JP2018154811A - 粘着剤組成物及び粘着シート - Google Patents

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Abstract

【課題】貼り合わせ後に再剥離する際に、糊残り等の不具合が生じにくい粘着層を形成できる粘着剤組成物、及び貼り合わせ後に再剥離する際に、糊残り等の不具合が生じにくい粘着シートを提供する。【解決手段】マクロモノマー(a)由来の構成単位と、ビニル単量体(b)由来の構成単位とを有する(メタ)アクリル系共重合体(A)を含み、前記ビニル単量体(b)が、アルキル基の炭素数が9以上であるアルキル(メタ)アクリレートを含み、前記(メタ)アクリル系共重合体(A)のG’10/G’80で表される比が1以上15以下である粘着剤組成物。ただし、G’10は、10℃における貯蔵弾性率G’(Pa)を示し、G’80は、80℃における貯蔵弾性率G’(Pa)を示す。【選択図】なし

Description

本発明は、粘着剤組成物及び粘着シートに関する。
タッチパネルは一般に、液晶ディスプレイ等の表示装置と、透明電極が形成された透明基板と、透明保護板等を貼り合わせた構造を有している。これら各部材間には、空気層からなる隙間があり、各部材を構成する材料と空気との屈折率差に起因して、光の乱反射が生じ、視認性が損なわれる。そこで空気層を無くすために、各部材を透明粘着層を介して貼り合わせることが行われている。透明粘着層の形成には、OCA(Optical Clear Adhesive)と呼ばれる透明両面粘着シートや液状OCA(LOCA)と呼ばれる液状透明粘着剤が用いられている。
OCA等に用いられる粘着剤組成物として、例えば以下の(1)の共重合体を含むものが提案されている。
(1)数平均分子量が500以上6000未満のマクロモノマー及びビニル単量体を含有する単量体混合物を重合して得られる、質量平均分子量が5万〜100万である(メタ)アクリル系共重合体(特許文献1)。
国際公開第2015/080244号
タッチパネルの製造工程では、部材同士を貼り合わせた後の耐久性が必要となる。例えばLOCAの場合、通常、貼り合わせる部材の一方の表面にLOCAを塗工して透明粘着層を形成し、その上に他方の部材を貼り合わせた後、紫外線照射等による透明粘着層の硬化が行われる。しかし、前記(1)の共重合体を用いた粘着剤組成物では、貼り合わせ時の環境温度によって粘着力が変化しやすく、特に高温環境下での再剥離性(リワーク性)に課題がある。具体的には、高温環境下で再剥離する際に糊残りが生じやすい。また、貼り合わせた部材の位置ずれ、粘着層からの液だれ、粘着層のはみ出し、または組立後の粘着層の耐久性不足等の不具合が生じることがある。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、貼り合わせ後に再剥離する際に、糊残り等の不具合が生じにくい粘着層を形成できる粘着剤組成物、及び貼り合わせ後に再剥離する際に、糊残り等の不具合が生じにくい粘着シートを提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を有する。
[1]マクロモノマー(a)由来の構成単位と、ビニル単量体(b)由来の構成単位とを有する(メタ)アクリル系共重合体(A)を含み、
前記ビニル単量体(b)が、アルキル基の炭素数が9以上であるアルキル(メタ)アクリレートを含み、
前記(メタ)アクリル系共重合体(A)のG’10/G’80で表される比が1以上15以下である粘着剤組成物。
ただし、G’10は、10℃における貯蔵弾性率G’(Pa)を示し、G’80は、80℃における貯蔵弾性率G’(Pa)を示す。
[2]前記(メタ)アクリル系共重合体(A)の10〜80℃における貯蔵弾性率G’(Pa)のうちの最大値G’maxと最小値G’ minとの比G’max/G’minが1以上15以下である請求項1に記載の粘着剤組成物。
[3]前記(メタ)アクリル系共重合体(A)の80〜150℃における貯蔵弾性率G’(Pa)のうちの最大値G’maxと最小値G’minとの比G’max/G’minが5以上である[1]又は[2]に記載の粘着剤組成物。
[4]前記(メタ)アクリル系共重合体(A)の−50〜20℃における貯蔵弾性率G’(Pa)のうちの最大値G’maxと最小値G’minとの比G’max/G’minが5以上である[1]〜[3]のいずれかに記載の粘着剤組成物。
[5]前記(メタ)アクリル系共重合体(A)が、−50〜20℃の間に損失弾性率G”のピークを持ち、そのピーク温度をX℃としたときに、下記式(3)で表されるYが10以上である請求項1〜4のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
G’(X−10)/G’(X+10)=Y ・・・(3)
ただし、G’(X−10)は、(X−10)℃における貯蔵弾性率G’(Pa)を示し、G’(X+10) は、(X+10)℃における貯蔵弾性率G’(Pa)を示す。
[6]前記マクロモノマー(a)の数平均分子量が500以上10万以下である[1]〜[5]のいずれかに記載の粘着剤組成物。
[7]前記(メタ)アクリル系共重合体(A)の重量平均分子量が1000〜100万である[1]〜[6]のいずれかに記載の粘着剤組成物。
[8]前記マクロモノマー(a)が、ラジカル重合性基を有し、かつ下記式(a’)で表される構成単位を2以上有する、[1]〜[7]のいずれかに記載の粘着剤組成物。
Figure 2018154811
(式中、Rは水素原子、メチル基又はCHOHを示し、RはOR、ハロゲン原子、COR、COOR、CN、CONR、NHCOR、又はRを示し、
〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、非置換の若しくは置換基を有するアルキル基、非置換の若しくは置換基を有する脂環式基、非置換の若しくは置換基を有するアリール基、非置換の若しくは置換基を有するへテロアリール基、非置換の若しくは置換基を有する非芳香族の複素環式基、非置換の若しくは置換基を有するアラルキル基、非置換の若しくは置換基を有するアルカリール基、非置換の若しくは置換基を有するオルガノシリル基、又は非置換の若しくは置換基を有する(ポリ)オルガノシロキサン基を示し、これらの基における置換基はそれぞれ、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、非芳香族の複素環式基、アラルキル基、アルカリール基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、エポキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、イソシアナト基、スルホン酸基及びハロゲン原子からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、Rは非置換の若しくは置換基を有するアリール基、非置換の若しくは置換基を有するヘテロアリール基、又は非置換の若しくは置換基を有する非芳香族の複素環式基を示し、これらの基における置換基はそれぞれ、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、非芳香族の複素環式基、アラルキル基、アルカリール基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、エポキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、イソシアナト基、スルホン酸基、非置換の若しくは置換基を有するアルキル基、非置換の若しくは置換基を有するアリール基、非置換の若しくは置換基を有するオレフィン基及びハロゲン原子からなる群から選ばれる少なくとも1種である。)
[9]前記マクロモノマー(a)が下記式(1)で表される[8]に記載の粘着剤組成物。
Figure 2018154811
(式中、Rは水素原子、非置換の若しくは置換基を有するアルキル基、非置換の若しくは置換基を有する脂環式基、非置換の若しくは置換基を有するアリール基、非置換の若しくは置換基を有するヘテロアリール基、非置換の若しくは置換基を有する非芳香族の複素環式基、非置換の若しくは置換基を有するアラルキル基、非置換の若しくは置換基を有するアルカリール基、非置換の若しくは置換基を有するオルガノシリル基、又は非置換の若しくは置換基を有する(ポリ)オルガノシロキサン基を示し、Qは2以上の前記式(a’)で表される構成単位を含む主鎖部分を示し、Zは末端基を示す。)
[10]前記マクロモノマー(a)が、該マクロモノマー(a)を構成する全構成単位の合計質量(100質量%)に対し、(メタ)アクリロイル基を有する単量体由来の構成単位を50質量%以上含む[1]〜[9]のいずれかに記載の粘着剤組成物。
[11]前記(メタ)アクリル系共重合体(A)の周波数100kHzにおける比誘電率が3.5以下である[1]〜[10]のいずれかに記載の粘着剤組成物。
[12]前記[1]〜[11]のいずれかに記載の粘着剤組成物を用いた粘着シート。
本発明によれば、貼り合わせ後に再剥離する際に、糊残り等の不具合が生じにくい粘着層を形成できる粘着剤組成物、及び貼り合わせ後に再剥離する際に、糊残り等の不具合が生じにくい粘着シートを提供できる。
以下の用語の定義は、本明細書および特許請求の範囲にわたって適用される。
「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートの総称である。
「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸及びメタクリル酸の総称である。
「(メタ)アクリル系共重合体」は、構成単位の少なくとも一部が(メタ)アクリル系単量体由来の構成単位である共重合体を意味する。(メタ)アクリル系重合体は、(メタ)アクリル系単量体以外の単量体(たとえばスチレン等)由来の構成単位をさらに含んでいてもよい。
「シリコーン系共重合体」は、構成単位の少なくとも一部がシリコーン系単量体由来の構成単位である共重合体を意味する。
「(メタ)アクリル系単量体」は、(メタ)アクリロイル基を有する単量体を意味する。
「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基及びメタクリロイル基の総称である。
「ビニル単量体」は、エチレン性不飽和結合(重合性炭素−炭素二重結合)を有する単量体を意味する。
数値範囲を示す「〜」は、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
〔粘着剤組成物〕
本発明の粘着剤組成物は、(メタ)アクリル系共重合体(A)を含む。本発明の粘着剤組成物に含まれる(メタ)アクリル系共重合体(A)は1種でもよく2種以上でもよい。
本発明の粘着剤組成物は、(メタ)アクリル系共重合体(A)単独で構成されてもよく、必要に応じて他の成分を含んでもよい。
((メタ)アクリル系共重合体(A))
(メタ)アクリル系共重合体(A)(以下、「共重合体(A)」ともいう。)は、マクロモノマー(a)由来の構成単位と、ビニル単量体(b)由来の構成単位とを有する。
共重合体(A)は、典型的には、マクロモノマー(a)由来のポリマー鎖と、ビニル単量体(b)由来の構成単位から構成されるポリマー鎖とが結合した、グラフト共重合体又はブロック共重合体の構造を有する。
<マクロモノマー(a)由来の構成単位>
マクロモノマー(a)は、ラジカル重合性基を有する単量体(以下「単量体(a1)」ともいう)由来の構成単位を2以上有する化合物であり、ラジカル重合性基、またはヒドロキシル基、イソシアネート基、エポキシ基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、チオール基、酸無水物基、カルボジイミド基等の付加反応性の官能基を有するものである。
単量体(a1)については後で詳しく説明する。マクロモノマー(a)が有する2以上の構成単位はそれぞれ同じでも異なってもよい。
マクロモノマー(a)が前記ラジカル重合性基を有する場合、マクロモノマー(a)とビニル単量体(b)とをラジカル重合により共重合させて共重合体(A)を得ることができる。
マクロモノマー(a)が前記付加反応性の官能基を有する場合、通常、ビニル単量体(b)が、前記付加反応性の官能基と反応可能な官能基を有するビニル単量体を含む。かかるビニル単量体(b)由来の構成単位からなる重合体の官能基と、前記付加反応性の官能基を有するマクロモノマーとを反応させて共重合体(A)を得ることができる。
前記付加反応性の官能基と、この官能基と反応可能な官能基との組み合わせとしては、例えば、以下の組み合わせが挙げられる。
ヒドロキシル基とカルボキシル基又は酸無水物基との組み合わせ。
イソシアネート基とヒドロキシル基又はチオール基又はカルボキシル基との組み合わせ。
エポキシ基とアミノ基との組み合わせ。
カルボキシル基とエポキシ基又はカルボジイミド基との組み合わせ。
アミノ基とカルボキシル基との組み合わせ。
アミド基とカルボキシル基との組み合わせ。
チオール基とエポキシ基との組み合わせ。
マクロモノマー(a)がラジカル重合性基を有する場合、マクロモノマー(a)中のラジカル重合性基は一つでも二つ以上でもよいが、一つであることが好ましい。マクロモノマー(a)が前記付加反応性の官能基を有する場合も、マクロモノマー(a)中の前記付加反応性の官能基は一つでも二つ以上含有でもよいが、一つであることが好ましい。
マクロモノマー(a)は、ラジカル重合性基及び前記付加反応性の官能基のどちらか一方を有していても両方を有していてもよい。ラジカル重合性基及び前記付加反応性の官能基の両方を有する場合、マクロモノマー(a)が有するラジカル重合性基、前記付加反応性の官能基はそれぞれ一つでも二つ以上でもよい。
マクロモノマー(a)は、ビニル単量体(b)と共重合可能で、共重合体(A)をマクロモノマー(a)とビニル単量体(b)との共重合物にできる点から、ラジカル重合性基を有することが好ましい。共重合体(A)がマクロモノマー(a)とビニル単量体(b)との共重合物である場合、ビニル単量体(b)由来の構成単位からなる重合体の官能基を有するマクロモノマーとの反応物である場合に比べて、マクロモノマー(a)の導入量を制御しやすい点や、残存官能基による腐食を低減できる点で優れる。
マクロモノマー(a)が有するラジカル重合性基としては、エチレン性不飽和結合を有する基が好ましい。エチレン性不飽和結合を有する基としては、例えば、CH=C(COOR)−CH−、(メタ)アクリロイル基、2−(ヒドロキシメチル)アクリロイル基、ビニル基等が挙げられる。
ここで、Rは水素原子、非置換の若しくは置換基を有するアルキル基、非置換の若しくは置換基を有する脂環式基、非置換の若しくは置換基を有するアリール基、非置換の若しくは置換基を有するへテロアリール基、非置換の若しくは置換基を有する非芳香族の複素環式基、非置換の若しくは置換基を有するアラルキル基、非置換の若しくは置換基を有するアルカリール基、非置換の若しくは置換基を有するオルガノシリル基、又は非置換の若しくは置換基を有する(ポリ)オルガノシロキサン基を示す。
Rにおける非置換のアルキル基としては、例えば、炭素数1〜22の分岐又は直鎖アルキル基が挙げられる。炭素数1〜22の分岐又は直鎖アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、i−ブチル基、ペンチル基(アミル基)、i−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、i−オクチル基、ノニル基、i−ノニル基、デシル基、i−デシル基、ウンデシル基、ドデシル基(ラウリル基)、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基(ステアリル基)、i−オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基及びドコシル基等が挙げられる。
Rにおける非置換の脂環式基としては、単環式のものでも多環式のものでもよく、例えば、炭素数3〜20の脂環式基が挙げられる。脂環式基としては、飽和脂環式基が好ましく、具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、シクロオクチル基、及びアダマンチル基等が挙げられる。
Rにおける非置換のアリール基としては、例えば、炭素数6〜18のアリール基が挙げられる。炭素数6〜18のアリール基の具体例としては、フェニル基及びナフチル基が挙げられる。
Rにおける非置換のヘテロアリール基としては、例えば、炭素数4〜18のヘテロアリール基が挙げられる。炭素数4〜18のヘテロアリール基の具体例としては、ピリジル基、カルバゾリル基等が挙げられる。
Rにおける非置換の非芳香族の複素環式基としては、例えば、炭素数4〜18の複素環式基が挙げられる。炭素数4〜18の複素環式基の具体例としては、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロピラニル基、γ−ブチロラクトン基、ε−カプロラクトン基等の酸素原子含有複素環式基、ピロリジニル基、ピロリドン基等の窒素原子含有複素環式基、モルホリノ基等が挙げられる。
非置換のアラルキル基としては、例えばベンジル基、フェニルエチル基等が挙げられる。
非置換のオルガノシリル基としては、例えば−SiR171819(ここで、R17〜R19はそれぞれ独立に、非置換若しくは置換基を有するアルキル基、非置換若しくは置換基を有する脂環式基、又は非置換若しくは置換基を有するアリール基を示す。)が挙げられる。
17〜R19における非置換若しくは置換基を有するアルキル基としては、前記と同様のものが挙げられ、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−アミル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ドデシル基、ステアリル基、ラウリル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、2−メチルイソプロピル基、ベンジル基等が挙げられる。非置換若しくは置換基を有する脂環式基としては、前記と同様のものが挙げられ、例えばシクロヘキシル基等が挙げられる。非置換若しくは置換基を有するアリール基としては、前記と同様のものが挙げられ、例えばフェニル基、p−メチルフェニル等が挙げられる。R17〜R19はそれぞれ同じでもよく異なってもよい。
非置換の(ポリ)オルガノシロキサン基としては、例えば−SiR3031−OR32、−(SiR3334−O−)−R35(ここで、R30〜R35はそれぞれ独立に、非置換の若しくは置換基を有するアルキル基、非置換の若しくは置換基を有する脂環式基、又は非置換の若しくは置換基を有するアリール基を示す。)が挙げられる。
30〜R35における非置換若しくは置換基を有するアルキル基、脂環式基、アリール基としては、前記と同様のものが挙げられる。
Rにおける置換基(置換基を有するアルキル基、置換基を有する脂環式基、置換基を有するアリール基、置換基を有するへテロアリール基、置換基を有する非芳香族の複素環式基、置換基を有するアラルキル基、置換基を有するアルカリール基、置換基を有するオルガノシリル基、置換基を有する(ポリ)オルガノシロキサン基それぞれにおける置換基)としては、例えば、アルキル基(ただしRが置換基を有するアルキル基である場合を除く)、アリール基、−COOR11、シアノ基、−OR12、−NR1314、−CONR1516、ハロゲン原子、アリル基、エポキシ基、シロキシ基、及び親水性又はイオン性を示す基からなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。
ここで、R11〜R16はそれぞれ独立に、水素原子、非置換の若しくは置換基を有するアルキル基、非置換の若しくは置換基を有する脂環式基、又は非置換の若しくは置換基を有するアリール基を示す。これらの基はそれぞれ、前記と同様のものが挙げられる。
上記置換基におけるアルキル基、アリール基はそれぞれ、前記の非置換のアルキル基、非置換のアリール基と同様のものが挙げられる。
上記置換基における−COOR11のR11としては、水素原子又は非置換のアルキル基が好ましい。すなわち、−COOR11は、カルボキシ基又はアルコキシカルボニル基が好ましい。アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基が挙げられる。
上記置換基における−OR12のR12としては、水素原子又は非置換のアルキル基が好ましい。すなわち、−OR12は、ヒドロキシ基又はアルコキシ基が好ましい。アルコキシ基としては、例えば、炭素数1〜12のアルコキシ基が挙げられ、具体例としては、メトキシ基が挙げられる。
上記置換基における−NR1314としては、例えばアミノ基、モノメチルアミノ基、ジメチルアミノ基等が挙げられる。
上記置換基における−CONR1516としては、例えば、カルバモイル基(−CONH),N−メチルカルバモイル基(−CONHCH)、N,N−ジメチルカルバモイル基(ジメチルアミド基:−CON(CH)等が挙げられる。
上記置換基におけるハロゲン原子としては、例えば、ふっ素原子、塩素原子、臭素原子及びよう素原子等が挙げられる。
上記置換基における親水性又はイオン性を示す基としては、例えば、カルボキシ基のアルカリ塩又はスルホキシ基のアルカリ塩、ポリエチレンオキシド基、ポリプロピレンオキシド基等のポリ(アルキレンオキシド)基及び四級アンモニウム塩基等のカチオン性置換基が挙げられる。
Rとしては、非置換の若しくは置換基を有するアルキル基、又は非置換の若しくは置換基を有する脂環式基が好ましく、非置換のアルキル基、又は非置換の若しくは置換基としてアルキル基を有する脂環式基がより好ましい。
上記の中でも、入手のし易さから、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、イソボルニル基及びアダマンチル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、イソボルニル基及びアダマンチル基がより好ましい。
単量体(a1)が有するラジカル重合性基としては、マクロモノマー(a)が有することが好ましいラジカル重合性基と同様に、エチレン性不飽和結合を有する基が好ましい。
単量体(a1)としては、種々のものが用いられ得るが、例えば、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソステアリル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸3,5,5−トリメチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、テルペンアクリレートやその誘導体、水添ロジンアクリレートやその誘導体、(メタ)アクリル酸ドコシル等の炭化水素基含有(メタ)アクリル酸エステル;
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、グリセロール(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル;
(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルコハク酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノオクチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノブチル、イタコン酸モノオクチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノブチル、フマル酸モノオクチル、シトラコン酸モノエチル等のカルボキシル基含有ビニル系単量体;
無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物基含有ビニル系単量体;
ジメチルマレート、ジブチルマレート、ジメチルフマレート、ジブチルフマレート、ジブチルイタコネート、ジパーフルオロシクロヘキシルフマレート等の不飽和ジカルボン酸ジエステル単量体;
(メタ)アクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシブチル等のエポキシ基含有ビニル系単量体;
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル系のビニル系単量体;
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−オクチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルアセトアミド、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、マレイン酸アミド、マレイミド等のアミド基を含有するビニル系単量体;
ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、マレイン酸ジアリル、ポリプロピレングリコールジアリルエーテル、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の多官能性のビニル系単量体;
(メタ)アクリロイルモルホリン、N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルカルバゾール、N−ビニル−ε−カプロラクタム、マレイミド等のアミド結合含有環式ビニル単量体等のアミド結合含有ビニル単量体;
(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸n−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸イソブトキシエチル、(メタ)アクリル酸t−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸ノニルフェノキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸アセトキシエチル、「プラクセルFM」(ダイセル化学(株)製カプロラクトン付加モノマー、商品名)、「ブレンマーPME−100」(日油(株)製メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(エチレングリコールの連鎖が2であるもの)、商品名)、「ブレンマーPME−200」(日油(株)製メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(エチレングリコールの連鎖が4であるもの)、商品名)、「ブレンマーPME−400」(日油(株)製メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(エチレングリコールの連鎖が9であるもの)、商品名)、「ブレンマー50POEP−800B」(日油(株)製オクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−メタクリレート(エチレングリコールの連鎖が8であり、プロピレングリコールの連鎖が6であるもの)、商品名)、「ブレンマー20ANEP−600」(日油(株)製ノニルフェノキシ(エチレングリコール−ポリプロピレングリコール)モノアクリレート、商品名)、「ブレンマーAME−100」(日油(株)製、商品名)、「ブレンマーAME−200」(日油(株)製、商品名)及び「ブレンマー50AOEP−800B」(日油(株)製、商品名)等のグリコールエステル系単量体、
3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤含有単量体、
トリメチルシリル(メタ)アクリレート、トリエチルシリル(メタ)アクリレート、トリ−n−プロピルシリル(メタ)アクリレート、トリ−n−ブチルシリル(メタ)アクリレート、トリ−n−アミルシリル(メタ)アクリレート、トリ−n−ヘキシルシリル(メタ)アクリレート、トリ−n−オクチルシリル(メタ)アクリレート、トリ−n−ドデシルシリル(メタ)アクリレート、トリフェニルシリル(メタ)アクリレート、トリ−p−メチルフェニルシリル(メタ)アクリレート、トリベンジルシリル(メタ)アクリレート、トリイソプロピルシリル(メタ)アクリレート、トリイソブチルシリル(メタ)アクリレート、トリ−s−ブチルシリル(メタ)アクリレート、トリ−2−メチルイソプロピルシリル(メタ)アクリレート、トリ−t−ブチルシリル(メタ)アクリレート、エチルジメチルシリル(メタ)アクリレート、n−ブチルジメチルシリル(メタ)アクリレート、ジイソプロピル−n−ブチルシリル(メタ)アクリレート、n−オクチルジ−n−ブチルシリル(メタ)アクリレート、ジイソプロピルステアリルシリル(メタ)アクリレート、ジシクロヘキシルフェニルシリル(メタ)アクリレート、t−ブチルジフェニルシリル(メタ)アクリレート、ラウリルジフェニルシリル(メタ)アクリレート、トリイソプロピルシリルメチルマレート、トリイソプロピルシリルアミルマレート、トリ−n−ブチルシリル−n−ブチルマレート、t−ブチルジフェニルシリルメチルマレート、t−ブチルジフェニルシリル−n−ブチルマレート、トリイソプロピルシリルメチルフマレート、トリイソプロピルシリルアミルフマレート、トリ−n−ブチルシリル−n−ブチルフマレート、t−ブチルジフェニルシリルメチルフマレート、t−ブチルジフェニルシリル−n−ブチルフマレート、サイラプレーンFM−0711(JNC(株)製、商品名)、サイラプレーンFM−0721(JNC(株)製、商品名)、サイラプレーンFM−0725(JNC(株)製、商品名)、サイラプレーンTM−0701(JNC(株)製、商品名)、サイラプレーンTM−0701T(JNC(株)製、商品名)、X−22−174ASX(信越化学工業(株)製、商品名)、X−22−174BX(信越化学工業(株)製、商品名)、KF−2012(信越化学工業(株)製、商品名)、X−22−2426(信越化学工業(株)製、商品名)、X−22−2404(信越化学工業(株)製、商品名)等の、シランカップリング剤含有モノマー以外のオルガノシリル基含有単量体;
塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン等のハロゲン化オレフィン;
(メタ)アクリル酸2−イソシアナトエチル等のイソシアナト基含有単量体;
2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロフェニル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、3−(パーフルオロブチル)−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、3−パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−(パーフルオロ−3−メチルブチル)−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)メタクリレート、1H,1H,2H,2H−トリデカフルオロオクチル(メタ)アクリレート、1H−1−(トリフルオロメチル)トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、1,2,2,2−テトラフルオロー1−(トリフルオロメチル)エチル(メタ)アクリレート等のフッ素含有単量体(ただしハロゲン化オレフィンを除く)、
1−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、1−(2−エチルへキシルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、1−(シクロへキシルオキシ)エチルメタクリレート)、2−テトラヒドロピラニル(メタ)アクリレート等のアセタール構造を持つ単量体、
4−メタクリロイルオキシベンゾフェノン、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の他のビニル単量体等が挙げられる。これらの単量体は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
単量体(a1)の少なくとも一部は(メタ)アクリル系単量体であることが好ましい。
単量体(a1)由来の構成単位としては、下記式(a’)で示される構成単位(以下「構成単位(a’)」ともいう)が好ましい。すなわち、マクロモノマー(a)は、ラジカル重合性基を有し、かつ構成単位(a’)を2以上有するものであることが好ましい。
Figure 2018154811
(式中、Rは水素原子、メチル基又はCHOHを示し、RはOR、ハロゲン原子、COR、COOR、CN、CONR、NHCOR又はRを示し、
〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、非置換の若しくは置換基を有するアルキル基、非置換の若しくは置換基を有する脂環式基、非置換の若しくは置換基を有するアリール基、非置換の若しくは置換基を有するへテロアリール基、非置換の若しくは置換基を有する非芳香族の複素環式基、非置換の若しくは置換基を有するアラルキル基、非置換の若しくは置換基を有するアルカリール基、非置換の若しくは置換基を有するオルガノシリル基、非置換の若しくは置換基を有する(ポリ)オルガノシロキサン基を示し、これらの基における置換基はそれぞれ、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、非芳香族の複素環式基、アラルキル基、アルカリール基、カルボン酸基(COOH)、カルボン酸エステル基、エポキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、イソシアナト基、スルホン酸基(SOH)及びハロゲン原子からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
は非置換の若しくは置換基を有するアリール基、非置換の若しくは置換基を有するヘテロアリール基、又は非置換の若しくは置換基を有する非芳香族の複素環式基を示し、これらの基における置換基はそれぞれ、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、非芳香族の複素環式基、アラルキル基、アルカリール基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、エポキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、イソシアナト基、スルホン酸基、非置換の若しくは置換基を有するアルキル基、非置換の若しくは置換基を有するアリール基、非置換の若しくは置換基を有するオレフィン基及びハロゲン原子からなる群から選ばれる少なくとも1種である。)
〜Rにおける非置換のアルキル基、非置換の脂環式基、非置換のアリール基、非置換のへテロアリール基、非置換の非芳香族の複素環式基、非置換のアラルキル基、非置換のアルカリール基、非置換のオルガノシリル基、非置換の(ポリ)オルガノシロキサン基はそれぞれ、前述のRで挙げたものと同様である。
〜Rにおける置換基(置換基を有するアルキル基、置換基を有する脂環式基、置換基を有するアリール基、置換基を有するヘテロアリール基、置換基を有する非芳香族の複素環式基、置換基を有するアラルキル基、置換基を有するアルカリール基、置換基を有するオルガノシリル基それぞれにおける置換基)のうち、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、非芳香族の複素環式基、アラルキル基、アルカリール基はそれぞれ前記と同様のものが挙げられる。
カルボン酸エステル基としては、例えば前記−COOR11のR11が非置換の若しくは置換基を有するアルキル基、非置換の若しくは置換基を有する脂環式基、又は非置換の若しくは置換基を有するアリール基である基が挙げられる。
アルコキシ基としては、前記−OR12のR12が非置換のアルキル基である基が挙げられる。
2級アミノ基としては、前記−NR1314のR13が水素原子、R14が非置換の若しくは置換基を有するアルキル基、非置換の若しくは置換基を有する脂環式基、又は非置換の若しくは置換基を有するアリール基である基が挙げられる。
3級アミノ基としては、前記−NR1314のR13及びR14がそれぞれ非置換の若しくは置換基を有するアルキル基、非置換の若しくは置換基を有する脂環式基、又は非置換の若しくは置換基を有するアリール基である基が挙げられる。
非置換の若しくは置換基を有するアルキル基、非置換の若しくは置換基を有するアリール基、ハロゲン原子はそれぞれ前記と同様のものが挙げられる。
における非置換のアリール基、非置換のヘテロアリール基、非置換の非芳香族の複素環式基はそれぞれ、前記と同様のものが挙げられる。
における置換基(置換基を有するアリール基、置換基を有するヘテロアリール基、置換基を有する非芳香族の複素環式基それぞれにおける置換基)のうち、カルボン酸エステル基、アルコキシ基、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、非置換の若しくは置換基を有するアルキル基、非置換の若しくは置換基を有するアリール基、及びハロゲン原子はそれぞれ、前記と同様のものが挙げられる。
非置換のオレフィン基としては、例えばアリル基等が挙げられる。
置換基を有するオレフィン基における置換基としては、Rにおける置換基と同様のものが挙げられる。
構成単位(a’)は、CH=CRに由来する構成単位である。CH=CRの具体例としては、以下のものが挙げられる。
置換又は非置換のアルキル(メタ)アクリレート[例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、1−メチル−2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、3−メチル−3−メトキシブチル(メタ)アクリレート]、置換又は非置換のアラルキル(メタ)アクリレート[例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、m−メトキシフェニルエチル(メタ)アクリレート、p−メトキシフェニルエチル(メタ)アクリレート]、置換又は非置換のアリール(メタ)アクリレート[例えば、フェニル(メタ)アクリレート、m−メトキシフェニル(メタ)アクリレート、p−メトキシフェニル(メタ)アクリレート、o−メトキシフェニルエチル(メタ)アクリレート]、脂環式(メタ)アクリレート[例えば、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート]、ハロゲン原子含有(メタ)アクリレート[例えば、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート]等の疎水基含有(メタ)アクリル酸エステル単量体;
2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−エチルヘキサオキシ)エチル(メタ)アクリレート等のオキシエチレン基含有(メタ)アクリル酸エステル単量体;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル単量体;
メトキシポリエチレングリコールアリルエーテル、メトキシポリプロピレングリコールアリルエーテル、ブトキシポリエチレングリコールアリルエーテル、ブトキシポリプロピレングリコールアリルエーテル、メトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールアリルエーテル、ブトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールアリルエーテル等の末端アルコキシアリル化ポリエーテル単量体;
(メタ)アクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシブチル等のエポキシ基含有ビニル単量体;
ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド等の第一級または第二級アミノ基含有ビニル単量体;
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の第三級アミノ基含有ビニル単量体;
ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルカルバゾール等の複素環系塩基性単量体;
トリメチルシリル(メタ)アクリレート、トリエチルシリル(メタ)アクリレート、トリ−n−プロピルシリル(メタ)アクリレート、トリ−n−ブチルシリル(メタ)アクリレート、トリ−n−アミルシリル(メタ)アクリレート、トリ−n−ヘキシルシリル(メタ)アクリレート、トリ−n−オクチルシリル(メタ)アクリレート、トリ−n−ドデシルシリル(メタ)アクリレート、トリフェニルシリル(メタ)アクリレート、トリ−p−メチルフェニルシリル(メタ)アクリレート、トリベンジルシリル(メタ)アクリレート、トリイソプロピルシリル(メタ)アクリレート、トリイソブチルシリル(メタ)アクリレート、トリ−s−ブチルシリル(メタ)アクリレート、トリ−2−メチルイソプロピルシリル(メタ)アクリレート、トリ−t−ブチルシリル(メタ)アクリレート、エチルジメチルシリル(メタ)アクリレート、n−ブチルジメチルシリル(メタ)アクリレート、ジイソプロピル−n−ブチルシリル(メタ)アクリレート、n−オクチルジ−n−ブチルシリル(メタ)アクリレート、ジイソプロピルステアリルシリル(メタ)アクリレート、ジシクロヘキシルフェニルシリル(メタ)アクリレート、t−ブチルジフェニルシリル(メタ)アクリレート、ラウリルジフェニルシリル(メタ)アクリレート等のオルガノシリル基含有ビニル単量体;
メタクリル酸、アクリル酸、ビニル安息香酸、テトラヒドロフタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフタル酸モノヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフタル酸モノヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、コハク酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、コハク酸モノヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、マレイン酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、マレイン酸モノヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のカルボキシ基含有エチレン性不飽和単量体;
アクリロニトリル、メタクリロニトニル等のシアノ基含有ビニル単量体;
アルキルビニルエーテル[たとえば、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル等]、シクロアルキルビニルエーテル[たとえば、シクロヘキシルビニルエーテル等]等のビニルエーテル単量体;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル単量体;
スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル単量体;
塩化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化オレフィン;等。
マクロモノマー(a)は、構成単位(a’)以外の他の構成単位をさらに有していてもよい。他の構成単位としては、例えば前述の単量体(a1)の例として挙げた単量体のうちCH=CRに該当しない単量体に由来する構成単位が挙げられる。
他の構成単位の好ましい具体例として、以下の単量体由来の構成単位が挙げられる。
トリイソプロピルシリルメチルマレート、トリイソプロピルシリルアミルマレート、トリ−n−ブチルシリル−n−ブチルマレート、t−ブチルジフェニルシリルメチルマレート、t−ブチルジフェニルシリル−n−ブチルマレート、トリイソプロピルシリルメチルフマレート、トリイソプロピルシリルアミルフマレート、トリ−n−ブチルシリル−n−ブチルフマレート、t−ブチルジフェニルシリルメチルフマレート、t−ブチルジフェニルシリル−n−ブチルフマレート等のオルガノシリル基含有ビニル単量体;
無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物基含有ビニル単量体;
クロトン酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸、シトラコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノオクチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノブチル、イタコン酸モノオクチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノブチル、フマル酸モノオクチル、シトラコン酸モノエチル等のカルボキシ基含有エチレン性不飽和単量体;
ジメチルマレート、ジブチルマレート、ジメチルフマレート、ジブチルフマレート、ジブチルイタコネート、ジパーフルオロシクロヘキシルフマレート等の不飽和ジカルボン酸ジエステル単量体;
塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン等のハロゲン化オレフィン;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、アリルメタクリレート、トリアリルシアヌレート、マレイン酸ジアリル、ポリプロピレングリコールジアリルエーテル等の多官能単量体等。
マクロモノマー(a)は、マクロモノマー(a)を構成する全構成単位の合計質量(100質量%)に対し、(メタ)アクリル系単量体由来の構成単位を50質量%以上含むことが好ましく、70質量%以上含むことがより好ましい。上限は特に限定されず、100質量%であってもよい。
(メタ)アクリル系単量体由来の構成単位としては、前記式(a’)中のRが水素原子又はメチル基であり、RがCOORである構成単位が好ましい。
マクロモノマー(a)としては、2以上の構成単位(a’)を含む主鎖の末端にラジカル重合性基が導入されたマクロモノマーが好ましく、下記式(1)で表されるマクロモノマーがより好ましい。
Figure 2018154811
(式中、Rは水素原子、非置換の若しくは置換基を有するアルキル基、非置換の若しくは置換基を有する脂環式基、非置換の若しくは置換基を有するアリール基、非置換の若しくは置換基を有するヘテロアリール基、非置換の若しくは置換基を有する非芳香族の複素環式基、非置換の若しくは置換基を有するアラルキル基、非置換の若しくは置換基を有するアルカリール基、非置換の若しくは置換基を有するオルガノシリル基、又は非置換の若しくは置換基を有する(ポリ)オルガノシロキサン基を示し、Qは2以上の構成単位(a’)を含む主鎖部分を示し、Zは末端基を示す。)
式(1)中、Rは、前述のCH=C(COOR)−CH−におけるRと同様であり、好ましい態様も同様である。
Qに含まれる2以上の構成単位(a’)はそれぞれ、同じでもよく異なってもよい。
Qは、構成単位(a’)のみからなるものでもよく、構成単位(a’)以外の他の構成単位をさらに含むものであってもよい。
Qは、構成単位(a’)として、前記式(a’)中のRが水素原子又はメチル基であり、RがCOORである構成単位を含むことが好ましい。該構成単位の割合は、Qを構成する全構成単位の合計質量(100質量%)に対し、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、100質量%であってもよい。
Qを構成する構成単位の数は、マクロモノマー(a)の数平均分子量が500以上10万以下となる範囲内が好ましい。数平均分子量のより好ましい範囲は後述の通りである。
Zとしては、例えば、公知のラジカル重合で得られるポリマーの末端基と同様に、水素原子、ラジカル重合開始剤に由来する基、ラジカル重合性基等が挙げられる。
マクロモノマー(a)としては、下記式(2)で表されるマクロモノマーが特に好ましい。
Figure 2018154811
(式中、R及びZはそれぞれ前記と同義であり、R21は水素原子又はメチル基を示し、R22は非置換の若しくは置換基を有するアルキル基、非置換の若しくは置換基を有する脂環式基、非置換の若しくは置換基を有するアリール基、非置換の若しくは置換基を有するへテロアリール基、非置換の若しくは置換基を有するアラルキル基、非置換の若しくは置換基を有するアルカリール基、非置換の若しくは置換基を有するオルガノシリル基、又は非置換の若しくは置換基を有する(ポリ)オルガノシロキサン基を示し、これらの基における置換基はそれぞれ、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、非芳香族の複素環式基、アラルキル基、アルカリール基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、エポキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、イソシアナト基、スルホン酸基及びハロゲン原子からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、nは2以上の自然数を示す。)
式(2)中、R22における各基は、COORのRで挙げたものと同様である。
nは2以上の自然数である。nは、マクロモノマー(a)の数平均分子量(Mn)が500以上10万以下となる範囲内である。数平均分子量の好ましい範囲は下記のとおりである。n個のR21はそれぞれ同じでも異なってもよい。n個のR22はそれぞれ同じでも異なってもよい。
マクロモノマー(a)が前記付加反応性の官能基を有し、このマクロモノマーをビニル単量体(b)由来の構成単位からなる重合体の官能基と付加させる場合、マクロモノマー(a)としては、前記付加反応性の官能基を一つ以上有し、上述の構成単位(a’)を2以上有するものであることが好ましい。構成単位(a’)としては、マクロモノマー(a)がラジカル重合性基を有する場合と同様のものを用いることできる。
上記マクロモノマー(a)以外にも、官能基を持つ化合物を、ビニル単量体(b)由来の構成単位からなる重合体の官能基と付加させることもできる。官能基を持つ化合物の例としては、X−22−173BX(信越化学工業(株)製、商品名)、X−22−173DX(信越化学工業(株)製、商品名)、X−22−170BX(信越化学工業(株)製、商品名)、X−22−170DX(信越化学工業(株)製、商品名)、X−22−176DX(信越化学工業(株)製、商品名)、X−22−176F(信越化学工業(株)製、商品名)、X−22−173GX−A(信越化学工業(株)製、商品名)等のシリコーン系化合物等が挙げられる。
マクロモノマー(a)を構成する単量体の組成は、典型的には、ビニル単量体(b)の組成とは異なる。組成は、単量体の種類及び含有割合を示す。
ビニル単量体(b)は後述する単量体(b1)を含む。そのため、マクロモノマー(a)を構成する単量体は、単量体(b1)を含まないか、含んでいても含有割合が異なる。
マクロモノマー(a)を構成する全構成単位の合計に対する単量体(b1)由来の構成単位の割合は、0〜20質量%が好ましい。
後述するG’10/G’80が15以下であることから、マクロモノマー(a)と、ビニル単量体(b)のみを重合して得られる重合体(以下、「重合体(B)」ともいう。)との間には、典型的には、極性の差がある。重合体(B)とマクロモノマー(a)との間の極性の差が大きいほど、G’10/G’80又は10〜80℃におけるG’max/G’minが小さくなり、1に近づく傾向がある。したがって、マクロモノマー(a)を構成する単量体の組成は、典型的には、重合体(B)との間に極性の差を生じる組成である。
マクロモノマー(a)は、単量体(b1)よりも高極性の単量体由来の構成単位を含むことが好ましい。これにより、単量体(b1)のみを重合して得られる重合体とマクロモノマー(a)との間の極性の差が大きくなり、後述するG’10/G’80及び10〜80℃におけるG’max/G’minが小さくなる。
単量体(b1)よりも高極性の単量体としては、アルキル基の炭素数が9未満の(メタ)アクリル酸エステル、カルボキシ基、水酸基、アミノ基、アミド基等の高極性官能基を有するビニル単量体等が挙げられ、重合時の収率や、粘着力の調整のし易さの点から、メタクリル酸メチルが好ましい。
マクロモノマー(a)を構成する全構成単位の合計に対するメタクリル酸メチル由来の構成単位の割合は、50質量%以上が好ましく、75質量%以上がより好ましく、100質量%であってもよい。
マクロモノマー(a)の数平均分子量(Mn)は、500以上10万以下が好ましく、800〜30000がより好ましく、900〜10000がさらに好ましく、1000〜5500が特に好ましい。マクロモノマー(a)の数平均分子量が前記範囲の下限値以上であれば、粘着層の耐久性がより優れる。マクロモノマー(a)の数平均分子量が前記範囲の上限値以下であれば、粘着剤用の配合物としたときの他成分との相溶性、ホットメルト加工性等がより優れる。
マクロモノマー(a)の数平均分子量は、ゲルろ過クロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレンを基準樹脂として測定される。
マクロモノマー(a)のガラス転移温度(以下「Tga」ともいう)は、0〜150℃が好ましく、10〜120℃がより好ましく、30〜100℃がさらに好ましい。Tgaが前記範囲の下限値以上であれば、粘着層としての耐久性がより優れる。Tgaが前記範囲の上限値以下であれば、加工性がより優れる。
Tgaは、示差走査熱量計(DSC)で測定することができる。
Tgaは、マクロモノマー(a)を形成する単量体の組成等によって調整できる。
マクロモノマー(a)は、公知の方法により製造したものを用いてもよく、市販のものを用いてもよい。
ラジカル重合性基を持つマクロモノマー(a)の製造方法としては、例えば、コバルト連鎖移動剤を用いて製造する方法、α−メチルスチレンダイマー等のα置換不飽和化合物を連鎖移動剤として用いる方法、開始剤を用いる方法、重合体にラジカル重合性基を化学的に結合させる方法、熱分解による方法等が挙げられる。
これらの中で、ラジカル重合性基を持つマクロモノマー(a)の製造方法としては、製造工程数が少なく、連鎖移動定数の高い触媒を使用する点で、コバルト連鎖移動剤を用いて製造する方法が好ましい。なお、コバルト連鎖移動剤を用いて製造した場合のマクロモノマー(a)は、前記式(1)で表される構造を有する。
コバルト連鎖移動剤を用いてマクロモノマー(a)を製造する方法としては、例えば、塊状重合法、溶液重合法、及び懸濁重合法、乳化重合法等の水系分散重合法が挙げられる。回収工程が簡便である点から、水系分散重合法が好ましく、懸濁重合法が更に好ましい。
重合体にラジカル重合性基を化学的に結合させる方法としては、例えば、ハロゲン基を有する重合体のハロゲン基を、ラジカル重合性の炭素−炭素二重結合を有する化合物で置換することにより製造する方法、酸基を有するビニル系単量体とエポキシ基を有するビニル系重合体とを反応させる方法、エポキシ基を有するビニル系重合体と酸基を有するビニル系単量体とを反応させる方法、水酸基を有するビニル系重合体とジイソシアネート化合物とを反応させ、イソシアネート基を有するビニル系重合体を得て、このビニル系重合体と水酸基を有するビニル系単量体とを反応させる方法等が挙げられ、いずれの方法によって製造されても構わない。
マクロモノマー(a)の数平均分子量は、重合開始剤や連鎖移動剤等によって調整できる。
ヒドロキシル基、イソシアネート基、エポキシ基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、チオール基、カルボジイミド基等の官能基を持つマクロモノマー(a)の製造方法としては、例えば該官能基を持つビニル系単量体を共重合する方法や、メルカプトエタノール、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸等の連鎖移動剤を用いる方法、2,2’−アゾビス(プロパン−2−カルボアミジン)、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2、2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]、2,2’アゾビス[2[1(2ヒドロキシエチル)2イミダゾリン2イル]プロパン]等の官能基を導入できる開始剤を用いる方法等が挙げられる。
<ビニル単量体(b)由来の構成単位>
ビニル単量体(b)は、エチレン性不飽和結合を有する、マクロモノマー(a)ではない単量体である。
ビニル単量体(b)は、少なくとも、アルキル基の炭素数が9以上であるアルキル(メタ)アクリレート(以下「単量体(b1)」ともいう。)を含む。
単量体(b1)は、アルキル基の炭素数が多いため、低極性である。ビニル単量体(b)が単量体(b1)を含むことで、重合体(B)とマクロモノマー(a)との間の極性の差が大きくなり、後述するG’10/G’80及び10〜80℃におけるG’max/G’minが小さくなる。また、単量体(b1)のアルキル基の炭素数が多いほど、G’10/G’80及びG’max/G’minが小さくなる傾向がある。
さらに、共重合体(A)が後述する粘着剤組成物(1)等の、重合性単官能化合物を含む粘着剤組成物に用いられる場合、ビニル単量体(b)が単量体(b1)を含むことで、共重合体(A)と重合性単官能化合物との相溶性がより優れる。すなわち、重合性単官能化合物としては、詳しくは後述するが、炭素数8以上の炭化水素基を有する重合性単官能化合物が用いられることが多い。単量体(b1)は炭素数9以上のアルキル基を有するため、共重合体(A)が単量体(b1)由来の構成単位を含むことで、相溶性が高まる。共重合体(A)と重合性単官能化合物との相溶性が高ければ、粘着剤組成物から形成される粘着層の透明性がより高まり、OCA、LOCA等の光学的透明性が要求される用途において有用である。
単量体(b1)の具体例としては、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソステアリル、(メタ)アクリル酸イコシル、(メタ)アクリル酸ベヘニル等が挙げられる。
単量体(b1)が有するアルキル基の炭素数は、9〜30が好ましく、10〜20がより好ましく、12〜18が特に好ましい。
ビニル単量体(b)の全量に対する単量体(b1)の割合は、30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、60質量%以上がさらに好ましく、80質量%以上が特に好ましく、100質量%であってもよい。ビニル単量体(b)における単量体(b1)の割合が多いほど、重合体(B)とマクロモノマー(a)との間の極性の差が大きくなり、G’10/G’80及び10〜80℃におけるG’max/G’minが小さくなる。
ビニル単量体(b)は、必要に応じて、単量体(b1)に加えて、単量体(b1)以外の他のビニル単量体をさらに含んでいてもよい。他のビニル単量体としては、前記で挙げたマクロモノマー(a)を得るための単量体のなかから適宜選択できる。
例えば、マクロモノマー(a)をビニル単量体(b)からなる重合体に付加させる場合は、他のビニル単量体として、マクロモノマー(a)の官能基と反応できる官能基を有するビニル単量体を含むことが適している。
粘着剤としての柔軟性の観点から、他のビニル単量体として、(メタ)アクリル酸エチルを含むことができる。
その他、好ましい他のビニル単量体として、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸メチル、スチレン、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルフォリン等が挙げられる。
重合体(B)とマクロモノマー(a)との間の極性の差を大きくする観点から、カルボキシ基、水酸基、アミノ基、アミド基等の高極性官能基を有するビニル単量体の割合は、ビニル単量体(b)の全量に対して20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下が更に好ましく、0質量%であってもよい。
ビニル単量体(b)は、ビニル単量体(b)のみを重合して得られる重合体(B)のガラス転移温度(TgB)が−100〜10℃となる組成を有することが好ましい。TgBは、−65〜0℃が好ましく、−60〜−10℃がより好ましい。TgBが前記範囲内であれば、共重合体(A1)を含む粘着剤組成物が適度な柔軟性、タック性を有する。
TgBは、ビニル単量体(b)が1種である場合は該ビニル単量体のホモポリマーのガラス転移温度であり、ビニル単量体(b)が複数種である場合は、複数種のビニル単量体各々のホモポリマーのガラス転移温度及び質量分率からFoxの計算式によって算出される値を意味する。
なお、Foxの計算式とは以下の式により求められる計算値であり、ポリマーハンドブック〔Polymer HandBook,J.Brandrup,Interscience,1989〕に記載されている値を用いて求めることができる(式中のTgがTgBに相当する)。
1/(273+Tg)=Σ(Wi/(273+Tgi))
(式中、Wiはモノマーiの質量分率、Tgiはモノマーiのホモポリマーのガラス転移温度(℃)を示す。)
前述のTgaとTgBとは、マクロモノマー(a)部分およびビニル単量体(b)由来の構成単位からなる部分それぞれの特性が十分に発現できる点から、下記式(3)の関係を有することが好ましい。つまりTga−TgB>0℃であることが好ましい。
Tga > TgB ・・・(3)
より好ましくはTga−TgB>50℃であり、最も好ましくはTga−TgB>80℃である。
<各構成単位の含有量>
共重合体(A1)中、マクロモノマー(a)由来の構成単位の含有量は、全構成単位の合計質量(100質量%)に対し、7〜60質量%が好ましく、8〜50質量%がより好ましく、9〜30質量%が特に好ましい。マクロモノマー(a)由来の構成単位の含有量が前記範囲の下限値以上であれば、粘着層としての耐久性がより優れる。マクロモノマー(a)由来の構成単位の含有量が前記範囲の上限値以下であれば、配合物としたときの他成分との相溶性やホットメルト加工性がより優れる。
共重合体(A1)中、ビニル単量体(b)由来の構成単位の含有量は、全構成単位の合計質量(100質量%)に対し、40〜93質量%が好ましく、50〜92質量%がより好ましく、50〜91質量%が特に好ましい。ビニル単量体(b)由来の構成単位の含有量が前記範囲の下限値以上であれば、配合物としたときの他成分との相溶性やホットメルト加工性がより優れる。ビニル単量体(b)由来の構成単位の含有量が前記範囲の上限値以下であれば、粘着層としての耐久性がより優れる。
<共重合体(A)の特性>
共重合体(A)は、G’10/G’80で表される比が、1以上15以下である。
ただし、G’10は、10℃における貯蔵弾性率G’(Pa)を示し、G’80は、80℃における貯蔵弾性率G’(Pa)を示す。
貯蔵弾性率G’は、後述する実施例に記載の方法により測定される。
G’10/G’80が1以上15以下であることは、10〜80℃の温度領域内において、貯蔵弾性率G’の変化が少ない(温度依存性が低い)ことを示す。
一般に、樹脂(共重合体)の貯蔵弾性率G’は温度が高くなるにつれて低くなる傾向があり、特に樹脂が架橋構造を有しない場合は低下率が大きい傾向がある。共重合体(A)のG’10/G’80が15以下であれば、共重合体(A)を含む粘着層の温度が上昇したときや、長時間に渡って、該粘着層の貯蔵弾性率G’が充分に維持され、該粘着層が変形しにくい。そのため、該粘着層を再剥離する際の糊残り等の不具合が生じにくい。また、粘着力の温度依存性が小さいため、多様な環境下での作業性が向上する。
G’10/G’80は、1以上9以下が好ましく、1以上5以下がさらに好ましく、1以上3以下が特に好ましい。
共重合体(A)は、10〜80℃における貯蔵弾性率G’(Pa)のうちの最大値G’maxと最小値G’ minとの比G’max/G’minが、1以上15以下であることが好ましい。
10〜80℃におけるG’max/G’minが1以上15以下であることは、G’10/G’80と同様、10〜80℃の温度領域内において、貯蔵弾性率G’の変化が少ない(温度依存性が低い)ことを示す。
10〜80℃におけるG’max/G’minは、1以上9以下が好ましく、1以上5以下がさらに好ましく、1以上3以下が特に好ましい。
典型的には、G’10が10〜80℃におけるG’maxであり、G’80が10〜80℃におけるG’minであり、G’10/G’80が10〜80℃におけるG’max/G’minである。
共重合体(A)は、80〜150℃における貯蔵弾性率G’(Pa)のうちの最大値G’ maxと最小値G’ minの比G’max/G’minが5以上であることが好ましく、7以上5000以下であることがより好ましく、10以上5000以下であることが更に好ましく、20以上5000以下であることが特に好ましい。
80〜150℃におけるG’maxが同程度である場合、共重合体(A)が低分子量であるほど、又は架橋度が低いほど、G’minが低くなり、G’max/G’minが大きくなる傾向がある。80〜150℃におけるG’max/G’minが前記範囲の下限値以上であれば、LOCA等の配合物としたときの他成分との相溶性、ホットメルト加工時の加工性等がより優れる。80〜150℃におけるG’max/G’minが前記範囲の上限値以下であれば、粘着層の耐久性がより優れる。
典型的には、80℃における貯蔵弾性率G’80が80〜150℃におけるG’maxであり、150℃における貯蔵弾性率G’150が80〜150℃におけるG’minであり、G’80/G’150が80〜150℃におけるG’max/G’minである。
共重合体(A)は、−50〜20℃における貯蔵弾性率G’(Pa)のうちの最大値G’maxと最小値G’minの比G’max/G’minが5以上であることが好ましく、5以上5000以下であることがより好ましく、10以上5000以下であることが更に好ましく、20以上5000以下であることが特に好ましい。
−50〜20℃におけるG’max/G’minが大きいほど、0℃付近での貯蔵弾性率の変動(低下)が大きいことを示す。−50〜20℃におけるG’max/G’minが前記範囲の下限値以上であれば、貼り合せ時の基材への追従性がより優れる。−50〜20℃におけるG’max/G’minが前記範囲の上限値以下であれば、粘着層の耐久性がより優れる。
典型的には、−50℃における貯蔵弾性率G’−50が−50〜20℃におけるG’maxであり、20℃における貯蔵弾性率G’20が−50〜20℃におけるG’minであり、G’−50/G’20が−50〜20℃におけるG’max/G’minである。
−50〜20℃におけるG’max/G’minは、共重合体(A)を形成する単量体の種類(例えば後述するビニル単量体(b)の種類)等により調整できる。
共重合体(A)は、−50〜20℃の間に損失弾性率G”のピークを持ち、そのピーク温度をX℃としたときに、下記式(3)で表されるYが10以上であることが好ましい。
G’(X−10)/G’(X+10)=Y ・・・(3)
ただし、G’(X−10)は、(X−10)℃における貯蔵弾性率G’(Pa)を示し、G’(X+10) は、(X+10)℃における貯蔵弾性率G’(Pa)を示す。
損失弾性率G”のピークを−50〜20℃の範囲に有することは、共重合体(A)のガラス転移温度がこの範囲にあることを示す。損失弾性率G”のピークを−50〜20℃の範囲に有し、かつYが10以上であると、粘着力が作業環境に影響を受けにくい点でより優れる。Yは30以上がより好ましく、100以上がさらに好ましい。
共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、1000〜100万が好ましく、3万〜100万がより好ましく、5万〜80万がさらに好ましく、5万〜50万がさらに好ましく、7万〜40万が特に好ましく、8万〜30万が最も好ましい。共重合体(A)の重量平均分子量が前記範囲の下限値以上であれば、形成される粘着層の耐久性が良好となる傾向がある。共重合体(A)の重量平均分子量が前記範囲の上限値以下であれば、粘着剤組成物の塗工性が良好となる傾向がある。
共重合体(A)の周波数100kHzにおける比誘電率は、3.5以下であることが好ましく、3.2以下が特に好ましい。比誘電率が低いほど、G’10/G’80又は10〜80℃におけるG’max/G’minが小さくなる傾向がある。比誘電率が上記上限値以下であれば、G’10/G’80又は10〜80℃におけるG’max/G’minが1以上15以下の範囲内となりやすい。
共重合体(A)は、架橋構造を有するものであってもよく、架橋構造を有しないものであってもよい。粘着剤組成物の塗布性、共重合体(A)の他成分との相溶性、ホットメルト加工性の点では、架橋構造を有しないものであることが好ましい。
<共重合体(A)の製造方法>
共重合体(A)の製造方法としては、例えば、以下の製造方法(α)、(β)等が挙げられる。ただし共重合体(A)の製造方法はこれらの限定されるものではない。
製造方法(α):ラジカル重合性基を有するマクロモノマー(a)と、単量体(b1)を含むビニル単量体(b)とを共重合する方法。
製造方法(β):前記付加反応性の官能基を有するマクロモノマー(a)と、単量体(b1)由来の構成単位及び前記付加反応性の官能基と反応可能な官能基を有するビニル単量体を含むビニル単量体(b)由来の構成単位からなる重合体とを反応させる方法。
共重合体(A)の製造方法としては、製造方法(α)が好ましい。すなわち共重合体(A)は、マクロモノマー(a)とビニル単量体(b)との共重合物であることが好ましい。かかる共重合物にあっては、マクロモノマー(a)由来の構成単位とビニル単量体(b)由来の構成単位とがランダムに配列している。つまり共重合体(A)の主鎖全体にわたって複数のマクロモノマー(a)に由来するポリマー鎖が結合している。このような重合物は、例えばビニル単量体(b)由来の構成単位からなるポリマー鎖の末端のみにマクロモノマー(a)由来の構成単位が結合しているような場合(例えば製造方法(β)により得られた共重合体)に比べて、粘着層としての耐久性が良好となる傾向がある。
製造方法(α)で重合する単量体の組成、すなわち重合する単量体の種類及び全単量体の合計質量に対する各単量体の含有量(質量%)は、共重合体(A)の組成、すなわち共重合体(A)を構成する単量体由来の構成単位の種類及び全構成単位の合計質量に対する各構成単位の含有量(質量%)と同様である。
例えば共重合体(A)におけるマクロモノマー(a)由来の構成単位の含有量が全構成単位の合計質量(100質量%)に対して7〜60質量%である場合、重合する全単量体の合計質量に対するマクロモノマー(a)の含有量は7〜60質量%とされる。
単量体の重合は、公知の重合開始剤を用いて、公知の方法で行えばよい。例えば、マクロモノマー(a)及びビニル単量体(b)をラジカル重合開始剤の存在下に60〜120℃の反応温度で4〜14時間反応させる方法が挙げられる。重合の際、必要に応じて、連鎖移動剤を用いてもよい。
重合方法としては、例えば、溶液重合法、懸濁重合法、塊状重合法、乳化重合法等の公知の重合方法が適用できる。成膜工程での乾燥性、塗膜性能の点で、共重合体(A)を含む粘着剤組成物中には水を含まないことが好ましい。粘着剤組成物中の水分量は10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、1質量%以下が最も好ましい。粘着剤組成物中の水分量は容量法カールフィッシャー法で測定できる。更に、粘着剤組成物中の水分量を少なくするために、共重合体(A)の製造工程中で水を含まない方が好ましい。共重合体(A)の製造工程中の水分量は10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、1質量%以下であることが最も好ましく、0質量%であってもよい。共重合体(A)の製造工程で水を含まない製造方法として溶液重合法が好ましい。
溶液重合は、例えば、重合容器内に重合溶媒、単量体及びラジカル重合開始剤を供給し、所定の反応温度に保持することにより実施できる。単量体は、全量を予め(重合容器内を所定の反応温度とする前に)重合容器に仕込んでもよく、重合容器内を所定の反応温度とした後に滴下供給してもよく、一部を予め重合容器に仕込み、残部を滴下供給してもよい。
ラジカル開始剤としては、公知のものを使用でき、例えば2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、過酸化ベンゾイル、クメンヒドロペルオキシド、ラウリルパーオキシド、ジメチル2,2’−アズビス(2−メチルプロピオネート)、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルパーオキ−2−エチルヘキサノエート等が挙げられる。
連鎖移動剤としては、公知のものを使用でき、例えばn−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類、チオグリコール酸オクチル等のチオグリコール酸エステル類、α−メチルスチレンダイマー、ターピノーレン等が挙げられる。
溶液重合における溶媒としては、例えばアセトン、トルエン、キシレン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、酢酸n−ブチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、エチル3−エトキシプロピオネート、イソプロピルアルコール等の一般の有機溶剤を使用できる。
(重合性単官能化合物)
本発明の粘着剤組成物は、必要に応じて、ラジカル重合性基を1つ有する重合性単官能化合物をさらに含むことができる。
重合性単官能化合物におけるラジカル重合性基としては、前記と同様のものが挙げられ、(メタ)アクリロイル基が好ましい。すなわち重合性単官能化合物は、(メタ)アクリロイル基を1つ有する単官能(メタ)アクリレートであることが好ましい。
重合性単官能化合物としては、前記で挙げたマクロモノマー(a)を得るための単量体と同様のものを用いることができる。
重合性単官能化合物としては、粘着剤としての柔軟性等の点から、炭素数4以上の炭化水素基を有する重合性単官能化合物が好ましい。該炭化水素基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられる。該炭化水素基の炭素数は、8〜30がより好ましい。
本発明の粘着剤組成物を液状粘着剤組成物とする場合、重合性単官能化合物としては、反応性希釈剤として機能するものが好ましい。反応性希釈剤として機能する重合性単官能化合物としては、典型的には、25℃にて液状の重合性単官能化合物が用いられる。このような重合性単官能化合物としてはマクロモノマー(a)を得るための単量体と同様のものを用いることができるこれらの重合性単官能化合物は、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
重合性単官能化合物としては、イソデシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリルアクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種が特に好ましい。
(オリゴマー成分)
本発明の粘着剤組成物は、必要に応じて、オリゴマー成分をさらに含むことができる。
オリゴマー成分としては、ウレタン系オリゴマー、ポリエステル系オリゴマー、アクリル系オリゴマー、ポリエーテル系オリゴマー、ポリオレフィン系オリゴマー等が挙げられる。これらは反応性二重結合を持つものでも良いし、官能基を持ち、粘着組成物中の他の成分と反応してもよく、また他の成分とは反応しないものでもよい。
(架橋剤)
本発明の粘着剤組成物は、必要に応じて、架橋剤をさらに含むことができる。粘着剤組成物が架橋剤を含むと、粘着剤組成物を硬化(架橋)させ、粘着層の架橋密度を高めることができる。これにより、粘着層の強度、耐久性等がより優れる傾向がある。なお、用途によっては、架橋剤を含む必要はない。また、共重合体(A)が自己架橋性を有する場合、例えば水酸基とイソシアナト基の両方を有する場合は、架橋剤を含まなくても充分な強度、耐久性等を得ることができる。
架橋剤としては、例えば、イソシアネート系、エポキシ系、金属キレート系、光硬化系等、メラミン系、アジリジン系等が挙げられる。これらの架橋剤は、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
イソシアネート系の架橋剤としては、例えば、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、前記芳香族ポリイソシアネートの水素添加物等の脂肪族または脂環族ポリイソシアネート、これらのポリイソシアネートの2量体又は3量体、これらのポリイソシアネートとトリメチロールプロパン等のポリオールとからなるアダクト体等が挙げられる。これらは、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
エポキシ系の架橋剤としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジン等が挙げられる。
金属キレート系の架橋剤としては、多価金属が有機化合物と共有結合または配位結合している化合物が挙げられる。前記多価金属としては、例えばアルミニウム、ニッケル、クロム、銅、鉄、スズ、チタン、亜鉛、コバルト、マンガン、ジルコニウム等が挙げられる。前記有機化合物としては、例えばアセチルアセトン等のケトン化合物、アルキルエステル、アルコール化合物、カルボン酸化合物、エーテル化合物等の、酸素原子を持つ有機化合物が挙げられる。
光硬化系の架橋剤は、紫外線等の活性エネルギー線が照射されると、光重合開始剤等の作用によって架橋反応する化合物である。
この種の架橋剤としては、例えば、ラジカル重合性基を2以上有する重合性多官能化合物;イソシアネート基、エポキシ基、メラミン基、グリコール基、シロキサン基及びアミノ基からなる群から選ばれる官能基を2個以上有する多官能有機樹脂;金属錯体を有する有機金属化合物等が挙げられる。金属錯体における金属としては、亜鉛、アルミニウム、ナトリウム、ジルコニウム、カルシウム等が挙げられる。
重合性多官能化合物におけるラジカル重合性基としては、前記と同様のものが挙げられ、(メタ)アクリロイル基が好ましい。すなわち重合性多官能化合物は、(メタ)アクリロイル基を2以上有する多官能(メタ)アクリレートであることが好ましい。
多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリアルキレングリコールジアクリレート、ビスフェノールA−EO/PO変性ジアクリレート、アルコキシ化ヘキサンジオールジアクリレート、ポリイソブチレンジアクリレート、アルコキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、アルコキシ化ペンタエリスリトールトリアクリレート、アルコキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルコキシ化ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート及びカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。これらの多官能(メタ)アクリレートは、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(反応開始剤)
本発明の粘着剤組成物は、必要に応じて、反応開始剤をさらに含むことができる。
反応開始剤としては、例えば光重合開始剤、熱重合開始剤等が挙げられる。
光重合開始剤としては、活性エネルギー線の照射により分解しラジカルを発生する化合物や、活性エネルギー照射により、配合物中の構成成分由来の水素を引き抜いてラジカルを発生させる化合物が挙げられる。
光重合開始剤としては、特に限定されず、公知の光重合開始剤を適宜用いることができ、例えば、ベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、1,2−オクタンジオン1−[4−(フェニルチオ)−2−(o−ベンゾイルオキシム)]、エタノン1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(o−アセチルオキシム)等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(充填剤)
本発明の粘着剤組成物は、必要に応じて、充填剤をさらに含むことができる。
充填剤は、例えば耐熱性、熱伝導性、難燃性、電気伝導性等を付与するために用いられる。充填剤としては、例えば、酸化亜鉛粉末、酸化チタン粉末等の金属系粉末、アセチレンブラック等のカーボンブラック、タルク、ガラスパウダー、シリカ粉末、導電性粒子、ガラス粉末等の無機充填剤;ポリエチレン粉末、ポリエステル粉末、ポリアミド粉末、フッ素樹脂粉末、ポリ塩化ビニル粉末、エポキシ樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末等の有機充填剤;等が挙げられる。これらの充填剤は、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(有機溶剤)
本発明の粘着剤組成物は、必要に応じて、塗工適性、成膜性等の向上のため、有機溶剤を含むことができる。
有機溶剤としては、共重合体(A)を溶解できるものであれば特に限定されず、例えばヘプタン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、オクタン、ミネラルスピリット等の炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、イソブタノール等のアルコール系溶剤;ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル等のエーテル系溶剤;コスモ石油社製のスワゾール310、スワゾール1000、スワゾール1500等の芳香族石油系溶剤等が挙げられる。これらの有機溶剤はいずれか1種を単独で、または2種以上を組合わせて用いることができる。
粘着剤組成物が活性エネルギー線硬化型の粘着剤組成物である場合、粘着剤組成物は、有機溶剤を実質的に含まないことが好ましい。有機溶剤を実質的に含まないとは、有機溶剤の含有量が、粘着剤組成物の総質量に対して1質量%以下であることを示す。有機溶剤の含有量は、0質量%であってもよい。有機溶剤の含有量は、ガスクロマトグラフィーにより測定できる。
(その他の添加剤)
本発明の粘着剤組成物は、必要に応じて、反応触媒、粘着付与樹脂、酸化防止剤、光安定化剤、金属不活性化剤、老化防止剤、吸湿剤、防錆剤、加水分解防止剤等の各種の添加剤を適宜含むことができる。
反応触媒としては、例えば三級アミン系化合物、四級アンモニウム系化合物、ラウリル酸スズ化合物等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えばフェノール系、リン系、ヒドロキシルアミン系、イオウ系等が挙げられる。中でも、加熱後の樹脂の着色が少ない点で、フェノール系、リン酸系の酸化防止剤が好ましい。これらは単独で使用してもよいし、数種類を組み合わせて使用してもよい。酸化防止剤の含有量は共重合体(A)100質量部に対して0.1〜5質量部が好ましい。
本発明の粘着剤組成物は、例えば前述の共重合体(A)を製造し、必要に応じて、得られた共重合体(A)に他の成分(重合性単官能化合物、架橋剤、光重合開始剤等)を配合することにより製造できる。
粘着剤組成物の組成は、粘着剤組成物の用途、使用形態等に応じて適宜設定できる。
(好ましい実施形態)
本発明の粘着剤組成物の好ましい実施形態として、以下の粘着剤組成物(1)〜(3)等が挙げられる。
<粘着剤組成物(1)>
粘着剤組成物(1)は、共重合体(A)と、ラジカル重合性基を1つ有する重合性単官能化合物と、ラジカル重合性基を2以上有する重合性多官能化合物と、光重合開始剤とを少なくとも含む液状の粘着剤組成物である。
粘着剤組成物(1)は、活性エネルギー線硬化型である。
「液状」とは、25℃にて液状を呈することを示す。液状粘着剤組成物(1)の25℃にてB型粘度計で測定される粘度は、1000〜80000mPa・sが好ましい。
粘着剤組成物(1)は、有機溶剤を実質的に含まないことが好ましい。
粘着剤組成物(1)は、必要に応じて、充填剤、オリゴマー成分、他の添加剤等をさらに含んでもよい。
粘着剤組成物(1)は、例えばLOCAとして用いることができる。
粘着剤組成物(1)中、共重合体(A)の含有量は、共重合体(A)と重合性単官能化合物との合計質量(100質量%)に対し、10〜80質量%が好ましく、15〜70質量%がより好ましい。
粘着剤組成物(1)中、前記重合性多官能化合物の含有量は、共重合体(A)と重合性単官能化合物との合計100質量部に対し、0.1〜50質量部が好ましく、0.5〜20質量部がより好ましい。
粘着剤組成物(1)中、光重合開始剤の含有量は、共重合体(A)100質量部に対し、0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。
<粘着剤組成物(2)>
粘着剤組成物(2)は、共重合体(A)を含むホットメルト型の粘着剤組成物である。
粘着剤組成物(2)は、25℃にて固体状である。
粘着剤組成物(2)は、有機溶剤を実質的に含まない。
粘着剤組成物(2)は、必要に応じて、重合性単官能化合物、架橋剤、反応開始剤、充填剤、オリゴマー成分、他の添加剤等をさらに含んでもよい。
粘着剤組成物(2)は、架橋剤を含むことが好ましい。これにより、粘着剤組成物(2)から形成される粘着層又は粘着シートを硬化(架橋)させることができる。
粘着剤組成物(2)は、架橋剤として、ラジカル重合性基を2以上有する重合性多官能化合物、反応開始剤として光重合開始剤を含む活性エネルギー線硬化型であることが好ましい。
粘着剤組成物(2)は、例えば透明両面粘着シート状に成形し、必要に応じて架橋させて、OCAとして用いることができる。
粘着剤組成物(2)中、共重合体(A)の含有量は、粘着剤組成物の総質量に対して70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、100質量%であってもよい。
粘着剤組成物(2)が架橋剤を含む場合、粘着剤組成物(2)中の架橋剤の含有量は、架橋剤の種類に応じて適宜設定できる。例えば架橋剤が前記重合性多官能化合物の場合、前記重合性多官能化合物の含有量は、共重合体(A)100質量部に対し、1〜20質量部が好ましく、3〜10質量部がより好ましい。
粘着剤組成物(2)が光重合開始剤を含む場合、光重合開始剤の含有量は、共重合体(A)100質量部に対し、0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。
<粘着剤組成物(3)>
粘着剤組成物(3)は、共重合体(A)及び有機溶剤を含む液状の粘着剤組成物である。
液状粘着剤組成物(3)の25℃にてB型粘度計で測定される粘度は、100〜80000mPa・sが好ましい。
粘着剤組成物(3)は、必要に応じて、重合性単官能化合物、架橋剤、反応開始剤、充填剤、オリゴマー成分、他の添加剤等をさらに含んでもよい。
粘着剤組成物(3)は、架橋剤を含むことが好ましい。これにより、粘着剤組成物(3)から形成される粘着層又は粘着シートを硬化(架橋)させることができる。
粘着剤組成物(3)は、架橋剤として、ラジカル重合性基を2以上有する重合性多官能化合物、反応開始剤として光重合開始剤を含む活性エネルギー線硬化型、または共重合体Aに含まれる官能基と熱により反応する化合物を含む熱硬化型であることが好ましい。
粘着剤組成物(3)は、例えば、粘着剤組成物(3)を剥離性基材上に塗布し、乾燥する等により透明両面粘着シート状に成形し、必要に応じて架橋させて、粘着剤として用いることができる。
粘着剤組成物(3)中、共重合体(A)の含有量は、粘着剤組成物(3)の固形分に対して70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、100質量%であってもよい。
粘着剤組成物(3)の固形分は、粘着剤組成物(3)から有機溶剤を除いた残分である。
粘着剤組成物(3)の固形分濃度は、粘着剤組成物(3)の粘度等を考慮して適宜設定でき、例えば10〜90質量%とすることができる。
粘着剤組成物(3)が架橋剤を含む場合、粘着剤組成物(3)中の架橋剤の含有量は、架橋剤の種類に応じて適宜設定できる。例えば架橋剤が前記重合性多官能化合物の場合、前記重合性多官能化合物の含有量は、共重合体(A)100質量部に対し、0.1〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。
架橋剤が前記熱硬化型の場合、架橋剤としては例えばイソシアネート系、エポキシ系、金属キレート系、光硬化系等、メラミン系、アジリジン系等の熱硬化型架橋剤が挙げられる。イソシアネート系、エポキシ系、金属キレート系等の架橋剤の具体例としては前記と同様のものが挙げられる。これらの架橋剤は1種を単独で使用することも2種以上を組み合わせて使用することもできる。
架橋剤が前記熱硬化型の場合、前記熱硬化型架橋剤の含有量は、共重合体(A)100質量部に対し、0.01〜10質量部が好ましく、0.1〜3質量部がより好ましい。
粘着剤組成物(3)が光重合開始剤を含む場合、光重合開始剤の含有量は、共重合体(A)100質量部に対し、0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。
(用途)
本発明の粘着剤組成物は、部材同士の貼り合わせ等に用いることができる。
貼り合わせの際、粘着剤組成物は、予めシート状に成形、または塗布し粘着シートとしたものを部材間に配置してもよく、シート状に成形していないものを直接、部材間に配置してもよい。
粘着シートについては後で詳しく説明する。
本発明の粘着剤組成物を用いて貼り合わせる部材としては、特に限定されない。例えば車両用、建築用等の窓貼りフィルムの貼り合わせ、ラベル表示におけるラベルの貼り合わせ等に用いることができる。
粘着剤組成物が透明である場合には、透明両面粘着シート状に加工し、OCAとして、液晶パネル等のディスプレイ表示における各種パネルの貼り合わせ、ガラス等の透明板材の貼り合わせ等に用いることができる。粘着剤組成物が透明かつ液状である場合には、そのままLOCAとして、そのような貼り合わせに用いることができる。
「透明」とは、厚さ150μmに調整した粘着シートをJIS K7361に準じた方法で測定したときのヘイズ値が10以下であることを示す。
前記部材の材質としては、例えばガラス、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、シリコーン樹脂等が挙げられる。
粘着剤組成物(1)を用いた、部材の貼り合わせ方法の一例を以下に示す。
まず、第一の部材の表面に、粘着剤組成物(1)を塗布して粘着層を形成し、その上に第二の部材を積層し、必要に応じて硬化させる。これにより、第一の部材と第二の部材とが粘着層を介して貼り合わされた積層体とされる。
粘着剤組成物(1)の塗布は、スリットコート、スピンコート等の公知のウェットコート法を用いて行うことができる。または、粘着剤組成物(1)を一定量塗布して第二の部材を貼り合せることで、第一の部材と第二の部材間に粘着剤組成物(1)を充填する方法でもよい。
粘着剤組成物(1)の塗布量は、形成される粘着層の厚さに応じて設定される。着層の厚さは、用途に応じて適宜設定でき、特に限定されないが、典型的には、10〜500μm程度である。
前記粘着剤組成物(1)が硬化可能なものである場合、第二の部材を積層する前又は後に、粘着層(粘着剤組成物(1))を硬化させてもよい。
粘着層の硬化方法は特に限定されない。例えば、粘着剤組成物(1)が、架橋剤としての多官能(メタ)アクリレートおよび光重合開始剤を含む場合、紫外線等の活性エネルギー線の照射によって粘着層を硬化(光硬化)させることができる。共重合体(A)が、水酸基等の反応性基を有し、粘着剤組成物(1)が、熱により前記反応性基と化学結合し得る架橋剤(イソシアネート系等)を含む場合、加熱によって粘着層を硬化(熱硬化)させることができる。
粘着層を光硬化させる場合、活性エネルギー線としては、汎用性の点から、紫外線が好ましい。紫外線の光源としては、例えばキセノンランプ、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。
粘着層を熱硬化させる場合、加熱手段としては、公知の加熱手段、例えば熱風炉、電気炉、赤外線誘導加熱炉等の乾燥炉を使用して行うことができる。加熱温度は、特に制限されるものではないが、50〜180℃程度が好ましい。加熱時間は、特に制限されるものではないが、10秒〜60分間程度が好ましい。
熱硬化の前に、欠陥の発生を防止するために、粘着剤組成物(1)が実質的に硬化しない加熱条件で、予備加熱、エアブロー等を行ってもよい。予備加熱は、例えば30〜100℃程度の温度で30秒〜15分間程度行うことができる。エアブローは、通常、塗装面に30〜100℃程度の温度に加熱された空気を30秒〜15分間程度吹き付けることにより行うことができる。
熱硬化の後、養生を行ってもよい。養生条件は、例えば0〜60℃で1〜10日間程度とすることができる。
(作用効果)
本発明の粘着剤組成物にあっては、共重合体(A)を含むことから、貼り合わせ後に再剥離する際に、糊残り等の不具合が生じにくい粘着層を形成できる。また、該粘着層は、粘着力の温度依存性が小さいため、多様な環境下での作業性が向上する。
共重合体(A)は、(メタ)アクリル系共重合体であることから、形成される粘着層は、耐久性や透明性にも優れる。また、共重合体(A)は、マクロモノマー(a)由来の構成単位と、ビニル単量体(b)由来の構成単位とを含むため、マクロモノマー(a)部分、ビニル単量体(b)由来の構成単位からなる部分それぞれの特性を発現させることができ、マクロモノマー(a)、ビニル単量体(b)それぞれの選択によってG’10/G’80を1以上15以下に調整できる。
〔粘着シート〕
本発明の粘着シートは、前記粘着剤組成物を用いた粘着シートである。
前記粘着剤組成物が硬化可能なものである場合、本発明の粘着シートは、前記粘着剤組成物からなるものであってもよく、前記粘着剤組成物の硬化物からなるものであってもよい。粘着シートの取り扱い性の点では、前記粘着剤組成物の硬化物からなることが好ましい。
本発明の粘着シートは、透明両面粘着シートであってよい。
本発明の粘着シートの厚さは、用途に応じて適宜設定でき、特に限定されないが、典型的には、10〜500μm程度である。
本発明の粘着シートは、粘着シートの片面又は両面に剥離性基材が積層した剥離性基材付き粘着シートとされていてもよい。
本発明の粘着シートは、前記粘着剤組成物をシート状に成形し、必要に応じて硬化させることにより製造できる。
粘着剤組成物の成形は、公知の方法により行うことができる。例えば、本発明の粘着剤組成物が固体状(例えば前記粘着剤組成物(2)である場合)、一対の剥離性基材の間に粘着剤組成物を配置し、一対の剥離性基材の両側から加熱して粘着剤組成物を溶融させ、シート状に成形する方法等が挙げられる。本発明の粘着剤組成物が液状である場合(例えば前記粘着剤組成物(1)又は(3)である場合)、剥離性基材に粘着剤組成物を塗布し、必要に応じて乾燥させてシート状に成形する方法等が挙げられる。
硬化は、前記粘着層の硬化と同様にして行うことができる。
本発明の粘着シートは、前記粘着剤組成物と同様に、部材同士の貼り合わせ等に用いることができる。
例えば、第一の部材の表面に、粘着シートを配置し、その上に第二の部材を積層し、必要に応じて硬化させる。これにより、第一の部材と第二の部材とが粘着シートを介して貼り合わされた積層体とされる。
(作用効果)
本発明の粘着シートにあっては、前記粘着剤組成物を用いたものであることから、貼り合わせ後に再剥離する際に、糊残り等の不具合が生じにくい粘着層を形成できる。また、該粘着層は、粘着力の温度依存性が小さいため、多様な環境下での作業性が向上する。
以下、本発明を実施例により更に詳しく説明するが、以下の実施例は本発明の範囲を限定するものではない。以下の各例において、「部」は「質量部」を示す。
各例で用いた測定方法を以下に示す。
<測定方法>
(マクロモノマーの数平均分子量)
マクロモノマーの数平均分子量(Mn)は、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)装置(東ソー株式会社製、HLC−8320)を用いて測定した。マクロモノマーの0.2質量%テトラヒドロフラン(THF)溶液を調製し、東ソー社製カラム(TSKgel SuperHZM−M×HZM−M×HZ2000、TSKguardcolumn SuperHZ−L)が装着された上記装置に上記溶液10μLを注入し、流量:0.35mL/分、溶離液:THF(安定剤:ブチルヒドロキシトルエン(BHT))、カラム温度:40℃の条件で測定し、標準ポリスチレン換算にて数平均分子量を算出した。
(共重合体の重量平均分子量)
共重合体の重量平均分子量(Mw)は、GPC装置(東ソー株式会社製、HLC−8120)を用いて測定した。共重合体の0.3質量%THF溶液を調製し、東ソー社製カラム(TSKgel SuperHM−H×4、TSKguardcolumn SuperH−H)が装着された上記装置に上記溶液20μLを注入し、流量:0.6mL/分、溶離液:THF(安定剤BHT)、カラム温度:40℃の条件で測定し、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量(Mw)を算出した。
(共重合体の粘弾性特性)
共重合体について、粘弾性測定装置(Reosol−G5000:株式会社ユービーエム製)を用い、以下の条件で動的粘弾性測定を行った。
測定周波数:1Hz、治具:Φ25mmパラレルプレート、測定ギャップ:1mm、歪み:4%、測定温度−50℃〜150℃、昇温速度:3℃/分。
測定結果から、G’−50〜G’20、G’10〜G’80、G’80〜G’150、を求め、それらの値から、G’10/G’80、G’80/G’150、G’−50/G’20、それぞれの温度領域でのG’max/G’minの各比を算出した。
また、−50℃〜20℃の損失弾性率G”のピーク有無を確認し、ピークがある場合はそのときの温度(℃)をXとし、(X−10)℃における貯蔵弾性率G’(X−10)(Pa)と(X+10)℃における貯蔵弾性率G’(X+10)(Pa)の値を用いて前記式(3)におけるYを求めた。
(共重合体の比誘電率)
共重合体の周波数100kHzにおける比誘電率は、共重合体を厚み125μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムと厚み50μmの剥離PETフィルムとの間に配置し、100℃の熱プレスによって150μmの厚みで製膜して得た試験片を用いて、以下の手順で測定した。
AGILENT社製のIMPEDANCE ANALYZER 4294Aに同社製の1451Bを接続して、周波数100kHzにおける試験片の静電容量Cを測定した。厚み125μmのPETフィルムの静電容量Cと、厚み50μmの剥離PETフィルムの静電容量Cも測定し、下記式(i)から試験片の静電容量Cを算出した。
(1/C)=(1/C)+(1/C)+(1/C) ・・・(i)
下記式(ii)から、試験片の比誘電率εrを算出し、その値を共重合体の比誘電率とした。なお、試験片の厚さはマイクロメーターで測定した。
=ε×ε×π×(L/2)2/d ・・・(ii)
ε:真空の誘電率=8.854×10−12
L:測定電極の直径=38mm、
d:粘着層の厚さ。
<合成例1>
(分散剤1の製造)
撹拌機、冷却管、温度計及び窒素ガス導入管を備えた重合装置中に、脱イオン水の900部、メタクリル酸2−スルホエチルナトリウムの60部、メタクリル酸カリウムの10部及びメタクリル酸メチル(MMA)の12部を入れて撹拌し、重合装置内を窒素置換しながら、50℃に昇温した。その中に、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩の0.08部を添加し、更に60℃に昇温した。昇温後、滴下ポンプを使用して、MMAを0.24部/分の速度で75分間連続的に滴下した。反応溶液を60℃で6時間保持した後、室温に冷却して、透明な水溶液である固形分10質量%の分散剤1を得た。
(連鎖移動剤1の製造)
撹拌装置を備えた合成装置中に、窒素雰囲気下で、酢酸コバルト(II)四水和物の1.00g及びジフェニルグリオキシムの1.93g、あらかじめ窒素バブリングにより脱酸素したジエチルエーテルの80mLを入れ、室温で30分間攪拌した。ついで、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体の10mLを加え、さらに6時間攪拌した。混合物をろ過し、固体をジエチルエーテルで洗浄し、15時間真空乾燥して、赤褐色固体である連鎖移動剤1を2.12g得た。
(マクロモノマーの製造)
撹拌機、冷却管、温度計及び窒素ガス導入管を備えた重合装置中に、脱イオン水の145部、硫酸ナトリウムの0.1部及び分散剤1(固形分10質量%)の0.25部を入れて撹拌し、均一な水溶液とした。次に、MMAの100部、連鎖移動剤1の0.004部及び重合開始剤としてパーオクタ(登録商標)O(1,1,3,3−テトラメチルブチル パーオキシ2−エチルヘキサノエート、日本油脂株式会社製)の0.4部を加え、水性懸濁液とした。
次に、重合装置内を窒素置換し、80℃に昇温して3.5時間反応し、さらに重合率を上げるため、90℃に昇温して1時間保持した。その後、反応液を40℃に冷却して、マクロモノマーを含む水性懸濁液を得た。この水性懸濁液をフィルタで濾過し、フィルタ上に残った残留物を脱イオン水で洗浄し、脱水し、40℃で16時間乾燥して、マクロモノマー(a−1)を得た。このマクロモノマー(a−1)の数平均分子量は3000であった。
<合成例2>
合成例1の(マクロモノマーの製造)において、重合開始剤及び連鎖移動剤の仕込み量を表1に示すようにした以外は合成例1と同様にして、マクロモノマー(a−2)を得た。このマクロモノマー(a−2)の数平均分子量は6700であった。
<実施例1>
(共重合体溶液の調製)
撹拌装置、温度計、冷却管、窒素ガス導入口を備えた四つ口フラスコに、初期仕込み溶剤として酢酸エチルの40部及びイソプロピルアルコール(IPA)の10部、初期仕込み単量体としてマクロモノマー(a−1)の10部及びアクリル酸ラウリル(LA)の5部を入れ、窒素ガス通気下で外温を85℃に昇温した。外温が85℃に達し、内温が安定した後、酢酸エチルの20部、アクリル酸ラウリル(LA)の85部、重合開始剤であるナイパーBMT−K40(日油製、商品名)の0.13部からなる混合物を4時間かけて滴下した。滴下終了後1時間保持した後、パーオクタOの0.5部及び酢酸エチルの10部からなる混合物を1時間かけて添加した。その後、2時間保持した後、酸化防止剤(BASF社製、商品名「イルガノックス(登録商標)1010」)の0.5部を投入し、固形分((モノマー+溶剤仕込量)中のモノマー仕込量の割合)が50%になるように酢酸エチルを添加した後、室温まで冷却して、共重合体溶液(A−1)を得た。この共重合体溶液を実施例1の粘着剤組成物とした。得られた粘着剤組成物を用い、以下の手順で粘着シートを作製し、粘着力評価及び保持力評価を行った。結果を表2に示す。
(粘着シートの作製)
厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に共重合体溶液を、500μmアプリケーターで塗工し、90℃で1.5時間乾燥して粘着層を形成した。乾燥後の粘着層の表面に厚さ50μmの剥離PETフィルムを貼り合せ、PET−粘着層−剥離PETの構成の粘着シートを得た。剥離PETフィルムは、剥離処理されたPETフィルムを意味する。
(粘着力の評価)
粘着シートを25mm幅、長さ300mmの短冊状に裁断し、剥離PETフィルムを剥がして粘着層を露出させ、30mm×100mmのステンレス(SUS)板に、2kgのハンドローラーを用いて、貼り合せ面が25mm×100mmになるように貼り合せ、23℃で5分間静置した後、JIS Z 0237に準拠して、剥離角度180°、引張速度300mm/minで、SUS板に対する剥離強度(N/25mm)を測定した。
静置時の温度を80℃とした以外は上記と同様にして、SUS板に対する剥離強度(N/25mm)を測定した。
23℃での剥離強度をE(N/25mm)、80℃での剥離強度をF(N/25mm)としてE/Fの値を算出した。E/Fの値から、下記の基準で粘着力を判定した。結果を表2に示す。
A:E/Fが5以下。
B:E/Fが5より大きい。
(糊残りの評価)
粘着力の評価において23℃と80℃それぞれの剥離強度測定後のSUS板を目視で確認し、糊残りの有無を確認し、下記の基準で評価した。結果を表2に示す。
A:糊残りなし。
B:一部糊残りが見られるが問題ないレベル。
C:糊残りあり。
(保持力の評価)
粘着シートを25mm×100mmの短冊状に裁断し、剥離PETフィルムを剥がして粘着層を露出させ、30mm×100mmのステンレス(SUS)板に、2kgのハンドローラーを用いて、貼り合わせ面が20×25mmとなるように水平に貼り合わせた。JIS Z 0237に準拠して、40℃で30分間養生した後、PETフィルムの先に1kgの重りをつけて40℃の恒温槽に入れ、粘着層が剥がれて重りが落下するまでの時間(保持時間)を測定した。以下の基準に従って保持力を判定した。結果を表2に示す。
A:保持時間が、60分以上。
B:保持時間が、30分以上60分未満。
C:保持時間が、30分未満。
<実施例2〜6、比較例1〜2>
初期仕込み単量体及び昇温後に滴下する混合物に配合する単量体(滴下単量体)それぞれの種類及び量(部)を表2に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、共重合体溶液(A−2)〜(A−8)を得て、粘着力、糊残り、保持力を評価した。結果を表2に示す。なお、(A−8)は、マクロモノマー(a)を用いなかった例である。
共重合体溶液(A−1)〜(A−8)それぞれに含まれる共重合体の重量平均分子量(Mw)、比誘電率、粘弾性特性(G’−50、G’10、G’20、G’80、G’150、G’10/G’80、G’80/G’150、G’−50/G’20、温度X、前記式(3)におけるY)を表2に示す。G’に付した数値は測定温度を示す。
<実施例7>
実施例1で得た共重合体溶液(A−1)の80部を130℃で6時間真空乾燥し、溶剤を脱溶剤した固形樹脂とした後、アクリル酸2−エチルヘキシル(EHA)60部と、PETA(新中村化学社製、商品名「NKエステルTMM−3L」 ペンタエリスリトールトリアクリレート)10部と、光重合開始剤(BASF社製、商品名「IRGACURE(登録商標)184」、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)3部とを混合して、液状の粘着剤組成物を調製した。得られた粘着剤組成物について、以下の手順で、試験片を作製し、実施例1と同様にして、粘着力、糊残り、保持力を評価した。結果を表3に示す。
(試験片の作製)
38μmPETフィルム上に粘着剤組成物を、粘着層の厚みが50μmになるようにアプリケーターで塗工して粘着層を形成し、得られた試験片を以下の条件で紫外線(UV)を照射して粘着層を硬化させ、粘着層の表面に厚さ50μmの剥離PETフィルムを貼り合せ、PET−粘着層−剥離PETの構成の試験片を得た。
「照射条件」
光源:高圧水銀ランプ、照射強度:200mW/cm、積算光量:3000mJ/cm
<実施例8>
用いる材料の組成を表3に示すようにした以外は実施例7と同様にして、液状の粘着剤組成物を調製した。得られた粘着剤組成物について、実施例7と同様にして、試験片を作製し、粘着力、糊残り、保持力を評価した。結果を表3に示す。
<実施例9>
実施例1で得た共重合体溶液(A−1)の200部をポリイソシアネート(「コロネートL」、東ソー社製、商品名)(PCI)0.24部とを混合して、液状の粘着剤組成物を調製した。得られた粘着剤組成物について、以下の手順で、試験片を作製し、実施例1と同様にして粘着力、糊残り、保持力を評価した。結果を表4に示す。
(試験片の作製)
38μmPETフィルム上に粘着剤組成物を、500μmアプリケーターで塗工し、120℃で1時間乾燥して粘着層を形成し、粘着層の表面に剥離PETフィルムを貼り合せた後、50℃で3日養生してPET−粘着層−剥離PETの構成の試験片を得た。
<実施例10>
用いる材料の組成を表4に示すようにした以外は実施例9と同様にして、液状の粘着剤組成物を調製した。得られた粘着剤組成物について、実施例9と同様にして、試験片を作製し、粘着力、糊残り、保持力を評価した。結果を表4に示す。
Figure 2018154811
Figure 2018154811
Figure 2018154811
Figure 2018154811
表中の略号の意味は以下のとおりである。
MMA:メタクリル酸メチル。
LA:アクリル酸ラウリル。
IDAA:イソデシルアクリレート。
BA:アクリル酸n−ブチル。
AA:アクリル酸。
HEA:ヒドロキシエチルアクリレート。
FM−0711:サイラプレーンFM−0711(JNC(株)製、商品名)、オルガノシリル基含有単量体。
EHA:アクリル酸2−エチルヘキシル。
PETA:ペンタエリスリトールトリアクリレート(新中村化学工業社製、商品名「NKエステル TMM−3L」)。
PIC:東ソー社製、商品名「コロネートL」。
Irg184:BASF社製、商品名「IRGACURE184」。
IPA:イソプロピルアルコール。
共重合体(A−1)〜(A−6)においては、G’10が10〜80℃におけるG’max、G’80が10〜80℃におけるG’minであり、G’10/G’80が10〜80℃におけるG’max/G’minであった。また、G’80が80〜150℃におけるG’max、G’150が80〜150℃におけるG’minであり、G’80/G’150が80〜150℃におけるG’max/G’minであった。また、G’−50が−50〜20℃におけるG’max、G’20が−50〜20℃におけるG’minであり、G’−50/G’20が−50〜20℃におけるG’max/G’minであった。
G’10/G’80(10〜80℃におけるG’max/G’min)が1以上15以下の共重合体を含む実施例1〜10の粘着剤組成物を用いた粘着シートは、粘着力評価、糊残り評価、保持力評価のいずれにおいても良好な結果が得られた。
G’10/G’80が15超の共重合体を含む比較例1の粘着剤組成物を用いた粘着シートは、80℃での粘着力試験後の糊残りがみられた。
G’10/G’80が15超であり、さらにマクロモノマー(a)を用いていない共重合体を含む比較例2の粘着剤組成物を用いた粘着シートは、23℃と80℃の粘着力の比E/Fが5よりも大きく、80℃の剥離強度測定後に糊残りもみられた。また、保持力評価においても劣っていた。

Claims (12)

  1. マクロモノマー(a)由来の構成単位と、ビニル単量体(b)由来の構成単位とを有する(メタ)アクリル系共重合体(A)を含み、
    前記ビニル単量体(b)が、アルキル基の炭素数が9以上であるアルキル(メタ)アクリレートを含み、
    前記(メタ)アクリル系共重合体(A)のG’10/G’80で表される比が1以上15以下である粘着剤組成物。
    ただし、G’10は、10℃における貯蔵弾性率G’(Pa)を示し、G’80は、80℃における貯蔵弾性率G’(Pa)を示す。
  2. 前記(メタ)アクリル系共重合体(A)の10〜80℃における貯蔵弾性率G’(Pa)のうちの最大値G’maxと最小値G’minとの比G’max/G’minが1以上15以下である請求項1に記載の粘着剤組成物。
  3. 前記(メタ)アクリル系共重合体(A)の80〜150℃における貯蔵弾性率G’(Pa)のうちの最大値G’maxと最小値G’minの比G’max/G’minが5以上である請求項1又は2に記載の粘着剤組成物。
  4. 前記(メタ)アクリル系共重合体(A)の−50〜20℃における貯蔵弾性率G’(Pa)のうちの最大値G’maxと最小値G’minの比G’max/G’minが5以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
  5. 前記(メタ)アクリル系共重合体(A)が、−50〜20℃の間に損失弾性率G”のピークを持ち、そのピーク温度をX℃としたときに、下記式(3)で表されるYが10以上である請求項1〜4のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
    G’(X−10)/G’(X+10)=Y ・・・(3)
    ただし、G’(X−10)は、(X−10)℃における貯蔵弾性率G’(Pa)を示し、G’(X+10) は、(X+10)℃における貯蔵弾性率G’(Pa)を示す。
  6. 前記マクロモノマー(a)の数平均分子量が500以上10万以下である請求項1〜5のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
  7. 前記(メタ)アクリル系共重合体(A)の重量平均分子量が1000〜100万である請求項1〜6のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
  8. 前記マクロモノマー(a)が、ラジカル重合性基を有し、かつ下記式(a’)で表される構成単位を2以上有する請求項1〜7のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
    Figure 2018154811
    (式中、Rは水素原子、メチル基又はCHOHを示し、RはOR、ハロゲン原子、COR、COOR、CN、CONR、NHCOR、又はRを示し、
    〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、非置換の若しくは置換基を有するアルキル基、非置換の若しくは置換基を有する脂環式基、非置換の若しくは置換基を有するアリール基、非置換の若しくは置換基を有するへテロアリール基、非置換の若しくは置換基を有する非芳香族の複素環式基、非置換の若しくは置換基を有するアラルキル基、非置換の若しくは置換基を有するアルカリール基、非置換の若しくは置換基を有するオルガノシリル基、又は非置換の若しくは置換基を有する(ポリ)オルガノシロキサン基を示し、これらの基における置換基はそれぞれ、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、非芳香族の複素環式基、アラルキル基、アルカリール基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、エポキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、イソシアナト基、スルホン酸基及びハロゲン原子からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、Rは非置換の若しくは置換基を有するアリール基、又は非置換の若しくは置換基を有するヘテロアリール基、又は非置換の若しくは置換基を有する非芳香族の複素環式基を示し、これらの基における置換基はそれぞれ、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、非芳香族の複素環式基、アラルキル基、アルカリール基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、エポキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、イソシアナト基、スルホン酸基、非置換の若しくは置換基を有するアルキル基、非置換の若しくは置換基を有するアリール基、非置換の若しくは置換基を有するオレフィン基及びハロゲン原子からなる群から選ばれる少なくとも1種である。)
  9. 前記マクロモノマー(a)が下記式(1)で表される請求項8に記載の粘着剤組成物。
    Figure 2018154811
    (式中、Rは水素原子、非置換の若しくは置換基を有するアルキル基、非置換の若しくは置換基を有する脂環式基、非置換の若しくは置換基を有するアリール基、非置換の若しくは置換基を有するヘテロアリール基、非置換の若しくは置換基を有する非芳香族の複素環式基、非置換の若しくは置換基を有するアラルキル基、非置換の若しくは置換基を有するアルカリール基、非置換の若しくは置換基を有するオルガノシリル基、又は非置換の若しくは置換基を有する(ポリ)オルガノシロキサン基を示し、Qは2以上の前記式(a’)で表される構成単位を含む主鎖部分を示し、Zは末端基を示す。)
  10. 前記マクロモノマー(a)が、該マクロモノマー(a)を構成する全構成単位の合計質量(100質量%)に対し、(メタ)アクリロイル基を有する単量体由来の構成単位を50質量%以上含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
  11. 前記(メタ)アクリル系共重合体(A)の周波数100kHzにおける比誘電率が3.5以下である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の粘着剤組成物を用いた粘着シート。
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