JP2018167147A - 吸着ユニット及び空気清浄機 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸着物質を除去する効率を高めることができる。【解決手段】吸着ユニットは、板状に形成されるフィルタと、フィルタの一部に対向して配置される放熱板と、放熱板を加熱することにより放熱板を介してフィルタの一部を加熱するヒータと、放熱板に対してフィルタを移動させる駆動部と、ヒータ及び放熱板が配置される加熱空間部を有するケースと、を備える。ケースの外部には、加熱空間部に対するフィルタの移動方向の下流側に隣接して、フィルタの吸着物質を分解させる分解空間部が設けられている。【選択図】図10

Description

本発明は、吸着ユニット及び空気清浄機に関する。
従来、室内の空気を脱臭フィルタに通過させることにより、空気に含まれる臭気成分を脱臭フィルタに吸着させ、脱臭フィルタを加熱することにより、脱臭フィルタの脱臭能力を再生させる空気清浄機が知られている。このような空気清浄機のなかには、板状の脱臭フィルタが回転可能に設けられるとともに、脱臭フィルタの一部を、放熱板によって加熱する加熱空間部を備える空気清浄機が知られている。
特開2016−49402号公報
上述の空気清浄機では、加熱空間部に対する脱臭フィルタの回転を停止させた後、加熱空間部内に位置する脱臭フィルタの一部を所定温度まで加熱することで、脱臭フィルタの脱臭触媒に、臭気成分を分解する作用を生じさせる。脱臭フィルタは、加熱された脱臭触媒の分解作用により、脱臭フィルタに吸着された臭気成分を分解することによって、脱臭フィルタの一部の吸着性能を再生させている。このような空気清浄機では、加熱空間部内で脱臭フィルタの一部を加熱した後、脱臭フィルタを回転させることにより、加熱された一部に続く、次の脱臭フィルタの一部を加熱空間部内に停止させて、脱臭フィルタの吸着性能の再生を繰り返している。
このとき、加熱空間部内から退出した脱臭フィルタの一部は、加熱空間部の外側で脱臭フィルタを通過する空気に晒されることにより、加熱された一部の温度が急激に低下し、脱臭触媒の分解作用が失われてしまう。このため、加熱空間部の外側の通風空間部では、脱臭フィルタによる臭気成分の分解作用が得られなかった。
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、吸着物質を除去する効率を高めることができる吸着ユニットおよび空気清浄機を提供することを目的とする。
本願の開示する吸着ユニットの一態様は、板状に形成されるフィルタと、前記フィルタの一部に対向して配置される放熱板と、前記放熱板を加熱することにより前記放熱板を介して前記フィルタの一部を加熱するヒータと、前記放熱板に対して前記フィルタを移動させる駆動部と、前記ヒータ及び前記放熱板が配置される加熱空間部を有するケースと、を備え、前記ケースの外部には、前記加熱空間部に対する前記フィルタの移動方向の下流側に隣接して、前記フィルタの吸着物質を分解させる分解空間部が設けられている。
本願の開示する吸着ユニットの一態様によれば、吸着物質を除去する効率を高めることができる。
図1は、実施例の空気清浄機の外観を示す斜視図である。 図2は、実施例の空気清浄機を示す平面図である。 図3は、実施例の空気清浄機を示す図1におけるA−A断面図である。 図4は、実施例の空気清浄機を示す図1におけるB−B断面図である。 図5は、実施例の脱臭ユニットを示す斜視図である。 図6は、実施例の脱臭ユニットを示す分解斜視図である。 図7は、実施例の脱臭ユニットの脱臭フィルタ部を示す斜視図である。 図8は、実施例の脱臭ユニットのフィルタ再生部を示す図6におけるC−C断面図である。 図9は、実施例の脱臭ユニットのフィルタ再生部を示す分解斜視図である。 図10は、実施例の脱臭ユニットにおける脱臭フィルタの臭気成分の分解作用を説明するための模式図である。 図11は、実施例の脱臭ユニットにおいて空気中の臭気成分を分解する効率を説明するためのグラフである。 図12は、実施例の脱臭ユニットにおける分解空間部の変形例を示す模式図である。
以下に、本願の開示する吸着ユニット及び空気清浄機の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例によって、本願の開示する吸着ユニット及び空気清浄機が限定されるものではない。
[空気清浄機の構成]
図1は、実施例の空気清浄機の外観を示す斜視図である。一実施例である空気清浄機1は、図1に示すように、本体筐体11と、前面パネル12と、フロントパネル13と、リアパネル14と、を備えている。本体筐体11は、合成樹脂材で形成され、略直方体状に形成されている。本体筐体11は、天面パネル11a、右側面パネル11b、左側面パネル11c及び底部11dを備えている。底部11dは、本体筐体11の下部を形成しており、空気清浄機1が設置される設置面に載置される。右側面パネル11bと左側面パネル11cは、対向するように配置されることにより本体筐体11の側面を形成し、それぞれの下端が底部11dに接合されている。天面パネル11aは、本体筐体11の上部を形成しており、右側面パネル11bの上端と左側面パネル11cの上端とに接合されている。前面パネル12は、本体筐体11の前面に配置されている。フロントパネル13は、前面パネル12の前方に配置されている。
フロントパネル13と前面パネル12との間には、上面吸込口13a、右側面吸込口13b、左側面吸込口13c及び下側吸込口13dが形成されている。上面吸込口13aは、フロントパネル13の上側に配置されている。右側面吸込口13bは、フロントパネル13の右側面パネル11bの側に配置されている。左側面吸込口13cは、フロントパネル13の左側面パネル11cの側に配置されている。下側吸込口13dは、フロントパネル13の底部11dの側に配置されている。
空気清浄機1は、操作部15をさらに備えている。操作部15は、上面吸込口13aの一部を覆うように、空気清浄機1の上面に配置されている。操作部15は、ボタン及び表示部を有する。ボタンは、電源ボタンや運転モード切り換えボタン等を含み、空気清浄機1を操作するときに用いられる。表示部は、空気清浄機1の運転状態や図示しない塵埃センサ等の検出器の検出結果を表示する。
図2は、実施例の空気清浄機を示す平面図である。リアパネル14は、合成樹脂材で形成され、図2に示すように、前面パネル12が配置される前面の反対側の背面に配置されている。本体筐体11とリアパネル14との間には、上面吹出口14aと右側面吹出口14bと左側面吹出口14cとが形成されている。上面吹出口14aは、リアパネル14の天面パネル11aの側に配置されている。右側面吹出口14bは、リアパネル14の右側面パネル11bの側に配置されている。左側面吹出口14cは、リアパネル14の左側面パネル11cの側に配置されている。
空気清浄機1は、上面吸込口13a、右側面吸込口13b、左側面吸込口13c及び下側吸込口13dのそれぞれから本体筐体11に吸い込んだ空気を、上面吹出口14a、右側面吹出口14b及び左側面吹出口14cのそれぞれから吹き出すまでに、空気の除塵処理、加湿処理及び脱臭処理を行う。
なお、図1以降において、空気清浄機1の前後方向(奥行方向)をX方向、空気清浄機1の幅方向をY方向、空気清浄機1の高さ方向をZ方向として示す。また、以下の説明では、本体筐体11の前面パネル12が配置される側を「前面側」とし、本体筐体11のリアパネル14が配置される側を「背面側」とする。
図3は、実施例の空気清浄機を示す図1におけるA−A断面図である。本体筐体11は、図3に示すように、内部に通風路10が形成されている。通風路10は、上面吸込口13aと右側面吸込口13bと左側面吸込口13cと下側吸込口13dとを、上面吹出口14aと右側面吹出口14bと左側面吹出口14cとに連通している。
空気清浄機1は、さらに、プレフィルタ21、集塵ユニット22、吸着ユニットとしての脱臭ユニット23、加湿ユニット24及び送風ユニットとしての送風機25を備えている。プレフィルタ21、集塵ユニット22、脱臭ユニット23、加湿ユニット24及び送風機25は、本体筐体11の内部の通風路10に配置されている。
プレフィルタ21は、例えば、糸状のPET(ポリエチレンテレフタラート)材が編み込まれた網目構造体として形成されている。プレフィルタ21は、通風路10の前面側に配置されている。プレフィルタ21は、上面吸込口13a、右側面吸込口13b、左側面吸込口13c及び下側吸込口13dから本体筐体11の内部の通風路10にそれぞれ吸い込まれる空気に含まれる塵埃を捕集する。
集塵ユニット22は、通風路10のうちのプレフィルタ21の背面側に配置されている。本体筐体11は、さらに、仕切板16を備えている。仕切板16は、フロントパネル13の背面側に配置されており、本体筐体11の一部を形成している。集塵ユニット22は、第1電気集塵機22a及び第2電気集塵機22bを有する。第1電気集塵機22a及び第2電気集塵機22bは、上下方向に並べられ、仕切板16に支持されている。第1電気集塵機22a及び第2電気集塵機22bは、それぞれ、図示しない筐体、放電電極及び集塵電極を有する。筐体の内部には、放電電極と集塵電極が支持されている。放電電極は、プレフィルタ21で捕集されなかった細かな塵埃や花粉等をコロナ放電により帯電させる。集塵電極は、放電電極により帯電された塵埃や花粉等を捕集する。集塵ユニット22は、第1電気集塵機22aと第2電気集塵機22bとが、放電電極及び集塵電極、筐体とで形成されていることにより、例えば不織布をプリーツ形状に形成してなる他の集塵フィルタに比べて、空気抵抗が小さい。
脱臭ユニット23は、通風路10のうちのプレフィルタ21の背面側に配置されている。加湿ユニット24は、通風路10のうちの脱臭ユニット23の背面側に配置されている。加湿ユニット24は、加湿フィルタ24a及び貯水タンク24bを有する。貯水タンク24bには、水が貯留される。加湿フィルタ24aは、円板形状に形成されており、貯水タンク24bに溜められた水に、加湿フィルタ24aの一部が浸るように配置されている。加湿フィルタ24aは、さらに、貯水タンク24bに溜められた水に浸る部分が移動するように、回転軸により回転可能に支持されており、図示しないモータにより回転される。加湿ユニット24は、貯水タンク24bに溜められた水により湿らされた加湿フィルタ24aに空気を通じることにより、通風路10を流れる空気を加湿する。
なお、加湿ユニット24は、上記の構成に限らず、例えば、貯水タンク24bに溜められた水を加湿フィルタ24aの外周側に形成された複数の凹部で汲み上げて加湿フィルタ24aを湿潤させる水車のように構成されてもよい。この場合、加湿フィルタ24aは貯水タンク24bに溜められた水に浸からないように設けられてもよい。また、加湿フィルタ24aは回転しないように設けられてもよい。この場合、加湿フィルタ24aは、貯水タンク24bに溜められた水を毛細管現象により吸い上げる他の加湿フィルタに置換されてもよい。
送風機25は、通風路10のうちの加湿ユニット24の背面側に配置されている。送風機25は、ターボファン25a及びファンモータ25bを有する。ファンモータ25bは、回転数可変であり、ターボファン25aを回転させる。ターボファン25aは、合成樹脂材によって形成されており、ファンモータ25bの出力軸に接続されている。ターボファン25aは、回転することにより、上面吸込口13a、右側面吸込口13b、左側面吸込口13c及び下側吸込口13dから、上面吹出口14a、右側面吹出口14b及び左側面吹出口14cに向かって空気を流す。すなわち、送風機25は、上面吸込口13a、右側面吸込口13b、左側面吸込口13c及び下側吸込口13dから、空気清浄機1の内部へ空気を取り込み、通風路10に沿って空気を通過させる。送風機25は、さらに、上面吹出口14a、右側面吹出口14b及び左側面吹出口14cを介して、通風路10を通過した空気を空気清浄機1の外部に放出する。
送風機25は、ファンモータ25bの中心の高さDが、集塵ユニット22の第1電気集塵機22aと第2電気集塵機22bとの間の空間の高さと一致するように配置されている。ファンモータ25bの中心付近は、ターボファン25aの回転による空気の流れが少ないので、通風路10におけるファンモータ25bの中心付近の空間での空気の流れが少ない。集塵ユニット22は、第1電気集塵機22aと第2電気集塵機22bとの間を空気が通過しない。このため、集塵ユニット22は、空気の流れが多い空間に第1電気集塵機22a及び第2電気集塵機22bが配置されることにより、除塵を高効率に行うことができる。
図4は、実施例の空気清浄機1を示す図1におけるB−B断面図である。プレフィルタ21は、図4に示すように、中央が前面側に向かって凸となるアーチ形状に形成されている。このため、プレフィルタ21は、プレフィルタ21を平坦状に形成する場合と比べて、上面吸込口13a、右側面吸込口13b、左側面吸込口13c及び下側吸込口13dから、本体筐体11の内部にそれぞれ吸い込まれた空気がプレフィルタ21を通過する面積が大きい。これにより、プレフィルタ21は、上面吸込口13a、右側面吸込口13b、左側面吸込口13c及び下側吸込口13dから、本体筐体11の内部に吸い込まれた空気から、より一層多くの塵埃を捕集することが可能とされている。
[脱臭ユニットの構成]
図5は、実施例の脱臭ユニットを示す斜視図である。実施例の吸着ユニットとしての脱臭ユニット23は、図5に示すように、脱臭フィルタ部23aと、フィルタ再生部23fと、保持部23gとを有する。脱臭フィルタ部23aは、円板状に形成されている。フィルタ再生部23fは、略三角柱形状に形成されており、脱臭フィルタ部23aの周方向における一部の両面を覆っている。保持部23gは、本体筐体11に固定されており、脱臭フィルタ部23a及びフィルタ再生部23fを支持している。
図6は、実施例の脱臭ユニット23を示す分解斜視図である。保持部23gは、図6に示すように、合成樹脂材によって略四角形状に形成されており、脱臭フィルタ部23aの形状に応じた円形状の開口部23gdが中央に形成されている。さらに、保持部23gは、開口部23gdの上方(保持部23gを通風路10に配置したときに上側となる箇所。以下、「上方」と記載)には、フィルタ再生部23fの形状に応じた凹形状の再生部収納部23geが形成されている。
さらに、脱臭ユニット23は、2個のローラ23m、回転検出用歯車23k、回転検出部23r、駆動部23h、駆動歯車23j及び4枚の押さえ部材23zを有する。2個のローラ23mの各々は、合成樹脂材によって形成されており、筒部23mb、上フランジ23mc及び下フランジ23mdを有する。筒部23mbは、孔23maを有する円筒形状に形成されている。上フランジ23mc及び下フランジ23mdは、各々筒部23mbよりも直径が大きい円板形状に形成されており、筒部23mbの両端から外周側へ張り出している。保持部23gには、2本の第1軸23gaが形成されている。2本の第1軸23gaは、保持部23gの下方(保持部23gを通風路10に配置したときに下側となる箇所。)の両隅に配置されている。2本の第1軸23gaは、それぞれ、2個のローラ23mの孔23maに挿入されることにより、2個のローラ23mを回転自在に支持している。
回転検出用歯車23kは、合成樹脂材によって形成されている。保持部23gには、さらに、第2軸23gbが形成されている。第2軸23gbは、再生部収納部23geの左側(脱臭フィルタ部23aを前面側から見たときの左側)に配置されている。第2軸23gbは、回転検出用歯車23kが挿入されることにより、回転検出用歯車23kを回動自在に支持している。回転検出部23rは、回転検出用歯車23kの回転を検出する。回転検出部23rとしては、例えば、フォトインタラプタが用いられている。フォトインタラプタは、発光部及び受光部を有しており、発光部と受光部が、検知対象を挟んで互いに対向して配置されている。フォトインタラプタは、発光部から発光された光を受光部で検出することにより、検出対象の有無や位置を検出することが可能になる。
駆動歯車23jは、合成樹脂材で形成されている。駆動部23hは、例えばステッピングモータを有しており、ステッピングモータの出力軸に駆動歯車23jが取り付けられている。保持部23gには、さらに、駆動部固定部23gcが形成されている。駆動部固定部23gcは、再生部収納部23geの右側(脱臭フィルタ部23aを前面側から見たときの右側)に配置されて、駆動部23hを支持している。駆動部23hは、駆動歯車23jを回転させる。
4枚の押さえ部材23zは、合成樹脂材によって、略五角形状の板材として形成されており、保持部23gに嵌め込み可能な形状に形成されている。押さえ部材23zは、2個のローラ23m、回転検出用歯車23k、駆動部23h及び駆動歯車23jが保持部23gに装着された後に、保持部23gに嵌め込まれる。押さえ部材23zは、保持部23gに嵌め込まれることにより、2個のローラ23mと回転検出用歯車23kと駆動部23hと駆動歯車23jとを押さえて、保持部23gから外れないように支持している。
図7は、実施例の脱臭ユニットの脱臭フィルタ部23aを示す斜視図である。脱臭フィルタ部23aは、図7に示すように、脱臭フィルタ23aa、外周部フィルタカバー23ac及び内周部フィルタカバー23aeを有する。
脱臭フィルタ23aaは、円板状に形成されており、中央に貫通孔23aaoが形成されている。脱臭フィルタ23aaは、脱臭フィルタ23aaの厚さ方向に空気が通過するように形成されている。脱臭フィルタ23aaは、吸着物質としての臭気成分を吸着する吸着剤と、臭気成分を分解する作用を生じる脱臭触媒と、を含有する。なお、本実施例の脱臭フィルタ23aaは、吸着剤と脱臭触媒とを別々に含有するが、本発明はこれに限られない。したがって、例えば、脱臭フィルタ23aaは、吸着性能を備える触媒(吸着脱臭触媒)を含有してもよい。脱臭フィルタ23aaは、通過する空気から臭気成分を吸着し、後述するPTCヒータ23bによって加熱されることで、吸着された臭気成分を分解する。例えば、脱臭フィルタ23aaは、図示しない基材と、基材に形成された触媒層とを有する。基材は、アルミニウム等の板材によって形成されており、ハニカム構造に例示される多孔構造に形成されている。触媒層は、触媒によって形成されており、基材の表面を被覆している。触媒は、触媒層の近傍を流れる空気から臭気成分を吸着し、加熱されることにより、吸着された臭気成分を分解する。脱臭フィルタ23aaは、多孔構造に形成されていることにより、及び、フィルタ再生部23fが脱臭フィルタ23aaの一部のみを覆い大部分を覆っていないことにより、空気抵抗が小さい。
外周部フィルタカバー23acは、概ね円環状に形成されており、脱臭フィルタ23aaの外周部に沿って配置されている。外周部フィルタカバー23acは、脱臭フィルタ23aaの外周縁部を覆って脱臭フィルタ23aaの外周部の端面を保護している。内周部フィルタカバー23aeは、概ね円環状に形成されており、脱臭フィルタ23aaの貫通孔23aaoの内部に配置されており、脱臭フィルタ23aaにおける内周縁部を覆って内周部の端面を保護している。内周部フィルタカバー23aeには、貫通孔23adが形成されている。
また、外周部フィルタカバー23acには、脱臭フィルタ23aaの厚み方向(X方向)における両面に、脱臭フィルタ23aaの厚み方向に突出する第1凸部23acpがそれぞれ一体に形成されている。また、外周部フィルタカバー23acと同様に、内周部フィルタカバー23aeには、脱臭フィルタ23aaの厚み方向(X方向)における両面に、脱臭フィルタ23aaの厚み方向に突出する第2凸部23aepがそれぞれ一体に形成されている。これら第1凸部23acp及び第2凸部23aepによって、脱臭フィルタ23aaの厚み方向において、放熱板23cと脱臭フィルタ23aaとの間隔が適正に規制される。
[フィルタ再生部の構成]
図8は、実施例の脱臭ユニット23のフィルタ再生部23fを示す図6におけるC−C断面を示している。フィルタ再生部23fは、図8に示すように、ケース23eと、放熱板23cと、PTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータ23bと、を有する。ケース23eは、略三角柱形状の箱状に形成されている。ケース23eは、脱臭フィルタ部23aの周方向の一部を覆っている。ケース23eは、組み合わされる一対の、前面側ケース部材23eaと、背面側ケース部材23ebと、を有する。前面側ケース部材23eaは、ケース23eの前面側の部分を形成している。背面側ケース部材23ebは、ケース23eの背面側の部分を形成している。前面側ケース部材23eaと背面側ケース部材23ebで構成されたケース23eの内部には空間が形成される。この空間は、例えば、後述するように、PTCヒータ23bが配置される加熱空間部S1となる。
放熱板23cは、対向して配置される一組の前面側放熱板23caと背面側放熱板23cbを有する。前面側放熱板23caは、ケース23eの内部に支持されている。前面側放熱板23caは、脱臭フィルタ部23aの周方向における一部に対向する。脱臭フィルタ部23aは、前面側放熱板23caによって脱臭フィルタ部23aの一部が前面側から覆われている。同様に、背面側放熱板23cbは、ケース23eの内部に支持されている。背面側放熱板23cbは、脱臭フィルタ部23aの周方向における一部に対向する。脱臭フィルタ部23aは、背面側放熱板23cbによって脱臭フィルタ部23aの一部が背面側から覆われている。
PTCヒータ23bは、通電されることにより発熱し、温度上昇に伴って抵抗値が増加する性質を有しており、この性質を利用して発熱量を自己制御する。PTCヒータ23bは、直方体状に形成されており、ケース23eの内部に設けられている。PTCヒータ23bは、脱臭フィルタ部23aの外周側に配置されており、前面側放熱板23caと背面側放熱板23cbとの間に挟まれて支持されている。PTCヒータ23bは、後述する背面側放熱板23cbの位置決め突起23cf(図9)に突き当てられる。また、PTCヒータ23bは、背面側ケース部材23ebに形成された支持部に突き当てられることにより、PTCヒータ23bはZ方向への移動が規制される。
図9は、実施例の脱臭ユニットのフィルタ再生部23fを示す分解斜視図である。前面側放熱板23ca及び背面側放熱板23cbは、例えば、アルミニウム材またはアルミ合金材等の熱伝導性が良好な材料によって形成されている。前面側放熱板23caは、図9に示すように、脱臭フィルタ部23aの前面側に配置されている。前面側放熱板23caの外形は、脱臭フィルタ部23aの貫通孔23adから脱臭フィルタ部23aの外周側に向かうにつれて左右方向(脱臭フィルタ部23aの周方向)に対する幅寸法が大きくなる略三角形状に形成されている。前面側放熱板23caは、フィルタ対向面23caaとカバー対向面23cabを有する。フィルタ対向面23caaは、前面側放熱板23caの一方の面であり、カバー対向面23cabは、前面側放熱板23caの他方の面である。前面側放熱板23caには、脱臭フィルタ部23aの貫通孔23adと対応する貫通孔23cagが形成されている。貫通孔23cagには、後述する背面側ケース部材23ebの軸部23xaが挿通される。
背面側放熱板23cbは、脱臭フィルタ部23aの背面側に対向して配置されている。背面側放熱板23cbの外形は、脱臭フィルタ部23aの貫通孔23adから外周側に向かうにつれて左右方向(脱臭フィルタ部23aの周方向)に対する幅寸法が大きくなる略三角形状に形成されている。背面側放熱板23cbは、フィルタ対向面23cbaとカバー対向面23cbbを有する。フィルタ対向面23cbaは、背面側放熱板23cbの一方の面であり、カバー対向面23cbbは、フィルタ対向面23cbaの他方の面である。
図8及び図9に示すように、背面側放熱板23cbのフィルタ対向面23cbaには、PTCヒータ23bを位置決めする位置決め突起23cfが設けられており、位置決め突起23cfがPTCヒータ23bの外周面に当たることで、Z方向の一方側(脱臭フィルタ部23aの内周側)に対するPTCヒータ23bの位置が規制されている。また、背面側放熱板23cbと同様に、前面側放熱板23caのフィルタ対向面23caaにも、PTCヒータ23bを位置決めする位置決め突起23cgが設けられている(図8参照)。背面側放熱板23cbの内周側端部には、後述する背面側ケース部材23ebの軸部23xaが挿通される貫通孔23cbgが形成されている。
PTCヒータ23bは、前面側放熱板23caのフィルタ対向面23caa及び背面側放熱板23cbのフィルタ対向面23cbaにおける脱臭フィルタ部23aの外周側の側縁部に、前面側放熱板23caと背面側放熱板23cbとの間に挟まれて支持されている。前面側放熱板23caは、フィルタ対向面23caaが脱臭フィルタ部23aに対向するように配置されている。背面側放熱板23cbは、フィルタ対向面23cbaが脱臭フィルタ部23aに対向するように配置されている。なお、PTCヒータ23bと、前面側放熱板23ca及び背面側放熱板23cbとの間には、熱伝導性を高めるために熱伝導グリース等が塗布されてもよい。
説明の便宜上、背面側ケース部材23ebから先に説明する。背面側ケース部材23ebは、合成樹脂材によって形成されている。背面側ケース部材23ebの外形は、図9に示すように、背面側放熱板23cbの外形よりも一回り大きく形成されている。背面側ケース部材23ebは、その内側に加熱空間部S1b(加熱空間部S1の背面側に相当する)を有する。例えば、加熱空間部S1bにはPTCヒータ23b及び背面側放熱板23cbが配置される。加熱空間部S1bは、脱臭フィルタ23aaを加熱するための空間として機能する。
背面側ケース部材23ebは、有底の箱状に形成されており、背面側ケース部材23ebは、底部23edaと、背面側ケース部材23ebの外周に沿って形成された外周壁としての第1側部23edb、第2側部23edc、第3側部23edd及び第4側部23edeと、を有する。底部23edaは、略三角形の板状に形成されている。第1側部23edb、第2側部23edc、第3側部23edd及び第4側部23edeは、それぞれ、底部23edaの外周部から立ち上がって形成されている。第1側部23edbは、底部23edaの外周部における、脱臭フィルタ部23aの貫通孔23ad側に配置される部分に形成されている。第4側部23edeは、底部23edaの外周部における、脱臭フィルタ部23aの外周側に配置される部分に形成されている。第2側部23edcと第3側部23eddは、底部23edaの外周部のY方向の両側の部分に形成されている。底部23edaと第1側部23edb、第2側部23edc、第3側部23edd及び第4側部23edeとで囲まれた空間が背面側内部空間となる。
背面側ケース部材23ebの底部23edaには、脱臭フィルタ部23aの貫通孔23adに挿通されて脱臭フィルタ部23aを回転可能に支持する軸部23xaが形成されている。軸部23xaは、結合部材としてのネジ23t等がねじ込まれる貫通孔23xaaを有する。また、背面側ケース部材23ebの底部23edaのY方向における両側には、前面側ケース部材23eaと背面側ケース部材23ebとを一体に固定する結合部材としてのネジ23t等がねじ込まれる貫通孔を有するボス23xbがそれぞれ形成されている。
図8及び図9に示すように、前面側ケース部材23eaは、背面側ケース部材23ebと同様に、合成樹脂材によって形成されている。前面側ケース部材23eaの外形は、前面側放熱板23caの外形よりも一回り大きく形成されている。前面側ケース部材23eaは、その内側に加熱空間部S1a(加熱空間部S1の前面側に相当する)を有する。例えば、加熱空間部S1aには、PTCヒータ23b及び前面側放熱板23caが配置される。加熱空間部S1aは、前面側放熱板23caを介して脱臭フィルタ23aaを加熱するための空間として機能する。
前面側ケース部材23eaは、有底の箱状に形成されており、底部23ecaと、前面側ケース部材23eaの外周に沿って形成された外周壁としての第1側部23ecb、第2側部23ecc、第3側部23ecd及び第4側部23eceと、を有する。底部23ecaは、略三角形の板状に形成されている。第1側部23ecb、第2側部23ecc、第3側部23ecd及び第4側部23eceは、それぞれ、底部23ecaの外周部から立ち上がって形成されている。第1側部23ecbは、底部23ecaの外周部における、脱臭フィルタ部23aの貫通孔23ad側に配置される部分に形成されている。第4側部23eceは、底部23ecaの外周部における、脱臭フィルタ部23aの外周側に配置される部分に形成されている。第2側部23eccと第3側部23ecdは、底部23ecaの外周部のY方向の両側の部分に形成されている。底部23ecaと第1側部23ecb、第2側部23ecc、第3側部23ecd及び第4側部23eceとで囲まれた空間が前面側内部空間となる。
前面側ケース部材23eaの底部23ecaには、脱臭フィルタ部23aの貫通孔23adに対向する位置に軸座部23xcが形成される。軸座部23xcには背面側ケース部材23ebの軸部23xaの先端が突き当てられる。軸座部23xcはネジ23tがねじ込まれる貫通孔を有する。
前面側ケース部材23eaと背面側ケース部材23ebとが組み合わされることで、PTCヒータ23b、前面側放熱板23ca及び背面側放熱板23cb、脱臭フィルタ部23aの一部が内部に収容されるケース23eが構成される。脱臭フィルタ部23aの貫通孔23adには、背面側ケース部材23ebの軸部23xaが挿通されることで、脱臭フィルタ部23aが軸部23xaに回転可能に支持されている。また、図8及び図9に示すように、軸部23xaは、円筒状のシャフト部材23xe内へ通されており、脱臭フィルタ部23aの貫通孔23adに通されたシャフト部材23xeを介して、脱臭フィルタ部23aを支持している。シャフト部材23xeは、例えば、ステンレス等の熱伝導性を有する金属材料等によって形成されている。
以上のように組み立てられた脱臭ユニット23は、図6に示すように、フィルタ再生部23fが保持部23gの再生部収納部23ge内に収容されている。また、脱臭フィルタ部23aは、外周部フィルタカバー23acの歯車部38が駆動歯車23jに噛み合わされており、駆動部23hによって回転される。さらに、脱臭フィルタ部23aは、外周部フィルタカバー23acの歯車部38が回転検出用歯車23kに噛み合わされており、回転検出部23rによって回転が検出される。
上述のように構成された脱臭フィルタ部23aについて、本実施例の特徴となる構成を以下説明する。図10は、実施例の脱臭ユニット23における脱臭フィルタ23aaの臭気成分の分解作用を説明するための模式図である。
図10に示すように、実施例の脱臭ユニット23では、ケース23e内の加熱空間部S1内で脱臭フィルタ23aaを加熱しながら、駆動部23hによって脱臭フィルタ23aaをR方向へ回転させる。このとき、駆動部23hは、脱臭フィルタ23aaの一部が加熱空間部S1内を通過する間に、脱臭フィルタ23aaの脱臭触媒に吸着物質の分解作用が、要求するレベルまで高まる温度(以下、「所定温度」という)まで加熱されるように脱臭フィルタ23aaを移動させる。このため、脱臭フィルタ23aaの回転方向であるR方向に対する加熱空間部S1の下流側には、例えば、所定温度よりも低く被処理空気よりも高い温度帯となる領域S2(以下、「分解空間部S2」という)が加熱空間部S1に隣接して生じている。
分解空間部S2を適正に生じさせるために、例えば駆動部23hは、脱臭フィルタ23aaを所定速度で回転し続ける。これにより、加熱空間部S1内で加熱された脱臭フィルタ23aaが、順次、通風路10に供給され続ける。これにより、脱臭フィルタ23aaには、加熱空間部S1の下流側に、所定温度よりも低く被処理空気よりも高い温度となった脱臭触媒が、分解空間部S2内で保たれている。言い換えると、駆動部23hは、制御部としての駆動制御回路(図示せず)によってステッピングモータが駆動制御されることにより、加熱空間部S1内で加熱された脱臭フィルタ23aaの一部の温度が、分解空間部S2内で所定温度以上に保たれるように、脱臭フィルタ23aaを回転させる。また、実施例の脱臭ユニット23では、加熱空間部S1内でPTCヒータ23bによって脱臭フィルタ23aaの一部を加熱しているときに、送風機25によって脱臭フィルタ23aaへの送風を行う。
このため、加熱空間部S1に隣接する分解空間部S2内では、脱臭フィルタ23aaの脱臭触媒の分解作用が保たれることにより、脱臭フィルタ23aaに吸着された臭気成分の分解が続くと共に、脱臭フィルタ23aaを通過する空気中の臭気成分も分解される。このように分解空間部S2内では、脱臭フィルタ23aaに吸着された臭気成分と、脱臭フィルタ23aaを通過する空気中の臭気成分とがそれぞれ分解されることの相乗効果により、通風路10で脱臭フィルタ23aaにより除去される臭気成分の量が増加する。
また、R方向へ回転する脱臭フィルタ23aaの周方向において、分解空間部S2の下流側から加熱空間部S1の上流側までの間に、脱臭フィルタ23aaの温度が、例えば被処理空気と同じ温度(以下「常温」という)となる領域S3(以下、「常温空間部S3」という)が存在する。常温空間部S3では、脱臭フィルタ23aaを通過する空気により、脱臭フィルタ23aaの温度が常温になる。したがって、常温空間部S3では、臭気成分の分解作用が低下し、脱臭フィルタ23aaは主として被処理空気の臭気成分を吸着する。
本実施例では、脱臭フィルタ23aaの周方向に対する加熱空間部S1及び分解空間部S2の大きさ(角度)に関して、脱臭フィルタ23aaの脱臭触媒の温度が、所定温度である80℃以上になったときに脱臭触媒に要求するレベルの分解作用が生じるものとし、脱臭フィルタ23aaを80℃まで加熱するのに要する加熱時間を30秒程度として算出した。脱臭フィルタ23aaの一部は、加熱空間部S1内で所定温度まで加熱された後に加熱空間部S1から退出したとき、1分で常温付近まで低下する。
このことを踏まえて、加熱空間部S1が中心O1回り(軸部23xa回り)になす角度θ1を36°に設定した場合、加熱空間部S1の角度θ1=36°を30秒間かけて通過するために必要なステッピングモータの回転速度は160[PPS]となる。そして、ステッピングモータを160[PPS]で回転させたときに、脱臭フィルタ23aaが1分間で回転する角度は、160[PPS]×60秒=9600パルス≒72°となる。このため、本実施例では、分解空間部S2が、中心O1回りになす角度θ2が72°程度に設定されている。したがって、脱臭フィルタ23aaの周方向において加熱空間部S1と、分解空間部S2と、常温空間部S3との比率は、36°:72°:252°=1:2:7に設定されている。
実施例の脱臭ユニット23の清浄能力に関する測定結果を図11に示す。図11は、実施例の脱臭ユニット23が空気中の臭気成分(ホルムアルデヒド)を分解する効率を説明するためのグラフである。図11において、縦軸が、臭気成分としてのホルムアルデヒドの濃度[ppm]を示し、横軸が、時間[分]を示す。実施例では、上述のように加熱空間部S1内で脱臭フィルタ23aaを加熱しながら脱臭フィルタ23aaを回転させる動作を行った。比較例では、加熱空間部S1内で脱臭フィルタ23aaを加熱するときに脱臭フィルタ23aaの回転を停止し、加熱空間部S1内での脱臭フィルタ23aaの加熱後に脱臭フィルタ23aaを回転させる動作を行った。図11では、実施例を実線で示し、比較例を破線で示す。
図11に示すように、実施例では、比較例と比べて、空気清浄機1の運転開始直後からホルムアルデヒドの濃度が低く抑えられると共に、ホルムアルデヒドの濃度を低下させる効率が高められた。また、実施例によれば、運転開始から60分間経過時のホルムアルデヒドの濃度が、比較例における濃度の1/4以下に低減された。このように実施例においてホルムアルデヒドの分解が促進された結果をCADR(Clean Air Delivery Rate(クリーンエア供給率))で表すと以下のようになる。なお、CADRは、1時間あたりに供給できる清浄空気の量(m/h)と定義される。風量を426[m/h]とした場合、ホルムアルデヒドのCADR[m/h]は、比較例が16[m/h]であるのに比べ、実施例が24[m/h]となる。したがって、実施例のCADRは比較例のCADRよりも50%高くなる。
なお、本実施例は、加熱空間部S1内で脱臭フィルタ23aaの一部を加熱しながら、脱臭フィルタ23aaを連続的に回転させる回転動作に限定されず、加熱空間部S1内で脱臭フィルタ23aaの一部を加熱しながら、脱臭フィルタ23aaを間欠的に回転させてもよい。駆動部23hは、例えば、加熱空間部S1が、中心O1回り(軸部23xa回り)になす角度θよりも小さい角度で、脱臭フィルタ23aaを間欠的に回転させることで、脱臭フィルタ23aaの一部が加熱空間部S1内に留まる時間、すなわち加熱時間を所定時間だけ容易に確保することが可能になる。また、脱臭フィルタ23aaを間欠的に回転させることで、脱臭フィルタ23aaの周方向に対する加熱空間部S1の大きさ(角度)を小さくすることが可能になる。
なお、分解空間部S2には、必要に応じて、脱臭フィルタ23aaを加熱するための別の加熱部が設けられてもよい。分解空間部S2内で、別の加熱部を用いて脱臭フィルタ23aaを加熱することで、脱臭触媒の分解作用が得られる所定温度に脱臭フィルタ23aaの温度を容易に保つことができる。
図12は、実施例の脱臭ユニットにおける分解空間部S2の変形例を示す模式図である。図12に示すように、分解空間部S2内には、補助加熱部としての補助ヒータと補助放熱板32a、32bが設けられている。分解空間部S2は、例えば補助ヒータとしてPTC補助ヒータ31a、31bを有する。また、PTC補助ヒータ31a、31bによって加熱される一組の補助放熱板32a、32bと、を有する。一組の補助放熱板32a、32bは、脱臭フィルタ23aaの厚み方向における両面に対向して配置されている。PTC補助ヒータ31a、31bは、脱臭フィルタ23aaの外周側に、脱臭フィルタ23aaの外周に沿って配置されており、一組の補助放熱板32a、32bの間に挟まれている。補助放熱板32a、32bは、例えば、脱臭フィルタ23aaの周方向に対する分解空間部S2内の大きさ(角度)に対応する扇状に形成されており、複数の通気孔33を有するパンチングメタルや金網等が用いられている。補助放熱板32a、32bは、複数の通気孔33を有することにより、送風機25から送られた空気が脱臭フィルタ23aaをスムーズに通過することが可能とされている。
また、上述した変形例の分解空間部S2では、PTC補助ヒータ31a、31bの熱によって、補助放熱板32a、32bを介して脱臭フィルタ23aaを直接的に加熱されたが、補助ヒータの熱によって脱臭フィルタ23aaが間接的に加熱されてもよい。図示しないが、この構成の場合、例えば、補助ヒータと、補助ヒータによって加熱される放熱部材と、を有する。放熱部材は、脱臭フィルタ23aaへ送風する送風機25と脱臭フィルタ23aaとの間において、例えば、分解空間部S2内における脱臭フィルタ23aaに対向する位置に配置される。放熱部材は、複数の放熱フィンを有し、送風機25から送られた空気が放熱フィンによって温められて熱風となり、熱風が脱臭フィルタ23aaを通過することで、熱風を介して脱臭フィルタ23aaを間接的に加熱する。また、上述した変形例では補助ヒータを備えていたが、補助ヒータは有していなくてもよい。この場合は、例えば補助放熱板32a、32bの熱源として、加熱空間部S1内のPTCヒータ23bが用いられてもよい。
また、分解空間部S2内で補助ヒータを用いて加熱する構成では、脱臭フィルタ23aaの回転速度や、脱臭フィルタ23aaの脱臭触媒に分解作用が生じる所定温度等に応じて、脱臭フィルタ23aaの周方向に対する分解空間部S2の角度を任意に調整することが可能になる。
なお、上述した実施例では、脱臭フィルタ23aaの回転方向に対するケース23eの下流側、すなわちケース23eの外部に分解空間部S2が設けられたが、ケース23eの内部に分解空間部S2が設けられてもよい。この構成の場合、例えば、ケース23eは、分解空間部S2を覆うように延ばされて、ケース23eにおける分解空間部S2に対応する領域に、脱臭フィルタ23aaに対する空気の通気性を確保するために通気孔が設けられてもよい。ケース23eの一部には、パンチングメタルや金網等によって補助放熱板32a、32bが一体に形成されてもよい。また、ケース23e内には、加熱空間部S1と分解空間部S2とを仕切る仕切り壁が設けられてもよい。
[空気清浄機の動作]
空気清浄機1は、使用者が操作部15を操作することで、運転を開始する。空気清浄機1は、運転を開始したとき、送風機25が駆動されると共に、集塵ユニット22の第1電気集塵機22a及び第2電気集塵機22bが通電され、加湿ユニット24の加湿フィルタ24aが回転を開始する。空気清浄機1は、送風機25が駆動されることで、上面吸込口13a、右側面吸込口13b、左側面吸込口13c及び下側吸込口13dから、本体筐体11の内部へ空気が吸い込まれる。
本体筐体11の内部に吸い込まれた空気は、上面吸込口13a、右側面吸込口13b、左側面吸込口13c及び下側吸込口13dから、上面吹出口14a、右側面吹出口14b及び左側面吹出口14cに向かって通風路10を流れる。通風路10を流れる空気は、まず、プレフィルタ21によって塵埃が捕集される。プレフィルタ21によって塵埃が捕集された空気は、プレフィルタ21で捕集されなかった細かな塵埃や花粉等が、集塵ユニット22によって捕集される。集塵ユニット22によって塵埃が捕集された空気は、一部が脱臭ユニット23に供給され、残りが加湿ユニット24に供給される。
脱臭ユニット23に供給された空気は、保持部23gの開口部23gdを介して、脱臭フィルタ23aaにおけるフィルタ再生部23fによって覆われていない通風面に供給される。脱臭フィルタ23aaの通風面に供給された空気は、脱臭フィルタ23aaを通過することにより、臭気成分が除去され、脱臭される。このとき、脱臭ユニット23の脱臭フィルタ23aaは、脱臭ユニット23に供給された空気が、プレフィルタ21と集塵ユニット22とにより塵埃や花粉等があらかじめ除去されていることにより、塵埃や花粉等によって目詰まりすることが防止される。
脱臭ユニット23により脱臭された空気は、一部が加湿ユニット24に供給され、残りが送風機25に供給される。加湿ユニット24に供給された空気は、加湿ユニット24により加湿される。加湿ユニット24によって加湿された空気は、送風機25に供給される。送風機25に供給された空気は、上面吹出口14a、右側面吹出口14b及び左側面吹出口14cから、空気清浄機1の外部へ吹き出される。
空気清浄機1は、運転中に、PTCヒータ23bに継続して通電を行うと共に、駆動部23hを駆動させる。このとき、例えば、脱臭フィルタ部23aを所定時間で1回転するように連続的に回転させる、あるいは、脱臭フィルタ部23aを所定時間毎に所定角度ずつ回転するように間欠的に回転させる。空気清浄機1は、脱臭フィルタ部23aを回転させることにより、脱臭フィルタ23aaの周方向におけるフィルタ再生部23fで覆われる部分の脱臭能力を再生する。すなわち、空気清浄機1は、脱臭フィルタ23aaのフィルタ再生部23fで覆われる位置の脱臭能力の再生を行いつつ、脱臭フィルタ23aaのフィルタ再生部23fで覆われていない部分を通過する空気を脱臭する。また、本実施例では、脱臭フィルタ23aaを回転させながら、脱臭フィルタ23aaへ空気を通過させることにより、分解空間部S2内において、脱臭フィルタ23aaの脱臭能力の再生作用を維持しながら、脱臭フィルタ23aaを通過する空気中の臭気成分を分解する。
上述のように実施例の脱臭ユニット23は、ケース23eの外部に、加熱空間部S1に対する脱臭フィルタ23aaの移動方向の下流側に隣接して、脱臭フィルタ23aaの吸着物質を分解させる分解空間部S2が設けられている。これにより、脱臭フィルタ23aaに吸着された臭気成分の分解が続くと共に、脱臭フィルタ23aaを通過する空気中の臭気成分も分解される。このため、脱臭フィルタ23aaへの臭気成分の吸着性を高めることができる。その結果、臭気成分の浄化性能を高めることができる。
また、実施例の脱臭ユニット23が有する駆動部23hは、PTCヒータ23bによって脱臭フィルタ23aaを加熱しているときに、加熱空間部S1に対して脱臭フィルタ23aaを移動させる。これにより、脱臭フィルタ23aaの移動方向における加熱空間部S1の下流側に、分解空間部S2を適正に設けることができる。このとき、脱臭フィルタ23aaは、加熱空間部S1に対して連続に移動、または間欠的に移動されてもよい。
また、実施例の脱臭ユニット23が有する駆動部23hは、脱臭フィルタ23aaの一部が加熱空間部S1内を通過する間に、脱臭フィルタ23aaの脱臭触媒に吸着物質の分解作用が生じる所定温度まで加熱されるように脱臭フィルタ23aaを移動させる。これにより、脱臭フィルタ23aaの移動方向における加熱空間部S1の下流側に、分解空間部S2を適正に設けることができる。
また、実施例の脱臭ユニット23が有する分解空間部S2には、脱臭フィルタ23aaの一部を加熱する補助加熱部として、例えばPTC補助ヒータ31a、31b、補助放熱板32a、32bが配置されている。これにより、分解空間部S2内で、脱臭フィルタ23aaの温度を、臭気成分の分解作用が生じる所定温度以上に容易に保つことができる。
また、実施例の脱臭ユニット23は、PTCヒータ23bによって脱臭フィルタ23aaを加熱しているときに、脱臭フィルタ23aaへ送風する送風機25を備える。これにより、分解空間部S2内で、脱臭フィルタ23aaを通過する空気中の臭気成分を分解することが可能になるので、臭気成分の浄化性能を高めることができる。
1 空気清浄機
23 脱臭ユニット(吸着ユニット)
23a 脱臭フィルタ部
23aa 脱臭フィルタ(フィルタ)
23ac 外周部フィルタカバー(カバー)
23b PTCヒータ(ヒータ)
23c 放熱板
23h 駆動部
25 送風機(送風ユニット)
S1(S1a、S1b) 加熱空間部
S2 分解空間部
31a、31b PTC補助ヒータ(補助加熱部)
32a、32b 補助放熱板
33 通気孔

Claims (6)

  1. 板状に形成されるフィルタと、
    前記フィルタの一部に対向して配置される放熱板と、
    前記放熱板を加熱することにより前記放熱板を介して前記フィルタの一部を加熱するヒータと、
    前記放熱板に対して前記フィルタを移動させる駆動部と、
    前記ヒータ及び前記放熱板が配置される加熱空間部を有するケースと、を備え、
    前記ケースの外部には、前記加熱空間部に対する前記フィルタの移動方向の下流側に隣接して、前記フィルタの吸着物質を分解させる分解空間部が設けられている、吸着ユニット。
  2. 前記駆動部は、前記ヒータによって前記フィルタを加熱しているときに、前記加熱空間部に対して前記フィルタを移動させる、
    請求項1に記載の吸着ユニット。
  3. 前記駆動部は、前記フィルタの一部が前記加熱空間部内を通過する間に、前記フィルタに吸着物質の分解作用が生じる所定温度まで加熱されるように前記フィルタを移動させる、
    請求項1または2に記載の吸着ユニット。
  4. 前記分解空間部には、前記フィルタの一部を加熱する補助加熱部が配置されている、
    請求項1ないし3のいずれか1項に記載の吸着ユニット。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の吸着ユニットを備え、
    前記フィルタは、空気が通過することにより前記空気に含有される臭気成分を吸着し、加熱されることにより前記臭気成分を分解する、
    空気清浄機。
  6. 前記吸着ユニットの前記ヒータによって前記フィルタを加熱しているときに、前記フィルタへ送風する送風ユニットを更に備える、
    請求項5に記載の空気清浄機。
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