JPH0959326A - 可塑化塩化ビニル系樹脂用被覆組成物及び該組成物で被覆された可塑化塩化ビニル系樹脂成型品 - Google Patents

可塑化塩化ビニル系樹脂用被覆組成物及び該組成物で被覆された可塑化塩化ビニル系樹脂成型品

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JPH0959326A
JPH0959326A JP23903995A JP23903995A JPH0959326A JP H0959326 A JPH0959326 A JP H0959326A JP 23903995 A JP23903995 A JP 23903995A JP 23903995 A JP23903995 A JP 23903995A JP H0959326 A JPH0959326 A JP H0959326A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可塑化塩化ビニル系樹脂中の可塑剤のブリー
ドアウトを防止し、該樹脂成型品表面の汚染を防止する
被覆組成物及び該組成物で被覆された可塑化塩化ビニル
系樹脂成型品を提供すること 【解決手段】 被膜形成成分としてポリビニルアルコー
ルに脂肪族ポリエステルがグラフトとしたポリビニルア
ルコール系共重合体を含有することを特徴とする可塑化
塩化ビニル系樹脂用被覆組成物及び該組成物で被覆され
た可塑化塩化ビニル系樹脂成型品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可塑化塩化ビニル
系樹脂用被覆組成物及び該組成物で表面が被覆された可
塑化塩化ビニル系樹脂成型品に関する。さらに詳しく
は、成型品中の可塑剤のブリードアウト(表面移行)を
防止し、成型品表面の汚染を防止し、かつ耐候性、柔軟
性、耐水性、耐溶剤性及び接着性等に優れた可塑化塩化
ビニル樹脂成型品被覆用組成物及び該組成物で被覆され
た可塑化塩化ビニル系樹脂成型品に関する。
【0002】従来から、塩化ビニル系樹脂は、安価で化
学的安定性に優れ、可塑剤の量を変えることによって硬
質から軟質までの広範囲に使用できる樹脂として、壁紙
・床材・天井材等の内装材、農業用シート・テント・帆
布等のシート、デスクマット、ホース・チューブ等の成
型品として多くの用途に広く使用されている。しかしな
がら、可塑化塩化ビニル系樹脂は多量の可塑剤を含んで
おり、経時的に可塑剤がその表面にブリードアウトし、
汚れの付着やブロッキングを起こす等の欠点がある。
【0003】可塑化塩化ビニル系樹脂中の可塑剤のブリ
ードアウトを防止する方法は、従来から種々検討されて
いる。例えば、特公昭47−28740号公報には、可
塑化塩化ビニル系樹脂成型品表面に樹脂被膜層を設け、
その表面への可塑剤の移行を抑制する方法が提案されて
いる。このような被膜層形成樹脂としては、アクリル酸
エステルやメタクリル酸エステルの単独重合体及び共重
合体等が知られているが、これらの重合体被膜では可塑
剤の移行を充分に防止することはできず、上述の耐汚染
性、耐ブロッキング性及び耐屈曲性等の諸性質も満足し
得るものではない。
【0004】又、特開平2−299838号公報には、
可塑化塩化ビニル系樹脂シートの表面に形成する塗膜材
料として、架橋部位を有する含フッ素系共重合体やアク
リル系共重合体を主体とし、可塑化塩化ビニル系樹脂と
の密着性に優れたシートが開示されている。しかしなが
ら、このシートでは可塑剤のブリードアウトの防止は充
分ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、可塑化塩化ビニル系樹脂成型品中の可塑剤のブリー
ドアウトを防止し、該樹脂成型品表面の汚染を防止する
被覆組成物及び該組成物で被覆された可塑化塩化ビニル
系樹脂成型品を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は以下の本発
明によって達せられる。即ち、本発明は、被膜形成成分
としてポリビニルアルコールに脂肪族ポリエステルがグ
ラフトしたポリビニルアルコール系共重合体を含有する
ことを特徴とする可塑化塩化ビニル系樹脂用被覆組成物
及び該組成物で表面が被覆された可塑化塩化ビニル系樹
脂成型品である。
【0007】本発明者等は、可塑剤のブルードアウト防
止に、耐溶剤性、被膜強度及び耐摩耗性や、ガスバリヤ
ー性に優れたポリビニルアルコールに着目した。ポリビ
ニルアルコールは、可塑剤のブリードアウトを防止する
という点では好ましい材料であるが、柔軟性に乏しいた
めに屈曲時に割れや白化現象を起こしたり、その水溶性
のために高湿度下では耐ブロッキング性及び耐汚染性等
に劣り満足できるものではなかった。
【0008】ところで、塩化ビニル系樹脂を可塑化する
ために、従来からエステル系の可塑剤やポリエステル系
樹脂が使用されており、これらのエステル結合が塩化ビ
ニル系樹脂の可塑化及び塩化ビニル系樹脂との相溶性に
寄与していることは明らかである。そこで、本発明者等
は、前記の可塑剤に基づく問題を解決すべく鋭意検討し
た結果、ポリビニルアルコールにポリエステルをグラフ
トしたものは、可塑化塩化ビニル系樹脂中の可塑剤のブ
リードアウトを防止するとともに、柔軟性、耐水性、耐
溶剤及び耐候性に優れ、可塑化塩化ビニル系樹脂との接
着性にも優れていることを見出し本発明を完成するに至
った。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に発明の実施の形態を挙げて
本発明を更に詳細に説明する。本発明で被膜形成成分と
して使用する、ポリビニルアルコールに脂肪族ポリエス
テルがグラフトしたポリビニルアルコール系共重合体
は、ポリビニルアルコールの存在下にラクトンを開環重
合することによって得ることができる。ポリビニルアル
コールとしては、酢酸ビニル単位の鹸化度が60モル%
以上のものが好ましい。又、ポリビニルアルコールの好
ましい重合度は20〜20,000であり、更に好まし
くは200〜3,000である。
【0010】ラクトンとしては、開環重合により脂肪族
ポリエステルを形成するラクトンであれば特に制限され
ないが、特に好ましいのはε−カプロラクトン類及びδ
−バレロラクトン類である。ε−カプロラクトン類とし
ては、例えば、ε−カプロラクトン、モノメチル−ε−
カプロラクトン、モノエチル−ε−カプロラクトン、モ
ノデシル−ε−カプロラクトン、モノプロピル−ε−カ
プロラクトン、モノデシル−ε−カプロラクトン等のモ
ノアルキル−ε−カプロラクトン;2個のアルキル基が
ε位置以外の炭素原子にそれぞれ置換しているジアルキ
ル−ε−カプロラクトン;3個のアルキル基がε位置以
外の炭素原子にそれぞれ置換しているトリアルキル−ε
−カプロラクトン;エトキシ−ε−カプロラクトン等の
アルコキシ−ε−カプロラクトン;シクロヘキシル−ε
−カプロラクトン等のシクロアルキル−ラクトン;ベン
ジル−ε−カプロラクトン等のアラルキル−ε−カプロ
ラクトン;フェニル−ε−カプロラクトン等のアリール
−ε−カプロラクトン等が挙げられる。
【0011】δ−バレロラクトン類としては、例えば、
5−バレロラクトン、3−メチル−5−バレロラクト
ン、3,3−ジメチル−5−バレロラクトン、2−メチ
ル−5−バレロラクトン、3−エチル−5−バレロラク
トン等が挙げられる。これらのラクトンは、1種又は2
種以上で使用される。
【0012】ポリビニルアルコールへの脂肪族ポリエス
テルのグラフト反応は、ポリビニルアルコールの乳化分
散液中や適当な溶剤の溶液中で上記のラクトンを開環重
合させることによっても得られるが、加熱によるポリビ
ニルアルコールの熱分解を伴うので、粉末状のポリビニ
ルアルコールと液状のラクトンとの混合物をテトラブチ
ルチタネート等の公知の開環重合触媒を用いて窒素気流
下に反応させる方法が好ましい。反応は、通常の反応容
器中で攪拌下に、或いは一軸及び二軸押出機、バンバリ
ーミキサー、ニーダー、ブラベンダー等の混合機中で溶
融下に行うことができる。反応は80〜220℃で数時
間行う。通常の反応容器中での反応では、反応初期では
白色粉末のポリビニルアルコールと液状ラクトンとは不
均一な混合状態であるが、反応の進行とともに両者は均
一な混合状態となり、均一な反応生成物が得られる。こ
の方法では、高温度での反応であるにもかかわらず、ポ
リビニルアルコールの熱分解は見られない。
【0013】ポリビニルアルコールにグラフトさせる脂
肪族ポリエステルの量や分子量を種々変えることによっ
て、ポリビニルアルコールと脂肪族ポリエステルのそれ
ぞれの特性を併せ持つ種々のグラフト共重合体が得られ
る。ポリビニルアルコールに脂肪族ポリエステルがグラ
フトしたポリビニルアルコール系共重合体における好ま
しい両重合体の割合は、ポリビニルアルコールが50〜
90重量%、脂肪族ポリエステルが50〜10重量%で
ある。この共重合体においては、ポリビニルアルコール
の有する耐溶剤性、高強度、耐摩耗性及びガスバリヤー
性(可塑剤のブリードアウト防止性能)と、脂肪族ポリ
エステルの有する柔軟性、耐屈曲性、耐水性及び密着性
等の性能が発揮される。
【0014】しかしながら、ポリビニルアルコールの割
合が90重量%を超え、脂肪族ポリエステルの割合が1
0重量%未満のポリビニルアルコール系共重合体では、
可塑剤のブリードアウト防止性能は優れているが、可塑
化塩化ビニル系樹脂成型品への密着性、柔軟性、耐屈曲
性や耐水性が不充分となる。又、ポリビニルアルコール
の割合が50重量%未満で、脂肪族ポリエステルの割合
が50重量%を超えるポリビニルアルコール系共重合体
では、可塑化塩化ビニル系樹脂成型品への密着性、柔軟
性、耐屈曲性や耐水性は優れているが、可塑剤のブリー
ドアウト防止性能、耐溶剤性や被膜強度等は不充分とな
る。より好ましい割合は、ポリビニルアルコールが60
〜80重量%、脂肪族ポリエステルが40〜20重量%
である。
【0015】本発明の可塑化塩化ビニル系樹脂用の被覆
組成物は、上記のポリビニルアルコール系共重合体を被
膜形成成分として含有するものであり、該共重合体はそ
のままの状態(架橋しない状態)でも柔軟性、耐水性、
耐溶剤性、可塑剤のブリードアウト防止性能や強度特性
等に優れた被膜を形成し得るが、被膜形成時に該共重合
体中に残存する水酸基を利用して種々の架橋剤によって
架橋させることにより、上記の特性が更に改善された被
膜を形成することができる。架橋剤としては、水酸基と
反応するものはいずれも使用することができるが、フェ
ノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂やポリイソシ
アネート等が好ましい。
【0016】本発明の可塑化塩化ビニル系樹脂用の被覆
組成物には、必須成分であるポリビニルアルコール系共
重合体に加えて、必要に応じて各種添加剤を配合するこ
とができる。添加剤としては、例えば、着色顔料、体質
顔料、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、コロイダルシリ
カ、分散剤、防カビ剤や艶消し剤等が挙げられる本発明
の被覆組成物の形態は、特に限定されないが、例えば、
溶液又は固体であってもよい。
【0017】被覆組成物が溶液の場合には、被覆組成物
はポリビニルアルコール系共重合体を溶解する溶剤の溶
液として使用される。溶剤としては、エチレングリコー
ル、グリセリン、ジエチレングリコール等のグリコール
類、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメ
チルホルムアミド(DMF)やイソプロパノール等の低
級アルコールと水の混合液等を用いることができる。実
用上低級アルコールと水の混合液が好ましい。溶液の濃
度は特に限定されず、例えば10〜50重量%程度であ
る。
【0018】本発明の被覆組成物を用いて可塑化塩化ビ
ニル系樹脂成型品の表面に被膜を形成する方法として
は、被覆組成物が溶液の場合には、グラビアコーター、
ナイフコーター、リバースコーター、バーコーター、浸
漬、刷け塗り、エアースプレー、エアレススプレー等に
よって塗布する方法が挙げられる。
【0019】又、被覆組成物が固体の場合には、本発明
の被覆組成物を直接溶融成形してフィルム或いはシート
化し、これを可塑化塩化ビニル系樹脂成型品へラミネー
トする方法がある。ラミネートに際しては、直接熱ラミ
ネートによっても、或いは各種接着剤を介してラミネー
ト化させてもよい。本発明の被覆組成物で被覆された可
塑化塩化ビニル系樹脂成型品としては、例えば、壁紙、
床材、天井材、レザー、フィルム、ホース、チューブ等
が挙げられる。
【0020】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を具体
的に説明する。尚、文中の部及び%は特に断りのない限
り重量基準である。 製造例1〜3 鹸化度98.5モル%のポリビニルアルコール(重合度
550)の粉末とε−カプロラクトンとを、下記表1記
載の量比でテトラブチルチタネート触媒とともに撹拌機
付き反応容器に仕込み充分に混合し、窒素気流下に攪拌
しながら1℃/2〜3min.のレートで昇温した。1
50〜160℃に達するとこれまでの不均一系が徐々に
均一系になり、180〜200℃では完全均一系となっ
た。200〜220℃で6時間反応させ、脂肪族ポリエ
ステルがグラフトしたポリビニルアルコール系共重合体
を得た。
【0021】得られた各共重合体を下記の試験法で評価
した。結果を表1に示す。 (1)数平均分子量 DMFの5%溶液としてGPCで測定。数平均分子量は
標準ポリスチレン換算の数平均分子量である。 (2)硬度 各共重合体を160℃でプレス成型して得られてシート
を用い、JIS K−6301に従いA型硬度計で測定
した。 (3)強度特性 上記のプレス成型シートから3号ダンベル試験片を作成
し、JIS K−7311に従って測定した。 (4)ビカット軟化点 JIS K−7206に従って測定した。
【0022】
【表1】
【0023】実施例1 製造例1〜3で得られた各共重合体をイソプロピルアル
コール/水(3/7)の混合溶剤に溶解し、固形分20
%の本発明の被覆組成物を得た。軟質塩化ビニル樹脂シ
ート(3mm厚)の両面に、上記の溶液をバーコーター
により乾燥厚が10〜20μmとなるように塗布し、8
0℃で30秒間乾燥させ、以下に示す試験法によって試
験した。結果を表2に示す。
【0024】(1)可塑剤のブリードアウト量 上記の両面被覆軟質塩化ビニル樹脂シートを50mm×
50mmに裁断し、これを予め秤量したポリエチレンシ
ートで挟み、更にガラス板で挟む。5Kgの荷重を掛
け、70℃の恒温槽に24時間放置する。その後恒温槽
から取り出し、ポリエチレンシートの重量を秤り、重量
の増加分を求め、この増加分をブリードした可塑剤の量
とする。
【0025】(2)耐汚染性 上記の両面被覆軟質塩化ビニル樹脂シートを50mm×
50mmに裁断し、予め感光させたコピー用紙に密着さ
せ、これをガラス板で挟む。3Kgの荷重を掛けて、5
0℃の恒温槽に24時間及び72時間放置する。放置
後、該シートをコピー用紙から剥離し、該シートの汚染
度を目視で観察する。○は汚染がない場合を、△は一部
汚染がある場合を、×は全体が汚染した場合を示す。
【0026】(3)密着性 塗膜にナイフで1mm角の升目を100個刻み、セロハ
ンテープで剥離試験を行う。 (4)柔軟性 上記の両面被覆軟質塩化ビニル樹脂シートを室温で20
回折り曲げ、塗膜の状態を目視で観察する。○は変化が
ない場合を、△は白化した場合を、×は割れた場合を示
す。
【0027】(5)耐水性 上記の両面被覆軟質塩化ビニル樹脂シートを水中に1日
間浸漬する。取り出し直後及び室温で乾燥した後の塗膜
の状態を目視で観察する。 ○:取り出し直後はわずかに白濁しているが、ふくれ等
は認められず、乾燥後は浸漬前と変わらない場合、 △:取り出し直後に白濁或いはふくれが認められるが、
乾燥後は浸漬前と変わらない場合、 ×:取り出し直後に白濁及びふくれが著しく、乾燥後も
浸漬前の状態には戻らない場合、をそれぞれ示す。
【0028】(6)耐溶剤性 上記の両面被覆軟質塩化ビニル樹脂シートを、トルエン
及びホワイトガソリンをそれぞれ含ませた布で500g
の荷重をかけて20回擦り、塗膜の状態を目視で観察す
る。○は変化がない場合を、△は一部に擦れた痕跡があ
る場合を、×は擦れの痕跡とともに塗膜の脱落がある場
合を示す。
【0029】実施例4〜6 ここでは、ポリビニルアルコール系共重合体の架橋被膜
で軟質塩化ビニル樹脂シートを被覆した場合の試験結果
を示す。実施例1〜3で用いた被覆組成物に自己乳化型
のポリイソシアネート(日本ポリウレタン社製)を添加
する以外は実施例1〜3と同様にして、軟質塩化ビニル
樹脂シートに被膜を形成させて、実施例1〜3と同様に
試験を行った。結果を表2に示す。
【0030】比較例1 軟質塩化ビニル樹脂シートに被覆組成物の被膜を形成さ
せない場合。その試験結果を表2に示す。
【0031】比較例2 軟質塩化ビニル樹脂シートに鹸化度が98.5モル%の
ポリビニルアルコールの被膜を形成させた場合。その試
験結果を表2に示す。
【0032】比較例3 軟質塩化ビニル樹脂シートに、アクリル樹脂(三菱レー
ヨン社製 アクリルポリオールLR−620)に硬化
(架橋)剤(日本ポリウレタン社製 コロネートHX)
を配合した被覆組成物の溶液を塗布し、実施例1〜3と
同様にして被膜を形成させた。その試験結果を表2に示
す。
【0033】比較例4 軟質塩化ビニル樹脂シートに、塩化ビニル樹脂被覆用フ
ッ素樹脂(旭ガラス社製フロロトップ)に硬化剤(日本
ポリウレタン社製 コロネートHX)を配合した被覆組
成物を塗布して実施例1〜3と同様にして被膜を形成さ
せた。その試験結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】実施例7〜9 製造例で得た各共重合体を60℃で24時間真空乾燥し
た。乾燥した各共重合体と酸価防止剤とをブラベンダー
を用いて加熱下に混合して本発明の被覆組成物を調製し
た。各被覆組成物をフィルム成型機を用いて210℃で
成型して厚みが20μmのフィルムを得た。軟質塩化ビ
ニルシートとこれらのフィルムとを熱ラミネート法によ
り積層した。これらの積層体について実施例1〜3と同
様にして試験を行ったが、実施例1〜3と同様な結果が
得られた。
【0035】
【発明の効果】以上の本発明によれば、可塑化塩化ビニ
ル系樹脂に含まれる可塑剤のブリードアウトを防止し、
該樹脂成型品の表面汚染が防止される被覆組成物及び被
覆組成物で被覆された該樹脂成型品が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 151/06 PGX C09D 151/06 PGX

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被膜形成成分としてポリビニルアルコー
    ルに脂肪族ポリエステルがグラフトしたポリビニルアル
    コール系共重合体を含有することを特徴とする可塑化塩
    化ビニル系樹脂用被覆組成物。
  2. 【請求項2】 ポリビニルアルコール系共重合体が、ポ
    リビニルアルコール90〜50重量%と脂肪族ポリエス
    テル10〜50重量%とからなる請求項1に記載の可塑
    化塩化ビニル系樹脂用被覆組成物。
  3. 【請求項3】 ポリビニルアルコールの鹸化度が、60
    モル%以上である請求項1に記載の可塑化塩化ビニル系
    樹脂用被覆組成物。
  4. 【請求項4】 脂肪族ポリエステルが、ε−カプロラク
    トン類及び/又はδ−バレロラクトン類の開環重合体で
    ある請求項1に記載の可塑化塩化ビニル系樹脂用被覆組
    成物。
  5. 【請求項5】 ポリビニルアルコール系共重合体が、ポ
    リビニルアルコール粉末とラクトンとの混合物中でラク
    トンを開環重合してなる請求項1〜4のいずれかに記載
    の可塑化塩化ビニル系樹脂用被覆組成物。
  6. 【請求項6】 表面が、請求項1に記載の可塑化塩化ビ
    ニル系樹脂用被覆組成物の被膜で被覆されていることを
    特徴とする可塑化塩化ビニル系樹脂成型品。
  7. 【請求項7】 被膜が架橋されている請求項6に記載の
    可塑化塩化ビニル系樹脂成型品。
JP07239039A 1995-08-25 1995-08-25 可塑化塩化ビニル系樹脂用被覆組成物及び該組成物で被覆された可塑化塩化ビニル系樹脂成型品 Expired - Lifetime JP3073916B2 (ja)

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