポリ塩化ビニルを 150℃
以下に加熱しながら含浸させた。
【0127】カッティングした金属層 2層の積層板 1枚
を抜き取り、金属層にそれぞれ直流電源を接続し、100V
の電圧を印加して電流を流して絶縁機能を試験・評価し
たところ、電流は測定器の検出限界の 1mA未満であっ
た。また、金属層 4層の積層板について、絶縁機能を確
認したところ測定器の検出限界未満であった。
【0128】さらに、この金属層 4層の積層板につい
て、落下衝撃試験、80℃, 2時間加熱後の外観および絶
縁機能の変化など試験・評価、 3カ月室温で放置後の絶
縁機能、衝撃による変化、耐熱性を試験・評価したとこ
ろ何ら変化は認められなかった。 また、前記金属層が
4層の積層板のリサイクルすることを想定し、その縁辺
部を固定して、ガラス繊維を縮めるような方向で圧縮力
を与えた上で、積層板の拡がりを持った面を水平に保ち
ながら高さ2mの位置から落下させた。すると、銅板が急
激に曲がり始めるのを確認したため、縁辺部からの圧縮
力を解除した後、積層板を取り出したところ、絶縁層の
ガラス繊維に多数の割れ目が生じ、金属層が剥離してい
るのを認めた。
【0129】このように積層板は、一定の応力以上で降
伏し内部破壊が生じる複合体を形成することにより、リ
サイクル時には、積層板に引っ張り応力が働いている方
向と反対向きに圧縮力を与えて引っ張り応力を打ち消
し、この積層板の拡がりを持った面に垂直の剪断応力を
働かせて樹脂層を破壊することができるため、有用資源
として金属、金属以外の成分を分離回収することが可能
となる。
【0130】構成例4 上記第1の構成例の場合において、太さ10μm のセルロ
ース繊維を 7本ずつ束ねて捩ったものを繊維系の基材と
し、水酸化アルミニウムを 3%含有するエポキシ樹脂を
含浸させた絶縁層を使用した他は、同様の条件で金属層
2層の積層板、および金属層 4層の積層板をそれぞれ作
成した。
【0131】カッティングした金属層 2層の積層板 1枚
を抜き取り、金属層にそれぞれ直流電源を接続し、100V
の電圧を印加して電流を流して絶縁機能を試験・評価し
たところ、電流は測定器の検出限界の 1mA未満であっ
た。また、金属層 4層の積層板について、絶縁機能を確
認したところ測定器の検出限界未満であった。
【0132】さらに、この金属層 4層の積層板につい
て、落下衝撃試験、 100℃, 2時間加熱後の外観および
絶縁機能の変化など試験・評価、 3カ月室温で放置後の
絶縁機能、衝撃による変化、耐熱性を試験・評価したと
ころ何ら変化は認められなかった。
【0133】また、前記金属層が 4層の積層板のリサイ
クルすることを想定し、その縁辺部を固定して、ガラス
繊維を縮めるような方向で圧縮力を与えた上で、積層板
の拡がりを持った面を水平に保ちながら高さ2mの位置か
ら落下させた。すると、銅板が急激に曲がり始めるのを
確認したため、縁辺部からの圧縮力を解除した後、積層
板を取り出したところ、絶縁層のセルロース繊維に多数
の切断が生じほぐれており、金属層が剥離しているのを
認めた。
【0134】このように積層板は、一定の応力以上で降
伏し内部破壊が生じる複合体を形成することにより、リ
サイクル時には、積層板に引っ張り応力が働いている方
向と反対向きに圧縮力を与えて引っ張り応力を打ち消
し、この積層板の拡がりを持った面に垂直の剪断応力を
働かせて樹脂層を破壊することができるため、有用資源
として金属、金属以外の成分を分離回収することが可能
となる。
【0135】構成例5 上記第1の構成例の場合において、太さ10μm のセルロ
ース繊維を 7本ずつ束ねて捩ったもの50%、太さ30μm
のガラス繊維50%系の混合繊維状基材( 1.5cm角格子)
とし、水酸化アルミニウムを 3%含有するエポキシ樹脂
を含浸させた絶縁層を使用した他は、同様の条件で金属
層 2層の積層板、および金属層 4層の積層板をそれぞれ
作成した。
【0136】A5版サイズにカッティングした金属層 2層
の積層板 1枚を抜き取り、金属層にそれぞれ直流電源を
接続し、100Vの電圧を印加して電流を流して絶縁機能を
試験・評価したところ、電流は測定器の検出限界の 1mA
未満であった。また、金属層4層の積層板について、絶
縁機能を確認したところ測定器の検出限界未満であっ
た。
【0137】さらに、この金属層 4層の積層板につい
て、落下衝撃試験、 100℃, 2時間加熱後の外観および
絶縁機能の変化など試験・評価、 3カ月室温で放置後の
絶縁機能、衝撃による変化、耐熱性を試験・評価したと
ころ何ら変化は認められなかった。
【0138】また、前記金属層が 4層の積層板のリサイ
クルすることを想定し、積層板を液体窒素中に10分間浸
漬けた後、ハンマーで衝撃を加えたたところ、絶縁層と
金属層が剥離した。これは、急激な冷却によって、金属
層の収縮に絶縁層の収縮が追随できず、積層板内の繊維
が伸びている方向に圧縮力が働き、引っ張り応力を打ち
消すためで、積層板の広がりを持った面に対して垂直な
力が作用して絶縁層の内部破壊を生じることに起因す
る。
【0139】さらに、上記分離した絶縁層から1g切り取
り、上蓋に点火プラグの付いた容器(内径 5cm,深さ10
cm,厚さ 1cmの SUS 316製)内に収容し、酸素を20気圧
注入して密閉した後にプラグを点火した。点火から10分
経過後に蓋を開けたところ、固形物としてガラス繊維お
よび粉状の酸化アルミが0.6g残っていた。
【0140】このように積層板は、一定の応力以上で降
伏し内部破壊が生じる複合体を形成することにより、リ
サイクル時には、積層板に引っ張り応力が働いている方
向と反対向きに圧縮力を与えて引っ張り応力を打ち消
し、この積層板の拡がりを持った面に垂直の剪断応力を
働かせて樹脂層を破壊することができるため、有用資源
として金属、金属以外の成分を分離回収することが可能
となる。
【0141】構成例6 上記第1の構成例の場合において、加圧されたときに導
電性を呈する厚さ 100μm のポリフッ化ビニリデンを主
成分とした樹脂フィルムを金属層の代りに、また、太さ
20μm のガラス繊維を基材( 0.5cm角格子)とし、エポ
キシ樹脂を含浸させた絶縁層を使用した他は、同様の条
件で金属層 2層の積層板、および金属層4層の積層板を
それぞれ作成した。
【0142】A5版サイズにカッティングした金属層 2層
の積層板 1枚を抜き取り、金属層にそれぞれ直流電源を
接続し、100Vの電圧を印加して電流を流して絶縁機能を
試験・評価したところ、電流は測定器の検出限界の 1mA
未満であった。また、金属層4層の積層板について、絶
縁機能を確認したところ測定器の検出限界未満であっ
た。
【0143】その他、第1の構成例の場合と同様の試験
評価を行ったところ、同様の作用・効果がそれぞれ確認
された。
【0144】構成例7 上記第1の構成例の場合において、太さ20μm のガラス
繊維を基材( 1cm角格子)とし、シリコーン樹脂を含浸
させた絶縁層を使用した他は、同様の条件で金属層 2層
の積層板、および金属層 4層の積層板をそれぞれ作成し
た。
【0145】A5版サイズにカッティングした金属層 2層
の積層板 1枚を抜き取り、金属層にそれぞれ直流電源を
接続し、100Vの電圧を印加して電流を流して絶縁機能を
試験・評価したところ、電流は測定器の検出限界の 1mA
未満であった。また、金属層4層の積層板について、絶
縁機能を確認したところ測定器の検出限界未満であっ
た。
【0146】その他、構成例1の場合と同様の試験評価
を行ったところ、同様の作用・効果がそれぞれ確認され
た。
【0147】本発明は上記例示の実施態様に限定される
ものでなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で、いろいろ
の変形を採ることができる。たとえば廃棄対象の回収電
池は、リチウム二次電池系以外のニッケル水素二次電池
系などの場合にも、同様に適用できる。
【0148】
【発明の効果】上記説明から分かるように、本発明に係
る廃棄物の処理方法によれば、フッ素やリン成分などを
含む有害物質の発生を回避する一方、有益な金属類など
を効率的に回収することができる。すなわち、二次電池
などの廃棄処分に当たって、環境汚染ないし環境負荷な
どを低減・回避できるとともに、資源の有効な活用を図
ることも可能な、実用上多くの利点を有する処理方法が
提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施手順例を示すフローチャート図。
【図2】電池パッケージの解体分離の実施態様例を説明
するための説明図。
【図3】回収電池の放電処理の実施態様例を説明するた
めの説明図。
【図4】回収電池の解体分離の実施態様例を説明するた
めの説明図。
【図5】回収電池から分離した電池要素部の加熱処理の
実施態様例を説明するための説明図。
【図6】電池要素部の分離処理の実施態様例を説明する
ための説明図。
【図7】電池要素部中の金属回収の実施態様例を示すフ
ローチャート図。
【図8】電池要素部の振動分離の実施態様例を説明する
ための説明図。
【図9】電池要素部の加熱振動分離の実施態様例を説明
するための説明図。
【図10】回収電池の放電処理の実施態様例を説明する
ための説明図。
【図11】電池要素の放電処理時における電流−時間例
を示す曲線図。
【図12】回収電池の放電処理の他の実施態様例を説明
するための説明図。
【図13】電池要素の放電処理時における他の電流−時
間例を示す曲線図。
【図14】回収電池の放電処理のさらに他の実施態様例
を説明するための説明図。
【図15】電池要素の放電処理時におけるさらに他の電
流−時間例を示す曲線図。
【図16】回収電池の放電処理の他の実施態様例を説明
するための説明図。
【図17】回収電池の放電処理のさらに他の実施態様例
を説明するための説明図。
【図18】回収電池内の溶媒を揮散・回収処理の実施態
様例を説明するための説明図。
【図19】回収電池内の溶媒を揮散・回収処理の他の実
施態様例を説明するための説明図。
【図20】回収電池の解体分離の他の実施態様例を説明
するための説明図。
【図21】積層板の構成例を拡大して示す断面図。
【図22】積層板の絶縁層の構成例を拡大して示す平面
図。
【符号の説明】
1……供給ホッパー 2……電池パッケージ 3……第1の搬送コンベア 4……電池整流手段 5……第2の搬送コンベア 6……加熱装置 7a,7b……回転ロール 9……風力選別用ブロア 10a, 10b……分離品収容容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 親里 直彦 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 五反田 武志 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 北村 英夫 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 小松 出 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 林 勝 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 矢吹 元央 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 小沼 雅敬 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 原田 一成 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 金澤 悟史 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 佐々木 邦彦 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 馬場 優子 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 森田 正明 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 東 芝リサーチコンサルティング株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回収した電池を解体する工程と、前記解
    体品を洗浄する工程と、前記洗浄した解体品を加熱処理
    する工程と、電極要素部の活物質層を剥離・分離し、粉
    砕化する工程と、前記活物質層の粉末を酸性液中に浸
    し、酸溶解成分を溶出させる工程と、前記酸溶液を不溶
    解成分と分離する工程と、前記酸溶液中の金属成分を沈
    殿・回収する工程を有することを特徴とする廃棄物の処
    理方法。
  2. 【請求項2】 回収した電池を放電処理する工程と、前
    記放電処理した電池を解体する工程と、前記解体品を洗
    浄する工程と、前記洗浄した解体品を加熱処理する工程
    と、電極要素部の活物質層を剥離・分離し、粉砕化する
    工程と、前記活物質層の粉末を酸性液中に浸し、酸溶解
    成分を溶出させる工程と、前記酸溶液を不溶解成分と分
    離する工程と、前記酸溶液中の金属成分を沈殿・回収す
    る工程を有することを特徴とする廃棄物の処理方法。
  3. 【請求項3】 回収した電池の放電処理工程は、一方の
    電池電極端子にその電極集電体と同一材質の導体を導電
    性物質を介して接続し、イオン化傾向差による放電で行
    うことを特徴とする請求項2記載の廃棄物の処理方法。
  4. 【請求項4】 回収電池を解体し、アルコール塁および
    ケトン塁から選ばれた有機溶媒に含浸・暴すことを特徴
    とする請求項2記載の廃棄物の処理方法。
  5. 【請求項5】 電池の回収が、電池本体を内装した樹脂
    製パッケージを、回転速度差をつけた複数本のロール間
    を通過させ、電池本体から樹脂製パッケージを分離して
    行われることを特徴とする請求項1もしくは請求項2記
    載の廃棄物の処理方法。
  6. 【請求項6】 回収した電池を解体する工程において、
    回収した電池を加熱し、内蔵する液体を気体化して揮散
    させることを特徴とする請求項1もしくは請求項2記載
    の廃棄物の処理方法。
  7. 【請求項7】 回収した電池を解体する工程において、
    回収した電池の端子突出面側の封止部に近接しほぼ平行
    に切断開口させること、あるいは各面が垂直に交わって
    いる角部を切断開口させることを特徴とする請求項1も
    しくは請求項2記載の廃棄物の処理方法。
  8. 【請求項8】 回収し解体された電極部を還元性雰囲気
    下、 600℃以下の温度で加熱することを特徴とする請求
    項1もしくは請求項2記載の廃棄物の処理方法。
  9. 【請求項9】 電極要素部の活物質層を剥離・分離し、
    粉砕化する工程は、10mmメッシュ以下の網上に載置さ
    れ、かつ振動を加えて行われることを特徴とする請求項
    1もしくは請求項2記載の廃棄物の処理方法。
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