JP2018172589A - 貼り合わせ方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】粗面基材を貼り合わせてなる積層体の伝導性への悪影響を抑制しつつ、密着性を確保することのできる貼り合わせ方法を提供することを目的とする。【解決手段】本発明による貼り合わせ方法は、第1の粗面基材11および第2の粗面基材12のそれぞれの表面に、第1の繊維状炭素ナノ構造体を含む第1分散液21,22を塗布する第1工程と、第1分散液21,22を乾燥させてなる接着補助層21A,22Aを、粗面基材11,12のそれぞれに形成する第2工程と、少なくともいずれか一方の接着補助層21A,22Aの表面に、第2の繊維状炭素ナノ構造体を含む第2分散液30を塗布する第3工程と、粗面基材11,12を、前記第2分散液30を介して貼り合せる第4工程と、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、貼り合わせ方法に関し、特に表面が粗面であるシート状の基材同士を貼り合わせる方法に関する。
シート状の導電層および熱伝導層などを貼り合わせて積層体を形成することは従来より種々の用途で行われており、貼り合わせに際しては各層間の密着性(接着性)の確保が重要である。そこで、各層間の密着性を高めるため、接着剤として機能する樹脂などの有機化合物からなる接着層を介在させることで各層を貼り合わせる技術が広く用いられている。しかしながら、こうした接着層を介在させて各層を貼り合わせると、当該接着層が電気的および/または熱的な絶縁体となってしまい、積層体全体の伝導性に悪影響を及ぼしかねない。そこで、接着層の伝導性を改善するための手法が種々検討されている。
ここで、カーボンナノチューブ(以下「CNT」と称することがある。)などの繊維状炭素ナノ構造体は、導電性、熱伝導性、摺動特性、機械特性等に優れるため、幅広い用途への応用が検討されている。
例えば、特許文献1には、CNT集合体と、重合により熱硬化性樹脂となるモノマーおよび当該モノマーを溶解可能な溶液の混合液からなるモノマー溶液と、を含むペースト状組成物が開示されている。特許文献1によると、炭素繊維が熱硬化性樹脂に分散した炭素繊維分散層同士の間に上記ペースト状組成物を塗布して固化させることで、炭素繊維分散層同士を接合する接着層とすることができる。特許文献1によれば、こうして作製された接着層は、高い剥離強度と優れた導電性を有するとされる。
国際公開第2016/159072号
特許文献1では、炭素繊維分散層同士を密着させるために接着剤として熱硬化性樹脂を用いてつつ、熱硬化性樹脂中にCNTを分散させることで、CNTの3次元構造に起因する剥離強度と導電性を実現している。しかしながら、特許文献1に開示されるペースト状組成物に含まれるCNT集合体の濃度は0.1重量%〜1.0重量%程度であることから、CNTの含有比率は極めて低い。したがって、CNTが炭素繊維分散層同士の層間強度に実際に寄与しているとは言い難く、あくまで凝集破壊を防いでいるに過ぎない。すなわち、層間強度に貢献しているのは熱硬化性樹脂であることから、特許文献1における接着層は少なくとも熱的絶縁体として機能するのであり、当該接着層が良好な導電体または熱伝導体であるとまでは言い難い。したがって、炭素繊維分散層などの粗面基材同士を貼り合わせてなる積層体の伝導性への悪影響を抑制しつつ、接着性を確保することのできる貼り合わせ方法の確立が求められる。
そこで本発明は、粗面基材を貼り合わせてなる積層体の伝導性への悪影響を抑制しつつ、接着性を確保することのできる貼り合わせ方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決することを目的として鋭意検討を行った。そして、本発明者は、繊維状炭素ナノ構造体を含む分散液を接着剤として用いることを一旦想起したところ、当該分散液単独では接着性が不十分であることが確認された。そこで、当該分散液の塗布に先立ち、別の分散液を塗布して乾燥させた接着補助層を設けることを着想し、こうすることで接着性を確保できることを知見した。また、こうした貼り合わせ方法であれば、従来の接着剤と異なり樹脂などの有機成分を極めて少なくできることも確認され、その結果、従来の貼り合わせ方法に比べて熱伝導率の悪影響を抑制できる。そして、本発明者は上記知見に基づき、本発明を完成させた。
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の貼り合わせ方法は、第1の粗面基材および第2の粗面基材のそれぞれの表面に、第1の繊維状炭素ナノ構造体を含む第1分散液を塗布する第1工程と、前記第1分散液を乾燥させてなる接着補助層を、前記第1および第2の粗面基材のそれぞれに形成する第2工程と、少なくともいずれか一方の前記接着補助層の表面に、第2の繊維状炭素ナノ構造体を含む第2分散液を塗布する第3工程と、前記第1の粗面基材および前記第2の粗面基材を、前記接着補助層を設けた側の面同士で前記第2分散液を介して貼り合せる第4工程と、を含み、前記第1および第2の粗面基材の前記表面の最大高さSzが共に10μm以上であり、動的光散乱法によって測定した際の、前記第1分散液の平均粒子径が1.5μm以下であり、動的光散乱法またはレーザー回折散乱法によって測定した際の、前記第2分散液の平均粒子径が0.3μm以上40μm以下であり、前記第1および第2の繊維状炭素ナノ構造体のBET比表面積が共に300g/m以上であることを特徴とする。この貼り合わせ方法により、粗面基材を貼り合わせてなる積層体の伝導性への悪影響を抑制しつつ、接着性を確保することができる。
なお、本発明において、第1分散液の「平均粒子径」とは、第1分散液中に含まれている固形物のメジアン径(体積換算値)を指し、動的光散乱法を用いた粒度分布計による測定に従う。さらに、第2分散液の「平均粒子径」とは、第2分散液中に含まれている固形物のメジアン径(体積換算値)を指し、動的光散乱法またはレーザー回折散乱法を用いた粒度分布計による測定に従う。各分散液が繊維状炭素ナノ構造体以外に分散剤などの固形物を含む場合、測定される平均粒子径は混合物の平均粒子径である。なお、平均粒子径が10μm未満の場合は粒子径の測定に際して動的光散乱法を用いることとし、平均粒子径が10μm以上の場合は粒子径の測定に際してレーザー回折散乱法を用いることとする。
また、本発明の貼り合わせ方法において、前記第1分散液は樹脂を含み、前記第1分散液中の前記繊維状炭素ナノ構造体の含有割合Aに対する前記樹脂の含有割合Bの比B/Aが、質量基準で、1.0以下であることが好ましい。このような第1分散液を用いることで、本発明効果をより確実なものとすることができる。
また、本発明の貼り合わせ方法において、前記第2分散液は樹脂を含み、前記第2分散液中の前記繊維状炭素ナノ構造体の含有割合Cに対する前記樹脂の含有割合Dの比D/Cが、質量基準で、1.0以下であることが好ましい。このような第2分散液を用いることで、本発明効果をより確実なものとすることができる。
一方、本発明の貼り合わせ方法において、前記第2分散液は樹脂を含まないことも好ましい。このような第2分散液を用いることで、本発明効果をより確実なものとすることができる。
更に、本発明の貼り合わせ方法において、前記第1および第2の粗面基材の最大高さSzが共に80μm以上であることが好ましい。本発明はこうした粗面基材の貼り合わせに供して好適である。
本発明によれば、粗面基材を貼り合わせてなる積層体の伝導性への悪影響を抑制しつつ、接着性を確保することのできる貼り合わせ方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に従う貼り合わせ方法を説明する模式的断面図である。
以下、図1を用いつつ、本発明の一実施形態に従う貼り合わせ方法を説明する。なお、説明の便宜上、図1において、各構成の縦横の比率を実際の比率から誇張して示している。また、例えば粗面基材11,12の表面は平滑面の如く図示しているが、図1は模式的な断面図を示すものに過ぎず、実際には粗面であって図示とは異なることも当然に理解される。さらに、図1では第1分散液21,22を便宜的に対向して塗布した図示を行っているが、塗布面の方向は何ら制限されない。
(貼り合わせ方法)
図1に示すように、本発明の一実施形態に従う貼り合わせ方法は、第1の粗面基材11および第2の粗面基材12のそれぞれの表面に、第1の繊維状炭素ナノ構造体を含む第1分散液21,22を塗布する第1工程(図1(A),(B))と、第1分散液21,22を乾燥させてなる接着補助層22A,22Bを、第1および第2の粗面基材11,12のそれぞれに形成する第2工程(図1(C))と、少なくともいずれか一方の接着補助層21A,22Aの表面に、第2の繊維状炭素ナノ構造体を含む第2分散液30を塗布する第3工程(図1(D))と、第1の粗面基材11および第2の粗面基材12を、接着補助層21A,22Aを設けた側の面同士で第2分散液30を介して貼り合せる第4工程図1(E)と、を含み、その他任意の工程を含んでもよい。なお、図1は、第3工程において、接着補助層21Aの表面に第2分散液30を塗布していた態様を図示する。
ここで、本実施形態では、第1および第2の粗面基材11,12の表面の最大高さSzが共に10μm以上であり、第1分散液21の平均粒子径が1.5μm以下であり、第2分散液22の平均粒子径が0.3μm以上40μm以下であり、第1および第2の繊維状炭素ナノ構造体のBET比表面積が共に300g/m以上である。なお、第1分散液の平均粒子径は動的光散乱法による測定に従い、第2分散液の平均粒子径は動的光散乱法またはレーザー回折散乱法による測定に従う。第1分散液および/または第2分散液が繊維状炭素ナノ構造体以外に分散剤などの固形物を含む場合、測定される平均粒子径は混合物の平均粒子径である。こうした貼り合わせ方法により、粗面基材を貼り合わせてなる積層体の伝導性への悪影響を抑制しつつ、接着性を確保することができる。以下、各工程の詳細を説明する。
<第1工程>
第1工程では、第1の粗面基材11および第2の粗面基材12のそれぞれの表面に、第1の繊維状炭素ナノ構造体を含む第1分散液21,22を塗布する。
<<粗面基材>>
粗面基材11,12は、表面の最大高さSzが10μm以上であれば特に限定されることなく、任意の基材を用いることができ、本実施形態はシート状の基材の貼り合わせに供して好適である。粗面基材の具体例としては、例えばグラファイトシート、ゴムシート、樹脂シート、サンドマット加工をしたPET、面荒れさせた銅板および鋼板、などを例示することができ、金属材料であってもよいし、非金属材料であってもよい。乾燥後の第1分散液および第2分散液の熱膨張係数を考慮して、粗面基材としては炭素を含む基材を用いることがより好ましい。また、本実施形態に係る貼り合わせ方法は、最大高さSzが80μm以上である粗面基材に供してより好適であり、第1の粗面基材11および第2の粗面基材12のいずれか一方または両方の最大高さSzが80μm以上であってもよい。なお、粗面基材の最大高さSzは特に限定されないが、本発明効果をより確実なものとする観点では300μm以下とすることができ、200μm以下とすることが好ましい。
なお、本明細書における最大高さ(Maximum height of the scale-limited surface)SzはISO25178-2:2012に準拠するものとする。また、基材が「シート状である」とは、限定を意図しないが基材の厚みが概ね10mm以下であるものを言う。
<<第1分散液>>
ここで、第1分散液は第1の繊維状炭素ナノ構造体を含み、当該第1の繊維状炭素ナノ構造体が分散した分散液の形態であって、動的光散乱法によって測定した際の平均粒子径が1.5μm以下であれば特に制限されないが、分散媒と、分散剤と、さらにその他の成分とを含み得る。なお、第1分散液は、例えば第1の繊維状炭素ナノ構造体および分散剤を分散媒に添加して分散処理をすることにより得られる。
[第1の繊維状炭素ナノ構造体]
第1の繊維状炭素ナノ構造体としては、特に限定されることなく、繊維状構造を有する炭素ナノ構造体を用いることができる。具体的には、第1の繊維状炭素ナノ構造体としては、例えば、カーボンナノチューブ(CNT)等の円筒形状の炭素ナノ構造体や、炭素の六員環ネットワークが扁平筒状に形成されてなる炭素ナノ構造体等の非円筒形状の炭素ナノ構造体を用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。上述した中でも、第1の繊維状炭素ナノ構造体が、CNTを含むことがより好ましい。
なお、第1の繊維状炭素ナノ構造体がCNTを含むとは、第1の繊維状炭素ナノ構造体がCNTのみからなるものであってもよいし、CNTと、CNT以外の繊維状炭素ナノ構造体との混合物であってもよい。
そして、第1の繊維状炭素ナノ構造体中のCNTとしては、特に限定されることなく、単層カーボンナノチューブおよび/または多層カーボンナノチューブを用いることができるが、CNTは、単層から5層までのカーボンナノチューブであることが好ましい。
なお、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体は、特に限定されることなく、アーク放電法、レーザーアブレーション法、化学的気相成長法(CVD法)などの既知のCNTの合成方法を用いて製造することができる。具体的には、CNTは、例えば、カーボンナノチューブ製造用の触媒層を表面に有する基材上に原料化合物およびキャリアガスを供給し、化学的気相成長法(CVD法)によりCNTを合成する際に、系内に微量の酸化剤(触媒賦活物質)を存在させることで、触媒層の触媒活性を飛躍的に向上させるという方法(スーパーグロース法;国際公開第2006/011655号参照)に準じて、効率的に製造することができる。なお、以下では、スーパーグロース法により得られるカーボンナノチューブを「SGCNT」と称することがある。
そして、スーパーグロース法により製造された繊維状炭素ナノ構造体は、SGCNTのみから構成されていてもよいし、SGCNTに加え、例えば、非円筒形状の炭素ナノ構造体等の他の炭素ナノ構造体も含みうる。
−比表面積−
また、第1の繊維状炭素ナノ構造体のBET比表面積が300m/g以上であれば特に制限されないが、400m2/g以上であることが好ましく、600m2/g以上であることがより好ましく、800m2/g以上であることが更に好ましく、2500m2/g以下であることが好ましく、1200m2/g以下であることが更に好ましい。一般的に、繊維状炭素ナノ構造体のBET比表面積と、繊維状炭素ナノ構造体の長さとには相関が見られ、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体のBET比表面積が300m2/g未満であるとCNTの長さが不十分となる。後述の実施例を考慮すると、BET比表面積が300m2/g未満であると、基材との接地面積も小さくなる結果、密着性が不十分になると考えられる。なお、繊維状炭素ナノ構造体のBET比表面積が2500m2/g以下であれば、繊維状炭素ナノ構造体の凝集を抑制して第1分散液における繊維状炭素ナノ構造体の分散性を高めることができる。
なお、本発明において、「BET比表面積」とは、BET法を用いて測定した窒素吸着比表面積を指す。
[分散媒]
分散媒としての溶媒は通常は水が好ましいが、水以外にも目的に応じて水に可溶するアルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコール、グリセリン等)、エーテル類(エチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン)やN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキサイド等を使用してもよい。また、これらの混合物も好適に使用できる。
[分散剤]
第1分散液の平均粒子径が1.5μmである限りは分散剤を用いる必要はないものの、繊維状炭素ナノ構造体を分散しやすくするため、分散剤を用いることが好ましい。ここで、分散剤としては、繊維状炭素ナノ構造体を分散させうるものであれば特に限定されるものではなく、界面活性剤、合成高分子および天然高分子などが挙げられる。なお、以下では合成高分子および天然高分子などの高分子を便宜上、樹脂と総称する。
ここで、界面活性剤としては、任意の、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤または非イオン性界面活性剤を用いることができる。具体的には、界面活性剤としては、例えば、ドデシルスルホン酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、コール酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルジフェニルオキシドジスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。
また、合成高分子としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリスチレンスルホン酸、スルホン酸基含有単量体単位とカルボキシ基含有単量体単位とを含む合成高分子、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合樹脂、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ系樹脂、フェノキシ樹脂、変性フェノキシ系樹脂、フェノキシエーテル樹脂、フェノキシエステル樹脂、フッ素系樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸などが挙げられる。
天然高分子としては、例えば、多糖類であるデンプン、プルラン、デキストラン、デキストリン、グアーガム、キサンタンガム、アミロース、アミロペクチン、アルギン酸、アラビアガム、カラギーナン、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、カードラン、キチン、キトサン、セルロース、並びに、その塩または誘導体が挙げられる。誘導体とはエステルやエーテルなどの従来公知の化合物を意味する。
上述した中でも、分散剤としては、基材、接着補助層および第2分散液による積層構造を結着する結着材としても機能し得ることから、合成高分子および天然高分子が好適である。それらの中でも、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリスチレンスルホン酸、スルホン酸基含有単量体単位とカルボキシ基含有単量体単位とを含む合成高分子がより好適である。
なお、分散剤は、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
−含有割合−
また、第1分散液が分散剤として樹脂を含む場合、第1分散液中の繊維状炭素ナノ構造体の含有割合Aに対する樹脂の含有割合Bの比B/Aが、質量基準で、1.0以下であることが好ましい。絶縁材料となる樹脂の含有割合を従来よりも減らすことで、粗面基材を貼り合わせてなる積層体の伝導性への悪影響をより確実に抑制することができる。また、この効果を得るため、比B/Aが、0.5以下であることがより好ましく、比B/Aが0超であることが好ましく、0.1以上であることがより好ましく、0.3以上であることがさらに好ましい。樹脂の割合がこれらの範囲であれば、繊維状炭素ナノ材料をより確実に分散させることができる。
−分散処理−
第1分散液は上述の第1の繊維状炭素ナノ構造体を分散媒に添加し、さらに必要に応じて分散剤を用いて分散させることにより得られる。なお、上述した繊維状炭素ナノ構造体を分散媒によって希釈、分散する際には、少しずつ分散媒を加えて分散していく、段階的な分散を試みると効率的にナノファイバーレベルの繊維の分散体を得ることができることがある。操作上の問題から、分散後の状態は粘性のある分散液あるいはゲル状の状態となるように分散条件を適宜選ぶとよい。
また、本工程において、第1分散液を得る際に使用する分散機としては、特に限定されることなく、既知の様々な分散機を使用することができる。特に、高速回転下でのホモミキサー、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー、超音波分散処理、ビーター、ディスク型レファイナー、コニカル型レファイナー、ダブルディスク型レファイナー、ビーズミル、ジェットミル、超高圧でセラミックボールまたは原料同士を衝突させ分散させる湿式微粒化装置(スギノマシン社製スターバースト等)およびグラインダーのようなより強力で叩解能力のある装置を使用することが好ましい。
これらの中でも、キャビテーション効果が得られる分散処理手法を用いることが好ましい。キャビテーション効果が得られる分散処理手法とは、液体に高エネルギーを付与した際に液中に生じる真空の気泡が破裂することにより生じる衝撃波を利用した手法である。キャビテーション効果が得られる分散処理手法を用いることにより、炭素ナノ構造体を添加した分散媒中に炭素ナノ構造体を分散させた分散液を得ることが可能となる。
なお、キャビテーション効果が得られる分散処理手法の具体例としては、超音波による分散処理、ジェットミルによる分散処理および高剪断撹拌による分散処理が挙げられる。これらの分散処理は一つのみを行なってもよく、複数を組み合わせて行なってもよい。より具体的には、例えば超音波ホモジナイザー、ジェットミルおよび高剪断撹拌装置が好適に用いられる。これらの装置は従来公知のものを使用すればよい。
例えば、超音波ホモジナイザーを用いる場合には、超音波ホモジナイザーを使用して上記溶液に超音波を照射すればよい。照射する時間は、炭素ナノ構造体の含有量等により適宜設定すればよい。例えば、1分以上が好ましく、2分以上がより好ましく、また、5時間以下が好ましく、2時間以下がより好ましい。また、例えば、出力は100W以上、500W以下、温度は室温、具体的には15℃以上50℃以下が好ましい。
−平均粒子径−
なお、第1分散液の平均粒子径は1.5μm以下であれば特に制限されないが、下限を例えば0.5μmとすることができる。通常、上述した分散剤を増量すれば、第1分散液の平均粒子径を小さくすることが可能である。
−基材への分散液の塗布−
基材への第1分散液の塗布方法は、特に限定されず、平刷毛、ロール刷毛、スポンジ刷毛を用いて起毛布に刷毛塗りする、ロールコーター等による塗布、ペイントローラー等による塗布の他、分散液をスプレーするなど、任意の手法を用いることができる。
<第2工程>
第1工程(図1(A),(B))に続き、第2工程では第1分散液21,22を乾燥させてなる接着補助層22A,22Bを、第1および第2の粗面基材11,12のそれぞれに形成する(図1(C))。
−分散液の乾燥−
第1および第2の粗面基材11,12に塗布した第1分散液21,22を乾燥する際は、公知の乾燥方法を採用できる。乾燥方法としては、熱風乾燥法、熱ロール乾燥法、赤外線照射法等が挙げられる。乾燥温度は特に限定されないが、通常、室温〜200℃であり、乾燥時間は特に限定されないが、通常、0.1〜150分である。第1分散液21,22を乾燥させると、第1および第2の粗面基材11,12のそれぞれの表面には接着補助層22A,22Bが形成される。
<第3工程>
第2工程(図1(C))に続き、第3工程では、少なくともいずれか一方の接着補助層21A,22Aの表面に、第2の繊維状炭素ナノ構造体を含む第2分散液30を塗布する(図1(D))。塗布した第2分散液30は粗面基材11,12を接着する接着層として機能する。
<<第2分散液>>
ここで、第2分散液は第2の繊維状炭素ナノ構造体を含み、当該第2の繊維状炭素ナノ構造体が分散した分散液の形態であって、動的光散乱法またはレーザー回折散乱法によって測定した際の平均粒子径が0.3μm以上40μm以下であれば特に制限されないが、第1分散液と同様、分散媒と、分散剤と、さらにその他の成分とを含み得る。第2分散液も、第1分散液と同様に、例えば第2の繊維状炭素ナノ構造体および分散剤を分散媒に添加して分散処理をすることにより得られる。なお、平均粒子径が10μm未満の場合は粒子径の測定に際して動的光散乱法を用いることとし、平均粒子径が10μm以上の場合は粒子径の測定に際してレーザー回折散乱法を用いることとする。
[第2の繊維状炭素ナノ構造体]
第2の繊維状炭素ナノ構造体としては、特に限定されることなく、第1分散液における第1の繊維状ナノ構造体に関して上述したものと同様のものが挙げられ、例えばCNTを含むことができる。また、第2の繊維状炭素ナノ構造体のBET比表面積が300m/g以上であれば特に制限されないことも、第1の繊維状ナノ構造体に関して上述したものと同様である。第2分散液の平均粒子径が上述の0.3μm以上40μm以下を満足する限りは、第1の繊維状ナノ構造体と第2の繊維状ナノ構造体とは同じであってもよいし、異なっていてもよい。
[分散媒]
第2分散液の分散媒としては、特に限定されることなく、第1分散液における分散媒に関して上述したものと同様のものが挙げられ、通常、水を用いることが好ましい。
[分散剤]
第2分散液の分散媒としては、上記平均粒子径を満足する限りは特に限定されることなく、第1分散液における分散剤に関して上述したものと同様のものが挙げられる。また、上記平均粒子径を満足するためには、第2の繊維状炭素ナノ構造体に依っては必ずしも分散剤を用いる必要はなく、伝導率の影響を考慮すると、樹脂などの分散剤を用いないことが好ましい。
−含有割合−
また、第2分散液が分散剤として樹脂を含む場合、第2分散液中の繊維状炭素ナノ構造体の含有割合Cに対する樹脂の含有割合Dの比D/Cが、質量基準で、1.0以下であることが好ましく、比D/Cは少ないほど好ましい。第2分散液の平均粒子径は第1分散液のそれよりも大きくできるため、絶縁材料の含有割合を従来よりも減らすことで、粗面基材を貼り合わせてなる積層体の伝導性への悪影響をより確実に抑制することができる。また、この効果を得るため、比D/Cが、0.5以下であることがより好ましく、0.3以下であることがより好ましく、比D/Cが0以上であることが好ましい。
−分散処理−
第2分散液は上述の第2の繊維状炭素ナノ構造体を分散媒に添加し、さらに必要に応じて分散剤を用いて分散させることにより得られる。分散にあたり、第1分散液における分散処理に関して上述したものと同様の分散処理を行うことができる。
−平均粒子径−
なお、第2分散液の平均粒子径は上述のとおり、0.3μm以上40μm以下であれば特に制限されないが、本発明効果を確実に得るためには、0.5μm以上であることが好ましく、30μm以下であることが好ましい。
平均粒子径が40μmを超えるとであれば、繊維状炭素ナノ材料の分散が不十分となり、良好な密着性を付与することができない。一方、平均粒子径が0.3μm未満となると、、繊維状炭素ナノ材料が過剰分散によって切断されてしまうため、良好な密着性を付与することができない。
−接着補助層への分散液の塗布−
ここで、少なくともいずれか一方の接着補助層21A,22Aの表面に、第2分散液30を塗布すればよく、片方の接着補助層のみに第2分散液を塗布してよいし、両方の接着補助層に第2分散液を塗布してよい。また、接着補助層への第2分散液の塗布方法は、第1分散液への塗布方法に関して上述したものと同様のものが挙げられ、例えば刷毛塗りするなど、任意の手法を用いることができる。
<第4工程>
第3工程(図1(D))に続き、第4工程では、第1の粗面基材11および第2の粗面基材12を、接着補助層21A,22Aを設けた側の面同士で第2分散液30を介して貼り合せる(図1(E))。なお、第1の粗面基材11および第2の粗面基材12の貼り合わせ方法は任意の手法を用いることができ、第2分散液30を介して両基材を重ね合わせるだけでもよい。
第1分散液および第2分散液は従来の接着剤よりも樹脂成分を極めて少なくすることができる。したがって、以上の工程を経た貼り合わせ方法により、粗面基材を貼り合わせてなる積層体の伝導性、特に熱伝導率への悪影響を抑制しつつ、接着性を確保することができる。なお、貼り合わせ後にさらに乾燥処理を施せば、接着補助層および乾燥した第2分散液が、第1の粗面基材11および第2の粗面基材12を接合する接合部として機能する。
以下、本発明について実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の説明において、量を表す「%」および「部」は、特に断らない限り、質量基準である。
そして、分散液の平均粒子径;基材の表面粗さ測定;接着性評価は、下記の方法で測定および評価した。
<平均粒子径>
各分散液の粒子径に関し、動的光散乱法を用いたナノ粒子解析装置(製品名「SZ−100」、堀場製作所製)を用いて粒子径を測定し、モード径(平均粒子径)にて評価して平均粒子径を測定した。ただし、上記ナノ粒子解析装置では測定対象の粒子径が大きすぎて測定が出来ない場合(平均粒子径10μm以上)に関しては、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(堀場製作所製、LA−960)を用いて分散液の平均粒子径(メジアン径)を測定した。
<基材の表面粗さ測定>
基材の表面粗さの指標として、最大高さSzを測定した。測定にあたっては、三次元形状測定機(株式会社キーエンス製、製品名「ワンショット3D測定マクロスコープ」)を用いた。なお、各基材に対して、1cm角以上の任意の大きさの略正方形に切り取って試料とし、解析範囲は、1cm×1cmとし、当該試料の表面および裏面について、それぞれ三次元形状を測定した。そして、三次元形状の測定結果に対して更にソフトウェアでフィルター処理(2.5mm)を行い、うねり成分を取り除くことにより、表面粗さSz(単位:μm)を求めた。
<接着性評価>
乾燥後の試験体の上側の基材のみを把持して上方に持ち上げ、接着性を評価した。評価基準は下記のとおりである。
○:2枚の基材が一体となって上方に持ち上がる。
×:2枚の基材が一体とならず、上側基材のみ、または上側基材および繊維状炭素ナノ構造体含有塗布物のみが持ち上がる。
まず、以下の調製条件に従い、繊維状炭素ナノ構造体分散液であるSGCNTナノ分散液1、SGCNTナノ分散液2、SGCNTマイクロ分散液およびK−NANOマイクロ分散液を調製した。
<SGCNTナノ分散液1>
繊維状炭素ナノ構造体としてSGCNT(BET比表面積:600m/g)400mgを量り取り、分散剤としての樹脂であるカルボキシメチルセルロース(以下、「CMC」)(ダイセルファインケム製、重量平均分子量(Mw):300000)400mgと共に、分散媒としての蒸留水2L中に添加し、ホモジナイザーにより2分間撹拌して、粗分散液を得た。次に、得られた粗分散液を、直径0.5mmの細管流路を備えた湿式ジェットミル(株式会社常光製、JN20)に100MPaの圧力で40サイクル通過させ、繊維状炭素ナノ構造体を蒸留水中に分散させて固形分濃度0.20%の分散液を得た。また、ナノ粒子解析装置(製品名「SZ−100」、堀場製作所製)を用いて分散液の粒子径を測定したところ、平均粒子径(メジアン径)は1.5μmであった。
<SGCNTナノ分散液2>
繊維状炭素ナノ構造体としてSGCNT(BET比表面積:600m/g)400mgを量り取り、分散剤としてのCMC(ダイセルファインケム製、重量平均分子量(Mw):300000)4000mgと共に、分散媒としての蒸留水2L中に添加し、ホモジナイザーにより2分間撹拌して、粗分散液を得た。次に、得られた粗分散液を、直径0.5mmの細管流路を備えた湿式ジェットミル(株式会社常光製、JN20)に100MPaの圧力で40サイクル通過させ、繊維状炭素ナノ構造体を蒸留水中に分散させて固形分濃度0.20%の分散液を得た。また、ナノ粒子解析装置(製品名「SZ−100」、堀場製作所製)を用いて分散液の粒子径を測定したところ、平均粒子径(メジアン径)は1.4μmであった。
<SGCNTマイクロ分散液>
繊維状炭素ナノ構造体としてSGCNT(BET比表面積:600m/g)400mgを量り取り、分散媒としての蒸留水2L中に添加し、ホモジナイザーにより2分間撹拌して、粗分散液を得た。次に、得られた粗分散液を、直径0.5mmの細管流路を備えた湿式ジェットミル(株式会社常光製、JN20)に100MPaの圧力で2サイクル通過させ、繊維状炭素ナノ構造体を蒸留水中に分散させて固形分濃度0.20%の分散液を得た。また、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(堀場製作所製、LA−960)にて分散液の粒子径を測定したところ、平均粒子径(メジアン径)は30μmであった。
<K−NANOマイクロ分散液>
繊維状炭素ナノ構造体として多層CNTであるKUMHO PETROCHEMICAL社製の商品名「K−NANO」(平均繊維径:13nm、平均繊維長:30μm、BET比表面積:266m/g)400mgを量り取り、分散剤としてのCMC(ダイセルファインケム製、重量平均分子量(Mw):300000)400mgと共に、分散媒としての蒸留水2L中に添加し、ホモジナイザーにより2分間撹拌して、粗分散液を得た。次に、得られた粗分散液を、直径0.5mmの細管流路を備えた湿式ジェットミル(株式会社常光製、JN20)に100MPaの圧力で40サイクル通過させ、繊維状炭素ナノ構造体を蒸留水中に分散させて固形分濃度0.20%の分散液を得た。また、ナノ粒子解析装置(製品名「SZ−100」、堀場製作所製)を用いて分散液の粒子径を測定したところ、平均粒子径(メジアン径)は0.9μmであった。
下記表1に、各分散液の調整条件をまとめた。
Figure 2018172589
上記各分散液を用いて、以下の条件に従い実施例1〜6、比較例1〜6に従う試験体を作製した。
(実施例1)
基材として縦50mm×横50mm×厚さ0.5mmのグラファイトシートA(日本ユニバーサル電気社製、ファースト・グラファイト・シート)を用意した。グラファイトシートAの表面にSGCNTナノ分散液1を面密度0.08g/cmで塗布し、100℃のオーブンで1時間乾燥させて接着補助層を形成したものを2つ作製した。一方の接着補助層の表面に対して、接着層としてSGCNTナノ分散液1を面密度0.004g/cmで塗布し、もう一方のグラファイトシートのSGCNTナノ分散液が塗布された面と重ね合わせた。接着補助層および接着層を介して重ね合わせたグラファイトシートを100℃のオーブンで1時間乾燥させ、実施例1に係る試験体を作製した。
なお、グラファイトシートの最大高さSzは83μmであった。
(実施例2)
実施例1における基材に代えて、基材として縦50mm×横50mm×厚さ0.1mmのサンドマットPET(エンブレット(登録商標)PTHA−50、ユニチカ製)を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例2に係る試験体を作製した。
なお、サンドマットPETの最大高さSzは23μmであった。
(実施例3)
実施例1における基材に代えて、基材として縦50mm×横50mm×厚さ0.5mmの銅板を紙やすり(トラス中山社製、製品名「耐水ペーパー#2000」)で研磨したものを用いた以外は実施例1と同様にして、実施例3に係る試験体を作製した。
なお、研磨した銅板の最大高さSzは104μmであった。
(実施例4)
実施例1における基材に代えて、基材として縦50mm×横50mm×厚さ0.5mmのグラファイトシートB(パナソニック社製、PGSグラファイトシート)を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例4に係る試験体を作製した。
なお、グラファイトシートBの最大高さSzは160μmであった。
(実施例5)
実施例1において接着層としてSGCNTナノ分散液1を用いていたところ、これに代えてSGCNTマイクロ分散液を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例5に係る試験体を作製した。
(実施例6)
実施例1において接着補助層および接着層としてSGCNTナノ分散液1を用いていたところ、これに代えていずれもSGCNTナノ分散液2を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例6に係る試験体を作製した。
(比較例1)
実施例1において接着補助層としてSGCNTナノ分散液1を用いていたところ、これに代えてK−NANO分散液を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例1に係る試験体を作製した。
(比較例2)
実施例1において接着補助層としてSGCNTナノ分散液1を用いていたところ、これに代えてSGCNTマイクロ分散液を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例2に係る試験体を作製した。
(比較例3)
実施例1において接着層としてSGCNTナノ分散液1を用いていたところ、これに代えてK−NANO分散液を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例3に係る試験体を作製した。
(比較例4)
実施例1において接着補助層を形成していたところ、これを形成せずに、接着層としてSGCNTナノ分散液1を用いて基材を直接重ね合わせた以外は、実施例1と同様にして、比較例4に係る試験体を作製した。
(比較例5)
実施例1における基材に代えて、基材として縦50mm×横50mm×厚さ0.1mmのPETフィルム(東洋紡製、商品名「東洋紡エステル(登録商標)フィルムE5000」)を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例5に係る試験体を作製した。
なお、PETフィルムの最大高さSzは3μmであった。
(比較例6)
実施例1における基材に代えて、基材として縦50mm×横50mm×厚さ0.1mmの銅板を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例6に係る試験体を作製した。
なお、銅板の最大高さSzは9μmであった。
上記実施例1〜6、比較例1〜6の接着性の評価結果を下記表2に示す。
Figure 2018172589
表1より、本発明条件を満足する実施例1〜6のいずれも、十分な接着性を有しているのに対して、本発明条件を満足しない比較例1〜6は接着性に劣ることが確認された。また、基材の最大高さSzのみが異なる実施例1〜4および比較例5,6を比較すると、最大高さSzが10μm以上であれば、基材の材料種を問わず本発明による貼り合わせ方法が有効である一方、最大高さSzが10μm未満となると、本発明による貼り合わせ方法では接着不十分であることが確認された。
また、実施例1、実施例5および比較例2を対比すると、接着層に用いる分散液の平均粒子径は接着補助層の分散液の平均粒子径より大きくてもよいものの、接着補助層に用いる分散液の平均粒子径は分散液の平均粒子径が大きくなると、接着不十分となる。また、実施例1と比較例1、3とを比較すると、平均粒子径が本発明条件を満足していても、BET比表面積が本発明条件を満足しないと接着性が不十分となることも確認された。さらに、接着補助層を設けていない比較例4の接着性は不十分であり、接着補助層は必須であることが確認された。
本発明によれば、粗面基材を貼り合わせてなる積層体の伝導性への悪影響を抑制しつつ、密着性を確保することのできる貼り合わせ方法を提供することができる。
11 第1の粗面基材
12 第2の粗面基材
21,22 第1分散液
21A,22A 接着補助層
30 第2分散液

Claims (5)

  1. 第1の粗面基材および第2の粗面基材のそれぞれの表面に、第1の繊維状炭素ナノ構造体を含む第1分散液を塗布する第1工程と、
    前記第1分散液を乾燥させてなる接着補助層を、前記第1および第2の粗面基材のそれぞれに形成する第2工程と、
    少なくともいずれか一方の前記接着補助層の表面に、第2の繊維状炭素ナノ構造体を含む第2分散液を塗布する第3工程と、
    前記第1の粗面基材および前記第2の粗面基材を、前記接着補助層を設けた側の面同士で前記第2分散液を介して貼り合せる第4工程と、を含み、
    前記第1および第2の粗面基材の前記表面の最大高さSzが共に10μm以上であり、
    動的光散乱法によって測定した際の、前記第1分散液の平均粒子径が1.5μm以下であり、
    動的光散乱法またはレーザー回折散乱法によって測定した際の、前記第2分散液の平均粒子径が0.3μm以上40μm以下であり、
    前記第1および第2の繊維状炭素ナノ構造体のBET比表面積が共に300g/m以上であることを特徴とする貼り合わせ方法。
  2. 前記第1分散液は樹脂を含み、前記第1分散液中の前記繊維状炭素ナノ構造体の含有割合Aに対する前記樹脂の含有割合Bの比B/Aが、質量基準で、1.0以下である、請求項1に記載の貼り合わせ方法。
  3. 前記第2分散液は樹脂を含み、前記第2分散液中の前記繊維状炭素ナノ構造体の含有割合Cに対する前記樹脂の含有割合Dの比D/Cが、質量基準で、1.0以下である、請求項1または2に記載の貼り合わせ方法。
  4. 前記第2分散液は樹脂を含まない、請求項1または2に記載の貼り合わせ方法。
  5. 前記第1および第2の粗面基材の最大高さSzが共に80μm以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の貼り合わせ方法。


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