JP2018171994A - 車両の乗員保護装置 - Google Patents

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【課題】乗員の保護性能を向上させる。【解決手段】乗員保護装置10は、車両1のシート4の側に設けられ、シート4に着座した乗員の腕部を載置可能なアームレスト5と、アームレスト5に設けられ、アームレスト5からアームレストエアバッグ22を展開するアームレストエアバッグ装置20と、車両1の衝突を検知または予測した場合にアームレストエアバッグ22を展開させる制御部19と、を有する。アームレスト5から展開するアームレストエアバッグ22は、シート4に着座した乗員の腿部の上側から押さえる。【選択図】図4

Description

本発明は、たとえば自動車といった車両の乗員保護装置に関する。
自動車では、フロントエアバッグなどのエアバッグを乗員の周囲で展開し、エアバッグに乗員を倒れ込ませることなどにより、衝突の際に乗員に作用する衝撃を吸収している(特許文献1)。
特開2016−037134号公報
しかしながら、たとえばシートの前で展開されるフロントエアバッグなどは、シートの周囲に配置された内装部材からシートに着座した乗員へ向かって基本的に前から後へ大きく展開させる必要があり、しかも、その大きく展開した状態において乗員の荷重を吸収する必要がある。
このため、フロントエアバッグなどで用いるインフレータでは、多くの高圧ガスを瞬時に発生させる必要がある。また、フロントエアバッグの展開を開始させてから、フロントエアバッグが荷重を吸収できる状態に展開するまでには、瞬時的にではあるにせよ時間がかかる。
このようにシートの周囲に配置された内装部材からシートに着座した乗員へ向かって展開させるエアバッグでは、展開容量と効果とのバランスが基本的に良くない。
しかも、多様な衝突による乗員の倒れに対応させるためにエアバッグの幅といったサイズを大きくしたり、即時性を高めるために展開速度を速めようとしたりした場合には、さらにバランスが悪化してゆくことになる。
また、車両が衝突した場合、乗員の身体では、膝部を中心として腰部が浮くことがある。そして、腰部が浮いてしまうと、上体はフロントエアバッグに近づいた状態から前へ傾れることになる。
このように乗員保護装置では、乗員の保護性能を向上させることが求められている。
本発明に係る車両の乗員保護装置は、車両のシートの側に設けられ、前記シートに着座した乗員の腕部を載置可能なアームレストと、前記アームレストに設けられ、前記アームレストからアームレストエアバッグを展開するアームレストエアバッグ装置と、前記車両の衝突を検知または予測した場合に前記アームレストエアバッグを展開させる制御部と、を有し、前記アームレストから展開する前記アームレストエアバッグは、前記シートに着座した乗員の腿部を上側から押さえる。
好適には、前記アームレストエアバッグは、前後に長い形状に展開して、前記シートに着座した乗員の腿部を前後方向にわたる面状に上側から押さえる、とよい。
好適には、前記アームレストエアバッグは、前記シートに着座した乗員の腿部の前側部分よりも後側部分を強く上から押さえる、とよい。
好適には、前記アームレストエアバッグは、左右方向に沿って展開して左右両側の腿部を上から押さえる左右方向展開部と、前記左右方向展開部の中央部分から下向きに突出して左右両側の腿部の間に展開する股内展開部と、を有する、とよい。
好適には、前記シートの前部には、座面を押し上げる座面エアバッグが設けられ、前記アームレストエアバッグは、前記シートに着座した乗員の腿部についての少なくとも前記座面エアバッグより後側の部分を上側から押さえる、とよい。
本発明では、アームレストからアームレストエアバッグを腿部の上側へ展開させて、シートに着座した乗員の腿部を上側から押さえる。
よって、腿部は、シートに着座した状態から、膝部を中心として上へ浮き難くなる。
特に、アームレストエアバッグは、シートの側のアームレストから展開するため、短い展開距離で直ちに腿部の上側へ展開でき、腿部、ひいては腰部の浮きを精度よく抑えることができる。
その結果、腿部が上側から押さえられることにより腰部がシートの着座位置に留まり、腰部を中心として前へ倒れる上体はシートの着座位置に留まる腰部の周りで前へ回転し易くなる。前へ倒れた上体は、所望の状態でフロントエアバッグに倒れ込み、乗員に作用する衝撃をフロントエアバッグにより吸収することができる。
しかも、仮にたとえば膝部を前から押さえて腰部が前へ移動してしまうことを抑制しようとする場合には、前へ移動しようとする乗員の動きにより膝部や足首に対して強い力が作用してしまう可能性がある。
また、衝突発生時に膝部を中心として腰部や上体が左右へ振れてしまう可能性もある。
本発明では、これらの懸念をも解消できる。
図1は、本発明の実施形態に係る乗員保護装置を適用可能な自動車の説明図である。 図2は、フロントエアバッグによる乗員保護性能の説明図である。 図3は、本発明に係る乗員保護装置のブロック図である。 図4は、第1実施形態に係るアームレストエアバッグ装置の説明図である。 図5は、図4のアームレストエアバッグ装置の説明図である。 図6は、図4のアームレストエアバッグ装置の説明図である。 図7は、アームレストエアバッグの展開状態の説明図である。 図8は、第2実施形態に係るアームレストエアバッグ装置でのアームレストエアバッグの展開状態を説明する正面図である。 図9は、第3実施形態に係るアームレストエアバッグ装置でのアームレストエアバッグの展開状態を説明する側面図である。
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の実施形態に係る自動車1の乗員保護装置10を適用可能な自動車1の説明図である。
図1には、上から見た自動車1が図示されている。自動車1は、車両の一例である。
図1の自動車1は、車体2を有する。車体2の乗員室3内には、乗員が着座する複数のシート4が配置される。右前のシート4の前には、図示外のハンドル、アクセルペダル、ブレーキペダルが配置される。シート4に着座した乗員がハンドルなどを操作することにより、自動車1は前進、停止、後退、右折、左折をする。
ところで、自動車1は、走行中に他の自動車1などと衝突することがある。衝突の入力は車体2の前面であることもあるし、側面であることもある。また、前面においても、中央に入力されるフルラップ衝突、横へずれるオフセット衝突、斜めに入力される衝突などがある。
これらの各種の衝突形態に対応するために、自動車1では、シートベルト装置14とともに、各種のエアバッグ装置が用いられる。
図2は、フロントエアバッグ18による乗員保護性能の説明図である。
図2(A)では、シート4に着座した乗員の前には、シートベルト15が掛け渡されている。また、シート4の前では、フロントエアバッグ18が展開している。
この場合、シート4に着座した乗員は、シートベルト15により拘束され、シート4に着座したまま、上体が前へ倒れる。前へ倒れた上体は、展開したフロントエアバッグ18に倒れ込む。
これにより、衝突の際に乗員に作用する衝撃を、吸収することができる。
しかしながら、たとえばシート4の前で展開されるフロントエアバッグ18などは、シート4の周囲に配置された内装部材からシート4に着座した乗員へ向かって基本的に前から後へ大きく展開させる必要があり、しかも、その大きく展開した状態において乗員の荷重を吸収する必要がある。
このため、フロントエアバッグ18などで用いるインフレータでは、多くの高圧ガスを瞬時に発生させる必要がある。また、フロントエアバッグ18の展開を開始させてから、フロントエアバッグ18が荷重を吸収できる状態に展開するまでには、瞬時的にではあるにせよ時間がかかる。
このようにシート4の周囲に配置された内装部材からシート4に着座した乗員へ向かって展開させるエアバッグでは、展開容量と効果とのバランスが基本的に良くない。
しかも、多様な衝突による乗員の倒れに対応させるためにエアバッグの幅といったサイズを大きくしたり、即時性を高めるために展開速度を速めようとしたりした場合には、さらにバランスが悪化してゆくことになる。
また、自動車1が衝突した場合、図2(B)に示すように、乗員の身体では、膝部を中心として腰部が浮くことがある。
そして、腰部が浮いてしまうと、上体はフロントエアバッグに近づいた状態から前へ傾れることになる。
シート4に着座した乗員の腰部は、シートベルト15により拘束していたとしても、衝突時の衝撃で浮いてしまう可能性を完全に否定することはできない。シートベルト15は通常時はきつく締め付けない状態で腰部の前にわたされているので、シートベルト15のみでは乗員の上体挙動が安定しない可能性がある。
このように乗員保護装置では、乗員の保護性能を向上させることが求められている。
図3は、本発明に係る乗員保護装置10のブロック図である。
図3において、乗員保護装置10は、撮像センサ11、衝突センサ12、タイマ13、シートベルト装置14、フロントエアバッグ装置16、アームレストエアバッグ装置20、およびこれらが接続される制御部19、を有する。
撮像センサ11は、たとえば車体2のフロントガラスの内側に前向きに配置され、自動車1の前方の車外の画像を撮像する。
衝突センサ12は、たとえば車体2に取り付けられた加速度センサであり、車体2に作用する衝突の衝撃を検出する。
タイマ13は、時間を計測する。
シートベルト装置14は、シートベルト15、図示外のリトラクタなどを有する。シートベルト15は、シート4に着座した乗員の前に掛け渡される。リトラクタは、車体2のたとえばBピラーなどに設けられ、シートベルト15を巻き取る。
フロントエアバッグ装置16は、インフレータを内蔵するエアバッグ本体17、エアバッグ本体17から展開するフロントエアバッグ18を有する。フロントエアバッグ装置16は、たとえば乗員室3のダッシュボードに配置される。これにより、フロントエアバッグ装置16は、前側のシート4の前方に配置される。
図4から図6は、第1実施形態に係るアームレストエアバッグ装置20の説明図である。
図4は車体2の前側から見た正面図、図5は車体2の上側から見た平面図、図6は車体2の左側から見た側面図である。
図4から図6に示すように、シート4の背部の左右両側には、左右一対のアームレスト5が取り付けられる。なお、アームレスト5は、シート4の左右両側に設けられていればよく、シート4の左右両側に位置する内装部材であるドアパネルやセンターコンソールに形成されてもよい。
各アームレスト5は、シート4の座面より上側において、自動車1の前後方向に沿って延在する。
これにより、乗員は、左右の両腕部を、左右一対のアームレスト5の上に載せた姿勢で、シート4に着座できる。
助手席の乗員や後部座席の乗員だけでなく、運転席の乗員であってもたとえば自動運転中であれば、図4から図6に示す姿勢でシート4に着座できる。
左右一対のアームレスト5の各々には、アームレストエアバッグ装置20が内蔵される。
アームレストエアバッグ装置20は、インフレータを内蔵するエアバッグ本体21、エアバッグ本体21から展開するアームレストエアバッグ22、を有する。
エアバッグ本体21は、アームレスト5に内蔵される。
アームレストエアバッグ22は、エアバッグ本体21に内蔵される。アームレストエアバッグ22は、アームレスト5の左右方向の内側の面から、シート4に着座した乗員の腿部の上に沿って、内向きに展開する。
左右から展開したアームレストエアバッグ22は、シート4に着座した乗員の左右両側の腿部の上に圧接して、左右両側の腿部を上側から押さえる。
図7は、アームレストエアバッグ22の展開状態の説明図である。
図7において、アームレストエアバッグ22は、乗員の腿部が無い場合の自然展開の状態で図示している。
図7(A)では、アームレストエアバッグ22は、前後方向に長い形状に展開する。
また、アームレストエアバッグ22は、前側部分より後側部分が下に展開している。アームレストエアバッグ22の下面は、後下がりの傾斜面23となる。
この場合、実際には、アームレストエアバッグ22の下側に、シートに着座した乗員の腿部が存在し、アームレストエアバッグ22は腿部が食い込んだ状態で小さく展開する。そして、アームレストエアバッグ22は、前側部分より後側部分がより多く圧縮される。
よって、シートに着座した乗員の腿部を前後方向にわたる面状に上側から押さえるアームレストエアバッグ22は、腿部の前側部分よりも後側部分を強く上から押さえることになる。
図7(B)では、アームレストエアバッグ22は、前後方向に長い形状に展開する。
また、アームレストエアバッグ22は、前後で二室に分割されており、前側室24より後側室25が高圧に展開している。
この場合、実際には、アームレストエアバッグ22の下側に、シートに着座した乗員の腿部が存在し、アームレストエアバッグ22は腿部が食い込んだ状態で小さく展開する。そして、アームレストエアバッグ22は、前側室24より後側室25がより高圧な状態にとなる。
よって、シート4に着座した乗員の腿部を前後方向にわたる面状に上側から押さえるアームレストエアバッグ22は、腿部の前側部分よりも後側部分を強く上から押さえることになる。
これにより、強い衝撃が乗員に作用する場合でも、乗員の左右両側の腿部は面状な力で上から押されるので、左右両側の腿部の位置がずれ難くなる。その結果、腰部は、高い抗力によりずれ難くなり、シート4の着座位置に維持され得る。
制御部19は、自動車1の衝突を検知または予測した場合、シートベルト装置14、フロントエアバッグ装置16およびアームレストエアバッグ装置20を作動させる。
たとえば、制御部19は、撮像センサ11の撮像画像に基づいて、自動車1の衝突を予測する。
そして、制御部19は、自動車1の衝突を予測した場合に、タイマ13により計測されるタイミングにおいて、シートベルト装置14を作動させる。シートベルト装置14は、制御部19の制御により、衝突前にシートベルト15を巻き取るプリテンション動作を実施する。これにより、シート4に着座した乗員は、シート4の着座位置から大きくずれ難くなる。
その後、制御部19は、衝突センサ12の衝突検出に基づいて、自動車1の衝突を判断する。
そして、制御部19は、自動車1の衝突を検知した場合に、タイマ13により計測されるタイミングにおいて、一対のアームレストエアバッグ装置20およびフロントエアバッグ装置16を作動させる。
一対のアームレストエアバッグ装置20は、インフレータを点火し、高圧ガスによりアームレストエアバッグ22を展開する。
左右から展開したアームレストエアバッグ22は、シート4に着座した乗員の左右両側の腿部の上に圧接して、左右両側の腿部を上側から押さえる。
フロントエアバッグ装置16は、インフレータを点火し、高圧ガスによりフロントエアバッグ18を展開する。
フロントエアバッグ18は、図6に示すように、前から後へ向かって大きく展開する。
よって、乗員の上体は、腰部がシート4の着座位置に維持された状態のまま、前に倒れて、フロントエアバッグ18に倒れ込む。フロントエアバッグ18は、所望の状態で倒れ込んだ状態を支えて、衝撃を好適に吸収できる。
以上のように、本実施形態では、アームレスト5からアームレストエアバッグ22を腿部の上側へ展開させて、シート4に着座した乗員の腿部を上側から押さえる。
よって、腿部は、シート4に着座した状態から、膝部を中心として上へ浮き難くなる。
特に、アームレストエアバッグ22は、シート4の側のアームレスト5から展開するため、短い展開距離で直ちに腿部の上側へ展開でき、腿部、ひいては腰部の浮きを精度よく抑えることができる。
その結果、腿部が上側から押さえられることにより腰部がシート4の着座位置に留まり、腰部を中心として前へ倒れる上体はシート4の着座位置に留まる腰部の周りで前へ回転し易くなる。前へ倒れた上体は、所望の状態でフロントエアバッグ18に倒れ込み、乗員に作用する衝撃をフロントエアバッグ18により吸収することができる。
しかも、本実施形態と異なり仮にたとえば膝部を前から押さえて腰部が前へ移動してしまうことを抑制しようとする場合には、前へ移動しようとする乗員の動きにより膝部や足首に対して強い力が作用してしまう可能性がある。
また、衝突発生時に膝部を中心として腰部や上体が左右へ振れてしまう可能性もある。
本実施形態では、腿部を上から押さえているので、これらの懸念を解消できる。
本実施形態では、アームレストエアバッグ22は、前後に長い形状に展開して、シート4に着座した乗員の腿部を前後方向にわたる面状に上側から押さえる。
よって、前後方向にわたる広い面で腿部を上側から押さえて、腿部の浮きだけでなく、前へのずれをも効果的に抑制し得る。
特に、シート4に着座した乗員の腿部について、前側部分よりも後側部分を強く上から押さえているので、腿部の後側を、シート4の座面に対して深く押し込むように押さえることができる。腿部の下面の前側にはシート4による前上がりの傾斜面が形成される。その結果、シート4の座面がクッション性を有しているとしても、シート4の傾斜面により、腿部の前滑りを効果的に抑制できる。乗員の下肢がシート4の座面の上で前へ滑ってしまう事態を効果的に抑制できる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る自動車1の乗員保護装置10について説明する。
以下、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を使用し、その説明を省略する。また、主に第1実施形態との相違点について説明する。
図8は、第2実施形態に係るアームレストエアバッグ装置20でのアームレストエアバッグ22の展開状態を説明する正面図である。
図8に示すように、エアバッグ装置20は、インフレータを内蔵するエアバッグ本体21、エアバッグ本体21から展開するアームレストエアバッグ22、を有する。
展開したアームレストエアバッグ22は、左右方向展開部26、股内展開部27、を有する、
左右方向展開部26は、シート4の幅に対応する長さで左右方向に沿って展開し、左右両側の腿部を上から押さえる。
股内展開部27は、左右方向展開部26の中央部分から下向きに突出して左右両側の腿部の間に展開する。
以上のように、本実施形態では、アームレストエアバッグ22は、左右方向に沿って展開して左右両側の腿部を上から押さえる左右方向展開部26と、左右方向展開部26の中央部分から下向きに突出して左右両側の腿部の間に展開する股内展開部27と、を有する。
よって、シートに着座した乗員の腿部の上側のみを押さえる場合と比べて、腿部がアームレストエアバッグ22の下側でずれたり逃げたりし難くなる。腿部を前後方向に沿って延在する好ましい姿勢に維持させる高い効果を期待できる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る自動車1の乗員保護装置10について説明する。
以下、第2実施形態と同様の構成については同一の符号を使用し、その説明を省略する。また、主に第2実施形態との相違点について説明する。
図9は、第3実施形態に係るアームレストエアバッグ装置20でのアームレストエアバッグ22の展開状態を説明する側面図である。
図9では、シート4の前部に、座面を押し上げる座面エアバッグ装置30が設けられる。座面エアバッグ装置30は、インフレータを内蔵するエアバッグ本体31、エアバッグ本体31から展開する座面エアバッグ32、を有する。
座面エアバッグ装置30のエアバッグ本体31は、シート4の前部に設けられる。
座面エアバッグ32は、エアバッグ本体31から上に展開する。座面エアバッグ32は、シート4の内部で膨張し、シート4の前部を押し上げる。
また、図9に示すように、アームレストエアバッグ22の股内展開部27は、シート4の座面に押し当てられている。座面エアバッグ32により押し上げられるシート4の前部より後側において、シート4の座面に押し当てられる。これにより、アームレストエアバッグ22の股内展開部27の前には、押し上げられた座面が位置し、股内展開部27の下端は、座面の上で前へずれ難くなる。
以上のように、本実施形態では、シート4の座面は、座面エアバッグ32により押し上げられる。そして、アームレストエアバッグ22の股内展開部27は、座面エアバッグ32より後側において、座面に当たる。
よって、腿部を前上がりの状態で押さえることができる。
また、シート4の座面がクッション性を有しているとしても、腿部の前滑りを効果的に抑制できる。
特に、アームレストエアバッグ22の股内展開部27の前ずれをも座面エアバッグ32により抑制できる。
その結果、乗員の下肢がシート4の座面の上で前へ滑ってしまう事態を効果的に抑制できる。
以上の実施形態は、本発明の好適な実施形態の例であるが、本発明は、これに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形または変更が可能である。
上記実施形態では、アームレスト5は、前後方向に沿って延在している。
この他にもたとえば、アームレスト5は、L字型に内側に屈曲していてもよい。この場合、アームレストエアバッグ装置20は、L字型のアームレスト5についての前後方向に延在する部分ではなく、左右方向に延在する部分に設けてもよい。これにより、アームレストエアバッグを腿部の真上から展開させることができる。
1…自動車(車両)、2…車体、3…乗員室、4…シート、5…アームレスト、10…乗員保護装置、11…撮像センサ、12…衝突センサ、13…タイマ、14…シートベルト装置、15…シートベルト、16…フロントエアバッグ装置、17…エアバッグ本体、18…フロントエアバッグ、19…制御部、20…アームレストエアバッグ装置、21…エアバッグ本体、22…アームレストエアバッグ、23…傾斜面、24…前側室、25…後側室、26…左右方向展開部、27…股内展開部、30…座面エアバッグ装置、31…エアバッグ本体、32…座面エアバッグ。

Claims (5)

  1. 車両のシートの側に設けられ、前記シートに着座した乗員の腕部を載置可能なアームレストと、
    前記アームレストに設けられ、前記アームレストからアームレストエアバッグを展開するアームレストエアバッグ装置と、
    前記車両の衝突を検知または予測した場合に前記アームレストエアバッグを展開させる制御部と、
    を有し、
    前記アームレストから展開する前記アームレストエアバッグは、前記シートに着座した乗員の腿部を上側から押さえる、
    車両の乗員保護装置。
  2. 前記アームレストエアバッグは、前後に長い形状に展開して、前記シートに着座した乗員の腿部を前後方向にわたる面状に上側から押さえる、
    請求項1記載の車両の乗員保護装置。
  3. 前記アームレストエアバッグは、前記シートに着座した乗員の腿部の前側部分よりも後側部分を強く上から押さえる、
    請求項2記載の車両の乗員保護装置。
  4. 前記アームレストエアバッグは、左右方向に沿って展開して左右両側の腿部を上から押さえる左右方向展開部と、前記左右方向展開部の中央部分から下向きに突出して左右両側の腿部の間に展開する股内展開部と、を有する、
    請求項1記載の車両の乗員保護装置。
  5. 前記シートの前部には、座面を押し上げる座面エアバッグが設けられ、
    前記アームレストエアバッグは、前記シートに着座した乗員の腿部についての少なくとも前記座面エアバッグより後側の部分を上側から押さえる、
    請求項1または4記載の車両の乗員保護装置。
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