JP2018167515A - 表面被覆フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】硬化温度が極めて高温で短時間である一体成形においても、得られる繊維強化樹脂成形品の表面を平滑にしつつ、強固に密着することができる表面を被覆するフィルムやシートを提供するとともに、それを用いた繊維強化樹脂成形品およびその製造方法の提供。【解決手段】繊維含浸樹脂と一体成形するための表面被覆フィルムであって、該表面被覆フィルムは、少なくとも基材フィルムと易接着層Aとからなり、該易接着層Aはエポキシ基、オキサゾリン基、シラノール基、イソシアネート基からなる群より選ばれる少なくとも1種類の官能基を含有し、かつその厚さが10〜200nmの範囲であり、該基材フィルムは50〜500μmの厚みである表面被覆フィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、繊維強化含浸樹脂と一体成形するための表面被覆フィルムに関する。
近年、繊維強化樹脂成形品は、大きな衝撃や変形応力を受けるスポーツ用具、自動車、船舶、航空機などの部材として、広く提案されており、特に軽量かつ高い力学特性が求められる分野において積極的に採用されている。
例えば炭素繊維強化樹脂成形品は、炭素繊維に対して熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂といったマトリックス樹脂を含浸させ、必要に応じて硬化させることで製造される。このようにして製造される炭素繊維強化樹脂成形品は、炭素繊維によって強化されているため、物性が著しく向上し、軽量でありながら強靭な部材となる。
しかしながら、こういった繊維強化樹脂成形品は、軽量でありながら強靭な部材とする観点から、その意匠性はかなり制限を受け、表面材に用いる場合は、例えば特許文献1のように繊維強化樹脂成形品を構成する繊維の配列模様を活かした立体的な意匠をそのまま使用するか、塗装もしくは表面をシートで被覆することなどが必要であった。
しかしながら、塗装は繊維の織目や編目などの凹凸パターンや色を隠蔽するに、下塗りをした上でさらに繰返して何度も塗装を行う必要があり、また前述の凹凸パターンに気泡が混入し易いという問題があり、極めて生産性に劣るという問題がある。
また、表面を被覆する方法も、特許文献2では、着色層と熱接着層が具備されたシートで被覆することが提案されているが、具体的には炭素繊維強化樹脂層−着色層−基材もしくは炭素繊維強化樹脂層−熱接着性層−着色層−基材をこの順で積層し、着色層のバインダー樹脂のTgを90℃以上として、それと同じ硬化温度90℃で、例えば硬化時間48時間でゆっくりと時間を掛けて加熱成形することから、やはり生産性に欠けるものであった。なお、特許文献2では、着色層上に、さらにポリエステル系ウレタン樹脂(熱軟化温度:30℃)を用いた熱接着性層を形成することで、着色層と直接接着させるよりも接着力が向上することも開示されているが、熱接着性層についてはポリエステル系ウレタン樹脂とあるだけで、その厚みの記載もなく、どの程度接着力が向上したのか確認することすらできない。また特許文献3では、逆に繊維強化樹脂自体を平滑化せしめて成形することで、シートにより被覆した後の光沢および外観を向上させることが提案されているが、これは使用する繊維強化樹脂自体を制限するため、根本的な解決とはならない。
ところで、近年環境に優しい製品への消費者の関心は非常に高まっており、製品が環境にやさしいかどうかだけでなく、その製造過程も省エネルギーで環境汚染が少ない工程であることが要求される。そのため、その製造工程には、短時間で生産できる生産性が望まれ、例えば繊維強化樹脂の硬化時間を早めた高速硬化タイプの樹脂を用いて、プレス成形を行うことが特許文献4などで提案されてきている。
特開平10−138354号公報 特開2013−202922号公報 特開2016−083875号公報 国際公開第2015/080035号
本発明者らは、有機溶媒などを使用する塗装を行わずに、前述の特許文献4などのプレス成形の際に、表面を被覆するフィルムやシートと一体成形することで、環境にやさしく得られる繊維強化成形品の表面の意匠性を高度に両立できると考えた。
そのため、本発明の課題は、成形温度が極めて高温で短時間である一体成形においても、得られる繊維強化樹脂成形品の表面を平滑にしつつ、強固に密着することができる表面を被覆するフィルムやシートを提供するとともに、それを用いた繊維強化樹脂成形品およびその製造方法を提供することにある。
さらにまた、本発明の他の課題は、さらに表面を被覆するフィルムやシートに、耐傷つき性を付与するハードコート層、汚れ付着を抑制する防汚層、光沢を高める透明層、自由な意匠性を発現するための加飾層といった機能層を持たせた表面を被覆する積層体を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、繊維含浸樹脂と一体成形するための表面を被覆するフィルムにおいて、エポキシ基、オキサゾリン基、シラノール基、イソシアネート基といった官能基を有する極めて薄い易接着層を、特定の厚みの基材フィルムの繊維含浸樹脂と接する面に形成することによって、硬化温度が極めて高温で短時間である一体成形においても、得られる繊維強化樹脂成形品の表面を平滑にしつつ、強固に密着できることを見出し、本発明に到達した。
かくして、本発明よれば、以下の表面被覆フィルム、表面被覆積層体、それらを用いた繊維強化樹脂成形品およびその製造方法が提供される。
[1] 繊維含浸樹脂と一体成形するための表面被覆フィルムであって、該表面被覆フィルムは、少なくとも基材フィルムと易接着層Aとからなり、該易接着層Aはエポキシ基、オキサゾリン基、シラノール基、イソシアネート基からなる群より選ばれる少なくとも1種類の官能基を含有し、かつその厚さが10〜200nmの範囲であり、該基材フィルムは50〜500μmの厚みである表面被覆フィルム。
[2] 150℃で30分間処理したときの長手方向および幅方向の熱収縮率が、下記式(1)を満足する前記[1]に記載の表面被覆フィルム。
Δχ=|χMD−χTD|≦3.0 ・・・(1)
(上記式中のχMDは長手方向の熱収縮率(%)を示し、χTDは幅方向の熱収縮率(%)を示し、ΔχはχMDとχTDの差(%)の絶対値を示す。)
[3] 基材フィルムが、ポリエステルフィルムである前記[1]または[2]のいずれかに記載の表面被覆フィルム。
[4] 基材フィルムが二軸配向フィルムである前記[1]〜[3]のいずれかに記載の表面被覆フィルム。
[5] 可視光に対する全光線透過率が80%以上である前記[1]〜[4]のいずれかに記載の表面被覆フィルム。
[6] 基材フィルムの易接層Aを形成していない表面に、エポキシ基もしくはシラノール基を有する易接着層Bを有する前記[1]〜[5]のいずれかに記載の表面被覆フィルム。
[7] 前記[1]〜[6]のいずれかに記載の表面被覆フィルムと、該表面被覆フィルムの易接着層Aを形成していない側の表面に、表面保護層および加飾層からなる群より選ばれる少なくとも一つの機能層を有する表面被覆構成体。
[8] 前記[1]〜[7]のいずれかに記載の表面被覆フィルムもしくは表面被覆構成体と、繊維含浸樹脂が易接着層Aと接するように一体成形する表面被覆繊維強化樹脂成形品の製造方法。
[9] 繊維含浸樹脂の150℃での硬化時間が10分以下である前記[8]記載の表面被覆繊維強化樹脂成形品の製造方法。
[10] 繊維含浸樹脂を構成する繊維が、炭素繊維である前記[8]または[9]いずれかに記載の表面被覆繊維強化樹脂成形品の製造方法。
[11] 前記[1]〜[7]のいずれかに記載の表面被覆フィルムもしくは表面被覆構成体と、繊維含浸樹脂とが、基材フィルム、易接着層A、繊維含浸樹脂の順で、一体成形されている表面被覆繊維強化樹脂成形品。
本発明によれば、硬化などの成形温度が極めて高温で短時間である一体成形においても、得られる繊維強化樹脂成形品の表面を平滑にしつつ、強固に密着することができる表面被覆フィルムおよびそれを用いた繊維強化樹脂成形品およびその製造方法が提供される。
さらに本発明によれば、表面被覆フィルムに、耐傷つき性を付与するハードコート層、汚れ付着を抑制する防汚層、光沢を高める透明層、自由な意匠性を発現するための加飾層といった機能層を持たせた表面被覆積層体も提供される。
その結果、繊維強化樹脂成形品への成形の際に、生産性良く一体成形で用いることができ、塗装などを施さなくても意匠性、表面平坦化を得られる表面被覆繊維強化樹脂成形品に具備させることができる。
また、本発明によれば、驚くべきことに接着層を薄くした結果、耐久性を高度に具備させることもできる。
以下、本発明の表面被覆フィルム、表面被覆積層体、表面被覆繊維強化樹脂成形品およびその製造方法について、詳述する。
なお、本発明の表面被覆フィルムは、少なくとも基材フィルムと易接着層Aとからなり、本発明の表面被覆積層体は、本発明の表面被覆フィルムに機能層(必要に応じてさらに易接着層B)を設けたものであり、本発明の表面被覆繊維強化樹脂成形品は、本発明の表面被覆フィルムもしくは本発明の表面被覆積層体と、繊維含浸樹脂とを一体成形したものであり、以下、本発明における基材フィルム、易接着層A、機能層、易接着層B、繊維含浸樹脂の好ましい態様について、説明する。
<基材フィルム>
本発明における基材フィルムは、その厚みが50〜500μmの範囲である。厚みの上限が超えると、一体成形における加工性が損なわれ、他方下限を下回ると表面を被覆したときの平坦性が損なわれる。好ましい基材フィルムの厚みの下限は75μm、さらに100μm、特に125μmである。他方好ましい基材フィルムの厚みの上限は300μm、さらに250μm、特に188μmである。
本発明における基材フィルムは、熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムを好適に用いることができ、熱可塑性樹脂としてはフィルムやシートに成形できるものであれば特に制限されない。具体的な熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチルペンテン−1)、ポリアセタールなどのポリオレフィン樹脂、ノルボルネン類の開環メタセシス重合体、付加重合体、他のオレフィン類との付加共重合体などのシクロオレフィン、ポリ乳酸・ポリブチルサクシネートなどの生分解性ポリマー、ナイロン6,11,12,66などのポリアミド樹脂、アラミド、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリアセタール、ポリグリコール酸、ポリスチレン、スチレン共重合ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルケトン、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアリレート、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン共重合コポリマーなどそれ自体公知のものを用いることができる。これらの中でも、表面を被覆したときに高度の平坦性を発現させやすく、光沢に要求される透明性を付与しやすいことからポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂が好ましく、特に延伸などによってより平坦性を高度に具備させやすいことからポリエステル樹脂が好ましい。これらはホモポリマーでも共重合ポリマー、さらには他の熱可塑性樹脂の混合物であってもよい。また、各熱可塑性樹脂中には、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、無機粒子、有機粒子、減粘剤、熱安定剤、滑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、屈折率調整のためのドープ剤などを添加して樹脂組成物として使用されていてもよい。
熱可塑性樹脂として、ポリエステルを使用する場合について、さらに詳述する。本発明におけるポリエステル樹脂としては、芳香族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸とジオールを主たる構成成分とする単量体の重合により得られるポリエステル樹脂が好ましく挙げられ、それ自体公知のものを使用できる。
芳香族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、4,4‘−ジフェニルジカルボン酸とそれらのエステル誘導体などが挙げられる。また、脂肪族ジカルボン酸としては、例えばアジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、ドデカンジオン酸、シクロヘキサンジカルボン酸とそれらのエステル誘導体などが挙げられる。これらの中でも耐熱性に優れ、一体成形した後の平坦性を高度に具備できることから、芳香族ジカルボン酸が好ましく、特にテレフタル酸と2,6ナフタレンジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体を用いることが好ましい。これらの酸成分は1種のみを用いてもよく、2種以上併用してもよく、さらにはヒドロキシ安息香酸のオキシ酸などを一部共重合してもよい。
また、ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2―プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2―ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、イソソルベート、スピログリコールなどを挙げることができる。これらの中でも得られるポリエステル樹脂の耐熱性に優れ、一体成形した後の平坦性を高度に具備できることから、エチレングリコールが好ましい。これらのジオール成分は1種のみで用いてもよく、2種以上併用してもよい。
本発明におけるポリエステルは、成形性と平坦性とを両立させる観点から、エチレンテレフタレート、エチレンナフタレンジカルボキシレート、ブチレンテレフタレート、ブチレンナフタレンジカルボキシレート、ヘキサメチレンテレフタレート、ヘキサメチレンナフタレンジカルボキシレート、1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、1,4−シクロヘキサンジメチレンナフタレンジカルボキシレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルが好ましく、特にエチレンテレフタレートやエチレンナフタレンジカルボキシレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルが好ましい。また本発明におけるポリエステルは、ホモポリマーに限らず、前述の他の酸成分やジオール成分などを共重合体したものであってもよく、特に一体成形時の成形性に優れることから、繰り返し単位のモル数を基準として、エチレンテレフタレートやエチレンナフタレンジカルボキシレートを80モル%以上有し、その他の繰り返し単位を2〜20モル%共重合したものが特に好ましい。
本発明における基材フィルムは、一体成形における成形性と平坦性とを両立させる観点から、面内の直交する2方向に延伸などによって分子鎖を配向させた二軸配向フィルムであることが好ましい。
<易接着層A>
本発明における易接着層Aは、少なくともエポキシ基、オキサゾリン基、シラノール基、イソシアネート基からなる群より選ばれる少なくとも1種類の官能基を含有する。これらの官能基を有しない場合、一体成型後の密着性が低下する。これらの中でも、繊維含浸樹脂との密着性の観点からエポキシ基もしくはオキサゾリン基を含有することが好ましく、特にエポキシ基を含有することが好ましい。
また、本発明における易接着層Aは、その厚さが10〜200nmの範囲であり、好ましい厚さの下限は、密着性の観点から15nm、さらに20nm、特に40nmである。他方好ましい厚さの上限は、塗工の厚み斑低減および耐久密着性の観点から、180nm、さらに150nm、特に120nmである。
本発明における易接着層Aは、前述の通り、少なくともエポキシ基、オキサゾリン基、シラノール基、イソシアネート基からなる群より選ばれる少なくとも1種類の官能基を含有していることが必要で、易接着層を形成する樹脂自体は、基材フィルムや繊維強化プリプレグとの密着性に優れるものであれば、それ自体公知のものを採用でき、例えば、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル/アクリル系共重合体樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ブチラール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、酢酸セルロース系樹脂などの中から任意のものが、1種単独で又は2種以上を混合して用いられる。本発明における一体成形は、好ましくは成形温度が150℃程度に至ることから、この温度よりもガラス転移温度が低い状態に設計されていることが好ましく、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂が好ましく用いることができる。
<基材フィルムおよび表面被覆フィルムの製造方法>
本発明の表面被覆フィルムに用いる基材フィルムを得る製造方法を概説する。本発明における基材フィルムは、前述の通り、二軸延伸されていることが好ましい。これは、二軸延伸されることにより、耐薬品や耐久性の向上が見込め、膜としての強度を付与できることにある。
そこで、本発明における基材フィルムおよび表面被覆の製造方法の一例として、二軸延伸ポリエステルフィルムを例にとって説明する。まず原料となるポリエステル樹脂は、例えばポリエチレンテレフタレートであれば購入することもでき、それ自体公知の手法で重縮合して得ることが出来る。
続いて、上述のようにして得られたポリエステルを二軸延伸フィルムとするには、まず使用するポリエステル樹脂を計量の上、必要に応じて添加剤や他の樹脂と混合する。次いで、窒素雰囲気、真空雰囲気などで、例えば、160℃で5時間程度の乾燥を行い、ポリエステル中の水分率を好ましくは50ppm以下とする。その後、押出機に供給し溶融押出する。なお、ベント式二軸押出機を用いて溶融押出を行う場合は樹脂の乾燥工程を省略してもよい。次いで、フィルターやギアポンプを通じて、異物の除去、押出量の均整化を行い、Tダイより冷却ドラム上にシート状に吐出する。その際、たとえば、ワイヤー状電極もしくはテープ状電極を使用して静電印加する方法、キャスティングドラムと押出したポリマーシート間に水膜を設けるキャスト法、キャスティングドラム温度をポリエステルのガラス転移点〜(ガラス転移点−20℃)にして押出したポリマーを粘着させる方法、もしくは、これらの方法を複数組み合わせた方法により、シート状ポリマーをキャスティングドラムに密着させ、冷却固化し、未延伸フィルムを得る。これらのキャスト法の中でも、ポリエステルを使用する場合は、生産性や平面性の観点から、静電印加する方法が好ましく使用される。
次いで、かかる未延伸フィルムを長手方向に延伸した後、幅方向に延伸する、あるいは、幅方向に延伸した後、長手方向に延伸する逐次二軸延伸方法により、または、フィルムの長手方向、幅方向をほぼ同時に延伸していく同時二軸延伸方法などにより延伸を行う。
かかる延伸方法における延伸倍率としては、樹脂の種類により異なるが、それぞれの方向に、好ましくは、2.5〜4.0倍、さらに好ましくは2.8〜3.5倍、特に好ましくは3.0〜3.4倍が好ましく例示でき、面積倍率として6〜20倍が製膜安定性の観点で好ましく、ポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、面積倍率として8〜20倍が特に好ましく用いられる。また、延伸速度はそれぞれの延伸方向において1,000〜200,000%/分であることが望ましい。また延伸温度は、ガラス転移点〜(ガラス転移点+120℃)、さらにガラス転移温度+10℃〜ガラス転移温度+60℃の温度が好ましく採用でき、例えばポリエチレンテレフタレートの場合、75〜130℃、特に長手方向の延伸温度を80〜120℃、幅方向の延伸温度を90〜110℃とすることが好ましい。なお、延伸は各方向に対して複数回おこなっても良い。延伸方法自体は、それ自体公知の例えばロール延伸やテンターへ導き、フィルムの両端をクリップで把持しながら搬送する延伸方法など、いずれも採用することができる。
こうして二軸延伸されたフィルムは、平面性、寸法安定性を付与するために、引き続きテンター内で延伸温度以上融点以下の熱処理を行うことが好ましい。この熱処理の際に、幅方向での配向分布を抑制するため、熱処理ゾーンに入る直前および/あるいは直後に瞬時に長手方向に弛緩処理することが好ましい。このようにして熱処理された後、均一に徐冷後、室温まで冷やして巻き取られる。また、必要に応じて、熱処理から徐冷の際に長手方向および/あるいは幅方向に弛緩処理を行っても良い。
ところで、本発明における易接着層Aは、前述の官能基としてエポキシ基、オキサゾリン基、シラノール基、イソシアネート基のうちの1種類の架橋基を含有せしめた塗剤を、溶剤分散もしくは水分散させて塗液とし、それを基材フィルム上に塗工することで形成することが好ましい。その際、塗工は基材フィルムの製膜工程で設ける(以下、インラインコーティングと称することがある。)ことが好ましく、特に未延伸フィルムから延伸が完了するまでの間の製膜中に塗工することが好ましい。
上記塗剤を溶剤に分散させる場合は、一般に使用されているメチルエチルケトン、酢酸ブチル、トルエンなどの溶剤を用いることができるが、基材フィルムの製膜中に塗工を行い、塗膜を形成する場合、フィルムの製膜装置が開放系であることから、水分散体にした塗料を用いることが特に好ましい。塗工はロールコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、バーコーター、ダイコーター、ディップコーター等の公知の塗工設備・塗工法式を用いることができ、所望の厚みを均一に簡便に形成させる目的で、ロールコーターをリバース法で用いることが好ましい。また本発明の効果を損なわない範囲で、塗剤には易滑性のためのフィラー粒子、紫外線防止剤、酸化防止剤などの添加剤を添加していてもよい。
このようにして塗布された易接着層Aは、前述の熱処理において、乾燥され硬化される。その際、本発明の効果を得るには、この熱処理を180℃〜220℃で行うことが好ましい。エポキシ基、オキサゾリン基、シラノール基、イソシアネート基のうち少なくとも1種類の官能基を有する塗液を前述のインラインコーティングにより塗工する場合、二軸延伸時の熱処理温度によって、塗膜としての硬化を行いながら、未反応基を適度に含有せしめることで次工程での繊維含浸樹脂との密着性を向上でき、さらに延伸フィルムの熱収縮を小さくして、成形時の外観不良も制御することができる。好ましい熱処理温度は、180〜220℃が好ましく、より好ましくは190〜215℃、さらに好ましくは195〜210℃である。なお、インラインコーティングの前に、必要に応じてコロナ処理やフレーム処理、プラズマ処理などの表面処理を施してもよい。
また、熱処理時間は特性を悪化させない範囲において任意とすることができ、好ましくは1〜60秒間、より好ましくは1〜30秒間行うことが好ましい。さらに、熱処理はフィルムを長手方向および/または幅方向に弛緩させて行ってもよい。
<表面被覆フィルム>
本発明の表面被覆フィルムは、前述の方法によって得られるが、以下その好ましい態様について説明する。
まず、本発明の表面被覆フィルムは、150℃の伸度が製膜方向、幅方向ともに100%以上であることが好ましい。これは繊維強化樹脂の形状に追従させるためであり、伸度の上限は特に制限されず、高ければ高いほど好ましい。一方で、表面被覆フィルムは、成形などによって伸長されるとともに、引張応力も増加する。引張応力は、成形時の成形力に対する抵抗力となるため、低い方が好ましいが、低すぎると、基材形状の凸部などが過多に延伸されてしまい、厚み斑などの不具合を生じやすい。そのような観点から、150℃における引張応力は3〜50MPaであることが好ましく、さらに、5〜30MPaが好ましい。引張応力は、伸長と共に単調に増加する傾向であることが好ましい。この場合の伸長と共に単調に増加するとは、伸度を横軸、応力を縦軸とした場合に、破断するまでの段階で、引張応力の増加が0もしくは負、すなわち傾きがゼロ以下になる領域が、破断するまでの伸度において30%以下、さらに20%以下であることを意味する。
また、本発明の表面被覆フィルムの基材は、上述のようにして得られた結果、150℃における製膜方向の熱収縮をχMD、幅方向の熱収縮をχTDとした場合の熱収縮差の絶対値Δχが下記式(1)を満足することが好ましい。
Δχ=|χMD−χTD|≦3.0 ・・・(1)
Δχが3以上となると、製膜方向、幅方向に熱収縮による差が大きく、例えば、プレス成形などで基材フィルムが被熱した場合、成形で伸ばされるのに打ち勝ってシワが生じうるなどの不具合を生じやすい。基材フィルムの熱収縮差が小さいことで、成形後の外観を良好に保つことができる。
本発明の表面被覆フィルムは、その全光線透過率が80%以上であることが好ましい。全光線透過率が80%以上であることで、繊維強化樹脂として、例えば炭素繊維を使用した場合、その織目を意匠性として表現でき、また加飾層などを設ける場合、加飾層の意匠性をより効果的に発現できる。好ましい全光線透過率は、82%以上、特に好ましくは85%以上である。
本発明の表面被覆フィルムは、易接着層Aの反対側に易接着層Bが形成されていることが、後述の表面被覆積層体とする上で好ましい。易接着層Bとしては易接着層Aと同様なものを好ましく例示できるが、特にエポキシ基もしくはシラノール基を有することが好ましい。
<表面被覆積層体>
本発明の表面被覆積層体は、前述の通り、本発明の表面被覆フィルムに(必要に応じてさらに易接着層Bを介して)機能層を設けたものであり、以下説明する。
本発明の表面被覆積層体は、機能層として表面保護層もしくは加飾層を有することが好ましい。該機能層は表面被覆フィルムの易接着層Aの反対側に形成されていることが好ましく、さらに該表面被覆フィルムの易接層Aの反対面に易接着層Bを介して形成されていることが好ましい。
このような機能層を有することで、例えば、繊維として炭素繊維を選定した場合、その織目を意匠性として表現することができ、表面保護層を易接着層Aの反対面に付与することで、織目の意匠性を表現しながらも、耐久性を有する保護層を外面側に付与することが可能となる。また、加飾層を付与する場合、色の意匠性を長期にわたり保証する意味においても、表面保護層を合わせて付与することは好ましい態様である。
表面保護層としては、ハードコートとしてガラスやアクリル系樹脂を用いることが好ましい。繊維強化樹脂の形状も考慮すると、易成形型のアクリル系樹脂が特に好ましい。
加飾層としては、バインダー樹脂、顔料、染料、さらに必要に応じて体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤などを適宜混合してもよい。着色剤としては、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルーなどの無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルーなどの有機顔料又は染料、アルミニウム、真鍮などの鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛などの鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料などが用いられる。これらが混合されるバインダー樹脂も、成形性を有することが好ましい。
上述の構成を有する場合、特に、本発明の表面被覆フィルムの易接着層Aとは反対面には、易接着層Bとしてエポキシ基もしくはシラノール基を有することが好ましい態様である。特に加飾層を設ける場合、その未反応成分が加飾層との密着性を確保するのに有利であることから易接着層Bはエポキシ基を含有することが好ましい。他方表面保護層を設ける場合、その未反応成分が表面保護層(ハードコート層)との密着性を確保するのに優れていることから易接着層Bはシラノール基を含有することが好ましい。所望する層構成によって、適宜構成を選定することが可能となる。
<繊維含浸樹脂>
本発明における繊維含浸樹脂に用いる樹脂は熱硬化性樹脂もしくは熱可塑性樹脂を用いることができるが、熱硬化性樹脂であることが好ましい。熱可塑性樹脂の場合、ポリオレフィン(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン)、ポリアミド(例えばナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、芳香族ナイロン)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート)、ポリフェニレンサルファイド、ポリスルフォキサイド、ポリテトラフルオロエチレン、アクロニトリルブタジエンスチレン共重合体、ポリアセタール、ポリエーテル、ポリエーテル・エーテル・ケトン、ポリオキシメチレンなどを用いることができる。また、上記熱可塑性樹脂の誘導体や、上記熱可塑性樹脂の共重合体、さらにそれらの混合物でもよい。熱硬化性樹脂の場合、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、マレイミド樹脂、シアン酸エステル樹脂、マレイミド樹脂とシアン酸エステル樹脂を予備重合した樹脂等が挙げられる。本発明においては、これらの樹脂の混合物を使用することもできる。繊維強化複合材料を用途とする場合には、耐熱性、弾性率、耐薬品性に優れたエポキシ樹脂が好ましい。
本発明における繊維含浸樹脂に用いる樹脂が熱硬化樹脂の場合、その硬化速度は150℃での硬化時間が10分以下であることが好ましい。特に、硬化速度は150℃での硬化時間が10分以下のエポキシ樹脂であることが好ましい。高温処理により硬化時間が短縮し、成形性が向上するとともに、これに用いることができる表面被覆フィルムを提供することで、本発明の産業利用上の価値は飛躍的に向上する。
本発明における繊維含浸樹脂に用いる樹脂が熱硬化樹脂の場合、ガラス転移温度が80℃以上であることが好ましく、90℃以上であればより好ましく、100℃以上であればさらに好ましい。ガラス転移温度が80℃より低いと、繊維強化プラスチック部材の使用中に雰囲気温度が80℃以上になると、熱硬化性樹脂の硬化物がゴム状態になり、表面に凹凸が生じる場合がある。
本発明における繊維含浸樹脂に用いる樹脂が熱可塑性樹脂の場合、一体成形する時の成形温度(Ts)は、基材フィルムの樹脂の軟化点(Tn)より低いことが好ましく、Tn≦Ts−10℃であることがより好ましく、Tn≦Ts−20℃であればさらに好ましい。
本発明における繊維含浸樹脂に用いられる繊維は、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維などを用いることができる。これらの繊維は2種以上混合して用いても構わない。より軽量で、より耐久性の高い成形品を得るためには、炭素繊維を使用することが好ましい。
本発明に用いられる繊維含浸樹脂に用いられる繊維はシート状に形成して用いることが好ましい。繊維強化シートとしては、例えば、多数本の繊維を一方向に引き揃えたシートや、平織や綾織などの二方向織物、多軸織物、不織布、マット、ニット、組紐、強化繊維を抄紙した紙などを挙げることができる。
本発明に用いられる繊維含浸樹脂に用いられる繊維は樹脂中に40〜80質量%の割合で含まれていることが好ましい。強化繊維を40質量%以上含むことにより、得られる成形品の力学特性を向上させることができる。一方、強化繊維を80質量%以下含むことにより、成形加工の際の流動性の低下を抑制し、強化繊維へマトリックス樹脂成分を十分に含浸させることができ、結果的に力学特性を向上させることができる。また、強化繊維複合樹脂シートや積層シートの平滑性を向上させ、積層シートの外観をより向上させることができる。
本発明に用いられる繊維含浸樹脂に含まれる繊維強化シートが多軸織物の場合、好ましい多軸織物の例としては、〔+45/−45〕、〔−45/+45〕、〔0/90〕、〔0/+45/−45〕、〔0/−45/+45〕、〔0/+45/90/−45〕等を挙げることができる。0、±45、90は、多軸織物を構成する各層の積層角度を表し、それぞれ一方向に引き揃えた強化繊維の繊維軸方向が、織物の長さ方向に対して0°、±45°、90°であることを示している。積層角度はこれらの角度に限定されず、任意の角度とすることができる。
多軸織物の目付は1枚当り200〜1000g/mが好ましく、200〜800g/mがより好ましい。
本発明に用いられる繊維含浸樹脂に含まれる繊維強化シートが二方向織物の場合、平織、朱子織、綾織など公知の織物を用いることができる。二方向織物の目付は1枚当り60〜400g/mが好ましく、60〜250g/mがより好ましい。
本発明に用いられる繊維含浸樹脂に含まれる繊維強化シートがマットや抄紙した紙の場合、繊維の数平均繊維長は0.1mm〜100mmであることが好ましい。より好ましくは0.5mm〜50mmである。強化繊維の数平均繊維長を0.1mm以上とすることにより、強化繊維による補強効果を向上させることができる。一方、強化繊維の数平均繊維長を100mm以下とすることにより、強化繊維複合樹脂シートのスプリングバックを抑制して平滑性をより向上させることができるとともに、内部のクラックや空洞の発生を抑制することができる。
繊維含浸樹脂に含まれる繊維の繊維長の測定方法としては、例えば、繊維含浸樹脂の表面を顕微鏡観察し計測する方法や、繊維含浸樹脂のマトリックス樹脂のみを溶解する溶剤を用いて溶解させ、残った繊維を濾別して顕微鏡観察により測定する方法や、繊維が酸化減量しない温度範囲においてマトリクス樹脂のみを焼き飛ばし、繊維を分別して顕微鏡観察により測定する方法などがある。
焼き飛ばし法は、マトリックス樹脂を溶解する溶剤がない場合にも適用できる。本発明における繊維の数平均繊維長とは、焼き飛ばし法により測定した値を指す。強化繊維が酸化減量しない温度範囲においてマトリックス樹脂のみを焼き飛ばした後、強化繊維を分別して光学顕微鏡により観察し、強化繊維を無作為に400本選び出し、その長さを1μm単位まで測定し、その数平均値を求めることにより、数平均繊維長を算出することができる。
本発明の繊維含浸樹脂は、強化繊維と熱硬化性樹脂あるいは熱可塑性樹脂とから成る。熱硬化性樹脂あるいは熱可塑性樹脂は、強化繊維内に一部又は全部が含浸して、強化繊維と一体化している。
本発明の繊維含浸樹脂の樹脂含有率(RC)は、繊維含浸樹脂の全質量を基準として、20〜60質量%であることが好ましく、20〜50質量%であることがより好ましく、25〜45質量%であることが特に好ましい。含有率が20質量%未満である場合は、得られる繊維強化複合材料に空隙などが発生し、機械特性等を低下させる場合がある。含有率が60質量%を超える場合は、強化繊維による補強効果が不十分となり、機械特性等を低下させる場合がある。
ここで、樹脂含有率(RC)は、繊維含浸樹脂を硫酸に浸漬して、含浸樹脂内に含浸している樹脂を溶出させることにより求められる。具体的には以下の方法により求められる。
先ず、繊維含浸樹脂を100mm×100mmに切り出して試験片を作製し、その質量を測定する。次いで、この繊維含浸樹脂の試験片を硫酸中に浸漬して必要により煮沸する。これにより、含浸樹脂内に含浸している樹脂を分解して硫酸中に溶出させる。その後、残った繊維をろ別して水で洗浄後、乾燥させて繊維の質量を測定する。硫酸による分解操作の前後の質量変化から樹脂の含有率を算出する。
<一体成形方法>
本発明に用いる繊維含浸樹脂と、上述の表面被覆フィルムを一体成形する際には、加熱加圧成形により一体成形を行うことが好ましい。加熱加圧成形を行うことで、マトリクス樹脂としてエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を使用する場合には、一体成形と同時にマトリクス樹脂を加熱硬化することができ、マトリクス樹脂として熱可塑性樹脂を使用する場合には、マトリクス樹脂を軟化させつつ一体成形することができるため、生産効率に優れる。
加熱加圧成形法としては、プレス成形法、オートクレーブ成形法、バッギング成形法、ラッピングテープ法および内圧成形法等が採用できるが、一体成形と同時に、マトリクス樹脂との密着性を高める観点から、プレス成形法が好ましい。
加熱加圧成形法における成形温度(又は硬化時間)は、選択したマトリクス樹脂により適宜選択してよく、例えば、エポキシ樹脂組成物の場合、含まれる硬化剤の種類などによるが、通常80〜180℃の温度が好ましい。かかる成形温度が低すぎると、十分な速硬化性が得られない場合があり、逆に高すぎると、熱歪みによる反りが発生しやすくなったりする。
また、プレス成形法で成形する圧力としては、繊維含浸樹脂の厚みなどにより異なるが、通常0.1〜5MPaの圧力が好ましい。かかる成形圧力が低すぎると、繊維含浸樹脂の内部まで十分に熱が伝わらず、局所的に未硬化となったり、反りが発生したり場合がある。逆に高すぎると、樹脂が硬化する前に周囲に流れ出してしまい、炭素繊維強化樹脂中にボイドが発生したり、繊維流動による表面外観不良が発生したりする場合がある。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれにより何等限定を受けるものではない。なお、本実施例における各値は以下の方法に従って求めた。
(1)固有粘度
基材フィルムを構成する樹脂の固有粘度は、o−クロロフェノール、35℃で測定し、o−クロロフェノールでは均一に溶解するのが困難な場合は、p−クロロフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(40/60重量比)の混合溶媒を用いて35℃で測定して求めた。なお粒子を含む場合には遠心分離装置を用いて溶液から粒子を取り除き、粒子を差し引いた組成物重量を基準として固有粘度を求めた。
(2)表面被覆フィルムおよび表面被覆積層体及び各層の厚み
得られた表面被覆フィルムおよび表面被覆積層体の厚みは、打点式電子マイクロメータで測定した。
(3)全光線透過率
JIS K7361に準じ、日本電色工業社製のヘーズ測定器(NDH−2000)を使用して表面被覆フィルムの全光線透過率(単位:%)を測定し、300〜800nmでの平均光線透過率を読み取った。
(4)表面被覆フィルムの破断伸度と引張応力
表面被覆フィルムの製膜方向、および幅方向にそれぞれ試料幅10mm、長さ15cmのサイズの試験片を作成し、チャック間100mmにして、炉の温度150℃に保温し、インストロンタイプの万能引張試験装置にて100mm/minの引張速度で引張試験を行い、得られる荷重−伸び曲線で破断した点での伸度を測定した。
(5)表面被覆フィルムの150℃熱収縮
表面被覆フィルムの製膜方向および幅方向にそれぞれ長さ300mm、幅300mmに切り出し、無荷重下で、155℃で30分間熱処理した。そして、熱処理後室温になるまで冷却し、熱処理前の寸法から、熱処理後の寸法を差し引き、熱処理前の寸法で割ったものを熱収縮率とした。
(6)易接層厚み
表面被覆フィルムを小試験片でサンプリングし、エポキシ樹脂にて包埋して、硬化させた後、ミクロトームを用いて超薄切片を作成し、その断面をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察した。得られた画像とスケールから、易接層厚みを算出した。
(7)易接層内粒子の平均粒径
上記(6)で得られた超薄切片を表面からSEM(走査型電子顕微鏡)で観察し、50個の粒子の粒子径を測定して、平均化した粒径を平均粒径として求めた。
(8)易接層におけるエポキシ基、オキサゾリン基、シラノール基、イソシアネート基の有無
上記(6)で得られた超薄切片に対して、H−NMRを用いて上記官能基の存在を確認した。
(9)繊維強化樹脂との初期密着性
表面被覆フィルムと繊維含浸樹脂を板状に一体成形を行い、得られた繊維強化樹脂に対して、基材まで届くようにして碁盤目状に傷を入れて、ニチバン31Bテープにより100マスの剥離試験を行った。得られた結果を顕微鏡観察し、剥離点の数に応じて、下記で◎、○、△、×の評価を行った。
◎:剥がれや塗膜割れが全く見られず、良好である
○:剥がれや塗膜割れが1/100以下しか見られず、良好である
△:碁盤目で2/100〜10/100の剥離点もしくは塗膜割れが観察される
×:碁盤目で11/100以上の剥離点もしくは塗膜割れが観察される
(10)繊維強化樹脂との密着性(剥離モード)
表面被覆フィルムと繊維含浸樹脂を板状に一体成形を行い、得られた繊維強化樹脂に対して、繊維強化樹脂側に切り込みを入れて、樹脂側から折り曲げ、折り曲げ線を慎重に削り加工し、繊維強化樹脂と基材界面の剥離端を作成した後、テンシロンにて剥離端を把持し、剥離角が90°になるようにセットし、荷重5kgの条件で引張試験を行った。
繊維強化樹脂の層間剥離(基材の材料破壊)が見られた場合は良好であり、繊維強化樹脂と基材界面での界面剥離が観察された場合不良と判断した。
(11)一体成形品の耐久温水試験
表面被覆フィルムと繊維含浸樹脂を板状に一体成形を行い、得られた繊維強化樹脂に対して、小試験片に切り出した後、40℃に加温された水中に10日間浸漬し、そののちに、上述(9)の手法で碁盤目試験を行い、結果を得た。判定は下記基準で行った。
◎:剥がれや塗膜割れが全く見られず、良好である
○:剥がれや塗膜割れが1/100以下しか見られず、良好である
△:碁盤目で2/100〜10/100の剥離点もしくは塗膜割れが観察される
×:碁盤目で11/100以上の剥離点もしくは塗膜割れが観察される
(12)機能層が付与された一体成形品評価
実施例に記載の所定の方法で付与された顔料層およびハードコート層の外観を目視で確認し、機能層のハジキ欠点の有無を確認した。
(13)塗液
易接着層AまたはBの塗布層を構成する組成として次に示す成分を用いた。組成の種類および割合は表1に記載した。塗料の配合比は、バインダー樹脂水系塗料、架橋剤水系塗料、フィラー水分散塗料を主として、界面活性剤を加えて固形分中の合計が100%となる比率で、塗液の固形分濃度が3%となるように撹拌分散させ、水溶系塗液を得た。
各水溶系塗液は、ボンプにより供給し、塗料が循環するように構築した経路に塗液フィルターを通過させて異物を除去した後に、塗液パンに溜め、リバース式のロールコーティングによってフィルムに塗工することで、塗膜を形成させた。
(塗布層のバインダー樹脂)
<アクリル系>
アクリル樹脂としては、以下の共重合成分で構成されるアクリル樹脂を用いた。
メチルメタクリレート40モル%/エチルアクリレート45モル%/アクリロニトリル10モル%/N−メチロールアクリルアミド5モル%。
<ポリエステル系>
ポリエステル樹脂としては、以下の共重合成分で構成されるポリエステル樹脂1、ポリエステル樹脂2をブレンドして用いた。具体的には、カルボン酸成分としてテレフタル酸、グリコール成分として、エチレングリコール60モル%を含むポリエステル樹脂1と、カルボン酸成分として、ナフタレンジカルボン酸65モル%とイソフタル酸35モル%、グリコール成分としてエチレングリコールを60モル%含むポリエステル樹脂2を、バインダー樹脂比率で1:1になるようにブレンドしたバインダー樹脂を用いた。
<シロキサン系>
基材フィルムとの接着を確保するため、ケイ素はグリシジル基を有する官能基で変性処理を行ったグリシドキシプロピルトリメトキシシランからなるシランカップリング剤を用いた。
<共重合ポリエステル−アクリル系>
共重合ポリエステル−アクリル樹脂としては、ポリエステル樹脂3と上述のアクリル系で記載したアクリル樹脂を2:1でブレンドしてバインダー樹脂とした。ポリエステル樹脂3は、カルボン酸成分としてテレフタル酸、グリコール成分として、エチレングリコールとジエチレングリコールを90:10のモル比で含有する。
<ウレタン系>
ウレタン系樹脂としては、楠本化成株式会社製の商品名:NeoRezR986の水溶性ウレタン樹脂を用いた。
(架橋剤)
<エポキシ系>
エポキシ系の架橋剤として、2官能性のナガセ化成工業株式会社製の商品名「デナコールEX−313」と、4官能性の三菱ガス化学株式会社製の商品名「TETRAD−X」を混合して用いた。フィルムに塗工した塗膜の造膜性および成形後の密着性をもとに、塗膜硬化速度を速くする場合は2官能性の架橋剤比率を多くし、硬化速度を遅くする場合は4官能性の架橋剤比率を少なくすることが好ましい。
<オキサゾリン系>
オキサゾリン系の架橋剤として、株式会社日本触媒製の商品名「エポクロスWS−700」を用いた。
<シラノール系><イソシアネート系>
シラノールおよびイソシアネートの架橋に関しては、上述のバインダー樹脂に含有される反応点を利用した架橋形態を有する。
(フィラー)
日産化学工業株式会社製の商品名「スノーテックスXS」、同商品名「ST−OL」、株式会社日本触媒製の商品名「エポスターMX200W」、日本触媒株式会社製の商品名「Me−6u」を用いた。
(14)繊維含浸樹脂
(エポキシ樹脂からなる炭素繊維強化プリプレグ)
東邦テナックス株式会社製の織物プリプレグ「テナックス」(登録商標)W−3101/Q−195を用いた。
繊維目付:197g/m、樹脂含有率:40質量%、150℃の硬化時間5分。
(ビニルエステル樹脂からなる炭素繊維強化プリプレグ)
カンタムコンポジット社製の織物プリプレグ「AMC」(登録商標)8575を用いた。
繊維目付:700g/m、樹脂含有率:45質量%、150℃の硬化時間5分。
[実施例1]
テレフタル酸:イソフタル酸の成分モル比が90:10となるようなカルボン酸成分と、エチレングリコールを重合してポリエステルAを得た。また、カルボン酸としてテレフタル酸、グリコール成分としてブチレングリコールを使用して、重合し、ポリエステルBを得た。またポリエステルAを樹脂として、平均粒径1.6μのサイロイド粒子を含有するポリエステルCを得た。ポリエステルA、B、Cを160℃で4時間乾燥し、水分を除去した後、ホッパーに供給し、重量比で50/45/5となるように供給し、チップ混合した後に、280℃に設定した押出機から、ダイを用いて、シート状に溶融押出し、20℃のキャスティングドラムですぐに冷却することで、キャストフィルムを得た後、続く縦延伸工程で、70℃で3.0倍延伸した後、一軸フィルムに各種組成からなるコーティングを表1に示す通り片面もしくは両面にロールコーターによって塗布し、その後ステンター工程に導いて、塗膜を乾燥させて膜とすると同時に、基材フィルムの横延伸を95℃で3.2倍となるように延伸を行い、結晶化ゾーンにおいて210℃で処理しながら、1%トーインすることで熱収縮を抑制して、厚み50μmの二軸延伸フィルムを製膜し、ロール状に巻き取りを行った。
得られた二軸延伸フィルムを、エポキシ樹脂からなる炭素繊維強化プリプレグを5枚積層した積層体をプレス成形する際に、積層体の表面挿入し、成形温度150℃でプレス成形にて一体成形を行い、硬化時間5分として炭素繊維強化樹脂の一体成形品を得た。なお、易接着層Aが炭素繊維強化プリプレグと直接接するように二軸延伸フィルムは挿入した。
得られた物性を表1にまとめた。
[実施例2〜4]
表1に示す塗工液に変更して、実施例1と同様に表面被覆フィルムの基材を作成し、プレス成形により炭素繊維強化樹脂の一体成形品を得た。
[実施例5]
表1に示す厚み100μm二軸延伸フィルムに変更したほかは、実施例1と同様に表面被覆フィルムの基材を作成し、プレス成形により炭素繊維強化樹脂の一体成形品を得た。なお、二軸延伸フィルムの製膜条件はトーインを0.2%に変更した。
[実施例6]
炭素繊維強化プリプレグを表1に示すビニルエステル樹脂からなる炭素繊維強化プリプレグを2枚積層した積層体に変更して、実施例1と同様にプレス成形にて一体成形を行い、硬化時間5分として、炭素繊維強化樹脂の一体成形品を得た。
[比較例1]
表1に示す易接着層Aの厚みに変更して、基材を作成し、プレス成形により炭素繊維強化樹脂の一体成形品を得た。
[比較例2]
表1に示す易接着層Aの厚みに変更して、基材を作成したところ、易接着層厚みが薄すぎて、均一な塗工が出来ず、良質な基材が得られなかった。
[比較例3]
表1に示すように易接着層Aを除去するように塗工を行わず基材を作成し、プレス成形により炭素繊維強化樹脂の一体成形品を得た。
続いて、上述の例示を用いて、機能層として顔料層、もしくはハードコート層を付与した好ましい例示について示す。繊維強化樹脂としての評価は表1に示す通りである。
[実施例11]
顔料層として、メチルエチルケトンおよび酢酸エチルを溶媒とし、東レファインケミカル株式会社製のアクリルウレタン系樹脂「商品名:コータックス」をバインダー樹脂として、アルミ粒子を10重量%含有させて塗料を調合した。この塗料を上述の実施例1を用いて得られた一体成形品の易接着層Bの表面に、スプレーガンにより顔料層を微滴化してスプレーコーティングを実施した。ハジキは見受けられず、良好であった。
[実施例12]
顔料層として、メチルエチルケトンおよび酢酸エチルを溶媒とし、東レファインケミカル株式会社製のアクリルウレタン系樹脂「商品名:コータックス」をバインダー樹脂として、アルミ粒子を10重量%含有させて塗料を調合した。この塗料を実施例1の二軸延伸フィルムの易接着層Bの表面に、コンマコーターを用いて乾燥後の膜厚20μmになるように塗工し、90℃で乾燥して、顔料層が積層された表面被覆フィルムを得た。この表面被覆フィルムを用いたほかは実施例1と同様にして、繊維含浸樹脂と一体成形を行い、得られた一体成形品の外観を評価した。ハジキは見受けられず、良好であった。
[実施例13]
実施例3の二軸延伸フィルムの易接着層Bの表面に、ハードコート塗剤として、日本ペイントオートモーティブコーティングス社製のEJS−08を、コンマ―コーターを用いて厚み35μmになるように塗工し、ハードコート層が積層された表面被覆フィルムを得た。この表面被覆フィルムを用いたほかは実施例1と同様にして、繊維含浸樹脂と一体成形を行い、得られた一体成形品の外観を評価した。ハジキは見受けられず、良好であった。
Figure 2018167515
表1中のMDは製膜方向、TDは幅方向を意味する。
本発明の表面被覆フィルムは、繊維強化樹脂を成形すると同時に塗装を終えることができる画期的な技術であり、繊維強化樹脂が使用されつつある、スポーツ用具、自動車、船舶、航空機などの部材だけでなく、様々な意匠を持つことから、他の用途への展開が図れるなど、産業上有用である。

Claims (11)

  1. 繊維含浸樹脂と一体成形するための表面被覆フィルムであって、該表面被覆フィルムは、少なくとも基材フィルムと易接着層Aとからなり、該易接着層Aはエポキシ基、オキサゾリン基、シラノール基、イソシアネート基からなる群より選ばれる少なくとも1種類の官能基を含有し、かつその厚さが10〜200nmの範囲であり、該基材フィルムは50〜500μmの厚みである表面被覆フィルム。
  2. 150℃で30分間処理したときの長手方向および幅方向の熱収縮率が、下記式(1)を満足する請求項1に記載の表面被覆フィルム。
    Δχ=|χMD−χTD|≦3.0 ・・・(1)
    (上記式中のχMDは長手方向の熱収縮率(%)を示し、χTDは幅方向の熱収縮率(%)を示し、ΔχはχMDとχTDの差(%)の絶対値を示す。)
  3. 基材フィルムが、ポリエステルフィルムである請求項1または2のいずれかに記載の表面被覆フィルム。
  4. 基材フィルムが二軸配向フィルムである請求項1〜3のいずれかに記載の表面被覆フィルム。
  5. 可視光に対する全光線透過率が80%以上である請求項1〜4のいずれかに記載の表面被覆フィルム。
  6. 基材フィルムの易接層Aを形成していない表面に、エポキシ基もしくはシラノール基を有する易接着層Bを有する請求項1〜5のいずれかに記載の表面被覆フィルム。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の表面被覆フィルムと、該表面被覆フィルムの易接着層Aを形成していない側の表面に、表面保護層および加飾層からなる群より選ばれる少なくとも一つの機能層を有する表面被覆構成体。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の表面被覆フィルムもしくは表面被覆構成体と、繊維含浸樹脂が易接着層Aと接するように一体成形することを特徴とする表面被覆繊維強化樹脂成形品の製造方法。
  9. 繊維含浸樹脂の150℃での硬化時間が10分以下である請求項8記載の表面被覆繊維強化樹脂成形品の製造方法。
  10. 繊維含浸樹脂を構成する繊維が、炭素繊維である請求項8または9のいずれかに記載の表面被覆繊維強化樹脂成形品の製造方法。
  11. 請求項1〜7のいずれかに記載の表面被覆フィルムもしくは表面被覆構成体と、繊維含浸樹脂とが、基材フィルム、易接着層A、繊維含浸樹脂の順で、一体成形されている表面被覆繊維強化樹脂成形品。
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