JP2016118686A - カラーフィルタ用赤色顔料組成物、その製造方法およびカラーフィルタ - Google Patents
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【課題】分散性が高く優れた輝度を有する赤色顔料組成物、およびその製造方法、該赤色顔料組成物を赤色画素部に含有するカラーフィルタを提供する。【解決手段】赤色有機顔料と無機微粒子からなるカラーフィルタ用赤色顔料組成物において、屈折率が1.3〜1.8である無機微粒子の粒子径をD1、赤色有機顔料の粒子径D2とすると、D1/D2が、0.15〜0.99の範囲にあること特徴とするカラーフィルタ用赤色顔料組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、ディスプレイ用カラーフィルタの赤色画素部を形成するのに用いられる顔料組成物、およびその製造方法、該顔料組成物を含有するカラーフィルタに関する。
液晶表示装置のカラーフィルタは、赤色画素部(R)、緑色画素部(G)及び青色画素部(B)を有する。これらの各画素部は、いずれも有機顔料が分散した合成樹脂の薄膜が基板上に設けられた構造であり、有機顔料としては、赤、緑及び青の各色の有機顔料が用いられている。
これら画素部のうち、赤色画素部を形成するための赤色有機顔料としては、一般に、ジケトピロロピロール顔料(C.I.ピグメントレッド254)、ジアミノジアントラキノン顔料(C.I.ピグメントレッド177)、縮合アゾ顔料(C.I.ピグメントレッド242)が用いられており、必要に応じて調色のために、これに黄色有機顔料のイソインドリン顔料(C.I.ピグメントイエロー139)、ニッケルアゾ顔料(C.I.ピグメントイエロー150)等が併用されている。
カラーフィルタを作成する際の有機顔料は、従来の汎用用途とは全く異なる特性、具体的には、液晶表示装置の表示画面がよりハッキリ見える様にする(高コントラスト化)、或いは、同じく表示画面がより明るくなる様にする(高輝度化)等の要求がある。今まで、ジケトピロロピロール系顔料は、高輝度化が訴求されており、一方コントラストを補う目的でジアミノアントラキノン系顔料が補色として使用されてきていた。しかし、青味の色相であるジアミノアントラキノン系顔料の含有量が高くなると、目的とした色相に合わなくなる問題があり、ジケトピロロピロール系顔料単独での高コントラスト化の要求が高くなっている。この様な要求に応じるため、平均一次粒子径が100nm以下となる様に微細化された粉体の有機顔料が多用されている。そのため、顔料粒子の微細化により粒子同士の凝集が起こりやすくなるため、分散性を維持することがコントラストの要求を満たすために不可欠である。 赤色カラーフィルタには、色再現性、コントラスト等の光学特性の向上が望まれていが、近年は、省電力化の観点から、より高い輝度(Y)が求められるようになってきている。
赤色カラーフィルタの輝度(Y)を向上させるには赤色カラーフィルタ中の赤色顔料粒子径をできるだけ小さくし、かつ適度な距離をもって分散させる必要がある。
光学特性の改善を目的に、有機顔料に樹脂や分散剤、顔料誘導体により表面処理を施す技術が提案されているが、これにより得られる赤色カラーフィルタの輝度(Y)では十分とは言えない。(特許文献1)。
ところで、有機顔料を分散した着色組成物を調製する際、シリカ等の無機微粒子を配合する方法が提案されているが、その効果は、ポストベーク前後での分光特性の低下を抑制するものであり、輝度(Y)を根本的に向上させる効果は述べられていない。(特許文献2)
また、無機酸化物微粒子で被覆された有機顔料と、感光性樹脂を主成分とする感光性着色組成物が提案されているが、その効果は前記の特許文献2と同様に、UV硬化とベーク加熱硬化工程前後で、透明性の低下が抑制されるというものである。(特許文献3)
また、白色無機微粒子の表面に有機顔料を付着させた有機無機複合顔料が提案されているが、有機顔料の濃色効果のみで輝度(Y)には言及されていない。また、当該複合顔料は有機顔料に対し、白色無機微粒子の重量比が多く、カラーフィルタ中の粒子重量分が過大になる欠点がある。(特許文献4)
本発明が解決しようとする課題は、分散性が高く優れた輝度を有する赤色顔料組成物、およびその製造方法、該赤色顔料組成物を赤色画素部に含有するカラーフィルタを提供する。
本発明者らは、高い輝度(Y)を有する赤色顔料組成物について、鋭意検討したところ屈折率、特定の粒子径を有する無機微粒子の特定量存在下で、赤色顔料をソルベントソルトミリング処理する製造方法および、これにより得られる赤色顔料組成物によって、前記課題が解決することを見出し、本発明を開発するに至った。
すなわち、本発明は、赤色有機顔料と無機微粒子からなるカラーフィルタ用赤色顔料組成物において、屈折率が1.3〜1.8である無機微粒子の粒子径をD1、赤色有機顔料の粒子径D2とすると、D1/D2が、0.15〜0.99の範囲にあること特徴とするカラーフィルタ用赤色顔料組成物。
また、質量換算で前記赤色有機顔料100部対して無機微粒子が10〜30部からなるカラーフィルタ用赤色顔料組成物。
また、前記無機微粒子が表面処理剤で修飾されていることを特徴とするカラーフィルタ用赤色顔料組成物。
また、前記赤色有機顔料と無機微粒子の共存下でソルベントソルトミリングにより得ることを特徴とするカラーフィルタ用赤色顔料組成物の製造方法。
また、前記カラーフィルタ用赤色顔料組成物を含有することを特徴とするカラーフィルタ。
さらに、前記カラーフィルタ用赤色顔料組成物の製造方法で得られたカラーフィルタ用赤色顔料組成物を含有することを特徴とするカラーフィルタを提供する。
本発明のカラーフィルタ用赤色顔料組成物は、カラーフィルタの赤色画素部に含有することで、高い輝度(Y)を有するディスプレイ用カラーフィルタを得ることができる。
本発明のカラーフィルタ用赤色顔料組成物は、赤色有機顔料と屈折率が1.3〜1.8である無機微粒子からなり、かつ無機微粒子の粒子径をD1、赤色有機顔料の粒子径D2とすると、D1/D2が、0.15〜0.99の範囲にあること特徴とする。
本発明の赤色有機顔料は、緑色波長帯に吸収を持つ有機顔料であれば、特に限定されない。例を挙げれば、C.I.Pigment Red 177の様なアントラキノン系赤色顔料や、C.I.Pigment Red 254の様なジケトピロロピロール系赤色顔料、キナクリドンレッド等のキナクリドン顔料、パーマネントレッド等のアゾ系顔料、縮合アゾレッド等の縮合アゾ顔料、ペリレンレッド等のペリレン顔料、を用いることができ、一種もしくは二種類以上の顔料を用いても良い。
また、本発明の赤色有機顔料は、顔料誘導体および/もしくはポリマーによって被覆されてない粒子からなってもよいが、後記するカラーフィルタ用ペーストのような赤色顔料分散液や、レジストの様な光硬化性組成物へのより優れた親和性を確保するためには、顔料誘導体および/もしくはポリマーに被覆されていることが好ましい。
顔料誘導体については、特に化学構造を限定しないが、例えば、特開2007−31539公報の請求項1に記載のフタルイミドアルキル化キナクリドンからなる誘導体を用いるのが好ましい。
ポリマーについては、質量換算で、赤色顔料100部に対して、ポリマー不揮発分は、0.5〜10部とすることが好ましい。この際のポリマーとしては、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸ブチル−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸ラウリル−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸ラウリル−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸ベンジル−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸ベンジル−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、(メタ)アクリル酸ベンジル−(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体等が挙げられる。中でも、(メタ)アクリル酸ベンジル−(メタ)アクリル酸共重合体は、高分散性であり高いコントラストのカラーフィルタが得られることから、好ましい。
本発明の顔料組成物を構成する赤色有機顔料は、一次粒子でも、二次凝集体でも良いが、カラーフィルタ赤色画素部の調製に用いるので、一次粒子径は汎用用途より微細であることが好ましい。この様な観点から本発明の顔料組成物を構成する赤色有機顔料は、一次粒子の平均粒子径が10nm〜80nmであることが好ましい。一次粒子の平均粒子径が100nm以上であると、画素部の輝度が低くなるので好ましくない。一次粒子の平均粒子は、次の様に測定される。まず透過型電子顕微鏡又は走査型電子顕微鏡で視野内の粒子を撮影する。そして、二次元画像上の凝集体を構成する一次粒子の50個につき、個々の粒子の内径の最長の長さ(最大長)を求める。個々の粒子の最大長の平均値を一次粒子の平均粒子径とする。一方、粒子の最大長となる線に直交する様に無数に引くことが出来る仮想線のうち最短となる長さを最小長とし、これも50個につき求めることが出来る。
アスペクト比は、この様にして得られた個々の粒子の最大長の平均値と最小長の平均値
を求め、これらの値を用いて(最大長の平均値)/(最小長の平均値)に基づいて算出す
る。本発明の顔料組成物を構成する赤色有機顔料は、アスペクト比1〜3の範囲にあることが好ましい。
を求め、これらの値を用いて(最大長の平均値)/(最小長の平均値)に基づいて算出す
る。本発明の顔料組成物を構成する赤色有機顔料は、アスペクト比1〜3の範囲にあることが好ましい。
発明における無機微粒子は、赤色有機顔料の粒子間スペーサーとして機能させるため、水および溶剤に不溶であれば、特に化学組成に制限は無く、一種もしくは二種以上の無機微粒子を用いることができる。
また、本発明における無機微粒子の屈折率は、光の散乱による輝度の低下を抑制する観点から、樹脂との屈折率の差ができるだけ小さいことが好ましい。樹脂の屈折率は一般的に1.4〜1.7の範囲であることから、無機微粒子の屈折率は、1.3〜1.8であることがより好ましく、シリカ(屈折率1.45)、炭酸カルシウム(屈折率1.59)、アルミナ(屈折率1.76)、硫酸バリウム(屈折率1.64)であることが更に好ましい。
一方、カラーフィルタを硬化する際に多用される365nmにおけるUV遮光能を有する酸化ジルコニウム(屈折率2.40)、酸化チタン(屈折率2.52)、酸化亜鉛(屈折率1.95)等の無機微粒子は本発明には適さない。
本発明における無機微粒子は、表面処理は必ずしも施されている必要はないが、赤色有機顔料および、カラーフィルタ用ペーストのような赤色顔料分散液や、レジストの様な光硬化性組成物へのより優れた親和性を確保するために、表面処理をされていることが好ましい。
表面処理剤としては、アルコキシシラン、フルオロアルキルシラン、シラン系カップリング剤及びオルガノポリシロキサン等の有機ケイ素化合物、チタネート系、アルミネート系及びジルコネート系などのカップリング剤、低分子あるいは高分子界面活性剤等が好適に用いられる。
有機ケイ素化合物としては、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン及びデシルトリエトキシシラン等のアルコキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、トルフルオロプロピルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン及びトリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン等のフルオロアルキルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ―アミノプロピルトリエトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ―メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ―メタクロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等のシラン系カップリング剤、ポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、変性ポリシロキサン等のオルガノポリシロキサン等が挙げられる。
チタネート系カップリング剤としては、イソプロピルトリステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル・アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスフェートチタネート、テトラ(2,2ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスフェートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート等が挙げられる。
アルミネート系カップリング剤としては、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムジイソプロポキシモノエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート等が挙げられる。
ジルコネート系カップリング剤としては、ジルコニウムテトラキスアセチルアセトネート、ジルコニウムジブトキシビスアセチルアセトネート、ジルコニウムテトラキスエチルアセトアセテート、ジルコニウムトリボトキシモノエチルアセトアセテート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネート等が挙げられる。
低分子系界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジオクチルスルホンコハク酸塩、アルキルアミン酢酸塩、アルキル脂肪酸塩等が挙げられる。高分子系界面活性剤としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、カルボキシメチルセルロース、アクリル酸−マレイン酸塩コポリマー、オレフィン−マレイン酸塩コポリマー等が挙げられる。
本発明における無機微粒子の粒子径について、赤色有機顔料および無機微粒子が球状であり、粒子径D2の赤色有機顔料が細密充填構造で凝集した際に生じる間隙に、粒子径D1の無機微粒子が配置される状態を仮定した場合、赤色有機顔料の細密充填凝集構造を維持できなくせしめうる無機微粒子の最低粒子径は、(√3−1−1/√3)×D2=0.154×D2で与えられる。
また、D1=D2の場合、無機微粒子が赤色有機顔料と単純に置き換わる構造になるため、赤色有機顔料の細密充填凝集構造を崩す粒子としては機能しなくなる。
従って、本発明における無機微粒子の粒子径D1は、赤色有機顔料の粒子径をD2としたとき、D1/D2が、0.15〜0.99の範囲にあることが好ましい。さらに、無機微粒子によって赤色有機顔料の粒子間隔を広げ、より高い輝度(Y)を発現せしめうる顔料組成物とするためには、D1/D2は0.30以上であることがより好ましく、少量の無機微粒子で赤色有機顔料の粒子間距離を広げるためには、D1/D2は0.80以下であることがより好ましい。
また、本発明における顔料組成物に含有される無機微粒子は、赤色有機顔料100部当り、1部以上であることが好ましく、10部以上含有されることがより好ましい。また、含有される無機微粒子は50部以上になると、カラーフィルタ画素中の粒子成分が過大となり、輝度(Y)が低下することから、40部以下が好ましく、30部以下であることがより好ましい。
また、本発明における無機微粒子は一次粒子であっても、凝集粒子であっても良い。また、粒子形状は、球状、粒状、多面体状、針状、紡錘状、米粒状、フレーク状、燐片状及び板状等のいずれの形状であっても良い。無機微粒子の粒子径及び形状は前述の赤色有機顔料と同様の方法で電子顕微鏡観察により求めることができる。
本発明の顔料組成物は、有機顔料粒子および、有機顔料粒子よりも更に微細な無機微粒子を含有することにより、有機顔料粒子と無機微粒子とが強いファンデルワールス力で引き合った複合顔料凝集粒子を形成し、これを含有してなる赤色カラーフィルタ画素部は、無機微粒子が有機顔料間の近接を妨げることにより、有機顔料粒子が空間的に分散された状態が保たれ、高い輝度(Y)を発現すると思われる。
本発明の顔料組成物は、例えば、赤色有機顔料と、無機微粒子と、必要に応じて、その他の顔料誘導体やポリマーを、前記した質量割合となる様に、任意の順序で混合すれば製造することが出来る。本発明の顔料組成物は、予め赤色有機顔料と誘導体とを充分に混合し、そこにその他の顔料誘導体やポリマーを加えても良い。必要であれば、赤色有機顔料、無機微粒子、およびその他の顔料誘導体やポリマーを予め混合前に、混合しながら、或いは、混合後に、ボールミリングやアトライター等の公知慣用の手段により摩砕して、前記した好適な粒子径比率となる様にすることも出来る。
しかしながら、より高い改良効果を発現させ、かつ前記した様な赤色有機顔料と無機微粒子とが前記の好適な平均粒子径比率となる顔料組成物を簡便に製造する方法がある。それは、赤色有機顔料と無機微粒子とをソルベントソルトミリング処理する方法、即ち、赤色有機顔料と無機微粒子とをソソルベントソルトミリングするカラーフィルタ用赤色顔料組成物の製造方法において、赤色有機顔料100部当たり無機微粒子10〜30部用いることを特徴とするカラーフィルタ用顔料組成物の製造方法である。
本発明においてソルベントソルトミリング処理とは、赤色有機顔料と無機微粒子とを必須成分とする混合物を、無機塩と、有機溶剤とを混練摩砕することを意味する。この処理を行う場合には、赤色有機顔料として粗顔料を用いることも出来る。
このソルベントソルトミリング処理により、赤色有機顔料と無機微粒子の微細化および分散が行われる。この処理により得られた顔料組成物は、カラーフィルタに含有されることにより、高い輝度(Y)を発現する。
前記した顔料誘導体やポリマーは、前記した様に本発明の顔料組成物を製造する任意の段階において、系内に含ませることが出来るが、各成分を均一に分散させる観点から、それは、予め赤色顔料や無機微粒子に含有させてから、ソルベントソルトミリング処理されることが好ましい。
そのため、ソルベントソルトミリング処理は、顔料誘導体及び/又はポリマーを含有した、赤色有機顔料と無機微粒子と、無機塩と、それを溶解しない有機溶剤とを混練摩砕することが好ましい。
ポリマーで赤色有機顔料を被覆する代表的な方法としては、例えば、顔料組成物の製造前、製造中、製造後に、それを含ませる方法がある。具体的には、例えば、予め得たポリマーで被覆されていない本発明の顔料組成物に対して、ポリマーを加えて析出させる方法、ポリマーのエマルジョンを加える方法、ポリマーと共に混練磨砕する方法等がある。ソルベントソルトミリング処理において、赤色有機顔料の結晶制御を充分に行うためには、顔料誘導体の優れた結晶成長抑制作用を利用することが好ましく、ポリマーが、赤色有機顔料に誘導体が吸着することを阻害しない様にすることが好ましい。結晶制御が終了した後には、これら赤色顔料や顔料誘導体等はポリマーで被覆されても良い。
ソルベントソルトミリング処理は、前記した各原料を混練機に仕込み、その中で混練摩砕することで行うことが出来る。この際の混練手段としては、例えば、ニーダーやミックスマーラー等の混練機が挙げられる。
前記摩無機塩としては、水溶性無機塩が好適に使用出来、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等の無機塩を使用することが好ましい。また、平均粒子径が0.3〜70μmの無機塩を使用することがより好ましい。この様な無機塩としては、通常の摩砕用無機塩を微粉砕することにより容易に得ることが出来る。
本発明の好適な顔料組成物を得るに当たっては、無機塩の使用量を、質量換算で、赤色有機顔料と無機微粒子とを必須成分として含む混合物の合計1部当たり3〜30部、なかでも7〜30部、特に15〜30部とするのが好ましい。
有機溶剤としては、例えば、ジエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングルコール、液体ポリプロピレングリコール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2ー(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングルコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール等を使用することが出来る。
有機溶剤の使用量は、特に限定されるものではないが、質量換算で、赤色有機顔料と無機微粒子とを必須成分として含む混合物の合計1部当たり0.01〜5部が好ましい。
本発明の製造方法においては、ソルベントソルトミリング処理をする際に、意図する色
相に調色する目的で、必要であれば、二種以上の赤色有機顔料や顔料誘導体を含有させることが出来る。
相に調色する目的で、必要であれば、二種以上の赤色有機顔料や顔料誘導体を含有させることが出来る。
ソルベントソルトミリング処理において、前記した様な無機塩や有機溶剤は、最初の仕込段階で必要量全量を仕込んで以降そのまま、赤色有機顔料と顔料誘導体を必須成分として含む混合物が、前記した必要な一次粒子の平均粒子径となるまで摩砕を行っても良いし、必要量の一部だけを仕込んで摩砕を開始し、途中で無機塩および/または有機溶剤の残量を、一括または分割して仕込む様にして摩砕を行う様にしても良い。
ソルベントソルトミリング処理時の温度は、150℃以下が好ましく、なかでも60〜120℃がより好ましい。また、ソルベントソルトミリング処理の時間は、3時間から36時間が好ましく、なかでも5〜24時間がより好ましい。
ソルベントソルトミリング中の経時サンプリングから、顔料組成物中の粒子の平均粒子径値等に基づいて、必要とする特性をもった本発明の顔料組成物を得るソルベントソルトミリングの条件を選定することが出来る。
こうして、本発明の顔料組成物、無機塩、有機溶剤を主成分として含む混合物が得られるが、この混合物から有機溶剤と、無機塩とを除去し、固形物を洗浄、濾過、乾燥、粉砕等を行うことにより、本発明の顔料組成物の粉体を得ることが出来る。
尚、この洗浄方法としては、水洗、湯洗のいずれをも採用することが出来る。水溶性無機塩および有機溶剤を用いた前記混合物の場合は、水洗することで容易に有機溶剤と無機塩を除去することが出来る。比電導度のもとなる物質は、極力除去されていることが好ましい。特に、カラーフィルタ画素部を調製するための本発明の顔料組成物は、比電導度50μS/cm以下、好ましくは20μS/cm以下となるまで洗浄を行うのが好ましい。
前記した洗浄、濾過後の乾燥方法としては、例えば、乾燥機に設置した加熱源による80〜120℃の加熱等により、液媒体を含んだ本発明の顔料組成物の脱水および/または脱溶剤をする回分式あるいは連続式で乾燥する方法等が挙げられる。またその際に使用する乾燥機としては、例えば、箱型乾燥機、バンド乾燥機、スプレードライヤー等が挙げられる。
乾燥後の粉砕方法としては、顔料組成物の比表面積を大きくしたり、一次粒子の平均粒子径を小さくするための操作ではなく、箱型乾燥機やバンド乾燥機を使用して乾燥する場合に、ランプ形状等のものとなった顔料組成物を解して粉末化するために行うものであり、例えば、乳鉢、ハンマーミル、ディスクミル、ピンミル、ジェットミル等による粉砕方法が挙げられる。
本発明の顔料組成物は、従来公知の方法でカラーフィルタ赤色画素部、同赤色画素部形成用赤色顔料の調製に使用することが出来る。本発明の顔料組成物を使用してカラーフィルタ赤色画素部を製造するに当たっては、顔料分散法が好適に採用出来る。
この方法で代表的な方法は、フォトリソグラフィー法であり、これは、後記する光硬化性組成物を、カラーフィルタ用の透明基板のブラックマトリックスを設けた側の面に塗布、加熱乾燥(プリベーク)した後、フォトマスクを介して紫外線を照射することでパターン露光を行って、画素部に対応する箇所の光硬化性化合物を硬化させた後、未露光部分を現像液で現像し、非画素部を除去して画素部を透明基板に固着させる方法である。この方法では、光硬化性組成物の硬化着色皮膜からなる画素部が透明基板上に形成される。
赤色、緑色、青色の各色ごとに、後記する光硬化性組成物を調製して、前記した操作を繰り返すことにより、所定の位置に赤色、緑色、青色の着色画素部を有するカラーフィルタを製造することが出来る。前記した様に、本発明の顔料組成物からは、赤色画素部、同赤色画素部形成用赤色顔料が調製される。尚、青色画素部および緑色画素部を形成するための光硬化性組成物を調製するには、公知慣用の青色顔料と緑色顔料を使用することが出来る。
青色画素部を形成するための顔料としては、例えば、C.I.Pigment Blue 15:6(ε型銅フタロシアニン顔料)やC.I.Pigment Violet 23(ジオキサジンバイオレット顔料)等が、緑色画素部を形成するための顔料としては、例えば、C.I.Pigment Green 7、同10、同36、同47、同58等のハロゲン化金属フタロシアニン顔料が挙げられる。緑色画素部の形成には、C.I.Pigment Yellow 138、同139、同150等の黄色顔料を併用することも出来る。その後、必要に応じて、未反応の光硬化性化合物を熱硬化させるために、カラーフィルタ全体を加熱処理(ポストベーク)することも出来る。
後記する光硬化性組成物をガラス等の透明基板上に塗布する方法としては、例えば、スピンコート法、ロールコート法、インクジェット法等が挙げられる。
透明基板に塗布した光硬化性組成物の塗膜の乾燥条件は、各成分の種類、配合割合等によっても異なるが、通常、50〜150℃で、1〜15分間程度である。この加熱処理を一般に「プリベーク」という。また、光硬化性組成物の光硬化に用いる光としては、200〜500nmの波長範囲の紫外線、あるいは可視光を使用するのが好ましい。この波長範囲の光を発する各種光源が使用出来る。
現像方法としては、例えば、液盛り法、ディッピング法、スプレー法等が挙げられる。光硬化性組成物の露光、現像の後に、必要な色の画素部が形成された透明基板は水洗いし乾燥させる。こうして得られたカラーフィルタは、ホットプレート、オーブン等の加熱装置により、100〜280℃で、所定時間加熱処理(ポストベーク)することによって、着色塗膜中の揮発性成分を除去すると同時に、光硬化性組成物の硬化着色皮膜中に残存する未反応の光硬化性化合物が熱硬化し、カラーフィルタが完成する。
カラーフィルタの赤色画素部を形成するための光硬化性組成物(顔料分散フォトレジストとも呼ばれる。)は、本発明の顔料組成物と、分散剤と、光硬化性化合物と、有機溶剤とを必須成分とし、必要に応じて熱可塑性樹脂を用いて、これらを混合することで調製することが出来る。赤色画素部を形成する着色樹脂皮膜に、カラーフィルタの実生産で行われるベーキング等に耐え得る強靱性等が要求される場合には、前記光硬化性組成物を調製するに当たって、光硬化性化合物だけでなく、この熱可塑性樹脂を併用することが不可欠である。熱可塑性樹脂を併用する場合には、有機溶剤としては、それを溶解するものを使用するのが好ましい。
前記光硬化性組成物の製造方法としては、本発明の顔料組成物と、有機溶剤と分散剤とを必須成分として使用し、これらを混合し均一となる様に攪拌分散を行って、まずカラーフィルタの赤色画素部を形成するための顔料分散液(着色ペーストとも呼ばれる。)を調製してから、そこに、光硬化性化合物と、必要に応じて熱可塑性樹脂や光重合開始剤等を加えて前記光硬化性組成物とする方法が一般的である。
ここで分散剤としては、例えば、ビックケミー社製のディスパービック130、ディスパービック161、ディスパービック162、ディスパービック163、ディスパービック170、エフカ社製のエフカ46、エフカ47等が挙げられる。また、レベリング剤、カップリング剤、カチオン系の界面活性剤等も併せて使用可能である。
有機溶剤としては、例えば、トルエンやキシレン、メトキシベンゼン等の芳香族系溶剤、酢酸エチルや酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の酢酸エステル系溶剤、エトキシエチルプロピオネート等のプロピオネート系溶剤、メタノール、エタノール等のアルコール系溶剤、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクタム、N−メチル−2−ピロリドン、アニリン、ピリジン等の窒素化合物系溶剤、γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶剤、カルバミン酸メチルとカルバミン酸エチルの48:52の混合物の様なカルバミン酸エステル等が挙げられる。有機溶剤としては、特にプロピオネート系、アルコール系、エーテル系、ケトン系、窒素化合物系、ラクトン系等の極性溶媒で水可溶のものが好ましい。水可溶の有機溶剤を使用する場合には、それに水を併用することも出来る。
光硬化性組成物の調製に使用する熱可塑性樹脂としては、例えば、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド酸系樹脂、ポリイミド系樹脂、スチレンマレイン酸系樹脂、スチレン無水マレイン酸系樹脂等が挙げられる。
光硬化性化合物としては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ビス(アクリロキシエトキシ)ビスフェノールA、3−メチルペンタンジオールジアクリレート等のような2官能モノマー、トリメチルロールプロパトントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等の比較的分子量の小さな多官能モノマー、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート等の様な比較的分子量の大きな多官能モノマーが挙げられる。
光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタノール、ベンゾイルパーオキサイド、2−クロロチオキサントン、1,3−ビス(4’−アジドベンザル)−2−プロパン、1,3−ビス(4’−アジドベンザル)−2−プロパン−2’−スルホン酸、4,4’−ジアジドスチルベン−2,2’−ジスルホン酸等が挙げられる。
前記した様な各材料を使用して、本発明の顔料組成物は、質量換算で、その100部当たり、300〜1,000部の有機溶剤と、0〜100部の分散剤とを、均一となる様に攪拌分散して前記顔料分散液を得ることが出来る。次いで該顔料分散液に、本発明の顔料組成物1部当たり、熱可塑性樹脂と光硬化性化合物の合計が3〜20部、光硬化性化合物1部当たり0.05〜3部の光重合開始剤と、必要に応じてさらに有機溶剤を添加し、均一となる様に攪拌分散してカラーフィルタ赤色画素部を形成するための光硬化性組成物を得ることが出来る。この様な光硬化性組成物は、通常は、分散粒子の平均粒子径が100nm以下となる様に調製される。
本発明の顔料組成物から調製された赤色顔料分散液や光硬化性組成物は、遠心分離、焼
結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子さらに好ましくは、0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去
を行うことが好ましい。
結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子さらに好ましくは、0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去
を行うことが好ましい。
現像液としては、公知慣用の有機溶剤やアルカリ水溶液を使用することが出来る。特に前記光硬化性組成物に、熱可塑性樹脂または光硬化性化合物が含まれており、これらの少なくとも一方が酸価を有し、アルカリ可溶性を呈する場合には、アルカリ水溶液での洗浄がカラーフィルタ青色画素部の形成に効果的である。
顔料分散法のうち、フォトリソグラフィー法によるカラーフィルタ赤色画素部の製造方法について詳記したが、本発明の顔料組成物を使用して調製されたカラーフィルタ赤色画素部は、その他の電着法、転写法、ミセル電解法、PVED(Photovoltaic Electrodeposition)法等の方法で赤色画素部を形成して、カラーフィルタを製造してもよい。
カラーフィルタは、青色顔料組成物、緑色顔料組成物、ならびに赤色である本発明の顔料組成物を使用して得た各色の光硬化性組成物を使用し、平行な一対の透明電極間に液晶材料を封入し、透明電極を不連続な微細区間に分割すると共に、この透明電極上のブラックマトリクスにより格子状に区分けされた微細区間のそれぞれに、赤(R)、緑(G)および青(B)のいずれか1色から選ばれたカラーフィルタ着色画素部を交互にパターン状に設ける方法、あるいは基板上にカラーフィルタ着色画素部を形成した後、透明電極を設ける様にすることで得ることが出来る。
本発明のカラーフィルタとしては、RGBの三色画素とブラックマトリックスを含有する液晶カラーフィルタにおいて、赤色画素部が、前記した様な顔料組成物を含有し、緑色画素部がハロゲン化金属フタロシアニン系顔料を含有し、かつ青色画素部がε型銅フタロシアニン顔料を含有することを特徴とする液晶カラーフィルタであることが、再現出来る色域がより広い観点から好ましい。
勿論、必要に応じて赤色画素部には、更にアントラキノン系赤色顔料を、緑色画素部にはニッケルアゾ錯体顔料を、青色画素部にはジオキサジンバイレット顔料を、更に含有させた液晶カラーフィルタとすることも出来る。
尚、本発明のカラーフィルタ用顔料組成物は、公知慣用の各種用途、例えば、塗料、プラスチック(樹脂成型品)、印刷インキ、ゴム、レザー、静電荷像現像用トナー、インクジェット記録用インキ、熱転写インキ等の着色にも適用することも出来る。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例および比較例中、部も%とは質量基準である。
[製造例1]
ジケトピロロピロール粗顔料(DIC株式会社製)30部、下記一般式(1)で表されるフタルイミドメチル化ジクロロキナクリドン(DIC株式会社製)6部、(メタ)アクリル酸ベンジル−(メタ)アクリル酸共重合体(DIC株式会社製のアクリル樹脂溶液ユニディック(登録商標)ZL−295を、80℃0.1kPaで減圧乾燥して得られた不揮発成分)4部、塩化ナトリウム400部、およびジエチレングリコール(和光純薬製:特級)70部をステンレス製1Lニーダー(吉田製作所製)に仕込み、80℃で5時間混練した。つぎにこの混合物を2リットルの温水に投入し、30分間攪拌してスラリー状とし、比電導度150μS/cm以下となるまで濾過、水洗をくりかえして塩化ナトリウムおよび溶剤を除いた後、90℃で17時間乾燥、粉砕し、カラーフィルタ用赤色顔料組成物35部を得た。
ジケトピロロピロール粗顔料(DIC株式会社製)30部、下記一般式(1)で表されるフタルイミドメチル化ジクロロキナクリドン(DIC株式会社製)6部、(メタ)アクリル酸ベンジル−(メタ)アクリル酸共重合体(DIC株式会社製のアクリル樹脂溶液ユニディック(登録商標)ZL−295を、80℃0.1kPaで減圧乾燥して得られた不揮発成分)4部、塩化ナトリウム400部、およびジエチレングリコール(和光純薬製:特級)70部をステンレス製1Lニーダー(吉田製作所製)に仕込み、80℃で5時間混練した。つぎにこの混合物を2リットルの温水に投入し、30分間攪拌してスラリー状とし、比電導度150μS/cm以下となるまで濾過、水洗をくりかえして塩化ナトリウムおよび溶剤を除いた後、90℃で17時間乾燥、粉砕し、カラーフィルタ用赤色顔料組成物35部を得た。
(但し、フタルイミドメチル基の置換数nは1〜3である。)
[製造例2]
シリカ(YA010C−SP3(製品名):株式会社アドマテックス製)(屈折率1.45)4部を追加で仕込む以外は、製造例1と同様に行った。
シリカ(YA010C−SP3(製品名):株式会社アドマテックス製)(屈折率1.45)4部を追加で仕込む以外は、製造例1と同様に行った。
[製造例3]
シリカ(YA010C−SP3(製品名):株式会社アドマテックス製)(屈折率1.45)8部を追加で仕込む以外は、製造例1と同様に行った。
シリカ(YA010C−SP3(製品名):株式会社アドマテックス製)(屈折率1.45)8部を追加で仕込む以外は、製造例1と同様に行った。
[製造例4]
シリカ(YA010C−SP3(製品名):株式会社アドマテックス製)(屈折率1.45)16部を追加で仕込む以外は、製造例1と同様に行った。
シリカ(YA010C−SP3(製品名):株式会社アドマテックス製)(屈折率1.45)16部を追加で仕込む以外は、製造例1と同様に行った。
[製造例5]
オルガノシリカゾル(MIBK−SD(製品名)シリカ30wt%:日産化学工業株式会社製)を、25℃、0.1kPaで24時間減圧乾燥して得られたシリカ(屈折率1.45)4部を追加で得仕込む以外は、製造例1と同様に行った。
オルガノシリカゾル(MIBK−SD(製品名)シリカ30wt%:日産化学工業株式会社製)を、25℃、0.1kPaで24時間減圧乾燥して得られたシリカ(屈折率1.45)4部を追加で得仕込む以外は、製造例1と同様に行った。
[製造例6]
オルガノシリカゾル(MIBK−SDL(製品名)シリカ30wt%:日産化学工業株式会社製)を、25℃、0.1kPaで24時間減圧乾燥して得られたシリカ(屈折率1.45)4部を追加で得仕込む以外は、製造例1と同様に行った。
オルガノシリカゾル(MIBK−SDL(製品名)シリカ30wt%:日産化学工業株式会社製)を、25℃、0.1kPaで24時間減圧乾燥して得られたシリカ(屈折率1.45)4部を追加で得仕込む以外は、製造例1と同様に行った。
[製造例7]
炭酸カルシウム(屈折率1.58)(微細炭酸カルシウム(試作品):白石カルシウム株式会社製)4部を追加で仕込む以外は、製造例1と同様に行った。
炭酸カルシウム(屈折率1.58)(微細炭酸カルシウム(試作品):白石カルシウム株式会社製)4部を追加で仕込む以外は、製造例1と同様に行った。
[製造例8]
炭酸カルシウム(屈折率1.58)(ハクエンカO(製品名):白石カルシウム株式会社製)4部を追加で仕込む以外は、製造例1と同様に行った。
炭酸カルシウム(屈折率1.58)(ハクエンカO(製品名):白石カルシウム株式会社製)4部を追加で仕込む以外は、製造例1と同様に行った。
[製造例9]
ジルコニア(ナノジルコニア分散体(製品名):住友大阪セメント株式会社製)を、25℃、0.1kPaで24時間減圧乾燥して得られたジルコニア(屈折率2.40)4部を、追加で仕込む以外は、製造例1と同様に行った。
ジルコニア(ナノジルコニア分散体(製品名):住友大阪セメント株式会社製)を、25℃、0.1kPaで24時間減圧乾燥して得られたジルコニア(屈折率2.40)4部を、追加で仕込む以外は、製造例1と同様に行った。
[粒子径測定方法]
透過型電子顕微鏡で視野内の粒子を撮影した。粒子の50個につき、個々の粒子の内径の最長の長さ(最大長)を求めた。個々の粒子の最大長の平均値を平均粒子径とした。
透過型電子顕微鏡で視野内の粒子を撮影した。粒子の50個につき、個々の粒子の内径の最長の長さ(最大長)を求めた。個々の粒子の最大長の平均値を平均粒子径とした。
(実施例1)
製造例2で得たカラーフィルタ用赤色顔料組成物 11部と、FASTOGEN SUPER RED ATY(DIC株式会社製C.I.Pigment Red 177)4.3部をポリビンに入れ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(株式会社クラレ製)89.7部、DISPERBYK LPN21116(ビックケミー株式会社製)17.6部、0.3−0.4mmφセプルビーズを加え、ペイントコンディショナー(東洋精機株式会社製)で2時間分散し、顔料分散体を得た。
得られた顔料分散体29部、アクリル樹脂溶液ユニディック(登録商標)ZL−295(DIC株式会社製)9.2部を分散攪拌機(倉敷紡績(株)製 MAZERUSTAR)で攪拌し、カラーフィルタ赤色画素部を形成するための組成物を得た。その組成物をスピンコーターによりガラス基板上に塗布した。スピンコーターの回転数は600、800、1000、1200rpmとし、組成物の塗布膜厚の異なる4種のガラス板を作成した。こうして得られた、組成物が塗布された各ガラス板を90℃で3分間加熱し、カラーフィルタ赤色画素部を得た。得られたカラーフィルタ赤色画素部を後述の輝度(Y)測定方法にて測定した後、各カラーフィルタ赤色画素部を230℃1時間の加熱によりポストベーク処理した後、再び輝度(Y)を測定した。
製造例2で得たカラーフィルタ用赤色顔料組成物 11部と、FASTOGEN SUPER RED ATY(DIC株式会社製C.I.Pigment Red 177)4.3部をポリビンに入れ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(株式会社クラレ製)89.7部、DISPERBYK LPN21116(ビックケミー株式会社製)17.6部、0.3−0.4mmφセプルビーズを加え、ペイントコンディショナー(東洋精機株式会社製)で2時間分散し、顔料分散体を得た。
得られた顔料分散体29部、アクリル樹脂溶液ユニディック(登録商標)ZL−295(DIC株式会社製)9.2部を分散攪拌機(倉敷紡績(株)製 MAZERUSTAR)で攪拌し、カラーフィルタ赤色画素部を形成するための組成物を得た。その組成物をスピンコーターによりガラス基板上に塗布した。スピンコーターの回転数は600、800、1000、1200rpmとし、組成物の塗布膜厚の異なる4種のガラス板を作成した。こうして得られた、組成物が塗布された各ガラス板を90℃で3分間加熱し、カラーフィルタ赤色画素部を得た。得られたカラーフィルタ赤色画素部を後述の輝度(Y)測定方法にて測定した後、各カラーフィルタ赤色画素部を230℃1時間の加熱によりポストベーク処理した後、再び輝度(Y)を測定した。
(実施例2)
製造例7で得た赤色顔料組成物に変更した以外は、実施例1と同様に行った。
製造例7で得た赤色顔料組成物に変更した以外は、実施例1と同様に行った。
(実施例3)
製造例5で得た赤色顔料組成物に変更した以外は、実施例1と同様に行った。
製造例5で得た赤色顔料組成物に変更した以外は、実施例1と同様に行った。
(実施例4)
製造例3で得た赤色顔料組成物12部に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(株式会社クラレ製)94.2部に、アクリル樹脂溶液ユニディック(登録商標)ZL−295(DIC株式会社製)8.3部に変更した以外は、実施例1と同様に行った。
製造例3で得た赤色顔料組成物12部に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(株式会社クラレ製)94.2部に、アクリル樹脂溶液ユニディック(登録商標)ZL−295(DIC株式会社製)8.3部に変更した以外は、実施例1と同様に行った。
[比較例1]
製造例1で得た赤色顔料組成物10部に、ロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(株式会社クラレ製)85.2部に、アクリル樹脂溶液ユニディック(登録商標)ZL−295(DIC株式会社製)10.3部に変更した以外は、実施例1と同様に行った。
製造例1で得た赤色顔料組成物10部に、ロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(株式会社クラレ製)85.2部に、アクリル樹脂溶液ユニディック(登録商標)ZL−295(DIC株式会社製)10.3部に変更した以外は、実施例1と同様に行った。
[比較例2]
製造例9で得た赤色顔料組成物に変更した以外は、実施例1と同様に行った。
製造例9で得た赤色顔料組成物に変更した以外は、実施例1と同様に行った。
[比較例3]
製造例6で得た赤色顔料組成物に変更した以外は、実施例1と同様に行った。
製造例6で得た赤色顔料組成物に変更した以外は、実施例1と同様に行った。
[比較例4]
製造例8で得た赤色顔料組成物に変更した以外は、実施例1と同様に行った。
製造例8で得た赤色顔料組成物に変更した以外は、実施例1と同様に行った。
[比較例5]
製造例4で得た赤色顔料組成物14部に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(株式会社クラレ製)103部に、アクリル樹脂溶液ユニディック(登録商標)ZL−295(DIC株式会社製)6.6部に変更した以外は、実施例1と同様に行った。
製造例4で得た赤色顔料組成物14部に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(株式会社クラレ製)103部に、アクリル樹脂溶液ユニディック(登録商標)ZL−295(DIC株式会社製)6.6部に変更した以外は、実施例1と同様に行った。
[比較例6]
製造例1で得た赤色顔料組成物10部に変更して、更にシリカ(YA010C−SP3(製品名):株式会社アドマッテックス製)1部を加えて、ペイントコンディショナーで分散する以外は、実施例1と同様に行った。
製造例1で得た赤色顔料組成物10部に変更して、更にシリカ(YA010C−SP3(製品名):株式会社アドマッテックス製)1部を加えて、ペイントコンディショナーで分散する以外は、実施例1と同様に行った。
[輝度測定方法]
得られたカラーフィルタ赤色画素部を分光光度計CM−3500d(コニカミノルタ株式会社製)を用いて測定し、x=0.640、y=0.320における輝度(Y)を算出した。
得られたカラーフィルタ赤色画素部を分光光度計CM−3500d(コニカミノルタ株式会社製)を用いて測定し、x=0.640、y=0.320における輝度(Y)を算出した。
比較例1の輝度(Y)を基準として、実施例1〜4、および比較例2〜6で作成したカラーフィルタ赤色画素部の輝度(Y)との差ΔYを、表1に示した。
表1の実施例1〜2および比較例1から明らかな様に、樹脂に近い屈折率を有する無機微粒子を特定重量比率で含有し、かつ赤色有機顔料との粒子径比が特定の範囲にある赤色顔料組成物を含む赤色カラーフィルタ画素部は、ポストベーク処理の有無に関わらず、無機微粒子を含有しない比較例1に対して高い輝度(Y)を発現する結果となった。一方、無機微粒子の屈折率の高い比較例2は、樹脂との屈折率差が大きく、光を散乱しやすい無機微粒子を含有するため、比較例1に対して、輝度(Y)が低下する結果となった。
また、表1の実施例1〜3、および比較例1の結果から明らかな様に、無機微粒子の平均粒子径D1と赤色有機顔料の平均粒子径D2の比が特定の範囲にある赤色顔料組成物を含有する赤色カラーフィルタ画素部は、無機微粒子を含有しない比較例1に対してポストベーク処理の有無に関わらず、高い輝度(Y)を発現する結果となった。一方、D1/D2が特定の範囲外にある比較例3〜4では、比較例1と同等以下の輝度(Y)であった。
また、表1の実施例1、および比較例1、6の結果から明らかな様に、無機微粒子の存在下で赤色有機顔料をソルベントソルトミリング処理して得られる赤色顔料組成物を含有する赤色カラーフィルタ画素部は、ポストベーク処理の有無に関わらず、無機微粒子を含有しない比較例1に対して、高い輝度(Y)を発現する結果となった。また、無機微粒子をペイントシェーカー分散工程で添加した比較例6は、比較例1と同等の輝度(Y)であった。
以上の結果から、本発明が解決しようとする課題は、分散性が高く優れた輝度(Y)を有する赤色顔料組成物、およびその製造方法、該赤色顔料組成物を赤色画素部に含有するカラーフィルタを提供する。
本発明により、分散性が高く優れた輝度を有する赤色顔料組成物、およびその製造方法、該赤色顔料組成物を赤色画素部に含有するカラーフィルタを提供することができる。
Claims (7)
- 赤色有機顔料と無機微粒子からなるカラーフィルタ用赤色顔料組成物において、屈折率が1.3〜1.8である無機微粒子の粒子径をD1、赤色有機顔料の粒子径D2とすると、D1/D2が、0.15〜0.99の範囲にあること特徴とするカラーフィルタ用赤色顔料組成物。
- 質量換算で前記赤色有機顔料100部対して無機微粒子が10〜30部からなる請求項1記載のカラーフィルタ用赤色顔料組成物。
- 前記無機微粒子が炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、硫酸バリウムである請求項1または2いずれか記載のカラーフィルタ用赤色顔料組成物。
- 前記無機微粒子が表面処理剤で修飾されていることを特徴とする
請求項1〜3いずれか1項記載のカラーフィルタ用赤色顔料組成物。 - 前記赤色有機顔料と無機微粒子の共存下でソルベントソルトミリングにより得ることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載のカラーフィルタ用赤色顔料組成物の製造方法。
- 請求項1〜4記載のいずれか1項記載のカラーフィルタ用赤色顔料組成物を含有することを特徴とするカラーフィルタ。
- 請求項5記載のカラーフィルタ用赤色顔料組成物の製造方法で得られたカラーフィルタ用赤色顔料組成物を含有することを特徴とするカラーフィルタ。
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