JP2018167500A - 外装用化粧シート - Google Patents

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【課題】外装に使用した際にポリ塩化ビニル系樹脂基材から可塑剤が移行しにくい化粧シートを提供する。【解決手段】可塑剤を含有するポリ塩化ビニル系樹脂基材1、並びに樹脂基材1の少なくともいずれか一方の面の側に配置される装飾層3、及び樹脂基材1の表面の全部又は一部が直接装飾処理されてなる装飾面から選ばれる少なくとも1つの装飾部を備える外装用化粧シート100であって、樹脂基材1の少なくともいずれか一方の面の側に、さらに遮断層2を備え、遮断層2は必須成分として扁平状無機粒子を含み、さらにバインダー樹脂を含んでもよい皮膜であり、遮断層2中で、当該扁平状無機粒子の底面は、樹脂基材1における遮断層2を備える側の面に対して平行又は略平行の向きに整列し、かつ隣接し合う扁平状無機粒子が直接又はバインダー樹脂を介して互いに結合している外装用化粧シート。【選択図】図9

Description

本発明は、ポリ塩化ビニル系樹脂基材、装飾部、及び遮断層を備え、外装に使用した際に当該樹脂基材中から外部に可塑剤が移行しにくい化粧シートに関する。本発明の化粧シートは、主に窓枠、扉、手摺、屋根、及び柵などの外装建材に使用される。
窓枠や扉などの外装建材に、装飾層を備える化粧シートを貼り合わせ、外装建材を見た目よく装飾することが行われている。この外装用化粧シートの一例として、ポリ塩化ビニル系樹脂基材の一方の面に、装飾層が設けられたものが知られている。
ポリ塩化ビニル系樹脂基材の柔軟性付与を目的として、当該樹脂基材には通常、可塑剤が使用される。しかし、時間経過や、高温環境下における使用等により、ポリ塩化ビニル系樹脂基材中の可塑剤が当該樹脂基材の外部や他の部材へ移行(ブリードアウト)し減る結果、当該樹脂基材の弾性率が低下することが知られている。ポリ塩化ビニル系樹脂基材の柔軟性の低下は、周辺部材に対する外装用化粧シート全体の浮きや剥離の原因となる他、外装用化粧シートが脆弱化して外力印加時の亀裂や割れを引き起こす。更に、基材表面に移行して来た可塑剤は離型剤として作用する結果、該基材と隣接して接着、積層して成る各種の層、例えば、装飾層、透明樹脂層、トップコート層、接着剤層等との接着力が低減し、積層した他層と剥離しやすくなる。したがって、ポリ塩化ビニル系樹脂基材中の可塑剤を一定量以上に保持することは、外装用化粧シートの長期耐久化に資する。
従来、ポリ塩化ビニル系樹脂基材からの可塑剤の移行を防ぐ様々な技術が開発されてきた。
特許文献1には、絵柄印刷層を備えるポリ塩化ビニルフィルム上に透明アクリル樹脂フィルムを積層してなる金属サッシ外装用化粧シートにおいて、ポリ塩化ビニルフィルムが非移行性の可塑剤を含有する技術が開示されている。当該文献には、非移行性の可塑剤を使用することにより、透明アクリル樹脂フィルムとポリ塩化ビニルフィルムとの経時的な層間剥離を防止できることが記載されている。
特許文献2には、熱可塑性樹脂層と紫外線吸収剤を含有する保護層とを積層してなる耐候性化粧シートにおいて、熱可塑性樹脂層の可塑剤としてアジピン酸系ポリエステル可塑剤とフタル酸系ポリエステル可塑剤との混合物を用いる技術が開示されている。当該文献には、これら2種類の可塑剤を混ぜて用いることにより、可塑剤が保護層へ移行することがなく、その結果紫外線吸収剤の効果が失われないことが記載されている。
特許文献3には、エチレン含有率20〜65モル%、ビニルエステル成分の鹸化度90モル%以上のエチレン−ビニルエステル共重合体鹸化物90〜99.9重量%、及び抗菌性の金属イオンを有する無機オキソ酸塩10〜0.1重量%からなる組成物層を、可塑剤を含有するポリ塩化ビニル樹脂層の少なくとも一面に有する積層体からなる化粧板が開示されている。当該文献には、当該化粧板がポリ塩化ビニル樹脂用の可塑剤の遮断機能を有する旨の記載がある。
一方、可塑剤の移行には触れていないものの、外装用化粧シートの積層構成において、装飾層から基材への顔料の移行の防止を目的とする技術も知られている。特許文献4には、ポリ塩化ビニルのベースフィルム上に、アクリル樹脂等の隔離層、絵柄印刷層、耐候性を有するプラスチックフィルムをこの順に積層してなる外装用化粧シートが開示されている。この技術は、隔離層により、絵柄印刷層からベースフィルムへの顔料の流出を防ぐことを目的とする。
特公平7−67788号公報 特開平7−24970号公報 特開2000−103014号公報 実公平4−46924号公報
しかし、特許文献1−2の技術においては可塑剤の種類が特殊なものに制限されるため、原材料費も高騰する上、自ずと使用可能なポリ塩化ビニル系樹脂基材の種類や発現可能な諸物性の範囲も限定される。また、特許文献3−4の技術においては、有機化合物を基材とする隔離層を用いるため、当該有機化合物と親和性のある可塑剤を用いた場合、可塑剤の移行を防ぐことはできない。このように、従来技術においては、可塑剤の移行を遮断する効果が不十分なものであったり、高価であったり、使用できる材料や発現できる物性に制限があった。
本発明は、可塑剤の移行に関する上記実状を鑑みて成し遂げられたものであり、ポリ塩化ビニル系樹脂基材、装飾部、及び遮断層を備え、外装に使用した際に当該樹脂基材から可塑剤が移行しにくい化粧シートを提供することを目的とする。
本発明の外装用化粧シートは、可塑剤を含有するポリ塩化ビニル系樹脂基材、並びに前記ポリ塩化ビニル系樹脂基材の少なくともいずれか一方の面の側に配置される装飾層、及び当該ポリ塩化ビニル系樹脂基材の表面の全部又は一部が直接装飾処理されてなる装飾面からなる群より選ばれる少なくとも1つの装飾部を備える外装用化粧シートであって、前記ポリ塩化ビニル系樹脂基材の少なくともいずれか一方の面の側に、さらに遮断層を備え、前記遮断層は、必須成分として扁平状無機粒子を含み、さらにバインダー樹脂を含んでいてもよい皮膜であり、当該遮断層中で、当該扁平状無機粒子の底面は、前記ポリ塩化ビニル系樹脂基材における前記遮断層を備える側の面に対して平行又は略平行の向きに整列し、かつ隣接し合う扁平状無機粒子が直接又はバインダー樹脂を介して互いに結合していることを特徴とする。
本発明において、前記扁平状無機粒子は鱗片状無機粒子であり、前記遮断層の少なくとも一部は、前記鱗片状無機粒子が自己組織化してなる膜であることが、可塑剤の外部への移行防止の点から好ましい。
また、この際、前記鱗片状無機粒子は鱗片状シリカ粒子であり、前記自己組織化してなる膜は、隣接し合う鱗片状シリカ粒子がSi−O結合により互いに結合してなる膜であってもよい。
本発明において、前記扁平状無機粒子は、板状アルミナ粒子及び箔状マイカ粒子からなる群より選ばれる少なくとも1つであり、かつ前記遮断層の少なくとも一部は、隣接し合う前記扁平状無機粒子がバインダーを介して互いに結合してなる膜であってもよい。
本発明において、前記バインダー樹脂は硬化性樹脂の硬化物であってもよい。
本発明において、前記遮断層の平均厚さは、0.1〜200μmの範囲内であることが、可塑剤の外部への移行防止の点から好ましい。
本発明は、前記装飾部と接して前記遮断層を備えていてもよい。
本発明は、前記ポリ塩化ビニル系樹脂基材を挟んで、前記装飾部とは反対側に前記遮断層を備えていてもよい。
本発明は、前記装飾部として少なくとも前記装飾層を備え、前記ポリ塩化ビニル系樹脂基材と前記装飾層との間に前記遮断層を備えていてもよい。
本発明は、前記ポリ塩化ビニル系樹脂基材の両面の側に遮断層を備えていてもよい。
本発明は、前記ポリ塩化ビニル系樹脂基材、前記装飾部及び前記遮断層を備える積層体の一面側に、さらに透明樹脂層を備えることが、当該積層体の保護の点から好ましい。
本発明によれば、ポリ塩化ビニル系樹脂基材の少なくともいずれか一方の面の側に、扁平状無機粒子を含む皮膜である遮断層を備えるため、当該ポリ塩化ビニル系樹脂基材からの可塑剤の移行を防止でき、その結果、外装用化粧シートの全部又は一部の浮き上がり、剥がれ及び割れを抑制でき、耐久性を向上させることができる。
ポリ塩化ビニル系樹脂基材の両面に遮断層が形成されてなる積層体の斜視模式図である。 図1中の遮断層2表面の一部を抜き出して示した斜視模式図である。 ポリ塩化ビニル系樹脂基材の片面に遮断層が形成されてなる積層体の断面模式図であり、遮断層中の扁平状無機粒子の底面が、ポリ塩化ビニル系樹脂基材の一方の面に平行の向きに整列している様子を示す。 ポリ塩化ビニル系樹脂基材の片面に遮断層が形成されてなる積層体の断面模式図であり、遮断層中の扁平状無機粒子の底面が、ポリ塩化ビニル系樹脂基材の一方の面に略平行の向きに整列している様子を示す。 装飾処理されたポリ塩化ビニル系樹脂基材の片面に遮断層が形成されてなる積層体の断面模式図であり、遮断層中の扁平状無機粒子の底面が、ポリ塩化ビニル系樹脂基材の一方の面に平行の向きに整列している様子を示す。 装飾処理されたポリ塩化ビニル系樹脂基材の片面に遮断層が形成されてなる積層体の断面模式図であり、遮断層中の扁平状無機粒子の底面が、ポリ塩化ビニル系樹脂基材の一方の面に略平行の向きに整列している様子を示す。 装飾処理されたポリ塩化ビニル系樹脂基材の片面に遮断層が形成されてなる積層体の断面模式図であり、当該樹脂基材の凹部に位置する扁平状無機粒子の配列が不規則となった様子を示す。 ポリ塩化ビニル系樹脂基材、装飾層、及び遮断層を備える積層体の断面模式図である。 ポリ塩化ビニル系樹脂基材、装飾層、及び遮断層を備える他の積層体の断面模式図である。 装飾面を備えるポリ塩化ビニル系樹脂基材、及び遮断層を備える積層体の断面模式図である。 装飾面を備えるポリ塩化ビニル系樹脂基材、装飾層、及び遮断層を備える積層体の断面模式図である。 本発明の外装用化粧シートの実施形態の断面模式図である。 (a)評価用積層体に使用しなかったオレフィンシートの表面、(b)オレフィンシートAにおける遮断層との接触面、(c)オレフィンシートBにおけるポリ塩化ビニル系樹脂基材との接触面の各FT−IRスペクトルを並べて示したグラフである。 ポリ塩化ビニル系樹脂基材の一方の面及び他方の面の各FT−IRスペクトルを並べて示したグラフである。
次に、本発明の実施の態様について詳細に説明するが、本発明は以下の実施の態様に限定されるものではなく、その趣旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本発明において(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートの各々を表す。
本発明において樹脂の硬化物とは、化学反応を経て又は経ないで固化したもののことをいう。
本発明の外装用化粧シートは、可塑剤を含有するポリ塩化ビニル系樹脂基材、並びに前記ポリ塩化ビニル系樹脂基材の少なくともいずれか一方の面の側に配置される装飾層、及び当該ポリ塩化ビニル系樹脂基材の表面の全部又は一部が直接装飾処理されてなる装飾面からなる群より選ばれる少なくとも1つの装飾部を備える外装用化粧シートであって、前記ポリ塩化ビニル系樹脂基材の少なくともいずれか一方の面の側に、さらに遮断層を備え、前記遮断層は、必須成分として扁平状無機粒子を含み、さらにバインダー樹脂を含んでいてもよい皮膜であり、当該遮断層中で、当該扁平状無機粒子の底面は、前記ポリ塩化ビニル系樹脂基材における前記遮断層を備える側の面に対して平行又は略平行の向きに整列し、かつ隣接し合う扁平状無機粒子が直接又はバインダー樹脂を介して互いに結合していることを特徴とする。
1.ポリ塩化ビニル系樹脂基材
ポリ塩化ビニル系樹脂基材は、外装用化粧シートの形状を保持するために設けられる。
本発明において「ポリ塩化ビニル系樹脂」とは、塩化ビニルモノマー単位を50mol%以上有する樹脂を意味する。ポリ塩化ビニル系樹脂として、例えば、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−ビニルブチラール共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
ポリ塩化ビニル系樹脂基材は可塑剤を含有する。可塑剤は、当該樹脂基材に柔軟性を付与し、その硬さを制御することを目的として用いられる。
使用される可塑剤としては、ジオクチルフタレート等のフタル酸エステル系、トリメリット酸トリオクチル等のトリメリット酸エステル系、アジピン酸エステル系、アジピン酸ポリエステル系、フタル酸ポリエステル系、リン酸エステル系、クエン酸エステル系、安息香酸エステル系、テレフタル酸エステル系、エポキシ化植物油系、塩素化パラフィン系などが挙げられる。
可塑剤の含有量には特に制限はなく、例えば、ポリ塩化ビニル系樹脂基材の質量を100質量部としたとき、5〜60質量部であってもよく、15〜35質量部であることが好ましい。
ポリ塩化ビニル系樹脂基材は、着色剤を含有していてもよい。着色剤は、ポリ塩化ビニル系樹脂基材の少なくとも一方の面を、所望の色相に着色させる。着色剤としては、チタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、黄鉛、チタン黄、カーボンブラック等の無機顔料、イソインドリノン、ハンザイエローA、キナクリドン、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー、アゾメチンアゾ化合物、ペリレン系化合物等の有機顔料あるいは染料、アルミニウム、真鍮等の金属の箔粉からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料等の従来公知の着色顔料が用いられる。着色は透明着色、不透明(隠蔽)着色いずれでも良いが、一般的には、被着体を隠蔽するために不透明着色が良い。
着色剤の含有量には特に制限はなく、例えば、ポリ塩化ビニル系樹脂基材の質量を100質量部としたとき、1〜40質量部であってもよく、5〜20質量部であることが好ましい。
さらに、必要に応じて、熱安定剤、難燃剤、ラジカル捕捉剤、紫外線吸収剤等を添加する。熱安定剤は、フェノール系、サルファイト系、フェニルアルカン系、フォスファイト系、アミン系等公知のものであリ、熱加工時の熱変色等の劣化の防止性をより向上させる場合に用いられる。難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の粉末が用いられ、これらは、難燃性を付与する必要がある場合に添加する。ラジカル捕捉剤としては、例えば、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等のヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤が用いられる。紫外線吸収剤としては、2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−4,6−ジフェニル−s−トリアジン等のトリアジン系、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系等が用いられる。
これら添加剤の含有量は、例えば、ポリ塩化ビニル系樹脂基材の質量を100質量部としたとき、1〜50質量部であってもよく、10〜25質量部であることが好ましい。
ポリ塩化ビニル系樹脂、可塑剤、及び必要な場合には着色剤等の添加剤を混合したものをカレンダー製法等の常用の方法により製膜することにより、ポリ塩化ビニル系樹脂基材が得られる。
得られるポリ塩化ビニル系樹脂基材の平均厚さは、その強度及び耐熱性が適切になるように材料に応じて適宜設定することができ、1μm〜1,000μm程度が一般的で、好ましくは10μm〜500μmである。
本発明に係る外装用化粧シートを構成する各層(ポリ塩化ビニル系樹脂基材、遮断層、及び必要な場合には装飾層、透明樹脂層、トップコート層等)の平均厚さの測定方法は以下の通りである。まず、外装用化粧シートの断面を光学顕微鏡又は電子顕微鏡などで観察する。測定対象となる層の厚さを3か所〜10か所程度測定し、算出される厚さの平均を、その層の平均厚さとする。
ただし、ポリ塩化ビニル系樹脂基材が装飾面を有する場合には、装飾面が凹形状である部分の厚さと、装飾面が凸形状である部分の厚さは異なる。したがって、装飾面を備えるポリ塩化ビニル系樹脂基材については、装飾面が凸形状である部分について上記方法により厚さを測定し、平均厚さを算出する。
2.装飾部
装飾部とは、後述する装飾層及び装飾面の総称であり、化粧シートを設置する対象(被着体)を見た目よく飾るための色彩や模様等が施された部分である。装飾部により外装用化粧シートに付与される色彩や模様等は、外装用化粧シートの用途により適宜デザインや材料、形成方法が選択されるものであり、特に限定されるものではない。
(1)装飾層
装飾層は、ポリ塩化ビニル系樹脂基材の少なくともいずれか一方の面の側に配置される。
装飾層によりポリ塩化ビニル系樹脂基材表面に形成される模様としては、例えば立体的模様や平面的模様等が挙げられる。
立体的模様としては、単純な凹凸模様、木目板導管溝、石板表面凹凸(花崗岩劈開面等)、布表面テクスチュア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等が例示できる。立体的模様の凹部に着色剤を充填しても良い。充填は従来公知のワイピング法等によれば良い。着色剤は上述した材料が使用できる。
平面的模様としては、木目、石目、布目等の天然物の表面外観を模した絵柄模様、水玉模様、縞模様、幾何学模様等の抽象柄模様、文字又は数字を含む模様等が例示できる。
装飾層によりポリ塩化ビニル系樹脂基材表面に付与される色彩としては、例えば単色全面ベタ、複数の色彩の組み合わせ等が挙げられる。装飾層は、複数の色彩の組み合わせによって写真や絵画を再現するものであったり、それ自体が絵画であったりしてもよい。
装飾層を形成する材料としては、例えば、金属薄膜や、バインダーに上述した着色剤を分散させたインク等が挙げられる。
金属薄膜としては、アルミニウム、クロム、金、銀、銅等の金属の薄膜が例示できる。これらの金属薄膜は、真空蒸着やスパッタリング等の方法で成膜される。
インクに用いられるバインダーとして、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂等が挙げられる。これらバインダーは、単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。2種類以上の樹脂を混合したバインダーの例としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体とを、アクリル樹脂の質量/塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の質量=80/20〜20/80の質量比の範囲で適宜混合して成るバインダーが挙げられる。このようなバインダーに、上述した着色剤を添加した材料が、装飾層用インクとして用いられる。
ポリ塩化ビニル系樹脂基材に装飾層用インクを直接印刷する場合は、バインダーとして、アクリル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体との混合物やウレタン樹脂を採用することが、接着性の点で好ましい。
装飾層は、ポリ塩化ビニル系樹脂基材表面の全面に設けられていてもよいし、一部に設けられていてもよい。装飾層は、模様部分と色彩部分が混在していてもよい。装飾層は、上記インクにより形成される部分と、金属薄膜の部分が混在していてもよい。
装飾層は、ポリ塩化ビニル系樹脂基材の一方の面の側のみに設けられていてもよく、両面側に設けられていてもよい。
装飾層の平均厚さは、装飾の内容や色柄の種類に応じて適宜設定することができ、0.1μm〜20μm程度が一般的で、好ましくは0.5μm〜10μmである。
(2)装飾面
装飾面とは、ポリ塩化ビニル系樹脂基材の表面の全部又は一部が直接装飾処理されてなる面を意味する。ここで「装飾処理」とは、ポリ塩化ビニル系樹脂基材の全部又は一部を加工することにより、当該樹脂基材の表面の全部又は一部を装飾することを意味する。装飾処理の具体例としては、ポリ塩化ビニル系樹脂基材の表面の全部又は一部を切削することや、ポリ塩化ビニル系樹脂基材にエンボス加工を施すこと等が挙げられる。ここでいうエンボス加工とは、ポリ塩化ビニル系樹脂基材の全部又は一部を加熱軟化させ、エンボス版で加圧、賦形し、冷却固定して形成することを意味する。
装飾処理によりポリ塩化ビニル系樹脂基材に付与される模様は、上述した装飾層の場合と同様である。
3.遮断層
遮断層は、必須成分として扁平状無機粒子を含む皮膜である。後述する通り、遮断層は、さらにバインダー樹脂を含んでいてもよい。
図1は、ポリ塩化ビニル系樹脂基材1の両面に遮断層2が形成されてなる積層体10の斜視模式図である。なお、図1は、遮断層の構成を説明するための模式図であって、本発明は図1に示す形態に必ずしも限定されない。図1に示すように、扁平状無機粒子12は様々な形状を有し、遮断層2の中で折り重なって存在する。
図2は、図1中の遮断層2表面の一部を抜き出して示した斜視模式図である。本発明においては、扁平状無機粒子の有する面のうち、最も面積の広い面を底面と定義する。図2に示すように、遮断層2においては、複数の扁平状無機粒子12が主に底面12a同士を介して折り重なっている。
扁平状無機粒子において、底面の径を、
(1)底面の外接円が描ける場合は、かかる外接円の直径をもって底面の径とする。
(2)底面の外接円が描けない場合は、最長の対角線長をもって底面の径とする。
(3)底面が円又は楕円の場合は、長径(又は直径)をもって底面の径とする。
と定義したとき、底面の径を、底面に略垂直な方向の長さ(厚さ)により除して得られる値が、5〜50であることが好ましく、10〜40であることがより好ましい。このように扁平な形状の場合、粒子がポリ塩化ビニル系樹脂基材の一方の面に平行又は略平行に配列しやすい。
扁平状無機粒子の底面の形状は特に限定されず、例えば、円形、楕円形、多角形等が挙げられる。
扁平状無機粒子は、底面の平均径が0.01μm〜10.00μmの範囲であり、かつ底面に略垂直な方向の平均長さ(平均厚さ)が0.01〜1.00μmの範囲であることが好ましい。この範囲であれば、粒子がポリ塩化ビニル系樹脂基材の一方の面に平行又は略平行に配列しやすく、成膜性が良好となる。
ここで、平均径(円の場合は直径となる)は、レーザー散乱法・回折式粒度分布計等の測定により、粒子の平均厚さは、走査電子顕微鏡を用いた測定による100個の粒子の平均値より、それぞれ算出される。
図3A及び図3Bは、ポリ塩化ビニル系樹脂基材1の片面に遮断層2が形成されてなる積層体の断面模式図である。これらの図においては、説明のため、扁平状無機粒子の断面を長方形12で示す。
図3Aは、遮断層2中の扁平状無機粒子12の底面12aが、ポリ塩化ビニル系樹脂基材1における遮断層2を備える側の面1aに対して平行の向きに整列している様子を示す。且つ、該扁平状無機粒子12は同図面の上方から見下ろした平面視において、図1及び図2(これらは、斜視図では有るが)から容易に理解できるように、ポリ塩化ビニル系樹脂基材1の面1aを隙間無く、即ち、下地の面1aが露出しないように全面を被覆して成る。
このように、扁平状無機粒子12がポリ塩化ビニル系樹脂基材1に対し平行に積み上がることによって、ポリ塩化ビニル系樹脂基材1内部からの可塑剤の移行を防止することができる。
一方、図3Bは、遮断層2中の扁平状無機粒子12の底面12aが、ポリ塩化ビニル系樹脂基材1の前記面1aに対し角度αの傾きで整列している様子を示す。且つ、図3Aの形態と同様、該扁平状無機粒子12は平面視において、ポリ塩化ビニル系樹脂基材1の面1aを隙間無く全面を被覆して成る。この角度αが大きすぎる場合には、ポリ塩化ビニル系樹脂基材1内部の可塑剤が扁平状無機粒子12の間をすり抜けて外部へ移行してしまい、好ましくない。角度αが十分に小さく、底面12aが面1aに対し略平行である場合、具体的には、角度αが0〜30°の範囲内であり、好ましくは0〜10°の範囲内である場合には、扁平状無機粒子12の間をすり抜けて外部へ移行する可塑剤の量が抑えられるため、本発明の効果が十分発揮される。
なお、角度αは、全ての扁平状無機粒子について等しくなくてもよく、角度の分布に幅があってもよい。また、扁平状無機粒子の整列構造が維持できる限りにおいて、図3Aに示す状態と図3Bに示す状態とが混在していてもよい。
図4A〜図4Cは、装飾処理されたポリ塩化ビニル系樹脂基材1の片面に遮断層2が形成されてなる積層体の断面模式図である。これらの図中の長方形12は、図3A及び図3Bと同様に扁平状無機粒子の断面を示す。なお、扁平状無機粒子の向きの基準となるポリ塩化ビニル系樹脂基材1の面1aは、原則として、当該樹脂基材1の凸部を基準とする。なぜなら、装飾処理における凹部の底1bは、必ずしも図4A〜図4Cに示すように平坦になるとは限らないためである。
図4Aは、遮断層2中の扁平状無機粒子12の底面12aが、ポリ塩化ビニル系樹脂基材1の前記面1aに平行の向きに整列している様子を示す。図4Aに示すように、ポリ塩化ビニル系樹脂基材1表面の凹部においても、扁平状無機粒子12の向きは変わらず、面1aに平行に整列している。このように扁平状無機粒子12が整列することにより、上記図3Aの場合と同様に、可塑剤の移行を防止することができる。
一方、図4Bは、遮断層2中の扁平状無機粒子12の底面12aが、ポリ塩化ビニル系樹脂基材1の前記面1aに対し角度αの傾きで整列している様子を示す。この角度αについては、上述した図3Bと同様である。さらに、図4Bに示すようにポリ塩化ビニル系樹脂基材1表面の凹部が平坦な場合は、当該凹部において、扁平状無機粒子12の底面12aが、当該凹部の底1bに対し、角度βの傾きで整列していてもよい。角度βの数値範囲は、角度αと同じである。また、角度βと角度αとは、等しくてもよく、異なっていてもよい。
図4Cは、ポリ塩化ビニル系樹脂基材の凹部の内部に位置する扁平状無機粒子の配列が不規則となっている他は、図4Bと同様である。このように、当該凹部の内部において扁平状無機粒子の配列が不規則となっていたとしても、当該凹部を覆う遮断層の厚さ部分(図4Cの2A部分)において扁平状無機粒子が一定方向に配列していれば、上記図4A及び図4Bの場合と同様に、可塑剤の移行を防止することができる。
なお、扁平状無機粒子の整列構造が維持できる限りにおいて、図4Aに示す状態、図4Bに示す状態、及び図4Cに示す状態が混在していてもよい。
扁平状無機粒子の大きさと、装飾処理により形成されるポリ塩化ビニル系樹脂基材表面の凹部の大きさとの比は、図4A〜図4Cに示した態様に限られない。扁平状無機粒子の径や厚さが当該凹部の幅に対して大きすぎる場合には、必ずしも扁平状無機粒子が当該凹部の内部に配置される必要はない。また、当該凹部の内部に配置される扁平状無機粒子の数密度(単位体積当たりの個数)と、それ以外の遮断層における扁平状無機粒子の数密度とが異なっていてもよい。
隣接し合う扁平状無機粒子は、直接又はバインダー樹脂を介して互いに結合する。扁平状無機粒子同士が直接結合する場合としては、例えば、後述するような共有結合による場合や、配位結合による場合、イオン結合による場合、金属結合による場合、水素結合による場合等が挙げられる。また、扁平状無機粒子同士がバインダー樹脂を介して結合する場合においては、バインダー樹脂がマトリックスとして働き、扁平状無機粒子をつなぎ止める役割を果たす。
扁平状無機粒子は、公知のセラミックス粒子及びその混合物から選択されることが好ましい。シリカ、アルミナ、マイカ、チタニア、ジルコニア、マグネシア、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化亜鉛、酸化錫、チタン酸バリウム、チタン酸アルミ、炭化珪素、窒化珪素等の粒子が例として挙げられる。この中でも、扁平状無機粒子は、機械強度や化学的安定性に優れるシリカ粒子、アルミナ粒子及びマイカ粒子がより好ましい。また、扁平状無機粒子には、機械強度向上等を目的に異種金属元素が添加されていてもよい。
可塑剤の外部への移行防止の点から、扁平状無機粒子は鱗片状無機粒子であり、遮断層の少なくとも一部は、鱗片状無機粒子が自己組織化してなる膜であることが好ましい。
ここで、「自己組織化」とは、独立した個々の鱗片状無機粒子が、それ自体の物性により、外部からの物理的作用及び化学的影響を特段必要とすることなく、遮断層としての機能を有する集合体としてまとまることを意味する。このように、鱗片状無機粒子からなる膜は、一般の樹脂膜のように可塑剤が染み込み透過するおそれが無いため、バリア性が高い。また、鱗片状無機粒子からなる膜は、樹脂膜よりも機械的に硬いため、外装用化粧シート自体の強度を増すことができる。
バリア性向上の観点から、遮断層全体が上記自己組織化膜であってもよい。
鱗片状無機粒子は鱗片状シリカ粒子であり、自己組織化してなる膜は、隣接し合う鱗片状シリカ粒子がSi−O結合により互いに結合してなる膜であってもよい。
鱗片状シリカ粒子は、通常、その表面にシラノール基(Si−OH)を有する。隣接し合う鱗片状シリカ粒子間において、シラノール基同士が脱水縮合反応を起こすことにより、Si−O結合を形成する。Si−O結合は共有結合であり、他の化学結合(例えば、配位結合やイオン結合等)よりも一般的に強い結合であるといえるため、強固な自己組織化膜が形成される。
鱗片状シリカ粒子を用いることにより、湿潤条件下において、連続した自己組織化膜が形成できる。例えば、塩化ビニル系樹脂基材の表面に、鱗片状シリカを含む水スラリーを塗布し、乾燥して水を除くことにより、当該表面に自己組織化膜が形成される。この塗布法は、複雑な装置を必要とせず、短時間で簡便に自己組織化膜が得られる点で、CVD等の蒸着法による膜形成法よりも優れる。
鱗片状シリカ粒子としては、例えば、サンラブリーLFS HN−150(商品名)や、サンラブリーLFS HN−050(商品名、以上AGCエスアイテック社製)等が挙げられる。
扁平状無機粒子は、板状アルミナ粒子又は箔状マイカ粒子であってもよく、これらを併用してもよい。板状アルミナ粒子及び箔状マイカ粒子は、それ自体では自己組織化能力が低いため、膜として成形するためにはバインダーを必要とする。
板状アルミナ粒子及び/又は箔状マイカ粒子を用いる場合、遮断層中の板状アルミナ粒子及び箔状マイカ粒子の総質量は、遮断層の質量を100%としたとき、50〜99質量%であることが好ましい。板状アルミナ粒子及び箔状マイカ粒子の総質量が50質量%未満の場合には、バインダーの量が多すぎるため、可塑剤が浸透し透過しやすくなるおそれがある。一方、板状アルミナ粒子及び箔状マイカ粒子の総質量が99質量%を超える場合には、バインダーの量が少なすぎるため、膜の成形性が悪化するおそれがある。
板状アルミナ粒子としては、例えば、セラフ 00610(製品名)や、セラフ 02050(製品名、以上キンセイマテック株式会社製)、セラシュール BMF−B(製品名、河合石灰工業株式会社製)等が挙げられる。
箔状マイカ粒子としては、例えば、マイカ粉 湿式粉砕グレード A−11(商品名)、マイカ粉 ハイブリッド粉砕微粒子グレード(商品名、以上松雄産業株式会社製)、非膨潤性マイカ PDM−5B(商品名、トビー工業株式会社製)等が挙げられる。
バインダー樹脂は硬化性樹脂の硬化物であってもよい。バインダー樹脂は、遮断層中において、硬化性樹脂の硬化物からなるマトリックスであってもよい。
バインダー樹脂は、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリレート系、エポキシ系、ポリエステル系等の電離放射線硬化性樹脂、(メタ)アクリレート系、ウレタン系、エポキシ系、ポリシロキサン系等の熱硬化性樹脂、(メタ)アクリレート系、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系等の熱可塑性樹脂等の各種材料及び各種硬化形態の賦型用樹脂等が挙げられる。なお、電離放射線とは、分子を重合させて硬化させ得るエネルギーを有する電磁波または荷電粒子を意味し、例えば、すべての紫外線(UV−A、UV−B、UV−C)、可視光線、ガンマー線、X線、電子線等が挙げられる。
これらの中でも、外装用途を想定した場合、熱に強いバインダー樹脂がより好ましいという点から、電離放射線硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂が好ましく用いられる。
塩化ビニル系樹脂基材と遮断層との間の密着性向上の観点から、バインダー樹脂は、塩化ビニル系樹脂基材と密着性が高い樹脂であることが好ましい。さらに、遮断層が可塑剤の移行を防ぐ役割を果たすという観点から、遮断層中のバインダー樹脂は、可塑剤と相溶性の悪い樹脂であることが好ましい。
バインダー樹脂は、鱗片状シリカと共に使用してもよい。鱗片状シリカ粒子のみでは遮断層の柔軟性に乏しい場合において、バインダー樹脂を加えて遮断層中の鱗片状シリカ粒子の含有割合を下げ、遮断層に柔軟性を付与することができる。ただし、バインダー樹脂を併用する場合は、鱗片状シリカ粒子のみを用いる場合よりも、可塑剤に対するバリア性が低下するおそれがある。
鱗片状シリカ粒子とバインダー樹脂を併用する場合、遮断層中の鱗片状シリカ粒子の質量は、遮断層の質量を100%としたとき、50質量%以上100質量%未満であることが好ましい。鱗片状シリカ粒子の質量が50質量%未満の場合には、バインダーの量が多すぎるため、可塑剤が浸透し透過しやすくなるおそれがある。一方、鱗片状シリカ粒子は単独でも使用できるため、柔軟性を特に考慮しなければ、鱗片状シリカ粒子の含有量に上限はない。
可塑剤の移行防止の観点から、遮断層の平均厚さは、好適には0.1〜200μmの範囲内であり、より好適には0.5〜150μmの範囲内であり、さらに好適には1.0〜100μmの範囲内である。
遮断層の平均厚さが200μmを超える場合、外装用化粧シートの製造中や、完成品の外装用化粧シートを取り扱う中において、当該外装用化粧シート又はその中間体が曲げられたり折られたりすることにより、遮断層中の扁平状無機粒子の整列構造が損なわれやすく、バリア効果が不十分となるおそれがある。一方、遮断層の平均厚さが0.1μm未満の場合、遮断層中に十分な量の扁平状無機粒子が含まれないため、十分なバリア効果が得られないおそれがある。
遮断層が、隣接する他の層から浮いたり剥がれたりしない程度に当該他の層との密着性を有することは、化粧シートとして必要な特性といえる。遮断層の平均厚さが0.1〜200μmの範囲内にあることにより、遮断層と、隣接する他の層との間の密着性を確保することができる。特に、遮断層の平均厚さが200μmを超える場合、外装用化粧シート又はその中間体が曲げられたり折られたりすることにより、遮断層が、その隣接する他の層から剥がれるおそれがある。
遮断層の平均厚さが0.1〜200μmの範囲内にある場合、遮断層と、隣接する他の層とは、互いに接着し合っているといえる。ここで「接着」とは、当該他の層の表面上に存在する遮断層を手でこすったり、手で払ったりしても落ちない程度に、遮断層と当該他の層とが接合し合っていることを意味する。
ポリ塩化ビニル系樹脂基材の装飾面に直接に遮断層を設ける場合には、当該装飾面が凹形状である部分に対応する遮断層の厚さと、当該装飾面が凸形状である部分に対応する遮断層の厚さは異なる。したがって、このような場合には、当該装飾面が凸形状である部分に対応する遮断層について厚さを測定し、平均厚さを算出する。上述した図4A〜図4Cにおける両矢印2Aで示す長さが、装飾面が凸形状である部分に対応する遮断層の厚さに相当する。
遮断層と、隣接する他の層との間の密着性の評価は、剥離試験、曲げ試験、巻付け試験等により行われる。
剥離試験の試験方法の例は以下の通りである。まず、外装用化粧シート又はその中間体(以下、これらを「外装用化粧シート等」と称する場合がある。)において、遮断層の全部又は一部が表面に現れている場合には、遮断層に粘着テープを貼りつけて引きはがす。その後、粘着テープを貼りつけた部分の遮断層が割れたり浮いたり剥がれたりしていないかを、目視により確認する。外装用化粧シート等の表面に遮断層が現れていない場合には、以下の曲げ試験や巻付け試験を行ってもよい。
曲げ試験の試験方法の例は以下の通りである。まず、外装用化粧シート等を二つ折りにする。その後、外装用化粧シート等を元の状態に戻し、遮断層が割れたり浮いたり剥がれたりしていないかを、目視により確認する。
巻付け試験の試験方法の例は以下の通りである。まず、外装用化粧シート等を直径2mmの丸棒に巻きつけ、数回しごく。その後、外装用化粧シート等において、遮断層が割れたり浮いたり剥がれたりしていないかを、目視により確認する。
曲げ試験及び巻付け試験において、遮断層が外装用化粧シート等の内部にある場合には、外装用化粧シート等の断面から遮断層の割れ等を判断する。
以上の試験は、公知の試験方法に基づいて行ってもよい。例えば、剥離試験は、JISH 8504:1999 15.1(テープ試験方法)、又は対応するISO2819(剥離試験)に準拠して行ってもよい。曲げ試験は、JISH 8504:1999 18(曲げ試験方法)、又は対応するISO2819(折曲げ試験)に準拠して行ってもよい。巻付け試験は、JISH 8504:1999 19(巻付け試験方法)、又は対応するISO2819(巻付け試験)に準拠して行ってもよい。
4.透明樹脂層
本発明の外装用化粧シートは、上述したポリ塩化ビニル系樹脂基材、装飾部、及び遮断層を備える積層体の一面側に、さらに透明樹脂層を備えることが好ましい。
特に装飾層を備える場合には、装飾層が大気に露出すると、水(雨)、空気(特に酸素)、紫外線、熱により装飾層が劣化し、剥げ、落ちる場合がある。また、着色剤を含有するポリ塩化ビニル系樹脂基材が大気に露出する場合についても、同様の問題が生じるおそれがある。したがって、装飾層の劣化やポリ塩化ビニル系樹脂基材の色あせを防ぎ、積層体全体を保護するために、透明樹脂層により積層体表面を覆うことが好ましい。
透明樹脂層に使用される材料としては、上述した積層体の物理的損傷や化学的劣化を防止できるものであれば特に限定されず、例えば、アクリル系樹脂や、オレフィン系樹脂等が挙げられる。アクリル系樹脂としては、ポリアクリル酸エステル(ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸プロピル、ポリアクリル酸ブチル、等)、ポリメタクリル酸エステル(ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸プロピル、ポリメタクリル酸ブチル、等)、及びこれらの共重合体等が例示できる。また、オレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体等が例示できる。
透明樹脂層には、化粧シートの表面層として求められる機能を補強するために、所望により、各種添加剤、補強剤、充填剤、例えば、紫外線吸収剤、光安定剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤等が添加される。
紫外線吸収剤、光安定剤等の耐候剤は、樹脂により良好な耐候性(耐光性)を付与するためのものであり、その添加量は紫外線吸収剤、光安定剤とも通常0.1〜5質量%程度である。一般的には、紫外線吸収剤と光安定剤とを併用するのが好ましい。紫外線吸収剤としては、2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−4,6−ジフェニル−s−トリアジン等のトリアジン系、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸エステル系等の有機系の紫外線吸収剤の他、粒径0.2μm以下の微粒子状の酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化チタン等の無機系の紫外線吸収剤も用いることができる。光安定剤としては、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等のヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤を用いることができる。
これらの材料を混合したものをカレンダー製法等の常用の方法により製膜して透明樹脂フィルムが得られる。この透明樹脂フィルムが透明樹脂層の形成に用いられる。透明樹脂フィルムの厚みは50〜100μm程度、好ましくは80μm程度である。
透明樹脂層の形成方法は特に限定されない。例えば、ポリ塩化ビニル系樹脂基材及び遮断層を備える積層体の一面側に、接着剤等を用いて透明樹脂フィルムを貼る方法が挙げられる。また、透明樹脂フィルムの一面側に装飾層を塗布形成したものを、ポリ塩化ビニル系樹脂基材及び遮断層を備える積層体の一面側に貼る方法も挙げられる。
5.トップコート層
上記透明樹脂層の上から、さらにトップコート層を設けてもよい。トップコート層は、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂等により形成される層である。これらの樹脂を透明樹脂層の上から塗布した後、熱付与または電離放射線照射により樹脂を硬化させて、トップコート層を形成する。熱硬化性樹脂及び電離放射線硬化性樹脂の例は上述した通りである。
6.層構成
本発明の外装用化粧シートは、ポリ塩化ビニル系樹脂基材と、装飾部と、遮断層とを備えていれば、その層構成は特に限定されない。
以下、ポリ塩化ビニル系樹脂基材、装飾部及び遮断層を含む積層体の実施形態を、図5〜図8により説明する。なお、当該積層体の層構成は、図5〜図8に示す実施形態のみに限定されない。さらに、図5〜図8に示す実施形態は、ポリ塩化ビニル系樹脂基材が着色剤を含む場合及び含まない場合のいずれも包含する。
図5は、ポリ塩化ビニル系樹脂基材、装飾層、及び遮断層を備える積層体の断面模式図である。
遮断層2は、ポリ塩化ビニル系樹脂基材1と装飾層3との間に設けられていてもよい(図5(A))。これとは反対に、遮断層2は、ポリ塩化ビニル系樹脂基材1を挟んで装飾層3とは反対側に設けられていてもよい(図5(B))。
ポリ塩化ビニル系樹脂基材1の両面に遮断層2が設けられる場合、さらにその遮断層2のうちの1つの層の外側に装飾層3が設けられていてもよいし(図5(C))、その両方の遮断層2の外側に装飾層3が設けられていてもよい(図5(D))。また、ポリ塩化ビニル系樹脂基材1の一方の面に遮断層2が設けられ、さらにその積層体の両面に装飾層3が設けられていてもよい。
ポリ塩化ビニル系樹脂基材1の一方の面の側の一部に装飾層3が設けられている場合には、その面に遮断層2が設けられていてもよい(図5(E))。遮断層2は、装飾層3が設けられた面の側に対向するポリ塩化ビニル系樹脂基材1の面に設けられていてもよい。
ポリ塩化ビニル系樹脂基材1の一方の面の側の一部に装飾層3が設けられ、他方の面の全面に装飾層3が設けられている場合、これらの両面に遮断層2が設けられていてもよい(図5(F))。また、これらの2つの面のいずれか一方に遮断層2が設けられていてもよい。
ポリ塩化ビニル系樹脂基材1の両方の面の側のそれぞれ一部に装飾層3が設けられている場合、これらの両面に遮断層2が設けられていてもよい(図5(G))。また、これらの2つの面のいずれか一方に遮断層2が設けられていてもよい。
このように、遮断層は、ポリ塩化ビニル系樹脂基材と装飾層との間に設けられていてもよいし(図5(A)及び(C)〜(G))、ポリ塩化ビニル系樹脂基材を挟んで装飾層とは反対側に設けられていてもよい(図5(B))。遮断層は、装飾層と接して設けられていてもよい(図5(A)及び(C)〜(G))。遮断層は、ポリ塩化ビニル系樹脂基材の両面の側に設けられていてもよい(図5(C)、(D)、(F)及び(G))。
図5(A)及び(C)〜(G)においては、遮断層が装飾層よりも内側に配置されるため、装飾層の模様や色彩が外装用化粧シートの表に現れやすいという点で好ましい。
図6は、ポリ塩化ビニル系樹脂基材、装飾層、及び遮断層を備える他の積層体の断面模式図である。
遮断層2は、装飾層3を挟んでポリ塩化ビニル系樹脂基材1とは反対側に設けられていてもよい(図6(A))。
ポリ塩化ビニル系樹脂基材1の一方の面に装飾層3及び遮断層2がこの順に設けられる場合、他方の面に遮断層2が設けられていてもよいし(図6(B))、他方の面に遮断層2及び装飾層3がこの順に設けられていてもよいし(図6(C))、他方の面に装飾層3及び遮断層2がこの順に設けられていてもよい(図6(D))。
ポリ塩化ビニル系樹脂基材1の一方の面の一部に装飾層3が設けられる場合、当該面にさらに遮断層2が設けられていてもよい(図6(E))。ポリ塩化ビニル系樹脂基材1の一方の面の一部に装飾層3が設けられ、他方の面の全面に装飾層3が設けられる場合、これらの両面に遮断層2が設けられていてもよい(図6(F))。
ポリ塩化ビニル系樹脂基材1の両方の面のそれぞれ一部に装飾層3が設けられている場合、これらの両面に遮断層2が設けられていてもよい(図6(G))。また、これらの2つの面のいずれか一方に遮断層2が設けられていてもよい。
このように、遮断層は、ポリ塩化ビニル系樹脂基材と装飾層との間に設けられていてもよいし(図6(C))、装飾層を挟んでポリ塩化ビニル系樹脂基材とは反対側に設けられていてもよい(図6(A)、(B)及び(D)〜(G))。遮断層は、装飾層と接して設けられていてもよい(図6(A)〜(G))。遮断層は、ポリ塩化ビニル系樹脂基材の両面の側に設けられていてもよい(図6(B)〜(D)、(F)及び(G))。
図7は、装飾面を備えるポリ塩化ビニル系樹脂基材、及び遮断層を備える積層体の断面模式図である。図7及び図8において、ポリ塩化ビニル系樹脂基材1の凹凸部分は、当該基材1の表面に形成された装飾処理を意味する。この装飾処理された部分が装飾面となる。
遮断層2は、ポリ塩化ビニル系樹脂基材1における装飾面の側に設けられていてもよい(図7(A))。これとは反対に、遮断層2は、当該装飾面とは反対側の面に設けられていてもよい(図7(B))。
ポリ塩化ビニル系樹脂基材1の両面の全部が装飾面である場合には、そのうち一方の面に遮断層2が設けられていてもよいし(図7(C))、両面に遮断層2が設けられていてもよい(図7(D))。
ポリ塩化ビニル系樹脂基材1の一方の面の一部が装飾面である場合には、その面に遮断層2が設けられていてもよい(図7(E))。遮断層2は当該装飾面に対向する面に設けられていてもよい。
ポリ塩化ビニル系樹脂基材1の一方の面の一部と他方の面の全部が装飾面である場合、ポリ塩化ビニル系樹脂基材1の両面に遮断層2が設けられていてもよい(図7(F))。また、ポリ塩化ビニル系樹脂基材1のいずれか一方に遮断層2が設けられていてもよい。
ポリ塩化ビニル系樹脂基材1の両方の面のそれぞれ一部が装飾面である場合、ポリ塩化ビニル系樹脂基材1の両面に遮断層2が設けられていてもよい(図7(G))。また、ポリ塩化ビニル系樹脂基材1のいずれか一方に遮断層2が設けられていてもよい。
このように、遮断層は、ポリ塩化ビニル系樹脂基材を挟んで装飾面とは反対側に設けられていてもよい(図7(B))。遮断層は、装飾面と接して設けられていてもよい(図7(A)及び(C)〜(G))。遮断層は、ポリ塩化ビニル系樹脂基材の両面の側に設けられていてもよい(図7(D)、(F)及び(G))。
図8は、装飾面を備えるポリ塩化ビニル系樹脂基材、装飾層、及び遮断層を備える積層体の断面模式図である。
図8(A)には、ポリ塩化ビニル系樹脂基材1の一方の面が装飾面であり、他方の面上に装飾層3が設けられており、遮断層2がさらに両面に備えられている積層体を示す。
図8(B)には、ポリ塩化ビニル系樹脂基材1の一方の面の一部が装飾面であり、遮断層2が当該樹脂基材1の両面に設けられ、さらにその上から装飾層3が設けられている積層体を示す。なお、ポリ塩化ビニル系樹脂基材1の当該一方の面においては、装飾面以外の部分について装飾層3が設けられている。
図8(C)〜(E)に示す積層体においては、ポリ塩化ビニル系樹脂基材1の両面の全部又は一部が装飾面であり、さらにその両面の外側に遮断層2が設けられている。このうち図8(C)に示す積層体においては、ポリ塩化ビニル系樹脂基材1の一方の面の装飾面以外の部分について、装飾層3が設けられている。また、図8(D)に示す積層体においては、ポリ塩化ビニル系樹脂基材1の両方の面の装飾面以外の部分について、それぞれ装飾層3が設けられている。さらに、図8(E)に示す積層体においては、ポリ塩化ビニル系樹脂基材1の両方の面の装飾面以外の部分の、さらにその一部について装飾層3が設けられている。
図5〜図8に示した積層体に対し、少なくともその一面側に透明樹脂層、及び必要な場合にはさらにトップコート層をこの順に設け、本発明の外装用化粧シートが完成する。図5〜図8には、遮断層の面積がポリ塩化ビニル系樹脂基材の面積と等しい態様が描かれているが、遮断層の面積はポリ塩化ビニル系樹脂基材の面積より小さくてもよい。すなわち、遮断層は、ポリ塩化ビニル系樹脂基材の一部のみに設けられていてもよい。
図9は、本発明の外装用化粧シートの実施形態の断面模式図である。図9中の積層体10は、図5(C)の積層体10に相当する。この積層体10において、装飾層3が面する側に、透明樹脂層4、トップコート層5をこの順にさらに設け、外装用化粧シート100が得られる。
なお、本発明は、図9に示す構造に限定されるものではない。
外装用化粧シートの層構成は、当該化粧シートを設置する対象(被着体)に合わせて適宜選択できる。例えば、被着体が金属等の無機物である場合には、可塑剤が主に移行しやすいのは、大気に露出する表側(被着体の反対側の面)となるため、表側に遮断層を設ければよい。一方、被着体が有機物である場合には、可塑剤は被着体に対し移行しやすくなるため、遮断層はポリ塩化ビニル系樹脂基材と被着体との間に設けるのが好ましい。しかし、被着体が無機物であったとしても、外装用化粧シートと被着体とが接着剤により接合された場合には、可塑剤は接着剤に向かって移行し、外装用化粧シートの被着体に対する接着性に悪影響を及ぼすおそれがあるため、当該接合面の側にも遮断層は必要となる。
このように、外装用化粧シートに接する材料が、可塑剤の浸透しやすい材料であるか否かによって、遮断層の要否が決まる。したがって、ポリ塩化ビニル系樹脂基材の両面の側に遮断層を設けるのが、本来的には好ましい。ただし、遮断層を2面分設けるとなると、コストの問題や、外装用化粧シートの積層構造内部における密着性の問題が生じる場合がある。したがって、可塑剤が移行しやすい被着体に対しては遮断層を両面備える外装用化粧シートを用い、可塑剤が移行しにくい被着体に対しては遮断層を片面備える外装用化粧シートを用いる等、異なる層構成を備える外装用化粧シートを使い分けてもよい。
外装用化粧シートの平均厚さは特に限定されず、10μm〜1,000μm程度が一般的で、好ましくは50μm〜300μmである。
7.化粧シートの用途
本発明の化粧シートは、外装用であれば特に制限されず、各種被着体の表面化粧に用いる。被着体としては、外装用の各種素材の平板、曲面板等の板材、立体形状物品、シート(或いはフィルム)等の各種形状の物品が対象となる。例えば、板材や立体形状物品等として用いられる素材としては、木材単板、木材合板、パーティクルボード、MDF(中密度繊維板)等の木質繊維板等の木質板素材、或いは、ガラス、陶磁器等のセラミックス、石膏等の非セメント窯業系材料、ALC(軽量気泡コンクリート)板等の非陶磁器窯業系材料等の窯業系素材があり、板材や立体形状物品或いはシート等として用いられる素材としては、鉄、アルミニウム等の金属素材、或いは、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂、セルロース系樹脂、ゴム等の樹脂素材があり、専らシートとして用いられる素材としては、上質紙、和紙等の紙、炭素、石綿、ガラス、合成樹脂等の繊維からなる不織布または織布がある。
これらの各種被着体への化粧シートの積層方法としては、例えば接着剤を間に介して板状基材に加圧ローラーで加圧して積層する方法、化粧シートを射出成形の雌雄両金型間に配置した後、溶融樹脂を型内に射出充填し、樹脂成型品の成形と同時にその表面に化粧シートを接着積層する、所謂射出成形同時ラミネート方法、成形品等の立体形状物品の表面に化粧シートを、間に接着剤を介して対向又は載置し、立体形状物品側からの真空吸引による圧力差により化粧シートを立体形状物品の表面に積層する、所謂真空プレス積層方法、円柱、多角柱等の柱状基材の長軸方向に、化粧シートを間に接着剤層を介して供給しつつ、複数の向きの異なるローラーにより、柱状基材を構成する複数の側面に順次化粧シートを加圧接着して積層してゆく、所謂ラッピング加工方法が有る。
なお、化粧シートを積層して化粧板とした物に対する更なる加工法としては、まず化粧シートを板状基材に間に接着剤層を介して積層して化粧板とし、化粧シートとは反対側の面に、化粧シートと板状基材との界面に到達する、断面がV字状、又はU字状溝を切削し、次いで該溝内に接着剤層を塗布した上で該溝を折り曲げ箱体又は柱状体を成形する所謂、Vカット又はUカット加工法等がある。
なお、化粧シートの積層物は、被着体が板材の場合は化粧板として使用され、被着体がシートの場合は積層物自体も化粧シートとして使用されることもある。そして、化粧シートを積層し化粧された物品は、例えば、外壁、塀、屋根等の建築物の外装、窓枠、扉枠、扉、手摺等の建具類の表面化粧、自動車、電車、航空機、船舶等の乗物の内装、或いは化粧された窓ガラス等として用いられる。
1.積層体の製造
[実施例1]
可塑剤の移行(ブリードアウト)の程度を評価するため、ポリ塩化ビニル系樹脂基材の一方の表面に遮断層が積層した積層体を製造した。
まず、可塑剤を含む塩化ビニルコンパウンド ビニカ(商品名、三菱化学株式会社製)を用いて、カレンダー製法により成膜して、厚み120μmのポリ塩化ビニル系樹脂基材を作製した。
遮断層用インクを以下の方法により調製した。まず、扁平状無機粒子を含む水性スラリーとして、シリカ水分散体(サンラブリー LFS HN−050(商品名)、AGCエスアイテック社製、固形分15%)を用意した。このシリカ水分散体をエタノールで2倍に希釈したものを、遮断層用インクとした。
上記ポリ塩化ビニル系樹脂基材の一方の表面に、アプリケーターを用いて上記遮断層用インクを塗布して、大気中、常温で一晩乾燥させた。ポリ塩化ビニル系樹脂基材の一方の表面に、シリカ水分散体由来の鱗片状シリカ粒子を含む遮断層が形成された。
得られた積層体の断面を電子顕微鏡により観察し、遮断層の厚さを10か所程度測定し、その平均を算出したところ、遮断層の平均厚さは1.0μmであった。
[実施例2−実施例10]
遮断層用インクの塗布量を変えたこと以外は、実施例1と同様に、ポリ塩化ビニル系樹脂基材の一方の表面に遮断層が積層した積層体を製造した(実施例2−実施例10)。実施例2−実施例10における遮断層の平均厚さを、下記表1に示す。
[比較例1]
比較のため、遮断層が形成されていないポリ塩化ビニル系樹脂基材そのものを、以下の分析及び試験に供した。
2.FT−IR分析
実施例1−実施例10の積層体を、2枚のオレフィンシートで挟んで十分に密着させた。さらに、得られた積層体を2枚のガラス板で挟むことにより、6層構成(ガラス板/オレフィンシートA/遮断層/ポリ塩化ビニル系樹脂基材/オレフィンシートB/ガラス板)を有する評価用積層体を作製した。
また、比較例1のポリ塩化ビニル系樹脂基材についても、同様に2枚のオレフィンシート及び2枚のガラス板で挟み、5層構成(ガラス板/オレフィンシート/ポリ塩化ビニル系樹脂基材/オレフィンシート/ガラス板)を有する評価用積層体を作製した。
各評価用積層体を80℃の乾燥オーブンに静置した。2日後、評価用積層体を乾燥オーブンから取り出し、室温まで冷ました。評価用積層体の両面からガラス板2枚とオレフィンシート2枚をそれぞれ剥がした。
(a)評価用積層体に使用しなかったオレフィンシートの表面、(b)オレフィンシートAにおける遮断層との接触面、(c)オレフィンシートBにおけるポリ塩化ビニル系樹脂基材との接触面について、FT−IR分析を行った。実施例7の結果を図10に示す。
評価用積層体に使用しなかったポリ塩化ビニル系樹脂基材の両面についても、FT−IR分析を行った。その結果を図11に示す。
各評価用積層体における可塑剤の移行量を以下の方法により決定した。まず、オレフィンシートのFT−IRスペクトル中、1730cm−1とは異なる波長において基準ピークを1つ決めた。次に、比較例1の評価用積層体に用いたオレフィンシートのFT−IRスペクトルにおいて、可塑剤に由来する赤外吸収ピーク(1730cm−1付近)のピーク面積A、上記基準ピークのピーク面積Bをそれぞれ算出した。
一方、実施例1−実施例10の評価用積層体に用いたオレフィンシートAのFT−IRスペクトルにおいて、可塑剤に由来する赤外吸収ピーク(1730cm−1付近)のピーク面積A(x=1〜10)、上記基準ピークのピーク面積B(x=1〜10)をそれぞれ算出した。ここで、xの数字は実施例番号に対応する。
下記式1により、可塑剤移行量P(%)を算出した。なお、比較例1の評価用積層体に関する可塑剤移行量は100%とした。
式1:P=[(A/B)/(A/B)]×100
(上記式1中、Pは可塑剤移行量(%)を、A、B、A、Bはそれぞれ上記各ピーク面積を、それぞれ示す。)
3.密着性評価
実施例1−実施例10の積層体について、遮断層のポリ塩化ビニル系樹脂基材に対する密着性を以下の試験により評価した。
遮断層が外側に位置するように、各積層体を直径2mmの丸棒に巻きつけ、数回しごいた後、遮断層が割れたり浮いたり剥がれたりしていないかを、目視により確認した(巻付け試験)。引き続き、遮断層が外側に位置するように二つ折りにした後、同様に遮断層が損傷していないか目視により確認した(曲げ試験)。
以下の基準に基づき密着性評価を行った。
A:巻付け試験及び曲げ試験のいずれによっても遮断層の割れ、浮き、剥離は見られなかった。
B:巻付け試験又は曲げ試験のいずれかにより、遮断層の一部に割れ、浮き、又は剥離の症状が見られた。
C:巻付け試験及び曲げ試験のいずれによっても遮断層の大部分がぼろぼろと崩れ落ちた。
F:巻付け試験及び曲げ試験のいずれによっても遮断層全体が完全に割れて砕けた。
4.考察
図11は、ポリ塩化ビニル系樹脂基材の一方の面及び他方の面の各FT−IRスペクトルを並べて示したグラフである。図11に矢印で示したピーク(1730cm−1付近)は、可塑剤に由来する赤外吸収を示す。図11より、1730cm−1付近のピークの強度は、他のピークの強度と比較して、いずれの面も変わらない。したがって、ポリ塩化ビニル系樹脂基材から染み出る可塑剤の量は、当該基材のいずれの面でもほぼ変わらないといえる。
図10は、(a)評価用積層体に使用しなかったオレフィンシートの表面、(b)オレフィンシートAにおける遮断層との接触面、(c)オレフィンシートBにおけるポリ塩化ビニル系樹脂基材との接触面の各FT−IRスペクトルを並べて示したグラフである。図10は、実施例7の結果である。上記(a)〜(c)は、図10中のスペクトル(a)〜(c)に対応する。図10には、可塑剤に由来する赤外吸収ピークが現れる1730cm−1近傍を、破線の枠で囲って示す。
まず、図10のスペクトル(a)より、未使用のオレフィンシートから可塑剤の染み出しはないことが確認された。次に、図10のスペクトル(b)における1730cm−1近傍のピーク強度は、図10のスペクトル(c)における1730cm−1近傍のピーク強度よりも明らかに弱い。これは、他のピーク(例えば、2920cm−1近傍のピーク)の強度に対する、1730cm−1近傍のピーク強度比を、スペクトル(b)と(c)とで比較しても明らかである。この結果より、オレフィンシートAに染み出した可塑剤の量は、オレフィンシートBに染み出した可塑剤の量よりも少ないことが分かる。
以上より、遮断層によって、ポリ塩化ビニル系樹脂基材から外部への可塑剤のブリードアウト量を抑制できることが実証された。
上記表1より、実施例1と比較例1の各可塑剤移行量Pを比較すると、平均厚さ1.0μmの遮断層を設けることによって、可塑剤を7%も遮断できることが分かる。また、実施例1〜実施例10の遮断層の平均厚さと各可塑剤移行量Pとを比較すると、遮断層の平均厚さが増えるにつれて、可塑剤移行量Pが減ることが分かる。したがって、ポリ塩化ビニル系樹脂基材の表面の遮断層の厚さが増すほど、可塑剤がより移行しにくくなる効果が実証された。
相関性は必ずしも明確ではないものの、上記表1の結果より、例えば、遮断層のない従来の化粧シートと比較して、耐久性を2倍に向上するために可塑剤の移行量を2分の1にする必要があるとする場合、遮断層の平均厚さを10μm以上とする必要があると推測される。
一方、上記表1より、遮断層の平均厚さが十分薄い場合(実施例1−実施例7)には、遮断層の割れ等が見られなかったことから、ポリ塩化ビニル系樹脂基材表面に対し、遮断層が優れた密着性を示すといえる。また、遮断層の平均厚さが比較的厚い場合(実施例8−実施例10)であっても、遮断層の一部に割れ等が見られたにすぎないことから、外装用化粧シートとして要求される密着性の水準は満たすものと考えられる。
1 ポリ塩化ビニル系樹脂基材
1a ポリ塩化ビニル系樹脂基材における遮断層を備える側の面
1b 装飾処理されたポリ塩化ビニル系樹脂基材の凹部の底
2 遮断層
2A 遮断層の厚さ
3 装飾層
4 透明樹脂層
5 トップコート層
10 少なくともポリ塩化ビニル系樹脂基材及び遮断層を備える積層体
12 扁平状無機粒子
12a 扁平状無機粒子の底面
100 外装用化粧シート
α,β 扁平状無機粒子の底面と、ポリ塩化ビニル系樹脂基材の一方の面とのなす角

Claims (11)

  1. 可塑剤を含有するポリ塩化ビニル系樹脂基材、並びに
    前記ポリ塩化ビニル系樹脂基材の少なくともいずれか一方の面の側に配置される装飾層、及び当該ポリ塩化ビニル系樹脂基材の表面の全部又は一部が直接装飾処理されてなる装飾面からなる群より選ばれる少なくとも1つの装飾部を備える外装用化粧シートであって、
    前記ポリ塩化ビニル系樹脂基材の少なくともいずれか一方の面の側に、さらに遮断層を備え、
    前記遮断層は、必須成分として扁平状無機粒子を含み、さらにバインダー樹脂を含んでいてもよい皮膜であり、当該遮断層中で、当該扁平状無機粒子の底面は、前記ポリ塩化ビニル系樹脂基材における前記遮断層を備える側の面に対して平行又は略平行の向きに整列し、かつ隣接し合う扁平状無機粒子が直接又はバインダー樹脂を介して互いに結合していることを特徴とする外装用化粧シート。
  2. 前記扁平状無機粒子は鱗片状無機粒子であり、
    前記遮断層の少なくとも一部は、前記鱗片状無機粒子が自己組織化してなる膜である、請求項1に記載の外装用化粧シート。
  3. 前記鱗片状無機粒子は鱗片状シリカ粒子であり、
    前記自己組織化してなる膜は、隣接し合う鱗片状シリカ粒子がSi−O結合により互いに結合してなる膜である、請求項2に記載の外装用化粧シート。
  4. 前記扁平状無機粒子は、板状アルミナ粒子及び箔状マイカ粒子からなる群より選ばれる少なくとも1つであり、かつ
    前記遮断層の少なくとも一部は、隣接し合う前記扁平状無機粒子がバインダーを介して互いに結合してなる膜である、請求項1に記載の外装用化粧シート。
  5. 前記バインダー樹脂は硬化性樹脂の硬化物である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の外装用化粧シート。
  6. 前記遮断層の平均厚さは、0.1〜200μmの範囲内である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の外装用化粧シート。
  7. 前記装飾部と接して前記遮断層を備える、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の外装用化粧シート。
  8. 前記ポリ塩化ビニル系樹脂基材を挟んで、前記装飾部とは反対側に前記遮断層を備える、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の外装用化粧シート。
  9. 前記装飾部として少なくとも前記装飾層を備え、
    前記ポリ塩化ビニル系樹脂基材と前記装飾層との間に前記遮断層を備える、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の外装用化粧シート。
  10. 前記ポリ塩化ビニル系樹脂基材の両面の側に遮断層を備える、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の外装用化粧シート。
  11. 前記ポリ塩化ビニル系樹脂基材、前記装飾部及び前記遮断層を備える積層体の一面側に、さらに透明樹脂層を備える、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の外装用化粧シート。
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