JP2018155853A - カラーフィルタ用顔料組成物及びカラーフィルタ - Google Patents

カラーフィルタ用顔料組成物及びカラーフィルタ Download PDF

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Abstract

【課題】本発明が解決しようとする課題は、粉体流動性に優れ、かつカラーフィルタ作製に用いた際に優れた輝度を得ることができるカラーフィルタ用顔料組成物、及び該顔料組成物を画素部に有するカラーフィルタを提供することにある。【解決手段】本発明は、フタロシアニン系顔料と、平均粒子径が5〜25nmである酸化アルミニウムとを含有するカラーフィルタ用顔料組成物を提供することにより、上記課題を解決する。本発明のカラーフィルタ用顔料組成物は、カラーフィルタの画素部に含有させることで、優れた輝度を有するディスプレイ用カラーフィルタを得ることができ、また、顔料の粉体流動性に優れることから、容器等への付着が少なく、作業性の改善が可能である。【選択図】なし

Description

本発明は、ディスプレイ用カラーフィルタの画素部を形成するのに用いられる顔料組成物及び該顔料組成物を含有するカラーフィルタに関する。
液晶表示装置のカラーフィルタは、赤色画素部(R)、緑色画素部(G)及び青色画素部(B)を有する。これらの各画素部は、いずれも有機顔料が分散した合成樹脂の薄膜が基板上に設けられた構造であり、有機顔料としては、赤、緑及び青の各色の有機顔料が用いられている。
カラーフィルタ作製に用いる有機顔料は、従来の汎用用途とは全く異なる特性、具体的には、液晶表示装置の表示画面がよりハッキリ見えるようにする(高コントラスト化)、或いは、同じく表示画面がより明るくなるようにする(高輝度化)等の要求がある。
このような要求に応じるため、平均一次粒子径が100nm以下となる様に微細化された粉体の有機顔料が多用されている。そのため、顔料粒子の微細化により粒子同士の凝集が起こりやすくなるため、分散性を維持することが求められる。また、カラーフィルタ作製においては、一般的に230℃以上の高温で焼成処理を行うため、使用する有機顔料は230℃以上の耐熱性が要求され、焼成後においても輝度が低下しない有機顔料が要求されている。
光学特性の改善を目的に、有機顔料に樹脂により表面処理を施す技術が提案されている(特許文献1)。しかしながら、これにより得られるカラーフィルタの輝度では十分とは言えない。
有機顔料を分散した着色組成物を調製する際、シリカ等の無機微粒子を配合する方法が提案されている(特許文献2)。しかしながら、その効果はジケトピロロピロール系顔料を用いたカラーフィルタのコントラストを向上するものであり、フタロシアニン系顔料に対しては、その効果が一切言及されていないし、輝度は向上させられていない。
また、無機酸化物微粒子で被覆された有機顔料と、感光性樹脂を主成分とする感光性着色組成物が提案されている(特許文献3)。しかしながら、その効果は透明性、耐熱性、および耐候性に優れていると記載されているが、輝度向上の記載はない。また、無機酸化物微粒子を有機顔料表面に被覆するためにシランカップリング剤等の表面修飾剤を用いているが、表面修飾剤由来の生成物質が輝度低下等カラーフィルタとしての特性低下の原因となる可能性が懸念される。
また、赤色有機顔料と屈折率が1.3〜1.8である無機微粒子からなるカラーフィルタ用赤色顔料組成物において、無機微粒子の粒子径をD1、赤色有機顔料の粒子径D2とすると、D1/D2が、0.15〜0.99の範囲にあること特徴とするカラーフィルタ用赤色顔料組成物が提案されている(特許文献4)。しかしながら、これにより得られるカラーフィルタの輝度では近年急速に高まる本分野の要求特性を十分満たすものとは言えない場合があった。さらにフタロシアニン系顔料に対してはその効果が一切言及されていない。
国際公開第2010/061830号公報 特開2008−164985号公報 特開2008−107530号公報 特開2016−118686号公報
ところで、カラーフィルタ用顔料組成物は粉体であり、これを取り扱う場合、紙袋等の容器からの取出し、計量、分散装置等への仕込み等の粉体ハンドリング操作の良否は作業性にかかわるため、良好な粉体流動性が求められている。
また、上記したように、有機顔料と無機粒子とを用いることで光学特性に一定の効果が得られることは知られているが、さらなる市場要求に応えるための特性改善、具体的にはより優れた輝度、流動性の改善については十分な検討がされていないのが実情である。
本発明が解決しようとする課題は、粉体流動性に優れ、かつカラーフィルタ作製に用いた際に優れた輝度を得ることができる顔料組成物、及び該顔料組成物を画素部に有するカラーフィルタを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討したところ、フタロシアニン系顔料と、特定の平均粒子径を有する特定の無機微粒子と、を含有する顔料組成物が上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、フタロシアニン系顔料と、平均粒子径が5〜25nmである酸化アルミニウムとを含有するカラーフィルタ用顔料組成物に関する。
本発明のカラーフィルタ用顔料組成物は、カラーフィルタの画素部に含有させることで、優れた輝度を有するディスプレイ用カラーフィルタを得ることができる。また、顔料の粉体流動性に優れることから、容器等への付着が少なく、作業性の改善が可能である。
<酸化アルミニウムの説明>
本発明に用いる酸化アルミニウムは、平均粒子径が5〜25nmであり、例えばAEROXIDE AluC、同Alu65、同Alu130(日本アエロジル株式会社製)などが挙げられる。微細酸化アルミニウムの製法としては、湿式法、粉砕法、熱分解法または高熱法もしくはフュームド法があるが、非晶質構造となる高熱法もしくはフュームド法による酸化アルミニウムを用いることが好ましい。
本発明に用いる酸化アルミニウムは、平均粒子径が25nm以内であれば、酸化アルミニウムによる光散乱の影響を受けず、良好な輝度を得られると考えられるため好ましい。
また、本発明における酸化アルミニウムは一次粒子であっても、凝集粒子であっても良い。
また、粒子形状は、球状、粒状、多面体状、針状、紡錘状、米粒状、フレーク状、燐片状及び板状等のいずれの形状であっても良い。酸化アルミニウムの平均粒子径及び形状は、次のように測定される。
まず透過型電子顕微鏡又は走査型電子顕微鏡で視野内の粒子を撮影する。そして、二次元画像上の凝集体を構成する一次粒子の50個につき、個々の粒子の内径の最長の長さ(最大長)を求める。個々の粒子の最大長の平均値を一次粒子の平均粒子径とする。一方、粒子の最大長となる線に直交するように無数に引くことが出来る仮想線のうち最短となる長さを最小長とし、これも50個につき求めることができる。
本発明における無機微粒子は、表面処理は施されていないことが望ましいが、有機顔料および、カラーフィルタ用ペーストのような顔料分散液や、レジストのような光硬化性組成物へのより優れた親和性を確保するために、カラーフィルタの特性を損なわない程度で表面処理を行うことも可能である。
表面処理剤としては、アルコキシシラン、フルオロアルキルシラン、シラン系カップリング剤及びオルガノポリシロキサン等の有機ケイ素化合物、チタネート系、アルミネート系及びジルコネート系などのカップリング剤、シリコーンオイル、アンモニアあるいはアミン、低分子あるいは高分子界面活性剤等が用いられる。
有機ケイ素化合物としては、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン及びデシルトリエトキシシラン等のアルコキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、トルフルオロプロピルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン及びトリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン等のフルオロアルキルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ―アミノプロピルトリエトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ―メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ―メタクロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等のシラン系カップリング剤、ポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、変性ポリシロキサン等のオルガノポリシロキサン等が挙げられる。
チタネート系カップリング剤としては、イソプロピルトリステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル・アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスフェートチタネート、テトラ(2,2ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスフェートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート等が挙げられる。
アルミネート系カップリング剤としては、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムジイソプロポキシモノエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート等が挙げられる。
ジルコネート系カップリング剤としては、ジルコニウムテトラキスアセチルアセトネート、ジルコニウムジブトキシビスアセチルアセトネート、ジルコニウムテトラキスエチルアセトアセテート、ジルコニウムトリボトキシモノエチルアセトアセテート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネート等が挙げられる。
低分子系界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジオクチルスルホンコハク酸塩、アルキルアミン酢酸塩、アルキル脂肪酸塩等が挙げられる。高分子系界面活性剤としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、カルボキシメチルセルロース、アクリル酸−マレイン酸塩コポリマー、オレフィン−マレイン酸塩コポリマー等が挙げられる。
また、本発明における顔料組成物に含有される無機微粒子は、有機顔料100部当り、1部以上であることが好ましく、5部以上であることがより好ましい。また、含有される無機微粒子はカラーフィルタ画素中の粒子成分が過大になることを防ぎ、輝度が向上するため50部以下であることが好ましく、40部以下であることがさらに好ましく、15部以下であることが最も好ましい。
<有機顔料の説明>
本発明に用いるフタロシアニン系顔料としては、公知のフタロシアニン系顔料をいずれも使用することができる。
例えば、C.I.ピグメントグリーン7、同36、同58、同59、同62、同63のような緑色顔料を用いることができる。
また、例えばC.I.ピグメントブルー15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:6、アルミニウムフタロシアニン誘導体のような青色顔料を用いることができる。
ここで、上記のアルミニウムフタロシアニン誘導体とは、例えば、下記一般式(3−1)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2018155853
(式(3−1)中、Rはハロゲン原子、ヒドロキシ基、又は下記一般式(3−2)で表される基である。)
Figure 2018155853
(式(3−2)中、Xは直接結合又は酸素原子である。Arはフェニル基又はナフチル基である。式中、アスタリスクは結合部位を示す。)
上記した式(3−1)中のRにおける前記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。中でも、Rにおける前記ハロゲン原子としては、塩素原子、又は臭素原子であることが好ましい。
式(3−1)中、Rは、塩素原子、臭素原子、ヒドロキシ基、又は上記一般式(3−2)で表される基であることが好ましい。
式(3−2)中、Xは酸素原子であることが好ましい。
式(3−1)の中でも好ましいものとしては、例えば、ヒドロキシアルミニウムフタロシアニン、クロロアルミニウムフタロシアニン、ブロモアルミニウムフタロシアニン、下記式(3−1−1)で表される化合物、下記式(3−1−2)で表される化合物、下記式(3−1−3)で表される化合物、下記式(3−1−4)で表される化合物などが挙げられる。
Figure 2018155853

Figure 2018155853

Figure 2018155853

Figure 2018155853
これらフタロシアニン系顔料は、1種単独で用いても良いし、2種以上を適宜選択して用いることもできる。
また、本発明に用いるフタロシアニン系顔料は、顔料誘導体および/もしくはポリマーによって被覆されていない粒子からなってもよいが、後記するカラーフィルタ用ペーストのような顔料分散液や、レジストのような光硬化性組成物へのより優れた親和性を確保するためには、顔料誘導体および/もしくはポリマーに被覆されていることが好ましい。
ポリマーについては、質量換算で、有機顔料100部に対して、ポリマー不揮発分は、0.5〜10部とすることが好ましい。この際のポリマーとしては、公知慣用のものをいずれも用いることが出来るが、フタロシアニン系顔料に対する相互作用が強く、顔料表面に吸着する単量体Aを有するアクリル系共重合体が好ましく、単量体Aとしては(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸1−ナフチル、(メタ)アクリル酸2−ナフチル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の炭化水素系環状化合物を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体が好ましい。また、単量体Aに加えて、顔料表面に吸着後、分散安定化効果を発揮する単量体Bも有するアクリル系共重合体が更に好ましく、単量体Bとしては(メタ)アクリル酸単量体や、グリシジル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル単量体が好ましい。また、アクリル系共重合体は、異なる複数の単量体Aを有していてもよいし、さらには異なる複数の単量体Aに単独または複数の単量体Bを共重合したアクリル系共重合体であっても良い。
さらに、単量体A、単量体Bに加え、それに共重合可能なその他の単量体を併用した重合体であっても良い。
なお、本発明において「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレートとアクリレートの一方又は両方をいい「(メタ)アクリル酸」とは、メタクリル酸とアクリル酸の一方又は両方をいう。
(メタ)アクリル酸エステルとは、(メタ)アクリル酸とその他の各種アルコールとから形成されるようなエステル結合を含有する化合物であり、上記アルコールに由来する、エステル結合COOの末端に炭素原子鎖を含有するものを言う。典型的には、前記炭素鎖がアルキル基であるものが、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと称されている。(メタ)アクリル酸アルキルエステルで言えば、側鎖はアルキル基を意味する。当業界では、(メタ)アクリル酸アルキルエステルばかりでなく、上記炭素鎖がアルキル基以外の化合物もよく知られていることから、本発明においては(メタ)アクリル酸アルキルエステルだけでなく、炭素鎖が、アルキル基以外の化合物を含めて、(メタ)アクリル酸エステルと称するものとする。
このような(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルである、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャルブチル(メタ)アクレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート〔ラウリル(メタ)アクリレート〕、オクタデシル(メタ)アクリレート〔ステアリル(メタ)アクリレート〕等のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等の脂環基を含有する(メタ)アクリル酸エステル;メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール#400(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、p−ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、p−ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のエーテル基を含有する(メタ)アクリル酸エステル;ベンジル(メタ)アクリレート等の芳香環を含有する(メタ)アクリル酸エステル;グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等のエポキシ基を含有する(メタ)アクリル酸エステル;アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート、アシッドホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノメタクリレート、及びアシッドホスホオキシポリオキシプロピレングリコールモノメタクリレート、エチレングリコールメタクリレートフォスフェート、プロピレングリコールメタクリレートフォスフェート、エチレングリコールアクリレートフォスフェート、プロピレングリコールアクリレートフォスフェート、また、市販品として、ホスマーM、ホスマーCL、ホスマーPE、ホスマーMH(以上、ユニケミカル社製)、ライトエステルP−1M(以上、共栄社化学社製)、JAMP−514(以上、城北化学工業社製)、KAYAMER PM−2、KAYAMER PM−21(以上、日本化薬社製)等のリン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。
その他の共単量体としては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、第3級カルボン酸ビニル等のビニルエステル類;ビニルピロリドン等の複素環式ビニル化合物;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等のハロゲン化オレフィン類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアノ基含有単量体;エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;メチルビニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン等のα−オレフィン類;ブタジエン、イソプレン等のジエン類;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、ジメチルスチレン、ターシャルブチルスチレン等のスチレン系単量体が挙げられる。
また、共重合可能な不飽和カルボン酸としては、例えば、クロトン酸、イソクロトン酸、2−(メタ)アクロイルオキシエチルサクシニック酸、2−(メタ)アクロイルオキシヘキサハイドロフタル酸、2−(メタ)アクロイルオキシエチルグルタレート;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のジカルボン酸及びその無水物;モノメチルマレイン酸、モノエチルマレイン酸、モノブチルマレイン酸、モノオクチルマレイン酸、モノメチルフマル酸、モノエチルフマル酸、モノブチルフマル酸、モノオクチルフマル酸、モノメチルイタコン酸、モノエチルイタコン酸、モノブチルイタコン酸、モノオクチルイタコン酸等のジカルボン酸のモノアルキルエステルなどが挙げられる。
本発明の顔料組成物を構成する有機顔料は、一次粒子でも、二次凝集体でも良いが、カラーフィルタ画素部の調製に用いるので、一次粒子径は汎用用途より微細であることが好ましい。このような観点から本発明の顔料組成物を構成する有機顔料は、一次粒子の平均粒子径が10nm〜80nmであることが好ましい。一次粒子の平均粒子径が100nm以上であると、画素部の輝度が低くなるので好ましくない。一次粒子の平均粒子は、次のように測定される。まず透過型電子顕微鏡又は走査型電子顕微鏡で視野内の粒子を撮影する。そして、二次元画像上の凝集体を構成する一次粒子の50個につき、個々の粒子の内径の最長の長さ(最大長)を求める。個々の粒子の最大長の平均値を一次粒子の平均粒子径とする。一方、粒子の最大長となる線に直交する様に無数に引くことが出来る仮想線のうち最短となる長さを最小長とし、これも50個につき求めることが出来る。
ところで、上記のような本発明の顔料組成物は安息角が45°以下であるという特徴がある。安息角とは、粉粒体粒子群が相互の摩擦によって、その表面層が静止状態を保つことができる水平面との間の最大角をいう。具体的には、粉粒体を小さな孔または隙間から平面上に連続的に落下堆積させた場合に生ずる円錐の母線あるいは斜面が水平面となす角をいう。本発明者らは、上記した課題、すなわち高輝度化及び粉体流動性改善において安息角が影響している可能性を着想し、上記のような顔料組成物を提供することが、従来検討されてきた発明を超えて顕著な効果を奏することを見出し、本発明を完成させたものである。なお、本発明において安息角は、JIS9301−2−2(アルミナ粉末−第2部:物性測定方法−2:安息角)に従い測定した。
本発明の顔料組成物は、粉体状態で、フタロシアニン系顔料粒子表面に少量の無機微粒子が付着することで、無機微粒子の粉体流動性効果が付与されたと思われる。また、カラーフィルタ内で有機顔料粒子間に少量の無機微粒子が入ることで、100〜280℃で、所定時間加熱処理(ポストベーク)時の、膜厚減少に起因する有機顔料粒子同士の融着や結晶成長を抑制することで輝度低下が抑えられ、結果として高い輝度を発現すると思われる。
本発明の顔料組成物は、例えば、有機顔料と、無機微粒子と、必要に応じて、その他の顔料誘導体やポリマーを、前記した質量割合となる様に、任意の順序で混合すれば製造することが出来る。本発明の顔料組成物は、予め有機顔料と誘導体とを充分に混合し、そこにその他の顔料誘導体やポリマーを加えても良い。必要であれば、有機顔料、無機微粒子、およびその他の顔料誘導体やポリマーを予め混合前に、混合しながら、或いは、混合後に、ボールミリングやアトライター等の公知慣用の手段により摩砕して、前記した好適な粒子径比率となる様にすることもできる。
しかしながら、より高い改良効果を発現させ、かつ前記した様な有機顔料と無機微粒子とが前記の好適な平均粒子径比率となる顔料組成物を簡便に製造する方法がある。それは、有機顔料と無機微粒子とをソルベントソルトミリング処理する方法、即ち、有機顔料と無機微粒子とをソルベントソルトミリングするカラーフィルタ用顔料組成物の製造方法において、有機顔料100部当たり無機微粒子10〜30部用いることを特徴とするカラーフィルタ用顔料組成物の製造方法である。
本発明においてソルベントソルトミリング処理とは、有機顔料と無機微粒子とを必須成分とする混合物を、無機塩と、有機溶剤とを混練摩砕することを意味する。この処理を行う場合には、有機顔料として粗顔料を用いることもできる。
このソルベントソルトミリング処理により、有機顔料と無機微粒子の微細化および分散が行われる。この処理により得られた顔料組成物は、カラーフィルタに含有されることにより、高い輝度を発現する。
前記した顔料誘導体やポリマーは、前記した様に本発明の顔料組成物を製造する任意の段階において、系内に含ませることが出来るが、各成分を均一に分散させる観点から、それは、予め有機顔料や無機微粒子に含有させてから、ソルベントソルトミリング処理されることが好ましい。
そのため、ソルベントソルトミリング処理は、顔料誘導体及び/又はポリマーを含有した、有機顔料と無機微粒子と、無機塩と、それを溶解しない有機溶剤とを混練摩砕することが好ましい。
ポリマーで有機顔料を被覆する代表的な方法としては、例えば、顔料組成物の製造前、製造中、製造後に、それを含ませる方法がある。具体的には、例えば、予め得たポリマーで被覆されていない本発明の顔料組成物に対して、ポリマーを加えて析出させる方法、ポリマーのエマルジョンを加える方法、ポリマーと共に混練磨砕する方法等がある。ソルベントソルトミリング処理において、有機顔料の結晶制御を充分に行うためには、顔料誘導体の優れた結晶成長抑制作用を利用することが好ましく、ポリマーが、有機顔料に誘導体が吸着することを阻害しない様にすることが好ましい。結晶制御が終了した後には、これら顔料や顔料誘導体等はポリマーで被覆されても良い。
ソルベントソルトミリング処理は、前記した各原料を混練機に仕込み、その中で混練摩砕することで行うことが出来る。この際の混練手段としては、例えば、ニーダーやミックスマーラー等の混練機が挙げられる。
前記摩砕用無機塩としては、水溶性無機塩が好適に使用出来、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等の無機塩を使用することが好ましい。また、平均粒子径が0.3〜70μmの無機塩を使用することがより好ましい。この様な無機塩としては、通常の摩砕用無機塩を微粉砕することにより容易に得ることが出来る。
本発明の好適な顔料組成物を得るに当たっては、無機塩の使用量を、質量換算で、有機顔料と無機微粒子とを必須成分として含む混合物の合計1部当たり3〜30部、なかでも7〜30部、特に15〜30部とするのが好ましい。
有機溶剤としては、例えば、ジエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングルコール、液体ポリプロピレングリコール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2ー(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングルコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール等を使用することが出来る。
有機溶剤の使用量は、特に限定されるものではないが、質量換算で、有機顔料と無機微粒子とを必須成分として含む混合物の合計1部当たり0.01〜5部が好ましい。
本発明の顔料組成物の製造方法においては、ソルベントソルトミリング処理をする際に、意図する色相に調色する目的で、必要であれば、二種以上の有機顔料や顔料誘導体を含有させることが出来る。
ソルベントソルトミリング処理において、前記した様な無機塩や有機溶剤は、最初の仕込段階で必要量全量を仕込んで以降そのまま、有機顔料と顔料誘導体を必須成分として含む混合物が、前記した必要な一次粒子の平均粒子径となるまで摩砕を行っても良いし、必要量の一部だけを仕込んで摩砕を開始し、途中で無機塩および/または有機溶剤の残量を、一括または分割して仕込む様にして摩砕を行う様にしても良い。
ソルベントソルトミリング処理時の温度は、150℃以下が好ましく、なかでも60〜120℃がより好ましい。また、ソルベントソルトミリング処理の時間は、3時間から36時間が好ましく、なかでも5〜24時間がより好ましい。
ソルベントソルトミリング中の経時サンプリングから、顔料組成物中の粒子の平均粒子径値等に基づいて、必要とする特性をもった本発明の顔料組成物を得るソルベントソルトミリングの条件を選定することが出来る。
こうして、本発明の顔料組成物、無機塩、有機溶剤を主成分として含む混合物が得られるが、この混合物から有機溶剤と、無機塩とを除去し、固形物を洗浄、濾過、乾燥、粉砕等を行うことにより、本発明の顔料組成物の粉体を得ることが出来る。
尚、この洗浄方法としては、水洗、湯洗のいずれをも採用することが出来る。水溶性無機塩および有機溶剤を用いた前記混合物の場合は、水洗することで容易に有機溶剤と無機塩を除去することが出来る。比電導度のもととなる物質は、極力除去されていることが好ましい。特に、カラーフィルタ画素部を調製するための本発明の顔料組成物は、比電導度50μS/cm以下、好ましくは20μS/cm以下となるまで洗浄を行うのが好ましい。
前記した洗浄、濾過後の乾燥方法としては、例えば、乾燥機に設置した加熱源による80〜120℃の加熱等により、液媒体を含んだ本発明の顔料組成物の脱水および/または脱溶剤をする回分式あるいは連続式で乾燥する方法等が挙げられる。またその際に使用する乾燥機としては、例えば、箱型乾燥機、バンド乾燥機、スプレードライヤー等が挙げられる。
乾燥後の粉砕方法としては、顔料組成物の比表面積を大きくしたり、一次粒子の平均粒子径を小さくするための操作ではなく、箱型乾燥機やバンド乾燥機を使用して乾燥する場合に、ランプ形状等のものとなった顔料組成物を解して粉末化するために行うものであり、例えば、乳鉢、ハンマーミル、ディスクミル、ピンミル、ジェットミル等による粉砕方法が挙げられる。
本発明の顔料組成物は、従来公知の方法でカラーフィルタ画素部に使用することが出来る。本発明の顔料組成物を使用してカラーフィルタ画素部を製造するに当たっては、顔料分散法が好適に採用出来る。
この方法で代表的な方法は、フォトリソグラフィー法であり、これは、後記する光硬化性組成物を、カラーフィルタ用の透明基板のブラックマトリックスを設けた側の面に塗布、加熱乾燥(プリベーク)した後、フォトマスクを介して紫外線を照射することでパターン露光を行って、画素部に対応する箇所の光硬化性化合物を硬化させた後、未露光部分を現像液で現像し、非画素部を除去して画素部を透明基板に固着させる方法である。この方法では、光硬化性組成物の硬化着色皮膜からなる画素部が透明基板上に形成される。
赤色、緑色、青色の各色ごとに、後記する光硬化性組成物を調製して、前記した操作を繰り返すことにより、所定の位置に赤色、緑色、青色の着色画素部を有するカラーフィルタを製造することが出来る。
赤色画素部を形成するための顔料としては、例えば、C.I.Pigment Red 254、同177などが挙げられる。
青色画素部を形成するための顔料としては、例えば、C.I.Pigment Blue 15:6(ε型銅フタロシアニン顔料)やC.I.Pigment Violet 23(ジオキサジンバイオレット顔料)等が挙げられる。
緑色画素部を形成するための顔料としては、例えば、C.I.Pigment Green 7、同36、同58、同59、同62、同63等の金属フタロシアニン顔料などが挙げられる。緑色画素部の形成には、C.I.Pigment Yellow 138、同139、同150等の黄色顔料を併用することもできる。その後、必要に応じて、未反応の光硬化性化合物を熱硬化させるために、カラーフィルタ全体を加熱処理(ポストベーク)することもできる。
後記する光硬化性組成物をガラス等の透明基板上に塗布する方法としては、例えば、スピンコート法、ロールコート法、インクジェット法等が挙げられる。
透明基板に塗布した光硬化性組成物の塗膜の乾燥条件は、各成分の種類、配合割合等によっても異なるが、通常、50〜150℃で、1〜15分間程度である。この加熱処理を一般に「プリベーク」という。また、光硬化性組成物の光硬化に用いる光としては、200〜500nmの波長範囲の紫外線、あるいは可視光を使用するのが好ましい。この波長範囲の光を発する各種光源が使用出来る。
現像方法としては、例えば、液盛り法、ディッピング法、スプレー法等が挙げられる。光硬化性組成物の露光、現像の後に、必要な色の画素部が形成された透明基板は水洗いし乾燥させる。こうして得られたカラーフィルタは、ホットプレート、オーブン等の加熱装置により、100〜280℃で、所定時間加熱処理(ポストベーク)することによって、着色塗膜中の揮発性成分を除去すると同時に、光硬化性組成物の硬化着色皮膜中に残存する未反応の光硬化性化合物が熱硬化し、カラーフィルタが完成する。
カラーフィルタの画素部を形成するための光硬化性組成物(顔料分散フォトレジストとも呼ばれる。)は、本発明の顔料組成物と、分散剤と、光硬化性化合物と、有機溶剤とを必須成分とし、必要に応じて熱可塑性樹脂を用いて、これらを混合することで調製することが出来る。画素部を形成する着色樹脂皮膜に、カラーフィルタの実生産で行われるベーキング等に耐え得る強靱性等が要求される場合には、前記光硬化性組成物を調製するに当たって、光硬化性化合物だけでなく、この熱可塑性樹脂を併用することが不可欠である。熱可塑性樹脂を併用する場合には、有機溶剤としては、それを溶解するものを使用するのが好ましい。
前記光硬化性組成物の製造方法としては、本発明の顔料組成物と、有機溶剤と分散剤とを必須成分として使用し、これらを混合し均一となる様に攪拌分散を行って、まずカラーフィルタの画素部を形成するための顔料分散液(着色ペーストとも呼ばれる。)を調製してから、そこに、光硬化性化合物と、必要に応じて熱可塑性樹脂や光重合開始剤等を加えて前記光硬化性組成物とする方法が一般的である。
ここで分散剤としては、例えば、ビックケミー社製のディスパービック130、ディスパービック161、ディスパービック162、ディスパービック163、ディスパービック170等が挙げられる。また、レベリング剤、カップリング剤、カチオン系の界面活性剤等も併せて使用可能である。
有機溶剤としては、例えば、トルエンやキシレン、メトキシベンゼン等の芳香族系溶剤、酢酸エチルや酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の酢酸エステル系溶剤、エトキシエチルプロピオネート等のプロピオネート系溶剤、メタノール、エタノール等のアルコール系溶剤、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクタム、N−メチル−2−ピロリドン、アニリン、ピリジン等の窒素化合物系溶剤、γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶剤、カルバミン酸メチルとカルバミン酸エチルの48:52の混合物の様なカルバミン酸エステル等が挙げられる。有機溶剤としては、特にプロピオネート系、アルコール系、エーテル系、ケトン系、窒素化合物系、ラクトン系等の極性溶媒で水可溶のものが好ましい。水可溶の有機溶剤を使用する場合には、それに水を併用することも出来る。
光硬化性組成物の調製に使用する熱可塑性樹脂としては、例えば、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド酸系樹脂、ポリイミド系樹脂、スチレンマレイン酸系樹脂、スチレン無水マレイン酸系樹脂等が挙げられる。
光硬化性化合物としては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ビス(アクリロキシエトキシ)ビスフェノールA、3−メチルペンタンジオールジアクリレート等のような2官能モノマー、トリメチルロールプロパトントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等の比較的分子量の小さな多官能モノマー、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート等の様な比較的分子量の大きな多官能モノマーが挙げられる。
光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタノール、ベンゾイルパーオキサイド、2−クロロチオキサントン、1,3−ビス(4’−アジドベンザル)−2−プロパン、1,3−ビス(4’−アジドベンザル)−2−プロパン−2’−スルホン酸、4,4’−ジアジドスチルベン−2,2’−ジスルホン酸等が挙げられる。
前記した様な各材料を使用して、本発明の顔料組成物は、質量換算で、その100部当たり、300〜1,000部の有機溶剤と、0〜100部の分散剤とを、均一となる様に攪拌分散して前記顔料分散液を得ることが出来る。次いで該顔料分散液に、本発明の顔料組成物1部当たり、熱可塑性樹脂と光硬化性化合物の合計が3〜20部、光硬化性化合物1部当たり0.05〜3部の光重合開始剤と、必要に応じてさらに有機溶剤を添加し、均一となる様に攪拌分散してカラーフィルタ画素部を形成するための光硬化性組成物を得ることが出来る。この様な光硬化性組成物は、通常は、分散粒子の平均粒子径が100nm以下となる様に調製される。
本発明の顔料組成物から調製された顔料分散液や光硬化性組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子さらに好ましくは、0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。
現像液としては、公知慣用の有機溶剤やアルカリ水溶液を使用することが出来る。特に前記光硬化性組成物に、熱可塑性樹脂または光硬化性化合物が含まれており、これらの少なくとも一方が酸価を有し、アルカリ可溶性を呈する場合には、アルカリ水溶液での洗浄がカラーフィルタ画素部の形成に効果的である。
顔料分散法のうち、フォトリソグラフィー法によるカラーフィルタ画素部の製造方法について詳記したが、本発明の顔料組成物を使用して調製されたカラーフィルタ画素部は、その他の電着法、転写法、ミセル電解法、PVED(Photovoltaic Electrodeposition)法等の方法で画素部を形成して、カラーフィルタを製造してもよい。
カラーフィルタは、青色顔料組成物、緑色顔料組成物、赤色顔料組成物を使用して得た各色の光硬化性組成物を使用し、平行な一対の透明電極間に液晶材料を封入し、透明電極を不連続な微細区間に分割すると共に、この透明電極上のブラックマトリクスにより格子状に区分けされた微細区間のそれぞれに、赤(R)、緑(G)および青(B)のいずれか1色から選ばれたカラーフィルタ着色画素部を交互にパターン状に設ける方法、あるいは基板上にカラーフィルタ着色画素部を形成した後、透明電極を設ける様にすることで得ることが出来る。
尚、本発明のカラーフィルタ用顔料組成物は、公知慣用の各種用途、例えば、塗料、プラスチック(樹脂成型品)、印刷インキ、ゴム、レザー、静電荷像現像用トナー、インクジェット記録用インキ、熱転写インキ等の着色にも適用することも出来る。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例及び比較例において特に断りがない場合は、「部」及び「%」は質量基準である。
また、後記する実施例で使用した測定方法は以下の通り。
[輝度の評価]
得られたカラーフィルタのC光源における色度x,y及び輝度を、分光光度計U−3900(株式会社日立ハイテクサイエンス製)で測定し、所定の色度における輝度を算出した。輝度は高いほど優れる。
[容器への付着抑制評価]
顔料組成物5gを15cm×19cmのポリ袋に入れ、空気を入れてポリ袋を膨らませたのち、ゴムバンドで封をして、1分間手で振った後、静置させ、目視により、ポリ袋への粉体付着の程度を下記の基準にて評価した。
〇:粉体の付着がわずかに認識されたが、ポリ袋の視認性に影響を与えない程度であった。
△:粉体の付着がやや認識され、ポリ袋の視認性に影響をやや与える程度であった。
×:粉体の付着が認識され、ポリ袋の視認性が悪化した。
[実施例1]
99部の平均一次粒子径23nmのC.I.ピグメントグリーン58と1部の日本アエロジル株式会社製ヒュームド酸化アルミニウムAEROXIDE AluC(無処理品、平均粒子径13nm)をドライブレンドし、緑色顔料組成物1を得た。
安息角は42°であり、容器への付着はやや付着し△であった。
2.48部の緑色顔料組成物1をビックケミー社製BYK−LPN6919 1.24部、DIC株式会社製 ユニディックZL−295 1.86部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10.92部と共に0.3−0.4mmφセプルビーズ(サンゴバン株式会社製)38部を用いて、東洋精機株式会社製ペイントコンディショナーで2時間分散して、着色組成物(MG1)を得た。着色組成物(MG1)4部、DIC株式会社製 ユニディックZL−295 0.98部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.22部を加えて、ペイントシェーカーで混合することでカラーフィルタ用緑色画素部を形成するための評価用組成物(CG1)を得た。この評価用組成物(CG1)をソーダガラスに色度y=0.500となるように膜厚を変えてスピンコートし、90℃で3分乾燥して評価用カラーフィルタ基板を得た。この評価用ガラス基板の輝度、コントラストを測定したところ、58.2、6700であった。更に、230℃で1時間焼成を行い、焼成後のカラーフィルタを得た。焼成後のカラーフィルタ基板の輝度、コントラストはそれぞれ、59.1、6400であった。
[実施例2]
実施例1の99部の平均一次粒子径23nmのC.I.ピグメントグリーン58を95部とし、1部の日本アエロジル株式会社製ヒュームド酸化アルミニウムAEROXIDE AluCを5部として、上記と同様にして緑色顔料組成物2を得た。 安息角は40°であり、容器への付着は少なく○であった。次に
着色組成物(MG2)、カラーフィルタ用緑色画素部を形成するための評価用組成物(CG2)、を作成し、90℃で3分乾燥して評価用カラーフィルタ基板を得た。この評価用ガラス基板の輝度、コントラストを測定したところ、58.3、6900であった。更に、230℃で1時間焼成を行い、焼成後のカラーフィルタを得た。焼成後のカラーフィルタ基板の輝度、コントラストはそれぞれ、59.1、6400であった。
[実施例3]
実施例1の99部の平均一次粒子径23nmのC.I.ピグメントグリーン58を90部とし、1部の日本アエロジル株式会社製ヒュームド酸化アルミニウムAEROXIDE AluCを10部として、上記と同様にして緑色顔料組成物3を得た。 安息角は40°であり、容器への付着は少なく○であった。次に、着色組成物(MG3)、カラーフィルタ用緑色画素部を形成するための評価用組成物(CG3)、を作成し、90℃で3分乾燥して評価用カラーフィルタ基板を得た。この評価用ガラス基板の輝度・コントラストを測定したところ、58.2、7000であった。更に、230℃で1時間焼成を行い、焼成後のカラーフィルタを得た。焼成後のカラーフィルタ基板の輝度、コントラストはそれぞれ、59.1、6400であった。
[比較例1]
実施例1の99部の平均一次粒子径23nmのC.I.ピグメントグリーン58を90部に、1部の日本アエロジル株式会社製ヒュームド酸化アルミニウムAEROXIDE AluCを、同社製ヒュームドシリカAEROSIL RA200H(表面処理品、平均粒子径12nm) 10部として、上記と同様にして緑色顔料組成物4を得た。 安息角は43°であり、容器への付着は少なく○であった。次に着色組成物(MG4)、カラーフィルタ用緑色画素部を形成するための評価用組成物(CG4)、を作成し、90℃で3分乾燥して評価用カラーフィルタ基板を得た。この評価用ガラス基板の輝度・コントラストを測定したところ、58.2、6200であった。更に、230℃で1時間焼成を行い、焼成後のカラーフィルタを得た。焼成後のカラーフィルタ基板の輝度、コントラストはそれぞれ、58.9、6200であった。
[比較例2]
平均一次粒子径23nmのC.I.ピグメントグリーン58の安息角は51°であり、容器への付着は多く×であった。
上記平均一次粒子径23nmのC.I.ピグメントグリーン58 2.48部をビックケミー社製BYK−LPN6919 1.24部、DIC株式会社製 ユニディックZL−295 1.86部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10.92部と共に0.3−0.4mmφセプルビーズ(サンゴバン株式会社製)38部を用いて、東洋精機株式会社製ペイントコンディショナーで2時間分散して、着色組成物(MG5)を得た。着色組成物(MG5)4部、DIC株式会社製 ユニディックZL−295 0.98部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.22部を加えて、ペイントシェーカーで混合することでカラーフィルタ用緑色画素部を形成するための評価用組成物(CG5)を得た。この評価用組成物(CG5)をソーダガラスに色度y=0.500となるように膜厚を変えてスピンコートし、90℃で3分乾燥して評価用カラーフィルタ基板を得た。この評価用ガラス基板の輝度を測定したところ、輝度、コントラストは58.2、6200であった。更に、230℃で1時間焼成を行い、焼成後のカラーフィルタを得た。焼成後のカラーフィルタ基板の輝度、コントラストはそれぞれ、58.8、6200であった。
上記実施例1、実施例2、実施例3、比較例1及び比較例2の評価結果を表1に示す。
Figure 2018155853
実施例と比較例との対比から分かる通り、本発明顔料組成物は、容器への付着が少なく、輝度の優れるカラーフィルタを与える。また、比較例1は、シリカが表面処理を行っているため、表面処理由来の生成物質が輝度低下を引き起こし、ポストベーク後の輝度向上が見られなかった。

Claims (3)

  1. フタロシアニン系顔料と、平均粒子径が5〜25nmである酸化アルミニウムと、を含有するカラーフィルタ用顔料組成物。
  2. フタロシアニン系顔料がハロゲン化亜鉛フタロシアニンであることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ用顔料組成物。
  3. 請求項1又は2に記載のカラーフィルタ用顔料組成物を含有することを特徴とするカラーフィルタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023243613A1 (ja) * 2022-06-16 2023-12-21 富士フイルム株式会社 組成物、熱伝導材料、デバイス、及び、改質された無機粒子の製造方法

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