JP2018161673A - 熱硬化性フラックス組成物、はんだ組成物および電子基板の製造方法 - Google Patents
熱硬化性フラックス組成物、はんだ組成物および電子基板の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018161673A JP2018161673A JP2017060893A JP2017060893A JP2018161673A JP 2018161673 A JP2018161673 A JP 2018161673A JP 2017060893 A JP2017060893 A JP 2017060893A JP 2017060893 A JP2017060893 A JP 2017060893A JP 2018161673 A JP2018161673 A JP 2018161673A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- solder
- flux composition
- component
- thermosetting flux
- thermosetting
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Electric Connection Of Electric Components To Printed Circuits (AREA)
Abstract
Description
本発明の熱硬化性フラックス組成物は、融点が200℃以上240℃以下のはんだ合金からなるはんだ粉末またははんだバンプに用いる熱硬化性フラックス組成物であって、(A)エポキシ樹脂と、(B)硬化剤と、(C)活性剤とを含有し、前記(A)成分が、(A1)ナフタレン型エポキシ樹脂を含有し、前記(C)成分が、(C1)pKaが3.8以下であり、かつ融点が160℃以下であるカルボン酸、および、pKaが3.8以下であり、かつ融点が160℃以下であるカルボン酸の塩からなる群から選択される少なくとも1種を含有することを特徴とするものである。
本発明の熱硬化性フラックス組成物においては、前記(A)成分が、さらに、(A2)ビスフェノールA型エポキシ樹脂およびビスフェノールF型エポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。
本発明の熱硬化性フラックス組成物においては、前記(C1)成分が、ジグリコール酸、2,2−チオジグリコール酸、テトラヒドロフラン−2−カルボン酸、n−ブチルアミンジグリコール酸塩、および、ベンジルアミンテトラヒドロフラン−2−カルボン酸塩からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の第1の電子基板の製造方法は、前記熱硬化性フラックス組成物を用いる電子基板の製造方法であって、配線基板上に、前記熱硬化性フラックス組成物を塗布する塗布工程と、前記はんだバンプを有する電子部品を前記配線基板の接合用ランド上に搭載する搭載工程と、前記電子部品が搭載された前記配線基板を加熱することにより、前記はんだバンプを溶融させ、前記はんだバンプを前記接合用ランドに接合するリフロー工程と、前記熱硬化性フラックス組成物を加熱して硬化させる熱硬化工程と、を備えることを特徴とする方法である。
本発明の第2の電子基板の製造方法は、前記はんだ組成物を用いる電子基板の製造方法であって、配線基板上に、前記はんだ組成物を塗布する塗布工程と、電子部品を前記はんだ組成物上に搭載する搭載工程と、前記電子部品が搭載された前記配線基板を加熱することにより、前記はんだ粉末を溶融させ、前記電子部品を前記接合用ランドに接合するリフロー工程と、前記熱硬化性フラックス組成物を加熱して硬化させる熱硬化工程と、を備えることを特徴とする方法である。
すなわち、本発明の熱硬化性フラックス組成物のように、(A1)ナフタレン型エポキシ樹脂と、有機酸などの活性剤とを併用する場合には、通常、リフロー工程におけるプリヒート(通常は、150℃以上170℃以下の範囲)により、熱硬化性フラックス組成物の硬化が進むために、有機酸の活性作用が妨げられて、はんだ溶融性が著しく低下してしまう。これに対し、本発明者らは、鋭意研究の結果、有機酸の中でも、(C1)pKaが3.8以下であり、かつ融点が160℃以下であるカルボン酸を用いた場合には、驚くべきことに、はんだ溶融性が低下しないことを見出した。この理由については、必ずしも明らかではないが、この(C1)成分は、リフロー工程における熱硬化性フラックス組成物の硬化を遅くできるとともに、活性作用が他の有機酸よりも優れるためにはんだ溶融性が低下しないものと、本発明者らは推察する。一方で、本発明の熱硬化性フラックス組成物は、リフロー工程後の熱硬化工程で、十分に硬化させることができるので、硬化物のガラス転移点が十分に高くできる。以上のようにして、上記本発明の効果が達成されるものと本発明者らは推察する。
まず、本実施形態の熱硬化性フラックス組成物について説明する。
本実施形態の熱硬化性フラックス組成物は、融点が200℃以上240℃以下のはんだ合金からなるはんだ粉末またははんだバンプに用いる熱硬化性フラックス組成物であって、以下説明する(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤および(C)活性剤を含有するものである。
ここで、ガラス転移点は、動的粘弾性測定装置(DMA)を用いて測定できる。具体的にはセイコーインスツル社製の動的粘弾性測定装置「DMS6100」を用い、熱硬化性フラックス組成物の硬化物(厚み:100μm、長さ:20mm、幅:4mm)を試料として、昇温速度5℃/minの条件にて測定を行い、tanδのピーク値をガラス転移点として測定できる。なお、試料の大きさについては、前記条件よりも大きいものであれば測定できる。
硬化物のガラス転移点は、エポキシ樹脂および硬化剤などの種類や配合量を変更することによって調整できる。例えば、エポキシ樹脂および硬化剤の組み合わせを調整することにより、ガラス転移点を調整できる。
本実施形態に用いる(A)エポキシ樹脂としては、公知のエポキシ樹脂を適宜用いることができる。このようなエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビフェニル型、ナフタレン型、クレゾールノボラック型、フェノールノボラック型などのエポキシ樹脂が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、これらのエポキシ樹脂は、硬化物の耐衝撃性の観点から、ゴム変性されたものであってもよい。さらに、これらのエポキシ樹脂は、常温で液状のものを含有することが好ましく、常温で固形のものを用いる場合には、常温で液状のものと併用することが好ましい。
前記(A)成分の配合量は、熱硬化性フラックス組成物100質量%に対して、40質量%以上97質量%以下であることが好ましく、60質量%以上95質量%以下であることがより好ましく、70質量%以上93質量%以下であることが特に好ましい。(A)成分の配合量が前記範囲内であれば、十分な硬化性を確保でき、電子部品と電子基板とのはんだ接合を十分に補強できる。
本実施形態に用いる(B)硬化剤は、(B1)トリアジン系硬化剤を含有することが好ましい。この(B1)成分を用いる場合には、リフロー工程における熱硬化性フラックス組成物の硬化性にそれほど影響を与えずに、リフロー工程後の熱硬化工程で、熱硬化性フラックス組成物の硬化性を向上できる。
また、この(B)成分としては、(B1)成分以外の公知のエポキシ樹脂硬化剤を、本発明の効果を阻害しない範囲で使用してもよい。ただし、イミダゾール類、ジシアンジアミド(DICY)およびその誘導体などは、リフロー工程において、熱硬化性フラックス組成物の硬化が進み過ぎるために、使用しないことが好ましい。また、(B1)成分以外の公知のエポキシ樹脂硬化剤を使用する場合、その配合量は、(B)成分100質量%に対して、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
本実施形態に用いる(C)活性剤は、(C1)pKaが3.8以下であり、かつ融点が160℃以下であるカルボン酸、および、pKaが3.8以下であり、かつ融点が160℃以下であるカルボン酸の塩からなる群から選択される少なくとも1種を含有することが必要である。この(C1)成分を用いることにより、リフロー工程では、熱硬化性フラックス組成物の硬化をそれほど進めさせずに、十分な活性作用を確保することができ、かつ、リフロー工程後の熱硬化工程で、熱硬化性フラックス組成物を十分に硬化させることができる。
また、この(C)成分としては、(C1)成分以外の公知の活性剤を、本発明の効果を阻害しない範囲で使用してもよい。ただし、(C1)成分以外の有機酸(アジピン酸など)は、リフロー工程において、熱硬化性フラックス組成物の硬化が進み過ぎるために、使用しないことが好ましい。また、(C1)成分以外の公知の活性剤を使用する場合、その配合量は、(C)成分100質量%に対して、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。また、(C1)成分以外の公知の活性剤としては、(C1)成分以外の有機酸または有機酸塩、非解離性のハロゲン化化合物からなる非解離型活性剤、およびアミン系活性剤などが挙げられる。
前記(C1)成分のうち、pKaが3.8以下であり、かつ融点が160℃以下であるカルボン酸の塩としては、アミン塩であっても、金属塩であってもよいが、アミン塩でああることが好ましい。具体的には、n−ブチルアミンジグリコール酸塩(融点:153℃)、およびベンジルアミンテトラヒドロフラン−2−カルボン酸塩(融点:132℃)などが挙げられる。
また、前記(C1)成分は、保存安定性の観点から、融点が50℃以上であることが好ましい。
本実施形態の熱硬化性フラックス組成物は、必要に応じて、前記(A)成分〜前記(C)成分およびチクソ剤の他に、界面活性剤、カップリング剤、消泡剤、粉末表面処理剤、反応抑制剤、沈降防止剤、フィラーなどの添加剤を含有していてもよい。これらの添加剤の配合量としては、熱硬化性フラックス組成物100質量%に対して、0.01質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。
本実施形態の熱硬化性フラックス組成物は、前記(A)成分〜前記(C)成分などを前記の所定の割合で配合し、撹拌混合することで製造できる。
次に、本実施形態のはんだ組成物について説明する。本実施形態のはんだ組成物は、前記本実施形態の熱硬化性フラックス組成物と、以下説明する(D)はんだ粉末とを含有するものである。
前記熱硬化性フラックス組成物の配合量は、はんだ組成物100質量%に対して、8質量%以上40質量%以下であることが好ましく、10質量%以上30質量%以下であることがより好ましく、12質量%以上20質量%以下であることが特に好ましい。フラックス組成物の配合量が8質量%以上(はんだ粉末の配合量が92質量%以下)であれば、バインダーとしての熱硬化性フラックス組成物が足りるため、熱硬化性フラックス組成物とはんだ粉末とを容易に混合できる。また、フラックス組成物の配合量が40質量%以下(はんだ粉末の配合量が60質量%以上)であれば、得られるはんだ組成物を用いた場合に、十分なはんだ接合を形成できる。
本実施形態に用いる(D)はんだ粉末は、融点が200℃以上240℃以下のはんだ合金からなるはんだ粉末である。融点が200℃以上240℃以下のはんだ合金としては、Sn−Ag−Cu系、およびSn−Ag系などのはんだ合金が挙げられる。また、このようなはんだ合金においては、銀含有量が通常4質量%以下であり、銅の含有量が通常1質量%以下である。
本実施形態のはんだ組成物は、前記熱硬化性フラックス組成物と前記(D)はんだ粉末とを前記の所定の割合で配合し、撹拌混合することで製造できる。
次に、本実施形態の第1の電子基板の製造方法について説明する。なお、本実施形態の熱硬化性フラックス組成物の使用方法が、本実施形態の第1の電子基板の製造方法に限定されるわけではない。
本実施形態の第1の電子基板の製造方法は、前述した本実施形態の熱硬化性フラックス組成物を用いる方法であって、以下説明する塗布工程、搭載工程、リフロー工程および熱硬化工程を備える。
配線基板としては、プリント配線基板、配線が設けられたシリコン基板などが挙げられる。
塗布装置としては、スピンコータ、スプレーコータ、バーコータ、アプリケータ、ディスペンサー、およびスクリーン印刷機などが挙げられる。なお、塗布装置として、スピンコータ、スプレーコータなどを用いる場合には、熱硬化性フラックス組成物を溶剤にて希釈して用いることが好ましい。
溶剤としては、ケトン類(例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン)、芳香族炭化水素類(例えば、トルエン、キシレン)、アルコール類(例えば、メタノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール)、脂環式炭化水素類(例えば、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン)、石油系溶剤類(例えば、石油エーテル、石油ナフサ)、セロソルブ類(例えば、セロソルブ、ブチルセロソルブ)、(例えば、カルビトール、ブチルカルビトール)、および、エステル類(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、エチルジグリコールアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート)などが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
塗膜の厚み(塗膜厚)は、適宜設定できる。
はんだバンプを有する電子部品としては、例えば、BGAパッケージ、チップサイズパッケージなどが挙げられる。
はんだバンプは、融点が200℃以上240℃以下のはんだ合金からなることが必要である。なお、はんだバンプは、その表面にはんだ合金によるメッキがされているものであってもよい。融点が200℃以上240℃以下のはんだ合金としては、Sn−Ag−Cu系、およびSn−Ag系などのはんだ合金が挙げられる。
搭載工程で用いる装置としては、公知のチップマウント装置を適宜用いることができる。
また、接合用ランドの材質としては、公知の導電性材料(銅、銀など)を適宜用いることができる。
ここで用いる装置としては、公知のリフロー炉を適宜用いることができる。
リフロー条件は、はんだの融点に応じて適宜設定すればよい。例えば、Sn−Au−Cu系のはんだ合金を用いる場合には、プリヒートを温度150〜180℃(好ましくは、150〜160℃)で60〜120秒行い、ピーク温度を220〜260℃(好ましくは、230〜250℃)に設定すればよい。
加熱条件としては、加熱温度が、140℃以上220℃以下であることが好ましく、150℃以上200℃以下であることがより好ましい。加熱温度が前記範囲内であれば、熱硬化性フラックス組成物を十分に硬化させることができ、電子基板に搭載された電子部品への悪影響も少ない。
加熱時間は、10分間以上3時間以下であることが好ましく、1時間以上2時間以下であることがより好ましい。加熱時間が前記範囲内であれば、熱硬化性フラックス組成物を十分に硬化させることができ、電子基板に搭載された電子部品への悪影響も少ない。
本実施形態の第2の電子基板の製造方法は、前述した本実施形態のはんだ組成物を用いる方法であって、以下説明する塗布工程、搭載工程、リフロー工程および熱硬化工程を備える。なお、本実施形態の第2の電子基板の製造方法は、熱硬化性フラックス組成物に代えてはんだ組成物を用い、はんだバンプを有する電子部品に代えてチップ部品などを用いた以外は、本実施形態の第1の電子基板の製造方法と同様なので、塗布工程、搭載工程およびリフロー工程について説明し、それ以外の説明を省略する。
配線基板としては、プリント配線基板、配線が設けられたシリコン基板などが挙げられる。
塗布装置としては、例えば、ディスペンサー、スクリーン印刷機、ジェットディスペンサー、およびメタルマスク印刷機などが挙げられる。
電子部品としては、チップ部品などが挙げられる。なお、前述した第1の電子基板の製造方法で用いたはんだバンプを有する電子部品を用いてもよい。
搭載工程で用いる装置および接合用ランドの材質については、前述した第1の電子基板の製造方法で用いたものと同様である。
ここで用いる装置およびリフロー条件については、前述した第1の電子基板の製造方法で用いたものと同様である。
((A1)成分)
エポキシ樹脂A:ナフタレン型エポキシ樹脂、商品名「EPICLON HP−4032D」、DIC社製
((A2)成分)
エポキシ樹脂B:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、商品名「EPICLON EXA−850CRP」、DIC社製
エポキシ樹脂C:柔軟強靭性液状エポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂ベース)、商品名「EPICLON EXA−4850CRP」、DIC社製
エポキシ樹脂D:ビスフェノールF型エポキシ樹脂、商品名「EPICLON EXA−830」、DIC社製
((B1)成分)
硬化剤:アセトグアナミン
((C1)成分)
活性剤A:ジグリコール酸(pKa:2.7、融点:148℃)
活性剤B:2,2−チオジグリコール酸(pKa:3.3、融点:148℃)
活性剤C:テトラヒドロフラン−2−カルボン酸(pKa:3.6、融点:148℃)
活性剤D:n−ブチルアミンジグリコール酸塩(融点:153℃)
活性剤E:ベンジルアミンテトラヒドロフラン−2−カルボン酸塩(融点:132℃)
((C2)成分)
活性剤F:アジピン酸(pKa:4.4、融点:153℃)
活性剤G:n−ブチルアミンアジピン酸塩(融点:130℃)
活性剤H:グルタル酸(pKa:4.3、融点:97.5℃)
活性剤I:プロパントリカルボン酸(pKa:3.9、融点:160℃)
活性剤J:2,2’−(p−フェニレンビスオキシ)二酢酸(pKa:2.89、融点:251℃)
((D)成分)
はんだ粉末:粒子径分布20〜38μm(平均粒子径:30μm)、はんだ融点217〜220℃、はんだ合金Sn−Au3.0−Cu0.5
(他の成分)
チクソ剤:商品名「ゲルオールD」、新日本理化社製
エポキシ樹脂A46.2質量%、エポキシ樹脂B46.2質量%、硬化剤1質量%、活性剤A5質量%およびチクソ剤1.6質量%を容器に投入し、粉砕混合機にて、粉砕し混合し分散させて熱硬化性フラックス組成物を得た。
その後、得られた熱硬化性フラックス組成物14.5質量%およびはんだ粉末85.5質量%(合計で100質量%)を容器に投入し、混練機にて混合することではんだ組成物を調製した。
次に、チップ部品を搭載できる基板を準備し、この基板の電極上に、メタルマスク印刷機により得られたはんだ組成物を印刷した。塗膜の厚みは、150μmであった。次に、チップ部品(3216チップ、はんだ合金:Sn−Au3.0−Cu0.5、はんだの融点:217℃〜220℃)を、塗膜形成後の基板の接合用ランド上に搭載し、リフロー炉(タムラ製作所社製)に通して加熱した。ここでのリフロー条件は、プリヒート温度が150〜180℃(60秒間)で、温度220℃以上の時間が50秒間で、ピーク温度が245℃である。その後、リフロー後の基板を、加熱炉に投入し、温度200℃にて1時間の加熱処理を施して、冷熱サイクル試験用基板を作製した。
表1に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、熱硬化性フラックス組成物、スピンコータ用塗布液、および冷熱サイクル試験用基板を得た。なお、比較例2〜5では、はんだ溶融性に問題があり、はんだ接合が形成できなかった。そのため、比較例2〜5については、冷熱サイクル試験用基板が作製できなかった。
熱硬化性フラックス組成物の評価(硬化物のガラス転移点)、および、はんだ組成物の評価(はんだ溶融性、冷熱サイクル試験、保存安定性)を以下のような方法で行った。得られた結果を表1に示す。
(1)はんだ溶融性
はんだ組成物を、基板(表面の材質:銅)上に、スクリーン印刷法により、直径1cm、厚み50μmの塗膜を形成し、リフロー炉(タムラ製作所社製)に通して加熱した。ここでのリフロー条件は、プリヒート温度が150〜180℃(60秒間)で、温度220℃以上の時間が50秒間で、ピーク温度が245℃である。そして、はんだの溶融状態を目視にて観察し、下記の基準に従って、はんだ溶融性を評価した。
◎:はんだ組成物を塗布した部分は、全て、はんだでぬれた状態である。
○:はんだ組成物を塗布した部分の大半は、はんだでぬれた状態である。
△:はんだ組成物を塗布した部分の一部に、はんだボールが発生した状態である。
×:はんだが溶融しなかった。
(2)硬化物のガラス転移点
セイコーインスツル社製の動的粘弾性測定装置「DMS6100」を用い、熱硬化性フラックス組成物の硬化物(硬化条件:200℃1時間、厚み:100μm、長さ:20mm、幅:4mm)を試料として、昇温速度5℃/minの条件にて測定を行った。得られたグラフから、tanδのピーク値をガラス転移点として読み取った。
(3)冷熱サイクル試験
冷熱サイクル試験用基板について、デジタルマルチメーター(岩通計測社製SC−7401)を用いて接続抵抗値(初期抵抗値)を測定した。そして、この冷熱サイクル試験用基板を冷熱サイクル試験機に投入し、温度−40℃にて30分間放置した後に温度125℃にて30分間放置するのを1サイクルとして、これを3000サイクル繰り返す冷熱サイクル試験を行った。サイクル試験後の接続抵抗値を、デジタルマルチメーター(岩通計測社製SC−7401)を用いて測定した。そして、冷熱サイクル試験後の抵抗値変化を以下の基準に従って評価した。
◎:冷熱サイクル試験後の抵抗値が、初期抵抗値の1.5倍以下である。
○:冷熱サイクル試験後の抵抗値が、初期抵抗値の1.5倍超2倍以下である。
△:冷熱サイクル試験後の抵抗値が、初期抵抗値の2倍超10倍以下である。
×:冷熱サイクル試験後の抵抗値が、初期抵抗値の10倍超である。
(4)保存安定性
はんだ組成物を試料として、粘度を測定する。その後、試料を密封容器に入れ、所定温度(−10℃)の恒温槽に投入し、15日間保管し、保管した試料の粘度を測定する。そして、保管前の粘度値(η1)に対する、15日間保管後の粘度値(η2)の粘度変化率[{(η2−η1)/η1}×100%]を求める。なお、粘度測定は、JIS Z 3284付属書6に記載の方法に準拠して行う。
そして、粘度変化率に基づいて下記の基準に従って、保存安定性を評価した。
○:粘度変化率が、−5%以上5%以下である。
△:粘度変化率が、−20%以上−5%未満、或いは5%超20%以下である。
×:粘度変化率が、−20%未満、或いは、20%超である。
これに対し、ナフタレン型エポキシ樹脂を含有しない場合(比較例1)には、硬化物のガラス転移点が低く、冷熱サイクル試験の結果が悪いことが分かった。また、pKaが3.8超の有機酸またはその塩を用いた場合(比較例2〜4)には、はんだ溶融性が不十分であることが分かった。さらに、pKaが3.8以下の有機酸であっても融点が高すぎる場合(比較例5)には、はんだ溶融性が不十分であることが分かった。
Claims (7)
- 融点が200℃以上240℃以下のはんだ合金からなるはんだ粉末またははんだバンプに用いる熱硬化性フラックス組成物であって、
(A)エポキシ樹脂と、(B)硬化剤と、(C)活性剤とを含有し、
前記(A)成分が、(A1)ナフタレン型エポキシ樹脂を含有し、
前記(C)成分が、(C1)pKaが3.8以下であり、かつ融点が160℃以下であるカルボン酸、および、pKaが3.8以下であり、かつ融点が160℃以下であるカルボン酸の塩からなる群から選択される少なくとも1種を含有する
ことを特徴とする熱硬化性フラックス組成物。 - 請求項1に記載の熱硬化性フラックス組成物において、
前記(B)成分が、アセトグアナミンを含有する
ことを特徴とする熱硬化性フラックス組成物。 - 請求項1または請求項2に記載の熱硬化性フラックス組成物において、
前記(A)成分が、さらに、(A2)ビスフェノールA型エポキシ樹脂およびビスフェノールF型エポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を含有する
ことを特徴とする熱硬化性フラックス組成物。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の熱硬化性フラックス組成物において、
前記(C1)成分が、ジグリコール酸、2,2−チオジグリコール酸、テトラヒドロフラン−2−カルボン酸、n−ブチルアミンジグリコール酸塩、および、ベンジルアミンテトラヒドロフラン−2−カルボン酸塩からなる群から選択される少なくとも1種である
ことを特徴とする熱硬化性フラックス組成物。 - 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の熱硬化性フラックス組成物と、(D)融点が200℃以上240℃以下のはんだ合金からなるはんだ粉末とを含有することを特徴とするはんだ組成物。
- 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の熱硬化性フラックス組成物を用いる電子基板の製造方法であって、
配線基板上に、前記熱硬化性フラックス組成物を塗布する塗布工程と、
前記はんだバンプを有する電子部品を前記配線基板の接合用ランド上に搭載する搭載工程と、
前記電子部品が搭載された前記配線基板を加熱することにより、前記はんだバンプを溶融させ、前記はんだバンプを前記接合用ランドに接合するリフロー工程と、
前記熱硬化性フラックス組成物を加熱して硬化させる熱硬化工程と、を備える
ことを特徴とする電子基板の製造方法。 - 請求項5に記載のはんだ組成物を用いる電子基板の製造方法であって、
配線基板上に、前記はんだ組成物を塗布する塗布工程と、
電子部品を前記はんだ組成物上に搭載する搭載工程と、
前記電子部品が搭載された前記配線基板を加熱することにより、前記はんだ粉末を溶融させ、前記電子部品を前記接合用ランドに接合するリフロー工程と、
前記熱硬化性フラックス組成物を加熱して硬化させる熱硬化工程と、を備える
ことを特徴とする電子基板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017060893A JP6619376B2 (ja) | 2017-03-27 | 2017-03-27 | 熱硬化性フラックス組成物、はんだ組成物および電子基板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017060893A JP6619376B2 (ja) | 2017-03-27 | 2017-03-27 | 熱硬化性フラックス組成物、はんだ組成物および電子基板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018161673A true JP2018161673A (ja) | 2018-10-18 |
JP6619376B2 JP6619376B2 (ja) | 2019-12-11 |
Family
ID=63860668
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017060893A Active JP6619376B2 (ja) | 2017-03-27 | 2017-03-27 | 熱硬化性フラックス組成物、はんだ組成物および電子基板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6619376B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021187117A1 (ja) * | 2020-03-17 | 2021-09-23 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | フラックス用樹脂組成物、電子部品、電子部品の製造方法、実装構造体及び実装構造体の製造方法 |
CN114799612A (zh) * | 2022-05-27 | 2022-07-29 | 常州时创能源股份有限公司 | 一种光伏用钎焊焊料、其制备方法及应用 |
JP7410444B1 (ja) | 2023-03-31 | 2024-01-10 | 千住金属工業株式会社 | 電子装置の製造方法および電子装置 |
JP7437677B2 (ja) | 2019-12-19 | 2024-02-26 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | はんだ組成物 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010077265A (ja) * | 2008-09-25 | 2010-04-08 | Panasonic Electric Works Co Ltd | 熱硬化性樹脂組成物及びその製造方法並びに回路基板 |
JP2013043931A (ja) * | 2011-08-24 | 2013-03-04 | Panasonic Corp | 熱硬化性樹脂組成物及び回路基板 |
JP2013220466A (ja) * | 2012-04-19 | 2013-10-28 | Asahi Kasei E-Materials Corp | 熱硬化性樹脂組成物を用いたはんだペースト |
JP2013256584A (ja) * | 2012-06-12 | 2013-12-26 | Panasonic Corp | 熱硬化性樹脂組成物およびフラックス組成物とそれを用いた半導体装置 |
JP2015047615A (ja) * | 2013-08-30 | 2015-03-16 | 株式会社タムラ製作所 | はんだ組成物 |
-
2017
- 2017-03-27 JP JP2017060893A patent/JP6619376B2/ja active Active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010077265A (ja) * | 2008-09-25 | 2010-04-08 | Panasonic Electric Works Co Ltd | 熱硬化性樹脂組成物及びその製造方法並びに回路基板 |
JP2013043931A (ja) * | 2011-08-24 | 2013-03-04 | Panasonic Corp | 熱硬化性樹脂組成物及び回路基板 |
JP2013220466A (ja) * | 2012-04-19 | 2013-10-28 | Asahi Kasei E-Materials Corp | 熱硬化性樹脂組成物を用いたはんだペースト |
JP2013256584A (ja) * | 2012-06-12 | 2013-12-26 | Panasonic Corp | 熱硬化性樹脂組成物およびフラックス組成物とそれを用いた半導体装置 |
JP2015047615A (ja) * | 2013-08-30 | 2015-03-16 | 株式会社タムラ製作所 | はんだ組成物 |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7437677B2 (ja) | 2019-12-19 | 2024-02-26 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | はんだ組成物 |
WO2021187117A1 (ja) * | 2020-03-17 | 2021-09-23 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | フラックス用樹脂組成物、電子部品、電子部品の製造方法、実装構造体及び実装構造体の製造方法 |
CN114799612A (zh) * | 2022-05-27 | 2022-07-29 | 常州时创能源股份有限公司 | 一种光伏用钎焊焊料、其制备方法及应用 |
JP7410444B1 (ja) | 2023-03-31 | 2024-01-10 | 千住金属工業株式会社 | 電子装置の製造方法および電子装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6619376B2 (ja) | 2019-12-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI465475B (zh) | Solder paste and solder paste | |
JP4461009B2 (ja) | はんだ付け用ペースト及び融剤 | |
US10906137B2 (en) | Solder composition and electronic board | |
JP6619376B2 (ja) | 熱硬化性フラックス組成物、はんだ組成物および電子基板の製造方法 | |
JP6452659B2 (ja) | 熱硬化性フラックス組成物および電子基板の製造方法 | |
JP2016222894A (ja) | 導電性接着剤および電子基板 | |
JP5388341B2 (ja) | アンダーフィル用液状樹脂組成物、フリップチップ実装体およびその製造方法 | |
JP6530734B2 (ja) | 熱硬化性フラックス組成物および電子基板の製造方法 | |
JP5493327B2 (ja) | 封止充てん用樹脂組成物、並びに半導体装置及びその製造方法 | |
JP6628821B2 (ja) | フラックス組成物、はんだ組成物および電子基板 | |
JP6557694B2 (ja) | 熱硬化性フラックス組成物および電子基板の製造方法 | |
JP3923687B2 (ja) | 電子部品実装用接合剤およびこれを用いた電子部品の実装方法 | |
JPH0457436B2 (ja) | ||
JP6913122B2 (ja) | はんだ組成物および電子基板の製造方法 | |
JP6766196B2 (ja) | はんだ組成物および電子基板の製造方法 | |
JP2019052237A (ja) | 導電性接着剤および電子基板の製造方法 | |
JP2019166550A (ja) | 熱硬化性フラックス組成物および電子基板の製造方法 | |
JP6990488B2 (ja) | 熱硬化性フラックス組成物および電子基板の製造方法 | |
JP6013406B2 (ja) | 接着剤組成物および電子部品の接合方法 | |
JP6830935B2 (ja) | 熱硬化性フラックス組成物および電子基板の製造方法 | |
JP6013416B2 (ja) | 接着剤組成物および電子部品の接合方法 | |
JP6967026B2 (ja) | 熱硬化性フラックス組成物および電子基板の製造方法 | |
JP6830934B2 (ja) | 熱硬化性フラックス組成物および電子基板の製造方法 | |
JP2004090021A (ja) | 硬化性フラックス | |
WO2023013732A1 (ja) | フラックス用樹脂組成物、はんだペースト及び実装構造体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180417 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190307 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190319 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190508 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20191029 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20191114 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6619376 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |