JP2015102858A - カラーフィルタ用有機顔料組成物、その製造方法及びカラーフィルタ - Google Patents

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桂子 松木
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Abstract

【課題】コントラストおよび輝度が高く、これらの両光学特性のバランスのとれた優れたカラーフィルタ及びそれを得るのに好適な有機顔料組成物およびその製造方法を提供することにある。
【課題手段】β型ジクロロジケトピロロピロール顔料を0.5〜40%含み、その他がα型であるジクロロジケトピロロピロール顔料であって、質量換算で前記ジクロロジケトピロロピロール顔料100部当たり、フタルイミドアルキル化キナクリドン0.1〜10部を含有するカラーフィルタ用有機顔料組成物。およびその製造方法。さらにその有機顔料組成物を含有するカラーフィルタ。
【選択図】図1

Description

本発明は、カラーフィルタを形成するのに用いられる有機顔料組成物、同有機顔料組成物の製造方法ならびにこの有機顔料組成物を用いたカラーフィルタに関する。
液晶表示装置のカラーフィルタは、赤色画素部(R)、緑色画素部(G)及び青色画素部(B)を有する。これらの各画素部は、いずれも有機顔料が分散した合成樹脂の薄膜が基板上に設けられた構造であり、有機顔料としては、赤、緑及び青の各色の有機顔料が用いられている。
これら画素部のうち、赤色画素部を形成するための赤色有機顔料としては、一般に、ジケトピロロピロール顔料(C.I.ピグメントレッド254)、ジアミノジアントラキノン顔料(C.I.ピグメントレッド177)、縮合アゾ顔料(C.I.ピグメントレッド242)が用いられており、必要に応じて調色のために、これに黄色有機顔料のイソインドリン顔料(C.I.ピグメントイエロー139)、ニッケルアゾ顔料(C.I.ピグメントイエロー150)、が併用されている。
カラーフィルタを作成する際の有機顔料は、従来の汎用用途とは全く異なる特性、具体的には、液晶表示装置の表示画面がよりハッキリ見える様にする(高コントラスト化)、或いは、同じく表示画面がより明るくなる様にする(高輝度化)等の要求がある。今まで、ジケトピロロピロール系顔料は、高輝度化が訴求されており、一方コントラストを補う目的でジアミノアントラキノン系顔料が補色として使用されてきていた。しかし、青味の色相であるジアミノアントラキノン系顔料の含有量が高くなると、目的とした色相に合わなくなる問題があり、ジケトピロロピロール系顔料単独での高コントラスト化の要求が高くなっている。この様な要求に応じるため、平均一次粒子径が100nm以下となる様に微細化された粉体の有機顔料が多用されている。そのため、顔料粒子の微細化により粒子同士の凝集が起こりやすくなるため、分散性を維持することがコントラストの要求を満たすために不可欠である。
この様なカラーフィルタ赤色画素部を形成するためのジケトピロロピロール系赤色顔料としては、特許文献1にある様に、ジケトピロロピロール系赤色顔料として、X線回折スペクトルの面指数に特徴のあるα型ジケトピロロピロール顔料を使用することで、コントラスト比が高く、かつ複屈折率の絶対値が小さいことから、視野角依存性が小さく、優れた表示特性を発揮するカラー液晶ディスプレイを得ることが出来ることが、提案されている。
また、特許文献2では、結晶子サイズが9nm以下であり、かつ該顔料のα型結晶化度が60%以上であるp−ジクロロジケトピロロピロール顔料をカラーフィルタに使用することで耐熱性を向上させることで、高コントラスト化を実現している。
また、特許文献3においては、α型およびβ型結晶変態が混在している粗製ジクロロジケトピロロピロール顔料を、磨砕材および湿潤剤の存在下で湿式粉砕するα型結晶変態ジクロロジケトピロロピロール顔料の製造方法である。得られた顔料は、微細且つ整粒化されていることから、カラーフィルタ用などの顔料として好ましく使用することができると提案されている。しかし、今までのジケトピロロピロールの結晶状態(結晶型)、有機顔料組成物の構成では、十分に微細が顔料粒子を得ることが出来ず、その結果、高コントラスト、高鮮明性、高輝度を得ることは、不十分であった。
WO2009/044519号公報 特開2011−46846号公報 特開2008−024873号公報
本発明が解決しようとする課題は、コントラストおよび輝度が高く、これらの両光学特性のバランスのとれた優れたカラーフィルタ及びそれを得るのに好適な有機顔料組成物およびその製造方法を提供することにある。
本発明者等は、コントラスト、輝度が優れたカラーフィルタ及びそれを得るのに好適な有機顔料組成物及びその製造方法について鋭意検討したところ、X線回折スペクトルにおいて、α型とβ型のジクロロジケトピロロピロール顔料が特定の割合のジクロロジケトピロロピロール顔料と特定のキナクリドン誘導体から構成される有機顔料組成物をカラーフィルタに用いると、高コントラストと高輝度が発揮され、さらに両光学特性のバランスに優れる特徴を見出し、本発明に完成するに至った。
即ち本発明は、β型ジクロロジケトピロロピロール顔料を0.5〜40%含み、その他がα型であるジクロロジケトピロロピロール顔料であって、質量換算で前記ジクロロジケトピロロピロール顔料100部当たり、フタルイミドアルキル化キナクリドン0.1〜10部を含有するカラーフィルタ用有機顔料組成物を提供する。
また本発明は、前記ジクロロジケトピロロピロール顔料の平均一次粒子径が15〜35nmであることを特徴とするカラーフィルタ用有機顔料組成物を提供する。
さらに本発明は、前記フタルイミドアルキル化キナクリドンが、フタルイミドメチル化ジクロロキナクリドンであるカラーフィルタ用有機顔料組成物を提供する。
さらに、ジクロロジケトピロロピロール顔料とフタルイミドアルキル化キナクリドンとを塩基性溶媒に溶解させる第一工程と、該混合溶液を酸性水溶液に取り出し複合粒子を得る第二工程と、第二工程で得られた複合粒子とフタルイミドアルキル化キナクリドンと共に機械的磨砕する第三工程からなることを特徴とするカラーフィルタ用有機顔料組成物の製造方法を提供する。
さらに、前記第三工程をアクリル系共重合体の存在下で行うカラーフィルタ用有機顔料組成物の製造方法を提供する。
さらに、上記カラーフィルタ用有機顔料組成物を含有することを特徴とするカラーフィルタ。
さらに、上記製造方法で得られたカラーフィルタ用有機顔料組成物を含有することを特徴とするカラーフィルタである。
本発明のカラーフィルタ用有機顔料組成物は、特定の割合からなるα型とβ型のジクロロジケトピロロピロール顔料であって、さらにフタルイミドアルキル化キナクリドンを特定量含有するものであり、該有機顔料組成物を含有するカラーフィルタは、コントラスト比、輝度に優れ、両光学特性のバランスも優れるという格別顕著な効果を奏する。また本発明の製造方法は、分子レベルでジクロロジケトピロロピロール顔料とフタルイミドアルキル化キナクリドンが存在することで、極めて微細な粒子を形成することが可能となり、結果、この有機顔料組成物を赤色画素部にカラーフィルタとした時に、顕著に高いコントラストを発揮することが出来るという格別顕著な効果を奏する。
α型、β型の標準混合試料のX線回折プロファイルを示す図面である。 β型混合比率検量線作成に用いたα型、β型結晶ピークを示す図面である。
本発明のカラーフィルタ用有機顔料組成物は、β型ジクロロジケトピロロピロール顔料を0.5〜40%含み、その他がα型であるジクロロジケトピロロピロール顔料であって、質量換算で前記ジクロロジケトピロロピロール顔料100部当たり、フタルイミドアルキル化キナクリドン0.1〜10部を含有することを特徴とする。
ジケトピロロピロール系顔料は、下記一般式で表される構造の赤〜橙色の顔料で、優れた耐光性、耐熱性を有している。ジケトピロロピロール系顔料としては、例えば、C.I.Pigment Red 254、255、264及び272等の赤色顔料、C.I.Pigment Orange 71及び73等の橙色顔料が挙げられる。本発明における赤色顔料の必須成分は下記一般式におけるX、Yが、いずれもP(パラ)位に結合した塩素原子である、ジクロロジケトピロロピロール、C.I.Pigment Red 254である。
Figure 2015102858
(但し、式中、X、Yは同一でも異なっていても良い、水素原子、塩素原子、フェニル基又はメチル基である。)
本発明で用いているジクロロジケトピロロピロール顔料は、結晶型の比率に最大の特徴を有するものである。従来の技術では、一般的にX線回折スペクトルにおいて、α型100%の顔料をカラーフィルタ用の赤色色材として使用することで、高い輝度を達成しているが、光学特性の両輪であるコントラストについては不十分であった。この両光学特性を高いレベルでかつバランスが取れるものとして、鋭意検討した結果、ジクロロジケトピロロピロールの結晶型に着目し、ある特定の比率でα型とβ型が混在した状態において、フタルイミドアルキル化キナクリドンを含有することで、高いレベルで輝度、コントラストを達成でき、さらに両光学特性のバランスのとれたカラーフィルタを得ることができることが判明した。
ジクロロジケトピロロピロール顔料であるC.I.ピグメントレッド254には、α型とβ型の結晶型が知られており、たとえばα型の結晶型は特開昭58−210084号公報、β型の結晶型については特開平8−48908号公報を参照することができる。また、α型とβ型のX線回折チャートも知られており(High Performance Pigments、WILEYVCH社、pp165−194)、一般的に、α型は安定系、β型は不安定系であると知られている。そして、カラーフィルタに使用されている多くのジクロロジケトピロロピロール顔料の結晶型はα型である。
本発明で用いている顔料誘導体は、フタルイミドアルキル化キナクリドンからなる。この顔料誘導体は、少なくとも一つのフタルイミドアルキル基がキナクリドン環上の水素原子と置換され結合したキナクリドンである。尚、フタルイミドアルキル基として代表的なフタルイミドメチル基は、次の様な基をいう。
Figure 2015102858
フタルイミドメチル化キナクリドンは、下記一般式で表される構造のキナクリドン系顔料誘導体である。
Figure 2015102858
(但し、式中のX、Yは同一でも異なっていても良い水素原子、メチル基又は塩素原子である。フタルイミドメチル基の置換数nは1〜3である。)
この様な顔料誘導体としては、例えば、フタルイミドメチル化無置換キナクリドン、フタルイミドメチル化ジメチルキナクリドン、フタルイミドメチル化ジクロロキナクリドン等が挙げられる。これらは、一種のみでも二種以上の混合物であっても良い。前記した顔料として、C.I.Pigment Red 254を選択した場合には、顔料誘導体として、フタルイミドメチル化ジクロロキナクリドンを用いることが好ましい。
顔料誘導体は、例えば、キナクリドン系赤色顔料を、硫酸中で、パラホルムとフタルイミド或いはヒドロキシメチルフタルイミドと反応させること等により容易に製造することが出来る(特開昭55−108466号公報等を参照。)。顔料誘導体としては、フタルイミドメチル基の置換数1〜3のフタルイミドメチル化キナクリドンとフタルイミド化されていないキナクリドン系赤色顔料の混合物を用いることも出来る。この際のキナクリドン系赤色顔料としては、例えば、C.I.Pigment Violet 19の様な無置換キナクリドン顔料、C.I.Pigment Red 122の様なジメチルキナクリドン顔料、C.I.Pigment Red 202、C.I.Pigment Red 209の様なジクロロキナクリドン顔料等が挙げられる。
本発明の有機顔料組成物は、ジクロロジケトピロロピロール顔料とフタルイミドアルキル化キナクリドンとを、質量換算で前者100部当たり後者が0.1部〜10部、好ましくは1〜10部となる様に含有させることで調製することが出来る。顔料誘導体の有機顔料組成物中に含まれる含有量が多すぎると色純度が下がり、輝度、コントラストとも要求レベルを達成できずに、低くなってしまう。また、含有量が少なすぎると顔料誘導体による微細化効果、結晶成長抑制効果が小さく、カラーフィルタに適応する微細な顔料粒子を得ることが出来ない。
本発明の有機顔料組成物は、カラーフィルタ赤色画素部の調製に用いるので、汎用用途より微細であることが好ましい。この様な観点から本発明の有機顔料組成物は、一次粒子の平均粒子径が15nm〜35nmであることが好ましい。一次粒子の平均粒子径が50nm以上であると、画素部のコントラストが低くなるので好ましくない。一次粒子の平均粒子は、次の様に測定される。まず透過型電子顕微鏡又は走査型電子顕微鏡で視野内の粒子を撮影する。そして、二次元画像上の凝集体を構成する一次粒子の50個につき、個々の粒子の内径の最長の長さ(最大長)を求める。個々の粒子の最大長の平均値を一次粒子の平均粒子径とする。一方、粒子の最大長となる線に直交する様に無数に引くことが出来る仮想線のうち最短となる長さを最小長とし、これも50個につき求めることが出来る。本発明の有機顔料組成物は、平均一次粒子径が15〜35nmとすることが好ましく、さらに15〜25nmがより好ましい。
アスペクト比は、この様にして得られた個々の粒子の最大長の平均値と最小長の平均値を求め、これらの値を用いて(最大長の平均値)/(最小長の平均値)に基づいて算出する。本発明の有機顔料組成物は、アスペクト比1〜3の範囲にあることが好ましい。
また、本発明の有機顔料組成物は、前記した顔料や顔料誘導体のみを含有していても良いが、アクリル系共重合体を含有することが、カラーフィルタ用ペーストへの分散性を向上できることから好ましい。質量換算で、赤色顔料又は誘導体100部に対して、ポリマー不揮発分は、0.5〜12部とすることが好ましい。この際のアクリル系共重合体としては、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸ブチル−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸ラウリル−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸ラウリル−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸ベンジル−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸ベンジル−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、(メタ)アクリル酸ベンジル−(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体等が挙げられる。中でも、(メタ)アクリル酸ベンジル−(メタ)アクリル酸共重合体は、高分散性であり高いコントラストのカラーフィルタが得られることから、好ましい。
本発明で好適な有機顔料組成物は、(メタ)アクリル酸ベンジル−(メタ)アクリル酸メチル共重合体で被覆されたジクロロジケトピロロピロール顔料と、(メタ)アクリル酸ベンジル−(メタ)アクリル酸メチル共重合体で被覆されたフタルイミドアルキル化キナクリドンとを含有する。
顔料と顔料誘導体には、調色等の目的で、必要に応じて、必要量の、その他の赤色有機顔料や赤色有機顔料誘導体を含有させることが出来る。この様なその他の赤色有機顔料や赤色有機顔料誘導体としては、例えば、C.I.Pigment Red 177の様なアントラキノン系赤色顔料、C.I.Pigment Violet 19、C.I.Pigment Red 122、C.I.Pigment Red 202、C.I.Pigment Red 209の様なキナクリドン系赤色顔料等が挙げられる。前記赤色顔料のスルホン酸誘導体、キナクリドン系赤色顔料のスルホン酸誘導体等の、前記誘導体以外の赤色顔料誘導体が挙げられる。
顔料と顔料誘導体とその他の赤色有機顔料や赤色有機顔料誘導体との混合物に占める顔料と顔料誘導体との合計の割合が多いほど、色相調整や分散性の効果は高くなる。その他の赤色有機顔料や赤色有機顔料誘導体のうち、赤色顔料を例にとれば、質量換算で、顔料と顔料誘導体との合計100部当たり、顔料以外の赤色顔料を1〜200部を含有させることが出来る。
尚、これらその他の赤色有機顔料や赤色有機顔料誘導体も前記した様なアクリル系共重合体で同様に被覆されていても良い。
顔料誘導体は、色相の違いおよび物性の違いから赤色顔料に対して、効果が確認出来る範囲で少ないことが好ましい。結晶型の混合比率、顔料誘導体の含有量および製造方法を鋭意検討した結果、コントラストが顕著に高い事を見出した。
本発明の有機顔料組成物は、被着色媒体中への顔料の分散性、分散後の分散安定性が高く、それを液媒体に分散させて得た後記する赤色顔料分散液の粘度も低く安定(微細な粒子に分散)であり、この有機顔料組成物を含有するコーティング剤は、基材に塗布した場合に、均質な塗膜を形成して透明性が高い着色被膜を得ることが出来る。
また、この様な有機顔料組成物は、カラーフィルタ赤色画素部を形成する光硬化性組成物への分散が容易であり、これを硬化する際に多用される365nmにおける遮光性が低下することもない(即ち高透過性)。また光硬化感度の低下もなく、現像時の膜へりやパターン流れも起こり難くなるので好ましい。そのため、近年要求されている塗膜の輝度、コントラストおよび光透過率のいずれもが高いカラーフィルタ赤色画素部をより簡便に得ることが出来る。ここでコントラストとは、2枚の偏光板の偏光方向を平行にして被測定物を挟み込んだ時の透過光強度を2枚の偏光板の偏光方向を垂直にして被測定物を挟み込んだ時の透過光強度で除したものであり、消偏性とも呼ばれるものである。
次に本発明の赤色有機顔料組成物の製造方法について、詳細に述べる。
本発明の赤色有機顔料組成物は、例えば一般的に入手できる塗料、及ぶプラスチック等の着色に使用される平均一次粒子径30nmを超える顔料と顔料誘導体を塩基性溶媒中に溶解させる工程(第一工程とする)と、前記混合溶液を酸性水溶液に取り出し、微細で均一な一次粒子の顔料と顔料誘導体の複合粒子を形成する工程(第二工程とする)および第二工程で得られた複合粒子とさらに顔料誘導体および、必要に応じてアクリル系共重合体と共に機械的磨砕によって、粒子制御を行う工程(第三工程とする)の三工程により製造することができる。こうすることで、顔料の平均一次粒子径を15〜35nmにすることができる。具体的には、第一工程において、顔料と顔料誘導体を予めアルコラートを溶解させた非プロトン性極性溶媒中で金属塩として溶解する工程である。第二工程は、第一工程で作成された顔料が溶解した混合溶液を塩酸溶液中に取り出すことで、微細で均一な顔料と顔料誘導体の複合粒子を得る工程である。第三工程は、第二工程で得られた複合粒子とさらに顔料誘導体およびアクリル系共重合体と無機塩、有機溶剤からなる混合物を機械的磨砕によって微細な二次粒子の有機顔料組成物を得る工程である。以下、第一工程、第二工程ならびに第三工程についてさらに詳細に説明する。
ここで、本発明の製造方法の第二工程で得られる複合粒子とは、顔料と顔料誘導体が分子単位レベルで結合したものであり、一般的な二次粒子の単なる混合物とは異なる格別顕著な優れた作用効果を示すものである。
〔第一工程〕
第一工程は、前記したとおり、ジクロロジケトピロロピロール顔料とフタルイミドアルキル化キナクリドンを均一に分子レベルで塩基性溶媒中に溶解させる工程である。第一工程は、ジクロロジケトピロロピロール顔料とフタルイミドアルキル化キナクリドンの二成分をアルカリ金属塩として均一に溶解する工程であり、溶解条件としては、塩基度、温度、撹拌状態が重要となる。
顔料誘導体量は、顔料100部に対して、0.1〜10部が好ましく、さらに1〜10部が好ましい。
第一工程で使用する溶媒としては、非プロトン性極性溶媒が一般的に使用される。非プロトン性極性溶媒は、水と自由な割合で混和し、多くの有機化合物や無機塩も溶解する溶解性の優れた溶媒である。エーテル類(ジエチルエーテル,テトラヒドロフランなど)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ヘキサメチルホスホリックトリアミド(HMPA)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などが挙げられる。本発明では、ジケトピロロピロール系顔料およびフタルイミドアルキル化キナクリドン等の縮合多環系顔料の溶解性が高い、ジメチルスルホキシドが好ましい。
アルカリ金属として、リチウム、カリウム、ナトリウムが使用しうる。しかし、前記非プロトン性極性溶媒に容易に溶解するものが好ましいため、アルコラートが一般的に使用される。ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム t-ブトキシドなどは市販品が入手可能であり、本発明では、コスト、操作性を考慮して、ナトリウムメトキシドが好ましい。
アルカリ金属は、ジクロロジケトピロロピロール顔料およびフタルイミドアルキル化キナクリドンが溶解する条件であればいかなる割合で溶媒に溶解させても良いが、生産性も考慮すると混合溶液100部に対して0.2〜10部が好ましく、さらに0.5〜5部が好ましい。
顔料および顔料誘導体に対する溶媒量は、溶解性を考慮すると多いことが好ましいが、生産性を考慮すると顔料および顔料誘導体の総量1部に対して、5〜50部が好ましく、さらに10〜40部が好ましい。
溶解時の温度は、いかなる温度でも顔料が溶媒に溶解できる状態であれば良いが、より溶解性を高めるために、常温より高い温度に溶解温度を設定することが好ましい。本発明では、20〜120℃が好ましく、40〜110℃がより好ましい。
上記顔料を溶解させる順序は、ジクロロジケトピロロピロール顔料全量を溶解させた後、フタルイミドアルキル化キナクリドンを溶媒に添加し溶解させても良いし、順序を逆にしても良い。また、同時に添加しても良いし、予め混合してから添加しても良い。
〔第二工程〕
第一工程で作成した顔料および顔料誘導体が溶解した混合溶液を酸性の溶液に取り出して、有機顔料組成物を析出させる工程である。
混合溶液を酸性水溶液に取り出す方法としては、公知公用のいかなる方法で行うことができる。予め用意した酸性水溶液を撹拌装置等により、乱流状態にし、第一工程で得られた混合溶液を取り出す。層流の場合、希釈速度が遅くなるため、中和熱の拡散効果が低くなるため、結晶成長をしてしまう可能性がある。混合溶液の取り出し速度は、任意で構わないが、水流の速度、水流の状況により微細な粒子を得るために、適宜調整する。混合溶液を直接酸性水溶液に取り出しても構わないし、イジェクター等の装置により、少量の混合溶液と酸性水溶液の接触による結晶成長を抑制する方法もある。
取り出し速度、取り出し方法にもよるが、析出温度による結晶成長を防止する上で、析出槽を冷却することが好ましい。水冷、氷冷、冷却材による冷却のいずれかの方法で冷却し、析出温度を40℃以下に制御することが好ましく、本発明ではより低い0℃以下がさらに好ましい。
顔料および顔料誘導体が溶解している混合溶液に対して、酸性水溶液量は多いほど拡散速度が高くなるため好ましいが、生産性、操作性を考慮すると混合溶液1部に対して、1〜10部が好ましい。
得られたスラリーをろ過、洗浄、乾燥、粉砕して顔料と顔料誘導体の微細な有機顔料組成物を得る。
〔第三工程〕
第二工程で得た有機顔料組成物にさらに顔料誘導体および必要に応じてアクリル系共重合体を機械的磨砕によって最終目的である微細な一次粒子である有機顔料組成物を製造する工程である。
本発明の有機顔料組成物は、例えば、有機顔料組成物と、顔料誘導体と、必要に応じて、その他の赤色有機顔料や赤色有機顔料誘導体とを、前記した質量割合となる様に、任意の順序で混合すれば製造することが出来る。本発明の有機顔料組成物は、有機顔料組成物と顔料誘導体とを充分に混合し、そこにその他の赤色有機顔料や赤色有機顔料誘導体を加えても良い。必要であれば、有機顔料組成物、顔料誘導体及びその他の赤色有機顔料や赤色有機顔料誘導体を予め混合前に、混合しながら、或いは、混合後に、ボールミリングやアトライター等の公知慣用の手段により摩砕して、前記した好適な一次粒子の平均粒子径となる様にすることも出来る。
しかしながら、より高い改良効果を発現させ、かつ前記した様な好適な一次粒子の平均粒子径の有機顔料組成物を簡便に製造する方法がある。それは、有機顔料組成物と顔料誘導体とをソルベントソルトミリング処理する方法、即ち、ジクロロジケトピロロピロール顔料とキナクリドン系顔料誘導体とをソルベントソルトミリングするカラーフィルタ用有機顔料組成物の製造方法において、キナクリドン系顔料誘導体として、フタルイミドアルキル化キナクリドンを質量換算でジクロロジケトピロロピロール顔料100部当たり0.1〜10部用いることを特徴とするカラーフィルタ用有機顔料組成物の製造方法である。これは、顔料誘導体の質量は、第一工程で使用した量と第三工程で使用した量の総量である。よって、第一工程で使用した量と第三工程で使用した量の合計が上記範囲となるように第三工程での使用量が選択される。
本発明においてソルベントソルトミリング処理とは、有機顔料組成物と顔料誘導体とを必須成分とする混合物を、無機塩と、有機溶剤とを混練摩砕することを意味する。
このソルベントソルトミリング処理により、有機顔料組成物と顔料誘導体の微細化が行われる。ジクロロジケトピロロピロール顔料とフタルイミドメチル化ジクロロキナクリドンとの組み合わせでは、最適の効果が得られる。この処理により得られた有機顔料組成物からは、被着色媒体への分散性、その中での分散安定性がより向上し、高い着色力の着色物が得られる。
前記したその他の赤色有機顔料や赤色有機顔料誘導体は、前記した様に本発明の有機顔料組成物を製造する任意の段階において、系内に含ませることが出来るが、有機顔料組成物の吸着等を促進させること、それによる分散性を向上させる観点から、それは、予め有機顔料組成物や顔料誘導体に含有させてから、ソルベントソルトミリング処理されることが好ましい。
そのため、ソルベントソルトミリング処理は、その他の赤色有機顔料や赤色有機顔料誘導体及び/又はアクリル系共重合体を含有した、有機顔料組成物と顔料誘導体と、無機塩と、それを溶解しない有機溶剤とを混練摩砕することが好ましい。
アクリル系共重合体で有機顔料組成物及び/又は顔料誘導体を混練する代表的な方法としては、例えば、有機顔料組成物の製造前、製造中、製造後に、それを含ませる方法がある。具体的には、例えば、予め得たアクリル系共重合体を含有していない本発明の有機顔料組成物に対して、アクリル系共重合体を加えて析出させる方法、アクリル系共重合体のエマルジョンを加える方法、アクリル系共重合体と共に混練磨砕する方法等がある。ソルベントソルトミリング処理において、有機顔料組成物の結晶制御を充分に行うためには、顔料誘導体の優れた結晶成長抑制作用を利用することが好ましく、アクリル系共重合体が、有機顔料組成物に顔料誘導体が吸着することを阻害しない様にすることが好ましい。結晶制御が終了した後には、これら有機顔料組成物や顔料誘導体等はアクリル系共重合体を含有しても良い。
ソルベントソルトミリング処理は、前記した各原料を混練機に仕込み、その中で混練摩砕することで行うことが出来る。この際の混練手段としては、例えば、ニーダーやミックスマーラー等の混練機が挙げられる。
前記無機塩としては、水溶性無機塩が好適に使用出来、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等の無機塩を使用することが好ましい。また、平均粒子径が0.3〜70μmの無機塩を使用することがより好ましい。この様な無機塩としては、通常の無機塩を微粉砕することにより容易に得ることが出来る。
本発明の好適な有機顔料組成物を得るに当たっては、無機塩の使用量を、質量換算で、有機顔料組成物と顔料誘導体とを必須成分として含む混合物の合計1部当たり3〜30部、なかでも7〜30部、特に10〜30部とするのが好ましい。
有機溶剤としては、例えば、ジエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングルコール、液体ポリプロピレングリコール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2ー(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングルコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール等を使用することが出来る。
有機溶剤の使用量は、特に限定されるものではないが、質量換算で、赤色顔料と誘導体とを必須成分として含む混合物の合計1部当たり0.01〜5部が好ましい。
本発明の製造方法においては、ソルベントソルトミリング処理をする際に、意図する色相に調色する目的で、必要であれば、その他の赤色有機顔料や赤色有機顔料誘導体を含有させることが出来る。
ソルベントソルトミリング処理において、前記した様な無機塩や有機溶剤は、最初の仕込段階で必要量全量を仕込んで以降そのまま、有機顔料組成物と顔料誘導体を必須成分として含む混合物が、前記した必要な一次粒子の平均粒子径となるまで摩砕を行っても良いし、必要量の一部だけを仕込んで摩砕を開始し、途中で無機塩および/または有機溶剤の残量を、一括または分割して仕込む様にして摩砕を行う様にしても良い。
ソルベントソルトミリング処理時の温度は、30〜150℃が好ましく、なかでも60〜120℃がより好ましい。また、ソルベントソルトミリング処理の時間は、3時間から36時間が好ましく、なかでも5〜24時間がより好ましい。
ソルベントソルトミリング中の経時サンプリングから、有機顔料組成物中の一次粒子の平均一次粒子径値等に基づいて、必要とする特性をもった本発明の有機顔料組成物を得るソルベントソルトミリングの条件を選定することが出来る。
こうして、本発明の有機顔料組成物、無機塩、有機溶剤を主成分として含む混合物が得られるが、この混合物から有機溶剤と、無機塩とを除去し、固形物を洗浄、濾過、乾燥、粉砕等を行うことにより、本発明の有機顔料組成物の粉体を得ることが出来る。
尚、この洗浄方法としては、水洗、湯洗のいずれをも採用することが出来る。水溶性無機塩および有機溶剤を用いた前記混合物の場合は、水洗することで容易に有機溶剤と無機塩を除去することが出来る。比電導度のもとなる物質は、極力除去されていることが好ましい。特に、カラーフィルタ画素部を調製するための本発明の有機顔料組成物は、比電導度50μS/cm以下、好ましくは20μS/cm以下となるまで洗浄を行うのが好ましい。
前記した洗浄、濾過後の乾燥方法としては、例えば、乾燥機に設置した加熱源による80〜120℃の加熱等により、液媒体を含んだ本発明の有機顔料組成物の脱水および/または脱溶剤をする回分式あるいは連続式で乾燥する方法等が挙げられる。またその際に使用する乾燥機としては、例えば、箱型乾燥機、バンド乾燥機、スプレードライヤー等が挙げられる。
乾燥後の粉砕方法としては、有機顔料組成物の比表面積を大きくしたり、一次粒子の平均粒子径を小さくするための操作ではなく、箱型乾燥機やバンド乾燥機を使用して乾燥する場合に、ランプ形状等のものとなった有機顔料組成物を解して粉末化するために行うものであり、例えば、乳鉢、ハンマーミル、ディスクミル、ピンミル、ジェットミル等による粉砕方法が挙げられる。
尚、本発明の有機顔料組成物は、アスペクト比が1に近いほど好ましい。有機顔料組成物のアスペクト比が大きくなるほど、それの被着色媒体への分散性、その中での分散安定性が低下し、顔料粒子の再凝集が起こりやすくなる。これは、例えば、塗料を調製する際、本発明の有機顔料組成物と従来の赤色顔料との混合物を使用して調製された顔料分散液、これを含む光硬化性化合物および/または合成樹脂の組成物の流動性、貯蔵安定性および基材への塗布性の低下、塗膜の透明性等へと繋がる点で好ましくない。
後記するカラーフィルタ用の顔料分散液やこれを含む光硬化性化合物および/または合成樹脂の組成物でも、同様のこと言え、カラーフィルタ赤色画素部を形成するための透明基板への塗布性の低下、同画素部における塗膜の輝度、コントラストおよび光透過率のいずれもが低下する点で好ましくない。
本発明の有機顔料組成物は、従来公知の方法でカラーフィルタ赤色画素部、同赤色画素部形成用赤色顔料の調製に使用することが出来る。本発明の有機顔料組成物を使用してカラーフィルタ赤色画素部を製造するに当たっては、顔料分散法が好適に採用出来る。
この方法で代表的な方法は、フォトリソグラフィー法であり、これは、後記する光硬化性組成物を、カラーフィルタ用の透明基板のブラックマトリックスを設けた側の面に塗布、加熱乾燥(プリベーク)した後、フォトマスクを介して紫外線を照射することでパターン露光を行って、画素部に対応する箇所の光硬化性化合物を硬化させた後、未露光部分を現像液で現像し、非画素部を除去して画素部を透明基板に固着させる方法である。この方法では、光硬化性組成物の硬化着色皮膜からなる画素部が透明基板上に形成される。
赤色、緑色、青色の色ごとに、後記する光硬化性組成物を調製して、前記した操作を繰り返すことにより、所定の位置に赤色、緑色、青色の着色画素部を有するカラーフィルタを製造することが出来る。前記した様に、本発明の有機顔料組成物からは、赤色画素部、同赤色画素部形成用赤色顔料が調製される。尚、青色画素部および緑色画素部を形成するための光硬化性組成物を調製するには、公知慣用の青色顔料と緑色顔料を使用することが出来る。
後記する光硬化性組成物をガラス等の透明基板上に塗布する方法としては、例えば、スピンコート法、ロールコート法、インクジェット法等が挙げられる。
透明基板に塗布した光硬化性組成物の塗膜の乾燥条件は、各成分の種類、配合割合等によっても異なるが、通常、50〜150℃で、1〜15分間程度である。この加熱処理を一般に「プリベーク」という。また、光硬化性組成物の光硬化に用いる光としては、200〜500nmの波長範囲の紫外線、あるいは可視光を使用するのが好ましい。この波長範囲の光を発する各種光源が使用出来る。
現像方法としては、例えば、液盛り法、ディッピング法、スプレー法等が挙げられる。光硬化性組成物の露光、現像の後に、必要な色の画素部が形成された透明基板は水洗いし乾燥させる。こうして得られたカラーフィルタは、ホットプレート、オーブン等の加熱装置により、100〜280℃で、所定時間加熱処理(ポストベーク)することによって、着色塗膜中の揮発性成分を除去すると同時に、光硬化性組成物の硬化着色皮膜中に残存する未反応の光硬化性化合物が熱硬化し、カラーフィルタが完成する。
カラーフィルタの赤色画素部を形成するための光硬化性組成物(顔料分散フォトレジストとも呼ばれる。)は、本発明の有機顔料組成物と、分散剤と、光硬化性化合物と、有機溶剤とを必須成分とし、必要に応じて熱可塑性樹脂を用いて、これらを混合することで調製することが出来る。赤色画素部を形成する着色樹脂皮膜に、カラーフィルタの実生産で行われるベーキング等に耐え得る強靱性等が要求される場合には、前記光硬化性組成物を調製するに当たって、光硬化性化合物だけでなく、この熱可塑性樹脂を併用することが不可欠である。熱可塑性樹脂を併用する場合には、有機溶剤としては、それを溶解するものを使用するのが好ましい。
前記光硬化性組成物の製造方法としては、本発明の有機顔料組成物と、有機溶剤と分散剤とを必須成分として使用し、これらを混合し均一となる様に攪拌分散を行って、まずカラーフィルタの赤色画素部を形成するための顔料分散液(着色ペーストとも呼ばれる。)を調製してから、そこに、光硬化性化合物と、必要に応じて熱可塑性樹脂や光重合開始剤等を加えて前記光硬化性組成物とする方法が一般的である。
ここで分散剤としては、例えば、ビックケミー社製のディスパービック130、ディスパービック161、ディスパービック162、ディスパービック163、ディスパービック170、エフカ社製のエフカ46、エフカ47等が挙げられる。また、レベリング剤、カップリング剤、カチオン系の界面活性剤等も併せて使用可能である。
有機溶剤としては、例えば、トルエンやキシレン、メトキシベンゼン等の芳香族系溶剤、酢酸エチルや酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の酢酸エステル系溶剤、エトキシエチルプロピオネート等のプロピオネート系溶剤、メタノール、エタノール等のアルコール系溶剤、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクタム、N−メチル−2−ピロリドン、アニリン、ピリジン等の窒素化合物系溶剤、γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶剤、カルバミン酸メチルとカルバミン酸エチルの48:52の混合物の様なカルバミン酸エステル等が挙げられる。有機溶剤としては、特にプロピオネート系、アルコール系、エーテル系、ケトン系、窒素化合物系、ラクトン系等の極性溶媒で水可溶のものが好ましい。水可溶の有機溶剤を使用する場合には、それに水を併用することも出来る。
光硬化性組成物の調製に使用する熱可塑性樹脂としては、例えば、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド酸系樹脂、ポリイミド系樹脂、スチレンマレイン酸系樹脂、スチレン無水マレイン酸系樹脂等が挙げられる。
光硬化性化合物としては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ビス(アクリロキシエトキシ)ビスフェノールA、3−メチルペンタンジオールジアクリレート等のような2官能モノマー、トリメチルロールプロパトントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等の比較的分子量の小さな多官能モノマー、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート等の様な比較的分子量の大きな多官能モノマーが挙げられる。
光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタノール、ベンゾイルパーオキサイド、2−クロロチオキサントン、1,3−ビス(4’−アジドベンザル)−2−プロパン、1,3−ビス(4’−アジドベンザル)−2−プロパン−2’−スルホン酸、4,4’−ジアジドスチルベン−2,2’−ジスルホン酸等が挙げられる。
前記した様な各材料を使用して、本発明の有機顔料組成物は、質量換算で、その100部当たり、300〜1,000部の有機溶剤と、0〜100部の分散剤とを、均一となる様に攪拌分散して前記顔料分散液を得ることが出来る。次いで該顔料分散液に、本発明の有機顔料組成物1部当たり、熱可塑性樹脂と光硬化性化合物の合計が3〜20部、光硬化性化合物1部当たり0.05〜3部の光重合開始剤と、必要に応じてさらに有機溶剤を添加し、均一となる様に攪拌分散してカラーフィルタ赤色画素部を形成するための光硬化性組成物を得ることが出来る。この様な光硬化性組成物は、通常は、分散粒子の平均粒子径が100nm以下となる様に調製される。
本発明の有機顔料組成物から調製された赤色顔料分散液や光硬化性組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子さらに好ましくは、0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。
現像液としては、公知慣用の有機溶剤やアルカリ水溶液を使用することが出来る。特に前記光硬化性組成物に、熱可塑性樹脂または光硬化性化合物が含まれており、これらの少なくとも一方が酸価を有し、アルカリ可溶性を呈する場合には、アルカリ水溶液での洗浄がカラーフィルタ青色画素部の形成に効果的である。
顔料分散法のうち、フォトリソグラフィー法によるカラーフィルタ赤色画素部の製造方法について詳記したが、本発明の有機顔料組成物を使用して調製されたカラーフィルタ赤色画素部は、その他の電着法、転写法、ミセル電解法、PVED(Photovoltaic Electrodeposition)法等の方法で赤色画素部を形成して、カラーフィルタを製造してもよい。
カラーフィルタは、青色有機顔料組成物、緑色有機顔料組成物、ならびに赤色である本発明の有機顔料組成物を使用して得た各色の光硬化性組成物を使用し、平行な一対の透明電極間に液晶材料を封入し、透明電極を不連続な微細区間に分割すると共に、この透明電極上のブラックマトリクスにより格子状に区分けされた微細区間のそれぞれに、赤(R)、緑(G)および青(B)のいずれか1色から選ばれたカラーフィルタ着色画素部を交互にパターン状に設ける方法、あるいは基板上にカラーフィルタ着色画素部を形成した後、透明電極を設ける様にすることで得ることが出来る。
本発明のカラーフィルタとしては、勿論、必要に応じて赤色画素部には、更にアントラキノン系赤色顔料を、緑色画素部にはニッケルアゾ錯体顔料を、青色画素部にはジオキサジンバイレット顔料を、更に含有させた液晶カラーフィルタとすることも出来る。
尚、本発明のカラーフィルタ用有機顔料組成物は、公知慣用の各種用途、例えば、塗料、プラスチック(樹脂成型品)、印刷インキ、ゴム、レザー、静電荷像現像用トナー、インクジェット記録用インキ、熱転写インキ等の着色にも適用することも出来る。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例および比較例中、部および%は質量基準である。
[製造例1]
(第1工程)
C.I.ピグメントレッド254 44部(平均一次粒子径が30nmを超えた)、フタルイミドメチル化ジクロロキナクリドン1部を、ジメチルスルホキシド1500部とナトリウムメトキシドの28重量%メタノール溶液55部との混合溶媒中に溶解させ、50℃で3時間撹拌後、35℃まで放冷した。
Figure 2015102858
(但し、フタルイミドメチル基の置換数nは1〜3である。)
(第2工程)
一方で、水2200部、氷2700部に塩酸34部を添加し、さらに氷浴して冷却した希塩酸中に、激しく撹拌しながら、先ほどの顔料溶液を滴下し、滴下終了後1時間撹拌した。得られた顔料懸濁液をヌッチェで濾過し、濾液のpHが7以上になるまで濾過、水洗浄をくりかえし、90℃で17時間乾燥、粉砕し、赤色有機顔料組成物42部を得た。
(第3工程)
上記第2工程で作成した赤色有機顔料組成物35部、フタルイミドメチル化ジクロロキナクリドン1部、(メタ)アクリル酸ベンジル−(メタ)アクリル酸メチル共重合体(不揮発分)4部、塩化ナトリウム400部、およびジエチレングリコール70部をステンレス製1Lニーダー(井上製作所社製)に仕込み、80℃で5時間混練した。つぎにこの混合物を2リットルの温水に投入し、30分間攪拌してスラリー状とし、比電導度150μS/cm以下となるまで濾過、水洗をくりかえして塩化ナトリウムおよび溶剤を除いた後、90℃で17時間乾燥、粉砕し、カラーフィルタ用赤色有機顔料組成物35部を得た。
[製造例2]
製造例1の第1工程において、C.I.ピグメントレッド254 43部、フタルイミドメチル化ジクロロキナクリドン2部に変更し、第2工程において、第1工程で作成した赤色有機顔料組成物34.5部、フタルイミドメチル化ジクロロキナクリドン1.5部に変更した以外は、製造例1と同様に行った。
[製造例3]
製造例1の第1工程において、C.I.ピグメントレッド254 44.7部、フタルイミドメチル化ジクロロキナクリドン0.3部に変更し、第2工程において、第1工程で作成した赤色有機顔料組成物35.7部、フタルイミドメチル化ジクロロキナクリドン0.3部に変更した以外は、製造例1と同様に行った。
[製造例4]
製造例1の第1工程において、C.I.ピグメントレッド254 45部、フタルイミドメチル化ジクロロキナクリドンを添加せず、第2工程において、第1工程で作成した赤色有機顔料組成物36部、フタルイミドメチル化ジクロロキナクリドンを添加しない以外は、製造例1と同様に行った。
[製造例5]
製造例1の第1工程において、C.I.ピグメントレッド254 40部、フタルイミドメチル化ジクロロキナクリドン5部に変更し、第2工程において、第1工程で作成した赤色有機顔料組成物33部、フタルイミドメチル化ジクロロキナクリドン3部に変更した以外は、製造例1と同様に行った。
[実施例1]
製造例1で得た赤色有機顔料組成物10部をポリビンに入れ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート44部、DISPERBYK LPN21116(ビックケミー株式会社製)12部、0.3−0.4mmφセプルビーズを加え、ペイントコンディショナー(東洋精機株式会社製)で2時間分散し、顔料分散体を得た。
得られた顔料分散体 10.9部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.5部、DIC株式会社製アクリル樹脂溶液ユニディック(登録商標)ZL−295 4.8部を分散攪拌機(倉敷紡績(株)製 MAZERUSTAR)で攪拌し、カラーフィルタ赤色画素部を形成するための組成物を得た。その組成物をスピンコーターによりガラス基板上に塗布した。スピンコーターの回転数は600、800、1000、1200rpmとし、組成物の塗布膜厚の異なる4種のガラス板を作成した。こうして得られた、組成物が塗布された各ガラス板を90℃で3分間加熱し、カラーフィルタ赤色画素部を得た。
[実施例2]
製造例2で得た赤色有機顔料組成物に変更した以外は、実施例1と同様に行った。
[実施例3]
製造例3で得た赤色有機顔料組成物に変更した以外は、実施例1と同様に行った。
[比較例1]
製造例4で得た赤色有機顔料組成物に変更した以外は、実施例1と同様に行った。
[比較例2]
製造例5で得た赤色有機顔料組成物に変更した以外は、実施例1と同様に行った。
[コントラスト測定方法]
得られたカラーフィルタ赤色画素部をコントラストテスター(壺坂電気株式会社製、装置名:CT−1)を用いて測定した。この装置は2枚の偏光板の間にカラーフィルタ赤色画素部を設置する場所があり、偏光板の一方には光源を、更にその反対側には色彩輝度計を設置しているものである。偏光軸が平行になる時と垂直になる時との輝度(透過光強度)の比よりコントラストを算出している。
[輝度測定方法]
得られたカラーフィルタ赤色画素部を分光光度計CM−3500d(コニカミノルタ株式会社製)を用いて測定し、x=0.640、y=0.320における輝度を算出した。
[X線回折スペクトルによる結晶型およびα/β混在比率の測定方法]
ジクロロジケトピロロピロール顔料中のβ型結晶の比率は、CuKα線を用いた粉末X線回折測定で得られたX線プロファイルパターンにより、α型結晶の特徴的なブラッグ角(2θ)である7.6±0.3°の検出強度Iα(cps)と、β型結晶の特徴的なブラッグ角(2θ)である5.8±0.3°の検出強度Iβ(cps)から得られたβ型結晶検出比率、すなわち、Iβ/(Iα+Iβ)を、あらかじめ作成したβ型結晶比率検量線に当てはめて求めることができる。
粉末X線の測定は、日本工業規格JIS K0131(X線回折分析通則)に準じて、粉末X線回折測定装置RINT/TTRII(株式会社リガク製)にて行った。
X線プロファイルパターンでのβ型結晶の検出強度比率、すなわちIβ/(Iα+Iβ)から得られたβ型比率検量線によるジクロロジケトピロロピロール顔料中のβ型結晶の比率の算出方法をさらに具体的に説明する。ジクロロジケトピロロピロール顔料のα型標準結晶粒子ならびにβ型標準結晶粒子をそれぞれ100/0〜0/100の範囲の所定の割合となるように、0.00mg単位まで精密に秤量し、α型標準結晶粒子ならびにβ型標準結晶粒子を混合した標準試料を調製した。
なお、ジクロロジケトピロロピロール顔料のα型標準結晶粒子ならびにβ型標準結晶粒子の結晶型の帰属は、以下の非特許文献[HIGH Performance Pigments、 Wiley―VCH、 Weinheim、 2009 Edited by Edwin B・ Faulkner and Russell J Schwartz、 Chapter 11、Diketopyrrolopyrrole(DPP)Pigments、 165―194、OLOF Wallquist and Roman Lenz]の[Figure11.9]に記載のα型結晶ならびにβ型結晶のX線プロファイルパターンとの一致により確認した。
標準結晶混合試料群について、それぞれX線回折測定を行い(図1)、得られたX線回折プロファイルパターンにおいて検出されたα型結晶の特徴的なブラッグ角(2θ)である7.6±0.3°の検出強度Iα(cps)と、β型結晶の特徴的なブラッグ角(2θ)である5.8±0.3°の検出強度Iβ(cps)の比率(図2)、Iβ/(Iα+Iβ)を求め、X軸に検出高さβ型比率、Y軸に実秤量混合β型比率をプロットし、β型結晶比率検量線(β型結晶比率定量範囲3〜100%)を作成する。ジクロロジケトピロロピロール顔料実試料のX線回折測定で得られたβ型結晶検出強度比率Iβ/(Iα+Iβ)を、前述のβ型結晶比率検量線に当てはめ、ジクロロジケトピロロピロール顔料中に混在するβ型結晶比率を精度よく求めることができる。
なお、CuKα線を用いた粉末X線回折測定で得られたX線プロファイルパターンにより、求めることができるβ型結晶比率3〜100%を下回る3%未満の比率で混在するβ型結晶の確認は、熱重量測定により、熱重量減少率TG(%)を求めることで、行うことができる。
[熱重量測定]
熱重量測定は、熱重量測定装置TG/DTA6300(エスアイアイ・テクノロジー株式会社製)にて行なうことができる。
ジクロロジケトピロロピロール顔料の試料を、0.000mg単位まで精密に秤量し、TG/DTA専用の試料容器に充填し、温度を室温から450℃まで、窒素雰囲気下で10℃/毎分〜20℃/毎分程度に変化させて、各試料の質量の変化を温度の関数として測定し、得られた熱重量減少曲線から、熱重量減少率(%)を求めることができる。この熱重量測定により、β型結晶比率0.5〜100%のα/β混合標準試料を測定することで、α型結晶比率100%試料とβ型結晶比率0.5〜100%の試料間での、熱重量減少率(%)の示す挙動の明確な違いを確認することができる。β型結晶が混在するジクロロジケトピロロピロール試料の熱重量減少曲線は、α型結晶のみのジクロロジケトピロロピロール試料の重量減少曲線よりも、より低い温度から減衰していることが確認でき、特に400℃での熱重量減少率(%)を比較することで、X線回折測定では検出することができないβ型結晶比率0.5〜3%の範囲で混在するβ型結晶の検出が可能である。
[一次粒子測定方法]
透過型電子顕微鏡で視野内の粒子を撮影した。そして、二次元画像上の凝集体を構成する一次粒子の50個につき、個々の粒子の内径の最長の長さ(最大長)を求めた。個々の粒子の最大長の平均値を一次粒子の平均粒子径とした。
[評価方法]
実施例1〜3、および比較例1〜2で作成したカラーフィルタ赤色画素部を230℃焼成後のコントラスト、輝度を測定した。また、製造例1〜5で作成した有機顔料組成物のβ型ジクロロジケトピロロピロール顔料の混在率、平均一次粒子径も表1に示した。
表1
Figure 2015102858
実施例及び比較例のカラーフィルタ赤色画素部の色相を観察したが、いずれもほぼ同等の色相であった。
表1の結果から明らかな様に、実施例1〜3は、α型とβ型のジクロロジケトピロロピロール顔料を特定の割合で含んでいるため、高コントラストと高輝度が発揮され、さらに両光学特性のバランスに優れている。一方、比較例1は、β型のジクロロジケトピロロピロール顔料が含まれていないためコントラスト値が低く、比較例2はβ型のジクロロジケトピロロピロール顔料が過剰に含まれているため輝度が低くなり、コントラストと輝度のバランスが悪い結果となった。
本発明によれば、特定の結晶型の比率からなるジクロロジケトピロロピロール顔料とフタルイミドアルキル化キナクリドンより構成される微細なカラーフィルタ用有機顔料組成物を得ることが出来る。また、このカラーフィルタ用有機顔料組成物を含有するカラーフィルタは、高コントラスト、高輝度を示し、かつコントラスト、輝度バランスが優れている。

Claims (7)

  1. β型ジクロロジケトピロロピロール顔料を0.5〜40%含み、その他がα型であるジクロロジケトピロロピロール顔料であって、質量換算で前記ジクロロジケトピロロピロール顔料100部当たり、フタルイミドアルキル化キナクリドン0.1〜10部を含有するカラーフィルタ用有機顔料組成物。
  2. 前記ジクロロジケトピロロピロール顔料の平均一次粒子径が15〜35nmであることを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ用有機顔料組成物。
  3. 前記フタルイミドアルキル化キナクリドンが、フタルイミドメチル化ジクロロキナクリドンである請求項1〜2いずれか一項記載のカラーフィルタ用有機顔料組成物。
  4. ジクロロジケトピロロピロール顔料とフタルイミドアルキル化キナクリドンとを塩基性溶媒に溶解させる第一工程と、該混合溶液を酸性水溶液に取り出し複合粒子を得る第二工程と、第二工程で得られた複合粒子とフタルイミドアルキル化キナクリドンと共に機械的磨砕する第三工程からなることを特徴とする請求項1〜3いずれか一項記載のカラーフィルタ用有機顔料組成物の製造方法。
  5. 前記第三工程をアクリル系共重合体の存在下で行う請求項4記載のカラーフィルタ用有機顔料組成物の製造方法。
  6. 請求項1〜3いずれか一項記載のカラーフィルタ用有機顔料組成物を含有することを特徴とするカラーフィルタ。
  7. 請求項4〜5いずれか一項記載の製造方法で得られたカラーフィルタ用有機顔料組成物を含有することを特徴とするカラーフィルタ。
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JP2017031330A (ja) * 2015-07-31 2017-02-09 山陽色素株式会社 顔料誘導体、顔料分散体及び着色感光性組成物
JP2018145312A (ja) * 2017-03-07 2018-09-20 東洋インキScホールディングス株式会社 ジケトピロロピロール顔料組成物、該顔料組成物を用いたカラーフィルタ用組成物およびカラーフィルタ

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