JP2021142474A - 有価物を含む廃棄物の処理装置及び処理方法 - Google Patents

有価物を含む廃棄物の処理装置及び処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021142474A
JP2021142474A JP2020042307A JP2020042307A JP2021142474A JP 2021142474 A JP2021142474 A JP 2021142474A JP 2020042307 A JP2020042307 A JP 2020042307A JP 2020042307 A JP2020042307 A JP 2020042307A JP 2021142474 A JP2021142474 A JP 2021142474A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
waste
heat treatment
treatment furnace
valuable resources
heating region
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020042307A
Other languages
English (en)
Inventor
充志 中村
Mitsuji Nakamura
充志 中村
健一 本間
Kenichi Honma
健一 本間
知久 吉川
Tomohisa Yoshikawa
知久 吉川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiheiyo Cement Corp
Original Assignee
Taiheiyo Cement Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiheiyo Cement Corp filed Critical Taiheiyo Cement Corp
Priority to JP2020042307A priority Critical patent/JP2021142474A/ja
Publication of JP2021142474A publication Critical patent/JP2021142474A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Abstract

【課題】有価物を含む廃棄物から安全かつ効率的に当該有価物を回収する装置及び方法を提供する。【解決手段】有価物を含む廃棄物を導入する導入口、前記廃棄物を加熱処理する加熱領域、及び前記廃棄物を排出する排出口を有する熱処理炉と、前記導入口を水封するための導入口側水槽と、を備え、前記排出口が、前記熱処理炉の前記加熱領域で加熱処理された前記廃棄物の焙焼物で封止された処理装置で、還元雰囲気下で上記廃棄物を熱処理する。【選択図】図1

Description

本発明は、有価物を含む廃棄物の処理装置及び処理方法、特に、廃リチウムイオン電池や配線基板等から安全かつ効率的に有価物を回収する装置及び方法に関する。
リチウムイオン電池は、ハイブリッド自動車や電気自動車等の電動車両用の電源として用いられ、アルミ箔にリチウム、コバルト、ニッケル等を塗布した正極材、銅箔に黒鉛等を塗布した負極材、電解液、セパレーター等から構成されている。リチウムイオン電池には、アルミニウム、リチウム、コバルト、ニッケル、銅等の有価物が含まれているため、使用後廃棄されたリチウムイオン電池(以下、適宜「LIB」と略称する場合がある。)からこれらを回収することは、資源の乏しいわが国にとって極めて重要である。
LIBから有価物を回収するために、焙焼、破砕又は粉砕、篩分け、選別等が行われている。
また、加熱処理に関しては資源回収、温度制御の観点から還元性雰囲気下、すなわち低酸素下での加熱処理が好ましいとされている。
特許文献1では、熱処理炉内を窒素やアルゴンガス等でガス置換して還元雰囲気とし、670℃〜1080℃で加熱処理を行って、集電体中のアルミニウムや銅を回収する方法が開示されている。また、特許文献2では、熱処理炉内を非酸化性雰囲気とし、400℃〜600℃で加熱処理して正極活物質中のコバルトを回収する方法が開示されている。
また、特許文献3では、回転炉を用い、炉内温度を300℃〜650℃として、有用金属であるリチウム、コバルト、ニッケル、マンガン等を回収する方法が開示されている。さらに、特許文献4では、ローラーハースキルンを用いて還元雰囲気下、アルミニウム、リチウム、コバルト、ニッケル、銅等の有価物を回収する方法が開示されている。特許文献5では、排出コンベアを有している固定炉を用いて、炉内を200℃〜600℃に加熱し、アルミニウムや銅を回収する方法が開示されている。
特開2018−78024号公報 特開2017−174517号公報 特開2016−22395号公報 特開2019−34254号公報 特開2018−172727号公報
しかしながら、特許文献1及び2の方法では固定炉を使用しており、バッチでの処理となるため処理効率が低下してしまうという問題がある。また、特許文献3及び4の方法では、連続処理が可能であるが、LIBを耐熱容器等の専用バスケットに充填して処理するため、別途LIB充填・焙焼物回収の作業が必要となり、作業効率が低下してしまう。さらに、特許文献5の方法では、導入口及び排出口から外気(酸素)が炉内に侵入し、回収物の品位を低下させる恐れがあるとともに、電解液や樹脂等の有機物の燃焼による熱暴走が生じ、安定した加熱処理ができない恐れもある。
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、有価物を含む廃棄物から安全かつ効率的に当該有価物を回収する装置及び方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、有価物を含む廃棄物を導入する導入口、前記廃棄物を加熱処理する加熱領域、及び前記廃棄物を排出する排出口を有する熱処理炉と、前記導入口を水封するための導入口側水槽と、を備え、前記排出口が、前記熱処理炉の前記加熱領域で加熱処理された前記廃棄物の焙焼物で封止されていることを特徴とする、有価物を含む廃棄物の処理装置に関する。
また、本発明は、有価物を含む廃棄物を導入する導入口、前記廃棄物を加熱処理する加熱領域、及び前記廃棄物を排出する排出口を有する熱処理炉と、前記導入口を水封するための導入口側水槽と、前記熱処理炉の前記加熱領域で加熱処理された前記廃棄物の焙焼物を粉砕するための破砕機と、を備え、前記排出口が、前記破砕機で封止されていることを特徴とする、有価物を含む廃棄物の処理装置に関する。
さらに、本発明は、有価物を含む廃棄物を導入する導入口、前記廃棄物を加熱処理する加熱領域、及び前記廃棄物を排出する排出口を有する熱処理炉と、前記導入口を水封するための導入口側水槽と、前記熱処理炉の前記加熱領域で加熱処理された前記廃棄物の焙焼物を粉砕するための粉砕機と、を備え、前記排出口が、前記粉砕機及び前記焙焼物で封止されていることを特徴とする、有価物を含む廃棄物の処理装置に関する。
また、本発明は、熱処理炉の、有価物を含む廃棄物を導入する導入口を導入口側水槽で水封するステップと、前記廃棄物を、前記熱処理炉の加熱領域において還元雰囲気下で熱処理するステップと、前記熱処理炉の、前記廃棄物の焙焼物を排出する排出口を当該焙焼物で封止するステップと、を含むことを特徴とする、有価物を含む廃棄物の処理方法に関する。
さらに、本発明は、熱処理炉の、有価物を含む廃棄物を導入する導入口を導入口側水槽で水封するステップと、前記熱処理炉の前記加熱領域で加熱処理された前記廃棄物の焙焼物を破砕するとともに、前記熱処理炉の排出口を封止するように破砕機を配設するステップと、を含むことを特徴とする、有価物を含む廃棄物の処理方法に関する。
また、本発明は、熱処理炉の、有価物を含む廃棄物を導入する導入口を導入口側水槽で水封するステップと、前記熱処理炉の前記加熱領域で加熱処理された前記廃棄物の焙焼物を粉砕する粉砕機を配設するステップと、前記熱処理炉の排出口を前記粉砕機及び前記焙焼物で封止するステップと、を含むことを特徴とする、有価物を含む廃棄物の処理方法に関する。
本発明によれば、熱処理炉の入口、すなわち有価物を含む廃棄物を導入する導入口に水槽を配設し、熱処理炉の出口、すなわち有価物を含む廃棄物の焙焼物を排出する排出口に当該焙焼物、破砕機、又は焙焼物及び粉砕機を配設して当該排出口を封止するようにしている。したがって、熱処理内に外気(酸素)が侵入することがないので、廃棄物からの回収物が酸化してしまい、品位低下してしまうことがない。また、例えば、LIBの電解液や樹脂等の有機物の燃焼に伴う熱暴走を生じることがない。結果として、廃棄物から安全に有価物を回収することができる。
なお、本発明における“還元雰囲気”とは、雰囲気中の酸素濃度が11体積%以下、好ましくは5体積%以下の場合を意味する。
また、本発明における廃棄物とは、LIBや回路基板、その他希土類等を含む磁石等を意味し、有価物とは、アルミニウム、リチウム、コバルト、ニッケル、銅等の他、上記希土類等を意味するものであるが、これらに限定されるものではない。
本発明の一態様において、導入側水槽には電解質を含む水溶液を貯留しておくことができる。この場合、例えば、廃棄物としてLIBを熱処理炉内に導入する以前に、導入側水槽でLIBの電気エネルギーを取り除くことができ、炉内での放電を抑制して、安定した処理が可能となる。
本発明の一態様において、例えば、廃棄物が分解温度の異なる複数の廃棄物質を含むような場合、加熱領域は、第1廃棄物質を除去するための第1加熱領域と、第2廃棄物質を除去するための第2加熱領域と、を含むことができる。この場合、第1廃棄物質及び第2廃棄物質を順次効率的に除去することができるので、後のステップにおいて、有価物の回収を簡易に行うことができる。
本発明の一態様において、熱処理炉は、トンネルキルン又はローラーハースキルンとすることができる。この場合、上述のように、連続した作業が可能となるとともに、逐次、炉内を窒素ガス等で置換する必要がないので、廃棄物から効率的に有価物を回収することができる。
本発明の一態様において、熱処理炉はトンネルキルンであって、導入口側水槽は、トンネルキルン内を搬送させるコンベアの導入口側を重力方向に沿って湾曲させた凹部から構成することができる。この場合、別途水槽を用いることなく、コンベア自体を水槽として用い、熱処理炉を水封することができるので、装置構成を簡易化することができる。
以上説明したように、本発明によれば、有価物を含む廃棄物から安全かつ効率的に当該有価物を回収する装置及び方法を提供することができる。
本発明の第1実施形態における有価物を含む廃棄物の処理装置の概略構成図である。 本発明の第2実施形態における有価物を含む廃棄物の処理装置の概略構成図である。 本発明の第3実施形態における有価物を含む廃棄物の処理装置の概略構成図である。
以下、図面を参照して、本発明の詳細及びその他の特徴について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態の有価物を含む廃棄物の処理装置の概略構成図である。なお、本実施形態では、廃棄物として廃リチウムイオン電池の場合について説明するが、本実施形態はこれに限定されるものではない。
図1に示すように、本実施形態の有価物を含む廃棄物の処理装置10は、熱処理炉11を有する。熱処理炉11はトンネルキルンであって、例えばステンレス(SUS304等)で作製されており、その内壁面は図示しない耐火材で覆われている。熱処理炉11をトンネルキルンとすることによって、連続した作業が可能となるとともに、以下に説明するように、逐次、炉内を窒素ガス等で置換する必要がない。結果として、LIBから効率的に有価物を回収することができる。
また、熱処理炉11は、第1加熱領域A、第2加熱領域B及び冷却領域Cに分割されている。第1加熱処理Aには上下に一対の第1ヒータ12が配設されており、LIBの電解液を揮発させるように構成されている。また、第2加熱領域Bには上下に一対の第2ヒータ13が配設されており、LIBのバインダーを分解除去するように構成されている。
なお、冷却領域Cには特にヒータは配設されていないが、急速冷却に伴う応力に起因した有価物の剥離等を防止するために適当なヒータを配設してもよい。
熱処理炉11がトンネルキルンであることに伴って、熱処理炉11内には、その導入口11Aから排出口11Bにかけて延在するようにしてコンベア16が配設されている。
コンベア16は、熱処理炉11の各領域に対応して分割されており、熱処理炉11の第1加熱領域Aに対応した第1コンベア161と、熱処理炉11の第2加熱領域Bに対応した第2コンベア162と、熱処理炉11の冷却領域Cに対応した第3コンベア163とを有している。また、熱処理炉11の導入口11A側において、重力方向に沿って凹部状に湾曲した第4コンベア164、及び熱処理炉11の排出口11B側において、第3コンベア163の下方に配設された第5コンベア165を有している。
また、第3コンベア163の排出口11B側であって、第5コンベア165の上方には、熱処理炉11で焙焼された焙焼物Dを粗破砕するロールクラッシャー33が配設されている。なお、焙焼物Dの粒度が十分に小さい場合は、上記ロールクラッシャー33を省略することができる。
第1コンベア161、第2コンベア162、第3コンベア163、第4コンベア164及び第5コンベア165は、それぞれ独立に一対のローラ21、22、23、24及び25で図中矢印の方向に移動するように回転駆動されている。
第4コンベア164内には、その湾曲した凹部内に電解質を含む水溶液が充填されている。なお、電解質としては汎用のものを用いることができ、例えば塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カルシウムを挙げることができる。
また、第4コンベア164内に充填された水溶液内には、熱処理炉11の導入口11A側の壁面端部が浸漬しており、当該導入口を水封している。さらに、第5コンベア165上にはLIBの焙焼物Dが載っており、当該焙焼物Dによって排出口11Bを封止している。この結果、熱処理炉11の全体が封止されて外気より遮断された状態を保持することができる。
したがって、熱処理炉11内に外気(酸素)が侵入することがないので、LIBからの回収物が酸化してしまい、品位低下してしまうことがない。また、電解液や樹脂等の有機物の燃焼に伴う熱暴走を生じることがない。結果として、LIBから安全に有価物を回収することができる。
なお、以下に説明するように、処理装置10の運転当初は、焙焼物Dが存在しないので、上記のように熱処理炉11の全体が封止されるのは、処理装置10の運転が定常状態になった後である。
なお、第4コンベア164及び第5コンベア165が熱処理炉11内に侵入あるいは排出される際には、これらコンベアが熱処理炉11の壁面と接触しないように、厳密には、熱処理炉11の導入口11A及び熱処理炉11の排出口11Bの一部にクリアランスが形成されているが、以下に説明するLIBの処理には影響を与えない。
次に、図1に示す有価物を含む廃棄物の処理装置10を用いたLIBの処理方法について説明する。
最初に、図示しない給気口から窒素ガス等の不活性ガスを熱処理炉11内に導入するとともに、図示しない排気口から熱処理炉11内の空気(酸素)を外部に排出して熱処理炉11内部を還元雰囲気とする。このとき、熱処理炉11の導入口11Aは、第4コンベア164に貯留された水溶液で水封されているが、排出口11BにはLIBの焙焼物Dが未だ存在しないので、好ましくは処理装置10の運転が定常状態になって、排出口11Bに焙焼物Dが残存するようになるまで熱処理炉11内をガス置換する。
なお、還元雰囲気とは、熱処理炉11中の酸素濃度が11体積%以下、好ましくは5体積%以下の場合を意味する。
次いで、処理に供するLIBを第4コンベア164に載せて、熱処理炉11内に導入する。このとき、第4コンベア164には電解質を含む水溶液が貯留されているので、LIBは放電し、内部の電気エネルギーを放出する。したがって、熱処理炉11内での放電を抑制して、安定した処理が可能となる。
次いで、第4コンベア164で熱処理炉11内に導入されたLIBは、第1加熱領域Aにおいて、例えば100℃〜250℃、1〜2時間の滞留時間で加熱処理する。すると、LIB中の電解液が揮発して除去される。なお、滞留時間は、第1コンベア161の駆動速度を適宜制御することによって設定する。
また、100℃〜250℃であれば、電解液の急激な揮発を防止することができ、LIBが膨張して破裂する危険性がない。さらに、電解液の急激な揮発を防止すべく、上記温度範囲内への昇温は5℃/分以下で行うことが好ましい。
次いで、LIBは第1コンベア161によって第1加熱領域Aから第2加熱領域Bに移動させる。このとき、第2加熱領域Bでは、例えば300℃〜650℃の温度で、1〜2時間加熱(焙焼)処理する。すると、LIB中のアルミニウム箔あるいは銅箔(集電体)と黒煙(活物質)とを接着させているバインダーが分解すると共に、樹脂部分が脆化する。滞留時間は、上記同様に、第2コンベア162の駆動速度を適宜制御することによって設定する。
なお、下限値である300℃はバインダーが分解する最低温度、例えば300℃であり、上限値である650℃はアルミニウムが溶融しない最高温度(アルミニウムの融点)である。
また、熱処理炉11内は還元雰囲気になっており、LIBの樹脂製の筐体等のプラスチック類は、乾留により炭化混合物としてアルミニウム、リチウム、コバルト、ニッケル、銅等の有用金属が含まれる材料から分離された状態となっている。
また、LIBの電解液が揮発して生じたガスは、プラスチック等の可燃性物質が熱分解することによって発生したガスと共に、図示しない排出口から熱処理炉11外に排出される。これらのガスは可燃性ガスであり、熱源として取り出して再利用することができる。
次いで、LIBの焙焼物Dは、第2コンベア162で冷却領域Cに移動し、ここで2〜3時間滞留させた後、ロールクラッシャー33で粗破砕(〜30mm)を行い、第5コンベア165上に堆積して排出口11Bに移動させる。すると、焙焼物Dは排出口11Bで滞留し、当該排出口11Bを封止するようになる。したがって、処理装置10は定常状態となり、熱処理炉11は、導入口11Aが第4コンベア164内に貯留された水溶液Wで水封され、排出口11B側が焙焼物Dによって封止され、熱処理炉11の全体が封止されて外気より遮断された状態を保持することができる。
焙焼物Dは、排出口11Bの隙間から第5コンベア165によって熱処理炉11外に排出され、回収槽31内に回収される。
なお、冷却領域Cでの滞留時間は、第3コンベア163の駆動速度を適宜制御することによって設定する。
回収槽31内に回収された焙焼物Dは有価物回収装置に供される。有価物回収装置では、回収した焙焼物の破砕、篩分け、選別、回収等の汎用の操作が行われる。
以上説明したように、本実施形態の廃リチウムイオン電池の処理装置10によれば、廃リチウムイオン電池から安全かつ効率的に有価物を回収することができる。
(第2実施形態)
図2は、本実施形態の有価物を含む廃棄物の処理装置の概略構成図である。なお、本実施形態でも、廃棄物として廃リチウムイオン電池の場合について説明するが、本実施形態はこれに限定されるものではない。
また、図1に示す構成要素と同一あるいは類似の構成要素に関しては同一の符号を用いている。
本実施形態の処理装置40では、第1実施形態において、熱処理炉11の排出口11BをLIBの焙焼物Dで封止したが、本実施形態ではロールクラッシャー33を排出口11Bの近傍に配設し、当該ロールクラッシャー33で排出口11Bを封止している。したがって、第1実施形態と異なり、本実施形態では、処理装置40が定常状態とならなくとも、熱処理炉11内が第4コンベア164内に貯留された水溶液Wとロールクラッシャー33とで封止された状態となる。
したがって、熱処理炉11内に外気(酸素)が侵入することがないので、LIBからの回収物が酸化してしまい、品位低下してしまうことがない。また、電解液や樹脂等の有機物の燃焼に伴う熱暴走を生じることがない。結果として、LIBから安全に有価物を回収することができる。
その他の特徴及び利点については第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
(第3実施形態)
図3は、本実施形態の有価物を含む廃棄物の処理装置の概略構成図である。なお、本実施形態でも、廃棄物として廃リチウムイオン電池の場合について説明するが、本実施形態はこれに限定されるものではない。
また、図1及び図2に示す構成要素と同一あるいは類似の構成要素に関しては同一の符号を用いている。
本実施形態の処理装置50では、第1実施形態において第5コンベア165に乗って排出される焙焼物Dを上側から圧し潰して粉砕するローラ35が配設されており、焙焼物D及びローラ35で熱処理炉11の排出口11Bを封止するようにしている。したがって、熱処理炉11内が第4コンベア164内に貯留された水溶液Wと焙焼物D及びローラ35で封止された状態となる。
したがって、熱処理炉11内に外気(酸素)が侵入することがないので、LIBからの回収物が酸化してしまい、品位低下してしまうことがない。また、電解液や樹脂等の有機物の燃焼に伴う熱暴走を生じることがない。結果として、LIBから安全に有価物を回収することができる。
但し、第1実施形態と同様に、焙焼物Dは処理装置50が定常状態にならないと生成されないので、処理装置50が定常状態となるまでは、熱処理炉11内をガス置換することが好ましい。
その他の特徴及び利点については第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として掲示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、上記実施形態では、第4コンベア164を重力方向に沿って凹部状に湾曲させ、当該凹部内に電解質を含む水溶液を貯留して、熱処理炉11の導入口11A側を水封するようにしている。しかしながら、別途水溶液が貯留された槽を準備し、これら槽内の水溶液で熱処理炉11の導入口11Aを水封するようにしてもよい。
このとき、第4コンベア164は、第1コンベア161等と同様にリニアかつ平面状の汎用の形態とすることができる。但し、上述した目的を達成すべく、第4コンベア164は槽内に浸漬させて、LIBを放電させる必要がある。
なお、上記実施形態のように、第4コンベア164を重力方向に沿って凹部状に湾曲させ、当該凹部内に電解質を含む水溶液を貯留するようにすることによって、装置構成を簡易化することができる。
また、上記実施形態では、第4コンベア164の凹部内に電解質を含む水溶液を貯留させているが、電解質を含まない通常の水を貯留させてもよい。この場合においても、水が極性を有するので、多少の放電処理を行うことができ、上述した作用効果を奏することができる。
さらに、上記実施形態では、熱処理炉11をトンネルキルンとしたが、ローラーハースキルンとすることもできる。この場合も、連続した作業が可能となるとともに、逐次、炉内を窒素ガス等で置換する必要がないので、LIBから効率的に有価物を回収することができる。
また、上記実施形態では、コンベア16を領域毎に5つのコンベアに分割しているが、連続した1つのコンベアとすることもできる。このとき、第1加熱領域A等における加熱制御は、第1ヒータ12等を制御することによって行う。
また、上記実施形態は、廃リチウムイオン電池の処理の他、回路基板、その他希土類等を含む磁石等にも適用できる。例えば、回路基板等の場合は、熱処理炉11の第1加熱領域Aでレジストを揮発させ、第2加熱領域Bで基板を分解及び脆化させることにより、配線を構成する銅や銀、金などを回収することができる。
10,40,50 廃リチウムイオン電池の処理装置
11 熱処理炉
11A 熱処理炉の導入口
11B 熱処理炉の排出口
12 第1ヒータ
13 第2ヒータ
16 コンベア
161 第1コンベア
162 第2コンベア
163 第3コンベア
164 第4コンベア
165 第5コンベア
21,22,23,24,25 ローラ
31 回収槽
33 ロールクラッシャー
35 ローラ
W 水溶液

Claims (10)

  1. 有価物を含む廃棄物を導入する導入口、前記廃棄物を加熱処理する加熱領域、及び前記廃棄物を排出する排出口を有する熱処理炉と、
    前記導入口を水封するための導入口側水槽と、を備え、
    前記排出口が、前記熱処理炉の前記加熱領域で加熱処理された焙焼物で封止されていることを特徴とする、有価物を含む廃棄物の処理装置。
  2. 有価物を含む廃棄物を導入する導入口、前記廃棄物を加熱処理する加熱領域、及び前記廃棄物を排出する排出口を有する熱処理炉と、
    前記導入口を水封するための導入口側水槽と、
    前記熱処理炉の前記加熱領域で加熱処理された前記廃棄物の焙焼物を粉砕するための破砕機と、を備え、
    前記排出口が、前記破砕機で封止されていることを特徴とする、有価物を含む廃棄物の処理装置。
  3. 有価物を含む廃棄物を導入する導入口、前記廃棄物を加熱処理する加熱領域、及び前記廃棄物を排出する排出口を有する熱処理炉と、
    前記導入口を水封するための導入口側水槽と、
    前記熱処理炉の前記加熱領域で加熱処理された前記廃棄物の焙焼物を粉砕するための粉砕機と、を備え、
    前記排出口が、前記粉砕機及び前記焙焼物で封止されていることを特徴とする、有価物を含む廃棄物の処理装置。
  4. 前記導入側水槽には電解質を含む水溶液が貯留されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の有価物を含む廃棄物の処理装置。
  5. 前記加熱領域は、前記廃棄物中の第1廃棄物質を除去するための第1加熱領域と、前記廃棄物中の第2廃棄物質を除去するための第2加熱領域と、を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の有価物を含む廃棄物の処理装置。
  6. 前記熱処理炉は、トンネルキルン又はローラーハースキルンであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の有価物を含む廃棄物の処理装置。
  7. 前記熱処理炉はトンネルキルンであって、前記導入口側水槽は、前記トンネルキルン内を搬送させるコンベアの導入口側を重力方向に沿って湾曲させた凹部から構成することを特徴とする、請求項6に記載の有価物を含む廃棄物の処理装置。
  8. 熱処理炉の、有価物を含む廃棄物を導入する導入口を導入口側水槽で水封するステップと、
    前記廃棄物を、前記熱処理炉の加熱領域において還元雰囲気下で熱処理するステップと、
    前記熱処理炉の、前記廃棄物の焙焼物を排出する排出口を当該焙焼物で封止するステップと、
    を含むことを特徴とする、有価物を含む廃棄物の処理方法。
  9. 熱処理炉の、有価物を含む廃棄物を導入する導入口を導入口側水槽で水封するステップと、
    前記熱処理炉の前記加熱領域で加熱処理された前記廃棄物の焙焼物を破砕するとともに、前記熱処理炉の排出口を封止するように破砕機を配設するステップと、
    を含むことを特徴とする、有価物を含む廃棄物の処理方法。
  10. 熱処理炉の、有価物を含む廃棄物を導入する導入口を導入口側水槽で水封するステップと、
    前記熱処理炉の前記加熱領域で加熱処理された前記廃棄物の焙焼物を粉砕する粉砕機を配設するステップと、
    前記熱処理炉の排出口を前記粉砕機及び前記焙焼物で封止するステップと、
    を含むことを特徴とする、有価物を含む廃棄物の処理方法。

JP2020042307A 2020-03-11 2020-03-11 有価物を含む廃棄物の処理装置及び処理方法 Pending JP2021142474A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020042307A JP2021142474A (ja) 2020-03-11 2020-03-11 有価物を含む廃棄物の処理装置及び処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020042307A JP2021142474A (ja) 2020-03-11 2020-03-11 有価物を含む廃棄物の処理装置及び処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021142474A true JP2021142474A (ja) 2021-09-24

Family

ID=77765692

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020042307A Pending JP2021142474A (ja) 2020-03-11 2020-03-11 有価物を含む廃棄物の処理装置及び処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021142474A (ja)

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4837475A (ja) * 1971-09-14 1973-06-02
JPS5130114B1 (ja) * 1970-06-24 1976-08-30
JPH09299902A (ja) * 1996-05-15 1997-11-25 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 廃棄物のガス化装置
JPH10324880A (ja) * 1997-05-23 1998-12-08 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 廃棄物処理装置における熱分解残留物排出装置のブリッジ検出装置及びブリッジ破壊装置
JP2000192052A (ja) * 1998-12-24 2000-07-11 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 乾留残渣排出装置
JP2012038521A (ja) * 2010-08-05 2012-02-23 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 電池の放電設備
JP2015147985A (ja) * 2014-02-07 2015-08-20 Jx日鉱日石金属株式会社 有価金属の回収処理装置及び方法
JP2019034254A (ja) * 2017-08-10 2019-03-07 太平洋セメント株式会社 廃リチウムイオン電池の処理装置及び処理方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5130114B1 (ja) * 1970-06-24 1976-08-30
JPS4837475A (ja) * 1971-09-14 1973-06-02
JPH09299902A (ja) * 1996-05-15 1997-11-25 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 廃棄物のガス化装置
JPH10324880A (ja) * 1997-05-23 1998-12-08 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 廃棄物処理装置における熱分解残留物排出装置のブリッジ検出装置及びブリッジ破壊装置
JP2000192052A (ja) * 1998-12-24 2000-07-11 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 乾留残渣排出装置
JP2012038521A (ja) * 2010-08-05 2012-02-23 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 電池の放電設備
JP2015147985A (ja) * 2014-02-07 2015-08-20 Jx日鉱日石金属株式会社 有価金属の回収処理装置及び方法
JP2019034254A (ja) * 2017-08-10 2019-03-07 太平洋セメント株式会社 廃リチウムイオン電池の処理装置及び処理方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Zhong et al. Pretreatment for the recovery of spent lithium ion batteries: theoretical and practical aspects
JP7256693B2 (ja) 廃リチウムイオン電池の処理システム
US10727546B2 (en) Method for treating lithium ion battery
CN110719963B (zh) 锂离子电池废料的处理方法
KR20220078690A (ko) 전지 폐기물의 열처리 방법, 및 리튬 회수 방법
JP2018197385A (ja) リンの除去方法、有価金属の回収方法
JP7338326B2 (ja) 有価金属を回収する方法
JP7322687B2 (ja) 廃電池からの有価金属回収方法
JP2019034254A (ja) 廃リチウムイオン電池の処理装置及び処理方法
JP2012224877A (ja) 有価金属回収方法
WO2021177005A1 (ja) 廃電池からの有価金属回収方法
WO2020179692A1 (ja) 廃リチウムイオン電池の処理システム及び処理方法
JPH11265736A (ja) 廃電池の処理方法および処理装置
Milian et al. A comprehensive review of emerging technologies for recycling spent lithium-ion batteries
JP2021031762A (ja) 有価金属を回収する方法
JP7359062B2 (ja) 廃リチウムイオン電池からの有価金属の回収方法
JP2017037818A (ja) リチウムイオン電池の処理方法
JP2021142474A (ja) 有価物を含む廃棄物の処理装置及び処理方法
JP7352499B2 (ja) 廃リチウムイオン電池の処理装置及び処理方法
JP7447643B2 (ja) 有価金属回収方法
JP2021063304A (ja) 使用済みリチウムイオン電池からの有価物回収方法
JP7220841B2 (ja) 有価金属の製造方法
JP7109702B1 (ja) 電池廃棄物の処理方法
JP7220840B2 (ja) 有価金属の製造方法
JP7389354B2 (ja) 有価金属回収方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220719

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230317

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230322

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230508

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230530