JP2018162428A - 樹脂組成物及びそれを用いて成形された樹脂成形品 - Google Patents
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Abstract
Description
ジペート(以下、PBSAと略記することがある)などの脂肪族ポリエステル樹脂を用いた樹脂成形品であれば、当該樹脂成型品を廃棄しても土中分解され、環境汚染を低減することができることから、これらの樹脂を様々な用途に展開する試みがなされている。
して樹脂成形品を製造する際には、得られる成形品の機械強度を高めるため、結晶核剤を樹脂に配合し、樹脂を結晶化させて成形することが好ましい。
また、特許文献2には、植物由来原料からなる基材層と、融点が80〜180℃である脂肪族ポリエステルを含有するポリエステル層を含む積層体について記載されており、そして、このポリエステル層に係る樹脂の結晶化温度を制御して、成形時の加工性の改善をするため、任意にポリエチレンワックスなどの核剤を添加してもよい、ことが記載されている。
るものを添加することが好ましいと記載されているが、樹脂組成物を成形して得られる成形品の中でも、成形品が溶融押出ラミネート装置を用いて溶融押出によって得られた溶融膜を冷却ロールによって冷却して得られるフィルムなどである場合は、結晶化温度を高めるために添加する結晶核剤であっても、冷却ロールへのフィルムの張り付き、つまり離ロール性が悪くったり、ロール汚れや得られるフィルムの透明度や濁りが生じたりすること
があった。
[1] 脂肪族ポリエステル及び結晶核剤を含む樹脂組成物であって、該樹脂組成物の温度100℃での半結晶化時間が6.5〜9.0分である樹脂組成物。
[2] 前記樹脂組成物中の前記結晶核剤の配合量が、前記脂肪族ポリエステルを100質量部として、0.001質量部以上2.5質量部以下である、[1]に記載の樹脂組成物。
[3] 前記結晶核剤が有機系核剤である、[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4] 前記脂肪族ポリエステル樹脂がポリブチレンサクシネート及び/又ポリブチレンサクシネートアジペートである、[1]〜[3]のいずれか1に記載の樹脂組成物。
[5] 前記有機系核剤がポリエチレンワックスである、[3]又は[4]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[6] 前記ポリエチレンワックスの重量平均分子量が1000〜10000である、[5]に記載の樹脂組成物。
[7] 前記結晶核剤の融点が前記脂肪族ポリエステルの融点よりも5℃以上高いことを特徴とする[1]〜[6]のいずれか1に記載の樹脂組成物。
[8] [1]〜[7]のいずれか1に記載の樹脂組成物をTダイを装備した溶融押出装置に供給し、溶融押出成形し、樹脂溶融膜を得た後、該樹脂溶融膜を冷却ロールを用いて冷却し、樹脂成型品を得る、樹脂成型品の製造方法。
[9] 該樹脂成型品がフィルムである、[8]に記載の樹脂成型品の製造方法。
なお、本明細書において、“質量%”、“質量ppm”及び“質量部”と、“重量%”、“重量ppm”及び“重量部”とは、それぞれ同義である。
本発明の樹脂組成物において、脂肪族ポリエステルとしては、本発明の効果を著しく損
なわない限り、公知のいずれの脂肪族ポリエステルも用いることができる。また、脂肪族ポリエステルは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を任意の組み合わせ、および比率で併用してもよい。また、脂肪族ポリエステルは、生分解性を有するものが好ましく、更には一部または全てがバイオマス資源から得られる原料を用いて製造されたものが好ましい。
すなわち、本発明の樹脂組成物において、脂肪族ポリエステルは、ジオール単位(ジオールまたはその誘導体から形成される構成単位)と、ジカルボン酸単位(ジカルボン酸またはその誘導体から形成される構成単位)とを構成単位とすることが好ましい。ここで、ジオール単位およびジカルボン酸単位については、それぞれ本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。また、ジオール単位およびジカルボン酸単位は、いずれも、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
式(I)において、R1は、鎖中に酸素原子を有していてもよい2価の脂肪族炭化水素基であり、鎖状脂肪族炭化水素基であってもよく、脂環式炭化水素基であってもよい。また、分岐鎖を有していても、有していなくてもよい。
式(I)のジオールの誘導体の例としては、酢酸とのエステル化合物などが挙げられる
。
R2の炭素数も、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常2以上、また、通常48以下である。但し、R2が鎖状脂肪族炭化水素基である場合、R2としては、−(CH2)m−で表される2価の鎖状脂肪族炭化水素基であることが好ましい。なお、mは通常1以上、また、通常10以下、好ましくは6以下の整数である。
上記式(II)のジカルボン酸の誘導体の例としては、上記式(II)のジカルボン酸の低級アルコールエステルや酸無水物などが挙げられる。中でも、炭素数1〜4の低級アルコールエステルもしくは酸無水物が好ましい。
ジオール単位およびジカルボン酸単位以外の他の構成単位としては、例えば、脂肪族オキシカルボン酸単位が挙げられる。この脂肪族オキシカルボン酸単位としては、分子中に1個の水酸基とカルボン酸基を有する脂肪族オキシカルボン酸およびその誘導体(以下適宜、「脂肪族オキシカルボン酸成分」という。)により形成される構成単位であれば特に限定はなく、環状のものも、鎖状のものも使用できる。
ヒドロキシカルボン酸等が挙げられるが、これらのオキシカルボン酸のエステルやラクトン類、ラクチド、あるいはオキシカルボン酸重合体等の誘導体であってもよい。
ラクトン類の具体例としては、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、エナントラクトン等のラクトン;4−メチルカプロラクトン、2,2,4−トリメチルカプロラクトン、3,3,5−トリメチルカプロラクトン等のメチル化ラクトンなどが挙げられる。
上記式(III)で表される脂肪族オキシカルボン酸の中では、下記式(IV)で表される脂肪族オキシカルボン酸が好ましい。
中でも特に、下記式(V)で表される脂肪族オキシカルボン酸が、重合反応性向上効果が認められる点で好ましい。
オキシカルボン酸、特に、脂肪族オキシカルボン酸の具体例としては、乳酸、グリコール酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシカプロン酸、2−ヒドロキシ3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−ヒドロキシイソカプロン酸、4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸、4−ヒドロキシメチルシクロヘキサンカルボン酸等も挙げられる。また、更には、これらの低級アルキルエステル、分子内エステルなどの誘導体も挙げられる。
これら脂肪族オキシカルボン酸成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
脂肪族ポリエステルの製造時に、ジオール単位を形成するジオール成分とジカルボン酸単位を形成するジカルボン酸成分とを反応させる場合には、製造される脂肪族ポリエステルが目的とする組成を有するようにジオール成分およびジカルボン酸成分の使用量を設定
する。通常は、ジオール成分とジカルボン酸成分とは実質的に等モル量である。但し、この際、ジオール成分の使用量は、エステル化反応中の留出があることから、通常は1〜20モル%過剰に用いられる。
多官能成分単位を形成する化合物の導入時期は、重合初期の他のモノマーやオリゴマーと同時に仕込むようにしてもよく、または、エステル交換反応後、減圧を開始する前に仕込むようにしてもよいが、他のモノマーやオリゴマーと同時に仕込む方が工程の簡略化の点で好ましい。
また、本発明の目的を損なわない限り、他の触媒の併用を妨げない。なお、触媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
法が好ましい。
脂肪族ポリエステルの製造時には、カーボネート化合物やジイソシアネート化合物等の鎖延長剤を使用することもできる。その量は、通常、脂肪族ポリエステルを構成する全単量体単位に対し、カーボネート結合やウレタン結合が通常、10モル%以下、好ましくは5モル%以下、より好ましくは3モル%以下である。しかしながら、脂肪族ポリエステル樹脂を本発明の積層体に使用する場合には、ジイソシアネートやカーボネート結合が存在すると、生分解性を阻害する可能性があるため、その使用量は、脂肪族ポリエステルを構成する全単量体単位に対し、カーボネート結合が1モル%未満、好ましくは、0.5モル%以下、より好ましくは0.1モル%以下であり、ウレタン結合が、0.55モル%以下、好ましくは0.3モル%以下、より好ましくは0.12モル%以下、更に好ましくは0.05モル%以下である。脂肪族ポリエステル100質量部あたりに換算すると、0.9質量部以下、好ましくは0.5質量部以下、より好ましくは0.2質量部以下、さらに好ましくは0.1質量部以下である。カーボネート結合量やウレタン結合量は、1H−NMRや13C−NMR等のNMR測定により算出される。ウレタン結合量の上限値を上回ると、積層体の製造時にウレタン結合の分解のため、ダイス出口からの溶融膜からの発煙や臭気が問題となる場合があり、また、溶融膜中に発泡による膜切れが起こって安定的に成形できないことがある。
,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,4,6−トリイソプロピルフェニルジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート等の公知のジイソシアネートなどが例示される。
本発明の樹脂組成物において、脂肪族ポリエステルの融点は、特に限定されないが、80℃以上180℃以下であることが好ましい。融点が低すぎる場合は紙カップおよび紙トレー等の用途において温かい飲食品を入れた時の耐熱性が不十分となり、溶融したりするおそれがある。逆に、融点が高すぎると本発明の樹脂組成物から得られる成形品をカップやサック、トレー、袋などへの2次加工する際にヒートシール温度を高く設定する必要があり好ましくない。好ましくは融点が90℃以上150℃以下であり、更に好ましくは融点が100℃以上140℃以下である。
、他方、上限を上回ると230℃以上高温成形時に、溶融膜の安定性が悪化する(ネックインの増大、サージングの発生)ことがある。
例えば、脂肪族ポリエステル樹脂、を例に挙げるならば、PTTMCC社BioPBS(登録商標)FZシリーズ、FDシリーズ、NatureWorks社製Ingeo(登録商標)等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物において、本発明の効果を阻害しない程度に含んでいてもよい、その他の樹脂としては、例えば、生分解性樹脂ポリブチレンアジペートテレフタレート、超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンゴム、ポリ酢酸ビニル、ポリブテン、などが挙げられる。更に、4−ナイロン等のポリアミド樹脂、ポリアスパラギン酸等のポリアミノ酸樹脂、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコール等のポリエーテル樹脂、セルロースおよびプルラン等の多糖類、ポリビニルアルコール樹脂等の生分解性樹脂が挙げられる。これらのその他の樹脂を使用する場合、1種類以上の樹脂を任意の組み合わせおよび比率で併用することができる。中でも、本発明の積層体の生分解速度が速くなり、また、分解後の崩形性が向上するという点において、生分解性樹脂を併用することが好ましい。
た、分解後の崩形性が向上するからである。
本発明の樹脂組成物には、樹脂組成物を用いた成形品の製造時の半結晶化時間を制御し、成形時の加工性改善するために結晶核剤を配合する。これによって、半結晶化時間の短縮や離ロール性の向上が期待できる。結晶核剤は無機系核剤および有機系核剤に大別されるが、好ましくは有機系核剤を用いることが好ましい。なお、結晶核剤は、単独でもよいし、2種以上を任意の割合で複合し配合してもよい。
り、より好ましくは、1500〜9000、更により好ましくは2000〜8000である。Mwが高くなればなるほど、樹脂組成物をフィルムに成形した際のフィッシュアイが増加する恐れがあり、一方で、Mwが低くなるほどブリードアウトが起こりやすくなる傾向にある。なお、このポリエチレンワックスの重量平均分子量の測定は公知の方法で測定することができる。
硫化カルシウム、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化ネオジウムおよびフェニルホスホネートの金属塩などを挙げることができる。また、これらの無機系核剤は、組成物中での分散性を高めるために、有機物で修飾されていてもよい。
本発明の樹脂組成物の製造は、従来公知の混合/混練技術は全て適用できる。混合機としては、水平円筒型、V字型、二重円錐型混合機やリボンブレンダー、スーパーミキサーのようなブレンダー、また各種連続式混合機等を使用できる。また混練機としては、ロールやインターナルミキサーのようなバッチ式混練機、一段型、二段型連続式混練機、二軸スクリュー押出機、単軸スクリュー押出機等を使用できる。
さらに、本発明の樹脂組成物のメルトフローレート(MFR;190℃、2.16Kg荷重)は、3g/10分以上40g/10分以下であることが好ましい。樹脂組成物のMFRの下限について、より好ましくは4g/10分以上、特に好ましくは5g/10分以上である。また、樹脂組成物のMFRの上限について、より好ましくは35g/10分以下、特に好ましくは30g/10分以下である。樹脂組成物のMFRをこのような範囲とすることで、加工時のサージングの抑制、離ロール性の悪化の抑制に有効であり、加工性を良好とすることができる。
本発明の樹脂組成物の半結晶化時間は6.5〜9.0分であり、好ましくは、7.0〜8.9分、より好ましくは、7.2〜8.5分である。半結晶化時間とは、樹脂組成物が最終的に到達する結晶化度の半分に到達するまでに要する時間である。溶融結晶化時に結
晶核剤を混合すると核剤が結晶核の起点となり、樹脂組成物の結晶核形成速度並びに結晶成長速度の向上し、その結果半結晶化時間を短縮することができる。
本発明の樹脂組成物を用いて樹脂成形品を製造する方法は、上述した本発明の樹脂組成物、必要に応じて添加される他の樹脂、滑剤、酸化防止剤、改質剤などの所望の添加剤を配合した樹脂組成物を、ハンガーコートタイプTダイを有する押出機を用いて押出成形する方法(押出コーティング法)や、上述した本発明の樹脂組成物をインフレ成形やTダイフィルム成形法によりフィルムとする方法が好ましく、生産性や得られる樹脂成形品の物性の観点からは、押出コーティング法が特に好ましい。押出コーティング法を用いる場合には、ポリエチレン等の熱可塑性合成樹脂の溶融押出コーティング・ラミネート用に通常使用される溶融押出コーティング・ラミネート装置を用いることができる。
<メルトフローレイト(MFR)>
JIS K7210(1999年)に基づき、メルトインデクサーを用いて190℃、荷重2.16kgにて測定した。単位はg/10分である。
JIS K7210(1987年)に基づき、降温温度10℃/分にて測定した。
<脂肪族ポリエステル>
実施例にて使用した樹脂の詳細は下記の通りである。
BioPBS(登録商標) FZ71PM(MFR 20.0g/10分 融点113℃)
<離ロール性>
冷却ロールからの張り付き具合を観測した。評価基準は下記の通りとした。
◎:樹脂が冷却ロールから無理なくリリースされ、外観が綺麗である。
○:樹脂が冷却ロールから少し離れ難くなっており、リリースする際に音が出る状態。
△:樹脂が冷却ロールから離れ難くなっており、リリースする際の音がかなり大きい状態。また成形品に筋が入る状態。
×:積層体が冷却ロールから剥がれず、運転ができない状態。
ダイス出口からの発煙の状態と臭気の官能試験を実施した。評価基準は下記の通りとした。
○:発煙が少なく、鼻や目につく刺激臭がない。
△:発煙が多少あり、鼻や目につく刺激臭が少しあるが、作業上問題にならないレベル。×:発煙があり、鼻や目につく刺激臭がある。
フィルム成形後の冷却ロールの汚れ具合を評価した。評価基準は下記の通りとした。
○:加工時間1時間の時点でロール上に白色の粉状物質の付着がわずかな状態で加工性に悪影響を与えていない。
△:加工時間1時間の時点でロール上に白色の粉状物質の付着が多いが加工性に悪影響を与えていない。
×:加工時間1時間の時点でロール上に白色の粉状物質の付着が多い状態で積層体表面に白色粉状物質の移行があった場合。
半結晶化時間測定には日立ハイテック社製DSC「DSC7000X」を使用した。試料は5.3〜5.5mgに調製しRDCアルミパンに詰め専用のシーラーでシールした。温度プログラムは30℃から260℃に100℃/minで昇温後3分間保持した後に100℃/minで98℃に降温し30分保持し、続いて260℃に100℃/minにて昇温後、3分保持しその後100℃に100℃/minで降温し保持した
際の結晶化発熱挙動を観測した。測定装置は熱流束型DSCであるため温度保持時には±0.1℃程度のばらつきが発生した。そのため結晶化発熱ピークが発生している時間範囲の温度の平均値を結晶化温度とした。プログラムでは100℃の設定であったが、実際には試料に
より若干の差が発生し、99.14〜99.18℃の範囲の結晶化温度となった。また、熱補償型DSCと異なり、等温結晶化温度への到達が若干遅れるため、結晶化温度到達時間をt=0とせず、結晶化発熱開始時間(結晶化ヒ゜ークのベースをとる点)をt=0とし、半結晶化時間を
測定した。半結晶化時間(t1/2)は結晶化発熱ピークを積分し、積分値が50%となる時間をt=0より起算して算出した。
JIS K7136(2000年)に基づき、測定した。
<Gloss測定>
JIS K3741(1997年)に基づき、角度は20度で測定した。
<ポリエチレンワックスのGPC測定>
重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により、下記の測定条件で測定する。
装置:東ソー HLC-8321GPC/HT
カラム: TSKgel GMH6-HT (7.8mm I.D.×30cmL×4)
カラム温度:135℃
検出器:RI
移動相:ODCB
流速:1.0mL/min
注入:0.1wt%×500μL
換算標準:ポリエチレン
(3)樹脂組成物の製造、及び評価結果
FZ71PM(PTTMCC社製 BioPBS(MFR=20))98部と結晶核剤としてポリエチレンワックス(AcumistB6、Hanewell社製)2部をドライブレンドし、混練温度を150℃にて、2軸押出機にてストランド状に押出し、ペレタイザーによりペレットとしポリエチレンワックスマスターバッチ(以下、ポリエチレンワックスMBと略規することがある)を得た。また、FZ71PMを99部と酸化防止剤(BASF社製 Irganox1010)1部をドライブレンドし、混練温度を170℃にて、2軸押出機にてストランド状に押出し、ペレタイザーによりペレットとし酸化防止剤マスターバッチ(以下、酸化防止剤MBと略記することがある)を得た。ポリエチレンワックスMBを1.25部とFZ71PM 96.75部、酸化防止剤MBを2%ドライブレンドしたものをスクリュウ径Φ50mmの単軸押出機に幅300mmのハンガーコート型のTダイを用い、260℃にて押し出した。溶融膜が安定した後、発煙・臭気を観察した。
ラミネート成形時には溶融膜は透明で、ブツ、気泡、発煙もなく成形安定性に優れていた。また、臭気やロール汚れはなかった。更に離ロール性は良好だった。
上記作製したフィルムの半結晶化時間、Haze、Glossを上記の方法にて測定した。
結果を表1に示す。
実施例1において、ポリエチレンワックスMBを2.5%とFZ71PM(BioPBS、PTTMCC社製(MFR=20))を95.5部、酸化防止剤MBを2%ドライブレンドしたものを用いた以外は、すべて実施例1と同様の方法で成形・評価した。結果を表1に示す。
実施例1において、脂肪族ポリエステルとして使用したFZ71PM 95部とポリエチレンワックスの代わりに、タルク(MG115、富士タルク社製)5部をドライブレンドし、混練温度を190℃にて、2軸押出機にてストランド状に押出し、ペレタイザーによりペレットとしタルクマスターバッチを得た。このタルクMBを2.5部とFZ71PM(PTTMCC社製 BioPBS(MFR=20))95.5部、酸化防止剤MBを2%ドライブレンドした以外は全て実施例1と同様の方法で成形・評価した。結果を表1に示す。
実施例3において、使用したタルク(MG115、富士タルク社製)の代わりに、別のタルク(ミクロエースK−1、日本タルク社製)に変更した以外は全て実施例3と同様の方法で成形・評価した。結果を表1に示す。
[実施例5〜7]
実施例1で使用したポリエチレンワックスの種類を異なる重量平均分子量や融点を持つポリエチレンワックス(Hiwax400P,Hiwax210MP,HiwaxNL100)に変更し対外は全て実施例1と同様の方法で成形・評価した。変更したポリエチレ
ンワックスのHiwax400P,Hiwax210MP,HiwaxNL100をそれぞれ使用したものを実施例5〜7とした。結果を表1に示す。
実施例1において、ポリエチレンワックスを配合せず、FZ71PM98質量部、酸化防止剤MBを2%ドライブレンドしたものに変更した以外は全て、実施例1と同様の方法で成形・評価した。結果を表1に示す。
[比較例2,比較例3]
実施例2において、使用したポリエチレンワックスの替わりに、ステアリン酸アミド(アルフローS10、日油社製)もしくはステアリン酸カルシウムをドライブレンドし、混練温度を190℃にて、2軸押出機にてストランド状に押出し、ペレタイザーによりペレットとし、各々のマスターバッチを得た。このマスターバッチを2.5部とFZ71PM(PTTMCC社製 BioPBS(MFR=20))95.5部、酸化防止剤MB(1
%酸化防止剤MBであるFZ71PM)を2%ドライブレンドしたものを用いた以外は全て、実施例2と同様の方法で成形・評価した。結果を表1に示す。
得ることができる、ことがわかる。
Claims (9)
- 脂肪族ポリエステル及び結晶核剤を含む樹脂組成物であって、該樹脂組成物の温度100℃での半結晶化時間が6.5〜9.0分である樹脂組成物。
- 前記樹脂組成物中の前記結晶核剤の配合量が、前記脂肪族ポリエステルを100質量部として、0.001質量部以上2.5質量部以下である、請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記結晶核剤が有機系核剤である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- 前記脂肪族ポリエステル樹脂がポリブチレンサクシネート及び/又ポリブチレンサクシネートアジペートである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記有機系核剤がポリエチレンワックスである、請求項3又は4のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 前記ポリエチレンワックスの重量平均分子量が1000〜10000である、請求項5に記載の樹脂組成物。
- 前記結晶核剤の融点が前記脂肪族ポリエステルの融点よりも5℃以上高いことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物をTダイを装備した溶融押出装置に供給し、溶融押出成形し、樹脂溶融膜を得た後、該樹脂溶融膜を冷却ロールを用いて冷却し、樹脂成型品を得る、樹脂成型品の製造方法。
- 該樹脂成型品がフィルムである、請求項8に記載の樹脂成型品の製造方法。
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